特許第6816268号(P6816268)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6816268静電的に帯電した繊維を有するプリーツ加工可能な繊維物を製造するための方法及びプリーツ加工可能な繊維物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6816268
(24)【登録日】2020年12月25日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】静電的に帯電した繊維を有するプリーツ加工可能な繊維物を製造するための方法及びプリーツ加工可能な繊維物
(51)【国際特許分類】
   D04H 3/153 20120101AFI20210107BHJP
   D04H 3/16 20060101ALI20210107BHJP
   B01D 39/16 20060101ALI20210107BHJP
   B03C 3/28 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   D04H3/153
   D04H3/16
   B01D39/16 A
   B03C3/28
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-518399(P2019-518399)
(86)(22)【出願日】2017年10月6日
(65)【公表番号】特表2019-537503(P2019-537503A)
(43)【公表日】2019年12月26日
(86)【国際出願番号】DE2017100849
(87)【国際公開番号】WO2018065014
(87)【国際公開日】20180412
【審査請求日】2019年4月9日
(31)【優先権主張番号】102016118966.9
(32)【優先日】2016年10月6日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500131561
【氏名又は名称】グロッツ−ベッケルト・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルクマン,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】シュタウス,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】エントリス,フランク
(72)【発明者】
【氏名】テュルケ,アンドレアス
【審査官】 堀内 建吾
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−545440(JP,A)
【文献】 特開2014−176775(JP,A)
【文献】 特表2003−511577(JP,A)
【文献】 特開2015−007303(JP,A)
【文献】 特開平05−096110(JP,A)
【文献】 特開平08−074163(JP,A)
【文献】 特表2011−522137(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/195648(WO,A1)
【文献】 特開平05−009611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00−18/04
B01D 39/00−39/20
D01D 1/00−13/02
B03C 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトレットフィルターのフィルター材として使用するために静電的に帯電した繊維を有するプリーツ加工可能な繊維物を製造するための方法であって、
少なくとも2つの個別のダイを含み、少なくとも第1のダイは同心型オリフィスを有するダイ構成を使用することを含み、
第1のポリマーはメルトブロー紡糸処理を使用して第1のダイによって第1種の繊維に押し出され、第2のポリマーはメルトブロー紡糸処理を使用して第2のダイによって第2種の繊維に押し出され、
第1種の繊維及び第2種の繊維は、第1種の繊維の平均繊維直径は10μmよりも大きく、第1種の繊維が第2種の繊維よりも大きな平均繊維直径を有するように紡糸され、
収集装置による繊維物の整形の前及び/またはその間に、第1種の繊維は、少なくとも部分的に第2種の繊維と混合され、
第1種の繊維及び/または第2種の繊維は、少なくとも繊維の形成及び/または引き出しの間に極性液体を使用して処置されて静電的に帯電し、
第1種の繊維は、繊維物の整形の前及び/またはその間に、繊維物の体積の少なくとも一部において第1種の繊維と第2種の繊維の比率が繊維物の断面にわたって勾配を示すように、第2種の繊維と混合され、前記勾配は、前記繊維物をフィルター材として使用したときに、上流側となる面は第1種の繊維の比率が第2種の繊維の繊維の比率よりも高く、清浄空気側となる面は第2種の繊維の比率が第1種の繊維の比率よりも高くなるように構成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
第1種の繊維と第2種の繊維の両方が、極性液体によって静電的に帯電することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
静電的な帯電のための極性液体として水が使用されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第1種の繊維は、繊維物の整形の前及び/またはその間に、繊維物の体積の少なくとも50%において第1種の繊維と第2種の繊維の比率が勾配を示すように、第2種の繊維と混合されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1種の繊維を生成するための第1のポリマーとして、800よりも小さいメルトフローインデックスを有するポリマーが使用されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
第2種の繊維の生成のために同心型オリフィスを有するダイが使用され、第2のポリマーとして、2000よりも小さいメルトフローインデックスを有するポリマーが使用されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
第2種の繊維の生成のためにエクソン型オリフィスを有するダイが使用され、第2のポリマーとして、300よりも大きいメルトフローインデックスを有するポリマーが使用されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
第1のポリマーとして、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、または、これらのポリマーの混合物が使用されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
遊離基を結合可能な少なくとも1つの添加剤を含む第1のポリマー及び/または第2のポリマーが使用されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
内部スリップ剤として作用し得る少なくとも1つの添加剤を含む第1のポリマー及び/または第2のポリマーが使用されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
収集装置によって繊維物が整形される前及び/またはその間に、第1種の繊維及び第2種の繊維に1μmよりも小さい平均繊維直径を有する超微細繊維が追加されることを特徴とする請求項1から10に記載の方法。
【請求項12】
メルトブロー紡糸処理によって生成される繊維からなるプリーツ加工可能な繊維物であって、繊維は、第1のポリマーからなる第1種の繊維及び第2のポリマーからなる第2種の繊維を含み、第1種の繊維の平均繊維直径は10μmよりも大きく、第1種の繊維の平均繊維直径は第2種の繊維の平均繊維直径よりも大きく、繊維物の体積の少なくとも一部において第1種の繊維と第2種の繊維の比率は繊維物の断面にわたって勾配を示し、第1種の繊維及び/または第2種の繊維の少なくとも一部は静電的に帯電し、前記繊維物を用いて0.2を超える性能指数を有するフィルターを製造可能であり、前記勾配は、繊維物をフィルターとして使用したときに、上流側となる面は第1種の繊維の比率が第2種の繊維の繊維の比率よりも高く、清浄空気側となる面は第2種の繊維の比率が第1種の繊維の比率よりも高いように構成される、繊維物。
【請求項13】
第1種の繊維は、平均繊維直径が10μmよりも大きくなるように紡糸されることを特徴とする請求項12に記載の繊維物。
【請求項14】
第2種の繊維は、平均繊維直径が10μmよりも小さくなるように紡糸されることを特徴とする請求項12または13に記載の繊維物。
【請求項15】
前記繊維物は不織布であることを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の繊維物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電的に帯電した繊維を有するプリーツ加工可能な繊維物を製造するための方法、及び、好ましくは本発明に従う方法によって製造されるプリーツ加工可能な繊維物に関する。この繊維物は、主としてデプスフィルター材として使用される。このようなデプスフィルター材が使用されたフィルターは、通常、非常に良好な濾過特性によって特徴づけられる。
【背景技術】
【0002】
先行技術、特に濾過技術の分野において、いわゆるバイモーダル不織布がすでに知られている。バイモーダル不織布は、少なくとも部分的に、混合された2種類の繊維からなる。2種類の繊維は、平均直径が異なるものである。すなわち、バイモーダル不織布は、少なくとも部分的に、強く混合された比較的粗大な繊維(以下、単に粗大繊維という)と比較的微細な繊維(以下、単に微細繊維という)からなる。
【0003】
この種のバイモーダル不織布がフィルター材として使用される場合、微細繊維は、特に微細粒子を除外するように機能して、微細粒子に関する濾過効率を向上させる。粗大繊維は、第1には粗大粒子を除外するように機能し、第2にはバイモーダル不織布に十分な機械的安定性を付与するように機能する。また、この構成によれば、微細繊維が粗大繊維と混合されていることにより、この種の不織布における微細繊維間の互いに十分な間隔が確保される。微細繊維のみからなる不織布では、微細繊維が互いに近すぎる場合がある。この種の不織布は、フィルター内で使用されると、過大な圧力損失が生じ、ダストまた粒子を含む媒質を濾過するとき、フィルターにはいつも非常に急速に目詰まりが生じる。
【0004】
米国特許出願公開第2008/0026659号には、様々なキャピラリー直径を備えた複数のオリフィスを有する単一のダイを使用したバイモーダル不織布の製造が記載されている。このようなダイの機能原理上の理由により、このダイで製造可能なのは、粗大繊維と微細繊維の平均直径がそれほど違わないバイモーダル不織布だけである。さらに、全てのオリフィスは、使用されるダイの幅にわたって一列に配置されている。その結果、2種類の繊維は、常に、ダイの全体として同じ位置から互いに平行に発生する。したがって、実際には、2種類の繊維の混合に影響を及ぼすことは不可能である。
【0005】
米国特許第8372175号及び同じパテントファミリーに属する米国特許出願公開第2008/022643号には、フィルター材を製造するための方法が記載されている。この方法において、粗大繊維はスパンボンド処理によって生成され、微細繊維はメルトブロー処理によって生成され、これらの2種類の繊維は、この処理の間に混合される。引き続く不織布の製造において、その繊維は、コロナ放電またはハイドロチャージとして知られる方法によって、静電的に帯電されるものであってもよい。スパンボンド処理の通常の低いフィラメント速度特性は、メルトブロー処理で典型的な高いフィラメント速度とは明確に異なる。すなわち、フィラメント速度は、互いに対して大きく異なっている。さらに、メルトブロー処理における空気速度がかなり速いことは、フィラメント配列に対して相当の悪影響を及ぼす可能性がある。このように、この方法では、繊維の混合の間に非常に強い乱流が発生し、それによって高品質かつ均一な不織布の製造が妨げられるおそれがある。加えて、粗大繊維及び微細繊維がメルトブロー処理によって生成され、1つまたは2つの異なるエクソン型のダイが使用される処理が記載されている。
【0006】
線状に配置された複数のオリフィス(エクソン型オリフィスとも呼ばれる)を備えたダイ(以下、エクソン型のダイともいう)は、既知である。同心に配置された複数のオリフィスを備えたダイ(以下、同心型オリフィスを備えたダイともいう)も知られている。製造業者の名前に因むバイアックス型のダイは、複数の同心オリフィスの特殊な構成を有する。
【0007】
独国特許出願公開第102006013170号には、2つのエクソン型のダイによってバイモーダル不織布を製造するための方法が記載されている。この方法では、微細繊維は一方のダイで生成され、粗大繊維は他方のダイで生成される。しかし、この文献では、処理の間に繊維を帯電させることについても、微細繊維と粗大繊維に対して異なる種類のポリマーを使用することについても、その示唆はない。
【0008】
国際公開第2015/195648号には、バイモーダル不織布を製造するための方法が記載されている。この方法において、粗大繊維は、同型ノズルを備えたダイを用いて製造され、微細繊維は、別のダイで製造される。別のダイは、エクソン型オリフィスまたは同心型オリフィスを備えるダイであってもよい。バイモーダル不織布中の繊維の帯電は、この文献でも考慮されていない。
【0009】
加えて、フィルター材中の繊維を帯電させることができる方法が知られている。繊維を静電的に帯電させることにより、フィルター材の濾過効率(特に微細粒子に関する濾過効率)を大きく改善することができる。これは、単に静電的に帯電した繊維の近くに来た粒子でも、その電界によって引きつけられる結果、フィルターによって阻止され得るからである。一方、繊維が帯電していなかった場合、その粒子が阻止されることはなかったであろう。したがって、微細粒子は微細繊維によってのみ除外され得るという機械的濾過の原理は、微細粒子は帯電した粗大繊維によっても除外され得るというように修正される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
既知の方法の一つは、コロナ放電によって繊維を帯電させるものである。しかし、コロナ放電を使用する現在既知の方法では、繊維をあまり有効に静電的に帯電させることができない。
【0011】
別の方法によれば、繊維は、帯電した水滴を使用して、レナード効果(ハイドロチャージ:欧州特許第2609238号参照)により帯電される。
【0012】
したがって、本発明の目的は、好ましくはエレクトレットフィルターのフィルター材として使用するために、層状構造及び/または徐々に変化する繊維直径を有するプリーツ加工可能な繊維物が単一の工程で製造可能である方法を提供することにある。その意図は、繊維に半永久的な静電荷を与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
静電的に帯電した繊維物を製造する方法が、少なくとも2つの個別のダイを含むオリフィス構成を使用して実行される。この方法は、好ましくは、正確に2つのダイを使用して実行されるが、特定の用途に応じて3以上のダイが使用されるものであってもよい。
【0014】
れらのダイを使用して、先行技術で既知のメルトブロー紡糸処理(メルト紡糸処理)、例えばSpun−Blown(登録商標)紡糸処理、が実行される。第1のダイは、常に、同心型オリフィス(例えば、バイアックス型オリフィス)を有する。第2のダイ(及び、存在する場合は第3のダイ並びにさらなる追加のダイ)については、線状に配列されたオリフィス(エクソン型)または同心型オリフィス(例えば、バイアックス型)を備えたダイが任意選択で使用される。
【0015】
メルトブロー紡糸処理(メルトブロー)の間、ポリマーの溶融物がダイのキャピラリー開口部を通じて押し出される。ポリマーは、キャピラリー開口部から射出されると、高速で流れるガス流(通常は、空気流)に捕捉される。射出されるポリマーはガス流によって引きずられ、関連するキャピラリー開口部/キャピラリーの直径よりも相当に小さい直径を有するポリマー繊維にまで引き出される。メルトブローでは、比較的長い糸長が生じ、すなわち、比較的長い繊維が生成される。しかし、スパンボンド処理と比較して、相当に多くの繊維の破断が生じる可能性がある。
【0016】
この方法を実行するには、第1のダイを用いて第1のポリマーの溶融物を押し出し、第1種の繊維を形成する。第2のダイを用いて、メルトブロー紡糸処理により第2のポリマーの溶融物を押し出し、第2種の繊維を形成する。必要な場合、第3のダイを用いて第3のポリマーを押し出し、第3種の繊維を形成する。さらなるダイを用いて、さらなる種類の繊維を形成するものであってもよい。
【0017】
本発明に従う繊維物は、収集装置によって、全種類の繊維から、但し少なくとも第1種の繊維と第2種の繊維から、整形される。処理パラメータは、第1種の繊維が、第2種の繊維よりも大きな平均直径を有し、かつ第1種の繊維の平均繊維直径が10μmよりも大きくなるように選択される。
【0018】
本発明に従って、第1種の繊維は、収集装置による繊維物の整形の前にまたはその間に、少なくとも部分的に、第2種の繊維と混合される。加えて、少なくとも糸の形成及び/または引き出しの間に、第1種の繊維及び/または第2種の繊維は、極性液体(好ましくは、微細な液滴の形の水)を用いて処置される。
【0019】
本発明の方法は、層状構造を有する及び/または粗大繊維と微細繊維の比率が徐々に変化する(すなわち、連続的に変化する)繊維物の、単一の工程での製造を可能とするものである。加えて、繊維は、有効に静電的に帯電される。粗大繊維の生成には同心型オリフィス(例えば、バイアックス型)が使用されるため、粗大繊維は、仮にエクソン型のダイが使用された場合と比較して、さらに大きな直径を有し得る。
【0020】
このように、本発明のプリーツ加工可能な繊維物は、溶融紡糸処理によって生成された繊維からなる。これらの繊維は、第1のポリマーからなる第1種の繊維、及び、第2のポリマーからなる第2種の繊維から構成される。第1種の繊維の平均直径は、第2種の繊維の平均直径よりも大きい。繊維物の体積の少なくとも一部分において、第1種の繊維と第2種の繊維の比率は、繊維物の断面にわたって勾配を示す(徐々に変化する)。第1種の繊維及び/または第2種の繊維の少なくとも一部は、静電的に帯電している。
【0021】
この繊維物をフィルター材として使用することによって、高い濾過効率と高い粒子保持容量(エアフィルターの場合には、高いダスト保持容量)を示す改善されたフィルターの製造が可能となる。加えて、粗大繊維の直径は、例えばスパンボンド不織布のように、フィルター材(不織繊維材)を基材なしで使用することが可能となるために十分大きなサイズとなるように選択される。特に、0.2を超える性能指数が達成可能である。性能指数QFは、次式で定義される。

QF=(−ln(NaCl%透過率/100)/圧力損失[mmHO])

ここで、「NaCl%透過率」(非帯電フィルターの透過係数)の正確な値及び圧力損失の正確な値は、2%NaCl溶液を使用し、0.1m/sの通過流速で、TSI社製モデル8130フィルター試験装置を使用して測定されるものであってもよい。
【0022】
収集装置は、好ましくは、吸引手段を備えた輸送ベルトまたは輸送ドラムである。第1種の繊維及び第2種の繊維は、輸送ベルトまたは輸送ドラムの吸引手段によって吸引され、輸送ベルトまたは輸送ドラム上にともに堆積する。
【0023】
第1種の繊維及び第2種の繊維を含む繊維物は、一般に、2種類の繊維の混合が、例えば繊繊維を収集ベルトまたは収集ドラム上に堆積させることによって、繊維の収集の前及び/またはその間に生じるように、収集装置によって整形される。繊維物は、繊維の収集によって整形される。繊維物の完成品において、第1種の繊維は、少なくとも部分的に、第2種の繊維と混合される。但し、この部分は、事実上2つの(または、3つ以上のダイが使用されている場合、3つ以上の)別々の層が存在し、それらの層が非常に薄い混合領域によって結合されているだけである場合のように、小さいものであってもよい。
【0024】
好ましくは、処理パラメータ(例えば、第1のダイの紡糸方向と第2のダイの紡糸方向の間の角度または複数のダイと収集装置の互いに異なる空間的配置方法)は、製造された繊維物の少なくとも一部において、第1種の繊維と第2種の繊維の比率が徐々に変化するように選択される。この部分は、好ましくは、繊維物の体積の少なくとも50%、90%、または98%にわたって広がるものである。
【0025】
繊維物が、静電的に帯電したフィルター媒質のためのデプスフィルター材として使用することが意図された不織布である場合、勾配は、好ましくは、不織布のフィルター内での上流側と意図された面は粗大繊維の比率が微細繊維の比率よりも高く、清浄空気側として意図された面は微細繊維の比率が粗大繊維の比率よりも高くなるように、設計される。この構成を使用すれば、粗大粒子の大部分は、粗大繊維の領域内で早くも捕捉され、一方、微細粒子は、主として微細繊維の比率が比較的高い領域で捕捉される。これによって、微細繊維の比率が比較的高い領域に、粗大粒子による目詰まりがすぐに生じることはないことが保証される。繊維直径に大きな差がある境界面には蓄積が生じ、最終的に目詰まりの要因となる傾向があるが、繊維直径の分布が徐々に変化するため、このような境界面は回避される。この結果、構造中のほとんど全ての断面が濾過のために使用される。
【0026】
本発明に従う不織布がプリーツ付きフィルターの製造のために使用される場合、製造業者は、比較的薄く、但し比較的厚い従来製造されている不織布と同等の粒子捕捉能力またはダスト捕捉能力を有する不織布を、デプスフィルター材として選択することが可能となる。プリーツ付きフィルターの場合、プリーツの山折り部または谷折り部は、濾過には寄与しないか、または最小限の寄与しかない。したがって、本発明に従う薄い不織布から制作されたフィルターの濾過効果は、より厚い不織布から製作されたフィルターよいも良好である。これは、薄い不織布の場合、濾過に対して有効ではないプリーツの山折り部/谷折り部の表面積が、厚い不織布の場合よりも小さいからである。
【0027】
第1種の繊維、すなわち粗大繊維は、好ましくは、繊維直径の平均値が15μmよりも大きいか、または25μmよりも大きいか、または50μmよりも大きくなるように紡糸される。繊維直径の平均値は、例えば10μmから200μmnの範囲内、または10μmから60μmの範囲内、または10μmから30μmの範囲内に存在するものであってもよい。繊維直径の平均値は、好ましくは、10μmから60μmの範囲内にある。
【0028】
第2種の繊維、すなわち微細繊維は、好ましくは、繊維直径の平均値が11μmよりも小さいか、または5μmよりも小さいか、または3μmよりも小さくなるように押し出される。第2種の繊維のうち最も微細な繊維は、20nm程度の最小直径を有するものであってもよい。
【0029】
これらの2種類の繊維の平均直径は、繊維直径の全体の分布において2つの最頻値が明確に識別可能な程度に十分に離れているものである。この種の繊維分布は、「バイモーダル(二峰性)繊維分布」と呼ばれる。
【0030】
この種のバイモーダル繊維直径分布を得るために、500μmから850μmの範囲の直径を備えるオリフィスを有する第1のダイと、100μmから500μmの範囲の直径を備えるオリフィスを有する第2のダイが使用されるものであってもよい。
【0031】
本発明の方法を実行するために、第1種の繊維用の第1のポリマー及び第2種の繊維用の第2のポリマーとして、一般に、1000よりも低いか、または500よりも低いか、または300よりも低いメルトフローインデックス(以下、MFIともいう)を有するポリマーを選択することが有用であることが判明している。MFIは、可能な場合、ISO 1133に準拠して判別される。そうでない場合、MFIは、ASTM D1238に準拠して判別される。下表には、様々なポリマーに対するさらなる標準的な条件が挙げられている。上記の2つの標準にも、下表にも、対象のポリマーのMFIを判別するための標準パラメータが含まれない場合、DINペーパーバック「Thermoplastische Formmassen(熱可塑性成形材料)」のCAMPUSデータベース、または特定のポリマーの製造業者によって提供される仕様書等の既存の表を参照する必要がある。1つの同じポリマーのMFIを判別するために、しばしば複数のパラメータの組(特に、複数の試験温度及び/または試験負荷)が挙げられている。このような場合には、常に最高温度を備えるパラメータの組を選択する必要があり、さらに、最高温度に加えて、最大負荷を備えるパラメータの組を選択することができる。
【0032】
【表1】
【0033】
ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアミド(PA)、またはこれらのポリマーの混合物は、第1のポリマーとして有利に使用することができる。第2のポリマーとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、またはこれらのポリマーの混合物を使用することが好ましい。
【0034】
特に強くかつ長期間持続する静電帯電は、第1のポリマー及び/または第2のポリマーとして遊離基を結合可能な少なくとも1つの添加剤(すなわち、いわゆる遊離基捕捉剤)を含むポリマーを使用することによって達成されるものであってもよい。遊離基捕捉剤として、例えば、立体障害アミン(HALS:Hinderd Amine Light Stabilizer,ヒンダードアミン系光安定剤)のグループに属する物質(例えば、Chimasorb(登録商標) 944の商品名で知られるアミン)を使用することができる。HALSの代わりに、ピペラジンのグループに属する物質またはオキサゾリドンのグループに属する物質を使用することもできる。
【0035】
内部スリップ剤(マイグレーション補助剤)として作用し得る少なくとも1つの添加剤(例えば、ステアラミドのグループに属する物質)を含む第1のポリマー及び/または第2のポリマーを使用することが有効であることも明らかとなった。エチレンジステアラミド(一般的に、エチレンビス(ステアラミド)(EBS)として、またCrodamide(登録商標) EBSの商品名で知られる)は、特に好適であることが明らかとなった。
【0036】
遊離基捕捉材として作用し得る上述した添加剤のうちの少なくとも1つを含み、同時に内部スリップ剤として作用し得る上述した添加剤のうちの少なくとも1つを含むポリマーを使用することが好ましい。これらの添加剤は、ポリプロピレンとの組合せにおいて特に有効であることが観察された。
【0037】
遊離基捕捉剤として作用する物質は、静電荷を比較的長期にわたって結合することが可能である。内部スリップ剤の効果は、それがポリマー溶融物内に含まれている場合、長期間電荷を結合可能な物質がポリマーの表面に容易に移動可能となることである。静電的帯電は常に表面で発生するため、これらの物質の静電荷を結合するために利用可能な割合が増大する。対象となる物質は、(ポリマー繊維の)ポリマーの内部にある場合には、実際の効果を有しない。
【0038】
少なくとも1つのさらなる添加剤を含む第1のポリマー及び/または第2のポリマーが使用されるものであってもよい。この添加剤は、強誘電セラミックス材(例えば、チタン酸バリウム)のようなさらなる静電荷を(例えば、物理的に)結合可能なものである。あるいは、第1のポリマー及び/または第2のポリマーは、対象の繊維上にすでに存在している電荷が再放電されることを防ぐ(すなわち、既存の電荷を実際的に保護する)さらなる添加剤を含むものであってもよい。この目的のために、フルオロケミカル(例えば、フッ素含有オキサゾリドン、フッ素含有ピペラジン、全フッ素置換アルコールのステアレートエステル)を有利に使用することができる。
【0039】
フィルターをさらに改善するために、超微細繊維(すなわち、1μmよりも小さい平均繊維直径を備える繊維)が第1種の繊維及び/または第2種の繊維に追加されるものであってもよい。代わりにまたは加えて、第1種の繊維及び/または第2種の繊維にステープル繊維(短繊維)が、例えばランドウェバー(Rando Webber)によって、追加されるものであってもよく、または、活性炭の粒子のような粒子が、例えば散布槽または散布シュートによって、追加されるものであってもよい。
【0040】
本発明に従う方法において、これらの追加は、収集装置での繊維物の整形の前及び/またはその間に実行される。超微細繊維は、通常、完成品の繊維/粒子として追加されるのではなく、別体の紡糸ユニット(例えば、溶液ブロー紡糸ユニット)によって追加される。溶液ブロー紡糸ユニットは、超微細繊維をそれが追加される直前に生成する。
【0041】
本発明は、以下において実施形態に基づいてさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、単一列構成のバイアックス型のダイを有するメルトブロー設備の構造を模式的に示す図である。
図2図2は、複数列構成のバイアックス型のダイを有するメルトブロー設備の構造を模式的に示す図である。
図3図3は、1つのエクソン型のダイと1つのバイアックス型のダイからなるダイ構成を備えたメルトブロー設備の構造を模式的に示す図である。
図4図4は、2つのバイアックス型のダイからなるダイ構成を備えたメルトブロー設備の構造を模式的に示す図である。
図5図5は、バイアックス型のダイと溶液ブロー紡糸ユニットを有する設備の構造を模式的に示す図である。
図6図6は、同一のキャピラリー直径を有する複数の同心型オリフィスの一種を有するバイアックス型のダイを示す図である。
図7図7は、異なるキャピラリー及び/またはオリフィスダクト及び/または出口直径を有する複数の同心型オリフィスの一種を有するバイアックス型のダイを示す図である。
図8図8は、2つのダイを有するメルトブロー設備の幾何学的構成を模式的に示す図である。
図9図9は、層状繊維フリースの上面のSEM画像及び対応する繊維分布を示す図である。
図10図10は、層状繊維フリースの下面のSEM画像及び対応する繊維分布を示す図である。
図11図11は、部分混合を有する繊維フリースの上面のSEM画像及び対応する繊維分布を示す図である。
図12図12は、部分混合を有する繊維不織構造の下面のSEM画像及び対応する繊維分布を示す図である。
図13図13は、完全混合を有する繊維フリースの上面のSEM画像及び対応する繊維分布を示す図である。
図14図14は、完全混合を有する繊維不織構造の下面のSEM画像及び対応する繊維分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1には、単一列構成のバイアックス型のダイ1を有するメルトブロー設備が模式的に示されている。バイアックス型オリフィスは、ダイの幅に沿って単一の列に配置される。図2には、複数列構成のバイアックス型のダイ2を有する同様の構成が示されている。
【0044】
図1及び図2から分かるように、ポリマー溶融物3は、ポリマー供給ライン4によってダイに供給され、ダクト5の終端から射出される。加えて、加熱圧縮空気6がバイアックス型オリフィスに供給され、出口7から高速ブロー空気8として射出される。射出されるポリマー3は、高速ブロー空気8によって捕捉され、これによって、射出されるポリマー3から形成されるポリマー糸が細められる。ポリマー糸がダクト5から射出された直後、ポリマー糸には、噴霧手段9によって静電的に帯電させるために十分な量の水が噴霧される(ハイドロチャージ)。その後、ポリマー繊維は、収集ベルト10上に堆積される。
【0045】
図3には、複数列構成のバイアックス型のダイ2とエクソン型のダイ11からなるダイ構成を有するメルトブロー設備が模式的に示されている。この場合、生成される2種類の繊維は収集ドラム12上に堆積される。図4には、2つの複数列構成のバイアックス型のダイを有することを除いて同様のメルトブロー設備が示されている。この設備は、ランドウェバー13も含んでいる。ランドウェバーを使用すると、生成された繊維が輸送ベルト上に堆積される前に、生成された繊維に対してショートカット繊維14を追加することができる。ランドウェバー13の代わりに、散布槽または散布シュートによって粒子を混合することも可能である。

【0046】
図5には、微細繊維が溶液ブロー処理によって生成される設備が示されている。この場合、繊維を生成するために、ポリマー溶融物3の代わりにポリマー溶液15が使用される。
【0047】
図6には、複数列構成のバイアックス型のダイ2が、ポリマーを射出する面側から示されている。このダイは、キャピラリーを備えた同一のサイズの複数のバイアックス型オリフィスダクト16を有している。一方、図7には、キャピラリーを備えた比較的小さいバイアックス型オリフィスダクト16とキャピラリーを備えた比較的大きいバイアックス型オリフィスダクト17を有する複数列構成のバイアックス型のダイ2が示されている。
【0048】
図8には、第1のダイ18と第2のダイ19を有するメルトブロー設備の幾何学的配置構成がどのように調整さる得るかについて、模式的に示されている。後述する実験において、この設備で製造される繊維ウェブの層状構造を選択的に調整するために、第1のステップは、第2のダイ19の軸A、B、Cを、第1のダイ18の軸Dに対して角度θだけ傾ける、及び/または、第1のダイ18と収集ドラム12との間の距離を変えることであった。傾き角度は、典型的には、15°から60°である。第2のステップにおいて、軸Dの長さ(すなわち、第1のダイ18と収集ドラム12との間の距離)が変えられた。高品質の繊維フリースを得るために、オリフィスのキャピラリーの直径とともに、オリフィスの数、それぞれの場合におけるポリマーの押出量、及び高速ブロー空気の量は、十分な数の微細繊維及び粗大繊維が紡糸され、同時に、可能な限り均質な不織ウェブが製造されるように、選択される必要がある。
【0049】
パラメータを適切に選択することにより、一般には、層状構造、2種類の繊維の部分混合(勾配構造)、または、2種類の繊維の完全混合(勾配構造がほとんどない大部分が均質な構造)を備えた繊維ウェブの製造が可能になる。図9から図14のそれぞれには、SEM画像及び対応する繊維分布が示されている。図9には、層状構造を備えるウェブの上面が示され、図10には、その下面が示されている。図11には、部分混合を有するウェブの上面が示され、図12には、その下面が示されている。図13には、完全混合を有するウェブの上面が示され、図14には、その下面が示されている。
【0050】
実験:
繊維ウェブの構造と特定の繊維ウェブ中の静電的に帯電した繊維の両方の濾過特性に対する影響を調査するために、一連の試験が実施された。最初に、添加剤であるCrodamide(登録商標) EBSとChimasorb(登録商標) 944が1:1の割合で融解され、ポリマー溶融物に、好ましくは同時押出によって、十分な量だけ添加された。次いで、溶融物は十分に混ぜ合わされた。
【0051】
静電的に帯電した繊維を有し、それぞれ約50g/mの重量のウェブの製造の間、それぞれのダイによって生成された2つの繊維ジェットには、2つの繊維ジェットが接触する前に十分な量の水が両側から噴霧された。これによって、繊維ジェットに含まれる繊維が強く帯電した。
【0052】
このようにして製造された繊維フリースは、引き続いて、2%NaCl溶液を使用して0.1m/sの通過速度で、TSI社製モデル8130フィルター試験装置により測定された。その結果は、次の2つの表に示されている。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
驚くべきことに、部分混合を備えかつ静電的に帯電した繊維を備えた繊維ウェブが、非常に高い性能指数QFを示すことが分かった。
【符号の説明】
【0056】
1:単一列構成のバイアックス型のダイ
2:複数列構成のバイアックス型のダイ
3:ポリマー
4:ポリマーの供給ライン
5:キャピラリーを備えたダクト
6:加熱圧縮空気
7:高速ブロー空気の出口
8:高速ブロー空気
9:噴霧装置
10:収集ベルト
11:エクソン型のダイ
12:収集ドラム
13:ランドウェバー
14:ショートカット繊維
15:ポリマー溶液
16:キャピラリーを備えた小さなバイアックス型オリフィス
17:キャピラリーを備えた大きなバイアックス型オリフィス
18:第1のダイ
19:第2のダイ
A,B,C:第2のダイの軸
D:第1のダイの軸
q:第1のダイの軸と第2のダイの軸との間の角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14