(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のクロロゲン酸類含有製剤の製造方法について説明する。
本発明のクロロゲン酸類含有製剤の製造方法は、第1の工程と、第2の工程と、第3の工程とを含むものである。以下、各工程について詳細に説明する。
【0011】
(第1の工程)
第1の工程は、コーヒー豆を充填したカラム型抽出機に、コーヒー豆の質量に対する通液倍数(BV)として1〜8(v/w)の熱水を通液して抽出する工程である。
【0012】
コーヒー豆の豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種及びアラブスタ種のいずれでもよい。また、コーヒー豆の産地は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジャロ、マンデリン、ブルーマウンテン、グアテマラ、ベトナム等が挙げられる。
【0013】
コーヒー豆は、生コーヒー豆でも、焙煎コーヒー豆でもよいが、クロロゲン酸類含量の点から、生コーヒー豆、浅焙煎コーヒー豆が好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値は、クロロゲン酸類含量の点から、27以上が好ましく、29以上がより好ましく、35以上が更に好ましく、また風味の観点から、62未満が好ましく、60以下がより好ましく、55以下が更に好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値の範囲としては、好ましくは27以上62未満、より好ましくは29以上60以下、更に好ましくは35以上55以下である。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。
【0014】
コーヒー豆は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。2種以上のコーヒー豆を使用する場合、豆種や産地の異なるコーヒー豆だけでなく、焙煎度の異なるコーヒー豆を混合して使用することも可能である。焙煎度の異なるコーヒー豆を使用する場合、L値が上記範囲外のものを用いても差し支えないが、L値の平均値が上記範囲内となるように適宜組み合わせて使用することが好ましい。L値の平均値は、コーヒー豆のL値に、当該コーヒー豆の含有比率を乗じた値の総和として求められる。
【0015】
焙煎コーヒー豆は、生コーヒー豆を焙煎したものでも、市販品でもよい。焙煎方法は特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、焙煎温度は好ましくは180〜300℃、より好ましくは190〜280℃、更に好ましくは200〜280℃であり、加熱時間は所望の焙煎度が得られるように適宜設定可能である。また、焙煎装置としては、例えば、焙煎豆静置型、焙煎豆移送型、焙煎豆攪拌型等の装置を使用できる。具体的には、棚式乾燥機、コンベア式乾燥機、回転ドラム型乾燥機、回転V型乾燥機等が挙げられる。加熱方式としては、直火式、熱風式、半熱風式、遠赤外線式、赤外線式、マイクロ波式、過熱水蒸気式等が挙げられる。
【0016】
また、コーヒー豆は、未粉砕のものでも、粉砕したものでもよいが、クロロゲン酸類の抽出効率、濁り除去の観点から、粉砕したものが好ましい。粉砕方法は特に限定されず、公知の方法及び装置を用いることができる。例えば、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル、インパクトミル、ウィレー粉砕機等の粉砕装置を挙げることができる。カッターミルとしては、例えば、ロールグラインダー、フラットカッター、コニカルカッター、グレードグラインダーを挙げることができる。
【0017】
粉砕コーヒー豆の平均粒径は適宜選択することが可能であるが、クロロゲン酸類の抽出効率の観点から、5mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましく、1.5mm以下が更に好ましく、また生産効率、濁り除去の観点から、0.001mm以上が好ましく、0.01mm以上がより好ましく、0.05mm以上が更に好ましい。かかる平均粒径の範囲としては、好ましくは0.001〜5mm、より好ましくは0.01〜2.5mm、更に好ましくは0.05〜1.5mmである。ここで、本明細書において「平均粒径」とは、レーザ回折・散乱法粒度分布測定装置により測定される体積基準の累積粒度分布曲線において50%(d
50)に相当する粒子径である。また、Tyler標準篩、ASTM標準篩、JIS標準篩等を用いて平均粒径が上記範囲内となるように分級することも可能である。
【0018】
抽出に使用するカラム型抽出機としては、例えば、熱水の供給口と、コーヒー抽出液の排出口とを備えるものであれば特に限定されないが、抽出機の底部に熱水を供給するためのバルブと、上部に熱水を供給するためのシャワーノズルと、コーヒー抽出液を排出するためのバルブと、コーヒー豆を保持するための保持板を備えるものが好適に使用される。保持板としては、コーヒー豆と、コーヒー抽出液とを分離できれば特に限定されないが、例えば、金網(メッシュ)、パンチングメタル等を挙げることができる。保持板の形状としては、平板状、円錐状、角錐状等が挙げられる。また、保持板の開口径は、コーヒー豆の平均粒径より小さければ特に限定されず、適宜選択することができる。
また、カラム型抽出機にコーヒー豆を仕込む方法としては、コーヒー豆をカラム型抽出機内に投入すればよいが、2種以上のコーヒー豆を使用する場合には、カラム型抽出機に2種以上のコーヒー豆を混合したものを仕込んでも、コーヒー豆を種類ごとに層状に仕込んでもよい。
【0019】
抽出に使用する熱水の温度は、クロロゲン酸類の抽出効率の観点から、70℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましく、90℃以上がより更に好ましい。なお、熱水の温度の上限は、通常100℃以下であるが、99℃以下が好ましく、98℃以下が更に好ましい。熱水の温度範囲としては、好ましくは70〜100℃、より好ましくは80〜99℃、更に好ましくは90〜98℃である。
水の種類としては、水道水、天然水、蒸留水、イオン交換水等を適宜選択して使用することができる。中でも、味の面から、イオン交換水が好ましい。
【0020】
熱水は、カラム型抽出機の下方から上方(上昇流)、あるいはカラム型抽出機の上方から下方(下降流)に供給することができるが、閉塞防止の観点から、上昇流が好ましい。また、カラム型抽出機の下方から熱水を供給すると同時に、カラム型抽出機の上部のシャワーノズルから熱水を供給してもよい。更に、カラム型抽出機の下方から熱水を所定量供給した後、カラム型抽出機の上部のシャワーノズルから熱水を供給してもよい。この場合、下方からの熱水の供給量は適宜設定可能であるが、カラム型抽出機内のコーヒー豆が熱水に浸漬し得る量であることが好ましい。
【0021】
熱水の通液量は、コーヒー豆の質量に対する通液倍数(BV)として1〜8(v/w)であるが、クロロゲン酸類の回収率の観点から、2.1(v/w)以上が好ましく、2.5(v/w)以上がより好ましく、3.0(v/w)以上がより好ましく、3.5(v/w)以上がより更に好ましく、また濁り除去の観点から、7(v/w)以下が好ましく、6(v/w)以下がより好ましく、5(v/w)以下がより好ましく、4.5(v/w)以下がより更に好ましい。かかる通液倍数(BV)の範囲としては、好ましくは2.1〜7(v/w)、より好ましくは2.5〜6(v/w)、更に好ましくは3.0〜5(v/w)、より更に好ましくは3.5〜4.5(v/w)である。
【0022】
また、熱水の通液速度は、クロロゲン酸類の抽出効率の観点から、空間速度(SV)として0.5[hr
-1]以上が好ましく、1[hr
-1]以上がより好ましく、2[hr
-1]以上が更に好ましく、そして50[hr
-1]以下が好ましく、10[hr
-1]以下がより好ましく、8[hr
-1]以下が更に好ましい。かかる空間速度の範囲としては、好ましくは0.5〜50[hr
-1]、より好ましくは1〜10[hr
-1]、更に好ましくは2〜8[hr
-1]である。
【0023】
第1の工程後、得られたコーヒー抽出液を、例えば、ろ紙ろ過、膜ろ過等のろ過に供してもよい。
ろ紙ろ過においては、ろ紙上にろ過助剤をプレコートしてもよく、ろ過助剤としては、例えば、珪藻土、セルロース又はこれらを組み合わせたものを挙げられる。ろ過助剤の使用量は、適宜選択することができる。また、加圧ろ過、吸引ろ過等のろ過方法も採用することもできる。
膜ろ過による処理条件としては、一般的なろ過条件で処理することができる。膜孔径は、ろ過効率、クロロゲン酸類の回収率、濁り除去の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.15μm以上がより好ましく、0.2μm以上が更に好ましく、そして10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、2μm以下が更に好ましい。かかる膜孔径の範囲としては、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.15〜5μm、更に好ましくは0.2〜2μmである。なお、膜孔径の測定方法としては、水銀圧入法、バブルポイント試験、細菌ろ過法等を用いた一般的な測定方法が挙げられるが、バブルポイント試験で求めた値を用いることが好ましい。膜ろ過で使用する膜の材質としては、例えば、高分子膜、セラミック膜、ステンレス膜等が挙げることができる。
【0024】
(第2の工程)
第2の工程は、第1の工程により得られたコーヒー抽出液中のクロロゲン酸類の濃度を0.1〜10質量%、かつpHを2〜4に調整する工程である。
【0025】
コーヒー抽出液中のクロロゲン酸類の濃度は0.1〜10質量%に調整するが、濁り除去の観点から、0.15質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.25質量%以上が更に好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、そして8質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、4質量%以下が更に好ましく、3.2質量%以下が更に好ましい。かかるクロロゲン酸類の濃度の範囲としては、好ましくは0.15〜8質量%、より好ましくは0.2〜6質量%、更に好ましくは0.25〜4質量%、更に好ましくは0.5〜3.2質量%である。なお、クロロゲン酸類の濃度調整方法としては、例えば、水希釈、濃縮等が挙げられ、適宜選択することができる。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸を併せての総称であり、本発明においては上記6種うち少なくとも1種を含有すればよい。なお、クロロゲン酸類の含有量は上記6種の合計量に基づいて定義される。
【0026】
また、コーヒー抽出液のpH(20℃)は2〜4に調整するが、風味、濁り除去の観点から、2.1以上が好ましく、2.2以上がより好ましく、2.3以上が更に好ましく、また濁り除去の観点から、3.9以下が好ましく、3.7以下が好ましく、3.5以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは2.1〜3.9、より好ましくは2.2〜3.8、更に好ましくは2.3〜3.5である。
【0027】
pH調整方法としては、例えば、コーヒー抽出液に酸を添加する方法、コーヒー抽出液をカチオン交換樹脂に接触させる方法等が挙げられる。pH調整は、1種又は2種以上を組み合わせて行うことができる。また、酸水溶液を用いて、クロロゲン酸類の濃度とpHとを同時に調整してもよい。
【0028】
pH調整に使用する酸としては、例えば、クエン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等の有機酸、燐酸、塩酸等の無機酸又はそれらの塩が挙げられる。また、カチオン交換樹脂としては、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等を有するカチオン交換樹脂が挙げられ、中でもスルホン酸基を有するカチオン交換樹脂が好ましい。市販品として、例えば、アンバーライト200CT、アンバーライトIR120B、アンバーライトIR124、アンバーライトIR118(以上、オルガノ社(供給元:米国ローム&ハース社))、ダイヤイオンSK1B、ダイヤイオンSK1BH、ダイヤイオンSK102、ダイヤイオンPK208、ダイヤイオンPK212(以上、三菱化学社製)等を挙げることができる。
【0029】
(第3の工程)
第3の工程は、第2の工程により得られた調整液中に発生した析出物を遠心分離により固液分離する工程である。
【0030】
遠心分離機としては、分離板型、円筒型、デカンター型等の一般的な機器を使用することができる。
遠心分離する際の温度は、濁り除去の観点から、5℃以上が好ましく、8℃以上がより好ましく、10℃以上が更に好ましく、そして40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましく。20℃以下が更に好ましい。かかる温度範囲としては、好ましくは5〜40℃、より好ましくは8〜30℃、更に好ましくは10〜20℃である。
また、遠心分離の条件は、濁り除去の観点から、重力加速度として、500G以上が好ましく、1000G以上がより好ましく、1500G以上が更に好ましく、5000G以下が好ましく、4000G以下がより好ましく、3000G以下が更に好ましい。かかる重力加速度の範囲としては、好ましくは500〜5000G、より好ましくは1000〜4000G、更に好ましくは1500〜3000Gである。遠心分離機の回転数と回転半径は、重力加速度が上記範囲内となるように適宜選択することができる。
遠心分離の処理時間は0.2分以上が好ましく、0.5分以上がより好ましく、1分以上が更に好ましく、120分以下が好ましく、100以下がより好ましく、80分以下が更に好ましい。かかる処理時間の範囲としては、好ましくは0.2〜120分、より好ましくは0.5〜100分、更に好ましくは1〜80分である。
【0031】
本発明の製造方法により得られたクロロゲン酸類含有製剤は、下記の特性(i)〜(ii)を具備することができる。
(i)クロロゲン酸類含有組成物は、製造後の濁度を、好ましくは400NTU以下、より好ましくは200NTU以下、更に好ましくは100NTU以下、より更に好ましくは50NTU以下とすることができる。ここで、本明細書において「濁度」とは、実施例に記載の方法により測定したものをいう。また、「NTU」とは、ホルマジン濁度標準を使用したホルマジン濁度の測定単位である。
(ii)クロロゲン酸類含有組成物は、第1の工程により得られたコーヒー抽出液を基準として、クロロゲン酸類を、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは70質量%以上の収率で回収することができる。
【実施例】
【0032】
1.クロロゲン酸類(CGA)の分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:SPD20A(島津製作所社製)
・カラムオーブン:CTO−20AC(島津製作所社製)
・ポンプ:LC−20AT(島津製作所社製)
・オートサンプラー:SIL−20AC(島津製作所社製)
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト社製)
・デガッサー:DGU−20A−5(島津製作所社製)
【0033】
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM HEDPO、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
【0034】
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
【0035】
HPLCでは、コーヒー抽出液を、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A、孔径0.45μm、ジーエルサイエンス社製)にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
・モノフェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
ここで求めた6種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、クロロゲン酸類含有量(質量%)を求めた。
【0036】
2.濁度の測定
実施例及び比較例で得られたクロロゲン酸類含有製剤を、水、又は必要により塩酸水溶液及び重曹水溶液から選ばれる少なくとも1種を用いてクロロゲン酸類濃度を0.3質量%、pHを3に調整した。得られた調整液について、25℃にて濁度計(Turbidimeter/TN−100、EUTECH INSTRUMENTS社製)を用いて測定を行い、表示数値を濁度として評価した。
【0037】
3.L値の測定
試料を、色差計((株)日本電色社製 スペクトロフォトメーター SE2000)を用いて測定した。
【0038】
実施例1
(第1の工程)
インドネシア産ロブスタ種の生コーヒー豆を粉砕し、篩にかけることで平均粒径0.8mmの粉砕生コーヒー豆を得た。次に、粉砕生コーヒー豆を円筒状カラム型抽出機(内径23mm×高さ400mm)に投入した。次に、95℃の熱水をカラム型抽出機に供給し、コーヒー抽出液を得た。なお、抽出操作は、空間速度(SV)=5[h
-1]、通液倍数(BV)=2.0[v/w]となるように調整して行った。次に、コーヒー抽出液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターにてろ過し、ろ過液を得た。
(第2の工程)
次に、ろ過液を塩酸によりクロロゲン酸類の濃度が0.3質量%、pHが3となるように希釈し、調整液を得た。調整液の濁度は、1000NTU以上であった。
(第3の工程)
次に、調整液を、15℃、2010G(回転数3000rpm、時間60分)の条件にて遠心分離(日立工機社製 himac CR22G)を行い、クロロゲン酸類含有製剤を得た。
そして、クロロゲン酸類含有製剤について分析を行った。その結果を表1に示す。
【0039】
実施例2〜4及び比較例1
第1の工程に係る通液倍数(BV)を表1に示す量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にてクロロゲン酸類含有製剤を得た。そして、クロロゲン酸類含有製剤について分析を行った。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例5
平均粒径1.4mmの粉砕生コーヒー豆(インドネシア産ロブスタ種)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作にてクロロゲン酸類含有製剤を得た。そして、クロロゲン酸類含有製剤について分析を行った。その結果を表2に示す。
【0042】
実施例6〜8及び比較例2
第1の工程に係る通液倍数(BV)を表2に示す量に変更したこと以外は、実施例5と同様の操作にてクロロゲン酸類含有製剤を得た。そして、クロロゲン酸類含有製剤について分析を行った。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
実施例9及び比較例3
表3に示すpHに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にてクロロゲン酸類含有製剤を得た。そして、クロロゲン酸類含有製剤について分析を行った。その結果を表3に示す。
【0045】
実施例10及び11
第2の工程において、コーヒー抽出液中のクロロゲン酸類濃度及びpHを表3に示すものに変更したこと以外は、実施例9と同様の操作にてクロロゲン酸類含有製剤を得た。そして、クロロゲン酸類含有製剤について分析を行った。その結果を表3に示す。
【0046】
比較例4
インドネシア産ロブスタ種の生コーヒー豆を粉砕し、篩にかけることで平均粒径1.4mmの粉砕生コーヒー豆を得た。次に、粉砕生コーヒー豆を2Lの四つ口フラスコに投入した。次に、95℃の熱水を6v/wとなるように投入し、175rpmにて6時間撹拌後、コーヒー抽出液を得た。次に、コーヒー抽出液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターにてろ過し、ろ過液を得た。次に、ろ過液を塩酸によりクロロゲン酸類の濃度が0.3質量%、pHが3となるように希釈し、調整液を得た。調整液の濁度は、1000NTU以上であった。次に、調整液を、15℃、2010G(回転数3000rpm、時間60分)の条件にて遠心分離を行い、クロロゲン酸類含有製剤を得た。そして、クロロゲン酸類含有製剤について分析を行った。その結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
表1〜3から、カラム型抽出機を用いて通液量を制御してコーヒー豆からコーヒー抽出液を得、次いで該コーヒー抽出液中のクロロゲン酸類濃度及びpHを特定範囲内に制御し、次いで遠心分離することにより、クロロゲン酸類濃度を飲料の至適濃度に希釈して酸性飲料とした場合にも濁りが発生し難いクロロゲン酸類含有製剤が得られることがわかる。