特許第6815538号(P6815538)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6815538自動芝生トリマーおよび自動芝生トリミング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6815538
(24)【登録日】2020年12月24日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】自動芝生トリマーおよび自動芝生トリミング方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 20/35 20180101AFI20210107BHJP
【FI】
   A01G20/35
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-556693(P2019-556693)
(86)(22)【出願日】2018年6月14日
(65)【公表番号】特表2020-516308(P2020-516308A)
(43)【公表日】2020年6月11日
(86)【国際出願番号】CN2018091322
(87)【国際公開番号】WO2019062212
(87)【国際公開日】20190404
【審査請求日】2019年10月17日
(31)【優先権主張番号】201710901497.8
(32)【優先日】2017年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】リ シュフ
【審査官】 大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0023356(US,A1)
【文献】 特開2016−028311(JP,A)
【文献】 実開昭49−046566(JP,U)
【文献】 特開2018−130088(JP,A)
【文献】 中国実用新案第204443247(CN,U)
【文献】 中国実用新案第204031898(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 20/35
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動芝生トリマー(100)であって、ケース(101)と、バッテリーパック(102)と、制御装置(103)と、駆動装置(130)と、踏みつけ装置(140)とを含み、
前記バッテリーパック(102)は、前記ケース(101)に配置され、前記駆動装置(130)に電力を供給するように構成されており、
前記制御装置(103)は、前記駆動装置(130)に接続されて前記駆動装置(130)を制御し、
前記駆動装置(130)は、自動芝生トリマー(100)を駆動して芝生上で自動的に移動させるように構成されており、
自動芝生トリマー(100)が芝生上で移動するとき、芝生の草が前記踏みつけ装置(140)によって踏みつけられるようになっており、
前記駆動装置(130)は、少なくとも2つの歩行脚(135)を備え、前記駆動装置(130)は、前記少なくとも2つの歩行脚(135)が芝生上を交互に動くように歩行脚を駆動するように構成されており、前記踏みつけ装置(140)は、前記少なくとも2本の歩行脚(135)に取り付けられた押圧板(146)である、
ことを特徴とする自動芝生トリマー(100)。
【請求項2】
自動芝生トリマー(100)は、芝生の草の高さを検出するための高さセンサ(109)をさらに含み、前記高さセンサ(109)は、前記制御装置(103)に接続されており、高さ閾値が予め前記制御装置(103)に設定されており、前記高さセンサ(109)によって検出された芝生の草の高さが前記高さ閾値よりも大きい場合、前記制御装置(103)は、自動芝生トリマー(100)の自動トリミング機能を作動させることを特徴とする請求項1に記載の自動芝生トリマー(100)。
【請求項3】
自動芝生トリマー(100)は、カメラ(111)をさらに含み、前記カメラ(111)は、芝生の周辺環境をスキャンして自動的な測位を行うために2Dマップを構築するように構成されており、自動芝生トリマー(100)は、前記2Dマップに基づいて芝生全体の草を踏みつけることを特徴とする請求項1に記載の自動芝生トリマー(100)。
【請求項4】
前記カメラ(111)は、360°パノラマカメラであり、このパノラマカメラ(111)により360°のカメラシステムが構築されていることを特徴とする請求項に記載の自動芝生トリマー(100)。
【請求項5】
自動芝生トリマー(100)は、測距センサ(112)をさらに含み、前記測距センサ(112)は、前記制御装置(103)に接続され、前記測距センサ(112)は、前記ケース(101)の周辺環境にある障害物の情報を検出するように構成されており、前記制御装置(103)は、前記測距センサ(112)の検出結果に基づいて、自動芝生トリマー(100)を障害物から遠ざけて芝生上を移動させるように、自動芝生トリマー(100)を制御することを特徴とする請求項1に記載の自動芝生トリマー(100)。
【請求項6】
前記測距センサ(112)は複数であり、複数の前記測距センサ(112)は、前記ケース(101)の外面全体に分布していることを特徴とする請求項に記載の自動芝生トリマー(100)。
【請求項7】
自動芝生トリマー(100)は、測位装置(113)および無線通信モジュール(114)をさらに含み、前記測位装置(113)は、自動芝生トリマー(100)の位置情報を取得するように構成されており、前記無線通信モジュール(114)は、自動芝生トリマー(100)の位置情報とカメラ(111)によって捕捉された画像情報とを電子機器(200)に送信するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動芝生トリマー(100)。
【請求項8】
芝生上のごみを掃除するために、前記ケース(101)の下に真空掃除装置(116)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動芝生トリマー(100)。
【請求項9】
自動芝生トリマー(100)は、前記ケース(101)の外面に設けられたソーラーパネル(117)をさらに含み、前記ソーラーパネル(117)は、前記バッテリーパック(102)と電気的に接続され、前記バッテリーパック(102)を充電するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動芝生トリマー(100)。
【請求項10】
自動芝生トリマー(100)は、インダクタンス検出センサ(121)をさらに含み、前記インダクタンス検出センサ(121)は、前記制御装置(103)に接続され、芝生に設置された電子フェンス(301)を検出するように構成され、前記制御装置(103)は、前記インダクタンス検出センサ(121)の検出結果に基づいて、前記電子フェンス(301)で画定された領域の中で踏みつけ動作を実行するように、自動芝生トリマー(100)を制御することを特徴とする請求項1に記載の自動芝生トリマー(100)。
【請求項11】
前記インダクタンス検出センサ(121)は、前記ケース(101)の両側に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の自動芝生トリマー。
【請求項12】
前記ケース(101)には、前記バッテリーパック(102)と電気的に接続された充電ポート(122)が設けられ、充電ステーション(302)が、自動芝生トリマー(100)を充電するために、前記電子フェンス(301)に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の自動芝生トリマー(100)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の自動芝生トリマー(100)を用いる自動芝生トリミング方法であって、
自動芝生トリマー(100)に装備された高さセンサ(109)を使用して、芝生の草の高さを検出することと、
を含み、
前記高さセンサ(109)によって検出された芝生の草の高さが予め設定された高さより高い場合、前記高さセンサ(109)は制御装置(103)に信号を送信し、制御装置(103)は、送信されてきた信号に基づいて、自動芝生トリマー(100)を制御して、自動トリミング機能を作動させ、駆動装置(130)は、自動芝生トリマー(100)を駆動して芝生上で自動的に移動させ、この移動によって芝生の草を踏みつけ装置(140)で踏みつけることを特徴とする自動芝生トリミング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年9月28日に出願された中国特許出願第201710901497.8号に基づいており、その優先権を主張する。上記で特定された出願の全開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本特許出願は、芝生をトリミングするためのツールに関し、特に、自動芝生トリマーおよび自動芝生トリミング方法に関する。
【背景技術】
【0003】
芝生のトリミングでは、人々はよく芝生トリマーを使用する。芝生の美しさと装飾品質を向上させるために、必要な長さに応じて草を刈り取る必要がある。しかし、従来の芝生トリマーには、芝刈り作業時の大きな騒音、刈り取られた草の除去作業の大変さなど、いくつかの固有問題がある。
【0004】
この問題に対して、発明者は偶然に、長期間にわたって芝生が車のタイヤに踏みつけられた後、草が死なないだけでなく、適切な装飾的な長さの範囲にとどまることを発見した。この発見によって、本発明における技術的解決策が得られている。
【発明の概要】
【0005】
上記に鑑みて、大きな騒音、刈り取られた草の除去などの大変さを解消できる自動芝生トリマーおよび自動芝生トリミング方法を提供する必要がある。
【0006】
本発明の一実施形態は、ケースと、バッテリーパックと、制御装置と、駆動装置と、踏みつけ装置とを含む自動芝生トリマーを提供している。バッテリーパックは、ケースに収納され、駆動装置に電力を供給するように構成されている。制御装置は、駆動装置を制御するために駆動装置に接続されており、この駆動装置は、自動芝生トリマーを駆動して芝生上で自動的に移動させるように構成されている。自動芝生トリマーが芝生上を移動すると、芝生の草が踏みつけ装置によって踏みつけられる。
【0007】
本発明の一実施形態は、さらに自動芝生トリミング方法を提供しており、この方法は、
自動芝生トリマーを提供することと、
自動芝生トリマーに装備された高さセンサを使用して、芝生の草の高さを検出することと、
を含み、
高さセンサによって検出された芝生の草の高さが所定の高さより高い場合、高さセンサは制御装置に信号を送信し、制御装置は、送信されてきた信号に応じ、自動芝生トリマーを制御して、自動トリミング機能を作動させる。駆動装置は、自動芝生トリマーを駆動し、芝生上で自動的に移動させる。自動芝生トリマーが芝生上を移動するとき、芝生の草が踏みつけ装置によって踏みつけられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態により提供された自動芝生トリマーおよび自動芝生トリミング方法によれば、芝生の草は一定の高さに保たれ、規則的な踏みつけによって芝生の美しさおよび装飾性が得られ、従来の芝生トリマーによる大きな騒音、刈り取られた草の除去作業の大変さを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による自動芝生トリマーの正面概略図である。
図2図1に示す自動芝生トリマーの側面概略図である。
図3】サイドプレートの一部を取り外した図2の自動芝生トリマーを示す図である。
図4図2に示す自動芝生トリマーの上面概略図である。
図5】本発明の実施形態による自動芝生トリマーを示す制御系ブロック図である。
図6】自動芝生トリマーが芝生上で踏みつけ作業を実行していることを示す概略図である。
図7】本発明における別の実施形態による自動芝生トリマーの等角図である。
図8】本発明における更なる実施形態による自動芝生トリマーの等角図である。
図9】本発明における更なる実施形態による自動芝生トリマーの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の目的、特徴、および利点をより明らかにするために、添付の図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0011】
図1図5を参照すると、本発明の一実施形態では、自動芝生トリマー100が提供されている。自動芝生トリマー100は、ケース101と、バッテリーパック102と、制御装置103と、駆動装置130と、踏みつけ装置140とを含む。
【0012】
バッテリーパック102は、ケース101内に配置されており、バッテリーパック102の数は、1つでも複数でもよい。バッテリーパック102は、駆動装置130に接続され、駆動装置130に電力を供給する。制御装置103は、駆動装置130を制御するために駆動装置130に接続されている。駆動装置130は、自動芝生トリマー100の芝生上での自動移動が可能なように自動芝生トリマー100を駆動するために構成されている。自動芝生トリマー100が芝生上を移動するときに芝生の草は、踏みつけ装置140によって踏みつけられる。
【0013】
本実施形態において、駆動装置130は、駆動モーター131と、駆動輪132とを含む。制御装置103は、駆動モーター131に接続されている。駆動モーター131は、駆動輪132に接続されており、駆動輪132を回転駆動させるように構成されている。踏みつけ装置140は、従動踏み輪141で構成されている。従動踏み輪141は、駆動輪132の駆動下で芝生上を転がる。芝生上を移動するように駆動輪132が自動芝生トリマー100を駆動するとき、従動踏み輪141は、駆動輪132の駆動下で転がり、芝生の草を踏みつける。
【0014】
本実施形態では、駆動輪132が後輪として設けられ、従動踏み輪141が前輪として設けられている。駆動輪132の数は2つであり、各駆動輪132は、駆動モーター131によって対応して駆動される。駆動輪132は、ステアリングホイールとしても機能する。駆動輪132は、膨張式ホイール、中実ホイール、またはクローラーホイールであってもよい。
【0015】
自動芝生トリマー100が芝生上を移動すると、両側の駆動モーター131は同じ方向に同じ速度で回転することができる。自動芝生トリマー100は方向を変換する必要があった場合、そのままの場所にて向きを変えるか、まがって回転することもできる。そのままの場所にて向きを変えるとき、一方側の駆動モーター131と他方側の駆動モーター131は同じ速度で異なる方向に回転する。まがって回転するとき、一方側の駆動モーター131は回転を停止し、または低速で回転するが、他方の駆動モーター131は高速で回転する。
【0016】
本実施形態において、従動踏み輪141は取り外し可能である。すなわち、従動踏み輪141は、ケース101に取り外し可能に取り付けられており、ユーザは、芝生の草の種類に応じて異なる重量または異なる種類の踏み輪を選択できるようになっている。
【0017】
本実施形態では、従動踏み輪141は、シャフト142に取り付けられている。ケース101の前面は、2つのブラケット143で固定されている。シャフト142の両端は、それぞれ2つのブラケット143に回転可能に取り付けられており、これにより、シャフト142と従動踏み輪141が共に2つのブラケット143に対して回転できるようになっている。
【0018】
本実施形態によると、自動芝生トリマー100は、芝生の草の高さを検出するための高さセンサ109をさらに含む。例えば、高さセンサ109は、ケース101の前面に設置されている。この高さセンサ109は、制御装置103に接続されており、芝生の草の高さ閾値は、例えば10cmに設定することができる。この高さ閾値は、制御装置103に予め設定されており、高さセンサ109は、その検出結果を制御装置103に送信する。高さセンサ109によって検出された芝生の草の高さが高さ閾値よりも大きい場合、制御装置103は自動芝生トリマー100を制御してその自動トリミング機能を作動させる。したがって、自動芝生トリマー100は、芝生の草の検出された高さに応じて、そのトリミング機能を自動的に作動させることができる。芝生を定期的に踏みつけることで、芝生の草は一定の高さに保たれ、芝生の美しさと装飾性を実現すると共に、芝刈り時の大きな騒音、刈り取った草を掃除する作業の大変さなどの従来芝生トリマーの欠点を克服することができる。すなわち、従来の芝生トリマーを使用して草を刈る作業は、草を踏みつける本発明での作業によって、代えられるようになる。
【0019】
春と夏のトリミングの頻度は高く、秋と冬のトリミングの頻度は低い。例えば、春と夏のトリミングの頻度は月に4回、秋と冬のトリミングの頻度は月に2回である。踏みつけ作業は一定の期間続くため、1回のトリミングはそれぞれ2〜3日間続き、草は毎日2回踏みつけられる。
【0020】
本実施形態において、自動芝生トリマー100は、カメラ111をさらに含む。例えば、カメラ111は、ケース101の正面に設けられる。カメラ111は、360°パノラマカメラであってもよい。したがって、パノラマカメラ111を使用して360°のカメラシステムを構築することができる。芝生の周辺環境をスキャンすることにより、自動測位を行うための2Dマップを構築することもできる。つまり、VSLAMテクノロジー(visual simultaneous localization and mapping)を使用して、視覚システムを用いた自動測位と地図構築を実現することができる。2Dマップは、制御装置103に格納され、芝生全体の草は、2Dマップに基づいて踏みつけられる。なお、草を踏みつけている間の経路は、直線往復運動であり得る。
【0021】
本実施形態において、自動芝生トリマー100は、測距センサ112をさらに含む。測距センサ112は、制御装置103に接続されている。この測距センサ112は、自動芝生トリマー100が芝生の上を移動するとき、ケース101の周囲環境における障害物の情報を検出するように構成されている。制御装置103は、測距センサ112の検出結果に応じて、自動芝生トリマー100を制御し、障害物を避けて芝生上を移動させる。ここで測距センサ112は複数であってもよく、複数の測距センサ112はケース101の外面全体に分布されている。詳しくは、測距センサ112は、赤外線測距センサ、超音波測距センサ、レーザ測距センサ、およびレーダ測距から選択することができる。
【0022】
本実施形態では、自動芝生トリマー100は、測位装置113、無線通信モジュール114、および警報装置115をさらに含む。測位装置113は、自動芝生トリマー100の位置情報を取得するように構成されている。測位装置113は、全地球測位システム(GPS)または北斗衛星測位システムであり得る。ケース101は、測位装置113を介してリアルタイムで位置決めすることができる。測位装置113により得られた自動芝生トリマー100の現在位置が予め設定された範囲を超えると、制御装置103は警告のために警報装置115を作動させ、無線通信モジュール114は、自動芝生トリマー100の現在位置情報と、カメラ111によって捕捉された画像情報とを電子機器200に送信する。これにより、ユーザは自動芝生トリマー100の現在位置を理解することができ、自動芝生トリマー100が盗まれた場合でもこれを追跡することが容易になる。ここで、電子機器200は、スマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットコンピュータでもよく、監視プラットフォーム上にセットアップされたサーバーでもよい。
【0023】
自動芝生トリマー100が屋外の人によって故意に破壊されると、制御装置103は警報のために警報装置115を作動させ、無線通信モジュール114は、カメラ111によって捕捉された画像情報をユーザの電子装置に送信する。これによって、破壊者を簡単に見つけることができる。
【0024】
さらに、カメラ111によって捕捉された画像情報は、無線通信モジュール114を介してユーザの電子機器200に送信されることで、ユーザは自動芝生トリマー100の踏み付け作業の進捗状況を把握することも可能となる。
【0025】
本実施形態では、自動芝生トリマー100のケース101の下に、小さな石や小さなごみなどの芝生上のごみを掃除するための真空掃除機116が設けられている。
【0026】
本実施形態において、自動芝生トリマー100は、ソーラーパネル117をさらに含む。ソーラーパネル117は、ケース101の外面(例えば、側面および上面)に設けられる。このソーラーパネル117は、バッテリーパック102に電気的に接続されているので、このバッテリーパック102は、ソーラーパネル117によって充電可能になっている。なお、自動芝生トリマー100の使用頻度は高くないため、自動芝生トリマー100を駆動するために太陽エネルギーを収集して保存することもできる。
【0027】
図5図6に示すように、ユーザは、踏みつけられる必要のある芝生に電子フェンス301を設置することができる。自動芝生トリマー100は、インダクタンス検出センサ121をさらに備える。インダクタンス検出センサ121は、制御装置103に接続されており、このようなインダクタンス検出センサ121は、ケース101の両側に設けることもできる(図2参照)。
インダクタンス検出センサ121は、電子フェンス301を検出し、踏みつけ動作中に自動芝生トリマー100の境界として認識することができる。制御装置103は、インダクタンス検出センサ121の検出結果に応じて、自動芝生トリマー100を制御し、電子フェンス301で画定される領域で踏みつけ動作を行わせる。
【0028】
本実施形態では、ケース101には、バッテリーパック102と電気的に接続された充電ポート122が設けられている。自動芝生トリマー100を充電するために、充電ステーション302が電子フェンス301に設けられている。自動芝生トリマー100が電力不足に遭遇し、若しくは踏みつけ作業を完了すると、自動芝生トリマー100の制御装置103は、インダクタンス検出センサ121を使用して電子フェンス301を検出および追跡する。これにより、自動芝生トリマー100は、充電のために充電ステーション302へ自動的に戻る。
【0029】
図7を参照すると、本発明の他の実施形態によって提供される自動芝生トリマー100において、駆動装置130は、駆動モーター131とクローラーホイール133とを含む。制御装置103は、駆動モーター131に接続されている。この駆動モーター131は、クローラーホイール133を回転駆動するように構成されている。踏みつけ装置140は、クローラーホイール133に取り付けられたクローラー145である。この実施形態では、自動芝生トリマー100はクローラーを使用して移動する。クローラー145の広い接地面積は、草を踏みつける面積を確保することができ、あらゆる種類の複雑な道路、障害物を避けてスムーズに通過することができる。この実施形態における他の構造および動作原理については、上述した第1実施例を参照すればよく、説明を簡潔化するために、ここでの重複な説明を省略する。
【0030】
図8〜9を参照すると、本出願のさらなる実施形態によって提供される自動芝生トリマー100では、駆動装置130は少なくとも2つの歩行脚135を含む。駆動装置130は、少なくとも2つの歩行脚135を交互に移動させるように駆動する構成を有する。踏みつけ装置140は、少なくとも2つの歩行脚135に取り付けられた押圧板146である。図8は2本の歩行脚135を示し、図9は、4本の歩行脚135を示しているが、本発明は、これらに限定されるわけではない。歩行脚135の数は、2、3、4、またはそれ以上であってもよい。複数の歩行脚135の交互の動きを実現するために、異なる駆動装置を使用することができる。例えば、駆動装置130は、ステッピング駆動モーターとコネクティングロッド機構をさらに含むことができる。ステッピングモーターとコネクティングロッド機構を使用して歩行脚135を制御することにより、歩行脚135は上下に移動でき、交互に前方に移動できる。本実施形態において、自動芝生トリマー100は、人型ロボットの外観を有するが、これに限定されるわけではない。駆動装置130が自動芝生トリマー100の歩行脚135を駆動して芝生上を交互に移動させると、歩行脚135の底部にある押圧板146が芝生の草を踏みつける。押圧板146の大きな接地面積は、草を踏みつける面積を確保し、あらゆる種類の複雑な道路、障害物を避けて通過させることができる。この実施形態における他の構造および動作原理については、上述した第1実施例を参照すればよく、説明を簡潔化するために、ここでの重複な説明を省略する。
【0031】
さらに、本発明の実施形態は、自動芝生トリミング方法を提供している。この方法は、
上記の自動芝生トリマー100を提供することと、
自動芝生トリマー100に設けられた高さセンサ109を使用して、芝生の草の高さを検出すること、
を含む。
高さセンサ109によって検出された芝生の草の高さが予め設定された高さより高い場合、高さセンサ109は、制御装置103に信号を送り、制御装置103は、上記の信号に応じて、自動芝生トリマー100を制御し、その自動トリミング機能を作動させ、駆動装置130は、自動芝生トリマー100を芝生上で自動的に移動させるように自動芝生トリマー100を駆動し、自動芝生トリマー100が芝生上を移動する際に芝生の草は、踏みつけ装置140によって踏みつけられる。したがって、定期的な踏みつけ作業の後、芝生の草を一定の高さに保ち、芝生の美しさと装飾性を実現し、従来の芝生トリマーに伴う大きなノイズ、刈り取られた草の掃除の大変さなどの欠点を克服することができる。
【0032】
上記は、本出願の実施形態に過ぎず、本発明に対する制限と見なされるべきではない。本発明は上記の実施形態で開示されたが、本発明を限定することを意図するものではない。また、本発明に対する変形および改良が当業者にとって可能であることに留意されたい。したがって、本出願の権利範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の実施形態による自動芝生トリマーおよび自動芝生トリミング方法を用いれば、芝生の草は一定の高さに保たれ、規則的な踏みつけによって芝生の美しさと装飾性を実現することができる。また、従来の芝生トリマーに伴う大きなノイズ、刈り取られた草の掃除の大変さなどの欠点を克服することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9