(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取得部が通常印字データを取得してから、当該通常印字データの印字が終了するまでの間、前記取得部が新たなデータを取得しないように制御する第2制御部をさらに備えた、
請求項1〜3のいずれかに記載されたプリンタ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)第1の実施形態
以下、本発明の記録用紙印字システムの一実施形態に係る帳票印字システム1について説明する。
実施形態に係る帳票印字システム1は、荷物の発送のために複数枚の票が綴りとなった記録用紙である帳票を印字するためのシステムである。
【0010】
(1−1)帳票印字システム1の概要
本実施形態の帳票印字システム1について、
図1〜4を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る帳票印字システム1のシステム構成図である。
図2Aは通常印字のための二次元コードの一例を示し、
図2Bは再印字のための二次元コードの一例を示す。
図2では、2次元コードの一例としてQRコード(登録商標)を示している。
図3および
図4はそれぞれ、本実施形態に係る帳票印字システム1において印字される帳票の一例を示す。
【0011】
図1に示すように、帳票印字システム1は、ハンディスキャナ2、プリンタ3、および、通信端末5を含む。
この帳票印字システム1では、通信端末5のユーザが通信端末5とともに発送対象の荷物を持って配送会社に行き、配送会社に設置されているハンディスキャナ2およびプリンタ3を使用して、配送のための帳票を印字する場合を想定している。
なお、帳票は、記録用紙の一例である。ハンディスキャナ2は、読取装置および通信装置の一例である。
【0012】
ユーザは、配送会社に荷物の発送を依頼する前に、本実施形態の帳票印字システム1とは異なるシステムを利用して、
図1に示すように2次元コードQ1を取得する。2次元コードQ1を取得するためのシステムは特に限定するものではないが、例えば、インターネット上のオークションシステムである。かかるオークションシステムにおいてユーザ間で物品の売買契約が成立した場合、一方のユーザから他方のユーザに対して売買に係る物品を梱包した荷物を配送するために、オークションシステムが物品の所有者(つまり、荷物の発送依頼者)に対して2次元コードQ1を発行する。
2次元コードQ1は、後述する再印字用の2次元コードQ2とは異なり、通常印字用のコードである。
【0013】
図2Aに示すように、通常印字用の2次元コードQ1には、帳票番号、追跡番号、依頼者情報、届け先情報、および、荷物情報が含まれる。
帳票番号は、帳票の種類を特定する番号であり、例えば、元払い用の帳票、着払い用の帳票、匿名配送用の帳票等の複数の種類の帳票の中から、発送依頼者が予め選択した種類の帳票に対応している。追跡番号は、届け先までの荷物の配送状況をユーザが追跡できるように印字される番号である。原則的に同一の追跡番号の帳票が2回以上印字されることはない。
依頼者情報は、荷物の発送依頼者の名前と住所の情報を含む。届け先情報は、荷物の届け先の名前と住所の情報を含む。荷物情報は、荷物の内容物(例えば、物品の名称若しくはコード、および、物品の個数)についての情報である。
帳票番号、追跡番号、依頼者情報、届け先情報、および、荷物情報は、上記オークションシステムにおいてユーザが入力若しくは選択する情報であるか、あるいはオークションシステムが発行する情報である。オークションシステムを管理するサーバ(図示せず)は、これらの情報を含む2次元コードQ1を生成し、発送依頼者の通信端末5へ送信する。
【0014】
図2Bに示す再印字用の2次元コードQ2には、再印字を行うことを示す予め取り決められたコードが記録されている。
【0015】
本実施形態の帳票印字システム1では、荷物の発送依頼者は、当該荷物と2次元コードQ1を受信した通信端末5とを持って、配送会社で荷物の発送のための帳票を印字する。すなわち、配送会社において発送依頼者は、通信端末5に2次元コードQ1を表示させ、表示させた2次元コードQ1をハンディスキャナ2に読み取らせることで、プリンタ3から
図3に例示した帳票CPが印字されるように構成されている。
【0016】
図3に例示する帳票は、着払い用の帳票CPの例を示しており、第1票P1、第2票P2、第3票P3、および、第4票P4が綴りとなっている。第1票P1は、荷物に貼り付けるための用紙である。第2票P2は、荷物の届け先に投函等するための配達証のための用紙である。第3票P3は、配送会社の控えとなる用紙である。第4票P4は、荷物の発送依頼者の控え(お客様控)となる用紙である。各票には、「届け先」、「依頼者」、「品名」、「追跡番号」の情報が印字されており、これらの情報は、ハンディスキャナ2に読み取らせた2次元コードQ1の届け先情報、依頼者情報、荷物情報、追跡番号にそれぞれ対応している。
【0017】
本実施形態の帳票印字システム1では、いったん帳票CPが印字された後は、原則的に当該帳票CPに印字されている追跡番号と同じ追跡番号の帳票CPを再度印字することはできない。同一の追跡番号の帳票CPが2個以上存在したならば、当該追跡番号によって正しく荷物を追跡することができない場合が生ずるためである。
しかし、いったん帳票CPが印字された後において当該帳票CPを再印字したい場合がある。例えば、帳票CPには印字されたがプリンタ3の排出口で用紙詰まり(ジャム)を起こしたために帳票CPを使用できない場合、印字された帳票CPが、文字が認識できないほど汚染した場合、あるいは、印字した帳票CPを紛失した場合などである。
そこで、本実施形態の帳票印字システム1では、配送会社に再印字用の2次元コードQ2(
図2B参照)を用意し、例えば配送会社の社員が当該2次元コードQ2をハンディスキャナ2に読み取らせることで、同一の追跡番号の帳票CPの再印字を1回許可するように構成した。すなわち、2次元コードQ2をハンディスキャナ2に読み取らせた後、続けて通常印字用の2次元コードQ1をハンディスキャナ2に読み取らせることで、当該2次元コードQ1に基づく帳票CPを再印字させることができる。
【0018】
図4に例示する帳票は、
図3に示した帳票が再印字された場合の帳票CPaを示している。
図4に示すように、再印字された帳票CPaは、既に印字された帳票CPとは異なり、再印字された帳票であることを示す情報として、「(再)」の文字からなるマークM1,M2が印字されていることが好ましい。
マークM1,M2が印字されていることにより、配送会社の配達員は、帳票CPaが再印字されたものであることが目視によって分かる。仮に、再印字された帳票CPaにマークM1,M2が印字されないとしたならば、例えば、いったん印字された帳票CPを紛失したと考えて発送依頼者が帳票CPaを再印字した後に、先に印字した帳票CPが見つかった場合、全く同一の帳票が2枚存在することになる。その場合、配達員がその2枚の帳票をどのように運用してよいか戸惑うことになる。そこで、再印字された帳票であることを示すマークを印字することが好ましい。それによって、配達会社の配達員が再印字されたことを知ることができ、例えばマークがない帳票を破棄する等、適切な対応を行うことができるようになる。
【0019】
(1−2)帳票印字システム1の構成
次に、本実施形態の帳票印字システム1の構成について、
図5および
図6を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る帳票印字システム1のブロック図である。
図6は、印字履歴データベースのデータ構成の例を示す図である。
【0020】
図5に示すように、ハンディスキャナ2は、制御部21、発光駆動回路22、光源23、光学機構24、イメージセンサ25、波形成形部26、および、通信インタフェース27を備える。
制御部21は、マイクロプロセッサを主体として構成され、ハンディスキャナ2の全体を制御する。例えば、制御部21は、発光駆動回路22に対する制御、波形成形部26からのデジタル信号の処理、および、通信インタフェース27を介したプリンタ3との通信を行う。
光源23は、2次元コードに照射するための光(出射光EL)の光源であり、例えばLEDである。発光駆動回路22は、制御部21による制御の下、光源23を駆動するための回路である。例えば、発光駆動回路22は、制御部21による制御に基づいて、光源23の発光を行い、あるいは光源23の発光を停止する。
光学機構24は、光源23から出射された出射光ELを反射する反射ミラーと、当該出射光ELが2次元コードによって反射された反射光RLを反射する反射ミラー、反射光RLをイメージセンサ25上で結像する結像レンズ等を含む。イメージセンサ25は、例えばCCD(Charge Coupled Device)方式のエリアセンサであり、受光素子がマトリクス状に配列されている。
【0021】
ハンディスキャナ2による2次元コードの読み取りは、以下のようにして行われる。
発光駆動回路22により光源23が発光すると、出射光ELが光学機構24を介して外部の2次元コードを照射する。2次元コードによって反射された反射光RLは、再度、光学機構24内に入り、イメージセンサ25上で結像する。イメージセンサ25は、反射光RLを光の強弱を表す電気信号(アナログ)に変換する。当該電気信号は波形成形部26によって波形成形され、制御部21に入力される。
制御部21は、反射光RLに対応する電気信号をデジタル化し解析することで、読み取った2次元コードに含まれるデータ(以下、適宜「スキャンデータ」という。)を抽出する。制御部21はスキャンデータを暗号化して、通信インタフェース27および配線C1を介してプリンタ3へ送信する。
【0022】
図5に示すように、プリンタ3は、制御部31、搬送部32、印字部33、操作入力部34、表示部35、音声出力部36、メモリ37、および、通信インタフェース38を備える。通信インタフェース38は、ハンディスキャナ2との間で通信を行う。
図示しないが、プリンタ3には、帳票がミシン目によって区切られた連続紙が装填されている。この連続紙の印字面には、予め決められた温度領域に達すると特定の色に発色する感熱発色層が形成されている。
【0023】
制御部31は、マイクロプロセッサを主体として構成され、プリンタ3の全体を制御する。例えば、制御部31に含まれるマイクロプロセッサは、メモリ37に記録されているファームウェアをロードして実行することで、様々な機能を実現する。例えば、制御部31は、ハンディスキャナ2から受信したスキャンデータのデコード(復号処理)、印字データの生成、印字のための搬送部32および印字部33に対する制御等、後述する印字処理などを行う。
制御部31は、取得部、判定部、記録部、第1制御部、および第2制御部の一例である。
【0024】
メモリ37は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSD(Solid State Drive)であってもよい。メモリ37には、上述したファームウェアのほか、発送依頼者によって選択されうる様々な種類の帳票形式のデータと、印字履歴データベースとが記録されている。
図6に例示するように、印字履歴データベースの各レコードは、帳票の印字日時および当該帳票の追跡番号の各フィールドのデータが対応付けられている。印字履歴データベースは、印字日付の早い順に所定数のレコード(例えば、10レコード)から構成されており、最新の印字日付のレコードを追加する場合には、最古の印字日付のレコードが削除される。
印字履歴データベースは、追跡番号が同一の帳票の重複印字を防止するために設けられている。
なお、印字履歴データベースには、帳票の印字日時のデータが含まなくてもよい。その場合、印字順に追跡番号を印字履歴データベースに記録し、FIFO(First In First Out)方式により印字履歴データベースを更新していく。
【0025】
搬送部32は、図示しないプラテンローラ、モータ駆動回路、および、ステッピングモータを含み、プリンタ3内の印字用紙(連続紙)の搬送を行う。例えば、制御部31による搬送要求に基づき、モータ駆動回路が、プラテンローラの回転を制御するステッピングモータを駆動することによって、連続紙を搬送させる。制御部31による搬送要求では、搬送方向(順方向あるいは逆方向)および搬送量が指定される。
【0026】
制御部31は、印字データに基づき帳票を印字する場合、2次元コードQ1の帳票番号によって指定される種類の帳票形式のデータをメモリ37から読み出す。次いで制御部31は、読み出したデータに2次元コードQ1の追跡情報、依頼者情報、届け先情報、および、荷物情報を埋め込むことにより印字データを生成し、印字データのライン毎のデータであるラインデータを順次、印字部33へ送出する。
印字部33は、図示しないサーマルヘッドおよびヘッド駆動回路を含む。サーマルヘッドは上記プラテンローラとの間で連続紙を挟む。ヘッド駆動回路は、制御部31によって順次送出されるラインデータに基づき、サーマルヘッドの各発熱素子に電流を流す(発熱させる)、あるいは流さないようにする(発熱させないようにする)ことで、印字を行う。
【0027】
操作入力部34は、ユーザからプリンタ3に対する操作入力を受け入れる部分であり、例えば、入力ボタンおよび入力インタフェース回路を含む。表示部35、および、音声出力部36は、それぞれ、制御部31による処理結果に基づき、ユーザに対して通知すべき情報の表示出力および音声出力を行う。
【0028】
(1−3)帳票印字システム1の動作
次に、帳票印字システム1の動作について、
図7および
図8を参照して説明する。
図7は、本実施形態に係る帳票印字システム1において帳票を印字するときのシーケンスチャートである。
図8は、本実施形態のプリンタ3において印字処理のフローチャートである。
【0029】
(1−3−1)帳票の通常印字の動作
先ず、帳票の通常印字の動作について説明する。
荷物の発送依頼者は、自身の通信端末5と荷物を持って配送会社を訪れ、通信端末5に表示させた2次元コードQ1を配送会社に設置されているハンディスキャナ2に読み取らせる。すると
図7において、ハンディスキャナ2はスキャンデータを生成し、スキャンデータをプリンタ3へ送信する(ステップS10)。プリンタ3は、スキャンデータの受信を開始してから当該スキャンデータをすべて受信したか逐次チェック(受信完了チェック)を行う(ステップS12)。
例えば、ハンディスキャナ2の制御部21は、送信するスキャンデータの最後に所定のコードを付加するようにし、プリンタ3の制御部31は、逐次受信するスキャンデータの中に当該所定のコードが含まれていることを認識した場合にスキャンデータの受信が完了したと判断する。
【0030】
スキャンデータの受信が完了したと判断した場合、プリンタ3の制御部31は、受信したスキャンデータの処理を行うために、ハンディスキャナ2に対して発光停止要求のコマンドを送信することが好ましい(ステップS14)。発光停止要求のコマンドを受信したハンディスキャナ2の制御部21は、光源23が発光しないように発光駆動回路22を制御する(ステップS16)。発光が停止されると、2次元コードからの反射光が得られないため、新たなスキャンデータの生成が停止される。すなわち、ハンディスキャナ2側で同一の2次元コードQ1を再度読み取ることが防止される。
【0031】
次いでプリンタ3の制御部31は、受信したスキャンデータ(暗号化されたデータ)のデコード(復号処理)を行い(ステップS18)、スキャンデータを制御部31が認識可能なデータに変換する。認識可能なデータの例として、例えば
図2Aにおいて示す項目番号および各情報の内容が関連付けられたCSV形式のデータが挙げられるが、そのようなデータ形式に限られない。
次いでプリンタ3の制御部31は、
図8に示す印字処理を実行する(ステップS20)。
【0032】
以下、
図8のフローチャートを参照して印字処理について説明する。
印字処理では先ず、取得データ(つまり、ステップS12で受信したスキャンデータ)が通常印字データであるか、又は再印字データであるかを判定する(ステップS30)。通常印字データは、ハンディスキャナ2により2次元コードQ1(
図2A参照)を読み取ったときのデータである。再印字データは、ハンディスキャナ2により2次元コードQ2(
図2B)を読み取ったときのデータである。
図2に示したように、通常印字用データには、帳票番号、追跡番号、依頼者情報、届け先情報、および、荷物情報が記録され、再印字用データには、再印字を行うことを示すコードが記録されている。そのため、制御部31は、ステップS18でデコードした情報に基づいて、取得データが通常印字データであるか、又は再印字データであるか判別できる。
【0033】
取得データが通常印字データであると判断した場合(ステップS30:通常印字データ)、制御部31は取得データのデータチェックを行う(ステップS34)。データチェックは、ステップS18で得られたデータの特定の項目番号の情報について適切な値であるか否かのチェックである。例えば、
図2Aにおいて項目番号:1の帳票番号が適正な値であるか否かについてチェックされる。データチェックがOKでない場合(ステップS34:NO)、制御部31はエラー出力を行い(ステップS36)、印字を行うことなく印字処理を終了する。エラー出力は、表示部35によるエラー表示、および/または、音声出力部36によるエラーの音声出力である。
【0034】
図8のフローチャートにおいて、FLAGは通常印字であるか再印字であるかを表す変数である。通常印字の場合にはFLAGの値は「0」であり、再印字の場合にはFLAGの値は「1」である。
ここでは通常印字の場合を想定しており、FLAGの値は「0」であるとする。制御部31は、FLAGの値が「0」である場合(ステップS38:NO)、取得データに含まれる追跡番号が登録済みであるか否かについて印字履歴データベース(
図6参照)を参照して判定する(ステップS40)。印字履歴データベースには直近に印字された所定数の帳票の追跡番号が記録(登録)されている。制御部31は、取得データに含まれる追跡番号が印字履歴データベースに記録されているいずれかの追跡番号と一致するか否かの判定する(つまり、重複印字の判定を行う)。一致すると判定した場合には(ステップS40:YES)、制御部31は、同一の追跡番号の帳票を2個以上印字させないようにエラー出力を行い(ステップS36)、印字を行うことなく印字処理を終了する。
【0035】
取得データに含まれる追跡番号が印字履歴データベースに記録されているいずれかの追跡番号と一致しないと判定した場合(ステップS40:NO)、制御部31は、取得データに基づいて帳票の印字を行うように印字部33を制御する(ステップS42)。すなわち、制御部31は、取得データに含まれる帳票番号によって指定される種類の帳票形式のデータをメモリ37から読み出し、読み出したデータに取得データに含まれる追跡情報、依頼者情報、届け先情報、および、荷物情報を埋め込むことにより印字データを生成する。そして制御部31は、印字データに対応するラインデータを順次、印字部33へ送出し、印字部33がラインデータに基づいて連続紙に印字を行って帳票を印字する。このとき、帳票には(再)を示すマークは印字されない(例えば
図3参照)。
【0036】
制御部31は、印字が正常に終了しなかった場合には(ステップS44:NO)、エラー出力を行い(ステップS36)、印字処理を終了する。印字が正常に終了した場合には(ステップS44:YES)、重複印字を防止するために印字履歴データベースに追跡番号を登録する(ステップS46)。つまり、印字履歴データベースにおいて新たなレコードを追加して印字日付と追跡番号を記録するとともに、印字履歴データベース内の最古の印字日付のレコードを削除する。
【0037】
以上の処理をすべて行った後、制御部31はFLAGの値を「0」として(ステップS48)、印字処理を終了する。
印字処理を終了した後は所定時間待機した後(
図7のステップS22:YES)、次の2次元コードQ1の読み取りを可能とするために、プリンタ3の制御部31は、通信インタフェース38を介して発光要求コマンドをハンディスキャナ2へ送信する(ステップS24)。発光要求コマンドを受けてハンディスキャナ2の制御部21は、光源23からの発光を開始するように発光駆動回路22を制御する(ステップS26)。それによって新たな2次元コードの読み取りが可能となる。
なお、スキャンデータとして通常印字データを取得してから、当該通常印字データの印字が終了するまでの間、ハンディスキャナ2から新たなデータを取得しないように制御することは必ずしも必須ではない。
【0038】
連続的に帳票の通常印字を行う場合(つまり、再印字を行わない場合)、
図8のフローチャートにおける変数FLAGの値が常に「0」であり、2次元コードQ1をハンディスキャナ2で読み取る度に、以上説明した処理が繰り返し行われる。その際、
図8のステップS40により同一の追跡番号の帳票が重複印字されることが防止される。
【0039】
(1−3−2)帳票の再印字の動作
次に、帳票の再印字の動作について説明する。
原則的に同一の追跡番号の帳票が重複印字されることは防止されるが、前述したように、いったん帳票が印字された後において当該帳票を再印字したい場合がある。そのため、本実施形態の帳票印字システム1では、例外的にいったん印字した帳票の再印字を1回許可するように構成されている。
【0040】
荷物の発送依頼者が帳票の再印字を希望する場合、先ず、配送会社の社員は、配送会社に用意されている2次元コードQ2(
図2B参照)をハンディスキャナ2に読み取らせる。すると
図7において、ハンディスキャナ2はスキャンデータを生成し、スキャンデータをプリンタ3へ送信する(ステップS10)。プリンタ3が受信完了チェック(ステップS12)、発光停止要求コマンドの送信(ステップS14)、および、スキャンデータのデコード(ステップS18)を行う点は、通常印字の場合と同じである。
なお、配送会社に用意されている再印字用の2次元コードQ2は、紙に印字されたものでもよいし、配送会社に設置されている表示装置に表示されたものでもよい。
【0041】
ステップS20の印字処理において、取得データが再印字データであると判断した場合(
図8のステップS30:再印字データ)、プリンタ3の制御部31は変数FLAGの値を「1」とする(ステップS32)。FLAGの値を「1」とすることで、この後にハンディスキャナ2に読み取らせた通常印字用の2次元コードQ1の再印字が可能となる。
【0042】
すなわち、発送依頼者が再印字したい2次元コードQ1を再度ハンディスキャナ2に読み取らせると、上述したのと同様にステップS10〜S18の処理が行われた後、プリンタ3が印字処理を行う(ステップS20)。印字処理(
図8参照)では、取得データが通常印字データであると判断し(ステップS30:通常印字データ)、取得データのデータチェックが正常に完了した後(ステップS34:YES)、FLAGの値のチェックを行う。
ここで、直前の再印字用の2次元コードQ2の読み取りによってFLAGの値が「1」となっているため(ステップS38:YES)、ステップS50へ進む。ステップS50において制御部31は、ステップS40と同様に、取得データに含まれる追跡番号が印字履歴データベースに記録されているいずれかの追跡番号と一致するか否か(つまり、登録済みか否か)判定を行う。
一致すると判定した場合(ステップS50:YES)、制御部31は、取得データに基づいて帳票の印字を行うように印字部33を制御する(ステップS52)。このとき、帳票には(再)を示すマークが印字される(例えば
図4参照)。
他方、一致しないと判定した場合(ステップS50:NO)、制御部31は、取得データに基づいて帳票の印字を行うように印字部33を制御する(ステップS42)。この場合、実際には再印字でないと考えられるため、帳票には(再)を示すマークは印字されない(例えば
図3参照)。
ステップS42又はS52の後の処理は、通常印字の場合と同じである。
【0043】
本実施形態の帳票印字システム1では、プリンタ3は、再印字データの取得に応じて印字を1回許可した後は、再印字データを新たに取得するまで同一の追跡番号の帳票の重複印字が行われないように制御する。すなわち、帳票の再印字が正常に終了した後は、FLAGの値を「0」とするため(ステップS48)、その後に取得した通常印字データに対する処理では、重複印字の判定が行われ(ステップS38:NO)、再印字データを新たに取得するまでFLAGの値は「0」のままとなる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の帳票印字システム1によれば、読取装置としてのハンディスキャナ2が通常印字データ又は再印字データを読み取り、当該データをプリンタへ送信する。プリンタ3は、再印字データを受信しない限り、印字履歴データベースを用いて帳票の重複印字を行わないように制御するが、再印字データを受信した場合、当該再印字データに続いて受信した通常印字データに基づく帳票の印字を例外的に1回許可する。そのため、いったん帳票が印字された後において当該帳票を再印字したい場合に、読取装置に再印字データを読み取らせることで同一の帳票を再印字させることが可能となる。
【0045】
(2)第2の実施形態
次に、本発明の第2の実施形態について、
図9を参照して説明する。
第1の実施形態では読取装置および通信装置の一例としてハンディスキャナ2を挙げたが、その限りではない。
本実施形態に係る帳票印字システム1Aは、プリンタ3と通信端末7(通信装置の一例)を含む。プリンタ3は、第1の実施形態で説明したものと同一でよい。通信端末7は、荷物の発送依頼者が通信端末5の代わりに所持する端末である。
第1の実施形態では、2次元コードをハンディスキャナ2に読み取らせることによって通常印字データ又は再印字データをプリンタ3へ送信する構成とした。それに対して本実施形態では、通信端末7が通常印字データ又は再印字データをプリンタ3へ直接送信する。プリンタ3と通信端末7の間のデータ送信は無線通信によって行われるが、無線通信の規格は特に限定されない。一例を挙げればBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信である。
【0046】
本実施形態では、外部のサーバ(例えば、前述したオークションシステムを管理するサーバ)から通信端末7に対して、
図2Aの2次元コードQ1に対応するCSV形式のデータと、
図2Bの2次元コードQ2に対応する再印字コマンドのデータとが送信される。そして、荷物の発送依頼者が通信端末7を所定の操作を行うことで、通信端末7とプリンタ3の間で近距離無線通信を確立させる。その後、当該近距離無線通信によって、CSV形式のデータ、又は再印字コマンドのデータを通信端末7からプリンタ3へ送信することで、第1の実施形態と同様の処理を実行する。
なお、通信端末7からプリンタ3へ送信されるデータは、CSV形式のデータに代えて、プリンタ3が解釈可能な制御コマンドであってもよい。
【0047】
以上、本発明のプリンタ、記録用紙印字システム、記録用紙印字方法の一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。