特許第6815468号(P6815468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6815468
(24)【登録日】2020年12月24日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】生産システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20210107BHJP
【FI】
   G05D1/02 Y
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-202840(P2019-202840)
(22)【出願日】2019年11月8日
【審査請求日】2019年11月13日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司
(72)【発明者】
【氏名】長末 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】中川 昌昭
【審査官】 影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/052830(WO,A1)
【文献】 特開2019−175137(JP,A)
【文献】 特開2017−41166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場の建屋内に配設され、ワークに対して所定の加工を行う工作機械と、
前記工作機械の周辺に配設される複数の周辺装置と、
前記周辺装置に係合し、前記周辺装置を搬送する無人搬送車と、
前記無人搬送車の動作を制御する制御装置と、
前記制御装置にレイアウトの変更指示を行うレイアウト指示装置とを備えた生産システムであって、
前記レイアウト指示装置は、前記工場建屋内において、前記工作機械の周辺に配置されるべき前記周辺装置の種別、位置及び向きに関するレイアウト情報を変更指令とともに前記制御装置に送信するように構成され、
前記制御装置は、
前記工場建屋内における前記無人搬送車の位置及び向きに関する位置情報、並びに前記周辺装置の種別、現在の位置及び向きに関する現在配置情報を認識する位置認識部と、
前記レイアウト指示装置から送信された前記変更指令及びレイアウト情報を受信し、受信したレイアウト情報、及び前記位置認識部によって認識された現在配置情報に基づいて、レイアウト変更によって配置すべき周辺装置を、前記位置認識部によって認識される前記無人搬送車の位置情報に基づいた制御の下で、該無人搬送車により搬送して配置するレイアウト実行部とを備えて構成され、
更に、前記周辺装置は、走行可能に構成され、
前記無人搬送車は、その外側面に、前記周辺装置の外側面に設けられた被係合部に係合する係合部を有し、該係合部が前記周辺装置の被係合部に係合した状態で、前記周辺装置を牽引して搬送するように構成されていることを特徴とする生産システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記周辺装置の現在配置情報を記憶する配置情報記憶部を備え、
前記位置認識部は、前記配置情報記憶部に格納された情報を基に、前記周辺装置の現在配置情報を認識するように構成され、
前記レイアウト実行部は、周辺装置のレイアウトを変更した後、前記配置情報記憶部に格納された周辺装置の現在配置情報を、実行したレイアウト情報で更新するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の生産システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記工場建屋内の前記工作機械及び周辺装置を含むマップに関する情報を記憶したマップ情報記憶部を備え、
前記位置認識部は、前記マップ情報記憶部に格納されたマップ情報を用いて、前記工場建屋内における前記無人搬送車の位置情報、及び前記周辺装置の現在配置情報を認識するように構成され、
前記レイアウト指示装置は、前記工場建屋内のマップに対応した位置情報を含む前記レイアウト情報を前記制御装置に送信するように構成され、
前記レイアウト実行部は、前記マップ情報記憶部に格納されたマップ情報を用い、前記無人搬送車を制御して、前記周辺装置を前記レイアウト情報に従ってレイアウトするとともに、実行したレイアウト情報に従って、前記マップ情報記憶部に記憶されたマップ情報を更新するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の生産システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記工場建屋内のマップに関する情報を記憶したマップ情報記憶部と、前記マップ上における前記周辺装置の現在配置情報を記憶する配置情報記憶部を備え、
前記位置認識部は、前記マップ情報記憶部に格納されたマップ情報を用いて、前記無人搬送車の位置情報を認識すると共に、前記配置情報記憶部に格納された情報を基に、前記周辺装置の現在配置情報を認識するように構成され、
前記レイアウト指示装置は、前記工場建屋内のマップに対応した位置情報を含む前記レイアウト情報を前記制御装置に送信するように構成され、
前記レイアウト実行部は、前記マップ情報記憶部に格納されたマップ情報を用い、前記無人搬送車を制御して、前記周辺装置を前記レイアウト情報に従って配置した後、前記配置情報記憶部に格納された周辺装置の現在配置情報を、実行したレイアウト情報に従って更新するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の生産システム。
【請求項5】
工場の建屋内に配設され、ワークに対して所定の加工を行う工作機械と、
前記工作機械の周辺に配設される複数の周辺装置と、
前記周辺装置に係合し、前記周辺装置を搬送する無人搬送車と、
前記無人搬送車の動作を制御する制御装置と、
前記制御装置にレイアウトの変更指示を行うレイアウト指示装置とを備えた生産システムであって、
前記レイアウト指示装置は、レイアウト変更によって前記工作機械の周辺に配置されるべき前記周辺装置の種別、位置及び向きに関するレイアウト情報、及び該周辺装置の種別、現在の位置及び向きに関する現在配置情報を変更指令とともに前記制御装置に送信するように構成され、
前記制御装置は、
前記工場建屋内における前記無人搬送車の位置及び向きに関する位置情報を認識する位置認識部と、
前記レイアウト指示装置から送信された前記変更指令、レイアウト情報及び現在配置情報を受信し、受信したレイアウト情報及び現在配置情報に基づいて、配置すべき周辺装置を、前記位置認識部によって認識される前記無人搬送車の位置情報に基づいた制御の下で、該無人搬送車により搬送して配置するレイアウト実行部とを備えて構成され、
更に、前記周辺装置は、走行可能に構成され、
前記無人搬送車は、その外側面に、前記周辺装置の外側面に設けられた被係合部に係合する係合部を有し、該係合部が前記周辺装置の被係合部に係合した状態で、前記周辺装置を牽引して搬送するように構成されていることを特徴とする生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを加工する工作機械、及び当該工作機械の周辺に配設される周辺装置、並びに無人搬送車及びこの無人搬送車の動作を制御する制御装置などから構成される生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、FMS(Flexible Manufacturing System)と呼ばれる生産システムが知られている。この生産システムでは、工場内に複数の工作機械を適宜配設し、無人の搬送車を用いて、各工作機械に加工前のワークや工具などを搬送し、また、この無人搬送車を用いて、各工作機械において加工されたワークや使用済みの工具などが回収される。そして、このような生産システムによって、無人の自動生産が実現される。
【0003】
上記無人搬送車として、従来、下記特許文献1に開示された無人搬送車が知られている。この無人搬送車は、投射光を出射する投光部を回転駆動させ、投射光が計測対象物で反射した反射光の受光に基づいて距離測定データを出力する距離測定装置と、距離測定データに基づいてマップ情報を作成するマップ作成部と、障害物を検知する障害物センサとを備え、障害物センサは、距離測定装置の測定有効領域を含んだ円形領域における測定無効領域に配置される。
【0004】
この無人搬送車によれば、まず、例えば手動操作により当該無人搬送車を操作して、工場の建屋内を走行させた際に、前記距離測定装置により測定される距離測定データに基づいて、工場建屋内の内側の輪郭、並びに建屋内に配置された工作機械や他の装置の外形上の輪郭を画定する平面状のマップ情報が、前記マップ作成部によって作成される。
【0005】
また、無人搬送車は、前記距離測定装置により測定される距離測定データと、前記マップ作成部によって予め作成されたマップ情報に基づいて、建屋内における自身の現在位置(自己位置)を同定する。そして、無人搬送車は、建屋内のマップ情報及び自己位置情報に基づいて、予め定められた経路に沿って無軌道で自律走行し、上述したワークや工具などの搬送を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019−8359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、現在の工作機械の分野では、旋削加工、フライス加工や穴あけ加工など複数種の加工を行うことができるようになった複合加工型の工作機械を用いた加工が一般的になってきている。そして、このような複合加工型の工作機械は、当該工作機械の1台又は2台によりワークを加工することが可能な場合があり、特に多品種少量生産に適しているものである。
【0008】
また近年では、工作機械の周辺に、例えば、加工前のワークが貯留される材料ストッカや、加工後のワークが貯留される製品ストッカの他、加工後のワークの寸法を測定する測定装置などの周辺装置を配置して、これらを用いた自動加工が行なわれている。そして、このような周辺装置の中には、ワークに応じて特別に設計された特有(専用)のものもあり、このような場合には、加工するワークに応じて、その加工に必要な周辺装置が、適宜、工作機械の周辺に配置されていた。
【0009】
その際、従来においては、適宜運搬機を用いた人手により、周辺装置のレイアウト変更が行われていたため、必ずしも効率の良いレイアウト変更が実現できていなかった。多品種少量生産の下で、周辺装置のレイアウト変更の頻度が高まると、これに応じて工作機械の稼働率が低下するため、効率的な生産を行うことができない。
【0010】
一方、前述した無人搬送車は、ワークや工具を搬送するために開発されたものではあるが、上述した周辺装置の搬送に用いることができれば便利であり、また、当該無人搬送車の稼働率を高めることができる。
【0011】
本発明は、以上のような背景の下でなされたものであって、周辺装置のレイアウト変更を自動的且つ効率的に行うことができる生産システムの提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明は、
工場の建屋内に配設され、ワークに対して所定の加工を行う工作機械と、
前記工作機械の周辺に配設される複数の周辺装置と、
前記周辺装置に係合し、前記周辺装置を搬送する無人搬送車と、
前記無人搬送車の動作を制御する制御装置と、
前記制御装置にレイアウトの変更指示を行うレイアウト指示装置とを備えた生産システムであって、
前記レイアウト指示装置は、前記工場建屋内において、前記工作機械の周辺に配置されるべき前記周辺装置の種別、位置及び向きに関するレイアウト情報を変更指令とともに前記制御装置に送信するように構成され、
前記制御装置は、
前記工場建屋内における前記無人搬送車の位置及び向きに関する位置情報、並びに前記周辺装置の種別、現在の位置及び向きに関する現在配置情報を認識する位置認識部と、
前記レイアウト指示装置から送信された前記変更指令及びレイアウト情報を受信し、受信したレイアウト情報、及び前記位置認識部によって認識された現在配置情報に基づいて、レイアウト変更によって配置すべき周辺装置を、前記位置認識部によって認識される前記無人搬送車の位置情報に基づいた制御の下で、該無人搬送車により搬送して配置するレイアウト実行部とを備えた生産システムに係る。
【0013】
この生産システムでは、前記制御装置の位置認識部において、工場建屋内における無人搬送車の位置及び向きに関する位置情報、並びに周辺装置の種別、現在の位置及び向きに関する現在配置情報が認識される。この無人搬送車の位置情報及び現在配置情報は、例えば、GPS機能等を用いることにより認識することができる。
【0014】
そして、前記レイアウト指示装置から制御装置に対して、工作機械の周辺に配置されるべき周辺装置の種別、位置及び向きに関するレイアウト情報が変更指令とともに送信される。そして、制御装置は、レイアウト指示装置からレイアウト情報及び変更指令を受信すると、そのレイアウト実行部により、受信したレイアウト情報、並びに位置認識部によって認識される現在配置情報及び無人搬送車の位置情報に基づいた制御の下で、レイアウト変更によって配置すべき周辺装置を、無人搬送車により搬送して、指定された位置に配置する。
【0015】
このように、本発明に係る生産システムでは、工作機械の周辺に配設される周辺装置のレイアウト変更を、無人搬送車を用いて自動的に実行することができるので、当該レイアウト変更を効率的に行うことができる。したがって、多品種少量生産の下、周辺装置のレイアウト変更が高い頻度で実行される場合でも、工作機械の稼働率を大きく下げることなく、効率的な生産を行うことができる。また、この無人搬送車を、ワークや工具を搬送するものと兼用にすれば、当該無人搬送車の稼働率を高めることができる。
【0016】
尚、本発明において、前記制御装置は、前記周辺装置の現在配置情報を記憶する配置情報記憶部を備え、
前記位置認識部は、前記配置情報記憶部に格納された情報を基に、前記周辺装置の現在配置情報を認識するように構成され、
前記レイアウト実行部は、周辺装置のレイアウトを変更した後、前記配置情報記憶部に格納された周辺装置の現在配置情報を、実行したレイアウト情報で更新するように構成された態様を採ることができる。
【0017】
このようにすれば、無人搬送車を制御する制御装置において、周辺装置の現在配置情報を保持することができるため、迅速なレイアウト変更を実現することができる。
【0018】
また、本発明において、前記制御装置は、前記工場建屋内の前記工作機械及び周辺装置を含むマップに関する情報を記憶したマップ情報記憶部を備え、
前記位置認識部は、前記マップ情報記憶部に格納されたマップ情報を用いて、前記無人搬送車の位置情報、及び前記周辺装置の現在配置情報を認識するように構成され、
前記レイアウト指示装置は、前記工場建屋内のマップに対応した位置情報を含む前記レイアウト情報を前記制御装置に送信するように構成され、
前記レイアウト実行部は、前記マップ情報記憶部に格納されたマップ情報を用い、前記無人搬送車を制御して、前記周辺装置を前記レイアウト情報に従ってレイアウトするとともに、実行したレイアウト情報に従って、前記マップ情報記憶部に記憶されたマップ情報を更新するように構成された態様を採ることができる。
【0019】
更に、本発明において、前記制御装置は、前記工場建屋内のマップに関する情報を記憶したマップ情報記憶部と、前記マップ上における前記周辺装置の現在配置情報を記憶する配置情報記憶部を備え、
前記位置認識部は、前記マップ情報記憶部に格納されたマップ情報を用いて、前記無人搬送車の位置情報を認識すると共に、前記配置情報記憶部に格納された情報を基に、前記周辺装置の現在配置情報を認識するように構成され、
前記レイアウト指示装置は、前記工場建屋内のマップに対応した位置情報を含む前記レイアウト情報を前記制御装置に送信するように構成され、
前記レイアウト実行部は、前記マップ情報記憶部に格納されたマップ情報を用い、前記無人搬送車を制御して、前記周辺装置を前記レイアウト情報に従って配置した後、前記配置情報記憶部に格納された周辺装置の現在配置情報を、実行したレイアウト情報で更新するように構成された態様を採ることができる。
【0020】
また、本発明では、周辺装置の現在配置情報をレイアウト指示装置から制御装置に送信する態様を採ることができる。即ち、この態様の生産システムは、
工場の建屋内に配設され、ワークに対して所定の加工を行う工作機械と、
前記工作機械の周辺に配設される複数の周辺装置と、
前記周辺装置に係合し、前記周辺装置を搬送する無人搬送車と、
前記無人搬送車の動作を制御する制御装置と、
前記制御装置にレイアウトの変更指示を行うレイアウト指示装置とを備えた生産システムであって、
前記レイアウト指示装置は、レイアウト変更によって前記工作機械の周辺に配置されるべき前記周辺装置の種別、位置及び向きに関するレイアウト情報、及び該周辺装置の種別、現在の位置及び向きに関する現在配置情報を変更指令とともに前記制御装置に送信するように構成され、
前記制御装置は、
前記工場建屋内における前記無人搬送車の位置及び向きに関する位置情報を認識する位置認識部と、
前記レイアウト指示装置から送信された前記変更指令、レイアウト情報及び現在配置情報を受信し、受信したレイアウト情報及び現在配置情報に基づいて、配置すべき周辺装置を、前記位置認識部によって認識される前記無人搬送車の位置情報に基づいた制御の下で、該無人搬送車により搬送して配置するレイアウト実行部とを備える。
【0021】
そして、上記各態様において、前記無人搬送車は、前記周辺装置は、走行可能に構成され、
前記無人搬送車は、その外側面に、前記周辺装置の外側面に設けられた被係合部に係合する係合部を有し、該係合部が前記周辺装置の被係合部に係合した状態で、前記周辺装置を牽引して搬送するように構成される。
【0022】
或いは、上記各態様において、参考的には、前記無人搬送車は、前記周辺装置を載置する載置面を有し、該周辺装置の下方に入り込んだ後、該周辺装置をリフトアップして前記載置面に載置させるように構成された態様を採ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る生産システムによれば、工作機械の周辺に配設される周辺装置のレイアウト変更を、無人搬送車を用いて自動的に実行することができるので、当該レイアウト変更を効率的に行うことができる。したがって、多品種少量生産の下、周辺装置のレイアウト変更が高い頻度で実行される場合でも、工作機械の稼働率を大きく下げることなく、効率的な生産を行うことができる。また、この無人搬送車を、ワークや工具を搬送するものと兼用にすれば、当該無人搬送車の稼働率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る生産システムの概略構成を示した平面図である。
図2】本実施形態に係る生産システムの概略構成を示したブロック図である。
図3】本実施形態に係る無人搬送車を示した斜視図である。
図4】本実施形態に係る無人搬送車を示した断面図であり、図3における矢示A−A方向の断面図である。
図5】本実施形態に係る無人搬送車を示した断面図であり、図3における矢示B−B方向の断面図である。
図6】本実施形態のレイアウト実行部における処理を示したフローチャートである。
図7】本実施形態の無人搬送車を用いた周辺装置の参考的な搬送態様を説明するための説明図である。
図8】本実施形態の無人搬送車を用いた周辺装置の参考的な搬送態様を説明するための説明図である。
図9】本発明の実施形態に係る無人搬送車を用いた周辺装置の搬送態様を説明するための説明図である。
図10】本発明の実施形態に係る無人搬送車を用いた周辺装置の搬送態様を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の具体的な実施の形態に係る生産システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1及び図2に示すように、本例の生産システム1は、工作機械2、ロボット5、材料ストッカ11、製品ストッカ12、測定器13、チャックストッカ14、無人搬送車20、無人搬送車20を制御する制御装置50並びにレイアウト指示装置60などから構成される。尚、前記材料ストッカ11、製品ストッカ12、測定器13及びチャックストッカ14は、加工されるワークに応じて工作機械2の周辺に配置されて当該加工に用いられるもので、この意味において一般的に周辺装置10と総称される。
【0027】
前記工作機械2は、工場建屋内の適宜位置に配設されており、図1ではその詳しい構成の図示を省略しているが、ワークを保持するワーク主軸、及び工具保持する工具主軸及びタレットを備えた所謂複合加工型のNC(数値制御)工作機械であり、旋削加工及びミーリング加工の双方を行うことができるようになっている。尚、本例では、工作機械2として、複合加工型のNC工作機械を例示したが、これに限られるものではなく、汎用のNC旋盤やマシニングセンターの他、各種の工作機械を適用することができる。
【0028】
前記材料ストッカ11は、図1において工作機械2の左手前に配設されており、当該工作機械2で加工される複数の材料(加工前ワーク)をストックする装置である。また、前記製品ストッカ12は、図1において工作機械2の右手前に配設され、当該工作機械2で加工された複数の製品、又は半製品(加工済ワーク)をストックする装置である。また、前記測定器13は工作機械2で加工された加工済ワークの所定部位の寸法、例えば、直径、内径、高さ寸法や長さ寸法などを測定する機器である。
【0029】
また、前記チャックストッカ14は、前記工作機械2で使用される複数のチャックをストックする装置であり、各チャックは、ワークの大きさ、形状や加工の種類に対応したものとなっている。例えば、チャックは、ワークの外径を把持するものとワークの内径を把持するものに大別され、更に、把持するワークの大きさや把持する部位によって、把持爪の大きさや形状が適宜設定され、更にその基本的な把持機構が設定される。
【0030】
尚、本例では、図7及び図8に示すように、前記材料ストッカ11、製品ストッカ12、測定器13及びチャックストッカ14はそれぞれ本体部11a,12a,13a,14a及びこの本体部11a,12a,13a,14aの下面に配設された支持脚11b,12b,13b,14bからなる。また、前記材料ストッカ11及び製品ストッカ12は、上述したように、工作機械2の周辺の前記位置に配設されており、前記測定器13及びチャックストッカ14は、工場建屋内の適宜位置に設定された保管場所に保管されているものとする。
【0031】
前記ロボット5は、第1アーム6、第2アーム7及び第3アーム8の3つのアームを備えた多関節型のロボットであり、第3アーム8の先端部にはエンドエフェクタとしてのハンド9が装着されており、このハンド9を三次元空間内で移動させることができ、また、三次元空間内で任意の姿勢を取らせることができるようになっている。
【0032】
図1示すように、ロボット5は、前記工作機械2、材料ストッカ11及び製品ストッカ12によって囲まれる領域内に配設されており、前記工作機械2、材料ストッカ11及び製品ストッカ12に対して、予め定められた作業を行う。例えば、ロボット5は、工作機械2によって加工された加工済のワークを、ハンド9を用いてワーク主軸から取り外して前記製品ストッカ12に格納し、また、材料ストッカ11内に貯留された加工前のワークを、ハンド9を用いて当該材料ストッカ11から取り出して前記ワーク主軸に装着する作業を行う。
【0033】
図3図5に示すように、前記無人搬送車20は、平面視矩形状をした支持台22と、この支持台22の下面の4隅にそれぞれ取り付けられた4つの従動車輪部30と、同じく下面の進退方向(矢示C方向)の両側に取り付けられた2つの駆動車輪部25と、前記支持台22の、前記従動車輪部30より内側の4隅にそれぞれ取り付けられた4つの昇降機構40と、この昇降機構40によって支持され且つ昇降される平面視矩形受をした昇降台21と、前記昇降機構40を駆動する昇降駆動装置35と、前記支持台22の上面の3隅にそれぞれ配設されたセンサ24と、前記支持台22を囲繞するカバー体23とを備えて構成される。
【0034】
前記センサ24は、例えば、レーザ光を用いた距離計測センサから構成され、このセンサ24によって、障害物の有無、及び当該障害物までの距離が測定される。
【0035】
前記駆動車輪部25は、適宜間隔をもって前記支持台22の下面に固設される2枚の支持板27と、この2枚の支持板27間に設けられ、当該支持板27によって水平軸回りに回転自在に支持される駆動車輪26と、内側に配置される支持板27の外面に取り付けられ、前記駆動車輪26を回転させる駆動モータ28とから構成される。尚、各駆動モータ28は前記制御装置50によって個別に駆動される。
【0036】
前記従動車輪部30は、前記支持台22の下面に固設されるブラケット34と、垂直軸回りに回転自在に、前記ブラケット34の下面に取り付けられるベアリング部材33と、適宜間隔をもって前記ベアリング部材33の下面に固設される2枚の支持板32と、この2枚の支持板32間に設けられ、当該支持板32によって水平軸回りに回転自在に支持された従動車輪31とから構成される。
【0037】
前記昇降機構40は、軸線中心に回転自在に、且つ前記支持台22を貫通した状態で該支持台22に保持されるねじ軸41と、このねじ軸41の下端部に設けられた歯付プーリ(タイミングプーリ)42とからなり、前記ねじ軸41は、前記昇降台21に上下に貫通するように穿設されたねじ穴21aに螺合している。
【0038】
前記昇降駆動装置35は、前記各昇降機構40の歯付プーリ42に巻き掛けられたタイミングベルト36と、前記支持台22の下面に固設される支持部材39と、この支持部材39によって支持される駆動モータ37と、この駆動モータ37の出力軸に取り付けられた歯付プーリ38とから構成される。そして、前記支持部材39は、駆動モータ37に取り付けられた歯付プーリ38が前記タイミングベルト36と係合可能な位置において、前記支持台22の下面に固設されている。
【0039】
斯くして、この無人搬送車20によれば、前記各駆動モータ28によって対応する駆動車輪26を同じ回転速度で回転させることによって、当該無人搬送車20が前記矢示C方向に進退する。また、前記各駆動モータ28により、対応する駆動車輪26を異なる回転速度で回転させることによって、無人搬送車20は、回転速度の遅い駆動車輪26を中心側にして旋回移動する。
【0040】
また、昇降駆動装置35の駆動モータ37を駆動して、歯付プーリ38を介してタイミングベルト36を回動させると、このタイミングベルト36が巻き掛けられた各歯付プーリ42がねじ軸41とともに回転し、このねじ軸41に螺合したねじ穴21aを有する昇降台21が、このねじ軸41とねじ穴21aの螺合関係によって、上下に昇降する。
【0041】
前記レイアウト指示装置60は、適宜通信回線を介して前記制御装置50に接続され、工作機械2の周辺に配置されるべき周辺装置10の種別、位置及び向きに関するレイアウト情報をレイアウト変更指令とともに前記制御装置50に送信する処理を行う。このレイアウト情報は、加工するワークの種類によって異なるもので、レイアウト指示装置60からの制御装置50へのレイアウト変更指令の送信は、当該工作機械2について設定された生産計画に応じて、生産するワークを切り換えるタイミングで自動的に送信される、或いは、オペレータの操作によって、生産ワークの切り換えのタイミング、若しくは、任意のタイミングで送信される態様を採ることができる。尚、このレイアウト指示装置60は、CPU、RAM、ROMなどを含むコンピュータから構成される。
【0042】
前記制御装置50は、前記無人搬送車20の支持台22の下面に固設された筐体内に格納されており、図2に示すように、マップ情報記憶部51、配置情報記憶部52、マップ情報生成部53、位置認識部54、レイアウト実行部55及び入出力インターフェース56から構成される。そして、制御装置50は、この入出力インターフェース56を介して、前記無人搬送車20に接続し、また、この入出力インターフェース56に接続される適宜通信回線を介してレイアウト指示装置60に接続している。
【0043】
尚、この制御装置50は、CPU、RAM、ROMなどを含むコンピュータから構成され、前記マップ情報生成部53、位置認識部54、レイアウト実行部55及び入出力インターフェース56は、コンピュータプログラムによってその機能が実現され、後述する処理を実行する。また、マップ情報記憶部53及び配置情報記憶部52はRAMなどの適宜記憶媒体から構成される。
【0044】
前記マップ情報記憶部51は、無人搬送車20が走行する工場建屋内の内側の輪郭、並びに建屋内に配置された工作機械や他の装置の外形上の輪郭を画定する平面状のマップ情報を記憶する機能部である。また、前記配置情報記憶部52は、周辺装置10、即ち、本例では前記材料ストッカ11、製品ストッカ12、測定器13及びチャックストッカ14の別、並びにこれらの現在配設されている位置及び向きに関する現在配置情報を記憶する機能部である。
【0045】
前記マップ情報生成部53は、予め用意されたマップ生成用のプログラムであって、無人搬送車20を予め定められた経路で移動させるプログラムに従って走行させる。そして、その際に、前記センサ24によって検出される距離データから工場建屋内の空間情報を取得するとともに、工場内に配設される装置等の平面形状を認識し、工場建屋内の内側の輪郭、並びに建屋内に配置された工作機械や他の装置の外形上の輪郭を画定する平面状のマップ情報を作成して、前記マップ情報記憶部53に格納する処理を行う。
【0046】
また、マップ情報生成部53は、上記のようにして得られる装置等の平面形状、及び、例えば、予め登録された装置等の平面形状に基づいて、前記材料ストッカ11、製品ストッカ12、測定器13及びチャックストッカ14の別、並びにこれらの現在配設されている位置及び向きに関する現在配置情報を初期情報として前記配置情報記憶部52に格納する処理を行う。
【0047】
前記位置認識部54は、前記センサ24によって検出される距離データ、及び前記マップ情報記憶部51に格納された工場建屋内のマップ情報を基に、当該建屋内における無人搬送車20の位置及び向きに関する位置情報を認識するとともに、前記配置情報記憶部52に格納された情報を基に、前記材料ストッカ11、製品ストッカ12、測定器13及びチャックストッカ14について、それぞれ現在配設されている位置及び向きに関する現在配置情報を認識する。
【0048】
前記レイアウト実行部55は、前記レイアウト指示装置60から送信される変更指令及びレイアウト情報を受信し、受信したレイアウト情報、前記位置認識部54によって認識された現在配置情報、及び前記マップ情報記憶部51に格納されたマップ情報に基づいて、レイアウト変更によって配置すべき周辺装置10を、前記位置認識部54によって認識される前記無人搬送車20の位置情報に基づいた制御により、当該無人搬送車20により搬送して配置する処理を実行する。
【0049】
具体的には、レイアウト実行部55は図6に示した処理を実行する。即ち、処理を開始した後、レイアウト指示装置60からレイアウト情報とともに変更指令を受信したかどうかを確認し、変更指令を受信するまで待機する(ステップS1、S11)。そして、変更指令を受信すると、レイアウト情報中に、既に設置された周辺装置(既設置装置)10についてレイアウト変更が含まれているかどうかを確認し(ステップS2)、レイアウト変更すべき周辺装置10中に既設置装置が含まれている場合には、位置認識部54によって認識されている既設置装置10の現在配置情報(位置及び向きに関する情報)を取得するとともに、レイアウト情報に含まれる新たな設置位置情報(位置及び向きに関する情報)を取得する(ステップS3)。
【0050】
次に、レイアウト実行部55は、前記マップ情報記憶部51に格納されたマップ情報、前記位置認識部54によって認識される無人搬送車20の位置情報、既設置装置10の現在配置情報、及び新たな設置位置情報に基づいて当該無人搬送車20を駆動し、既設置装置10を無人搬送車20により既設置位置から新たな設置位置に移送する(ステップS4,S5)。
【0051】
例えば、図1に示すように、製品ストッカ12を実線で示した現在位置から2点鎖線で示した位置に配置する場合、レイアウト実行部55は、無人搬送車20を駆動して製品ストッカ12が現在設置されている位置に移動させるとともに、製品ストッカ12の向きに応じた姿勢となるようにその姿勢を制御して、図7に示すように、製品ストッカ12の本体部12aの下方位置に無人搬送車20を進入させた後、昇降駆動装置35を駆動して、図8に示すように、昇降台21を上昇させて、当該昇降台21上に製品ストッカ12を載置させる(ステップS4)。
【0052】
次に、レイアウト実行部55は、無人搬送車20を駆動して、製品ストッカ12を図1において2点鎖線で示す位置及び向きとなるように移動させた後、昇降駆動装置35により、図7に示すように、昇降台21を降下させて、製品ストッカ12を床面上に設置する(ステップS5)。そして、レイアウト実行部55は、レイアウトを変更すべき他の既設置装置10がある場合には、全ての既設置装置10のレイアウト変更を完了するまで、以上の処理を繰り返す(ステップS6)。尚、既設置装置10を前記保管場所に戻す場合には、レイアウト実行部55は、無人搬送車20により既設置装置10を前記保管場所に移動させる。
【0053】
レイアウトを変更すべき既設置装置10が有る場合には、以上のようにして、そのレイアウトを変更した後、工作機械2の周辺に配置すべき新たな周辺装置10がある場合には、レイアウト実行部55は、新たに配置する周辺装置10の現在配置情報を前記位置認識部54から取得するとともに、レイアウト情報に含まれる新たな設置位置情報(位置及び向きに関する情報)を取得する(ステップS7)。そして、レイアウト実行部55は、前記マップ情報記憶部51に格納されたマップ情報、前記位置認識部54によって認識される無人搬送車20の位置情報、新たに配置する周辺装置10の現在配置情報、及び新たな設置位置情報に基づいて、当該周辺装置10を無人搬送車20により搬送し、定められた位置及び向きに配置する(ステップS8,S9)。
【0054】
例えば、図1に示すように、保管場所に保管されている測定器13を2点鎖線で示した位置に配置する場合、レイアウト実行部55は、無人搬送車20を駆動して測定器13が保管されている位置に移動させた後、測定器13の向きに応じた姿勢となるようにその姿勢を制御して、図7に示すように、測定器13の本体部13aの下方位置に無人搬送車20を進入させた後、昇降駆動装置35を駆動して、図8に示すように、昇降台21を上昇させて、当該昇降台21上に測定器13を載置させる(ステップS8)。
【0055】
次に、レイアウト実行部55は、無人搬送車20を駆動して、測定器13を図1において2点鎖線で示す位置及び向きとなるように移動させた後、昇降駆動装置35により、図7に示すように、昇降台21を降下させて、測定器13を床面上に設置する(ステップS9)。そして、レイアウト実行部55は、新たに配置すべき他の周辺装置10がある場合には、全ての周辺装置10の配置を完了するまで、以上の処理を繰り返す(ステップS10)。次に、レイアウト実行部55は、前記配置情報記憶部52に格納された周辺装置10の現在配置情報を、実行したレイアウト情報に従って更新するとともに(ステップS11)、当該レイアウト情報に従って、前記マップ情報記憶部51に格納されたマップ情報を更新する。そして、レイアウト実行部55は、当該処理終了の指令を受信するまで以上の処理を繰り返し、処理終了の指令を受信すると当該処理を終了する(ステップS12)。
【0056】
以上の構成を備えた本例の生産システム1によれば、前記位置認識部54において、工場建屋内における無人搬送車20の位置及び向きに関する位置情報、並びに周辺装置10の種別、現在の位置及び向きに関する現在配置情報が認識される。
【0057】
そして、前記レイアウト指示装置60から制御装置50に対して、工作機械2の周辺に配置されるべき周辺装置10の種別、位置及び向きに関するレイアウト情報が変更指令とともに送信されると、前記レイアウト実行部55により図6に示した処理が実行され、レイアウトを変更すべき周辺装置10が無人搬送車20により搬送されて、指定された位置に配置される。
【0058】
このように、本例の生産システム1では、工作機械2の周辺に配設される周辺装置10のレイアウト変更を、無人搬送車20を用いて自動的に実行することができるので、当該レイアウト変更を効率的に行うことができる。したがって、多品種少量生産の下、周辺装置10のレイアウト変更が高い頻度で実行される場合でも、工作機械2の稼働率を大きく下げることなく、効率的な生産を行うことができる。また、この無人搬送車20を、ワークや工具を搬送するものと兼用にすれば、当該無人搬送車20の稼働率を高めることができる。
【0059】
尚、上述した例では、前記無人搬送車20は、昇降台21上に周辺装置10を載置することによって、当該周辺装置10と連結されるように構成されているが、本発明のより好ましい実施形態では、図9に示すように、相互に係合する第1係合体45a及び第2係合体45bからなる一組の係合器45の内、例えば、第1係合体45aを周辺装置10に配設し、他方の第2係合体45bを無人搬送車20に配設した態様とされる。尚、この場合、各周辺装置11,12,13,14は、前記支持脚11b,12b,13b,14bに代えて、本体部11a,12a,13a,14aの下面に配設された車輪部11c,12c,13c,14cを備え、走行可能に構成されている。
【0060】
この態様によれば、無人搬送車20はその第2係合体を周辺装置10に設けられた第1係合体に係合させることによって、当該周辺装置10と連結され、このように連結された状態で、周辺装置10をレイアウト情報に従った適宜位置に搬送する。
【0061】
また、上記の例では、周辺装置10の現在配置情報を前記配置情報記憶部52に記憶するように構成したが、これに限られるものではなく、周辺装置10の現在配置情報を前記マップ情報記憶部51に記憶するようにして、前記配置情報記憶部52を省略した態様としても良い。この場合、レイアウト実行部55は、周辺装置10のレイアウトを変更した後、変更した周辺装置10の現在配置情報について、マップ情報記憶部51に記憶された現在配置情報を更新する処理を行う。
【0062】
また、或いは、周辺装置10の現在配置情報を、レイアウト指示装置で管理し、このレイアウト指示装置60から、制御装置50に、レイアウトの変更指令及びレイアウト情報とともに、周辺装置10の現在配置情報を送信するようにしても良い。この態様では、レイアウト実行部55は、周辺装置10の現在配置情報をレイアウト指示装置から送信された情報により認識して、上述したレイアウト変更処理を実行する。そして、この場合、レイアウト指示装置60は、レイアウトの変更指令、レイアウト情報及び周辺装置10の現在配置情報を制御装置50に送信した後、送信したレイアウト情報に従って、周辺装置10の現在配置情報を更新する。
【0063】
また、上記の各態様では、前記位置認識部54により、無人搬送車20に設けられたセンサ24によって検出される距離データ、及び前記マップ情報記憶部51に格納された工場建屋内のマップ情報を基に、当該建屋内における無人搬送車20の位置及び向きに関する位置情報を認識するとともに、前記配置情報記憶部52に格納された情報を基に、各周辺装置10について、それぞれ現在配設されている位置及び向きに関する現在配置情報を認識するように構成されているが、このような構成に限られるものではない。
【0064】
例えば、位置認識部54は、GPS機能等の他の位置認識機能を用いて、予め設定された建屋内のマップ上における、無人搬送車20の位置及び向きに関する位置情報、各周辺装置10及び工作機械2について、それぞれ現在配設されている位置及び向きに関する現在配置情報を認識するように構成されていても良く、前記レイアウト実行部55は、このような情報に基づいて、前記無人搬送車20を駆動して、レイアウトの変更を実行するように構成されていても良い。
【0065】
繰り返しになるが、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 生産システム
2 工作機械
10 周辺装置
11 材料ストッカ
12 製品ストッカ
13 測定器
14 チャックストッカ
20 無人搬送車
21 昇降台
22 支持台
25 駆動車輪部
30 従動車輪部
35 昇降駆動装置
40 昇降機構
50 制御装置
51 マップ情報記憶部
52 配置情報記憶部
53 マップ情報生成部
54 位置認識部
55 レイアウト実行部
【要約】
【課題】工作機械の周辺に配置される装置のレイアウト変更を自動的且つ効率的に行うことができる生産システムを提供する。
【解決手段】工作機械と、工作機械の周辺に配設される周辺装置と、周辺装置に係合して搬送する無人搬送車20と、無人搬送車20を制御する制御装置50と、変更すべき周辺装置の種別、位置及び向きに関するレイアウト情報を変更指令とともに制御装置50に送信するレイアウト指示装置60とを備える。制御装置50は、無人搬送車20の位置及び向きに関する位置情報、並びに周辺装置の種別、現在の位置及び向きに関する現在配置情報を認識する位置認識部54と、レイアウト指示装置60から送信されたレイアウト情報、及び位置認識部54によって認識された現在配置情報に基づいて、周辺装置を無人搬送車20により搬送して配置するレイアウト実行部55とを備える。
【選択図】図2
図1
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図10