(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技球を発射し、発射された遊技球が入賞口に入球することで該入賞口に対応する数の賞球を付与し、複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定され、図柄変動ごとに実行される当否判定によって大当りが導出される確率が、設定されている該設定値に応じて異なる遊技機であって、
演出手段と、
前記演出手段を制御する演出制御手段と、
図柄変動を実行可能なモードを管理するモード管理手段と、
復電時の復帰状態を管理する復帰状態管理手段と、
前記設定値を表示可能であり、遊技盤の背面から視認可能に設けられた表示手段と、
前記遊技盤の背面側に設けられた操作手段と、
を備え、
前記モード管理手段によって管理される前記モードには、第一のモード及び第二のモードが含まれ、
前記モード管理手段は、前記モードが前記第一のモードである場合に、所定の終了条件が充足されたことに基づいて該第一のモードを終了させ、前記第一のモードの次の前記モードを前記第二のモードとすることができ、
前記復帰状態管理手段によって管理される前記復帰状態には、前記設定値の変更が可能な設定変更状態が少なくともあり、
前記設定値は、前記設定変更状態である場合に前記操作手段に対する操作により変更可能であり、
前記演出制御手段は、前記設定値として第一の設定値が設定されている場合には、前記当否判定によって前記大当りが導出される確率が前記第一の設定値よりも低い第二の設定値が前記設定値として設定されている場合よりも高い割合で、第一の演出を実行することが可能であり、
前記第一の演出は、開始に遊技者の操作を要しない演出、又は遊技者の操作によって開始される演出であって該操作がない場合にも開始される演出であり、前記第一のモードの次の前記モードが前記第二のモードとされる場合における該第一のモードの最後の図柄変動で大当りが導出される場合にも、該最後の図柄変動内で開始される場合があり、
前記演出制御手段は、更に、第三の演出を実行させることが可能であり、
前記第三の演出は、前記第一のモードで実行され、設定されている前記設定値に関わらない態様の演出であって、開始に遊技者の操作を要しない演出、又は遊技者の操作によって開始される演出であって該操作がない場合にも開始される演出であり、
前記第三の演出が実行された場合には、前記第三の演出が実行されなかった場合と比較して、前記第一の演出の開始タイミングが遅くなる、
ことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、更に、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し)に関して有利であることを指す。
また、以降の説明における「特典」とは、後述する大当り(大当り遊技)等、賞球の獲得に関して有利となる種々の状態を指し、いわゆるプレミア画像等の演出は含まれない。
【0010】
<概要>
本実施形態に係る遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態の特徴の概要を説明する。
本実施形態に係る遊技機10は、遊技球を発射し、発射された遊技球が入賞口に入球することでその入賞口に対応する数の賞球を付与し、複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定され、図柄変動ごとに実行される当否判定によって大当りが導出される確率が設定されている設定値に応じて異なる遊技機、いわゆるパチンコ遊技機であり、演出手段と、演出手段を制御する演出制御手段と、図柄変動を実行可能なモードを管理するモード管理手段とを少なくとも備えている。
【0011】
モード管理手段は、図柄変動を実行可能なモードを管理する。
ここで「図柄変動を実行可能なモード」とは、遊技機10において図柄変動が実行可能なときに設定され得るモードを意味し、例えば、大当り遊技中の状態及び小当り遊技中の状態を除く遊技可能状態に設定され得る状態であるということもできる。
本明細書において単に「モード」と表記した場合、この「図柄変動を実行可能なモード」を指すものとする。例えば、「第一のモードの次のモードを第二のモードとする」との表記は、図柄変動を実行可能な第一のモードの次の「図柄変動を実行可能なモード」を図柄変動を実行可能な第二のモードとすることを示し、第一のモードの直後に第二のモードとする形態と、第一のモードの直後に「図柄変動を実行可能でないモード」(例えば、大当り遊技中又は小当り遊技中の状態)を挟んで第二のモードとする形態とを含むことを示す。
【0012】
本実施形態では、この「図柄変動を実行可能なモード」の具体例として、後述の遊技状態制御手段155により制御される特図抽選状態及び普図抽選状態が例示される。より具体的には、特図低確状態、特図高確状態、普図低確状態、及び普図高確状態、並びにそれらの組合せが当該モードに相当する。但し、遊技状態制御手段155により制御される特図変動パターン導出状態が当該モードとされてもよい。このため、後述の遊技状態制御手段155がモード管理手段の一具体例となる。
但し、モード管理手段は、遊技状態制御手段155のように主制御基板100で実現される手段でなく、第1副制御基板200で実現される手段(例えば、後述の演出モード制御手段221)であってもよい。
即ち、「図柄変動を実行可能なモード」は、主制御基板100で管理されるものであってもよいし、主制御基板100以外のサブ基板(第1副制御基板200など)で管理されるものであってもよい。
【0013】
また、後述の演出モード制御手段221により制御される演出モード、即ち、通常モード、低確時短モード、確変モード、及び特殊モードは、「モード」という文言が付されているものの、本実施形態では、説明を分かり易くするために、当該モードの具体例としては扱わないものとする。
但し、上述した通り、演出モード制御手段221のように第1副制御基板200で実現される手段で管理される状態やモードを「図柄変動を実行可能なモード」として扱うことは可能である。例えば、第1副制御基板200において管理される、普図高確の状態に一対一で対応付けられるモード、特図低確且つ普図高確の状態に一対一で対応付けられるモードが存在する場合、当該「図柄変動を実行可能なモード」は、第1副制御基板200で管理されるこのようなモードであるということもできる。更に言えば、このようなモードは、主制御基板200で管理されるということもできる。
このような「図柄変動を実行可能なモード」についての各種形態については、<補足>の項において詳述するものとする。
【0014】
モード管理手段によって管理されるモードには、二以上のモード(第一のモード及び第二のモード)が含まれる。本実施形態では、第一のモードに普図高確の状態が対応づけられ、第二のモードに特図低確且つ普図低確の状態が対応付けられる。
モード管理手段は、モードが第一のモードである場合に、所定の終了条件が充足されたことに基づいて第一のモードを終了させ、第一のモードの次の当該モードを第二のモードとする。
「第一のモードの次の当該モードを第二のモードとする」については上述したとおりである。
当該所定の終了条件には、例えば、予め決められた回数の図柄変動が完了したことや、終了(転落)抽選の当選等があり得る。本実施形態では、予め決められた回数の図柄変動が終了することを条件に特図低確且つ普図高確の状態を終了させる。
【0015】
演出手段は、各種演出を実現する手段であり、後述のメイン表示部81、演出遮蔽体83等が演出手段に相当し得る。
演出制御手段は、演出手段を制御して、第一の演出を実行させることができる。具体的には、演出制御手段は、設定値として第一の設定値が設定されている場合には、大当りが導出される確率が第一の設定値よりも低い第二の設定値が設定値として設定されている場合よりも高い割合で、第一の演出を第一のタイミングにおいて開始させる。
【0016】
当該第一の設定値は、設定可能な設定値の中で大当りが導出される確率が最低の設定値(後述の設定値1)でなければよく、その確率が最大の設定値(後述の設定値3)であってもよいし、その確率が最小の設定値よりも大きい設定値(後述の設定値2)であってもよい。なお、第二の設定値は、このような第一の設定値よりも大当りが導出される確率が低い設定値であればよく、大当りが導出される確率が最低の設定値であってもよい
また、「第一の設定値が設定されている場合には、第二の設定値が設定値として設定されている場合よりも高い割合で第一の演出を開始させる」ことには、第二の設定値が現在の設定値として設定されている場合には第一の演出を開始させることはない形態も含む。
【0017】
このような当該第一の演出として、本実施形態では、当該第一の設定値が設定されていることを示唆する(確定的に告知することを含む)設定示唆演出Bが例示される。
但し、第一の演出は、第二の設定値よりも高い第一の設定値が設定されている場合に、その第二の設定値が設定されている場合よりも高い割合で実行される演出であればよく、その具体的な演出態様は制限されない。
後述の設定示唆演出Bは、演出の表示態様(トロフォー画像によって設定値を示唆する例であるが、当該第一の演出は、演出の態様は共通であって演出の発生頻度(高頻度が高設定示唆など)によって設定値を示唆する演出とされてもよい。
【0018】
第一の演出を開始させる第一のタイミングは、第一のモードにおける最後の図柄変動が開始されてから第二のモードにおける最初の図柄変動が終了するまでの移行期間内のタイミングとされる。
上述したとおり、第一のモードの直後が第二のモードとなる形態と、第一のモードの直後に「図柄変動を実行可能でないモード」(例えば、大当り遊技中又は小当り遊技中の状態)を挟んで第二のモードとなる形態とがある。
このため、当該移行期間には、第一のモードと第二のモードとの間に設けられた、大当り遊技中又は小当り遊技中の状態(「図柄変動を実行可能でないモード」)も含まれる場合がある。
【0019】
第一の演出を開始させる第一のタイミングが含まれる当該移行期間の始期となる第一のモードには、特図高確且つ普図高確の状態、特図低確且つ普図高確の状態、特図低確且つ普図高確の状態の終了後に移行されるゾーン(本実施形態での特殊モード)、特図高確且つ普図低確の状態(例えば、潜伏確変中のモード)、特定の演出モードなどが該当し得る。
他方、第二のモードには、第一のモードとは異なるモードが該当することになる。第二のモードは、上述の各種モードの一つであってもよいし、他のモードであってもよい。
このような第一のモード及び第二のモードの組合せに係る各種形態については、<補足>の項において詳述するものとする。
【0020】
当該第一の演出の終了タイミングについては制限されない。
例えば、終了タイミングが時間で管理される場合には、第一の演出の開始から終了までの時間が当該遊技機10における保留可能な特
図1及び特
図2の図柄変動の最大数(例えば8個)の消化に係る平均時間以下の時間となるようにすればよく、より好ましくは、第一の演出の開始から終了までの時間が第一のモードで優先的に消化される保留の最大数(例えば特
図2の4個)の消化に係る平均時間以下の時間となるようにすればよい。
また、終了タイミングを図柄変動の回数で管理する場合には、第一の演出の開始から終了までの図柄変動の回数が当該遊技機10における保留可能な特
図1及び特
図2の図柄変動の最大数以下の回数となるようにすればよく、より好ましくは、第一の演出の開始から終了までの図柄変動の数が第一のモードで優先的に消化される保留の最大数(例えば特
図2の4個)以下の回数となるようにすればよい。
【0021】
また、演出制御手段によって開始される第一の演出は、開始に遊技者の操作を要しない演出、又は遊技者の操作によって開始される演出であってその操作がない場合にも開始される演出である。
ここで「開始に遊技者の操作を要しない演出」とは、後述する設定示唆演出Bのように、操作手段(後述する演出ボタン37など)を模した画像を表示しない等、操作手段の操作を要する旨を遊技者に認識させない上で、或いは操作手段の操作を要しない旨を遊技者に認識させた上で、開始される演出を意味する。
また、「遊技者の操作によって開始される演出であってその操作がない場合にも開始される演出」とは、操作手段(演出ボタン37)を模した画像を表示する等、操作手段の操作を要する旨を遊技者に認識させた上で遊技者の操作によって開始される演出であって、その操作の有効期間内にその操作がない場合にも開始される演出を意味する。
【0022】
このように本実施形態では、大当りが導出される確率が(他の設定値よりも)高い設定値が設定されている場合に高い割合で実行される第一の演出が、第一のモードにおける最後の図柄変動が開始されてから第二のモードにおける最初の図柄変動が終了するまでの期間内の或るタイミングで開始される。
これにより、第一のモードの終了時及び第二のモードの開始時における遊技者の遊技意欲を高めることができ、ひいては、遊技者の興趣を高めることができる。
【0023】
以下、このような特徴を有する遊技機10についてより具体的に説明する。
【0024】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1から
図5を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、
図2は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す鳥瞰図であり、
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、
図5は、遊技機10の背面図である。
なお、
図1から
図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0025】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、「遊技領域50a」と称す)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
【0026】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠17と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0027】
中枠17は、ヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により左端側を中心に回動自在に支持され、外枠15の前側に開閉可能となっている。なお、中枠17は、シリンダ錠23により、施錠及び解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを前枠の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、右)に回す)が可能となっている。
【0028】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を中心に回動自在に支持され、中枠17に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠及び解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを中枠17の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、左)に回す)が可能となっている。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0029】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、後述する主制御基板100に電気的に接続されているメイン操作部39として、玉貸ボタン39a、及びプリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bが設けられ、後述する第1副制御基板200に電気的に接続されている操作部として、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、及びそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)等が含まれる。なお、各操作部には、操作を検知するためのセンサが設けられており、接続対象の制御基板は、当該センサの検知状態の変化によって各操作部の操作を検知している。演出ボタン37等は、遊技機10が備える操作手段の一具体例である。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0030】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
【0031】
図1に示すように、前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ演出ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や演出ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
【0032】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、更に、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
【0033】
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる装飾図柄の変動表示を表示することができ、更に他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列における装飾図柄の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に装飾図柄が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0034】
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
【0035】
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用することができる。
【0036】
メイン表示部81とサブ表示部82の間には、演出遮蔽体83が配設されている。更に、演出遮蔽体83は、左上演出遮蔽体83a、右上演出遮蔽体83b、左下演出遮蔽体83c、及び右下演出遮蔽体83dで構成されており、これらは、互いに連動してメイン表示部81を遮蔽する方向に移動可能に構成されている。
【0037】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下、「LED」と略称する)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄及び普通図柄が表示される。
また、図柄表示装置90は、メイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は、メイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0038】
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特
図1」、第2特別図柄は「特
図2」と略称される場合がある。
【0039】
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
【0040】
また、図柄表示装置90には、上述の表示装置以外に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特
図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特
図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも、2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
【0041】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、以下の説明では、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
【0042】
遊技盤50の前面には、
図4に示すように、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0043】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0044】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示しているが、図示されている入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0045】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた数(本実施形態では、15)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0046】
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド66により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
大当り遊技では、特別電動役物65の開放状態と閉鎖状態が交互に設定され、1回の開放状態(「ラウンド」と称する場合があり、1回の大当りで発生するラウンドの総数を「ラウンド数」と称する場合がある)は、あらかじめ定められた数(本実施形態では、10)の遊技球が大入賞口55に入賞したことに基づいて終了し、特別電動役物65が閉鎖状態となる。
なお、1回の開放状態は、あらかじめ定められた数の遊技球が大入賞口55に入賞するのに十分な時間(本実施形態では、30秒)が経過したことに基づいても終了する。
ここで、1回のラウンドにおいて、10球の遊技球が入賞したことに基づいて特別電動役物65が開放状態から閉鎖状態に設定される場合に、すぐに閉鎖状態となることはできない。そのため、1回のラウンドにおいて、10球を超える遊技球が大入賞口55に入賞する場合が発生し、当該入賞をオーバー入賞と称する場合がある。
【0047】
また、特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因する小当り遊技の少なくとも一部においても特別電動役物65が開放状態となるが、上記の大当り遊技と比較して当該開放状態となる時間が短い。そのため、小当り遊技は、大当り遊技よりも不利な遊技状態と言える。
【0048】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図1の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0049】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0050】
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド62により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特
図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大しうる。
【0051】
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への入賞が判定される。ゲート63に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0052】
一般入賞口67は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67を複数個設けるようにしてもよい。
【0053】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0054】
このように、遊技機10は、遊技球を発射し、発射された遊技球が入賞口に入球することで該入賞口に対応する数の賞球を付与すると換言できる。
【0055】
なお、本実施形態では、上記入賞口及びアウト口に入球した遊技球(以下、「アウト球」と称する)を検出するためのアウト球センサ75(図示省略)を備えており、当該センサの検出結果を用いて計数されたアウト球数は、ベース値を導出するために用いられる。
ここで、ベース値とは、最も不利な状態(後述する、特図低確、且つ普図低確の状態)におけるセーフ球数(賞球数)÷アウト球数×100で導出される値であり当該値は、後述する主制御基板モニタ97に表示される。
より具体的には、初回電源投入(RAM103のベース値に係る領域がクリアされた場合を含む)からアウト球数の60000区切りの区間でベース値を導出し、導出したベース値を次の区間に表示(例えば、アウト球数が60001〜120000の区間で導出したベース値を120001〜180000の区間で表示)する。そして、表示される値は、導出したベース値の整数部分(小数点第一位を四捨五入)である。
【0056】
遊技盤50の背面には、
図5に示すように、主制御基板100が格納された主制御基板ケース109、第1副制御基板200が格納された第1副制御基板ケース209、第2副制御基板300が格納された第2副制御基板ケース309、電源制御基板500が格納された電源制御基板ケース509、払出制御基板400が格納された払出制御基板ケース409、及び設定基板41が装着され、第1副制御基板ケース209及び第2副制御基板ケース309の背面に加え、主制御基板ケース109の背面の一部を覆う開閉カバー45が着脱自在に装着されている。
なお、各基板を覆う基板ケース及びカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケース及びカバーを通して対応する基板が視認可能となっている。
【0057】
主制御基板100には、設定値、ベース値、及び遊技停止状態の種別(詳細は後述)を表示する主制御基板モニタ97が設けられ、当該モニタは、遊技盤50の背面から視認可能となっている。また、当該モニタの表示は、主制御基板100により制御される。
【0058】
ここで、設定値とは、後述する特図当否判定の有利度(大当りが導出される確率)に影響を与える値である。本実施形態における設定値は、設定値1、設定値2、及び設定値3の計3段階が設けられており、設定されている設定値(以下、「現在の設定値」と称する場合がある)の値が大きくなるに従って特図当否判定の有利度が高くなるように構成されている。なお、設定値に応じた特図当否判定の詳細は、後述する。
また、設定値は、後述する設定変更手段177による設定変更処理によって変更可能であり、現在の設定値は、後述する設定確認手段178による設定確認処理において確認可能であり、設定変更処理及び設定確認処理の詳細は、後述する。
【0059】
また、本実施形態では、設定されている設定値、ベース値、及び遊技停止状態の種別を同一の表示装置(主制御基板モニタ97)で表示しているが、これらの一部又は全部を別の表示装置に表示するようにしてもよい。
【0060】
電源制御基板には、遊技島の電源設備から供給される一次電源を遊技機10に供給するために操作される電源スイッチ40が設けられている。
【0061】
設定基板41には、後述する復電時(電源投入時)の復帰状態を決定するための操作部として、設定キースイッチ42及びRAMクリアスイッチ43が設けられている。更に、設定基板41には、設定キースイッチ42及びRAMクリアスイッチ43を覆う透明性を有する設定基板カバー44がヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により開閉可能に設けられている。
なお、設定基板カバー44は、設定キースイッチ42を操作するために用いられる設定キー600が挿入されている状態では、閉鎖状態にならないように構成されている。
また、設定基板カバー44は、ヒンジ機構によって開閉可能に構成されているが、上下にスライドするスライド式のカバーであってもよい。
【0062】
このように、遊技島に設置された状態では、中枠17を開放状態としなければ、遊技盤50の背面側に設けられた各操作部(電源スイッチ40、設定キースイッチ42、RAMクリアスイッチ43)の操作が困難となる。
【0063】
また、遊技盤50の背面には、開閉カバー45の上部に、遊技島の球供給設備から供給される遊技球が貯留される遊技球タンク46が配置されている。遊技球タンク46は、更に、タンクレール47及び払出ユニット48を介して、上球受け皿27に繋がる払出通路49と接続されており、払出ユニット48によって払い出された球は、払出通路49を通って上球受け皿27に払い出される。
【0064】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0065】
<遊技機10の制御構成について>
次に、
図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。
図6は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、
図6に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図6で図示しない制御構成を備えていてもよい。
【0066】
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、CPU101によるプログラム処理とは別系統で動作して乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
【0067】
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路502において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、又は遊技可能状態)、設定中の設定値、現在の特図抽選状態、現在の普図抽選状態などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。
【0068】
本実施形態では、少なくとも、そのような遊技に係る情報が格納される領域(RAM103の遊技に係る領域と表記される場合がある)に加えて、ベース値が格納される領域(RAM103のベース値に係る領域)と、RAM103の遊技に係る領域に関するチェックサムの補数及びバックアップフラグが格納される領域(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)と、RAM103のベース値に係る領域に関するチェックサムの補数及びバックアップフラグが格納される領域(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)とがバックアップされる。
そして、遊技機10は、復電時に、そのバックアップされた、RAM103の遊技に係る領域と、RAM103のベース値に係る領域と、RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と、RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域とに格納される各種情報を用いて復帰する。
【0069】
本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
【0070】
また、主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74、アウト球センサ75、中枠開扉センサ76等と電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
【0071】
また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96、主制御基板モニタ97、普通電動役物ソレノイド62及び特別電動役物ソレノイド66に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらを制御可能に構成されている。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。更に、主制御基板100は、設定基板41と電気的に接続されており、設定キースイッチ42、及びRAMクリアスイッチ43の操作を検知可能に構成されている。
【0072】
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線及び1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
【0073】
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備え、これらが内部バスを介して相互に接続され、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37及びカーソルボタン38に電気的に接続されており、当該操作部の操作を検知可能に構成されている。
【0074】
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ画像及び音響を指示する画像制御コマンド、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データ、可動装飾体22及びサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データ等を生成する。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像及び音響に関する画像制御コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
【0075】
また、第1副制御基板200は、演出ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、演出ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
【0076】
また、第1副制御基板200は、可動装飾体22、サブ表示部82、及び演出遮蔽体83と電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。
そして、可動装飾体22、サブ表示部82、演出遮蔽体83は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
【0077】
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、読み込んだ音響データを合成処理して生成した最終的な音響データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
【0078】
払出制御基板400は、CPU401、ROM402及びRAM403(いずれも図示省略)を主体として構成されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、操作ハンドル31の操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
【0079】
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路501、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路502、及び電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路503で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、及び払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路503によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路502は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路502を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路503を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、及び払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
【0080】
<遊技機10の機能構成について>
次に、
図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。
図7は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、
図7に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図7で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、必要に応じて、機能構成を説明する際に、
図8参照することとする。
【0081】
主制御基板100は、
図7に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段125、特図抽選手段130、普図抽選手段135、大当り遊技制御手段140、図柄表示制御手段145、電動役物制御手段150、遊技状態制御手段155、メイン情報記憶手段160、メインエラー制御手段165、メインコマンド管理手段170、復電処理実行手段175、及び電断処理実行手段180を備えており、これらの手段は、
図6を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0082】
なお、メイン情報記憶手段160は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
【0083】
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
【0084】
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一又は複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、及び普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
【0085】
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、及び普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特
図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を、特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特
図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特
図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特
図1保留カウンタ」と称する)を備え、特
図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特
図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特
図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特
図1保留カウンタよりも1少ない特
図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特
図2及び普図に関しても、特
図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特
図2の保留カウンタを特
図2保留カウンタと称する。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
【0086】
また、メイン保留制御手段120は、特
図1又は特
図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算又は減算)した際に、特
図1保留カウンタ及び特
図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特
図1に対応する作動保留情報及び特
図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特
図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される優先変動が行われる。
また、大当り遊技中に保留されている特図の作動保留情報であって、当該大当り遊技の終了後に使用される特図の作動保留情報(本実施形態のように優先変動を採用している場合には、特
図2の保留に限る)を使用した場合の特図当否判定の結果が大当り(後述する確変大当りであることが好ましい)となることを、「保留連」と称する場合がある。
【0087】
事前判定手段125は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合に、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、及び特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一又は同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定は、後に実行される抽選の結果と同一の結果が導出される。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないことを指し、更に、本実施形態では、普図高確中の特
図1の作動保留情報が保留された場合には、事前判定コマンドの送信を規制している。
【0088】
特図抽選手段130は、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、及び特図変動パターン導出手段133を備え、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、特図変動パターン導出手段133の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段130は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
なお、「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特
図1及び特
図2のいずれも図柄変動中でないこと、特
図1及び特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することのすべての条件が充足されたことである。
【0089】
ここで、
図8は、主制御基板100における抽選で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図であり、以下の説明において必要に応じて参照する。
なお、
図8で示す抽選テーブル以外の抽選テーブルを含め、以下の抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、以降の抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。同様に、以降で図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」又は「0」が記載されている場合があるが、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。同様に、抽選に使用される乱数範囲の最大値に1を加えた抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。
【0090】
特図当否判定手段131は、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と現在の設定値に対応する特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、小当たり、はずれのいずれに該当するかを抽選によって決定する。
図8(a)は、特
図1当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)において、現在の設定値が設定値1である場合には、180/65536、現在の設定値が設定値2である場合には、190/65536、現在の設定値が設定値3である場合には、200/65536の確率で大当りが導出される。また、特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)において、現在の設定値が設定値1である場合には、450/65536、現在の設定値が設定値2である場合には、475/65536、現在の設定値が設定値3である場合には、500/65536の確率で大当りが導出される。なお、小当りについては、いずれの設定値が設定されている場合であっても、300/65536の確率で導出される。
【0091】
図8(b)は、特
図2当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1当否判定の場合と同様に、0〜65535である。そのため、特図低確において、現在の設定値が設定値1である場合には、180/65536、現在の設定値が設定値2である場合には、190/65536、現在の設定値が設定値3である場合には、200/65536の確率で大当りが導出される。また、特図高確において、現在の設定値が設定値1である場合には、450/65536、現在の設定値が設定値2である場合には、475/65536、現在の設定値が設定値3である場合には、500/65536の確率で大当りが導出される。なお、小当りについては、特
図1当否判定とは異なり、いずれの設定値が設定されている場合であっても導出されない。
【0092】
このように、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
なお、後述するRAMクリア処理が実行された場合には、特図低確が設定されることとなる。
また、設定される設定値が大きくなるほど大当りが導出される確率が高くなるため、設定される設定値が大きくなるほど特図当否判定(特
図1当否判定、特
図2当否判定のいずれも)の有利度が高くなると言える。
また、特図低確の大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)と、特図高確で大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)の比率が、設定される設定値に関わらず一定(本実施形態では、1:2.5)となるように抽選値が設定されており、当該比率が一定とは、大当り確率の分母(分子を1とした場合)の整数部分(小数点以下は、切り捨て、切り上げ、及び四捨五入のいずれか)の比率が一定となればよい。すなわち、前者の確率の分母と、後者の確率の分母の比率が、設定される設定値に関わらず略一定となるように抽選値が設定されていればよい。
【0093】
特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定手段131によって大当りが導出された場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図8(c)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜99である。そのため、特
図1では、大当りが導出された際に、50/100の確率(すべての設定値で同一)で図柄A、50/100の確率(すべての設定値で同一)で図柄Bが停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aは、ラウンド数(R数)が9であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確、普図高確となる図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。一方、図柄Bは、ラウンド数(R数)が8であり、且つ大当り遊技終了後に特図低確、普図高確(詳細は後述)となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。よって、図柄Aは、ラウンド数及びその後の特図抽選状態の双方において、図柄Bよりも有利な図柄である。なお、特図の停止図柄によって定められるラウンドのうちの最後のラウンドを「最終ラウンド」と称する場合がある。
【0094】
図8(d)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1停止図柄抽選と同様に、0〜99である。そのため、特
図1では、大当りが導出された際に、65/100の確率(すべての設定値で同一)で図柄a、35/100の確率(すべての設定値で同一)で図柄bとなる。
ここで、図柄aは、ラウンド数(R数)が16であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確、普図高確となる確変図柄であり、図柄bは、ラウンド数(R数)が8であり、大当り遊技終了後に特図低確、普図高確となる通常図柄である。よって、図柄bよりも図柄aの方が有利度が高くなると言える。
なお、ラウンド数が16である場合、ラウンドごとに大入賞口55に概ね10球の遊技球が入賞し、1球入賞するごとに15球の賞球が付与されるため、当該大当りでは、概ね2400発の遊技球が付与される。
【0095】
このように、本実施形態では、特
図1及び特
図2のいずれにおいても、各停止図柄が導出される確率は、設定される設定値に関わらず一定であり、特図停止図柄抽選の有利度は、設定される設定値によって変化しない。
【0096】
また、本実施形態は、特
図1による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(50/100)と、特
図2による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(65/100)とが異なっている(特
図1の図柄変動よりも特
図2の図柄変動が有利になっている)。詳細は省略するが、この違いは、大当り遊技中に遊技球が大入賞口55内に設けられたV入賞領域を通過した場合(V入賞領域に設けられたセンサが遊技球を検知した場合)に大当り遊技終了後に特図高確とする機能を備え、V入賞領域の通過が容易となるラウンド(本実施形態では、9ラウンド目)を設けるか否かを特図の停止図柄によって変えることで実現している。
【0097】
また、特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定手段によって大当りが導出されなかった場合には、特
図1の小当り時は図柄C、特
図1のはずれ時は図柄D、特
図2のはずれ時は図柄cを停止図柄として一律に決定する。
【0098】
特図変動パターン導出手段133は、特図変動パターン(変動時間)を決定する際に参照する特図変動パターン抽選テーブルを複数種類備え、現在の特図変動パターン導出状態(詳細は後述)と今回の特図当否判定手段131の抽選結果とに基づいて、今回の特図変動パターンを決定するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを決定する。
なお、本実施形態では、上述の特図停止図柄抽選と同様に、特図変動パターン導出状態及び特図当否判定手段131の抽選結果が同一であれば、各特図変動パターンが導出される確率は、設定される設定値に関わらず一定となる。
また、特図変動パターン導出手段133は、決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0099】
普図抽選手段135は、特図抽選手段130と同様に、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行し、当該普図当否判定によって普通電動役物61が開放状態に制御されることとなる普図当りに当選した場合に普図の停止図柄を抽選により決定する普図停止図柄抽選、及び普図の変動パターン(変動時間)を抽選により決定する普図変動パターン抽選を実行する。
より具体的には、普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、抽選テーブルの図示は省略するが、本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率(すべての設定値で同一)で普図当りとなり、残りの1/65536の確率ではずれとなる一方、普図低確では、1/65536の確率(すべての設定値で同一)で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率ではずれとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536ではずれとなる)ようにしてもよい。
【0100】
普図停止図柄抽選では、特図停止図柄抽選と同様に、普通電動役物61の開放状態となるパターンが異なる複数種類の停止図柄から、普図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの停止図柄が決定される。なお、普図当否判定ではずれとなった場合には、特
図1、2と同様に、停止図柄が一律に決定される。
【0101】
また、普図変動パターン抽選では、特図変動パターン抽選と同様に、複数種類の普図変動パターンから、普図変動パターン抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの普図変動パターンが決定される。
【0102】
このように、普図高確は、普図低確よりも普図当りが導出される確率が高く、普図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
なお、後述するRAMクリア処理が実行された場合には、普図低確が設定されることとなる。
また、本実施形態では、普図に関する抽選(普図当否判定、普図停止図柄抽選、及び普図変動パターン抽選)のいずれにおいても各抽選結果が導出される確率は、設定値に関わらず一定であり、普図に関する抽選の有利度は、設定される設定値によって変化しない。
【0103】
なお、本実施形態は、上述の通り、設定される設定値が大きくなるほど特図当否判定の有利度(大当りが導出される確率)が高くなることで、設定される設定値が大きくなるほど有利度が高くなるように構成されているが、特図当否判定に加え、特図停止図柄抽選、普図当否判定、及び普図停止図柄抽選のうちの少なくとも一つの抽選(又は判定)について設定差を設けるようにしてもよい。また、特図当否判定を含まず、特図停止図柄抽選、普図当否判定、及び普図停止図柄抽選のうちの少なくとも一つの抽選(又は判定)について設定差を設けることで、設定される設定値が大きくなるほど有利が高くなる(設定される設定値に応じて有利度が異なる)ようにしてもよい。すなわち、設定される設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が異なるように構成されていればよい。
【0104】
よって、遊技機10は、所定の特典(大当り)を含む複数種類の特典を付与可能であり、複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定され、設定されている設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が異なる遊技機であると換言できる。
また、遊技機10において、所定の特典は、大当りであり、設定されている設定値に応じて大当りが導出される確率が異なり、第一の設定値(設定値3)は、第二の設定値(設定値1)よりも大当りが導出される確率が高いものであると換言できる。
【0105】
大当り遊技制御手段140は、特図当否抽選の結果が大当りである場合、決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、及び大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
また、大当り遊技制御手段140は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
また、大当り遊技制御手段140は、特図当否抽選の結果が小当りの場合も同様に、小当り開始デモに係る時間、及び小当り終了デモに係るデモ時間を決定し、小当り開始時には、小当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、小当り終了時には、小当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、大当り開始デモに係るデモ時間、及び大当り終了デモに係るデモ時間の長さは適宜任意の長さとしてよいが、本実施形態では、大当り開始デモに係るデモ時間を普図高確における最長の開放パターン(開放パターンが一パターンである場合には、当該開放パターン)に係る時間よりも長い時間とし、大当り終了デモに係るデモ時間は、普図低確における最長の普図の変動時間(変動時間が一種類である場合には、当該変動時間)よりも長い時間としている。
【0106】
図柄表示制御手段145は、特
図1の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図2を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、特
図1及び特
図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
【0107】
また、図柄表示制御手段145は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に普図を普図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
【0108】
電動役物制御手段150は、特図当否抽選の結果が大当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R、9R、8R)だけ連続して実行する遊技状態である。
【0109】
また、電動役物制御手段150は、特図当否抽選の結果が小当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を短期間(0.05秒)だけ開放させる。
【0110】
また、電動役物制御手段150は、普図当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド62に制御信号を出力して、普通電動役物61を普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0111】
遊技状態制御手段155は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、上述の通り、大当り遊技の開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、特図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図低確を維持し、確変大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図高確とする。
【0112】
また、遊技状態制御手段155は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、大当り開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、100回の図柄変動が行われるまで普図高確とし(100回の図柄変動後には普図低確とする)、確変大当りに係る大当り終了時には、次回の大当り遊技の開始まで(例えば、大当りが導出されるのに十分な有限の回数(例えば、5000回)を設定する場合も含む)普図高確とする。なお、特図低確且つ普図高確の状態を低確時短と称する場合がある。
【0113】
更に、遊技状態制御手段155は、上述の特図変動パターン導出状態を制御する。具体的には、特図変動パターン導出状態を大別すると、特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態A、特図低確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態B、及び特図高確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態Cがあり、大当り遊技中を除いて特図抽選状態及び普図抽選状態に応じた特図変動パターン導出状態が設定される。
【0114】
また、遊技状態制御手段155は、特図抽選状態、普図抽選状態、及び特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
本実施形態では、上述した通り、遊技状態制御手段155がモード管理手段に相当し、遊技状態制御手段155により制御される特図抽選状態及び普図抽選状態並びにその組合せに係る状態が図柄変動を実行可能なモードの一具体例に対応付けられる。
【0115】
また、本実施形態における遊技状態制御手段155は、現在の設定値に関わらず予め決められた回数の図柄変動が終了することを条件に、特図低確且つ普図高確の状態を終了させ、特図低確且つ普図低確の状態へ移行させる。
即ち、遊技機10において、モード管理手段(遊技状態制御手段155)は、第一のモード(普図高確の状態)が設定されている場合に、所定の終了条件が充足されたことに基づいてその第一のモードを終了させ、その第一のモードの次の当該モードを第二のモード(特図低確且つ普図低確の状態)とすると換言できる。
当該所定の終了条件は、本実施形態のように予め決められた回数の図柄変動が完了したことや、終了(転落)抽選の当選等があり得る。
このように当該所定の終了条件は、設定されている設定値に関わらない条件とすることができる。
「設定されている設定値に関わらない条件」とは、現在の設定値に関わらない予め定められた回数の図柄変動が実行されることや、現在の設定値を参照しない終了(転落)抽選に当選することなど、当該条件を判定するにあたって現在の設定値が参照されないことを意味する。
このようにすることで、第一のモード(普図高確の状態)の次の当該モードが第二のモード(特図低確且つ普図低確の状態)となる条件が設定値に関わらない条件となり、結果として、第一の演出(後述する設定示唆演出B)を開始させる第一のタイミングが含まれる移行期間の発生頻度も設定値に関わらなくなるため、設定されている設定値による第一のタイミングの発生頻度の差を小さくすることができる。
【0116】
メイン情報記憶手段160は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0117】
メインエラー制御手段165は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
なお、メインエラー制御手段165は、例えば、磁気センサ(図示省略)の検知によるエラー状態等、重要度の高いエラー状態となった場合には、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理を実行するようにしてもよい。
【0118】
メインコマンド管理手段170は、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0119】
復電処理実行手段175は、復帰状態設定手段176、設定変更手段177、設定確認手段178、及び遊技可能状態移行手段179を備える。
【0120】
復帰状態設定手段176は、復電時の復帰状態当該RAM103に異常があるか否か、当該復電の直前の電断時の状態、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せ、及び復電時の中枠開扉センサ76の状態に基づいて、復帰状態設定処理を実行する。当該処理によって設定される復帰状態には、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、及び遊技可能状態(RAMクリア処理を伴う場合と、RAMクリア処理を伴わない場合とがある)がある。
このため、復帰状態設定手段176は、復電時の復帰状態を管理する復帰状態管理手段と呼ぶことができ、復帰状態管理手段(復帰状態設定手段176)によって管理される復帰状態には、設定値の変更が可能な設定変更状態が少なくともあると換言することができる。
なお、復帰状態設定手段176による復帰状態設定処理の詳細フローの説明は省略するが、当該復帰条件に対応する復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細は後述する。
【0121】
本実施形態におけるRAMクリア処理とは、RAM103の遊技に係る領域(後述するベース値に係る領域とは異なる領域)の一部(設定値に係る領域を除く領域)をクリアすることを指す。
これにより、本実施形態においてRAMクリア処理が実行された場合、直前の特図抽選状態や普図抽選状態、特図変動パターン導出状態などは初期化され、例えば、特図抽選状態が特図低確とされ、普図抽選状態が普図低確とされ、特図変動パターン導出状態が特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態Aとされる。
RAMクリア処理を実行するにあたり、設定値に異常がある場合(設定値が範囲外の場合)には、設定値に係る領域もクリアするようにしてもよい。なお、RAM103のベース値に係る領域が異常である場合等、当該領域をクリアする条件が充足された場合には、当該領域をクリアするようにしてもよい。
【0122】
ここで、遊技停止状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行しない(当該センサの検知結果自体を見なくてもよい)ことで、遊技の進行が不可能となる復帰状態であり、遊技可能状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行することで、遊技の進行が可能となる復帰状態である。なお、設定変更状態及び設定確認状態の詳細は後述する。
また、遊技可能状態等の復帰状態を設定するとは、具体的にRAM103における所定領域に復帰状態に対応するデータ(フラグ)をセットすることのみならず、復帰状態に対応するデータをセットすることなくRAM103における所定領域を復帰状態を示すデータ状態にすることを示してもよい。
【0123】
また、RAM103に異常があるか否かとは、復帰状態設定処理の先頭で行われるRAM異常チェック(具体的には、対象となる領域に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグが記憶されているか否か(バックアップフラグがONであるか否か)を判定し、当該バックアップフラグが記憶されている場合(当該バックアップフラグがONである場合)には、対象となる領域と当該領域に係るバックアップ情報領域に記憶されている補数のチェックサムを導出し、当該演算結果が0である場合には、対象となる領域が正常であると判断し、それ以外は、対象となる領域が異常であると判断する処理)をRAM103の遊技に係る領域に対して実行して判断される。
なお、本実施形態におけるRAM異常チェックでは、ベース値に係る領域に対しても異常があるか否かが判断されるが、本実施形態における説明では、特段の説明がない限り、RAM103に異常があるとは、RAM103の遊技に係る領域に異常があることを指す。
また、復帰状態設定処理では、RAM103の遊技に係る領域に異常があり、且つRAM103のベース値に係る領域に異常がある場合に、RAM103のベース値に係る領域がクリアされるが、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば(RAM103の遊技に係る領域に異常があるか否かに関わらず)、RAM103のベース値に係る領域をクリアするようにしてもよい。
【0124】
設定変更手段177は、設定変更状態が設定された場合に、設定値の変更を可能とする設定変更処理を実行する。なお、当該処理の詳細は、後述する。
【0125】
設定確認手段178は、設定確認状態が設定された場合に、設定値の確認を可能とする設定確認処理を実行する。なお、当該処理の詳細は、後述する。
【0126】
遊技可能状態移行手段179は、遊技可能状態が設定された場合に、遊技可能状態へ移行させる遊技可能状態移行処理を実行する。
具体的に説明すると、遊技可能状態移行処理では、セキュリティ信号の出力がONになっている場合には、セキュリティ信号の出力をOFFにする処理、ベース値を主制御基板モニタ97に表示させる処理(ベース値の表示態様については、後述)、及びデバイスの初期設定が実行される。
ここで、セキュリティ信号とは、遊技機外の機器(データ表示機やホールコンピュータ)に向けて遊技機10に設けられた外部端子盤(図示省略)から出力される信号の一種である。以降の説明を含め、セキュリティ信号をONにするとは、セキュリティ信号の出力を開始すること指し、セキュリティ信号をOFFにするとは、セキュリティ信号の出力を終了すること指す。
また、本実施形態において、セキュリティ信号をOFFにする処理では、セキュリティ信号をONにしてからの経過時間を考慮していないが、当該経過時間を考慮、すなわち、セキュリティ信号をONにしてから一定時間経過するまでセキュリティ信号をOFFにしないようにしてもよい。
また、デバイスの初期設定では、払出制御基板400に遊技球の発射を許可するための発射許可コマンドの送信や、各入賞口への入球が有効となる状態の設定や、乱数回路105を起動させるためのデータの設定等の処理が実行される。
【0127】
電断処理実行手段180は、電源制御基板500からの電断信号を受信したことに基づいて電断処理を実行する。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域(ベース値に係る領域とは異なる領域)に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、及び当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。また、RAM103のベース値に係る領域に対しても、RAM103のうちの遊技に係る領域と同様に、RAM103のベース値に係る領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103のベース値に係るバックアップ情報領域記憶させる処理、及びRAM103のベース値に係る領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
【0128】
第1副制御基板200は、
図7に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段250、サブ情報記憶手段260、及びサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、
図5を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
なお、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。
【0129】
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
【0130】
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、及び大当り演出制御手段227を備える。
【0131】
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドが送信された場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードには、通常モード、低確時短モード、確変モード、及び特殊モードが含まれ、特図変動パターン導出状態Aには通常モード及び特殊モード、特図変動パターン導出状態Bには確変モード、特図変動パターン導出状態Cには低確時短モードが対応付けられる。
【0132】
本実施形態では、演出モード制御手段221は、途中で特図当否判定に当選しない限り、低確時短モードが終了すると、特殊モードを介して通常モードへ移行させる。演出モード制御手段221は、特殊モードへ移行した後、所定の終了条件が充足されたことに基づいて当該特殊モードを終了させ、通常モードへ移行させる。この特殊モードでは、通常モードとは異なる態様での演出が実行され得る。
当該所定の終了条件には、例えば、予め決められた回数の図柄変動が完了したことや、終了抽選の結果等があり得る。
このように、本実施形態では、低確時短モードと通常モードとの間に特殊モードを介在させることで、低確時短モードから降格する際に遊技者の遊技意欲の低下を抑えることができる。
【0133】
演出ルート決定手段222は、変動開始コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる情報(例えば、特図変動パターン)や上述の演出モード等に基づいて、今回の図柄変動に対応する演出ルートを決定(設定)する。
演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。
【0134】
本実施形態における演出ルートには、獲得ポイントが所定ポイント(例えば1000ポイント(pt))を超えるか否かによって特図当否判定の結果が大当りであるか否かを報知する演出ルート(以下、「ポイント獲得演出ルート」と称する)が存在する。本実施形態では、ポイント獲得演出ルートは、少なくとも特殊モード時又は通常モード時に設定可能とされている。
ポイント獲得演出ルートに従って決定される演出(以下、「ポイント獲得演出」と称する)の内容の詳細は後述するが、その演出においては、現在の設定値を示唆する設定示唆演出が実行される場合がある。以降、ポイント獲得演出と共に実行される設定示唆演出は、説明の便宜のため、設定示唆演出Aと表記する場合がある。
また、現在の設定値を示唆する設定示唆演出は、低確時短モードの最終の図柄変動において開始される結果告知演出と共に実行される場合もある。以降、この結果告知演出と共に実行される設定示唆演出は、説明の便宜のため、設定示唆演出Bと表記する場合がある。なお、ポイント獲得演出、設定示唆演出A及びB、並びに結果告知演出の詳細については後述する。
【0135】
サブ保留制御手段223は、保留コマンドの受信があった場合に、当該コマンドに含まれる特
図1保留カウンタと特
図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特
図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特
図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。
なお、保留画像とは、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる画像である。
【0136】
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
【0137】
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出ルート決定手段222によって決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出ルート決定手段222は、決定された演出ルートの各段階において、実行する演出の内容(演出パターン)を、当該演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
【0138】
本実施形態において、演出内容決定手段225は、上述した、ポイント獲得演出、結果告知演出、設定示唆演出A及びBに加えて、演出遮蔽体83を閉鎖するか否かによって特図当否判定の結果が大当りであるか否かを報知する演出遮蔽体閉鎖演出、モード移行演出、設定示唆演出A又はBを説明する説明テロップ演出などの実行を決定する。
演出内容決定手段225は、特殊モードから通常モードへ移行する際にモード移行演出を実行するか否かを決定し、モード移行演出を実行する場合には、特殊モードから通常モードへ移行した直後の最初の図柄変動の変動時間内に当該モード移行演出を開始させ、終了させる。但し、モード移行演出は、当該最初の図柄変動の変動時間の最短時間よりも長く、次の図柄変動に跨って実行されてもよい。
【0139】
演出内容決定手段225は、モード移行演出を実行するか否かを現在の設定値に関わらない態様で決定する。例えば、演出内容決定手段225は、特殊モードから通常モードへ移行する場合には必ずモード移行演出の実行を決めてもよいし、現在の設定値を参照することのない抽選等によりモード移行演出の実行を決めてもよい。
また、モード移行演出の態様が複数種設けられていており、演出内容決定手段225は、そのような複数種の態様の中から、特殊モードから通常モードへ移行した直後の最初の図柄変動又はそのタイミングで保留されている図柄変動に対する大当り期待度を示唆する態様のモード移行演出を選択して実行してもよい。この場合にも、現在の設定値を参照することなく、大当り期待度を示唆する態様のモード移行演出が選択実行されるため、現在の設定値に関わらない態様でのモード移行演出の実行といえる。
【0140】
図9は、説明テロップ演出の例を示す図であり、具体的には、
図9(a)は設定示唆演出Aを説明する説明テロップ演出の例を示し、
図9(b)は設定示唆演出Bを説明する説明テロップ演出の例を示す。
本実施形態では、演出内容決定手段225は、所定の条件が充足されたことに基づいて、このような説明テロップ演出の実行を決定する。
具体的には、演出内容決定手段225は、当否判定の結果がはずれであり且つ装飾図柄がリーチ状態にならない場合に選択される特図変動パターンであって、保留されている図柄変動の数(保留数)が少ない場合(例えば、2個以下)に選択される可能性が高く、保留数が多い場合(例えば、3個以上)に選択される可能性が低い特図変動パターンが変動開始コマンドで示されている場合に、現在の設定値を参照しない抽選を行い、当選したことを条件にして、説明テロップ演出の実行を決定する。
【0141】
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出内容決定手段225によって決定された演出内容等に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。なお、以下の説明では、特に断りがない限り、装飾図柄の最終的な停止を、単に、装飾図柄の停止と表現する場合がある。
本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、及び数字の「7」を模した「7図柄」があり、以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
【0142】
また、装飾図柄制御手段226は、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させて決定している。具体的には、図柄Aと図柄aには、奇数図柄揃い(例えば、「1図柄」−「1図柄」−「1図柄」)を対応させ、図柄Bと図柄aには、偶数図柄揃い(例えば、「2図柄」−「2図柄」−「2図柄」)を対応させ、図柄Cと図柄Dと図柄cにはバラケ目(いずれの図柄揃いもない図柄の組合せ)を対応させている。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄aに偶数図柄揃いを対応させる等、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
本明細書において、一つの図柄列(本実施形態では、中央の図柄列)において装飾図柄が変動表示されており、且つ当該図柄列を除いた図柄列に同一の装飾図柄が停止している状態をリーチ状態と表記する。
【0143】
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
本実施形態における終了デモ演出では、今回の大当りで獲得した賞球の総数(より具体的には、今回の大当り中に大入賞口55(一般入賞口67を含んでもよい)への入賞によって付与された賞球の総数)を報知する演出に加え、現在の設定値を示唆する設定示唆演出Bが実行される場合があり、これらの演出の詳細は、後述する。
【0144】
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、通常演出制御手段220等によって読み出された演出データに画像及び音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像及び音響に関する画像制御コマンドが生成され、当該コマンドがサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納される。
また、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が設定変更状態となった場合(後述する設定変更コマンドが送信された場合)に、演出表示装置80を用いて設定変更中であることを報知させるための演出データを読み出し、当該演出データによって開始された報知は、当該設定変更状態が終了して遊技可能状態となる場合(設定変更終了コマンドが送信された場合)に終了する。同様に、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が設定確認状態となった場合(後述する設定確認コマンドが送信された場合)に、演出表示装置80を用いて設定確認中であることを報知させるための演出データを読み出し、当該演出データによって開始された報知は、当該設定変更状態が終了して遊技可能状態となる場合(設定確認終了コマンドが送信された場合)に終了する。なお、これらの報知の詳細は省略するが、当該報知は現在の設定値を特定不可能な(特定可能な態様ではない)報知であり、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。このようにすることで、設定値の変更や設定値の確認に対する作業効率及びセキュリティを高めることができる。
また、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴う場合)には、RAMクリア処理を伴って遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出し、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴わない場合)には、RAMクリア処理を伴わずに遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出す。なお、これらの報知の詳細は省略するが、実行が開始されてから一定時間(例えば、30s)継続して実行されることが好ましく、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。
【0145】
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー演出パターンを決定し、当該エラー演出パターンに従ってエラー演出を実行するための演出データを読み出す。
なお、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段165と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63の入賞回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
【0146】
ランプ制御手段240は、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに演出ランプ35に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを演出ランプ35へ送信する。
【0147】
可動役物制御手段250は、可動装飾体22及びサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいて可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22及びサブ表示部82へ送信する。
【0148】
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0149】
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させ、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。なお、各画像制御コマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0150】
<設定変更処理について>
次に、
図10を用いて、設定変更状態が設定された場合に実行される設定変更処理の詳細を説明する。
図10は、設定変更処理のフローを示す図である。
【0151】
最初のステップS101では、設定値が正常範囲(1〜3)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS105に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS103に進む。
【0152】
ステップS103では、設定値に1を設定する。
なお、本実施形態では、RAM103に異常がある場合であっても、設定値が正常範囲であれば、当該処理が実行されないが、RAM103に異常がある場合に当該処理を実行するようにしてもよい。
【0153】
ステップS105では、セキュリティ信号をONにする。
【0154】
ステップS107では、設定変更コマンドを送信(メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納)する。
なお、当該コマンドは、メイン表示部81やスピーカ33を用いて設定変更中であることを第1副制御基板200に報知させるためのコマンドである。
【0155】
ステップS109では、現在の設定値を主制御基板モニタ97に表示させる。
【0156】
ステップS111では、RAMクリアスイッチ43がOFFからONになったか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS113に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS115に進む。
なお、当該判定において、設定キースイッチ42がONであるか否かの判定を加え、双方の条件が充足された場合にステップS113に進むようにしてもよい。
【0157】
ステップS113では、設定値を更新する。具体的には、現在の設定値に1を加算し、設定値が3を超える場合には、設定値に1を設定する。
なお、設定値が更新(加算)された場合には、主制御基板モニタ97に表示されている設定値も更新される。
【0158】
ステップS115では、設定キースイッチ42がONからOFFになったか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS117に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS111に戻る。
【0159】
ステップS117では、表示していた設定値を非表示にし、現在の設定値を設定値として確定する。
【0160】
ステップS119では、RAM103の遊技に係る領域の一部(設定値に係る領域を除く領域)をクリアする。これにより、直前の特図抽選状態や普図抽選状態、特図変動パターン導出状態などは初期化される。
【0161】
ステップS121では、設定変更終了コマンドを送信(メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納)する。
なお、当該コマンドは、設定変更状態が終了したこと、及び確定された設定値を第1副制御基板200に知らせるためのコマンドである。
【0162】
ステップS123では、遊技可能状態を設定し、設定変更処理を終了する。
ここでの遊技可能状態の設定では、上述したとおり、RAM103における所定領域に遊技可能状態を示すデータ(フラグ)をセットしてもよいし、遊技可能状態を示すデータ(フラグ)をセットすることなく(例えば、他の復帰状態に対応するフラグを落とすことで)RAM103における所定領域を遊技可能状態を示すデータ状態にしてもよい。
なお、遊技可能状態が設定された場合には、後述する遊技可能状態移行処理が実行された後に遊技可能状態へ移行する。
【0163】
<設定確認処理について>
次に、
図11を用いて、設定確認状態が設定された場合に実行される設定確認処理の詳細を説明する。なお、
図11は、設定確認処理のフローを示す図である。
【0164】
最初のステップS201では、セキュリティ信号をONにする。
【0165】
ステップS203では、設定確認コマンドを送信(メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納)する。
なお、当該コマンドは、メイン表示部81やスピーカ33を用いて設定確認中であることを第1副制御基板200に報知させるためのコマンドである。
【0166】
ステップS205では、現在の設定値を主制御基板モニタ97に表示させる。
【0167】
ステップS207では、設定キースイッチがONからOFFに変化したか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS209に進み、当該条件が充足されなかった場合には再びステップS207の判定を実行する。
【0168】
ステップS209では、設定値を非表示にする。
【0169】
ステップS211では、遊技可能状態を設定し、設定確認処理を終了する。ここでの遊技可能状態の設定においてもステップS123と同様である。なお、遊技可能状態が設定された場合には、後述する遊技可能状態移行処理が実行された後に遊技可能状態へ移行する。
<主制御基板モニタ97の表示態様について>
【0170】
次に、
図12を用いて、主制御基板モニタ97の表示態様について説明する。なお、
図12は、状態別の主制御基板モニタ97の表示態様を示す図である。
図12に示す通り、主制御基板モニタ97は、横方向に連続的に配置された4つの7セグメントディスプレイ(以下、「7セグ」と略称する場合がある)で構成されるとともに、各7セグの右下には、ドット状のLEDが設けられている。なお、各情報を表示する際には、各情報は右詰めで表示される。
【0171】
より具体的には、現在の設定値は、右端の7セグを用いて表示され、遊技停止状態の種別は、右端の7セグ及び右から2番目の7セグを用いて表示される。また、ベース値の表示については、ベース値の表示であることを示す「bL.」を、左端の7セグ、左から2番目の7セグ、及び左から2番目の7セグの右下のドット状のLEDを用いて表示し、導出したベース値を、右端の7セグ及び右から2番目の7セグを用いて表示する。なお、ベース値が100を超える場合には、「bL.99.」と表示する。
また、特段の説明がない限り、本実施形態における「ベース値の表示」とは、ベース値の表示であることを示す表示(「bL.」の表示)及びベース値自体の表示を合わせて表示することを指す。
【0172】
ここで、現在の設定値を特定可能な表示、及び遊技停止状態の種別を特定可能な表示は、互いに異なる態様であれば、本実施形態における態様に限らず、種々の態様を採用してもよい。
また、上述の通り、設定変更状態及び設定確認状態では、主制御基板モニタ97に設定値が表示され、遊技停止状態では、主制御基板モニタ97に遊技停止状態の種別が表示され、各表示が表示される期間は、対応する復帰状態が設定されている期間と一致しているが、対応する復帰状態が設定されている期間の一部で表示されるようにしてもよい。
【0173】
また、上述のベース値に関する説明において説明を省略したが、初回電源投入(RAM103のベース値に係る領域がクリアされた場合を含む)からアウト球数が300となるまで(アウト球数が0〜299の範囲)では、主制御基板モニタ97に「bL.−−」を表示し(ベース値自体を表示せず)、アウト球数が300〜60000の範囲では、主制御基板モニタ97にリアルタイムのベース値を表示し、いずれの範囲においても「bL.」を点滅させる。一方、アウト球数が60001以降の範囲では、上述の通り、手前の区間で導出されたベース値を表示し、当該範囲では、「bL.」を常時点灯させる(点滅させない)。そのため、ベース値の表示が常時点灯しているか否(点滅しているか)か、又はベース値の表示の有無によって、RAM103のベース値に係る領域がクリアされたか否かを認識させることができる。
なお、「bL.」を点滅させる場合には、ベース値の整数部分を示す7セグについても点滅させるようにしてもよいが、当該7セグについては常時点灯させることが好ましい。
また、本実施形態では、点滅の有無で識別可能としているが、例えば、点灯色を変える等、点滅の有無を含む点灯態様の差異で識別可能にする方法であれば、いずれの方法を採用してもよい。
【0174】
また、初回電源投入からの「bL.−−」を表示させる期間を規定するアウト球数の閾値は、300に限らず、ベース値を導出する一区間を規定するアウト球数(本実施形態では、60000)の10%未満の値であれば、いずれの値を採用してもよい。
ベース値を導出する一区間を規定するアウト球数についても、60000に限らず、60000(1分間に100程度の打ち出しスピードで営業日当たりに打ち出される球数(100×60(分)×10(時間))に近しい値であれば、いずれの値を採用してもよい。
【0175】
また、本実施形態では、設定変更状態及び設定確認状態において表示されていた設定値が非表示になった直後に(遊技者が認識できない程度の時間を挟んで)ベース値を表示しているが、設定値を非表示にした後に遊技者が認識できる程度の時間を空けてベース値の表示を開始するようにしてもよい。なお、一度表示されたベース値は、電断が発生するまで表示され続けることとなる。
【0176】
<設定キースイッチ42の態様、及びRAMクリアスイッチ43の態様について>
次に、復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細を説明するのに先立ち、
図13を用いて、設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様の組み合わせについて説明する。なお、
図13は、設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様との組み合わせのパターンを示す図である。
【0177】
まず、設定キースイッチ42及びRAMクリアスイッチ43のそれぞれは、一方の位置から他方の位置に変位する変位部(図示省略)と、当該変位部をいずれかの位置で検知するセンサ(図示省略)を備えており、主制御基板100のCPU101は、当該センサの検知結果によって各スイッチの態様を把握することができる。
【0178】
設定キースイッチ42を操作する際には、
図13(a)〜
図13(d)に示す通り、設定キースイッチ42に設定キー600を挿入する必要がある。より具体的には、設定キースイッチ42は、
図13(a)及び
図13(b)に示す設定キー600を挿入した状態(以下、「設定キースイッチ42がOFF」と表現する場合があり、当該状態は設定キー600の挿入の有無とは無関係)で、
図13(c)及び
図13(d)に示すように、挿入面に向かって右回りに90度回転させることで、設定キースイッチ42が操作された状態(以下、「設定キースイッチ42がON」と表現する場合がある)となる。
なお、設定キースイッチ42は、OFFの状態となる位置、及びONの状態となる位置のそれぞれにおいて、外力を要することなく、変位部を保持することができる。
また、設定キー600は、設定キースイッチ42がONの状態で抜去することができない。
【0179】
また、RAMクリアスイッチ43は、当該スイッチの上面を押下することで操作可能となる。より具体的には、
図13(a)及び
図13(c)に示す状態(以下、「RAMクリアスイッチ43がOFF」と表現する場合がある)で、
図13(b)及び
図13(d)に示すように、当該スイッチの上面を押下することで、RAMクリアスイッチ43が操作された状態(以下、「RAMクリアスイッチ43がON」と表現する場合がある)となる。
なお、RAMクリアスイッチ43は、変位部をOFFの状態となる位置に付勢して保持している。そのため、RAMクリアスイッチ43は、OFFの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持することができる一方、ONの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持できないようになっている。
【0180】
このように、復電時の設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様の組み合わせとしては、
図13(a)に示す、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFの状態となる組合せ、
図13(b)に示す、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONの状態となる組合せ、
図13(c)に示す、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFの状態となる組合せ、及び
図13(d)に示す、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONの状態となる組合せが存在する。
【0181】
<復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態について>
続いて、
図14から
図17で示す表を用いて、復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細を説明する。なお、上述の通り、本実施形態における復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態は、RAM103に異常があるか否か、直前の電断時の状態、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様との組み合わせ、及び復電時の中枠開扉センサ76の状態によって決定される。
図14は、復電時に異常がある場合(RAM103に異常がある場合、設定値が正常でない(設定値が正常範囲(1〜3)でない)場合、直前の電断時の状態が遊技停止状態である場合)の復電時の遊技機10の状態を整理した表であり、
図15は、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が設定変更状態である場合の復電時の遊技機10の状態を整理した表であり、
図16は、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が設定確認状態である場合の復電時の遊技機10の状態を整理した表であり、
図17は、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合の復電時の遊技機10の状態を整理した表である。
なお、復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態を決定する処理フロー(図示省略)においては、RAMクリアスイッチ43の態様、中枠開扉センサ76の状態、及び設定キースイッチ42の態様を参照する順序は問わず、後述する表に示す関係性を満たせば、当該順序に限らず、いずれの順序を採用してもよい。
【0182】
図14(a)には、RAM103に異常があり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合(直前の電断時の状態は不問。以下、「場合1」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合1において、設定キースイッチ42がOFF、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図14(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E1」が表示される。
同様に、場合1において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図14(a)の右上のパターン)、及び場合1において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図14(a)の左下のパターン)も、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E1」が表示される。
一方、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図14(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
【0183】
図14(b)には、RAM103に異常があり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合(直前の電断時の状態は不問。以下、「場合2」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合2において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図14(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E1」が表示される。
同様に、場合2において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図14(b)の右上のパターン)、及び場合2において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図14(b)の左下のパターン)も、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E1」が表示される。
なお、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図14(b)の右下のパターン)も同様に、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E1」が表示される。
【0184】
このように、本実施形態では、復電時に異常がある場合(RAM103に異常がある場合、設定値が正常でない(設定値が正常範囲(1〜3)でない)場合、直前の電断時の状態が遊技停止状態である場合)の復電時は、場合1において、設定キースイッチ42aがONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図14(a)の右下のパターン)、すなわち、復電時の復帰状態として設定変更状態が設定された場合に遊技停止状態から復帰させることが可能となる。よって、後述するRAM異常以外による遊技状態を含め、遊技停止状態となったことに基づいて制御コマンド(遊技停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、当該制御コマンドによって通常演出制御手段220に設定変更を促す報知(例えば、「設定変更してください」との音声)を実行させるための演出データを読み出してもよい。なお、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。
【0185】
図15(a)には、復電時に異常がなく(RAM103が正常であり)、直前の電断時の状態が設定変更状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合(以下、「場合3」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図15(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
同様に、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図15(a)の右上のパターン)、及び場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図15(a)の左下のパターン)も、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
一方、場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図15(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
【0186】
このように、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図15(a)の右上のパターン)、及び場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図15(a)の左上のパターン)、すなわち、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定変更状態であり、且つ中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合には、復帰状態として遊技停止状態が設定される。そのため、設定変更状態が完了していない状態での遊技可能状態の設定を防止することができる。
【0187】
また、本実施形態では、場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合(
図15の左下のパターン)には、復帰状態として遊技停止状態が設定される。そのため、不測のタイミングで復電(停電回復等)してRAMクリアスイッチの操作が実質的に困難な場合であっても遊技停止状態を設定することができる。
【0188】
なお、上述した場合3には、以下の変形例を採用することもできる。
具体的に説明すると、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示されるようにしてもよい。
同様に、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合、場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合、及び場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合も、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示されるようにしてもよい。
なお、本変形例を採用した場合、いずれのパターンにおいても、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
【0189】
このように、本変形例では、場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合、及び場合3において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合には、復帰状態として設定変更状態が設定される。そのため、設定変更状態が完了していない状態での遊技可能状態の設定を防止することができる。
また、本変形例では、場合3において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合には、復帰状態として設定変更状態が設定される。そのため、不測のタイミングで復電(停電回復等)してRAMクリアスイッチの操作が実質的に困難な場合であっても設定変更状態を設定することができる。
【0190】
図15(b)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定変更状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合(以下、「場合4」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合4において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図15(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
同様に、場合4において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図15(b)の右上のパターン)、及び場合4において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図15(b)の左下のパターン)も、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
なお、場合4において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図15(b)の右下のパターン)も同様に、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技停止状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に「E2」が表示される。
【0191】
図16(a)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定確認状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合(以下、「場合5」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図16(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図16(a)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合(
図16(a)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として設定確認状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
また、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図16(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
【0192】
このように、本実施形態では、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがONである場合(
図16(a)の右下のパターン)には、復帰状態として設定変更状態が設定される。そのため、設定確認状態から設定変更状態への流れを円滑にすることができる。
【0193】
また、本実施形態では、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図16(a)の左下のパターン)には、復帰状態として設定確認状態が設定される。そのため、設定確認状態の再設定を円滑にすることができる。
【0194】
また、本実施形態では、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図16(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定されるが、この場合には、第1副制御基板200に、演出ランプ35、スピーカ33、及び演出表示装置80の少なくともいずれか一つを用いたエラー報知を実行するようにしてもよい。このようにすることで、不正な設定確認の発生を抑止することができる。
【0195】
なお、上述した場合5には、以下の変形例を採用することもできる。
具体的に説明すると、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として設定確認状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示されるようにしてもよい。
また、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示されるようにしてもよい。
また、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として設定確認状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示されるようにしてもよい。
また、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされるようにしてもよい。
【0196】
このように、本変形例では、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合には、復帰状態として遊技可能状態とは異なる復帰状態(設定確認状態に限らず、遊技停止状態等、遊技可能状態とは異なる復帰状態であればよい)が設定される。そのため、設定確認状態が完了していない状態での遊技可能状態の設定を防止することができる。
特に、本変形例では、場合5において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合には、復帰状態として設定確認状態が設定される。そのため、設定確認状態の再設定を円滑にすることができる。
また、本変形例では、場合5において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチがOFFである場合には、復帰状態として設定確認状態が設定される。そのため、設定確認状態の再設定を円滑にすることができる。
【0197】
図16(b)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定確認状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合(以下、「場合6」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
具体的に説明すると、場合6において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図16(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合6において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図16(b)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合6において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図16(b)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合6において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図16(b)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、遊技状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
【0198】
図17(a)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合(以下、「場合7」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
場合7において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図17(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合7において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図17(a)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合7において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図17(a)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として設定確認状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
また、場合7において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図17(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として設定変更状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
このようにすることで、復電時の操作手段の態様に応じて復電時の復帰状態を選択可能にし、当該選択をスムーズにすることができる。
【0199】
また、場合7を含めたすべての場合において、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せに対応する復帰状態は、本実施形態の対応関係に限定されないが、本実施形態のように、RAMクリアスイッチ43がONであることを少なくとも含む組合せに対して、RAMクリア処理が実行される復帰状態を対応させることで、誤ったRAMクリア処理の発生を抑えることができる。
同様に、本実施形態のように、設定キースイッチ42がONであることを少なくとも含む組合せに対して、設定確認処理を対応させるようにしてもよい。
【0200】
図17(b)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態であり、且つ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合(以下、「場合8」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
場合8において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図17(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合8において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図17(b)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合8において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図17(b)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合8において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図17(b)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復帰状態として遊技可能状態が設定され、且つ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
【0201】
このように、本実施形態では、復電時に異常がなく、且つ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合には、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)に応じて設定される復帰状態が異なる。
特に、場合8において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合には、設定変更状態を設定する一方、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合には、遊技可能状態を設定する。更に、場合8において、設定キースイッチ42がOFFであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合には、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)に関わらず、遊技可能状態を設定する。
このようにすることで、適切でない設定変更状態の設定を禁止する一方、適切でないRAMクリア処理は許容することで、不正な設定変更を防ぎつつも、RAMクリア処理の操作性を高めることができる。
【0202】
また、場合8において、設定キースイッチ42がONであり、且つRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合には、RAMクリア処理が実行される。
このようにすることで、不正な設定変更が試みられた虞がある場合に有利な状態を維持しないようにすることができる。
【0203】
また、本実施形態において、設定変更状態及び設定確認状態は、復電時にのみ設定される可能性があり、いずれも復電時以外に設定されることはない。そのため、遊技制御の安定化を図ることができる。
【0204】
<復帰状態の設定と遊技機10のモードの設定について>
復帰状態設定手段176は、電断からの復帰時に、上述したとおり復帰状態設定処理を行う。本実施形態において、この復帰状態設定処理で設定される復帰状態には、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、RAMクリアを伴う遊技可能状態、RAMクリアを伴わない遊技可能状態があり得る。
遊技状態制御手段155は、電断時における特図抽選状態、普図抽選状態、及び特図変動パターン導出状態と、復帰状態設定手段176により設定される復帰状態とに基づいて、復電後における特図抽選状態、普図抽選状態、及び特図変動パターン導出状態を決定する。例えば、遊技状態制御手段155は、電断時のモードが普図高確の状態であり、且つその電断時に対する復電時の復帰状態が設定変更状態である場合には、復電後には、特図低確且つ普図低確の状態を設定する。
【0205】
そのため、遊技機10において、モード管理手段(遊技状態制御手段155)は、電断時のモードが第一のモード(普図高確の状態)であり、且つその電断に対する復電時の復帰状態が設定変更状態である場合には、復電後のモードとして第二のモード(特図低確且つ普図低確の状態)を設定すると換言することができる。
このようにすることで、第一のモードの終了時の遊技意欲を高めることができ、且つ設定変更によって第一のモードが維持されないようにすることで、設定変更直後に設定値を推測させ難くすることができる。また、第二のモードにおける遊技意欲を高めることができ、且つ設定変更によって第一のモードが維持されないようにすることで、設定変更直後に設定値を推測させ難くすることができる。
【0206】
ところで、今までの説明では特に言及しなかったが、第1副制御基板200のRAM203や第2副制御基板300のRAM303については電断時にバックアップされてもよいし、バックアップされなくてもよい。
第1副制御基板200のRAM203がバックアップされる場合、例えば、RAM203の或る領域に格納される、演出モード(通常モード、特殊モード、低確時短モードなど)、演出ルート、演出内容等に関する情報が電断時にバックアップされ、復電時に復帰される。この場合、演出モード制御手段221は、電断時の演出モード(特殊モード、通常モードなど)と、復帰状態設定手段176により設定される復帰状態とに基づいて、復電時の演出モードを決定する。例えば、演出モード制御手段221は、電断時の演出モードが特殊モードであり、且つその電断時に対する復電時の復帰状態が設定変更状態である場合には、復電後の当該モードとして通常モードを設定する。
【0207】
このように復電時の復帰状態が設定変更状態である場合、RAMクリア処理を伴うため、モード管理手段により管理される復電後のモードもリセット(初期状態に)されることが好ましい。これと同様に、復電時の復帰状態がRAMクリアを伴う遊技可能状態である場合にも、復電後のモードをリセット(初期化)し、通常モードとすることが好ましい。なお、RAMクリア処理によれば、上述のように、RAM103の遊技に係る領域の一部(設定値に係る領域を除く領域)はクリアされるため、遊技状態制御手段155により管理される各種状態は初期化されることになる。一方で、演出モードなどのような第1副制御基板200のRAM203に格納されるデータについては、復電時にリセット(初期化)されればよい。
また、復電時の復帰状態がRAMクリアを伴わない遊技可能状態であったとしても、電断発生時と復帰時とで、遊技者が変わる場合のように遊技状態を継続させなくてもよい場合、例えば、電断時間が所定の時間(例えば、1時間)を超えた場合や、電断中に所定の時刻(深夜0時)を跨いだ場合などには、復電後のモードをリセット(初期化)し、通常モードとすることが好ましい。
一方で、電断発生時と復帰時とで遊技状態を継続させることが望まれる場合、例えば、電断時間が所定の時間(例えば、1時間)を超えない場合や、電断中に所定の時刻(深夜0時)を跨がない場合、復電時の復帰状態が設定確認状態である場合などには、電断時のモードを維持して復帰することが好ましい。
【0208】
<演出遮蔽体の動作について>
次に、
図18を用いて、演出遮蔽体の動作を説明する。
図18は、演出遮蔽体83の動作を示す図である。
【0209】
上述の通り、演出遮蔽体83は、左上演出遮蔽体83a、右上演出遮蔽体83b、左下演出遮蔽体83c、及び右下演出遮蔽体83dで構成されており、
図18(a)には、各遮蔽体が初期位置にある状態が示されている。なお、当該位置において、メイン表示部81の表示領域の略全体が視認可能となっている。
【0210】
図18(b)には、演出遮蔽体83によってメイン表示部81の一部(全体の30%程度)が遮蔽されている状態が示されている。なお、当該状態は、後述する演出遮蔽体閉鎖演出において、当該演出に成功する場合と当該演出に失敗する場合の双方で発生する状態である。以降、メイン表示部81の一部(全体の30%程度)を遮蔽する演出遮蔽体83の状態を中間遮蔽状態と表記する場合がある。
【0211】
図18(c)には、演出遮蔽体83によってメイン表示部81の全体が遮蔽されている状態が示されている。なお、当該状態は、後述する演出遮蔽体閉鎖演出において、当該演出に成功した場合に発生する状態である。
また、
図18(c)に示す通り、左上演出遮蔽体83aは、前面側(メイン表示部側を背面側と定義した場合の前面側)の表面に「天」という文字を模した凸部を有し、右上演出遮蔽体83bは、前面側の表面に「下」という文字を模した凸部を有し、左下演出遮蔽体83cは、前面側の表面に「無」という文字を模した凸部を有し、右下演出遮蔽体83dは、前面側の表面に「双」という文字を模した凸部を有し、各演出遮蔽体は、背面(メイン表示部81側)からの光を透過させないように構成されている。
【0212】
<ポイント獲得演出、演出遮蔽体閉鎖演出、及び設定示唆演出Aについて>
続いて、
図19及び
図20を用いて、ポイント獲得演出、演出遮蔽体閉鎖演出、及び設定示唆演出Aの詳細を説明する。
図19は、ポイント獲得演出が成功する場合の具体例を示す図であり、
図20は、ポイント獲得演出が失敗する場合の具体例を示す図である。
図19及び
図20に示されるとおり、ポイント獲得演出が成功する場合に演出遮蔽体閉鎖演出が実行され、ポイント獲得演出が失敗する場合には演出遮蔽体閉鎖演出は実行されない。
【0213】
まず、
図19(a)は、ポイント獲得演出が実行される図柄変動が開始された直後の状態を示す図であり、当該状態では、演出遮蔽体83が初期位置にあり、メイン表示部81には、装飾図柄が変動表示されている様子が表示されている。
【0214】
図19(b)は、
図19(a)の次の状態を示し、装飾図柄(6図柄)がリーチ状態となっている状態を示す図であり、当該状態では、
図19(a)と同様に、演出遮蔽体83が初期位置にあり、メイン表示部81には、装飾図柄がリーチ状態となっている様子が表示されている。
【0215】
図19(c)は、
図19(b)の次の状態を示す図であり、当該状態では、演出遮蔽体83が初期位置にあり、メイン表示部81には、「トータル1000pt以上ゲットで大当り!!」という文字が表示されている。
【0216】
図19(d)は、
図19(c)の次の状態を示す図であり、当該状態では、演出遮蔽体83が中間遮蔽状態(メイン表示部81の一部を遮蔽する位置)にあり、メイン表示部81には、「1回目」という文字と共に、演出ボタン37を模したボタン画像pg(演出ボタン37の操作を促す画像)が表示されている。
なお、ボタン画像pgの表示は、設定示唆演出A及び演出遮蔽体演出が実行される可能性があることを示す演出であると言える。
また、ボタン画像pgには、複数種類の態様があり、当該態様の詳細は後述する。
【0217】
図19(e)は、
図19(d)の状態において、有効時間(詳細は後述)内に演出ボタン37が操作された場合の次の状態を示す図である。
図19(e)で示す状態では、演出遮蔽体83が中間遮蔽状態にあり、メイン表示部81において、1回目の演出ボタン37の操作により獲得されたポイント(以降、獲得ポイントと表記)として「150ptゲット」という文字が表示されている。
本実施形態におけるポイント獲得演出では、
図19(c)で表示されるとおり、トータル獲得ポイントが1000pt以上となった場合に、ポイント獲得演出の成功となる。
【0218】
図19(f)は、
図19(e)の次の状態を示し、演出遮蔽体83が中間遮蔽状態にあり、メイン表示部81には、「2回目」という文字と共に、
図19(d)と同様のボタン画像pgが表示されている。更に、メイン表示部81の下方には、これまでの操作(ここでは1回目の操作)で獲得されたポイントの合計(以降、トータル獲得ポイントと表記)として「トータル150pt」という文字が表示されている。
【0219】
図19(g)は、
図19(f)の状態において、有効時間(詳細は後述)内に演出ボタン37が操作された場合の次の状態を示す図である。
図19(g)で示す状態では、演出遮蔽体83が中間遮蔽状態にあり、メイン表示部81において、2回目の演出ボタン37の操作による獲得ポイントとして「600ptゲット」という文字が表示されている。
【0220】
図19(h)は、
図19(g)の次の状態を示し、演出遮蔽体83が中間遮蔽状態にあり、メイン表示部81には、「最終回」という文字と共に、
図19(d)及び
図19(f)と同様のボタン画像pgとトータル獲得ポイントとして「トータル750pt」という文字とが表示されている。
【0221】
図19(i)は、
図19(h)の状態において、有効時間(詳細は後述)内に演出ボタン37が操作された場合の次の状態を示す図である。
図19(i)で示す状態では、演出遮蔽体83が中間遮蔽状態にあり、メイン表示部81において、3回目(最終回)の演出ボタン37の操作による獲得ポイントとして「333ptゲット」という文字とトータル獲得ポイントとして「トータル1083pt」という文字とが表示されている。
ここで、メイン表示部81に獲得ポイントとして表示される「333」は、本実施形態における設定示唆演出Aに相当する。
詳細は後述するが、ポイント獲得演出で表示される獲得ポイントは、現在の設定値を参照した抽選により選択される演出シナリオ(ポイント獲得演出シナリオ)により決められる。本実施形態において、獲得ポイント「333」又は「777」の表示(設定示唆演出A)は、所定の条件が充足した場合にのみ、表示される。
また、
図19(i)で示す状態では、トータル獲得ポイントが1000ptを超えているため、ポイント獲得演出が成功したことになる。このため、
図19(j)で示されるように演出遮蔽体閉鎖演出が実行され、
図19(k)で示されるように大当りが導出されたことを示す演出が実行される。即ち、ポイント獲得演出の成功状態は、当該図柄変動において大当りが導出された(当該図柄変動の直後に大当り遊技が開始される)ことを示す状態であるといえる。
【0222】
図19(j)は、
図19(i)の次の状態であり、
図19(j)で示す状態では、演出遮蔽体閉鎖演出が実行されて、演出遮蔽体83がメイン表示部81の全体を遮蔽する位置(遮蔽状態)にある。
図19(k)は、
図19(j)の次の状態を示す図であり、当該状態では、演出遮蔽体83が初期位置にあり、メイン表示部81に、同一の装飾図柄(6図柄)の組合せ(「6図柄」−「6図柄」−「6図柄」)が停止されている。なお、当該装飾図柄の組合せは、当該図柄変動において大当りが導出された(当該図柄変動の直後に大当り遊技が開始される)ことを示す演出である。
このように、本実施形態では、19(j)で示した演出遮蔽体閉鎖演出が実行された場合には、メイン表示部81の図柄列のすべてに同一の装飾図柄が停止される演出が実行される。このため、演出遮蔽体閉鎖演出は、当該図柄変動において大当りが導出された(当該図柄変動の直後に大当り遊技が開始される)ことを示す演出であると言える。
なお、詳細は後述するが、
図19(d)、
図19(f)、又は
図19(h)のいずれか一つ又は複数の状態において、演出ボタン37が有効時間内に操作されなかった場合には、獲得ポイント「333」又は「777」の表示(設定示唆演出A)は実行されない。
【0223】
次に、
図20を用いて、ポイント獲得演出が失敗する場合を具体的に説明する。
図20(a)から
図20(h)までは、ポイント獲得演出が成功する場合における
図19(a)から
図19(h)までと共通である。
【0224】
図20(i)は、
図20(h)の状態において、有効時間(詳細は後述)内に演出ボタン37が操作された場合の次の状態を示す図である。
図20(i)で示す状態では、演出遮蔽体83が中間遮蔽状態にあり、メイン表示部81において、最終回(3回目)の演出ボタン37の操作による獲得ポイントとして「100ptゲット」という文字とトータル獲得ポイントとして「トータル676pt」という文字とが表示されている。
ここではトータル獲得ポイントが1000ptを満たないため、ポイント獲得演出の失敗状態となる。このため、演出遮蔽体閉鎖演出が実行されることなく、
図20(j)で示されるように大当りが導出されていないことを示す演出が実行される。このように、ポイント獲得演出の失敗状態は、当該図柄変動において大当りが導出されていない(当該図柄変動の直後に大当り遊技が開始されない)ことを示す演出状態であるといえる。
また、ポイント獲得演出が失敗する場合には、
図19(i)で示される場合と異なり、獲得ポイント「333」又は「777」の表示(設定示唆演出A)も行われない。
【0225】
図20(j)は、
図20(i)の次の状態を示す図であり、当該状態では、演出遮蔽体83が初期位置にあり、メイン表示部81に、少なくとも一部の図柄列(中央の図柄列)の装飾図柄(7図柄)が異なる装飾図柄の組合せ(「6図柄」−「7図柄」−「6図柄」)が停止されている。当該装飾図柄の組合せが停止される演出は、当該図柄変動において大当りが導出されていない(当該図柄変動の直後に大当り遊技が開始されない)ことを示す演出である。
なお、当該図柄変動において大当りが導出された場合の一部で、メイン表示部81に、少なくとも一部の図柄列の装飾図柄が異なる装飾図柄の組合せが停止される演出が実行された後に、メイン表示部81に同一の装飾図柄(リーチ状態となった装飾図柄であることが好ましい)の組合せを停止させる演出を実行する場合があってもよい。すなわち、メイン表示部81に、少なくとも一部の図柄列の装飾図柄が異なる装飾図柄の組合せが停止される演出は、大当りが導出されていない又はその可能性が高いことを示す演出とも言える。
【0226】
また、本実施形態では、
図20(i)の状態から
図20(j)の状態に移行しているが、
図20(i)から
図20(j)の状態へ移行する際に、ハズレ画像の表示を経由してもよい。また、本実施形態において演出遮蔽体閉鎖演出は、当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りでない場合にも実行されてもよい。
また、詳細は後述するが、本実施形態において、当該図柄変動において大当りが導出されなかった場合には、獲得ポイント「333」又は「777」の表示も実行されない。このため、獲得ポイント「333」又は「777」の表示は、大当りが導出された(当該図柄変動の直後に大当り遊技が開始される)ことを告知する演出であるということもできる。
【0227】
また、
図19及び
図20に示されるポイント獲得演出は、一の図柄変動の変動期間内で開始及び終了してもよいし、複数の図柄変動に跨って実行されてもよい。
【0228】
<ボタン画像pgの態様について>
次に、
図21を用いて、上述のボタン画像pgの態様の詳細を説明する。
図21は、ボタン画像pgの態様を示す図である。
図21(a)は、演出ボタン37の実寸に近い大きさの通常ボタン画像pg1が表示された様子を示しており、
図21(b)は、通常ボタン画像pg1よりも大きいデカボタン画像pg2が表示された様子を示している。これらのボタン画像pgの態様は、当該図柄変動の特図当否判定の結果を参照した抽選によって決定される。なお、当該抽選の詳細は後述する。
【0229】
また、
図19及び
図20では図示を省略したが、
図21(a)及び
図21(b)で示す通り、ボタン画像pgが表示された場合には、演出ボタン37に対する操作が有効となる有効時間を示す有効時間示唆画像mgが表示される。有効時間示唆画像mgは、
図21(c)で示す通り、有効時間経過とともにメーター(黒色の領域)が減少するメーター画像mg1と、有効時間内の特定のタイミングを示唆するタイミング示唆画像mg2で構成される。
なお、上述したとおり、本実施形態では、特定のタイミングで演出ボタンが操作された場合に設定示唆演出Aが実行されることとなる。
また、以降の説明において、特段の説明がない限り、有効時間内の演出ボタン37の操作を、単に、「演出ボタン37の操作」と表現する場合がある。
【0230】
<ポイント獲得演出シナリオの抽選について>
次に、
図22から
図25を用いて、ポイント獲得演出シナリオを決定する抽選の詳細を説明する。以降、ポイント獲得演出シナリオを演出シナリオと略称する場合がある。
図22は、ポイント獲得演出シナリオを規定するシナリオテーブルを模式的に示す図であり、
図23から
図25は、ポイント獲得演出シナリオ抽選テーブルを模式的に示す図である。
なお、上述の通り、現在の設定値を参照した抽選によって決定された演出シナリオにおいて、獲得ポイントとして「333」又は「777」を表示させる演出は、本実施形態における設定示唆演出Aにあたる。
演出内容決定手段225は、演出ルート決定手段222によってポイント獲得演出ルートが決定されている場合に、そのポイント獲得演出ルートに従ってポイント獲得演出を実行することを決め、
図23に示されるポイント獲得演出シナリオテーブルを用いてポイント獲得演出で実行する演出シナリオを抽選で決定する。
【0231】
図22に示されるように、本実施形態におけるポイント獲得演出シナリオは、当該図柄変動の特図当否判定の結果(大当り又ははずれ)のそれぞれについて設けられている。大当り用の演出シナリオは、ポイント獲得演出の成功シナリオと呼ぶことができ、はずれ用の演出シナリオは、ポイント獲得演出の失敗シナリオと呼ぶことができる。
大当り用の演出シナリオには、更に、獲得ポイント「333」又は「777」の表示を含まない通常の大当り用の演出シナリオと、獲得ポイント「333」又は「777」の表示を含む大当り用の演出シナリオ(以降、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオと表記する場合もある)とが設けられている。
図22には、はずれ用の演出シナリオとして演出シナリオSL1、演出シナリオSL2、及び演出シナリオSL3が示されており、通常の大当り用の演出シナリオとして演出シナリオSW1、演出シナリオSW2、及び演出シナリオSW3が示されており、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオとして演出シナリオSP1及び演出シナリオSP2が示されている。
なお、説明の便宜のため、
図22には一部の演出シナリオのみが示されており、より多数のポイント獲得演出シナリオが設けられていることが望ましい。
【0232】
また、各演出シナリオには、1回目、2回目、及び3回目(最終回)の各回における演出ボタン37の操作に伴い表示される獲得ポイントのパターンが規定されている。
はずれ用の各演出シナリオには、3回分のトータル獲得ポイントが1000pt未満となる獲得ポイントパターンがそれぞれ設定されており、大当り用の各演出シナリオには、3回分のトータル獲得ポイントが1000pt以上となる獲得ポイントパターンがそれぞれ設定されている。
また、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオ(SP1及びSP2)には、最終回で表示される獲得ポイントとして「333」又は「777」、即ち設定示唆演出Aが設定されている。
【0233】
但し、
図22に示されるポイント獲得演出シナリオはあくまで例示であって、このような演出シナリオに限定されるものではない。
例えば、1回目又は2回目の演出ボタン37の操作のみで終了する演出シナリオが含まれてもよいし、1回目又は2回目の演出ボタン37の操作で1000pt以上のトータル獲得ポイントとなるような獲得ポイントパターンを持つ演出シナリオが設けられてもよい。また、獲得ポイント「333」又は「777」の表示(設定示唆演出A)が、1回目又は2回目の演出ボタン37の操作に伴い表示されるような演出シナリオが設けられてもよい。
【0234】
図23は、はずれ用のポイント獲得演出シナリオ抽選テーブルを模式的に示し、
図24は、特殊モード時に参照される大当り用のポイント獲得演出シナリオ抽選テーブルを模式的に示し、
図25は、通常モード時に参照される大当り用のポイント獲得演出シナリオ抽選テーブルを模式的に示す図である。以降、
図23に示されるテーブルをはずれ用抽選テーブルと略称し、
図24に示されるテーブルを特殊モード時大当り用抽選テーブルと略称し、
図25に示されるテーブルを通常モード時大当り用抽選テーブルと略称する場合がある。
【0235】
はずれ用抽選テーブルでは、各演出シナリオに対して設定値に関わらない態様で抽選値が対応付けられており、特殊モード時大当り用抽選テーブル及び通常モード時大当り用抽選テーブルでは、設定値1、設定値2、及び設定値3のそれぞれについて抽選値が対応付けられている。
図23から
図25の例では、ポイント獲得演出シナリオの抽選に用いられる乱数の範囲は0から99とされるため、各抽選値は100以下の数値とされている。
また、
図23では図示されていないが、はずれ用抽選テーブルでは、はずれ用の演出シナリオの抽選値の合計が100となるように各抽選値が割り振られており、いずれか一つのはずれ用の演出シナリオが決定されるようになっている。
図24及び
図25についても同様に、特殊モード時大当り用抽選テーブル及び通常モード時大当り用抽選テーブルのそれぞれでは、設定値ごとに大当り用の演出シナリオの抽選値の合計が100となるように各抽選値が割り振られており、いずれか一つの大当り用の演出シナリオが決定されるようになっている。
【0236】
具体的には、当該図柄変動の特図当否判定の結果がはずれを示す場合の抽選では、現在の設定値に関わらず、10/100の確率で演出シナリオSL1が決定され、15/100の確率で演出シナリオSL2が決定され、22/100の確率で演出シナリオSL3が決定される。
【0237】
演出モードが特殊モードであり、かつ当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りを示す場合の抽選では、現在の設定値が設定値1である場合には、28/100の確率で演出シナリオSW1が決定され、12/100の確率で演出シナリオSW2が決定され、10/100の確率で演出シナリオSW3が決定され、0/100の確率で演出シナリオSP1又は演出シナリオSP2が決定される。
また、演出モードが通常モードであり、かつ当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りを示す場合の抽選では、現在の設定値が設定値1である場合には、28/100の確率で演出シナリオSW1が決定され、12/100の確率で演出シナリオSW2が決定され、10/100の確率で演出シナリオSW3が決定され、0/100の確率で演出シナリオSP1又は演出シナリオSP2が決定される。
このように本実施形態では、現在の設定値が設定値1である場合には、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオ(SP1及びSP2)は選ばれないようになっている。
【0238】
演出モードが特殊モードであり、かつ当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りを示す場合の抽選では、現在の設定値が設定値2である場合には、25/100の確率で演出シナリオSW1が決定され、10/100の確率で演出シナリオSW2が決定され、15/100の確率で演出シナリオSW3が決定され、7/100の確率で演出シナリオSP1が決定され、0/100の確率で演出シナリオSP2が決定される。
また、演出モードが通常モードであり、かつ当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りを示す場合の抽選では、現在の設定値が設定値2である場合には、26/100の確率で演出シナリオSW1が決定され、12/100の確率で演出シナリオSW2が決定され、14/100の確率で演出シナリオSW3が決定され、3/100の確率で演出シナリオSP1が決定され、0/100の確率で演出シナリオSP2が決定される。
このように本実施形態では、現在の設定値が設定値2である場合には、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオの一部、即ち演出シナリオSP2は選ばれないようになっている。
また、当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りを示す場合の抽選では、現在の設定値が設定値2である場合には、特殊モード時に7/100の確率で、通常モード時に3/100の確率で、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオ(SP1)が実行される。
【0239】
演出モードが特殊モードであり、かつ当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りを示す場合の抽選では、現在の設定値が設定値3である場合には、21/100の確率で演出シナリオSW1が決定され、13/100の確率で演出シナリオSW2が決定され、12/100の確率で演出シナリオSW3が決定され、3/100の確率で演出シナリオSP1が決定され、8/100の確率で演出シナリオSP2が決定される。
また、演出モードが通常モードであり、かつ当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りを示す場合の抽選では、現在の設定値が設定値3である場合には、22/100の確率で演出シナリオSW1が決定され、14/100の確率で演出シナリオSW2が決定され、13/100の確率で演出シナリオSW3が決定され、1/100の確率で演出シナリオSP1が決定され、4/100の確率で演出シナリオSP2が決定される。
このように本実施形態において、当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りを示す場合の抽選では、現在の設定値が設定値3である場合には、特殊モード時に11/100の確率で、通常モード時に5/100の確率で、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオ(SP1又はSP2)が実行される。
【0240】
このように、獲得ポイント「333」の表示を含む演出シナリオSP1は、現在の設定値が設定値2又は設定値3である場合にのみ当選する可能性があり、獲得ポイント「777」の表示を含む演出シナリオSP2は、現在の設定値が設定値3である場合にのみ当選する可能性がある。このため、獲得ポイント「333」又は「777」の表示によって遊技者に現在の設定値を推測させることができる。特に、獲得ポイント「777」の表示によれば、遊技者に、現在の設定値が設定値3であることを認識させることができる。
【0241】
また、本実施形態では、ポイント獲得演出が実行される場合であって、当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りを示す場合には、特殊モード時であっても通常モード時であっても、現在の設定値が設定値3である場合には、現在の設定値が設定値1又は2である場合よりも、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオが決定される確率が高くなっており、即ち、設定示唆演出Aが実行される確率が高くなっているということができる。
更に言えば、ポイント獲得演出が実行される場合であって、当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りを示し、かつ現在の設定値が設定値2又は3を示す場合には、特殊モード時のほうが通常モード時よりも、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオが決定される確率が高くなっている、即ち設定示唆演出Aが実行される確率が高くなっているということができる。
【0242】
また、上述の説明では特に言及していなかったが、演出ルート決定手段222は、所定の条件に基づいて、今回の図柄変動に対応する演出ルートとして、設定示唆演出Aが実行され得るポイント獲得演出ルートを選択する。
本実施形態では、演出ルート決定手段222は、演出モードが通常モード又は特殊モードであり、且つ、変動開始コマンドで示される特図変動パターンが、装飾図柄がリーチ状態となる場合に選択される特図変動パターンであって、保留されている図柄変動の数(保留数)に応じて変わらない特図変動パターンである場合に、演出ルート抽選を行い、この抽選の結果に基づいて、ポイント獲得演出ルートを決定する。即ち、保留数の大小で変わり得る特図変動パターンが示されている場合には、ポイント獲得演出ルートを決定するための演出ルート抽選が行われないようにしてもよいし、当該演出ルート抽選が、保留数の大小で変わり得る特図変動パターンが示されている場合にはポイント獲得演出ルートが決定され得ないようになっていてもよい。
【0243】
ポイント獲得演出シナリオ抽選テーブルの内容は、
図23から
図25に示される内容に限定されない。
上述の抽選テーブルでは、現在の設定値が設定値1である場合には、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオSP1及びSP2が決定されないようになっているが、現在の設定値が設定値1である場合であっても、当該演出シナリオSP1又はSP2が決定されるようになっていてもよい。この場合であっても、少なくとも設定値1よりも設定値3において当該演出シナリオSP1又はSP2が決定される確率が高くなるように、設定値1の抽選値が設定されればよい。
また、上述の抽選テーブルでは、通常モード時においても設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオSP1及びSP2が決定され得るようになっているが、通常モード時には当該演出シナリオSP1及びSP2が決定されないように、通常モード時の確率値が0に設定されてもよい。
【0244】
ところで、ポイント獲得演出における演出ボタン37の操作を促す3回の機会において、遊技者が有効時間内に演出ボタン37を操作しない場合がある。
本実施形態では、このような場合には、設定示唆演出Aは実行されないようになっている。例えば、設定示唆演出Aを伴う大当り用の演出シナリオSP1及びSP2が既に設定されている場合に、一回目、二回目、又は三回目のいずれかで演出ボタン37が有効時間内に操作されなかった場合には、演出内容決定手段225は、現在の設定値に関わらず、設定示唆演出Aを伴わない大当り用の演出シナリオを設定し直すことができる。更に言えば、一回目から演出ボタン37が有効時間内に操作されなかった場合には、特に制限なく、設定示唆演出Aを伴わない大当り用の演出シナリオが設定し直されればよいが、二回目又は三回目で演出ボタン37が有効時間内に操作されなかった場合には、既に一回目又は二回目の操作に対応する獲得ポイントが表示されてしまっているため、その既に表示された獲得ポイントをポイントパターンに含む設定示唆演出Aを伴わない大当り用の演出シナリオ(SW2又はSW3)が設定される。他の例として、演出シナリオを設定し直すことなく、トータル獲得ポイントが1000ptを超えるように、残りの獲得ポイントが自動計算されてもよいし、予め決められた獲得ポイントパターンが設定されてもよい。
【0245】
<ボタン画像pgの抽選について>
次に、
図26を用いて、ボタン画像pgを表示する演出を決定する抽選の詳細を説明する。
図26は、ボタン画像態様抽選テーブルを模式的に示す図である。
ボタン画像態様抽選テーブルは、当該図柄変動の特図当否判定の結果(大当り又ははずれ)のそれぞれにおいて、通常ボタン画像及びデカボタン画像のそれぞれに抽選値が対応づけられている。
具体的に説明すると、ボタン画像pgの抽選に用いられる乱数の範囲は0〜99であるため、当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りの場合には、50/100の確率で通常ボタン画像となり、50/100の確率でデカボタン画像となる。同様に、当該図柄変動の特図当否判定の結果がはずれの場合には、80/100の確率で通常ボタン画像となり、20/100の確率でデカボタン画像となる。
このように、当該図柄変動の特図判定の結果が大当りの場合には、ボタン画像pgは、通常ボタン画像pg1よりも高い割合でデカボタン画像pg2となる。
【0246】
なお、本実施形態とは異なるが、当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りの場合に、ボタン画像pgがデカボタン画像pg2とならないようにしてもよく、この場合には、デカボタン画像pg2が表示された場合には、当該図柄変動の特図当否判定の結果が大当りであることが確定する。
また、上述の通り、本実施形態では、ボタン画像pgの態様を決定する抽選において、現在の設定値を参照していない。すなわち、ボタン画像pgの態様は、現在の設定値に関わらない態様であると言え、このようにすることで、ポイント獲得演出及び設定示唆演出Aを認識させ易くすることができる。
【0247】
<結果告知演出及び設定示唆演出Bについて>
続いて、
図27を用いて、結果告知演出及び設定示唆演出Bの詳細を説明する。
図27は、結果告知演出の具体例を示す図である。
図27(a)に示される状態では、メイン表示部81に、大当り当選回数が3回であることを示す「BONUS×03」という文字及び獲得賞球数が4000発であることを示す「GET 4000」という文字を含む結果画像rgが表示されている。
この結果画像rgの表示は、普図高確の状態において導出された大当りの数及びその大当りにより獲得された賞球の数を表しているため、当該モード(普図高確の状態)に係る遊技の結果を示す演出であるということができる。
また、本実施形態では、結果画像rgの表示は、普図高確の状態における最終の図柄変動の期間中に実行されることが予め決められており、当該遊技の結果を予め決められた態様で示すものであるため、「設定されている設定値に関わらない態様の演出」であるといえる。
【0248】
このため、遊技機10において、演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、更に、第二の演出(結果告知演出)を第二のタイミングで実行させることが可能であって、第二の演出(結果告知演出)は、設定されている設定値に関わらない態様の演出であって、第一のモード(普図高確)に係る遊技の結果を示す演出又は遊技の方法を示す演出であると換言することができる。
本明細書において、「設定されている設定値に関わらない態様の演出」とは、実行することが予め決められた演出、現在の設定値を参照することのない抽選等により実行の要否が決められる演出、予め固定的に決められた演出態様の演出、又は複数種の態様の中から現在の設定値を参照することのない抽選等により演出態様が決められる演出が該当する。
このため、本実施形態とは異なるが、結果告知演出は、複数種の態様となり得る演出であって、それら複数種の態様(例えば、背景や文字、アニメーションなど)の中から現在の設定値を参照することのない抽選等により決められた態様となる演出とされてもよい。
なお、第二の演出(結果告知演出)の実行タイミングである第二のタイミングについては、<設定示唆演出Bの実行期間について>の項で説明し、第二の演出が遊技の方法を示す演出となる態様については、<他の変形例>の項で説明する。
【0249】
図27(b)に示される状態では、メイン表示部81に、
図27(a)と同様の結果画像rgに加えて、銅トロフィーを模した銅トロフィー画像tg1が表示されている。
図27(c)に示される状態では、メイン表示部81に、
図27(a)と同様の結果画像rgに加えて、銀トロフィーを模した銀トロフィー画像tg2が表示されている。
図27(d)に示される状態では、メイン表示部81に、
図27(a)と同様の結果画像rgに加えて、金トロフィーを模した金トロフィー画像tg3が表示されている。
【0250】
図27に示される銅トロフィー画像tg1、銀トロフィー画像tg2、及び金トロフィー画像tg3が設定示唆演出Bに相当する。このように、本実施形態では、設定示唆演出Bで表示されるトロフィー画像tgの態様には複数種類(3種類)の態様があり、詳細は後述するが、これら態様は、現在の設定値を参照した抽選により決定される。
また、本実施形態では、このようなトロフィー画像tgが表示される場合には、その表示は、結果画像rgを表示する結果告知演出と共に、普図高確の状態の最終の図柄変動において開始される。但し、トロフィー画像tgの表示は、結果告知演出と同時に実行されてもよいし、結果告知演出の実行後から或る程度の時間をおいて実行されてもよい。更に言えば、普図高確の状態の最終の図柄変動の変動期間内であれば、結果告知演出が終了し結果画像rgが消えてから、トロフィー画像tgが表示されてもよい。
【0251】
<トロフィー画像tgの態様(設定示唆演出B)の抽選について>
次に、
図28を用いて、トロフィー画像tgの態様を決定する抽選の詳細を説明する。
図28は、トロフィー画像態様抽選テーブルを模式的に示す図である。なお、上述の通り、抽選によって決定された態様のトロフィー画像tgは、本実施形態における設定示唆演出Bにあたる。
【0252】
図28で示すトロフィー画像態様抽選テーブルは、設定値1、設定値2、及び設定値3のそれぞれにおいて、銅トロフィー画像tg1、銀トロフィー画像tg2、及び金トロフィー画像tg3のそれぞれに対して抽選値が対応づけられている。
具体的に説明すると、当該抽選に用いられる乱数の範囲は0〜99であるため、現在の設定値が設定値1である場合には、70/100の確率で銅トロフィー画像tg1となり、30/100の確率で銀トロフィー画像tg2となり、0/100の確率で金トロフィー画像tg3となる。現在の設定値が設定値2である場合には、50/100の確率で銅トロフィー画像tg1となり、50/100の確率で銀トロフィー画像tg2となり、0/100の確率で金トロフィー画像tg3となり、現在の設定値が設定値3である場合には、30/100の確率で銅トロフィー画像tg1となり、60/100の確率で銀トロフィー画像tg2となり、10/100の確率で金トロフィー画像tg3となる。
【0253】
このように、トロフィー画像tgは、現在の設定値が設定値1である場合には、銅トロフィー画像tg1になる可能性が最も高く、現在の設定値が3である場合には、銀トロフィー画像tg2になる可能性が高く、現在の設定値が2である場合には、銅トロフィー画像tg1になる可能性と銀トロフィー画像になる可能性が同じとなる。そのため、トロフィー画像tgの態様によって遊技者に現在の設定値を推測させることができる。
特に、金トロフィー画像tg3は、現在の設定値が設定値3である場合にのみ当選する可能性がある態様であり、トロフィー画像tgが金トロフィー画像tg3になった場合には、現在の設定値が設定値3であることを遊技者に認識させることができる。
【0254】
<設定示唆演出Bの実行期間について>
次に、
図29を用いて、本実施形態における設定示唆演出Bの実行期間及びその変形例について説明する。
図29は、本実施形態における設定示唆演出Bの実行期間及びその変形例を示す図である。
【0255】
図29(a)は、本実施形態における設定示唆演出Bの実行期間を示す図であり、本実施形態において、設定示唆演出Bは、普図高確状態の最終変動が開始された後であってその最終変動が終了する前に、結果告知演出と同時に開始及び終了することが示されている。
図29(b)は、設定示唆演出Bの実行期間の変形例を示す図であり、当該変形例において、設定示唆演出Bは、本実施形態と同様に、普図高確状態の最終変動が開始された後であってその最終変動が終了する前に、結果告知演出と同時に開始されているが、普図高確状態の最終変動が終了した後に終了することが示されている。
設定示唆演出Bは、
図29に示されるように、普図高確状態の最終変動が終了する前に結果告知演出と同時に開始されればよく、当該演出の終了タイミングは問わず、いずれの場合であっても、結果告知演出に注目している遊技者に対して設定示唆演出Bを認識させ易くし、且つ設定示唆演出Bに注目している遊技者に対して結果告知演出を認識させ易くすることで、遊技の興趣を向上させることができる。但し、設定示唆演出Bは、
図29(a)で示すように、普図高確状態の最終変動が終了する前に終了させることが好ましい。
【0256】
このように、第一の演出(設定示唆演出B)は、第一のモード(普図高確状態)における最後の図柄変動が開始されてから第二のモード(特図低確且つ普図低確の状態)における最初の図柄変動が終了するまでの移行期間内のタイミングである第一のタイミングに開始されるものであるといえる。
本実施形態では、第一のモードが普図高確の状態であり、第二のモードが特図低確且つ普図低確の状態であるため、第一のモードは、第二のモードよりも有利な状態であるといえる。
この有利な状態には、始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなる入賞容易状態の付与状況が有利な状態や、当否判定によって前記大当りが導出される確率が高い状態が挙げられる。
ここでの「入賞容易状態の付与状況が有利な状態」は、一般的には、上述の実施形態で示した普図高確状態に相当する。しかしながら、逆に、普図高確状態が普図低確状態よりも賞球数として不利になり得る形態もある。当該形態とは、例えば、始動口(例えば、入賞時の賞球数が1)及び普通電動役物の下に特別電動役物及び大入賞口(例えば、入賞時の賞球数が15で、入賞時の賞球数が当該始動口よりも多い)が配置された構造を前提として、普図高確状態では、小当りによる特別電動役物の開放時における大入賞口への入賞が普通電動役物(始動口への入賞)によって阻害され易くなる一方、普図低確状態では、小当りによる特別電動役物の開放時における大入賞口への入賞が普通電動役物(始動口への入賞)によって阻害され難くなる態様が挙げられる。そこで、この場合には、「入賞容易状態の付与状況が有利な状態」には普図低確状態が相当することになる。
「当否判定によって前記大当りが導出される確率が高い状態」となる例としては、本実施形態とは異なるが、第一のモードが大当りが導出される確率が高い状態(特図高確状態)とされ、第二のモードが第一のモードよりも当該確率が低い状態(特図低確状態)が挙げられる。
このようにすることで、有利な第一のモードの終了時における遊技者の遊技意欲の低下を抑えることができる。
【0257】
また、演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、第二のタイミングで第二の演出(結果告知演出)を開始させることができ、その第二のタイミングは、上述の移行期間内のタイミングであると換言することもできる。
このようにすることで、当該移行期間内に第一の演出(設定示唆演出B)及び第二の演出(結果告知演出)が開始され得るため、結果告知に注目している遊技者に対して、第一の演出(設定示唆演出B)を遊技者に認識させやすくすることができる。
【0258】
本実施形態では、
図29(a)及び
図29(b)で示す通り、設定示唆演出Bと結果告知演出とを同時に開始させ同時に終了させているが、必ずしもこのようにする必要はない。
具体的には、
図29(c)で示すように、設定示唆演出Bを結果告知演出が終了する前に終了させるようにしてもよいし、
図29(d)で示すように、設定示唆演出Bを結果告知演出よりも後に終了させるようにしてもよい。
また、結果告知演出は、全ての遊技結果が表示されるまでに時間を要するような演出であってもよい。例えば、
図27の例で示される結果画像rgのうち、ます、大当り当選回数から徐々に表示されはじめ、その後に、獲得賞球数が徐々に表示されはじめるといった結果告知演出であってもよい。
このような場合に、第一の演出(設定示唆演出B)は、実行期間の少なくとも一部が第二の演出(結果告知演出)の実行期間と重複する演出であると換言することもできる。
「実行期間の少なくとも一部が第一の演出と第二の演出とで重複する」とは、
図29(a)及び
図29(b)のように実行期間が完全に一致する形態、
図29(c)のように第一の演出の実行期間が第二の演出の実行期間内に含まれる形態、
図29(d)のようにその逆の形態などが該当する。
このようにすることで、結果告知演出に注目している遊技者に対して、第一の演出の態様を認識させ易くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0259】
また、本実施形態では、上述の通り、結果告知演出及び設定示唆演出Bを実行するにあたり、ポイント獲得演出のような演出ボタン37の操作を要求していない。つまり、演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、第一の演出(設定示唆演出B)を実行させることが可能なものであって、第一の演出は、開始に遊技者の操作を要しない演出であると換言できる。「開始に遊技者の操作を要しない演出」については上述したとおりである。
【0260】
更に、本実施形態では、遊技者の操作に応じて設定示唆演出Bの態様を変化させるようなこともしていない。即ち、第一の演出(設定示唆演出B)は、実行中の遊技者の操作によって態様が変化しない演出であるともいえる。このようにすることで、第一の演出を遊技者により認識させ易くすることができる。
【0261】
ところで、本実施形態において、設定示唆演出Bは、
図29に示されるとおり、普図高確の状態(
図29では特図低確且つ普図高確の状態)における最後の図柄変動の変動期間内に開始されるが、当該最後の図柄変動における当否判定で大当りが導出される場合もある。この場合には、当該最後の図柄変動の変動期間内に大当りを告知する演出が実行され、その後、大当り遊技が実行された後、再度、特図低確且つ普図高確の状態とされることになる。なお、このとき、大当り告知演出は、遊技者の操作を要することなく開始される演出とされてもよいし、演出ボタン37を模した画像を表示するなどして遊技者の操作を促した上で遊技者の操作によって開始される演出とされてもよい。また、当該大当り告知演出は、現在の設定値に関わらない態様の演出とされてもよい。「設定されている設定値に関わらない態様の演出」については上述したとおりである。
そのため、遊技機10において、演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、更に、第三の演出(大当り告知演出)を実行させることが可能なものであり、第三の演出(大当り告知演出)は、第一のモード(普図高確の状態)で実行され、設定されている設定値に関わらない態様の演出であって、開始に遊技者の操作を要しない演出、又は遊技者の操作によって開始される演出であってその操作がない場合にも開始される演出であり、第三の演出(大当り告知演出)が実行された場合には、第三の演出(大当り告知演出)が実行されなかった場合と比較して、第一の演出(設定示唆演出B)が開始される第一のタイミングが遅延すると換言できる。
【0262】
<設定示唆演出Bの開始タイミングの変形例について>
本実施形態では、結果告知演出に対して設定示唆演出Bを同時に開始させることを前提として説明してきたが、設定示唆演出Bを結果告知演出が開始された以降のタイミングで開始させるようにしてもよく、このようにした場合には、結果告知演出に注目している遊技者に対して設定示唆演出Bを認識させ易くすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
【0263】
結果告知演出が開始された以降のタイミングで設定示唆演出Bを開始させる場合には、
図30に示す2つのパターンがあり得る。
図30は、本実施形態における設定示唆演出Bと結果告知演出との実行タイミングを示す図であり、
図30(a)は、結果告知演出が開始されたタイミングより後のタイミングであって開始された結果告知演出が終了する前に設定示唆演出Bが開始されるパターンを示す図であり、
図30(b)は、結果告知演出が開始されたタイミングより後のタイミングであって開始された結果告知演出が終了した後に設定示唆演出Bが開始されるパターンを示す図である。
図30に示されるいずれのパターンであっても、結果告知演出に注目している遊技者に対して設定示唆演出Bを認識させ易くすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
【0264】
図30に示されるパターンでは、第一の演出(設定示唆演出B)を開始させる第一のタイミングは、第二の演出(結果告知演出)を開始させる第二のタイミングと異なるタイミングであると換言することができる。異なるタイミングとして、本実施形態とは異なるが、第一の演出(設定示唆演出)が背景表示であるような場合などには、第一の演出(設定示唆演出)が第二の演出(結果告知演出)よりも先に開始されてもよい。このようにすれば、第一の演出をより認識させ易くすることができる。
更に言えば、
図30に示されるように、第一の演出(設定示唆演出B)を開始させる第一のタイミングは、第二の演出(結果告知演出)を開始させる第二のタイミングの後のタイミングであると換言することができる。これにより、結果告知演出に注目している遊技者に対して設定示唆演出Bを認識させ易くすることができる。
【0265】
<結果告知演出と設定示唆演出Bが一体不可分な演出となる場合について>
本実施形態では、結果告知演出と設定示唆演出Bが別々の演出であることを前提として説明してきたが、結果告知演出と設定示唆演出Bを一体不可分な演出としてもよい。ここで、一体不可分とは、結果告知演出の態様を現在の設定値を参照した抽選によって決定する場合等、結果告知演出自体が設定示唆演出となる場合を指す。
例えば、設定示唆演出Bを、
図27に示される結果画像rgにおけるフォント書体や文字色、背景などの表示態様で現在の設定値を示唆する演出としてもよい。この場合における当該演出の実行期間は、
図29(a)及び
図29(b)のいずれかとされてもよい。
【0266】
<他の変形例>
以上の説明で記載されていない変形例について、以下に列挙する。
まず、上述の説明では、復電時のRAMクリアスイッチ43の態様を参照して復電時の復帰状態を決定しているが、復電時からのRAMクリアスイッチ43の連続操作時間が規定時間(例えば、3s)を超えるか否かを参照するようにしもよい。このようにすれば、誤ったRAMクリア処理の発生をより抑えることができる。
【0267】
また、上述の説明では、復電時の復帰状態を決定するにあたり、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)を参照していたが、当該状態を参照せずに復帰状態を設定するようにしてもよい。この場合には、一律に、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)の場合に従って復電時の復帰状態を設定すればよい。
【0268】
また、主制御基板モニタ97に表示する遊技機の性能に関する表示としては、上述のベース値に限らず、いわゆる「役物比率」や「役物連続比率」等の遊技機の性能(設計値)を評価するための指標であれば、いずれの指標を採用してもよい。
【0269】
また、本実施形態では、結果告知演出と設定示唆演出Bとが同一の演出装置(メイン表示部81)で実行される場合を例に説明したが、それぞれの演出が異なる演出装置(例えば、結果告知演出がメイン表示部81であり、設定示唆演出Bがランプ又はサブ表示部82)で実行されるようにしてもよい。
また、ポイント獲得演出、設定示唆演出A、結果告知演出、設定示唆演出Bを実行する演出装置は、本実施形態における演出装置に限らず、どのような演出装置で実行されてもよい。
【0270】
また、上述の通り、本実施形態では、設定示唆演出A及び設定示唆演出Bの2種類の現在の設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能に構成されているが、実行可能な設定示唆演出の種類は、1種類であっても、本実施形態のように複数種類であってもよい。
なお、複数種類の設定示唆演出を実行可能とする場合、それぞれの設定示唆演出の態様は、本実施形態と同様に、別の設定示唆演出の態様(過去に実行された設定示唆演出の態様、又は実行されることが決まっている場合の設定示唆演出の態様)に依存しないことが好ましい。すなわち、実行可能な設定示唆演出の態様のそれぞれは、互いに相関関係がないことが好ましい。
【0271】
また、本実施形態では、設定示唆演出Bは普図高確状態の最後の図柄変動の変動期間内に開始されたが、普図高確状態の後に移行される特図低確且つ普図低確の状態の最初の図柄変動の変動期間内に開始される設定示唆演出C、或いは、普図高確状態の後に移行される大当り遊技中又は小当り遊技中に開示される設定示唆演出Dが設けられてもよい。
設定示唆演出Cは、左打ちを促す左打ち報知演出と共に実行されてもよい。左打ち報知演出は、普図高確状態が終了した後の特図低確且つ普図低確の状態の最初の図柄変動の変動期間内に開始される。この場合、例えば、設定示唆演出Cは、左打ち報知演出と同時に又は実行期間の少なくとも一部が重複するタイミングで開始される。
【0272】
このため、第一の演出(設定示唆演出C)は、第一のモード(普図高確状態)における最後の図柄変動が開始されてから第二のモード(特図低確且つ普図低確の状態)における最初の図柄変動が終了するまでの移行期間内の第一のタイミングに開始され得る演出であると換言できる。更に、第二の演出(左打ち報知演出)は、その移行期間内の第二のタイミングに開始され得る演出であって、遊技の方法を示す演出であると換言できる。
ここで「遊技の方法を示す演出」の他の例としては、演出ボタンの操作を促す演出(例えば、演出ボタン画像の表示)などがある。
このようにすることで、当該移行期間内に第一の演出(設定示唆演出C)及び第二の演出(左打ち報知演出)が開始され得るため、左打ち報知演出に注目している遊技者に対して、第一の演出(設定示唆演出C)を遊技者に認識させやすくすることができる。
【0273】
また、上述の実施形態では、結果告知演出及び設定示唆演出Bを実行するにあたり、ポイント獲得演出のような演出ボタン37の操作を要求していなかったが、演出ボタン37の操作を要求するようにしてもよい。例えば、特図低確且つ普図高確の状態の最終の図柄変動時に演出ボタン37を模した画像を表示し演出ボタン37の操作を促し、操作が行われた場合に延長抽選の結果等により特図低確且つ普図高確の状態を延長させる形態であり、その延長抽選ではずれの場合又は演出ボタン37の操作が有効時間内に行われなかった場合に、結果告知演出及び設定示唆演出Bを実行するようにしてもよい。
この場合、第一の演出(設定示唆演出B)は、遊技者の操作によって開始される演出であってその操作がない場合にも開始される演出ということができる。ここでの「遊技者の操作によって開始される演出であってその操作がない場合にも開始される演出」とは、上述したとおりである。
【0274】
また、上述の実施形態において、ポイント獲得演出における獲得ポイント「333」又は「777」の表示は、現在の設定値が設定値2又は3(設置示唆演出A)を示し、且つ大当りが導出されたことを示すものと位置付けられていたが、それらのいずれか一方を示すものとされてもよい。この場合、
図9に示される説明テロップ演出では、『333pt、777ptゲットすれば、「大当りかも」又は「高設定かも」』というように、示唆内容「大当り」又は「高設定」まで言及することが好ましい。
【0275】
<補足>
以下、<概要>の項で説明した、第一の演出(設定示唆演出B)の開始タイミングに係る当該第一のモード及び第二のモード、並びに他のモードについて補足説明する。
上述の実施形態では、第一のモードとして普図高確の状態が例示され、第二のモードとして特図低確且つ普図低確の状態が例示された。このため、上述の実施形態では、特図低確且つ普図高確の状態及び特図高確且つ普図高確の状態が共に第一のモードに相当する。結果、特図高確且つ普図高確の状態或いは特図低確且つ普図高確の状態が大当り遊技中又は小当り遊技中(図柄変動を実行可能でないモード)を挟んで連続する状態や、特図高確且つ普図高確の状態から大当り遊技中又は小当り遊技中(図柄変動を実行可能でないモード)を挟んで特図低確且つ普図高確の状態へ移行する状態や、その逆の状態についても連続的に第一のモードに相当するものとする。
但し、大当り遊技中又は小当り遊技中(図柄変動を実行可能でないモード)を挟んだ前後に図柄変動を実行可能なモードが存在する場合には、その前後のモードを第一のモードと第二のモードと呼ぶこともできる。また、本実施形態において、特図低確且つ普図高確の状態を第一のモードと呼び、特図低確且つ普図低確の状態を第二のモードと呼ぶこともできることは言うまでもない。
【0276】
第一のモードと第二のモードとの組合せには次のような例も挙げられる。
ST状態において図柄変動の回数で第一のモードから第二のモードへ或いは第二のモードから第一のモードへ移行する組合せがあり得る。この場合の第一のモード及び第二のモードは、主制御基板100で管理されるものであってもよいし、第1副制御基板200で管理されるものであってもよい。
【0277】
その他、或る特定の大当りが導出されたことを条件に第一のモードへ移行し、その後、他の特定の大当りが導出されたことを条件に第二のモードへ移行する組合せもある。例えば、16ラウンド大当りが導出されたことを条件に第一のモードへ移行し、8ラウンド大当りが導出されたことを条件に第一のモードから第二のモードへ移行する、そのような第一のモード及び第二のモードであってもよい。
また、第一のモードが特図低確且つ普図高確の状態であり、第二のモードが特図高確且つ普図高確の状態であってもよい。この逆であってもよい。
更に、第一のモード及び第二のモードが共に特図低確且つ普図高確の状態であり、図柄変動の回数で第一のモードから第二のモードへ或いは第二のモードから第一のモードへ移行する組合せもあり得る。
【0278】
更に、第1副制御基板200で管理される両モードであって、次のような条件で移行する第一のモードと第二のモードとの組合せであってもよい。
例えば、演出抽選で第一のモードから第二のモードへ或いは第二のモードから第一のモードへ移行する組合せであってもよい。
また、所定回数の図柄変動の終了によって第一のモードから第二のモードへ或いは第二のモードから第一のモードへ移行する組合せであってもよい。
また、電源投入時の所定条件で設定されるのが第一のモードとされてもよい。この所定条件としては、抽選の当選、遊技盤50の背面側に設けられた操作部(ディップスイッチ)がある態様、所定時間以上の電断時間、電断中に所定時刻(0時など)を跨ぐことなどが挙げられる。
【0279】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0280】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)演出手段と、
前記演出手段を制御する演出制御手段と、を備え、
遊技球を発射し、発射された遊技球が入賞口に入球することで該入賞口に対応する数の賞球を付与し、複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定され、図柄変動ごとに実行される当否判定によって大当りが導出される確率が設定されている該設定値に応じて異なる遊技機であって、
図柄変動を実行可能なモードを管理するモード管理手段を備え、
前記モード管理手段によって管理される前記モードには、第一のモード及び第二のモードが含まれ、
前記モード管理手段は、
前記モードが前記第一のモードである場合に、所定の終了条件が充足されたことに基づいて該第一のモードを終了させ、
前記第一のモードの次の前記モードを前記第二のモードとするものであり、
前記演出制御手段は、
第一の演出を実行させることが可能なものであって、
前記設定値として第一の設定値が設定されている場合には、前記当否判定によって前記大当りが導出される確率が前記第一の設定値よりも低い第二の設定値が前記設定値として設定されている場合よりも高い割合で、前記第一の演出を第一のタイミングにおいて開始させるものであり、
前記第一のタイミングは、
前記第一のモードにおける最後の図柄変動が開始されてから前記第二のモードにおける最初の図柄変動が終了するまでの移行期間内のタイミングであり、
前記第一の演出は、
開始に遊技者の操作を要しない演出、又は遊技者の操作によって開始される演出であって該操作がない場合にも開始される演出であることを特徴とする遊技機。
(2)上記(1)に記載の遊技機であって、
前記第一のモードは、
前記第二のモードよりも有利なものであることを特徴とする遊技機。
(3)上記(2)に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、更に、
第二の演出を実行させることが可能なものであって、
第二のタイミングで前記第二の演出を開始させるものであり、
前記第二の演出は、
設定されている前記設定値に関わらない態様の演出であって、
前記第一のモードに係る遊技の結果を示す演出又は遊技の方法を示す演出であり、
前記第二のタイミングは、
前記移行期間内のタイミングであることを特徴とする遊技機。
(4)上記(3)に記載の遊技機であって、
前記第一の演出は、
実行期間の少なくとも一部が前記第二の演出の実行期間と重複する演出であることを特徴とする遊技機。
(5)上記(1)乃至上記(4)のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、更に、
第三の演出を実行させることが可能なものであり、
前記第三の演出は、
前記第一のモードで実行され、
設定されている前記設定値に関わらない態様の演出であって、
開始に遊技者の操作を要しない演出、又は遊技者の操作によって開始される演出であって該操作がない場合にも開始される演出であり、
前記第三の演出が実行された場合には、前記第三の演出が実行されなかった場合と比較して前記第一のタイミングが遅延することを特徴とする遊技機。
(a)前記入賞口として始動入賞口を備え、
前記始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなる入賞容易状態を付与可能であり、
前記第一のモードは、
前記入賞容易状態の付与状況が第二のモードよりも有利な状態であることを特徴とする遊技機。
(b)前記当否判定によって前記大当りが導出される確率が高い高確率状態、及び前記当否判定によって前記大当りが導出される確率が該高確率状態よりも低い低確率状態を付与可能であり、
前記第一のモードは、
前記高確率状態となるものである一方、
前記第二のモードは、
前記低確率状態となるものであることを特徴とする遊技機。
(c)前記第一のタイミングは、
前記第二のタイミングと異なるタイミングであることを特徴とする遊技機。
(d)前記第一のタイミングは、
前記第二のタイミングの後のタイミングであることを特徴とする遊技機。