(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光がそれに従って放出されている特性を経時的に変化させるため、および光がそれに従って放出されている前記特性と一致する特性を有する光だけを検出するために、前記LIDAR装置を操作することは、
光学特性の初期セットで光を放出して、光学特性の前記初期セットを有する光だけを検出するために前記LIDAR装置を操作することと、
光学特性の前記初期セットのうちの1つ以上の光学特性に対する調整を判断し、それにより、光学特性の調整されたセットを得ることと、
前記調整を判断した後、光学特性の前記調整されたセットで光を放出して、光学特性の前記調整されたセットを有する光だけを検出するために前記LIDAR装置を操作することと
を含む、請求項1に記載の制御システム。
前記プログラム命令は、前記反応的緩和手順に関与する前に、第1の波長を有する光を放出して、前記第1の波長を有する光を検出するために前記LIDAR装置を操作するためにさらに実行可能であり、
光がそれに従って放出されている特性を経時的に変化させるため、および光がそれに従って放出されている前記特性と一致する特性を有する光だけを検出するために、前記LIDAR装置を操作することは:(i)前記第1の波長を有する光を放出し続けるため、および追加として第2の波長を有する光を放出するため、ならびに(ii)たとえ前記LIDAR装置が前記第1の波長を有する光を放出し続けていても、前記第1の波長を有する光をもう検出しないため、および代わりに前記第2の波長を有する光を検出するために、前記LIDAR装置を操作することを含む、
請求項1に記載の制御システム。
前記LIDAR装置は車両上に位置付けられており、前記プログラム命令は、前記車両の周囲の環境の前記LIDAR装置によるスキャンに少なくとも基づいて、前記車両を操作するためにさらに実行可能である、請求項1に記載の制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0062] 例示的な方法およびシステムを本明細書で説明する。語「例示的(exemplary)」は、本明細書では、「例、実例、または例証として役立つこと」を意味するために使用されることを理解すべきである。「例示的」もしくは「例証」として本明細書で説明する任意の実施態様もしくは特徴は、必ずしも他の実施態様または特徴と比べて好ましいか、または好都合であるとは解釈されない。図面では、その内容について別段の指示がない限り、類似の記号は典型的には類似の構成要素を識別する。本明細書で説明する実施態様例は、制限することを意図していない。本開示の態様は、本明細書でおおまかに説明して、図面で例示するように、多岐にわたる異なる構成で配列、置換、結合、分類、および設計でき、それら全ては本明細書で企図されることが容易に理解されるであろう。
【0016】
I.概要
[0063] 事故防止システムおよびリモートセンシング機能を装備した車両の開発を含め、車両の安全性および/または自律走行を改善する取組みが継続的に行われている。LIDAR装置などの、様々なセンサーが、車両の環境内の障害物または物体を検出するために車両に含まれ得、それにより、他の選択肢の中でもとりわけ、事故防止および/または自律走行を容易にする。
【0017】
[0064] 場合によっては、外部光(例えば、LIDAR装置の光源以外の光源から出た)は、意図的または非意図的にLIDAR装置に向かって放出され得、それは、様々な問題を引き起こし得る。例えば、外部光は、LIDAR装置の光路に入ると、LIDAR装置に損傷を与えるのに十分な高強度であり得る。別の例では、外部光が光路に入ると、外部光はLIDAR装置に誤ったデータ点を生成させ得る。この例では、LIDAR装置からのデータを評価する制御システム(例えば、車両の制御システム)は従って、誤ったデータ点が、実際には環境内に存在していない環境内の物体の存在を示していると誤って判断し得る。
【0018】
[0065] かかる問題の解決を助けるために、本明細書で開示するのは、LIDAR装置の光源以外の光源から出て、LIDAR装置に向かって放出されている外部光からLIDAR装置を保護するのを助けるための方法およびシステムである。具体的には、開示するのは、緩和システム、予防的緩和手順、および反応的緩和手順である。実際には、LIDAR装置および/またはLIDAR装置を操作する制御システムは、これらの緩和手順および/またはシステムの任意の実現可能な組合せを装備し得る。
【0019】
[0066] より具体的には、予防的緩和手順は、LIDAR装置を外部光から(例えば、連続的に、または時々)保護するために動作し、かかる外部光が実際にLIDAR装置に向かって放出されているか否かに関わらずそれを行う制御システムを伴い得る。このようにして、制御システムは、LIDAR装置の動作を外部光から保護するために手段が整っていることを確実にするために前もって対策を講じ得る。
【0020】
[0067] 本開示によれば、予防的緩和手順は、光がそれに従って放出されている特性を経時的に変化させて、光がそれに従って放出されている特性と一致する特性を有する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作することを伴い得る。これらの特性は、とりわけ、放出および検出のタイミング、放出および検出されている光の波長、放出光および検出光の空間的強度パターン、ならびに/または放出光および検出光の変調を含み得る。
【0021】
[0068] さらに、反応的緩和手順は、LIDAR装置を外部光から保護するための1つ以上の操作を実行し、それを、特に、LIDAR装置に向かって放出されている外部光の検出に応答して行う、制御システムを伴い得る。実際には、制御システムは、外部光がLIDAR装置に向かって放出されていることを、それを示すセンサーデータに基づいて検出し得る。そして、制御システムは、かかるセンサーデータを、他の可能性の中でもとりわけ、LIDAR装置自体から、および/または1つ以上の他のセンサー(例えば、車両に連結された他のセンサー)からなど、1つ以上のセンサーから受信し得る。本開示によれば、反応的緩和手順中に実行される操作は、様々な形を取り得る。
【0022】
[0069] ある事例では、制御システムは、光学特性の前述の変化に関与することにより外部光の検出に応答し得る。説明のとおり、かかる変化は具体的には、光がそれに従って放出されている特性を経時的に変化させて、光がそれに従って放出されている特性と同じ特性を有する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作することを伴い得る。
【0023】
[0070] 別の事例では、制御システムは、外部光がLIDAR装置によって検出されるのを阻止するためにシャッターを作動させるようにLIDAR装置を操作することによって外部光に対処し得る。このシャッターは、他の可能性の中でもとりわけ、機械式シャッターであり得、かつ/または光シャッターであり得る。いずれの配置でも、制御システムは、外部光がそこからLIDAR装置に到達するLIDAR装置の視野(FOV)の特定部分に沿ってLIDAR装置の受信機が一直線になっている時(例えば、LIDAR装置の回転中)にだけ、シャッターを一時的に作動させ得る。このようにして、制御システムは、LIDAR装置が依然として環境の他の部分をスキャンするのを確実にしながら、LIDAR装置による外部光の検出を阻止するのを支援し得る。
【0024】
[0071] その上さらに、緩和システムは、1つ以上の波長の外部光を遮断することにより、かつ/または光がそこを通ってLIDAR装置に入る空間を狭めることにより、LIDAR装置の動作を外部光から保護するために配置された1つ以上のフィルタを含み得る。記述のように、これらのフィルタは、干渉フィルタ、吸収フィルタ、適応フィルタ、および/または空間フィルタを含み得る。この緩和システムを前提として、LIDAR装置は従って、外部光に対して緩和特徴を提供するために常に準備が整っている1つ以上のハードウェア構成要素を有し得る。
【0025】
II.LIDAR装置の配置例
[0072] ここで図面を参照すると、
図1は、実施形態例に従った、LIDAR装置100の簡略化したブロック図である。図に示すように、LIDAR装置100は、電力供給装置102、電子機器104、光源(複数可)106、少なくとも1つの送信機108、少なくとも1つの受信機110、回転台112、アクチュエータ(複数可)114、固定台116、コネクタ配置118、ロータリーリンク120、および覆い122を含む。他の実施形態では、LIDAR装置100は、もっと多いか、もっと少ないか、または異なる構成要素を含み得る。追加として、図示する構成要素は、任意の数の方法で、組み合わされるか、または分割され得る。
【0026】
[0073] 電力供給装置102は、LIDAR装置100の様々な構成要素に電力を供給するように構成され得る。具体的には、電力供給装置102は、LIDAR装置100の内部に配置されて、LIDAR装置100の様々な構成要素に電力を供給するために、それらに任意の実現可能な方法で接続された、少なくとも1つの電源を含むか、または別の方法でその形を取り得る。追加または代替として、電力供給装置102は、1つ以上の外部電源から(例えば、LIDAR装置100が連結される車両内に配置された電源から)電力を受信し、その受信した電力をLIDAR装置100の様々な構成要素に任意の実現可能な方法で供給するように構成される電源アダプタもしくは同様のものを含むか、または別の方法でその形を取り得る。いすれの場合も、例えば、電池などの、任意のタイプの電源が使用され得る。
【0027】
[0074] 電子機器104は、各々がLIDAR装置100のあるそれぞれの操作を容易にするのを支援するために配置された1つ以上の電子構成要素および/または電子装置を含み得る。具体的には、これらの電子機器104は、LIDAR装置100の内部に任意の実現可能な方法で配置され得る。例えば、電子機器104の少なくとも一部は、ロータリーリンク120の中央空洞領域内に配置され得る。それにもかかわらず、電子機器104は、様々なタイプの電子構成要素および/または電子装置を含み得る。
【0028】
[0075] 例えば、電子機器104は、制御システムからLIDAR装置100の様々な構成要素への制御信号の転送のため、および/またはLIDAR装置100の様々な構成要素から制御システムへのデータの転送のために使用される様々な配線を含み得る。一般に、制御システムが受信するデータは、他の可能性の中でもとりわけ、受信機110による光の検出に基づいたセンサーデータを含み得る。その上、制御システムによって送信される制御信号は、他の可能性の中でもとりわけ、送信機106による光の放出の制御、受信機110による光の検出の制御、および/または回転台112を回転させるためのアクチュエータ(複数可)114の制御などにより、LIDAR装置100の様々な構成要素を操作し得る。
【0029】
[0076] いくつかの配置では、電子機器104は、問題の制御システムも含み得る。この制御システムは、1つ以上のプロセッサ、データ記憶、およびデータ記憶上に格納されて、様々な操作を容易にするために1つ以上のプロセッサによって実行可能である、プログラム命令を有し得る。この配置で、制御システムは従って、以下で説明する方法のものなどの、本明細書で説明する操作を実行するように構成され得る。追加または代替として、制御システムは、外部制御システムとLIDAR装置100の様々な構成要素との間で制御信号および/またはデータの転送を容易にするのを支援するために、外部制御システムまたは同様のもの(例えば、LIDAR装置100が連結される車両内に配置されたコンピューティングシステム)と通信し得る。
【0030】
[0077] しかし、他の配置では、電子機器104は、問題の制御システムを含まない可能性がある。むしろ、前述の配線の少なくとも一部は、外部制御システムへの接続性のために使用され得る。この配置で、配線は、外部制御システムとLIDAR装置100の様々な構成要素との間で制御信号および/またはデータの転送を容易にするのを支援し得る。他の配置も可能である。
【0031】
[0078] さらに、1つ以上の光源106は、それぞれ、波長範囲内の波長を有する複数の光ビームおよび/またはパルスを放出するように構成できる。波長範囲は、例えば、電磁スペクトルの紫外領域、可視領域、および/または赤外領域内であり得る。いくつかの例では、波長範囲は、レーザーによって供給されるような、狭い波長範囲にできる。一例では、波長範囲は、およそ1525nm〜1565nmの波長を含む。この範囲は、例示目的のみで記述されており、制限することを意図していないことに留意されたい。
【0032】
[0079] 実際には、光源106の1つは、光増幅器を含むファイバレーザーであり得る。具体的には、ファイバレーザーは、能動利得媒体(すなわち、レーザー内の光学利得源)が光ファイバ内にあるレーザーであり得る。その上、ファイバレーザーは、LIDAR装置100内に様々な方法で配置できる。例えば、ファイバレーザーは、回転台114と受信機110との間に配置できる。
【0033】
[0080] そのため、本開示は一般に、一次光源106として使用されているファイバレーザーの文脈で本明細書では説明される。しかし、いくつかの配置では、1つ以上の光源106は、追加または代替として、レーザーダイオード、発光ダイオード(LED)、垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、発光ポリマー(LEP)、液晶ディスプレイ(LCD)、微小電気機械システム(MEMS)、ならびに/または複数の放出光ビームおよび/もしくはパルスを供給するために光を選択的に伝送、反射、および/もしくは放出するように構成された任意の他の装置を含み得る。
【0034】
[0081] さらに、送信機108は、光を環境内に放出するように構成され得る。具体的には、送信機108は、光を光源106から環境に向けるように構成される光学配置を含み得る。この光学配置は、他の光学構成要素の中でもとりわけ、光が物理的な空間全体にわたって伝搬するのを導くために使用されるミラー(複数可)および/または光のある特性を調整するために使用されるレンズ(複数可)の任意の実現可能な組合せを含み得る。例えば、光学配置は、光を平行にするように配置された伝送レンズ(transmit lens)を含み得、それにより、実質的に相互に平行な光線を有する光を生じる。その上、レンズは、例えば、水平軸(例えば、水平軸は理想的には環境内の地面に平行である)から+7°〜−18°離れた垂直な光の広がりを引き起こすことなどにより、光を特定の方法で広げるか、または別の方法で散乱させるように成形され得る。
【0035】
[0082] 記述のように、LIDAR装置100は、少なくとも1つの受信機110を含み得る。受信機110は、それぞれ、送信機108からの放出光の1つと同じ波長範囲(例えば、1525nm〜1565nm)の波長を有する光を少なくとも検出するように構成され得る。それを行う際に、受信機110は、特定の分解能で光を検出し得る。例えば、受信機110は、0.036°(水平)×0.067°(垂直)角度分解能で光を検出するように構成され得る。その上、受信機110は、特定のFOVで環境をスキャンするように構成され得る。例えば、受信機110は、前述の水平軸から+7°〜−18°離れた範囲内の入射光に焦点を合わせるように構成され得る。このようにして、受信機110は、送信機108が提供する放出光の前述の例示的な垂直広がりと一致する、+7°〜−18°の範囲に沿って光の検出を可能にする。この分解能およびFOVは、例示目的のみで記述されており、制限することを意図していないことに留意されたい。
【0036】
[0083] 実施態様例では、受信機110は、受信機110が前述のように解像度およびFOVを提供できるようにする光学配置を有し得る。一般に、かかる光学配置は、少なくとも1つの光学レンズと光検出器アレイとの間に光路を提供するように構成され得る。
【0037】
[0084] より具体的には、受信機110は、LIDAR装置100の環境内の1つ以上の物体から反射した光の焦点を受信機110の検出器に合わせるように構成された光学レンズを含み得る。それを行うために、光学レンズはある寸法(例えば、約10cm×5cm)およびある焦点距離(例えば、約35cm)を有し得る。その上、光学レンズは、前述のように特定の垂直FOV(例えば、+7°〜−18°)に沿った入射光に焦点を合わせるように成形され得る。第1の受信機の光学レンズのかかる成形は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な形(例えば、球面形状)の1つを取り得る。
【0038】
[0085] さらにその上、記述のように、受信機110は、各々、検出光(例えば、前述の波長範囲内の)を、検出光を示す電気信号に変換するように構成された2つ以上の検出器を含み得る、光検出器アレイを有し得る。実際には、かかる光検出器アレイは、様々な方法の1つで配列できる。例えば、検出器は、1つ以上の基板(例えば、プリント基板(PCB)、可撓性PCBなど)上に配置されて、光学レンズから光路に沿って進んでいる入射光を検出するように配列できる。また、かかる光検出器アレイは、任意の実現可能な方法で並べられた任意の実現可能な数の検出器を含み得る。例えば、光検出器アレイは、13×16アレイの検出器を含み得る。この光検出器アレイは、例示目的のみで記述されており、制限することを意図していないことに留意されたい。
【0039】
[0086] 一般に、検出器のアレイは、様々な形を取り得る。例えば、検出器は、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード(例えば、ガイガーモードおよび/または線形モードアバランシェフォトダイオード)、フォトトランジスタ、カメラ、アクティブピクセルセンサー(APS)、電荷結合素子(CCD)、極低温検出器、および/または放出光の波長範囲内の波長を有する焦点の合った光を受信するように構成された光の任意の他のセンサーの形を取り得る。他の例も可能である。
【0040】
[0087] さらに、記述のように、LIDAR装置100は、軸の周りを回転するように構成される回転台112を含み得る。このように回転するために、1つ以上のアクチュエータ114は、回転台112を作動させ得る。実際には、これらのアクチュエータ114は、他の可能性の中でもとりわけ、モーター、空気圧式アクチュエータ、油圧ピストン、および/または圧電アクチュエータを含み得る。
【0041】
[0088] 実施態様例では、送信機108および受信機110は、これらの構成要素の各々が回転台112の回転に基づいて環境に対して移動するように回転台112上に配置され得る。具体的には、これらの構成要素の各々は、LIDAR装置100が様々な方向から情報を取得し得るように、軸に対して回転し得る。このように、LIDAR装置100は、回転台112を異なる方向に作動させることにより調整できる水平視野方向を有し得る。
【0042】
[0089] この配置で、制御システムは、環境に関する情報を様々な方法で取得するために、アクチュエータ114に回転台112を様々な方法で回転させ得る。具体的には、回転台112は、様々な程度で、いずれの方向にも回転し得る。例えば、回転台112は、LIDAR装置100が環境の360°水平FOVを提供するように、完全な回転を実行し得る。従って、受信機110が回転台112の回転に基づいて回転し得ることを前提として、受信機110は、前述のように、水平FOV(例えば、360°)および垂直FOVも有し得る。
【0043】
[0090] その上、回転台112は、LIDAR装置100に様々なリフレッシュレートで環境をスキャンさせるために、様々な速度で回転し得る。例えば、LIDAR装置100は、15Hzのリフレッシュレート(例えば、1秒当たりLIDAR装置100の15回の完全な回転)を有するように構成され得る。この例では、以下でさらに説明するように、LIDAR装置100は車両に連結されると仮定すると、スキャンは従って、車両の周囲360°FOVを毎秒15回スキャンすることを伴う。他の例も可能である。
【0044】
[0091] さらになお、記述のように、LIDAR装置100は、固定台116を含み得る。実際には、固定台116は、任意の形状または形を取り得、例えば、車両の上部などの、様々な構造に連結するために構成され得る。また、固定台116の連結は、任意の実現可能なコネクタ配置118(例えば、ボルト、ねじ、および/または接着剤)によって実行され得る。このようにして、LIDAR装置100は、本明細書で説明するものなど、様々な目的に対して使用するために、構造物に連結できる。
【0045】
[0092] さらに、LIDAR装置100は、固定台116を回転台112に直接または間接的に連結するロータリーリンク120も含み得る。具体的には、ロータリーリンク120は、回転台112の固定台116に対する軸の周りの回転を提供する任意の形状、形および材料を取り得る。例えば、ロータリーリンク120は、アクチュエータ114からの作動に基づいて回転する軸または同様のものの形を取り得、それによりアクチュエータ114からの機械力を回転台112に伝達する。その上、記述のように、ロータリーリンク120は、電子機器104および/またはLIDAR装置100の1つ以上の他の構成要素がその中に配置され得る中央空洞を有し得る。他の配置も可能である。
【0046】
[0093] さらになお、記述のように、LIDAR装置100は覆い122を含み得る。実際には、覆い122は任意の形状および形を取り得る。例えば、覆い122は、他の可能性の中でもとりわけ、ドーム形の覆いにできる。その上、覆い122は、LIDAR装置100の他の構成要素に対して様々な方法で配置され得る。この覆いは、例示目的のみで記述されており、制限することを意図していないことに留意されたい。
【0047】
[0094] 実施態様例では、覆い122は、回転台112の回転に基づいて前述の軸の周りを回転するように構成されるように、回転台112に連結され得る。この実施態様では、送信機108、受信機110、および恐らくはLIDAR装置100の他の構成要素は各々、覆い122内に配置され得る。このようにして、送信機108および受信機110は、覆い122内に配置されながら、この覆い122と一緒に回転し得る。
【0048】
[0095] さらに、覆い122は、その上に形成された開口部を有し得、それは任意の実現可能な形状およびサイズを取り得る。これに関して、送信機108は、開口部を通して環境中に光を放出するために覆い122内に配置できる。このようにして、送信機108は、覆い122の対応する回転に起因して開口部と一緒に回転し得、それにより、様々な方向への光の放出を可能にする。また、受信機110は、開口部を通して環境から覆い122に入る光を検出するために覆い122内に配置できる。このようにして、受信機110は、覆い122の対応する回転に起因して開口部と一緒に回転し得、それにより、水平FOVに沿って様々な方向から入ってくる光の検出を可能にする。
【0049】
[0096] さらになお、覆い122は、透明材料から成り得る、開口部を除いて、少なくとも部分的に不透明な材料から成り得る。このようにして、光は開口部を通して伝搬し得、それにより環境のスキャンを可能にする。しかし、覆い122は少なくとも部分的に不透明なために、覆い122は、少なくとも一部の光が覆い122の内部空間に入るのを阻止し得、従って、熱的影響を緩和するのに役立ち得る。例えば、覆い122は、太陽光線が覆い122の内部空間に入るのを阻止し得、それは、それらの太陽光線に起因したLIDAR装置100の様々な構成要素の過熱を防ぐのに役立ち得る。その上、LIDAR装置100の様々な構成要素が覆い122内に配置されているため、および覆い122がそれらの構成要素と一緒に回転するため、覆い122は、それらの構成要素を、とりわけ、雨および/または雪などの、環境ハザードから保護するのに役立ち得る。
【0050】
[0097] しかし、他の実施態様では、覆い122は、LIDAR装置100と共に回転しない外部固定覆いであり得る。例えば、外部固定覆いは車両に連結でき、LIDAR装置も、外部固定覆い内で回転するように構成されながら、車両に連結できる。この状況では、外部固定覆いを通した光の伝搬を、従って、LIDAR装置100による環境のスキャンを可能にするために、外部固定覆いは恐らく透明であろう。その上、LIDAR装置100は、光がそれを通って伝搬され得る開口部も含み得、かかる開口部は、LIDAR装置100の内部覆い上にあり得、それは、LIDAR装置100の他の構成要素と一緒に外部固定覆い内で回転し得る。他の実施態様も可能である。
【0051】
III.LIDAR装置の例示的実施態様
[0098] 次に
図2A〜
図2Cは、前述の特徴を有するLIDAR装置の簡略化した図のセット例を示す。具体的には、
図2Aは、LIDAR装置200の上面断面図を示し、
図2Bは、LIDAR装置200の側面断面図を示し、
図2Cは、
図2Bに示す側面図とは反対側のLIDAR装置200の側面断面図(例えば、LIDAR装置200が軸232の周りを半回転した後に示される側面図など)を示す。これらの図は例示目的のみで示されており、制限することを意図していないことに留意されたい。
【0052】
[0099] より具体的には、
図2A〜
図2Cは全体として、前述の説明に従い、LIDAR装置200が、回転台212に連結されている覆い222を含むことを例示する。回転台212は次いで、同様に前述の説明に従い、ロータリーリンク220によって固定台216に連結されていると示される。この配置で、回転台212は軸232の周りを回転し得、それにより、LIDAR装置200の覆い222、送信機208、および受信機210の軸232の周りの回転も引き起こす。
【0053】
[0100] 実際には、覆い222は、前述した覆い122の形を取り得る。また、覆い222は、光がそれを通って環境中に放出され得、かつ反射光がそれを通って環境から入り得る、開口部230を含むことが示されている。さらに、
図2A〜
図2Cは全体として、送信機208および受信機210が各々、送信機208を受信機210の上に位置付けて、覆い222内に配置されていることを例示する。
【0054】
[0101] より具体的には、送信機208は前述した送信機108の形を取り得る。
図2A〜
図2Cに示すように、送信機208は、光増幅器として機能するファイバレーザーと融着された光学レンズ224を含み、ファイバレーザーは回転台212と受信機210との間に少なくとも一部、配置されている。そして前述の説明によれば、光学レンズ224は、放出光が+7°〜−18°の特定の垂直広がりに沿って垂直に広がるように配置され得る。
【0055】
[0102] 追加として、受信機210は前述した受信機110の形を取り得る。
図2A〜
図2Cに示すように、受信機210は、光学レンズ238と光検出器アレイ236との間に光路を提供する光学配置を含む。具体的には、光学レンズ238は、+7°〜−18°の垂直FOV範囲内の入射光に焦点を合わせるように配置され得る。そして前述の説明によれば、光検出器アレイ236は、0.036°(水平)×0.067°(垂直)角度分解能で光を検出するように構成され得る。他の例証も可能である。
【0056】
[0103] 次に
図3A〜
図3Dは全体として、車両300における開示されたLIDAR装置の実施態様を例示し、具体的には、車両300におけるLIDAR装置例200の実施態様を例示する。車両300は自動車として例示されているが、他の実施形態も可能である。さらに、車両例300は、自律モードで走行するように構成され得る車両として示されているが、本明細書で説明する実施形態は、自律的に走行するように構成されていない車両にも適用可能である。従って、車両例300は制限することを意図していない。
【0057】
[0104] 具体的には、
図3Aは、車両300の右側面図、前面図、背面図、および上面図を示す。図に示すように、車両300は、車両300の車輪302が配置されている底面側と向かい合った車両300の上面上に位置付けられているLIDAR装置200を含む。LIDAR装置200は、車両300の上面上に位置付けられているとして示され、説明されているが、LIDAR装置200は、本開示の範囲から逸脱することなく、車両の任意の実現可能な部分上に位置付けられ得る。
【0058】
[0105] さらに、次に
図3B〜
図3Cは、LIDAR装置200は、例えば、1つ以上の光パルスを放出して、車両300の環境内の対象に反射した光パルスを検出しながら、垂直軸232の周りを回転することにより車両300の周囲の環境を(例えば、15Hzのリフレッシュレートで)スキャンするように構成され得る。
【0059】
[0106] より具体的には、
図3Bは、LIDAR装置200が前述した+7°〜−18°の垂直広がりで光を放出することを示す。このようにして、光放出は、車両300に比較的近い環境の領域(例えば、車線マーカー)に向かって、かつ/または車両300からさらに離れている環境の領域(例えば、車両の前方の道路標識)に向かって放出できる。
【0060】
[0107] さらに、
図3Cは、LIDAR装置200は受信機210を使用して、前述した+7°〜−18°の垂直FOVで反射光を検出し、それを0.036°×0.067°の分解能で行うことを示す。このようにして、受信機210は車両300に比較的近い環境の領域に反射した光および/または車両300からさらに離れている環境の領域に反射した光を検出し得る。
【0061】
[0108] 一般に、これらの検出距離は、
図3Dに例として示されている。具体的には、
図3Dは、車両300が周囲の環境をスキャンするためにLIDAR装置200を使用する前述のシナリオにおける車両300の上面図を示す。それに応じて、受信機210の水平FOVは、車両300の周囲の360°全方向に広がり得る。
【0062】
[0109]
図3Dに示すように、LIDAR装置200は、車両300の距離範囲内の物体の検出および/または識別に適し得る。より具体的には、輪郭304の外側で輪郭306によって画定される距離範囲内の物体は、LIDAR装置200の受信機210からのデータを使用して適切に検出/識別され得る。これらの輪郭は原寸に比例していないが、説明の便宜のために示されていることに留意されたい。
【0063】
[0110] IV.LIDAR装置を保護するための緩和システム
本開示によれば、LIDAR装置は、LIDAR装置の動作を外部光から保護するのに役立つ緩和システムを装備し得る。記述のように、緩和システムは、干渉フィルタ、吸収フィルタ、適応フィルタ、および/または空間フィルタなどの、1つ以上のフィルタを含み得る。この緩和システムを前提として、LIDAR装置は従って、外部光に対する手段を提供するために常に準備が整っている1つ以上のハードウェア構成要素を有し得る。
【0064】
[0111] i.干渉フィルタ
干渉フィルタは、1つ以上の波長の光を除去して、1つ以上の他の波長の光を通過させるために波動干渉という物理現象を使用するように配置されるフィルタである。実際には、干渉フィルタは様々な形状(例えば、矩形)で構成され得、光のある波長のかかる除去を容易にするのに役立つように配置される1つ以上の材料から成り得る。
【0065】
[0112] 例えば、干渉フィルタは、高屈折率材料と低屈折率材料が交互に重なった層から成り得、それは、ガラスまたは同等のものなどの、透明基板上に配置される。この配置で、低屈折率材料から進む光は、ある角度および波長の光だけが建設的に干渉してその材料を通過し、他方、他の全ての光は破壊的に干渉して材料に反射するような方法で、高屈折率材料に反射し得る。一般に、様々な層に対する厚さおよび屈折率値は、各層界面で反射する光波の干渉を制御し得る。従って、各厚さおよび屈折率は、除去すべき対象波長を選択するように設計によって選択できる。
【0066】
[0113] 干渉フィルタの動作のこれらの原理を前提として、干渉フィルタは、様々な他の選択肢の中でもとりわけ、長波長だけが通過するのを許可するロングパスフィルタ、短波長だけが通過するのを許可するショートパスフィルタ、またはある波長帯だけが通過するのを許可する帯域通過フィルタとして設計され得る。そのため、LIDAR装置は、波長のある組合せを除去するために1つ以上のかかる干渉フィルタを含み得る。
【0067】
[0114] 具体的には、LIDAR装置は、LIDAR装置の検出可能な波長範囲外の1つ以上の波長を有する光を除去して、LIDAR装置の検出可能な波長範囲内の波長を有する光を少なくとも通過させるように配置される干渉フィルタを含み得る。実際には、除去される対象波長は、他の可能性の中でもとりわけ、一般に使用される外部光源から出ている外部光のものおよび/またはLIDAR装置の検出器の機能にダメージを与えることが分かっているものであり得る。例えば、これらの一般に使用される外部光源は、例えば、473nmおよび/または532nmの波長などの、ある波長の光を放出することが分かっている、レーザーポインタであり得る。従って、LIDAR装置は、473nmおよび/または532nmの波長を有する任意の外部光を除去するように配置された1つ以上の干渉フィルタを含み得、それによりLIDAR装置を保護するのを支援する。
【0068】
[0115] その上、干渉フィルタは、光がLIDAR装置の検出器に到達する前に除去するように、LIDAR装置の光路内のどこかに位置付けられ得る。一例では、干渉フィルタは、受信機のレンズの前に位置付けられ得、そのため光はレンズを通過する前に除去される。別の例では、干渉フィルタは、受信機のレンズの後ろに位置付けられ得、そのため光はレンズを通過し、次いで検出器に到達する前に除去される。さらに別の例では、干渉フィルタは、様々な方法で、受信機のレンズ上に配置されるか、または別の方法で受信機のレンズに組み込まれ得、そのため光はレンズを通過している間に除去される。他の例も可能である。
【0069】
[0116]
図4は、代表的な干渉フィルタ400をLIDAR装置200に組み込むためのアプローチを例示する。具体的には、
図4は、干渉フィルタ400を有する受信機210のクローズアップ図である。図に示すように、干渉フィルタ400は、レンズ238の後ろに位置付けられ、そのため、光はレンズ238を通過し、次いで検出器236に達する前に、干渉フィルタ400によって除去される。その上、図に示すように、干渉フィルタ400は、一般に使用されるレーザーポインタによって放出される波長である、532nmの波長を有する光を少なくとも除去して、LIDAR装置200の検出可能な波長範囲内の波長である、1550nmの波長を有する光を少なくとも通過させるように構成される。他の例証も可能である。
【0070】
ii.吸収フィルタ
[0117] 吸収フィルタは、1つ以上の波長の光を吸収して、1つ以上の他の波長の光を通過させるように配置される。吸収フィルタでは、光は、使用する基板の吸収特性に基づいて遮断される。その結果として、遮断される光は、フィルタに反射せず、むしろ、吸収されて、フィルタ内に含まれる。
【0071】
[0118] 一般に、吸収フィルタは、ある波長を吸収し、かつ、例えば、ガラスおよび/もしくはプラスチックなどの、1つ以上の材料に混合されるか、または別の方法で組み込まれる、有機および/もしくは無機化合物もしくは同様のものを含み得る。このように、吸収フィルタは、様々な形状および形を取ることができる基板として設計できる。その上、吸収フィルタは、他の波長の光が通過するのを許可しながら、ある波長を吸収するように選択的に設計できる。
【0072】
[0119] 本開示によれば、LIDAR装置は、LIDAR装置の検出可能な波長範囲外の1つ以上の波長を有する光を除去して、LIDAR装置の検出可能な波長範囲内の波長を有する光を少なくとも通過させるように配置される吸収フィルタを含み得る。実際には、除去される対象波長は、他の可能性の中でもとりわけ、一般に使用される外部光源から出ている外部光のものおよび/またはLIDAR装置の検出器の機能にダメージを与えることが分かっているものであり得る。
【0073】
[0120] さらになお、吸収フィルタは、様々な方法でLIDAR装置に組み込まれ得る。一例では、吸収フィルタは、LIDAR装置の覆い内に組み込まれ得、そのため、吸収フィルタは、光がLIDAR装置の検出器に到達する前に光を除去する。別の例では、吸収フィルタは、LIDAR装置の開口部に組み込まれ得、そのため、吸収フィルタは、光がLIDAR装置の検出器に到達する前に光を除去する。さらに別の例では、吸収フィルタは、受信機のレンズに組み込まれ得、そのため、吸収フィルタは、光がLIDAR装置の検出器に到達する前に光を除去する。他の例も可能である。
【0074】
[0121] 次に
図5は、代表的な吸収フィルタ500をLIDAR装置200に組み込むためのアプローチを例示する。具体的には、
図5は、覆い222および開口部230のクローズアップ図である。図に示すように、吸収フィルタ500は、開口部230に組み込まれ、そのため、光はレンズ238に達する前に、従って検出器236に達する前に除去される。その上、図に示すように、吸収フィルタ500は、一般に使用されるレーザーポインタによって放出される波長である、473nmの波長を有する光を少なくとも除去して、LIDAR装置200の検出可能な波長範囲内の波長である、1555nmの波長を有する光を少なくとも通過させるように構成される。他の例証も可能である。
【0075】
iii.適応フィルタ
[0122] 適応フィルタは、同調可能なフィルタであり、従って、このフィルタによって除去されている波長は、様々な方法で調整可能であるか、または選択可能である。実際には、適応フィルタは、ある波長の光を吸収することにより、かつ/またはある波長の光を反射することにより、かかるフィルタ処理を実行し得る。従って、吸収フィルタおよび干渉フィルタの文脈で前述した光吸収および反射原理が、適応フィルタの文脈に適用され得る。
【0076】
[0123] さらに、適応フィルタは、電気信号または同様のもののフィルタへの印加に基づいて作動され得る。また、除去されている波長は、印加される電気信号の特性(例えば、電流および/または電圧)の調整に基づいて手動で、および/または自動的に選択できる。従って、電圧/電流源が適応フィルタに連結でき、適応フィルタによって除去されている波長を選択的に調整するために、制御システムおよび/またはオペレータが電圧/電流源によって出力されている電圧/電流を調整し得る。
【0077】
[0124] 一般に、除去されている波長のかかる選択的調整は、1つ以上の電気光学効果に起因して起こり得る。例えば、カー効果およびポッケルス効果として知られている電気光学効果は、電場の材料への印加に応答して、その材料の屈折率の変化を可能にし得る。この理由のため、適応フィルタは、外部から印加された電圧または電流によって制御できる光透過率特性を有する材料(例えば、液晶)から成り得る。
【0078】
[0125] 本開示によれば、LIDAR装置は、かかる適応フィルタを含み得る。ある事例では、適応フィルタによって除去されている波長は、一定であり得る。例えば、適応フィルタは、他の可能性の中でもとりわけ、一般に使用される外部光源から出ている外部光の波長および/またはLIDAR装置の検出器の機能にダメージを与え得る波長を常に除去するように事前構成され得る。しかし、別の事例では、適応フィルタによって除去されている波長は、様々な要因に基づいて経時的に調整され得る。以下でさらに詳細に説明するように、例えば、制御システムは、外部光の特定の波長を判断するためにセンサーデータを使用し得、それに応答して適応フィルタに特定の波長を有する光を除去させ得る。他の事例も可能である。
【0079】
[0126] その上さらに、適応フィルタは、光がLIDAR装置の検出器に到達する前に除去されるように、LIDAR装置の光路内のどこかに位置付けられ得る。一例では、適応フィルタは、受信機のレンズの前に位置付けられ得、そのため光はレンズを通過する前に除去される。別の例では、適応フィルタは、受信機のレンズの後ろに位置付けられ得、そのため光はレンズを通過し、次いで検出器に到達する前に除去される。さらに別の例では、適応フィルタは、様々な方法で、受信機のレンズ上に配置されるか、または別の方法で受信機のレンズに組み込まれ得、そのため光はレンズを通過している間に除去される。他の例も可能である。
【0080】
[0127]
図6A〜
図6Bは、代表的な適応フィルタ600をLIDAR装置200に組み込むためのアプローチを例示する。具体的には、
図6A〜
図6Bは各々、適応フィルタ600を有する受信機210のクローズアップ図である。図に示すように、適応フィルタ600は、レンズ238の後ろに位置付けられ、そのため、光はレンズ238を通過し、次いで検出器236に達する前に適応フィルタ600によって除去される。さらに、適応フィルタ600に連結されて、適応フィルタ600に電圧を印加するように構成される電圧源602が示されている。
【0081】
[0128] 具体的には、
図6Aは、電圧源602が電圧V1を適応フィルタ600に印加し得、適応フィルタ600は次いで、第1のレーザーポインタによって放出された外部光の波長である、532nmの波長を有する光を除去するように応答して構成され得る。それに対して、
図6Bは、電圧源602が電圧V2を適応フィルタ600に印加し得、適応フィルタ600は次いで、第2のレーザーポインタによって放出された外部光の波長である、473nmの波長を有する光を除去するように応答して構成され得る。
図6A〜
図6Bの両方において、適応フィルタ600は、1550nmの波長を有する光が通過するのを許可すると示されている。他の例証も可能である。
【0082】
[0129] さらなる態様では、適応フィルタは、閾値高強度照明下の場合に不透明になるフィルタであり得、それによりかかる閾値高強度照明下の場合に光をフィルタ処理する。具体的には、かかるフィルタは、とりわけ、自己収束原理に基づき不透明状態を達成する光パワー制限器であり得る。自己収束に関して、例えば、フィルタは、光照射野強度が増大するにつれて増大する(例えば、カー効果に起因して)非線形屈折率を有する媒質を含み得る。実際には、屈折率は、光ビームの中心など、強度が高い領域で大きくなり得、それは、ビームを崩壊させ得る収束密度特性(例えば、タウンズ特性)を生じ得、それにより不透明状態となる。このようにして、光パワー制限器は、高強度照明下の場合に光を除去し得、それを比較的高速な応答時間で行い得る。具体的には、光パワー制限器は、フィルタに光を除去させるために必ずしも電気信号をフィルタに印加することなく(例えば、光の検出に応答して)、それを行い得る。
【0083】
[0130] この態様では、適応フィルタは、特定の波長における閾値高強度照明下の場合にだけ、その特定の波長を除去し、他方、その特定の波長以外の波長における照明下の場合は透明なままであるようにも配置できる。具体的には、かかるフィルタは、とりわけ、誘導ブリルアン散乱(SBS)原理に基づいて波長依存の不透明状態を達成する光パワー制限器であり得る。SBSに関して、例えば、媒質中を進む光の閾値高強度ビームは、媒質中で(例えば、電歪に起因して)音響振動を引き起こし得、それらの振動は最終的に、入ってくるビームと実質的に反対の方向にビームが散乱するのを示し得る。その上、材料(複数可)は、SBSが生じる光の波長(複数可)を設定するのに役立つように選択的に使用でき、それにより波長依存の不透明状態を得る。このようにして、光の選択波長(複数可)は、必ずしも電気信号をフィルタに印加することなく、除去され得る。他の態様も可能である。
【0084】
iv.空間フィルタ
[0131] 空間フィルタは、光が、フィルタの一方の側からフィルタの他方の側に進むことができる物理的な空間を制限するフィルタである。実際には、空間フィルタは、光が進み得る1つ以上の穴のある表面を含み得る。この表面は様々な形状の1つを取ることができ、様々な材料の1つ以上から成り得る。また、表面上に形成された穴は各々、様々な形状の1つをそれぞれ取ることができ、表面上の様々な位置で形成できる。
【0085】
[0132] 例として、空間フィルタは、空間パターンに従い、複数の穴がその上に形成されている表面を含み得る。実際には、様々なかかる空間パターンが可能である。例えば、空間パターンは、表面全体に形成された等間隔の穴の格子であり得る。表面が平面である場合、様々な隣接する穴の間が均等な間隔であれば、穴の間に均等な線形間隔を伴い得る。しかし、表面が局面である場合、様々な隣接する穴の間の均等な間隔は、穴の間に均等な角度間隔も伴い得る。他の例も可能である。
【0086】
[0133] 本開示によれば、LIDAR装置は、光路に入る光を空間的に除去するように配置される空間フィルタを含み得る。具体的には、LIDAR装置の光路に入る光は、LIDAR装置の検出器に到達する前に、空間フィルタに遭遇し得る。この配置で、フィルタの穴を通過する光だけが恐らく検出器に到達するであろうが、他の全ての光は空間フィルタの表面によって遮断され得る。このようにして、空間フィルタは、光が検出器に到達するために進む必要がある物理的な空間を狭め得、それにより、外部光が検出器に到達できる可能性を低下させる。
【0087】
[0134] 空間フィルタは、光が検出器に到達するために進む必要がある物理的な空間を狭め得るが、LIDAR装置は依然として環境に関する十分な数のデータ点を生成するために十分な程度の反射光を受信し得る。具体的には、空間フィルタの表面上の穴の空間パターンは、環境の様々な部分の各々から十分な程度の反射光が検出器に到達することができるように配置され得る。例えば、空間パターンは、表面全体に形成された等間隔の穴の前述の格子であり得る。かかる等間隔にすることにより、環境の様々な部分の各々からの反射光は、均等に検出器に到達する可能性が高い。その上、比較的多数の穴が表面全体に形成される場合、LIDAR装置は依然として、環境内の物体もしくは同様のものの検出および/または識別のために使用できる比較的多数のデータ点を生成する能力を有し得る。
【0088】
[0135] さらに、空間フィルタは、光がLIDAR装置の検出器に到達する前に空間的にフィルタ処理されるように、LIDAR装置の光路内のどこかに位置付けられ得る。一例では、空間フィルタは、受信機のレンズの前に位置付けられ得、そのため光はレンズを通過する前に空間的にフィルタ処理される。別の例では、空間フィルタは、受信機のレンズの後ろに位置付けられ得、そのため光はレンズを通過し、次いで検出器に到達する前に空間的にフィルタ処理される。この例では、空間フィルタは、他の可能性の中でもとりわけ、検出器アレイに隣接して(例えば、連続して)位置付けることなどにより、実質的に検出器アレイに最も近く(例えば、画像面に、または画像面の近くに)位置付けることができる。さらに別の例では、空間フィルタは、様々な方法で、受信機のレンズ上に配置されるか、または別の方法で受信機のレンズに組み込まれ得、そのため光はレンズを通過している間に空間的にフィルタ処理される。他の例も可能である。
【0089】
[0136]
図7Aは次に、本開示に従った代表的な空間フィルタ700を例示する。図に示すように、空間フィルタ700は、複数の円形穴がその上に形成されている表面を含む。穴は、穴が等間隔の格子パターンで配列される。その上、代表的な空間フィルタ700における穴の全ては同じサイズである。
【0090】
[0137]
図7Bは次いで、代表的な空間フィルタ700を前述のLIDAR装置200に組み込むためのアプローチを例示する。具体的には、
図7Bは、空間フィルタ700を含む受信機210のクローズアップ図である。具体的には、空間フィルタ700は、検出器アレイ236の前に位置付けられ、そのため、光は検出器236に達する直前に空間的にフィルタ処理される。図に示すように、環境からの光ビームの一部が空間フィルタ700の穴を通過するが、他の光ビームは、空間フィルタ700の表面によって遮断される。
【0091】
[0138] このようにして、空間フィルタ700は、外部光が検出器236に到達できる可能性を低下させ得る。例えば、レーザーポインタのユーザーがレーザー光を、空間フィルタ700を有していないLIDAR装置に向けると、そのレーザー光が検出器236に達する一定の可能性があり得る。しかし、空間フィルタ700がそのLIDAR装置に加えられた場合、レーザーポインタからのレーザー光が検出器236に達する可能性は低下し得る。結果として、レーザーポインタのユーザーは、レーザー光が検出器236に到達できるような方法でレーザー光を向ける困難さの増大に直面し得る。従って、空間フィルタ700は、他の結果の中でもとりわけ、LIDAR装置に対するダメージおよび/またはLIDAR装置による誤検出の緩和に役立ち得る。他の例証も可能である。
【0092】
[0139] 代替実施態様では、比較的低いフィルファクタ(fill factor)を有する検出器アレイは、空間フィルタであると考えられ得る。具体的には、フィルファクタは、検出器のアレイ間の間隙の程度(例えば、サイズおよび/または数)を定義し得、それらの間隙は光に反応しない。ある事例では、検出器アレイは、比較的高いフィルファクタを有し得、従って検出器のアレイ間に比較的小さい間隙を含み得る。しかし別の事例では、検出器アレイは、比較的低いフィルファクタを有し得、従って検出器のアレイ間に比較的大きい間隙を含み得る。それでLIDAR装置が比較的低いフィルファクタを有する検出器アレイを含む場合、その検出器アレイは、光が検出器に到達するために進む必要がある物理的な空間を狭めるのに役立ち得、それにより外部光が検出器に到達できる可能性を低下させる。このようにして、検出器アレイは、必ずしも光を空間的に除去するように構成される別個の物理的なフィルタがなくても、光を空間的にフィルタ処理できる。
【0093】
[0140] さらに、比較的低いフィルファクタを有する検出器アレイは、光が検出器に到達するために進む必要がある物理的な空間を狭め得るが、LIDAR装置は依然として環境に関する十分な数のデータ点を生成するために十分な程度の反射光を受信し得る。具体的には、検出器アレイ上の検出器の空間パターンは、環境の様々な部分の各々から十分な程度の反射光が検出器に到達することができるように配置され得る。例えば、アレイの空間パターンは、等間隔の検出器の格子であり得、検出器間の間隔は光に応答しない間隙である。かかる等間隔にすることにより、環境の様々な部分の各々からの反射光は、均等に検出器に到達する可能性が高い。その上、比較的多数の検出器がアレイに含まれる場合、LIDAR装置は依然として、環境内の物体もしくは同様のものの検出および/または識別のために使用できる比較的多数のデータ点を生成する能力を有し得る。他の実施態様も可能である。
【0094】
V.LIDAR装置を保護するための予防的緩和手順
[0141] 本開示によれば、制御システムは、予防的緩和手順に関与するように構成され得る。具体的には、予防的緩和手順は、LIDAR装置の動作を外部光から保護し得、かかる外部光が実際にLIDAR装置に向かって放出されているか否かに関わらず、それを行い得る。このようにして、制御システムは、LIDAR装置の動作を外部光から保護するために手段が整っていることを確実にするために前もって対策を講じ得る。
【0095】
[0142]
図8は、実施態様例に従った、方法800を例示するフローチャートである。具体的には、方法800は、予防的緩和手順を実行するために実装され得る。以下でさらに詳細に説明するように、予防的緩和手順は、光がそれに従って放出されている特性を経時的に変化させて、光がそれに従って放出されている特性と一致する特性を有する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作することを伴い得る。
【0096】
[0143]
図8に示す方法800(ならびに本明細書で開示する他のプロセスおよび方法)は、
図3A〜
図3Dに示す車両300によって、および/または
図17に示して以下でさらに説明する車両1700によって(または、より具体的には、プロセッサおよび装置に本明細書で説明する機能を実行させるために実行可能な命令を有する持続性コンピュータ可読媒体によってなど、その1つ以上の構成要素もしくはサブシステムによって)、例えば、
図1のLIDAR装置100を伴う配置内で実装できる方法を示す。追加または代替として、方法800は、任意の他の配置およびシステム内で実装され得る。
【0097】
[0144] 方法800ならびに本明細書で開示する他のプロセスおよび方法は、ブロック802〜806の1つ以上によって例示されるような1つ以上の操作、機能、または動作を含み得る。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックは並行して、および/または本明細書で説明するもの以外の異なる順序でも実行され得る。また、様々なブロックは、所望の実施態様に基づいて、もっと少ないブロックに結合され、追加のブロックに分割され、かつ/または除外され得る。
【0098】
[0145] 加えて、方法800ならびに本明細書で開示する他のプロセスおよび方法に対して、フローチャートは、本実施態様の1つの考えられる実施態様の機能および操作を示す。これに関して、各ブロックは、プログラムコードのモジュール、セグメント、または一部を表し得、それは、プロセス内の特定の論理機能またはステップを実装するためにプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含む。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含む記憶装置などの、任意のタイプのコンピュータ可読媒体上に格納され得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュおよびランダムアクセスメモリ(RAM)のようなデータを短期間、格納するコンピュータ可読媒体などの、持続性コンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、読取り専用メモリ(ROM)、光もしくは磁気ディスク、読取り専用コンパクトディスクメモリ(CD−ROM)のような、二次または永続的な長期間記憶装置などの、持続性媒体も含み得る。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムでもあり得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、または有形的記憶装置と考えられ得る。加えて、方法800ならびに本明細書で開示する他のプロセスおよび方法に対して、
図8内の各ブロックは、プロセス内の特定の論理関数を実行するために配線される回路を表し得る。
【0099】
[0146] ブロック802で、方法800は、光学特性の初期セットで光を放出して、光学特性の初期セットを有する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作することを伴う。
【0100】
[0147] 一般に、制御システムは、光学特性のあるセットを有する光を放出するためにLIDAR装置を操作するように構成され得る。これらの特性は、光が放出されるタイミング、放出されている波長、光が放出される強度、および/または光がそれに従って放出される変調を含み得る。本開示は、本明細書ではこれらの光学特性の文脈で説明されるが、本開示は、とりわけ、光が放出される位相ならびに/または光が放出および/もしくは受信される偏光などの、他の光学特性の文脈でも実行され得る。
【0101】
[0148] 初めに、制御システムは、光学特性の初期セットで光を放出するためにLIDAR装置を操作し得る。ある事例では、初期セットは、所定のセットであり得る。例えば、制御システムは、LIDAR装置が最初にそれに従って光を放出すべき光学特性のセットを示す情報をその上に格納している可能性があるか、または別の方法で有し得、制御システムは従って、その情報に基づいてLIDAR装置を操作し得る。別の事例では、初期セットは疑似ランダムコードの適用に基づき得る。例えば、疑似乱数生成器(PRNG)は、特定の光学特性に関してパラメータまたは同様のものを(恐らくパラメータのある範囲またはセット内の)生成し得、制御システムはそのパラメータを、光がそれに従って放出される特定の光学特性のパラメータとして使用し得る。特定の例では、PRNGは、波長に関して数「1550」を生成し得、制御システムは1550nmの波長を有する光を放出するためにLIDAR装置を操作し得る。
【0102】
[0149] この配置で、制御システムは、LIDAR装置から出た反射光を、LIDAR装置から出ていなかった外部光と区別するための基礎として光学特性の評価を効果的に使用し得る。具体的には、LIDAR装置が光学特性の初期セットで光を放出する間および/またはLIDAR装置がかかる光を放出した後、制御システムは、その光学特性の初期セットを有する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。それを行うために、制御システムは、様々なアプローチの1つ以上を実行し得、各アプローチは区別される光学特性に特有である。これらのアプローチは、以下でさらに詳細に説明される。
【0103】
[0150] ブロック804で、方法800は、光学特性の初期セットのうちの1つ以上の光学特性に対する調整を判断することを伴い、それにより、光学特性の調整されたセットを得る。追加として、ブロック806で、方法800は、調整を判断した後、光学特性の調整されたセットで光を放出して、光学特性の調整されたセットを有する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作することを伴う。
【0104】
[0151] 制御システムは、LIDAR装置から出ている反射光を外部光と区別するためにLIDAR装置を操作し得るが、外部光は、それにもかかわらず、光がそれに従って放出されて検出される光学特性と一致する光学特性を有していると分かり得る。例えば、制御システムは、光学特性の初期セットで光を放出するためにLIDAR装置を操作し得、外部光は当初はかかる特性を有していない可能性がある。しかし、外部光の特性は、様々な理由で経時的に変化し得る。例えば、外部光の特性は、光学特性の初期セットと一致するように手動で、または自動的に変えられ得る。
【0105】
[0152] 外部光が、それに従って光が放出されて検出される光学特性と一致する光学特性を有していると分かることを前提として、さらなる対応策が取られない限り、LIDAR装置は依然として、外部光を検出することになり得る。そこでこの問題に対処するために、制御システムは、光学特性のセットに対する調整を判断し得、次いで、その調整に従って光を放出および検出するためにLIDAR装置を操作し得る。それを行うことにより、制御システムは、外部光の特性が、放出および検出されている光の特性と一致する状況を打開するのを支援し得る。その上、制御システムは、所与の時に放出および検出されている光の光学特性と一致する光学特性を所与の時に有している外部光の可能性を低下させるために、1つ以上のかかる調整を長期間にわたり(例えば、連続的に、または時々)実行するように構成され得る。それにもかかわらず、調整(複数可)は1つ以上の様々な要因に基づき得る。
【0106】
[0153] ある事例では、調整は、所定の調整であり得る。具体的には、制御システムは、特定の調整を示す情報をその上に格納している可能性があるか、または別の方法でそれに対するアクセスを有し得、制御システムは従って、この特定の調整に基づいて初期セットを調整し得、それにより、光学特性の調整されたセットを得る。
【0107】
[0154] 例えば、情報は、特定の光学特性に関してパラメータのシーケンスを含み得、制御システムは、そのシーケンスの次のパラメータを、セットに追加することによるか、または使用されている初期パラメータをその次のパラメータと置き換えることによるなど、光学特性のセット内に含め得る。特定の例では、シーケン内の初期パラメータは、1550nmの波長であり得、制御システムは従って、1550nmの波長を有する光を放出および検出するためにLIDAR装置を操作し得る。次いで、制御システムは、シーケン内の次のパラメータは1552nmの波長であると判断し得、制御システムは従って、1552nmの波長を有する光を放出および検出するためにLIDAR装置を操作し得る、など。
【0108】
[0155] 別の例では、情報は、特定の光学特性に関して特定の修正を含み得、従って制御システムは、その修正を現在使用されているパラメータに適用し得、そのため修正されたパラメータが光学特性のセット内に含まれる結果となる。特定の例では、制御システムは、1550nmの初期波長を有する光を放出および検出するためにLIDAR装置を操作し得る。次いで、制御システムは、特定の修正が、使用中の波長に対する2nmの増加を示していると判断し得、従って制御システムは、初期波長を2nmだけ増加し得、そのため1552nmの調整された波長となる。一旦、調整されると、制御システムは次いで、1552nmの調整された波長を有する光を放出および検出するためにLIDAR装置を操作し得る、など。
【0109】
[0156] 別の事例では、調整は、疑似ランダムコードの適用に基づき得る。記述のように、PRNGは、特定の光学特性に関してパラメータまたは同様のものを生成し得る。この配置で、制御システムは、新しく生成されたパラメータをセットに追加することによるか、または使用中の初期パラメータをその新しく生成されたパラメータと置き換えることによるなど、新しく生成されたパラメータを含めるように光学特性のセットを調整し得る。例えば、PRNGは、波長に関して数「1550」を最初に生成し得、そして制御システムは1550nmの初期波長を有する光を放出するためにLIDAR装置を操作し得る。次いで、PRNGは、波長に関して数「1542」を生成し得、そして制御システムは1542nmの調整された波長を有する光を放出するためにLIDAR装置を操作し得る。他の事例および例も可能である。
【0110】
[0157] 前述のように、一旦、調整が判断されて適用されると、制御システムは次いで、LIDAR装置から出た反射光を、LIDAR装置から出ていなかった外部光と区別するための基礎として光学特性の評価を再度効果的に使用し得る。具体的には、LIDAR装置が光学特性の調整されたセットで光を放出する間および/またはLIDAR装置がかかる光を放出した後、制御システムは、その光学特性の調整されたセットを有する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。ここで再び、制御システムは、様々なアプローチの1つ以上を実行することによりそれを行い得、各アプローチは区別されている光学特性に特有である。記述のように、これらのアプローチは、ここで様々な光学特性に関して説明される。
【0111】
i.タイミングの変更
[0158] 本開示によれば、制御システムは、光がそれに従って放出されているタイミング配列を経時的に変化させ、光がそれに従って放出されているタイミング配列と一致するタイミング配列に従って受信された光だけを検出するために、LIDAR装置を操作し得る。実際には、問題のタイミング配列は、他の選択肢の中でもとりわけ、タイミング間隔またはタイミングパターンであり得る。
【0112】
[0159] 一実施態様では、制御システムは、あるタイミング間隔で光パルスを放出するためにLIDAR装置を操作し得る。それを行うために、制御システムは、第1のパルスの放出と、第2のパルスの後続の放出との間の時間差が実質的に、第2のパルスの放出と、第3のパルスの後続の放出との間の時間差と同じであること、などを確実にし得る。例として、制御システムは、第1の光パルスを放出するためにLIDAR装置を操作し得る。そして制御システムが、第1の光パルスの放出後3マイクロ秒(3μs)経過していると判断すると、制御システムは、第2の光パルスを放出するためにLIDAR装置を操作し得る。次いで、制御システムが、第2の光パルスの放出後3μs経過していると判断すると、制御システムは、第3の光パルスを放出するためにLIDAR装置を操作し得る、など。
【0113】
[0160] 別の実施態様では、制御システムは、あるタイミングパターンで光パルスを放出するためにLIDAR装置を操作し得る。この事例では、様々な放出されたパルス間の時間差は変わり得、必ずしも長期間にわたって一貫していない可能性がある。例として、制御システムは、第1の光パルスを放出するためにLIDAR装置を操作し得る。そして制御システムが、第1の光パルスの放出後2μs経過していると判断すると、制御システムは、第2の光パルスを放出するためにLIDAR装置を操作し得る。次いで、制御システムが、第2の光パルスの放出後1μs経過していると判断すると、制御システムは、第3の光パルスを放出するためにLIDAR装置を操作し得る。次いで、制御システムが、第3の光パルスの放出後4μs経過していると判断すると、制御システムは、第4の光パルスを放出するためにLIDAR装置を操作し得る。このようにして、制御システムは、タイミングパターンに従い、長期間にわたり光パルスを放出し得る。
【0114】
[0161] 本明細書で説明する様々な態様は様々なかかるタイミング配列の文脈で実行され得るが、本開示はここではタイミング間隔の文脈で説明される。しかし、説明するアプローチは、とりわけ、タイミングパターンの文脈でも実行できることに留意されたい。
【0115】
[0162] より具体的には、本開示によれば、制御システムは、初期タイミング間隔に従って光パルスを放出して、初期タイミング間隔に一致するタイミング間隔に従って受信される戻り光パルスだけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。このようにして、制御システムは、LIDAR装置から出た反射光を、LIDAR装置から出ていなかった外部光と区別するための基礎としてタイミング間隔の評価を効果的に使用し得る。そして制御システムは、それを様々な方法で行い得る。
【0116】
[0163] 一例では、LIDAR装置は、それぞれいくつかの光パルスの検出に基づいてデータパケットを生成し得る。各かかるデータパケットに対して、制御システムは、そのパケットと関連付けられた光パルスが受信された時間に関する情報を有するためにデータパケットにタイムスタンプを押し得る。この配置で、制御システムは、連続して生成されたデータパケット間の時間差を判断するための基礎としてかかるタイムスタンプを使用し得る。時間差が問題のタイミング間隔と実質的に一致する場合、制御システムは、これらのデータパケットは物体または同様のものの検出/識別のために使用すべきであると判断し得、従って制御システムは、それらのデータパケットをこのように使用し得る。しかし、時間差が問題のタイミング間隔と実質的に一致しない場合、制御システムは、これらのデータパケットは物体または同様のものの検出/識別のために使用すべきではないと判断し得、従って制御システムは、それらのデータパケットを廃棄するかまたは別の方法で無視し得る。
【0117】
[0164] 別の例では、制御システムは、タイミング間隔に従っていくつかの光パルスを環境の特定の領域に向かって放出するためにLIDAR装置を操作し得、LIDAR装置は次いで、その特定領域から到着するいくつかのパルスを検出し得る。この例では、制御システムは、それぞれ放出されたパルスと検出されたパルスと間の時間遅延をかかる検出されたパルスが受信される順番に従って判断し得る。次いで、制御システムは、検出されたパルスのどれが放出されたパルスと時間において相関しているかを判断し得、かかる相関に基づいて、これらの検出されたパルスのどれが外部光源から出て、どれがLIDAR装置から出たかを判断し得る。
【0118】
[0165] 例えば、制御システムは、第1の放出されたパルスと第1の検出されたパルスとの間に特定の時間遅延を判断し得、後続の第2の放出されたパルスと後続の第2の検出されたパルスとの間にも同じ特定の時間遅延を判断し得る。この判断に基づいて、制御システムは、第1および第2の検出されたパルスは、それぞれ放出されたパルスと時間において相関すると判断し得、これらの検出されたパルスに基づいて生成されたデータパケットは物体または同様のものの検出/識別のために使用すべきであると判断し得る。
【0119】
[0166] それに対して、制御システムは、後続の第3の放出されたパルスと後続の第3の検出されたパルスとの間に異なる時間遅延を判断し得る。この判断に基づいて、制御システムは、第3の検出されたパルスは、時間において相関しないと判断し得、従ってこの第3の光パルスに基づいて生成されたデータパケットは物体または同様のものの検出/識別のために使用すべきではないと判断し得る。しかし、この状況では、制御システムは、第3の放出されたパルスと後続の第4の検出されたパルスとの間に問題の同じ特定の時間遅延を判断し得る。そのため、制御システムは、第4の検出されたパルスは時間において相関すると判断し得、この第4の検出光パルスに基づいて生成されたデータパケットは物体または同様のものの検出/識別のために使用すべきである、などと判断し得る。他の事例および例も可能である。
【0120】
[0167] さらに、前述の説明によれば、制御システムは、タイミング間隔に対する調整を判断し得、次いで、その調整に従って光を放出および検出するためにLIDAR装置を操作し得る。具体的には、制御システムは、調整されたタイミング間隔に従って光パルスを放出し、光パルスが放出される調整されたタイミング間隔と実質的に一致するタイミング間隔に従って受信される戻り光パルスだけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。このようにして、制御システムは、外部光がそれに従って放出されるタイミング間隔が、LIDAR装置によって放出および検出されている光パルスの初期タイミング間隔と一致する状況を打開するのを支援し得る。
【0121】
[0168]
図9A〜
図9Fは、LIDAR装置を外部光から保護するのに役立つタイミング間隔の変更を例示する。
【0122】
[0169] 具体的には、
図9Aによって示すように、車両300のLIDAR装置200は、代表的な光パルスa、b、およびcを2μsのタイミング間隔で放出する。本明細書で説明する配置を前提として、LIDAR装置200は従って、2μsのタイミング間隔に従って受信される光パルスだけを検出するために動作し得る。この理由のため、LIDAR装置200は代表的な光パルスd、e、およびfを検出し得、それらは
図9Bに2μsの一致するタイミング間隔を有していて、反射光であると示されている。しかし同じ理由のために、LIDAR装置200は代表的な光パルスg、h、およびIを検出しない可能性があり、それらは
図9Cに3μsの時間間隔を有していて、外部光であると示されている。
【0123】
[0170] さらに、
図9Dは、タイミング間隔が1μsの調整されたタイミング間隔に調整されていることを示す。そのため、
図9Dによって示すように、LIDAR装置200は、代表的な光パルスj、k、およびlを1μsの調整されたタイミング間隔で放出する。本明細書で説明する配置を前提として、LIDAR装置200は従って、1μsの調整されたタイミング間隔に従って受信される光パルスだけを検出するために動作し得る。この理由のため、LIDAR装置200は代表的な光パルスm、n、およびoを検出し得、それらは
図9Eに1μsの一致するタイミング間隔を有していて、反射光であると示されている。しかし同じ理由のために、たとえ光パルスp、q、およびrの時間間隔が
図9Aに示す以前の時間間隔と一致しても、LIDAR装置200は代表的な光パルスp、q、およびrを検出しない可能性があり、それらは
図9Fに2μsの時間間隔を有していて、外部光であると示されている。このように、調整は、LIDAR装置200を外部光から保護するのに役立ち得る。他の例証も可能である。
【0124】
ii.波長の変更
[0171] 本開示によれば、制御システムは、光がそれに従って放出されている波長(複数可)を経時的に変化させて、光がそれに従って放出されている波長(複数可)と一致する波長(複数可)の光だけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。
【0125】
[0172] より具体的には、本開示によれば、制御システムは、1つ以上の波長の初期セットを有する光を放出して、その初期セット内の1つ以上の波長を有する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。このようにして、制御システムは、LIDAR装置から出た反射光を、LIDAR装置から出ていなかった外部光と区別するための基礎として波長を効果的に使用し得る。そして制御システムは、それを様々な方法で行い得る。
【0126】
[0173] 一例では、制御システムは、1つ以上の波長のセットを有する光を放出するためにLIDAR装置を操作し得る。それを行っている間、またはそれを行った後、制御システムは、そのセット内ではない波長だけを検出するように構成されるLIDAR装置の検出器の動作を停止するためにLIDAR装置を操作し得る。このようにして、LIDAR装置は、検出器に到達するが、波長セット内の波長を有していない光に対するデータパケットを生成しない可能性がある。
【0127】
[0174] 別の例では、制御システムは、1つ以上の波長のセットを有する光を放出するためにLIDAR装置を操作し得る。次いで、LIDAR装置は、それぞれいくつかの光パルスの検出に基づいてデータパケットを生成し得る。各かかるデータパケットに対して、制御システムは、データパケットに対するメタデータまたは同様のものを生成し得、メタデータはそのパケットと関連付けられた光パルスの波長を示す(例えば、その光パルスを検出した検出器の波長構成に基づいて)。この配置で、メタデータがそのセット内にある波長を示す場合、制御システムは、関連付けられたデータパケットは物体の検出/識別のために使用すべきであると判断し得、従って制御システムは、そのデータパケットをこのように使用し得る。しかし、メタデータがそのセット内にない波長を示す場合、制御システムは、そのデータパケットは物体の検出/識別のために使用すべきではないと判断し得、従って制御システムは、このデータパケットを廃棄するかまたは別の方法で無視し得る。
【0128】
[0175] さらに別の例では、制御システムは、1つ以上の波長のセットを有する光を放出するためにLIDAR装置を操作し得る。それを行っている間、またはそれを行った後、制御システムは、そのセット内の波長を有する光だけ通過させて、そのセット内ではない波長を有する光を遮断するためにLIDAR装置の適応フィルタを再構成し得る。このようにして、セット内の1つ以上の波長を有する光だけが検出器に到達し得、従って最終的に物体または同様のものの検出/識別のための基礎として使用され得る。他の例も可能である。
【0129】
[0176] その上さらに、前述の説明によれば、制御システムは、1つ以上の波長の初期セットに対する調整を判断し得る。実際には、調整は、他の選択肢の中でもとりわけ、セットの少なくとも1つの波長の異なる波長との置換、セットからの波長の除去、および/またはセットへの波長の追加を伴い得る。そのため、制御システムは、1つ以上の波長の調整されたセットを有する光を放出して、調整されたセット内にある1つ以上の波長を有する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。このようにして、制御システムは、外部光がそれに従って放出される1つ以上の波長が、LIDAR装置によって放出および検出されている波長のセット内である状況を打開するのを支援し得る。
【0130】
[0177]
図10A〜
図10Fは、LIDAR装置を外部光から保護するのに役立つ波長の変更を例示する。
【0131】
[0178] 具体的には、
図10Aによって示すように、車両300のLIDAR装置200は、1550nmの波長を有する代表的な光を放出する。本明細書で説明する配置を前提として、LIDAR装置200は従って、1550nmの波長を有する光だけを検出するために動作し得る。この理由のため、LIDAR装置200は
図10Bに示す代表的な光を検出し得、それは1550nmの一致する波長を有していて、反射光のものである。しかし同じ理由のために、LIDAR装置200は
図10Cに示す代表的な光を検出しない可能性があり、それは473nmの波長を有していて、外部光のものである。
【0132】
[0179] さらに、
図10Dは、波長が1552nmの調整された波長に調整されていることを示す。そのため、
図10Dによって示すように、LIDAR装置200は、1552nmの波長を有する代表的な光を放出する。本明細書で説明する配置を前提として、LIDAR装置200は従って、1552nmの波長を有する光だけを検出するために動作し得る。この理由のため、LIDAR装置200は
図10Eに示す代表的な光を検出し得、それは1552nmの一致する波長を有していて、反射光のものである。しかし同じ理由のために、たとえこの波長が
図10Aに示す以前の波長と一致しても、LIDAR装置200は
図10Fに示す代表的な光を検出しない可能性があり、それは1550nmの波長を有していて、外部光のものである。このように、調整は、LIDAR装置200を外部光から保護するのに役立ち得る。他の例証も可能である。
【0133】
iii.強度の変更
[0180] 本開示によれば、制御システムは、光がそれに従って放出されている強度パターンを経時的に変化させて、光がそれに従って放出されている強度パターンを有する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。
【0134】
[0181] より具体的には、本開示によれば、制御システムは、初期強度パターンに従って空間的に変化する強度を有する光パルスを放出するためにLIDAR装置を操作し得る。また、制御システムは、初期強度パターンに実質的に対応する強度パターンに従って空間的に変化する強度を有する光パルスだけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。このようにして、制御システムは、LIDAR装置から出た反射光を、LIDAR装置から出ていなかった外部光と区別するための基礎として強度の評価を効果的に使用し得る。そして制御システムは、それを様々な方法で行い得る。
【0135】
[0182] 一例では、制御システムは、各々が交互強度パターン(alternating intensity pattern)に従ったそれぞれの強度を有するいくつかの光パルスを環境内の領域に向かって放出するためにLIDAR装置を操作し得る。例えば、第1の光パルスは0.2W/m
2の強度を有し得、第1の光パルスに空間的に隣接する第2の光パルスは0.4W/m
2の強度を有し得、第2の光パルスに空間的に隣接する第3の光パルスは0.2W/m
2の強度を有し得、第3の光パルスに空間的に隣接する第4の光パルスは0.4W/m
2の強度を有し得る、など。この配置で、制御システムは、交互強度パターンに従って空間的に変化する強度を有する環境内の領域から到着する光パルスだけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。実際には、かかる光強度は、他の可能性の中でもとりわけ、1つ以上の光度計を使用して判断され得る。
【0136】
[0183] 1つのシナリオ例では、LIDAR装置は、いくつかの光パルスを受信し得、そしてこれらの光パルスのそれぞれの強度を判断し得る。このシナリオ例では、第1の受信された光パルスは0.1W/m
2の強度を有し得、第1の受信された光パルスに空間的に隣接する第2の受信された光パルスは0.3W/m
2の強度を有し得、第2の受信された光パルスに空間的に隣接する第3の受信された光パルスは0.1W/m
2の強度を有し得、第3の受信された光パルスに空間的に隣接する第4の受信された光パルスは0.3W/m
2の強度を有し得る、など。これらの強度を前提として、制御システムは、受信された光パルスが、交互強度パターンに従って空間的に変化する強度を有すると判断し得る。その結果として、制御システムは、環境の領域内の物体または同様のものの検出/識別のためにこれらの受信されたパルスに基づいて生成されたデータを応答して使用し得る。
【0137】
[0184] 別のシナリオでは、LIDAR装置は、いくつかの光パルスを受信し得、そしてこれらの光パルスのそれぞれの強度を判断し得る。この例では、第1の受信された光パルスは0.4W/m
2の強度を有し得、第1の受信された光パルスに空間的に隣接する第2の受信された光パルスは0.4W/m
2の強度を有し得、第2の受信された光パルスに空間的に隣接する第3の受信された光パルスは0.3W/m
2の強度を有し得、第3の受信された光パルスに空間的に隣接する第4の受信された光パルスは0.5W/m
2の強度を有し得る。これらの強度を前提として、制御システムは、受信された光パルスが、問題の交互強度パターンではない強度パターンに従って空間的に変化する強度を有すると判断し得る。その結果として、制御システムは、環境の領域内の物体または同様のものの検出/識別のためにこれらの受信されたパルスに基づいて生成されたデータを応答して使用しない可能性がある。
【0138】
[0185] 別の例では、制御システムは、隣接した強度が特定の絶対強度差を有し、かつ/または特定の割合だけ異なる、特定の強度パターンに従って、各々がそれぞれの強度を有する、いくつかの光パルスを環境内の領域に向かって放出するためにLIDAR装置を操作し得る。例えば、第1の光パルスは0.5W/m
2の強度を有し得、第1の光パルスに空間的に隣接する第2の光パルスは1.5W/m
2の強度を有し得、第2の光パルスに空間的に隣接する第3の光パルスは2.5W/m
2の強度を有し得、第3の光パルスに空間的に隣接する第4の光パルスは3.5W/m
2の強度を有し得る、など。このように、特定の強度パターンは、隣接した光パルスが1W/m
2の絶対差だけ異なる強度を有するものであり得る。この配置で、制御システムは従って、特定の強度パターンに従って空間的に変化する強度を有する環境内の領域から到着する光パルスだけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。
【0139】
[0186] 1つのシナリオ例では、LIDAR装置は、いくつかの光パルスを受信し得、そしてこれらの光パルスのそれぞれの強度を判断し得る。このシナリオ例では、第1の受信された光パルスは0.1W/m
2の強度を有し得、第1の受信された光パルスに空間的に隣接する第2の受信された光パルスは1.1W/m
2の強度を有し得、第2の受信された光パルスに空間的に隣接する第3の受信された光パルスは2.1W/m
2の強度を有し得、第3の受信された光パルスに空間的に隣接する第4の受信された光パルスは3.1W/m
2の強度を有し得る、など。これらの強度を前提として、制御システムは、隣接する受信された光パルスが、1W/m
2の絶対差だけ異なる強度を有すると判断し得、それにより、受信された光パルスが、特定の強度パターンに従って空間的に変化する強度を有すると判断する。その結果として、制御システムは、環境の領域内の物体または同様のものの検出/識別のためにこれらの受信されたパルスに基づいて生成されたデータを応答して使用し得る。
【0140】
[0187] 別のシナリオ例では、LIDAR装置は、いくつかの光パルスを受信し得、そしてこれらの光パルスのそれぞれの強度を判断し得る。このシナリオ例では、各受信された光パルスは2W/m
2の強度を有し得る。これらの強度を前提として、制御システムは、隣接する受信された光パルスの強度の間には差がないと判断し得、従って受信された光パルスは、特定の強度パターンに従って空間的に変化する強度を有していないと判断する。その結果として、制御システムは、環境の領域内の物体または同様のものの検出/識別のためにこれらの受信されたパルスに基づいて生成されたデータを応答して使用しない可能性がある。他の例およびシナリオ例も可能である。
【0141】
[0188]
図11A〜
図11Fは、LIDAR装置を外部光から保護するのに役立つ強度の変更を例示する。
【0142】
[0189] 具体的には、
図11Aによって示すように、車両300のLIDAR装置200は、1W/m
2の強度を有する代表的な光パルス「a」、2W/m
2の強度を有する代表的な光パルス「b」、および3W/m
2の強度を有する代表的な光パルス「c」を放出する。このように、放出光パルスの強度は、隣接する強度が1W/m
2の特定の絶対強度差を有する特定の強度パターンに従って変化する。本明細書で説明する配置を前提として、LIDAR装置200は従って、特定の強度パターンと一致する強度パターンに従って空間的に変化する強度を有する光パルスだけを検出するために動作し得る。
【0143】
[0190] この理由のため、LIDAR装置200は代表的な光パルスd、e、およびfを検出し得、それは
図11Bに一致する強度パターンを有していて、反射光のものであると示されている。具体的には、
図11Bに示すように、隣接する光パルスの強度は、1W/m
2の絶対強度差だけ異なる。しかし同じ理由のために、LIDAR装置200は代表的な光パルスg、h、およびiを検出しない可能性があり、それは
図11Cに異なる強度パターンを有していて、外部光のものであると示されている。具体的には、
図11Cに示すように、隣接する光パルスの強度は、0.5W/m
2の絶対強度差だけ異なる。
【0144】
[0191] さらに、
図11Dは、タイミング間隔が調整された強度パターンに調整されていることを示す。具体的には、
図11Dによって示すように、LIDAR装置200は、0.6W/m
2の強度を有する代表的な光パルス「j」、1.2W/m
2の強度を有する代表的な光パルス「k」、および0.6W/m
2の強度を有する代表的な光パルス「l」を放出する。このように、放出光パルスの強度は、隣接する強度が0.6W/m
2の特定の絶対強度差を有する調整された強度パターンに従って変化する。本明細書で説明する配置を前提として、LIDAR装置200は従って、調整された強度パターンと一致する強度パターンに従って空間的に変化する強度を有する光パルスだけを検出するために動作し得る。
【0145】
[0192] この理由のため、LIDAR装置200は代表的な光パルスm、n、およびoを検出し得、それらは
図11Eに一致する強度パターンを有していて、反射光であると示されている。具体的には、
図11Dに示すように、隣接する光パルスの強度は、0.6W/m
2の絶対強度差だけ異なる。しかし同じ理由のために、たとえ光パルスp、q、およびrの強度パターンが
図11Aに示す以前の強度パターンと一致しても、LIDAR装置200は代表的な光パルスp、q、およびrを検出しない可能性があり、それらは
図11Fに異なる強度パターンを有していて、外部光のものであると示されている。具体的には、
図11Fに示すように、隣接する光パルスの強度は、1W/m
2の絶対強度差だけ異なる。このように、調整は、LIDAR装置200を外部光から保護するのに役立ち得る。他の例証も可能である。
【0146】
iv.変調の変更
[0193] 本開示によれば、制御システムは、光がそれに従って放出されている変調を経時的に変化させて、光がそれに従って放出されている変調に対応する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。実際には、かかる変調は、他の可能性の中でもとりわけ、光の位相変調、光の振幅変調、および/または光の周波数変調であり得る。さらに放出光は、他の選択肢の中でもとりわけ、光変調器を使用して変調できる。さらになお、検出光の変調は、他の選択肢の中でもとりわけ、光復調器を使用して判断できる。
【0147】
[0194] より具体的には、本開示によれば、制御システムは、初期変調に従って(例えば、特定のパターンで変調された)光を放出して、初期変調に対応する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。このようにして、制御システムは、LIDAR装置から出た反射光を、LIDAR装置から出ていなかった外部光と区別するための基礎として光変調の評価を効果的に使用し得る。そして制御システムは、それを様々な方法で行い得る。
【0148】
[0195] 例として、制御システムは、その上のコード化された特定の位相変化を有する変調パターンを含む特定の位相変調に従って光を放出するためにLIDAR装置を操作し得る。それを行っている間、またはそれを行った後、LIDAR装置は光を受信し得、そして制御システムが次いで、受信された光が特定の位相変化を有する変調パターンを有しているかを判断し得るように、光復調器が復調を適用し得、それにより受信された光が特定の位相変調に対応するかどうかを判断する。受信された光が特定の位相変調に対応すると制御システムが判断する場合、制御システムは、環境内の物体または同様のものの検出/識別のためにその光に基づいて生成されたデータを応答して使用し得る。しかし、受信された光が特定の位相変調に対応していないと制御システムが判断する場合、制御システムは、環境内の物体または同様のものの検出/識別のためにその光に基づいて生成されたデータを応答して使用しない可能性がある。
【0149】
[0196] 別の例では、制御システムは、振幅変調パターンを含む特定の振幅変調に従って光を放出するためにLIDAR装置を操作し得る。これに関して、いくつかの事例では、ある期間、光の放出がないことは、ゼロ信号強度に対応し、従って、振幅変調の一部と考えることができる。それでも、光の放出中、または光の放出後、LIDAR装置は光を受信し得、そして制御システムが次いで、受信された光が振幅変調パターンを有しているかを判断し得るように、光復調器が復調を適用し得、それにより受信された光が特定の振幅変調に対応するかどうかを判断する。受信された光が特定の振幅変調に対応すると制御システムが判断する場合、制御システムは、環境内の物体または同様のものの検出/識別のためにその光に基づいて生成されたデータを応答して使用し得る。しかし、受信された光が特定の振幅変調に対応していないと制御システムが判断する場合、制御システムは、環境内の物体または同様のものの検出/識別のためにその光に基づいて生成されたデータを応答して使用しない可能性がある。他の例も可能である。
【0150】
[0197] その上さらに、前述の説明によれば、制御システムは、初期変調に対する調整を判断し得る。実際には、調整は、他の選択肢の中でもとりわけ、異なるパターンに従って変調されている光を伴い得る。そのため、制御システムは、調整された変調に従って光を放出して、光がそれに従って放出される調整された変調に対応する光だけを検出するためにLIDAR装置を操作し得る。このようにして、制御システムは、外部光がそれに従って放出される変調が、LIDAR装置により光がそれに従って放出および検出される変調と一致する状況を打開するのを支援し得る。
【0151】
[0198]
図12A〜
図12Fは、LIDAR装置を外部光から保護するのに役立つ変調の変更を例示する。
【0152】
[0199] 具体的には、
図12Aによって示すように、車両300のLIDAR装置200は、代表的な変調Aに従って代表的な光を放出する。本明細書で説明する配置を前提として、LIDAR装置200は従って、変調Aに対応する光だけを検出するために動作し得る。この理由のため、LIDAR装置200は
図12Bに示す代表的な光を検出し得、それは一致する変調Aを有していて、反射光のものである。しかし同じ理由のために、LIDAR装置200は
図12Cに示す代表的な光を検出しない可能性があり、それは変調Bを有していて、外部光のものである。
【0153】
[0200] さらに、
図12Dは、変調が調整された変調Cに調整されていることを示す。そのため、
図12Dによって示すように、LIDAR装置200は、変調Cに従って代表的な光を放出する。本明細書で説明する配置を前提として、LIDAR装置200は従って、変調Cに対応する光だけを検出するために動作し得る。この理由のため、LIDAR装置200は
図12Eに示す代表的な光を検出し得、それは一致する変調Cを有していて、反射光のものである。しかし同じ理由のために、たとえこの変調Aが
図12Aに示す以前の変調と一致しても、LIDAR装置200は
図12Fに示す代表的な光を検出しない可能性があり、それは変調Aを有していて、外部光のものである。このように、調整は、LIDAR装置200を外部光から保護するのに役立ち得る。他の例証も可能である。
【0154】
VI.LIDAR装置を保護するための反応的緩和手順
[0201] 本開示によれば、制御システムは、反応的緩和手順に関与するように構成され得る。具体的には、反応的緩和手順は、LIDAR装置を外部光から保護するための1つ以上の操作を実行し、それを特に、外部光がLIDAR装置に向かって放出されていることの検出に応答して実行する制御システムを伴い得る。このようにして、制御システムは、LIDAR装置の動作を外部光から保護するために反応的緩和特徴が整っていることを確実にし得る。
【0155】
[0202]
図13は、実施態様例に従った、方法1300を例示するフローチャートである。具体的には、方法1300は、外部光の検出に応答して、反応的緩和手順を実行するために実装され得る。
【0156】
[0203] ブロック1302で、方法1300は、1つ以上のセンサーから、LIDAR装置に向かって放出されている外部光を示すセンサーデータを受信することを伴い、その外部光は、LIDAR装置の光源以外の光源から出ている。実施態様例によれば、放出されている外部光を示すセンサーデータを生成するように構成されるセンサーは、1つ以上の様々な形を取り得る。
【0157】
[0204] 一例では、外部センサーがLIDAR装置に(例えば、覆いに)連結され得、外部光を示すセンサーデータを生成するように構成され得る。例えば、外部センサーは、LIDAR装置が現在放出する光のもの以外の光学特性を有している光を受信するように構成される光センサーまたは同様のものであり得る。外部センサーが光を検出すると、問題の外部センサーは応答して信号を制御システムに送信し得る。そして、信号の受信に応答して、制御システムは、外部光がLIDAR装置に向かって放出されていると判断し得る。
【0158】
[0205] 別の例では、外部光を示すセンサーデータを生成するように構成されたセンサーは、LIDAR装置自体であり得る。例えば、LIDAR装置は、LIDAR装置が放出する光のもの以外の光学特性を有している光を受信するように構成された光検出器(例えば、検出器アレイ内の)を含み得る。光検出器が光を検出すると、問題の光検出器は、データが次いでそれに基づいて生成される信号を応答して生成し得る。そして問題の光検出器に起因して生成されているそのデータに少なくとも基づいて、制御システムは、外部光がLIDAR装置に向かって放出されていると判断し得る。
【0159】
[0206] さらに別の例では、外部光を示すセンサーデータを生成するように構成されたセンサーは、LIDAR装置以外の車両のセンサーであり得る。例えば、
図17の車両1700と関連して以下で説明するセンサーのいずれかがこの目的のために使用できる。しかし、様々な他のセンサーが車両に組み込まれ得、追加または代替としてその目的でも使用できる。特定の例では、制御システムは、車両のカメラから画像データを受信し得、そして制御システムは、画像データが(例えば、現在知られているか、または将来開発される物体認識技術を使用して)環境内の外部光源画像を含むと判断し得る。この例では、制御システムは従って、画像データに基づいて、外部光が放出されているか、または少なくともLIDAR装置に向かって放出されている可能性があると判断し得る。他の例も可能である。
【0160】
[0207] ブロック1304で、方法1300は、LIDAR装置に向かって放出されている外部光を示すセンサーデータの受信に応答して、LIDAR装置の動作を外部光から保護するための反応的緩和手順に関与することを伴い、反応的緩和手順は、次の少なくとも1つ:(i)外部光がLIDAR装置によって検出されるのを阻止するためにシャッターを作動させるようにLIDAR装置を操作すること、または(ii)光がそれに従って放出されている特性を経時的に変化させるため、および光がそれに従って放出されている特性と一致する特性を有する光だけを検出するために、LIDAR装置を操作すること、を含む。
【0161】
i.シャッター作動
[0208] 本開示によれば、制御システムは、外部光がLIDAR装置によって検出されるのを阻止するためにシャッターを作動させるようにLIDAR装置を操作することにより外部光の検出に応答し得る。実際には、制御システムは、シャッターを一時的に作動させ得る。このようにして、制御システムは、LIDAR装置が依然として長期間にわたって環境に関する情報を提供するのを確実にしながら、LIDAR装置による外部光の検出を阻止するのを支援し得る。一般に、問題のシャッターは、様々な形の1つを取り得る。
【0162】
[0209] ある事例では、シャッターは機械式シャッターであり得る。例えば、機械式シャッターは、他の選択肢の中でもとりわけ、フォーカルプレンシャッター、単純なリーフシャッター、絞りシャッター、および/またはセントラルシャッターの形を取り得る。この場合、制御システムは、外部光がLIDAR装置によって検出されるのを阻止するためにシャッターを作動させる(「閉じる」)ように信号または同様のものを送信することにより機械式シャッターを作動させ得る。
【0163】
[0210] 別の事例では、シャッターは、光シャッターであり得る。具体的には、光シャッターは、作動されると、1つ以上の対象波長を有する光を除去し得、1つ以上の対象波長以外の波長を有する光を通過させ得る。例えば、光シャッターは、前述した適応フィルタであり得る。そのため、制御システムは、適応フィルタを作動させるためにLIDAR装置を操作できる。さらに、制御システムは、外部光の波長を(例えば、受信したセンサーデータに基づいて)判断し得、次いで、判断された波長を、適応フィルタが除去する対象波長の少なくとも1つとして選択するように適応フィルタをそれに応答して再構成し得る。このようにして、制御システムは、外部光がLIDAR装置によって検出されないようにしながら、反射光がLIDAR装置によって検出されるのを確実にし得る。他の事例および例も可能である。
【0164】
[0211] さらなる態様では、LIDAR装置は、環境の特定の部分からLIDAR装置に向かって放出されている外部光を示すセンサーデータを生成するために配置されたルックアヘッドセンサーを含み得る。初めに、ルックアヘッドセンサーは、他の選択肢の中でもとりわけ、前述した外部センサーにできる。また、ルックアヘッドセンサーは、LIDAR装置が、環境の一部分をスキャンする位置まで回転する前に、外部光が存在するかどうか環境のその部分を効果的にチェックするように配置できる。一旦、LIDAR装置が環境のその部分をスキャンしているか、またはスキャンしようとしている位置まで回転していると制御システムが判断すると、制御システムは、外部光が検出されるのを阻止するために応答してシャッターを作動させ得る。
【0165】
[0212] このため、外部光がLIDAR装置に向かって放出されているとルックアヘッドセンサーが判断すれば、制御システムは、ルックアヘッドセンサーからのデータに基づいて外部光が放出されている環境の特定の部分を判断するため、および従って、シャッターを作動すべき時を判断するために、様々なアプローチの1つ以上を使用し得る。
【0166】
[0213] アプローチ例では、制御システムは、ルックアヘッドセンサーから、外部光を示すセンサーデータを受信し得る。このアプローチでは、制御システムは、ルックアヘッドセンサーが外部光を検出する時に、ルックアヘッドセンサーの特定の角度位置を(例えば、ロータリーエンコーダを使用して)判断し得る。次いで、LIDAR装置上のルックアヘッドセンサーの位置と、光がそれを通って受信されるLIDAR装置の開口部の位置との間の角度オフセットに基づいて、開口部は、LIDAR装置が角度オフセットと実質的に一致する程度だけ回転した後の特定の角度位置であると制御システムは判断し得る。そのため、制御システムは、開口部が特定の角度位置にあるという判断に応答して、シャッターを作動させ得る。実際には、制御システムは、LIDAR装置が問題の角度オフセットと実質的に一致する程度だけ回転していると判断するために、ロータリーエンコーダを使用することによりかかる判断を行い得るか、またはそれを他の方法で行い得る。
【0167】
[0214] さらに、いくつかの事例では、制御システムは、開口部が特定の角度位置であると予期される時を判断するか、または推定するために角度オフセットと組み合わせて、LIDAR装置のリフレッシュレートも使用し得る。かかる場合、制御システムは、開口部が特定の角度位置にあると予期される時にシャッターを作動させ得る。他の事例およびアプローチも可能である。
【0168】
[0215] その上、記述のように、制御システムは、シャッターを一時的にのみ作動させ得る。ルックアヘッドセンサー配置の文脈では、制御システムは、外部光がLIDAR装置に向かって放出されている環境の特定部分を、LIDAR装置がスキャンしているか、またはスキャンしようとしている間だけ、シャッターを作動させ得る。例えば、制御システムは、LIDAR装置が環境の特定部分をもうスキャンしていないと(例えば、ロータリーエンコーダを使用して)判断し得る。それに応答して、制御システムは、もう光を遮断しないようにシャッターの動作を停止するためにLIDAR装置を操作し得る。一般に、ルックアヘッドセンサーが、環境のそれに続く部分から外部光が放出されていることを示すセンサーデータを生成しなかった場合に限り、制御センサーはそれを行い得る。ルックアヘッドセンサーがかかるデータを生成した状況では、制御システムは、前述の説明に従ってなど、外部光を遮断するためにシャッターの作動を維持するようにLIDAR装置を操作するであろう。
【0169】
[0216]
図14A〜
図14Cは、ルックアヘッドセンサー配置の文脈におけるシャッターの作動を例示する。具体的には、
図14Aは、LIDAR装置200が光を放出して反射光を検出する間に、代表的なルックアヘッドセンサー1402が環境の特定部分からLIDAR装置に向かって放出されている外部光を検出することを示す。
図14Bは次いで、一旦、LIDAR装置200が環境の特定部分をスキャンするために配置される位置まで回転していると、代表的な機械式シャッター1404が作動されていることを例示する。そのため、機械式シャッター1404は、
図14Bによって示すように、外部光を遮断する。最後に、LIDAR装置がさらに回転した後に、環境の特定部分をもうスキャンしていないので、
図14Cに示すように、機械式シャッター1404が、もう光を遮断しないように動作を停止される。他の例証も可能である。
【0170】
ii.光学特性の変更
[0217] 本開示によれば、制御システムは追加または代替として、光がそれに従って放出されている特性を経時的に変化させるため、および光がそれに従って放出されている特性と同じ特性を有する光だけを検出するために、LIDAR装置を操作することによって、外部光の検出に応答し得る。これに関して、予防的緩和手順の文脈で前述した特徴のいずれかが、反応的緩和手順の文脈で実行され得る。そのため、制御システムは、前述の説明に従って、タイミング、波長、強度、および/または変調を変化させるためにLIDAR装置を操作することにより、外部光の検出に応答し得る。
【0171】
[0218] さらなる態様では、光学特性を変化させることによって外部光の検出に応答することは、LIDAR装置を外部光から保護するのを支援するためにバックアップ波長の使用を伴い得る。具体的には、制御システムは、前述の説明に従って、第1の波長を放出するため、および第1の波長を有する光を少なくとも検出するためにLIDAR装置を操作し得る。次いで、制御システムは、第1の波長を有する光を放出し続けるため、および第1の波長とは異なる第2の波長を有する光を追加として放出するために、LIDAR装置を操作し得る。この状況で、制御システムは、たとえLIDAR装置が第1の波長を有する光を放出し続けていても、第1の波長を有する光をもう検出しないため、および代わりに第2の波長を有する光を検出するためにも、LIDAR装置を操作し得る。
【0172】
[0219] 実際には、バックアップ波長の使用は、どの波長が実際にLIDAR装置による検出のために使用されているかを突き止めるのをさらに困難にする手助けをし得る。具体的には、記述のように、外部光の光学特性は、LIDAR装置によって放出および検出されている光の光学特性のセットと一致するように手動で、または自動的に変更できる。この理由のため、外部光の波長は、最初に放出された第1の波長に一致するように手動で、または自動的に変更でき、そして外部光の波長は、第1の波長を有する光の継続的な放出のために、第1の波長と一致し続け得る。しかし、制御システムは、バックアップの第2の波長を有する光を代わりに検出するためにLIDAR装置を操作し始めているので、かかる一致は、もう問題を提示しない可能性がある。その上、いくつかの事例では、制御システムは、外部光の検出に応答してのみバックアップ波長を使用するのではなく、外部光が一致する第1の波長を有するという判断に特に応答して、バックアップの第2の波長の開示する使用を具体的に実行し得る。他の事例も可能である。
【0173】
[0220]
図15A〜
図15Bは、LIDAR装置を外部光から保護するのを支援するためのバックアップ波長の使用を例示する。具体的には、LIDAR装置200は当初は、
図15Aによって示すように、1550nmの波長を有する光を放出し得、そして1550nmの波長を有する光を検出し得る。
図15Bによって示すように、LIDAR装置に向かう外部光の放出が検出される。それに応答して、LIDAR装置は次いで、1550nmの波長を有する光および1552nmのバックアップ波長を有する光を放出する。しかし、前述の説明によれば、LIDAR装置200は、1550nmの波長を有する光をもう検出しないため、および代わりに1552nmの波長を有する光を検出するために、操作され得る。このように、どの波長が実際にLIDAR装置200による検出のために使用されているかを突き止めるのがさらに困難になり得る。他の例証も可能である。
【0174】
VII.追加の特徴
[0221] 本開示によれば、追加の特徴が、LIDAR装置および/またはLIDAR装置が配置されている車両を保護するのに役立ち得る。ある追加の特徴が説明されるが、他の特徴も可能である。
【0175】
i.緩和操作の選択
[0222] 一実施態様例では、制御システムは、前述した緩和操作のどの組合せを実行すべきかを選択し得る。予防的緩和手順の文脈で、制御システムは、他の選択肢の中でもとりわけ、次から1つ以上の操作:タイミングの変更、波長の変更、強度の変更、および/または変調の変更、を選択し得る。そして、反応的緩和手順の文脈では、制御システムは、他の選択肢の中でもとりわけ、次から1つ以上の操作:機械式シャッターの使用、光シャッターの使用、バックアップ波長の使用、受信経路(receive path)における異なる波長フィルタの使用、タイミングの変更、波長の変更、強度の変更、および/または変調の変更、を選択し得る。
【0176】
[0223] さらに、制御システムは、様々な要因に基づいて、1つ以上の緩和操作を選択し得る。実際には、制御システムは、それらの要因の任意の組合せを選択のための基礎として使用し得、恐らく選択の一部としてある要因に他と比べてより高い重みを与える。また、要因例が以下で紹介されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な他の要因も可能である。
【0177】
[0224] 具体的には、制御システムは、他の可能性の中でもとりわけ、次の少なくとも1つ:LIDAR装置によって光が放出されている特性、反射光の特性、外部光の特性、LIDAR装置によるエネルギー使用、LIDAR装置を使用して検出された物体(複数可)の距離(複数可)、LIDAR装置を使用して識別された物体(複数可)、車両の位置、車両の目的地、車両の状態、または車両の他のセンサーによって生成されたセンサーデータ、に基づいて、1つ以上の緩和操作を選択し得る。
【0178】
[0225] さらなる態様では、制御システムが2つ以上の緩和操作を選択すると、制御システムはこれらの選択された操作を組み合わせて使用するためのアプローチも決定し得る。実際には、制御システムは、前述の要因の1つ以上に基づいてそのアプローチを決定し得、かつ/または他の方法でアプローチを決定し得る。
【0179】
[0226] 一例では、制御システムは、第1の緩和操作に続くべき第2の緩和操作を判断することによるなど、選択された緩和操作を使用する順序を判断し得る。これに関して、制御システムは、第2の緩和操作は、第1の緩和操作の終了直後に開始すべきと判断し得る。代替として、制御システムは、第1の緩和操作の実行後、特定の期間待機し、次いで、特定の期間が満了すると第2の緩和操作を実行すべきであると判断し得る。
【0180】
[0227] 別の例では、制御システムは、2つ以上の選択された緩和操作を同時に実行すべきであると判断し得る。これに関して、制御システムは、選択された緩和操作の実行を同一時点で開始すべきであると判断し得る。代替として、制御システムは、第1の緩和操作の実行を開始し、そして第1の緩和操作の実行の最中に、第2の緩和操作の実行を開始すべきであると判断し得る。他の例も可能である。
【0181】
ii.外部光源の位置の特定
[0228] 一実施態様例では、制御システムは、外部光を放出する外部光源と関連付けられた位置を判断するために、車両の1つ以上のセンサーを操作し得る。例として、位置の判断は、他の可能性の中でもとりわけ、車両のカメラからのデータに基づき得る。それでも、位置のかかる判断は、単一の事例に対して、時々、および/または継続的に起こり得る。この配置で、制御システムは、LIDAR装置に向かって外部光が放出されているか、または放出されている可能性がある環境の部分を効果的に追跡することが可能であり得る。追加または代替として、制御システムは、判断された位置を、他の選択肢の中でもとりわけ、近くの車両などの、様々な実体に(例えば、無線通信リンクを経由して)報告できる。
【0182】
iii.車両の他のシステムの保護
[0229] 一実施態様例では、制御システムは、LIDAR装置に向かって放出されている外部光の検出および特性化を、車両の他のシステム(複数可)を保護するための操作を開始するためのトリガーとして使用し得る。例えば、外部光の検出に応答して、制御システムは、本明細書で説明する緩和操作の任意の1つに従って異なるLIDAR装置を操作することによるなど、車両の異なるLIDAR装置を保護するための操作を開始し得る。このようにして、制御システムは、車両の1つ以上の他のシステムを保護するための手段を効果的に開始し得る。
【0183】
iv.車両の他のシステム使用のトリガー
[0230] 一実施態様例では、制御システムは、LIDAR装置に向かって放出されている外部光の検出を、環境に関する情報を取得するために車両の1つ以上の他のシステムを追加または代替として使用するためのトリガーとして使用し得る。例えば、外部光の検出に応答して、制御システムは追加または代替として、他の可能性の中でもとりわけ、車両の異なるLIDAR装置、車両のカメラ、および/または車両のレーダーを使用し得る。このようにして、制御システムは、外部光の存在にもかかわらず、制御システムが次いで、それに基づいて車両を操作できる、環境に関する情報を受信することが可能であることを確実にするために効果的に対策を講じ得る。
【0184】
v.外部光の垂直遮断
[0231] 一実施態様例では、外部光を水平FOVに沿って遮断するためのシャッターの使用に加えて、またはその代わりに、制御システムは外部光を垂直FOVに沿って遮断するためにシャッターを作動させるように構成され得る。
【0185】
[0232] 具体的には、LIDAR装置および/または車両は、外部光がそこからLIDAR装置に到達している垂直FOVに沿った位置を示すセンサーデータを生成するように構成されたセンサーを含み得、制御システムは、このセンサーデータに基づいてその垂直位置(例えば、LIDAR装置の上または下の位置)を判断し得る。例えば、このセンサーは、垂直FOVに沿って角度間隔を有する光検出器の線形アレイであり得る。他の例も可能である。
【0186】
[0233] 追加として、問題のシャッターは、マイクロミラーのMEMSアレイなどの、微小電気機械システム(MEMS)であり得る。この配置で、一旦、垂直位置が判断されると、制御システムは、その垂直位置から到着している外部光を遮断し、かつ/または向け直すためにMEMSアレイを操作し得る。具体的には、制御システムは、垂直位置から到着している外部光を逸らせるためにマイクロミラーの1つ以上の角度位置を変更するためにMEMSアレイを操作し得る。このようにして、開示する実施態様は、水平FOVに沿ったLIDAR装置による環境の連続したスキャンを可能にしながら、垂直FOVに沿った外部光の遮断を可能にし得る。他の態様および実施態様も可能である。
【0187】
VIII.LIDAR装置によるスキャンに基づく車両の制御
[0234] 記述のように、制御システムは、本明細書で開示するLIDAR装置から受信したスキャンに基づき車両を操作し得る。具体的には、制御システムは、車両の周囲の環境のスキャンをLIDAR装置から受信し得る。そして、制御システムは、LIDAR装置から受信した環境のスキャンに少なくとも基づいて車両を操作し得る。
【0188】
[0235] より具体的には、制御システムは、光を環境に放出するためにLIDAR装置100を操作し得る。また、コントローラは、反射光の検出を表すデータをLIDAR装置100から受信し得る。そして検出光ビームを放出光ビームと比較することにより、コントローラは環境内の1つ以上の物体の少なくとも1つの態様を判断し得る。
【0189】
[0236] 例えば、複数の光ビームがLIDAR装置100の送信機によって放出された時間と、LIDAR装置100の受信機が反射光を検出した時間を比較することにより、LIDAR装置100と環境内の物体との間の距離が測定され得る。他の例では、形状、色、材料などの態様も、放出光と検出光との間の様々な比較に基づいて判断され得る。
【0190】
[0237] この配置で、制御システムは、LIDAR装置100からのデータに基づいて環境の3次元(3D)表現を決定できる。例えば、3D表現は、LIDAR装置100からのデータに基づく3D点群として制御システムによって生成され得る。例えば、3Dクラウドの各点は、反射された光パルスと関連付けられ得る。そのため、制御システムは、環境またはその部分の3D表現を(例えば、連続的に、または時々)生成し得る。そして制御システムは次いで、環境のかかる3D表現の評価に基づいて車両の動作を制御できる。
【0191】
[0238] 例として、車両は、自律モードで操作され得る。この例では、コントローラは、他の可能性の中でもとりわけ、障害物を回避することにより、車両を安全にナビゲートする(例えば、速度、方向などを調整する)ために3D表現を利用し得る。例えば、障害物もしくは物体は、3D表現を分析して、様々な障害物もしくは物体を検出および/または識別するために、画像処理アルゴリズムまたは他の計算方法を使用して検出および/または識別され得る。別の例として、車両は一部、自律または手動モードで操作され得る。この例では、車両は、例えば、車両内のディスプレイまたはスピーカーに環境内の1つ以上の物体に関する情報を提示させることにより、車両の運転手またはオペレータに様々な物体の存在もしくは様々な物体までの距離または道路状態(例えば、街灯、道路標識など)の変化を通知し得る。他の例も可能である。
【0192】
[0239] 次に
図16は、LIDAR装置200から受信した環境1600のスキャンに基づく車両300の操作例を例示する。本開示によれば、車両の制御システムは、例えば、道路標識1602および車両1604などの、遠く離れた物体を検出および識別するためにLIDAR装置200の受信機210から受信したデータを使用し得る。これに関して、制御システムは、そのデータに基づいて、道路標識1602は所望の目的地に到着するために車両300が理想的に選択すべき出口を表すと判断し得る。その判断に応答して、制御システムは次いで、車線1上の走行から車線2上の走行に変更するために車両300を操作し得る。
【0193】
[0240] 実際には、コントローラは、環境600の3D表現内の車線マーカーを認識することによりこれらの車線を区別し得る。例えば、車両の制御システムは、LIDAR装置200の受信機210から受信したデータを使用して、車線1を車線2と区別する近くの車線マーカー1606を検出および識別し得る。その上、車線を変更するために車両を操作する前に、制御システムは、環境をスキャンして物体を検出および識別し得、そのため制御システムは、それらの検出/識別された物体を回避する方法で車両300を操作でき、同時に、車線を変更するためにも車両300を操作できる。
【0194】
[0241] 例えば、制御システムは、LIDAR装置200の受信機210から受信したデータを使用して、近くの車両1608を検出および識別し、かつさらに遠くの車両1604を検出および識別し得る。それらの検出/識別に基づいて、制御システムは、車両1604および1608を回避する方法で車両300を操作し得、同時に、車線1上の走行から車線2上の走行に変更するためにも車両300を操作し得る。他の例証も可能である。
【0195】
IX.車両の配置例
[0242] 最後に、
図17は、実施形態例に従った、車両1700の簡略化したブロック図である。車両1700は、車両400と類似し得、LIDAR装置100に似たLIDAR装置を含み得る。さらに、車両1700は、方法500などの、本明細書の機能および方法を実行するように構成され得る。図に示すように、車両1700は、推進システム1702、センサーシステム1704、制御システム1706(コントローラ1706とも呼ぶことができる)、周辺機器1708、およびコンピュータシステム1710を含む。他の実施形態では、車両1700は、もっと多いか、もっと少ないか、または異なるシステムを含み得、各システムは、もっと多いか、もっと少ないか、または異なる構成要素を含み得る。
【0196】
[0243] 追加として、図示するシステムおよび構成要素は、任意の数の方法で組み合わされるか、または分割され得る。例えば、制御システム1706およびコンピュータシステム1710は、様々な操作に従って車両1700を操作する単一システムに統合され得る。
【0197】
[0244] 推進システム1702は、車両1700に対して動力移動を提供するように構成され得る。図に示すように、推進システム1702は、エンジン/モーター1718、エネルギー源1720、変速装置1722、および車輪/タイヤ1724を含む。
【0198】
[0245] エンジン/モーター1718は、内燃エンジン、電気モーター、蒸気エンジン、およびスターリングエンジンの任意の組合せであり得るか、またはそれらを含み得る。他のモーターおよびエンジンも可能である。いくつかの実施形態では、推進システム1702は、複数のタイプのエンジンおよび/またはモーターを含み得る。例えば、ガソリン電気ハイブリッド車は、ガソリンエンジンおよび電気モーターを含み得る。他の例も可能である。
【0199】
[0246] エネルギー源1720は、エンジン/モーター1718に完全に、または部分的に動力を供給するエネルギー源であり得る。すなわち、エンジン/モーター918は、エネルギー源1720を機械的エネルギーに変換するように構成され得る。エネルギー源1720の例は、ガソリン、ディーゼル、プロパン、他の圧縮ガス燃料、エタノール、太陽電池パネル、電池、および他の電力源を含む。エネルギー源(複数可)1720は、追加または代替として、燃料タンク、電池、コンデンサ、および/またははずみ車の任意の組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、エネルギー源1720は、車両1700の他のシステムにもエネルギーを供給し得る。
【0200】
[0247] 変速装置1722は、エンジン/モーター1718からの機械力を車輪/タイヤ1724に伝達するように構成され得る。この目的のため、変速装置1722は、ギアボックス、クラッチ、差動装置、駆動軸、および/または他の要素を含み得る。変速装置1722が駆動軸を含む実施形態では、駆動軸は、車輪/タイヤ1724に連結されるように構成される1つ以上の車軸を含み得る。
【0201】
[0248] 車両1700の車輪/タイヤ1724は、一輪車、二輪車/オートバイ、三輪車、または自動車/トラック四輪形式を含む、様々な形式で構成され得る。六輪以上を含むものなど、他の車輪/タイヤ形式も可能である。いずれの場合でも、車輪/タイヤ1724は、他の車輪/タイヤ1724に関して、差動回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、車輪/タイヤ1724は、変速装置1722に固定して取り付けられる少なくとも1つの車輪および運転面と接触できる車輪のリムに連結された少なくとも1つのタイヤを含み得る。車輪/タイヤ1724は、金属とゴムの任意の組合せ、または他の材料の組合せを含み得る。推進システム1702は、追加または代替として、図示したもの以外の構成要素を含み得る。
【0202】
[0249] センサーシステム1704は、車両1700が位置している環境に関する情報を検知するように構成された、いくつかのセンサー、ならびにセンサーの位置および/または向きを変更するように構成された1つ以上のアクチュエータ1736を含み得る。図に示すように、センサーシステム1704のセンサーは、全地球測位システム(GPS)1726、慣性計測装置(IMU)1728、レーダー装置1730、レーザー距離計および/またはLIDAR装置1732、ならびにカメラ1734を含む。センサーシステム1704は、例えば、車両1700の内部システムを監視するセンサー(例えば、O
2モニター、燃料計、エンジンオイル温度など)を含む、追加のセンサーも含み得る。他のセンサーも可能である。
【0203】
[0250] GPS1726は、車両1700の地理的位置を推定するように構成された任意のセンサー(例えば、位置センサー)であり得る。この目的のため、GPS1726は、車両1700の位置を地球に関して推定するように構成された送受信機を含み得る。GPS1726は、他の形式も取り得る。
【0204】
[0251] IMU1728は、慣性加速度に基づいて、車両1700の位置と方向の変化を検知するように構成されたセンサーの任意の組合せであり得る。いくつかの実施形態では、センサーの組合せには、例えば、加速度計とジャイロスコープを含み得る。センサーの他の組合せも可能である。
【0205】
[0252] レーダー装置1730は、車両1700が位置している環境内の物体を、無線信号を使用して検知するように構成された任意のセンサーであり得る。いくつかの実施形態では、物体の検知に加えて、レーダー装置1730は、追加として、物体の速度および/または進行方向を検知するように構成され得る。
【0206】
[0253] 同様に、レーザー距離計またはLIDAR装置1732は、レーザーを使用して、車両1700が位置している環境内の物体を検知するように構成された任意のセンサーであり得る。例えば、LIDAR装置1732は、1つ以上のLIDAR装置を含み得、それらの少なくとも一部は、本明細書で開示するLIDAR装置100の形を取り得る。
【0207】
[0254] カメラ1734は、車両1700が位置している環境の画像を捕捉するように構成された任意のカメラ(例えば、スチルカメラ、ビデオカメラなど)であり得る。この目的のため、カメラは前述した任意の形を取り得る。センサーシステム1704は、追加または代替として、図示したもの以外の構成要素を含み得る。
【0208】
[0255] 制御システム1706は、車両1700およびその構成要素の動作を制御するように構成され得る。この目的のため、制御システム1706は、ステアリング装置1738、スロットル1740、ブレーキ装置1742、センサーフュージョンアルゴリズム1744、コンピュータビジョンシステム1746、ナビゲーションまたは経路設定システム1748、および障害物回避システム1750を含み得る。
【0209】
[0256] ステアリング装置1738は、車両1700の進行方向を調整するように構成された機構の任意の組合せであり得る。スロットル1740は、エンジン/モーター1718の動作速度、および、その結果として、車両1700の速度を制御するように構成された機構の任意の組合せであり得る。ブレーキ装置1742は、車両1700を減速させるように構成された機構の任意の組合せであり得る。例えば、ブレーキ装置1742は、摩擦を使用して、車輪/タイヤ1724の速度を落とし得る。別の例として、ブレーキ装置1742は、車輪/タイヤ1724の運動エネルギーを電流に変換し得る。ブレーキ装置1742は、他の形も取り得る。
【0210】
[0257] センサーフュージョンアルゴリズム1744は、センサーシステム1704からのデータを入力として受け入れるように構成されたアルゴリズム(またはアルゴリズムを格納しているコンピュータプログラム製品)であり得る。データは、例えば、センサーシステム1704のセンサーで検知された情報を表すデータを含み得る。センサーフュージョンアルゴリズム1744は、例えば、カルマンフィルタ、ベイジアンネットワーク、本明細書の方法の機能の一部のためのアルゴリズム、または任意の別のアルゴリズムを含み得る。センサーフュージョンアルゴリズム1744は、例えば、車両1700が位置している環境内の個々の物体および/もしくは特徴の評価、特定の状況の評価、ならびに/または特定の状況に基づいて考えられる影響の評価を含め、センサーシステム1704からのデータに基づいて様々な評価を提供するように、さらに構成され得る。他の評価も可能である。
【0211】
[0258] コンピュータビジョンシステム1746は、例えば、交通信号および障害物を含む、車両1700が位置している環境内の物体および/または特徴を識別するために、カメラ1734によって捕捉された画像を処理および解析するように構成された任意のシステムであり得る。この目的のため、コンピュータビジョンシステム1746は、物体認識アルゴリズム、Structure from Motion(SFM)アルゴリズム、ビデオトラッキング、または他のコンピュータビジョン技術を使用し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータビジョンシステム1746は、追加として、環境のマッピング、物体の追跡、物体速度の推定などを行うように構成され得る。
【0212】
[0259] ナビゲーションおよび経路設定システム1748は、車両1700に対する運転経路を決定するように構成された任意のシステムであり得る。ナビゲーションおよび経路設定システム1748は、追加として、車両1700の走行中に、運転経路を動的に更新するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ナビゲーションおよび経路設定システム1748は、車両1700に対する運転経路を決定するために、センサーフュージョンアルゴリズム1744、GPS1726、LIDAR装置1732、および1つ以上の所定のマップからのデータを統合するように構成され得る。
【0213】
[0260] 障害物回避システム1750は、車両1700が位置している環境内の障害物を識別し、評価し、かつ回避するか、または別の方法で切り抜けるように構成された任意のシステムであり得る。制御システム1706は、追加または代替として、図示したもの以外の構成要素を含み得る。
【0214】
[0261] 周辺機器1708は、車両1700が、外部センサー、他の車両、外部コンピューティング装置、および/またはユーザーとやり取りできるように構成され得る。この目的のため、周辺機器1708は、例えば、無線通信システム1752、タッチスクリーン1754、マイクロホン1756、および/またはスピーカー1758を含み得る。
【0215】
[0262] 無線通信システム1752は、1つ以上の他の車両、センサー、または他の実体に、直接、または通信ネットワークを経由してのいずれかで、無線で結合するように構成された任意のシステムであり得る。この目的のため、無線通信システム1752は、他の車両、センサー、サーバー、または他の実体と、直接または通信ネットワークを経由してのいずれかで通信するための、アンテナおよびチップセットを含み得る。チップセットまたは無線通信システム1752は一般に、他の可能性の中でもとりわけ、Bluetooth、IEEE 802.11(任意のIEEE 802.11リビジョンを含む)に記載された通信プロトコル、移動電話技術(GSM、CDMA、UMTS、EV−DO、WiMAX、またはLTEなど)、Zigbee、狭域通信(DSRC)、および無線自動識別(RFID)通信などの、1つ以上のタイプの無線通信(例えば、プロトコル)に従って通信するように配置され得る。無線通信システム1752は、他の形も取り得る。
【0216】
[0263] タッチスクリーン1754は、車両1700に対して命令を入力するためにユーザーによって使用され得る。この目的のため、タッチスクリーン1754は、ユーザーの指の位置および動きの少なくとも1つを、他の可能性の中でもとりわけ、容量感知、抵抗感知、または弾性表面波プロセスによって感知するように構成され得る。タッチスクリーン1754は、タッチスクリーン表面と平行もしくは平面の方向、タッチスクリーン表面と垂直な方向、またはその両方への指の動きを感知することが可能であり得、また、タッチスクリーン表面に印加された圧力レベルを感知することも可能であり得る。タッチスクリーン1754は、1つ以上の半透明または透明な絶縁層および1つ以上の半透明または透明な導電層から形成され得る。タッチスクリーン1754は、他の形も取り得る。
【0217】
[0264] マイクロホン1756は、車両1700のユーザーから音声(例えば、音声命令または他の音声入力)を受信するように構成され得る。同様に、スピーカー1758は、車両1700のユーザーに対して音声を出力するように構成され得る。周辺機器1708は、追加または代替として、図示したもの以外の構成要素を含み得る。
【0218】
[0265] コンピュータシステム1710は、推進システム1702、センサーシステム1704、制御システム1706、および周辺機器1708の1つ以上にデータを送信し、それらからデータを受信し、それらとやり取りし、かつ/またはそれらを制御するように構成され得る。この目的のため、コンピュータシステム1710は、推進システム1702、センサーシステム1704、制御システム1706、および周辺機器1708の1つ以上に、システムバス、ネットワーク、および/または他の接続機構(図示せず)によって通信可能に接続され得る。
【0219】
[0266] 一例では、コンピュータシステム1710は、燃料効率を改善するために、変速装置1722の動作を制御するように構成され得る。別の例として、コンピュータシステム1710は、カメラ1734に環境の画像を捕捉させるように構成され得る。さらに別の例として、コンピュータシステム1710は、センサーフュージョンアルゴリズム1744に対応する命令を格納および実行するように構成され得る。さらに別の例として、コンピュータシステム1710は、LIDAR装置1732を使用して、車両1700の周囲の環境の3D表現を決定するための命令を格納および実行するように構成され得る。他の例も可能である。従って、コンピュータシステム1710は、LIDAR装置1732に対するコントローラとして機能できる。
【0220】
[0267] 図に示すように、コンピュータシステム1710は、プロセッサ1712およびデータ記憶1714を含む。プロセッサ1712は、1つ以上の汎用プロセッサおよび/または1つ以上の専用プロセッサを含み得る。プロセッサ1712が2つ以上のプロセッサを含む範囲において、かかるプロセッサは別々に、または組み合わせて、動作し得る。データ記憶1714は、その結果として、光学式、磁気、および/もしくは有機記憶などの、1つ以上の揮発性ならびに/または1つ以上の不揮発性記憶構成要素を含み得、データ記憶1714は、全体として、または一部、プロセッサ1712と統合され得る。
【0221】
[0268] いくつかの実施形態では、データ記憶1714は、様々な車両機能(例えば、方法500など)を実行するためにプロセッサ1712によって実行可能な命令1716(例えば、プログラム論理)を含み得る。データ記憶1714は、推進システム1702、センサーシステム1704、制御システム1706、および/または周辺機器1708の1つ以上にデータを送信し、それらからデータを受信し、それらとやり取りし、かつ/またはそれらを制御するための命令を含む、追加の命令も含み得る。コンピュータシステム1710は、追加または代替として、図示したもの以外の構成要素を含み得る。
【0222】
[0269] 図に示すように、車両1700は、電源1760をさらに含み、電源1760は、車両1700の構成要素の一部または全部に電力を供給するように構成され得る。この目的のため、電源1760は、例えば、再充電可能リチウムイオン電池または鉛酸蓄電池を含み得る。いくつかの実施形態では、電池の1つ以上のバンクが、電力を供給するように構成できる。他の電源材料および構成も可能である。いくつかの実施形態では、電源1760およびエネルギー源1720は、いくつかの完全な電気自動車におけるように、1つの構成要素として一緒に実装され得る。
【0223】
[0270] いくつかの実施形態では、車両1700は、図示したものに加えて、またはその代わりに、1つ以上の要素を含み得る。例えば、車両1700は、1つ以上の追加のインタフェースおよび/または電源を含み得る。他の追加の構成要素も可能である。かかる実施形態では、データ記憶1714は、追加の構成要素を制御し、かつ/またはそれらと通信するために、プロセッサ1712によって実行可能な命令をさらに含み得る。
【0224】
[0271] さらになお、構成要素およびシステムの各々は車両1700に統合されると示されているが、いくつかの実施形態では、1つ以上の構成要素またはシステムは、有線もしくは無線接続を使用して車両1700に、取り外し可能に取り付けられるか、または別の方法で(機械的に、または電気的に)連結され得る。車両1700は、他の形も取り得る。
【0225】
V.結論
[0272] 図面に示す特定の配置は、制限として考えるべきではない。他の実施態様は、所与の図面に示す各要素よりも多いか、または少ない要素を含み得ることを理解すべきである。さらに例示する要素のいくつかは、組み合わされるか、または省略され得る。さらになお、例示的な実施態様は、図面に例示されていない要素を含み得る。
【0226】
[0273] 追加として、本明細書では様々な態様および実施態様が開示されているが、当業者には他の態様および実施態様が明らかであろう。本明細書で開示する様々な態様および実施態様は、例示のためであり、制限することを意図しておらず、真の範囲および精神は以下のクレームで示されている。本明細書で提示する主題の精神および範囲から逸脱することなく、他の実施態様が利用され得、他の変更が行われ得る。本開示の態様は、本明細書で大まかに説明して、図面で例示するように、多種多様の異なる構成で、配置、置換、結合、分割、および設計でき、それらの全てが本明細書で企図されることが容易に理解されよう。