(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ホイートストンブリッジ回路において、前記第1のカンチレバーの抵抗の第1端子と、前記第2のカンチレバーの抵抗の第1端子とが、検出電圧の供給線に接続されており、
前記圧力検出部は、前記第1のカンチレバーの抵抗の第2端子の電圧と、前記第2のカンチレバーの抵抗の第2端子の電圧とに基づいて、前記流体の圧力変動を検出する
ことを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態による圧力センサについて図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態による圧力センサ1の一例を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、圧力センサ1は、圧力検出回路部40と、風検出回路部50と、圧力検出部60とを備えている。
【0018】
圧力検出回路部40は、圧力伝達媒体(例えば、空気などの流体)の圧力(測定対象圧力)の変化を検出する検出回路である。圧力検出回路部40は、後述するキャビティ10(
図2参照)の内部圧力と測定対象圧力(外部圧力)との差圧に応じた差圧検出値(圧力変動値)を検出する。また、圧力検出回路部40は、ホイートストンブリッジ回路41と、差動増幅回路42とを備えている。
【0019】
ホイートストンブリッジ回路41は、後述する圧力センサ部110が有する抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)と、抵抗R2と、抵抗R3と、抵抗R4とを備えている。
抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN1に接続されており、キャビティ10内外の差圧に応じて抵抗が変化する。抵抗R1は、例えば、ピエゾ抵抗(後述するドープ層6)である。また、抵抗R2は、第1端がノードN1に、第2端が電源線GNDに接続されている。
【0020】
また、抵抗R3は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN2に接続され、抵抗R4は、第1端がノードN2に、第2端が電源線GNDに接続されている。抵抗R1は、圧力センサ部110内に構成されており、抵抗R3及び抵抗R4は、圧力センサ部110の外部に備えられた外付け抵抗である。また、抵抗R2(参照抵抗Rref1)は、図示を省略するが、例えば、抵抗R1と同一の形状であり、且つ、撓み変形しないピエゾ抵抗である。抵抗R2は、例えば、抵抗R1と温度特性が同一になるように形成された抵抗であり、圧力センサ部110内に構成されてもよいし、圧力センサ部110の近傍の外部に備えられてもよい。なお、抵抗R1と抵抗R2との温度特性を一致させることにより、圧力検出回路部40は、温度変動による検出結果への影響を低減することができる。
【0021】
差動増幅回路42は、例えば、計測アンプ(インスツルメンテーションアンプ)であり、ノードN1とノードN2との電位差を増幅して出力信号として出力する。差動増幅回路42は、反転入力端子(−端子)がノードN1に接続され、非反転入力端子(+端子)がノードN2に接続されている。
【0022】
風検出回路部50は、圧力伝達媒体(例えば、空気などの流体)の流れ(例えば、圧力センサ1の近傍の風)を検出する検出回路である。風検出回路部50は、キャビティ10の外部における流体の流れ(例えば、風)を検出する。また、風検出回路部50は、ホイートストンブリッジ回路51と、差動増幅回路52とを備えている。
【0023】
ホイートストンブリッジ回路51は、後述する風センサ部120が有する抵抗R5(誤差検出抵抗Rsen2)と、抵抗R6と、抵抗R7と、抵抗R8とを備えている。
抵抗R5(誤差検出抵抗Rsen2)は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN3に接続されており、キャビティ10の外部における風に応じて抵抗が変化する。抵抗R5は、例えば、ピエゾ抵抗である。また、抵抗R6は、第1端がノードN3に、第2端が電源線GNDに接続されている。
【0024】
また、抵抗R7は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN4に接続され、抵抗R8は、第1端がノードN4に、第2端が電源線GNDに接続されている。抵抗R5は、風センサ部120内に構成されており、抵抗R7及び抵抗R8は、風センサ部120の外部に備えられた外付け抵抗である。また、抵抗R6(参照抵抗Rref2)は、図示を省略するが、例えば、抵抗R5と同一の形状であり、且つ、撓み変形しないピエゾ抵抗である。抵抗R6は、例えば、抵抗R5と温度特性が同一になるように形成された抵抗であり、風センサ部120内に構成されてもよいし、風センサ部120の近傍の外部に備えられてもよい。なお、抵抗R5と抵抗R6との温度特性を一致させることにより、風検出回路部50は、温度変動による検出結果への影響を低減することができる。
【0025】
差動増幅回路52は、例えば、計測アンプ(インスツルメンテーションアンプ)であり、ノードN3とノードN4との電位差を増幅して出力信号として出力する。差動増幅回路52は、反転入力端子(−端子)がノードN3に接続され、非反転入力端子(+端子)がノードN4に接続されている。差動増幅回路52は、風に起因する誤差成分である風起因変動分を出力する。
【0026】
ここで、
図2及び
図3を参照して、本実施形態による圧力センサ部110及び風センサ部120の構成について説明する。
図2は、本実施形態による圧力センサ部110及び風センサ部120の構成例を示す断面図である。また、
図3は、本実施形態による圧力センサ部110の構成例を示す図である。
なお、
図2及び
図3において、本実施形態では、圧力センサ部110の厚み方向(Z軸方向)に沿ったカンチレバー3側を上方、その反対側を下方といい、カンチレバー3の平面視で長手方向をX軸方向、カンチレバー3の平面視で長手方向(X軸方向)に直交する短手方向をY軸方向として説明する。
図2に示す断面図は、XZ軸平面の断面図を示している。また、
図3に示す平面図は、
図2における領域RRのXY軸平面の平面図を示している。
【0027】
圧力センサ部110は、センサ本体2と、先端部3aが自由端とされ、基端部3bが片持ち支持されたカンチレバー3と、キャビティ10を形成するキャビティ筐体2aとを備えている。
センサ本体2は、例えば、SOI基板などの基板であり、キャビティ筐体2aを備え、当該キャビティ筐体2aにより、上方に開口する中空の有底筒状に形成されている。センサ本体2の内部空間は、キャビティ(空気室)10として機能する。すなわち、中空のセンサ本体2は、内部にキャビティ10が形成されている。
【0028】
カンチレバー3(第1のカンチレバーの一例)は、基端部3bが枠部13を介してセンサ本体2に接続され、且つ先端部3aが自由端とされた片持ち梁構造とされ、キャビティ10を覆うように配置されている。カンチレバー3は、ギャップG1を除くキャビティ10の開口面を塞ぐように基端部3bから先端部に向けて一方向に延びる板状であり、キャビティ10の内部と外部との圧力差に応じて撓み変形する。また、カンチレバー3は、レバー本体20と、レバー本体20とセンサ本体2とを接続するとともにレバー本体20を片持ち状態で支持する複数のレバー支持部21とを有し、キャビティ10を覆うように配置される。なお、本実施形態では、カンチレバー3は、センサ本体2の開口部よりもキャビティ10の内側に配置されている。
【0029】
ギャップG1は、平面視でキャビティ10の内部に連通する領域内に形成され、空気をキャビティ10の内外に流通させる連通孔として機能する。
カンチレバー3の基端部3bには、該カンチレバー3を厚さ方向(Z軸方向)に貫通する平面視コ形状(C形状)のギャップG2(区画溝)が形成されている。このギャップG2は、カンチレバー3の基端部3bにおいて圧力センサ部110の短手方向(Y軸方向)の中央部に配置されている。これにより、カンチレバー3は基端部3bを中心として撓み変形し易い構造とされている。
【0030】
2つのレバー支持部21は、ギャップG2を挟んで短手方向(Y軸方向)に並ぶように配置され、レバー本体20と枠部13とを接続するとともにレバー本体20を片持ち状態で支持している。従って、カンチレバー3は、これらレバー支持部21を中心に撓み変形する。
なお、2つのレバー支持部21の短手方向(Y軸方向)に沿った支持幅は、同等とされている。従って、カンチレバー3が撓み変形した際、一方のレバー支持部21に作用する単位面積当たりの応力と、他方のレバー支持部21に作用する単位面積当たりの応力とは同等とされている。
【0031】
上述したカンチレバー3には、ピエゾ抵抗(抵抗素子)であるドープ層6(不純物半導体層)が全面に亘って形成されている。このドープ層6は、例えばリン等のドープ材(不純物)がイオン注入法や拡散法等の各種の方法によりドーピングされることで形成されている。
ドープ層6のうち、カンチレバー3が形成された部分(レバー支持部21に形成されている部分を含む)は、上述した抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)として機能する。抵抗R1は、レバー支持部21の撓み量に応じて抵抗値が変化する。
また、ドープ層6の上面には、ドープ層6よりも電気抵抗率が小さい導電性材料(例えば、Au(金)等)からなる電極(D1、D2)が形成されている。この電極(D1、D2)は、平面視でカンチレバー3を囲む枠状に形成され、ギャップG1及びギャップG3によって、電極D1と、電極D2に分離されている。なお、電極D1は、抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)の第1端として機能し、電圧Vccの供給線が接続され、電極D2は、抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)の第2端として機能し、差動増幅回路42の反転入力端子(−端子)が接続される。
【0032】
風センサ部120は、カンチレバー4を備え、キャビティ10を備えないことを除いて、圧力センサ部110と同一の構造を持っている。
カンチレバー4(第2のカンチレバーの一例)は、キャビティ10の外部に片持ち状態で支持され、キャビティ10の外部における流体の流れ(例えば、風)に応じて撓み変形する。カンチレバー4は、カンチレバー3と同一材質及び同一形状になるように構成されている。カンチレバー4は、キャビティ10の外部における圧力変動に影響を与えないように、カンチレバー3の近傍に配置されている。なお、本実施形態において、カンチレバー4は、無風の状態において、カンチレバー3の平面と垂直になるように(XZ平面に平行になるように)配置されている。
【0033】
カンチレバー4には、図示を省略するが、カンチレバー3と同様に、ピエゾ抵抗(抵抗素子)であるドープ層(不純物半導体層)が全面に亘って形成されている。このドープ層のうち、カンチレバー4が形成された部分(レバー支持部に形成されている部分を含む)は、上述した抵抗R5(誤差検出抵抗Rsen2)として機能する。抵抗R5は、レバー支持部の撓み量に応じて抵抗値が変化する。
【0034】
また、風センサ部120には、図示を省略するが、カンチレバー3と同様に、2つの電極が形成されている。この2つの電極は、平面視でカンチレバー4を囲む枠状に形成され、ギャップによって分離されている。なお、2つの電極のうちの1つは、抵抗R5(誤差検出抵抗Rsen2)の第1端として機能し、電圧Vccの供給線が接続され、もう一方の電極は、抵抗R5(誤差検出抵抗Rsen2)の第2端として機能し、差動増幅回路52の反転入力端子(−端子)が接続される。
【0035】
図1の説明に戻り、圧力検出部60は、カンチレバー3の撓み変形に応じたカンチレバー3の抵抗変化と、カンチレバー4の撓み変形に応じたカンチレバー4の抵抗変化とに基づいて、流体の圧力変動を検出する。圧力検出部60は、例えば、カンチレバー3の抵抗変化に基づいて検出された差圧検出値から、カンチレバー4の抵抗変化に基づいて検出された流体の流れに起因する誤差成分を除外して、流体の圧力変動を検出する。すなわち、圧力検出部60は、圧力検出回路部40の差動増幅回路42が出力する差圧検出値から、風検出回路部50の差動増幅回路52が出力する風起因変動分(誤差成分)を減算した出力を、圧力変動情報として出力する。このように、圧力検出部60は、ホイートストンブリッジ回路41の出力と、ホイートストンブリッジ回路51の出力とに基づいて、流体の圧力変動を検出する。
【0036】
ここで、圧力検出回路部40が、カンチレバー3の抵抗変化(差圧検出抵抗Rsen1の抵抗変化)によって検出した差圧検出値には、圧力変動分と、風起因変動分(誤差成分)とが含まれている。また、風検出回路部50は、カンチレバー4の抵抗変化(誤差検出抵抗Rsen2の抵抗変化)によって、風起因変動分(誤差成分)を検出する。圧力検出部60は、下記の式(1)により、差圧検出値の圧力変動分のみを算出する。
【0037】
圧力変動情報=圧力検出回路部40の差圧検出値−風検出回路部50の誤差検出値
=(圧力変動分+風起因変動分)−風起因変動分
=圧力変動分 ・・・ (1)
【0038】
圧力検出部60は、式(1)により、算出した差圧検出値の圧力変動分を、圧力変動情報として出力する。
【0039】
次に、図面を参照して、本実施形態により圧力センサ1の動作について説明する。
まず、
図4及び
図5を参照して、本実施形態における圧力センサ部110及び圧力検出回路部40の動作について説明する。ここでは、圧力伝達媒体(例えば、空気)の圧力が変化した場合のカンチレバー3の動作と、その時の圧力検出回路部40の出力特性について説明する。
なお、以下の説明において、空気の圧力は、外圧Poutと表記することとする。外圧Poutは、カンチレバー3のキャビティ筐体2aへの配設面と対向する面(すなわち、
図2における下面)側の圧力である。また、キャビティ10内部の内圧を内圧Pinと定義し、外圧Poutとする。
【0040】
図4は、本実施形態における圧力検出回路部40の出力信号の一例を示す図である。
ここで、
図4(a)は、外圧Pout及び内圧Pinの経時変化を示しており、
図4(b)は、圧力検出回路部40の出力信号の経時変化を示している。
また、
図5は、実施形態における圧力センサ部110の動作の一例を示す図であり、
図2及び
図3に示すカンチレバー3の動作の一例を模式的に示す断面図である。
ここで、
図5(a)は、初期状態のカンチレバー3の断面図を示し、
図5(b)は、外圧Poutが内圧Pinより高い状態のカンチレバー3の断面図を示している。また、
図5(c)は、キャビティ10内外の圧力が同じに戻った状態のカンチレバー3の断面図を示している。
【0041】
まず、
図4(a)における期間Aのように、外圧Poutと内圧Pinとが等しく、差圧ΔPがゼロである場合には、
図5(a)に示すように、カンチレバー3は、撓み変形しない。
【0042】
次に、
図4(a)における時刻t1以降の期間Bのように、例えば、外圧Poutがステップ状に上昇すると、内圧Pinは急激に変化できず、差圧ΔPが生じるため、
図5(b)に示すように、カンチレバー3は、キャビティ10内部に向けて撓み変形する。すると、当該カンチレバー3の撓み変形に応じて抵抗R1(ドープ層6)に応力が加わり、電気抵抗値が変化するので、
図4(b)に示すように、圧力検出回路部40の出力信号が増大する。
【0043】
また、外圧Poutの上昇以降(時刻t1以降)において、ギャップG1を介してキャビティ10の外部から内部へと空気が徐々に流動する。このため、
図4(a)に示すように、内圧Pinは、時間の経過とともに、外圧Poutに遅れながら、かつ外圧Poutの変動よりも緩やかな応答で上昇する。
その結果、内圧Pinが外圧Poutに徐々に近づくので、カンチレバー3の撓みが徐々に小さくなり、時刻t2以降において、
図4(b)に示すように、上述の出力信号が、徐々に低下する(期間C)。
【0044】
そして、
図4(a)に示す時刻t3以降の期間Dのように、内圧Pinが外圧Poutと同じになると、
図5(c)に示すように、カンチレバー3の撓み変形が解消され、
図5(a)に示す初期状態に復帰する。さらに、
図4(b)に示すように、圧力検出回路部40の出力信号も期間Aの初期状態と同値に戻る。
なお、圧力検出回路部40の出力信号は、初期状態における基準電圧と、抵抗R1(ドープ層6)の抵抗変化に基づいて増幅された信号との加算となる。初期状態における基準電圧は、カンチレバー3に加わる差圧ΔPがゼロの場合の、
図1に図示したホイートストンブリッジ回路41のノードN1とノードN2との電圧差を差動増幅回路42で増幅した電圧値となる。
【0045】
なお、上述した圧力センサ部110では、SOI基板のシリコン活性層を利用して半導体プロセス技術によりカンチレバー3を形成できるので、非常に薄型化(例えば数十から数百nm厚)しやすい。したがって、圧力センサ部110では、微小な圧力変動の検出を精度よく行うことができる。
さらに、圧力センサ部110では、外圧Poutが非常に緩やかに変化する場合、ギャップG1による空気の流動制限機能が作用せず、内圧Pinは外圧Poutに対して時間遅れせず、ほぼ同じ圧力値となり、差圧ΔPが発生しない。圧力センサ部110では、これを逆に利用し、外圧Poutが非常に遅い変化速度の場合(例えば、気象変化のような気圧変化の場合)、外圧Poutの変化を無視することが可能となる。よって、圧力センサ部110は、気象変化のような気圧変化をノイズとして除去することが可能になる。
【0046】
なお、圧力センサ部110の近傍に風がある場合には、カンチレバー3が風に応じて撓み変形する。そのため、上述した圧力検出回路部40の出力信号には、圧力変動分と風起因変動分とが含まれる。
【0047】
次に、本実施形態における風センサ部120及び風検出回路部50の動作について説明する。
風センサ部120の構成は、キャビティ10を備えない点を除いて、圧力センサ部110と同様の構成である。風センサ部120では、キャビティ10を備えないため、カンチレバー4は、外圧Poutが変化しても撓み変形しない。風センサ部120では、圧力センサ部110の近傍に風がある場合に、カンチレバー4が風に応じて撓み変形する。
【0048】
カンチレバー4の撓み変形に応じて抵抗R5(ドープ層)に応力が加わり、電気抵抗値が変化するので、風検出回路部50は、風の強さに応じた出力信号を出力する。風検出回路部50の出力信号は、初期状態における基準電圧と、抵抗R5(ドープ層)の抵抗変化に基づいて増幅された信号との加算となる。初期状態における基準電圧は、圧力センサ部110の近傍に風がない場合の、
図1に図示したホイートストンブリッジ回路51のノードN3とノードN4との電圧差を差動増幅回路52で増幅した電圧値となる。
風検出回路部50は、圧力センサ部110の近傍の風を起因とする誤差成分(風起因変動分)を出力信号に出力する。
【0049】
次に、本実施形態における圧力検出部60の動作について説明する。
圧力検出部60は、圧力検出回路部40から出力される圧力変動分と風起因変動分とが含まれる出力信号の電圧変化を、差圧検出値として取得する。また、圧力検出部60は、風検出回路部50から出力される出力信号の電圧変化を風起因変動分(誤差成分)として取得する。圧力検出部60は、取得した差圧検出値と風起因変動分(誤差成分)との差分により、差圧変動情報を生成する。圧力検出部60は、例えば、上述した式(1)を用いて、差圧変動情報を生成する。そして、圧力検出部60は、生成した当該差圧変動情報を外部に出力する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態による圧力センサ1は、中空のセンサ本体2と、カンチレバー3(第1のカンチレバー)と、カンチレバー4(第2のカンチレバー)と、圧力検出部60とを備える。センサ本体2は、内部にキャビティ10が形成され、キャビティ10の内部と外部とを連通するギャップG1(連通孔)を有する。カンチレバー3は、ギャップG1を除くキャビティ10の開口面を塞ぐように基端部3bから先端部3aに向けて一方向に延びる板状であり、キャビティ10の内部と外部との圧力差に応じて撓み変形する。カンチレバー4は、キャビティ10の外部に片持ち状態で支持され、キャビティ10の外部における流体の流れ(例えば、空気の流れである風)に応じて撓み変形する。圧力検出部60は、カンチレバー3の撓み変形に応じたカンチレバー3の抵抗変化と、カンチレバー4の撓み変形に応じたカンチレバー4の抵抗変化とに基づいて、流体の圧力変動を検出する。
【0051】
これにより、本実施形態による圧力センサ1は、カンチレバー3の抵抗変化に基づいて検出した検出値(例えば、差圧検出値)から、流体の流れ(例えば、空気の流れである風)を起因とした誤差成分(例えば、風起因変動分)を低減することができる。すなわち、本実施形態による圧力センサ1は、例えば、圧力センサ1の近傍に風がある場合に、流体の圧力変動(例えば、圧力変動情報)に含まれる風起因変動分を低減することができる。よって、本実施形態による圧力センサ1は、圧力変動を高精度に検出することができる。
【0052】
また、本実施形態では、圧力検出部60は、カンチレバー3の抵抗変化に基づいて検出された差圧検出値から、カンチレバー4の抵抗変化に基づいて検出された流体の流れに起因する誤差成分(例えば、風起因変動分)を除外して、流体の圧力変動を検出する。
これにより、本実施形態による圧力センサ1は、誤差成分(例えば、風起因変動分)を除外することができるため、圧力変動を高精度に検出することができる。
【0053】
また、本実施形態による圧力センサ1は、ホイートストンブリッジ回路41(第1のホイートストンブリッジ回路)と、ホイートストンブリッジ回路51(第2のホイートストンブリッジ回路)とを備える。ホイートストンブリッジ回路41は、カンチレバー3の抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)を有する。ホイートストンブリッジ回路51は、カンチレバー4の抵抗R5(誤差検出抵抗Rsen2)を有する。圧力検出部60は、ホイートストンブリッジ回路41の出力と、ホイートストンブリッジ回路51の出力とに基づいて、流体の圧力変動を検出する。
これにより、本実施形態による圧力センサ1は、ホイートストンブリッジ回路という簡易な構成を利用して、さらに高精度に圧力変動を検出することができる。
【0054】
また、本実施形態では、カンチレバー4は、キャビティ10の外部における圧力変動に影響を与えないように、カンチレバー3の近傍に配置されている。
これにより、本実施形態による圧力センサ1は、圧力変動に影響を与えないように、カンチレバー4を配置することで、例えば、カンチレバー4を配置したことにより、圧力変動の検出精度が低下することを低減することができる。また、カンチレバー4をカンチレバー3の近傍に配置することにより、本実施形態による圧力センサ1は、カンチレバー3における風起因変動分を正確に検出して、当該風起因変動分による検出誤差を低減することができる。
【0055】
また、本実施形態では、カンチレバー4は、カンチレバー3と同一材質及び同一形状になるように構成されている。
これにより、カンチレバー4とカンチレバー3との特性(例えば、撓み変形による抵抗変化特性、温度特性など)を合せることができるため、本実施形態による圧力センサ1は、カンチレバー3における風起因変動分を正確に検出して、当該風起因変動分による検出誤差をさらに低減することができる。
【0056】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態による圧力センサ1aについて説明する。
本実施形態では、圧力センサ1aが、風センサ部120とは配置の異なる風センサ部120aを備える場合の一例について説明する。
【0057】
図6は、第2の実施形態による圧力センサ部110及び風センサ部120aの構成例を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態による圧力センサ1aは、圧力センサ部110と、風センサ部120aを備えている。なお、本実施形態のおける圧力検出回路部40、風検出回路部50、及び圧力検出部60は、第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明省略する。また、
図6において、
図2と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0058】
風センサ部120aでは、カンチレバー4が、カンチレバー3と同一の向きになるように配置されている。
本実施形態において、圧力センサ部110と風センサ部120aとは、同一の向きに配置されており、風センサ部120aにおける圧力センサ部110との違いは、風センサ部120aが、キャビティ筐体2aを備えずに、キャビティ10がない点である。風センサ部120aにおけるその他の構成は、圧力センサ部110と同様である。
【0059】
以上説明したように、本実施形態による圧力センサ1aでは、カンチレバー4は、カンチレバー3と同一の向きに配置されている。
これにより、本実施形態による圧力センサ1aは、カンチレバー3における風起因変動分と、カンチレバー4における風起因変動分とを近づけることができる。よって、本実施形態による圧力センサ1aは、さらに高精度に圧力変動を検出することができる。
【0060】
[第3の実施形態]
次に、図面を参照して、第3の実施形態による圧力センサ1bについて説明する。
本実施形態では、圧力センサ1bが、風センサ部120とは配置の異なる風センサ部120bを備える場合の一例について説明する。
【0061】
図7は、第3の実施形態による圧力センサ部110及び風センサ部120bの構成例を示す断面図である。
図7に示すように、本実施形態による圧力センサ1bは、圧力センサ部110と、風センサ部120bを備えている。なお、本実施形態のおける圧力検出回路部40、風検出回路部50、及び圧力検出部60は、第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明省略する。また、
図7において、
図2と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0062】
風センサ部120bでは、カンチレバー4が、カンチレバー3と同一の向きになるように配置されているとともに、当該カンチレバー4が、圧力センサ部110におけるセンサ本体2の開口部の付近に配置されている。ここで、カンチレバー4は、センサ本体2の開口部の外部側に配置されている。また、カンチレバー4の先端部と、センサ本体2との間のギャップG4は、キャビティ10の外部における圧力変動に影響を与えないように、カンチレバー3のギャップG1よりも広く形成されている。
また、本実施形態において、風センサ部120bにおけるその他の構成は、圧力センサ部110と同様である。
【0063】
以上説明したように、本実施形態による圧力センサ1bでは、カンチレバー4は、カンチレバー3と同一の向きに配置されていとともに、カンチレバー4が、圧力センサ部110におけるセンサ本体2の開口部の付近に配置されている。
これにより、本実施形態による圧力センサ1bは、カンチレバー4とカンチレバー3とを同一の向きに配置するとともに、第2の実施形態に比べて、カンチレバー4が、カンチレバー3により近い位置に配置されているため、カンチレバー3における風起因変動分と、カンチレバー4における風起因変動分とをさらに近づけることができる。
【0064】
[第4の実施形態]
次に、図面を参照して、第4の実施形態による圧力センサ1cについて説明する。
本実施形態では、圧力センサ1cが、風センサ部120とは配置の異なる風センサ部120cを備える場合の一例について説明する。
【0065】
図8は、第4の実施形態による圧力センサ部110及び風センサ部120cの構成例を示す断面図である。
図8に示すように、本実施形態による圧力センサ1cは、圧力センサ部110と、風センサ部120cを備えている。なお、本実施形態のおける圧力検出回路部40、風検出回路部50、及び圧力検出部60は、第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明省略する。また、
図8において、
図2及び
図7と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0066】
風センサ部120cでは、カンチレバー4が、カンチレバー3と同一の向きになるように配置されているとともに、当該カンチレバー4が、圧力センサ部110におけるセンサ本体2の開口部の付近に配置されている。ここで、カンチレバー4は、センサ本体2の開口部の内部側(内側)に配置されている。また、カンチレバー4の先端部と、センサ本体2との間のギャップG4は、キャビティ10の外部における圧力変動に影響を与えないように、カンチレバー3のギャップG1よりも広く形成されている。
また、本実施形態において、風センサ部120cにおけるその他の構成は、圧力センサ部110と同様である。
【0067】
以上説明したように、本実施形態による圧力センサ1cでは、カンチレバー4は、カンチレバー3と同一の向きに配置されていとともに、カンチレバー4が、圧力センサ部110におけるセンサ本体2の開口部の付近に配置されている。カンチレバー4は、センサ本体2の開口部の内側(キャビティ10内部側)に配置されている。
これにより、本実施形態による圧力センサ1cは、カンチレバー4とカンチレバー3とを同一の向きに配置するとともに、第3の実施形態に比べて、カンチレバー4が、カンチレバー3により近い位置に配置されているため、カンチレバー3における風起因変動分と、カンチレバー4における風起因変動分とをさらに近づけることができる。
【0068】
[第5の実施形態]
次に、図面を参照して、第5の実施形態による圧力センサ1dについて説明する。
本実施形態では、第1の実施形態の圧力検出部60の変形例について説明する。本実施形態による圧力センサ1dは、圧力検出部60の代わりに、1つのホイートストンブリッジ回路を利用して圧力変動情報を生成する圧力検出部60aを備える場合の一例である。
【0069】
図9は、第5の実施形態による圧力センサ1dの一例を示す機能ブロック図である。
図9に示すように、圧力センサ1dは、圧力検出部60aを備えており、圧力検出部60aは、圧力検出回路部40aと、出力処理部61とを備えている。
また、
図9において、
図1と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0070】
圧力検出回路部40aは、圧力伝達媒体(例えば、空気などの流体)の圧力(測定対象圧力)の変化を検出する検出回路である。また、圧力検出回路部40aは、ホイートストンブリッジ回路41aと、差動増幅回路42とを備えている。
【0071】
ホイートストンブリッジ回路41aは、圧力センサ部110が有する抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)と、風センサ部120が有する抵抗R2(誤差検出抵抗Rsen2)と、抵抗R3と、抵抗R4とを備えている。すなわち、圧力検出部60aは、カンチレバー3の抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)と、カンチレバー4の抵抗R2(誤差検出抵抗Rsen2)とを有するホイートストンブリッジ回路41aを備えている。
【0072】
抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN1に接続されており、キャビティ10内外の差圧に応じて抵抗が変化する。抵抗R1は、例えば、カンチレバー3のピエゾ抵抗(ドープ層6)である。
また、抵抗R2(誤差検出抵抗Rsen2)は、第1端がノードN1に、第2端が電源線GNDに接続されており、風に応じて抵抗が変化する。抵抗R2は、例えば、カンチレバー4のピエゾ抵抗(ドープ層)である。なお、抵抗R2は、風起因変動分を検出するための抵抗として機能するとともに、抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)を温度補償するためのレファレンス抵抗としても機能する。
ここで、ホイートストンブリッジ回路41aにおいて、抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)と、抵抗R2(誤差検出抵抗Rsen2)とが直列に接続されている。
【0073】
また、抵抗R3は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN2に接続され、抵抗R4は、第1端がノードN2に、第2端が電源線GNDに接続されている。抵抗R1は、圧力センサ部110内に構成されており、抵抗R2は、風センサ部120内に構成されている。また、抵抗R3及び抵抗R4は、圧力センサ部110及び風センサ部120の外部に備えられた外付け抵抗である。
なお、圧力センサ部110及び風センサ部120の構成は、
図2及び
図3に示す第1の実施形態の構成と同様である。
【0074】
差動増幅回路42は、例えば、計測アンプ(インスツルメンテーションアンプ)であり、ノードN1とノードN2との電位差を増幅して出力信号として出力する。差動増幅回路42は、反転入力端子(−端子)がノードN1に接続され、非反転入力端子(+端子)がノードN2に接続されている。
【0075】
ここで、ノードN1の電位は、圧力変動分及び風起因変動分が含まれる圧力センサ部110のカンチレバー3の抵抗変化と、風起因変動分である風センサ部120のカンチレバー4の抵抗変化とで決定される。すなわち、ノードN1の電位は、カンチレバー3の抵抗変化のうちから、風起因変動分であるカンチレバー4の抵抗変化が除外された圧力変動分により変化する。そのため、差動増幅回路42は、上述した式(1)と同等の処理を行っていることになり、差動増幅回路42の出力は、風起因変動分が除外された圧力変動に相当する。
【0076】
このように、圧力検出回路部40aは、ホイートストンブリッジ回路41aを利用して、カンチレバー3の抵抗変化に基づいて検出された差圧検出値から、カンチレバー4の抵抗変化に基づいて検出された流体の流れに起因する誤差成分を除外して、流体の圧力変動を検出するのと同等の処理を実行する。
また、出力処理部61は、差動増幅回路42の出力信号を、圧力変動情報に変換して、外部に出力する。
【0077】
以上説明したように、本実施形態による圧力センサ1dでは、圧力検出部60aは、カンチレバー3の抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)と、カンチレバー4の抵抗R2(誤差検出抵抗Rsen2)とを有するホイートストンブリッジ回路41aを備える。
これにより、本実施形態による圧力センサ1dは、1つのホイートストンブリッジ回路41aを利用して、上述したように、風起因変動分が除外した圧力変動情報を生成することができる。すなわち、本実施形態による圧力センサ1dは、1つのホイートストンブリッジ回路41aを備えるという簡易な構成により、圧力変動を高精度に検出することができる。
【0078】
また、本実施形態では、ホイートストンブリッジ回路41aにおいて、抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)と、抵抗R2(誤差検出抵抗Rsen2)とが直列に接続されている。
これにより、抵抗R2(誤差検出抵抗Rsen2)は、風起因変動分が除外するとともに、差圧検出値の温度依存及び抵抗値バラツキによる検出誤差を低減するための参照抵抗としても機能する。よって、本実施形態による圧力センサ1dは、風起因変動分の影響を低減するとともに、温度変化の影響を低減して、さらに高精度に圧力変動を検出することができる。
【0079】
[第6の実施形態]
次に、図面を参照して、第6の実施形態による圧力センサ1eについて説明する。
本実施形態では、第5の実施形態の圧力検出部60aの変形例について説明する。本実施形態による圧力センサ1eは、1つのホイートストンブリッジ回路を利用して圧力変動情報を生成する場合の別の一例である。
【0080】
図10は、第6の実施形態による圧力センサ1eの一例を示す機能ブロック図である。
図10に示すように、圧力センサ1eは、圧力検出部60bを備えており、圧力検出部60bは、圧力検出回路部40bと、出力処理部61とを備えている。
また、
図10において、
図9と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0081】
圧力検出回路部40bは、圧力伝達媒体(例えば、空気などの流体)の圧力(測定対象圧力)の変化を検出する検出回路である。また、圧力検出回路部40bは、ホイートストンブリッジ回路41bと、差動増幅回路42とを備えている。
【0082】
ホイートストンブリッジ回路41bは、圧力センサ部110が有する抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)と、抵抗R2と、風センサ部120が有する抵抗R3(誤差検出抵抗Rsen2)と、抵抗R4とを備えている。すなわち、圧力検出部60bは、カンチレバー3の抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)と、カンチレバー4の抵抗R3(誤差検出抵抗Rsen2)とを有するホイートストンブリッジ回路41bを備えている。
【0083】
抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN1に接続されており、キャビティ10内外の差圧に応じて抵抗が変化する。抵抗R1は、例えば、カンチレバー3のピエゾ抵抗(ドープ層6)である。また、抵抗R2は、第1端がノードN1に、第2端が電源線GNDに接続されている。
【0084】
また、抵抗R3(誤差検出抵抗Rsen2)は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN2に接続されており、風に応じて抵抗が変化する。抵抗R3は、例えば、カンチレバー4のピエゾ抵抗(ドープ層)である。なお、抵抗R3は、風起因変動分を検出するための抵抗として機能するとともに、抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)を温度補償するためのレファレンス抵抗(参照抵抗)としても機能する。
【0085】
ここで、ホイートストンブリッジ回路41bにおいて、抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)の第1端子と、抵抗R3(誤差検出抵抗Rsen2)の第1端子とが、電圧Vcc(検出電圧)の供給線に接続されている。
また、抵抗R4は、第1端がノードN2に、第2端が電源線GNDに接続されている。抵抗R1は、圧力センサ部110内に構成されており、抵抗R3は、風センサ部120内に構成されている。また、抵抗R2及び抵抗R4は、圧力センサ部110及び風センサ部120の外部に備えられた外付け抵抗である。
なお、圧力センサ部110及び風センサ部120の構成は、
図2及び
図3に示す第1の実施形態の構成と同様である。
【0086】
差動増幅回路42は、例えば、計測アンプ(インスツルメンテーションアンプ)であり、ノードN1とノードN2との電位差を増幅して出力信号として出力する。差動増幅回路42は、反転入力端子(−端子)がノードN1に接続され、非反転入力端子(+端子)がノードN2に接続されている。
【0087】
ここで、ノードN1の電位は、圧力変動分及び風起因変動分が含まれる圧力センサ部110のカンチレバー3の抵抗変化により決定され、圧力変動分と風起因変動分との両方を含んでいる。また、ノードN2の電位は、風起因変動分が含まれる風センサ部120のカンチレバー4の抵抗変化により決定され、風起因変動分を含んでいる。そのため、差動増幅回路42は、上述した式(1)と同等の処理を行っていることになり、差動増幅回路42の出力は、風起因変動分が除外された圧力変動に相当する。
【0088】
このように、圧力検出回路部40bは、ホイートストンブリッジ回路41bを利用して、カンチレバー3の抵抗変化に基づいて検出された差圧検出値から、カンチレバー4の抵抗変化に基づいて検出された流体の流れに起因する誤差成分を除外して、流体の圧力変動を検出するのと同等の処理を実行する。
【0089】
以上説明したように、本実施形態による圧力センサ1eでは、圧力検出部60bは、カンチレバー3の抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)と、カンチレバー4の抵抗R3(誤差検出抵抗Rsen2)とを有するホイートストンブリッジ回路41bを備える。
これにより、本実施形態による圧力センサ1eは、1つのホイートストンブリッジ回路41bを利用して、上述したように、風起因変動分が除外した圧力変動情報を生成することができる。すなわち、本実施形態による圧力センサ1eは、1つのホイートストンブリッジ回路41bを備えるという簡易な構成により、圧力変動を高精度に検出することができる。
【0090】
また、本実施形態では、ホイートストンブリッジ回路41bにおいて、抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)の第1端子と、抵抗R2(誤差検出抵抗Rsen2)の第1端子とが、検出電圧(電圧Vcc)の供給線に接続されている。圧力検出部60bは、抵抗R1(差圧検出抵抗Rsen1)の第2端子(ノードN1)の電圧と、抵抗R2(誤差検出抵抗Rsen2)の第2端子(ノードN2)の電圧とに基づいて、流体の圧力変動を検出する。
これにより、抵抗R2(誤差検出抵抗Rsen2)は、風起因変動分が除外するとともに、差圧検出値の温度依存及び抵抗値バラツキによる検出誤差を低減するための参照抵抗としても機能する。よって、本実施形態による圧力センサ1eは、風起因変動分の影響を低減するとともに、温度変化の影響を低減して、さらに高精度に圧力変動を検出することができる。
【0091】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の第1の実施形態において、圧力検出部60に圧力検出回路部40及び風検出回路部50が含まれない例を説明したが、圧力検出回路部40及び風検出回路部50が、圧力検出部60に含まれるようにしてもよい。
【0092】
また、上記の第5及び第6の実施形態において、第1の実施形態の圧力センサ部110及び風センサ部120に対して圧力検出部60a(圧力検出部60b)を適用する例を説明したが、これに限定されるものではない。圧力センサ部110及び第2〜第4の実施形態の風センサ部120a〜120cに対して圧力検出部60a(圧力検出部60b)を適用するようにしてもよい。
【0093】
また、上述の圧力検出部60は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した風起因変動分を除外する処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0094】
また、上記の各実施形態において、圧力センサ1(1a〜1e)は、圧力伝達媒体の一例として、空気の圧力変動を検出する例を説明したがこれに限定されるものではなく、例えば、他の気体、液体などの他の流体の圧力を検出するようにしてもよい。
【0095】
また、上述した圧力センサ1(1a〜1e)が備える機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。