(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
塗装機本体と、前記塗装機本体の先端側かつ中心軸上に設けられた回転霧化頭と、前記回転霧化頭の背面に向けて洗浄流体としての洗浄剤及びエアを噴出して洗浄すべく、前記塗装機本体の先端側かつ前記中心軸から偏心した位置に配置された洗浄ノズルと、経路始端に洗浄剤供給経路及びエア供給経路が接続され、経路末端に位置する前記洗浄ノズルに前記洗浄剤及び前記エアを供給する洗浄流体供給経路と、非洗浄時に前記洗浄流体供給経路を閉塞すべく、前記洗浄流体供給経路の途上において前記洗浄ノズル直近の上流側にて前記洗浄ノズルとは別体で配置されたチェック弁とを備えた回転霧化式塗装機であって、
前記チェック弁は、弁体、弁座及び付勢手段を有し、前記付勢手段が前記弁体を前記洗浄流体の正流に抗して前記弁座側に付勢するように構成され、前記付勢手段の付勢力が洗浄時における前記洗浄流体の供給圧力よりも小さくなるようにあらかじめ設定されているとともに、
前記洗浄流体供給経路における前記チェック弁の上流側領域の残圧を低減させる残圧低減機構が設けられている
ことを特徴とする回転霧化式塗装機。
前記残圧低減機構は、前記洗浄流体供給経路における前記チェック弁の上流側領域に接続されるとともに、前記チェック弁の上流側領域に残留した前記洗浄流体を前記洗浄流体供給経路から逃がして前記塗装機本体から離れた位置にて解放する逃がし経路を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転霧化式塗装機。
前記残圧低減機構は、前記逃がし経路と前記洗浄流体供給経路との接続部位に設けられた残圧低減バルブをさらに含んで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の回転霧化式塗装機。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このようなチェック弁によって洗浄流体供給経路を閉塞した場合、洗浄流体供給経路内においてチェック弁よりも上流側の領域には、いくぶん加圧された状態で洗浄剤やエアが残留してしまう。しかも、上記のような態様で当該チェック弁を設置したときには、洗浄時に洗浄流体をスムーズに流すために付勢手段の付勢力をあまり大きく設定することができない。よって、構造上、洗浄流体供給経路を高いシール性をもってシールすることが難しい。ゆえに、洗浄流体供給経路内の残圧が高いと、例えば振動等によってチェック弁のシール性が低下したときに、チェック弁の上流側領域における洗浄剤やエアが下流側に開放されてしまう。すると、その影響により、経路内に残留した洗浄剤が洗浄ノズルから漏れ出してしまう。その結果、洗浄剤が被塗物表面に落下するリスクが高くなり、塗装不具合が発生しやすくなるという問題があった。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗装時における洗浄ノズルからの洗浄剤漏れを確実に防止することができ、それを原因とする塗装不具合の発生を防止することができる回転霧化式塗装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、塗装機本体と、前記塗装機本体の先端側かつ中心軸上に設けられた回転霧化頭と、前記回転霧化頭の背面に向けて洗浄流体としての洗浄剤及びエアを噴出して洗浄すべく、前記塗装機本体の先端側かつ前記中心軸から偏心した位置に配置された洗浄ノズルと、経路始端に洗浄剤供給経路及びエア供給経路が接続され、経路末端に位置する前記洗浄ノズルに前記洗浄剤及び前記エアを供給する洗浄流体供給経路と、非洗浄時に前記洗浄流体供給経路を閉塞すべく、前記洗浄流体供給経路の途上において前記洗浄ノズル直近の上流側
にて前記洗浄ノズルとは別体で配置されたチェック弁とを備えた回転霧化式塗装機であって、前記チェック弁は、弁体、弁座及び付勢手段を有し、前記付勢手段が前記弁体を前記洗浄流体の正流に抗して前記弁座側に付勢するように構成され、前記付勢手段の付勢力が洗浄時における前記洗浄流体の供給圧力よりも小さくなるようにあらかじめ設定されているとともに、前記洗浄流体供給経路における前記チェック弁の上流側領域の残圧を低減させる残圧低減機構が設けられていることを特徴とする回転霧化式塗装機をその要旨とする。
【0010】
従って、手段1に記載の発明によると、残圧低減機構によって洗浄流体供給経路におけるチェック弁の上流側領域の残圧が低減される結果、上流側領域の圧力よりも付勢手段の付勢力のほうが相対的に大きくなる。よって、シール性の低いチェック弁を用いたとしても、洗浄流体供給経路が確実にシールされる。このため、塗装時における洗浄ノズルからの洗浄剤漏れが確実に防止され、それを原因とする塗装不具合の発生が防止される。
【0011】
手段2に記載の発明は、手段1において、前記残圧低減機構は、前記洗浄流体供給経路における前記チェック弁の上流側領域に接続されるとともに、前記チェック弁の上流側領域に残留した前記洗浄流体を前記洗浄流体供給経路から逃がして前記塗装機本体から離れた位置にて解放する逃がし経路を含んで構成されていることをその要旨とする。
【0012】
従って、手段2に記載の発明によると、チェック弁の上流側領域に残留した洗浄流体が逃がし経路を経由して逃がされる結果、塗装機本体から離れた位置にて残圧が解放される。ゆえに、上流側領域における残圧を確実に解放することができる。また、残留した洗浄流体が被塗物から離れた位置に逃がされるので、洗浄剤が被塗物に付着するリスクを最小限にすることができる。
【0013】
手段3に記載の発明は、手段2において、前記残圧低減機構は、前記逃がし経路と前記洗浄流体供給経路との接続部位に設けられた残圧低減バルブをさらに含んで構成されていることをその要旨とする。
【0014】
従って、手段3に記載の発明によると、残圧低減バルブが閉状態のときには、逃がし経路と洗浄流体供給経路とが遮断される。一方、残圧低減バルブが開状態のときには、逃がし経路と洗浄流体供給経路とが連通され、チェック弁の上流側領域に残留した洗浄流体がその逃がし経路を経由して逃がされる。よって、バルブ制御により、残圧の解放を適時に行うことができる。
【0015】
手段4に記載の発明は、手段3において、前記洗浄剤供給経路と前記洗浄流体供給経路との接続部位には、洗浄剤供給バルブが設けられ、前記エア供給経路と前記洗浄流体供給経路との接続部位には、エア供給バルブが設けられ、前記洗浄剤供給バルブ、前記エア供給バルブ及び前記残圧低減バルブが共通のマニホールドブロック上に設置されていることをその要旨とする。
【0016】
従って、手段4に記載の発明によると、洗浄剤供給バルブが開状態のときには、洗浄剤供給経路と洗浄流体供給経路が連通され、洗浄流体供給経路内に洗浄剤が供給される。その結果、洗浄ノズルから洗浄剤が噴出し、回転霧化頭の背面側が洗浄される。一方、エア供給バルブが開状態のときには、エア供給経路と洗浄流体供給経路とが連通され、洗浄流体供給経路内にエアが供給される。その結果、洗浄流体供給経路内に残っている洗浄剤が吹き飛ばされ、洗浄ノズルからエアとともに噴出される。また、洗浄剤供給バルブ、エア供給バルブ及び残圧低減バルブが共通のマニホールドブロック上に設置されているので、これらバルブを相互につなぐ配管を省略することができる。ゆえに、装置をコンパクトに構成することができる。
【0017】
手段5に記載の発明は、手段3において、前記洗浄剤供給経路と前記洗浄流体供給経路との接続部位には、洗浄剤供給バルブが設けられ、前記洗浄流体供給経路において前記洗浄剤供給バルブの上流側部位には、エア供給バルブが設けられるとともに、そのエア供給バルブには前記エア供給経路と前記逃がし経路とが接続され、前記洗浄剤供給バルブ及び前記エア供給バルブが、前記残圧低減バルブとしても機能することをその要旨とする。
【0018】
従って、手段5に記載の発明によると、洗浄剤供給バルブ及びエア供給バルブとは別に残圧低減バルブを設ける必要がないため、装置をコンパクトに構成することができる。
【0019】
手段6に記載の発明は、手段2乃至5のいずれか1項において、前記逃がし経路内の前記洗浄剤が、前記エア供給経路からの前記エアを用いて圧送されることをその要旨とする。
【0020】
逃がし経路内に洗浄剤が溜まってくると、洗浄剤を逃がす際の通過抵抗が増大し、また、溜まった洗浄剤が洗浄流体供給経路側に逆流する可能性があり、残圧を解放する効率が低下する可能性がある。その点、手段6に記載の発明によると、逃がし経路内の洗浄剤がエア供給経路からのエアを用いて圧送され、排出されることから、逃がし経路内に洗浄剤が溜まりにくい。このため、洗浄剤の通過抵抗の増大を未然に防ぐことができるとともに、溜まった洗浄剤の逆流を防止することができる。よって、長期にわたり残圧を確実に解放することができる。
【0021】
手段7に記載の発明は、手段4または5において、バルブ類を駆動制御する制御装置を備えるとともに、前記制御装置は、洗浄期間終了直前から塗装期間開始時までの期間中に、所定時間だけ前記残圧低減バルブを開状態にする残圧低減制御を行うことをその要旨とする。
【0022】
従って、手段7に記載の発明によると、制御手段の残圧低減制御により、洗浄期間終了時から塗装期間開始時までの期間中に、所定時間だけ残圧低減バルブが開状態となる。よって、そのタイミングで残圧が低減される。
【0023】
手段8に記載の発明は、
手段4または5において、バルブ類を駆動制御する制御装置を備えるとともに
、前記逃がし経路内の前記洗浄剤が、前記エア供給経路からの前記エアを用いて圧送され、前記制御装置は、塗装期間を除く期間中に、前記洗浄剤供給バルブを閉状態に維持しつつ、所定時間だけ前記エア供給バルブを開状態にしかつ前記残圧低減バルブを開状態にする経路内洗浄剤排出制御を行うことをその要旨とする。
【0024】
従って、手段8に記載の発明によると、制御手段の経路内洗浄剤排出制御により、塗装期間を除く期間中に、浄剤供給バルブを閉状態に維持しつつ、所定時間だけエア供給バルブが開状態となりかつ残圧低減バルブが開状態となる。すると、そのタイミングでエア供給バルブから残圧低減バルブにエアが供給される結果、逃がし経路内の洗浄剤がエアを用いて圧送され、排出される。
【0025】
手段9に記載の発明は、手段1乃至8のいずれか1項において、前記塗装機本体は、ロボットアームの先端に支持されていることをその要旨とする。
【0026】
塗装機本体をロボットアームに支持して使用する場合、アームの動きに伴って発生する振動が塗装機本体に加わりやすいため、通常であればチェック弁のシール性が低下しやすく、残留した洗浄剤が洗浄ノズルから漏れ出すリスクが高くなる。その点、残圧低減機構を備えた手段9に記載の発明によると、塗装機本体をロボットアームに支持して使用したときでも洗浄ノズルからの洗浄剤漏れが確実に防止され、それを原因とする塗装不具合の発生が防止される。
【発明の効果】
【0027】
以上詳述したように、請求項1〜9に記載の発明によると、塗装時における洗浄ノズルからの洗浄剤漏れを確実に防止することができ、それを原因とする塗装不具合の発生を防止することができる回転霧化式塗装機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[第1の実施形態]
以下、本発明を回転霧化式塗装機に具体化した一実施の形態を
図1〜
図8に基づき詳細に説明する。
【0030】
図1に示されるように、本実施形態の回転霧化式塗装機1は、例えば自動車ボディの塗装を行うための静電塗装機であり、ロボットアーム2の先端に塗装機本体11を支持させた構成となっている。この回転霧化式塗装機1では、制御装置3がロボットアーム2を駆動制御することにより、塗装機本体11の先端側から噴霧される塗料の吹き付け方向や位置が変更される。
【0031】
図1、
図2に示されるように、回転霧化式塗装機1は、筒状の塗装機本体11と、塗装機本体11内に設けられたエアモータ12により回転される中空の筒部13と、筒部13の先端に設けられた回転霧化頭14(ベルカップ)と、筒部13内においてその軸線方向に延設される金属製のフィードチューブ15とを備える。筒部13は、円筒形状に形成されており、筒部13内において、その内面に接触しないようにフィードチューブ15が配置されている。また、回転霧化頭14は、カップ状をなす部材であって、塗装機本体11の先端側かつ中心軸16上に設けられている。
【0032】
フィードチューブ15には、回転霧化頭14の正面側18に塗料及び洗浄剤を選択的に供給する共通の供給経路が形成されている。このフィードチューブ15の基端側には、塗料供給装置17が接続されている。塗料供給装置17は、塗装機本体11においてエアモータ12の後側に収納されている。塗料供給装置17は、制御装置3の制御信号に基づいて、所定量の塗料や洗浄剤をフィードチューブ15の供給経路に吐出するよう構成されている。具体的には、塗料供給装置17は、供給する塗料を異なる色の塗料に切り換えたり塗料から洗浄剤に切り換えたりするバルブや配管等を備えている。また、塗料供給装置17は、塗料や洗浄剤の吐出量を調整するためのポンプ等を備える。さらに、塗装機本体11には、回転霧化頭14に印加するための高電圧(例えば、−90kV)を発生する電圧印加手段としての高電圧発生器(図示略)が設けられている。この高電圧発生器によって回転霧化頭14に高電圧が印加され、回転霧化頭14で霧化された塗料粒子が帯電された状態で噴霧されるようになっている。
【0033】
次に、本実施形態における回転霧化頭背面18側の洗浄構造及び残圧低減機構Z1について説明する。
【0034】
図1等に示されるように、この回転霧化式塗装機1は、基本的に洗浄流体供給経路21、洗浄剤供給経路22及びエア供給経路23を備えている。洗浄流体供給経路21は、ロボットアーム2の前腕部側面のあたりから先端部にある塗装機本体11の内部にまで延設されている。一方、洗浄剤供給経路22は、洗浄流体供給経路21に対してシンナー等の洗浄剤を供給するための経路であって、ロボットアーム2の基端側から前腕部側面のあたりまで延設されている。エア供給経路23は、洗浄流体供給経路21に対して加圧されたエアを供給するための経路であって、同様にロボットアーム2の基端側から前腕部側面のあたりまで延設されている。なお、前腕部側面の位置において、洗浄流体供給経路21の経路始端E2に洗浄剤供給経路22及びエア供給経路23が流路的に接続されている。
【0035】
図1、
図2に示されるように、塗装機本体11の先端側かつ中心軸16から偏心した位置には、回転霧化頭14の背面18にその先端を向けた状態で洗浄ノズル26が配置されている。洗浄ノズル26は、洗浄流体供給経路21の経路末端E1に位置しており、回転霧化頭14の背面18に向けて洗浄流体としての洗浄剤及びエアを噴出して洗浄する。洗浄流体供給経路21の途上において洗浄ノズル26直近の上流側には、小型のチェック弁31が設けられている。
【0036】
図2に示されるように、本実施形態のチェック弁31は、弁体32、弁座33及び付勢手段34を備えている。弁体32としてのボールは、チェック弁31を構成するハウジングの内部空間にて上下動可能な状態で収容されている。弁座33は略円錐形状であって、ハウジングの上部側内壁面に形成されている。付勢手段34としてのコイルばねは、ハウジングの内部空間において弁体32の下側に収容されており、弁体32を洗浄流体の正流に抗して弁座33側に付勢するように構成されている。なお、付勢手段34の付勢力は、洗浄時における洗浄流体の供給圧力よりも小さくなるようにあらかじめ設定されている。このため、洗浄流体を供給する必要のない非洗浄時には、洗浄流体供給経路21が閉塞されるようになっている。一方、洗浄流体を供給する必要のある洗浄時には、洗浄流体供給経路21が開放され、洗浄流体である洗浄液やエアが洗浄ノズル26から噴出するようになっている。
【0037】
次に本実施形態の残圧低減機構Z1について説明する。
図3等に示されるように、この残圧低減機構Z1は、洗浄剤供給バルブ51、エア供給バルブ61、残圧低減バルブ71、マニホールドブロック81、逃がし経路24等を含んで構成されている。洗浄剤供給バルブ51、エア供給バルブ61及び残圧低減バルブ71は、ロボットアーム2の前腕部側面に設けた共通のマニホールドブロック81上に設置されている。
【0038】
本実施形態の洗浄剤供給バルブ51は、いわゆるノーマルクローズ型の二方弁であって、パイロットエアPA1で駆動されるようになっている。洗浄剤供給バルブ51を構成すハウジング52内には、弁体収容室53及びピストン収容室54が連通空間を介して互いに連通した状態で形成されている。弁体収容室53内にはピストン55が上下動可能に収容されており、このピストン55によって弁体収容室53が2つの領域に区画されている。
図3における上側の区画領域は、コイルばね57を収容するとともに、大気圧領域と連通している。一方、
図3における下側の区画領域は、ハウジング52の側面に設けられたパイロットポート41Cと連通している。ピストン55の中心部にはロッド56が挿通固定されている。ロッド56は、上記連通空間を通り抜けて弁体収容室53まで到っており、その下端部には弁体58が一体形成されている。なお、連通空間の上部側にはOリング状のシール部材62が設けられ、連通空間の下部側にはロッドシール60が設けられている。シール部材62は、パイロットエアPA1がピストン収容室54側から連通空間を介して弁体収容室53側に漏れるのを防止している。ロッドシール60は、弁体収容室53側に導入される洗浄剤やエアが連通空間を介してピストン収容室54側に漏れるのを防止している。弁体収容室53は、ハウジング52の側面に設けた第1ポート41Aと、ハウジング52の底面に設けた第2ポート41Bとに対してそれぞれ連通している。弁体収容室53の下側面にはリング状の弁座59が設けられており、この弁座59に対して弁体58の下端部が接離するようになっている。
【0039】
そして、このように構成された洗浄剤供給バルブ51において、パイロットポート41CにパイロットエアPA1が導入されないときには、コイルばね57の付勢力により、ピストン55、ロッド56及び弁体58が下方に移動する。その結果、弁体58が弁座59に当接し、第1ポート41Aと第2ポート41Bとの間が遮断されたクローズ状態となる。これに対し、パイロットポート41CにパイロットエアPA1が導入されたときには、コイルばね57の付勢力に抗してパイロットエアが作用することで、ピストン55、ロッド56及び弁体58が上方に移動する。その結果、弁体58が弁座59から離間し、第1ポート41Aと第2ポート41Bとの間が連通されたオープン状態となる。
【0040】
本実施形態のエア供給バルブ61は、2つのポート42A、42Bと1つのパイロットポート42Cとを備えるノーマルクローズ型の二方弁であって、パイロットエアPA2で駆動されるようになっている。また、本実施形態の残圧低減バルブ71は、2つのポート43A、43Bと1つのパイロットポート43Cとを備えるノーマルクローズ型の二方弁であって、パイロットエアPA3で駆動されるようになっている。なお、エア供給バルブ61及び残圧低減バルブ71は、洗浄剤供給バルブ51と基本的に同じ構造を有するものであるため、これらに共通の部材番号を付す代わりに詳細な説明を割愛する。
【0041】
マニホールドブロック81の端面には、洗浄流体供給経路21が接続されるポート83が設けられている。マニホールドブロック81の内部には、ポート83と連通するとともに3方向に分岐した流路82が接続されている。このマニホールドブロック81上には、洗浄剤供給バルブ51、エア供給バルブ61及び残圧低減バルブ71の底部側がそれぞれ固定されている。そして、洗浄剤供給バルブ51底部の第2ポート41B、エア供給バルブ61底部の第2ポート42B及び残圧低減バルブ71底部の第2ポート43Bが、上記の分岐した流路82に各々接続されている。
【0042】
この残圧低減機構Z1の場合、洗浄剤供給バルブ51の第1ポート41Aには逆止弁CK1を介して洗浄剤供給経路22が接続され、エア供給バルブ61の第1ポート42Aには逆止弁CK1を介してエア供給経路23が接続されている。また、残圧低減バルブ71の81の第1ポート43Aには、逃がし経路24が直接的に接続されている。
【0043】
次に、このように構成された残圧低減機構Z1の動作について説明する。
【0044】
図4は、残圧低減制御を行うタイミングを説明するためテーブルを示した図である。このテーブルにおいてP1は第1回目の塗装期間を示し、P2は洗浄期間を示し、P3は第2回目の塗装期間を示している。テーブル中、白抜き部分はバルブが閉状態であることを表し、黒塗り部分はバルブが開状態であることを表している。第1回目の塗装期間P1においては、洗浄剤供給バルブ51、エア供給バルブ61及び残圧低減バルブ71は、いずれも閉状態に維持されている。従って、このときには洗浄剤供給経路22から洗浄剤が供給されず、エア供給経路23からエアが供給されてこない。また、逃がし経路24も連通していない。
【0045】
第1回目の塗装期間P1が終了すると、パイロットエアの給排を制御する図示しない電磁弁に制御装置3が信号を出力し、まず洗浄剤供給バルブ51のパイロットポート41CにパイロットエアPA1を作用させる。すると、洗浄剤供給バルブ51が閉状態から開状態に切り替わり、洗浄剤供給経路22から洗浄剤供給バルブ51及びマニホールドブロック81を経て、洗浄流体供給経路21に洗浄剤が供給されてくる。その結果、洗浄剤が洗浄ノズル26から噴出され、回転霧化頭14の背面18側の洗浄が開始される。
【0046】
所定時間の経過後、制御装置3は、洗浄剤供給バルブ51のパイロットポート41CへのパイロットエアPA1の供給を止め、エア供給バルブ61のパイロットポート42CにパイロットエアPA2を作用させる制御を行う。すると、洗浄剤供給バルブ51が開状態から閉状態に切り替わり、洗浄剤供給経路22からの洗浄剤の供給がストップする。その代わりに、エア供給バルブ61が閉状態から開状態に切り替わり、エア供給経路23からエア供給バルブ61及びマニホールドブロック81を経て洗浄流体供給経路21にエアが供給されてくる。その結果、洗浄剤とエアとが混ざった状態の洗浄流体が洗浄ノズル26から排出され、回転霧化頭14の背面18側が洗浄されるとともに、徐々に洗浄流体供給経路21内の洗浄剤がエアに置換される。
【0047】
所定時間の経過後、制御装置3は、エア供給バルブ61のパイロットポート42CへのパイロットエアPA2の供給を止め、残圧低減バルブ71のパイロットポート43CにパイロットエアPA3を作用させる制御を行う。すると、エア供給バルブ61が開状態から閉状態に切り替わり、エア供給経路23からのエアの供給がストップする。その代わりに、残圧低減バルブ71が閉状態から開状態に切り替わる。その結果、洗浄流体供給経路21においてチェック弁31の上流側領域と残圧低減経路24とが、残圧低減バルブ71及びマニホールドブロック81を介して連通した状態となる。このため、当該上流側領域に残っていた圧力が残圧低減経路24を経て解放される。
【0048】
この後、再び制御装置3は、残圧低減バルブ71のパイロットポート43CへのパイロットエアPA3の供給を止める制御を行う。すると、残圧低減バルブ71が開状態から閉状態に切り替わり、洗浄期間P2が終了する。そして、このような洗浄期間P2の経過後に、第2回目の塗装期間P3が開始するようになっている。
【0049】
図5のテーブルは
図4のテーブルとは若干異なっており、このようなタイミングでバルブ駆動制御を行ってもよい。具体的には、第1回目の塗装期間P1の終了後、制御装置3は、まず洗浄剤供給バルブ51が閉状態から開状態に切り替える制御を行う。すると、洗浄剤供給経路22から洗浄流体供給経路21に洗浄剤が供給されてくる結果、洗浄剤が洗浄ノズル26から噴出され、回転霧化頭14の背面18側が洗浄される。所定時間の経過後、制御装置3は、洗浄剤供給バルブ51を開状態から閉状態に切り替える代わりに、エア供給バルブ61を閉状態から開状態に切り替える制御を行う。これにより洗浄剤の供給がストップするとともに、洗浄流体供給経路21にエアが供給されてくる。その結果、洗浄剤とエアとが混ざった状態の洗浄流体が洗浄ノズル26から排出され、回転霧化頭14の背面18側が洗浄されるとともに、徐々に洗浄流体供給経路21内の洗浄剤がエアに置換される。この後、制御装置3は、エア供給バルブ61を開状態から閉状態に切り替える制御を行う。これによりエアの供給がストップし、洗浄期間P2が終了する。そして、このような洗浄期間P2の経過後に、第2回目の塗装期間P3が開始する。第2回目の塗装期間P2が開始してから所定期間経過後、制御装置3は、残圧低減バルブ71を閉状態から開状態に切り替える。その結果、洗浄流体供給経路21においてチェック弁31の上流側領域と残圧低減経路24とが連通し、そこに残っていた圧力が残圧低減経路24を経て解放される。つまり、残圧低減制御は、
図4のときのように洗浄期間P2の終了直前に(即ち塗装期間P3の開始時までに)行ってもよいほか、
図5のときのように洗浄期間P2が終了して塗装期間P3に入った後に行ってもよい。
【0050】
また、
図6に示すテーブルのようなタイミングでバルブ駆動制御を行うことにより、残圧低減動作及び経路内洗浄剤排出動作を実現してもよい。具体的には、第1回目の塗装期間P1の終了後、制御装置3はまず洗浄剤供給バルブ51が閉状態から開状態に切り替える制御を行うことで、洗浄期間を開始する。すると、洗浄剤供給経路22から洗浄流体供給経路21に洗浄剤が供給されてくる結果、洗浄剤が洗浄ノズル26から噴出され、回転霧化頭14の背面18側の洗浄が開始される。所定時間の経過後、制御装置3は、洗浄剤供給バルブ51を開状態から閉状態に切り替える一方、エア供給バルブ61を閉状態から開状態に切り替える制御を行う。これにより洗浄剤の供給がストップするとともに、洗浄流体供給経路21にエアが供給されてくる。その結果、洗浄剤とエアとが混ざった状態の洗浄流体が洗浄ノズル26から排出され、回転霧化頭14の背面18側が洗浄されるとともに、徐々に洗浄流体供給経路21内の洗浄剤がエアに置換される。この後、制御装置3は、エア供給バルブ61を開状態に維持したまま、残圧低減バルブ71を閉状態から開状態に切り替える制御を行う。これにより、洗浄流体供給経路21へのエアの供給を維持しつつ、同時に残圧低減を行う。その結果、洗浄流体供給経路21においてチェック弁31の上流側領域と残圧低減経路24とが連通し、そこに残っていた圧力が残圧低減経路24を経て解放される。この後、制御装置3はエア供給バルブ61を開状態から閉状態に切り替える一方で、残圧低減バルブ71を開状態に維持する制御を行う。これにより、洗浄流体供給経路21へのエアの供給をストップする代わりにそのエアを残圧低減経路24に導入する。その結果、残圧低減経路24に残っていた洗浄剤がエアにより吹き飛ばされ、残圧低減経路24内から洗浄剤が排出されて、洗浄期間P2が終了する。そして、このような洗浄期間P2の経過後に、第2回目の塗装期間P3が開始する。
【0051】
あるいは、
図7に示すテーブルのようなタイミングでバルブ駆動制御を行うことにより、残圧低減動作及び経路内洗浄剤排出動作を実現してもよい。具体的には、第1回目の塗装期間P1の終了後、制御装置3はまず洗浄剤供給バルブ51を閉状態から開状態に切り替える制御を行うことで、洗浄期間P2を開始する。すると、洗浄剤供給経路22から洗浄流体供給経路21に洗浄剤が供給されてくる結果、洗浄剤が洗浄ノズル26から噴出され、回転霧化頭14の背面18側の洗浄が開始される。所定時間の経過後、制御装置3は、洗浄剤供給バルブ51を開状態から閉状態に切り替える代わりに、エア供給バルブ61及び残圧低減バルブ71を閉状態から開状態に切り替える制御を行う。これにより洗浄剤の供給がストップするとともに、洗浄流体供給経路21にエアが供給されてくる。その結果、洗浄剤とエアとが混ざった状態の洗浄流体が洗浄ノズル26から排出され、回転霧化頭14の背面18側が洗浄されるとともに、徐々に洗浄流体供給経路21内の洗浄剤がエアに置換される。そして、これと同時に、残圧低減経路24内にもエアが導入され、そこに残っていた洗浄剤がエアにより吹き飛ばされ、残圧低減経路24内から洗浄剤が排出される。この後、制御装置3はエア供給バルブ61を開状態に維持したまま、残圧低減バルブ71を開状態から閉状態に切り替える制御を行う。これにより、洗浄流体供給経路21へのエアの供給を維持しつつ、上記の経路内洗浄剤排出動作をストップする。このとき、洗浄流体供給経路21にエアが供給されてくる結果、主としてエアが洗浄ノズル26から排出される。この後、制御装置3はエア供給バルブ61を開状態から閉状態に切り替えるとともに、残圧低減バルブ71を閉状態から開状態に切り替える制御を行う。これにより、洗浄流体供給経路21においてチェック弁31の上流側領域と残圧低減経路24とが連通し、そこに残っていた圧力が残圧低減経路24を経て解放され、残圧が低減される。この後、制御装置3は残圧低減バルブ71を開状態から閉状態に切り替える制御を行い、残圧低減動作をストップさせて、洗浄期間P2を終了する。そして、このような洗浄期間P2の経過後に、第2回目の塗装期間P3が開始される。
【0052】
あるいは、
図8に示すテーブルのようなタイミングでバルブ駆動制御を行うことにより、残圧低減動作及び経路内洗浄剤排出動作を実現してもよい。具体的には、
図4のテーブルのようなタイミングでまず残圧低減動作を行い、洗浄期間P2を終了させる。そして、このような洗浄期間P2の経過後、次いで制御装置3は、洗浄剤供給バルブ51を閉状態に維持しつつ、エア供給バルブ61及び残圧低減バルブ71を閉状態から開状態に切り替える制御を行う。これにより、残圧低減経路24内にエアが導入され、そこに残っていた洗浄剤がエアにより吹き飛ばされ、残圧低減経路24内から洗浄剤が排出される。この後、制御装置3は、残圧低減バルブ71を開状態に維持したまま、エア供給バルブ61を開状態から閉状態に切り替える制御を行う。洗浄期間P2が終了して所定期間が経過した後、残圧低減バルブ71を開状態から閉状態に切り替える制御を行い、経路内洗浄剤排出動作を終了させる。つまり、経路内洗浄剤排出制御は、塗装期間P1、P2を除く期間中であれば任意のタイミングで行うことができ、例えば
図6のときのように洗浄期間P2の終了直前に行ってもよく、
図7のときのように洗浄期間P2の途中で行ってもよく、あるいは
図8のときのように洗浄期間P2の終了後(即ち洗浄期間P2と塗装期間P3とのインターバル期間)に行ってもよい。
【0053】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0054】
本実施形態の回転霧化式塗装機1では、洗浄流体供給経路21におけるチェック弁31の上流側領域の残圧を低減させる残圧低減機構Z1が設けられている。このため、残圧低減機構Z1によって洗浄流体供給経路21におけるチェック弁31の上流側領域の残圧が低減される。その結果、上流側領域の圧力よりも付勢手段34の付勢力のほうが相対的に大きくなる。よって、シール性の低いチェック弁31を用いたとしても、洗浄流体供給経路21が確実にシールされる。このため、塗装時における洗浄ノズル26からの洗浄剤漏れが確実に防止され、それを原因とする塗装不具合の発生を防止することができる。
(2)本実施形態の回転霧化式塗装機1における残圧低減機構Z1では、チェック弁31の上流側領域に残留した洗浄流体が、逃がし経路24を経由して逃がされる。その結果、塗装機本体11から離れた位置にて残圧が解放される。ゆえに、上流側領域における残圧を確実に解放することができる。また、残留した洗浄流体が被塗物から離れた位置に逃がされるので、洗浄剤が被塗物に付着するリスクを最小限にすることができる。
(3)上記の残圧低減機構Z1は、逃がし経路24と洗浄流体供給経路21との接続部位に設けられた残圧低減バルブ71を含んで構成されている。そのため、残圧低減バルブ71の開閉動作によって、残圧の解放を適時に行うことができる。
(4)上記の残圧低減機構Z1では、洗浄剤供給バルブ51、エア供給バルブ61及び残圧低減バルブ71が共通のマニホールドブロック81上に設置されているので、これらバルブ51、61、71を相互につなぐ配管を省略することができる。ゆえに、装置をコンパクトに構成することができる。
(5)本実施形態では、逃がし経路24内の洗浄剤がエア供給経路23からのエアを用いて圧送されることから、逃がし経路24内に洗浄剤が溜まりにくい。このため、洗浄剤の通過抵抗の増大を未然に防ぐことができるとともに、溜まった洗浄剤の逆流を防止することができる。よって、長期にわたり残圧を確実に解放することができる。
(6)本実施形態の回転霧化式塗装機1は、バルブ類を駆動制御する制御装置を備えており、この制御装置が所定のタイミングで残圧低減制御及び経路内洗浄剤排出制御を行うように構成されている。従って、残圧低減制御及び経路内洗浄剤排出制御をそれぞれ好適なタイミングで確実に実行することができる。
【0055】
[第2の実施形態]
【0056】
次に、第2の実施形態の回転霧化式塗装機を
図9に基づき詳細に説明する。
【0057】
上記第1の実施形態では、3つのバルブ51、61、71を用いて残圧低減機構Z1を構成した例を示したが、勿論これに限定されない。そこで、第2の実施形態では、2つのバルブ91、101を用いて残圧低減機構Z2を構成している。
【0058】
この残圧低減機構Z2では、洗浄剤供給経路22と洗浄流体供給経路21との接続部位には、洗浄剤供給バルブ91が設けられている。洗浄流体供給経路21において洗浄剤供給バルブ91の上流側部位には、エア供給バルブ101が設けられるとともに、そのエア供給バルブ101にはエア供給経路23と逃がし経路24とが接続されている。そして、洗浄剤供給バルブ91及びエア供給バルブ101が、残圧低減バルブとしても機能するようになっている。
【0059】
本実施形態の洗浄剤供給バルブ91はパイロットエアPA1で駆動される三方弁であり、エア供給バルブ101はパイロットエアPA2で駆動される三方弁である。なお、洗浄剤供給バルブ91及びエア供給バルブ101は、上記実施形態の洗浄剤供給バルブ51と多くの部分で構造が共通している。よってここでは、共通部分については同じ部材番号を付してその詳細な説明を割愛する一方、異なる部分を中心に説明する。
【0060】
洗浄剤供給バルブ91は、1つのパイロットポート44Cと、3つのポート(第1ポート44A、第2ポート44B、第3ポート44D)を備えており、弁体収容室53は各ポート44A、44B、44Dに対してそれぞれ連通している。リング状の弁座59は、弁体収容室53の上側面にも設けられており、この弁座59に対して弁体58の上端部が接離するようになっている。同様に、エア供給バルブ101は、1つのパイロットポート45Cと、3つのポート(第1ポート45A、第2ポート45B、第3ポート45D)を備えており、弁体収容室53は各ポート45A、45B、45Dに対してそれぞれ連通している。リング状の弁座59は、弁体収容室53の上側面にも設けられており、この弁座59に対して弁体58の上端部が接離するようになっている。
【0061】
そして、この洗浄剤供給バルブ91の場合、パイロットポート44CにパイロットエアPA1が導入されないときには、第1ポート44Aと第2ポート44Bとの間が遮断されたクローズ状態となる。その一方で、第1ポート44Aと第3ポート44Dとの間が連通されたオープン状態となる。これに対し、パイロットエアPA1が導入されたときには、第1ポート44Aと第3ポート44Dとの間が遮断されたクローズ状態となる。その一方で、第1ポート44Aと第2ポート44Bとの間が連通されたオープン状態となる。また、このエア供給バルブ101の場合、パイロットポート45CにパイロットエアPA2が導入されないときには、第1ポート45Aと第2ポート45Bとの間が遮断されたクローズ状態となる。その一方で、第1ポート45Aと第3ポート45Dとの間が連通されたオープン状態となる。これに対し、パイロットエアPA2が導入されたときには、第1ポート45Aと第3ポート45Dとの間が遮断されたクローズ状態となる。その一方で、第1ポート45Aと第2ポート45Bとの間が連通されたオープン状態となる。
【0062】
なお、洗浄剤供給バルブ91の第1ポート44Aには洗浄流体供給経路21が接続され、第2ポート44Bには逆止弁CK1を介して洗浄剤供給経路22が接続されている。また、エア供給バルブ101の第2ポート45Bには逆止弁CK1を介してエア供給経路23が接続され、第3ポート45Dには逃がし経路24が直接的に接続されている。
【0063】
このように構成された第2の実施形態の残圧低減機構Z2を用いた場合であっても、例えば
図4、
図5のテーブルにて示したタイミングで残圧低減動作を行わせることが可能となる。
【0064】
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
【0065】
・上記第2の実施形態では、エア供給バルブ101は1種類のパイロットエアPA2で駆動される三方弁を使用したが、例えばこれに代えて、2種類のパイロットエアで駆動される三方弁を使用することも可能である。具体的には、
図9のエア供給バルブ101をノーマルオープン型の三方弁とすべく、パイロットポートを2つ設けて、ピストン55の両端面に対してそれぞれパイロットエアが作用するような構造とする。このような三方弁を用いると、例えば、第1ポート45Aと第2ポート45Bと第3ポート45Dとの間が連通されたオープン状態とすることが可能となる。よって、このオープン状態のときに洗浄剤供給バルブ91の第1ポート44Aと第3ポート44Dとの間をクローズしておけば、洗浄剤供給バルブ91を閉状態に維持しつつ、所定時間だけエア供給経路23から逃がし経路24にエアを供給することが可能となる。その結果、このように構成された残圧低減機構を用いた場合であっても、
図6〜
図8のテーブルにて示したタイミングで経路内洗浄剤排出制御を行わせることが可能となる。
【0066】
・上記第1、第2の実施形態では、塗装機本体11はロボットアーム2の先端に支持されていたがこれに限定されるわけではなく、ロボットアーム2以外の支持体に支持されていてもよい。
【0067】
・上記第1、第2の実施形態では、弁体32としてのボール、弁座33及び付勢手段34としてのコイルばねを有するチェック弁31を用いたが、これに限定されない。つまり、受動的に作動するタイプのバルブを構成できるのであれば、ボール以外のものを弁体32として用いてもよいほか、コイルばね以外のものを付勢手段34として用いてもよい。
【0068】
・上記第1の実施形態では、各バルブ51、61、71を共通のマニホールドブロック81上に設置したがこれに限定されず、例えばバルブ51、61を共通のマニホールドブロック81上に設置し、残圧低減バルブ71はそれとは別の位置に設置するようにしてもよい。また、これら3つのバルブ51、61、71同士をマニホールドブロック81を用いずに互いに配管で流路的に接続しても勿論構わない。また、上記第2の実施形態における各バルブ91、101を共通のマニホールドブロック81上に設置して使用しても勿論よい。