(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リビング等は家族が集う共用スペースであり、学習を阻害する過度な外部刺激を受けやすい環境にあるため、特許文献1に開示されるような間仕切りの無いオープンな形態のテーブルでは、学習に集中できないことがある。
【0005】
リビング等にはソファなどの様々な家具が設置され、また、間口が狭い場合があることから、パーツ単位で搬入することができ、かつ、室内において簡易に組立てられる間仕切り付組立式デスクがあると便宜である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、リビング等の室内に搬入して簡易に組み立てることができ、学習などの各種作業に集中し易い間仕切り付組立式デスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の間仕切り付組立式デスクは、
水平に配置され作業面を形成する略直方体形状の天板と、
前記天板の左側面側に配置され、前記天板の左側端部が載置される左側天板受けが上下方向中間部に設けられる左側面パネル体と、
前記天板の右側面側に配置され、前記天板の右側端部が載置される右側天板受けが上下方向中間部に設けられる右側面パネル体と、
前記天板の背面側に配置される背面パネル体と、
前記左側面パネル体と前記背面パネル体とを着脱可能に磁着する第1の磁着手段と、
前記右側面パネル体と前記背面パネル体とを着脱可能に磁着する第2の磁着手段と、
を有することを特徴とする。磁着手段には、磁石と鉄板との組合せに限られず、磁石同士の組合せや、磁石と当該磁石の磁力により引き付けられる磁性を帯びる各種材料との組合せが含まれる。
【0008】
前述の間仕切り付組立式デスクは、好ましくは、前記左側天板受け及び前記右側天板受けのそれぞれには突起部が立設されており、前記天板の底面側の両側端部には前記突起部のそれぞれが挿入される穴が穿設されており、前記天板と前記背面パネル体とを着脱可能に磁着する第3の磁着手段、を有する。
【0009】
本発明の間仕切り付組立式デスクは、更に好ましくは、前記左側面パネル体、前記右側面パネル体、及び前記背面パネル体のそれぞれが、垂直方向に配置され角柱状の部材よりなる複数の柱部材と水平方向に配置され当該柱部材を相互に連結する角柱状の部材よりなる横架材とを備えており、前記第1の磁着手段が、前記背面パネル体側に配置される前記左側面パネル体の柱部材と、前記左側面パネル体側に配置される前記背面パネル体の柱部材とに取り付けられており、前記第2の磁着手段が、前記背面パネル体側に配置される前記右側面パネル体の柱部材と、前記右側面パネル体側に配置される前記背面パネル体の柱部材とに取り付けられている。かかる形態の間仕切り付組立式デスクにおいては、前記左側面パネル体の横架材又は前記右側面パネル体の横架材に載置される第1連結部と、前記背面パネル体の横架材に載置される第2連結部とを備える背面側コーナー部材と、前記第1連結部と前記第1連結部が載置される横架材とを着脱可能に磁着する第4の磁着手段と、前記第2連結部と前記背面パネル体の横架材とを着脱可能に磁着する第5の磁着手段と、を有するようにしても良い。
【0010】
前述の間仕切り付組立式デスクは、前記天板の正面側に配置される門形の正面パネル体と、前記左側面パネル体と前記正面パネル体とを着脱可能に磁着する第6の磁着手段と、前記右側面パネル体と前記正面パネル体とを着脱可能に磁着する第7の磁着手段と、を有するようにしても良い。かかる形態の間仕切り付組立式デスクにおいては、前記左側面パネル体、前記右側面パネル体、前記背面パネル体、及び前記正面パネル体を相互に連結することにより形成される自立ユニットの上方開口部にはめ込まれる枠部を備え、当該上方開口部を覆う天井パネル体と、前記天井パネル体の枠部と前記自立ユニットとを着脱可能に磁着する第8の磁着手段と、を有するようにしても良い。
【0011】
前述した第1ないし第8の磁着手段は、マグネットシートと当該マグネットシートに磁着する鉄板との組合せからなることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、リビング等の室内に搬入して簡易に組み立てることができ、学習などの各種作業に集中し易い間仕切り付組立式デスクを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適宜図面を参照しつつ本発明を具体的に説明するが、本発明は図面に示す実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて適宜変更可能である。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態である間仕切り付組立式デスク1の組立状態説明図であり、
図2は、
図1に示す間仕切り付組立式デスク1の組立て後の状態を示す斜視図である。本発明に係る間仕切り付組立式デスクは、リビングやダイニングといった屋内の部屋に設置して使用することを想定しており、パネル体などの複数のパーツに分割された状態で(
図1参照)、室内の所望の設置場所まで運搬搬入され、組み立て後の状態(
図2参照)において、椅子(図示省略)に腰掛けて、又は、スタンディングデスクとして利用されるものである。次に、間仕切り付組立式デスク1の構成を説明する。
【0016】
間仕切り付組立式デスク1は、A)水平に配置され作業面201を形成する略直方体形状の天板2と、B)天板2の左側面側に配置され、天板2の左側端部が載置される左側天板受け6が上下方向中間部に設けられる左側面パネル体3と、C)天板2の右側面側に配置され、天板2の右側端部が載置される右側天板受け7(
図4参照)が上下方向中間部に設けられる右側面パネル体4と、D)天板2の背面側に配置される背面パネル体5と、E)左側面パネル体3と背面パネル体5とを着脱可能に磁着する第1の磁着手段15と、F)右側面パネル体4と背面パネル体5とを着脱可能に磁着する第2の磁着手段16と、を有する。第1ないし第2の磁着手段15、16は、いずれも、マグネットシートと当該マグネットシートに磁着する、即ち、マグネットシートの磁力により引き付けられる鉄板との組合せからなる。
【0017】
天板2は略直方体形状の木製部材であり、木製の左側面パネル体3が天板2の左側面と略平行に配置され、木製の右側面パネル体4が天板2の右側面と略平行に配置され、同じく木製の背面パネル体5が天板2の背面と略平行に配置される。なお、後述する正面パネル体11及び天井パネル体12を含め、本発明に係る間仕切り付組立式デスクを構成する各パネル体は、木のぬくもりや香りを感じることのできる木製が好ましいが、これに限られず、透明アクリル板や樹脂製シート、段ボール等を用いて形成するようにしても良い。
【0018】
左側天板受け6は、左側面パネル体3の内面(天板2が配置される側の面)の上下方向(高さ方向)中間部(図示する場合には、上下方向の中心よりやや下側の位置)に設けられている。同様に、右側天板受け7は、右側面パネル体4の内面(天板2が配置される側の面)の上下方向(高さ方向)中間部に設けられている。天板2を水平に配置すべく、各天板受け6、7は、同一の高さ位置に同一形状の角材を固定することで、天板2の載置面が同一の高さとなるように形成されている。なお、各天板受け6、7が設けられる上述の上下方向中間部には、各側面パネル体3、4の上下方向中心位置から上方向又は下方向に一定程度離隔した位置を含むものであるが、好ましくは、利用者の体格に応じ、作業面201が座って作業する、又は、立って作業するのに適する高さとなる位置に設定される。
【0019】
上記構成を有する間仕切り付組立式デスク1によれば、工具を要することなく、各パーツ(部品)を着脱可能に磁着する、即ち、磁石の磁力により連結して相互に着脱可能に取り付けるだけで組み立てることができる。すなわち、天板2を配置したい位置の左側に左側面パネル体3を直立させた後、背面パネル体5の左辺部を略直角方向から突き当てて第1の磁着手段を介して相互に連結することにより、背面パネル体5及び左側面パネル体3を自立させる。次いで、右側面パネル体4を、背面パネル体5の右辺部に略直角方向から突き当てて第2の磁着手段を介して相互に連結することにより、三方がパネル体で囲われた空間を形成する。最後に、この空間内に天板2を入れて、左側天板受け6及び右側天板受け7上に載置することにより、組み立て作業が完了する。間仕切り付組立式デスク1は、構成部品の点数が少なく、各部品の配置(取り付け位置)が各部品の形状や磁着手段の取付け位置から直感的に理解できることからも組み立てが容易である。なお、上記組み立て手順は一例に過ぎない。
【0020】
組立て後の間仕切り付組立式デスク1においては、各側面パネル体3、4が作業面201より突出して間仕切りとしての機能を果たすため、学習などの各種作業に集中し易いプライベート空間(個室)を提供することができる。従って、家族が集う共用スペース内においても過度な外部刺激を受けることなく、学習等の各種作業に集中することができ、学習効果や作業性の向上を図ることができる。正面側に開口する出入り口部から内部の様子を伺うことができるため、子供のリビング学習用の机として用いる場合でも、家族の目線が注がれる空間内で学習することができ、高い学習効果が期待される。各部品は磁石(マグネットシート)の磁力により着脱可能に連結されているため、解体し易く、運搬移動が簡便で、かつ、再組立てが容易である。間仕切り付組立式デスク1は、後述する天井パネル体を含まない形態であるため、開放的であり、室内の光を取り込み易い。なお、図示する場合には、各パネル体3、4、5は同一の高さ寸法に設定されているが、居室の壁面に接して設置する場合には背面パネル体は高さが低いものであっても良い。また、後述する天井パネル体12を有する場合には、好ましくは、各パネル体3、4、5は、起立したときに頭が天井パネル体2にぶつからない高さ寸法に設定される。
【0021】
次に、各パネル体3、4、5の構成を説明する。なお、説明の便宜上、組立て後の状態において、外面側に配置される面を正面とする。また、後記骨組み部及び壁部を形成するための固定手段は任意であり、例えば、釘や接着剤を用いても良い。また、骨組み部を構成する後記柱部材は、木製に限られず、プラスチック等の樹脂製、鉄やアルミニウム等の金属製でも良く、その形態は専ら横断面が四角形状の角材により説明しているが、パネル体を支える柱としての機能を有する形状であればこれに限られない。
【0022】
図3は、
図1の左側面パネル体3を示す図であり、特に、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は背面図である。左側面パネル体3は、垂直方向に配置され角柱状の部材(角材)よりなる左右一対の柱部材301、302と、水平方向に配置され柱部材301、302を相互に連結する同じく角材よりなる上下一対の横架材303、304とを備える骨組み部、及び、当該骨組み部の一面側(外面となる側)に略同一寸法の複数の板材305を連続的に固定してなり壁面を形成する壁部により構成される。本実施の形態においては、水平方向に配置され角材よりなる左側天板受け6が、柱部材301、302に連結固定されることにより骨組み部の一部を構成している。
【0023】
図4は、
図1の右側面パネル体4を示す図であり、特に、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は背面図である。右側面パネル体4は、垂直方向に配置され角材よりなる左右一対の柱部材401、402と、水平方向に配置され柱部材401、402を相互に連結する同じく角材よりなる上下一対の横架材403、404とを備える骨組み部、及び、当該骨組み部の一面側(外面となる側)に略同一寸法の複数の板材405を連続的に固定してなり壁面を形成する壁部により構成される。本実施の形態においては、水平方向に配置され角材よりなる右側天板受け7が、柱部材403、404に連結固定されることにより骨組み部の一部を構成している。なお、右側面パネル体4は、左側面パネル体3と左右対称の形状である。
【0024】
図5は、
図1の背面パネル体5を示す図であり、特に、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は背面図である。背面パネル体5は、垂直方向に配置され角材よりなる左右一対の柱部材501、502と、水平方向に配置され柱部材501、502を相互に連結する同じく角材よりなる上下一対の横架材503、504とを備える骨組み部、及び、当該骨組み部の一面側に略同一寸法の複数の板材505を連続的に固定してなり壁面を形成する壁部と、により構成される。なお、後述する鉄板192を取り付けるための角材よりなる横架材が、上下方向略中間部に配置され、柱部材501、502に連結固定されることにより骨組み部の一部を構成している。
【0025】
上述の構成を有する各パネル体3、4、5に対し、第1の磁着手段15が、背面パネル体5側に配置される左側面パネル体3の柱部材301と、左側面パネル体3側に配置される背面パネル体5の柱部材501とに取り付けられており、第2の磁着手段16が、背面パネル体5側に配置される右側面パネル体4の柱部材401と、右側面パネル体4側に配置される背面パネル体5の柱部材502とに取り付けられている。かかる構成を有することにより、角柱状の部材よりなる柱部材の連結面同士を当接させて磁着することができ、また、組立時の位置合わせが容易であるため、組立て易さが向上する。加えて、第1及び第2の磁着手段15、16の取付面(連結面)を広く確保することができ、マグネットシートの磁力でも使用に耐え得る連結強度を確保できる。
【0026】
すなわち、第1の磁着手段15はマグネットシート151とマグネットシート151に磁着する鉄板152との組合せからなるところ、左側面パネル体3の奥側(背面側)の柱部材301のうち組立て時に背面パネル体5の柱部材501に組み付けられる側の面(連結面)にはマグネットシート151が取り付けられており、背面パネル体5の背面側の柱部材501のうち組立て時に左側面パネル体3の柱部材301に組み付けられる側の面(連結面)には鉄板152が取り付けられている。かかる構成とすることにより、マグネットシート151及び鉄板152の取付面(連結面)を広く確保することができ、左側面パネル体3と背面パネル体5とを強固に連結できる。同様に、第2の磁着手段16を構成するマグネットシート161が右側面パネル体4の柱部材401に取り付けられ、鉄板162が背面パネル体5の柱部材502とに取り付けられているが、その構成及び効果は、前述した第1の磁着手段の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0027】
なお、相互に磁着される部材のうち、マグネットシート又は鉄板をいずれの部材に取り付けるかは任意であり、例えば、図示する場合とは逆に、左側面パネル体3の柱部材301に鉄板を取り付け、背面パネル体5の柱部材501にマグネットシートを取り付けるようにしても良く、マグネットシートと鉄板とを互い違いに取り付けるようにしても良い。また、磁着手段(第2ないし第8等の後述する磁着手段を含む)としては、磁石同士の組合せでも良く、磁石はマグネットシートに限らず、また、鉄板に代えて各種磁性体を用いても良いが、マグネットシートと鉄板との組合せによれば、反発しあうことが無いため位置合わせが容易である。また、マグネットシート及び鉄板はいずれも薄片であるため、連結される部材同士の隙間を狭くすることができ、まとまりの良いデスクを構築することができる。なお、第2の磁着手段及び後述する第3ないし第8の磁着手段についても、マグネットシートと当該マグネットシートに磁着する鉄板との組合せからなるところ、第1の磁着手段と同様、磁着される部材のうちのどちらの部材にマグネットシートを取り付け、どちらの部材に鉄板を取り付けるかは任意であり、また、鉄板と互い違いに取り付けても良いことは、前述した場合と同様であり、以下この点についての説明を省略する。
【0028】
本発明に係る間仕切り付組立式デスク1は、強風に晒されない室内に設置して使用されることを想定しており、上述の構成による場合であっても室内用のデスクとしての使用に耐え得る剛性ないし強度を確保することができるが、以下の構成を有することにより、間仕切り付組立式デスクの剛性ないし強度を向上させることができる。
【0029】
すなわち、左側天板受け6及び右側天板受け7のそれぞれには突起部601、701が上方に向けて立設されており、天板2の底面側の両側端部には突起部601、701のそれぞれが挿入される穴202、203が穿設されている。
【0030】
図6は、
図1の天板2を底面側から示す斜視図である。
図6に示すように、穴202、203は、天板2の底面側の両側端部に2箇所ずつ設けられており、これらの穴202、203に突起部601、701が挿入されることにより、左側面パネル体3及び右側面パネル体4同士を、天板2を介して連結することができ、側面パネル体の位置ズレを防止し、間仕切り付組立式デスク1の剛性ないし強度を向上させることができる。なお、突起部601、701は、例えば、ダボを用いて形成することができる。なお、穴や突起部の形状及び個数は任意である。
【0031】
さらに、間仕切り付組立式デスク1は、天板2と背面パネル体5とを着脱可能に磁着する第3の磁着手段17を有する。第3の磁着手段17は、マグネットシートと当該マグネットシートに磁着する鉄板との組合せからなり、図示する場合には、天板2の背面(背面パネル体5に対向して配置される面)にはマグネットシート171が取り付けられており、背面パネル体5の所定の高さ位置(天板受け6、7に載置された天板2の背面と対向する位置)には鉄板172が取り付けられている。上述のとおり、天板2は突起部601、701に挿入されており前後方向への移動が規制されているため、かかる天板2と背面パネル体5とを第3の磁着手段17を介して連結することにより、背面パネル体5のバタつき(位置ズレ)を防止し、間仕切り付組立式デスク1の剛性ないし強度を向上させることができる。
【0032】
前述のとおり、左側面パネル体3、右側面パネル体4、及び背面パネル体5のそれぞれが、一対の柱部材を相互に連結する角柱状の部材よりなる横架材304、404、504を備えている場合には、背面側コーナー部材8、9を取り付けることにより、間仕切り付組立式デスク1の強度ないし剛性の向上を図るようにしても良い。第1の背面側コーナー部材8は、左側面パネル体3の横架材304に載置される第1連結部801と、背面パネル体5の横架材504に載置される第2連結部802とを備える。さらに、第1連結部801と第1連結部801が載置される横架材304とを着脱可能に磁着する第4の磁着手段と、第2連結部802と背面パネル体5の横架材504とを着脱可能に磁着する第5の磁着手段と、を有する。なお、第1連結部801と第2連結部802との間には、載置したとき柱部材301、302が入り込む略直角の切欠き部が形成されている。
【0033】
図7は、
図1の第1の背面側コーナー部材8を底面側から示す斜視図である。第4の磁着手段は、第1連結部801に取り付けられるマグネットシート181と、左側面パネル体3の横架材304に取り付けられる鉄板182との組み合わせからなる。また、第5の磁着手段は、第2連結部802に取り付けられるマグネットシート191と、背面パネル体5の横架材504に取り付けられる鉄板192との組み合わせからなる。前述の第1及び第2の磁着手段15、16は取付面(連結面)が垂直方向に設けられる一方、第3及び第4の磁着手段によれば水平方向に取付面(連結面)が形成されることから、背面側コーナー部材8を取り付けることにより、磁着手段15、16を引き離す方向の外力に対しても間仕切り付組立式デスク1の剛性ないし強度を向上させることができる。第2の背面側コーナー部材9は、第1の背面側コーナー部材8と同様の構成を有するので、説明を省略する。また、第2の背面側コーナー部材9と右側面パネル体4及び背面パネル体5とを磁着する磁着手段は、前述の第4及び第5の磁着手段と同様の構成を有するので、説明を省略する。なお、コーナー部材が載置される各横架材は、好ましくは、図示するように載置面が同一の高さとなるように設けられる。
【0034】
図8は、本発明の第2の実施の形態である間仕切り付組立式デスク10の組立状態説明図であり、
図9は、
図8に示す間仕切り付組立式デスク10の組立て後の状態を示す斜視図である。かかる実施の形態は、第1の実施の形態に係る間仕切り付組立式デスク1に、正面パネル体11、天井パネル体12、及び正面側コーナー部材13、14等を付加してなるものであり、間仕切り付組立式デスク1と同一の部品又は部位については同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
間仕切り付組立式デスク10は、天板2の正面側において、背面パネル体5と略平行に対向して配置され、左側面パネル体3’及び右側面パネル体4’のそれぞれと略直角に当接する門形の正面パネル体11と、左側面パネル体3’と正面パネル体11とを着脱可能に磁着する第6の磁着手段と、右側面パネル体4’と正面パネル体11とを着脱可能に磁着する第7の磁着手段と、を有する。かかる構成を有することにより、正面パネル11を介して左側面パネル体3’及び右側面パネル体4’の前端側が連結されるので、間仕切り付組立式デスク10全体の剛性ないし強度の向上が図られる。正面パネル体11は門形に開口しており、この開口部から出入り可能である。
【0036】
図10は、
図8の左側面パネル体3’を示す図であり、特に、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は背面図である。左側面パネル体3’は、柱部材302にマグネットシート221が取り付けられている他は、左側面パネル体3と同一の構成であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、
図8の右側面パネル体4’を示す図であり、特に、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は背面図である。右側面パネル体4’は、柱部材401にマグネットシート231が取り付けられている他は、右側面パネル体4と同一の構成であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
図12は、
図8の正面パネル体11を示す図であり、特に、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は背面図である。正面パネル体11は、左パネル部と、右パネル部と、これらのパネル部を連結することにより門形の開口部を形成する梁材119とにより構成される。左パネル部は、角材よりなる柱部材111、112と、柱部材111、112を相互に連結する同じく角材よりなる上下一対の横架材113、114を備える骨組み部と、当該骨組み部に板材を固定してなり壁面を形成する壁部と、により構成される。同様に、右パネル部は、角材よりなる柱部材115、116と、柱部材115、116を相互に連結する同じく角材よりなる上下一対の横架材117、118を備える骨組み部と、当該骨組み部に板材を固定してなり壁面を形成する壁部と、により構成される。
【0038】
前述のとおり、第6の磁着手段は、マグネットシートと当該マグネットシートに磁着する鉄板との組合せからなるところ、正面パネル体11側に配置される左側面パネル体3’の柱部材302にはマグネットシート211が取り付けられ、左側面パネル体3’側に配置される正面パネル体11の柱部材111には鉄板212が取り付けられている。同様に、第7の磁着手段は、マグネットシートと当該マグネットシートに磁着する鉄板との組合せからなるところ、正面パネル体11側に配置される右側面パネル体4’の柱部材402にはマグネットシート221が取り付けられ、右側面パネル体4’側に配置される正面パネル体11の柱部材115には鉄板222が取り付けられている。かかる構成を有することにより、第6及び第7の磁着手段の取付面(連結面)を広く確保することができ、側面パネル体3’、4’と正面パネル体11とを強固に連結できる。角柱状の部材よりなる柱部材の連結面同士を当接すれば連結することができ、また、組立時の位置合わせが容易であり、組み立てやすくなる。
【0039】
間仕切り付組立式デスク10には、天板2の上面側に配置され、屋根としての機能を兼ねる天井パネル体12を設けることができる。すなわち、間仕切り付組立式デスク1は、左側面パネル体3’、右側面パネル体4’、背面パネル体5、及び正面パネル体11を相互に連結することにより形成される自立ユニットの上方開口部にはめ込まれる枠部121を備え、当該上方開口部を覆う天井パネル体12と、天井パネル体12の枠部121と自立ユニットとを着脱可能に磁着する第8の磁着手段と、を有する。枠部121は、自立ユニットの上方開口部に対応して、角材をロ字状に配置固定してなり、枠部121のうち左側面パネル体3’及び右側面パネル体4’に対向する面にはマグネットシート231が取り付けられ、左側面パネル体3’及び右側面パネル体4’のうちマグネットシート231に対向して配置される箇所(図示する場合には梁部材303、403の内面)には鉄板232が取り付けられることにより、左側面パネル体3’と右側面パネル体4’とが天井パネル体12を介して連結するようになっている。かかる構成を有することにより、間仕切り付組立式デスク10全体の剛性ないし強度の向上が図られる。
【0040】
天井パネル体12は、傾斜の無い平面上の屋根(陸屋根)であるが、切妻型、片流れ型、方形型、かまぼこ型等の任意の形状を適宜設計変更のうえ選択することができる。天井パネル体を設けることで、子供にとっては、自分の部屋が与えられたかのような気分を演出できる。
【0041】
間仕切り付組立式デスク10は、第1及び第2の正面側コーナー部材13、14を、正面パネル体11の横架材114、118及び各側面パネル体3、4の横架材304、404のそれぞれに磁石の磁力により着脱可能に連結する(磁着する)ための、マグネットシートと当該マグネットシートに磁着する鉄板との組合せよりなる磁着手段を有する。なお、正面側コーナー部材13、14及び当該磁着手段の構成及び効果については、前述した背面側コーナー部材8及び第4及び第5の磁着手段と同様の構成及び効果であるので、説明を省略する。
【0042】
各パネル体を構成する各部の寸法はその用途や設置箇所等に応じて任意に設定されるが、例えば、組立てたときに直角の角部を形成するように設定すると見栄えが良い(
図2、
図9参照)。また、横幅及び間口を広くして2人用の座席を確保するようにしても良い。
【0043】
本発明を構成する各パネル体、天板やコーナー部材は着脱可能に連結されているので、容易に解体することができる。リビング等においては、模様替えにより家具の配置が変更されることがあるが、間仕切り付組立式デスク1、10は解体が容易であるため、新たな場所に移動して、組立て直すことも容易に行える。その他、パーツ単位での交換が可能であるため、例えば、天板のサイズ(作業スペース)を拡大したり、天板2の高さ(天板受け6、7の高さ)を変えたり、棚板を増設したりといった、用途や仕様の変更に対しても、一部のパーツを交換することにより実現することができる。
【0044】
本発明は、上記実施の形態ないし実施例に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形実施が可能である。例えば、左側天板受け及び右側天板受けからなる一対の天板受けを、例えば、着座して作業するのに適する高さと、立って作業するのに適する高さの二箇所に設けておくことにより、いわゆるスタンディングデスクに切り替えて利用することもできる。また、上記実施の形態ないし実施例においては、各パネル体で区切られた空間内には天板2のみが設置されているが、本やペン立て等を載せるための棚板(図示省略)を設けるようにしても良い。棚板の構成は、天板2と同様であり、背面パネル体の内面や側面パネル体の内面に、天板受けと同様の構成の棚板受けを突設し、当該棚板受けに棚板を載置することにより設けられる。本発明に係る間仕切り付組立式デスクには、電線や各種ケーブルを通すため、壁部に孔を設けたり、図示するように地面と各パネル体の壁部との間に隙間が空くようにしても良く、演出又は装飾として煙突や開閉式窓を設けたり、塗色したりしても良い。
【0045】
背面パネル体5などの各パネル体のそれぞれを、複数の分割されたパーツにより構成しても良い。例えば、大形である背面パネル体を、左右二つに分割し、それぞれの分割体の分割面に磁着手段を設けておくことにより、運搬移動し易く、かつ、設置現場において、相互に磁着して一体として背面パネル体を構成できるようにしても良い。各パネル体の壁部は、一枚の合板パネルにより形成しても良く、一定の間隔(隙間)を設けて固定される複数の板材により形成するようにしても良い。
【0046】
間仕切り付組立式デスクの剛性ないし強度の向上を図るための手段としては、上述した各コーナー部材に代えて、ターンバックルを用いても良い。すなわち、各パネル体の横架材にフックを設け、当該フックにターンバックルを掛け留めて横架材同士を緊結するようにしても良い。かかる手段は、各パネル体が大形である場合に特に有効である。
【解決手段】間仕切り付組立式デスク1は、水平に配置され作業面201を形成する略直方体形状の天板2と、天板2の左側面側に配置され、天板2の左側端部が載置される左側天板受け6が上下方向中間部に設けられる左側面パネル体3と、天板2の右側面側に配置され、天板2の右側端部が載置される右側天板受け7(
参照)が上下方向中間部に設けられる右側面パネル体4と、天板2の背面側に配置される背面パネル体5と、左側面パネル体3と背面パネル体5とを着脱可能に磁着する第1の磁着手段15と、右側面パネル体4と背面パネル体5とを着脱可能に磁着する第2の磁着手段16と、を有する。