(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る空調予約システムの実施例を図面に基づいて説明する。本発明は以下の実施例に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例もその範囲に含むものである。
【実施例1】
【0015】
本発明の第1実施例について
図1を用いて説明する。
図1は本発明の第1実施例に係る空調システムの概略図である。
【0016】
室外機100には、商用電源に接続され電力を変換する電力変換装置101と、電力変換装置101に接続された室外機制御手段102と、室外機制御手段102に接続され、室外熱交換器103に通風するファン104を駆動するファンモータ105と、室外機制御手段102に接続され、冷媒を圧縮する圧縮機106が備えられている。空調システムには、冷媒配管が備えられているが、ここでは説明を省略する。
【0017】
室外機100には、複数の室内機200(200a、200b、200c、200d)が接続されている。
【0018】
次に室内機200の構成について説明する。本実施例では複数の室内機200a、200b、200c、200dがあるが、構成は全て同じであるので、ここでは室内機200aについて説明する。
【0019】
室内機200aには、商用電源に接続され電力を変換する電力変換装置201と、電力変換装置201に接続された室内機制御手段202と、室内機制御手段202に接続され、室内熱交換器203に通風し、室内へ送風するファン204を駆動するファンモータ205と、室内機制御手段202に接続され、風向板を駆動する風向板駆動モータ206が備えられている。風向板駆動モータ206は室内に送風する風の向きを変更するものである。
【0020】
室内機制御手段202と風向板駆動モータ206とを接続する電力線207には、電力線207から分岐した電力線208が接続されている。電力線208には第1接続部209が設けられている。第1接続部209は、電力線210を備えた第2接続部211と接続されている。電力線210は人感・表示制御手段220に接続されている。人感・表示制御手段220には、人の有無を検出する人感手段221と、部屋の予約状況や人の有無を表示する表示手段222が接続されている。表示手段222としては例えばLEDを用いる。表示内容等については後述する。また、人感・表示制御手段220には、人感手段221の検出結果を送信する送信手段223と、表示手段222に表示させる情報を受信する受信手段224が接続されている。人感・表示制御手段220、人感手段221、表示手段222、送信手段223、受信手段224を駆動する電力は、風向板駆動モータ206へ供給される電力の一部を利用する。
【0021】
次に
図2乃至
図4を用いて室内機及び人感・表示ユニットについて説明する。
図2は本発明の第1実施例に係る室内機の外観斜視図である。
図3は本発明の第1実施例に係るコーナーカバーを外した室内機の部分拡大図である。
図4は本発明の第1実施例に係るコーナーカバーの裏面に人感・表示ユニットを設置した状態を示す斜視図である。
【0022】
室内機200の本体部230は正方形厚板の四隅部分を略正方形状に切欠いた形状を有しており、これら四隅の切欠き部分に、略L字状の4個の支持金具231が溶接されている。室内機200を設置する箇所のコンクリートスラブには、4本の吊下ボルト(図示せず)が下方向に突出するように埋設されている。これら4本の吊下ボルトに支持金具231を貫通させ、吊下ボルトにナット232(
図3)を螺合させると、本体部230が吊下ボルトに固定される。
【0023】
本体部230の内部には、室内熱交換器203やファン204(
図1)が内蔵されている。また、本体部230の下面には、略正方形板状の化粧板233が装着されている。化粧板233は樹脂で形成されている。化粧板233の中央部分には、スリットが形成された略正方形状の吸気口234が装着されている。また、吸気口234の各4辺と、化粧板233の周縁部との間には、4個の吹出口235が形成されている。4個の吹出口235には、それぞれ吹出口235から吹き出される風の向きを変える風向板236が備えられている。風向板236は風向板駆動モータ206によって駆動される。
【0024】
化粧板233の四隅には、ほぼ同一寸法のカバー(コーナーカバー240)が着脱可能に嵌め込まれている。コーナーカバー240は樹脂で形成されている。これらのコーナーカバー240のうち、1つのコーナーカバー240aには、人感・表示制御手段220、人感手段221、表示手段222、送信手段223、受信手段224が取り付けられている。これらのうち、人感手段221と表示手段222は、コーナーカバー240aの表面から突出して設けられている。また、
図4に示すように、人感・表示制御手段220、人感手段221、表示手段222、送信手段223、受信手段224は、収納ケース225に収納され、コーナーカバー240aの裏面に取り付けられている。人感・表示制御手段220、人感手段221、表示手段222、送信手段223、受信手段224は、収納ケース225に収納されることにより、人感・表示ユニット226(
図1)として構成される。人感・表示ユニット226の取付にあたっては、人感手段221と表示手段222の取付位置に穴開け加工を施し、形成した穴に人感手段221と表示手段222を位置させ、人感・表示ユニット226を取付ける。人感・表示ユニット226の固定は、接着剤や両面テープ等を用いる。本実施例では、このように簡単な加工で人感・表示ユニット226をコーナーカバー240aの裏面に取り付けることができるので、既設の空調設備にもセンサ等の機器を設置することができる。収納ケース225からは電力線210と第2接続部211が突出して設けられている。コーナーカバー240aの裏面には、爪を有した係合部241(241a、241b、241c)が形成されている。係合部241(241a、241b、241c)は樹脂で形成されている。
【0025】
また、コーナーカバー240aが取り付けられる本体部230には、
図3に示すように、係合孔237(237a、237b、237c)と、本体部230の内部と連通する開口部238が形成されている。本体部230からコーナーカバー240aが取り外された状態では、支持金具231と吊下ボルトが露出し、吊下ボルトにナット232を締め付ける作業を行うことができる。そして、コーナーカバー240aが本体部230に取り付けられることにより、支持金具231、吊下ボルト、ナット232が覆われる。コーナーカバー240aを本体部230に取り付けるにあたっては、コーナーカバー240aの裏面に形成した係合部241a、241b、241cを、樹脂の弾性変形を利用して係合孔237a、237b、237cに挿入し、係合部241a、241b、241cに形成された爪が、係合孔237a、237b、237cの開口縁に引っ掛かることにより、コーナーカバー240aが本体部230に取り付けられる。
【0026】
本体部230からコーナーカバー240aを取り外す場合は、係合部241a、241b、241cと係合孔237a、237b、237cの引っ掛かりを解除することにより、容易にコーナーカバー240aを本体部230から取り外すことができる。その他のコーナーカバー240b、240c、240dについても同様である。
【0027】
前述したようにコーナーカバー240aの裏面には、電力線210と第2接続部211が突出して設けられている。人感・表示ユニット226への電力供給は電力線210と第2接続部211を介して行われる。第2接続部211は、電力線207から分岐された電力線208の第1接続部209と接続する。そして、人感・表示ユニット226に電力が供給される。人感・表示ユニット226を駆動する電力は、風向板駆動モータ206へ供給される電力の一部を利用する。第1接続部209と第2接続部211とを接続するにあたっては、開口部238を通して行う。開口部238は本体部230の内部と連通しているので、この開口部238から電力線210と第2接続部211とを本体部230へ引き込み、第1接続部209と接続する。
【0028】
以上説明したように、第1実施例によれば、既設の空調設備に容易にセンサ機器を設置することができる。
【実施例2】
【0029】
次に第1実施例で説明した人感・表示ユニットを利用した例について
図5を用いて説明する。
図5は本発明の第2実施例に係る空調予約システムのシステム概要図である。本実施例では、オフィスビルに設置された複数の会議室の例を用いて説明する。
【0030】
図5において、オフィスビルには部屋として複数の会議室301、302が設置されている。本実施例では2つの会議室としているが、3つ以上の会議室を設置しても良い。会議室301には空調設備として1台もしくは複数谷の室内機が設置されている。本実施例では2台の室内機200a、200bが設置されている。同様に会議室302には2台の室内機200c、200dが設置されている。室内機200a、200b、200c、200dには、それぞれ第1実施例で説明した人感・表示ユニット226が搭載されている。
【0031】
ネットワーク400には、ルーター410が接続され、このルーター410には複数のアクセスポイント411(411a、411b)が接続されている。
人感・表示ユニット226に備えられた送信手段223(223a、223b)、受信手段224(224a、224b)は、アクセスポイント411に無線で接続し、情報の送受信を行う。無線通信方法としては、wifi(登録商標)やブルートゥース(登録商標)等を使用する。
【0032】
また、ネットワーク400には複数のPC412(412a、412b、412c)が接続されている。本実施例においては、PC412は会議室301、302の予約申請、予約取消、予約状況の確認、利用状況の確認を行うために利用する。
【0033】
管理サーバ420は、ネットワーク400に接続され、会議室301、302の予約及び取消管理、利用状況に管理を行う。
【0034】
室外機100には、遠隔監視サーバ430が接続されている。遠隔監視サーバ430は、室内機200a、200b、200c、200dの運転状況、設定温度、利用時間等の情報を監視したり、室内機の運転停止、温度設定等を行う。
【0035】
次に空調予約管理システムの動作について、
図6乃至
図8を用いて説明する。
図6は本発明の第2実施例に係るPC、管理サーバ、人感手段、表示手段の信号の流れを示す図である。
【0036】
会議室予約システムの従来技術として、例えば特開2015−79319号公報に記載の技術が提案されている。この従来技術には、予約済みでありながら利用されていない会議室を特定し、会議室を有効利用することが記載されている。従来技術では、会議室を使用している利用者が、会議室の予約終了時間が迫っていること、会議室の予約時間を経過していることを容易に把握することについては考慮されていなかった。この従来技術の課題は、以下説明する第2実施例によって解決することができる。
【0037】
図6において、会議室の予約は例えば、電子メール・予定管理ソウフトがインストールされているPC412から行う。会議室の予約は、使用する会議室名(会議室A、会議室B・・・)、日時等を指定し、管理サーバに登録する。
【0038】
会議室301(会議室A)には2台の室内機200a、200bが設置されており、室内機200a、200bに設置された人感手段221a、221bが、人の有無を検出し、検出結果をリアルタイムで管理サーバ420へ送信する。
【0039】
また、管理サーバ420は、人感手段221a、221bから受信した情報、及び会議室の予約状況を加味し、表示手段222a、222bに表示指令を送信する。
【0040】
各人感手段221a、221b、表示手段222a、222bには、各会議室に対応したアドレスが予め付与されているので、どの会議室のどの場所に設置されている人感手段、表示手段なのか、その場所を特定することができる。
【0041】
また、PC412からは会議室の利用状況を管理サーバ420に要求すると、会議室の利用状況に関するデータをPC412に送信する。会議室の利用状況のデータは例えば30秒毎に更新される。
【0042】
次に表示手段222a、222bの表示内容について、
図7を用いて説明する。表示手段222a、222bの表示内容は、会議室の予約の有無、人感手段221による人検出の有無、会議予約時間の終了時間によって変化する。
【0043】
図7は本発明の第2実施例に係る表示手段の表示内容の一例を示す図である。表示パターン1として、会議室が予約され人の検出が無い場合、表示手段222は青色表示を行う。表示パターン2として、会議室が予約され、人の検出が有り場合、表示手段222は緑色表示を行う。表示パターン3として、会議室が予約されておらず、人の検出が有り場合、表示手段222は赤色表示を行う。表示パターン4として、人の検出が有りで会議室の予約終了時間が5分前(所定時間)になると、表示手段222は赤色点滅表示を行う。表示パターン5として、会議室の予約終了時間が1分前(所定時間)になると、表示手段222は赤色表示を行う。表示手段222は会議室の予約時間終了を表示する機能を備えている。表示パターン6として、会議室が予約され人の検出が無く、会議の予約終了時間が5分前の場合、表示手段222は青色表示を行う。表示パターン7として、会議室が予約され人の検出が無く、会議の予約終了時間が1分前の場合、表示手段222は青色表示を行う。
【0044】
次に管理サーバ420の処理について、
図8を用いて説明する。
図8は本発明の第2実施例に係る管理サーバの処理フローを示す図である。
図8では、会議室301(会議室A)に設置された室内機1の例で説明するが、他の室内機についても同様である。
【0045】
図8において、会議室Aが予約された時間か否かを判断する(S501)。S501において、「No」であれば、人感手段221aの検出結果を参照する(S502)。S502において、「No」であれば、表示手段222aに消灯を指令する(S503)。指令処理後、S501の処理を実行する。S502において、「Yes」であれば、表示手段222aに赤色表示を指令する(S504)。指令処理後、S501の処理を実行する。
【0046】
S501において、「Yes」であれば、会議終了5分前であるか否かを判断する(S505)。S505において、「No」であれば、人感手段221aの検出結果を参照する(S506)。S506において、「No」であれば、表示手段222aに青色表示を指令する(S507)。指令処理後、S501の処理を実行する。S506において、「Yes」であれば、表示手段222aに緑色表示を指令する(S508)。指令処理後、S501の処理を実行する。
【0047】
S505において、「Yes」であれば、会議終了1分前であるか否かを判断する(S509)。S509おいて、「No」であれば、人感手段221aの検出結果を参照する(S510)。S510において、「No」であれば、表示手段222aに青色表示を指令する(S511)。指令処理後、S501の処理を実行する。S510において、「Yes」であれば、表示手段222aに赤色点滅表示を指令する(S512)。指令処理後、S501の処理を実行する。
【0048】
S509において、「Yes」であれば、会議終了であるか否かを判断する(S513)。S513おいて、「No」であれば、人感手段221aの検出結果を参照する(S514)。S514において、「No」であれば、表示手段222aに青色表示を指令する(S515)。指令処理後、S501の処理を実行する。S514において、「Yes」であれば、表示手段222aに赤色表示を指令する(S516)。指令処理後、S501の処理を実行する。
【0049】
次に時間と表示内容の変化について、
図9を用いて説明する。
図9は本発明の第2実施例に係る予約時間における表示内容を示す図である。
【0050】
図9において、例えば会議室301(会議室A)には、連続して予約Aと予約Bが設定されている。
【0051】
表示例1において、会議室の予約時間になり人の検出が無い場合は、表示手段222aは青色に点灯する。その後、人が検出されると、表示手段222aは緑色点灯に変化する。会議室の予約終了時間が近づき、予約終了5分前になると、表示手段222aは赤色点滅に変化する。さらに予約時間終了1分前になると、表示手段222aは赤色点灯に変化する。予約Bの時間になり、予約Bの予約者を検知すると、表示手段222aは緑色に変化する。
【0052】
表示例2において、予約Aについては表示例1と同様である。予約Aの時間が経過し、次に予約が入っていない場合、人の検出が無い場合には、表示手段222aは消灯する。
【0053】
表示例3として、会議室が予約されておらず人の検出が無い場合、表示手段222aは消灯する。その後、人が検出されると、表示手段222aは赤色点灯に変化する。人の検出が無くなると表示手段222aは消灯する。会議室の予約時間になり、人の検出が無い場合には、表示手段222aは青色点灯に変化する。その後、人が検出されると、表示手段222aは緑色点灯に変化する。
【0054】
以上のように、第2実施例によれば、会議室の予約状況、会議室の予約終了時間を表示手段に表示させるようにしているので、利用者は会議室の利用状況を容易に把握することができる。
【実施例3】
【0055】
次に、第3実施例について、
図10を用いて説明する。
図10は本発明の第3実施例に係る会議室の利用状況の表示例である。
【0056】
図6にて説明したようにPC412から管理サーバ420へ会議室の利用状況の確認を要求すると、管理サーバ420は会議室の利用状況に関するデータをPC412に送信する。その表示例が
図10である。この表示内容は、例えば30秒毎に更新させる。
【0057】
図10において、表示画面には会議室Aから会議室Hが表示されている。各会議室には2台の室内機が設置されており、それぞれに人感手段221が設置されている。表示画面には会議室の予約状況、人感手段221の検出状況が表示される。利用有とは、人感手段221が人を検出していることを示すものであり、利用無とは人感手段221が人を検出していないことを示すものである。管理サーバ420は人感手段221の検出結果から会議室の利用状況の有無を判断する。
【0058】
例えば、会議室Aは予約済みであり、半分のスペースが利用され、残り半分のスペースは利用されていない状況である。会議室Bは予約済みであり、全てのスペースが利用されている状況である。会議室C及び会議室Eは、予約済みであるが、全てのスペースで利用されていない状況である。会議室D及び会議室Fは予約がされておらず、全てのスペースで利用されていない状況である。会議室Gは予約がされていないが、半分のスペースが利用されている状況である。会議室Hは予約がされていないが、全てのスペースが利用されている状況である。
【0059】
第3実施例によれば、会議室の予約状況と利用状況を容易に把握することができ、利用可能な会議室を特定することができる。
【実施例4】
【0060】
次に第4実施例について、
図11を用いて説明する。
図11は本発明の第4実施例に係るPC、管理サーバ、遠隔監視サーバ、室外機、室内機の信号の流れを示す図である。
【0061】
図11において、会議室の予約は例えば、電子メール・予定管理ソウフトがインストールされているPC412から行う。会議室の予約は、使用する会議室名(会議室A、会議室B・・・)、日時等を指定し、管理サーバ420に登録する。
【0062】
管理サーバ420は、例えば会議室Aの予約時間15分前になると、遠隔監視サーバ430に対し、会議室Aの空調運転指令を送信する。
【0063】
遠隔監視サーバ430は、管理サーバ420からの指令を受け、会議室Aに設置された室内機200a、200b及びこの室内機200a、200bに接続された室外機100に空調運転指令を送信する。この指令を受け、室内機200a、200b及び室外機100は空調運転を開始する。
【0064】
会議予約終了時間になると、管理サーバ420は遠隔監視サーバ430に対し、会議室Aの空調運転停止指令を送信する。
【0065】
遠隔監視サーバ430は、管理サーバ420からの指令を受け、会議室Aに設置された室内機200a、200b及びこの室内機200a、200bに接続された室外機100に空調運転停止指令を送信する。この指令を受け、室内機200a、200b及び室外機100は空調運転を停止する。
【0066】
第4実施例では、第1実施例乃至第3実施例に加え、空調予約運転の機能を追加した。
【0067】
第4実施例によれば、会議室利用開始前から空調運転が行われるため、例えば、冬の寒い日、夏の暑い日であっても会議室が所定の温度になっているので、快適に会議室を使用することができる。
【0068】
また、予約時間終了後は空調運転を停止するので、空調の無駄な運転を抑制できる。
【0069】
さらにまた、空調運転が停止することで、会議の早期終了を催促することができる。
【0070】
第4実施例では予約時間に合わせて空調運転を制御するようにしたが、人感手段221の検出結果に応じて空調運転を制御するようにしても良い。
図6にて説明したように、管理サーバ420は人感手段221の検出結果が保存されている。この検出結果を基に空調運転の運転停止を行うようにする。管理サーバ420から遠隔監視サーバ430に空調運転の指令を行い、遠隔監視サーバ430が室外機100、室内機200に空調運転の指令を行う。
【0071】
空調運転にあたっては、人感手段221が人を検出した場合は空調運転を行い、人を検出しない場合には空調運転を停止する。ただし、空調運転及び運転停止が頻繁に繰り返されるのは好ましくないので、人感手段221が人を検出しない場合、所定時間後に停止するようにすると良い。
【0072】
さらには、会議室が予約されている場合においては、空調運転を継続し、人感手段221が人を検出した場合は設定温度に応じた空調運転を行い、人を検出しない場合には、空調運転の能力を低下した運転を行うようにしても良い。
【0073】
また、管理サーバ420を介さず、人感手段221の検出結果を直接室内機200に送信して運転制御するようにしても良い。
【0074】
第1実施例乃至第4実施例では、コーナーカバー240に人感手段221を設けるようにしたが、人感手段221に代えてビーコン等の複数の発信手段を識別しその情報を受信する受信手段を設けるようにしても良い。
【0075】
個人が所有する名札や社員証等に発信手段と取付け、この発信手段を所持した人が会議室に入った場合、受信手段が発信手段からの信号を受信する。発信手段は信号を発信し続ける。受信手段は発信手段からの信号を受信し、所定の間隔で受信結果を管理サーバ420へ送信する。これを受け、管理サーバ420は、表示手段222に所定の表示指令を行う。発信手段の信号には識別コード(ID)が付与されているので、管理サーバ420は、会議室に何人の人が居るのか、また、発信手段を所持した人がどこの会議室に居るか、特定することができる。
【0076】
また、受信手段を備えた室内機を例えば病院等に設置するようにしても良い。この場合、病院に診察に来た患者は、識別コード(ID)を付与された発信手段を所持することにより、病院に来たことが特定されるので、患者の特定を以って診察の受付を完了とする。これにより、診察の受付をスムーズに行うことができ、高齢者や車椅子利用の患者は診察受付の煩わしさを解消することができる。
【0077】
さらには老人ホーム等に設置した場合には、入所者に発信手段を所持させることにより、入所者の位置の特定に利用することができる。
【実施例5】
【0078】
次に第5実施例について、
図12を用いて説明する。
図12は本発明の第5実施例に係る管理サーバ、遠隔監視サーバ、CO2検出手段、換気装置の信号の流れを示す図である。
【0079】
本実施例では、第1実施例乃至第3実施例で説明した人感手段221に代えて、CO2検出手段251を設けている。また、空調設備として換気装置261を設置した。これらにより、換気システムを構築している。換気装置261は吸込口を有する着脱可能なカバーと、排気口と、ファンと、ファンを駆動するモータにて構成されている。排気口は外部と連通している。換気装置261のカバーは、室内側に設けられ、このカバーにCO2検出手段を設けている。
【0080】
CO2検出手段251(251a、251b)は、会議室A(室内)のCO2濃度を検出し、検出結果を管理サーバ420へ送信する。CO2濃度の検出は、定期的(例えば30秒に1回)に実行する。
【0081】
CO2検出手段251(251a、251b)の検出結果が所定のCO2濃度を超えた場合、管理サーバ420は遠隔監視サーバに対し、会議室Aの換気運転指令を送信する。
【0082】
遠隔監視サーバ430は、管理サーバ420からの指令を受け、換気装置261(261a、261b)に対し、運転指令を送信する。換気装置261(261a、261b)はこの指令を受け、換気運転を開始する。
【0083】
CO2検出手段251(251a、251b)の検出結果が所定のCO2濃度より下がった場合、管理サーバ420は遠隔監視サーバに対し、会議室Aの換気運転停止指令を送信する。
【0084】
遠隔監視サーバ430は、管理サーバ420からの指令を受け、換気装置261(261a、261b)に対し、運転停止指令を送信する。換気装置261(261a、261b)はこの指令を受け、換気運転を停止する。
【0085】
会議室内の人数が多い場合や、会議時間が長くなると、CO2濃度が上昇する。CO2濃度が上昇すると、眠くなる傾向になる。そこで、本実施例はCO2濃度が所定の濃度を超えた時に、換気装置を動作させて、CO2濃度を下げるようにしている。
【0086】
第5実施例によれば、CO2濃度が所定の濃度を超えた時に、換気装置を動作させて、CO2濃度を下げるようにしているので、会議出席者の効率低下を抑制することができる。
【0087】
第5実施例では、CO2検出手段を用いた例を示したが、検出手段はこれに限定されるものではない。例えば、第4実施例と同様にビーコン等の複数の発信手段を識別しその情報を受信する受信手段を設け、発信手段を所持している人が会議室に入ったことを把握して、空調、換気装置、照明機器等の運転を動作するようにしても良い。
【実施例6】
【0088】
次に第6実施例について、
図13を用いて説明する。
図13は本発明の第6実施例に係るログデータの一例を図である
PC412からの会議室予約及び会議室の利用状況を受け、管理サーバ420には、会議室の予約や利用履歴が蓄積される。
【0089】
利用履歴は、会議室の利用状況の分析や、会議室の利用に応じた使用料の請求等に利用される。管理サーバ420には、ログデータを表示させる機能、出力する機能を備えている。
【0090】
表示内容としては、例えば棒グラフと円グラフのようなログデータ601や、横棒グラフのようなログデータ602等がある。
【0091】
第6実施例によれば、会議室の予約や利用履歴に関するログデータを出力可能であり、会議室の利用状況の分析や、会議室の利用に応じた使用料の請求等を容易に行うことができる。
【0092】
なお、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。