(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のビーコン識別子により各々識別される複数のビーコン発信機の何れかから、信号を受信することが各々可能なモバイルデバイス及び1以上のクライアント装置と通信するよう構成されるネットワークインターフェースと、
前記複数のビーコン識別子の全てのペアに対して、複数の距離レベルの何れか1つを関連付けた距離テーブルと、
前記複数のビーコン識別子について、前記複数の距離レベル各々に対して異なるロケーション情報を関連付けたロケーションテーブルと
を記憶する記憶部と、
制御部と
を具備し、
前記制御部は、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが選択したクライアント装置である被選択クライアント装置を識別するクライアント識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第1のビーコン発信機を識別する第1のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
受信した前記クライアント識別子により識別される前記被選択クライアント装置から、前記クライアント装置が受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第2のビーコン発信機を識別する第2のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記第1のビーコン識別子と前記第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルである第1の距離レベルを、前記距離テーブルから読み出し、
前記第2のビーコン識別子について、前記第1の距離レベルに関連付けられたロケーション情報である第1のロケーション情報を、前記ロケーションテーブルから読み出し、
前記第1のロケーション情報を、前記被選択クライアント装置及び前記モバイルデバイスの少なくとも何れか一方に、前記ネットワークインターフェースを介して送信する
サーバー装置。
複数のビーコン識別子により各々識別される複数のビーコン発信機の何れかから、信号を受信することが各々可能なモバイルデバイス及び1以上のクライアント装置と通信するよう構成されるネットワークインターフェースと、
前記複数のビーコン識別子の全てのペアに対して、複数の距離レベルの何れか1つを関連付けた距離テーブルと、
前記複数のビーコン識別子について、前記複数の距離レベル各々に対して異なるロケーション情報を関連付けたロケーションテーブルと
を記憶する記憶部と
を有するサーバー装置のプロセッサーを、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが選択したクライアント装置である被選択クライアント装置を識別するクライアント識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第1のビーコン発信機を識別する第1のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
受信した前記クライアント識別子により識別される前記被選択クライアント装置から、前記クライアント装置が受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第2のビーコン発信機を識別する第2のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記第1のビーコン識別子と前記第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルである第1の距離レベルを、前記距離テーブルから読み出し、
前記第2のビーコン識別子について、前記第1の距離レベルに関連付けられたロケーション情報である第1のロケーション情報を、前記ロケーションテーブルから読み出し、
前記第1のロケーション情報を、前記被選択クライアント装置及び前記モバイルデバイスの少なくとも何れか一方に、前記ネットワークインターフェースを介して送信する
よう動作させる情報処理プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザーが選択した装置のロケーションをユーザーに報知する技術は、益々ユーザーフレンドリーであることが望ましい。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本開示の目的は、ユーザーが選択した装置のロケーションをユーザーに報知する技術を、益々ユーザーフレンドリーとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係るサーバー装置は、
複数のビーコン識別子により各々識別される複数のビーコン発信機の何れかから、信号を受信することが各々可能なモバイルデバイス及び1以上のクライアント装置と通信するよう構成されるネットワークインターフェースと、
前記複数のビーコン識別子の全てのペアに対して、複数の距離レベルの何れか1つを関連付けた距離テーブルと、
前記複数のビーコン識別子について、前記複数の距離レベル各々に対して異なるロケーション情報を関連付けたロケーションテーブルと
を記憶する記憶部と、
制御部と
を具備し、
前記制御部は、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが選択したクライアント装置である被選択クライアント装置を識別するクライアント識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第1のビーコン発信機を識別する第1のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
受信した前記クライアント識別子により識別される前記被選択クライアント装置から、前記クライアント装置が受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第2のビーコン発信機を識別する第2のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記第1のビーコン識別子と前記第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルである第1の距離レベルを、前記距離テーブルから読み出し、
前記第2のビーコン識別子について、前記第1の距離レベルに関連付けられたロケーション情報である第1のロケーション情報を、前記ロケーションテーブルから読み出し、
前記第1のロケーション情報を、前記被選択クライアント装置及び前記モバイルデバイスの少なくとも何れか一方に、前記ネットワークインターフェースを介して送信する。
【0007】
本実施形態によれば、サーバー装置は、モバイルデバイスから最新に受信した第1のビーコン識別子と、被選択クライアント装置から受信したビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルに関連付けられたロケーション情報を、被選択クライアント装置を介してモバイルデバイスに供給できる。これにより、サーバー装置は、モバイルデバイスと被選択クライアント装置との距離レベルに応じたロケーション情報をモバイルデバイスに供給できる。
【0008】
前記制御部は、前記第1のロケーション情報を送信した後、さらに、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機であって前記第1のビーコン発信機と異なる第3のビーコン発信機を識別する第3のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記第3のビーコン識別子と前記第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルであって前記第1の距離レベルと異なる第2の距離レベルを、前記距離テーブルから読み出し、
前記第2のビーコン識別子について、前記第2の距離レベルに関連付けられたロケーション情報である第2のロケーション情報を読み出し、
前記第2のロケーション情報を、前記被選択クライアント装置及び前記モバイルデバイスの少なくとも何れか一方に、前記ネットワークインターフェースを介して送信する。
【0009】
これにより、ユーザーが所持するモバイルデバイスが被選択クライアント装置に近づいて行くにつれて、ユーザーは、モバイルデバイスのロケーションに応じて最適なロケーション情報を取得することができる。
【0010】
前記ロケーションテーブルは、
前記距離レベルとして遠い距離に対して、前記ロケーション情報として広い範囲の説明情報を関連付け、
前記距離レベルとして近い距離に対して、前記ロケーション情報として狭い範囲の説明情報を関連付ける。
【0011】
これにより、ユーザーが所持するモバイルデバイスが被選択クライアント装置に近づいて行くにつれて、モバイルデバイスが取得する説明情報は、相対的に広い範囲から狭い範囲へと遷移する。従って、ユーザーは、モバイルデバイスのロケーションに応じて最適なロケーション情報を取得することができる。
【0012】
前記制御部は、
前記距離テーブルから読み出した距離レベルが、最も近い距離のとき、
前記被選択クライアント装置が音声又は光を出力するための命令を、前記被選択クライアント装置に、前記ネットワークインターフェースを介して送信する。
【0013】
被選択クライアント装置は、ユーザーが所持するモバイルデバイスが被選択クライアント装置に十分近づいてから、発光し音声を出力する。従って、被選択クライアント装置は、ユーザーにとって必要なときにのみ発光し、音声を出力することができる。
【0014】
本開示の一形態に係る情報処理プログラムは、
複数のビーコン識別子により各々識別される複数のビーコン発信機の何れかから、信号を受信することが各々可能なモバイルデバイス及び1以上のクライアント装置と通信するよう構成されるネットワークインターフェースと、
前記複数のビーコン識別子の全てのペアに対して、複数の距離レベルの何れか1つを関連付けた距離テーブルと、
前記複数のビーコン識別子について、前記複数の距離レベル各々に対して異なるロケーション情報を関連付けたロケーションテーブルと
を記憶する記憶部と
を有するサーバー装置のプロセッサーを、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが選択したクライアント装置である被選択クライアント装置を識別するクライアント識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第1のビーコン発信機を識別する第1のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
受信した前記クライアント識別子により識別される前記被選択クライアント装置から、前記クライアント装置が受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第2のビーコン発信機を識別する第2のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記第1のビーコン識別子と前記第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルである第1の距離レベルを、前記距離テーブルから読み出し、
前記第2のビーコン識別子について、前記第1の距離レベルに関連付けられたロケーション情報である第1のロケーション情報を、前記ロケーションテーブルから読み出し、
前記第1のロケーション情報を、前記被選択クライアント装置及び前記モバイルデバイスの少なくとも何れか一方に、前記ネットワークインターフェースを介して送信する
よう動作させる。
【0015】
本開示の一形態に係る情報処理システムは、
複数のビーコン識別子により各々識別される複数のビーコン発信機と、
前記複数のビーコン発信機の何れかから、信号を受信することが可能なモバイルデバイスと、
前記複数のビーコン発信機の何れかから、信号を受信することが各々可能な1以上のクライアント装置と、
サーバー装置と
を具備する情報処理システムであって、
前記サーバー装置は、
前記モバイルデバイス及び前記1以上のクライアント装置と通信するよう構成されるネットワークインターフェースと、
前記複数のビーコン識別子の全てのペアに対して、複数の距離レベルの何れか1つを関連付けた距離テーブルと、
前記複数のビーコン識別子について、前記複数の距離レベル各々に対して異なるロケーション情報を関連付けたロケーションテーブルと
を記憶する記憶部と、
制御部と
を有し、
前記制御部は、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが選択したクライアント装置である被選択クライアント装置を識別するクライアント識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスが受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第1のビーコン発信機を識別する第1のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
受信した前記クライアント識別子により識別される前記被選択クライアント装置から、前記クライアント装置が受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第2のビーコン発信機を識別する第2のビーコン識別子を、前記ネットワークインターフェースを介して受信し、
前記第1のビーコン識別子と前記第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルである第1の距離レベルを、前記距離テーブルから読み出し、
前記第2のビーコン識別子について、前記第1の距離レベルに関連付けられたロケーション情報である第1のロケーション情報を、前記ロケーションテーブルから読み出し、
前記第1のロケーション情報を、前記被選択クライアント装置及び前記モバイルデバイスの少なくとも何れか一方に、前記ネットワークインターフェースを介して送信する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、ユーザーが選択した装置のロケーションをユーザーに報知する技術を、益々ユーザーフレンドリーとすることができる。
【0017】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0020】
1.情報処理システム
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理システムを模式的に示す。
【0021】
情報処理システム1は、サーバー装置10と、1以上のクライアント装置20と、モバイルデバイス30と、複数のビーコン発信機40とを有する。サーバー装置10と、1以上のクライアント装置20と、モバイルデバイス30とは、インターネット又はLAN(Local Area Network)等のネットワークNに接続され、相互に通信可能である。
【0022】
複数のビーコン発信機40は、典型的には、特定のエリア内(例えば、ショッピングモール内)の異なる位置に設置される。複数のビーコン発信機40は、それぞれ、定期的に(例えば、数秒毎に)BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)信号を発信する。以下、ビーコン発信機40を区別しない場合は、単に「ビーコン発信機40」と称する。
【0023】
1以上のクライアント装置20は、上記特定のエリア内の異なる位置に設置される。各1以上のクライアント装置20は、受信可能エリア内に位置する何れか1以上のビーコン発信機40から、定期的にBLE信号を受信する。各1以上のクライアント装置20は、受信した最大強度のBLE信号を発信した1つのビーコン発信機40を識別するビーコン識別子を、ネットワークNを介してサーバー装置10に定期的に送信する。各1以上のクライアント装置20は、例えば、画像形成装置(MFP、Multifunction Peripheral)である。典型的には、各1以上のクライアント装置20の機能(例えば、カラー印刷の可否、チケット発行の可否、ファクシミリの可否、リムーバルメディアの使用可否、解像度のレベル等)は異なる。
【0024】
モバイルデバイス30は、上記特定のエリアに居るユーザーが所持する。モバイルデバイス30は、1以上のクライアント装置20から選択した1つのクライアント装置20を識別するクライアント識別子を、ネットワークNを介してサーバー装置10に送信する。モバイルデバイス30は、受信可能エリア内に位置する何れか1以上のビーコン発信機40から、定期的にBLE信号を受信する。モバイルデバイス30は、受信した最大強度のBLE信号を発信した1つのビーコン発信機40を識別するビーコン識別子を、ネットワークNを介してサーバー装置10に定期的に送信する。モバイルデバイス30は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピューター、ウェアラブルコンピューター又はラップトップコンピューター等である。
【0025】
サーバー装置10は、モバイルデバイス30から受信したクライアント識別子により識別されるクライアント装置20から受信したビーコン識別子と、モバイルデバイス30から定期的に受信するビーコン識別子とに基づき、クライアント装置20のロケーション情報をユーザーが所持するモバイルデバイス30に供給する。
【0026】
2.サーバー装置のハードウェア構成
図2は、サーバー装置のハードウェア構成を示す。
【0027】
サーバー装置10は、CPU(Central Processing Unit)11(制御部)、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶装置14、ネットワークインターフェース15、操作装置16及び表示装置17と、これらを相互に接続するバス18とを有する。
【0028】
CPU11(制御部)は、ROM12が記憶する情報処理プログラムをRAM13にロードして実行する。ROM12は、CPU11が実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。ROM12は、非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0029】
記憶装置14は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量の記録媒体である。
【0030】
ネットワークインターフェース15は、ネットワークNに接続するためのインターフェースである。
【0031】
操作装置16は、タッチパネル、キーボード、マウス及び各種スイッチ等を含む。操作装置16は、ユーザーからの操作を検出してCPU11に出力する。
【0032】
表示装置17は、LCDや有機ELディスプレイ等を含む。表示装置17は、CPU11から受け取った情報に基づいて演算処理を行い、生成した画像信号を画面に表示する。表示装置17は外付けの表示装置でもよい。
【0033】
3.クライアント装置のハードウェア構成
図3は、クライアント装置のハードウェア構成を示す。
【0034】
クライアント装置20は、CPU21(制御部)、ROM22、RAM23、記憶装置24、ネットワークインターフェース25、操作装置26、表示装置27、スピーカー27B及びBluetooth(登録商標)送受信部29と、これらを相互に接続するバス28とを有する。
【0035】
CPU21(制御部)は、ROM22が記憶する情報処理プログラムをRAM23にロードして実行する。ROM22は、CPU21が実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。ROM22は、非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0036】
記憶装置24は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量の記録媒体である。
【0037】
ネットワークインターフェース25は、ネットワークNに接続するためのインターフェースである。
【0038】
操作装置26は、タッチパネル及び各種スイッチ等を含む。操作装置26は、ユーザーからの操作を検出してCPU21に出力する。
【0039】
表示装置27は、LCDや有機ELディスプレイ等を含む。表示装置27は、CPU21から受け取った情報に基づいて演算処理を行い、生成した画像信号を画面に表示する。表示装置27は、LED(Light Emitting Diode)27A等、単に発光することでユーザーに何らかの情報を提示するデバイスを含む。
【0040】
スピーカー27Bは、CPU21から受け取った情報に基づいて音声を出力する。
【0041】
Bluetooth(登録商標)送受信部29は、Bluetooth(登録商標)の規格に準拠した信号(例えば、ビーコン発信機40が発信するBLE信号)を送受信する。
【0042】
クライアント装置20がMFPの場合、クライアント装置20は、イメージスキャナー及びプリンター等を有するが、本技術とは関係性が少ないため図示しない。
【0043】
4.モバイルデバイスのハードウェア構成
図4は、モバイルデバイスのハードウェア構成を示す。
【0044】
モバイルデバイス30は、CPU31(制御部)、ROM32、RAM33、記憶装置34、ネットワークインターフェース35、操作装置36、表示装置37及びBluetooth(登録商標)送受信部39と、これらを相互に接続するバス38とを有する。
【0045】
CPU31(制御部)は、ROM32が記憶する情報処理プログラムをRAM33にロードして実行する。ROM32は、CPU31が実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。ROM32は、非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0046】
記憶装置34は、SSD(Solid State Drive)等の大容量の記録媒体である。
【0047】
ネットワークインターフェース35は、ネットワークNに接続するためのインターフェースである。
【0048】
操作装置36は、タッチパネル及び各種スイッチ等を含む。操作装置36は、ユーザーからの操作を検出してCPU31に出力する。
【0049】
表示装置37は、LCDや有機ELディスプレイ等を含む。表示装置37は、CPU31から受け取った情報に基づいて演算処理を行い、生成した画像信号を画面に表示する。
【0050】
Bluetooth(登録商標)送受信部39は、Bluetooth(登録商標)の規格に準拠した信号(例えば、ビーコン発信機40が発信するBLE信号)を送受信する。
【0051】
5.情報処理システムの機能的構成
図5は、情報処理システムの機能的構成を示す。
【0052】
サーバー装置10のCPU11(制御部)は、ROM12が記憶する情報処理プログラムをRAM13にロードして実行することにより、クライアント判断部101、ビーコン情報取得部102、距離レベル決定部103及びロケーション情報選択部104として機能する。
【0053】
各1以上のクライアント装置20のCPU21(制御部)は、ROM22が記憶する情報処理プログラムをRAM23にロードして実行することにより、クライアント情報供給部201、ビーコン情報供給部202及びロケーション情報転送部203として機能する。
【0054】
モバイルデバイス30のCPU31(制御部)は、ROM32が記憶する情報処理プログラムをRAM33にロードして実行することにより、クライアント探索部301、クライアント選択部302、ビーコン情報供給部303及びロケーション情報報知部304として機能する。
【0055】
モバイルデバイス30のクライアント探索部301は、1以上のクライアント装置20に、探索リクエストを送信する。
【0056】
各1以上のクライアント装置20のクライアント情報供給部201は、モバイルデバイス30から、探索リクエストを受信し、レスポンスを生成してモバイルデバイス30に送信する。
【0057】
モバイルデバイス30のクライアント探索部301は、1以上のクライアント装置20から、1以上のレスポンスを受信し、1以上のレスポンスに基づき、1以上のクライアント装置20のリストを生成及び表示する。
【0058】
モバイルデバイス30のクライアント選択部302は、リストから1つのクライアント装置20を選択し、選択した1つのクライアント装置20を識別するクライアント識別子と、モバイルデバイス30を識別するモバイルデバイス識別子とを、サーバー装置10に送信する。
【0059】
サーバー装置10のクライアント判断部101は、モバイルデバイス30から、モバイルデバイス30のクライアント選択部302が選択したクライアント装置である被選択クライアント装置20を識別するクライアント識別子を、ネットワークインターフェース15を介して受信する。
【0060】
サーバー装置10のビーコン情報取得部102は、モバイルデバイス30のビーコン情報供給部303から、モバイルデバイス30が受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第1のビーコン発信機40Aを識別する第1のビーコン識別子を、ネットワークインターフェース15を介して受信する。ビーコン情報取得部102は、クライアント判断部101が受信したクライアント識別子により識別される被選択クライアント装置20Sのビーコン情報供給部202から、被選択クライアント装置20Sが受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機である第2のビーコン発信機を識別する第2のビーコン識別子を、ネットワークインターフェース15を介して受信する。
【0061】
サーバー装置10の距離レベル決定部103は、第1のビーコン識別子と第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルである第1の距離レベルを、距離テーブル111から読み出す。
【0062】
サーバー装置10のロケーション情報選択部104は、第2のビーコン識別子について、第1の距離レベルに関連付けられたロケーション情報である第1のロケーション情報を、ロケーションテーブル112から読み出す。ロケーション情報選択部104は、第1のロケーション情報を、モバイルデバイス30に、ネットワークインターフェース15を介して送信する。
【0063】
被選択クライアント装置20Sのロケーション情報転送部203は、サーバー装置10から、第1のロケーション情報を受信し、モバイルデバイス30に送信する。
【0064】
モバイルデバイス30のロケーション情報報知部304は、被選択クライアント装置20Sから、第1のロケーション情報を受信し、表示する。
【0065】
6.情報処理システムの動作
図6は、サーバー装置の動作フローを示す。
図7は、クライアント装置の動作フローを示す。
図8は、モバイルデバイスの動作フローを示す。
【0066】
前提として、モバイルデバイス30を所持するユーザーは、1以上のクライアント装置20が設置された特定のエリア内(例えば、ショッピングモール内)に居る。ユーザーは、何れか1つのクライアント装置20を使用したいが、ユーザーが望む機能を持つクライアント装置20がエリア内のどこにあるかを知らない。
【0067】
モバイルデバイス30のクライアント探索部301は、ネットワークインターフェース35(
図5では図示を省略)を介して、マルチキャストにより、ネットワークN(例えば、ショッピングモール内のLAN)に接続された1以上のクライアント装置20に、探索リクエストを送信する(ステップS301)。「探索リクエスト」は、少なくとも、各クライアント装置20を識別するクライアント識別子と、クライアント装置20の機能(例えば、カラー印刷の可否、チケット発行の可否、ファクシミリの可否、リムーバルメディアの使用可否、解像度のレベル等)とのリクエストである。
【0068】
各1以上のクライアント装置20のクライアント情報供給部201は、ネットワークインターフェース25(
図5では図示を省略)を介して、ネットワークNに接続されたモバイルデバイス30から、探索リクエストを受信する(ステップS201)。すると、各1以上のクライアント装置20のクライアント情報供給部201は、各クライアント装置20を識別するクライアント識別子と、クライアント装置20の機能とを少なくとも含むレスポンスを生成し、ネットワークインターフェース25を介して、ネットワークNに接続されたモバイルデバイス30に送信する(ステップS202)。
【0069】
モバイルデバイス30のクライアント探索部301は、ネットワークインターフェース35を介して、ネットワークNに接続された1以上のクライアント装置20から、1以上のレスポンスを受信する(ステップS302)。クライアント探索部301は、1以上のクライアント装置20から受信した1以上のレスポンスに基づき、1以上のクライアント装置20のクライアント識別子及び機能を示すリストを生成し、表示装置27(典型的には、タッチパネル)に表示する(ステップS303)。
【0070】
モバイルデバイス30のクライアント選択部302は、操作装置26(典型的には、タッチパネル)に入力されたユーザーの操作に基づき、表示装置27に表示されたリストから、1つのクライアント装置20を選択する(ステップS304)。例えば、ユーザーは、ユーザーが望むクライアント装置20の機能(例えば、カラー印刷の可否、チケット発行の可否、ファクシミリの可否、リムーバルメディアの使用可否、解像度のレベル等)を持つクライアント装置20を選択するための操作を入力する。クライアント選択部302は、選択した1つのクライアント装置20(以下「被選択クライアント装置20S」と称する)を識別するクライアント識別子と、モバイルデバイス30を識別するモバイルデバイス識別子とを、ネットワークインターフェース35を介して、ネットワークNに接続されたサーバー装置10に送信する(ステップS305)。
【0071】
サーバー装置10のクライアント判断部101は、ネットワークインターフェース15(
図5では図示を省略)を介して、ネットワークNに接続されたモバイルデバイス30から、モバイルデバイス30が選択した被選択クライアント装置20Sを識別するクライアント識別子と、モバイルデバイス30を識別するモバイルデバイス識別子とを受信する(ステップS101)。
【0072】
ところで、モバイルデバイス30のBluetooth(登録商標)送受信部39は、受信可能エリア内に位置する何れか1以上のビーコン発信機40から、定期的にBLE信号を受信する。モバイルデバイス30のビーコン情報供給部303は、受信した最大強度のBLE信号を発信した1つのビーコン発信機40(「第1のビーコン発信機40A」と称する)を識別するビーコン識別子(「第1のビーコン識別子」と称する)を、ネットワークインターフェース35を介してサーバー装置10に定期的に送信する。
【0073】
同様に、1以上のクライアント装置20(被選択クライアント装置20Sを含む)のBluetooth(登録商標)送受信部29は、受信可能エリア内に位置する何れか1以上のビーコン発信機40から、定期的にBLE信号を受信する。各1以上のクライアント装置20のビーコン情報供給部202は、受信した最大強度のBLE信号を発信した1つのビーコン発信機40を識別するビーコン識別子を、ネットワークインターフェース25を介してサーバー装置10に定期的に送信する。
【0074】
サーバー装置10のビーコン情報取得部102は、モバイルデバイス30から、モバイルデバイス30が受信した最大強度の信号を発信した第1のビーコン発信機40Aを識別する第1のビーコン識別子を、ネットワークインターフェース15を介して定期的に受信する(ステップS102)。
【0075】
同様に、サーバー装置10のビーコン情報取得部102は、モバイルデバイス30から受信(ステップS101)したクライアント識別子により識別される被選択クライアント装置20Sから、被選択クライアント装置20Sが受信した最大強度の信号を発信したビーコン発信機40(「第2のビーコン発信機40B」と称する)を識別するビーコン識別子(「第2のビーコン識別子」と称する)を、ネットワークインターフェース15を介して定期的に受信する(ステップS102)。ところで、サーバー装置10のビーコン情報取得部102は、被選択クライアント装置20S以外の1以上のクライアント装置20からも、ビーコン識別子を定期的に受信するが、本技術とは関係性が少ないため、以下、被選択クライアント装置20Sについてのみ説明する。
【0076】
サーバー装置10の距離レベル決定部103は、ROM12が記憶する距離テーブル111から、モバイルデバイス30が受信した最大強度のBLE信号を発信した第1のビーコン発信機40Aと、被選択クライアント装置20Sが受信した最大強度のBLE信号を発信した第2のビーコン発信機40Bとの距離レベルを読み出す(ステップS103)。具体的には、以下の通りである。
【0077】
図9は、距離テーブルの一例を示す。
距離テーブル111は、全てのビーコン発信機40を識別する全てのビーコン識別子の全てのペアに対して、複数の距離レベルの何れか1つを関連付ける。例えば、ビーコン識別子のペア「ビーコン発信機1」及び「ビーコン発信機2」に対して、複数の距離レベル「遠い」及び「近い」のうち「遠い」が関連付けられている。複数の距離レベルは「遠い」及び「近い」のように2レベルでもよいし、3レベル以上でもよい(図示せず)。さらに、距離テーブル111は、複数の距離レベルのうち最も近い距離レベル(図の例では、距離レベル「近い」)に対して、フラグを記憶する。
【0078】
なお、
図9に示す例では、同じ階又は同じブロックに設置されているビーコン発信機40のペアに対して、距離レベル「近い」が関連付けられている。設置されている階とブロックの両方が異なるビーコン発信機40のペアに対して、距離レベル「遠い」が関連付けられている。
【0079】
サーバー装置10の距離レベル決定部103は、ビーコン情報取得部102がモバイルデバイス30から最新に受信した第1のビーコン識別子と、ビーコン情報取得部102が被選択クライアント装置20Sから受信した第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベル(第1の距離レベル)を、距離テーブル111から読み出す。
図9の例では、モバイルデバイス30から最新に受信した第1のビーコン識別子が「ビーコン発信機1」であり、被選択クライアント装置20Sから受信した第2のビーコン識別子が「ビーコン発信機2」であると仮定する。すると、距離レベル決定部103は、第1の距離レベルとして、これら「ビーコン発信機1」及び「ビーコン発信機2」のペアに関連付けられた距離レベル「遠い」を読み出す(ステップS103)(図中、実線の下線で示す)。
【0080】
サーバー装置10のロケーション情報選択部104は、ROM12が記憶するロケーションテーブル112から、被選択クライアント装置20Sが受信した最大強度のBLE信号を発信した第2のビーコン発信機40Bのロケーション情報を読み出す(ステップS104)。具体的には、以下の通りである。
【0081】
図10は、ロケーションテーブルの一例を示す。
ロケーションテーブル112は、全てのビーコン発信機40を識別する全てのビーコン識別子について、複数の距離レベル各々に対して異なるロケーション情報を関連付ける。「ロケーション情報」は、ユーザーが直感的に理解しやすい説明情報(テキスト情報)である。典型的には、ロケーションテーブル112は、距離レベルとして遠い距離に対して、ロケーション情報として相対的に広い範囲の説明情報を関連付け、距離レベルとして近い距離に対して、ロケーション情報として相対的に狭い範囲の説明情報を関連付ける。例えば、ビーコン識別子「ビーコン発信機2」について、複数の距離レベル「遠い」及び「近い」に対して異なるロケーション情報「2階北ブロック」(相対的に広い範囲)及び「CDショップの隣」(相対的に狭い範囲)が各々関連付けられている。複数の距離レベルが3レベル以上であれば、各ビーコン識別子について、3以上の距離レベル各々に対して異なるロケーション情報を関連付けることになる(図示せず)。
【0082】
サーバー装置10のロケーション情報選択部104は、ビーコン情報取得部102が被選択クライアント装置20Sから受信した第2のビーコン識別子について、距離レベル決定部103が距離テーブル111から読み出した距離レベル(第1の距離レベル)に関連付けられたロケーション情報(第1のロケーション情報)を、ロケーションテーブル112から読み出す。
図10の例では、第2のビーコン識別子が「ビーコン発信機2」であり、距離レベル決定部103が読み出した距離レベルは「遠い」である(ステップS103)。従って、ロケーション情報選択部104は、第2のビーコン識別子「ビーコン発信機2」について、距離レベル「遠い」に関連付けられたロケーション情報「2階北ブロック」を、ロケーションテーブル112から読み出す(ステップS104)(図中、実線の下線で示す)。
【0083】
サーバー装置10のロケーション情報選択部104は、ロケーションテーブル112から読み出したロケーション情報(本例では「2階北ブロック」)と、モバイルデバイス30から受信(ステップS101)したモバイルデバイス識別子とを、ネットワークインターフェース15を介して被選択クライアント装置20Sに送信する(ステップS105)。
【0084】
被選択クライアント装置20Sのロケーション情報転送部203は、ネットワークインターフェース25を介してサーバー装置10から、ロケーション情報(本例では「2階北ブロック」)と、モバイルデバイス識別子とを受信する(ステップS203)。ロケーション情報転送部203は、サーバー装置10から受信したモバイルデバイス識別子により識別されるモバイルデバイス30に、サーバー装置10から受信したロケーション情報を、ネットワークインターフェース25を介して送信する(ステップS204)。
【0085】
モバイルデバイス30のロケーション情報報知部304は、ネットワークインターフェース35を介して被選択クライアント装置20Sから、ロケーション情報(本例では「2階北ブロック」)を受信する(ステップS306)。ロケーション情報報知部304は、受信したロケーション情報(本例では「2階北ブロック」)を、表示装置37に表示する(ステップS307)。
【0086】
ところで、ユーザーは、モバイルデバイス30の表示装置37を参照し、表示されたロケーション情報(本例では「2階北ブロック」)が示すロケーションに向かう。ユーザーが移動すると、ユーザーが所持するモバイルデバイス30も移動する(典型的には、被選択クライアント装置20Sに近づいて行く)。従って、モバイルデバイス30のBluetooth(登録商標)送受信部39が受信する最大強度のBLE信号を発信したビーコン発信機40は、上述の第1のビーコン発信機40Aと異なるビーコン発信機40(「第3のビーコン発信機40C」と称する)となる。モバイルデバイス30のビーコン情報供給部303は、受信した最大強度のBLE信号を発信したビーコン発信機40を識別するビーコン識別子を、ネットワークインターフェース35を介してサーバー装置10に、定期的に送信し続けている。従って、モバイルデバイス30のビーコン情報供給部303は、受信した最大強度のBLE信号を発信した第3のビーコン発信機40Cを識別するビーコン識別子(「第3のビーコン識別子」と称する)を、ネットワークインターフェース35を介してサーバー装置10に送信することとなる。
【0087】
サーバー装置10の距離レベル決定部103は、ROM12が記憶する距離テーブル111から、モバイルデバイス30が受信(ステップS102)した最大強度のBLE信号を発信した第3のビーコン発信機40Cと、被選択クライアント装置20Sが受信した最大強度のBLE信号を発信した第2のビーコン発信機40Bとの距離レベルを読み出す(ステップS103)。具体的には、以下の通りである。
【0088】
サーバー装置10の距離レベル決定部103は、ビーコン情報取得部102がモバイルデバイス30から最新に受信した第3のビーコン識別子と、ビーコン情報取得部102が被選択クライアント装置20Sから受信した第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベル(第2の距離レベル)を、距離テーブル111から読み出す。
図9の例では、モバイルデバイス30から最新に受信した第3のビーコン識別子が「ビーコン発信機3」であり、被選択クライアント装置20Sから受信した第2のビーコン識別子が「ビーコン発信機2」であると仮定する。すると、距離レベル決定部103は、第2の距離レベルとして、これら「ビーコン発信機2」及び「ビーコン発信機3」のペアに関連付けられた距離レベルとして、フラグが関連付けられた「近い」を読み出す(ステップS103)(図中、点線の下線で示す)。
【0089】
サーバー装置10のロケーション情報選択部104は、ROM12が記憶するロケーションテーブル112から、被選択クライアント装置20Sが受信した最大強度のBLE信号を発信した第2のビーコン発信機40Bのロケーション情報を読み出す(ステップS104)。具体的には、以下の通りである。
【0090】
サーバー装置10のロケーション情報選択部104は、ビーコン情報取得部102が被選択クライアント装置20Sから受信した第2のビーコン識別子について、距離レベル決定部103が距離テーブル111から読み出した距離レベル(第2の距離レベル)に関連付けられたロケーション情報(第2のロケーション情報)を、ロケーションテーブル112から読み出す。
図10の例では、第2のビーコン識別子が「ビーコン発信機2」であり、距離レベル決定部103が読み出した距離レベルは、フラグが関連付けられた「近い」である(ステップS103)。従って、ロケーション情報選択部104は、第2のビーコン識別子「ビーコン発信機2」について、距離レベル「近い」に関連付けられたロケーション情報「CDショップの隣」を、ロケーションテーブル112から読み出す(ステップS104)(図中、点線の下線で示す)。さらに、ロケーション情報選択部104は、第2のビーコン識別子「ビーコン発信機2」について、距離レベルにフラグが関連付けられていることを読み出す。上述のように、フラグは、複数の距離レベルのうち最も近い距離レベルであることを示す。
【0091】
サーバー装置10のロケーション情報選択部104は、ロケーションテーブル112から読み出したロケーション情報(本例では「CDショップの隣」)と、モバイルデバイス30から受信(ステップS101)したモバイルデバイス識別子と、複数の距離レベルのうち最も近い距離レベルであることとを、ネットワークインターフェース15を介して被選択クライアント装置20Sに送信する(ステップS105)。
【0092】
被選択クライアント装置20Sのロケーション情報転送部203は、ネットワークインターフェース25を介してサーバー装置10から、ロケーション情報(本例では「CDショップの隣」)と、モバイルデバイス識別子と、最も近い距離レベルであることとを、受信する(ステップS203)。ロケーション情報転送部203は、サーバー装置10から受信したモバイルデバイス識別子により識別されるモバイルデバイス30に、サーバー装置10から受信したロケーション情報を、ネットワークインターフェース25を介して送信する(ステップS204)。
【0093】
モバイルデバイス30のロケーション情報報知部304は、ネットワークインターフェース35を介して被選択クライアント装置20Sから、ロケーション情報(本例では「CDショップの隣」)を受信する(ステップS306)。ロケーション情報報知部304は、受信したロケーション情報(本例では「CDショップの隣」)を、表示装置37に表示する(ステップS307)。
【0094】
ところで、被選択クライアント装置20Sのロケーション情報転送部203は、最も近い距離レベルであることを受信すると(ステップS205、YES)、LED27Aを発光し、スピーカー27Bから音声を出力する(ステップS206)。被選択クライアント装置20Sをユーザーに報知するためである。「最も近い距離レベル」とは、モバイルデバイス30が受信した最大強度のBLE信号を発信した第3のビーコン発信機40Cと、被選択クライアント装置20Sが受信した最大強度のBLE信号を発信した第2のビーコン発信機40Bとの距離レベルが、最も近いことを意味する。言い換えれば、モバイルデバイス30と被選択クライアント装置20Sとの距離レベルが最も近い。従って、モバイルデバイス30を所持するユーザーは、被選択クライアント装置20Sを見える場所にいる(又はその場所に近づいている)。ユーザーは、被選択クライアント装置20SのLED27Aの発光を見て、スピーカー27Bから出力される音声を聞く。これにより、ユーザーは、被選択クライアント装置20Sを容易に見つけることができる。特に、複数のクライアント装置20が近くにある場合に、被選択クライアント装置20Sを容易に見つけることができる。
【0095】
7.変形例
モバイルデバイス30のBluetooth(登録商標)送受信部39がオフのとき、サーバー装置10のビーコン情報取得部102は、モバイルデバイス30から、ビーコン識別子を受信しない。その場合、サーバー装置10の距離レベル決定部103は、複数の距離レベルのうち最も遠い距離レベルを、距離レベルとして決定すればよい。
【0096】
本実施形態では、被選択クライアント装置20Sのロケーション情報転送部203は、最も近い距離レベルであることを受信すると(ステップS205、YES)、LED27Aを発光し、スピーカー27Bから音声を出力した(ステップS206)。これとともに/これに替えて、被選択クライアント装置20Sのロケーション情報転送部203は、モバイルデバイス30からBluetooth(登録商標)又はネットワークNを介してリクエストを受信したとき、LED27Aを発光し、スピーカー27Bから音声を出力してもよい。
【0097】
本実施形態では、サーバー装置10のロケーション情報選択部104は、ロケーション情報と、モバイルデバイス識別子とを、被選択クライアント装置20Sに送信した(ステップS105)。被選択クライアント装置20Sのロケーション情報転送部203は、サーバー装置10から受信したモバイルデバイス識別子により識別されるモバイルデバイス30に、サーバー装置10から受信したロケーション情報を、送信した(ステップS204)。これに替えて、サーバー装置10のロケーション情報選択部104は、ロケーション情報を、モバイルデバイス識別子により識別されるモバイルデバイス30に、送信してもよい。
【0098】
1以上のクライアント装置20が、それぞれ、サーバー装置10の機能的構成を持つこととすれば、情報処理システム1はサーバー装置10を有さなくてもよい(図示せず)。
【0099】
8.結語
第1に、本実施形態によれば、サーバー装置10は、モバイルデバイス30から最新に受信した第1のビーコン識別子と、被選択クライアント装置20Sから受信した第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルに関連付けられたロケーション情報を、被選択クライアント装置20Sを介して(変形例によれば、介さずに)モバイルデバイス30に供給する。第1のビーコン識別子と第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルが、遠い距離であれば、モバイルデバイス30と被選択クライアント装置20Sとが相対的に遠い距離であることを意味する。一方、第1のビーコン識別子と第2のビーコン識別子とのペアに関連付けられた距離レベルが、近い距離であれば、モバイルデバイス30と被選択クライアント装置20Sとが相対的に近い距離であることを意味する。サーバー装置10は、距離レベルが遠い距離であれば、ロケーション情報として広い範囲の説明情報を、距離レベルが近い距離であれば、ロケーション情報として狭い範囲の説明情報を、被選択クライアント装置20Sを介して(変形例では、介さずに)モバイルデバイス30に供給する。これにより、ユーザーが所持するモバイルデバイス30が被選択クライアント装置20Sに近づいて行くにつれて、モバイルデバイス30が取得する説明情報は、相対的に広い範囲から狭い範囲へと遷移する。従って、ユーザーは、モバイルデバイス30(を所持するユーザー)のロケーションに応じて最適なロケーション情報を取得することができる。
【0100】
第2に、被選択クライアント装置が発光や音声によりロケーションを報知する技術としては、ユーザーが被選択クライアント装置の近くにいるか否かに拘わらず、被選択クライアント装置が発光したり音声を出力したりする方法が考えられる。しかしながら、この方法では、ユーザーが被選択クライアント装置から遠く離れていれば無意味であるし、被選択クライアント装置の近くにいる無関係の人物にとっては迷惑となるおそれがある。
【0101】
これに対して、本実施形態によれば、被選択クライアント装置20Sは、最も近い距離レベルであることを受信すると(ステップS205、YES)、LED27Aを発光し、スピーカー27Bから音声を出力する(ステップS206)。つまり、被選択クライアント装置20Sは、ユーザーが所持するモバイルデバイス30が被選択クライアント装置20Sに十分近づいてから、LED27Aを発光し、スピーカー27Bから音声を出力する。逆に言えば、ユーザーが所持するモバイルデバイス30が被選択クライアント装置20Sに近づくまでは、LED27Aを発光し、スピーカー27Bから音声を出力しない。従って、ユーザーにとって必要なときにのみLED27Aを発光し、スピーカー27Bから音声を出力するので、省エネルギーであり、モバイルデバイス30を所持するユーザーだけに、被選択クライアント装置20Sのロケーションを報知することができる。
【0102】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0103】
例えば、ビーコン発信機40のペアに対して関連付けられる距離レベルは、実施形態にかかわらず、特定の基準(例えば、2つのビーコン発信機40間の距離の閾値)に基づいて「近い」又は「遠い」を距離テーブル111に設定しておくことにより、本発明を適切に実施することができる。
【0104】
また、ロケーションテーブルにおいて、距離レベル「近い」に関連付けられるロケーション情報を、距離レベル「遠い」に関連付けられるロケーション情報の範囲に含まれるより狭い範囲に設定しておくことにより、本発明を適切に実施することができる。
【0105】
また、ビーコン発信機40のペアが同じビーコン発信機40、すなわち、モバイルデバイス30が受信した最大強度のBLE信号を発信した1つのビーコン発信機40と、クライアント端末20が受信した最大強度のBLE信号を発信した1つのビーコン発信機40とが同じ場合もあり得る。この場合、当該ペアに対して距離レベル111「近い」及び「最も近い」(3レベルの場合は「最も近い」)を関連付ければよい。