特許第6816172号(P6816172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6816172
(24)【登録日】2020年12月25日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】ハンディターミナル用のカバーシート
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/02 20060101AFI20210107BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   G06F3/02 490
   H05K5/03 A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-429(P2019-429)
(22)【出願日】2019年1月7日
(65)【公開番号】特開2020-109575(P2020-109575A)
(43)【公開日】2020年7月16日
【審査請求日】2019年7月9日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年9月11日東京ビッグサイトにおいて開催された国際物流総合展示会2018で公開。平成30年12月10日センシングソリューション総合カタログで公開。平成30年9月11日PS−1720製品カタログで公開。
(73)【特許権者】
【識別番号】501100881
【氏名又は名称】イーソル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】海堀 秀樹
【審査官】 滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−129320(JP,A)
【文献】 特開2001−051773(JP,A)
【文献】 特開平10−307664(JP,A)
【文献】 特開平11−194875(JP,A)
【文献】 特開昭60−179868(JP,A)
【文献】 特開平01−092823(JP,A)
【文献】 特開2014−164610(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3098868(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作キーが配置された防水機能を備えたハンディターミナルのキー配置領域に対して接着されるカバーシートであって、
前記キー配置領域を覆う水密性を有する1枚のシートとして形成されており、
前記複数の操作キーに対応するように表面側に突出した凸部を有することを特徴する、
ハンディターミナル用のカバーシート。
【請求項2】
前記凸部の表面に突起が形成されていることを特徴する、請求項1記載のハンディターミナル用のカバーシート。
【請求項3】
対応する前記操作キーの種類によって前記突起の形状が異なることを特徴する、請求項2記載のハンディターミナル用のカバーシート。
【請求項4】
対応する前記操作キーの種類によって前記突起の高さが異なることを特徴する、請求項2または3記載のハンディターミナル用のカバーシート。
【請求項5】
一部の前記凸部には、前記突起が形成されていないことを特徴する、請求項2〜4のいずれか1項に記載のハンディターミナル用のカバーシート。
【請求項6】
一部の前記凸部には、裏面に前記操作キーの方向に突出する突出部が形成されており、
残りの前記凸部には、前記突出部が形成されていないことを特徴する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のハンディターミナル用のカバーシート。
【請求項7】
前記カバーシートは、前記操作キーの表面の印字を視認可能に透光性を有する材料で形成されていることを特徴する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のハンディターミナル用のカバーシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ハンディターミナルカバーシートに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンディターミナルなどの携帯型入力端末は、屋外で使用することも想定されるため、防水性能を備えた機器が主流となっている。例えば、特許文献1には、液密状態を維持可能なシール構造を採用した携帯型入力端末が開示されている。このように防水機能を備えることで、急な天候の変化などで雨が降っても、機械への影響を最小限にとどめることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−311532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したような従来の携帯型入力端末は、低温環境で使用した場合に以下のような問題があった。
すなわち、こうした携帯型入力端末は防水機能を備えているため濡れた状態や結露した状態でも使用可能であるが、操作キーの間に水滴が入り込むと、この水滴が低温環境で凍結し、操作キーを押せない不具合が発生する場合があった。
【0005】
また、こうした低温環境では、作業者が手袋をした状態で操作キーを操作することが考えられるが、手袋をしていると操作キーの段差を感じにくく、ブラインドタッチで操作しにくいという問題があった。特に、操作キーの間隔が狭い機種では、手袋をしていると操作キーの間の溝の感触を知覚できず、触感で操作キーの位置を認識することは困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、低温環境下であっても操作キーが押せなくなる不具合を防止でき、操作もしやすいハンディターミナルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、複数の操作キーが配置された防水機能を備えたハンディターミナルのキー配置領域に対して接着されるカバーシートであって、前記キー配置領域を覆う水密性を有する1枚のシートとして形成されており、前記複数の操作キーに対応するように表面側に突出した凸部を有することを特徴する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上記の通りであり、カバーシートは、ハンディターミナルのキー配置領域に対して貼付可能であり、水密性を有する1枚のシートとして形成されている。よって、カバーシートを貼付することで操作キーの間に水滴が入り込むことを防止できる。水滴が入り込まないので、低温環境で水滴が凍結して操作キーが押せなくなる不具合を防止することができる。そして、複数の操作キーに対応するように表面側に突出した凸部を有するため、作業者は凸部の触感で操作キーの位置を認識することができる。
【0009】
また、凸部の表面に突起が形成されていてもよい。このような構成によれば、突起に指が引っかかるので、低温環境などで手袋をしていても操作しやすい。特に、操作キーの間隔が狭い機種であっても、突起の間隔を大きくすることで段差を感じやすくすることができるので、ブラインドタッチでも操作しやすくすることができる。
【0010】
また、対応する操作キーの種類によって突起の形状が異なるようにしてもよい。このような構成によれば、触った感覚で操作キーの種類が分かるので、ブラインドタッチによる操作をしやすくすることができる。
【0011】
また、対応する操作キーの種類によって突起の高さが異なるようにしてもよい。このような構成によれば、使用頻度の高い操作キーの突起を高くしたり、ブラインドタッチの起点となる操作キーの突起を高くしたりすることで、ブラインドタッチによる操作をしやすくすることができる。
【0012】
また、一部の凸部には、突起が形成されていないようにしてもよい。このような構成によれば、使用頻度の低い操作キーにはあえて突起を設けないようにして、指先の情報量を減らすことができる。
【0013】
また、一部の凸部には、裏面に操作キーの方向に突出する突出部が形成されており、残りの凸部には、突出部が形成されていないようにしてもよい。このような構成によれば、突出部が形成された凸部については軽く押下するだけで操作キーを押下でき、突出部が形成されていない凸部については深く押下しなければ操作キーを押下できないようにすることができる。よって、使用頻度の高い操作キーは押下しやすくすることができ、また、使用頻度の低い操作キーはあえて押下しにくくすることで誤操作を防止することができる。
【0014】
また、カバーシートは、操作キーの表面の印字を視認可能に透光性を有する材料で形成されているようにしてもよい。このような構成によれば、作業者がカバーシートに透けて見える操作キーの印字を読み取ることができるので、目で確認しながらキー操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】携帯型入力端末とカバーシートの外観図である。
図2】シート本体の正面図である。
図3】シート本体の背面図である。
図4】接着シートの正面図である。
図5】(a)凸部12Aの正面図、(b)凸部12AのX−X’線端面図、(c)凸部12Bの正面図、(d)凸部12BのX−X’線端面図、(e)凸部12Cの正面図、(f)凸部12CのX−X’線端面図である。
図6】(a)凸部12Dの正面図、(b)凸部12DのX−X’線端面図、(c)凸部12Eの正面図、(d)凸部12EのX−X’線端面図、(e)凸部12Fの正面図、(f)凸部12FのX−X’線端面図、(g)凸部12Gの正面図、(h)凸部12GのX−X’線端面図、(i)凸部12Hの正面図、(j)凸部12HのX−X’線端面図、(k)凸部12Iの正面図、(l)凸部12IのX−X’線端面図、(m)凸部12Jの正面図、(n)凸部12JのX−X’線端面図、(o)凸部12Kの正面図、(p)凸部12KのX−X’線端面図である。
図7】(a)凸部12Lの正面図、(b)凸部12LのX−X’線端面図、(c)凸部12LのY−Y’線端面図、(d)凸部12Mの正面図、(e)凸部12MのX−X’線端面図、(f)凸部12MのY−Y’線端面図である。
図8】変形例に係るシート本体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
本実施形態に係るカバーシート10は、図1に示すような携帯型入力端末20に貼付して使用されるものである。携帯型入力端末20は、例えば在庫管理や棚卸しなどの作業に使用されるハンディターミナルである。なお、図1に示す携帯型入力端末20は例であり、携帯型入力端末20の形状等は特に限定されない。携帯型入力端末20としては、少なくとも複数の操作キー22が配置されたキー配置領域21を備えていればよい。携帯型入力端末20の操作キー22は、ハウジングの表面に設けられた開口から突出した押しボタンスイッチである。キー配置領域21に配置される操作キー22は、テンキー、ファンクションキー、エンターキーなどである。
【0017】
カバーシート10は、このキー配置領域21の全体を覆う大きさで、水密性を有する1枚のシートとして形成されている。具体的には、カバーシート10は、図2および図3に示すようなシート本体11と、図4に示すような接着シート18と、からなる。
【0018】
シート本体11は、表面に凹凸を形成したシートであり、凸部12と、この凸部12の周囲に設けられた平坦な余白部16と、を備える。このシート本体11は、弾性および透光性を有する材料(透光性を有する合成樹脂など)で形成されている。このため、カバーシート10をキー配置領域21に貼り付けたときに、カバーシート10を通して操作キー22の表面の印字を視認可能となっている。
【0019】
シート本体11の表面に形成された凸部12は、複数の操作キー22に対応するように突出している。すなわち、すべての操作キー22に1対1で対応して、操作キー22の上に重なるように表面側に突出する凸部12が形成されている。各凸部12は、対応する操作キー22よりも一回り大きく形成されており、携帯型入力端末20の表面から突出した操作キー22の表面と側面とを覆っている。また、この凸部12の上面は平らに形成されており(後述する突起13A〜13Mが形成された部分を除く)、この上面の高さは凸部12すべてで共通して同じ高さに設定されている。
【0020】
これらの凸部12は、図2に示すように、表面に突起13A〜13Mが形成されたものと、表面に突起が形成されていないものとがある。そして、突起13A〜13Mが形成されたものでも、突起13A〜13Mの形状が互いに異なるように形成されている。また、これらの凸部12は、図3に示すように、裏面に突出部14A〜14Iが形成されたものと、裏面に突出部が形成されていないものとがある。そして、突出部14A〜14Iが形成されたものでも、突出部14A〜14Iの形状が互いに異なるように形成されている。これらの突起13A〜13Mおよび突出部14A〜14Iの有無や形状は、凸部12が覆っている操作キー22の種類によって異なるように設定されている。
【0021】
具体的には、本実施形態に係る突起13A〜13Mは、「高」と「低」の2段階で高さが設定されており、どちらの高さに設定されるかは操作キー22の種類によって決まっている。また、突起13A〜13Mの形状は、操作キー22の種類によって異なる。なお、これらの突起13A〜13Mは、図2に示すように、平面視でそれぞれ凸部12の内側に配置されている。このため、隣り合う突起13A〜13Mの間隔が、隣り合う凸部12の間隔よりも大きくなるように形成されている。
【0022】
一方、凸部12の裏面に形成された突出部14A〜14Iは、本実施形態においては高さがすべて同じに設定されている。また、突出部14A〜14Iの形状は、図3に示すように、平面視円形で共通となっている。
以下、複数の凸部12のそれぞれについて、突起13A〜13Mおよび突出部14A〜14Iの有無や形状について説明する。
【0023】
まず、図5(a)および(b)に示すように、凸部12Aは、表面側に突起13Aを備えている。この突起13Aの高さは「高」であり、突起13Aの形状は、平面視円形で、上面が膨らんだ形状となっている。また、凸部12Aは、裏面側に突出部14Aを備えている。
【0024】
また、図5(c)および(d)に示すように、凸部12Bは、表面側に突起13Bを備えている。この突起13Bの高さは「高」であり、突起13Bの形状は、平面視楕円形で、上面が膨らんだ形状となっている。また、凸部12Bは、裏面側に突出部14Bを備えている。
【0025】
また、図5(e)および(f)に示すように、凸部12Cは、表面側に突起13Cを備えている。この突起13Cの高さは「高」であり、突起13Cの形状は、平面視円形で、上面が膨らんだ形状となっている。また、凸部12Cは、裏面側に突出部14Cを備えている。
【0026】
また、図6(a)および(b)に示すように、凸部12Dは、表面側に突起13Dを備えている。この突起13Dの高さは「低」であり、突起13Dの形状は、平面視で左向きを表す三角形状であり、上面が平らに形成されている。また、凸部12Dは、裏面側に突出部14Dを備えている。
【0027】
また、図6(c)および(d)に示すように、凸部12Eは、表面側に突起13Eを備えている。この突起13Eの高さは「低」であり、突起13Eの形状は、平面視で下向きを表す三角形状であり、上面が平らに形成されている。また、凸部12Eは、裏面側に突出部14Eを備えている。
【0028】
また、図6(e)および(f)に示すように、凸部12Fは、表面側に突起13Fを備えている。この突起13Fの高さは「低」であり、突起13Fの形状は、平面視で上向きを表す三角形状であり、上面が平らに形成されている。また、凸部12Fは、裏面側に突出部14Fを備えている。
【0029】
また、図6(g)および(h)に示すように、凸部12Gは、表面側に突起13Gを備えている。この突起13Gの高さは「低」であり、突起13Gの形状は、平面視で右向きを表す三角形状であり、上面が平らに形成されている。また、凸部12Gは、裏面側に突出部14Gを備えている。
【0030】
また、図6(i)および(j)に示すように、凸部12Hは、表面側に突起13Hを備えている。この突起13Hの高さは「低」であり、突起13Hの形状は、平面視円形で、上面が膨らんだ形状となっている。また、凸部12Hは、裏面側に突出部14Hを備えている。
【0031】
また、図6(k)および(l)に示すように、凸部12Iは、表面側に突起13Iを備えている。この突起13Iの高さは「高」であり、突起13Iの形状は、平面視円形で、上面が膨らんだ形状となっている。また、凸部12Iは、裏面側に突出部14Iを備えている。
【0032】
なお、上記した凸部12Hおよび凸部12Iは、テンキーを構成する操作キー22に対応して設けられた凸部12である。凸部12Hと凸部12Iの違いは、突起13Hの高さが「低」であるのに対し、突起13Iの高さが「高」である点である。本実施形態においては、テンキーの中央の操作キー22(例えば「5」が割り当てられた操作キー22)に対応して凸部12Iが設けられ、その他のテンキーを構成する操作キー22に対応して凸部12Hが設けられている。このため、高さが「高」の突起13Iを中心にテンキーが配置されており、ブラインドタッチがしやすい構成となっている。
また、図6(m)および(n)に示すように、凸部12Jは、表面側に突起を備えていない。また、凸部12Jは、裏面側に突出部を備えていない。
【0033】
また、図6(o)および(p)に示すように、凸部12Kは、表面側に突起13Kを備えている。この突起13Kの高さは「低」であり、突起13Kの形状は、平面視円形で、上面が膨らんだ形状となっている。また、凸部12Kは、裏面側に突出部を備えていない。
【0034】
また、図7(a)、(b)および(c)に示すように、凸部12Lは、表面側に突起13Lを備えている。この突起13Lの高さは「低」であり、突起13Lの形状は、平面視長方形で、上面が斜めに傾斜した形状となっている。この凸部12Lは、キー配置領域21において最も手前側(作業者が携帯型入力端末20持ったときの手前側)に配置される操作キー22に対応して設けられており、上面が手前側に行くに従って高くなるように形成されている。このため、作業者の指が突起13Lの上を滑ったときに、突起13Lの傾斜に指がひっかかるように構成されている。また、凸部12Lは、裏面側に突出部を備えていない。
【0035】
また、図7(d)、(e)および(f)に示すように、凸部12Mは、表面側に突起13Mを備えている。この突起13Mの高さは「低」であり、突起13Mの形状は、平面視長方形で、上面が平坦な形状となっている。また、凸部12Mは、裏面側に突出部を備えていない。
【0036】
このように、操作キー22の重要度や種類によって、その操作キー22を覆う凸部12の表面に突出部14A〜14Iを設けるか否かが決められており、また、突出部14A〜14Iの平面形状や表面形状も互いに異なっている。よって、作業者は凸部12を触った指の感覚で操作キー22を把握することができ、ブラインドタッチがしやすくなっている。また、凸部12の裏面に突出部14A〜14Iを設けることで、特定の操作キー22を押下しやすく構成されている。
【0037】
このシート本体11は、図4に示すような接着シート18によって携帯型入力端末20のキー配置領域21に貼り付けられる。接着シート18は、防水性の高い両面シールであり、片面がシート本体11の裏面に貼り付けられている。本実施形態に係る接着シート18は、図4に示すように、シート本体11の凸部12を避けるように開口部18aが設けられている。この開口部18aは、それぞれの凸部12に対応して設けてもよいが、本実施形態においては、一列に配置された複数の凸部12ごとに開口部18aを設けるようにしている。このため、開口部18aの数を減らすことができ、シート本体11の裏面に接着シート18を貼りつける作業が容易となっている。
【0038】
このようにシート本体11の裏面に接着シート18を貼り付け、接着シート18の反対面をキー配置領域21に接着することで、カバーシート10をキー配置領域21に貼り付けることができる。なお、この接着シート18も透光性を有する材料で形成されており、カバーシート10をキー配置領域21に貼り付けたときに、操作キー22の印字の視認を妨げないようになっている。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、カバーシート10は、携帯型入力端末20のキー配置領域21に対して貼付可能であり、水密性を有する1枚のシートとして形成されている。よって、カバーシート10を貼付することで操作キー22の間に水滴が入り込むことを防止できる。水滴が入り込まないので、低温環境で水滴が凍結して操作キー22が押せなくなる不具合を防止することができる。そして、複数の操作キー22に対応するように表面側に突出した凸部12を有するため、作業者は凸部12の触感で操作キー22の位置を認識することができる。
【0040】
また、凸部12の表面に突起13A〜13Mが形成されている。このため、突起13A
〜13Mに指が引っかかるので、低温環境などで手袋をしていても操作しやすい。特に、操作キー22の間隔が狭い機種であっても、突起13A〜13Mの間隔を大きくすることで段差を感じやすくすることができるので、ブラインドタッチでも操作しやすい。
【0041】
また、対応する操作キー22の種類によって突起13A〜13Mの形状が異なる。このため、触った感覚で操作キー22の種類が分かるので、ブラインドタッチによる操作をしやすい。
【0042】
また、対応する操作キー22の種類によって突起13A〜13Mの高さが異なる。このため、使用頻度の高い操作キー22の突起13A〜13Mを高くしたり、ブラインドタッチの起点となる操作キー22の突起13A〜13Mを高くしたりすることで、ブラインドタッチによる操作をしやすくすることができる。
【0043】
また、一部の凸部12には、突起13A〜13Mが形成されていない。すなわち、使用頻度の低い操作キー22にはあえて突起13A〜13Mを設けていないので、作業者の指先の情報量を減らすことができる。
【0044】
また、一部の凸部12には、裏面に操作キー22の方向に突出する突出部14A〜14Iが形成されており、残りの凸部12には、突出部14A〜14Iが形成されていない。このため、突出部14A〜14Iが形成された凸部12については軽く押下するだけで操作キー22を押下でき、突出部14A〜14Iが形成されていない凸部12については深く押下しなければ操作キー22を押下できないようになっている。よって、使用頻度の高い操作キー22は押下しやすくすることができ、また、使用頻度の低い操作キー22はあえて押下しにくくすることで誤操作を防止することができる。
【0045】
また、カバーシート10は、操作キー22の表面の印字を視認可能に透光性を有する材料で形成されている。このため、作業者がカバーシート10に透けて見える操作キー22の印字を読み取ることができるので、目で確認しながらキー操作を行うことができる。
【0046】
なお、図8に示すように、カバーシート10の表面に操作キー22の種類を表示する印字部15を設けてもよい。印字部15は、カバーシート10の表面に刻印により形成してもよいし、カバーシート10の表面を盛り上がらせて形成してもよいし、インクなどで表示してもよい。また、印字部15は、凸部12の上面に設けてもよいし、凸部12に隣接して余白部16に設けてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 カバーシート
11 シート本体
12,12A〜12M 凸部
13A〜13M 突起
14A〜14I 突出部
15 印字部
16 余白部
18 接着シート
18a 開口部
20 携帯型入力端末
21 キー配置領域
22 操作キー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8