特許第6816245号(P6816245)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6816245
(24)【登録日】2020年12月25日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】車椅子用車輪カバーの装着方法
(51)【国際特許分類】
   B60B 7/04 20060101AFI20210107BHJP
   A61G 5/02 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   B60B7/04 S
   A61G5/02 701
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-228024(P2019-228024)
(22)【出願日】2019年12月18日
【審査請求日】2019年12月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519377897
【氏名又は名称】松崎 昌樹
(74)【代理人】
【識別番号】100163533
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 義信
(72)【発明者】
【氏名】松崎 昌樹
【審査官】 井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5432351(JP,B2)
【文献】 特開2003−225259(JP,A)
【文献】 特開2019−084364(JP,A)
【文献】 特開平10−057420(JP,A)
【文献】 特開2000−102565(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3218133(JP,U)
【文献】 特開2006−346219(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3110831(JP,U)
【文献】 実開昭63−184019(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 7/04
A61G 5/00 − A61G 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子を駆動する大車輪が備えるタイヤの外周側に装着される車椅子用車輪カバーを前記車椅子が備える1対の前記大車輪の外周側に、この車椅子をオフロードで使用することを可能にするために取付ける車椅子用車輪カバーの装着方法であって、
前記車輪カバーは、実質的に同一形状の複数の車輪カバー要素を備え、前記車輪カバー要素を連結して車輪カバー列を形成し、
前記車輪カバー列は、前記大車輪の全周を覆う長さを有するまで前記車輪カバー要素を所定個数だけ連結し、かつ前記車輪カバー列の両端部を相互に係止して前記車輪カバーを構成し、
各前記車輪カバー要素は、所定空気圧が加えられた大車輪におけるタイヤの外形の一部に実質的に合う内側形状を有する本体部と、この本体部と一体的に設けられ、タイヤの外周側に装着されたときにタイヤの幅方向両端部に位置して本体部からタイヤの周方向に突き出ているフック部とを備え、
前記車輪カバー要素の接地面となる外周面は、前記タイヤに装着した場合の内面側方向に短く外面側方向に長い非対称な形状であり、タイヤの幅方向端部側であって本体部の両側面部に、前記フック部が係止するストッパを備えた係止溝部を形成したものであり、
初めに前記大車輪のタイヤ圧を規定圧よりも減圧するステップと、
減圧されたタイヤに外周側から前記車輪カバー要素を1または複数個装着すると共に、一方の車輪カバー要素の係止用フック部を弾性変形させて他方の車輪カバー要素の溝部に係止して複数の車輪カバー要素を相互連結した前記車輪カバー列を形成するステップと、
所定個数の車輪カバー要素を連結した前記車輪カバー列の一端部にある係止用フック部を該車輪カバー列の他端部の溝部に係止して、ほぼ円形の前記車輪カバーを形成するステップと、
ほぼ円形の前記車輪カバーが形成されたら、前記大車輪のタイヤ圧を所定圧まで加圧するステップと、を含むことを特徴とする車椅子用車輪カバーの装着方法。
【請求項2】
車椅子を駆動する大車輪が備えるタイヤの外周側に装着される車椅子用車輪カバーを前記車椅子が備える1対の前記大車輪の外周側に、この車椅子をオフロードで使用することを可能にするために取付ける車椅子用車輪カバーの装着方法であって、
前記車輪カバーは、実質的に同一形状の複数の車輪カバー要素を備え、前記車輪カバー要素を連結して車輪カバー列を形成し、
前記車輪カバー列は、前記大車輪の全周を覆う長さを有するまで前記車輪カバー要素を所定個数だけ連結し、かつ前記車輪カバー列の両端部を相互に係止して前記車輪カバーを構成し、
各前記車輪カバー要素は、所定空気圧が加えられた大車輪におけるタイヤの外形の一部に実質的に合う内側形状を有する本体部と、この本体部と一体的に設けられ、タイヤの外周側に装着されたときにタイヤの幅方向両端部に位置して本体部からタイヤの周方向に突き出ているフック部とを備え、
タイヤの幅方向端部側であって本体部の両側面部に、前記フック部が係止するストッパを備えた係止溝部を形成し、
前記車輪カバー要素を隙間無く連結した場合、前記ストッパを乗り越えて前記フック部が延びるように形成されることにより、前記フック部が前記ストッパに係止する位置では、前記車輪カバー要素間で隙間が生じるように構成され、
初めに前記大車輪のタイヤ圧を規定圧よりも減圧するステップと、
減圧されたタイヤに外周側から前記車輪カバー要素を1または複数個装着すると共に、一方の車輪カバー要素の係止用フック部を弾性変形させて他方の車輪カバー要素の溝部に係止して複数の車輪カバー要素を相互連結した前記車輪カバー列を形成するステップと、
所定個数の車輪カバー要素を連結した前記車輪カバー列の一端部にある係止用フック部を該車輪カバー列の他端部の溝部に係止して、ほぼ円形の前記車輪カバーを形成するステップと、
ほぼ円形の前記車輪カバーが形成されたら、前記大車輪のタイヤ圧を所定圧まで加圧するステップと、を含むことを特徴とする車椅子用車輪カバーの装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子用車輪カバー及びそれを装着した車椅子ならびにその装着方法に係り、特にグラウンドゴルフ場等のオフロードで使用するのに好適な車椅子用車輪カバー及びそれを搭載した車椅子ならびにその装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パラリンピックに代表されるように、車椅子を利用する障害者のスポーツ機運が増大している。その場合、路面を利用する陸上種目やコートを利用するサッカー等の場合、車椅子の車輪が設置する接地面は固いので、車椅子の車輪がコートや路面を損傷するおそれはなく、車椅子を十分に活用できる。それに対して障害者でも容易に興じることができるグラウンドゴルフ等では、接地面が柔らかい土の競技場やもしくは芝が植生された競技場を使用するので、車椅子の車輪により轍が形成されて、競技場を損傷する恐れがある。一方、車椅子の車輪には泥が付着して、車椅子をそのままでは容易に居住空間である室内へ持ち込むことができない不便さが生じる。
【0003】
車椅子使用におけるこのような不便さの内の後者を解消するために、特許文献1〜3には着脱可能なカバーを移動体の車輪に取付け、室内へ移動するときはそのカバーを取り外すことが記載されている。具体的には、特許文献1では、使い捨てもでき、極めて簡単に車椅子の車輪のタイヤに着脱することができる簡潔な構造の経済的タイヤカバーを提供することが開示されている。この公報では、車椅子車輪のタイヤの少なくとも接地面を覆うことができる長さと幅を有する帯状物の裏面に粘着性物質を塗布して、帯状物をタイヤに貼り付けている。
【0004】
また特許文献2では、手押し車の車輪が有害物質または汚染物質に起因する病原菌を室内に持ち運ぶのを防止するために、手押し車の車輪に内部を中空にしたリング状の外側本から形成した保護カバーを設け、保護カバーが、1つの横側開口部と、車輪に保護カバーを着脱させるために開口部を拡張させ車輪に保護カバーを取付けるために開口部を収縮させる手段とを、有している。
【0005】
特許文献3には、車輪への着脱が容易で、車輪に付着した汚れを室内に持ち込むことを防止するために、車椅子の車輪のタイヤ部に車輪保護カバーを装着している。この車輪保護カバーは、軟硬度で粘着性の高い高粘着性エラストマーと硬硬度で粘着性の低い低粘着性エラストマーを貼り合わせた2層構造の帯状のシートであり、このシートを高粘着性エラストマー側をタイヤ側にしてタイヤの全周に貼り付けている。さらにシートの両端部に磁石を備え、シートをタイヤに貼り付けたときに、磁石を埋め込んだ両端部が重なる長さを有している。
【0006】
車椅子の車輪にカバーを取付ける他の例が、特許文献4に記載されている。この公報に記載の車椅子用車輪カバーセットは、災害時に迅速に装着でき、パンクの発生を防止するもしくはパンクが発生しても車椅子の走行を可能にするために提案されている。より具体的には、車椅子の車輪におけるタイヤの外側面にこれを嵌め入れる形状に弾性変形して被せる状態に装着される側面弧状の弾性保護カバー部材が、タイヤの全周をほぼ連続的に覆う個数だけ設けられ、保護保形カバー部材が外周面を覆うほぼ半円形の断面形状と、タイヤの周方向の曲率とほぼ同じ曲率で湾曲してタイヤの周方向長さのほぼ複数分の1の長さで弧状に延びる側面形状を有している。そしてタイヤの接地面に接する幅方向中央部分が高硬度を有し、かつ幅方向両側部が幅方向に弾性変形する可撓性を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−102290号公報
【特許文献2】特開2005−239143号公報
【特許文献3】特開2010−36595号公報
【特許文献4】特許第5432351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1〜3に記載の車椅子や手押し車の車輪カバーは、屋外から室内ヘ泥等の汚れが持ち運ばれるのを防止するために、粘着性のシート状のカバー、もしくは紐で留めるシート状のカバーを採用することにより、車椅子の車輪との着脱を容易にしている。しかしながら、これらの公報に記載のいずれの車輪カバーも、車椅子の車輪の幅を実質的に増大するものではないので、車椅子から接地面へ、車輪カバーが無いときと同じ応力が加わる。このような状態で車椅子をグラウンドゴルフ場等で使用すると、車輪から加わる応力が大きすぎて、轍が発生する恐れがある。つまりこれらの公報では、車椅子の車輪が接地する接地面積を増大させて接地面部における応力を低減して地面への負荷を低減し、轍の形成を防止するまたは低減することについては考慮されていない。
【0009】
上記特許文献4に記載の車椅子の車輪カバーは、部分円弧状に形成された弾性保護カバーを車輪の周方向に複数個組み合わせて使用し、各弾性保護カバーが2層構造となっている。したがって、車輪カバーの着脱が容易になると共に車椅子の車輪の幅を実質的に増大させている。さらに両側部が可撓性を有するので、両側部の変形により接地面部の接地面積が実質的に増大して応力が低減すると推定される。しかしながらこの公報に記載の車椅子の車輪カバーは、車椅子のタイヤの幅が太いもしくは空気が充満された状態で取付ける必要があるので、装着しやすさを考慮すると弾性変形部のタイヤ保持力を大きくすることができなくなり、使用中に大きな力が加わったときにタイヤから外れる恐れがある。また、逆に弾性変形部のタイヤ保持力を大きくすると、タイヤへ取付ける際に多大な力を加える必要が生じるとともに、取り外しが困難になる。
【0010】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的はグラウンドゴルフ場等のオフロードで使用しても、轍等が形成されるのを防止または低減すると共に、室内用から室外用へもしくは室外用から室内用へ車椅子の仕様を容易に変更できる、車椅子の車輪カバーを実現することにある。本発明の他の目的は、上記目的に加え、グラウンドゴルフのプレイを享受できる操舵性に富む車椅子用カバーを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の特徴は、車椅子を駆動する大車輪が備えるタイヤの外周側に装着される車椅子用車輪カバーにおいて、前記車輪カバーは、実質的に同一形状の複数の車輪カバー要素を備え、前記車輪カバー要素を連結して車輪カバー要素列を形成し、前記車輪カバー要素列は、前記大車輪の全周を覆う長さを有するまで前記車輪カバー要素を所定個数だけ連結し、かつ前記車輪カバー要素列の両端部を相互に係止して前記車輪カバーを構成し、各前記車輪カバー要素は、所定空気圧が加えられた大車輪におけるタイヤの外形の一部に実質的に合う内側形状を有する本体部と、この本体部と一体的に設けられ、タイヤの外周側に装着されたときにタイヤの幅方向両端部に位置して本体部からタイヤの周方向に突き出ているフック部とを備え、タイヤの幅方向端部側であって本体部の両側面部に、前記フック部が係止するストッパを備えた係止溝部を形成したことにある。
【0012】
そしてこの特徴において、前記フック部を弾性変形させて前記係止溝部に係止することで、他の係止具を用いることなく複数の車輪カバー要素または車輪カバー要素列を相互に連結可能とすることが好ましく、タイヤに装着したときに外周面となる、前記車輪カバー要素が有する前記本体部の外周面に、タイヤの回転方向と平行に複数の溝を形成するのが望ましい。また、前記車輪カバー要素は、射出成形のポリアセタール樹脂製であってもよい。
【0013】
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、車椅子を駆動するタイヤが装着された1対の大車輪と、この1対の大車輪の両外側部に配置され各大車輪と同期して回転するハンドリムと、使用者が着座するのに使用するシート及び背もたれと、大車輪を補助する1対のキャスタとを備えた車椅子において、前記大車輪に車椅子用車輪カバーを着脱自在に取り付けることであり、特にこの車椅子用車輪カバーが上記特徴を有することにある。
【0014】
上記目的を達成する本発明のさらに他の特徴は、車椅子が備える1対の大車輪の外周側に、この車椅子をオフロードで使用することを可能にするために上記特徴を備える車椅子用車輪カバーを車椅子に装着する方法であって、初めに大車輪のタイヤ圧を規定圧よりも減圧するステップと、減圧されたタイヤに外周側から車輪カバー要素を1または複数個装着すると共に、一方の車輪カバー要素の係止用フック部を弾性変形させて他方の車輪カバー要素の溝部に係止して複数の車輪カバー要素を相互連結した車輪カバー列を形成するステップと、所定個数の車輪カバー要素を連結した車輪カバー列の一端部にある係止用フック部を該車輪カバー列の他端部の溝部に係止して、ほぼ円形の車輪カバーを形成するステップと、ほぼ円形の車輪カバーが形成されたら、前記大車輪のタイヤ圧を所定圧まで加圧するステップとを、車椅子用車輪カバーの装着方法が含むことにある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、互いに端部が入れ子状であってストッパ部が形成された車輪カバー要素を円周方向に複数組み合わせて車椅子の車輪カバーを形成して、既存の車椅子の車輪幅を実質的に増大したので、グラウンドゴルフ場等のオフロードで使用しても、轍等が形成されるのを防止または低減できると共に、ストッパを有する入れ子状部が弾性を有する樹脂製であるので、室内用から室外用へもしくは室外用から室内用へ車椅子の仕様変更を、車輪の空気を抜くだけで容易に実行できる。また、車輪カバー要素に車輪の進行方向に平行な複数の溝を形成したので車椅子の舵取りが容易になり、グラウンドゴルフのプレイを享受できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例に係る車輪カバーを装着した車椅子の斜視図である。
図2図1に示した車輪カバーを構成する車輪カバー要素の一例を示す図であり、その上面図、正面図および左、右側面図である。
図3図2に示した車輪カバー要素を、複数つなぎ合わせて形成した車輪カバー要素列の一例を示す正面図である。
図4】車椅子の車輪に車輪カバー要素を取付ける手順を示す図である。
図5】車椅子の車輪に車輪カバー要素列を取付ける手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る車椅子10とそれに用いる車輪カバー20について、図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る車椅子10の図であり、図1(a)はその側面図であり、図1(b)はその上面からの斜視図である。車椅子10は、フレーム30に固定され使用者が着座するシート(座面)24と、シート24に対して90°よりやや傾いて形成された背もたれ22と、フレーム30の両側部に設けられ使用者の腕を乗せる肘掛け14と、フレーム30の両側部に固定された車軸部36の周りに回転して車椅子10を駆動する車輪(大車輪とも称す)40と、車輪40と同心に固定され、使用者が車椅子10を自走させる際に用いるハンドリム28を備える。車椅子10はさらに、車輪40と一緒に回転し車椅子10の操舵に寄与するキャスタ16を備える。車椅子10の前部であって下部には、使用者の足を保持するフットサポート(踏板)が設けられている。一方、車椅子10の後部であって上部には、介助者がこの車椅子10を駆動するために車椅子10を把持するための一対の握り部12が設けられている。車輪40の外周部には、詳細を後述する車輪カバー20が取付けられている。車軸部36から車輪40の外径側に斜めに複数本のスポーク34が延びており、スポーク34の他端部はリム32に固定されている。
【0018】
車椅子10を屋外で使用する場合、車椅子10の車輪は直接地面に接地する。地面がコンクリートやアスファルトで舗装されていれば、車椅子10により轍が形成されて、他者の通行等に対して障害になることはない。しかしながら、車椅子10を不整地で使用すると、不整地は接地面が軟弱である場合が多く、容易に轍が形成される。例えば不整地がグランドゴルフ場等の競技施設の場合に、車椅子10をそのような不整地に乗り入れると、車椅子10により轍が形成され、他の競技者が競技しにくくなる。
【0019】
そこで、轍を形成しないように、車椅子10の接地面140における接触応力を低減する。具体的には、車椅子10の車輪40の幅を通常使用時より増大させ、それにより接地面積を増やして接触応力を低減する。この目的のために、車輪40の外周部に設けられたタイヤ38に車輪幅を増大させる車輪カバー20を取付けている。車輪カバー20を取付けると接地面積は増大するが、車輪重量が増大すること及び車輪40を駆動するのに必要な駆動力が増大することにより、車輪の操舵性が低下するおそれがあり、その対策が必要となる。以下に、この対策を施した車輪カバー20の例を説明する。
【0020】
車輪カバー要素100は、複数個連結されて車輪カバー20を構成するものであり、車椅子10のタイヤ38が24×1 3/8で規定されるものであれば、72個使用して一周分となる。以下、この規格で用いる車輪カバー要素100を例に取り説明するが、他の規格のものも、本実施例に記載のものと同様に構成できることは言うまでも無い。
【0021】
図2に、車輪40の外周部に取付ける車輪カバー20を構成する車輪カバー要素100を示す。車輪カバー要素100は軽量化及び耐環境性の観点から樹脂製であり、例えばポリアセタール製である。図2(a)は、車輪カバー要素100の上面図、図2(b)はその左側面図、図2(c)は正面図、図2(d)は右側面図である。
【0022】
車輪カバー要素100は、内部に空洞を有する本体部102と、この本体部102から一方側(仮に前方側と呼ぶ)に突き出た一対のフック部104を有する。フック部は、一方向(仮に幅方向と呼ぶ)に間隔を置いて設けられ、本体部102と一体に形成されている。本体部102は、正面図で見た場合に下側に窄まった形状をしており、その頂角はαである。上記規格のタイヤ38に装着する場合の本体部102の頂角αは、約5度である。また、タイヤ38に装着したときに外周面140となる部分の周方向長さは、Lである。外周面140は、周方向には平らな面でも良いが、タイヤ38と同心の円弧状が好ましい。
【0023】
左右側面図から明らかなように、本体部102では、円周の一部を欠いた形状をした内側空洞部122のうちの円周が欠けた部分を、下方に延して形成された一対の保持脚部120により、開口部123が形成されている。開口部123は、正面図に破線で示したように、前後方向に円弧を描いており、その曲率半径は、タイヤ38の最大外径部における曲率半径Rにほぼ等しい。上記規格のタイヤ38に装着する場合には、Rは約306mmである。開口部123の幅(狭隘部の幅)Wは、内側空洞部122の直径(最大幅)Wよりも小さく、リム32の幅程度である。
【0024】
内側空洞部122の内径は、車椅子10に使用される車輪10のタイヤ38のサイズに応じた大きさとなっている。すなわち、内側空洞部122の内径Wは、タイヤ半径2Rにほぼ等しい約34mmに形成されている。内側空洞部122及び開口部123の周囲には車輪カバー要素100の強度を維持するために、厚みを持った周縁部が形成されている。
【0025】
周縁部は、ほぼ内側空洞部122に同心形状の部分円弧部である内周側補強部128とその両端部に連続する保持脚部120とを備える。内側補強部128の外径側であって、タイヤ38に装着したときに接地面となる部分には、外周側補強部130が設けられている。外周側補強部130の両端部側には、保持脚部120に連続する内側補強部124と外側補強部126とが設けられている。ここで、内側とは車椅子10の車輪40にこの車輪カバー要素100を取付けるまたは装着する際に内面側になることを意味し、外側とはその際外面側になることを意味する。
【0026】
車椅子10に車輪カバー要素100を装着すると、車輪40とフレーム30の間が狭く車輪カバー20がフレームに干渉する恐れがある。そこで、車輪カバー20をタイヤ38に装着したときに、内面側がほぼ垂直になる形状に本体部102の内側補強部124を形成している。一方、ハンドリム32側に位置する本体部102の外側面は、ハンドリム32を操作する使用者の手がタイヤ38に接触するのを避けるため等の理由で、車輪40よりも小径に作られているから、幅方向に延しても干渉するものがない。
【0027】
したがって、車椅子100が傾斜地を進行して車椅子が傾き、車輪カバー20の接地面がそれまでの位置から横にずれても、タイヤ38ではなく確実に車輪カバー20の部分が地面と接地する。換言すれば、車輪カバー20以外の部分が接地するのを防止できる。以上の理由から、車輪カバー要素100の接地面となる外周側補強部130の外周面は、内面側方向に短く外面側方向に長い非対称な形状となっている。
【0028】
本体部102の外周側補強部130の外周面は地面と接するので、その外面形状は車椅子10の走行性と操舵性に多くの影響を与える。特に、本発明の車椅子10は車輪カバー20を装着しているので、車輪カバー20を持たない舗装面や室内を走行する車椅子に比して接地面積が数倍程度に増大している。そのため、外面側に複数の微小な溝132と各溝132間に隆起134とを形成している。溝132は、車輪カバー要素100をタイヤ38に装着したときにタイヤ38が回転する方向に平行な方向、すなわち車輪40の回転方向に平行な方向である縦溝が複数個と、この縦溝に直交する幅方向の横溝とから形成されている。これにより使用者が自走するときの駆動力を低減している。一方、後述するように車輪カバー要素100を使用するときは、各車輪カバー要素100間に僅かな隙間が形成されており、車椅子10の向きを変える操舵作業時にはこの隙間が横溝と共に操舵性を向上させているので、連続した溝におけるよりも少ない操舵抵抗が得られる。なお横溝は、車椅子10の直進時に、車輪カバー20を装着した車輪40が回転方向に滑って進行し難くなるのを低減する働きもする。
【0029】
外周側補強部130と内周側補強部128の間には肉盗み部136が形成されており、車輪カバー要素100の重量低減が図られている。なお、肉盗み部136が形成されたので、外周側補強部130と内周側補強部128との間の強度を維持するために、車輪カバー要素100の幅方向であって外周側補強部130と内周側補強部128間に、中央補強部150が形成されている。
【0030】
本体部102の内面側側面164と外面側側面162には、フック部104が係止するほぼ同一形状の係止溝部106が形成されている。係止溝部106は、前後方向に長さLで高さHを有する矩形状をしており、後ろ側端部には、係止溝部106よりも浅い位置まで幅Lのストッパ112が形成されている。すなわち、ストッパ112の上面は、係止溝部106の深さ方向に、内、外面側側面164、162の面位置よりも下側にある。
【0031】
フック部104は、内面側側面164及び外面側側面162と面位置で本体部102と連接している。一対のフック部104は、前方に角度θだけ傾いて互いが接近するように形成されている。すなわちフック部104は、先端部間距離が根元部間距離より短く形成されている。フック部104の前後方向長さはLである。フック部104は、先端に円柱状のガイド部116を有し、ガイド部116と本体部104の間に係止部144を有する。ガイド部116の円柱の半径はr、前後方向の長さはLである。
【0032】
一方の車輪カバー要素100のフック部104が、他方の車輪カバー要素100の係止溝部106に係止するときは、本体部102が頂角αの扇形に形成されているので、一直線上ではなく円弧上を移動して連結する(図3参照)。そこで、一直線からのずれを考慮して、フック部104の上、下面は、テーパが付いたテーパ面142となっている。なおフック部104が本体部102に連続する部分の高さはHであり、それに対応する係止溝部106の高さはHである。HはHより小さい。
【0033】
次に、上記のように構成した車輪カバー要素100を複数個連結して車輪カバー要素列60を作成する様子を、図3を用いて説明する。図3(a)は複数の車輪カバー要素100を互いに密着して連結して車輪カバー要素列60を形成した状態を示す図であり、図3(b)は複数の車輪カバー要素100を互いに隙間Sを形成して連結して車輪カバー要素列60を形成した状態を示す図である。複数の車輪カバー要素100を隙間無く連結すると、一方の係止溝部106では、ストッパ112を乗り越えて他方のフック部104が延びており、係止溝部106の周方向(前後方向)長さGは、G=L−Lである。一方、互いの車輪カバー要素100間に隙間Sを形成した場合には、係止溝部106の周方向長さGは、L−(L+L)に限りなく近づく。すなわち、内径側の寸法差(G−G)に応じた隙間Sが外径側に形成される。この隙間Sは、以下に示すように、車輪カバー要素列60から車輪カバー20へ変換するときに作業のためのゆとりと確実な装着のための余裕として機能する。
【0034】
図4及び図5を用いて、車椅子10の車輪40に車輪カバー20を装着する手順を説明する。なお、図示を省略したが、車椅子10から車輪カバー20を取り外すときは図4及び図5に示した手順と逆の手順を実行すれば良い。
【0035】
図4は、車輪カバー要素100から車輪カバー要素列60を形成する手順を説明する図であり、図4(a)は規定圧まで空気が充填されたタイヤ38を有する車椅子用車輪40とハンドリム28の斜視図、図4(b)は車椅子10用タイヤ38に車輪カバー要素40を取付ける前の、タイヤ38の状態を示す図、図4(c)は車椅子用タイヤ38に第1番の車輪カバー要素100を取付ける状態を示す図、図4(d)は複数個の車輪カバー要素100を連結して車輪カバー要素列60を形成した後に、さらに車輪カバー要素100を車輪カバー要素列60に連結する状態を示す図である。図4(b)、(c)では、車輪の模式断面図も合わせて示している。
【0036】
車椅子10用の車輪40では、ハンドリム28が、ハンドリム固定具42により周方向複数箇所で車輪40に固定されている。ハンドリム28を備えた車輪40には、車輪40が有するリム32を介してタイヤ38が装着される。車輪40に装着されたタイヤ38には、バルブ44を介して図示しない空気入れを用いて、装着したタイヤ38に応じた規定圧力もしくはそれに近い圧力が加えられて、屋内や舗装面での車椅子10の走行に使用される。
【0037】
したがって、車椅子10を屋外の不整地で使用しようとする初期状態では、事前に規定圧またはそれに近い圧力の空気がタイヤ38に充填されている。屋外で使用するために、車輪カバー要素100をタイヤ38に装着するときは、車輪カバー要素100の開口部123側をタイヤ38の外周部に対面させ、その後タイヤ38の内径側に移動させ、保持脚部120と内側空洞部122とでタイヤ38を把持する。しかしながらタイヤ38に空気が充填された図4(a)の状態では、車輪カバー要素40の狭隘部幅Wがタイヤ38の直径2Rより狭いので、車輪カバー要素40はタイヤ38の最大幅(2R)部分を通過できず、そのままでは車輪カバー要素40をタイヤ38に保持することはできない。
【0038】
そこで、初めに屋内でもしくは屋外に出たところで、車輪40が有するタイヤ38の内圧を減圧する。この状態を図4(b)に示す。リム32から突き出たバルブのネジを緩めてタイヤ38の内部の空気の一部を大気中に放出する。ここで、タイヤ38内部の空気をすべて放出してもよいが、その一部だけ放出すると車椅子10を空気で浮かした状態に維持できると共に、タイヤ38を変形させて車輪カバー要素100をタイヤ38に装着する際に、タイヤ38の内部空気の圧力でタイヤ38の変形状態を維持しやすくなる。タイヤ38は規定圧が加わったときの外径位置52から減圧されて押しつぶされた減圧位置54に変化する。その際横断面におけるタイヤ38の外形は、幅方向に広がった形になる。
【0039】
次にこのタイヤ圧状態で、車輪カバー要素100をタイヤ38に取付ける。横に押しつぶされた形状のタイヤ38を指で挟んで縦に長い形状に変形させ、車輪カバー要素40の狭隘部(W)を、タイヤ38の横断面における中心位置よりも下(内径側)まで移動させる(図4(c)参照)。このとき車輪カバー要素100の内側空洞部122は、ほぼ全周でタイヤ38の外周面に接触することが可能になる。
【0040】
第1番目の車輪カバー要素100がタイヤ38に保持されたら、同様に第2番目の車輪カバー要素100をタイヤ38に保持する。第1番目の車輪カバー要素100と第2番目の車輪カバー要素100の少なくともいずれかを、連結するように相対的に周方向に接近させる。そして、第2番目の車輪カバー要素100が備えるフック部104を第1番目の車輪カバー要素100が備える係止溝部106の上面(外面側)に当接させる。そして、第1、第2番目の車輪カバー要素100をさらに接近させ、すなわち第1、第2番目の車輪カバー要素100を周方向に相対的に移動させ、第2番目の車輪カバー要素100のフック部102が有するガイド部116を、第1番目の係止溝部106の外面側を滑るように移動させる。ガイド部116は、係止溝部106の端部に形成されたストッパ112の外面を滑って相対移動し、次いでストッパ112がない係止溝部106の底面を周方向に滑って相対移動する。ここで、フック部104は、車輪カバー要素100に一体形成された樹脂製であるから、フック部104は容易に弾性変形してタイヤ38の幅方向に変位する。すなわち、タイヤ38の両外側面へと開いた形状になって、係止溝部106上を滑ることが可能になる。
【0041】
ストッパ112を超えて周方向に移動したガイド部116は、半径rの円柱状であるから、一旦係止溝部106に係止すると、過大な力が加わらない限りその係止が解除することはない。これにより、第1、第2番目の車輪カバー要素100、100は、ガイド部116が係止溝部106内で動くことが可能な状態で、連結される。連結された複数の車輪カバー要素100は、車輪カバー要素列60を構成する。そして所定個数連結された車輪カバー要素列60の両端部を連結することにより、車輪カバー20が得られる。
【0042】
図5に車輪カバー要素列60の両端部を連結して、車輪カバー20を得る手順を示す。図5(a)は、所定個数連結された車輪カバー要素列60をタイヤ38上に配設した状態を示す。車輪カバー要素列60を構成する大部分の車輪カバー要素100は、タイヤ38に保持されるが、車輪カバー要素列60の端部に位置する複数の車輪カバー要素100は、連結の終点の車輪カバー要素60Eに連結前のフック部104があることと連接作業に空間が必要なことのために、タイヤ38の全周より長くなる。すなわち、タイヤ38に保持されていない状態の部分が出現する。そこで、車輪カバー要素列60の始点の車輪カバー要素60と終点の車輪カバー要素60を、タイヤ38上ではないところで上記と同様にして連接する。
【0043】
連接して円周状になって車輪カバー20が形成されると、車輪カバー20の全周は、全車輪カバー要素100が隙間無く連接された状態では、タイヤ38の減圧状態でほぼタイヤ38の全周に等しくなる。そこで、タイヤ38を指で変形させて浮いている車輪カバー要素100を半径方向に押し込み全車輪カバー要素100をタイヤ38上に保持する(図5(b)参照)。この状態になると、車輪カバー20はタイヤ38から外れるおそれはない。
【0044】
次にリム32から突出したバルブ44に、市販の空気入れ72のホース70を接続し、車輪40、すなわちタイヤ38を加圧する。規定圧までタイヤ38を加圧すると、タイヤ38は減圧時より膨張する。タイヤ38の膨張に応じて、車輪カバー20の長さが伸び、各車輪カバー要素100間に隙間が形成される。図3に示したように各車輪カバー要素100間は、内径側で最大(G−G)の隙間を形成することができるので、車輪カバー20は、タイヤ38の膨張による周方向長さの変化に容易に対応できる。
【0045】
以上説明したように上記実施例によれば、複数の車輪カバー要素を所定個数だけ周方向に移動させることにより、他の手段を介在させることなく連結して車輪カバーを形成することが可能になる。また、車椅子の車輪に確実に装着することができる。さらに、樹脂製の車輪カバー要素を用いているので、連結時の抵抗が少なく、錆等の発生がないので経年劣化も抑制され、耐環境性にも優れる。取り外し時には、装着時と逆の作業を行えば良いだけであるから、取り外しに要する時間も低減される。さらに車椅子を屋外で使用した後に、屋内に入る前に汚れた車輪カバー、すなわち車輪カバー要素を容易に取り外すことができ屋内を汚染するおそれもない。
【0046】
本発明によれば、同一形状の車輪カバー要素を所定個だけ手動で連結して車輪カバーを形成すればよいので、車輪カバーを安価に製造できると共に、樹脂製であるから所定の型から大量生産することも可能である。また、車椅子に用いる車輪のサイズは種々あるが、大部分は本実施例に記載の基準か22×1 3/8であるので、1種類の車輪カバー要素を製作するだけで大多数の車椅子に対して、本実施例に記載の車輪カバーを実現できる。その他の基準のタイヤの場合も、同様にその基準に合った射出成形型を製造すれば、容易に大量生産できる。その場合、車輪カバーに含まれる車輪カバー要素の数は、上記と同じであっても異なっていても良いことは言うまでも無い。
【0047】
なお本実施例ではポリアセタール樹脂を用いているが、樹脂はポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、四フッ化エチレン樹脂等あらゆる樹脂を用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
10…車椅子、12…握り部、14…肘掛け、16…キャスタ、18…フットサポート、20…車輪カバー、22…背もたれ、24…シート(座面)、28…ハンドリム、30…フレーム、32…リム、34…スポーク、36…車軸部、38…タイヤ、40…(大)車輪、42…ハンドリム固定具、44…バルブ、52…タイヤ外径(規定圧位置)、54…タイヤ外径(減圧位置)、56…タイヤ外径(変形状態)、60…車輪カバー要素列、60…先頭車輪カバー要素、60…終端車輪カバー要素、70…ホース、72…空気入れ、100…車輪カバー要素、102…本体部、104…フック部、106…(係止)溝部、112…ストッパ、116…ガイド部、120…保持脚部、122…内側空洞部、124…内側補強部、126…外側補強部、128…(内周側)補強部、130…(外周側)補強部、132…(周方向)溝、134…(周方向)隆起、136…肉盗み部、140…外周面(接地面)、142…テーパ面、144…係止部、150…中央補強部、162…外面側側面、164…内面側側面、G…最小隙間、G…最大隙間、H…溝高さ、H…テーパ部高さ(根元部)、L…溝長さ、L…フック部長さ、L…ストッパ長さ、L…ガイド部長さ、r…ガイド部半径、R…タイヤ半径、R…タイヤ最大外径部曲率半径、S…隙間、W…最大幅(内径)、W…狭隘部幅、α…頂角、θ…窄まり角
【要約】
【課題】
オフロードで使用しても、轍等が形成されるのを防止または低減すると共に、室内用から室外用へもしくは室外用から室内用へ車椅子の仕様を容易に変更できる車椅子の車輪カバーを実現する。
【解決手段】
車椅子10の大車輪40のタイヤ38の外周側に装着される車椅子用車輪カバー20である。車輪カバーは同一形状の複数の車輪カバー要素100を備える。車輪カバー要素は、所定個数だけ連結されて大車輪の全周を覆う車輪カバーを構成する。各車輪カバー要素は、所定空気圧が加えられたときのタイヤの外形に合う内側形状を有する本体部102と、本体部に一体的に設けられ、タイヤの外周側に装着されたときに本体部からタイヤの周方向に突き出ているフック部104とを備える。本体部の両側面部に、フック部が係止するストッパ112を備えた溝部106を形成した。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5