特許第6815657号(P6815657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6815657振子運動を一方向回転運動に変換する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6815657
(24)【登録日】2020年12月25日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】振子運動を一方向回転運動に変換する装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 29/02 20060101AFI20210107BHJP
   F16H 31/00 20060101ALI20210107BHJP
   F16D 41/12 20060101ALI20210107BHJP
   F03B 13/16 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   F16H29/02
   F16H31/00 B
   F16H31/00 E
   F16D41/12 A
   F03B13/16
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-540358(P2018-540358)
(86)(22)【出願日】2016年10月14日
(65)【公表番号】特表2018-534507(P2018-534507A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】KR2016011523
(87)【国際公開番号】WO2017069459
(87)【国際公開日】20170427
【審査請求日】2019年10月15日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0147165
(32)【優先日】2015年10月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518143118
【氏名又は名称】チョン ミン シ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン ミン シ
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0106686(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 29/00
F03B 13/00
F16D 41/00
F16H 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース(1)に両端が固定的に内接する支持軸(2)と、
前記支持軸(2)に回転可能に外接し、環状孔(31)が形成されるように円弧のトラック形状を有する二重ラック(30)と、
前記二重ラック(30)の環状孔(31)を貫通し前記ベース(1)に回転可能に内接した出力軸(40)と、
前記出力軸(40)に固定的に外接して前記二重ラック(30)と噛み合うピニオン(50)と、
前記二重ラック(30)に固定的に装着されて前記支持軸(2)の軸周り方向で外力を受ける外力作用部(20)と、を含み、
前記二重ラック(30)の環状孔(31)の外輪の内周面には一方向(時計回り方向)のみで前記ピニオン(50)と噛み合う一方向噛合ギアとして外側ラック(33)が備えられ、かつ、前記二重ラック(30)の環状孔(31)の内輪の外周面には他方向(反時計回り方向)のみで前記ピニオン(50)と噛み合う他方向噛合ギアとして内側ラック(35)が備えられることを特徴とする振子運動を一方向回転運動に変換する装置。
【請求項2】
ベース(1)に両端が回転可能に内接する支持軸(2)と、
前記支持軸(2)に固定的に外接し、環状孔(31)が形成されるように円弧のトラック形状を有する二重ラック(30)と、
前記二重ラック(30)の環状孔(31)を貫通し前記ベース(1)に回転可能に内接した出力軸(40)と、
前記出力軸(40)に固定的に外接して前記二重ラック(30)と噛み合うピニオン(50)と、
前記二重ラック(30)に固定的に装着されて前記支持軸(2)の軸周り方向で外力を受ける外力作用部(20)と、を含み、
前記二重ラック(30)の環状孔(31)の外輪の内周面には一方向(時計回り方向)のみで前記ピニオン(50)と噛み合う一方向噛合ギアとして外側ラック(33)が備えられ、かつ、前記二重ラック(30)の環状孔(31)の内輪の外周面には他方向(反時計回り方向)のみで前記ピニオン(50)と噛み合う他方向噛合ギアとして内側ラック(35)が備えられることを特徴とする振子運動を一方向回転運動に変換する装置。
【請求項3】
波力発電装置に運動変換装置として適用される請求項1または請求項2に記載の振子運動を一方向回転運動に変換する装置において、
海洋構造物に前記ベース(1)が固定された状態で波力が作用する海水面に前記外力作用部(20)が配置され、
前記出力軸(40)が発電部に接続されていることを特徴とする振子運動を一方向回転運動に変換する装置。
【請求項4】
波力発電装置に運動変換装置として適用される振子運動を一方向回転運動に変換する装置において、
海水面に浮かんでいる円筒状または球状のハウジング(1`)に両端が固定的に内接した支持軸(2)と、
前記支持軸(2)に回転可能に外接し、環状孔(31)が形成されるように円弧のトラック形状を有する二重ラック(30)と、
前記二重ラック(30)の環状孔(31)を貫通し前記ハウジング(1`)に回転可能に内接した出力軸(40)と、
前記出力軸(40)に固定的に外接して前記二重ラック(30)と噛み合うピニオン(50)と、
前記ハウジング(1`)の両側部に基端が固定され、先端が海水面に浮かぶように水平に提供された一対の浮力体(20`)と、を含み、
前記二重ラック(30)は、前記ハウジング(1`)、前記浮力体(20`)及び前記ピニオン(50)より重い重量体であり、
前記二重ラック(30)は、前記環状孔(31)の外輪の内周面には一方向(時計回り方向)のみで前記ピニオン(50)と噛み合う一方向噛合ギアとして外側ラック(33)が備えられ、かつ、前記二重ラック(30)の環状孔(31)の内輪の外周面には他方向(反時計回り方向)のみで前記ピニオン(50)と噛み合う他方向噛合ギアとして内側ラック(35)が備えられているか、
または、前記二重ラック(30)は、前記ピニオン(50)が一方向で回転する時のみ前記外側ラック(33)と前記内側ラック(35)とが噛み合うことができる一方向噛合ギアになることを特徴とする両方向回転運動を一方向回転運動に変換する装置。
【請求項5】
波力発電装置に運動変換装置として適用される振子運動を一方向回転運動に変換する装置において、
海水面に浮かんでいる円筒状または球状のハウジング(1`)に両端が回転可能に内接した支持軸(2)と、
前記支持軸(2)に固定的に外接し、環状孔(31)が形成されるように円弧のトラック形状を有する二重ラック(30)と、
前記二重ラック(30)の環状孔(31)を貫通し前記ハウジング(1`)に回転可能に内接した出力軸(40)と、
前記出力軸(40)に固定的に外接して前記二重ラック(30)と噛み合うピニオン(50)と、
前記ハウジング(1`)の両側部に基端が固定され、先端が海水面に浮かぶように水平に提供された一対の浮力体(20`)と、を含み、
前記二重ラック(30)は、前記ハウジング(1`)、前記浮力体(20`)及び前記ピニオン(50)より重い重量体であり、
前記二重ラック(30)は、前記環状孔(31)の外輪の内周面には一方向(時計回り方向)のみで前記ピニオン(50)と噛み合う一方向噛合ギアとして外側ラック(33)が備えられ、かつ、前記二重ラック(30)の環状孔(31)の内輪の外周面には他方向(反時計回り方向)のみで前記ピニオン(50)と噛み合う他方向噛合ギアとして内側ラック(35)が備えられているか、
または、前記二重ラック(30)は、前記ピニオン(50)が一方向で回転する時のみ前記外側ラック(33)と前記内側ラック(35)とが噛み合うことができる一方向噛合ギアになることを特徴とする両方向回転運動を一方向回転運動に変換する装置。
【請求項6】
前記一対の浮力体(20`)の中の何れか一つに基端が固定されて先端が垂直方向に延伸して水平に提供された少なくとも一つの方向板(60)を含んでいることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の両方向回転運動を一方向回転運動に変換する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、往復運動を一方向回転運動に変換する装置に関するもので、より詳しくは、振子運動を一方向回転運動に変換する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、往復運動を一方向回転運動に変換する装置としててこクランク機構を利用した変換装置がある。
【0003】
このようなてこクランク機構を利用した変換装置は特許文献1に開示されている。
【0004】
このようなてこクランク機構を利用した変換装置は一方向クラッチの機能を利用して往復運動を一方向の回転運動に変えることができるが、往復運動の一方向から他方向に方向転換される時、そして他方向から一方向に方向転換される時、角速度が遅くなって、入力された動力より小さい動力で回転部に出力として伝達されるという問題点がある。
【0005】
また、前記開示された変換装置は、入力リンク、カプラーリンク及び出力リンクがリンク結合されていて、変換装置の部品数が増大され、装置の肥大化をもたらすという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許出願公開第10−2010−0034066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述した問題点を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、振子運動する旋回体をトラック形状の二重ラックで構成し、出力軸に固定的に外接したピニオンを前記二重ラックに挿入して前記二重ラックの内歯ギアと外歯ギアに噛み合わせ、前記内歯ギアを時計回り方向のみで前記ピニオンと噛み合う一方向噛合ギアとし、前記外歯ギアを反時計回り方向のみで前記ピニオンと噛み合う一方向噛合ギアとすることにより前記課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、前述したような課題解決手段によって、振子運動の方向転換時に角速度の遅延がなく、一つのピニオンと一つの二重ラックのみを利用して振子運動を一方向回転運動に変換することが可能で、従来より少ない部品数を有すると同時に従来より小型の変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による実施例の変換装置を示した概念図である。
図2図1の変換装置が波力発電装置に適用された例を示した図面である。
図3図2の波力発電装置で変換装置が複数備えられたことを示した平面図である。
図4図1の二重ラックとピニオンの噛合状態を示した図面である。
図5図4の噛合状態の変更実施例を示した図面である。
図6図5の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、ベースに両端が固定的に内接する支持軸と、前記支持軸に回転可能に外接し、環状孔が形成されるように円弧のトラック形状を有する二重ラックと、前記二重ラックの環状孔を貫通し前記ベースに回転可能に内接した出力軸と、前記出力軸に固定的に外接して前記二重ラックと噛み合うピニオンと、前記二重ラックに固定的に装着されて前記支持軸の軸周り方向で外力を受ける外力作用部とを含み、前記二重ラックの環状孔の外輪の内周面には一方向(時計回り方向)のみで前記ピニオンと噛み合う一方向噛合ギアとして外側ラックが備えられ、そして前記二重ラックの環状孔の内輪の外周面には他方向(反時計回り方向)のみで前記ピニオンと噛み合う他方向噛合ギアとして内側ラックが備えられる。
【0012】
以下、本発明による実施例の振子運動を一方向回転運動に変換する装置について図1図6を参照して詳しく説明する。
【0013】
図1には本発明による実施例の振子運動を一方向回転運動に変換する変換装置が符号100で表示されている。
【0014】
前記変換装置100はベース1に両端が固定的に内接する支持軸2と、この支持軸2にベアリングを介して回転可能に外接し、環状孔31が形成されるように円弧のトラック形状を有する二重ラック30と、この二重ラック30の環状孔31をに貫通した状態でベース1に回転可能に内接した出力軸40と、この出力軸40に固定的に外接して二重ラック30と噛み合うピニオン50と、二重ラック30に固定的に装着されて支持軸2の軸周り方向で外力を受ける外力作用部20と、を含んでいる。
【0015】
二重ラック30の環状孔31の外輪の内周面には一方向(時計回り方向)のみでピニオン50と噛み合う一方向噛合ギアとして外側ラック33が備えられ、そして二重ラック30の環状孔31の内輪の外周面には他方向(反時計回り方向)のみピニオン50と噛み合う他方向噛合ギアとして内側ラック35が備えられる。
【0016】
外側ラック33を一方向噛合ギアで構成し、内側ラック35を他方向噛合ギアで構成する方法は一例であって、次のように実施されることができる。
【0017】
図1及び図4に示すように、外側ラック33は、この外側ラック33の内周面に備えられた複数の歯12の基端を、支持軸2の軸線方向と平行な方向に延長して外側ラック33の内周面部位に差し込まれたピン11に、当該ピン11を中心に回転可能に外接させている。そして、複数の歯12の先端を時計回り方向でピニオン50の歯と噛み合うことができるラチェット形状を有するようにしながら伸びるようにしている。そして、複数の歯12の基端付近の外側ラック33の内周面部位に複数の歯12がこれ以上反時計回り方向に回転することを防止するストッパー13を形成している。そして、複数の歯12の内面部位の中間位置と対向する外側ラック33の内周面に複数のシート溝14を形成している。そして、これら複数のシート溝14にそれぞれスプリング15の一端を挿入した状態でスプリング15の他端が対向している歯12に接触するようにしている。そして、歯12の外面部位で加圧されると、外側ラック33の内周面側に歯12が旋回して、対向しているピニオン50の歯と噛み合わないようにしている。さらに、歯12の外面部位で加圧されないと、スプリング15の弾性力によって原位置に歯12が復帰して、対向するピニオン50の歯と噛み合うことができる姿勢を有するように構成することができる。
【0018】
また、内側ラック35は、この内側ラック35の外内周面に備えられた複数の歯12’’の基端を、支持軸2の軸線方向と平行な方向に延長して内側ラック35の外周面部位に差し込まれたピン11’に、当該ピン11’を中心に回転可能に外接させている。そして、複数の歯12’の先端を反時計回り方向でピニオン50の歯と噛み合うことができるラチェット形状を有するようにしながら伸びるようにしている。そして、複数の歯12’の基端付近の内側ラック33の外周面部位に、複数の歯12’がこれ以上時計回り方向に回転することを防止するストッパー13’を形成している。そして、複数の歯12’の内面部位の中間位置と対向する内側ラック33の外周面に複数のシート溝14’を形成している。そして、これら複数のシート溝14’にそれぞれスプリング15’の一端を挿入した状態でスプリング15’の他端が、対向している歯12’に接触するようにしている。そして、歯12’の外面部位で加圧されると、内側ラック35の外周面側に歯12’が旋回して、対向しているピニオン50の歯と噛み合わないようにしている。さらに、歯12’の外面部位で加圧されないと、スプリング15’の弾性力によって原位置に歯12’が復帰して、対向するピニオン50の歯と噛み合うことができる姿勢を有するように構成することができる。
【0019】
前記実施例の変換装置100は、ベース1に支持軸2が固定的に内接し、かつ、支持軸2の部位にベアリングを介して二重ラック30が回転可能に外接したことで説明されているが、本発明はこれに限定されず、ベース1に支持軸2がベアリングを介して回転可能に内接し、かつ、支持軸2の部位に二重ラック30が固定的に外接することもできる。
【0020】
また、前記実施例の変換装置100で二重ラック30の外側ラック33が一方向(時計回り方向)のみでピニオン50と噛み合う一方向噛合ギアになり、そして二重ラック30の内側ラック35が他方向(反時計回り方向)のみピニオン50と噛み合う他方向噛合ギアになっていることになっているが、本発明はこれに限定されない。図5及び図6に示すように、二重ラック30を、外側ラック33と内側ラック35が両方向に噛み合うことができる通常のラックで構成し、ピニオン50が一方向で回転する時のみ外側ラック33及び内側ラック35と噛み合うことができる一方向噛合ギアになることもできる。
【0021】
前記のように構成された変換装置100は次のように作動することができる。
【0022】
まず、外力作用部20に時計回り方向外力が作用すると、支持軸2を中心に外力作用部20と二重ラック30が共に時計回り方向に旋回するようになる。そして、二重ラック30が時計回り方向に旋回すると、外側ラック33とピニオン50が動力を伝達することができる噛合状態になり、内側ラック35とピニオン50が動力を伝達することができない非噛合状態になる。そして、外側ラック33のみがピニオン50に駆動力を伝達してピニオン50が時計回り方向に回転するようになって、その結果、出力軸40が時計回り方向に回転するようになる。
【0023】
そして、外力作用部20に反時計回り方向外力が作用すると、支持軸2を中心に外力作用部20と二重ラック30が共に反時計回り方向に旋回するようになる。そして、二重ラック30が反時計回り方向に旋回すると、外側ラック33とピニオン50が動力を伝達することができない非噛合状態になり、内側ラック35とピニオン50が動力を伝達することができる噛合状態になる。そして、内側ラック35のみがピニオン50に駆動力を伝達してピニオン50が時計回り方向に回転するようになって、その結果、出力軸40が時計回り方向に回転するようになる。
【0024】
従って、変換装置100は、二重ラック30の環状孔31が円弧のトラック形状になっていて、外力作用部20に時計回り方向外力と反時計回り方向外力が360度未満の軌跡で振子運動するように周期的に作用すると、出力軸40を時計回り方向に駆動することができる。そして、図示しない海洋構造物に前記ベース10を固定した状態で、波力が作用する海水面に変換装置100の外力作用部20を配置させ、出力軸40を、海洋構造物に設けた発電部に接続すれば、波力の上下運動によって時計回り方向と反時計回り方向に外力作用部20が振子運動するようになって波力発電装置に効率的に利用することができる。
【0025】
また、前記実施例の変換装置100のベース1が海洋構造物に固定され、二重ラック30が波によって振子運動する状態で前記変換装置100が波力発電装置に適用される例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、変更実施例として、図2及び図3に示したように、ベース1が振子運動する状態で前記変換装置が波力発電装置に適用されることもできる。
【0026】
これを具体的に説明すれば次の通りである。
【0027】
図1に示した変換装置100におけるベース1を、図2に示したように、海水面に浮かんでいる円筒状または球状のハウジング1’で取り替え;図1に示した変換装置100における外力作用部20を、図2に示したように、ハウジング1’の両側部に基端が固定され、先端が海水面に浮かぶように水平に提供された一対の浮力体20’で取り替え;二重ラック30をハウジング1’、浮力体20’及びピニオン50より重い重量体として変換装置100’を構成しても良い。
【0028】
このとき、ハウジング1’が海水面に浮かんでいる状態で波によって浮力体20’が上下に振子運動する場合、ハウジング1’、支持軸2、出力軸40及びピニオン50が一緒に振子運動するようになるが、二重ラック30は重量体であるため旋回運動しない。さらに、ピニオン50と二重ラック30との間には相対運動が発生してピニオン50は時計回り方向に自転して出力軸40に接続された発電部を駆動させることができる。
【0029】
また、変換装置100’が適用された波力発電装置は、図3に示したように、発電部80に結合された出力軸40に固定的に外接したピニオン50と、支持軸2に外接した二重ラック30と、を内蔵しているハウジング1’を複数にして、支持軸2の長さ方向に離隔させた状態でハウジング1’が個別に振子運動可能なように、リング70によって複数のハウジング1’を連結させることもできる。
【0030】
また、変換装置100’は、一対の浮力体20’の中の何れか一つに基端が固定されて、先端が垂直方向に延伸して水平に提供された少なくとも一つの方向板60を含んでいる。そして、一対の浮力体20’が水平に提供された方向が波流の方向と平行ではない場合に方向板60に前記波流が当たって、一対の浮力体20’が水平に提供される方向を前記波流の方向と平行な方向に向けるようにしてハウジング1’の振子運動を容易にする。
【0031】
前記のように構成された変換装置は、振子運動の方向転換時に角速度が遅延することなく、一つのピニオンと一つの二重ラックのみを利用して振子運動を一方向回転運動に変化することが可能で、従来より少ない部品数を有すると同時に従来より小型にすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6