特許第6815426号(P6815426)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6815426
(24)【登録日】2020年12月24日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】ポスティングの情報共有方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20210107BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20210107BHJP
【FI】
   G06Q10/08
   G06Q10/06 302
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-50951(P2019-50951)
(22)【出願日】2019年3月19日
(65)【公開番号】特開2020-154522(P2020-154522A)
(43)【公開日】2020年9月24日
【審査請求日】2019年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】519098062
【氏名又は名称】小松 隼也
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 隼也
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−252544(JP,A)
【文献】 特開2007−241974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポスティングの併配の実現を容易にするための、コンピューターにより実行される、情報共有方法であって、
クライアントの情報端末から配布依頼に関するデータを前記コンピューターが受信するステップと、
前記受信した配布依頼に関するデータに基づいて配布情報を前記コンピューターが作成し、前記作成した配布情報を、前記クライアントとは別のクライアントの情報端末に前記コンピューターが表示させるステップと、
前記別のクライアントの情報端末から併配依頼に関するデータを前記コンピューターが受信するステップと、
前記受信した併配依頼に関するデータに基づいて併配が成立したこと示すデータを前記コンピューターが作成し、前記作成した併配が成立したこと示すデータを、前記クライアントの情報端末に前記コンピューターが送信するステップと
を備えることを特徴とする情報共有方法。
【請求項2】
前記コンピューターが、配布価格の基準価格を有し、前記方法は、
前記受信した配布依頼に関するデータに基づいて前記基準価格に係数を乗算することにより配布価格を前記コンピューターが計算し、前記計算した配布価格を前記クライアントの情報端末に前記コンピューターが表示させるステップと、
前記併配依頼に関するデータに基づいて、前記係数よりも小さい値を前記基準価格に乗算することにより併配の配布価格を前記コンピューターが計算し、前記計算した併配の配布価格を前記クライアントの情報端末に前記コンピューターが表示させるステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報共有方法。
【請求項3】
前記受信した配布依頼に関するデータに基づいて配布情報を前記コンピューターが作成し、前記作成した配布情報を、前記クライアントとは別のクライアントの情報端末に前記コンピューターが表示させるステップは、前記作成した配布情報を、配布員の情報端末に前記コンピューターが表示させるステップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の情報共有方法。
【請求項4】
前記計算した併配の配布価格を、配布員の情報端末に前記コンピューターが送信するステップをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の情報共有方法。
【請求項5】
ポスティングの併配の実現を容易にするための情報共有装置であって、
クライアントの情報端末から配布依頼に関するデータを受信する手段と、
前記受信した配布依頼に関するデータに基づいて配布情報を作成し、前記作成した配布情報を、前記クライアントとは別のクライアントの情報端末に表示させる手段と、
前記別のクライアントの情報端末から併配依頼に関するデータを受信する手段と、
前記受信した併配依頼に関するデータに基づいて併配が成立したこと示すデータを作成し、前記作成した併配が成立したこと示すデータを、前記クライアントの情報端末に表示させる手段と
を備えたことを特徴とする情報共有装置。
【請求項6】
前記情報共有装置が、配布価格の基準価格を有し、前記受信した配布依頼に関するデータに基づいて前記基準価格に係数を乗算することにより配布価格を計算し、前記計算した配布価格を前記クライアントの情報端末に表示させる手段と、前記併配依頼に関するデータに基づいて、前記係数よりも小さい値を前記基準価格に乗算することにより併配の配布価格を計算し、前記計算した併配の配布価格を前記クライアントの情報端末に表示させる手段とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の情報共有装置。
【請求項7】
前記受信した配布依頼に関するデータに基づいて配布情報を作成し、前記作成した配布情報を、前記クライアントとは別のクライアントの情報端末に表示させる手段は、前記作成した配布情報を、配布員の情報端末に表示させる手段を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の情報共有装置。
【請求項8】
前記計算した併配の配布価格を、配布員の情報端末に表示させる手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の情報共有装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポスティングの情報共有方法および装置に関し、より詳細には、スマートフォンを使用するクラウドシステムにおける、ポスティングの情報共有方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宣伝広告をする個人店や小規模店舗のオーナーなどのクライアントは、ビラやチラシなどを各戸の郵便受けなどに入れるポスティングの業務を、ポスティング会社などの業者に委託している。クライアントにとって、ポスティングにかかる費用は大きな負担となっている。一方、ポスティングを受託する業者から仕事を受けるなどにより、実際にポスティングをする配布員にとって、ポスティングは、一軒当たりの配布単価が低く、能率が良いとは言えない状態にある。
【0003】
もし配布員が、一軒に対して、複数のクライアントのビラやチラシを同時に配布する併配をすることができるならば、ポスティングにおける、クライアントの委託金額を下げることができて、配布員の受託金額を上げることができる。
【0004】
新聞の折込み広告の発注と配布とを容易にするシステムとして、地図データを表示し、ユーザーが配布希望エリアを地図データ上で指定すると、配布希望エリアに関連し、費用対効果に見合った新聞販売店が抽出されるシステムが知られている(例えば、特許文献1(第7−11頁、第3図)参照)。
【0005】
また、ポスティング用の地図上の配達ルートに沿った移動により、投函すべきポスティング用ダイレクトメールの投函を可能にするシステムとして、顧客の緯度経度データおよび地図データを使用して、各顧客の位置を付した顧客位置入り地図を生成し、優待内容データを使用して、顧客用のダイレクトメールおよび顧客位置入りブロック地図を生成することによって、ポスティング用の地図およびダイレクトメールを出力するシステムが知られている(例えば、特許文献2(第10−14頁、第1図)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5452763号明細書
【特許文献2】特開2002−304573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、クライアントは、もし別のクライアントが、同一期間内に同一配布エリアにおいてポスティングを予定していても、その予定を知ることができず、配布員に併配を依頼することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、併配の実現を容易にさせることができる、ポスティングの情報共有方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、本発明の一態様は、コンピューターにより実行される情報共有方法であって、クライアントの情報端末から配布依頼に関するデータを受信するステップと、受信した配布依頼に関するデータに基づいて配布情報を作成し、作成した配布情報を、クライアントとは別のクライアントの情報端末に表示させるステップと、別のクライアントの情報端末から併配依頼に関するデータを受信するステップと、受信した併配依頼に関するデータに基づいて併配が成立したこと示すデータを作成し、作成した併配が成立したこと示すデータを、クライアントの情報端末に表示させるステップとを備える。
【0010】
本発明の別の態様は、情報共有装置であって、クライアントの情報端末から配布依頼に関するデータを受信する手段と、受信した配布依頼に関するデータに基づいて配布情報を作成し、作成した配布情報を、クライアントとは別のクライアントの情報端末に表示させる手段と、別のクライアントの情報端末から併配依頼に関するデータを受信する手段と、受信した併配依頼に関するデータに基づいて併配が成立したこと示すデータを作成し、作成した併配が成立したこと示すデータを、クライアントの情報端末に表示させる手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、配布員のポスティングの能率を上げ、クライアントのポスティングの委託契約後において配布価格を下げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態にかかるポスティングの情報共有をするシステムを示す構成図である。
図2】本発明の一実施形態にかかるポスティングの情報共有装置を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態にかかるポスティングの情報共有方法を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態にかかるポスティングの情報共有方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態にかかる併配が実現する場合のポスティングの情報共有方法を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態にかかる併配が実現する場合のポスティングの情報共有方法を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態にかかるポスティングの情報共有装置に含まれるデータベースにおけるテーブルを例示する図である。
図8】本発明の一実施形態にかかる併配が実現する場合のポスティングの情報共有方法に用いるクライアントおよび配布員の配布価格を例示する図である。
図9】本発明の別の実施形態にかかる併配を促す場合のポスティングの情報共有方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態にかかるポスティングの情報共有をするシステムを示す構成図である。ポスティングのための配布依頼を受け付けて、配布情報を公開する情報共有装置101と、クライアントが配布依頼をする、情報端末であるスマートフォン102および103と、配布員が配布依頼を受ける、情報端末であるスマートフォン104とが、通信回線であるインターネット105を通じて接続されている。
【0015】
情報共有装置101は、配布依頼テーブルを有する配布依頼データベース111と、配布エリア情報を有する配布エリア情報データベース112と、ポスティング予約テーブルを有するポスティング予約データベース113と、担当配布依頼情報テーブルを有する担当配布依頼情報データベース114とを含んでいる。
【0016】
配布依頼データベース111は、データとして、例えば、後述する図7(a)を参照して、クライアントがスマートフォンから配布依頼をすると情報共有装置101が割り当てる配布依頼コード、クライアントがスマートフォンから会員登録をすると情報共有装置101が割り当てるクライアントコード、クライアントによりスマートフォンから各々入力される依頼年月日、配布部数、チラシ用紙サイズ、配布単価、配布価格、開始予定日、完了予定日、および併配可否、情報共有装置101が設定する併配承認フラグなどを含んでいる。ここで、併配可否とは、スマートフォンから入力される、配布依頼をするクライアントが併配を希望するかしないか、併配を許可するかしないかに関するデータである。
【0017】
さらに、配布エリア情報データベース112は、データとして、例えば、後述する図7(b)を参照して、配布依頼コード、住所から緯度および経度をコード化した町丁目Geocode、世帯数、配布単価などを含んでいる。ここで、町丁目Geocodeの代わりに、地方により独自に形成されたエリア、例えば、町丁目が広すぎた場合などに分類されるエリアなどに基づくGeocodeを使用してもよい。
【0018】
また、ポスティング予約データベース113は、データとして、例えば、後述する図7(c)を参照して、配布員がスマートフォンから配布依頼の受託申請をすると情報共有装置101が割り当てるポスティングコード、配布員がスマートフォンから会員登録をすると情報共有装置101が割り当てる配布員コード、開始日、完了日、情報共有装置101が各々設定する仮申請フラグおよび承認フラグなどを含んでいる。
【0019】
担当配布依頼情報データベース114は、データとして、例えば、後述する図7(d)を参照して、ポスティングコード、配布依頼コードなどを含んでいる。
【0020】
情報共有装置101は、図2を参照して後述するアプリケーションソフトウェアを実行することにより、配布依頼データベース111、配布エリア情報データベース112、ポスティング予約データベース113、または担当配布依頼情報データベース114に対して処理に必要なデータの読み書きをして、配布依頼を受け付けて配布価格を決定する。詳細は、図3〜7を参照して後述する。
【0021】
本明細書において、説明の目的のために、情報共有装置101は、配布依頼データベース111、配布エリア情報データベース112、ポスティング予約データベース113、および担当配布依頼情報データベース114を含んでいる。場合によっては、必要とされる組み合わせに応じて、情報共有装置101と、配布依頼データベース111と、配布エリア情報データベース112と、ポスティング予約データベース113と、担当配布依頼情報データベース114とを分離して、直接接続してもよいしネットワークを通じて接続してもよい。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態にかかるポスティングの情報共有装置を示すブロック図である。情報共有装置101は、各ブロックを制御する中央処理装置201と、プログラムおよびデータを記憶するメモリー202と、データを保存する記憶装置203と、入力を処理する入力装置204と、出力を表示する画面表示装置205と、インターネットに接続するネットワーク接続装置206とが、バス207を介して相互に接続されている。
【0023】
中央処理装置201は、メモリー202に記憶されたプログラムを実行する。メモリー202は、基本ソフトウェア211、アプリケーションソフトウェア212、およびデータ213を含んでいる。
【0024】
中央処理装置201は、ネットワーク接続装置206を介して、スマートフォン102または103からの配布依頼の要求を受信すると、基本ソフトウェア211と、アプリケーションソフトウェア212と、データ213とによって、配布依頼データベース111または配布エリア情報データベース112に対して処理に必要なデータの読み書きをする。読み書きをしたデータによって、配布依頼を受け付けて配布価格を決定する。決定した配布価格を、ネットワーク接続装置206を介して、スマートフォン102または103に送信する。
【0025】
このような構成により、配布員の併配を実現することを可能にする情報共有装置を提供する。
【0026】
図3、4は、本発明の一実施形態にかかるポスティングの情報共有方法を示すフローチャートである。情報共有装置101のメモリー202に格納されたアプリケーションソフトウェア212が実行されることにより、配布依頼を受け付ける方法の処理を説明する。
【0027】
本明細書の一実施形態において、説明の目的のために、クライアントは、スマートフォン102を使用するクライアントAと、スマートフォン103を使用するクライアントBの2名であると仮定する。クライアントA、Bは、本実施形態のポスティングの情報共有方法を使用する会員登録を済ませている。会員登録の際には、クライアントA、Bが属する業種が登録される。会員登録を済ませた、クライアントAは、新たな配布地域および期間において配布依頼をし、クライアントBは、クライアントAと同一の配布地域および期間において、配布依頼をすると仮定する。
【0028】
また、配布員Aがスマートフォン104を使用すると仮定する。配布員Aは、本実施形態のポスティングの情報共有方法を使用する会員登録を済ませている。会員登録を済ませた配布員Aは、スマートフォン104のアプリケーションソフト上の地図を使用して、配布可能な範囲、例えば、台東区、東横線沿線、祐天寺駅周辺などを予め登録していると仮定する。
【0029】
情報共有装置101のメモリー202に格納されたアプリケーションソフトウェア212が実行されて処理が開始されると、スマートフォン102に表示される配布依頼受付ページから、クライアントAにより、配布部数、配布地域、配布期間、チラシ用紙サイズ、および併配可否を含む配布依頼内容に関する情報が入力される。
【0030】
ステップS301において、ネットワーク接続装置206を介して、スマートフォン102から、入力された配布依頼内容のデータを含んでいる配布依頼の要求を中央処理装置201が受信し、ステップS302に進む。
【0031】
ステップS302において、例えば、スマートフォン102の画面に、入力された配布依頼内容の確認画面が表示されて、クライアントAがスマートフォン102の画面上の確認ボタンをタッチすることなどにより、配布依頼内容が最終的に確定されると、受信した配布依頼内容のデータに含まれる、配布部数、配布地域、配布期間、およびチラシ用紙サイズに基づいて、中央処理装置201が、配布単価および世帯数を決定し、配布価格を計算する。決定した配布単価および世帯数と、計算した配布価格とを、インターネット105を通じてスマートフォン102の画面に表示させ、ステップS303に進む。
【0032】
ステップS303において、スマートフォン102の画面に表示された、配布単価、世帯数、および配布価格がクライアントAにより確認された後に、ステップS301、S302において処理された、クライアントAからの配布依頼が確定されたかどうかを中央処理装置201が決定する。配布依頼が確定した場合には、ステップS304に進む。配布依頼が確定していない場合には、ステップS301に戻る。
【0033】
ステップS304において、ステップS302にて受信した配布依頼内容に含まれるデータと、ステップS303にて確定された配布単価、世帯数、および配布価格に関するデータとを、配布依頼テーブルまたは配布エリア情報テーブルに中央処理装置201が書き込んでデータ保持をし、ステップS305に進む。
【0034】
ステップS305において、データ保持をした配布依頼内容に含まれるデータと配布単価、世帯数、および配布価格に関するデータとに基づいて、配布情報である、配布員公開用およびクライアント公開用のポスティング予約情報を中央処理装置201が作成する。作成されたクライアント公開用のポスティング予約情報によって、クライアントBのスマートフォン103において、すでにポスティングが予定されている配布エリアを地図上に表示させることができる。作成した2つの公開用のポスティング予約情報を、中央処理装置201がインターネット105を通じて公開し、ステップS306に進む。
【0035】
ここで、配布員公開用のポスティング予約情報は、すべての配布員に公開される。クライアント公開用のポスティング予約情報は、クライアントAの併配可否のデータが併配を希望すること、併配を許可することを示す場合のみ、他のクライアントに対して公開される。また、もし会員登録の際に入力された他のクライアントの業種とクライアントAの業種とが同一であるならば、他のクライアントに対して、クライアント公開用のポスティング予約情報を公開しない。
【0036】
本明細書において、ポスティング予約情報は、配布員公開用とクライアント公開用とに分けている。配布員公開用とクライアント公開用とを区別しないで、配布員およびクライアントに共通のポスティング予約情報を公開してもよい。
【0037】
ステップS306において、配布員Aにより、スマートフォン104上に表示された、予め登録した配布可能な範囲に合う、公開されたポスティング予約情報が検索される。配布員Aが検索されたポスティング予約情報に関する配布依頼を受けたい場合に、スマートフォン104から配布依頼受託申請のデータを送信する。ネットワーク接続装置206を介して、スマートフォン104から送信された配布依頼受託申請のデータを中央処理装置201が受信し、ステップS307に進む。
【0038】
実際に、配布依頼を受ける配布員Aのポスティングの種類には、例えば、配布地域内の全戸に配布する全戸配布、軒が続いて並んだ家に配布する軒並み配布、戸建てのみに配布する戸建て住宅限定配布、集合住宅のみに配布する集合住宅限定配布、事務所やお店などに配布する事務所やお店限定配布、事務所やお店などでないところに配布する事務所やお店以外限定配布、指定された建物のみに配布する、指定した建物限定配布などがある。
【0039】
なお、指定した建物限定配布では、地図上に指定された建物の位置が表示され、配布員Aは、表示された地図をみながら配布をすることができる。
【0040】
ステップS307において、例えば、スマートフォン104の画面に、入力された配布依頼受託申請の確認画面が表示されて、配布員Aが確認ボタンをタッチすることなどにより、配布依頼受託申請が最終的に確定されると、受信した配布依頼受託申請に関するデータをポスティング予約テーブルまたは担当配布依頼情報テーブルに中央処理装置201が書き込んでデータ保持をし、ステップS401に進む。
【0041】
ステップS401において、中央処理装置201が、ポスティング予約テーブルに含まれる仮申請フラグをONに設定し、ポスティング予約テーブルに含まれる承認フラグをOFFに設定する。さらに、クライアントAのスマートフォン102に対して、配布依頼受託申請が発生したことを示すデータをプッシュ通知により中央処理装置201が送信し、ステップS402に進む。
【0042】
ステップS402において、クライアントAにより配布員Aの配布依頼受託申請を承認するかまたは否認するが選択される。選択された結果を含む受託申請回答のデータを、クライアントAのスマートフォン102からネットワーク接続装置206を介して中央処理装置201が受信し、ステップS403に進む。
【0043】
ステップS403において、ステップS402にて受信した受託申請回答のデータに基づいて、配布員Aの配布依頼受託申請が承認されたかどうかを中央処理装置201が決定する。配布依頼受託申請が承認された場合には、ステップS404に進む。配布依頼受託申請が承認されない場合には、中央処理装置201が、ポスティング予約テーブルに含まれる仮申請フラグをOFFに設定し、ステップS402に戻る。配布依頼受託申請が承認されない場合、ポスティング予約テーブルまたは担当配布依頼情報テーブルに書き込まれた配布依頼受託申請に関するデータを、履歴情報としてデータ保持をする。
【0044】
ステップS404において、中央処理装置201が、ポスティング予約テーブルに含まれる仮申請フラグをOFFに設定し、ポスティング予約テーブルに含まれる承認フラグをONに設定する。クライアントAの配布依頼を受け付ける方法の処理が終了する。
【0045】
図5、6は、本発明の一実施形態にかかる併配が実現する場合のポスティングの情報共有方法を示すフローチャートである。上述したステップS305において公開されたクライアント公開用のポスティング予約情報を、クライアントBがスマートフォン103の地図上において閲覧する。閲覧したクライアントBが併配を希望する場合、情報共有装置101のメモリー202に格納されたアプリケーションソフトウェア212が実行されることにより、併配の配布依頼である併配依頼を受け付ける方法の処理を説明する。
【0046】
ステップS501において、ネットワーク接続装置206を介して、スマートフォン103から、入力された併配依頼内容のデータを含んでいる併配依頼の要求を中央処理装置201が受信し、ステップS502に進む。
【0047】
ステップS502において、クライアントBからの併配依頼内容がクライアントBにより最終的に確定された後に、受信した併配依頼内容のデータに含まれる、配布部数、配布地域、配布期間、およびチラシ用紙サイズに基づいて、中央処理装置201が、配布単価および世帯数を決定し、併配の配布価格を計算する。決定した配布単価および世帯数と、計算した併配の配布価格とを、インターネット105を通じてスマートフォン103の画面に表示させ、ステップS503に進む。
【0048】
ここで、併配のクライアントの配布価格を計算するには、例えば、後述する図8(a)において例示するように、クライアント数が1である1クライアントの場合よりも、クライアント数が2である2クライアントの場合の方が小さい係数を、乗数として使用する。小さい係数を使用することにより、配布員Aが併配依頼を受託すると、ポスティングの委託契約後であってもクライアントAの配布価格を下げることができ、併配の実現を容易にさせることが可能となる。
【0049】
より詳細には、例えば、後述する図8(c)において例示するように、配布地域毎に、チラシ用紙サイズ毎に異なる、チラシ1枚当たりの基準価格を使用することができる。配布地域がエリアA、チラシ用紙サイズがA4の場合、チラシ1枚当たりの基準価格は4.0円である。さらに、配布員が通常配布員の場合、クライアントAおよびBに対する、チラシ1枚当たりの併配の配布価格は、4.0円×0.9=3.6円となる。
【0050】
ステップS503において、スマートフォン103の画面に表示された、配布単価、世帯数、および併配の配布価格がクライアントBにより確認された後に、クライアントBからの併配依頼が確定されたかどうかを中央処理装置201が決定する。併配依頼が確定した場合には、例えば、後述する図8(b)において例示するような係数を用いて、配布員Aの配布価格を中央処理装置201が再計算し、ステップS504に進む。併配依頼が確定していない場合には、ステップS501に戻る。
【0051】
ステップS504において、ステップS501にて受信した併配依頼内容に含まれるデータと、ステップS502にて確定された配布単価および併配の配布価格に関するデータとを、配布依頼テーブルに中央処理装置201が書き込んでデータ保持をし、ステップS505に進む。
【0052】
ステップS505において、中央処理装置201が、配布依頼テーブルに含まれる併配承認フラグをOFFに設定する。さらに、クライアントAのスマートフォン102および配布員Aのスマートフォン104に対して、ステップS502において計算した併配の配布価格を含む、併配希望が発生したことを示すデータをプッシュ通知により中央処理装置201が送信し、ステップS601に進む。
【0053】
ステップS601において、併配希望が発生したことを示すデータを受信した、スマートフォン104を使用する配布員Aにより、併配依頼を受託するかしないかが選択される。選択された結果を含む併配依頼回答のデータを、配布員Aのスマートフォン104からネットワーク接続装置206を介して中央処理装置201が受信し、ステップS602に進む。
【0054】
ステップS602において、ステップS601にて受信した併配依頼回答のデータに基づいて、配布員Aにより併配依頼が受託されたかどうかを中央処理装置201が決定する。併配依頼が受託された場合には、ステップS603に進む。併配依頼が受託されない場合には、中央処理装置201が、配布依頼テーブルに含まれる併配承認フラグをOFFに設定し、ステップS601に戻る。併配依頼が受託されない場合、配布依頼テーブルに書き込まれた併配依頼に関するデータを、履歴情報としてデータ保持をする。
【0055】
ステップS603において、ステップS307、S401、S403、およびS404にて使用したポスティング予約テーブルに、中央処理装置201が、クライアントBの併配依頼内容のデータを追加して書き込んで、ステップS604に進む。
【0056】
ステップS604において、中央処理装置201が、配布依頼テーブルに含まれる併配承認フラグをONに設定し、ステップS605に進む。
【0057】
ステップS605において、クライアントAのスマートフォン102に対して、ステップS502において計算した併配の配布価格を含む、併配が成立したことを示すデータを中央処理装置201が作成し、作成した併配が成立したこと示すデータをプッシュ通知により中央処理装置201が送信する。クライアントBの併配の配布依頼を受け付ける方法の処理が終了する。
【0058】
結果として、ステップS502の併配の配布価格を計算する際に、基準価格に対して、1クライアントの場合よりも2クライアントの場合の方が小さい乗数を使用したので、クライアントAの配布価格は、ステップS301〜S404において配布依頼が成立して、決定された配布価格よりも、値下げされた配布価格になる。また、配布員Aの配布価格は、ステップS301〜S404において配布依頼受託が成立して、決定された配布価格よりも、値上げされた配布価格になる。
【0059】
図7は、本発明の一実施形態にかかるポスティングの情報共有装置に含まれるデータベースにおけるテーブルを例示する図である。図7(a)の配布依頼テーブルは配布依頼データベース111に、図7(b)の配布エリア情報テーブルは配布エリア情報データベース112に、図7(c)のポスティング予約テーブルはポスティング予約データベース113に、および図7(d)の担当配布依頼情報テーブルは担当配布依頼情報データベース114に含まれている。
【0060】
なお、図7の各テーブルのレコードに記載された値は、例示の目的で記載された値であり、本願発明を限定しない。
【0061】
図8は、本発明の一実施形態にかかる併配が実現する場合のポスティングの情報共有方法に用いるクライアントおよび配布員の配布価格を例示する図である。図8(a)は、クライアントA〜Cの配布価格において、配布員のランクが、通常、ベテラン、およびプレミアムに区分され、クライアント数が1〜3に区分された場合の例を示す図である。
【0062】
図8(b)は、配布員Aの配布価格において、配布員のランクが、通常、ベテラン、およびプレミアムに区分され、クライアント数が1〜3に区分された場合の例を示す図である。
【0063】
ここで、本明細書において、説明の目的のために、クライアントが2名の場合を仮定した。クライアントが3名であっても、同様にステップS501〜S605の処理をして、併配依頼を受け付けることができる。図8のクライアントCは、クライアントA、Bに続いて、3人目のクライアントであると仮定する。
【0064】
図8(c)は、チラシ1枚当たりの基準価格において、チラシ用紙サイズが、B5以下、A4、B4、A3、およびB3に区分され、さらに配布地域が、エリアA、エリアB、エリアC、およびエリアDに区分された場合の例を示す図である。
【0065】
本明細書において、説明の目的のために、クライアントAのポスティング予約情報の公開後において、時系列は、配布員Aの配布依頼受託、クライアントBの併配依頼の順であるとした。クライアントAのポスティング予約情報の公開後において、時系列は、クライアントBの併配依頼、配布員Aの配布依頼受託の順であってもよい。クライアントBの併配依頼、配布員Aの配布依頼受託の順であっても、クライアントA、B,および配布員Aの配布価格は、最終的に、本明細書において上述した順である前者の場合と同じ金額になる。
【0066】
また、クライアントが3名の場合、クライアントA〜Cおよび配布員Aの配布価格は、クライアントAのポスティング予約情報の公開後において、配布員Aの配布依頼受託と、クライアントBの併配依頼と、クライアントCの併配依頼との時系列の順によらず、最終的に同じ金額になる。
【0067】
本実施形態によれば、すでにポスティングが予定されている配布エリアを情報端末の地図上に表示することにより、配布員の併配を実現しクライアントのポスティングの委託契約後において配布価格を下げることができる。
【0068】
図9は、本発明の別の実施形態にかかる併配を促す場合のポスティングの情報共有方法を示すフローチャートである。情報共有装置101のメモリー202に格納されたアプリケーションソフトウェア212が実行されることにより、配布依頼を受け付けて、併配を促す方法の処理を説明する。
【0069】
図3、4の説明において仮定したのと同様に、クライアントA、Bは、本願発明におけるポスティングの情報共有方法の使用に関する会員登録を済ませている。会員登録を済ませたクライアントAが、新たな配布地域および期間において配布依頼をする。会員登録を済ませた、クライアントAと異なる業種のクライアントBが、クライアントAと同一の配布地域および期間において、配布依頼を検討していると仮定する。また、配布員Aに対する仮定も、図3、4の説明において仮定したのと同様である。
【0070】
ステップS901はステップS301と、ステップS902はステップS302と、ステップS903はステップS303と、ステップS904はステップS304と、およびステップS905はステップS305と同じ処理である。
【0071】
ステップS906において、クライアントBのスマートフォン103に、配布情報であるポスティング予約情報が公開されたことを示すデータを、インターネット105を通じてプッシュ通知により中央処理装置201が送信する。ポスティング予約情報が公開されたことを示すデータに関する情報を、クライアントBがスマートフォン103の地図上において閲覧する。閲覧したクライアントBが併配を希望する場合には、図5のステップS501に進む。
【0072】
なお、本発明の別の実施形態におけるステップS603において、ポスティング予約テーブルに、クライアントBの併配依頼内容のデータだけでなくクライアントAの配布依頼内容のデータも中央処理装置201が書き込む。配布情報であるポスティング予約情報が公開されたことを示すデータをプッシュ通知により中央処理装置201が送信することにより、配布依頼を検討しているクライアントに併配を促すことができるようになる。併配により配布員の配布価格を上げることができるので、配布依頼受託を希望する配布員が現れる時間を短縮することができるようになる。
【0073】
本発明の別の実施形態によれば、すでにポスティングが予定されている配布エリアを情報端末の地図上に表示することにより、配布員の併配を実現しクライアントのポスティングの委託契約後において配布価格を下げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、ポスティングの分野において、スマートフォンを使用するクラウドシステムにおける併配の配布価格を決定することができる。
【符号の説明】
【0075】
101 情報共有装置
102 スマートフォン
103 スマートフォン
104 スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9