(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記潰れ可能な空洞が、前記ソケットのうちの少なくとも1つの長手軸に沿って、前記ソケットの開口部を横切って延びるとともに開口部から離隔された保護壁を備える、請求項2に記載の先端アダプタ。
前記潰れ可能な空洞が、内部から結腸壁の一部に押し付けられた際に弾性的に潰れるように十分柔軟であり、前記潰れが、10ニュートンの力よりも小さな力で発生する、請求項2に記載の先端アダプタ。
前記潅注開口部が、内部への流体の供給に際して流体を噴射に変えるように成形され、前記シェルの前記開口部が、前記噴射との干渉を回避するのに十分な大きさである、請求項10に記載の先端アダプタ。
前記シェルは、前記結腸鏡のプローブ部および前記インサートが前記シェル内に共に位置するように、前記結腸鏡のプローブ部および前記インサートを囲む、請求項1に記載の先端アダプタ。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、結腸鏡プローブと併用する結腸洗浄システムの先端アダプタであって、1つまたは複数の流体輸送管の遠位端をそれぞれ適合的に収容する複数のソケットを備えたインサートを適合的に収容するようにサイズ設定された空洞領域を有するシェルを備え、インサートおよびシェルの一方が弾性的に変形可能な材料を含み、他方が相対的に剛性の材料を含む、先端アダプタが提供される。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によれば、シェルは、インサートよりも柔軟な材料で構成され、シェルが外力に応答してインサートの周りで変形可能である一方、インサートが定位置に留まって実質的に無変形である。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、柔軟なシェルは、少なくとも1つの弾性的に潰れ可能な空洞を画定する。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、潰れ可能な空洞は、ソケットのうちの少なくとも1つの長手軸に沿って、ソケットの開口部を横切って延びるとともに開口部から離隔された保護壁を備える。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、潰れ可能な空洞の開口部を備える。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ソケットの開口部は、吸引開口部である。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁の開口部は、吸引開口部と実質的に同じサイズおよび形状を有する。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、ソケットの長手軸に沿って、開口部から少なくとも5mmだけ離隔している。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、潰れ可能な空洞は、内部から結腸壁の一部に押し付けられた際に弾性的に潰れるように十分柔軟であり、この潰れは、結腸壁の上記部分に損傷を与える力よりも小さな力で発生する。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、シェルは、ソケットのうちの少なくとも1つの開口部を囲む開口部を備える。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ソケットの開口部は、潅注開口部である。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、潅注開口部は、内部への流体の供給に際して流体を噴射に変えるように成形され、シェルの開口部は、噴射との干渉を回避するのに十分な大きさである。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、シェルは、インサートよりも堅固な材料で構成され、インサートは、ソケット間で変形可能である。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、柔軟なインサートは、流体輸送管の移動に際して、流体輸送管および空洞領域との適合接触を維持しつつ変形するように十分柔軟である。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、堅固なシェルの形状は、変形中に維持される。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、この先端アダプタは、結腸鏡プローブの遠位部を受容するようにサイズ設定されたソケットを備える。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、この先端アダプタは、結腸の遠位部への挿入用にサイズ設定された排出チャネルの遠位端に取り付けられる。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、このアダプタは、挿入されたとき、結腸の遠位部から排出チャネルに排泄物を吸引するように位置決めされるように取り付けられる。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、この先端アダプタは、シェルと一体的に形成され、当該先端アダプタの外周に取り付けられ、そこから半径方向に延びた結腸スペーサを備え、この結腸スペーサは、結腸の半径方向制限領域への当該先端アダプタの前進運動に起因する圧力を受けた際に潰れるように十分柔軟である。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、結腸洗浄装置の遠位端で先端アダプタを案内する方法であって、先端アダプタを前進させて軟部組織の一部に押し付けるステップと、軟部組織に対して先端アダプタの一部を潰すことにより、軟部組織に対する先端アダプタの最大圧力を低減するステップと、を含む、方法が提供される。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、先端アダプタは、結腸洗浄装置の対応する複数のルーメンに取り付けられた複数のソケットを備え、先端アダプタの上記部分が潰れる間、これらソケットが無変形のままである。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、管状の消化管腔から排泄物を排出する洗浄システムであって、消化管腔の遠位部に挿入するように構成された遠位端を有し、吸引を遠位端に伝達するように構成された少なくとも1つの排出ルーメンと、挿入されたとき、消化管腔の最も近い組織から離れる方向に向かって、遠位端に吸引入口を画定する保護壁と、を備える、洗浄システムが提供される。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、排出ルーメンの主近位領域と実質的に同じ断面を有する最遠位領域を備えた排出ルーメンの吸入断面から遠位方向に延びている。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態によれば、吸入断面に垂直な中心軸に対して、保護壁の遠位延伸部の一部が内側に延びている。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁により画定された吸引入口の面積は、吸入断面の面積より少なくとも2倍大きい。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、アダプタが遠位部に取り付けられた場合に、結腸鏡プローブの遠位部の断面の少なくとも一部の周りで周方向に延びている。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、断面の周り全体に延びている。
【0032】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、管状の消化管腔から排泄物を排出する洗浄システムであって、消化管腔の遠位部に挿入するように構成された遠位吸入開口部を有し、吸引を吸入開口部に伝達するように構成された少なくとも1つの排出ルーメンと、挿入されたとき、消化管腔の最も近い組織から吸入開口部を分離する保護壁であり、最も近い組織から吸引を逸らすように位置決めされた吸引入口を画定した、保護壁と、を備える、洗浄システムが提供される。
【0033】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、吸入開口部から遠位方向に延びている。
【0034】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、吸入開口部に垂直な中心軸に対して、保護壁の遠位延伸部の一部が内側に延びている。
【0035】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、内側に延びた部分から中心軸を越えて保護壁の一部が連続する。
【0036】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁により画定された吸引入口の面積は、吸入開口部の面積より少なくとも2倍大きい。
【0037】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、遠位方向への延伸は、少なくとも5mmである。
【0038】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、このシステムは、結腸鏡プローブの遠位部に取り付け可能なアダプタを備えており、このアダプタが保護壁を備える。
【0039】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、アダプタが遠位部に取り付けられた場合に、吸入開口部の一部から、結腸鏡プローブの遠位部の断面の少なくとも一部の周りで周方向に延びている。
【0040】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、断面の周り全体に延びている。
【0041】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、遠位方向にテーパ状となっている。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によれば、テーパは、遠位方向に切頂面で終端している。
【0043】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、アダプタおよび結腸鏡プローブが取り付けられた場合に、結腸鏡プローブの遠位部の遠位境界の遠位方向への垂直突出により画定された領域に延入するテーパ部を備える。
【0044】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、テーパ部は、全周で突出によって画定された領域に延入している。
【0045】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、上記逸らすこととして、排出ルーメンの遠位部の遠位−近位軸に平行または垂直な方向から少なくとも30°だけ離れるように吸引入口に角度を付ける。
【0046】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、遠位延伸は、吸入開口部を囲む円周の少なくとも20%前後であり、吸入開口部から少なくとも5mmだけ遠位方向に延びており、少なくとも0.1mm厚の壁を含む。
【0047】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、結腸鏡プローブに備えられた撮像手段の視野からの除外により画定された限界まで遠位方向に延びている。
【0048】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、吸引を受けつつ吸入開口部に対向する側面まで流体を通過させるように位置決めされた少なくとも1つのベント開口部を備える。
【0049】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのベント開口部は、吸引入口の面積の50%未満の開口面積を含む。
【0050】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのベント開口部全体での圧力差は、吸引と関連付けられた最大圧力差の半分未満である。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのベント開口部は、吸引入口と軸方向に整列しており、吸引入口と少なくとも同じ大きさの軸方向横断面を有するチャンバによって吸引入口から離隔している。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態によれば、チャンバは、少なくとも1つの付加的なルーメン範囲を介して消化管腔と流体連通した圧力解放開口部をさらに備えており、圧力解放開口部は、少なくとも1つのベント開口部と吸引入口との間に延びたチャンバの壁に沿って位置決めされている。
【0053】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、吸引入口は、口唇部周りで非平面の口部を備える。
【0054】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、吸引入口は、開口の一部を含む円周の1/4未満だけ延びた壁領域による同時閉塞が不可能となるように位置決めされた複数の開口部を備える。
【0055】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、保護壁は、少なくとも第2の排出ルーメンの吸入開口部を最も近い組織から分離する。
【0056】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、消化管腔は、結腸である。
【0057】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、吸引入口は、高さが5mm未満の壁の突出部による完全な閉塞を防止するのに十分な大きさである。
【0058】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、吸引入口は、接触領域から10mmを越えて延びる壁の連続部によって完全に閉塞されることのないように少なくとも1つの面から保護される。
【0059】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、結腸鏡プローブと併用する洗浄システムであって、結腸の遠位部に挿入するようにサイズ設定された排出チャネルの遠位端に取り付けられたアダプタであり、結腸鏡プローブの遠位部の上方に取り付け可能な、アダプタを備え、遠位部が、取り付けられたアダプタの内径よりも大きな外径を有する結腸鏡プローブの部分に近接した、洗浄システムが提供される。
【0060】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、アダプタは、挿入されたとき、結腸の遠位部から排出チャネルに排泄物を吸引するように位置決めされるように取り付けられる。
【0061】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、結腸鏡プローブと併用する洗浄システムであって、結腸の遠位部に挿入するように構成された排出ルーメンの遠位端に取り付けられたアダプタを備え、当該アダプタが、結腸鏡プローブの遠位部の側壁の上方を通過可能であるとともに、側壁と垂直な方向からアダプタを取り付け可能な間隙を含む、洗浄システムが提供される。
【0062】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、アダプタは、潅注チャネルの遠位端に取り付けられている。
【0063】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、間隙は、側壁の最も広い範囲の上方を通過するように拡幅可能であり、拡幅された間隙が、最も広い範囲の背後で再び狭幅されて取り付け可能となる。
【0064】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、間隙は、当該間隙の両側のアダプタの部分を引き離すことによって拡幅される。
【0065】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、間隙が拡幅および狭幅可能であることにより、アダプタが弾性変形可能である。
【0066】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、間隙を含むアダプタは、側壁の円周の180°超を囲むように寸法設定されている。
【0067】
たとえば本明細書に記載の実施形態のいずれかを含む本発明のいくつかの実施形態によれば、間隙を含むアダプタは、側壁の円周の270°超を囲むように寸法設定されている。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、結腸鏡プローブと併用する結腸洗浄システムの先端アダプタであって、当該先端アダプタの遠位面の半径方向中心からオフセットした遠位面上の排出入口領域であり、吸引源と接続するように構成された開口部を備え、結腸鏡プローブに取り付けられた先端アダプタが結腸の遠位端に挿入されている間に吸引源が動作可能な、排出入口領域と、排出入口領域がオフセットした側の面上で先端アダプタの円周に取り付けられ、そこから半径方向に延びた結腸スペーサであり、結腸の半径方向制限領域への当該先端アダプタの前進運動に起因する圧力を受けた際に潰れるように十分柔軟な、結腸スペーサと、を備える、先端アダプタが提供される。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態によれば、結腸スペーサは、先端アダプタの1つの面を向いている。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記潰れには、制限通過時における先端アダプタの本体と実質的に平行な近位方向の屈曲を含む。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、結腸を通って結腸洗浄装置を案内する方法であって、結腸洗浄装置を通した排出吸引が適用されている間に、結腸洗浄システムの遠位先端アダプタから半径方向に延びた結腸スペーサを配向させて、結腸の壁部から先端アダプタを押し退けるステップと、先端アダプタが壁部に近づくように結腸スペーサを潰すステップと、を含む、方法が提供される。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記潰れには、柔軟部材が潰れて先端アダプタが結腸壁部に近づくように、結腸スペーサの一部が結腸上を漸進する間に近位−遠位軸に沿って先端アダプタを並進させることを含む。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態によれば、この方法は、先端アダプタの再度の並進によって、潰れた結腸スペーサを再度延ばすステップを含む。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、結腸鏡プローブと併用する結腸洗浄システムの先端アダプタであって、1つまたは複数の流体輸送管の遠位端をそれぞれ適合的に収容する複数の変形可能なソケットを備えた柔軟なインサートを適合的に収容するようにサイズ設定された空洞領域を有する堅固なシェルを備える、先端アダプタが提供される。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態によれば、柔軟なインサートは、流体輸送管の移動に際して、流体輸送管および空洞領域との適合接触を維持しつつ変形するように十分柔軟である。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態によれば、堅固なシェルの形状は、変形中に維持される。
【0077】
別段の規定のない限り、本明細書で使用するすべての技術的および/または科学的用語は、本発明が関連する技術の当業者による通常の理解と同じ意味を有する。本発明の実施形態の実現または試験においては、本明細書の記載と類似または同等の方法および材料を使用可能ではあるものの、以下では、例示的な方法および/または材料を説明する。矛盾がある場合は、定義を含む特許明細書が優先するものとする。また、材料、方法、および例は一例に過ぎず、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0078】
本明細書においては、添付の図面を参照することにより、本発明のいくつかの実施形態を一例として説明する。以下、図面を具体的に詳しく参照するが、図示の詳細は、一例であって、本発明の実施形態の説明を目的としていることを強調する。この点において、図面と併せた説明により、本発明の実施形態の実現方法が当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡と併用可能な洗浄システムの簡易模式図である。
【
図1B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡と併用可能な洗浄システムの簡易模式図である。
【
図2A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、シールドを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図2B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、シールドを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図2C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、シールドを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図2D】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、腸壁の一部と先端アダプタの排出ルーメンにより引かれた真空との会合を示した図である。
【
図2E】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、腸壁の一部と先端アダプタの排出ルーメンにより引かれた真空との会合を示した図である。
【
図3A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、腸壁の一部と延伸部が設けられた先端アダプタの排出ルーメンにより引かれた真空との会合を示した図である。
【
図3B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、腸壁の一部と延伸部が設けられた先端アダプタの排出ルーメンにより引かれた真空との会合を示した図である。
【
図4A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、少なくとも1つの開口部を有するシールドを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図4B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、少なくとも1つの開口部を有するシールドを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図5A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、腸管腔からの流体および浮遊排泄物の排出を示した図である。
【
図5B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、腸管腔からの流体および浮遊排泄物の排出を示した図である。
【
図6A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、撮像開口部に関係するシールドを示した図である。
【
図6B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、撮像開口部に関係するシールドを示した図である。
【
図7A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、全周シールドを備えた先端アダプタの一例を模式的に示した図である。
【
図7B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、全周シールドを備えた先端アダプタの一例を模式的に示した図である。
【
図7C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、全周シールドを備えた先端アダプタの一例を模式的に示した図である。
【
図8A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、端部凹状シールドを備えた先端アダプタの一例を模式的に示した図である。
【
図8B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、端部凹状シールドを備えた先端アダプタの一例を模式的に示した図である。
【
図8C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、端部凹状シールドを備えた先端アダプタの一例を模式的に示した図である。
【
図9A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、直径が可変の内視鏡遠位端に対するアダプタ先端の取り付けを示した図である。
【
図9B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、直径が可変の内視鏡遠位端に対するアダプタ先端の取り付けを示した図である。
【
図9C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、直径が可変の内視鏡遠位端に対するアダプタ先端の取り付けを示した図である。
【
図9D】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、直径が可変の内視鏡遠位端に対するアダプタ先端の取り付けを示した図である。
【
図10A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡遠位端に対するアダプタ先端の端部上取り付けを示した図である。
【
図10B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡遠位端に対するアダプタ先端の端部上取り付けを示した図である。
【
図10C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡遠位端に対するアダプタ先端の端部上取り付けを示した図である。
【
図10D】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡遠位端に対するアダプタ先端の端部上取り付けを示した図である。
【
図11A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に取り付け可能な洗浄システムの先端アダプタの構成を模式的に示した図である。
【
図11B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に取り付け可能な洗浄システムの先端アダプタの構成を模式的に示した図である。
【
図11C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に取り付け可能な洗浄システムの先端アダプタの構成を模式的に示した図である。
【
図11D】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡遠位部と関連付けられた端部上に適用される先端アダプタを示した図である。
【
図12A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡遠位端と関連する先端アダプタの前方断面図である。
【
図12B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡遠位端と関連する先端アダプタの側方断面図である。
【
図13A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に取り付け可能な洗浄システムの先端アダプタの構成を模式的に示した図である。
【
図13B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に取り付け可能な洗浄システムの先端アダプタの構成を模式的に示した図である。
【
図13C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に取り付け可能な洗浄システムの先端アダプタの構成を模式的に示した図である。
【
図14A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、拡張遠位部を備えた内視鏡プローブに対する先端アダプタの取り付けを明示した図である。
【
図14B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、拡張遠位部を備えた内視鏡プローブに対する先端アダプタの取り付けを明示した図である。
【
図14C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、拡張遠位部を備えた内視鏡プローブに対する先端アダプタの取り付けを明示した図である。
【
図15A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、弾性変形可能な先端アダプタのある円周範囲を模式的に示した図である。
【
図15B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、弾性変形可能な先端アダプタの別の円周範囲を模式的に示した図である。
【
図15C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、遠位端拡張部上の先端アダプタの収容エリアの延伸部を示した図である。
【
図16A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に対するある構成の弾性変形可能な先端アダプタを示した図である。
【
図16B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に対する別の構成の弾性変形可能な先端アダプタを示した図である。
【
図16C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に対するさらに別の構成の弾性変形可能な先端アダプタを示した図である。
【
図17A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に取り付け可能な洗浄システムの先端アダプタの構成を模式的に示した図である。
【
図17B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部に取り付け可能な洗浄システムの先端アダプタの構成を模式的に示した図である。
【
図18A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、硬度が異なるシェルおよびインサートを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図18B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、硬度が異なるシェルおよびインサートを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図18C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、硬度が異なるシェルおよびインサートを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図19A】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、排出予備チャンバを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図19B】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、排出予備チャンバを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図19C】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、排出予備チャンバを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図20】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、柔軟な壁ガードを備えた先端アダプタを模式的に示した図である。
【
図21】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、潅注システムおよび結腸鏡の構成要素とともに、スリーブ配置冶具中のスリーブ・アセンブリを模式的に示した図である。
【
図22】腸壁および柔軟な壁ガードとの関係において、(たとえば、アダプタ先端を含む)洗浄システムの遠位領域の位置を示した図である。
【
図23】本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、遠位先端アダプタに進入した粒子を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、内視鏡と併用するツールに関し、より詳細には、内視鏡とともに体腔に挿入されて体腔の洗浄に用いられることにより、内視鏡による体腔の視認を容易化する構成要素に関するが、これらに限定されない。たとえば、いくつかの実施形態は、結腸鏡との併用により、結腸内視鏡検査中に結腸を洗浄するものであってもよい。
【0081】
概説
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、結腸等の体腔を洗浄する洗浄モジュールの遠位部に対して内視鏡の遠位部を接続する先端アダプタに関する。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態において、管腔洗浄モジュール(洗浄システム)のプローブは、結腸の端部または胃腸管の別の部分に達するように寸法設定されている。いくつかの実施形態において、管腔洗浄モジュールは、潅注流体をプローブの遠位端に供給して、結腸中の糞便物質を除去、細分化、溶解、および/または浮遊させるように構成されている。いくつかの実施形態において、管腔洗浄モジュールは、緩んだ糞便物質を結腸からプローブのルーメンを通して排出するように構成されている。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、先端アダプタの2硬度または多硬度構成に関し、たとえば、先端アダプタの外側部が比較的剛性かつ前記外側部に入るインサートが比較的柔軟な構成および/または先端アダプタの外側部が比較的柔軟かつ前記外側部に入るインサートが比較的堅固な構成となっている。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態においては、柔軟なインサートおよび堅固な外側部が設けられる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態において、柔軟なインサートは、排出チャネル、潅注流体供給管、および/または圧力感知管等の流体輸送管との接続を受けるようにサイズ設定されたソケットを備える。いくつかの実施形態において、柔軟なインサートは、流体輸送管の移動の吸収および/または緩衝として機能することにより、先端に対する管運動に起因する変位が流体輸送管とそれぞれのソケットとの間の接合領域に集中せず、柔軟なインサートの本体に分散するようにする。いくつかの実施形態において、先端アダプタの堅固な部分は、結腸の案内時に生じる可能性がある直接的な外力に起因する変形に耐えるように十分堅固である。これは、ソケットの接続を緩める傾向がある変形から接続を保護するのに役立つ可能性がある。潜在的に、先端アダプタの堅固な部分の相対的に柔軟性のない構成は、先端を腸壁の突起上で摺動させるのではなく突起に衝突させる傾向にある変形に耐える。
【0086】
いくつかの実施形態において、柔軟なインサートの変形特性には、1〜10ニュートンの力に応じたおよそ0.1mmの移動を含む。いくつかの実施形態において、移動は、およそ0.1〜0.25mm、0.15〜0.2mm、0.25〜0.5mm、または同等、これら以上、これら以下、および/もしくは中間の移動範囲に対応する。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態においては、堅固なインサートおよび柔軟な外側部が設けられる。
【0088】
任意選択で、堅固なインサートは、排出チャネル、潅注流体供給管、および/または圧力感知管等の流体輸送管との接続を受けるようにサイズ設定されたソケットを備える。任意選択で、相対的に堅固なインサートを柔軟な外側部に入れて使用すると、流体輸送管および/または圧力感知管を受容する厳しい精度に合わせてソケットを製造できる一方、手術時の装置ヘッドと周囲の組織との間の潜在的に外傷性の相互作用を緩和する柔軟な外側部が依然として確保される。
【0089】
相対的に堅固なインサートを使用すると、保管および/または使用時の寸法安定性が潜在的にもたらされる。たとえば、管類に対するソケットの接続の安定性は、使用時の力による変形ならびに/または保管時の力もしくはクリープに起因する変形に対して実質的に耐え得る堅固なインサートによって維持される。任意選択で、相対的に堅固なインサートは、開口部(たとえば、洗浄用の流体噴射の形成および/または指向用に成形された開口部)の寸法安定性をもたらす。噴射開口部の寸法安定性がなければ、噴射の力、形状、および/または方向が保管および/または使用時に変化してしまう可能性がある。
【0090】
いくつかの実施形態において、先端アダプタの柔軟な外側シェルは、当該先端アダプタとの相互作用に起因する組織の外傷の可能性を低減する。たとえば、先端アダプタ自体の表面がいくらかの弾性を与えており、力を分散させて、軟部組織の小さな領域への力の集中を潜在的に防止している。いくつかの実施形態において、先端アダプタの柔軟なシェルの1つまたは複数の部分は、力を受けた場合に一部が弾性的に潰れて、先端アダプタの形状のさらなる曲がり易さをもたらす。
【0091】
いくつかの実施形態において、堅固なインサート部により画定されるとともに寸法安定性が図られた開口部(噴射および/または吸引開口部等)は、柔軟なシェルの周囲部によって保護される。たとえば、柔軟なシェルには、噴射開口部の機能(たとえば、形状および/または照準)との相互作用を回避するのに十分な広さの開口部が設けられ、噴射開口部を囲むことにより、直接的な組織の相互作用を防止している。任意選択で、柔軟なシェルの開口部は、堅固なインサートによって画定された吸引開口部から離隔してその前方に設けられており、吸引開口部の堅固な縁部に対する会合から組織を潜在的に保護する。
【0092】
いくつかの実施形態において、柔軟なシェル(たとえば、堅固なインサート部を直接覆っているシェル)の変形特性には、1〜10ニュートンの力に応じたおよそ0.1mmの移動を含む。いくつかの実施形態において、移動は、およそ0.1〜0.25mm、0.15〜0.2mm、0.25〜0.5mm、または同等、これら以上、これら以下、および/もしくは中間の移動範囲に対応する。いくつかの実施形態において、柔軟なシェルは、1つまたは複数の潰れ可能なチャンバおよび/または空洞を備えており、たとえば1〜10ニュートンの力に応じてチャンバまたは空洞の寸法により少なくとも一部が決まる程度(たとえば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、またはこれら以上もしくは以下の程度)まで弾性的に潰れ可能なように構成されている。空洞は、潰れ方向において同様に、たとえばおよそ1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、またはこれら以上もしくは以下の程度の距離である。あるいは、たとえばチャンバが封止された実施形態において、この潰れは、チャンバ壁および/または容量の圧縮率によって制御される中間の範囲までである。
【0093】
先端アダプタの相対的に堅固および相対的に柔軟な部分の範囲および/または広がりは、任意選択で別の変形および組み合わせとなることが了解されるものとする。たとえば、任意選択で、シェルが堅固および柔軟な部分の両者を備える。たとえば、シェルの隅部、先端面、および/または他の表面がシェルの柔軟、湾曲性、および/または圧縮可能な部分として形成される一方、シェルの他の部分(表面として露出した部分および/または内部から圧縮可能な部分を支持する部分)がシェルの相対的に堅固な部分として形成される。この追加または代替として、インサート部には、たとえばソケットの柔軟な裏当て等と併せて、ソケットの形状および潅注入口の形状等、部品の寸法安定性をもたらす堅固、強固、および/または圧縮不可能な部分が形成されている(堅固な部分がもたらす機能上重要な寸法安定性の妥協に至らないよう、力を受けた際のわずかな変形のみを潜在的に許容するが、十分な薄さである)。この追加または代替として、堅固なソケットおよび/または潅注入口がより柔軟な材料のマトリクス内に埋め込まれる。これにより、ソケットの曲がり易さおよび/または相対運動によって、先端に作用する力を潜在的に吸収可能である一方、たとえば金具類のしっかりした保持および/または噴射形状の確実な成形に必要となる寸法安定性が維持される。このため、先端アダプタには、任意選択でシェルおよび/またはインサート内に、複数の堅固および柔軟交互層が設けられており、各材料種別の利点の少なくとも一部を潜在的に提供可能である。
【0094】
さらに、本明細書の実施形態は、任意選択で分離可能な「シェル」および「インサート」に関して説明しているものの、両要素は、任意選択で、単一のユニットとして製造されることが了解されるものとする。あるいは、いずれかの要素が任意選択で、複数の部品として製造され、任意選択で、互いの相互接続ならびに/または相補部品もしくは部品アセンブリによる先端アダプタへの保持がなされている。たとえば、いくつかの実施形態において、インサートは、任意選択でシェルに別個に適合する複数のインサートとして形成される。この追加または代替として、シェルは、たとえばスナップ・フィットおよび/または接着取り付けによる適所への成型によってインサートに別個に取り付けられた部品で構成される。
【0095】
さらに、本明細書において使用する用語「柔軟」および「堅固」は、材料および/または構成(ポリウレタン等のプラスチック高分子組成ならびに/または空洞、薄壁、もしくは他の変形可能および/もしくは縮小可能な形状を含む構成等)の相対的な弾性的変形性、特に、圧縮力に応じた変形性に関することが了解されるものとする。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、糞便物質の排出に用いられる吸引による予期せぬ損傷から結腸組織を保護する構造に関する。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態においては、先端アダプタの一部として吸入ガードが設けられている。いくつかの実施形態において、吸入ガードは、結腸への挿入時に、管腔壁の組織から排出チャネルの吸入へと吸引を逸らすように位置決めされた壁を備える。いくつかの実施形態においては、排出口の吸入開口部が吸引に曝されるため、このような保護壁を設けるのが潜在的に好都合である。
【0098】
保護されていない排出口に接近する組織は、特に、排出口全体を封止することで組織のほぼ全体で圧力勾配降下が生じる場合に、吸引によって損傷を受ける可能性がある。保護壁の別の潜在的な利点として、排出口自体の機能が保護される。いくつかの実施形態においては、センサ・システムにより、システムの閉塞の検出に際して、制御装置が吸引強度を低減および/または反転することができる。組織による閉塞の発生を抑えることにより、洗浄システムによる高い排出スループット率を維持することができるため、潜在的に都合が良い。
【0099】
排出ルーメンの「吸入開口部」または「吸入断面」は、断面が実質的に均一(たとえば、排出ルーメンの本体に沿って、その直径および/または断面積の±10%以内)の排出ルーメンの最遠位領域を表す。保護壁が排出ルーメンの最終部を構成する実施形態において、吸入開口部または吸入断面は、保護壁の形状が排出ルーメンの断面の形状の実質的な変化を画定する場所(または、たとえば傾斜の変化によって、変化が継続する場所、画定の開始となる場所)において終端する。「吸引吸入口」または「吸引入口」は、その外部で流体が排出ルーメンに一切入らない領域を示す。いくつかの実施形態において、吸引吸入口と吸入開口部または断面を相互接続する領域は、保護壁により画定される。いくつかの実施形態において、相互接続領域には、排出予備チャンバを含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、保護壁により画定された吸引吸入口は、保護する1つまたは複数の排出ルーメンよりも直径が大きく、たとえば、面積が50%、100%、200%、500%、またはこれらの中間、これら以下、もしくはこれら以上の大きさである。組織が高い圧力勾配となる場合に組織を近づけることが難しくなるように、吸引吸入口をより大きくするのが潜在的に好都合である。本発明のいくつかの実施形態において、吸引吸入口は、長円形、三日月形、および/またはスリット形等の非円形状に形成される。本発明のいくつかの実施形態において、吸引吸入口を横切る最短距離は、排出ルーメンを横切る最小寸法よりも小さく、たとえば、75%、50%、25%、またはこれらの中間、これら以上、もしくはこれら以下の相対サイズである。いくつかの実施形態において、保護壁の最大遠位延伸の距離は、たとえば3〜5mm、4〜10mm、6〜15mm、10〜20mm、またはこれら以下もしくは以上の距離である。いくつかの実施形態において、吸入保護壁の厚さは、少なくとも0.1〜0.2mm、0.1〜0.3mm、0.2〜0.5mm、0.4〜1.0mm、またはこれら以上もしくは以下の厚さである。
【0101】
本実施形態によれば、保護壁により延びた排出チャネルの内径は、たとえば2.1mm、3mm、4mm、4.2mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、またはこれら以上、これら以下、もしくはこれらの中間の直径である。本実施形態によれば、保護壁が保護する排出チャネルの数は、1つ、2つ、3つ、4つ以上であってもよい。
【0102】
吸引吸入口は、上記のように小さな相対直径を有することにより、通過する粒子が少なくとも1つの次元において十分に小さく、閉塞なく排出ルーメンを通過するのに役立つようにするのが潜在的に好都合である。また、吸引吸入口は、相対的に大きな範囲の寸法(たとえば、直線および/または曲線が考えられるスリットまたは長円の長さ)を有することにより、如何なる大型粒子も単独で全体を塞ぐように作用することのないようにするのが潜在的に好都合である。いくつかの実施形態において、吸引吸入口の最短寸法に対する最長寸法の比は、たとえば1:2、1:3、1:5、1:10、またはこれらの中間、これら以下、もしくはこれら以上の比である。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態において、吸入ガードは、内視鏡プローブおよび/もしくは洗浄システムとの干渉の回避ならびに/または内視鏡プローブおよび/もしくは洗浄システムの機能の支援を行う1つまたは複数の特徴と適応されていてもよい。いくつかの実施形態において、内視鏡プローブ端から遠位方向に延びた吸入ガードには、テーパ形状が与えられている。いくつかの実施形態において、吸入ガードは、求められる以上に完全な円周(任意選択で、完全な円周)であり、排出口を簡単に保護する。吸入ガードにテーパを与えることにより、たとえば前進案内時に狭隘な先端を腸のくびれに挿入可能となる(こじ開けるのに役立つ可能性がある)ため、潜在的に好都合である。吸入ガードの壁は、テーパによって、たとえば結腸鏡プローブの遠位端の直径となっている。いくつかの実施形態において、ガードは、程度の差こそあれ、たとえば結腸鏡プローブの直径のおよそ120%以内、およそ100%、90%、80%、50%以内、またはこれら以上もしくは以下の相対テーパ直径のテーパ状となっている。いくつかの実施形態において、テーパの程度は、円周方向の位置によって異なる。たとえば、いくつかの実施形態において、テーパは、結腸鏡に備えられた撮像および/または照明手段により近いアダプタの部分において、(遠位方向の)短縮および/または(半径方向の)拡幅が図られている。これにより、視界の妨害および/または目に見える影が潜在的に回避される。いくつかの実施形態において、テーパは、結腸鏡の遠位端の背後から始まり、おおむね遠位端で終端する。
【0104】
いくつかの実施形態において、吸入ガードには、管腔壁の組織が負圧の高い領域に近づくことを依然として防止しつつ、流体による吸入ガード壁の横断を可能とする1つまたは複数のベント開口部が設けられている。いくつかの実施形態においては、損傷を与えるような圧力降下が起こらないように、圧力降下が最大の領域から十分に遠い保護壁上の位置に開口部が位置決めされている。これは、たとえば吸引開口部を画定する保護壁の開口端の近くであってもよい。これの追加または代替としては、流れがより遅く、それに対応して圧力降下が少なくなるように、相対的に大きな保護壁により画定された内部断面またはその近くに開口部が位置付けられている。ベント開口部とは別個の専用の壁および/または破片保護吸引開口部を有することにより、腸組織の取り込みおよび/または負傷が起こりえないレベルまで、ベント開口部全体の圧力勾配を潜在的に抑えられる。
【0105】
ベント開口部には、体腔から流体をより完全に除去し得るという潜在的な利点がある。たとえば、(内方テーパのために)排出口の近くに流体が到達することを防止する障壁として保護壁が別途作用することも考えられる。
【0106】
いくつかの実施形態においては、丸みを帯びた遠位面(たとえば、半径がおよそ10〜20mmの球、卵形、または他の実質的に丸みを帯びた形状の表面に近い面)となるように吸入ガードが成形されている。いくつかの実施形態において、表面曲率は、およそ5〜15mm、10〜25mm、15〜25mm、20〜30mmの範囲、またはこれらと同等、これら以上、これら以下、および/もしくはこれらの中間の範囲内の半径に近い。
【0107】
いくつかの実施形態においては、排出チャンバ自体のベント開口部と吸入開口部との間に排出予備チャンバが位置決めされるように、吸入ガードがベント開口部(排出チャネルのアクセス開口部)を位置決めする。いくつかの実施形態において、排出予備チャンバは、複数の排出吸引開口部を近位で流体的に相互接続する開口領域を備える。いくつかの実施形態において、排出予備チャンバは、排泄物および/または腸壁吸引接触(たとえば、開口のサイズ、形状、および/または位置のために遮断が困難な先端のルーメンと流体連通)から守られた場所に位置決めされた別の開口部を備える。潜在的に、この保護された開口部は、(たとえば、排泄物粒子によって)1つまたは複数のベント開口部が遮断されたときその全体で吸引勾配が増加することを防ぐ圧力シャントとして作用する。
【0108】
いくつかの実施形態においては、およそ排出吸入開口部以下のサイズで当該吸入開口部に沿って、ベント/アクセス開口部が軸方向に配置されている。潜在的には、この相対的な位置決めおよび相対的なサイズによって、排出予備チャンバに進入する排泄物粒子に対するサイズおよび/または配向選択フィルタとしてアクセス開口部が動作し得るため、吸入開口部の相対的に高い吸引勾配には、遮断に至らないほどの大きさおよび/または配向の排泄物粒子がほとんど到達しない。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、洗浄システムのプローブを内視鏡プローブに結合する先端アダプタの部位可変位置決めに関する。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態において、先端アダプタは、側面から直接、内視鏡プローブの遠位端に結合し得る。いくつかの実施形態において、これは、内視鏡プローブを受容するように拡張可能かつ内視鏡プローブの周りに先端を係止するように収縮可能な先端アダプタの側面に沿ったスリットにより得られる。任意選択で、拡張性および収縮性には、先端アダプタの材料の弾性を含む。本発明のいくつかの実施形態において、先端アダプタは、内視鏡プローブの遠位端上で当該内視鏡プローブの遠位端に結合可能であり、端部に近接する内視鏡プローブの部分の周りに固定されるように構成されている。潜在的には、これら構成の一方または両方により、結腸洗浄を可能にする十分な遠位とルーメン中のプローブ案内との干渉を低減する十分な近位との間の所望のバランスが得られるように先端アダプタを位置決め可能である。
【0111】
いくつかの実施形態において、内視鏡プローブには、(たとえば、内視鏡機能の構造を収容する)拡張先端が設けられており、洗浄システムの先端アダプタをこの拡張部に近接して取り付けることができる。拡張領域に近接して取り付けると、いくつかの実施形態においては、先端アダプタがより小さな直径の領域に適合可能となるため、潜在的に好都合である。より小さな直径の領域に適合すると、洗浄システムのプローブの追加による内視鏡プローブの遠位部の総直径が潜在的に抑えられる。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、洗浄システムの先端アダプタと腸壁との間の距離可変スタンドオフとして作用する柔軟な保護壁に関する。
【0113】
いくつかの実施形態において、保護壁は、排出チャネルに印加された吸引が開口部自体までの腸壁部の引き上げ(潜在的に、結果としての負傷を伴う)を制限されるように、排出チャネルの流体アクセスおよび/または吸引開口部の位置から離れて半径方向に突き出るように位置決めされている。いくつかの実施形態において、壁には、屈曲によって、結腸洗浄遠位端の遠位−近位運動を結腸の横断面を横切る運動に変換するバネとして作用するのに十分な強度が与えられている。たとえば、保護壁が先端アダプタから後方に屈曲(近位方向に屈曲)した状態で、先端部は、遠位方向または近位方向に進んだ場合にそれぞれ、壁に向かう方向または壁から離れる方向に移動する。いくつかの実施形態においては、この運動により、噴射の照準、排出のための先端の浸水レベルの設定、ならびに/または制限部、くびれ、および/もしくは障壁を遠位方向に移動させる案内のための先端位置の選択を行う。
【0114】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明および/または図面に記載の構成の詳細ならびに構成要素の配置および/もしくは方法の構成に必ずしも限定されないことが了解されるものとする。本発明は、他の実施形態も可能であるし、さまざまな方法で実現または実行することも可能である。
【0115】
説明の便宜上、本明細書に記載の洗浄システム、モジュール、および/または方法は、「結腸洗浄」システム、モジュール、および/または方法と称する場合がある。結腸洗浄は、本発明の実施形態の一般的な用途と考えられる。ただし、本明細書に教示の方法および装置は、腸の他の部分および/または他の体腔の洗浄にも使用可能であることが了解されるものとする。
【0116】
したがって、これらの方法および装置に適用される用語「結腸洗浄」は、結腸の洗浄のみならず、腸の他の部分および/または他の体腔の洗浄も包含する。たとえば、本発明のいくつかの実施形態は潜在的に、上部消化管における出血を診断および処置する手技の一部として、洗浄に有用である。
【0117】
基準実施形態
ここで
図1Aおよび
図1Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡10(結腸鏡であってもよい)と併用可能な洗浄システム100の簡易模式図である。
図1Bは、
図1Aの差し込み領域100Aをさらに詳しく示している。
【0118】
いくつかの実施形態において、洗浄システム100は、内視鏡10を備えるが、いくつかの実施形態においては、内視鏡10から独立しており、任意選択で併用可能である。いくつかの実施形態において、システム100は、内視鏡に接続されない挿入可能な洗浄システムまたは内視鏡と併用されない挿入可能な洗浄システムとして、独立して用いられるようになっていてもよい。
【0119】
システム100は、いくつかの実施形態において使い捨てすなわち1回使用として設計されたインターフェース装置20を備える。いくつかの実施形態において、インターフェース20は、洗浄システム100の遠位部であり、図示のように、システム100を内視鏡10の遠位部に接続するように機能する。いくつかの実施形態において、内視鏡10は、結腸鏡である。いくつかの実施形態において、内視鏡10は、その遠位部21に、撮像ポート107および/または他の撮像手段を備える。
【0120】
任意選択で、インターフェース20は、同じく任意選択で使い捨ての少なくとも1つの可撓管110、任意選択で複数の可撓管110に取り付けられている。いくつかの実施形態において、可撓管110は、インターフェース20を洗浄システム100の近位の構成要素に接続するのに十分な長さである。一方、インターフェース20および内視鏡10の遠位部は、結腸等の体腔中を前進する。例示的な一実施形態において、管110の長さは、4メートルである。他の実施形態において、管110の長さは、2〜5メートルである。任意選択で、管110は、テーパ状である。あるいは、取り付け具112(たとえば、およそ10〜20cmごと、5〜35cmごと、またはこれら以上もしくは以下の都合良い間隔で位置決めされた生体適合性テープまたは解除式クランプ)によって、内視鏡10に一時的に取り付けられる。テープは任意選択で、局所的なテープ部であってもよく、任意選択で、内視鏡およびその付随管に螺旋状に巻き付けられた1つまたは複数の長いテープ片であってもよい。
【0121】
いくつかの実施形態(たとえば、本明細書に記載のインターフェース装置の実施形態のいずれか)において、結腸鏡プローブの遠位部21の直径は、たとえば5〜8mm、6〜10mm、8〜12mm、10〜15mm、14〜20mm、またはこれらと同等、これら以上、これら以下、もしくはこれらの中間の範囲境界を有する直径範囲である。結腸鏡の遠位端の直径は、構成、操作のための構造、および/または結腸鏡計装を含む構造の不規則性のため、たとえばその長さの遠位1〜10cmの範囲で可変であってもよい。結腸鏡プローブの遠位端に接続するためのインターフェース装置は、たとえば1〜2mm、2〜5mm、4〜8mm、6〜12mm、10〜20mm、10〜30mm、またはこれらと同等、これらの中間、これら以下、もしくはこれら以上の距離範囲だけ延びている。
【0122】
いくつかの実施形態において、管110は、内視鏡10周りに位置決めされており、内視鏡10周りの巻き付けおよび/または相互の巻き付けとなっていてもよく、一般的には、便宜上ならびに/またはシステム100の身体挿入可能な部分の内視鏡10と併せた動作の簡素化および/もしくは柔軟性を向上するように内視鏡10に対して位置決めされている。
【0123】
いくつかの実施形態において、管110は、たとえばポンプ120ならびに/または一部の病院および診療所で利用できるような集中型の真空システム122との接続が考えられる真空源に対してインターフェース装置20を接続する排出チャネル22を備える。いくつかの実施形態において、システム100は、たとえば2つ、3つ、または4つ以上の管22等、複数の排出チャネル22(本明細書においては、「吸引管22」とも称する)を備える。いくつかの実施形態においては、内視鏡ワーキング・チャネル23のルーメンを排出チャネルとして使用可能である。いくつかの実施形態において、ポンプ120は、排出チャネルをパージするために可逆性である。本実施形態によれば、排出チャネルの内径は、たとえば2.1mm、3mm、4mm、4.2mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、またはこれら以上、これら以下、もしくはこれらの中間の直径である。
【0124】
いくつかの実施形態において、インターフェース装置20(および/または、本明細書に記載のその他のインターフェース装置のいずれか)は、たとえばスリット、長円、環帯、および/または部分的環帯等、排出チャネル22の吸入開口部から吸引吸入口の最遠位部における別の形状に変化する構造を備える。いくつかの実施形態においては、インターフェース装置により、2つ以上の排出チャネルが組み合わさって1つの吸引入口となっている。いくつかの実施形態においては、1つの排出チャネルが2つ以上の別個の吸引入口に分割されている。いくつかの実施形態において、吸引入口開口部の面積は、排出チャネル・ルーメンの断面積より、たとえば50%、100%、150%、300%、500%、または、これらの中間、これら以上、もしくはこれら以下の面積差だけ大きい。
【0125】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の管110は、水もしくは別の液体ならびに/または液体/気体混合源である流体源に接続された潅注管101として機能する。いくつかの実施形態においては、内視鏡10の1つまたは複数のワーキング・チャネルが潅注管101として機能する。
【0126】
いくつかの使用方法においては、潅注管101によって洗浄液がインターフェース装置20に供給され、任意選択で圧力下で結腸等の体腔に搬送され、結腸を洗浄するように作用するとともに、糞便物質を緩めて部分的に溶解する。糞便物質はその後、(後述の図に示すように)インターフェース20の1つまたは複数の吸引口(本明細書においては、「吸引入口」とも称する)95Bに吸引された後、排出チャネル22および/または23に吸引され、体外に運び出されて任意選択での糞便物質収集器118に搬送される。任意選択で、管中の真空(すなわち、吸引)は、任意選択で真空源122に接続されたバルブ、レギュレータ、または可変ポンプ120により調節される。任意選択で、吸引の管22への伝達および潅注流体の管101への搬送は、任意選択でオペレータからの命令をコンピュータ機器ならびに/またはつまみ、レバー、もしくは他の手動命令等のユーザ・インターフェース130を介して受信する制御装置125により調節される。
【0127】
真空シールド
ここで
図2A〜
図2Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、吸入ガード41の壁を備えた先端アダプタ20を模式的に示している。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態の場合、
図2C、
図2Aおよび
図2Bは、側方断面図と、生体組織による遮断および/または生体組織の損傷の可能性がある排出口95から生体組織を遠ざけるように設計された吸入ガード41を備えた先端アダプタ20の異なる深さでの端部断面図をそれぞれ与えている。
【0129】
いくつかの実施形態において、吸入ガード41は、前記先端アダプタが体腔に挿入されたとき、排出口95等の排出口と生体組織との間に位置決めされる。たとえば、吸入ガード41は、排出口95を介して吸引が結腸に印加されたとき、結腸壁の組織を保護する。いくつかの実施形態において、吸入ガード41は、先端アダプタ20から遠位方向に、先端アダプタ20の円周の少なくとも20%に沿って延びている。いくつかの実施形態において、吸入ガード41は、先端アダプタ20の円周の少なくとも35%、50%、80%、100%、またはこれら以下もしくは中間の割合に沿って延びている。いくつかの実施形態において、吸入ガード41の最大延伸の距離は、たとえば3〜5mm、4〜10mm、6〜15mm、10〜20mm、またはこれら以下もしくは以上の距離である。いくつかの実施形態において、円周の任意所与の点における最短延伸の距離は、0mmと延伸最長距離以下の任意の距離との間である。いくつかの実施形態において、吸入保護壁41の厚さは、少なくとも0.1〜0.2mm、0.1〜0.3mm、0.2〜0.5mm、0.4〜1.0mm、またはこれら以上もしくは以下の厚さである。いくつかの実施形態において、吸入ガード41は、少なくとも内視鏡プローブを体腔内に普通に前進させる場合に用いられる圧力の下で形状を維持するように剛性または半剛性である。剛性または半剛性の吸入ガード41は、内視鏡プローブの前進する遠位端の前方貫通を潜在的に補助する。いくつかの実施形態において、吸入ガード41は、たとえば管腔壁に直接押し付けられた場合に潰れるよう、十分に柔軟である。これは、内視鏡プローブが前進する際の負傷を抑えられるため、潜在的に好都合である。いくつかの実施形態において、吸入ガード41は、案内の補助および安全な潰れの両者を含む柔軟性/剛性を備えて設計されているため、たとえば1〜4PSI、3〜8PSI、5〜10PSI、8〜15PSI、またはこれら以上もしくは以下の圧力閾値の前進圧力下で潰れる。吸入ガード41は、本明細書に記載の洗浄システムおよび/または先端アダプタのいずれかの任意選択的な特徴である。
【0130】
吸入ガード41による保護は潜在的に、以下に記載の一連の機構のうちの1つもしくは複数ならびに/または別の機構によりもたらされる。いくつかの実施形態において、シールド41は、排出ルーメン22の剥き出しの吸入開口部95よりも壁との接触が少ない位置および/または配向となるように排出ルーメン22と流体連通した吸引入口を位置決めする。
【0131】
任意選択で、上記位置は、より内側の位置であり、体腔壁と高圧力勾配領域との間の距離が潜在的に大きくなる。任意選択で、上記配向は、壁との接触の可能性を低くする、たとえば、(遠位方向の運動時に壁の突起と接触する傾向が考えられる)装置の遠位−近位軸に垂直な配向と(壁の平らな領域と接触する傾向が考えられる)遠位−近位軸に平行な配向とのほぼ中間周りで回転するようにシフトされる。本発明のいくつかの実施形態において、中間には、両軸から少なくとも30°離れた角度、少なくとも35°、40°、またはこれらの中間、これら以上、もしくはこれら以下の分離角度を含む。いくつかの実施形態において、開口部は、移動および回転の両者を行う。たとえば、吸入ガード41の突出壁部により画定された
図2A〜
図2Cに示す吸引入口は、およそ90°回転して内方を向くとともに、開口部を内方に移動させる。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態において、吸入ガード41は、壁の閉塞部が一致する可能性の低い形状を採用することによって保護を図る。たとえば、吸入ガードの口唇部は、非平面上の開口部を画定するように形成されていてもよいし(たとえば、実質的に1つの平面に含まれない口唇部を吸入ガードの周辺部が形成する)、および/または、開口部は、壁部の開口部への重なりを防止する構造によって、1つまたは複数の面が保護されていてもよい。たとえば、結腸鏡自体の遠位端は、
図2Cの吸入ガード41の開口部が腸壁の大部分によって完全に閉塞されることのないようにする。いくつかの実施形態において、吸引入口の口部の領域の干渉は、接触点から10mm、5〜10mm、10〜15mm、8〜20mm、またはこれらと同等、これらの中間、これら以下、もしくはこれら以上の連続範囲を超えて連続する壁の範囲による完全な閉塞を防止する。
【0133】
本発明のいくつかの実施形態において、吸入ガード41は、全体的な閉塞の可能性を低減するより大きな吸引入口エリアを作成することによって保護を図る。たとえば、腸壁の凹凸1Aは、サイズが限られているため、十分に大きな開口部であれば、凹凸の表面を向いていても閉塞されることはない。本発明のいくつかの実施形態において、吸引入口は、突出範囲が5mm未満の組織の揺動による全体的な閉塞を防止するのに十分な大きさである。いくつかの実施形態においては、突出範囲が5〜10mm、2〜5mm、8〜12mm未満、またはこれらと同等、これらの中間、これら以上、もしくはこれら以下の範囲の組織の揺動について閉塞が防止される。
【0134】
大きな吸引入口エリアの別の潜在的な利点として、結腸内圧との圧力差が大きな領域を吸入開口部自体の近くに露出させるのではなく、排出チャネルおよび/または吸入ガードの吸入構造内深くに位置付けるのに役立つことが挙げられる。
【0135】
ここで
図7A〜
図7Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、全周吸入ガード41を備えた先端アダプタ19Aの一例を模式的に示している。
図7Aおよび
図7Bは、異なる断面における正面図である。
図7Cは、水平断面図である。
【0136】
いくつかの実施形態において、吸入ガード部42は、排出ルーメン22を保護する領域41Aよりも短い距離だけ先端から突出している。全周吸入ガード41の潜在的な利点として、体腔内へと前進するための進入点を狭くすることができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、短い領域42は、撮像装置50の半径方向近くに位置決めすることにより、吸入ガード41の延伸部による撮像装置50の視野72の妨害を抑制または防止することができる。いくつかの実施形態においては、内視鏡遠位領域21の端部に対する先端アダプタ19Aの相対的な位置決めを適正化するように1つまたは複数の位置決め要素17A、17Bが作用する。
【0138】
ここで
図8A〜
図8Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、端部凹状吸入ガード41Bを備えた先端アダプタ19Bの一例を模式的に示している。
図8Aおよび
図8Bは、異なる断面における正面図である。
図8Cは、水平断面図である。
【0139】
いくつかの実施形態において、吸入ガード41Bは、先端アダプタ19Bの遠位端から離れる方向に窪んでいる。この位置の潜在的な利点として、内視鏡遠位領域21の前進および/または視野の妨害を抑えた状態で排出ルーメン22が保護される。特に、前進する遠位端の最遠位端は、先端アダプタ19Aの固定構造の収容に用いられるアダプタの厚さ分だけしか拡張しない。いくつかの実施形態においては、内視鏡遠位領域21の端部に対する先端アダプタ19Aの相対的な位置決めを適正化するように1つまたは複数の位置決め要素17A、17Bが作用する。
【0140】
再び
図2A〜
図2Cを参照して、先端アダプタ20のチャンバ43は、内視鏡の遠位端21を収容するためのものである。図中のチャンバ220は、任意選択で、上述の通り真空源に近位接続される管22の収容および/または接続(および、機能上の延伸)のためのものである。いくつかの実施形態において、近位の真空源による吸引71は、管22およびチャンバ220によって、排出口95に伝達される。
【0141】
本発明のいくつかの実施形態において、先端アダプタ20は、遠位吸入ガード41を備える。潜在的に、吸入ガード41は、排出口95に存在する可能性がある高レベルの真空への直接的な曝露から体腔壁の組織または他の生体組織を分離するように機能する。
【0142】
ここで
図2Dおよび
図2Eを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、腸壁1の一部1Aと先端アダプタ20の排出ルーメン22により方向71に引かれた真空との会合を示している。
図2Dにおいて、内視鏡の前進する遠位端21は、壁1の凹凸1Aに近づく。
図2Eにおいて、凹凸1Aは、排出ルーメン22の開口部に引っ張られる。ただし、この動作中の排出口と軟部生体組織との接触モードを防止するのは、潜在的に好都合である。このシナリオにおいて潜在的に発生する障害として、
排出口に吸い寄せられて吸引された生体組織による排出口の閉塞および管腔洗浄プロセスの適正な機能の阻害と、
排出口に吸引された生体組織の外傷と、
が挙げられる。
【0143】
結腸(例)から糞便物質を効率的かつ迅速に排出するのに十分強い吸引は潜在的に、強い吸引を受ける組織中の血腫、血管破裂、または他の望ましくない結果を生成するのに十分な強さである。
【0144】
ここで
図3Aおよび
図3Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、腸壁1の一部1Aと延伸部41が設けられた先端アダプタ20の排出ルーメン22により方向71に引かれた真空との会合を示している。
図3Aにおいて、内視鏡の前進する遠位端21は、壁1の凹凸1Aに近づく。
図3Bにおいて、凹凸1Aは、排出ルーメン22の開口部から前方に押されて、これを吸引力71から保護する。
【0145】
ここで
図2A〜
図2Cに戻って、いくつかの実施形態においては、排出口95と結腸壁等の影響を受けやすい組織との間に延伸部41が立設され、生体組織による排出口95の閉塞を防止しつつ、当該組織を損傷から保護する。いくつかの実施形態において、吸入ガード41は、排出口95の近くに位置決めされている。
【0146】
任意選択で、複数のシールド41が複数の排出口95の近くに位置決めされる。任意選択で、吸入ガード41は、先端アダプタ20のすべての部分または大部分の周りに位置決めされており、排出口95に直接近接した位置に限定されない。
【0147】
任意選択で、吸入ガード41は、
図2Cに示すように、先端アダプタ20の中心軸側に湾曲している。
【0148】
ここで
図6Aおよび
図6Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、撮像装置50に関連して吸入ガード41を示している。
【0149】
任意選択で、吸入ガード41は、内視鏡10の光学部品の視野72の制限の回避または部分的な回避を図るように位置決めされる。
【0150】
ここで
図4Aおよび
図4Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、少なくとも1つの開口部60を有する吸入ガード41を備えた先端アダプタ20を模式的に示している。
【0151】
本発明のいくつかの実施形態において、吸入ガード41は、洗浄を行える1つまたは複数の(任意選択で小さな)孔60を備えていてもよい。この構成は、
図4Bの側方断面および
図4Aの前方断面に示している。
【0152】
任意選択で、孔60は、先端アダプタ20が体腔内へ前進する際に管腔壁の組織を切断したり擦ったりすることのないように、丸みを帯びた縁部を有していてもよい。
【0153】
孔60のおおよそのサイズおよび位置は、洗浄する物質の特性、使用する潅注の性質、与える吸引の強さ、および他のさまざまな動作パラメータによって決まり得る。
図4Aおよび
図4Bは、例示的かつ非限定的な実施形態を示している。いくつかの実施形態において、孔60は、吸引に曝露されて結腸内圧との相対的に小さな圧力差を受ける内部領域に重なるように配置される。たとえば、孔は、吸入保護壁41の遠位端近くの配置および/または吸入保護壁41の内面に形成されたチャンバの最も近い部分が相対的に大きくなるような配置が可能である。
【0154】
いくつかの実施形態において、この大きなチャンバ領域は、効果的に拡大された「パイプ」直径に対応するため、たとえばベルヌーイの法則に従って、圧力降下が少なくなる。これは、組織の安全性および/または接近する組織を取り込む吸引の傾向の抑制に関して潜在的に好都合である。
【0155】
いくつかの実施形態においては、可能な限り緩やかな圧力勾配に結腸部分の組織を曝露しつつ、可能な限り多くの排泄物を排出する目的で潜在的な張力が存在する。この妥協の実施形態においては、粒子の除去のために吸引自体に依拠することはない。また、排出チャネルに至って最小の圧力差に曝露される開口部を配置するのが潜在的に好都合である。排出チャネルに至る構造の別の潜在的な利点として、そのような開口部の近くでは断面が広くなり、組織に曝露される可能性のある領域から後退する際には狭くなる点が挙げられる。
【0156】
いくつかの任意選択的な使用方法によれば、医師は、孔60が洗浄を要するエリア上に適当に位置決めされたとき管22の吸引をオンし、孔60が損傷しやすい組織上に位置決めされたとき吸引をオフまたは抑制する。
【0157】
ここで
図5Aおよび
図5Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、腸管腔からの流体および浮遊排泄物30の排出を示している。各図において、腸壁1により封じ込められたルーメンは、延伸部41が設けられた先端アダプタ20の排出ルーメン22を介して方向71に引かれた真空により排泄物が排出されている。
【0158】
図5Aにおいて、内視鏡の遠位端21は、一部が流体および浮遊排泄物30中に沈んでいる。吸引71では、延伸部41を含む障壁のため、排泄物懸濁液30を完全に排出することができない。
図5Aにおいて、内視鏡の遠位端21は、一部が流体および浮遊排泄物30中に沈んでいる。吸引71は、延伸部41に設けられた1つまたは複数の孔60によって、排出された排泄物懸濁液30の残余物にアクセス可能である。
【0159】
なお、いくつかの実施形態において、先端アダプタ20は、たとえば(
図2Aに示すように)照明LED105、撮像ポート107、ワーキング・チャネル102、および潅注チャネル103を備えた結腸鏡先端に位置付けられた結腸鏡要素を取り除いたままとなるように構成されている。
【0160】
例示的な先端アダプタ
ここで
図11A〜
図11D、
図13A〜
図13C、ならびに
図17Aおよび
図17Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡10の遠位部21に取り付け可能な洗浄システム100の先端アダプタ20の構成を模式的に示している。
【0161】
いくつかの実施形態において、これらの図に示すとともに本明細書の他所で言及する「先端アダプタ」は、管110ならびに
図1Aおよび
図1Bの洗浄システム100等の洗浄システムの他の部分に接続可能であることが了解されるものとする。
【0162】
また、本明細書において一般的に「先端アダプタ20」と称する構成は、本明細書に記載の個別に説明するすべての先端アダプタ(たとえば、先端アダプタ11A〜11C、12、13、ならびに19Aおよび19B)と、本発明の実施形態として本明細書に提示する「先端アダプタ」の記述に適合するその他すべての装置を(必要に応じて変更して)含むものと理解すべきことが了解されるものとする。
【0163】
図11A〜
図11Dは、内視鏡10の遠位端に取り付けられた先端アダプタ11A〜11C(および20)の側方断面を模式的に示している。
【0164】
図11A〜
図11Cに示す例示的な実施形態において、先端アダプタ11A、11Bは、内視鏡の遠位端に適合するように成形されており、任意選択で、当該先端アダプタ11A、11Bを内視鏡の遠位端21に固定位置関係で位置決めする完全または部分的に円周の突起16等の形体を備える。
【0165】
ここで
図12Aおよび
図12Bを参照して、これらはそれぞれ、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡遠位端21と関連する先端アダプタ11Bの前方および側方断面図である。
【0166】
内視鏡遠位部21の端部に位置付けられた形体の機能に対応するように突起16の形状を調整するのは、潜在的に好都合である。たとえば、いくつかの実施形態において、突起16は、撮像装置50の視野72に近接して位置決め可能な先端アダプタ11Bの部分から後退されるようになっていてもよい。この後退により、内視鏡光学素子の機能的動作ならびに/または潅注、ワーキング・チャネル、および/もしくは照明等の他の特徴を損なうことなく、位置決め機能が作用し得る。
【0167】
本発明のいくつかの実施形態によれば、
図11D、
図13A〜
図13C、ならびに
図17Aおよび
図17Bは、内視鏡の遠位部21上で可変位置決め可能な先端アダプタまたは内視鏡の遠位端21ではないがその近傍で固定位置決めされる先端アダプタの簡易模式図である。
【0168】
図13A〜
図13Cは、横方向から内視鏡の遠位部21に対して適合的に適用されるように構成された先端アダプタ12(先端アダプタ20)の2つの前方断面図および側方断面図である。いくつかの実施形態において、接合先端アダプタ20は弾性変形可能であり、内視鏡端部21を加圧把持するようにサイズ設定されている(把持圧の方向は、たとえば矢印26で示している)。任意選択で、先端アダプタ12は、内視鏡の遠位部21の端部またはその近傍において、ユーザにより選択可能な位置に適合されている。いくつかの実施形態において、先端アダプタ12は、任意選択で摺動により、内視鏡の遠位本体21に沿った位置決めが可能である。いくつかの実施形態において、先端アダプタ12は、内視鏡遠位端21を十分な強さで把持することにより、結腸等の体腔への挿入時に内視鏡21に通常加わる圧力の影響下での内視鏡遠位端21の移動に耐える。
【0169】
ここで
図15Aおよび
図15Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、弾性変形可能な先端アダプタ12B、12Cの異なる円周範囲を模式的に示している。
【0170】
いくつかの実施形態において、先端アダプタ12B、12Cの円周範囲は、先端アダプタが取り付けられる内視鏡遠位部21の背後からの把持を実現するのに十分な任意の角度である。また、いくつかの実施形態において、この角度は、側方から内視鏡部21を横切るのに十分広くアダプタが開放可能となるように選定される。
【0171】
たとえば、いくつかの実施形態において、先端アダプタ12B(
図15A)は、内視鏡の円周のおよそ2/3だけ延びている。円周方向の巻き付け範囲は、取り付け点における内視鏡の直径に応じて可変であることが了解されるものとする。
【0172】
たとえば、いくつかの実施形態において、先端アダプタ12C(
図15B)は、取り付け点において内視鏡円周の180°をわずかだけ超えて延びている。いくつかの実施形態において、取り付けの固定は、下側の内視鏡への押し付けが強くなるように先端アダプタ12Cの柔軟性を抑えることによって向上する。
【0173】
このため、いくつかの実施形態において、それ自体の弾性復元力により自己取り付けがなされる先端アダプタには、内視鏡直径の0%(スリット状)から把持を実現するのに十分小さな値まで、任意のサイズ範囲の緩和状態の開口部が構成されていてもよい。このように、緩和状態の開口部のサイズは、たとえば内視鏡直径の20%〜80%またはこれ以上もしくは以下のサイズであってもよい。いくつかの実施形態において、アダプタは、内視鏡プローブの外形周りのおよそ50%の適合から任意のより大きな値まで広がっている。より完全に包み込むアダプタであれば、より強固な把持が潜在的に可能であるものの、そのトレードオフとして、内視鏡プローブの直径が大きくなる。
【0174】
先端アダプタ本体(アダプタ12B、12Cまたは本明細書に記載のその他任意の先端アダプタの場合)の材料としては、シリコーン・ゴムまたは結腸鏡もしくは結腸洗浄システムの挿入管の製造にも用いられる高分子等の別の高分子材料が可能である。先端アダプタの材料の例示的なショアAデュロメータ値は、50〜70ショアAデュロメータ単位である。いくつかの実施形態においては、50〜55ショアA、50〜60ショアA、55〜65ショアA、70〜80ショアA、70〜90ショアA、またはこれらと同等、これらの中間、これら以上、もしくはこれら以下のショアAデュロメータ範囲が用いられる。
【0175】
いくつかの実施形態においては、透明材料を用いて先端アダプタ(たとえば、先端アダプタ12B、12C、または本明細書に記載のその他任意の先端アダプタ)が形成される。透明であることの潜在的な利点として、結腸鏡の端部でアダプタの位置決めがより直接的に決定される。
【0176】
ここで
図16A〜
図16Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡の遠位部21に対する3つの構成の弾性変形可能な先端アダプタ12を示している。
【0177】
図示の構成は、取り付け前(
図16A)、取り付け中(
図16B)、および取り付け後(
図16C)である。この一連の流れは、側方から内視鏡に被せるためのアダプタ12の柔軟性と、内視鏡管に押し付けた後の形状回復による取り付け能力とを示している。
【0178】
いくつかの実施形態において、内視鏡の遠位端21に対する先端アダプタ20の位置は、ユーザが好みおよび/または所与の臨床的状況に応じて選択し、先端アダプタ20は、選択された位置に従って内視鏡遠位端21に取り付けられる。いくつかの実施形態において、先端アダプタ20および/または取り付けられた管110は、1回使用を意図した使い捨て品である。
【0179】
いくつかの実施形態において、遠位インターフェース20は、内視鏡遠位領域21に対して、その端部から近位方向に離隔された位置に固定接続されている(
図13C)。この距離は、内視鏡の遠位端から、たとえば少なくとも0.5〜1.5cm、1〜2.5cm、2〜5cm、またはこれら以下もしくは以上の距離である。
【0180】
図13A〜
図13Cならびに
図17Aおよび
図17Bに示す構成の潜在的な利点として、内視鏡10の光学素子は、全視野が確保される。先端アダプタ20は、内視鏡の端部21近くに位置決めされていても、端部から幾分距離を置いている場合は、通例の大きなものであっても、内視鏡光学素子の全視野と干渉し得ない。
【0181】
いくつかの実施形態のいくつかの使用方法において、洗浄システム100が取り付けられた内視鏡10は、洗浄システムを使用しながら結腸の全長にわたって前進可能であるため、洗浄システムが結腸の全長から糞便物質を除去する。任意選択で、検査および/または処置のため、内視鏡が後で洗浄された結腸を通って徐々に後退される。この方法の下、先端アダプタ20が内視鏡の遠位端に近接して位置決めされている事実は、前進/洗浄中および後退/観察中の両者で都合が良い。前進時、遠位先端は潜在的に、通過点において先端アダプタの体積追加に対応する必要がないため、制限された空間をより容易に通過可能である。後退時、先端アダプタは潜在的に、物理的に照明野および/または視野外であるため、照明および/または撮像要素との干渉が生じない。
【0182】
図17Aおよび
図17Bは、任意選択で内視鏡21の側方から内視鏡に取り付けられ、内視鏡の円周部(たとえば、およそ40%、およそ50%、およそ60%、およそ70%、またはおよそ80%)に沿って内視鏡の遠位部21に接触または近接した先端アダプタ13を(正面図および側面図として)例示している。いくつかの実施形態においては、円周の50%まで囲むことはない。いくつかの実施形態において、接合先端アダプタ13は、内視鏡の遠位部21に沿って、さまざまな位置に取り付け可能である。任意選択で、先端アダプタ13は、接着テープ、クランプ、ならびに/またはその他任意の機械的、接着、および/もしくは粘着手段(ストラップ)等の取り付け具14ならびに/または
図1Aおよび
図1Bを参照して上述した通り、内視鏡10の長さに沿って先端アダプタ13に接続された接続管110に沿う取り付け具112によって適所に保持される。
【0183】
いくつかの実施形態において、接合先端アダプタ12および13は、内視鏡の遠位部21のどこかに位置決めされて、医師の都合および/または特定の場合の臨床的要件に合わせることができる。柔軟性および/または側方取り付け性を有する先端アダプタ(先端アダプタ13)は、取り付けによって、さまざまな形状および/または直径の内視鏡と併用可能であるため、潜在的に好都合である。いくつかの実施形態において、先端アダプタ13は、弾性的に柔軟な材料での構成によって、さらに多様なサイズの内視鏡に適応させることができる。同様の理由により、先端アダプタ13は任意選択で、断面が非円形または非対称の内視鏡遠位部21に取り付けられるように適応可能である。
【0184】
図11D、
図13A〜
図13C、ならびに
図17Aおよび
図17Bに示す実施形態は任意選択で、内視鏡の遠位端に対するユーザ選択位置で「洗浄管」(すなわち、1つもしくは複数の潅注管ならびに/または1つもしくは複数の排出管)の遠位出口を位置決めするのに使用可能である。
【0185】
ここで
図10A〜
図10Dを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡遠位端21に対するアダプタ20先端の端部上取り付けを示している。
【0186】
いくつかの実施形態において、先端アダプタ20は、内視鏡遠位領域21の端部上で(
図10B)、遠位端に対するさまざまな位置に取り付け可能である。この位置は、端部と同一平面上またはほぼ同一平面上であってもよいし(
図10C)、たとえば0.5〜1.5cm、1〜2cm、1.5〜3cm、またはこれら以上もしくは以下のオフセット長の距離28だけ近位方向にオフセットしていてもよい。
【0187】
ここで
図9A〜
図9Dを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、直径が可変の内視鏡遠位端21に対する先端アダプタ20の取り付けに関する問題を示している。
【0188】
いくつかの実施形態において、内視鏡遠位部21は、当該内視鏡の遠位端から近位方向に延びた相対的に均一の直径36を有する(
図9Aおよび
図9B)。本発明のいくつかの実施形態において、内視鏡の遠位部は、ここで示すように直径が不均一であり、たとえば内視鏡への巻き付け、操作機構、および/または他の構造による凹凸を備えていてもよい。
図1Aおよび
図1Bにおいて内視鏡遠位部21を分けて示しているのは、これらの凹凸を反映させたものである。このような凹凸に対して自動的に潜在的に調整可能であることは、たとえば
図13A〜
図13Cの弾性変形可能な実施形態の潜在的な利点であることに留意するものとする。
【0189】
いくつかの実施形態において、凹凸は、遠位部へのアダプタ20先端の取り付けの邪魔となり得る十分な大きさである。たとえば、拡張領域27(
図9Cおよび
図9D)の直径35は、直径36よりも大きいため、内視鏡遠位領域21の遠位端に近接する端部上の形状適合取り付けが妨げられる。
【0190】
ここで
図14A〜
図14Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、拡張遠位部27を備えた内視鏡プローブに対する先端アダプタ12の取り付けを明示している。
【0191】
いくつかの実施形態において、内視鏡遠位領域21には、拡張領域27(たとえば、遠位端を囲むリング137)が構成されている。リング137等の拡張領域27は、たとえばツール、照明、および/または撮像光学素子の操作への対応等、内視鏡21の機能上の必要性を満たすために設けられていてもよい。それにも関わらず、このような拡張部は潜在的に、内視鏡端部の案内と干渉する。元の内視鏡の設計は、操作性を維持するために十分な注意が払われている可能性があるものの、先端アダプタ20の追加によって内視鏡の遠位端21がさらに大きくなると、結腸を通る案内を成功させる上で潜在的な弊害となる。
【0192】
拡張遠位部に近接した位置で内視鏡21に取り付け可能な12または13等の先端アダプタによれば、先端アダプタおよび内視鏡の組み合わせの外形を潜在的に狭くすることができる。潜在的に、外形が狭くなれば、案内性が向上する。たとえば、
図14A〜
図14Cにおいては、たとえば拡張部27に近い領域に取り付けた状態の先端アダプタ12を示しており、内視鏡遠位端21の拡張部27上に同じアダプタを直接配置した場合に予想される外形12Aの内側の外形が可能となる。
【0193】
ここで
図15Cを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、遠位端拡張部27上の先端アダプタ12Dの収容エリア220の延伸部220Aを示している。
【0194】
いくつかの実施形態において、先端アダプタ12Dは、短い延伸部220Aが拡張領域27上で前方に突出して、たとえば排出チャネル95の開口部をさらに前方に設ける一方、先端アダプタ12の本体がより保護された近位位置に留まる状態で、内視鏡遠位領域21の端部に遠位取り付けがなされるように構成されている。
【0195】
ここで
図11Dを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、内視鏡遠位部21と関連付けられた端部上に適用される先端アダプタ11Cを示している。
【0196】
図11Dを
図14Cと比較することにより、側方搭載型先端アダプタの潜在的な利点が確認される。
図11Dにおいて、アダプタ11Cは、遠位拡張部27上を摺動した後、内視鏡の遠位端21から距離28だけ分離される。ただし、結果としての構成は、十分な適合とはならず、
図14C等の構成で実現される直径に対して過剰な直径となる。
図11Cのように、遠位端でより確実に搭載される端部上構成の場合であっても、先端アダプタ11Bは潜在的に、
図14Cの構成よりも妨害的である。
【0197】
ここで
図18A〜
図18Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、シェル1801およびインサート1805を備えた先端アダプタ1800を模式的に示している。いくつかの実施形態においては、シェルが相対的に柔軟であり、インサートが相対的に堅固である。いくつかの実施形態においては、インサートが相対的に柔軟であり、シェルが相対的に堅固である。これら2つの代替構成は潜在的に、以下に説明する通り、代替的な複数組の利益を与える。また、
図19A〜
図19Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、排出予備チャンバ1910を備えた先端アダプタ1900を模式的に示している。
【0198】
本発明のいくつかの実施形態において、先端アダプタ1800、1900は、結腸鏡の遠位端を受容するようにサイズ設定および成形された結腸鏡搭載ルーメン1903を備える。また、任意選択で、先端アダプタ1800、1900は、
排出チャネルの管用の1つまたは複数の排出チャネル搭載ソケット1902と、
潅注流体を供給する管用の1つまたは複数の潅注チャネル搭載ソケット1912と、
圧力感知手段を受容する1つまたは複数の圧力センサ・ソケット1918、1914と
を備える。
【0199】
本発明のいくつかの実施形態において、排出ソケット1902は、結腸洗浄装置の先端アダプタの排出チャネルの組み立て、感知、安全性、および/または遮断抵抗に関する構造を備える。
【0200】
いくつかの実施形態において、排出チャネル22の管の遠位端は、排出チャネル搭載ソケット1902の近位側に挿入される。任意選択で、摩擦嵌合および/または接着により固定される。任意選択で、管挿入の深さは、排出ソケット1902のルーメン内の部分的な制限を含む管ストッパ1904により制限される。部分的な制限は、任意選択で、ソケット1902の円周方向の狭隘化である。任意選択で、ストッパは、ルーメン壁の非円周隆起部を含む。
【0201】
いくつかの実施形態において、管ストッパの遠位には、排出チャネル先端圧感知開口部1909が設けられている。任意選択で、圧力感知開口部は、排出チャネル搭載ソケット1902と圧力センサ・ソケット1918との間に延びたルーメンを備える。いくつかの実施形態においては、排出ソケット1902の壁の感知開口部孔1909の反対に孔1907が設けられている。孔1907は任意選択で、製造プロセス中に作成され、孔1909の作成用のアクセスを提供する。
【0202】
上記の追加または代替としては、副吸引解放開口部として機能する。
【0203】
いくつかの実施形態において、ソケット1902は、遠位排出ソケット開口部1923で終端して排出予備チャンバ1910内に至る。このため、ソケット開口部1923は、排出チャネルの吸入開口部95も備える。
【0204】
任意選択で、排出予備チャンバ1910の近位壁1927は、上記のような1つまたは複数の遠位排出ソケット開口部1923を備える。いくつかの実施形態において、排出予備チャンバ1910の遠位壁1925は、1つまたは複数の排出予備チャネル・アクセス開口部1921を備える。任意選択で、排出予備チャンバ1910は、その全体でルーメン1903が当該予備チャンバ1910と流体連通する別の開口部1910Aを備える。
【0205】
いくつかの実施形態において、予備チャンバ1910およびその開口部を構成する構造は、たとえば
図3A〜
図5Bおよび/または
図7A〜
図7Cに関連して説明した機能を含む。たとえば、遠位壁1925は、ソケット開口部1923からの腸壁1の分離を行う限りにおいて、吸入ガード41を備える。排出予備チャンバ・アクセス開口部1921は、十分に小さな物質が通過できる開口部または孔60の一実施形態を含む。
【0206】
予備チャンバ1910およびその開口部の構造の潜在的な利点は、予備チャンバ1910へと通過した後に排出吸入開口部1923のうちの1つへと通過する際に異なるサイズの粒状排泄物質が受ける圧力の観点で考えることができる。洗浄プローブの排出チャネル側が(たとえば、
図5Aおよび
図5Bのように)下方に配向した状態では、アクセス開口部1921が先端ヘッドの下方に位置決めされるため、流体のレベルが容易に低くなり、アクセス開口部1921全体で排出チャネル22からの吸引により十分な圧力勾配が生成されて流体の塊が移動する。
【0207】
任意選択で、アクセス開口部1921は、吸入開口部1923以下となるようにサイズ設定されている。任意選択で、アクセス開口部1921は、吸入開口部1923の軸方向遠位に位置決めされている。この潜在的な利点として、アクセス開口部1921に進入する扁平な排泄物粒子が排出チャネルを遮断するのではなく、排出チャネルに進入するように配向させるのに役立つ。この意味において、アクセス開口部1921は潜在的に、排泄物粒子ろ過器として作用する。排泄物粒子が大きすぎる場合および/または不適切に配向してアクセス開口部1921へと通過する場合、排泄物粒子はそれにも関わらず、アクセス開口部1921において吸引の衝撃を受ける可能性が低い。その他の予備チャンバ開口部1921、1910A、1907のうちの1つによって圧力勾配が解消されるためである。開口部1910Aは、相対的に上昇してルーメン1903内の相対的に保護される位置において、予備的なろ過が有利となる大型の粒子と会合する可能性が低くなる。ただし、任意選択で、開口部1910Aは、2つ以上の小さな開口部に分割されて、吸入開口部1923に対するろ過機能を潜在的に与えることになる。
【0208】
ここで
図23を参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、遠位先端アダプタ2300に進入した粒子2305を模式的に示している。
【0209】
いくつかの実施形態において、先端2300(排出予備チャンバ1910と関連する態様を強調するために簡素化)は、ルーメン1903内の結腸鏡プローブ21に取り付けられるとともに、排出ソケット1902で排出チャネル22に取り付けられている。そして、予備チャンバ1910に進入する材料が排出されるように、排出チャネル22に対して吸引が能動的に印加される。いくつかの実施形態においては、これにより、開口部1910Aおよび1921からそれぞれ、別の吸引勾配2301、2302が形成される。排泄物(浮遊固体を伴う流体)の液位2223が開口部1921以上となったら、排泄物が予備チャンバに引き込まれる。ただし、この開口部での抵抗が高まったら、開口部1910Aの吸引解放動作によって、圧力勾配の傾きの対応する上昇が抑えられる。抵抗は、たとえば
図2Dおよび
図2Eに関して示したように、腸壁1の一部との会合に際して上昇する。潜在的に、圧力勾配のシャントは、吸引関連の負傷の発生を抑制するように作用する。粒子2305は、1つの次元では大きいものの、吸入開口部1923全体で詰まるのではなくチャネル22に進入できるように、開口部1921の通過によって整列された排泄物粒子を表す。
【0210】
いくつかの実施形態において、複数の開口部を設けることには、別の機能上の利点がある。1つのアクセス開口部1921が遮断された場合であっても、複数の排出吸入開口部によって、別のアクセス開口部1921による供給がある共通の予備チャンバ1910からの流体を受け続けることができる。
【0211】
排出予備チャンバ1910と関連する別の機能的態様として、遠位壁1925の丸みを帯びた成形が挙げられ、これにより、腸壁1からの急勾配の圧力を受ける領域が分離される一方、前面1802は同じく切頂状である。潜在的には、これによって、探針、切断、捕捉、および/またはスライスによる機械的損傷が抑えられる。丸みを帯びた先端形状もテーパ状である限りにおいて、捕捉の機会は潜在的に少なくなる。この先端の形状は、壁妨害物を直接押すのではなく、横に逸れて乗り越えることを促すためである。また、潜在的に、前面全体の形状が丸みを帯びている(「球状」成形(実際には、球面の一部である必要はない))と、腸壁1が同時に適合(および遮断)するようには十分に適していない入口開口部の形状を与えることにより、吸引把持による壁への引っ掛かりの可能性が低くなる。
【0212】
遠位先端1800、1900の別の態様は、結腸鏡搭載ルーメン1903と関連付けられた構造に関する。いくつかの実施形態においては、結腸鏡が停止面1906Aに接触する点に対して、結腸鏡遠位端の洗浄先端1800、1900の配置が厳密に制限されるように、ルーメン1903中へと突出した結腸鏡ストッパ1906が設けられている。たとえば、結腸鏡の端部による予備チャンバ開口部1910Aの遮断が防止されていると、潜在的に好都合である。
【0213】
ここで
図21を参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、潅注システムおよび結腸鏡21の構成要素とともに、スリーブ配置冶具2100中のスリーブ・アセンブリ2104を模式的に示している。
【0214】
本発明のいくつかの実施形態において、先端1800、1900は、完全に組み立てられた洗浄装置を含む結腸鏡および/または他の管要素を適合的に収容および/または整形するようにサイズ設定された高分子(ポリウレタン、シリコーン・ゴム、または別の可撓性ポリマー等)の薄壁柔軟スリーブの一端に取り付けられている。スリーブ・アセンブリ2104の潜在的な利点として、(たとえば、使用後の洗浄装置を交換および/または廃棄できるように)結腸鏡に対する洗浄装置の可逆的取り付けが可能となる点、結腸鏡プローブを備えた洗浄システムの一体化の容易化、ならびに/または、一体化される洗浄システム/結腸鏡プローブ・システムの構成形状および相対位置決めの再現可能な制御が挙げられる。
【0215】
いくつかの実施形態において、スリーブ・アセンブリは、結腸鏡プローブ21を受容するように構成された内側スリーブ2103を備える。内側スリーブ2103は、1つまたは複数の追加管21、101を具備する外側スリーブ2102によって、円周方向に囲まれている。
【0216】
いくつかの実施形態において、非拡張状態の内側スリーブ2103のルーメンの直径は、たとえば8〜12mm、3〜10mm、5〜18mm、またはこれらと同等、これらの中間、これら以上、および/もしくはこれら以下の範囲である。任意選択で、この直径は、結腸鏡の直径に従って、たとえば(伸長前に)結腸鏡の直径よりも5%、10%、20%、またはこれらの中間、これら以上、もしくはこれら以下の割合だけ小さく選択される。特定例として、直径が12mmの結腸鏡の場合、上記内径は、非拡張状態の結腸鏡の直径よりも、0.1〜5mm、1〜3mm、0.1〜0.9mm、またはこれらと同等、これらの中間、これら以上、および/もしくはこれら以下のサイズ範囲だけ小さい。
【0217】
いくつかの実施形態において、スリーブ・アセンブリ2104は、膨張冶具2100の膨張基部2107への取り付けによって、結腸鏡プローブを受容するように膨張可能であり、基部2107は、膨張用の気体圧力源に取り付けられるように構成された膨張入口2105を備える。任意選択で、膨張冶具2100は、制限管または部分管2101を備える。ただし、スリーブ・アセンブリ2104は、結腸鏡プローブ21を受容するように延伸する。任意選択で、結腸鏡プローブ21は、封止部材2106に挿通され、遠位先端1900のルーメン1903に達するまで内側スリーブ2103に通される。
【0218】
任意選択で、柔軟なスリーブは、外周の取り付けチャネル1905Aにより固定される。任意選択で、スリーブは、外側管および少なくとも1つの内側管を備える。任意選択で、内側管は、取り付けチャネル1905Aに取り付けられる。任意選択で、先端の外側からルーメン1903および取り付けチャネル1905Aに至る接着剤導入開口部1905が設けられている。任意選択で、整形管は、ルーメン1903内への一端の配置およびチャネル1905Aに対する押し付けの後、ルーメン全体への接着剤の射出によって、チャネル1905Aに固定される。
図18A〜
図19Cに戻って、本発明のいくつかの実施形態においては、潅注管受容ソケット1912への挿入によって、潅注チャネル101が先端1800、1900で終端している。任意選択で、ソケット1912は、2つ以上の別個の潅注管が互いに同時に挿入可能となるように細長状となっている。任意選択で、ソケットへの挿入深さは、1つまたは複数の潅注管ストッパ1913によって設定される。いくつかの実施形態においては、各ソケット1912に対して、1つまたは複数の潅注出口1920が設けられている。任意選択で、潅注出口1920は、先端本体の遠位−近位軸に沿って配向した円筒孔を含む。任意選択で、潅注出口1920はそれ以外に、噴射用の成形および/もしくは配向(たとえば、テーパ状のルーメンを備える)ならびに/または潅注流体噴霧の分散および/もしくは照準用の遠位−近位軸からの逸脱がなされている。
【0219】
本発明のいくつかの実施形態においては、先端および/または先端環境の1つまたは複数の態様を感知できるように、センサ・ソケット1918、1914が感知プローブおよび/または感知プローブ部を受容するように構成されている。たとえば、排出ルーメン圧力センサ・ソケット1918には任意選択で、感知開口部1909を通って1つまたは複数の排出ソケット1902に連結され、内部の圧力および/または圧力変化を感知するセンサが設けられている。また、いくつかの実施形態においては、電子的な圧力センサが設けられている。また、いくつかの実施形態においては、機械的な圧力センサが設けられている。たとえば、圧力センサは任意選択で、試験圧力が近位方向に印加される流体充填管を備える。遠位先端における圧力の上昇および/または降下に際して、試験圧力により移動する体積が変化するが、これは任意選択で、遠位先端圧力の測定結果および/または指示値に変換される。
【0220】
いくつかの実施形態において、外部圧力センサ・ソケット1914は、外部圧力センサ開口部1916を介して外部圧力を感知する圧力センサを受容するように構成されている。任意選択で、たとえば圧力感知ソケット1918に関して説明したような機械的圧力センサ等のセンサの適正な配置の実現にストッパ1915、1919が役立つ。
【0221】
本発明のいくつかの実施形態において、先端アセンブリ1800は、柔軟な搭載部1805を伴う相対的に堅固なシェル1801を備える。任意選択で、搭載部1805は、堅固なシェル1801の受容開口部1801Aに挿入されるインサートを備える。潜在的に、柔軟なインサート/堅固なシェルの構成には、各部1801、1805が実行する機能に従って材料を選択可能とすることによる利点がある。たとえば、堅固なシェルは潜在的に、先端アダプタ全体に対して、より高い寸法安定性を与える。潜在的には、これによって、先端が会合する腸組織内に変形して埋め込まれるのではなく、その上を摺動することが促進されるため、たとえば案内および/または安全性の利点がある。潜在的に、柔軟なインサートには、洗浄アセンブリに対する屈曲力の印加に際して、挿入された管がてこ動作で位置ずれする傾向に抗する利点がある(インサートは、管110と同様の柔軟性であれば、管自体が曲がるのと併せてより大きく屈曲する)。
【0222】
2硬度構成の別の潜在的な利点としては、たとえば押し込み嵌入される管よりもソケット1912、1914、1902、および/または1918をわずかに小さくすることにより、先端に接続されるさまざまな微小管の弾性摩擦嵌合が強化される。潜在的に、堅固なシェルには、腸壁1に接触しやすい先端の領域に対して、相対的に低摩擦の材料を(本体自体および/または被膜に)使用できる利点がある。任意選択で、両構成要素が(適当に異なる硬度の)ポリウレタンで構成されている。任意選択で、外側の構成要素は、たとえばパリレンC、テフロン、または別の低摩擦材料等の摩擦低減材料で被覆される。
【0223】
いくつかの実施形態において、内部先端部1805の硬度は、たとえば25〜40ショアA、30〜50ショアA、35〜55ショアA,またはこれらと同等、これら以上、これら以下、および/もしくはこれらの中間の柔軟性の範囲である。
【0224】
いくつかの実施形態において、外部先端部1801の硬度は、たとえば40〜60ショアA、60〜80ショアA、70〜90ショアA,またはこれらと同等、これら以上、これら以下、および/もしくはこれらの中間の柔軟性の範囲である。
【0225】
本発明のいくつかの実施形態において、先端アセンブリ1800は、堅固な搭載部1805を伴う相対的に柔軟なシェル1801を備える。任意選択で、搭載部1805は、柔軟なシェル1801の受容開口部1801Aに挿入されるインサートを備える。潜在的に、柔軟なシェル/堅固なインサートの構成には、各部1801、1805が実行する機能に従って材料を選択可能とすることによる利点があり、上述の柔軟なインサート/堅固なシェルの実施形態について説明したものとは異なる重要性がある。
【0226】
たとえば、堅固なインサートは潜在的に、ソケット1902、1912、1914、1918等の管類コネクタとの先端アダプタ・インターフェースならびに/または任意選択で流体噴射の指向および/もしくは成形を行う開口部1920等の開口部の寸法に対して、寸法安定性を与える。潜在的に、堅固なインサートは、柔軟なインサートよりも精密に製造可能であり、たとえば、より強固な嵌合および/または噴射開口部の特性の厳密な制御が実現される。潜在的に、堅固なインサートは、保管時のクリープ、サギング、または性能に影響する可能性がある他の変形に耐える。使用時には、寸法安定性によって潜在的に、先端に加わる力によるソケット−管接続部の歪み、外れ、および/または緩みが防止される。潜在的には、流体噴射開口部の寸法安定性によって、当該開口部の照準および/または噴射形成特性に影響を及ぼす歪みが防止される。
【0227】
いくつかの実施形態において、柔軟なシェルは、先端の堅固な部分との会合から組織を保護する。一般的に、シェル1801に対して柔軟な「皮膚」を与えると、潜在的には、探針および/または擦過による損傷の影響を防止するのに役立つ。たとえば、シェル1801の柔軟な構成によって、結腸鏡搭載ルーメン1903、潅注出口1920、および/または排出ソケット開口部1923等の開口部周りの縁部が柔軟になる。また、柔軟なシェル1801は潜在的に、先端アセンブリ1800の他の部分(たとえば、外側隅部および/または湾曲部)における接触力を分散させる。
【0228】
いくつかの実施形態においては、柔軟なシェル1801の保護効果を潜在的に増大させる1つまたは複数の圧縮可能なチャンバおよび/または空洞が設けられている。たとえば、予備チャンバ1910は任意選択で、それが画定する空洞が接触力を受けた場合に容易に潰れるように、十分な柔軟性および/または薄壁の材料で製造される。
【0229】
いくつかの実施形態において、予備チャンバ1910は、小さな圧力(たとえば、1〜10ニュートン、またはこれ以上もしくは以下の圧力)で弾性潰れ可能となる十分な柔軟性を有する。潰れ圧力は任意選択で、結腸を損傷せる可能性が低いレベルおよび/または結腸内の前進時に通常受けるレベルの十分小さな圧力となるように選定される。任意選択で、使用時には、潰れ圧力が意図的に予備チャンバ1910に加わるようにする。潜在的には、潰れ動作によって、チャンバ内および/またはチャンバの出入り口のうちの1つにおける遮断の機械的な除去が可能となる。
【0230】
上記の追加または代替として、シェル1801は、その構造内に他の空洞を備えて製造される。たとえば、シェル領域1803の壁厚には、(たとえば、ハニカム形状の)柔軟な材料の相対的に薄い膜により画定された空洞領域を含む。チャンバは任意選択で、少なくとも1つ面が封止または未封止となる。
【0231】
いくつかの実施形態において、柔軟および堅固な材料の領域は、図示と異なる領域に設けられている。たとえば、シェル1801の柔軟な材料には任意選択で、先端アセンブリ1800の材料体積のほぼすべてを含んでおり、寸法が安定した堅固な材料が1つまたは複数のインサート(たとえば、複数の管状インサート)として設けられ、ソケットおよび/または開口部等の構造を画定している。本発明のいくつかの実施形態には、別の代替構成(たとえば、複数の交互ならびに/または混合柔軟および堅固層ならびに/または部分的もしくはセグメント化シェル)を含む。いくつかの実施形態において、各種の2硬度構成(柔軟な内側と堅固な外側、堅固な内側と柔軟な外側)の相対的な利点の少なくとも一部は、このような構成変形例によって潜在的に得られる。たとえば、(接続/噴射形成用の寸法安定性を潜在的に与える)堅固なソケットおよび/または噴射開口部が任意選択で(部品の取り外しなく互いの移動を潜在的に可能とする)より柔軟なマトリクス中に埋め込まれており、より柔軟なマトリクスが任意選択で(アダプタの全体的な強度および/または形状を維持するのに任意選択で役立つ)より堅固な外側部に埋め込まれており、より堅固な外側部自体には任意選択で、力吸収および/または縁部保護バンパーとして作用する柔軟な領域が設けられている。
【0232】
任意選択で、柔軟および堅固な構成要素の一方または両方が(適当に異なる硬度の)ポリウレタンで構成されている。任意選択で、外側の構成要素は、たとえばパリレンC、テフロン、または別の低摩擦材料等の摩擦低減材料で被覆される。
【0233】
いくつかの実施形態において、シェル部1801の硬度は、たとえば25〜40ショアA、30〜50ショアA、35〜55ショアA、またはこれらと同等、これら以上、これら以下、および/もしくはこれらの中間の柔軟性の範囲である。いくつかの実施形態において、インサート先端部1805の硬度は、たとえば40〜60ショアA、60〜80ショアA、70〜90ショアA,またはこれらと同等、これら以上、これら以下、および/もしくはこれらの中間の柔軟性の範囲である。
【0234】
ここで
図20を参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、柔軟な壁ガード2001を備えた先端アダプタ2000を模式的に示している。
【0235】
本発明のいくつかの実施形態において、先端アダプタ2000は、結腸洗浄工程における間隔空け、位置決め、および/または照準の補助として作用する柔軟な壁ガード2001を備える。
【0236】
いくつかの実施形態において、壁ガード2001は、先端本体の一端に取り付けられるとともに、長さ2002Aがたとえばおよそ10〜15mm、12〜18mm、15〜20mm、18〜24mm、またはこれらと同等、これら以上、これら以下、および/もしくはこれらの中間の長さ範囲である1つまたは複数の柔軟な部材2002を備える。いくつかの実施形態において、壁ガード2001の全幅2002Bは、たとえばおよそ5〜7mm、6〜9mm、8〜12mm、9〜14mm、またはこれらと同等、これら以上、これら以下、および/もしくはこれらの中間の範囲である。任意選択で、間隙2004(たとえば1〜2mm等の幅の間隙)によって、複数の柔軟な部材が分離されている。
【0237】
いくつかの実施形態において、壁ガード2001の部材は、およそ180°以上の範囲2006で完全に屈曲するのに十分な柔軟性を有する。いくつかの実施形態において、最大屈曲範囲は、たとえばおよそ150°、160°、170°、180°、190°、またはこれら以上、これら以下、もしくはこれらの中間の最大範囲である。いくつかの実施形態においては、この追加または代替として、たとえば屈曲範囲2008で壁がその長さに沿って曲がるように構成されている。いくつかの実施形態において、最大屈曲範囲は任意選択で、およそ2つ重ね(180°)あるいはおよそ90°、およそ45°、またはこれら以上、これら以下、もしくはこれらの中間の最大範囲等のより小さな範囲である。
図20には、矩形対の「ウサギの耳」構成を示しているが、たとえば三角形、長円形、半円形、または別の形状等、他の形状も本発明の実施形態であることが了解されるものとする。本発明のいくつかの実施形態において、壁ガード部材の厚さは、所望の固有屈曲特性に応じて長さに沿った事実上の屈曲が促進されるように、先端からの距離に応じて変化する。壁ガード部材2002(たとえば、ポリウレタンまたは別のゴム重合体を含む)の硬度は、たとえばおよそ20〜30ショアA、30〜45ショアA、40〜55ショアA、またはこれらと同等、これら以上、これら以下、および/もしくはこれらの中間の硬度範囲である。壁ガード2001には任意選択で、本明細書に記載の洗浄システムの先端のいずれかが設けられることが了解されるものとする。任意選択で、壁ガード2001には、搭載部1805等のインサートを任意選択で囲むシェル1801等の柔軟な外側シェルが一体的に形成されている。
【0238】
ここで
図22を参照して、これは、腸壁1および柔軟な壁ガード2001との関係において、(たとえば、アダプタ先端2100を含む)洗浄システムの遠位領域の位置2201、2203、2205、2207、2209、2211、2213を示している。
【0239】
壁ガード2001には、洗浄システムの先端2000を案内する腸壁からの柔軟な(傷つけない)スタンドオフとして作用することによる潜在的な利点がある。潜在的には、これによって、腸壁への吸引付着の事態が抑えられる。
【0240】
以上にも関わらず、壁ガード2001は任意選択で、たとえば、結腸の制限部(たとえば、結腸セグメント境界のくびれ)との会合等の十分な力の作用に際して弾性的に潰れる傾向によって、制限部を通る案内が相対的に妨げられないように十分な柔軟性を有する。位置2200および2213はそれぞれ、遠位および近位方向の配向で潰れた壁の例を示している。いくつかの実施形態において、部材2002は、圧力源との流体連通によって膨張可能なバルーンとして設けられている(壁の膨張用に特別に設けられた潅注管101または別の管等)。これにより任意選択で、現行の案内要件に応じた壁剛性の制御が可能となる。
【0241】
本発明のいくつかの実施形態において、壁ガード2001は、結腸内で半径方向に先端を位置決めする際の補助となる装置として機能する。たとえば、先端が位置2207から前進すると、壁ガード部材2002は、後方の先端本体側に曲がって、線2006Aに近い位置および/または位置2213となる傾向がある。これにより、先端は、腸壁1により近く接近し得る。ただし、わずかに後方に引っ張ることにより、部材2002は、たとえば位置2008Aおよび/または2207に向かって真っ直ぐになる傾向がある。潜在的には、これにより先端が壁から遠くへ押しやられる。任意選択での別の操作では、先端を近位方向に引くことにより壁が前方に屈曲し、この位置から、壁上に立ち上がる(たとえば、一連の位置2201、2203、2205、2207)。この手段により、先端の異なる半径方向位置を選択可能となり、潜在的には、潅注流体供給時に噴射を照準する位置(たとえば、噴射照準方向2230および2231間の位置の差)の選択が可能となる。
【0242】
上記の追加または代替として、先端は、(たとえば、腸制限部の開口部領域により近い)さらなる前進により適した半径方向位置となるように、壁によって再位置決めされる。任意選択で、先端領域が(たとえば、位置2201および2213間で)前後に短く交互移動することにより、ルーメン内で腸壁1に対して近づく方向および遠ざかる方向(たとえば、経路2200のような平行)に先端が「走査」することになる。これにより、潜在的には、洗浄対象2222上での潅注噴射エネルギーの分散および/または腸内からの流体の排出に適した排泄物液位2223に対する位置の選択(たとえば、液位2232および2233間の排出吸入ゾーンの位置決め)が可能となる。排出位置は任意選択で、たとえば排出アクセス開口部1921が浸水する一方、排出予備チャンバ開口部1910Aは流体から離れたままとなるように選択される。
【0243】
任意選択で、保護壁を介した操作の別の方法として、装置を回転させると、壁部材2002の一方に他方よりも大きな力が加わる。任意選択で、装置を意図的におよそ90°回転させると、保護壁が取り除かれて、排出アクセス開口部の一部が腸壁1の下部により近くなって、わずかな量の残存流体を排出可能となる。
【0244】
本明細書において、用語「およそ(about)」は、「±10%以内」を表す。
【0245】
用語「備える(comprises、comprising)」、「具備する(includes、including)」、「有する(having)」、およびそれぞれの活用形は、「非限定的に含む」を意味する。
【0246】
用語「〜から成る(consisting of)」は、「限定的に含む」を意味する。
【0247】
用語「本質的に〜から成る(consisting essentially of)」は、その組成、方法、または構造が別の成分、ステップ、および/または部品を含み得ることを意味するものの、これらの別の成分、ステップ、および/または部品が特許請求の範囲に係る組成、方法、または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限る。
【0248】
本明細書において、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数表現を含む。たとえば、用語「化合物(a compound)」または「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」は、その混合物を含めて、複数の化合物を含み得る。
【0249】
本明細書で使用する単語「例(example)」および「例示(exemplary)」は、「一例、事例、または実例として機能すること」を意味する。「例(example)」または「例示(exemplary)」として説明した如何なる実施形態も、他の実施形態より好適もしくは有利なものとして解釈されることおよび/または他の実施形態の特徴を除外することが必ずしもないものとする。
【0250】
本明細書で使用する単語「任意選択で(optionally)」は、「いくつかの実施形態では提供されるものの、他の実施形態では提供されないこと」を意味する。本発明の如何なる特定の実施形態も、特徴が矛盾しない場合に限り、複数の「任意選択での」特徴を含み得る。
【0251】
本明細書において、用語「方法(method)」は、所与の目的を成し遂げるための様態、手段、技術、および手順を表しており、化学、薬理学、生物学、生化学、および医学の熟練者に既知または既知の様態、手段、技術、および手順から容易に開発可能な様態、手段、技術、および手順を含むが、これらに限定されない。
【0252】
本明細書において、用語「処置(treating)」は、状態の進行の無効化、実質的な抑止、低速化、もしくは反転、状態の臨床的もしくは審美的な症候の実質的な改善、または状態の臨床的もしくは審美的な症候の出現の実質的な防止を含む。
【0253】
本願の全体を通して、本発明の種々実施形態は、範囲形式で表される場合がある。範囲形式での記述は、利便性および簡便性を目的としているに過ぎず、本発明の範囲に対する絶対的な制限と解釈されるべきではないことが了解されるものとする。したがって、範囲の記述は、当該範囲内の考え得るすべての下位範囲および個別の数値を具体的に開示したものと考えられるべきである。たとえば、「1〜6」等の範囲の記述は、「1〜3」、「1〜4」、「1〜5」、「2〜4」、「2〜6」、「3〜6」等の下位範囲のほか、たとえば1、2、3、4、5、および6等、当該範囲内の個々の数値を具体的に開示したものと考えられるべきである。このことは、範囲の幅とは無関係に当てはまる。
【0254】
本明細書において数値範囲が指定されている場合は常に、指定された範囲境界内の任意の数字(小数または整数)を含むものとする。本明細書において、第1の指示数と第2の指示数との間の「範囲(ranging/ranges)」および第1の指示数から第2の指示数までの「範囲(ranging/ranges)」という表現は、区別なく使用しており、第1および第2の指示数ならびに両者間のすべての小数および整数を含むものである。
【0255】
以上、具体的な実施形態と併せて本発明を説明したが、当業者には当然のことながら、多くの変更、改良、および変形が明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の主旨および広い範囲に含まれるこのようなすべての変更、改良、および変形が包含されるものとする。
【0256】
本明細書に記載のすべての刊行物、特許、および特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願の具体的かつ個別の援用指示と同じ程度まで、そのすべての内容を本明細書に援用する。また、本願における如何なる参考文献の引用または識別も、このような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものとして解釈されないものとする。項目見出しは、その使用の限りにおいて、必ずしも限定的に解釈されるべきではない。
【0257】
当然のことながら、本発明の特定の特徴は、明瞭化のため、個々の実施形態の背景において説明したが、1つの実施形態において組み合わせて提供可能である。逆に、本発明の種々特徴は、簡潔化のため、1つの実施形態の背景において説明したが、別個の提供、任意適当な副組み合わせでの提供、または本発明のその他任意の上記実施形態に適したものとしての提供も可能である。種々実施形態の背景において説明した特定の特徴は、当該要素なしで無効とならない限り、上記実施形態の本質的な特徴とは考えられないものとする。
【0258】
関連出願
本願は、2014年6月17日に出願された米国仮特許出願第62/012,997号および2013年11月21日に出願された米国仮特許出願第61/906,982号の優先権の利益を米国特許法第119条(e)の下で主張する2014年11月20日に出願された国際特許出願第PCT/IL2014/051014号の一部継続(CIP)である2015年5月27日に出願された米国特許出願第14/722,400号の優先権の利益を米国特許法第119条(e)の下で主張する。上記出願の内容はすべて、一切漏れなく本明細書に援用する。