特許第6816049号(P6816049)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6816049
(24)【登録日】2020年12月25日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】エンジン駆動作業機
(51)【国際特許分類】
   F02B 63/00 20060101AFI20210107BHJP
   F02B 63/04 20060101ALI20210107BHJP
   F02B 77/13 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   F02B63/00 B
   F02B63/00 D
   F02B63/04 B
   F02B63/04 D
   F02B63/00 C
   F02B63/04 C
   F02B77/13 M
   F02B77/13 Q
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-30263(P2018-30263)
(22)【出願日】2018年2月23日
(65)【公開番号】特開2019-143575(P2019-143575A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109819
【氏名又は名称】デンヨー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100963
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 陽男
(72)【発明者】
【氏名】尾鷲 真一
【審査官】 北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3065852(JP,U)
【文献】 特開2002−242760(JP,A)
【文献】 実開平02−092037(JP,U)
【文献】 特表2013−537275(JP,A)
【文献】 特開2002−004857(JP,A)
【文献】 特開2012−036800(JP,A)
【文献】 特開2014−031719(JP,A)
【文献】 米国特許第04835405(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 63/00
F02B 63/04
F02B 77/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、該エンジンにより駆動される作業機本体とを金属製の筐体の内部に収納し、該筐体をベースの上に設置したエンジン駆動作業機であって、
前記ベースに吸気口を設けるとともに、前記筐体の一面を構成するパネルに開口部を設け、該開口部の外側に作業扉を設け、前記パネルの前記開口部内側下部に、前記吸気口と連通させてダクトを取り付け、該ダクトは、前記開口部の反対側に向かって機内側に開口する排風口を有し、該排風口とは反対側の、前記開口部と対向する側は開放部とし、前記作業扉を閉じたとき、該作業扉の内面により前記開放部が閉鎖されるようにし、前記吸気口から吸い込んだ空気を、前記ダクトを通して、前記排風口から前記筐体の内部に流すようにしたことを特徴とするエンジン駆動作業機。
【請求項2】
前記エンジンは、冷却用空気を取り入れるためのエンジン吸気口を有しており、前記ダクトの排風口は、前記エンジン吸気口に近接した対向位置に設けたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン駆動作業機。
【請求項3】
前記作業扉の内側に作業扉の施錠装置を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン駆動作業機。
【請求項4】
前記吸気口の外面を、空気が十分に通るだけの間隔をあけて覆い板で覆ったことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のエンジン駆動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン発電機,エンジン溶接機,エンジンコンプレッサのようなエンジン駆動作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋外の建設工事等で使用されるエンジン駆動作業機は、金属製の筐体内に、エンジン及び、該エンジンにより駆動される発電機,溶接機,コンプレッサ等の作業機本体が収納されている。そして、作業機の運転中には、作業機本体,エンジン等が発熱するため、筐体に、吸気口を設け、内部でエンジンファンを回転させて、外気を吸気口から取り込み、それを筐体内に流して各部を冷却した後、排風口から排出するようにしている。
【0003】
また、エンジンは、エアクリーナを通して燃焼用空気を取り入れる必要があるが、前記吸気口から取り入れた空気の一部を、エアクリーナの燃焼用空気取入口へも供給するようにしている。そのようなエンジン駆動作業機では、吸気口から十分な量の空気を取り入れながら、機内から外部に漏れ出る騒音はできるだけ少なくなるようにする必要がある。
【0004】
そこで、例えば特許文献1に示されるエンジン駆動作業機では、筐体の側壁に設けた扉に吸気口を設け、その内面に第1ダクトを設けて、前記吸気口から吸い込んだ空気を上方にガイドし、ケース内上部に第2ダクトを設け、第1ダクトを通った空気が、前記側壁に沿うように水平方向にガイドし、さらに、ケース内上部に第2ダクトと平行な方向に第3ダクトを設けている。そして、第3ダクトの底面にエンジン燃焼用空気吸入口を設け、第2ダクトを通ってきた空気の一部を第3ダクトに流入させて、燃焼用空気吸入口からエアクリーナに送り込み、第2ダクトを通ってきた空気の残部は、筐体内に放出させて、エンジンや作業機本体の冷却に使うようにしている。
【0005】
このように、第1ダクト,第2ダクト及び第3ダクトを通して燃焼用空気吸入口へ空気を送り込むようにしたことにより、エンジンの吸気音が、吸気口から外部に漏れにくくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−31719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のエンジン駆動作業機では、筐体の側壁に設けた扉に吸気口を設けたため、人の耳の高さの近くにある吸気口から漏れ出る機内の騒音が、耳障りになるという問題点があった。また、ダクトが扉に取り付けられるため、扉が重くなって開閉時に負担になる上、扉の大きさに制限されて、設計上、ダクトのサイズや配置が制約を受けるという問題点もあった。
【0008】
さらに、上記従来のエンジン駆動作業機では、第1ダクトの上部開口と第2ダクトの開口には、それらの外縁部にパッキンを設けて、扉の開閉に伴う第1ダクトの移動を許容しながら、扉を閉じたときには第1ダクトと第2ダクトの間が密閉されるようにしているが、運転中に扉が不用意に開けられると、ダクト内を空気が通らなくなって冷却性能が低下してしまうという問題点もあった。
【0009】
本発明は、そのような問題点に鑑み、ダクトのサイズ等が扉の大きさで制限されないように、吸気ダクトを扉の開口部側に設けながら、メンテナンスに支障がないようにすることを目的とするものである。また、騒音の出口となる吸気口の位置を人の耳から遠ざけて、機内の騒音が耳に入りにくくすることを目的とするものである。
【0010】
さらに、運転中に扉が不用意に開けられて、ダクト内を空気が通らなくなって冷却性能が低下してしまうというようなことが起きないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、エンジンと、該エンジンにより駆動される作業機本体とを金属製の筐体の内部に収納し、該筐体をベースの上に設置したエンジン駆動作業機であって、前記ベースに吸気口を設けるとともに、前記筐体の一面を構成するパネルに開口部を設け、該開口部の外側に作業扉を設け、前記パネルの前記開口部内側下部に、前記吸気口と連通させてダクトを取り付け、該ダクトは、前記開口部の反対側に向かって機内側に開口する排風口を有し、該排風口とは反対側の、前記開口部と対向する側は開放部とし、前記作業扉を閉じたとき、該作業扉の内面により前記開放部が閉鎖されるようにし、前記吸気口から吸い込んだ空気を、前記ダクトを通して、前記排風口から前記筐体の内部に流すようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記エンジンは、冷却用空気を取り入れるためのエンジン吸気口を有しており、前記ダクトの前記排風口は、前記エンジン吸気口に近接した対向位置に設けたことを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記作業扉の内側に該作業扉の施錠装置を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項4に係る発明は、請求項1,2又は3に係る発明において、前記吸気口の外面を、空気が十分に通るだけの間隔をあけて覆い板で覆ったことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る発明においては、ベースに吸気口を設けるとともに、筐体の一面を構成するパネルに開口部を設け、該開口部の外側に作業扉を設け、前記パネルの前記開口部内側下部に、前記吸気口と連通させてダクトを取り付け、該ダクトは、前記開口部の反対側に向かって機内側に開口する排風口を有し、該排風口とは反対側の、前記開口部と対向する側は開放部とし、前記作業扉を閉じたとき、該作業扉の内面により前記開放部が閉鎖されるようにし、前記吸気口から吸い込んだ空気を、前記ダクトを通して、前記排風口から前記筐体の内部に流すようにした。その結果、ダクトを、扉にではなく、扉用の開口部に設けても、開口部に対向するダクトの面は開放されており、それが前記排風口と連通しているため、扉を開ければ、前記排風口を通してメインテナンス作業が可能になる。また、ダクトは作業扉に設けられないため、ダクトの大きさが扉の大きさに制限されなくなって、ダクトのサイズや配置について設計上の自由度を大きくすることができる。しかも、作業扉が軽くなって開閉が楽になる上、作業扉に吸気口を設けないので外観がすっきりする。また、吸気口をベースに設けたため、人の耳から離れることになって、吸気口から漏れ出る機内の騒音が、耳に入りにくくなる。
【0016】
また、請求項2に係る発明においては、請求項1に係るエンジン駆動作業機において、前記ダクトの前記排風口を、前記エンジン吸気口に近接した対向位置に設けたので、冷却風をエンジン吸気口に直接送り込むことができ、エンジンを確実に冷却することができる。
【0017】
また、請求項3に係る発明においては、請求項1又は2に係るエンジン駆動作業機において、前記作業扉の内側に該作業扉の施錠装置を設けたので、運転中、不用意に作業扉が開けられて、冷却風の流れが妨げられてしまうようなことがなくなる。また、作業扉の外側には鍵,取手等が設けられないので外観がすっきりする。
【0018】
また、請求項4に係る発明においては、請求項1,2又は3に係るエンジン駆動作業機において、前記吸気口の外面を覆い板で覆ったので、吸気口から漏れ出る機内の騒音をより一層抑えることができるとともに、雨による水滴が吸気口から入り込むのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例に係るエンジン駆動作業機の主要部を示す図である。
図2】本発明の一実施例に係るエンジン駆動作業機の主要部の外観図である。
図3】作業扉の扉受けを示す図である。
図4】作業扉の扉受けが取り付けられた側壁パネルを示す図である。
図5】作業扉を示す図である。
図6】吸気ダクトを示す図である。
図7】筐体内でのエンジンの設置状態を示す図である。
図8】作業扉を閉じるときの状態を示す図である。
図9】ベースダクトを示す図である。
図10】吸気ダクトのベースダクト接合部のシール材貼付位置を示す図である。
図11】吸気ダクトの吸音材貼付位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の一実施例に係るエンジン駆動作業機の主要部を示す図であり、図2は、その外観図である。図1,図2において、符号1はエンジン駆動作業機の筐体、2はベース、3は作業扉、4は主扉、5は作業扉3用の扉受け、6は吸気ダクト、7はベースダクトである。
【0022】
筐体1の側壁パネル1aは、長方形の金属板の上下左右4辺の縁部を折り曲げて、その4隅を溶接してパネル状に形成し、下部に長方形の開口部を設け、その開口部に、扉受け5を嵌め込み、周囲を溶接により接合する。そして、側壁パネル1aの側縁に、主扉4用の主扉用ヒンジ1b,1bを溶接して取り付ける。さらに、扉受け5に取り付ける作業扉3を内側から施錠するための鍵用の鍵台1cを、側壁パネル1aの内側に溶接して取り付ける。
【0023】
筐体1は、ベース2の上に設置されている。ベース2には、扉受け5が設けられている側の面に、冷却風吸気口2aと燃焼用空気吸気口2bが設けられていて、それらの外面は、空気が十分に通るだけの間隔をあけて覆い板2cで覆われている。そして、覆い板2cの内側は、冷却風吸気口2aと燃焼用空気吸気口2bの間が板で仕切られ、外気は、図1に矢印で示すように、それぞれ、左右から冷却風吸気口2a,燃焼用空気吸気口2bに吸い込まれていく。このように、冷却風吸気口2aと燃焼用空気吸気口2bの前面を覆い板2cで覆ったので、冷却風吸気口2a,燃焼用空気吸気口2bから漏れ出る機内の騒音を抑えることができるとともに、雨による水滴が冷却風吸気口2a,燃焼用空気吸気口2bから入り込むのを防ぐことができる。
【0024】
図3は、作業扉の扉受けを示す図である。四つの断面コの字状の部材を四角形に囲むように組み合わせ、接合部を溶接して扉用の開口部を形成する。その開口部の周囲には、開口縁部5b,5b,5b,5bが立設された状態になり、扉受け5の外周には外枠5cが形成される。そして、図1に示したように、開口縁部5b,5b,5b,5bには、ゴム製のシール材5dが設けられる。
【0025】
また、上記四つの断面コの字状の部材の内、縦方向に延びる幅広の部材のコの字状部内側には、作業扉用ヒンジ5a,5aを溶接して取り付ける。さらに、作業扉用ヒンジ5a,5aを取り付けた面とは反対側の面に、スタッドボルト5e,5e,5e,5e,5eを溶接して取り付け、それに吸気ダクト6を取り付ける。そのような扉受け5を側壁パネル1aに取り付けた状態を図4に示す。図4は、側壁パネル1aを、表側から見た図と裏側から見た図を示している。
【0026】
作業扉を図5に示す。図5は、作業扉3を、表側から見た図と裏側から見た図を示している。作業扉3は、四角い金属板の四辺を折り曲げ、その四隅を溶接して、扉受け5の内側に収まる形状に扉外枠3aを形成し、さらに、ヒンジ3b,3bを内側に溶接して取り付ける。そして、後述する鍵のスライド棒を係止させるための鍵受け3cを、ヒンジ3b,3bとは反対側の内側に溶接して取り付ける。その鍵受け3cには、前記スライド棒を係合させる鍵係合穴3dを設ける。鍵受け3cは、強度を持たせるために両側を折り曲げ、先端部は、鍵のスライド棒の先端が当たっても、ガイドになって引っ掛からないようにするため、斜め内側に折り曲げる。そのような作業扉3のヒンジ3b,3bを、扉受け5の作業扉用ヒンジ5a,5aに枢着することにより、作業扉3を取り付ける。
【0027】
図6は、吸気ダクトを示す図である。吸気ダクト6は、冷却風流路6aと燃焼用空気流路6bを有しており、冷却風流路6aには、作業機の機内側に開口する排風口6cが設けられている。冷却風流路6aは、ベースダクト7から冷却風連通口6eを通して取り込んだ冷却風を排風口6cへ導く。燃焼用空気流路6bは、ベースダクト7から燃焼用空気連通口6fを通して取り込んだ空気を上方に導き、その上端近接部に、後述するエンジンのエアクリーナにつながるゴムパイプの下端開口部を配設して、エアクリーナに燃焼用空気を送り込む。
【0028】
冷却風流路6aと燃焼用空気流路6bの下部は、下部閉塞板6gで塞がれていて、冷却風流路6aは、仕切板6hにより、機内空間及び燃焼用空気流路6bと仕切られている。また、冷却風流路6aの排風口6cとの対向面は開放されているが、作業扉3が閉じられると、作業扉3の内面により開放部が塞がれて流路が形成される。燃焼用空気流路6bは、燃焼用空気流路封止板6iにより作業扉3側が塞がれている。
【0029】
そのような吸気ダクト6は、左右両側に設けた取付板6j,6jを、そのボルト穴に前記スタッドボルト5e,5e,5e,5e,5eを通すことにより、側壁パネル1aの内側に固定される。そのように、吸気ダクト6は、作業扉3に、ではなく側壁パネル1a側に固定されるため、吸気ダクト6の大きさや配置は作業扉3の大きさ等に関係なく決めることができ、設計上の自由度が広がり、図1に示すように、吸気ダクト6の下端部を作業扉3の下端部よりも下まで伸ばして、ベースダクト7と接続させることもできる。しかも、作業扉3も重くならずに楽に開閉ができる。
【0030】
なお、図1で示したように、仕切板6hの先端縁には、シール材6dを設けて、作業扉3を閉じたときに、作業扉3の内面と仕切板6hとの間を封止して冷却風が漏れ出ないようにする。また、作業扉3を閉じたとき、扉受け5の開口縁部5bに設けたシール材5d(図1参照)が、作業扉3の内面に当接するので、そのシール材5dにより、吸気ダクト6の下部閉塞板6gに当接する開口縁部5bと作業扉3の内面の間、及び、冷却風流路6
aの側面と作業扉3の内面の間は封止される。そして、メンテナンスのために作業扉3を開けた際には、扉受け5の扉用の開口部に吸気ダクト6があっても、吸気ダクト6の前側の開放部から排風口6cを通して作業が行える。
【0031】
筐体内でのエンジン8の設置状態を図7に示す。この実施例では、エンジン8のエンジン吸気口8aの開口方向、及び、エアクリーナ8bのフィルタ取出し方向(図中矢印方向)が同方向で、その方向に作業扉3を設けている。このようにすれば、エアクリーナ8bのフィルタの交換が、作業扉3を開けることにより簡単にできる。また、吸気ダクト6の排風口6cがエンジン吸気口8aの対向位置で近接させることができ、エンジン冷却風を効率的に送り込むことができる。なお、図中、符号1dは、鍵台1cに取り付けた鍵のスライド棒である。また、符号6mは、後述する吸音材である。
【0032】
図8は、作業扉を閉じるときの状態を示す図である。符号は、図1図7のものに対応している。鍵台1cに取り付ける鍵としては、例えば、市販されているスライド式のラッチ錠を用いることができ、そのスライド棒1dを実線で示すように外側に移動させている状態で、作業扉3を閉じると、作業扉3の内面がシール材5d,シール材6dに当接し、それらに密着して封止される。また、鍵受け3cは、内側に移動して鍵係合穴3d(図5参照)の位置がスライド棒1dの軸線と一致する。その状態で鍵のスライド棒1dをスライドさせて、作業扉3の鍵係合穴3dに差し込むと、作業扉3は施錠されて外側からは開けられなくなる。なお、スライド棒1dの操作は、主扉4を開けて内側から行う。
【0033】
このように、作業扉3の内側に作業扉3の施錠装置を設けたので、運転中、不用意に作業扉3が開けられて、冷却風の流れが妨げられてしまうようなことがなくなる。また、作業扉3の外側には鍵,取手等が設けられないので外観がすっきりする。
【0034】
図9は、ベースダクトを示す図である。冷却風取入口7aは、ベース2の冷却風吸気口2aを、燃焼用空気取入口7bは、燃焼用空気吸気口2bを、それぞれ内側から覆うように押し当てられ、冷却風と燃焼用空気を取り込む。それらは、ベースダクト7内を通って、冷却風吐出口7c、燃焼用空気吐出口7dから吸気ダクト6内に送られる。
【0035】
ベースダクト7の冷却風吐出口7c,燃焼用空気吐出口7dと対向する、吸気ダクト6の冷却風連通口6e,燃焼用空気連通口6fの内側周囲には、図10に示すように、シールゴム6kが配設されていて、空気漏れを防ぐようにしている。
【0036】
また、図11に示すように、吸気ダクト6の冷却風流路6a,燃焼用空気流路6bの内側側面には、吸音材6mを貼り付けて、機内の騒音が外部に漏れ出るのを抑えられるようにしている。また、吸気ダクト6のエンジン吸気口8aに対向する面にも吸音材6mを貼り付けて、エンジン吸気口8aでの吸気音を抑えるとともに、エンジン8から吸気ダクト6へ伝わる振動を吸収するようにしている。
【0037】
なお、上記実施例では、エンジン8のエンジン吸気口8aの開口方向が、エアクリーナ8bのフィルタ取出し方向と同方向になっている場合で説明したが、本発明は、それに限定されず、エンジン8のエンジン吸気口8aの開口方向が、エアクリーナ8bのフィルタ取出し方向とは異なっている場合であっても適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 筐体
1a 側壁パネル
1b 主扉用ヒンジ
1c 鍵台
1d スライド棒
2 ベース
2a 冷却風吸気口
2b 燃焼用空気吸気口
2c 覆い板
3 作業扉
3a 扉外枠
3b ヒンジ
3c 鍵受け
3d 鍵係合穴
4 主扉
5 扉受け
5a 作業扉用ヒンジ
5b 開口縁部
5c 外枠
5d シール材
5e スタッドボルト
6 吸気ダクト
6a 冷却風流路
6b 燃焼用空気流路
6c 排風口
6d シール材
6e 冷却風連通口
6f 燃焼用空気連通口
6g 下部閉塞板
6h 仕切板
6i 燃焼用空気流路封止板
6j 取付板
6k シールゴム
6m 吸音材
7 ベースダクト
7a 冷却風取入口
7b 燃焼用空気取入口
7c 冷却風吐出口
7d 燃焼用空気吐出口
8 エンジン
8a エンジン吸気口
8b エアクリーナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11