特許第6816105号(P6816105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キャタリスト・セラピューティクス・プロプライエタリー・リミテッドの特許一覧

特許6816105ブロモドメイン阻害剤としてのベンゾジアゼピン
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6816105
(24)【登録日】2020年12月25日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】ブロモドメイン阻害剤としてのベンゾジアゼピン
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20210107BHJP
   A61K 31/5517 20060101ALI20210107BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210107BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20210107BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210107BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20210107BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20210107BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20210107BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20210107BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20210107BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20210107BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   C07D487/04 155
   C07D487/04CSP
   A61K31/5517
   A61P43/00 111
   A61P35/02
   A61P35/00
   A61P1/16
   A61P29/00
   A61P37/06
   A61P25/16
   A61P25/28
   A61P3/10
   A61P19/02
   A61P29/00 101
【請求項の数】23
【全頁数】109
(21)【出願番号】特願2018-505587(P2018-505587)
(86)(22)【出願日】2016年8月4日
(65)【公表番号】特表2018-522043(P2018-522043A)
(43)【公表日】2018年8月9日
(86)【国際出願番号】AU2016050703
(87)【国際公開番号】WO2017020086
(87)【国際公開日】20170209
【審査請求日】2019年8月2日
(31)【優先権主張番号】2015903111
(32)【優先日】2015年8月4日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】516341822
【氏名又は名称】キャタリスト・セラピューティクス・プロプライエタリー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Catalyst Therapeutics Pty Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】クリス・バーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−マルク・ガルニエ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・パトリック・シャープ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・フュートリル
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・クズップ
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−542266(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/151512(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/184878(WO,A1)
【文献】 ACS Med. Chem. Lett.,2016年,7,145−150
【文献】 Synthesis,2010年,5,858−862
【文献】 Heterocycles,2013年,87,1765−1773
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
A61K 31/5517
A61P 1/16
A61P 3/10
A61P 19/02
A61P 25/16
A61P 25/28
A61P 29/00
A61P 35/00
A61P 35/02
A61P 37/06
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
I
[式中、
R1は、H、C1-4アルキル、CF3、CF2H、C1-4アルキルXH、およびC1-4アルキルOCOR5からなる群から選択される;ここで、X=O、Sである;
R2は、C1-4アルキル、CN、Cl、Br、Iヘテロシクリル、OC1-4アルキルヘテロアリール、C1-4アルキルC6-10アリール、C1-4アルキルテロアリール、ヒドロキシル、ニトロ、COR6、CO2R6、CONR5R6、CONHSO2R5、SO2NHCOR5、CONR5OR6、C1-4アルキルNR5R6、C1-4アルキルOR6、NR5R6、NR5COR6、NR7CONR5R6およびNR5CO2R6からなる群から独立して選択される0〜3個の置換基である;
R3は、C1-4アルキル、C3-10シクロアルキルヘテロシクリル、C6-10アリール、およびC1-4アルキルC6-10アリールからなる群から選択される;
R4は、オキソ、C1-4アルキル、C1-4アルキルOH、C1-4アルキルOCOR5、C1-4アルキルCONR5R6、C1-4アルキルC6-10アリール、およびC1-4アルキルテロアリールから選択される、同一または隣接する炭素原子上の0〜2個の基である;
R5およびR6は、水素、C1-4アルキル、C3-10シクロアルキルヘテロシクリル、C6-10アリールヘテロアリール、C1-4アルキルC6-10アリールおよびC1-4アルキルテロアリールからなる群から独立して選択される;
あるいは、R5およびR6は、同一の原子に結合して、大きさが4〜10個の炭素原子である任意に置換された環(ここで、任意に、1つまたはそれ以上の炭素原子は、O、S、S(O)、SO2、またはNR7で置き替えられる)を形成する;および
R7は、水素およびC1-4アルキルからなる群から選択される;
ここで、各ヘテロアリールは、5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環に縮合して二環式芳香環系を形成してもよい、5員または6員のヘテロ芳香環である;
ここで、各ヘテロシクリルは、1つ以上の環に縮合して二環式または多環式ヘテロシクリル系を形成してもよい、3〜6員のヘテロ環である;
およびさらに、ここで、特に明記しない限り、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、およびアリールは、C1-C3アルキル、C2-3アルケニル、C3-C6シクロアルキル、C6アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1-C3アルキルOH、オキソ、アルキルアリール、OH、OC1-C3アルキル、ハロ、CN、NO2、CO2H、CO2C1-C3アルキル、CONH2、CONH(C1-C3アルキル)、CON(C1-C3アルキル)2、トリフルオロメチル、NH2、NH(C1-C3アルキル)、N(C1-C3アルキル)2、およびCH(OH)CRR’(OH)(ここで、RおよびR’は独立してHまたはC1-4アルキルである)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される]
で示される化合物またはその薬学的に許容されるまたは溶媒和物
【請求項2】
式(II):
【化2】
II
で示される化合物またはその薬学的に許容されるまたは溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(III):
III
[ただし、R4は、0〜1個の基に限定される]
で示される化合物またはその薬学的に許容されるまたは溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R1が、HおよびC1-4アルキルからなる群から選択される;
R2が、C1-4アルキル、CN、Cl、Br、Iヘテロシクリル、OC1-4アルキルヘテロアリール、C1-4アルキルC6-10アリール、C1-4アルキルテロアリール、ヒドロキシル、ニトロ、COR6、CO2R6、CONR5R6、CONHSO2R5、SO2NHCOR5、CONR5OR6、C1-4アルキルNR5R6、C1-4アルキルOR6、NR5R6、NR5COR6、NR7CONR5R6およびNR5CO2R6からなる群から独立して選択される0〜3個の置換基である;
R3が、C6-10アリールである;
R4C1-4アルキル、C1-4アルキルOH、C1-4アルキルOCOR5、C1-4アルキルCONR5R6、C1-4アルキルC6-10アリール、およびC1-4アルキルテロアリールから選択される、同一または隣接する炭素原子上の0〜2個の基である;
R5およびR6が、水素、C1-4アルキル、C3-10シクロアルキルヘテロシクリル、C6-10アリールヘテロアリール、C1-4アルキルC6-10アリールおよびC1-4アルキルテロアリールからなる群から独立して選択される;
あるいは、R5およびR6が、同一の原子に結合して、大きさが4〜10個の炭素原子である任意に置換された環(ここで、任意に、1つまたはそれ以上の炭素原子は、O、S、S(O)、SO2、またはNR7で置き替えられる)を形成する;および
R7が、水素およびC1-4アルキルからなる群から選択される;
ここで、各ヘテロアリールは、5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環に縮合して二環式芳香環系を形成してもよい、5員または6員のヘテロ芳香環である;
ここで、各ヘテロシクリルは、1つ以上の環に縮合して二環式または多環式ヘテロシクリル系を形成してもよい、3〜6員のヘテロ環である;
およびさらに、ここで、特に明記しない限り、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、およびアリールは、C1-C3アルキル、C2-3アルケニル、C3-C6シクロアルキル、C6アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1-C3アルキルOH、オキソ、アルキルアリール、OH、OC1-C3アルキル、ハロ、CN、NO2、CO2H、CO2C1-C3アルキル、CONH2、CONH(C1-C3アルキル)、CON(C1-C3アルキル)2、トリフルオロメチル、NH2、NH(C1-C3アルキル)、N(C1-C3アルキル)2、およびCH(OH)CRR’(OH)(ここで、RおよびR’は独立してHまたはC1-4アルキルである)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される;
請求項1〜3のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容されるまたは溶媒和物
【請求項5】
R3が、C6アリールである、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項6】
R3が、メタまたはパラ置換される、請求項5に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項7】
R3が、パラ置換される、請求項6に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項8】
R3置換基が、Cl、F、Br、CN、およびCH(OH)CRR’(OH)(ここで、RおよびR’は独立してHまたはC1-4アルキルである)からなる群から選択される、請求項6または7記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項9】
R1が、C1-4アルキルである、請求項1〜8のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容されるまたは溶媒和物
【請求項10】
R1が、メチルである、請求項9に記載の化合物またはその薬学的に許容されるまたは溶媒和物
【請求項11】
R4が、H、アルキル、CH2CONR(R)、CH2CO2RCH2NHCOR、および(CH2)nテロアリール(ここで、各Rは、独立してHまたはC1-4アルキルであり、n=1-4)からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項12】
R2が、CNヘテロアリール、CO2R6、CONR5R6、CONHSO2R5、CONR5OR6およびC1-4アルキルNR5R6からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか1つに記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項13】
R2が、CN、CONR5R6、CONHSO2R5、CONR5OR6およびテロアリールからなる群から選択される、請求項12に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項14】
R2がCONR5R6であり、R5がHであり、およびR61-4アルキルC6-10アリールである、請求項12に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項15】
R6が、1,1-エチルベンゼンである、請求項14に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項16】
R2ヘテロアリールである、請求項12に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項17】
R2が、テトラゾールまたは3-オキソ-1,2,4-イソオキサゾールである、請求項16に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物、および薬学的に許容される賦形剤を含む、それを必要とする患者におけるブロモドメイン含有タンパク質媒介性疾患の治療用の医薬組成物。
【請求項19】
ブロモドメイン含有タンパク質媒介性疾患が、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、固形腫瘍、肝炎、クローン病、過敏性腸症候群、組織移植片拒絶、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、I型糖尿病、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および変形性関節症、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
固形腫瘍が、非小細胞肺癌、骨肉腫、および膠芽腫、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
それを必要とする患者におけるブロモドメイン含有タンパク質媒介性疾患の治療用医薬の製造における、請求項1〜17のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物、または請求項18に記載の医薬組成物の使用。
【請求項22】
ブロモドメイン含有タンパク質媒介性疾患が、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、固形腫瘍、肝炎、クローン病、過敏性腸症候群、組織移植片拒絶、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、I型糖尿病、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および変形性関節症、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
固形腫瘍が、非小細胞肺癌、骨肉腫、および膠芽腫、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なベンゾジアゼピン誘導体を提供する。該化合物は、ブロモドメイン(BRD)阻害剤としての可能性を有する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのタンパク質に存在するブロモドメイン(BRD)は、さまざまなタンパク質のN-アセチル化リシン残基に結合する保存された構造モチーフである。BRDは、クロマチン関連タンパク質、ヒストンアセチルトランスフェラーゼおよび転写活性化因子などのさまざまなタンパク質において機能的に異なるモジュールとして生じる。ブロモドメインとその同族N-アセチル化タンパク質結合パートナーとの間の相互作用の阻害剤は、癌ならびに慢性自己免疫状態および炎症状態などのさまざまな疾患または状態の治療に有用であると考えられている。
【0003】
ブロモドメインおよびエクストラ-C末端ドメイン(Bromodomain and Extra-C Terminal domain)(BET)タンパク質ファミリーは、4つのメンバー(BRD2、BRD3、BRD4およびBRDT)で構成される。BRD2、BRD3およびBRD4は遍在的に発現されるが、BRDT発現は精巣に大きく限定される。BETファミリーの各メンバーは、ヒストンタンパク質のアミノ末端テール上のN-アセチル化リシン残基に結合する2つのブロモドメインモチーフを有する。いったん結合すると、これらのタンパク質は、クロマチン状態に影響を及ぼし、転写因子をクロマチン内の特定のゲノム位置に動員することによって、遺伝子発現を調節する。たとえば、BRD4およびBRDTは、一緒になって、正の転写伸長因子b(P-TEFb)の触媒サブユニットを構成するCDK9およびサイクリンT1を独立して動員する。これにより、RNAポリメラーゼIIのカルボキシ末端ドメイン(CTD)7量体反復のリン酸化が起こり、それによって転写伸長および細胞周期進行に関与する遺伝子のサブセットの発現が促進される。BRD2およびBRD3は、サイクリンAおよびサイクリンD1などのさまざまな遺伝子の転写制御を調節する、いくつかの転写補助活性化因子および/または補助リプレッサーと会合することが示されている。さらに、BRD2およびBRD4は、典型的でないキナーゼ活性を有することが報告されており、BRD4も、NF-κBのサブユニットであるアセチル化RelAに結合することが報告されている。
【0004】
BETファミリーメンバーは、近年、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、および非小細胞肺癌、骨肉腫および神経膠芽腫などの固形腫瘍を含むいくつかの癌の維持および進行に関与することが明らかにされている。精巣(NUT)遺伝子中のBRD4(およびより少ない程度でBRD3)と核タンパク質との融合は、NUT中線癌(NMC)として知られる扁平上皮細胞癌をもたらす。BETファミリーメンバーはまた、急性炎症反応およびHIV関連腎疾患の媒介に関与している。BRD2機能はまた、肥満およびII型糖尿病と関連している。ヒト免疫不全ウイルスは、安定に組み込まれたウイルスDNAからのウイルスRNAの転写を開始するためにBRD4を利用する。BETブロモドメイン阻害剤はまた、潜伏性T細胞感染および潜伏性単球感染のモデルにおいてHIV転写を再活性化することが示されている。BRDTは、精子形成に重要な役割を果たし、正常なBRDTのアセチル化ヒストンへの結合の破壊は、雄性避妊薬としての有用性を有する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、BETブロモドメイン機能などのブロモドメイン機能に関連する疾患および適応症を治療するための新薬を開発することの継続的な医学的必要性がある。
【0006】
本明細書に含まれる書類、行為、材料、装置、物品等の議論は、それが本願の各請求項の優先日前に存在したために、これらの事項のいずれかまたはすべてが先行技術の基礎の一部を形成すること、または本開示に関連する分野における共通の一般的な知識であったことに対する自認とはみなされない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概略
1つの態様では、式(I):
【化1】
I
[式中、
R1は、H、C1-4アルキル、CF3、CF2H、C1-4アルキルXH、C1-4アルキルOCOR5からなる群から選択される;ここで、X=O、Sである;
R2は、C1-4アルキル、CN、Cl、Br、I、C3-10ヘテロシクリル、OC1-4アルキル、C5-10ヘテロアリール、C1-4アルキルC6-10アリール、C1-4アルキルC5-10ヘテロアリール、ヒドロキシル、ニトロ、COR6、CO2R6、CONR5R6、CONHSO2R5、SO2NHCOR5、CONR5OR6、C1-4アルキルNR5R6、C1-4アルキルOR6、NR5R6、NR5COR6、NR7CONR5R6およびNR5CO2R6からなる群から独立して選択される0〜3個の置換基である;
R3は、C1-4アルキル、C3-10シクロアルキル、C3-10ヘテロシクリル、C6-10アリール、C1-4アルキルC6-10アリールからなる群から選択される;
R4は、オキソ、C1-4アルキル、C1-4アルキルOH、C1-4アルキルOCOR5、C1-4アルキルCONR5R6、C1-4アルキルC6-10アリール、C1-4アルキルC5-10ヘテロアリールから選択される、同一または隣接する炭素原子上の1〜2個の基である;
R5およびR6は、水素、C1-4アルキル、C3-10シクロアルキル、C3-10ヘテロシクリル、C6-10アリール、C5-10ヘテロアリール、C1-4アルキルC6-10アリールおよびC1-4アルキルC5-10ヘテロアリールからなる群から独立して選択される;
あるいは、R5およびR6は、同一の原子に結合して、大きさが4〜10個の炭素原子である任意に置換された環(ここで、任意に、1つまたはそれ以上の炭素原子は、O、S、S(O)、SO2、またはNR7で置換される)を形成する;および
R7は、水素およびC1-4アルキルからなる群から選択される;
および、さらに、ここで、特に明記しない限り、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、およびアリールは、任意に置換される]
で示される化合物またはその薬学的に許容される誘導体、多形体、塩またはプロドラッグを提供する。
【0008】
さらなる態様では、本発明の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を提供する。
【0009】
もう1つの態様では、本発明は、本発明の化合物または組成物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、該患者におけるブロモドメイン含有タンパク質媒介性疾患を治療する方法を提供する。
【0010】
さらに別の態様では、それを必要とする患者におけるブロモドメイン含有タンパク質媒介性疾患の治療に使用するための本発明の化合物または組成物を提供する。
【0011】
さらにもう1つの態様では、それを必要とする患者におけるブロモドメイン含有タンパク質媒介性疾患の治療用医薬の製造における本発明の化合物または組成物の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施態様の詳細な記載
エピジェネティクスは、根底にあるDNA配列の変化以外の機構によって引き起こされる遺伝子発現における遺伝的変化の研究である。エピジェネティックな調節において役割を果たす分子機構として、DNAメチル化およびクロマチン/ヒストン修飾が挙げられる。特に、クロマチン認識は、多くの後成現象において重要である。
【0013】
核DNAおよびヒストンタンパク質の組織化された集合体であるクロマチンは、転写、複製、DNA損傷修復および細胞周期による進行の調節を含む、多数の重要な核プロセスの基礎である。クロマチンの動的平衡を維持する上で重要な役割を果たす、クロマチン修飾酵素などの多くの因子が同定されている(Margueron、et al.(2005)Curr. Opin. Genet. Dev. 15:163-176)。
【0014】
ヒストンは、クロマチンの主要タンパク質成分である。それらは、DNAが巻き付くスプールとして働き、遺伝子調節に役割を果たす。コアヒストン(H2A、H2B、H3、およびH4)およびリンカーヒストン(H1およびH5)の2つのスーパークラスに組織化された合計6クラスのヒストン(H1、H2A、H2B、H3、H4およびH5)がある。クロマチンの基本単位は、ヒストン八量体に包まれた約147塩基対のDNAからなるヌクレオソームであり、コアヒストンH2A、H2B、H3およびH4のそれぞれ2コピーからなる(Luger、et al.(1997)Nature 389:251-260)。
【0015】
ヒストン、特にヒストンH3およびH4のアミノ末端の残基、およびヒストンH2A、H2BおよびH1のアミノ末端およびカルボキシル末端の残基は、アセチル化、メチル化、リン酸化、リボシル化、SUMO化、ユビキチン化、シトルリン化、およびビオチン化などの種々の翻訳後修飾を受けやすい。ヒストンH2AおよびH3のコアも修飾されうる。ヒストン修飾は、遺伝子調節、DNA修復、および染色体凝縮などの多様な生物学的プロセスに不可欠である。
【0016】
ヒストン修飾の1つのタイプ、リシンアセチル化は、ブロモドメイン含有タンパク質によって認識される。ブロドメイン含有タンパク質は、転写因子複合体の成分であり、エピジェネティックな記憶の決定因子である(Dey、et al.(2009)Mol. Biol. Cell 20:4899-4909)。これまでに発見された合計57のブロモドメインを含有する46のヒトタンパク質が存在する。染色体改変酵素、またはいわゆる後成的「ライター」および「消しゴム」とは対照的に、ブロドメイン含有タンパク質の1つのファミリーであるBETタンパク質(BRD2、BRD3、BRD4、およびBRDT)は、エピジェネティックな「リーダー」のタンパク質-タンパク質相互作用を標的とする概念実証を確立するために使用されてきた(Filippakopoulos、et al. “Selective Inhibition of BET Bromodomains” Nature 2010、468、1067;Nicodeme、et al. “Suppression of Inflammation by a Synthetic Histone Mimic” Nature 2010、468、1119)。
【0017】
アセチル化ヒストン認識およびブロモドメイン含有タンパク質(BETタンパク質など)は、増殖性疾患に関与している。BRD4ノックアウトマウスは、移植直後に死亡し、内部細胞塊を維持する能力が損なわれ、ヘテロ接合体は増殖速度の低下に関連する生殖繁殖前および出生後の障害を示す。BRD4は、増殖関連遺伝子などの、M/G1の間に発現される遺伝子を調節し、細胞周期を通してクロマチンに結合したままである(Dey、et al.(2009)Mol. Biol. Cell 20:4899-4909)。BRD4はまた、転写伸長を促進するために、MediatorおよびP-TEFb(CDK9/サイクリンT1)と物理的に会合する(Yang、et al.(2005)Oncogene 24:1653-1662;Yang、et al.(2005)Mol. Cell 19:535-545)。CDK9は、慢性リンパ性白血病(CLL)における有効な標的であり、c-Myc依存性転写と関連している(Phelps、et al. Blood 113:2637-2645;Rahl、et al.(2010)Cell 141:432-445)。
【0018】
BRD4は、扁平上皮癌の侵攻型である致死的な中線癌患者のNUTタンパク質に転座される(French、et al.(2001)Am. J. Pathol. 159:1987-1992;French、et al.(2003)Cancer Res. 63:304-307)。RNAiによるインビトロ分析は、この反復性t(15; 19)染色体転座におけるBRD4の原因となる役割を支持する。BRD4ブロモドメインの薬理学的阻害は、インビトロおよびインビボでBRD4-NUT細胞株の増殖停止/分化をもたらす。(Filippakopoulos、et al. “Selective Inhibition of BET Bromodomains”Histone Mimic Nature 2010、468、1067)。
【0019】
ブロモドメリン含有タンパク質(BETタンパク質など)も、炎症性疾患に関与している。BETタンパク質(たとえば、BRD2、BRD3、BRD4、およびBRDT)は、炎症性遺伝子発現を制御するヒストンアセチル化依存性クロマチン複合体の集合を調節する(Hargreaves、et al.(2009)Cell 138:129-145;LeRoy、et al.(2008)Mol. Cell 30:51-60;Jang、et al.(2005)Mol. Cell 19:523-534;Yang、et al.(2005)Mol. Cell 19:535-545)。主要な炎症性遺伝子(二次応答遺伝子)は、BETサブファミリーのブロモドメイン阻害によりダウンレギュレートされ、非応答性遺伝子(一次応答遺伝子)は転写のために準備されている。BETブロモドメイン阻害は、インビボでのLPS誘発内毒素ショックおよび細菌誘発性敗血症に対して保護する(Nicodeme、et al. “Suppression of Inflammation by a Synthetic Histone Mimic” Nature(published online November 10、2010))。
【0020】
ブロモドメイン含有タンパク質(BETタンパク質など)は、ウイルス性疾患においても役割を果たす。たとえば、BRD4はヒトパピローマウイルス(HPV)に関与している。基底上皮のHPV感染の一次段階において、ウイルスゲノムは染色体外エピソーム中に維持される。HPVのいくつかの株では、HPV E2タンパク質に結合しているBRD4は、ウイルスゲノムを染色体につなぎ止める機能を果たす。E2は、E6/E7の抑制およびHPVウイルス遺伝子の活性化の両方にとって重要である。BRD4またはBRD4-E2相互作用の破壊は、E2依存性遺伝子活性化をブロックする。BRD4は、他のクラスのウイルスゲノム(たとえば、ヘルペスウイルス、エプスタイン-バーウイルス)を宿主クロマチンにつなぎ合わせる機能も果たす。事実、小分子BET阻害剤は、潜伏ウイルスを含む細胞における潜伏期からHIVを再活性化することが示されている(J. Leukoc. Biol. 2012、92、1147;Cell Cycle、2013、12、452)。
【0021】
1つの態様では、式(I):
【化2】
I
[式中、
R1は、H、C1-4アルキル、CF3、CF2H、C1-4アルキルXH、C1-4アルキルOCOR5からなる群から選択される;ここで、X=O、Sである;
R2は、C1-4アルキル、CN、Cl、Br、I、C3-10ヘテロシクリル、OC1-4アルキル、C5-10ヘテロアリール、C1-4アルキルC6-10アリール、C1-4アルキルC5-10ヘテロアリール、ヒドロキシル、ニトロ、COR6、CO2R6、CONR5R6、CONHSO2R5、SO2NHCOR5、CONR5OR6、C1-4アルキルNR5R6、C1-4アルキルOR6、NR5R6、NR5COR6、NR7CONR5R6およびNR5CO2R6からなる群から独立して選択される0〜3個の置換基である;
R3は、C1-4アルキル、C3-10シクロアルキル、C3-10ヘテロシクリル、C6-10アリール、C1-4アルキルC6-10アリールからなる群から選択される;
R4は、オキソ、C1-4アルキル、C1-4アルキルOH、C1-4アルキルOCOR5、C1-4アルキルCONR5R6、C1-4アルキルC6-10アリール、C1-4アルキルC5-10ヘテロアリールから選択される、同一または隣接する炭素原子上の1〜2個の基である;
R5およびR6は、水素、C1-4アルキル、C3-10シクロアルキル、C3-10ヘテロシクリル、C6-10アリール、C5-10ヘテロアリール、C1-4アルキルC6-10アリールおよびC1-4アルキルC5-10ヘテロアリールからなる群から独立して選択される;
あるいは、R5およびR6は、同一の原子に結合して、大きさが4〜10個の炭素原子である任意に置換された環(ここで、任意に、1つまたはそれ以上の炭素原子は、O、S、S(O)、SO2、またはNR7で置換される)を形成する;および
R7は、水素およびC1-4アルキルからなる群から選択される;
およびさらに、ここで、特に明記しない限り、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、およびアリールは、任意に置換される]
で示される化合物またはその薬学的に許容される誘導体、多形体、塩またはプロドラッグを提供する。
【0022】
もう1つの実施態様では、式(I)で示される化合物は、式(II):
【化3】
II
で示される化合物またはその薬学的に許容される誘導体、多形体、塩またはプロドラッグである。
【0023】
もう1つの実施態様では、式(I)で示される化合物は、式(III):
III
[ただし、R4は、0〜1個の基に限定される]
で示される化合物またはその薬学的に許容される誘導体、多形体、塩またはプロドラッグである。
【0024】
さらに、本発明は、式(I)、(II)または(III):
[式中、
R1は、HまたはC1-4アルキルからなる群から選択される;
R2は、C1-4アルキル、CN、Cl、Br、I、C3-10ヘテロシクリル、OC1-4アルキル、C5-10ヘテロアリール、C1-4アルキルC6-10アリール、C1-4アルキルC5-10ヘテロアリール、ヒドロキシル、ニトロ、COR6、CO2R6、CONR5R6、CONHSO2R5、SO2NHCOR5、CONR5OR6、C1-4アルキルNR5R6、C1-4アルキルOR6、NR5R6、NR5COR6、NR7CONR5R6およびNR5CO2R6からなる群から独立して選択される0〜3個の置換基である;
R3は、C6-10アリールである;
R4は、オキソ、C1-4アルキル、C1-4アルキルOH、C1-4アルキルOCOR5、C1-4アルキルCONR5R6、C1-4アルキルC6-10アリール、C1-4アルキルC5-10ヘテロアリールから選択される、同一または隣接する炭素原子上の1〜2個の基である;
R5およびR6は、水素、C1-4アルキル、C3-10シクロアルキル、C3-10ヘテロシクリル、C6-10アリール、C5-10ヘテロアリール、C1-4アルキルC6-10アリールおよびC1-4アルキルC5-10ヘテロアリールからなる群から独立して選択される;
あるいは、R5およびR6は、同一の原子に結合して、大きさが4〜10個の炭素原子である任意に置換された環(ここで、任意に、1つまたはそれ以上の炭素原子は、O、S、S(O)、SO2、またはNR7で置換される)を形成する;および
R7は、水素およびC1-4アルキルからなる群から選択される;
およびさらに、ここで、特に明記しない限り、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、およびアリールは、任意に置換される]
の化合物またはその薬学的に許容される誘導体、多形体、塩またはプロドラッグを提供する。
【0025】
このましくは、R3は、C6-10アリールである。
【0026】
より好ましくは、R3は、メタまたはパラ置換される。
【0027】
さらにより好ましくは、R3は、パラ置換される。
【0028】
好ましい形態では、R3の置換基は、Cl、F、Br、CN、CH(OH)CRR’(OH)(ここで、RおよびR’=HまたはC1-4アルキルである)からなる群から選択される。
【0029】
さらに好ましい形態では、R1は、C1-4アルキル、好ましくはメチルである。
【0030】
好ましい形態では、R4は、H、アルキル、CH2CONR2(R=H、C1-4アルキル)、CH2CO2R(R=H、C1-4アルキル)、CH2NHCOR、(CH2)nヘタリール(ここで、n=1-4)からなる群から選択される。
【0031】
好ましい形態では、R2は、CN、C5-10ヘテロアリール、CO2R6、CONR5R6、CONHSO2R5、CONR5OR6、C1-4アルキルNR5R6からなる群から選択される。
【0032】
さらなる実施態様では、R2は、CN、CONR5R6、CONHSO2R5、CONR5OR6およびC5-10ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0033】
もう1つの実施態様では、R2はCONR5R6であり、R5はHであり、およびR61-4アルキルC6-10アリールである。
【0034】
さらにもう1つの実施態様では、R6は、1,1-エチルベンゼンである。
【0035】
1つの形態では、R2は、C5-10ヘテロアリールである。好ましくは、R2は、テトラゾールまたは3-オキソ-1,2,4-イソオキサゾールである。
【0036】
本発明は、式(I)で示される化合物のプロドラッグを含む医薬組成物も包含する。遊離アミノ、アミド、ヒドロキシまたはカルボキシル基を有する式(I)で示される化合物は、プロドラッグに変換されうる。
【0037】
プロドラッグには、式(I)で示される化合物中に存在する遊離アミノ、ヒドロキシまたは酸部分が、上記置換基への共有結合を介してカーボネート、カルバメート、アミドおよびアルキルエステルなどの官能基に誘導体化される化合物が含まれる。プロドラッグには、式(I)で示される化合物の遊離ヒドロキシルにリン酸素結合を介して結合した、式(I)で示される化合物のリン酸誘導体(酸、酸の塩またはエステルなど)も含まれる。そのようなプロドラッグ誘導体は、たとえば、親薬物の水溶性または細胞透過性を改善するため、または必要な作用部位での親薬物の放出を可能にするために、化合物の分子特性を改変するために製造される。インビボでの特定の条件の存在下で、プロドラッグ部分が切断されて親薬物を放出する。したがって、たとえば、ヒドロキサム酸部分は、遊離ヒドロキシルのエステル化を介して誘導体化されて、細胞透過性を改善することができる。細胞内でエステル部分が切断されると、遊離薬物が放出される。同様に、アミノ基またはヒドロキシ基をオキシメチルエステルで誘導体化して、開裂時に遊離薬物を放出する改善された溶解度または細胞透過性を有する種を生成することができる。アミノ基は、ベンジル基がp-ヒドロキシ部分を有するベンジルカルバメートとして誘導体化されてもよい:ヒドロキシル基のエステル化は、エステル開裂によりカルバメート保護基を放出し、それによって親薬物を遊離する改善された細胞透過性を有する誘導体を与える。
【0038】
プロドラッグはさらに、アミノ酸残基、または式(I)で示される化合物の遊離アミノ、ヒドロキシおよびカルボン酸基に共有結合した2つ以上(たとえば、2、3または4つ)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖を含む化合物を含む。アミノ酸残基には、一般的に3つの文字記号で表される20の天然アミノ酸が含まれ、4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デスモシン、イソデスモシン、3-メチルヒスチジン、ノルバリン、β-アラニン、γ-アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンも包含される。プロドラッグはまた、カルボニル炭素プロドラッグ側鎖を介して、式(I)の上記置換基に共有結合されるカーボネート、カルバメート、アミドおよびアルキルエステルを含む化合物を包含する。プロドラッグはまた、リン-酸素結合を介して、式(I)で示される化合物の遊離ヒドロキシルに結合した式(I)で示される化合物のリン酸誘導体(たとえば、酸、酸の塩、またはエステル)を包含する。
【0039】
式(I)で示される化合物が、不斉中心を有していてもよく、したがって、2つ以上の立体異性体として存在することができることも認識されるであろう。したがって、本発明はまた、1つ以上の不斉中心にて、たとえば、約90%eeより大きい、たとえば、約95%もしくは97%eeまたは99%eeより大きい、実質的に純粋な異性体形態の化合物、ならびにそのラセミ混合物に関する。そのような異性体は、不斉合成、たとえば、キラル中間体を用いるか、またはキラル分割によって製造されうる。
【0040】
本明細書で用いられる用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ)、塩素(クロロ)、臭素(ブロモ)またはヨウ素(ヨード)を意味する。
【0041】
独またはNH(アルキル)またはN(アルキル)2などの複合語で用いられる、本明細書で用いられる用語「アルキル」および「アルキレン」は、単、それぞれ、必要に応じて、1〜3、1〜4、1〜6または1〜10個の炭素原子を有する一価および二価の直鎖または分枝炭化水素基を意味する。たとえば、適切なアルキル基として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、2-、3-または4-メチルペンチル、2-エチルブチル、n-ヘキシルまたは2-、3-、4-または5-メチルペンチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
本明細書で用いられる用語「アルケニル」は、炭素原子間に1つ以上の二重結合を有する直鎖または分枝炭化水素基を意味する。適切なアルケニル基として、エテニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
本明細書で用いられる用語「シクロアルキル」は、環状炭化水素基を意味する。適切なシクロアルキル基として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
本明細書で用いられる用語「アリール」は、 C6-C10芳香族炭化水素基、たとえば、フェニルまたはナフチルを意味する。
【0045】
用語「アルキルアリール」は、たとえば、ベンジルを包含する。
【0046】
単独または複合語で用いられる用語「ヘテロ環」として、単環式、多環式、縮合または共役炭化水素残基、好ましくはC3-6が挙げられ、ここで、1つ以上の炭素原子(および必要に応じてそれに結合した水素原子)は、ヘテロ原子によって置換されて、非芳香族残基を提供する。原子間の結合は、飽和であっても不飽和であってもよい。適切なヘテロ原子として、O、NおよびSが挙げられる。2個以上の炭素原子が置換される場合、これは、2個以上の同じヘテロ原子または異なるヘテロ原子によるものであってもよい。ヘテロ環式基の適切な例として、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリノ、キノリニル、イソキノリニル、チオモルホリノ、ジオキサニル、2,2'-ジメチル-[1,3]ジオキソラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピロリルなどが挙げられる。
【0047】
用語「ヘテロアリール」は、O、NおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロ芳香環を包含する。ヘテロアリール基の適切な例として、フラニル、チオフェニル、テトラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルなどが挙げられる。ヘテロ芳香環は、5または6員の芳香環またはヘテロ芳香環に縮合して、二環式芳香環系、たとえば、ベンゾフランを形成してもよい。
【0048】
特に明記しない限り、各アルキル、アルキレン、シクロアルキル、アルキルアリール、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基は、1つ以上のC1-C3アルキル、C3-C6シクロアルキル、C6アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C1-C3アルキルOH、オキソ、アルキルアリール、OH、OC1-C3アルキル、ハロ、CN、NO2、CO2H、CO2C1-C3アルキル、CONH2、CONH(C1-C3アルキル)、CON(C1-C3アルキル)2、トリフルオロメチル、NH2、NH(C1-C3アルキル)またはN(C1-C3アルキル)2で任意に置換されてもよい。たとえば、置換されてもよいアリール基は、4-メチルフェニルまたは4-ヒドロキシフェニル基であってもよく、置換されてもよいアルキル基は、2-ヒドロキシエチル、トリフルオロメチルまたはジフルオロメチルであってもよい。任意のアルキル、シクロアルキル、アルキルアリール、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテアアリール置換基はそれぞれ、必要に応じて置換されてもよい。
【0049】
任意の置換基の例には、適切な窒素保護基も含まれる(「Protective Groups in Organic Synthesis」Theodora Greene and Peter Wuts、fourth edition、Wiley Interscience、2006を参照)。
【0050】
式(I)で示される化合物の塩は、薬学的に許容されるのが好ましいが、薬学的に許容されない塩もまた、薬学的に許容される塩の製造における中間体として有用であるため、本発明の範囲内に入ることが理解されるであろう。
【0051】
用語「薬学的に許容される誘導体」は、いずれかの薬学的に許容される塩、水和物もしくはプロドラッグ、または患者に投与された場合に式(I)で示される化合物またはその活性代謝物もしくは残基を提供することができるその他の化合物を包含しうる。
【0052】
適切な薬学的に許容される塩として、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸、および臭化水素酸などの薬学的に許容される無機酸の塩、または酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、ムチン酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸および吉草酸などの薬学的に許容される有機酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
塩基塩(base salts)として、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アンモニウムなどの薬学的に許容されるカチオンと形成される塩、トリエチルアミンから形成される塩などのアルキルアンモニウム、エタノールアミンと形成される塩などのアルコキシアンモニウム、およびエチレンジアミン、コリン、またはアルギニン、リシンもしくはヒスチジンなどのアミノ酸から形成される塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。薬学的に許容される塩の種類およびその形成に関する一般的な情報は、当業者に知られており、「Pharmaceutical Salts:Properties、Selection、and Use」 P.H. Stahl、C.G. Wermuth、2nd edition、2011、Wiley-VCHなどの一般的なテキストに記載されている。
【0054】
塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物などの低級アルキルハロゲン化物;ジメチル硫酸およびジエチル硫酸などのジアルキル硫酸塩;およびその他のものなどの化学物質で四級化されうる。
【0055】
ヒドロキシル基は、酢酸および2,2-ジメチルプロピオン酸などの低級アルキルカルボン酸などの基でエステル化されてもよく、またはメチルスルホン酸などのアルキルスルホン酸などの基でスルホン化されてもよい。
【0056】
本発明は、本発明の化合物の多形体も包含し、多形体という用語は、異なる結晶構造を含むが、その水和物およびメタノラートなどの溶媒和物も包含する。
【0057】
化合物の用途
もう1つの態様では、本発明は、生体サンプルを本発明の化合物(たとえば、本明細書に記載のいずれかの式)に接触させるステップを含む、生体サンプルにおいてブロモドメイン含有タンパク質またはその変異体の活性を阻害する方法を提供する。
【0058】
1つの実施態様では、ブロモドメイン含有タンパク質は、BETタンパク質である。
【0059】
さらなる実施態様では、BETタンパク質は、BRD4である。
【0060】
もう1つの態様では、本発明は、本発明の化合物(たとえば、本明細書に記載のいずれかの式)を対象者に投与するステップを含む、患者におけるブロドメイン含有タンパク質またはその変異体の活性を阻害する方法を提供する。
【0061】
1つの実施態様では、ブロモドメイン含有タンパク質は、BETタンパク質である。
【0062】
さらなる実施態様では、BETタンパク質は、BRD4である。
【0063】
もう1つの態様では、本発明は、本発明の化合物(たとえば、本明細書に記載のいずれかの式)を患者に投与するステップを含む、それを必要とする患者におけるブロドメイン含有タンパク質媒介性障害の治療方法を提供する。
【0064】
もう1つの態様では、本発明は、本発明の化合物の、それを必要とする患者におけるブロモドメイン含有タンパク質媒介性障害の治療のための医薬の製造における使用を提供する。
【0065】
もう1つの態様では、本発明は、それを必要とする患者におけるブロモドメイン含有タンパク質媒介性障害の治療に使用するための本発明の化合物を提供する。
【0066】
1つの実施態様では、ブロモドメイン含有タンパク質は、BETタンパク質である。
【0067】
さらなる実施態様では、BETタンパク質は、BRD4である。
【0068】
もう1つの実施態様では、障害は、増殖性障害、炎症性疾患、敗血症、自己免疫疾患、またはウイルス感染である。
【0069】
さらなる実施態様では、増殖性障害は、癌である。
【0070】
特定の実施態様では、癌は、腺癌、成人T細胞白血病/リンパ腫、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、乳癌、脳癌、癌腫、骨髄肉腫、子宮頸癌、結腸直腸癌、食道癌、胃腸癌、神経膠芽腫多形、神経膠腫、胆嚢癌、胃癌、頭頸部癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、白血病、肺癌、リンパ腫、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、中皮腫、多発性骨髄腫、眼癌、視神経腫瘍、口腔癌、卵巣癌、下垂体腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌、腎細胞癌、直腸癌、肉腫、皮膚癌、脊髄腫瘍、小腸癌、胃癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、甲状腺癌、咽喉癌、尿生殖器癌、尿路上皮癌、子宮癌、膣癌、またはウィルムス腫瘍である。
【0071】
本明細書に記載の化合物および組成物は、一般に、エピジェネティックな調節に関与する1つ以上のタンパク質の活性の阻害に有用である。したがって、いくつかの実施態様において、本発明は、本発明による化合物または組成物を投与することによって、ブロモドメイン(たとえば、BRD2、BRD3、BRD4および/またはBRDTなどのBETタンパク質)としても知られる、アセチル-リシン認識モチーフを含むタンパク質などのエピジェネティックな調節に関与する1つ以上のタンパク質を阻害する方法を提供する。
【0072】
本明細書で用いられる用語「治療」、「治療する」および「治療すること」は、本明細書に記載の疾患または障害、またはその1つ以上の症状の進行を逆転させるか、緩和するか、発症を遅延させるか、または進行を阻害することを意味する。いくつかの実施態様では、1つ以上の症状が発症した後に治療を施すことができる。他の実施態様では、症状のない状態で治療を施すことができる。たとえば、症状の発症の前に(たとえば、症状の履歴および/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らして)、治療を感受性個体に施すことができる。症状が改善した後も治療を続けて、たとえば、再発を予防または遅延させることができる。
【0073】
用語「有効量」とは、研究者、獣医師、医師または他の臨床医によって求められる組織、系、動物またはヒトの生物学的もしくは医学的応答を誘発する対象組成物の量を意味する。
【0074】
化合物「の投与」および/または化合物を「投与する」という用語は、治療を必要とする個体に本発明の化合物を提供することを意味すると理解されるべきである。
【0075】
特定の実施態様では、本発明の化合物は、BRD2、BRD3、BRD4、BRDT、および/またはブロモドメイン含有タンパク質の他のメンバー、またはその変異体の1つ以上を阻害する。いくつかの実施態様では、本発明の化合物は、BRD2、BRD3、BRD4、BRDT、および/またはブロモドメイン含有タンパク質の他のメンバー、またはその変異体の2つ以上を阻害する。本発明の化合物は、BRD2、BRD3、BRD4、および/またはBRDTなどのブロモドメイン含有タンパク質の1つ以上の阻害剤であり、したがって、BRD2、BRD3、BRD4、および/またはBRDTなどのブロモメイタン含有タンパク質の1つ以上の活性に関連する1つ以上の障害の治療に有用である。したがって、ある実施態様では、本発明は、BET媒介性、BRD2媒介性、BRD3媒介性、BRD4媒介性障害および/またはBRDT媒介性障害などのブロモドメイン含有タンパク質媒介性障害を治療する方法であって、本発明化合物またはその薬学的に許容される組成物を、それを必要とする患者に投与することによって、BRD2、BRD3、BRD4、および/またはBRDTなどのBETタンパク質などのブロモドメイン含有タンパク質またはその変異体を阻害するステップを含む方法を提供する。
【0076】
本明細書で用いられる用語「ブロモドメイン含有タンパク質媒介性」、「BET媒介性」、「BRD2媒介性」、「BRD3媒介性」、「BRD4媒介性」および/または「BRDT媒介性」障害または状態は、BRD2、BRD3、BRD4および/またはBRDTなどのBETタンパク質またはその変異体の1つ以上が役割を果たすことが知られている任意の疾患または他の有害な状態を意味する。したがって、本発明の別の実施態様は、BRD2、BRD3、BRD4、および/またはBRDTなどのBETタンパク質などのブロモドメイン含有タンパク質の1つ以上が役割を果たすことが知られている使用される1つ以上の疾患の重篤度を治療または軽減することに関する。
【0077】
本発明の方法にしたがって治療可能な疾患および状態として、癌および他の増殖性障害、炎症性疾患、敗血症、自己免疫疾患、およびウイルス感染が挙げられるが、これらに限定されるものではない。したがって、1つの態様は、化合物または組成物を対象者に投与することを含む、疾患、障害または症状を有する対象者を治療する方法である。1つの実施態様では、ヒト患者は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルで処置され、ここで、該化合物は、患者において、ブロモドメイン含有タンパク質活性(たとえば、BRD2、BRD3、BRD4、および/またはBRDTなどのBETタンパク質など)を計れる程度に阻害する量で存在する。
【0078】
本発明はさらに、有効量の本発明の化合物を、哺乳動物、特にそのような治療を必要とするヒトに投与することにより、癌または他の増殖性障害を治療または改善する方法に関する。本発明のいくつかの態様では、本発明の方法によって治療される疾患は癌である。本明細書に記載の化合物および方法を用いて治療される癌の例として、副腎癌、腺房細胞癌腫、音響神経腫、末端性黒子性黒色腫、先端汗腺腫、急性好酸球性白血病、急性赤芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺腫、腺様嚢胞癌、腺腫、腺腫性歯原性腫瘍、腺扁平上皮癌、脂肪組織新生物、副腎皮質癌、成人T細胞白血病/リンパ腫、侵攻性NK細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、肺胞横紋筋肉腫、肺胞軟部肉腫、変形性筋線維腫、未分化大細胞リンパ腫、未分化甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星細胞腫、非定型奇形性胸部腫瘍、B細胞慢性リンパ性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫、基底細胞癌、胆道癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、ブレンナー腫瘍、ブラウン腫瘍、バーキットリンパ腫、乳癌、脳癌、癌腫、インサイチュ癌腫、癌肉腫、軟骨腫瘍、セメント芽腫、骨髄肉腫、軟骨腫、脊索腫、絨毛癌、脈絡叢斑状乳頭腫、腎臓の明細胞肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、子宮頸癌、結腸直腸癌、デゴス病、脱繊維性小円形細胞腫瘍、びまん性大型B細胞リンパ腫、異常胚細胞性神経上皮腫瘍、異常細胞腫、胚性癌腫、内分泌腺腫瘍、内胚葉性洞腫瘍、腸疾患関連T細胞リンパ腫、食道癌、胎児内胎児、線維腫、線維肉腫、ろ胞性リンパ腫、ろ胞性甲状腺癌、神経節細胞腫、胃腸癌、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛癌、巨細胞維芽細胞腫、骨の巨細胞腫、多形性膠芽腫、神経膠腫、膠腫脳腫瘍、グルカゴノーマ、性腺芽細胞腫、顆粒膜細胞腫瘍、半陰陽性卵巣腫瘍、胆嚢癌、胃癌、毛様細胞白血病、血管芽細胞腫、頭頸部癌、血管周囲細胞腫、血液悪性腫瘍、肝芽細胞腫、肝脾臓T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉癌、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、悪性黒子、致死性正中癌、白血病、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、肺癌、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫、悪性トリトン腫瘍、マントル細胞リンパ腫、周辺部B細胞リンパ腫、肥満細胞白血病、縦隔胚細胞腫、乳房の髄様癌、髄様甲状腺癌、髄芽細胞腫、メラノーマ、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性尿路上皮癌、混合ミューラー腫瘍、粘液腫瘍、多発性骨髄腫、筋肉組織新生物、菌状息肉腫、粘液状脂肪肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻咽頭癌、神経線維腫症、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経腫、結節性黒色腫、眼癌、乏突起膠腫、乏突起膠腫、好酸性顆粒細胞腫、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、パンコスト腫瘍、乳頭状甲状腺癌、傍神経節腫、松果体芽細胞腫、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫、多発性骨髄腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性胸水リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌、偽性腹水腹膜炎、腎細胞癌、腎髄様癌、網膜芽細胞腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒターの形質転換、直腸癌、肉腫、シュワノマトーシス、セミノーマ、セルトリ細胞腫瘍、性索性腺間質腫瘍、印環細胞癌、皮膚ガン、小青色円形細胞腫瘍、小細胞癌、軟組織肉腫、ソマトスタチン腫瘍、煤煙性いぼ、脊髄腫瘍、脾周縁部リンパ腫、扁平上皮細胞癌、滑膜肉腫、セザリー病、小腸癌、扁平上皮癌、胃癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、卵巣細胞腫、甲状腺癌、移行細胞癌、咽喉癌、尿膜管癌、泌尿生殖癌、尿路上皮癌、ブドウ膜黒色腫、子宮癌、褐変癌、視覚経路神経膠腫、外陰部癌、膣癌、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、ワージン腫瘍、およびウィルムス腫瘍が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
いくつかの実施態様では、本明細書は、良性増殖性疾患を治療する方法を提供する。そのような良性増殖性疾患として、良性軟部組織腫瘍、骨腫瘍、脳および脊髄腫瘍、眼瞼および眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌腫瘍、鼻ポリープ、下垂体腫瘍、プロラクチノーマ、偽脳腫瘍、脂漏性角化症、胃ポリープ、甲状腺結節、膵臓の嚢胞性新生物、血管腫、声帯結節、ポリープおよび嚢胞、キャッスルマン病、慢性毛巣洞、皮膚線維腫、ピラール嚢胞、化膿性肉芽腫、および若年性ポリポーシス症候群が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0080】
本発明はさらに、有効量の本発明の化合物を哺乳動物、特にそのような治療を必要とするヒトに投与することにより、感染性および非感染性の炎症事象および自己免疫および他の炎症性疾患を治療する方法に関する。本明細書に記載の化合物および方法を用いて治療される自己免疫および炎症性疾患、障害、および症候群として、炎症性骨盤疾患、尿道炎、皮膚日焼け、副鼻腔炎、肺炎、脳炎、髄膜炎、心筋炎、腎炎、骨髄炎、筋炎、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵炎、胆嚢炎、ガンマグロブリン血症、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、シェーグレン病、組織移植片拒絶、移植臓器の超急性拒絶反応、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、自己免疫性多腺性疾患(自己免疫性多腺症候群としても知られる)、自己免疫脱毛症、悪性貧血、糸球体腎炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎、自己免疫溶血性および血小板減少性状態、グッドパスチャー症候群、アテローム性動脈硬化症、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、I型糖尿病、敗血症性ショック、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性関節炎、変形性関節症、慢性特発性血小板減少性紫斑病、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、アトピー性皮膚炎、変形性関節疾患、白斑、自己免疫性下垂体機能亢進症、ギラン・バレー症候群、ベーチェット病、強皮症、菌状息肉腫、急性炎症反応(急性呼吸窮迫症候群および虚血/再灌流傷害など)、およびグレーブス病が挙げられる。
【0081】
いくつかの実施態様では、本発明は、有効量の本発明の化合物を哺乳動物、特にそのような治療を必要とするヒトに投与することにより、LPS誘導性内毒素ショックおよび/または細菌誘導性敗血症などの全身性炎症反応症候群を治療する方法を提供する。
【0082】
本発明はさらに、有効量の本発明の化合物を、哺乳動物、特にそのような治療を必要とするヒトに投与することにより、ウイルス感染症および疾患を治療する方法に関する。本発明の化合物および方法を用いて治療されるウイルス感染症および疾患として、限定的ではないが、ヒトパピローマウイルス、ヘルペスウイルス、エプスタイン-バーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルスなどのエピソームベースのDNAウイルスが挙げられる。
【0083】
本発明はさらに、上記の状態、病気、障害または疾患の1つを患っている、ヒトなどの対象者を治療する方法を提供する。該方法は、ブロモドメインを阻害することによって、そして一般に遺伝子発現を調節することによって機能して、さまざまな細胞効果、特に遺伝子発現の誘導または抑制、細胞増殖を停止させること、細胞分化を誘導すること、および/またはアポトーシスを誘導すること、を誘導する本発明の1つ以上の化合物の治療有効量を投与することを含む。
【0084】
本発明はさらに、上述の疾患、特に癌、炎症性疾患および/またはウイルス性疾患におけるインビボでの遺伝子発現、細胞増殖、細胞分化および/またはアポトーシスを調節する治療方法であって、このような治療を必要とする対象者に、薬理学的活性かつ治療有効量の1つ以上の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0085】
本発明はさらに、細胞を本発明の化合物と接触させることによって、内因性または異種プロモーター活性を調節する方法を提供する。
【0086】
特定の実施態様では、本発明は、それを必要とすると同定された対象者に本発明の化合物を投与することを含む、対象者における障害(上記のような)を治療する方法を提供する。上記の障害の治療を必要とする患者の同定は、十分に当業者の能力および知識の範囲内である。本発明方法によって治療することができる上記障害を発症する危険性がある患者を同定するための特定の方法は、家族歴、および対象患者におけるその疾患の発症に関連する危険因子の存在など、医療分野で正しく認識される。当業者は、たとえば、臨床検査、身体検査および医療歴/家族歴の使用によって、そのような候補患者を容易に同定することができる。
【0087】
対象者における治療の有効性を評価する方法は、当技術分野で周知の方法(たとえば、腫瘍増殖性障害が癌である場合に、腫瘍の大きさを決定すること、または腫瘍マーカーをスクリーニングすること)によって障害の治療前の程度を決定し、次に 治療有効量の本発明の化合物を対象者に投与することを含む。化合物の投与後の適切な期間(たとえば、1日、1週間、2週間、1ヶ月、6ヶ月)後に、障害の程度が再び判定される。障害の程度または侵襲性の調節(たとえば、低下)が、治療の有効性を示す。障害の程度または侵襲性は、治療中、定期的に決定されうる。たとえば、細胞増殖性疾患の程度または侵襲性を、数時間、数日または数週間ごとに検査し、治療のさらなる有効性を評価してもよい。細胞増殖性疾患の程度または侵襲性の減少は、治療が有効であることを示す。本記載の方法は、細胞増殖性疾患の阻害剤を用いた治療が有効となり得る患者をスクリーニングまたは選択するために使用してもよい。
【0088】
本発明はさらに、本明細書に記載の疾患、障害、病気および/または状態の治療および/または予防および/または改善のために使用される医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用に関する。
【0089】
本発明はさらに、ブロドメイン含有タンパク質の阻害に応答性または感受性の疾患および/または障害、特に、たとえば、癌、炎症性疾患、ウイルス性疾患などの上記に挙げたものの治療および/または予防のために使用される医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用に関する。
【0090】
本発明の別の目的は、本明細書中の障害または疾患の治療に使用するための医薬の製造における、本明細書に記載の化合物(たとえば、本明細書中の任意の式)の使用である。本発明の別の目的は、本明細書中の障害または疾患の治療における使用のための本明細書に記載の化合物(たとえば、本明細書中の任意の式)の使用である。
【0091】
本明細書に記載の化合物または組成物は、癌または他の増殖性障害の重篤度を治療または軽減するのに有効な任意の量および投与経路を用いて投与されうる。必要とされる正確な量は、対象者の種、年齢、および一般的な状態、感染の重篤度、特定の薬剤、その投与様式などに依存して、対象者によって異なるであろう。本発明の化合物は、好ましくは、投与の容易さおよび投与量の均一性のために、単位剤形に製剤される。「単位剤形」という表現は、治療される患者に適した物理的に分離した薬剤単位を意味する。しかしながら、本開示の化合物および組成物の毎日の合計使用量は、堅実な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定の患者または生物についての特定の有効用量レベルは、治療される障害および障害の重篤度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食事;投与時間、投与経路、および使用される特定の化合物の排泄速度;治療の継続時間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;および医療分野で周知の同様の因子などのさまざまな要因に依存する。
【0092】
いくつかの実施態様によれば、本発明は、生物学的サンプル中のブロモドメイン含有タンパク質を阻害する方法であって、該生物学的サンプルを本発明の化合物またはその組成物と接触させるステップを含む方法に関する。
【0093】
いくつかの実施態様によれば、本発明は、生体サンプル中のBRD2、BRD3、BRD4および/またはBRDTなどのBETタンパク質などのブロモドメイン含有タンパク質、またはその変異体の活性を阻害する方法であって、該生体サンプルを本発明の化合物またはその組成物と接触させることを含む方法に関する。
【0094】
本明細書で用いられる用語「生体サンプル」として、細胞培養物またはその抽出物、哺乳動物から得られる生検材料またはその抽出物、および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙、または他の体液またはそれらの抽出物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0095】
生体サンプルにおけるタンパク質、たとえば、BRD2、BRD3、BRD4および/またはBRDTなどのBETタンパク質などのブロモドメイン含有タンパク質、またはその変異体の活性の阻害は、当業者に公知であるさまざまな目的に有用である。そのような目的の例として、輸血、臓器移植、生物学的試料保存、および生物学的アッセイが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
別の実施態様によれば、本発明は、患者における1つ以上のBRD2、BRD3、BRD4、および/またはBRDTなどのBETタンパク質などのブロモドメイン含有タンパク質、またはその変異体の活性を阻害する方法であって、該患者に本発明の化合物または該化合物を含む組成物を投与するステップを含む方法に関する。特定の実施態様では、本発明は、それを必要とする患者における1つ以上のBRD2、BRD3、BRD4、および/またはBRDTなどのBETタンパク質などのブロモドメイン含有タンパク質、またはその変異体によって媒介される障害を治療する方法であって、該患者に本発明化合物またはその薬学的に許容される組成物を投与するステップを含む方法を提供する。このような障害は、本明細書に詳細に記載される。
【0097】
治療される特定の状態または疾患に応じて、この状態を治療するために通常投与される追加の治療薬も、本開示の組成物中に存在してもよく、または投薬計画の一部として別個に投与されてもよい。本明細書で使用される場合、特定の疾患または状態を治療するために通常投与されるさらなる治療剤は、「治療される疾患または状態に適切である」として知られている。
【0098】
いくつかの実施態様では、さらなる治療剤はエピジェネティックな薬剤である。本明細書で用いられる用語「エピジェネティックな薬剤」は、エピジェネティック調節因子を標的とする治療薬を意味する。エピジェネティック調節因子の例として、ヒストンリシンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンアルギニンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンデメチラーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、ヒストンアセチラーゼ、およびDNAメチルトランスフェラーゼが挙げられる。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤として、ボリノスタットが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0099】
他の療法、化学療法剤、または他の抗増殖剤を本発明の化合物と組み合わせて、増殖性疾患および癌を治療することができる。式(I)で示される化合物と組み合わせて使用することができる療法または抗癌剤の例として、外科手術、放射線療法(たとえば、ガンマ線照射、中性子ビーム放射線療法、電子ビーム放射線療法、プロトン療法、近接照射療法、および非密封小線源療法(systemic radioactive isotopes))、内分泌療法、生物学的応答修飾剤(たとえば、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法および寒冷療法、有害作用を緩和する薬剤(たとえば、制吐剤)、および他の認可された化学療法剤が挙げられる。
【0100】
本発明の化合物は、1つ以上の抗増殖化合物と組み合わせて有利に使用することもできる。このような抗増殖化合物として、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン;抗アンドロゲン;ゴナドレリンアゴニスト;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性剤;アルキル化剤;レチノイド、カロテノイド、またはトコフェロール;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤; mTOR阻害剤;代謝拮抗剤;プラチン化合物;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;ビスフォスフォネート;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤; Ras発癌性アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液悪性腫瘍の治療に使用される化合物;Hsp90阻害剤; HDAC阻害剤;キネシンスピンドルタンパク質阻害剤;抗腫瘍抗生物質;ニトロソウレア;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/低下させる化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼ活性を標的とする/低下させる化合物、または任意のさらなる抗血管新生化合物が挙げられる。
【0101】
例示的アロマターゼ阻害剤として、アタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタンなどのステロイド、ならびにアミノグルテチミド、ログレットイミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールが挙げられる。
【0102】
例示的な抗エストロゲンとして、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよび塩酸ラロキシフェンが挙げられる。抗アンドロゲンとして、ビカルタミドが挙げられるが、これに限定されるものではない。ゴナドレリンアゴニストとして、アバレリクス、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0103】
例示的なトポイソメラーゼI阻害剤として、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテシンおよびその類縁体、9-ニトロカンプトテシンおよび高分子カンプトテシン複合体PNU-166148が挙げられる。トポイソメラーゼII阻害剤として、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシンなどのアントラサイクリン、アントラキノンミトキサントロンおよびロソキサントロン、およびポドフィロトキシンエトポシドおよびテニポシドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
例示的微小管活性剤として、限定的ではないが、パクリタキセルおよびドセタキセルなどのタキサン;ビンブラスチンまたはビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチン又は硫酸ビンクリスチン、およびビノレルビンなどのビンカアルカロイド;ディスコデルモライド;コルヒチンおよびエポチロン、およびそれらの誘導体などの微小管安定化化合物、微小管不安定化化合物および微小管重合阻害剤が挙げられる。
【0105】
例示的なアルキル化剤として、シクリンホスファミド、イフォスファミド、メルファランまたはカルムスチンおよびロムスチンなどのニトロソウレアが挙げられる。
【0106】
例示的シクロオキシゲナーゼ阻害剤として、Cox-2阻害剤、セレコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、バルデコキシブなどの5-アルキル置換2-アリールアミノアミノフェニル酢酸および誘導体、またはルミラコキシブなどの5-アルキル-2-アリールアミノフェニル酢酸が挙げられる。
【0107】
例示的マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMP阻害剤)として、コラーゲンペプチド模倣阻害剤および非ペプチド模倣阻害剤、テトラサイクリン誘導体、バチマスタット、マリマスタット、プリノマスタット、BMS-279251、BAY 12-9566、TAA211、MMI270B、およびAAJ996が挙げられる。
【0108】
例示的mTOR阻害剤として、シロリムス、エベロリムス、CCI-779、およびABT578などの、ラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)を阻害し、抗増殖活性を有する化合物が挙げられる。
【0109】
例示的代謝拮抗剤として、5-フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン、ゲムシタビン、5-アザシチジンおよびデシタビンなどのDNA脱メチル化化合物、メトトレキサートおよびエダトレキセート、およびペメトレキセドなどの葉酸アンタゴニストが挙げられる。
【0110】
例示的プラチン化合物として、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラチナム、およびオキサリプラチンが挙げられる。
【0111】
例示的メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤として、ベンガミドまたはその誘導体およびPPI-2458が挙げられる。
【0112】
例示的ビスホスホネートとして、エチドロン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸が挙げられる。
【0113】
例示的抗増殖性抗体として、トラスツズマブ、トラスツズマブ-DM1セツキシマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、PRO64553および2C4が挙げられる。用語「抗体」は、インタクトなモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクトな抗体から形成された多特異的抗体、および所望の生物学的活性を示す限り抗体フラグメントを包含することを意味する。
【0114】
例示的ヘパラナーゼ阻害剤として、PI-88およびOGT2115などのヘパリン硫酸分解を標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物が挙げられる。
【0115】
本明細書で用いられる用語、H-Ras、K-Ras、N-Rasなどの「Ras発癌性アイソフォームの阻害剤」は、Rasの発癌性活性を標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物を意味する;たとえば、R-744832、DK8G557、チピファルニブおよびロナファミブなどのファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤など。
【0116】
例示的テロメラーゼ阻害剤として、テロメラーゼの活性を標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物、たとえば、テロメラーゼ受容体を阻害する化合物、たとえば、テロメスタチンが挙げられる。
【0117】
例示的なプロテアソーム阻害剤として、これらに限定されないが、ボルテゾミブおよびカルフィルゾミブなどのプロテアソームの活性を標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物が挙げられる。
【0118】
本明細書で用いられる「血液学的悪性腫瘍の処置に使用される薬剤」という用語には、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤、たとえば、FMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt-3R)活性を標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物;インターフェロン、1-b-D-アラビノフランシルシトシン(ara-c)およびビスルファン;デシタビンおよびアザシダジンなどの低メチル化剤;イブルチニブなどのBTK阻害剤;
イデレラシブおよびデュベリシブなどのPI3KガンマおよびPI3Kデルタ阻害剤;エントスプレチニブなどのSYK阻害剤;およびALK阻害剤、たとえば、未分化リンパ腫キナーゼを標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物が含まれる。
【0119】
例示的Flt-3阻害剤として、キザルチニブ、PKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518が挙げられる。
【0120】
例示的HSP90阻害剤として、HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物;ユビキチンプロテオソーム経路を介したHSP90クライアントタンパク質を分解するか、標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物が挙げられる。HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物は、特に、17-アリルアミノ、17-デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;およびラディシコールなどの、HSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体である。
【0121】
例示的HDAC阻害剤として、ボリノスタット、トリコスタチンA、ロミデプシン、パノビノスタット、エンチノスタット、モセチノスタット、ベリノスタットおよびロシリノスタットが挙げられる。
【0122】
本明細書で用いられる語句「タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/低下させる化合物」は、a)セリチニブおよびクリゾチニブなどのキナーゼALKの活性を標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物;b)トラメチニブなどのキナーゼMEKの活性を標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物;c)ダブラフェニブおよびベムラフェニブなどのRAF阻害剤;d)トラスツズマブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、アファチニブ、ネラチニブなどのレセプターチロシンキナーゼ(ホモまたはヘロ二量体としてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)およびその突然変異体の表皮成長因子ファミリーの活性を標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物;e)トファシチニブ、ルキソリチニブ、モメロチニブ、バリシチニブなどの受容体型チロシンキナーゼ(JAK1、JAK2、JAK3、TYK2)のJAKファミリーの活性を標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物;f)イマチニブまたはニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブなどのc-Ablファミリーのメンバー、それらの遺伝子融合産物(たとえば、Bcr-Ablキナーゼ)および変異体の活性を標的とするか、低下させるか、または阻害する化合物;g)ソラフェニブ、スニチニブ、カボザンチニブ、レゴラフェニブ、バンデタニブなどのマルチキナーゼ阻害剤;およびh)エベロリムスおよびシロリムスなどのmTOR阻害剤;などのタンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリンおよび/またはスレオニンキナーゼ阻害剤または脂質キナーゼ阻害剤を包含する。
【0123】
タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とするか、低下させるか、または阻害する例示的化合物として、オカダ酸またはその誘導体などのホスファターゼ1、ホスファターゼ2AまたはCDC25の阻害剤が挙げられる。
【0124】
さらに、抗血管新生化合物として、サリドマイド、レナリドマイドおよびTNP-470などの、タンパク質または脂質キナーゼ阻害とは無関係であるそれらの活性のための別の機序を有する化合物が挙げられる。
【0125】
1つ以上が本発明の化合物と組み合わせて使用され得る、さらなる例示的化学療法化合物として、ダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara-C、VP-16、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、カルボプラチナム、PKC412、6-メルカプトプリン(6-MP)、リン酸フルダラビン、オクトレオチド、SOM230、FTY720、6-チオグアニン、クラドリビン、6-メルカプトプリン、ペントスタチン、ヒドロキシウレア、アンギオスタチン、エンドスタチン、アントラニル酸アミド、ベバシズマブ、rhuMAb、rhuFab、マクジェン;FLT-4阻害剤、FLT-3阻害剤、VEGFR-2 IgG1抗体、RPI 4610、ベバシズマブ、ポルフィマーナトリウム、アネコルタブ、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11-α-エピヒドロコルチゾール、コルテキソロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロン、デキサメタゾン、フルオシノロン、植物アルカロイド、ホルモン化合物および/またはアンタゴニスト、リンホカインまたはインターフェロンなどの生物学的応答調節剤、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体、shRNAまたはsiRNA、あるいは他のまたは未知の機序を有する雑多化合物または化合物が挙げられる。
【0126】
最新の癌療法のより包括的な議論については、The Merck Manual、Seventeenth Ed. 1999を参照いただきたい。その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。FDAが承認したFDA承認腫瘍学薬リストについては、国立がん研究所N(CNI)のウェブサイト(www.nci.nih.gov)および食品医薬品局(FDA)のウェブサイトを参照いただきたい。
【0127】
1つ以上が本発明の化合物と組み合わせて使用され得る薬剤の他の例として、ドネペジルおよびリバスチグミンなどのアルツハイマー病の治療薬;L-DOPA/カルビドパ、エンタカポン、ロピニロール、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキシフェニジル、およびアマンタジンなどのパーキンソン病の治療薬;ベータインターフェロン(たとえば、アボネックス(登録商標)およびレビフ(登録商標))、グラチラマー酢酸塩、およびミトキサントロンなどの多発性硬化症(MS)を治療するための薬剤;アルブテロールおよびモンテルカストなどの喘息治療薬;ジプレキサ、リスパダール、セロクエル、ハロペリドールなどの統合失調症治療薬;コルチコステロイド、TNFブロッカー、IL-1RA、アザチオプリン、シクロフォスファミド、およびスルファサラジンなどの抗炎症薬;シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、およびスルファサラジンなどの免疫抑制剤などの免疫調節剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗痙攣薬、イオンチネル遮断薬、リルゾール、または抗パーキンソン病薬などの神経栄養因子;β遮断薬、ACE阻害薬、利尿薬、硝酸塩、カルシウムチャネル遮断薬、スタチンなどの心血管疾患治療薬;コルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロン、抗ウイルス剤などの肝疾患治療薬;コルチコステロイド、抗白血病剤または成長因子などの血液疾患を治療するための薬剤;またはガンマグロブリンなどの免疫不全障害治療剤が挙げられる。
【0128】
1つ以上が本発明の化合物と組み合わせて使用され得る上述の化合物は、当該技術分野において記載されるように製造され、投与され得る。
【0129】
本発明の化合物は、単独で、または1つ以上の他の治療化合物と組み合わせて投与することができ、併用療法は、固定された組み合わせまたは本発明の化合物および1つ以上の他の治療化合物の交互または互いに独立して与えられる投与、または固定された組み合わせおよび1つ以上の他の治療化合物の併用投与の態様をとる。本発明の化合物は、特に腫瘍療法のために、化学療法、放射線療法、免疫療法、光線療法、外科的介入、またはそれらの組み合わせと組み合わせて、それ以外に、またはそれに加えて、投与されうる。上記のように、長期治療は、他の治療方策との関連でアジュバント療法と同様に可能である。他の可能な治療は、腫瘍退縮後の患者の状態を維持するための療法、またはたとえば、リスクのある患者における化学予防療法である。
【0130】
このような追加の薬剤は、複数回投与計画の一部として、本発明の化合物を含有する組成物とは別個に投与されうる。あるいは、これらの薬剤は、単一組成物中で本発明の化合物と一緒に混合された単一剤形の一部であってもよい。複数の投薬計画の一部として投与される場合、2つの活性薬剤は、同時に、逐次的に、または互いにある期間内に、通常は互いに5時間以内に投与されうる。
【0131】
対象者の状態が改善されると、必要に応じて、本発明の化合物、組成物または組み合わせの維持用量を投与することができる。続いて、投与量または投与頻度、またはその両方を、症状の関数として、症状が所望のレベルまで軽減され、治療を終了すべきときに、改善された状態が維持されるレベルまで低下させることができる。しかしながら、対象者は、疾患症状の再発時には、長期間にわたる断続的な治療を必要とする可能性がある。
【0132】
しかしながら、本発明の化合物および組成物の毎日の合計使用量は、堅実な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定の患者のための特定の阻害用量は、治療される障害および障害の重篤度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食事;投与時間、投与経路、および使用される特定の化合物の排出速度;治療の持続時間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;および医療分野で周知の同様の因子などのさまざまな因子に依存する。
【0133】
本明細書で用いられる用語「組み合わせ」、「併用する」および関連する用語は、本発明による治療剤の同時または逐次投与を意味する。たとえば、本発明の化合物は、別の治療剤とともに、別々の単位剤形で同時にまたは連続して、または単一の単位剤形で一緒に投与されうる。したがって、本発明の1つの実施態様は、本発明の化合物、追加の治療剤、および本発明の方法における使用のための薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む単一の単位剤形を提供する。
【0134】
本開示の組成物中に存在する追加の治療剤の量は、治療剤を唯一の活性剤として含む組成物中に通常投与されるであろう量を超えない。好ましくは、本明細書に開示された組成物中の追加の治療剤の量は、唯一の治療的に有効な薬剤としてその薬剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%〜100%の範囲である。
【0135】
本発明の化合物またはその医薬組成物を、プロテーゼ、人工弁、血管移植片、ステントおよびカテーテルなどの移植可能な医療器具をコーティングするための組成物に組み込むこともできる。たとえば、血管ステントは、再狭窄(傷害後の血管壁の再狭窄)を克服するために使用されてきた。しかしながら、ステントまたは他の移植可能な装置を使用する患者には、血餅形成または血小板活性化の危険がある。これらの望ましくない効果は、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物でデバイスをプレコーティングすることによって防止または緩和されうる。本発明の化合物で被覆された移植可能なデバイスは、本発明の別の実施態様である。
【0136】
本明細書中の可変基の任意の定義における化学基の列挙の記述は、任意の単一の基または列挙された基の組み合わせとしてのその可変基の定義を包含する。本明細書における可変基の具体例の記述は、その具体例を、任意の単一の具体例として、または任意の他の具体例またはその一部との組み合わせで包含する。本明細書における実施態様の記述は、その実施態様を、任意の単一の実施態様として、または任意の他の実施態様またはその一部と組み合わせて包含する。
【0137】
もう1つの態様では、本発明は、本明細書に記載の任意の式の化合物を合成する方法を提供する。別の実施態様は、本明細書に記載の反応のいずれか1つまたは組合せを用いて、本明細書に記載のの式のいずれかの化合物を製造する方法である。該方法は、本明細書に記載の1つ以上の中間体または化学試薬の使用を含みうる。
【0138】
組成物および投与
もう1つの態様では、本発明は、本明細書中のいずれかの式の化合物および薬学的に許容される賦形剤、たとえば、アジュバント、担体またはビヒクルを含む組成物を提供する。
【0139】
1つの実施態様では、本発明は、追加の治療剤と組み合わせた組成物を提供する。
【0140】
別の実施態様によれば、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される誘導体および薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルを含む組成物を用いて、ブロモドメイン含有タンパク質(BRD2、BRD3、BRD4および/またはBRDTなどのBETタンパク質など)を阻害する方法を提供する。提供される組成物中の本発明の化合物の量は、生体サンプルまたは患者において、1つ以上のブロモドメイン含有タンパク質(BRD2、BRD3、BRD4および/またはBRDTなどのBETタンパク質など)またはその変異体を測定可能に阻害するのに有効な量である。特定の実施態様では、提供される組成物中の本発明の化合物の量は、生体サンプルまたは患者において、1つ以上のブロモドメイン含有タンパク質(BRD2、BRD3、BRD4および/またはBRDTなどのBETタンパク質など)またはその変異体を測定可能に阻害するのに有効な量である。特定の実施態様では、提供される組成物は、そのような組成物を必要とする患者への投与用に製剤される。いくつかの実施態様では、提供される組成物は、患者への経口投与用に製剤される。
【0141】
本明細書で用いられる用語「患者」は、ヒトなどの哺乳類などの動物を意味する。
【0142】
ヒトなどの霊長類に加えて、種々の他の哺乳動物を本発明の方法に従って治療することができる。たとえば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラットまたは他のウシ属、ヒツジ類、ウマ科、イヌ科、ネコ科、げっ歯類またはネズミ種を含むが、これらに限定されない哺乳類を治療することができる。しかしながら、この方法は、鳥類(たとえば、ニワトリ)などの他の種においても実施されうる。
【0143】
用語「薬学的に許容される賦形剤」は、製剤される化合物の薬理学的活性を破壊しない非毒性の促進剤を意味する。本開示の組成物に使用されうる担体、アジュバントまたはビヒクルなどの薬学的に許容される賦形剤として、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの塩または電解質、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0144】
本発明の化合物の投与のための医薬組成物は、投与単位形態で好都合に提供することができ、薬学の分野で周知の任意の方法によって製造されうる。全ての方法は、有効成分と、1種以上の補助成分を構成する担体とを接触させるステップを含む。一般に、医薬組成物は、有効成分を液体担体または微粉化した固体担体またはその両方と均一かつ密接に接触させ、次に、必要に応じて生成物を所望の製剤に成形することによって製造される。医薬組成物において、活性対象化合物は、疾患の進行または状態において所望の効果を生じるのに十分な量で含まれる。本明細書で用いられる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、および特定の成分の特定の量の組み合わせから直接的または間接的に得られる製品を包含することを意図する。
【0145】
本明細書に記載の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、経直腸的に、経鼻的に、頬側に、経膣的に、またはインプラントされたリザーバーを介して投与されうる。本明細書で用いられる用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内の注射または注入技術を包含する。
【0146】
経口投与のための液体剤形として、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。活性化合物に加えて、液体剤形は、たとえば、水または他の溶媒などの当業界で一般的に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物などの可溶化剤および乳化剤を含むことができる。不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味料、香味料および芳香剤などのアジュバントを含むこともできる。
【0147】
注射用製剤、たとえば、滅菌注射用水性または油性懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、公知の技術にしたがって製剤されうる。滅菌注射用製剤はまた、たとえば、1,3-ブタンジオール溶液としてなど、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液またはエマルションであってもよい。使用することができる許容されるビヒクルおよび溶媒として、水、米国薬局方リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、滅菌固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドなどの任意の低刺激性固定油が使用されうる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の製造に使用される。
【0148】
医薬組成物は、滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、上記の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、公知の技術にしたがって製剤されうる。滅菌した注射用製剤は、たとえば、1,3-ブタンジオール中の溶液などの非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。使用することができる許容されるビヒクルおよび溶媒として、特に、水、リンゲル溶液および等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、滅菌固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドなどの任意の低刺激性固定油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の製造に使用される。
【0149】
注射用製剤は、たとえば、細菌保持フィルターによるろ過によって、または使用前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散されうる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌されうる。
【0150】
本発明の化合物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射から化合物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、水溶性の低い結晶質または非晶質の液体懸濁液の使用によって達成されうる。次に、化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、その溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存しうる。あるいは、非経口的に投与される化合物形態の遅延吸収は、化合物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。注射可能なデポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中の化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって製造される。化合物対ポリマーの比および使用される特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルション中に化合物を封入することによって調製される。
【0151】
直腸または膣投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物を、周囲温度で固体であるが体温で液体であり、したがって、直腸または膣腔内で融解し、活性化合物を放出するココアバター、ポリエチレングリコールまたは座薬ワックスなどの適切な非刺激性賦形剤または担体と混合することによって製造されうる坐剤である。
【0152】
経口投与用の固体剤形として、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性な、薬学的に許容される賦形剤または担体、たとえば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムおよび/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)たとえば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、アカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの湿潤剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶液遅延剤、f)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの滑沢剤と混合される。カプセル剤、錠剤および丸薬の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
【0153】
同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟および硬充填ゼラチンカプセル中の充填剤としても使用されうる。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒の固体剤形は、腸溶性コーティングおよび医薬製剤分野において周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて製造されうる。それらは場合により、乳白剤を含有してもよく、それらは有効成分を単独で、または優先的に、腸管の特定の部分において、場合により遅延して放出する組成物でありうる。使用可能な包埋組成物の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟および硬充填ゼラチンカプセル中の充填剤としても使用されうる。
【0154】
本発明の化合物はまた、上記のような1つ以上の賦形剤を含むマイクロカプセル化形態でありうる。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび医薬製剤分野において周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて製造されうる。そのような固体剤形では、活性化合物は、ショ糖、乳糖またはデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されてもよい。このような剤形はまた、通常通り、不活性希釈剤以外の追加の物質、たとえば、錠剤用滑沢剤および他の錠剤化助剤、たとえば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースも含みうる。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。それらは場合により、乳白剤を含有してもよく、それらは有効成分を単独で、または優先的に、腸管の特定の部分において、場合により遅延して放出する組成物でありうる。使用可能な包埋組成物の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0155】
本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形として、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチが挙げられる。有効成分は、必要とされるような薬学的に許容される担体および任意の必要な防腐剤または緩衝液と無菌条件下で混合される。眼科用製剤、点耳剤および点眼剤もまた、本発明の範囲内であると考えられる。さらに、本発明は、身体への化合物の制御された送達を提供するという追加の利点を有する経皮パッチの使用を企図する。そのような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解または分配することによって製造されうる。吸収促進剤を、皮膚を横切る化合物の流量を増加させるために使用することもできる。速度は、速度制御膜を提供することにより、またはポリマーマトリックスまたはゲル中に化合物を分散させることにより、制御されうる。
【0156】
本明細書で提供される薬学的に許容される組成物はまた、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。このような組成物は、医薬製剤分野で周知の技術に従って製造され、ベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の従来の可溶化剤または分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として製造されうる。
【0157】
本明細書で提供される薬学的に許容される組成物は、経口投与のために製剤化されうる。このような製剤は、食物とともに、あるいは食物なしで投与されうる。いくつかの実施態様では、本発明の薬学的に許容される組成物は、食物なしで投与される。他の実施態様では、本開示の薬学的に許容される組成物は、食物とともに投与される。
【0158】
適切な投薬量レベルは、一般に、患者の体重1kg当たり1日約0.01〜500mgであり、1回または複数回の投与で投与されうる。好ましくは、投薬量レベルは、約0.1〜約250mg/kg/日、より好ましくは約0.5〜約100mg/kg/日である。適切な投薬量レベルは、約0.01〜250mg/kg/日、約0.05〜100mg/kg/日、または約0.1〜50mg/kg/日でありうる。この範囲内で、投薬量は、0.05〜0.5、0.5〜5または5〜50mgmg/kg/日であってもよい。経口投与の場合、組成物は、好ましくは、有効成分1.0〜1000ミリグラム、特に、治療される患者への投薬量の症候的調整のために、1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、および1000.0ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の形態で提供される。化合物は、1日当たり1〜4回、好ましくは1日に1〜2回の投薬計画で投与することができる。
【0159】
しかしながら、任意の特定の患者のための特定の用量レベルおよび投与頻度は変化しうること、および使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与の様式および時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、特定の状態の重篤度、および治療を受ける宿主などのさまざまな因子に依存することが理解されるであろう。組成物中の本発明の化合物の量は、組成物中の特定の化合物にも依存する。
【0160】
本明細書中で使用される場合、文脈上別途必要な場合を除いて、「を含む」、「含む」、「含まれる」などの、「含む」という用語およびその変形は、さらなる添加物、成分、整数またはステップを排除することを意図するものではない。
【0161】
本発明のさらる態様および前の段落で説明した態様のさらなる実施態様は、例として与えられ、添付の図面を参照して、以下の説明から明らかになるであろう。
【0162】
化学
化学の一般的記載
本開示の6,7-ジヒドロ-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(I)化合物を、以下の例示的な経路によって調製することができる。
【0163】
適切に置換された6,7-ジヒドロ-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(A)[ここで、Xは、好ましくは、ヨード、ブロモまたはトリフレートである]の置換された誘導体(I)への変換は、適切に官能化されたカップリングパートナーとの金属媒介クロスカップリング反応によって達成されうる。典型的な金属触媒はパラジウム種であり、典型的なカップリングパートナーは、ボロン酸またはエステル(Suzuki coupling:Chem Rev. 1995、95、2457)、スタンナン(スティルカップリング:Synthesis 1992、803-815.)、グリニャール試薬(熊田カップリング:Org Synth. 1988、Coll. Vol. 6、407)、有機亜鉛種(根岸カップリング:J. Organomet Chem. 2002、653、34)、アルケン(ヘック反応:Tetrahedron 2001、57、7449)またはアルキン(薗頭カップリング:Synlett 2009、2896)である。鈴木カップリングが、好ましいカップリング方法であり、典型的には、K2CO3、LiOH、Cs2CO3、NaOH、KFまたはK3PO4などの塩基の存在下、DME、THF、DMF、エタノール、プロパノール、トルエンまたは1,4-ジオキサンなどの溶媒中で行われる。反応は高温で実施することができ、使用するパラジウム触媒は、Pd(PPh3)4、Pd(OAc)2、[PdCl2(dppf)]、Pd2(dba)3から選択されうる。
【化4】
【0164】
置換基R4は、ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン誘導体(B)のアルキル化によって、6,7-ジヒドロ-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン誘導体(D)に導入されうる。このようなアミドカルボニルへのアルキル化αの条件は、当業者に周知であり、溶媒中でのベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン誘導体(B)と塩基の反応および生成したアニオンとアルカリ剤との反応を包含する。好ましい塩基として、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジイソプロピルアミドおよび水酸化ナトリウムが挙げられる。好ましいアルキル化剤として、置換アルキルヨージド、置換アルキルブロミドおよび置換アルキルクロリドが挙げられる。好ましい溶媒として、-80℃〜還流温度にて、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、HMPAおよびアセトニトリルが挙げられる。置換ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン誘導体(C)は、上記の条件下でさらにアルカリ化されてもよく、 適切な溶媒中で還元剤に暴露することにより、6,7-ジヒドロ-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン誘導体(D)に変換されてもよい。好ましい還元剤として、TFAなどの添加剤とともに、ボラン、水素化アルミニウムリチウム、DIBAL-H、水素化ホウ素リチウム、および水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。好ましい溶媒として、テトラヒドロフランが挙げられる。
【0165】
【化5】
【0166】
あるいは、置換基R4は、ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン誘導体(B)の還元的アルキル化によって、6,7-ジヒドロ-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン誘導体(E)に導入されうる。そのような変換のための方法は当業者に公知であり、好ましい方法は、(B)を2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジンおよびトリフルオロメタンスルホン酸無水物に暴露させ、続いて、グリニャール試薬で処理することを含む(J. Org. Chem. 2013、78、8305-8311)。
【0167】
【化6】
【0168】
ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン誘導体(I)は、α-クロロアセチルクロリドによるアニリン窒素のアシル化、および続いてのナトリウムアジドとの反応の後の加熱を含む段階的手順において、アニリン(F)から製造されうる。(F)のアシル化は、当業者に周知の条件下で行われ、典型的には、ジクロロメタン、トルエンまたはテトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒中、アニリンとα-クロロアセチルクロリドまたはその置換された形態との間の反応を、トリエチルアミンまたは炭酸カリウムなどの塩基の存在下で行う。反応を補助するためにDMAPなどの求核アシル化触媒を加えることができる。次に、このようにして形成された塩化物(G)を、トルエン、ジメチルホルムアミドまたはN-メチルピロリジノンなどの不活性溶媒中、アジ化ナトリウムなどのアジド源と反応させてアジド中間体を生成し、続いて、加熱して[3+2]付加環化させることによって、ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(C)を生成させる。
【0169】
【化7】
【0170】
アニリン(F)は、市販品を購入してもよく、あるいは、適切な金属触媒の存在下でのアニリン誘導体((H)、ここでXは、ブロモ、ヨードまたはトリフラートであるのが好ましい)と、末端アセチレン誘導体との反応によって製造されてもよい。好ましい方法は、薗頭カップリング(Comp. Org. Syn. 1991、3、551-561)であり、ここで、銅アセチリド種が、トリエチルアミンなどのアミン塩基の存在下、(PPh3)2PdCl2などのパラジウム触媒を用いて、末端アセチレンと、ヨウ化第一銅などの銅(I)塩から形成される。
【0171】
【化8】
【0172】
あるいは、アニリン(F)を、Yが好ましくはシアノ、エステル、酸、酸ハロゲン化物またはアミドであるアニリン(J)から段階的に得ることができる。当業者に周知の条件下でのY基の還元により、アルデヒド(K)が生成され、次に、所望のアルキン誘導体(当業者に公知の条件下で(F))に変換される。(J)の還元のための好ましい方法は、DIBAL-H、リチウムトリ(tert-ブトキシアルミニウムヒドリド)を包含し、あるいは、対応するアルコールへの還元(たとえば、水素化アルミニウムリチウムを用いて)および続いてのアルデヒド(J)への酸化(たとえば、スワーン酸化、TPAPまたは二酸化マンガンを用いて)を包含してもよい。還元反応は、好ましくはテトラヒドロフランなどの溶媒中で低温にて行われる。アルデヒド(J)のアルキン(F)への変換のための好ましい方法は、Bestmann-Ohira試薬またはその変形を用いたセイファース・ギルバート増炭反応[J. Org. Chem.、1982、47、1837-1845]などの反応を含む。これらの反応により形成された末端アセチレン(R1=H)を、コーリー・フックス反応などの手順を用いて、さらに変化させることができた(R1≠H)。R1=Meであるアルキン(F)を生成する好ましい方法は、エチルフェニルスルホンのアニオンをアルデヒド(K)に付加し、ClP(O)(OEt)2およびt-BuOKをワンポットで用いた連続処理による二重脱離手順を行うことを含む[Synlett 2007、1909-1912]。当業者であれば、上記のいくつかの例において、合理的な収率および効率で反応を進行させるために、アニリンを誘導体化(すなわち保護)する必要があることを理解するであろう。適切な保護基は、当業者に周知であり、「Protective Groups in Organic Synthesis」by Theodora Greene and Peter Wuts、fourth edition、Wiley Interscience、2006などのテキストに見出されうる。
【0173】
【化9】
【0174】
アニリン(H)および(J)は、対応する第一級アニリンをさまざまな条件下で反応させて、R3を導入することによって得られる。このような変換のための一般的な手順として、アルキルハロゲン化物を用いるアルキル化;適切なアルデヒドでのイミン形成に続く還元(すなわち、還元的アミノ化);またはCu(II)塩などの適切な金属触媒の存在下でのアリールまたはアルキルボロン酸誘導体(またはスタンナン、シロキサン、ヨードニウム塩)とのカップリング反応(たとえば、Chan-Lam coupling:Tetrahedron 2012、68、7735)が挙げられる。あるいは、R3を、遷移金属で触媒されたアミノ化反応(バックワルド・ハートウィッグ反応)によって導入することができる。このような変換のための典型的な触媒として、Pd(OAc)2/P(t-Bu)3、Pd2(dba)3/キサントホスおよびPd(OAc)2/BINAPが挙げられる。これらの反応は、典型的にはトルエンまたはジオキサンなどの溶媒中で、炭酸セシウムまたはナトリウムtert-ブトキシドまたはカリウムtert-ブトキシドなどの塩基の存在下、室温から還流温度の範囲の温度で実施される(たとえば、Hartwig、J.F.、Angew. Chem. Int. Ed. 1998、37、2046)。
【0175】
上記の方法は例示的なものであり、反応順序は上記のものとは別の順序で行うことができることが理解されるであろう。本発明の化合物を製造するための上記のように製造された化合物のさらなる合成は、当業者に周知の手順を用いて実施されてもよい。
【0176】
一般的な化学の方法
核磁気共鳴スペクトル(1H NMR、600 MHzおよび300 MHzならびに13C NMR、150 MHzおよび75 MHz)は、特に明記しない限り、溶媒としてCDCl3を用いて300Kで得られた。化学シフトは、δスケールにおいてppmで記録され、適切な溶媒ピークを基準とする。Merckシリカゲル60 F254アルミニウム支持プレート上で分析薄層クロマトグラフィー(TLC)を行い、短波長UV(254nm)吸光度で可視化した。クロマトグラフィーを、予め充填されたシリカゲルカラム(粒径 0.040-0.063 mm)を備えたコンビフラッシュ(CombiFlash)(登録商標)Rf精製システム(Teledyne、ISCO、Lincoln、NE、USA)、またはシリカゲル60を備えたガラスカラム(粒径 0.040-0.063 mm)を用いるフラッシュクロマトグラフィーのいずれかを使用して実施した。無水溶媒を、自動溶媒精製システム(MBraun SPS、Garching、Germany)を用いて乾燥させた。全ての市販の試薬は、入手したままの状態で使用した。
【0177】
二つの異なる方法のいずれか一方を用いて、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)を行った:方法A)逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を用いるFinnigan LCQ Advantage Max(カラム:Gemini 3μ C18 20 x 4.0 mm 110A)溶媒A:水 0.1% ギ酸、溶媒B:アセトニトリル 0.1% ギ酸、勾配:10-100% B 10分間にわたる、検出:100-600 nmおよびエレクトロスプレーイオン化(ESI)ポジティブモードにて、イオン源温度300℃。方法B)(5分法):LCモデル:Agilent 1200(ポンプタイプ:バイナリポンプ、検出器型:DAD)MSモデル:Agilent G6110A Quadrupole。カラム:Xbridge-C18、2.5 μm、2.1×30 mm。カラム温度:30℃。波長の取得:214 nm、254 nm。移動相:A:0.07% HCOOH水溶液、B:MeOH。実行時間:5分。MS:イオン源:ES+(またはES-)。
MS範囲:50〜900 m/z。フラグメンター:60。乾燥ガス流:10 L/分。噴霧器圧:35 psi。乾燥ガス温度:350℃。Vcap:3.5 kV。
【0178】
分取質量指向性LC
方法A:
装置:Waters ZQ 3100-質量検出器、Waters 2545-ポンプ、Waters SFO System 流体工学オーガナイザー、Waters 2996 ダイオードアレイ検出器、Waters 2767 サンプルマネジャー
【0179】
LC条件:逆相HPLC分析。カラム:XBridge(商標)C18 5 μm 19 x 50 mm。注入体積500 μL;溶媒A:水 0.1 % ギ酸。溶媒B:MeCN 0.1 % ギ酸;勾配:5% B 4分間にわたる、次に5-100 % B 8分間にわたる、次に100% B 4分間にわたる;流速:19mL/分。検出:100-600 nm。MS条件:イオン源:シングル四重極;イオンモード:ES ポジティブ。イオン源温度:150℃;脱溶媒和温度:350℃。検出:イオン計数。キャピラリー(KV)-3.00。コーン(V):30 抽出器(V):3 RF レンズ(V):0.1 スケールレンジ:100-1000 Amu 走査時間:0.5秒;取得時間:10分。
ガス流:脱溶媒和 L/時間-650;コーン L/時間-100
【0180】
方法B:
装置型:VARIAN 940 LC。ポンプ型:バイナリポンプ。検出器型:PDA
LC条件:カラム:Waters SunFire prep C18 OBD、5 μm、19×100 mm。取得波長:214 nm、254 nm。移動相:A:0.07% TFA水溶液、B:MeOH、0.07% TFA。
【0181】
略語
ACN アセトニトリル
AD-mix AD-mix-アルファ
EA 酢酸エチル
cHex シクロヘキサン
DAST 三フッ化ジエチルアミノ硫黄
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DME 1,2-ジメトキシエタン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
K3PO4 リン酸三カリウム
ローソン試薬 2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジチオン
LiAlH4 水素化リチウムアルミニウム
m-CPBA メタ-クロロペルオキシ安息香酸
MeOH メタノール
MsCl 塩化メタンスルホニル
MW マイクロウェーブ
HATU (O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)
PE 石油エーテル
RT 室温
TFA 2,2,2-トリフルオロエタン酸
THF テトラヒドロフラン
TBAF テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド
キサントホス 4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
Xphos 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル
【0182】
具体例
【化10】
【0183】
【化11】
ステップ1:N-ベンジル-2-(プロプ-1-イン-1-イル)アニリン
スクリューキャップ反応容器に、攪拌棒、N-ベンジル-2-ヨードアニリン[Org. Lett.、2013、15(13)、3274-3277](1.00g、3.23mmol)、Pd(PPh3)2Cl2(50mg、0.07mmol)およびCuI(40mg、0.2mmol)を入れた。容器を排気し、窒素で3回再充填し、次に、トリエチルアミン(5mL)およびDMF(2.5mL)を加え、混合物を-78℃に冷却した。次に、予め冷却した針を介して、プロピン(3.8mL、4.8mmol)を混合物に凝結させた(体積は置換によって測定)。次に、反応容器をスクリューキャップで迅速に密封し、冷却浴を除去し、混合物を室温にて一晩撹拌した。次に、反応混合物をジエチルエーテル(10mL)に注ぎ、水(3×5mL)で洗浄した。次に、水相をジエチルエーテル(3×5mL)で抽出し、次に、合わせた有機画分をブライン(5mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。次に、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離2:98〜5:95、v/v、EtOAc:シクロヘキサン)により精製して、N-ベンジル-2-(プロパ-1-イン-1-イル)アニリン( 690mg、98%)を粘稠な褐色油状物として得た。
LCMS(方法C):6.00分
m/z[MH]+=222.3;
1H-NMR(600 MHz、CDCl3):δ 7.35(m、5H)、7.27(m、1H)、7.10-7.07(m、1H)、6.61-6.58(m、1H)、6.52(d、J=8.3 Hz、1H)、4.42(s、2H)、2.10(s、3H)。
【0184】
【化12】
ステップ2:N-ベンジル-2-クロロ-N-(2-(プロパ-1-イン-1-イル)フェニル)アセトアミド
DCM(20mL)中のクロロアセチルクロリド(540μL、6.80mmol)の磁気攪拌溶液に、DCM(20ml)中のN-ベンジル-2-(プロパ-1-イン-1-イル)アニリン(1.00mg、4.50mmol)を加えた。次に、硫酸水素テトラ-n-ブチルアンモニウム(200μLの約55%水溶液)を加え、続いて、炭酸カリウム(940mg、6.80mmol)を加えた。1時間後、反応混合物をHCl(2×10mLの1M溶液)、次いで、NaOH(2×10mLの1M溶液)で洗浄した。合わせた水相をEtOAc(3×5mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離、5:95〜1:9、v/v、EtOAc:シクロヘキサン)により精製して、N-ベンジル-2-クロロ-N-(2-(プロパ-1-イン-1-イル)フェニル)アセトアミド(1.22g、91%)を粘稠な黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):6.80分
m/z[MH]+=298.1;
1H-NMR(600 MHz、CDCl3):δ 7.44(d、J=7.7 Hz、1H)、7.28-7.23(m、4H)、7.20-7.16(m、3H)、6.83(d、J=7.9 Hz、1H)、5.36(d、J=14.3 Hz、1H)、4.41(d、J=14.2 Hz、1H)、3.92-3.90(m、1H)、3.81(dd、J=13.7、1.3 Hz、1H)、2.00(s、3H)。
【0185】
【化13】
ステップ3:7-ベンジル-1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン
DMF(0.5mL)中のN-ベンジル-2-クロロ-N-(2-(プロパ-1-イン-1-イル)フェニル)アセトアミド(34mg、0.11mmol)の磁気撹拌溶液に、アジ化ナトリウム(18mg、0.29mmol)を加えた。混合物を100℃に1時間加熱し、温度を140℃に2時間上昇させた。反応混合物をEtOAc(5mL)に注ぎ、水(5mL)で洗浄し、有機相をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(溶離、1:9、v/v、EtOAc/シクロヘキサン)により精製して、7-ベンジル-1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(18mg、54%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):6.27分
m/z[MH]+=305.3
1H-NMR(600 MHz、CDCl3):δ 7.46-7.43(m、3H)、7.35-7.33(m、1H)、7.18-7.16(m、3H)、6.90(dd、J=6.4、2.4 Hz、2H)、5.47(d、J=14.1 Hz、1H)、5.19(d、J=15.5 Hz、1H)、4.90(d、J=15.5 Hz、1H)、4.62(d、J=14.1 Hz、1H)、2.46(s、3H)。
【0186】
【化14】
ステップ4:7-ベンジル-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(1mL)中の7-ベンジル-1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(80mg、0.26mmol)の磁気攪拌溶液に、ボラン(THF中の1M溶液1.3mL、1.3mmol)を加え、混合物を16時間加熱還流した。混合物を冷却し、MeOH(2mL)を加え、溶液を減圧下で濃縮した。このプロセスをさらに2回繰り返した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離、1:9〜1:4、v/v、EtOAc:シクロヘキサン)により精製して、7-ベンジル-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(44mg、57%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):7.11分
m/z[MH]+=291.3;
【0187】
【化15】
【0188】
【化16】
ステップ1:酢酸3-(2-(ベンジルアミノ)フェニル)プロパ-2-イン-1-イル
100mLフラスコに、Pd(PPh3)4(654mg、0.57mmol)およびCuI(216mg、1.13mmol)を入れ、次に、フラスコを排気し、窒素で再充填した。次に、THF中のN-ベンジル-2-ヨードアニリン[Org. Lett.、2013、15、3274-3277](3.50g、11.32mmol)、続いて、酢酸プロパルギル(1.69mL、16.98mmol)およびトリエチルアミン(5mL)を加えた。混合物を室温にて2時間撹拌し、次に、SiO2上で濃縮した。次の固体をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離、0:1〜1:4、v/v、EtOAc:シクロヘキサン)に付して、酢酸3-(2-(ベンジルアミノ)フェニル)プロパ-2-イン-1-イル(2.87g、98%)を粘稠なオレンジ色油状物として得た。
LCMS(方法b):5.10分
m/z[MH]+=279.0
1H-NMR(600 MHz、CDCl3):δ 7.36-7.28(m、6H)、7.16-7.13(m、1H)、6.63(t、J=7.5 Hz、1H)、6.56(d、J=8.3 Hz、1H)、4.92(s、2H)、4.43(s、2H)、2.08(d、J=0.7 Hz、3H)。
【0189】
【化17】
ステップ2:酢酸3-(2-(N-ベンジル-2-クロロアセトアミド)フェニル)プロパ-2-イン-1-イル
DCM(100mL)中の酢酸3-(2-(ベンジルアミノ)フェニル)プロパ-2-イン-1-イル(2.85g、10.2mmol)の磁気攪拌溶液に、クロロアセチルクロリド(1.217mL、15.3mmol)を加え、続いて、硫酸水素テトラ-n-ブチルアンモニウム(1.0mLの約55%水溶液)および炭酸カリウム(2.12g、15.3mmol)を加えた。混合物を2時間激しく撹拌し、次に、有機相をHCl(2×30mLの0.1M溶液)で、次に、NaHCO3(2×30mLの飽和水溶液)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離、0:1〜2:3、v/v、EtOAc:シクロヘキサン)により精製して、酢酸3-(2-(N-ベンジル-2-クロロアセトアミド)フェニル)プロパ-2-イン-1-イル(3.06g、84%)を橙色油状物として得た。
LCMS(方法A):5.55分
m/z[MH]+=355.7
1H-NMR(600 MHz、CDCl3):δ 7.50(d、J=7.5 Hz、1H)、7.31(d、J=7.4 Hz、1H)、7.27-7.23(m、4H)、7.18(t、J=3.3 Hz、2H)、6.88(d、J=7.8 Hz、1H)、5.31(d、J=14.3 Hz、1H)、4.79(d、J=1.2 Hz、2H)、4.44(d、J=14.3 Hz、1H)、3.89(d、J=13.5 Hz、1H)、3.78(d、J=13.5 Hz、1H)、2.14(s、3H)。
【0190】
【化18】
ステップ3:酢酸(7-ベンジル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メチル
DMF(25mL)中の酢酸3-(2-(N-ベンジル-2-クロロアセトアミド)フェニル)プロパ-2-イン-1-イル(3.00g、8.43mmol)およびアジ化ナトリウム(1.37g、21.08mmol)の磁気攪拌溶液を100℃に1時間加熱し、次に、温度を115℃に3時間上昇させた。次に、冷却した混合物を濃縮し、残渣にEtOAc(50mL)を加え、水(2×5mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離、0:1〜1:0、v/v、EtOAc:シクロヘキサン)により精製して、酢酸(7-ベンジル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メチル(2.14g、70%)を褐色固体として得た。
LCMS(方法A)5.02分
m/z[MH]+=363.1
1H-NMR(600 MHz、CDCl3):δ 7.56(dd、J=7.8、0.9 Hz、1H)、7.49-7.45(m、2H)、7.37-7.34(m、1H)、7.16(dt、J=3.1、1.6 Hz、3H)、6.90-6.88(m、2H)、5.52(d、J=14.2 Hz、1H)、5.42(d、J=12.9 Hz、1H)、5.23(d、J=15.5 Hz、1H)、5.04(d、J=12.9 Hz、1H)、4.88(d、J=15.5 Hz、1H)、4.64(d、J=14.2 Hz、1H)、2.07(s、3H)。
【0191】
【化19】
ステップ4:7-ベンジル-1-(ヒドロキシメチル)-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン
THF(2mL)および水(0.5mL)中の酢酸(7-ベンジル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メチル(60mg、0.17mmol)の磁気攪拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(58mg、1.4mmol)を加えた。混合物を室温にて4日間撹拌し、次に、HCl(1M)で中和し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOAc(5mL)に溶解し、水(2mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、7-ベンジル-1-(ヒドロキシメチル)-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(54mg、99%)を白色固体として得た。
1H-NMR(600 MHz、CD3OD):δ 7.28(dt、J=17.7、8.4 Hz、4H)、7.19-7.16(m、2H)、7.08(d、J=7.3 Hz、1H)、6.69(t、J=7.4 Hz、1H)、6.60(d、J=8.3 Hz、1H)、4.76(q、J=18.0 Hz、2H)、4.54(q、J=17.2 Hz、2H)、4.28(s、2H)。
【0192】
【化20】
ステップ5:酢酸(7-ベンジル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メチル
THF(27mL)中の酢酸(7-ベンジル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メチル(1.00g、2.76mmol)の磁気攪拌溶液に、ボラン(THF中の1M溶液27mL、27.59mmol)を加えた。混合物を90℃に16時間加熱し、減圧下で濃縮した。残渣をメタノール(10mL)に加え、2時間加熱還流した後、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離、0:1〜1:0、v/v、EtOAc/シクロヘキサン)により精製して、酢酸(7-ベンジル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メチル(570mg、58%)を淡黄色固体として得た。
LCMS(方法A)5.02分
m/z[MH]+=363.1;
1H-NMR(600 MHz、CDCl3):δ 7.47(dd、J=7.7、1.3 Hz、1H)、7.40-7.37(m、1H)、7.30-7.27(m、2H)、7.25(d、J=7.2 Hz、1H)、7.18(d、J=8.2 Hz、1H)、7.15(d、J=7.4 Hz、2H)、7.10(t、J=7.5 Hz、1H)、5.32(s、2H)、4.55(t、J=5.9 Hz、2H)、4.41(s、2H)、3.63(t、J=5.9 Hz、2H)、2.14(s、3H)。
【0193】
【化21】
ステップ6:(7-ベンジル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メタノール
メタノール:THF(1:4、5mL)中の酢酸(7-ベンジル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メチル(560mg、1.62mmol)の磁気攪拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(326mg、8.17mmol)を加えた。混合物を室温にて2時間撹拌し、次に、溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOAc(10mL)と水(5mL)に分配した。水相を分離し、EtOAc(3×15mL)で抽出し、合わせた有機画分をMgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、(7-ベンジル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メタノール(440mg、88%)を白色固体として得た。
LCMS(方法A)5.06分
m/z[MH]+=306.9
【0194】
【化22】
ステップ7:(7-ベンジル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メタンチオール
トルエン(2mL)中の(7-ベンジル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メタノール(50mg、0.16mmol)の磁気攪拌溶液に、ローソン試薬(40mg、0.10mmol)を加えた。混合物を還流下で24時間撹拌し、次に、冷却し、SiO2上で濃縮し、得られる粉末をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離、0:1〜1:0、v/v、EtOAc/シクロヘキサン)に付し、(7-ベンジル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メタンチオール(28mg、58 %)を無色固体として得た。
LCMS(方法B)6.43分
m/z[MH]+=323.4
【0195】
【化23】
ステップ8:7-ベンジル-1-(フルオロメチル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
DCM(5mL)中の(7-ベンジル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-1-イル)メタノール(220mg、0.72mmol)の磁気攪拌溶液に、0℃にて、窒素雰囲気下でデオキソ-フルオロ(deoxo-fluor)(331μL、1.80mmol)を滴下した。混合物を室温に温め、16時間攪拌し、次に、NaHCO3(5mLの飽和水溶液)を加えて反応を停止させた。水相をDCM(3×5mL)で抽出し、合わせた有機画分をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離、0:1〜1:1、v/v、EtOAc/シクロヘキサン)により精製して、7-ベンジル-1-(フルオロメチル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(56mg、25%)を無色固体として得た。
LCMS(方法B)6.43分
m/z[MH]+=309.3
【0196】
【化24】
【0197】
【化25】
ステップ1:1-ブロモ-2-(プロパ-1-イン-1-イル)ベンゼン
EtSO2Ph(1.1g、6.5mmol)のTHF(20mL)溶液に、-78℃にてn-BuLi(1.3M、5.0mL、6.5mmol)を加えた。混合物を窒素雰囲気下で30分間撹拌した。-78℃にて2-ブロモベンズアルデヒド(1.0g、5.4mmol)の別のTHF溶液(5mL)を加え、混合物を30分間撹拌した。-78℃にてClPO(OEt)2(1.2g、6.5mmol)を加え、混合物を3時間撹拌した。-78℃にてt-BuOK(3.0g、27mmol)を加え、35℃にて一晩攪拌した。溶媒を除去した。水および酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、水層を2回抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル)により精製して、1-ブロモ-2-(プロパ-1-イン-1-イル)ベンゼン(600mg、60%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.86分
m/z[MNa]+=217.1;1H NMR(400 MHz、CDCl3)
1H NMR δ ppm 2.14(s、3 H)7.12(td、J=8.0 Hz、1.6 Hz 1 H)7.25(td、J=7.6 Hz、1.2 Hz 1 H)7.45(dd、J=7.6 Hz、1.6 Hz 1 H)7.58(d、J=7.2 Hz 1 H)。
【0198】
【化26】
ステップ2:N-(4-クロロフェニル)-2-(プロパ-1-イン-1-イル)アニリン
トルエン(20mL)中のPd(OAc)2(18mg、0.082mmol)およびrac-BINAP(62mg、0.1mmol)、t-BuONa(148mg、1.54mmol)の溶液に1-ブロモ-2-(プロパ-1-イン-1-イル)ベンゼン(200mg、1.03mmol)および4-クロロアニリン(130mg、1.03mmol)を加えた。得られた混合物を110℃にて48時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和Na2CO3溶液(50mL)で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=100:1 )により精製して、N-(4-クロロフェニル)-2-(プロパ-1-イン-1-イル)アニリン(140mg、58%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法B):3.54分
m/z[MH]+=242.1
1H-NMR(400 MHz、CDCl3)δ ppm 2.32(s、3 H)6.43(s、1 H)7.11(m、3 H)7.31(dd、J=6.4 Hz、2.0 Hz 2 H)7.53(dd、J=6.4 Hz、2.0 Hz 2 H)7.59(m、1 H)。
【0199】
【化27】
【0200】
【化28】
ステップ1:3-アミノ-4-プロパ-1-イニル-安息香酸メチル
2口フラスコに、3-アミノ-4-ヨード-安息香酸メチル(5000mg、18.05mmol)、[(C6H5)3P]2PdCl2(316.68mg、0.45mmol)、ヨウ化銅(1718.48mg、9.02mmol)、無水Et3N(50mL)および無水DMF(30mL)を加えた。反応混合物を-78℃に冷却し、3mLのDMFを含む予め冷却した(-78℃)メスシリンダー中でガスを凝結させることによって測定された凝結プロピン(1.00mL、1.3当量)を反応混合物にカニューレで挿入した。反応混合物を室温にて13時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発させ、酢酸エチルおよび水を加え、酢酸エチル(2回)で抽出することによって混合物を後処理した。粗油状物をコンビフラッシュ(シクロヘキサン/EtOAc:100/0〜80/20)により精製して、2210mg(64.7%)の3-アミノ-4-プロパ-1-イニル-安息香酸メチルを黄色固体として得た。
LCMS(方法A):5.85分
m/z[MH]+=190.3
【0201】
【化29】
ステップ2:3-(4-クロロアニリノ)-4-プロパ-1-イニル-安息香酸メチル
3-アミノ-4-プロパ-1-イニル-安息香酸メチル(1150mg、6.08mmol)を室温にてジクロロメタンに溶解した。(4-クロロフェニル)ボロン酸(1900mg、12.16mmol)、ピリジン(0.98ml、12.16mmol)およびジアセトキシ銅(2208mg、12.16mmol)を加え、反応混合物を室温にてO2雰囲気(バルーン)下で16時間攪拌した。反応混合物をクエン酸/ジクロロメタン水溶液に分配した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗油状物をコンビフラッシュ(シクロヘキサン/EtOAc:100/0〜70/30)に無水充填し、1350mg(74.1%)の3-(4-クロロアニリノ)-4-プロパ-1-イニル-安息香酸メチルを白色固体として得た。
LCMS(方法B):7.48分
1H-NMR(600 MHz、クロロホルム-d):δ ppm 2.15(s、3H)、3.85(s、3H)、7.12(d、J=8.8 Hz、2H)、7.37(d、J=8.0 Hz、1H)、7.43(dd、J=8.0 Hzおよび1.5 Hz、1H)、7.76(d、J=1.5 Hz、1H)。
m/z[MH]+=300.2
【0202】
【化30】
ステップ3:3-(4-クロロ-N-(2-クロロアセチル)アニリノ)-4-プロパ-1-イニル-安息香酸メチル
3-(4-クロロアニリノ)-4-プロパ-1-イニル-安息香酸メチル(910mg、3.04mmol)をトルエン(15mL)に室温にて溶解し、溶液を0℃に冷却した。2-クロロアセチルクロリド(0.36ml、4.55mmol)を滴加し、反応混合物を80℃にて16時間加熱し、室温に冷却し、H2OとEtOAcに分配した。有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。粗油状物をコンビフラッシュ(シクロヘキサン/EtOAc:95/5〜60/40)により精製して、880 mg(77%)の3-(4-クロロ-N-(2-クロロアセチル)アニリノ)-4-プロパ-1-イニル-安息香酸メチルを白色固体として得た。
LCMS(方法A):6.96分
m/z[MH]+=376.2-378.2。
1H-NMR(600 MHz、クロロホルム-d):δ ppm 2.06(br s、3H)、3.90(s、3H)、3.99-4.06(m、2H)、5.56(d、J=14.1 Hz、1H)、7.30(br m、2H)、7.55(br m、2H)、7.91(m、1H)、7.95(m、1H)、8.0(m、1H)。
【0203】
【化31】
ステップ4:7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5,6,7a,11a-テトラヒドロトリアゾロ[1,5-d][1,4]ベンゾジアゼピン-9-カルボン酸メチル
3-(4-クロロ-N-(2-クロロアセチル)アニリノ)-4-プロパ-1-イニル-安息香酸メチル(200mg、0.53mmol)をDMF(5mL)に室温にてN2下で溶解した。NaN3(104mg、1.59mmol)を加え、反応混合物を室温にて16時間撹拌した。混合物をEtOAcとH2Oに分配した。有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。粗油状物をDMF(2mL)に再溶解し、反応混合物を150℃にて4時間加熱し、室温に冷却し、ジクロロメタンとH2Oとに分配した。有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。粗油状物をコンビフラッシュ(ジクロロメタン/MeOH 100/0〜90/10)により精製して、7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5,6,7a,11a-テトラヒドロトリアゾロ[1,5-d][1,4]ベンゾジアゼピン-9-カルボン酸メチルを淡黄色固体として得た。
LCMS(方法A):5.94分
1H-NMR(600 MHz、クロロホルム-d):δ ppm 2.64(s、3H)、3.88(s、3H)、4.71(d、J=14.1 Hz、1H)、5.56(d、J=14.1 Hz、1H)、7.06(d、J=8.9 Hz、2H)、7.37(d、J=8.9 Hz、2H)、7.65(s、1H)、7.67(m、2H)。
m/z[MH]+=387.1。
【0204】
【化32】
ステップ5:7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5,6-ジヒドロトリアゾロ[1,5-d][1,4]ベンゾジアゼピン-9-カルボン酸メチル
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5,6,7a,11a-テトラヒドロトリアゾロ[1,5-d][1,4]ベンゾジアゼピン-9-カルボン酸メチル(160mg、0.42mmol)を無水THF(5mL)に溶解/懸濁させ、0℃に冷却し、1M BH3 THF(1.25mL)を加えた。混合物を室温にて50℃にて4時間撹拌した。MeOH(10mL)を注意深く加え、溶媒を蒸発させた。粗固体をジクロロメタン(5mL;50℃にて20分間加熱)に溶解し、次に、THF(5mL)を加えて透明な溶液を形成した。BH3.THF(3当量)を加え、溶液を60℃にて16時間加熱した。MeOH(5mL)を注意深く加え、溶媒を蒸発させた。粗油状物をMeOH(10mL)に再溶解し、30分間還流し、溶媒を除去した。これを2回繰り返した。粗固体をコンビフラッシュ(Cyclohex/EtOAc:80/20〜20/80)により精製して、90 mg(58.4%)の7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5,6-ジヒドロトリアゾロ[1,5-d][1,4]ベンゾジアゼピン-9-カルボン酸メチルを黄色固体として得た。
LCMS(方法A):5.95分
m/z[MH]+=369.2。
【0205】
【化33】
ステップ6:7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5,6-ジヒドロトリアゾロ[1,5-d][1,4]ベンゾジアゼピン-9-カルボン酸
メチル-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5,6-ジヒドロトリアゾロ[1,5-d][1,4]ベンゾジアゼピン-9-カーボネート(83mg、0.23mmol)をTHF/MeOH(2mL、1/1)の混合物に溶解した。NaOH(2M)を加え、反応混合物を40℃にて2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗油状物をEtOAc/HCl(1M)に分配した。溶媒を減圧下で除去し、粗油状物をEtOAc/HCl(1M)に分配した。有機物を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。粗油状物をコンビフラッシュ(ジクロロメタン/MeOH 100/0〜90/10)により精製して、72mg(90.2%)の7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5,6-ジヒドロトリアゾロ[1,5-d][1,4]ベンゾジアゼピン-9-カルボン酸を明黄色固体として得た。
LCMS(方法A):5.53分
m/z[MH]+=355.2。
【0206】
【化34】
【0207】
【化35】
ステップ1:2-ヨード-N-フェニルベンゼンアミン
トルエン(100mL)中の1,2-ジヨードベンゼン(5.0g、15.16mmol、1.0当量)、アニリン(1.4g、15.16mmol、1.0当量)の混合物に、Cs2CO3(6.0g、18.50mmol、1.22当量)、Pd(dba)2(106.4mg、0.15mmol、0.01当量)およびキサントホス(440mg、0.76mmol、0.05当量)を加えた。混合物を110℃にてN2雰囲気下で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)により精製して、2-ヨード-N-フェニルベンゼンアミン(1.2g、27%)を褐色油状物として得た。
LCMS(方法B):3.19分
m/z[MH]+=296.0。
【0208】
【化36】
ステップ2:N-フェニル-2-(プロパ-1-イニル)ベンゼンアミン
トルエン(15mL)およびTHF(5mL)中の2-ヨード-N-フェニルベンゼンアミン(1.2g、4.07mmol、1.0当量)、トリメチル(プロパ-1-イニル)シラン(1.83g、16.28mmol、4.0当量)に、TBAF.3H2O(2.6g、8.14mmol、2.0当量)、TEA(1.2g、12.21mmol、3.0当量)、CuI(233mg、1.22mmol、0.3当量)およびPd(PPh3)4(235mg、0.20mmol、0.05当量)を加えた。混合物を70℃にてN2雰囲気下で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(100%石油エーテル)により精製して、N-フェニル-2-(プロパ-1-イニル)ベンゼンアミン(700mg、84%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):3.24分
m/z[MH]+=208.1。
【0209】
【化37】
ステップ3:2-クロロ-N-フェニル-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)アセトアミド
ジクロロメタン中のN-フェニル-2-(プロパ-1-イニル)ベンゼンアミン(700mg、3.40mmol、1.0当量)の溶液に、K2CO3(1.4g、10.2mmol、3.0当量)および2-クロロアセチルクロリド(768mg、6.8mmol、2.0当量)を加えた。混合物を45℃にてN2雰囲気下で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、水(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/0〜10:1)により精製して、2-クロロ-N-フェニル-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)アセトアミド(600mg、64%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.61分
m/z[MH]+=284.1
【0210】
【化38】
ステップ4:1-メチル-7-フェニル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン
DMF(10mL)中の2-クロロ-N-フェニル-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)アセトアミド(600mg、2.10mmol、1.0当量)の溶液に、アジ化ナトリウム(412mg、6.3mmol、3.0当量)を加えた。混合物を100℃にてN2雰囲気下で一晩撹拌し、次に、140℃に2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、分取HPLCにより精製して、1-メチル-7-フェニル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(80mg、13%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.25分
m/z[MH]+=291.1。
【0211】
【化39】
ステップ5:1-メチル-7-フェニル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(2mL)中の1-メチル-7-フェニル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(20.0mg、0.07ミリモル、1.0当量)の溶液に、ボランのTHF溶液(1M、0.7mL、10.0当量)を加えた。混合物を70℃にてN2雰囲気下で2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、分取TLCにより精製して、1-メチル-7-フェニル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(16mg、88%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.64分
m/z[MH]+=277.2
【0212】
【化40】
【0213】
9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
【0214】
【化41】
ステップ1:4-ブロモ-1-ヨード-2-ニトロベンゼン
BF3/Et2O(125mL、0.97mol)の溶液に、THF(750mL)中の4-ブロモ-2-ニトロアニリン(50g、0.23mol)の溶液を加え、続いて、THF(750mL)中のtert-ブチル亜硝酸塩(102mL、0.86mmol)を-50℃にて加えた。次に、反応物を-5℃に温めた。ジエチルエーテル(1.5L)を加え、反応混合物を淡黄色固体が沈殿するまで-5℃にて15分間撹拌した。黄色固体を回収し、アセトニトリル(750mL)に溶解し、次に、ヨウ化カリウム(55g、0.33mmol)、ヨウ素(42g、0.16mmol)を上記混合物に加えた。得られた混合物を室温にて15分間撹拌した。混合物を亜硫酸ナトリウム水溶液(飽和、1L)とジクロロメタン(1L)に分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、4-ブロモ-1-ヨード-2-ニトロベンゼン(66g、88%)を粗黄色固体として得た。
【0215】
【化42】
ステップ2:5-ブロモ-2-ヨードアニリン
MeOH(700mL)中の4-ブロモ-1-ヨード-2-ニトロベンゼン(66g、0.2mol)の溶液に、0℃にて塩化第一スズ(226g、1mol)を加えた。得られた混合物を還流(80℃)で4時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、次に、残渣を酢酸エチル(1L)で希釈し、H2O(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して残渣を得て、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液 :石油エーテル:酢酸エチル=20:1)により精製して、5-ブロモ-2-ヨードアニリン(39g、65%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.27分
m/z[MH]+=298.1;300.1。
【0216】
【化43】
ステップ3:ビス(4-クロロフェニル)ヨードニウムヨードニウムテトラフルオロボレート
m-CPBA(2.06g、12mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解した。この溶液に1-クロロ-4-ヨードベンゼン(2.57g、10.8mmol)を加え、続いて、 BF3.OEt2(3.4mL、27.2mmol)を室温にて加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下で室温にて30分間撹拌し、次に、0℃に冷却した。(4-クロロフェニル)ボロン酸(1.87g、12mmol)を加えた。得られた混合物を室温にて15分間撹拌し、その後、TLC分析により、反応が完了したことが示された。溶媒を減圧下で除去して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:MeOH=20:1)により精製して、ビス(4-クロロフェニル)ヨードニウムヨードニウムテトラフルオロボレート(1.10g、28.7%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):1.68分
m/z[MH]+=348.9 ;350.9。
【0217】
【化44】
ステップ4:5-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2-ヨードアニリン
ジクロロメタン(5mL)中のビス(4-クロロフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート(145mg、0.33mmol)、炭酸ナトリウム(71mg、0.67mmol)およびヨウ化銅(I)(6.3mg、0.033mmol)の混合物に、室温にて、5-ブロモ-2-ヨードアニリン(149mg、0.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液:100%石油エーテル)により精製して、5-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2-ヨードアニリン(80mg、39%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法B):2.72分
[MH]+=408.1;410.1。
1H-NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ ppm 6.96(dd、J=8.4 Hz、2.0 Hz 1 H)7.00(dd、J=6.8 Hz、2.0 Hz 2 H)7.22(d、J=2.2 Hz 1 H)7.29(dd、J=6.8 Hz、2.0 Hz 2 H)7.70(s、1 H)7.77(d、J=8.4 Hz 1 H)。
m/z[MH]+=408.1;410.1。
【0218】
【化45】
ステップ5:5-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2-(プロパ-1-イン-1-イル)アニリン
トルエン(4mL)中の5-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2-ヨードアニリン(80mg、0.2mmol)、トリメチル(プロパ-1-イン-1-イル)シラン(88mg、0.8mmol)、Pd(PPh3)4(12mg、0.01mmol)、TBAF.H2O(13mg、0.04mmol)、Et3N(6mg、0.06mmol)、ヨウ化銅(I)(1mg、0.006mmol)およびTHF(2mL)の混合物を、70℃にてN2下で一晩撹拌した。減圧下で溶媒を除去して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=50:1)により精製して、5-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2-(プロパ-1-イン-1-イル)アニリン(20mg、31%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.54分
11H NMR(400 MHz、CDCl3)δ ppm 2.15(s、3 H)6.39(s、1 H)6.90(dd、J=8.2 Hz、1.9 Hz 1 H)7.15(dd、J=6.8 Hz、2.4 Hz 2 H)7.20(d、J=8.0 Hz 1 H)7.23(d、J=2.0 Hz 1 H)7.34(dd、J=6.8 Hz、2.4 Hz 2 H)。
m/z[MH]+=320.2;322.2。
【0219】
【化46】
ステップ6:N-(5-ブロモ-2-(プロパ-1-イン-1-イル)フェニル)-2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)アセトアミド
トルエン(15mL)中の5-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2-(プロピル-1-イン-1-イル)アニリン(600mg、1.89mmol)の溶液に、2-クロロアセチルクロリド(318mg、2.82mmol)および炭酸カリウム(774mg、5.64mmol)を0℃にて加えた。得られた混合物を80℃に4時間加熱し、次に、水で反応を停止させた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=50:1)により精製して、N-(5-ブロモ-2-(プロパ-1-イン-1-イル)フェニル)-2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)アセトアミド(550mg、収率73%)を灰色油状物として得た。
LCMS(方法B):3.11分
m/z[MH]+=396.1;398.1;400.1。
【0220】
【化47】
ステップ7:9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン
N-(5-ブロモ-2-(プロパ-1-イン-1-イル)フェニル)-2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)アセトアミド(650mg、1.64mmol)およびアジ化ナトリウム(319mg、4.91mmol)を室温にてDMF(12mL)に溶解した。混合物を4時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(10mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗中間体(250mg、0.62mmol)をDMF(2.5mL)に再溶解し、混合物を150℃に5時間加熱し、次に、混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(10mL )で希釈し、水(10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製して、9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(250mg、39%)を灰色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.40分
m/z[MH]+=403.1;405.1。
【0221】
【化48】
ステップ8:9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(150mL)中の9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(1.4g、3.50mmol)の溶液に、BH3のTHF溶液(1M、45mL、45mmol)を加えた。反応混合物を室温にて4時間撹拌し、次に、メタノールをゆっくりと加えて反応を停止させた。溶媒を除去して残渣を得、これを酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これを石油エーテル(20mL)ですすぎ、9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(650mg、収率48%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法B):3.31 min。
m/z[MH]+=389.1;391.1。
【0222】
【化49】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-9-(6-メチルピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン。
DME(16mL)およびH2O(0.2mL)中の9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(80mg、0.2mmol)、(6-メチルピリジン-3-イル)ボロン酸(28mg、0.2mmol)、Pd(PPh3)4(24mg、0.02mmol)、K3PO4(168mg、0.63mmol)の混合物を、120℃にてN2下で1時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去して残渣を得、これを分取TLC(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、 7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-9-(6-メチルピリジン-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(8mg、10%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):3.07分
m/z[MH]+=402.1、404.1。
【0223】
【化50】
5-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)ピリジン-2-アミン
DME(16mL)およびH2O(0.2mL)中の9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(80mg、0.2mmol)、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン(45mg、0.2mmol)、Pd(PPh3)4(24mg、0.02mmol)およびK3PO4(168mg、0.63mmol)の混合物を、120℃にてN2下で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して残渣を得、これを分取HPLCにより精製して、5-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)ピリジン-2-アミン(7mg、8%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.38分
m/z[MH]+=403.1。
【0224】
【化51】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-9-(1H-ピラゾール-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
DME(16mL)およびH2O(0.2mL)中の9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(400mg、1.05mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(205mg、1.05mmol)、Pd(PPh3)4(125mg、0.1mmol)およびK3PO4(665mg、3.15mmol)の混合物を、120℃にてN2下で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して残渣を得、これを分取HPLCにより精製して、-(4-クロロフェニル)-1-メチル-9-(1H-ピラゾール-3-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(20mg、5%)を白色固体として得た
LCMS(方法B):2.80分
m/z[MH]+=377.1、379.1。
【0225】
【化52】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
DME(5mL)およびH2O(0.1mL)中の9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(400mg、0.1mmol)、Pd(PPh3)4(125mg、0.1mmol)およびK3PO4(665mg、3.2mmol)の混合物を、マイクロウェーブ条件下、120℃にてN2下で1時間撹拌した。溶液を室温に冷却し、ろ過し、溶媒を減圧下で除去して残渣を得、これを分取HPLCで精製して7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(20mg、5%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.93分
m/z[MH]+=311.1。
【0226】
【化53】
【0227】
【化54】
ステップ1:5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリミジン-2-アミン
ジオキサン(20mL)中の5-ブロモピリミジン-2-アミン(500mg、2.9mmol、1.0当量)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.47g、5.8mmol、2.0当量)の混合物に、KOAc(865mg、8.7mmol、0.1当量)およびPd(dppf)Cl2(212mg、0.29mmol、0.1当量)を加えた。混合物を115℃にてN2雰囲気下で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル〜ジクロロメタン:MeOH=20:1)により精製して、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(300mg、75%)を黄色油状物として得た 。
LCMS(方法B):0.51分
m/z[MH]+=139.1(ボロン酸)。
【0228】
【化55】
ステップ2:9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(5mL)中の9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(200mg、0.49mmol、1.0当量)の溶液に、ボランのTHF溶液(1M、4.9mL、10.0当量)を加えた。混合物を室温にてN2雰囲気下で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE:EA=10:1〜1:1)により精製して、9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(120mg、63%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):3.23分
m/z[MH]+=389.0、391.0。
【0229】
【化56】
ステップ3:5-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)ピリミジン-2-アミン
DME(15mL)およびH2O(5滴)中の9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(80mg、0.20mmol、1.0当量)、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(60mg、0.40mmol、2.0当量)の混合物に、K3PO4.3 H2O(160mg、0.6mmol、3.0当量)およびPd(PPh3)4(25mg、0.02mmol、0.1当量)を加えた。混合物を80℃にてMW照射下で1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテルからジクロロメタン:MeOH = 20:1 )により精製して、5-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)ピリミジン-2-アミン(30mg、37%)を得た。
LCMS(方法B):2.60分[MH]+=404.1
m/z[MH]+=404.1
【0230】
【化57】
【0231】
【化58】
ステップ1:4-ブロモ-1-ヨード-2-ニトロベンゼン
BF3/Et2O(125mL、0.97mol)の溶液に、THF(750mL)中の4-ブロモ-2-ニトロアニリン(50g、0.23mol)の溶液、続いて、THF(750mL)中のtert-ブチルナイトライト(102mL、0.86mmol)の溶液を-50℃にて加えた。反応物を-5℃に加温し、ジエチルエーテル(1.5L)を加え、混合物を-5℃にて15分間、黄色の固体が沈殿するまで撹拌した。黄色固体を集め、アセトニトリル(750mL)に溶解し、KI(55g、0.33mmol)、I2(42g、0.16mmol)を加えた。得られた混合物を室温にて15分間撹拌し、Na2SO3水溶液(1L)とジクロロメタン(1L)に分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物(66g、88%)を黄色固体として得た。
【0232】
【化59】
ステップ2:5-ブロモ-2-ヨードアニリン
MeOH(700mL)中の4-ブロモ-1-ヨード-2-ニトロベンゼン(66g、0.2mol)の溶液に、0℃にてSnCl2(226g、1mol)を加えた。80℃にて4時間後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(1L)で希釈し、H2O(1L)で洗浄した。
有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=20:1)により精製して、白色固体(39g、65%)を得た。
LCMS(方法B):3.08分
m/z[MH]+=298.1 ;300.1
【0233】
【化60】
ステップ3:ビス(4-クロロフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート
ジクロロメタン(50mL)中のm-CPBA(2.06g、12mmol)の溶液に、1-クロロ-4-ヨードベンゼン(2.57g、10.8mmol)、続いて、BF3.OEt2(1.84g、13mmol)を室温にて加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下で室温にて30分間撹拌し、0℃に冷却した。(4-クロロフェニル)ボロン酸(1.87g、12mmol)を加え、反応混合物を室温にて15分間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:MeOH=20:1)により精製して、白色固体(1.1g、28.7%)を得た。
LCMS(方法B):1.68分
m/z[MH]+=348.9
【0234】
【化61】
ステップ4:5-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2-ヨードアニリン
ジクロロメタン(5mL)中のビス(4-クロロフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート塩(ステップ3から、145mg、0.33mmol)の溶液に、室温にてNa2CO3(71mg、0.67mmol)、CuI(6.3mg、0.033mmol)および5-ブロモ-2-ヨードアニリン(149mg、0.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、H2O(10mL)で洗浄し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル)により精製して、標記化合物(80mg、39%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法B):2.81分
1H-NMR(400 MHz、DMSO-d6)δ ppm 7.00(d、J=8.80 Hz 3 H)7.22(d、J=2.20 Hz 1 H)7.29(d、J=8.80 Hz 2 H)7.70(s、1 H)7.77(d、J=8.40 Hz 1 H)。
m/z[MH]+=408;410;
【0235】
【化62】
ステップ5:5-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2-(プロパ-1-イン-1-イル)アニリン
トルエン(4mL)およびTHF(2mL)中の5-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2-ヨードアニリン(80mg、0.2mmol)、トリメチル(プロパ-1-イン-1-イル)シラン(88mg、0.8mmol)、Pd(PPh3)4(12mg、0.01mmol)、TBAF.H2O(13mg、0.04mmol)、Et3N(6mg、0.06mmol)、CuI(1mg、0.006mmol)の混合物を、70℃にて一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=50:1)により精製して、標記化合物(20mg、31%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):3.82分
11H NMR(400 MHz、CDCl3)δ ppm 2.15(s、3 H)6.39(s、1 H)6.90(dd、J1=8.20 Hz J2=1.90 Hz 1 H)7.20(m、4 H)7.35(d、J=2.00 Hz 2 H)。
m/z[MH]+=320;322。
【0236】
【化63】
ステップ6:N-(5-ブロモ-2-(プロパ-1-イン-1-イル)フェニル)-2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)プロパンアミド
トルエン(15mL)中の5-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2-(プロパ-1-イン-1-イル)アニリン(600mg、1.89mmol)の溶液に、22-クロロプロパノイルクロリド(318mg、2.82mmol)およびK2CO3(774mg、5.64mmol)を0℃にて加えた。80℃にて4時間後、混合物にH2Oを加えて反応を停止した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=50:1)により精製して、所望の生成物(550mg、収率73%)を灰色油状物として得た。
LCMS(方法B):3.42分
m/z[MH]+=412;
【0237】
【化64】
ステップ7:9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン
DMF(5mL)中のN-(5-ブロモ-2-(プロパ-1-イニル)フェニル)-2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)プロパンアミド(20.0mg、0.05mmol)の溶液に、NaN3(9.5mg、0.15mmol)を加え、窒素雰囲気下で130℃にて45分間攪拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製して、標記化合物(11mg、50%)を灰色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.82分
m/z[MH]+=419
【0238】
【化65】
ステップ8:9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(3mL)中のNN-(5-ブロモ-2-(プロパ-1-イニル)フェニル)-2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)プロパンアミド(17.0mg、0.04mmol)の溶液に、BH3・THF(0.60mL、0.61mmol)を0℃にて加えた。得られた混合物を40℃にて6時間撹拌し、室温に冷却し、水と酢酸エチルとの間に分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、標記化合物(8mg、50%)を灰色油状物として得た。
LCMS(方法B):3.32分
m/z[MH]+=405
【0239】
【化66】
【0240】
【化67】
ステップ1:2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)プロパンアミド
ジオキササン(5mL)中のN-(4-クロロフェニル)-2-(プロパ-1-イニル)ベンゼンアミン(200mg、0.83mmol、1.0当量)の溶液に、炭酸カリウム(345mg、2.5mmol、3.0当量)および2-クロロプロパノイルクロリド(160mg、1.25mmol、1.5当量)を加えた。混合物をマイクロウェーブ下で110℃にて2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、水(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル〜石油エーテル:酢酸エチル 10:1)により精製して、-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)プロパンアミド(110mg、40%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.98分
m/z[MH]+=332.2、334.2
【0241】
【化68】
ステップ2:2-アジド-N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)プロパンアミド
無水DMF(6mL)中の2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)プロパンアミド(100mg、0.30mmol、1.0当量)の溶液に、NaN3(60mg、0.9mmol、3.0当量)を加えた。混合物を室温にて一晩撹拌した。混合物をさらに精製することなく次のステップに用いた。
LCMS(方法B):3.09分
m/z[MH]+=339.1、341.1
【0242】
【化69】
ステップ3:7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン
DMF(6mL)中のアジド-N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)プロパンアミド(0.30mmol)の溶液を、N2雰囲気下で110℃にて時間攪拌し、次に、室温に冷却した。得られた混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル〜石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(30mg、30%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法B):2.57分
m/z[MH]+=339.1、341.1
【0243】
【化70】
ステップ4:7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(2mL)中の7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(30.0mg、0.09mmol、1.0当量)の溶液に、ボランのTHF溶液(1M、0.9mL、10.0当量)を加えた。混合物をN2雰囲気下で室温にて20時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、分取TLC(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=2/1)により精製して、標記化合物(15mg、54%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):3.00分
m/z[MH]+=325.1、327.1
【0244】
【化71】
【0245】
【化72】
ステップ1:(S)-2-アジドプロパン酸
アジ化ナトリウム(9.05g、13.93mmol、10.0当量)を蒸留水(22.5mL)に溶解し、ジクロロメタン(35mL)に加え、0℃(氷浴)に冷却した。トリフリル酸無水物(4.7mL、27.86mmol、2.0当量)を10分間にわたってゆっくりと加え、反応混合物を2時間撹拌した。混合物を分液漏斗に入れ、ジクロトロメタン相を除去した。水性部分をジクロロメタン(2×7.5mL)で抽出した。トリフリルアジドを含む有機画分を飽和Na2CO3で1回洗浄し、さらに精製することなく使用した。(S)-2-アミノプロパン酸(1.24g、13.93mmol、1.0当量)を、K2CO3(2.88g、20.90mmol、1.5当量)、および蒸留H2O(18mL)中のCuSO4.5H2O(35mg、0.14mmol、0.01当量)およびCH3OH(36mL)と合わせた。ジクロロメタン中のトリフリルアジドを加えた。混合物を周囲温度および圧力で一晩撹拌した。続いて、有機溶媒を減圧下で除去し、水性スラリーをH2O(50mL)で希釈した。これを濃HClでpH=6に酸性化し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。水相をpH=2に酸性化し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ、減圧下で濃縮して、(S)-2-アジドプロパン酸(1.3g、81%)を淡色油状物として得た。
LCMS(方法B):0.44分
m/z[MH]+=116.1
【0246】
【化73】
ステップ2:(S)-2-アジドプロパノイルクロリド
ジクロロメタン中の(S)-2-アジドプロパン酸(1.4g、12.4mmol、1.0当量)の溶液にDMF(5滴)を加えた。塩化オキサリル(0.53ml、6.2mmol、0.5当量)をゆっくりと加えた。混合物をN2雰囲気下で室温にて2時間撹拌し、減圧下で濃縮して、標記化合物(12.4mmol)を得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0247】
【化74】
ステップ3:(5S)-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン
マイクロウェーブ管中で、ジオキササン(5mL)に、N-(4-クロロフェニル)-2-(プロパ-1-イニル)ベンゼンアミン(300mg、1.24mmol、1.0当量)を溶解し、K2CO3(514mg、3.72 mmol、3.0当量)を加えた。(S)-2-アジドプロパノイルクロリド(12.4mmol)をゆっくりと加えた。混合物をMW下、120℃にて1時間撹拌し、室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。粗油状物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル〜石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、(5S)-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(80mg、24%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.54分
m/z[MH]+=339.1、341.1
【0248】
【化75】
ステップ4:(5S)-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(2mL)中の(5S)-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(80.0mg、0.24mmol、1.0当量)の溶液に、ボランのTHF溶液(1M、2.4mL、10.0当量)を加えた。混合物をN2雰囲気下で室温にて20時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧濃縮し、分取TLC(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=2/1)により精製して、(5S)-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(20mg、26%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.97分
m/z[MH]+=325.1、327.1
【0249】
【化76】
【0250】
【化77】
ステップ1:(R)-2-アジドプロパン酸
アジ化ナトリウム(9.05g、13.93mmol、10.0当量)を蒸留水(22.5mL)に溶解し、ジクロロメタン(35mL)に加え、0℃(氷浴)に冷却した。トリフリル酸無水物(4.7mL、27.86mmol、2.0当量)を10分間にわたってゆっくり加え、反応混合物を2時間撹拌した。混合物を分液漏斗に入れ、ジクロトロメタン相を除去した。水性部分をジクロロメタン(2×7.5mL)で抽出した。トリフリルアジドを含む有機画分を飽和Na2CO3で1回洗浄し、さらに精製することなく使用した。(S)-2-アミノプロパン酸(1.24g、13.93mmol、1.0当量)を、K2CO3(2.88g、20.90mmol、1.5当量)、および蒸留H2O(18mL)中のCuSO4.5H2O(35mg、0.14mmol、0.01当量)およびCH3OH(36mL)と合わせた。ジクロロメタン中のトリフリルアジドを加えた。混合物を周囲温度および圧力で一晩撹拌した。続いて、有機溶媒を減圧下で除去し、水性スラリーをH2O(50mL)で希釈した。これを濃HClでpH=6に酸性化し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。水相をpH=2に酸性化し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ、減圧下で濃縮して、(R)-2-アジドプロパン酸(1.2g、75%)を淡色油状物として得た。
【0251】
【化78】
ステップ2:(R)-2-アジドプロパノイルクロリド
ジクロロメタン中の(R)-2-アジドプロパン酸(238mg、2.07mmol、1.0当量)の溶液にDMF(5滴)を加えた。塩化オキサリル(132mg、1.04mmol、0.5当量)をゆっくりと加えた。混合物をN2雰囲気下で室温にて2時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮して、標記化合物(2.07mmol)を得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0252】
【化79】
ステップ3:(5R)-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン
マイクロウェーブ管中で、ジオキササン(5mL)に、N-(4-クロロフェニル)-2-(プロパ-1-イニル)ベンゼンアミン(100mg、0.41mmol、1.0当量)を溶解し、K2CO3(170mg、1.23mmol、3.0当量)を加えた。次に、(R)-2-アジドプロパノイルクロリド(2.07mmol)をゆっくりと加えた。混合物をMW下、150℃にて1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。粗油状物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル〜石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、(5R)-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(50mg、36%)を黄色の固体として得た。
LCMS(方法B):2.55分
m/z[MH]+=339.1、341.1
【0253】
【化80】
ステップ4:(5R)-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(2mL)中の(5R)-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(50.0mg、0.15mmol、1.0当量)の溶液に、ボランのTHF溶液(1M、1.5mL、10.0当量)を加えた。混合物をN2雰囲気下で40℃にて一晩撹拌した。次に、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧濃縮し、分取HPLCにより精製して(5R)-7-(4-クロロフェニル)-1,5-ジメチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(30mg、64%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.99分
m/z[MH]+=325.1、327.1
【0254】
【化81】
【0255】
【化82】
ステップ1:(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)メタノール
THF(5mL)中のメチル 7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カーボネート(170mg、0.46mmol)の溶液に、LiAlH4(87mg、2.3mmol)を0℃にて加え、反応混合物を室温にて16時間撹拌した。H2O(10mL)を加え、混合物を減圧下で還元してTHFの大部分を除去した。次に、混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、H2(25mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製して、(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)メタノール(90mg、48%)を無色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.60分
m/z[MH]+=341.1
【0256】
【化83】
ステップ2:9-(クロロメチル)-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
DCM(20mL)中の(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)メタノール(100mg、0.29mmol)の溶液に、Et3N(58mg、0.58mmol)およびMsCl(50mg、0.44mmol)を0℃にて加え、反応混合物を室温にて12時間撹拌した。H2O(10mL)を加え、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=30:1)により精製して、9-(クロロメチル)-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(70mg、収率60%)を無色油状物として得た。
LCMS(方法B):3.08分
m/z[MH]+=359.1
【0257】
【化84】
ステップ3:4-((7-(4-クロロフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)メチル)モルホリン
CH3CN(2mL)中の9-(クロロメチル)-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(20mg、0.06mmol)の溶液に、モルホリン(14.5mg、0.17mmol)およびNa2CO3(17mg、0.17mmol)を0℃にて加え、反応混合物を室温にて12時間撹拌した。H2O(2mL)を加え、混合物を減圧下で濃縮した。分取HPLCにより精製して、4-((7-(4-クロロフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)メチル)モルホリン(5mg、収率22%)を無色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.04分
m/z[MH]+=410.2
【0258】
【化85】
9-((1H-イミダゾール-1-イル)メチル)-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
CH3CN(2mL)中の9-(クロロメチル)-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(25mg、0.07mmol)の溶液に、1H-イミダゾールe(7.5mg、0.11mmol)およびEt3N(14mg、0.14mmol)を0℃にて加え、反応混合物を室温にて12時間撹拌した。H2O(2mL)を加え、混合物を減圧下で濃縮した。分取HPLCにより精製して、9-((1H-イミダゾール-1-イル)メチル)-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(5mg、収率19%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):1.99分
m/z[MH]+=391.1
【0259】
【化86】
9-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
DMF(2mL)中の9-(クロロメチル)-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(40mg、0.06mmol)の溶液に、1H-ピラゾール(12.0mg、0.18mmol)およびNa2CO3(24mg、0.22mmol)を0℃にて加え、反応混合物を室温にて12時間撹拌した。H2O(2mL)を加え、混合物を減圧下で濃縮した。分取HPLCにより精製して、9-((1H-ピラゾール-1-イル)メチル)-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(4mg、収率9%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.67分
m/z[MH]+=391.1
【0260】
【化87】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-9-((4-メチルピペラジニル-1-イル)メチル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
CH3CN(2mL)中の9-(クロロメチル)-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(39mg、0.09mmol)の溶液に、1-メチルピペラジン(13mg、0.13mmol)およびEt3N(17mg、0.17mmol)を0℃にて加え、反応混合物を室温にて12時間撹拌した。H2O(2mL)を加え、混合物を減圧下で濃縮した。分取HPLCにより精製して、7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-9-((4-メチルピペラジニル-1-イル)メチル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(10mg、収率28%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):1.95分
m/z[MH]+=423.2
【0261】
【化88】
【0262】
【化89】
ステップ1:(S)-2-アジド-4-tert-ブトキシ-4-オキソブタン酸
アジ化ナトリウム(10.0g、154mmol、7.3当量)を蒸留水(22.5mL)に溶解し、ジクロロメタン(35mL)に加え、0℃(氷浴)に冷却した。トリフリル酸無水物(7.0mL、42.0mmol、2.0当量)を10分間にわたってゆっくり加え、混合物を2時間撹拌した。混合物を分液漏斗に入れ、有機相を集めた。水相をジクロロメタン(2 x 12.5mL)で抽出した。トリフリルアジドを含む有機画分を飽和Na2CO3で1回洗浄し、さらに精製することなく使用した。(S)-2-アミノ-4-tert-ブトキシ-4-オキソブタン酸(4.0g、21mmol、1.0当量)を、K2CO33(4.3g、31.5mmol、1.5当量)、および蒸留H2O(18mL)中のCuSO4.5H2O(55mg、0.21mmol、0.01当量)およびCH3OH(36mL)と合わせた。ジクロロメタン中のトリフリルアジドを加えた。混合物を室温にて一晩撹拌した。続いて、有機溶媒を減圧下で除去し、水性スラリーをH2O(50mL)で希釈した。これを濃HClでpH=6に酸性化し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出して、スルホンアミド副生物を除去した。水相をpH=2に酸性化した。生成物を別のラウンドの酢酸エチル抽出物(3×100mL)から得、乾燥させ、減圧下で濃縮して、(S)-2-アジド-4-tert-ブトキシ-4-オキソブタン酸(3.9g、87%)を淡色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.20分
m/z[MNa]+=238.1
【0263】
【化90】
ステップ2:3-アジド-4-クロロ-4-オキソブタン酸(S)-tert-ブチル
ジクロメタン(5mL)中の(S)-2-アジド-4-tert-ブトキシ-4-オキソブタン酸(668mg、3.1mmol、1.0当量)の溶液に、DMF(5滴)を加えた。塩化オキサリル(0.27mL、3.1mmol、1当量)を室温にてゆっくりと加えた。室温にて5分後、混合物をN2雰囲気下で40℃にて5分間撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮した。残渣(3.1mmol)をさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0264】
【化91】
ステップ3:2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-5-イル)酢酸tert-ブチル
N-(4-クロロフェニル)-2-(プロパ-1-イニル)ベンゼンアミン(250mg、1.03mmol、1.0当量)をトルエン(5mL)に溶解し、続いて、炭酸カリウムを加えた(428mg、3.1mmol、3.0当量)。次に、3-アジド-4-クロロ-4-オキソブタン酸(S)-tert-ブチル(ステップ2、3.1mmol)をゆっくりと加えた。混合物をN2雰囲気下で室温にて2時間、40℃にて一晩撹拌し、次に、130℃でにて3時間攪拌した。

混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ((Na2SO4)、減圧下で濃縮し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル〜石油エーテル/酢酸エチル=1:1)により精製して、2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-5-イル)酢酸tert-ブチル(100mg、22%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.91分
m/z[MH]+=439.1
【0265】
【化92】
ステップ4:2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-5-イル)酢酸
ジクロロメタン(1mL)中の2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-5-イル)酢酸tert-ブチル(50mg、0.11mmol、1.0当量)の氷浴溶液に、TFA(1mL)を滴下した。混合物を室温にて一晩撹拌し、ジクロロメタン(30mL)で希釈し、H2O(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮して、2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-5-イル)酢酸(43mg、100%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.51分
m/z[MH]+=383.1、385.1
【0266】
【化93】
ステップ5:2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-5-イル)エタノール
THF(1mL)中の2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-5-イル)酢酸(43.0mg、0.0.11mmol、1.0当量)の溶液に、ボランのTHF溶液(1M、1.1mL、10.0当量)を加えた。混合物をN2雰囲気下で室温にて20時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO44)、減圧下で濃縮し、分取HPLCにより精製して、2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-5-イル)エタノール(20mg、51%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.90分
m/z[MH]+=355.1、357.1
【0267】
【化94】
【0268】
【化95】
ステップ1:N-(4-クロロフェニル)-2-ヨードアニリン
ビス(4-クロロフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート塩(5.00g、11.4mmol)、2-ヨードアニリン(3.76g、17.2mmol)、CuI(214mg、1.1mmol)およびNa2CO3(2.43g、22.9mmol)をジクロロメタン(100mL)に加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温にて一晩撹拌した。水(50mL)を加えた。有機層を分離し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:純粋な石油エーテル)により精製して、N-(4-クロロフェニル)-2-ヨードアニリン(3.50g、92%)を無色油状物として得た。
LCMS(方法B):
m/z3.48分[MH]+=329.9。
【0269】
【化96】
ステップ2:N-(4-クロロフェニル)-2-(3,3-ジエトキシプロパ-1-イン-1-イル)アニリン
THF(25mL)中のN-(4-クロロフェニル)-2-ヨードアニリン(990mg、3.0mmol)の溶液に、,3-ジエトキシプロパ-1-イン(770mg、6.0mmol)、CuI(57mg、0.3mmol)、Et3N(909mg、9.0mmol)およびPdCl2(PPh3)2(105mg、0.15mmol)を加え、窒素雰囲気下で75℃にて一晩攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、得られた混合物を水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 20/1)により精製して、N-(4-クロロフェニル)-2-(3,3-ジエトキシプロパ-1-イン-1-イル)アニリン(720mg、73%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.49分
m/z[MNa]+=352.2
【0270】
【化97】
ステップ3:N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(3,3-ジエトキシプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド
ジクロロメタン(10mL)中のN-(4-クロロフェニル)-2-(3,3-ジエトキシプロパ-1-イン-1-イル)アニリン(200mg、0.6mmol)の溶液に、トリエチルアミン(10mg、1.8mmol)および2,2,2-トリフルオロ酢酸無水物(189mg、0.9mmol)を加えた。混合物を室温にて12時間撹拌し、得られた混合物を水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して残渣を得、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製して、N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(3,3-ジエトキシプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(70mg、28%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):3.31分
m/z[MNa]+=448.1;
【0271】
【化98】
ステップ4:N-(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-N-(2-(3-オキソプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)アセトアミド
THF(1.6mL)およびH2O(1.6mL)中の-(4-クロロフェニル)-N-(2-(3,3-ジエトキシプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)-2,2,2- トリフルオロアセトアミド(70mg、0.16mmol)の溶液に、室温にて濃H2SO4(66μL)を加えた。反応混合物を100℃にて3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製して、 N-(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-N-(2-(3-オキソプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)アセトアミド(27mg、48%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.74分
m/z[MH]+=352.2
【0272】
【化99】
ステップ5:N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(3,3-ジフルオロプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド
ジクロロメタン(3mL)中のN-(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-N-(2-(3-オキソプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)アセトアミド(27mg、0.08mmol)の溶液に、DAST(25mg、0.15mmol)を室温にて加えた。反応混合物を室温にて1時間撹拌した。混合物をH2Oで洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製して、N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(3,3-ジフルオロプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(25mg、86%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):3.03分
m/z[MH]+=374.2
【0273】
【化100】
ステップ6:N-(4-クロロフェニル)-2-(3,3-ジフルオロプロパ-1-イン-1-イル)アニリン
MeOH(5mL)中のN-(4-クロロフェニル)-N-(2-(3,3-ジフルオロプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)-2,2,2- トリフルオロアセトアミド(25mg、0.07mmol)の溶液に、H2O(1mL)中のK2CO3(19mg、0.14mmol)の溶液を室温にて加えた。混合物を室温にて4時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して残渣を得、これを酢酸エチルで希釈し、H2Oで洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製して、N-(4-クロロフェニル)-2-(3,3-ジフルオロプロパ-1-イン-1-イル)アニリン(15mg、81%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):3.34分
m/z[MH]+=278.1
【0274】
【化101】
ステップ7:2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(3,3-ジフルオロプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)アセトアミド
トルエン(10mL)中のN-(4-クロロフェニル)-2-(3,3-ジフルオロプロパ-1-イン-1-イル)アニリン(450mg、1.62mmol)の溶液に、2-クロロアセチルクロリド(310mg、2.74mmol)およびK2CO3(370mg、2.68mmol)を0℃にて加えた。混合物を80℃に4時間加熱し、室温に冷却し、H2O(10mL)を加えた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=50:1)で精製して、2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(3,3-ジフルオロプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)アセトアミド(100mg、47%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.89分
m/z[MH]+=354.0。
【0275】
【化102】
ステップ8:7-(4-クロロフェニル)-1-(ジフルオロメチル)-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン
2-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-N-(2-(3,3-ジフルオロプロパ-1-イン-1-イル)フェニル)アセトアミド(50mg、0.14mmol)およびNaN3(28mg、0.42mmol)をDMF(5mL)に加え、得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、H2O(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、減圧下で濃縮して、アジド中間体を得た。アジド中間体(50mg、0.14mmol)をDMF(2.5mL)に再溶解し、混合物を155℃に6時間加熱した。室温に冷却し、混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗油状物を分取TLC(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=4:1)により精製して、-(4-クロロフェニル)-1-(ジフルオロメチル)-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(25mg、50%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.67分
m/z[MH]+=361.1。
【0276】
【化103】
ステップ9:7-(4-クロロフェニル)-1-(ジフルオロメチル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(0.5mL)中の7-(4-クロロフェニル)-1-(ジフルオロメチル)-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(25mg、0.07mmol)の溶液に、BH3のTHF溶液(1M、0.42mL、0.42mmol)を加えた。混合物を室温にて4時間撹拌し、次にメタノールを加えて反応を停止した。反応混合物を濃縮して残渣を得、これを酢酸エチル(10mL)で希釈し、H2O(5mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗油状物を分取により精製した。TLC(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル= 4:1)により、7-(4-クロロフェニル)-1-(ジフルオロメチル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(12.5mg、50%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.93分
m/z[MH]+=347.1;
【0277】
【化104】
【0278】
【化105】
ステップ1:3-ブロモ-N-(2-ヨードフェニル)ベンゼンアミン
トルエン(20mL)中の1,2-ジヨードベンゼン(659.8mg、2.0mmol)および3-ブロモアニリン(344mg、2.0mmol)の混合物に、炭酸セシウム(759mg、2.5mmol)、Pd2(dba)3(14mg、0.02mmol)およびキサントホス(57.8mg、0.1mmol)を加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下で110℃にて一晩攪拌した。混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して、3-ブロモ-N-(2-ヨードフェニル)ベンゼンアミン(105mg、14%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):3.46分
m/z[MH]+=375;377
【0279】
【化106】
ステップ2:3-ブロモ-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)ベンゼンアミン
トルエン(100mL)およびTHF(50mL)中の3-ブロモ-N-(2-ヨードフェニル)ベンゼンアミン(4.0g、10.7mmol)、トリメチル(プロパ-1-イン-1-イル)シラン(4.8g、42.8mmol)、Pd(PPh3)4(618mg、0.54mmol)、TBAF.H2O(3.4g、10.7mmol)、Et3N(323mg、3.2mmol)、CuI(61.1mg、0.32mmol)の混合物を、N2下で室温にて一晩攪拌した。混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=50:1)により精製して、3-ブロモ-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)ベンゼンアミン(85mg、29%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):3.57分
m/z[MH]+=286;288。
【0280】
【化107】
ステップ3:N-(3-ブロモフェニル)-2-クロロ-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)アセトアミド
トルエン(15mL)中の3-ブロモ-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)ベンゼンアミン(400mg、1.4mmol)の溶液に、2-クロロアセチルクロリド(630mg、5.6mmol)およびトリエチルアミン(430mg、4.2mmol)を0℃にて加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下で110℃にて4時間撹拌した。混合物に水eを加えて反応を停止した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して、N-(3-ブロモフェニル)-2-クロロ-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)アセトアミド(115mg、23%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.93分
m/z[MH]+=362;364。
【0281】
【化108】
ステップ4:7-(3-ブロモフェニル)-1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン
DMF(5mL)中のN-(3-ブロモフェニル)-2-クロロ-N-(2-(プロパ-1-イニル)フェニル)アセトアミド(60.0mg、0.18mmol)の溶液に、NaN3(33 mg、0.54mmol)を加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下で室温にて2時間撹拌した。次いで、反応混合物をろ過し、DMF(5mL)を加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下で150℃にて4時間撹拌した。混合物に水および酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を乾燥し、濃縮して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:MeOH=30:1)により精製して、7-(3-ブロモフェニル)-1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(39mg 59%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.52分
m/z[MH]+=369;371。
【0282】
【化109】
ステップ5:7-(3-ブロモフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(8mL)中の7-(3-ブロモフェニル)-1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-6(7H)-オン(150mg、0.4mmol)の溶液に、BH3のTHF溶液(1M、6.1ml、6.1mmol)を0℃にて加えた。得られた混合物を室温にて4時間撹拌し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、7-(3-ブロモフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(100mg、69%)を灰色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.93分
m/z[MH]+=355.0、357.0;
【0283】
【化110】
ステップ6:1-メチル-7-(3-ビニルフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
THF(3mL)およびn-PrOH(10mL)中の7-(3-ブロモフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(100.0mg、0.28mmol)の溶液に、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(75.4mg、0.56mmol)、PdCl2(dppf)(8.2mg、0.012mmol)およびトリエチルアミン(56.6mg、0.56mmol)を加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下で100℃にて一晩攪拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を乾燥し、減圧下で濃縮して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、1-メチル-7-(3-ビニルフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(70mg、70%)を灰色固体として得た。
LCMS(方法B):2.91分
m/z[MH]+=303;
【0284】
【化111】
ステップ7:1-(3-(1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-7(6H)-イル)フェニル)エタン-1,2-ジオール
t-BuOH(10mL)およびH2O(10mL)中のAD-mix(327 mg)の溶液を室温にて15分間攪拌し、次に、0℃に冷却した。1-メチル-7-(3-ビニルフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(70.0mg、0.23mmol)を加えた。得られた混合物を0℃にて6時間撹拌し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を乾燥し、減圧下で濃縮して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜ジクロロメタン:MeOH=10:1)により精製して、1-(3-(1-メチル-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-7(6H)-イル)フェニル)エタン-1,2-ジオール(46mg、60%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.26分
m/z[MH]+=337.2 ;
【0285】
【化112】
【0286】
【化113】
ステップ1:(2-エトキシ-2-オキソエチル)亜鉛(II)ブロミド
窒素雰囲気下、亜鉛粉末(50.0g、458mmol)をTHF(50mL)に懸濁させ、Me3SiCl(3.0mL、22.9mmol)を室温にて滴下した。得られた混合物を40℃にて30分撹拌した。THF(100mL)中の2-ブロモ酢酸エチル(25.4mL、229mmol)の溶液を室温にて上記反応混合物に加えた。得られた混合物を室温にて一晩撹拌し、次に、室温にて1時間放置した。混合物をろ過し、ろ液をさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0287】
【化114】
ステップ2:2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)酢酸エチル
トルエン(15mL)中の9-ブロモ-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(500mg、1.3mmol)、XPhos(62mg、0.13mmol)、Pd2(dba)3(118mg、0.13mmol)の溶液に、(2-エトキシ-2-オキソエチル)亜鉛(II)ブロミドのTHF溶液(1.5 M、2.6mL、3.9mmol)を窒素雰囲気下で室温にて加えた。得られた混合物を110℃にて12時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、H2O(20mL)で洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により精製して、2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)酢酸エチル(65mg、12%)を無色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.98分
m/z[MH]+=397.1。
【0288】
【化115】
ステップ3:2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)エタノール
THF(5mL)中の2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)酢酸エチル(65mg、0.16mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で0℃にてLiAlH4(25mg、0.64mmol)を加えた。混合物を室温にて6時間撹拌した。H2O(1mL)を加えて反応を停止させ、有機溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により精製して、22-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)エタノール(65mg、12%)を無色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.64分
m/z[MH]+=355.1。
【0289】
【化116】
ステップ4:メタンスルホン酸2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)エチル
ジクロロメタン(5mL)中の2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)エタノール(30mg、0.085mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(15mg、0.13mmol)およびTEA(17mg、0.17mmol)を室温にて加えた。反応混合物を室温にて4時間撹拌した。LCMSおよびTLC分析が、反応が完了したことを示した。混合物を酢酸エチルで希釈し、1M HCl水溶液および飽和Na2CO3水溶液で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、メタンスルホン酸2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)エチル(35mg、98%)を無色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.6分
m/z[MH]+=433.1。
【0290】
【化117】
ステップ5:4-(2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)エチル)モルホリン
CH3CN(5mL)中のメタンスルホン酸2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)エチル(35mg、0.081mmol)の溶液に、モルホリン(21mg、0.24mmol)およびNa2CO3(26mg、0.24mmol)を室温にて加えた。反応混合物を室温にて一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取TLC(溶離液:酢酸エチル)により精製して、4-(2-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)エチル)モルホリン(10mg、29%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.07分
m/z[MH]+=424.2。
【0291】
【化118】
【0292】
【化119】
ステップ1:7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
THF(5mL)中の7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボン酸(0.9g、2.8mol)の溶液に、HATU(2.1g、5.6mmol)およびEt3N(0.5g、5.6mol)を0℃にて加えた。室温にて1時間後、25%のNH3.H2O(0.5mL、7.5mmol)を加えた。反応混合物を室温にて一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣を酢酸エチル(20mL)で希釈し、H2O(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM:MeOH=50:1)により精製して、7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド(500mg、50%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.53分
m/z[MH]+=354.1。
【0293】
【化120】
ステップ2:7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボニトリル
無水DMF(5mL)中の7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド(500mg、1.4mmol)の溶液に、SOCl2(330mg、2.8mmol)を室温にて加えた。反応混合物を120℃にて3時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、H2O(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM:MeOH=100:1)により精製して、7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボニトリル(210mg、45%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.79分
m/z[MH]+=336.1。
【0294】
【化121】
ステップ3:7-(4-クロロフェニル)-N-ヒドロキシ-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキシミドアミド
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボニトリル(200mg、0.6mmol)、ヒドロキシルアミン.HCl(63mg、1.2mmol)およびK2CO3(124mg、0.9mmol)をMeOH(10mL)中で合わせ、混合物を45℃にて6時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して残渣を得、これを酢酸エチル(20mL)で希釈し、H2O(10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM:MeOH=20:1)により精製して、7-(4-クロロフェニル)-N-ヒドロキシ-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキシミドアミド(0.1g、45%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.42分
m/z[MH]+=369.1。
【0295】
【化122】
ステップ4:3-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン
7-(4-クロロフェニル)-N-ヒドロキシ-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキシミドアミド(100mg、0.27mmol)、CDI(53mg、0.33mmol)およびK2CO3(56mg、0.4mmol)をDMSO(3mL)中で合わせ、室温にて一晩攪拌した。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、H2O(10mL)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM:MeOH=20:1)により精製して、3-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン(60mg、56%)を白色固体として得た 。
LCMS(方法B):2.75分
m/z[MH]+=395.2。
【0296】
【化123】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-9-(2H-テトラzol-5-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン
DMF(3mL)中の7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボニトリル(134mg、0.4mol)、NaN3(52mg、0.8mmol)およびNH4Cl(42mg、0.8mol)の混合物を150℃にて24時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、H2O(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、77-(4-クロロフェニル)-1-メチル-9-(2H-テトラzol-5-イル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン(12mg、8%)を白色固体として得た。
LCMS(方法B):2.65分
m/z[MH]+=379.1
【0297】
【化124】
7-(4-クロロフェニル)-N-メトキシ-N,1-ジメチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボン酸(170mg、0.45mmol)およびHATU(256mg、0.67mmol)をTHF(5mL)中であわせ、室温にて15分間攪拌した。次に、N-メトキシメタンアミン塩酸塩(38mg、0.7mmol)およびTEA(136.5mg、1.35mmol)を加えた。得られた混合物を室温にて4時間撹拌した。混合物をろ過し、酢酸エチルと水との間で分配し、有機相を分離し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:DCM:MeOH=20:1)により精製して、7-(4-クロロフェニル)-N-メトキシ-N,1-ジメチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド (30mg、16%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.62分
m/z[MH]+=398.3。
【0298】
【化125】
【0299】
【化126】
ステップ1:7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボアルデヒド
THF(5mL)中のの溶液に、7-(4-クロロフェニル)-N-メトキシ-N,1-ジメチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド(50mg、0.13mmol)LiAlH4(6mg、0.15mmol)を加えた。反応混合物を窒素下で室温にて一晩攪拌した。次に、H2Oを加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液、DCM:MeOH=20:1)により精製して、7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボアルデヒド(30mg、68%)を黄色油状物として得た。
LCMS(方法B):2.75分
m/z[MH]+=339.1。
【0300】
【化127】
ステップ2:1-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノール
無水DCM(8mL)中の7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボアルデヒド (60mg、0.18mmol)およびトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(32mg、0.23mmol)の溶液を-78℃に冷却し、次に、フッ化テトラブチルアンモニウムのTHF溶液(1 M、0.1mL)を加え、混合物を一晩攪拌した。水を加えて反応を停止させ、水層を酢酸エチルで抽出し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=:5:1)により精製して、1-(7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノール(20mg、27%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法B):2.87分
m/z[MH]+=409.1。
【0301】
【化128】
7-(4-クロロフェニル)-N-ヒドロキシ-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
THF(4mL)中の7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボン酸(93.1mg、0.26mmol)の溶液に、0℃にてHATU(149.7mg、0.394mmol)を加え、反応混合物を30分間攪拌した。次に、トリエチルアミン(79.6mg、0.788mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(27.4mg、0.394mmol)を加えた。得られた混合物を室温にて一晩撹拌し、水とDCMとの間で分配した。有機物をDCM(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取TLC(DCM:MeOH=10:1)により精製して、7-(4-クロロフェニル)-N-ヒドロキシ-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド(20mg、21%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法B):RT 2.40分
m/z 370.3 [M+H]+
【0302】
【化129】
7-(4-クロロフェニル)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
THF(4mL)中の7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボン酸(55.6mg、0.157mmol)の溶液に、0℃にてHATU(89.4mg、0.235mmol)を加え、反応混合物を30分間攪拌した。次に、トリエチルアミン(47.4mg、0.470mmol)および2-(アミノオキシ)エタノール(18.1mg、0.235mmol)を加えた。得られた混合物を室温にて一晩撹拌し、水とDCMとの間で分配した。有機物をDCM(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取TLC(DCM:MeOH=10:1)により精製して、7-(4-クロロフェニル)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド(18mg、28%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法B)::RT 2.48分
m/z 414.1 [M+H]+
【0303】
【化130】
【0304】
7-(4-クロロフェニル)-N-メトキシ-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
【0305】
DCM(4mL)中の-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボン酸(81.1mg、0.229mmol)の溶液に、0℃にてHATU(130.4mg、0.343mmol)を加え、反応混合物を30分間攪拌した。混合物に、トリエチルアミン(69.3mg、0.686mmol)およびO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(28.6mg、0.343mmol)を加えた。得られた混合物を室温にて一晩撹拌し、水とDCMとの間で分配した。有機物をDCM(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(2×30mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取TLC(DCM:MeOH=10:1)により精製して、7-(4-クロロフェニル)-N-メトキシ-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド(30mg、34%)を黄色固体として得た。
LCMS(方法B):RT 2.55分
m/z 384.1 [M+H]+
【0306】
アミド化反応の一般的な方法
【化131】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボン酸 (0.1mmol)、TEA(0.3mmol)およびHATU(0.2mmol)をあわせ、DCM(2mL)に溶解した。反応混合物を室温にて20分間撹拌し、DCM(0.5mL)中のアミン(0.2mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温にて16時間または完了時に(HPLCで評価して)攪拌した。NH4Clの飽和水溶液を加え、有機物を分離し、減圧下で濃縮した。粗油状物を分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
【0307】
【化132】
7-(4-クロロフェニル)-N-((R)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
LCMS(方法A):6.53分
m/z[MH]+=476.25。
【0308】
【化133】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-N-((R)-1-フェニルエチル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
LCMS(方法A):5.55分
m/z[MH]+=458.0
【0309】
【化134】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-N-フェニル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
LCMS(方法A):5.60分
m/z[MH]+=430.1
【0310】
【化135】
N-ベンジル-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
LCMS(方法A):5.49分
m/z[MH]+=444.0
【0311】
【化136】
N-ベンズヒドリル-7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
LCMS(方法A):5.49分
m/z[MH]+=444.0
【0312】
【化137】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-N-((S)-1-フェニルエチル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
LCMS(方法A):5.56分
m/z[MH]+=458.0
【0313】
【化138】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-N-(フェニルスルホニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
LCMS(方法A):5.60分
m/z[MH]+=494.0
【0314】
【化139】
7-(4-クロロフェニル)-1-メチル-N-(メチルスルホニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[f][1,2,3]トリアゾロ[1,5-d][1,4]ジアゼピン-9-カルボキサミド
LCMS(方法A):5.56分
m/z[MH]+=430.1
【実施例】
【0315】
【表1】
【0316】
【表2】
【0317】
【表3】
【0318】
【表4】
【0319】
【表5】
【0320】
【表6】
【0321】
【表7】
【0322】
【表8】
【0323】
【表9】
【0324】
【表10】
【0325】
【表11】
【0326】
【表12】
【0327】
【表13】
【0328】
生物学的特性評価
アッセイ条件
結合アッセイ
AlphaScreen(登録商標)技術(Perkin Elmer)を利用したビオチン化アセチル-ヒストンH4ペプチド(Anaspec#64989)とBRD標的タンパク質との相互作用を測定することにより、BRD結合および阻害を評価した。白色の384ウェルの低容量プレート(Greiner#784076)において、100nLの化合物シリーズのDMSO溶液(最終濃度0.5%)をBRD標的タンパク質(最終80nM)に加えた。室温にて30分間インキュベートした後、2.5nMの最終濃度になるまでH4ペプチドを添加した。AlphaScreenストレプトアビジン供与体ビーズおよびAlphaScreenニッケルキレート受容体ビーズをそれぞれ10μg/mLの最終濃度になるまで加え、暗所で室温にて1時間インキュベートした。EnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)でプレートを読み取り、4パラメーターの非線形曲線適合を用いてIC50を計算した。
【0329】
これらの条件は、160nMタンパク質および1.25nMペプチドを使用するBRD2D2を除いて、スクリーニングされたすべてのBRDについて同一である。
【0330】
結合親和性
【表14】
【0331】
【表15】

ここで、Aは<100 nM;Bは100nM-1μM;Cは>1μM;ND=決定されず、である。
【0332】
細胞増殖アッセイ
細胞は、必要な様式(懸濁液または付着性)で調製された。細胞は、最終的に処理されるであろう培地中で最初に1回洗浄された。この後、10mlの試験培地を細胞に加えた。混合物を穏やかに数回ピペット操作した。
【0333】
次に、細胞を計数し、必要な総細胞数に必要な量まで体積をスピンダウンさせた。次に、細胞を、適切な試験培地中に、所望の濃度まで再懸濁させた。一般に、非付着性細胞の最終濃度は2x105細胞/ml、すなわち10,000μl/50μlであった。所望の濃度に達したら、50μlの細胞を適切なウェルに添加し、細胞を37℃にて72時間インキュベートした。
【0334】
CellTiter-Glo発光アッセイ(キットG7571-詳細はPromegaの取扱説明書を参照):
両方の試薬を室温に予熱した。緩衝液を、完全に解凍されるまで、37℃の水浴中で解凍した。次に、これを室温にてベンチ上に少なくとも30分間放置した。この後、基質および緩衝液を一緒に混合した。基質が確実に溶解するように、混合物を数回反転させた。
【0335】
細胞培養プレートをインキュベーターから取り出し、次に、室温に少なくとも30分間調節した。
【0336】
その後、試薬40μLを培養培地100μLに加えた。これらを、オービタルプレートシェーカー上で、培地が各ウェルから漏出しないように注意しながら室温にて2分間混合した。次に、プレートをベンチ上で10分間インキュベートした。次に、発光を、発光プレートリーダーを使用して読み取ることができた。
細胞活動
【表16】

ここで、Aは<1μM;Bは1μM-5μm;Cは>5μM;ND=決定されず、である。
【0337】
インビボでの活性の評価
骨髄および脾臓細胞は、Eμ-mycマウスが病気になったときに(拡大した脾臓およびリンパ節)、採取される。単一細胞懸濁液を調製し、100万個のBM細胞を、静脈注射により各WT C57/BL6マウスに移植する。3日目から開始する腹腔内注射によって、マウスに化合物の1日用量を投与する。マウスが病気になったときに、安楽死させ、脾臓および肝臓を秤量して組織学的検査を行い、血液分析のために血液を採取する。
【0338】
血液学的分析:末梢血の分析は、マウス分析ソフトウェアモジュール(Bayer、Tarrytown、NY)を備えたADVIA 120血液分析器を用いて行われる。
【0339】
組織学的分析:薬物またはビヒクル処置マウスを屠殺して、脾臓および肝臓を採取し、ホルマリン中に保存する。パラフィン包埋切片およびヘマトキシリン+エオシン(H&E)染色を行う。写真を、Axiovision(Ver4.8)ソフトウェアを使用するZEISS AxioCam MRC5カメラを備えたNikon Eclipse E600顕微鏡で撮影する。
【0340】
本明細書において開示され定義された本発明は、本文または図面に言及されるか、るか、またはそれらから明らかである2つ以上の個々の特徴のすべての代替的な組み合わせに及ぶことが理解される。これらの異なる組合せの全ては、本発明のさまざまな代替の態様を構成する。