(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
携帯端末との間で近距離無線通信によりデータ通信が行われる所定のタイミングで、前記携帯端末において予め外部装置から取得されている付加情報を、前記近距離無線通信により取得する取得手段と、
前記取得した付加情報と関連付けて所定の情報を蓄積する際に、前記付加情報を取得したタイミングに基づいて前記付加情報の鮮度を判別し、判別した鮮度ごとに前記所定の情報を分けて記憶手段に記憶させる制御手段と、
前記記憶された前記所定の情報を前記付加情報と関連付けて出力する際に、前記付加情報の鮮度が異なることが識別できるように前記所定の情報と前記付加情報とを出力させる出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1の実施の形態〕
まず、本発明に係る情報処理装置の第1の実施の形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0012】
図1に、第1の実施の形態におけるレジスタ管理システム100のシステム構成を示す。レジスタ管理システム100は、入力された情報を処理する情報処理装置としてのECR1と、携帯端末2と、天気情報提供装置3と、を備える。携帯端末2と天気情報提供装置3とは、通信ネットワークNに接続されている。通信ネットワークNは、インターネットにより構成されているものとするが、移動体通信網、公衆回線、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等を含むこととしてもよい。
【0013】
ECR1は、個人商店、スーパーマーケット等の店舗に設置されており、店員の操作により顧客に販売した商品の金額、個数等の売上データを登録する装置である。
【0014】
図2は、ECR1の内部の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、ECR1は、取得手段、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、表示部13と、入力部14と、計時部15と、出力手段としての印刷部16と、ドロア17と、通信部18と、記憶部19と、を備える。
【0015】
CPU11は、ECR1の各部を制御する。CPU11は、各種プログラムのうち指定されたプログラムを記憶部19から読み出してRAM12に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
RAM12は、揮発性の半導体メモリから構成され、各種データ及びプログラムを格納するワークエリアが形成される。
【0016】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等から構成され、CPU11の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。例えば、表示部13は、商品販売時の商品の金額、合計金額等の情報を表示する。
入力部14は、数字キーや各種機能キー等を備え、ユーザからのキー入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。入力部14は、売上データの登録時に、数字キー、部門キー等へのキー入力を受け付ける。また、入力部14は、商品に設けられたバーコードを読み取るバーコードリーダやバーコードスキャナ等を備える。
【0017】
計時部15は、計時回路(RTC:Real Time Clock)を有し、この計時回路により現在日時を計時してCPU11に出力する。
【0018】
印刷部16は、CPU11の制御により、ロール紙等の用紙に、レシートのデータ、電子ジャーナルのデータ等を印刷するサーマルプリンタである。
ドロア17は、現金、商品券等を格納する引き出しである。
【0019】
通信部18は、携帯端末2との間で近距離無線通信によりデータ通信を行うためのインターフェースを有する。ここで、近距離無線通信とは、比較的近距離(数mm〜数m等)において、機器同士が直接通信を行う通信方式であり、インターネットを含む通信ネットワークNを介したものでないことを前提としている。本実施の形態では、通信部18は、Bluetoothの無線通信規格に従って外部装置とデータの送受信を行う。通信部18は、携帯端末2から担当者情報を受信したり、携帯端末2に売上データを送信したりする際に用いられる。担当者情報は、ECR1を使用する担当者を識別するための識別情報である。
【0020】
記憶部19は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性の半導体メモリ等により構成される。記憶部19には、各種処理プログラム、売上データ、各種設定情報等が記憶される。
【0021】
CPU11は、携帯端末2との間で通信部18によりデータ通信が行われる所定のタイミングで、携帯端末2において予め天気情報提供装置3から取得されている付加情報としての天気情報を、通信部18を介して取得する。付加情報は、売上データの分析をする際に用いる情報である。天気情報は、例えば、晴れ、曇り、雨、雪等の区分を示す情報を含む。
所定のタイミングとして、携帯端末2を利用して、ECR1に担当者情報を入力するタイミングを用いる。
【0022】
CPU11は、天気情報と売上データとを対応付けて記憶部19に記憶させる。
CPU11は、天気情報が示す複数の区分(天気)に応じて、売上データを当該売上データに対応する区分ごとに累積する。具体的には、記憶部19は、天気ごとの金額カウンタ及び件数カウンタを備えており、CPU11は、売上データの登録時に、天気に対応する金額カウンタに売上金額を加算していき、天気に対応する件数カウンタに1ずつ加算していく。
CPU11は、売上データを区分ごとに累積した結果を、印刷部16に印刷させる。
【0023】
携帯端末2は、スマートフォンや携帯電話機等の端末装置であり、ECR1を使用する店員により携帯されている。
【0024】
図3は、携帯端末2の内部の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、携帯端末2は、CPU21と、RAM22と、表示部23と、操作部24と、計時部25と、スピーカ26Aと、マイク26Bと、第1通信部27と、第2通信部28と、記憶部29と、を備える。
【0025】
CPU21は、携帯端末2の各部を制御する。CPU21は、各種プログラムのうち指定されたプログラムを記憶部29から読み出してRAM22に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
RAM22は、揮発性の半導体メモリから構成され、各種データ及びプログラムを格納するワークエリアが形成される。
【0026】
表示部23は、LCD等により構成され、CPU21の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
操作部24は、各種機能キーを備え、ユーザからのキー入力を受け付け、その操作情報をCPU21に出力する。また、操作部24は、表示部23の表面を覆うように透明電極を格子状に配置したタッチパネルを有し、手指やタッチペン等で押下された位置を検出し、その位置情報を操作情報としてCPU21に出力する。
【0027】
計時部25は、計時回路を有し、この計時回路により現在日時を計時してCPU21に出力する。
【0028】
スピーカ26Aは、第1通信部27を介して外部装置から受信した電気信号を音声信号に変換し、音声を出力する。
マイク26Bは、音波を検知して電気信号に変換し、CPU21や第1通信部27に出力する。
【0029】
第1通信部27は、無線により基地局又はアクセスポイントを介して移動体通信網を含む通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークNに接続された外部装置との通信を行う。
【0030】
第2通信部28は、ECR1等の外部装置との間で近距離無線通信によりデータ通信を行うためのインターフェースを有する。第2通信部28は、Bluetoothの無線通信規格に従って外部装置とデータの送受信を行う。
【0031】
記憶部29は、不揮発性の半導体メモリ等により構成される。記憶部29には、各種処理プログラム、各種設定情報、ECR1を使用する担当者を示す担当者情報、天気情報提供装置3から取得した天気情報等が記憶される。
【0032】
携帯端末2では、ECR1が設置された地域における天気情報を定期的に天気情報提供装置3から取得するように、予め設定されている。あるいは、携帯端末2を所有する操作者がECR1を使用する際には、携帯端末2はECR1が設置された地域に存在すると考えられるため、携帯端末2は、携帯端末2が存在する地域における天気情報を天気情報提供装置3から取得することとしてもよい。
【0033】
天気情報提供装置3は、各地域における天気情報を収集し、管理するサーバ装置である。天気情報提供装置3は、通信ネットワークNを介して接続されている外部装置からの要求に応じて、外部装置に天気情報を提供する。
【0034】
次に、レジスタ管理システム100における動作について説明する。
図4は、ECR1において実行される担当者処理を示すフローチャートである。この処理は、店員等がECR1の使用を開始する際に行われる処理であり、CPU11と記憶部19に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0035】
まず、店員等の操作者が入力部14の「担当者入力待ち」キーを押下すると、CPU11は、担当者入力を開始する(ステップS1)。
次に、CPU11は、通信部18をBluetoothの接続待ちの状態にする(ステップS2)。
【0036】
ここで、CPU11は、通信部18を介して、データを受信したか否かを判断する(ステップS3)。具体的には、CPU11は、接続機器の認証が終了し、携帯端末2から接続相手として設定した旨の信号を受信したか否かを判断する。
【0037】
携帯端末2からデータを受信した場合には(ステップS3;YES)、CPU11は、通信部18を介して、携帯端末2から送信された担当者情報を取得する(ステップS4)。担当者情報には、担当者ID及びパスワードが含まれる。
【0038】
次に、CPU11は、通信部18を介して、携帯端末2から送信された天気情報を取得する(ステップS5)。CPU11は、天気情報を、当該天気情報を取得した日時(更新日時)と対応付けて記憶部19に記憶させる(ステップS6)。第1の実施の形態では、記憶部19に、携帯端末2から取得した最新の天気情報のみを残しておけばよい。
【0039】
次に、CPU11は、通信部18を制御して、Bluetoothの接続を解除し(ステップS7)、携帯端末2との間の通信を終了する。
【0040】
次に、CPU11は、ステップS4で取得した担当者情報に基づいて、携帯端末2を所有している操作者が有効な担当者であるか否かを判断する(ステップS8)。具体的には、CPU11は、携帯端末2から取得した担当者情報に含まれる担当者ID及びパスワードの組み合わせが、予め登録されているものと一致する場合には、操作者が有効な担当者であると判断する。
【0041】
操作者が有効な担当者である場合には(ステップS8;YES)、CPU11は、操作者によるサインオンを認め、ECR1において売上データの登録等の処理を許可する(ステップS9)。
以上で、担当者処理が終了する。
【0042】
ステップS3において、携帯端末2からデータを受信しない場合には(ステップS3;NO)、CPU11は、タイムアウトであるか否かを判断する(ステップS10)。具体的には、CPU11は、通信部18がBluetoothの接続待ちの状態になってから一定時間、携帯端末2から応答がなかった場合には、タイムアウトであると判断する。
タイムアウトでない場合には(ステップS10;NO)、ステップS3に戻り、処理を繰り返す。
【0043】
ステップS8において、操作者が有効な担当者でない場合(ステップS8;NO)、又は、ステップS10において、タイムアウトである場合には(ステップS10;YES)、エラーと判断し、本処理を終了する。
【0044】
図5は、携帯端末2において実行されるアプリケーション処理を示すフローチャートである。この処理は、ECR1に対する管理・保守を行うための処理であり、CPU21と記憶部29に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0045】
まず、アプリケーションの起動状態において、CPU21は、本アプリケーションが表示部23の画面に表示されているか否かを判断する(ステップS11)。
【0046】
本アプリケーションが表示部23の画面に表示されていない場合には(ステップS11;NO)、CPU21は、バックグラウンド処理として、第1通信部27により、通信ネットワークNを介して接続されている天気情報提供装置3からECR1が設置された地域における天気情報を取得する(ステップS12)。CPU21は、取得した天気情報を記憶部29に記憶させる。なお、記憶部29には、天気情報提供装置3から取得した最新の天気情報のみを残しておけばよい。
ステップS12の後、ステップS11に戻り、処理を繰り返す。なお、バックグラウンド処理における天気情報の取得は、例えば、計時部25から得られる現在日時に基づいて、5分ごと等、予め設定された所定時間ごとに行えばよい。
【0047】
ステップS11において、本アプリケーションが表示部23の画面に表示されている場合には(ステップS11;YES)、CPU21は、操作者の操作部24からの操作により、担当者処理が選択されているか否かを判断する(ステップS13)。
【0048】
担当者処理が選択されている場合には(ステップS13;YES)、CPU21は、第2通信部28を介して、Bluetoothの接続相手の検索を開始する(ステップS14)。
次に、CPU21は、Bluetoothの接続相手の検索に成功したか否かを判断する(ステップS15)。
【0049】
Bluetoothの接続相手の検索に成功した場合には(ステップS15;YES)、CPU21は、記憶部29に記憶されている担当者情報を読み出し、読み出した担当者情報を、第2通信部28を介してECR1に送信する(ステップS16)。
【0050】
次に、CPU21は、記憶部29に記憶されている天気情報を読み出し、読み出した天気情報を、第2通信部28を介してECR1に送信する(ステップS17)。
【0051】
次に、CPU21は、第2通信部28を制御して、Bluetoothの接続を解除し(ステップS18)、ECR1との通信を終了する。
【0052】
ステップS15において、Bluetoothの接続相手の検索に成功しなかった場合には(ステップS15;NO)、CPU21は、エラーとして処理する(ステップS19)。
ステップS18又はステップS19の後、ステップS11に戻り、処理を繰り返す。
【0053】
ステップS13において、担当者処理が選択されていない場合には(ステップS13;NO)、CPU21は、担当者情報設定処理等、本アプリケーションにおける担当者処理以外の処理を適宜行う(ステップS20)。担当者情報設定処理では、操作部24から担当者ID及びパスワードの入力を受け付け、CPU21は、入力された担当者ID及びパスワードを含む担当者情報を記憶部29に記憶させる。
【0054】
ここで、CPU21は、アプリケーションの終了が指示されたか否かを判断する(ステップS21)。アプリケーションの終了が指示されていない場合には(ステップS21;NO)、ステップS11に戻り、処理を繰り返す。
【0055】
ステップS21において、アプリケーションの終了が指示された場合には(ステップS21;YES)、アプリケーション処理が終了する。
【0056】
図6は、ECR1において実行される売上データ登録処理を示すフローチャートである。この処理は、1件分の売上データが登録される際の処理であり、CPU11と記憶部19に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0057】
まず、操作者が入力部14を操作して、商品が分類される部門や商品の金額を含む売上データを入力すると、CPU11は、この売上データをRAM12に格納する(ステップS31)。
【0058】
次に、CPU11は、1件(1レシート)分の入力が終了したか否かを判断する(ステップS32)。例えば、入力部14において、小計キーが押下され、預かり金額が入力された場合に、CPU11は、1件分の入力が終了したと判断する。
1件分の売上データの入力が終了していない場合には(ステップS32;NO)、ステップS31に戻り、処理を繰り返す。
【0059】
ステップS32において、1件分の売上データの入力が終了した場合には(ステップS32;YES)、CPU11は、印刷部16を制御して、商品ごとの部門と金額、合計金額等が記載されたレシートを印刷させる(ステップS33)。
【0060】
次に、CPU11は、記憶部19に記憶されている最新の天気情報を読み出す(ステップS34)。
次に、CPU11は、最新の天気情報が示す天気の金額カウンタに、今回の1件分の売上金額を加算して、該当する天気の金額カウンタを更新する(ステップS35)。
また、CPU11は、最新の天気情報が示す天気の件数カウンタに、1を加算して、該当する天気の件数カウンタを更新する(ステップS36)。
以上で、売上データ登録処理が終了する。
【0061】
図7に、1日の精算時に印刷された売上レポートの出力結果を示す。天気別(晴れ、曇り、雨、雪等)に、各天気において取引があった件数及び合計金額が記載されている。
CPU11は、天気ごとの件数カウンタ及び金額カウンタの値に基づいて、印刷用データを生成し、印刷部16に、売上レポートを印刷させる。
図7の例は、天気が「晴れ」の間に、取引が7件あり、その売上の合計金額が13444円であり、天気が「雨」の間に、取引が5件あり、その売上の合計金額が12706円であることを示している。
【0062】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、ECR1と携帯端末2との間で、別の目的でデータ通信を行うタイミングで、携帯端末2から天気情報を取得するので、通信ネットワークNに接続していないECR1において、通信に対する負荷を抑えつつ、外部からの天気情報を取得することができる。
【0063】
また、天気情報と売上データとを対応付けて記憶するので、天気情報に基づいて、売上データを分析することができる。
具体的には、天気情報が示す晴れ、曇り、雨、雪等の区分に応じて、売上データを当該売上データに対応する区分ごとに累積することで、天気ごとの売上データの傾向を把握することができる。
【0064】
また、売上データを区分ごとに累積した結果を印刷することで、売上データの分析結果をユーザに提示することができるとともに、分析結果を書類として残すことができる。
【0065】
また、ECR1では、携帯端末2からECR1に担当者情報を入力するタイミングで、売上データの分析に用いる天気情報を随時更新することができる。また、操作者が天気情報を手入力する必要がないため、入力ミスを防ぐことができ、人が判断する場合と比較して、天気の判断における揺らぎが発生しない。
【0066】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態におけるレジスタ管理システムは、第1の実施の形態に示したレジスタ管理システム100と略同様の構成であるため、
図1〜
図3を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0067】
ECR1の記憶部19には、売上データテーブル19A(
図8参照)、天気情報テーブル19B(
図9参照)が記憶される。
売上データテーブル19Aは、売上データを当該売上データが登録された日時と対応付けるものである。
図8に示すように、売上データテーブル19Aには、1件分の取引ごとに、取引日時(1件分の売上データが登録された日時)と売上金額とが対応付けられる。
天気情報テーブル19Bは、天気情報を当該天気情報が携帯端末2から取得された日時と対応付けるものである。
図9に示すように、天気情報テーブル19Bには、天気情報の更新ごとに、更新日時と天気とが対応付けられる。
【0068】
CPU11は、1組のお客様ごとに(1件ごとに)、計時部15から現在日時を取得し、取引日時(現在日時)と売上金額とを対応付けて、売上データテーブル19Aに格納する。
また、CPU11は、携帯端末2から天気情報を取得するごとに、計時部15から現在日時を取得し、更新日時(現在日時)と天気(晴れ、曇り、雨、雪等)とを対応付けて、天気情報テーブル19Bに格納する。
【0069】
CPU11は、売上データのそれぞれについて、当該売上データが登録された日時と、当該売上データが登録された日時における最新の天気情報とから、当該最新の天気情報が示す区分(晴れ、曇り、雨、雪等)を特定し、最新の天気情報が携帯端末2から取得された日時に基づいて、当該最新の天気情報の鮮度(高、中、低)を判断し、当該売上データを、特定された区分の、判断された鮮度ごとに累積する。
この場合、天気情報の鮮度とは、天気情報の新しさを示すもので、天気情報の鮮度「高」とは最新の天気情報であるという意味であり、天気情報の鮮度「中」とは比較的新しい天気情報であるという意味であり、天気情報の鮮度「低」とは比較的古い天気情報であるという意味である。
【0070】
CPU11は、最新の天気情報が携帯端末2から取得された日時から最新の天気情報に対応する売上データが登録された日時までの経過時間、及び、最新の天気情報とその次に取得された天気情報との異同に基づいて、最新の天気情報の鮮度を判断する。
【0071】
記憶部19は、天気ごと、鮮度ごとの金額カウンタ及び件数カウンタを備えており、CPU11は、1日の売上データの分析時に、該当する天気の鮮度に対応する金額カウンタに売上金額を加算していき、該当する天気の鮮度に対応する件数カウンタに1ずつ加算していく。
【0072】
CPU11は、売上データを複数の区分の鮮度ごとに累積した結果を印刷部16に印刷させる。
【0073】
次に、第2の実施の形態におけるレジスタ管理システムにおける動作について説明する。
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、ECR1において、
図4に示した担当者処理が実行され、携帯端末2において、
図5に示したアプリケーション処理が実行される。ただし、ステップS6では、CPU11は、携帯端末2から取得した天気情報を、当該天気情報を取得した日時(更新日時)と対応付けて、記憶部19の天気情報テーブル19Bに格納する。第2の実施の形態では、天気情報が取得される度に、天気情報テーブル19B内のレコードが追加されていく。
【0074】
また、第2の実施の形態では、ECR1において、
図6に示した売上データ登録処理のステップS31〜ステップS33の処理が実行される。
その後、CPU11は、計時部15から現在日時を取得し、取引日時(現在日時)と売上金額(1件分の合計金額)とを対応付けて、記憶部19の売上データテーブル19Aに格納する。
【0075】
図10は、ECR1において実行される売上データ分析処理を示すフローチャートである。この処理は、1日の精算後に行われる処理であり、CPU11と記憶部19に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0076】
まず、CPU11は、記憶部19の売上データテーブル19A(取引日時ごとの売上データ)から1レコードを取得する(ステップS41)。このレコードには、取引日時と売上金額とが含まれている。
【0077】
次に、CPU11は、取得したレコードに含まれる取引日時における天気情報を、記憶部19の天気情報テーブル19Bから読み出す(ステップS42)。具体的には、CPU11は、天気情報テーブル19Bにおいて、更新日時が取引日時より前のレコードのうち、最新のものを取得する。
【0078】
次に、CPU11は、ステップS41で処理対象としたレコードの取引日時が、ステップS42で読み出した天気情報の更新日時から一定時間経過しているか否かを判断する(ステップS43)。
取引日時が天気情報の更新日時から一定時間経過していない場合には(ステップS43;NO)、CPU11は、天気情報の鮮度が高いと判断し、該当する天気の「鮮度高」の金額カウンタに、ステップS41で取得した売上金額を加算する(ステップS44)。
また、CPU11は、該当する天気の「鮮度高」の件数カウンタに1を加算する(ステップS45)。
【0079】
ステップS43において、取引日時が天気情報の更新日時から一定時間経過している場合には(ステップS43;YES)、CPU11は、記憶部19の天気情報テーブル19Bを参照して、ステップS42で読み出した天気情報の次の更新日時の天気情報があるか否かを判断する(ステップS46)。
次の更新日時の天気情報がある場合には(ステップS46;YES)、CPU11は、次の更新日時の天気情報が示す天気が、ステップS42で読み出した天気情報が示す天気(一つ前の天気)と同じであるか否かを判断する(ステップS47)。
【0080】
次の更新日時の天気が一つ前の天気と同じである場合には(ステップS47;YES)、CPU11は、天気情報の鮮度が中程度であると判断し、該当する天気の「鮮度中」の金額カウンタに、ステップS41で取得した売上金額を加算する(ステップS48)。
また、CPU11は、該当する天気の「鮮度中」の件数カウンタに1を加算する(ステップS49)。
【0081】
ステップS46において、次の更新日時の天気情報がない場合(ステップS46;NO)、又は、ステップS47において、次の更新日時の天気が一つ前の天気と異なる場合には(ステップS47;NO)、CPU11は、天気情報の鮮度が低いと判断し、該当する天気の「鮮度低」の金額カウンタに、ステップS41で取得した売上金額を加算する(ステップS50)。
また、CPU11は、該当する天気の「鮮度低」の件数カウンタに1を加算する(ステップS51)。
【0082】
ステップS45、ステップS49又はステップS51の後、CPU11は、売上データテーブル19A(取引日時ごとの売上データ)の全レコードについて、処理が終了したか否かを判断する(ステップS52)。
売上データテーブル19Aにおいて、処理が終了していないレコードが残っている場合には(ステップS52;NO)、ステップS41に戻り、処理を繰り返す。
【0083】
ステップS52において、売上データテーブル19Aの全レコードについて、処理が終了した場合には(ステップS52;YES)、売上データ分析処理が終了する。
【0084】
図11に、1日の精算時に印刷された売上レポートの出力結果を示す。各天気における鮮度ごとに、取引があった件数及び合計金額が記載されている。
CPU11は、各天気の鮮度ごとの件数カウンタ及び金額カウンタの値に基づいて、印刷用データを生成し、印刷部16に、売上レポートを印刷させる。
図11の例は、天気が「鮮度高」の「晴れ」の間に、取引が6件あり、その売上の合計金額が12222円であり、天気が「鮮度中」の「晴れ」の間に、取引が1件あり、その売上の合計金額が1222円であり、天気が「鮮度高」の「雨」の間に、取引が3件あり、その売上の合計金額が8583円であり、天気が「鮮度中」の「雨」の間に、取引が2件あり、その売上の合計金額が4123円であることを示している。
【0085】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様、通信ネットワークNに接続していないECR1において、通信に対する負荷を抑えつつ、外部からの天気情報を取得することができる。
【0086】
また、天気情報と売上データとを対応付けて記憶するので、天気情報に基づいて、売上データを分析することができる。
具体的には、売上データを当該売上データに対応する天気情報が示す区分(晴れ、曇り、雨、雪等)の鮮度ごとに累積することで、天気ごと、さらには天気の鮮度ごとの売上データの傾向を把握することができる。
例えば、天気情報が携帯端末2から取得された日時からの経過時間や、次の天気情報との間で天気が変わっているか否かに基づいて、天気情報の鮮度を判断することができる。
【0087】
また、売上データを複数の区分の鮮度ごとに累積した結果を印刷することで、売上データの分析結果をユーザに提示することができるとともに、分析結果を書類として残すことができる。
【0088】
また、ECR1では、携帯端末2からECR1に担当者情報を入力するタイミングで、売上データの分析に用いる天気情報を随時更新することができる。
【0089】
なお、第2の実施の形態では、最新の天気情報が携帯端末2から取得された日時から最新の天気情報に対応する売上データが登録された日時までの経過時間、及び、最新の天気情報とその次に取得された天気情報との異同に基づいて、最新の天気情報の鮮度を判断することとしたが、最新の天気情報が携帯端末2から取得された日時から最新の天気情報に対応する売上データが登録された日時までの経過時間、最新の天気情報とその次に取得された天気情報との異同のいずれか一方に基づいて、最新の天気情報の鮮度を判断することとしてもよい。経過時間のみに基づいて天気情報の鮮度を判断する場合には、1件ごとの売上データの登録時に、売上データを分類してもよい。
【0090】
例えば、CPU11は、携帯端末2から取得した天気情報と関連付けて売上データを蓄積する際に、天気情報を取得したタイミングに基づいて天気情報の鮮度を判別し、判別した鮮度ごとに売上データを分けて記憶部19に記憶させる。具体的には、CPU11は、1件分の売上データの登録時に、該当する天気の鮮度に対応する金額カウンタに売上金額を加算していき、該当する天気の鮮度に対応する件数カウンタに1ずつ加算していく。
CPU11は、記憶部19に記憶された売上データを天気情報と関連付けて出力する際に、天気情報の鮮度が異なることが識別できるように、売上データと天気情報とを出力させる。具体的には、CPU11は、
図11と同様に、各天気における鮮度ごとに、取引があった件数及び合計金額を印刷部16に印刷させる。
【0091】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0092】
例えば、ECR1において、1組のお客様ごとに(1件ごとに)、各商品の部門、商品名、金額等を含む売上データと、当該売上データの登録日時と、最新の天気情報と、当該天気情報の取得日時(更新日時)と、を対応付けて記憶部19に記憶させることとしてもよい。
【0093】
また、上記各実施の形態では、付加情報が、ECR1が設置された地域における天気情報である場合を例にして説明したが、付加情報が、ECR1が設置された地域における気温情報又は交通情報(渋滞情報、渋滞している道路や通行止め区間等)であることとしてもよい。気温情報を扱う場合には、気温を複数の範囲に区切って、それぞれの範囲を区分として売上データを分析することができる。交通情報を扱う場合には、交通量や渋滞の程度を複数のランクに区切って、それぞれのランクを区分として売上データを分析することができる。
また、付加情報の区分の数、鮮度を分類する際の段階の数についても、任意に変更可能である。
なお、上記各実施の形態では、付加情報の鮮度を判別又は判断するようにしたが、鮮度という表現に限定せず、付加情報の精度を判別又は判断するようにしてもよい。
【0094】
また、上記各実施の形態では、携帯端末2が天気情報提供装置3から天気情報を取得することとしたが、携帯端末2にインストールされている天気アプリを利用して、天気情報を取得することとしてもよい。
【0095】
また、ECR1と携帯端末2との間の通信は、Bluetoothに限定されず、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、RFID(Radio Frequency Identifier)、ZigBee(登録商標)等の近距離無線通信や、Wi−Fiダイレクトによる無線通信を利用することとしてもよい。
【0096】
また、ECR1が携帯端末2から付加情報を取得するタイミングについては、上記の例に限定されず、ECR1と携帯端末2との間でデータ通信が行われる他のタイミングであってもよい。例えば、ECR1が携帯端末2から勤務開始・終了時間を示すタイムカード情報を受信するタイミングや、ECR1から携帯端末2に売上データを送信するタイミングであってもよい。
【0097】
また、上記各実施の形態では、売上データを区分ごとに累積した結果や、売上データを複数の区分の鮮度ごとに累積した結果を出力する出力手段として、売上データの分析結果を印刷する印刷部16を用いる場合について説明したが、売上データの分析結果を表示部13等に表示することとしてもよい。
【0098】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDDや不揮発性の半導体メモリを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【0099】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
入力された情報を処理する情報処理装置であって、
携帯端末との間で近距離無線通信によりデータ通信を行う通信手段と、
前記携帯端末との間で前記通信手段によりデータ通信が行われる所定のタイミングで、前記携帯端末において予め外部装置から取得されている付加情報を、前記通信手段を介して取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記付加情報と前記入力された情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記制御手段は、前記付加情報が示す複数の区分に応じて、前記入力された情報を当該情報に対応する区分ごとに累積することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記制御手段は、前記入力された情報を前記区分ごとに累積した結果を出力手段に出力させることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記制御手段は、前記入力された情報を当該情報が入力された日時と対応付けて前記記憶手段に記憶させ、前記付加情報を当該付加情報が前記携帯端末から取得された日時と対応付けて前記記憶手段に記憶させ、
前記付加情報は、複数の区分のいずれかを示すものであり、
前記制御手段は、前記入力された情報のそれぞれについて、当該情報が入力された日時と、当該情報が入力された日時における最新の付加情報とから、当該最新の付加情報が示す区分を特定し、前記最新の付加情報が前記携帯端末から取得された日時に基づいて、当該最新の付加情報の鮮度を判断し、当該情報を前記特定された区分の前記判断された鮮度ごとに累積することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記制御手段は、前記最新の付加情報が前記携帯端末から取得された日時から前記最新の付加情報に対応する前記入力された情報が入力された日時までの経過時間、又は、前記最新の付加情報とその次に取得された付加情報との異同に基づいて、前記最新の付加情報の鮮度を判断することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記制御手段は、前記入力された情報を前記複数の区分の鮮度ごとに累積した結果を出力手段に出力させることを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理装置。
<請求項7>
前記付加情報は、当該情報処理装置が設置された地域における天気情報、気温情報又は交通情報であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項8>
前記所定のタイミングは、前記携帯端末を利用して、当該情報処理装置に担当者情報を入力するタイミングであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項9>
入力された情報を処理する情報処理装置のコンピュータを、
携帯端末との間で近距離無線通信によりデータ通信を行う通信手段、
前記携帯端末との間で前記通信手段によりデータ通信が行われる所定のタイミングで、前記携帯端末において予め外部装置から取得されている付加情報を、前記通信手段を介して取得する取得手段、
前記取得手段により取得された前記付加情報と前記入力された情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる制御手段、
として機能させるためのプログラム。
<請求項10>
携帯端末との間で近距離無線通信によりデータ通信が行われる所定のタイミングで、前記携帯端末において予め外部装置から取得されている付加情報を、前記近距離無線通信により取得する取得手段と、
前記取得した付加情報と関連付けて所定の情報を蓄積する際に、前記付加情報を取得したタイミングに基づいて前記付加情報の鮮度を判別し、判別した鮮度ごとに前記所定の情報を分けて記憶手段に記憶させる制御手段と、
前記記憶された前記所定の情報を前記付加情報と関連付けて出力する際に、前記付加情報の鮮度が異なることが識別できるように前記所定の情報と前記付加情報とを出力させる出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項11>
コンピュータを、
携帯端末との間で近距離無線通信によりデータ通信が行われる所定のタイミングで、前記携帯端末において予め外部装置から取得されている付加情報を、前記近距離無線通信により取得する取得手段、
前記取得した付加情報と関連付けて所定の情報を蓄積する際に、前記付加情報を取得したタイミングに基づいて前記付加情報の鮮度を判別し、判別した鮮度ごとに前記所定の情報を分けて記憶手段に記憶させる制御手段、
前記記憶された前記所定の情報を前記付加情報と関連付けて出力する際に、前記付加情報の鮮度が異なることが識別できるように前記所定の情報と前記付加情報とを出力させる出力手段、
として機能させるためのプログラム。