(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6816934
(24)【登録日】2020年12月28日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20210107BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20210107BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
H04M1/02 C
H04N5/225 700
G06F1/16 312G
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-234871(P2019-234871)
(22)【出願日】2019年12月25日
(65)【公開番号】特開2020-123948(P2020-123948A)
(43)【公開日】2020年8月13日
【審査請求日】2019年12月25日
(31)【優先権主張番号】201910092771.0
(32)【優先日】2019年1月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520358209
【氏名又は名称】レイテック オプティカル (ジョウシュウ) カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】オッシ, ピリネン
(72)【発明者】
【氏名】トミ, リントゥラハティ
【審査官】
松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−270707(JP,A)
【文献】
特表2014−513884(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0274090(US,A1)
【文献】
中国実用新案第207820041(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/00
1/16−1/18
H04M1/02−1/23
H04N5/222−5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末であって、
収容空間を有するケースと、駆動モジュールと、伸縮ブラケットと、撮像モジュールとを含み、
前記ケースは、前記収容空間側に近接する第1面と、前記収容空間側から離間する第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔とを含み、
前記駆動モジュールは、前記ケースの収容空間に収容され、前記第1面に近接して設けられ、
前記伸縮ブラケットは、互いに貫通する2つの開口と、前記2つの開口を貫通する伸縮空間とを含み、
前記伸縮ブラケットは、前記ケースの第2面に設けられ、かつ、前記開口が前記貫通孔の位置に対応し、
前記撮像モジュールは、一端が前記駆動モジュールに電気的に接続され、他端が前記貫通孔を貫通して前記伸縮ブラケットの伸縮空間内に収容されている、ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記ケースは、側壁及び底壁を含み、
前記側壁は、前記底壁と合わせて、前記駆動モジュールを収容するための収容空間を取り囲んでおり、
前記貫通孔は、前記底壁に設けられ、前記第2表面から前記第1表面まで貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記伸縮ブラケットは、順に互いに接続される支持部と中空の接続部と固定部とを含み、
前記固定部は、前記ケースの第2面に固定され、
前記固定部は、前記ケースの貫通孔に対応する第1開口を含み、
前記支持部は、第2開口を含み、
前記第1開口と前記第2開口とを前記接続部の中空領域によって貫通することで、両端が開口した伸縮空間は形成される、ことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記接続部は、前記固定部と前記支持部とを弾性的かつ伸縮的に接続する、ことを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記伸縮ブラケットの固定部と前記ケースの第2面とは、接着によって固定される、ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記伸縮ブラケットの固定部と前記ケースの第2面とは、係合方式によって互いに固定される、ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記伸縮ブラケットの固定部と前記ケースとは、射出成形モードによって一体的に成形される、ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記伸縮ブラケットが収縮状態にあるときに、前記撮像モジュールが作動状態となり、前記伸縮ブラケットが伸長状態にあるときに、前記撮像モジュールが閉状態となる、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末技術分野に属し、特に撮像装置を有する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現代的な電子製品技術の発展に伴い、モバイル消費者向けの電子製品は、ますます薄くなってきている。
【0003】
関連技術における携帯端末では、前記携帯端末の厚さをさらに低減するために、撮像モジュールの厚さをさらに小さくする必要がある。このようにすることで、携帯端末全体の厚さがより薄くなることを実現するのに寄与することが可能となる。
【0004】
一方、関連技術における携帯端末は、異なる場合の使用需要を満たすために、一般的に、前記携帯端末を適切な角度で固定して視聴しやすいように支持するための支持ホルダが提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記2つの関連技術を組み合わせて、如何にして特別な場合の使用需要および更なる薄型化の発展傾向を満たすかという課題があり、このような課題を解決するために、新たな携帯端末を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した技術的課題を解決するために、本発明は、携帯端末を提供し、当該携帯端末は、収容空間を有するケースと、駆動モジュールと、伸縮ブラケットと、撮像モジュールとを含み、前記ケースは、前記収容空間側に近接する第1面と、前記収容空間側から離間する第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通する貫通孔とを含み、前記駆動モジュールは、前記ケースの収容空間に収容され、前記第1面に近接して設けられ、前記伸縮ブラケットは、互いに貫通する2つの開口と、前記2つの開口を貫通する伸縮空間とを含み、前記伸縮ブラケットは、前記ケースの第2面に設けられ、かつ、前記開口が前記貫通孔の位置に対応し、前記撮像モジュールは、一端が前記駆動モジュールに電気的に接続され、他端が前記貫通孔を貫通して前記伸縮ブラケットの伸縮空間内に収容されている。
【0007】
好ましくは、前記ケースは、側壁及び底壁を含み、前記側壁は、前記底壁と合わせて、前記駆動モジュールを収容するための収容空間を取り囲んでおり、前記貫通孔は、前記底壁に設けられ、前記第2表面から前記第1表面まで貫通する。
【0008】
好ましくは、前記伸縮ブラケットは、順に互いに接続される支持部と中空の接続部と固定部とを含み、前記固定部は、前記ケースの第2面に固定され、前記固定部は、前記ケースの貫通孔に対応する第1開口を含み、前記支持部は、第2開口を含み、前記第2開口と前記第1開口とを前記接続部の中空領域によって貫通することによって、両端が開口した伸縮空間は形成される。
【0009】
好ましくは、前記接続部は、前記固定部と前記支持部とを弾性的且つ伸縮的に接続する。
【0010】
好ましくは、前記伸縮ブラケットの固定部と前記ケースの第2面とは、接着によって固定される。
【0011】
好ましくは、前記伸縮ブラケットの固定部と前記ケースの第2面とは、係合方式によって互いに固定される。
【0012】
好ましくは、前記伸縮ブラケットの固定部と前記ケースとは、射出成形モードによって一体的に成形される。
【0013】
好ましくは、前記伸縮ブラケットが収縮状態にあるときに、前記撮像モジュールが作動状態となり、前記伸縮ブラケットが伸長状態にあるときに、前記撮像モジュールが閉状態となる。
【発明の効果】
【0014】
関連技術に比べて、本発明の携帯端末では、伸縮ブラケットが増設され、かつ、前記撮像モジュールが前記伸縮ブラケットに収容されることによって、前記携帯端末全体の厚さが撮像モジュールの厚さによる制限を受けなくなり、前記携帯端末全体の薄型化を図ることに有利となる。その一方、前記伸縮ブラケットは、前記撮像モジュールの外側に設けられることによって、撮像モジュールを環境の塵埃による干渉から効果的に保護することができ、防塵の役割を果たす。前記撮像モジュールの動作状態が伸縮ブラケットの伸長または収縮によって制御されるため、操作が便利であり、構造が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例における技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例に記載された使用が必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載される図面は、本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的労力をかけない前提で、これらの図面から他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明に係る携帯端末の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1に示される携帯端末の概略分解斜視図である。
【
図3】
図1に示される伸縮ブラケットの線III−IIIに沿った断面図である。
【
図4】携帯端末の伸縮ブラケットの伸長状態を示す概略構成図である。
【
図5】携帯端末の伸縮ブラケットの収縮状態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明瞭に、完全に説明する。当然ながら、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎす、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的労力をかけない前提で得た全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0017】
図1及び
図2を組み合わせて参照すると、
図1は、本発明に係る携帯端末の組立構造を概略的に示す斜視図であり、
図2は、
図1に示される携帯端末の概略分解斜視図である。前記携帯端末10は、携帯型の移動通信端末であり、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ等であってもよい。
【0018】
前記携帯端末10は、収容空間110を有するケース11と、駆動モジュール13と、伸縮空間150を有する伸縮ブラケット15と、撮像モジュール17とを含む。前記駆動モジュール13は、前記ケースの収容空間150に対応して収容され、前記伸縮ブラケット15は、前記ケース11における前記収容空間110から離れた外側面に固設される。前記撮像モジュール17は、前記伸縮ブラケット15の伸縮空間150に対応して収容されるとともに、前記ケース11を貫通して前記駆動モジュール13に電気的に接続される。
【0019】
前記ケース11は、携帯端末のハウジングであり、底壁112及び側壁114を含む。前記底壁112は、前記側壁114と合わせて収容空間110を取り囲んでいる。前記底壁112は、前記収容空間側に近接する面が第1面111であり、前記収納空間側から離間する面が第2面113である。前記第1面111および前記第2面113は、前記底壁112における2つの背向する面である。貫通孔115は、前記第2表面113から凹むように形成され、前記第1面111まで貫通する。
【0020】
前記駆動モジュール13は、前記収容空間110に収容され、前記撮像モジュール17を作動させるように駆動するために前記第1表面111に近接して設けられている。
【0021】
前記伸縮ブラケット15は、順に互いに接続される支持部152、接続部154および固定部156を含み、前記接続部154は、前記支持部152と前記固定部156とを弾性的かつ伸縮的に接続する。
【0022】
前記固定部156は、中空構造を呈し、第1開口151を取り囲むように設けられている。前記固定部156は、前記底壁112に固定接続されるとともに、前記固定部156の第1開口151は、前記底壁112の貫通孔115に対応して連通する。
【0023】
前記接続部154は、同様に中空構造を呈し、その両端がそれぞれ前記固定部156および前記支持部152に接続される。ここで、中空領域は、伸縮空間150を形成し、前記伸縮空間150は、前記固定部156と前記支持部152との間の伸縮距離が変化するにつれて、前記伸縮空間の容積を変化させる。
【0024】
前記支持部152は、中空構造を呈し、その端部に第2開口153が形成される。前記第2開口153は、前記伸縮空間150を介して前記第1開口151に連通する。前記支持部152は、外部の机の面などに直接当接して、携帯端末10を所定の角度で固定するように支持することになる。
【0025】
このように、前記接続部154は、支持部152と固定部156とを弾性的かつ伸縮的に接続し、前記ケース1の第2面113に設けられ、かつ、両端が開口して収容体積が調節可能な伸縮空間150を取り囲むように形成される。前記伸縮空間150の体積は、前記支持部152と前記固定部156との間の距離の変化に応じて調整される。
【0026】
前記撮像モジュール17は、画像やビデオの撮影を実現するファインダ装置である。前記撮像モジュール17は、前記伸縮ブラケット15に対応して収容されるとともに、その一端が第1開口151を介して前記ケース11の貫通孔を貫通して前記駆動モジュール13に対応して電気的に接続される。前記撮像モジュール17は、前記伸縮ブラケット15の第2開口153を介して光伝送を行うことによって、撮像を実現する。
【0027】
図3、
図4および
図5を同時に参照すると、
図3は、
図1に示されるIII−III線に沿った側断面図である。前記携帯端末10が組み立てられると、前記駆動モジュール13は、前記ケース11の収容空間110内に収容され、前記第1面111に近接して設けられる。前記伸縮ブラケット15は、前記ケース11の第2面113に設けられ、かつ、前記伸縮ブラケット15の第1開口153は、前記ケース11の貫通孔115に対応する。前記撮像モジュール17は、前記伸縮ブラケット15の伸縮空間150内に対応して収容されるとともに、前記第1開口151および貫通孔115を貫通してから、前記駆動モジュール13に対応して電気的に接続される。その一方、前記撮像モジュール17は、前記第2開口153を介して光伝送を行うことによって、撮像を実現する。
【0028】
図4は、前記携帯端末の1つの動作状態を示す概略図であり、前記伸縮ブラケット15が伸長状態にある。
図5は、携帯端末の別の動作状態を示す概略図であり、前記伸縮ブラケット15が収縮状態にある。前記携帯端末10を机の面に支持固定する必要がある場合、前記伸縮ブラケット15は、例えば、外力を加えて前記支持部152を引っ張ることにより前記接続部154が引っ張り状態となるような伸長状態にある。それに対応して、前記第2開口153と前記第1開口151との間の距離は大きくなり、これによって、前記撮像モジュール17は閉状態となり、撮影機能を満たすことができない。前記携帯端末10を支持する必要がなくなる場合、外力を加えて前記支持部152を押圧することにより前記接続部154が収縮状態となる。それに対応して、前記第2開口153と第1開口151との間の距離は小さくなり、これによって、前記撮像モジュール17の撮像レンズは効果的に外部環境を捉えることが可能となり、撮影機能を実現できる。
【0029】
本実施形態では、前記携帯端末10の伸縮ブラケット15は、接着方式によって前記ケース11の第2表面113に固定されてもよく、スナップフィット方式によって前記ケース11に取り外し可能に組み立てられてもよい。さらに、前記伸縮ブラケット15は、射出成形モードによってケース11と一体構造を直接に形成してもよく、当業者にとって、撮像モジュール17を伸縮ブラケットで取り囲むことによって撮影機能のオンとオフの間の切り替えを実現する構造であれば、すべて本願の技術思想の範疇に属するものと理解されるべきである。
【0030】
関連技術に比べて、本発明の携帯端末10では、撮像モジュール17が、伸縮ブラケット15を介してケース11に統合されるとともに、ケース11を貫通して駆動モジュール13に電気的に接続されることによって、前記撮像モジュールが携帯端末全体の厚さによる制限を受けなくなり、撮像モジュール17の厚さに対する要求が低減され、前記携帯端末10の薄型化を図ることに有利となる。その一方、前記伸縮ブラケット15は、特定の場合に携帯端末10を支持する必要がある要件を満たすとともに、前記撮像モジュール17への塵埃防止の役割を果たす。前記撮像モジュール17の動作状態の切り替えを、前記伸縮ブラケット15の伸長状態または収縮状態の切り替えによって容易に行うことが可能となり、簡単かつ便利で、操作が容易となる。
【0031】
上述したのは、本発明の実施形態であり、当業者にとって、本発明の創造的構想を逸脱しない前提で種々の改良も行ってもよいが、これらは、いずれも本発明の保護範囲に含まれると理解されるべきである。