(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6815710
(24)【登録日】2020年12月25日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】電気接続装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20210107BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
H01R13/52 301K
H01R13/46 304L
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-1126(P2020-1126)
(22)【出願日】2020年1月8日
(65)【公開番号】特開2020-113535(P2020-113535A)
(43)【公開日】2020年7月27日
【審査請求日】2020年1月8日
(31)【優先権主張番号】201920036184.5
(32)【優先日】2019年1月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】チャン ツンドン
(72)【発明者】
【氏名】ポール バーグ
(72)【発明者】
【氏名】デン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キウ チェンビン
(72)【発明者】
【氏名】バイ ホンウェイ
【審査官】
藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−295550(JP,A)
【文献】
特表2016−502254(JP,A)
【文献】
特開2004−327169(JP,A)
【文献】
特開平11−190433(JP,A)
【文献】
特開2005−195091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40−13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の締結具によってパネルに固定されるように適合されている電気接続装置であって、前記パネルが、装着穴、及び該装着穴の周りに複数の貫通穴を有し、これにより、それぞれ、前記複数の締結具が内部を通過することを可能にし、
前記電気接続装置が、
電気コネクタであって、
基部及び嵌合部を有する絶縁ハウジングであって、前記基部が、当接面を有し、前記嵌合部が、前記当接面から突出し、前記基部が、前記当接面に形成されており、かつ前記嵌合部の周りに位置決めされている、位置決め穴と、前記当接面に形成されており、かつ前記パネルの複数の貫通穴とそれぞれ位置合わせされ、かつそれに対応して前記複数の締結具がその内部に挿入することを可能にするように適合された複数の締結穴と、を更に有し、該複数の締結穴が、止まり穴である、絶縁ハウジングと、
該絶縁ハウジングに提供されている複数の端子と、を備える、電気コネクタと、
前記絶縁ハウジングに提供されており、かつ前記当接面と前記パネルとの間に当接するように適合されている、封止部材であって、該封止部材が、
環状体であって、前記嵌合部が内部を通過することを可能にする開口部と、前記パネルに面するように適合された第1の表面と、前記当接面に面する第2の表面と、前記第1の表面及び前記第2の表面を貫通する複数の貫通穴と、を有し、該複数の貫通穴は、前記パネルの複数の貫通穴及び前記絶縁ハウジングの複数の締結穴と位置合わせするようにそれぞれ適合され、これにより、それに対応して前記複数の締結具が内部を通過することを可能にする、環状体と、
前記第1の表面及び前記第2の表面からそれぞれ突出し、その中で前記開口部を取り囲む2つの第1の環状リブであって、前記第1の表面に位置決めされた前記第1の環状リブが、前記パネルに当接するように適合され、前記第2の表面に位置決めされて、前記当接面に当接するために使用される、2つの第1の環状リブと、
前記第1の表面及び前記第2の表面からそれぞれ突出する複数の第2の環状リブであって、それぞれ前記複数の貫通穴を取り囲み、前記パネルに当接するように適合されている前記第1の表面に位置決めされ、かつそれぞれ前記複数の貫通穴を取り囲み、かつ前記当接面に当接するために使用される前記第2の表面に位置決めされる、複数の第2の環状リブと、
前記第2の表面から突出する位置決め支柱であって、前記位置決め穴に固定させるために使用される拡大されている自由端部を有する、位置決め支柱と、を備える、封止部材と、を備える、電気接続装置。
【請求項2】
各端子が、前記絶縁ハウジングの基部に埋め込まれた固定部と、該固定部から延在して前記嵌合部に露出している接触部と、を有する、請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項3】
前記第1の環状リブが、前記複数の第2の環状リブと接続されている、請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項4】
前記第1の環状リブが、前記環状体の周囲に隣接しており、前記第2の表面に位置決めされた前記第1の環状リブが、前記位置決め支柱を取り囲む、請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項5】
前記基部が、前記当接面とは反対である後面を更に有し、前記位置決め支柱の自由端部が、前記位置決め穴の内部を通過して、前記後面に当接し、前記封止部材が、前記第2の表面に提供されており、かつ前記位置決め支柱を取り囲む、第3の環状リブを更に備える、請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項6】
前記位置決め穴が、止まり穴であり、前記基部が、前記位置決め穴を画定する穴壁を更に有し、前記位置決め支柱の自由端部が、前記穴壁に緊密に装嵌されている、請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項7】
前記第1の環状リブが、前記複数の第2の環状リブと高さが同じである、請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項8】
前記封止部材が、前記第1の表面に提供されている複数の支持リブを更に有し、該複数の支持リブが、前記第1の環状リブ及び前記複数の第2の環状リブと高さが同じである、請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項9】
前記複数の締結穴が、ねじ付き穴であり、前記複数の締結具が、それぞれ前記複数の締結穴と協働するねじ付き係止部材である、請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項10】
前記位置決め支柱が、マッシュルーム形状である、請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項11】
前記基部の位置決め穴が、複数の個数で提供されており、前記複数の位置決め穴が、前記嵌合部の周りに分配されており、前記封止部材の位置決め支柱が、複数の個数で提供されており、前記複数の位置決め支柱が、前記複数の位置決め穴とそれぞれ協働する、請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項12】
前記基部が、前記当接面とは反対である後面を更に有し、前記複数の位置決め支柱の自由端部が、それぞれ、前記複数の位置決め穴の内部を通過して、前記後面に当接し、前記封止部材が、前記第2の表面に提供されており、かつ前記複数の位置決め支柱をそれぞれ取り囲む、複数の第3の環状リブを更に備える、請求項11に記載の電気接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気接続装置に関し、具体的には、防水電気接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4,820,181号は、雄コネクタ、雌コネクタ、及び封止部材を備える既存の防水電気コネクタを開示している。雄コネクタは、外壁と、外壁の周囲に接続する防水壁と、を備える。外壁及び防水壁は、共に空洞を画定する。封止部材は、空洞に提供される。雌コネクタは、空洞内に挿入し、封止部材に対して押し付けることができる中空の柱状部を含む。加えて、米国特許第6,953,357(B2)号は、既存のコネクタ及び封止部材を開示している。コネクタは、端子を収容する複数の円筒部と、複数の円筒部及び2つの受容穴を取り囲む陥凹溝と、を備える。封止部材は、陥凹溝に提供され、受容穴に対応して装着された2つの固定部を有する。
【0003】
既存の電気コネクタは、通常、パネル又はハウジングに接続し、パネル又はハウジングの装着穴と位置合わせして、別の電気コネクタを対応してそれらに嵌合することを可能にする。しかしながら、既存の電気コネクタとパネルとの間には、良好な防水効果がない。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本開示の目的の1つは、防水効果を改善することができる電気接続装置を提供することである。
【0005】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、複数の締結具によってパネルに固定されるように適合された電気接続装置を提供し、パネルは、装着穴と、装着穴の周りに複数の貫通穴と、を有し、それぞれ複数の締結具がその内部を通過することを可能にする。電気接続装置は、電気コネクタと、封止部材と、を備える。電気コネクタは、絶縁ハウジングと、複数の端子と、を備える。絶縁ハウジングは、基部と、嵌合部と、を有する。基部は、当接面を有し、嵌合部は、当接面から突出し、かつ基部が、当接面に形成され、嵌合部の周りに位置決めされている位置決め穴と、当接面に形成され、パネルの複数の貫通穴とそれぞれ位置合わせされ、かつそれに対応して複数の締結具がその内部に挿入することを可能にするように適合された複数の締結穴と、を更に有する。複数の端子は、絶縁ハウジングに提供される。封止部材は、絶縁ハウジングに提供され、当接面とパネルとの間に当接するように適合される。封止部材は、環状体と、2つの第1の環状リブと、複数の第2の環状リブと、位置決め支柱と、を備える。環状体は、嵌合部が内部を通過することを可能にする開口部と、パネルに面するように適合された第1の表面と、当接面に面する第2の表面と、第1の表面及び第2の表面を貫通する複数の貫通穴と、を有し、複数の貫通穴が、パネルの複数の貫通穴及び絶縁ハウジングの複数の締結穴と位置合わせするようにそれぞれ適合され、これにより、それに対応して複数の締結具が内部を通過することを可能にする。第1の環状リブは、第1の表面及び第2の表面からそれぞれ突出し、その内部で開口部を取り囲んでおり、第1の表面に位置決めされた第1の環状リブは、パネルに当接するように適合され、第2の表面に位置決めされた第1の環状リブは、当接面に当接するために使用される。複数の第2の環状リブは、第1の表面及び第2の表面からそれぞれ突出しており、第1の表面に位置決めされた第2の環状リブは、それぞれ複数の貫通穴を取り囲み、パネルに当接するように適合されており、第2の表面に位置決めされた第2の環状リブは、それぞれ複数の貫通穴を取り囲み、当接面に当接するために使用される。位置決め支柱は、第2の表面から突出しており、かつ位置決め穴に固定させるために使用される拡大された自由端部を有する。
【0006】
いくつかの実施形態では、各端子は、絶縁ハウジングの基部に埋め込まれた固定部と、固定部から延在し、嵌合部に露出する接触部と、を有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の環状リブは、複数の第2の環状リブと接続される。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の環状リブは、環状体の周囲に隣接し、第2の表面に位置決めされた第1の環状リブは、位置決め支柱を取り囲む。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数の締結穴は、止まり穴である。
【0010】
いくつかの実施形態では、基部は、当接面とは反対である後面を更に有し、位置決め支柱の自由端部は、位置決め穴の内部を通過して、後面に当接し、封止部材は、第2の表面に提供され、位置決め支柱を取り囲む第3の環状リブを更に備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、位置決め穴は、止まり穴であり、基部は、位置決め穴を画定する穴壁を更に有し、位置決め支柱の自由端部は、穴壁に緊密に装嵌される。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の環状リブは、複数の第2の環状リブと高さが同じである。
【0013】
いくつかの実施形態では、封止部材は、第1の表面に提供された複数の支持リブを更に有し、複数の支持リブは、第1の環状リブ及び複数の第2の環状リブと高さが同じである。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数の締結穴は、ねじ付き穴であり、複数の締結具は、複数の締結穴とそれぞれ協働するねじ付き係止部材である。
【0015】
いくつかの実施形態では、位置決め支柱は、マッシュルーム形状(傘状キノコ形状)である。
【0016】
いくつかの実施形態では、基部の位置決め穴は、複数の数で提供され、複数の位置決め穴は、嵌合部の周りに分配され、封止部材の位置決め支柱は、複数の数で提供され、複数の位置決め支柱は、それぞれ複数の位置決め穴と協働する。
【0017】
いくつかの実施形態では、基部は、当接面とは反対である後面を更に有し、複数の位置決め支柱の自由端部は、それぞれ複数の位置決め穴の内部を通過して、後面に当接し、封止部材は、第2の表面に提供され、複数の位置決め支柱をそれぞれ取り囲んでいる複数の第3の環状リブを更に備える。
【0018】
本開示は、少なくとも以下の有益な効果を有する。第1の環状リブは、周囲に沿って封止部材の環状体の2つの対向する面に形成され、それに対応して、パネル及び電気コネクタの当接面に当接し、これにより、パネルの装着穴を介して電子装置内に水分が滲出することを防止する。更に、第2の環状リブは、環状体の貫通穴を取り囲み、このため、パネルの貫通穴を介して電子装置内に水分が滲出することを更に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の他の特徴及び効果は、添付の図面に示される実施形態から明らかになるであろう。
【0020】
【
図1】本開示の電気接続装置の第1の実施形態の斜視図である。
【
図8】本開示の電気接続装置の第2の実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
参照番号は、以下のように表されている。
【0022】
100 電気接続装置
1 電気コネクタ
11 絶縁ハウジング
111 基部
111a 当接面
111b 後面
111c 位置決め穴
111d 締結穴
111e 穴壁
112 嵌合部
112a 嵌合空洞
113 ガイド溝
114 周壁部
115 収容溝
12 端子
121 固定部
122 接触部
123 テール部
2 封止部材
21 環状体
211 開口部
211a 挿入開口部
211b ガイド開口部
212 第1の表面
213 第2の表面
214 貫通穴
22 位置決め支柱
221 自由端部
23 第1の環状リブ
24 第2の環状リブ
25 第3の環状リブ
26 支持リブ
8 締結具
9 パネル
91 装着穴
92 貫通穴
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示を詳細に説明する前に、以下の説明において類似の構成要素は同じ参照番号で示されることに留意されたい。
【0024】
図1〜
図3を参照すると、本開示の電気接続装置100の第1の実施形態は、締結具8によって電子装置(図示せず)のパネル9に固定されるように適合される。本実施形態では、締結具8は、ボルト、ねじ、又は他のねじ付き係止部材であってもよい。パネル9は、例えば、電子装置の筐体の一部分又は制御パネルの一部分であってもよく、パネル9は、装着穴91及び装着穴91の周りに4つの貫通穴92を有する。装着穴91により、電気接続装置100がその内部を通過することを可能にし、これにより、電気接続装置100の一部分が電子装置100の外部に露出するようになる。複数の貫通穴92により、複数の締結具8が、それに対応して、電気接続装置100の内部を通過して、電気接続装置100に係止されることを可能にし、これにより、電気接続装置100がパネル9に係止されるようになる。
【0025】
図3〜
図4を参照すると、電気接続装置100は、電気コネクタ1及び封止部材2を備える。この実施形態では、封止部材2は収納され、予め電気コネクタ1に固定され、次いで、電気コネクタ1がパネル9に組み立てられている。これにより、封止部材2は、パネル9と電気コネクタ1との間に密接して当接される。
【0026】
電気コネクタ1は、絶縁ハウジング11及び複数の端子12を備える。実施形態では、絶縁ハウジング11は、インサート成形技術によって複数の端子12を被覆して、端子12と絶縁ハウジング11との間の間隙から水分が電子装置内に滲出することを防止する。具体的には、絶縁ハウジング11は、基部111、嵌合部112、2つのガイド部113、及び周壁部114を有する。
【0027】
基部111は、実質的に矩形の当接面111a、当接面111に対向する後面111b、当接面111a及び後面111bを貫通する4つの位置決め穴111c、及び当接面111aからそれぞれ内側に陥凹している4つの締結穴111dを有する。この実施形態では、複数の締結穴111dは、ねじ付き穴であり、複数の締結穴111dは、基部111を貫通しない止まり穴である。
【0028】
この実施形態では、嵌合部112は、実質的に四角形の円筒形状であり、当接面111aの中心から前方に突出し、前方に面する開口部を有する嵌合空洞112aを画定する。嵌合部112は、パネル9の装着穴91を通過して、別の電気コネクタ(図示せず)がそれに対応して嵌合することを可能にする。
【0029】
ガイド部113は、嵌合部112の反対側の表面にそれぞれ形成され、当接面111aに接続されており、実施形態では、ガイド部113は、それぞれ、嵌合部112の2つの長辺に位置決めされる。接続されたガイド部113及び嵌合部112によって形成された断面の輪郭は、装着穴91の輪郭と一致し、これにより、電気コネクタ1をパネル9に装着したときに、ガイド部113及び嵌合部112aが共に装着穴91の内部を通過し、これによってガイドされ、位置合わせされる効果がもたらされるようになる。
【0030】
周壁部114は、基部111の周囲から前方に延在し、周壁部114及び基部111の当接面111aは、共に、その中で封止部材2を収容することを可能にする収容溝115を画定する。
【0031】
図5及び
図6を共に参照すると、複数の端子12は、上下方向に4列に配置され、各列の端子12は、絶縁ハウジング11内に部分的に埋め込まれている。具体的には、各端子12は、絶縁ハウジング11の基部111に埋め込まれている固定部121と、固定部121aの端から前方に延在し、絶縁ハウジング11に埋め込まれず、嵌合空洞112aに露出している接触部122と、固定部121aの端から後方に延在し、基部111から外側に延在しているテール部123と、を有する。複数の端子12が基部111内に埋め込まれていることにより、嵌合空洞112a内に水分が存在するときに、それに対応して嵌合空洞112a内に位置決めされている基部111により、水分が電子装置内に滲出することを防止することができる。
【0032】
引き続き
図3及び
図4を参照すると、封止部材2は、絶縁ハウジング11の収容溝115に提供され、当接面111aとパネル9との間に当接している。本実施形態では、封止部材2の材料は、ゴムであり、封止部材2は、環状体21と、4つの位置決め支柱22と、2つの第1の環状リブ23と、8つの第2の環状リブ24と、4つの第3の環状リブ25と、4つの支持リブ26と、を備える。
【0033】
環状体21は、収容溝115と形状が一致しており、開口部211と、両側に位置決めされている第1の表面212及び第2の表面213と、第1の表面212及び第2の表面213を貫通している4つの貫通穴214と、を有する。開口部211は、パネル9の装着穴91と同じ形状であり、嵌合部112が内部を通過することを可能にする実質的に四角形の断面を有する挿入開口部211aと、挿入開口部211aの上側及び下側からそれぞれ延在する2つのガイド開口部211bと、を有する。封止部材2を電気コネクタ1に組み立てるプロセスでは、封止部材2は、絶縁ハウジング11のガイド開口部211b及びガイド部113によって電気コネクタ1にガイドされ、電気コネクタ1と位置合わせされ得、これにより、組み立てが容易になり、組み立てたときに、第2の表面213が当接面111aに面し、第1の表面212はパネル9に面する。貫通穴214は、パネル9の貫通穴92及び基部111の締結穴111dに対して、前後方向D1に対応する。
【0034】
図6及び
図7を共に参照すると、位置決め支柱22は、第2の表面213から突出し、2つの隣接する位置決め支柱22が1対であり、2対の位置決め支柱22は、環状体21の2つの短辺にそれぞれ隣接し、位置決め支柱22の各対は、2つの貫通穴214の間に位置決めされている。各位置決め支柱22は、マッシュルーム形状(傘状キノコ形状)であり、拡大している自由端部221を有する。位置決め支柱22は、基部111の位置決め穴111cの内部を通過するために使用され、それに対応して、位置決め穴111cによって制限される。具体的には、本実施形態では、位置決め支柱22がそれぞれ位置決め穴111cを通過するとき、自由端部221が基部111の後面111bに当接し、そのため、封止部材2と絶縁ハウジング11とが互いに対して固定される。次いで、締結具8は、貫通穴92及び貫通穴214の中を順に通り、締結穴111dに挿入されて基部111に係止されるようになり、これにより、電気コネクタ1がパネル9に係止されるようになる。このため、封止部材2は、パネル9と絶縁ハウジング11の当接面111aとの間に緊密に締付けられ得る。本実施形態では、「に挿入する」とは、第1の物体が、第2の物体によって画定された穴に進入することを意味し、第1の物体が、第2の物体の内部を通過することはなく、このため、第1の物体の端が、第2の物体の外側に露出しないように、第2の物体に進入するようになることを意味するが、他の実施形態は、上記の定義に限定されない。加えて、位置決め支柱22及び位置決め穴111cの数を一致させることができ、また、様々な実施形態では、各々が1つの個数で提供され、封止部材2と絶縁ハウジング11とが互いに対して固定されるのと同じ効果を達成することができる。
【0035】
2つの第1の環状リブ23は、環状体21の第1の表面212及び環状体21の第2の表面213からそれぞれ突出し、その中で環状体21の周囲に沿って開口部211を取り囲む。第1の表面212に位置決めされた第1の環状リブ23は、パネル9に当接し、これは、装着穴91を介して、第1の表面212とパネル9との間の間隙を通って電子装置内に水分が滲出することを防止する。第2の表面213に位置決めされた第1の環状リブ23は、その中で位置決め支柱22を取り囲み、基部111の当接面111aに当接し、装着穴91及び開口部211を介して第2の表面213と当接面111aとの間の間隙を通って水分が電子装置内に滲出することを更に防止する。
【0036】
第2の環状リブ24は、環状体21の第1の表面212及び第2の表面213からそれぞれ突出し、高さが第1の環状リブ23と同じである。第2の環状リブ24の全てにおいて、第1の表面212に位置決めされた4つの第2の環状リブ24は、それぞれ貫通穴214を取り囲み、パネル9に当接するために使用され、第2の表面213に位置決めされた他の4つの第2の環状リブ24は、貫通穴214をそれぞれ取り囲み、当接面111aに当接するために使用される。
【0037】
本実施形態では、貫通穴214は、環状体21の四隅にそれぞれ位置決めされ、第1の表面212の第1の環状リブ23及び第2の表面213の第1の環状リブ23の両方がその中で貫通穴214を取り囲む。更に、第1の表面212に位置決めされている第2の環状リブ24及び第1の環状リブ23は、環状体21の四隅に接続され、第2の表面213に位置決めされている第2の環状リブ24及び第1の環状リブ23は、環状体21の四隅に接続され、これにより同じ表面に位置決めされたそれぞれの第2の環状リブ24及び第1の環状リブ23が、それらによって共有される部分を有する。当然のことながら、様々な実施形態では、第2の環状リブ24は、同じ表面に位置決めされた第1の環状リブ23から分離させて、離間させてもよい。第1の環状リブ23は、その中で第2の環状リブ24を取り囲み、これにより、貫通穴92及び貫通穴214から電子装置への水分の滲出防止を更に高めることができる。
【0038】
第3の環状リブ25は、環状体21の第2の表面213に提供され、位置決め支柱22をそれぞれ取り囲む。位置決め支柱22が位置決め穴111cの内部を通過して、位置決め穴111cに固定されると、第3の環状リブ25は、基部111の当接面111aに当接する。第3の環状リブ25及び位置決め支柱22の自由端部221は、位置決め穴111cを一緒に封止して、位置決め穴111cを介して電子装置内に水分が滲出することを防止するようにする。
【0039】
支持リブ26は、第1の表面212に提供され、第2の表面213の所定の位置に位置決めされている第3の環状リブ25に対応する。支持リブ26は、第1の環状リブ23及び第2の環状リブ24と同じ高さであり、これにより、パネル9に当接して、それぞれ、第3の環状リブ25を補完的に支持することにより、当接面111aに緊密に当接することができる第3の環状リブ25を構成する。
【0040】
図8及び
図9を参照すると、本開示の電気接続装置100の第2の実施形態は、2つの締結具8によって電子装置(図示せず)のパネル9に固定するように適合されている。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と実質的に同じであり、第2の実施形態と第1の実施形態との唯一の差を以下に詳細に説明する。
【0041】
図10〜
図12を同様に参照すると、電気接続装置100は、電気コネクタ1及び封止部材2を備える。電気コネクタ1は、絶縁ハウジング11及び複数の端子12を備える。この実施形態では、絶縁ハウジング11の基部111は、楕円形である。絶縁ハウジング11の締結穴111dの数を調整して、パネル9の貫通穴92の数に対応する2個にする。基部111は、4つの穴壁111eを更に有し、これらは、位置決め穴111cをそれぞれ画定する(
図14を参照)。第1の実施形態の位置決め穴111cが当接面111a及び後面111bを貫通するのに対して、第2の実施形態の位置決め穴111cは、水分が位置決め穴111cを介して電子装置に滲出することができないように、後面111bを貫通しない止まり穴として設計されていることに特に留意されたい。複数の端子12は、上下方向に2列に配置され、同様に、インサート成形技術によって絶縁ハウジング11の基部111によって被覆される。
【0042】
封止部材2は、環状体21、4つの位置決め支柱22、2つの第1の環状リブ23、及び4つの第2の環状リブ24を備える。環状体21の開口部211は、嵌合部112が内部を通過することを可能にする挿入開口部211a、及び挿入開口部211aの上側から延在するガイド開口部211bを有し、これにより、封止部材2が絶縁ハウジング11に組み立てられる過程において、ガイド開口部211b及びガイド部113によって絶縁ハウジング11にガイドされ、絶縁ハウジング11と位置合わせされ得るようになり、これにより組み立てが容易になる。加えて、環状体21の貫通穴214の数は2に調整されるので、第2の環状リブ24の数はそれに対応して4に調整される。第1の環状リブ23及び第2の環状リブ24は、機能が第1実施形態と同様であるので、ここには再度記載しない。
【0043】
図13及び
図14を同様に組み合わせて参照すると、各位置決め支柱22は、拡大している自由端部221を有する。位置決め支柱22が基部111の位置決め穴111cに挿入されるとき、位置決め支柱22の自由端部221が絞られ、穴壁111eによってわずかに変形し、これにより、位置決め支柱22が位置決め穴111cに緊密に装嵌され得、封止部材2及び電気コネクタ1が互いに対して固定される。加えて、第2の実施形態の位置決め穴111cは止まり穴であるため、位置決め穴111cから水分が滲出する心配をする必要がなく、このため、第1の実施形態のように(
図6参照)、第3の環状リブ25を有する第2の実施形態の封止部材2を設計する必要がなく、このため、開発及び製造のコストが節約されることに留意されたい。
【0044】
結論として、本開示の電気接続装置100では、第1の環状リブ23は、周囲に沿って封止部材2の環状体21の2つの反対の表面に形成されており、それに対応して、パネル9及び電気コネクタ1の当接面111aに当接して、これにより、パネル9の装着穴91を介して水分が電子装置内に滲出することを防止し、更に、第2の環状リブ24は、環状体21の貫通穴214を取り囲み、これにより、パネル9の貫通穴92を介して電子装置に水分が滲出することを更に防止することができる。また、絶縁ハウジング11の位置決め穴111cは、基部111を貫通する穴であり、封止部材2の位置決め支柱22の周りの第3の環状リブ25及び位置決め支柱22の自由端部221が、互いに協働して位置決め穴111cを封止し、これにより、水分が電子装置に滲出することを防止することができる。したがって、本開示の目的を達成することができる。
【0045】
しかしながら、上記のものは、本開示の範囲を限定することを意図していない本開示の実施形態にすぎず、特許請求の範囲に従って作製された任意の単純な等価な改変及び変形、並びに本開示の明細書もまた、本開示の範囲内に含まれる。