【実施例】
【0033】
<第1の実施例>
第1の実施例について説明する。
実施例1及び2を
図2〜
図4を参照して説明する。なお、
図3(e)の処理は実施例2のみの処理工程である。
(実施例1)
実施例1では、マイクロレンズ下層1bを組成する透明樹脂は熱硬化型樹脂である。一方でマイクロレンズ上層1aを組成する透明樹脂は感光性樹脂であり、ポジ型の感光性樹脂を用いた例である。
【0034】
本実施例では、レンズ1の凸形状を露光法で制御するため、グレイトーンマスクという特殊な露光用マスクを用いた。
半導体基板3に、光電変換素子や遮光膜、パッシベーション膜を形成し、最上層に、熱硬化タイプのアクリル樹脂塗布液を用いてスピンコートにて平坦化層を形成した。半導体基板3の寸法は、厚さ0.75mm、直径20cmとした。
【0035】
次いで、平坦化膜の上に、色分解フィルタ2を、グリーン、ブルー、レッドの3色にて3回のフォトリソグラフィの手法で、それぞれ形成した(
図2(a)を参照のこと。但し、光電変換膜と平坦化層は図示せず)。
グリーンレジストは、色材としてC.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントブルー15:6を用い、さらにシクロヘキサノン、PGMEAなどの有機溶剤、ポリマーワニス、モノマー、開始剤を添加した構成のカラーレジストを用いた。
【0036】
ブルーレジストは、色材としてC.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントバイオレット23を用い、さらにシクロヘキサノン、PGMAなどの有機溶剤、ポリマーワニス、モノマー、開始剤を添加した構成のカラーレジストを用いた。
レッドレジストの色材は、C.I.ピグメントレッド117、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントイエロー139とした。色材以外の組成は、グリーンレジストと同様とした。
【0037】
着色画素の配列は、一画素おきにG(緑)フィルタが設けられ、Gフィルタの間に一行おきにR(赤)フィルタとB(青)フィルタが設けられた、いわゆるベイヤー配列とした。
つぎに、各色分解フィルタ2上に、ベンゼン環を樹脂骨格に導入したアクリル樹脂の塗布液を塗布して、1μmの膜厚の透明樹脂層11を形成し、180℃で3分間加熱して、硬膜化処理を行った(
図2(b))。
【0038】
更に、アルカリ可溶性、感光性、熱リフロー性を有するスチレン樹脂を塗布して感光性樹脂層12を形成した(
図2(c))。
その後、感光性樹脂層12を、グレイトーンマスク50を使用する定法のフォトリソグラフィのプロセスによりパターン形成する。
その後、200℃で熱処理して熱リフローし、片側0.1μmのほぼ適正なフロー量で、レンズ母型12aを形成した(
図2(d))。レンズ母型12aは、レンズ母型12a間のギャップ0.3μmのスムースな円柱状であった。
【0039】
次に、フロン系ガスであるCF
4とC
3F
8の混合系ガスを用いてドライエッチングを施し、レンズ母型12aのパターンをアクリル樹脂からなる透明樹脂層11に転写し、レンズ間ギャップ0.035μmのマイクロレンズ下層11aを形成した(
図3(a))。このマイクロレンズ下層11aの高さは、レンズ母型12aの高さより低く、約0.25μmであった。なお、ドライエッチング時間は5分とした。
【0040】
続いて、マイクロレンズ下層11aの上に、アルカリ可溶性、感光性、熱リフロー性を有するスチレン樹脂を塗布して感光性樹脂層13を形成した(
図3(b))。
その後、感光性樹脂層13を、グレイトーンマスク51を使用する定法のフォトリソグラフィのプロセスによりパターン化しマイクロレンズ上層13aを形成した(
図3(c)(d))。なお、マイクロレンズ上層13aは、レンズ高さ0.3μmのスムースな半球状レンズであった。
【0041】
グレイトーンマスク51は、作成したいレンズ要素の薄膜の部分に対応する部分については光透過率を高くした遮光膜を、石英基板上に形成したものである。遮光膜に濃淡のグラデュエーション(階調)が付いたマスクということができる。この階調の濃淡は、露光に用いる光では解像しない小さな径のドットの単位面積当たりの個数(粗密)の部分的な差によって達成される。
このようにして半導体基板3上に多面付けされたイメージセンサが完成した(
図3(d))。
次に、上記の半導体基板3の裏面にフォトレジストを塗布し、定法のフォトリソグラフィ法により貫通孔が形成されるべき部位に開口部を形成した。
【0042】
次いで、フォトレジスト膜をマスクとして反応性イオンエッチングを行い、半導体基板3を所定の深さまでエッチングして貫通孔を形成した(
図4(a))。
次に、半導体基板3と後に形成する配線層とを絶縁するために、CVD法により貫通孔の内壁、底部及び裏面全体にSiO
2絶縁膜を形成した。ここで、絶縁膜は、その膜厚が貫通孔の底部(アルミニウムなど導電性の高い金属からなるパッドである)上の方が半導体基板3の裏面上より薄くなるように形成した。こうした上で、反応性イオンエッチングを再度行い、貫通孔底部の絶縁膜を除去した。引き続き、スパッタ法により、導電膜を形成し、貫通孔の埋設及びウェハ裏面の貫通孔電極4を形成する配線層を形成した(
図4(a))。
【0043】
次に、定法のフォトリソグラフィ法により、配線層の一部で外部と接続させる部分を露出させた。当該露出部位に、スクリーン印刷によりはんだペーストを塗布し、はんだボールを搭載した。リフロー処理を施し、残留フラックスを除去すると、外部接続バンプ5を有するイメージセンサ基板が得られた。
最後に、450メッシュのレジンブレードを用いたダイシング装置により、マトリックス状に多面付けされたイメージセンサの中間部を断裁線として、表面より断裁溝を入れた(
図4(b))。その後、個々のイメージセンサに分離し(
図4(c))、
図4(d)の状態とした完成品を得た。
【0044】
(実施例2)
実施例2は、マイクロレンズ下層1bを組成する透明樹脂は熱硬化型樹脂である。一方でマイクロレンズ上層1aを組成する透明樹脂は感光性樹脂であり、ポジ型の感光性樹脂を用いた例である。本実施例では、レンズの凸形状を露光法で制御するため、グレイトーンマスクという特殊な露光用マスクを使用する。
【0045】
厚さ0.75mm、直径20cmの半導体基板3に、光電変換素子や遮光膜、パッシベーション膜を形成し、最上層に、熱硬化タイプのアクリル樹脂塗布液を用いてスピンコートにて平坦化層を形成した。次いで、平坦化膜の上に、色分解フィルタ2を、グリーン、ブルー、レッドの3色にて3回のフォトリソグラフィの手法で、それぞれ形成した(
図2(a)を参照のこと。但し、光電変換膜と平坦化層は図示せず。)。
グリーンレジストは、色材としてC.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントブルー15:6を用い、さらにシクロヘキサノン、PGMEAなどの有機溶剤、ポリマーワニス、モノマー、開始剤を添加した構成のカラーレジストを用いた。
【0046】
ブルーレジストは、色材としてC.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントバイオレット23を用い、さらにシクロヘキサノン、PGMAなどの有機溶剤、ポリマーワニス、モノマー、開始剤を添加した構成のカラーレジストを用いた。
レッドレジストの色材は、C.I.ピグメントレッド117、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントイエロー139とした。色材以外の組成は、グリーンレジストと同様とした。
【0047】
着色画素の配列は、一画素おきにG(緑)フィルタが設けられ、Gフィルタの間に一行おきにR(赤)フィルタとB(青)フィルタが設けられた、いわゆるベイヤー配列とした。
つぎに、各色分解フィルタ2上に、ベンゼン環を樹脂骨格に導入したアクリル樹脂の塗布液を塗布して、1μmの膜厚の透明樹脂層11を形成し、180℃で3分間加熱して、硬膜化処理を行った(
図2(b))。
【0048】
更に、アルカリ可溶性、感光性、熱リフロー性を有するスチレン樹脂を塗布して感光性樹脂層12を形成した(
図2(c))。
その後、感光性樹脂層12を、グレイトーンマスク50を使用する定法のフォトリソグラフィのプロセスによりパターン化した後、200℃で熱処理して熱リフローし、片側0.1μmのほぼ適正なフロー量で、レンズ母型12aを形成した(
図2(d))。レンズ母型12aは、レンズ母型12a間のギャップ0.3μmの平滑な円柱状であった。
【0049】
次に、フロン系ガスであるCF
4とC
3F
8の混合系ガスを用いてドライエッチングを施し、レンズ母型12aのパターンをアクリル樹脂からなる透明樹脂層11に転写し、レンズ間ギャップ0.035μmのマイクロレンズ下層11aを形成した(
図3(a))。このマイクロレンズ下層11aの高さは、レンズ母型12aの高さより低く、約0.25μmであった。なお、ドライエッチング時間は5分とした。
【0050】
続いて、マイクロレンズ下層11aの上に、アルカリ可溶性、感光性、熱リフロー性を有するスチレン樹脂を塗布して感光性樹脂層13を形成した(
図3(b))。
その後、感光性樹脂層13を、グレイトーンマスク51を使用する定法のフォトリソグラフィのプロセスによりパターン化した後(
図3(c)(d))、200℃で熱処理して熱リフローし(
図3(e))、片側0.1μmのほぼ適正なフロー量で、マイクロレンズ上層13aを形成した。なお、マイクロレンズ上層13aは、レンズ高さ0.3μmのスムースな半球状レンズであった。
【0051】
マイクロレンズ上層13aを熱リフローすることで、自己凝集により、マイクロレンズ上層13aとマイクロレンズ下層11aのxy中心位置を合わせることができた。
さらに、熱リフローされたマイクロレンズ上層13aがマイクロレンズ下層11aの表面の一部を覆うことで、マイクロレンズ下層11aの表面を平滑にすることができた。
グレイトーンマスク51は、作成したいレンズ要素の薄膜の部分に対応する部分については光透過率を高くした遮光膜を、石英基板上に形成したものである。遮光膜に濃淡のグラデェーション(階調)が付いたマスクということができる。この階調の濃淡は、露光に用いる光では解像しない小さな径のドットの単位面積当たりの個数(粗密)の部分的な差によって達成される。
【0052】
このようにして半導体基板3上に多面付けされたイメージセンサが完成した。
次に、上記の半導体基板3の裏面にフォトレジストを塗布し、定法のフォトリソグラフィ法により貫通孔が形成されるべき部位に開口部を形成した。次いで、フォトレジスト膜をマスクとして反応性イオンエッチングを行い、半導体基板3を所定の深さまでエッチングして貫通孔を形成した(
図4(a))。
【0053】
次に、半導体基板3と後に形成する配線層とを絶縁するために、CVD法により貫通孔の内壁、底部及び裏面全体にSiO
2絶縁膜を形成した。ここで、絶縁膜は、その膜厚が貫通孔の底部(アルミニウムなど導電性の高い金属からなるパッドである)上の方が半導体基板3の裏面上より薄くなるように形成した。こうした上で、反応性イオンエッチングを再度行い貫通孔底部の絶縁膜を除去した。引き続き、スパッタ法により、導電膜を形成し、貫通孔の埋設及びウェハ裏面の貫通孔電極4を形成する配線層を形成した(
図4(a))。
【0054】
次に、定法のフォトリソグラフィ法により、配線層の一部で外部と接続させる部分を露出させた。当該露出部位に、スクリーン印刷によりはんだペーストを塗布し、はんだボールを搭載した。リフロー処理を施し、残留フラックスを除去すると、外部接続バンプ5を有するイメージセンサ基板が得られた。
最後に、450メッシュのレジンブレードを用いたダイシング装置により、マトリックス状に多面付けされたイメージセンサの中間部を断裁線として、表面より断裁溝を入れた(
図4(b))。その後、個々のイメージセンサに分離し(
図4(c))、
図4(d)の状態とした完成品を得た。
【0055】
<第2の実施例>
以下に、本発明によるイメージセンサにおけるマイクロレンズの製造方法についての第2の実施例を説明する。
(実施例1)
図5に示すように、半導体基板21上に平坦化層22、色分解フィルタ23と透明樹脂層24およびマイクロレンズ38が形成されたものである。
図5は、
図6におけるa−a線での断面図である。
【0056】
色分解フィルタ23のR(赤)、G(緑)、B(青)の形成には、それぞれ赤色用顔料:C.I.Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)およびC.I.Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)、緑色用顔料:C.I.Pigment Green 36(東洋インキ社製「リオノールグリーン 6YK」)およびC.I.Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」)、青色用顔料:C.I.Pigment Blue 15(東洋インキ社製「リオノールブルーES」)C.I.Pigment Violet 23(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)を、アクリル系樹脂、シクロヘキサノン溶剤とともに調製したアクリル系の感光性着色レジストを用いた。色材の添加量は、それぞれレジスト中の固形分比にて約50%とした。
【0057】
図5(A)に示すように、まず、半導体基板21上にスピンコート法によって熱硬化型のアクリル樹脂溶液を塗布し、次いでホットプレート上で200℃、5分の熱処理を施し、0.1μmの厚さの平坦化層22を形成した。
平坦化層22上にスピンコート法により、アクリル系の感光性緑色着色レジストを塗布した後、ホットプート上で80℃、1分のプリベーク処理を行った。
【0058】
次に、i線ステッパー(ニコン社製 i12)を使用してパターン露光した後、有機アルカリ現像液(TMAH濃度0.05%)で1分間の現像処理を行い、さらに十分に純水でリンスし、水切り乾燥を行った。その後、220℃、6分間のポストベークを行い、G(緑)画素パターンを形成した。R(赤)画素、B(青)画素についてもG(緑)画素と同様にフォトリソグラフィ法を用いてベイヤー配列にもとづく所定の位置に形成し、画素サイズが2.0μmの色分解フィルタ23を得た。R(赤)、G(緑)、B(青)のパターンを測定したところ、膜厚は各々1.0μmであった。
【0059】
次に、
図5(B)に示すように、色分解フィルタ23のR(赤)、G(緑)、B(青)の上に、マイクロレンズ下層26の母材となるアクリル系樹脂(屈折率:1.50)を塗布乾燥し、厚さ0.7μmの透明樹脂層24を形成した。
次に、
図5(C)に示すように、透明樹脂層24上に質量平均分子量30,000のベース樹脂を含有するポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布、露光、現像し、ホットプレートを用いて160℃、5分間加熱した後、さらに220℃、5分間の条件で焼成し、膜厚1.0μmのレンズ母型25を形成した。
【0060】
次に、
図5(D)に示すように、ドライエッチング装置にて、フロン系ガスであるCF
4とC
3F
8の混合ガスを用い、基板温度を常温、圧力5Pa、RFパワー500W、バイアス50Wにてエッチング処理を行った。レンズ母型25をマスクとしてエッチング処理し、画素サイズが2.0μmのマイクロレンズ下層26を形成した。その後、230℃で20分加熱を処理した。処理後のマイクロレンズ下層26の高さは、0.4μmであった。
【0061】
次に、
図5(E)に示すように、マイクロレンズ下層26上に屈折率1.67、質量平均分子量2,000のベース樹脂を含有するポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布、露光、現像し、露光装置を用いて300mJ/cm
2の条件でブリーチングを行い、その後、レジストパターン28を形成した。
次に、
図1Fに示すように、レジストパターン28をホットプレートにて130℃で5分間の加熱処理を行い、表面張力により半球面レンズ形状層を形成させた。さらに、200℃で5分間加熱硬化させた結果、マイクロレンズ上層となるレンズ形状層28Aが得られた。レンズ形状層28Aは、画素サイズ1.5μmであった。レンズ形状層28Aの高さは、0.2μmであった。
これによって、マイクロレンズ下層26及びレンズ形状層28Aからなるマイクロレンズ38を形成した。
【0062】
(実施例2)
実施例1におけるマイクロレンズ上層に用いたポジ型フォトレジストのベース樹脂の屈折率を1.55に変更した点以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズを形成した。
(実施例3)
実施例1におけるマイクロレンズ上層に用いたポジ型フォトレジストのベース樹脂の質量平均分子量を10,000に変更した点以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズを形成した。
【0063】
(実施例4)
実施例1におけるマイクロレンズ上層に用いたポジ型フォトレジストのベース樹脂の質量平均分子量が18,000に変更した点以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズを形成した。
(実施例5)
実施例1における透明樹脂層に用いた材料が屈折率1.45であるフッ素系アクリル樹脂に変更した点以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズを形成した。
【0064】
(比較例1)
実施例1におけるマイクロレンズ上層の高さを0.6μmとし、マイクロレンズ下層を形成する工程(いわゆる熱リフロー法)を省略した点以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズを形成した。
(比較例2)
実施例1におけるマイクロレンズ下層の高さを0.6μmとし、マイクロレンズ上層を形成する工程(いわゆる転写法)を省略した点以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズを形成した。
【0065】
(比較例3)
実施例1におけるマイクロレンズ上層に用いたポジ型フォトレジストのベース樹脂の屈折率が1.40に変更した点以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズを形成した。
(比較例4)
実施例1におけるマイクロレンズ上層に用いたポジ型フォトレジストのベース樹脂の質量平均分子量が900に変更した点以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズを形成した。
【0066】
(比較例5)
実施例1におけるマイクロレンズ上層に用いたポジ型フォトレジストのベース樹脂の質量平均分子量が40,000に変更した点以外は、実施例1と同様にしてマイクロレンズを形成した。
ここで、形成されたマイクロレンズの形状観察、寸法測定、及びレンズ高さ、表面粗さの測定方法および感度評価は、以下の通りである。
【0067】
〔形成されたマイクロレンズ形状と寸法測定〕
形成されたマイクロレンズ形状については測長SEM(KLA−Tencor社製eCD2−XP)で観察評価した。マイクロレンズの形状が半球面となったものを「○」、半球面とならなかったものを「×」として評価した。また隣接するレンズ間の辺同士のギャップについて測定した。ただし、装置測定限界は0.035μmであった。
【0068】
〔マイクロレンズ高さと表面粗さの測定〕
マイクロレンズ高さと表面粗さはAFM(原子間力顕微鏡、東陽テクニカ社製(i-n ano))にて測定した。マイクロレンズの高さはマイクロレンズ下層とマイクロレンズ上層を含めたものとした。
【0069】
〔感度評価〕
上記の方法で形成したマイクロレンズを備えた固体撮像素子の感度を測定した。比較例1に示された熱リフローによるものと感度比較を行った。評価結果を表1に示す。
【表1】
【0070】
表1から明らかなように、実施例1〜5では、隣接レンズ間ギャップが小さく、表面が滑らかな半球面上のマイクロレンズが得られた。結果、従来の熱リフロー法と比較して集光感度の向上が可能となった。
比較例2〜3においては、所望の集光感度の向上が得られなかった。また比較例4においては、マイクロレンズ形状が形成出来ず、比較例5においては半球状のマイクロレンズ形状が得られなかった。
【0071】
ここで、実施例1において、熱リフロー性を有する感光性樹脂の屈折率を1.5、及び1.7として行った場合も、実施例1と同様な評価を得ることが出来たことを確認している。また、実施例1において、熱リフロー性を有する感光性樹脂の質量平均分子量を1,000として行った場合も実施例1と同様な評価を得ることが出来たことを確認している。
【0072】
以上、本願が優先権を主張する、日本国特許出願2015−105636号(2015年5月25日出願)および日本国特許出願2015−119290号(2015年6月12日出願)の全内容は、参照により本開示の一部をなす。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。すなわち、本発明は、以上に記載した各実施形態に限定されうるものではない。当業者の知識に基づいて各実施形態に設計の変更等を加えることが可能であり、そのような変更等を加えた態様も本発明の範囲に含まれる。