【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載のLED照明器具によれば、カバーによりもたらされるレンズ効果により、外周側が明るく見え、明るさがより均一である。しかしながら、一般的に、特許文献2に記載のLED照明器具におけるカバーの構造では、光が拡散しすぎてロスが大きくなるという問題が生じている。
【0006】
そこで、本発明は、例えば、天井に設置したときに外周側が明るく見え、且つ、光のロスの少ないLED照明器具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のLED照明器具は、
本体と、
複数のLEDが実装されたLED基板と、
カバーとを含み、
前記本体、前記LED基板および前記カバーの順に配置され、
前記LED基板は、前記カバーと対向する面が、前記LEDの実装面であり、
前記カバーは、内周領域と、外周領域と、前記内周領域と前記外周領域との間に位置する中間領域とを有し、前記LED基板の実装面を覆い、
前記カバーは、前記外周領域に、前記中間領域よりも厚みが厚い第1肉厚部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のLED照明器具は、例えば、天井に設置したときに外周側が明るく見え、且つ、光のロスが少ない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のLED照明器具において、前記LED基板の前記実装面は、同心円状に前記LEDが実装され、前記第1肉厚部は、最も中心から遠い円周上に実装された前記LEDの外側を覆っていてもよい。
【0011】
本発明のLED照明器具において、前記第1肉厚部は、表面処理された表面を有してもよい。
【0012】
本発明のLED照明器具において、前記第1肉厚部の厚みは、例えば、2mm〜6mmの範囲である。
【0013】
本発明のLED照明器具において、前記第1肉厚部の厚みは、例えば、前記中間領域の厚みの1.2倍〜1.5倍の範囲である。
【0014】
本発明のLED照明器具において、前記カバーは、さらに、前記内周領域に、前記中間領域よりも厚みが厚い第2肉厚部を有してもよい。
【0015】
本発明のLED照明器具において、前記LED基板の前記実装面は、同心円状に前記LEDが実装され、前記第2肉厚部は、最も中心に近い円周上に実装された前記LEDの内側を覆っていてもよい。
【0016】
本発明のLED照明器具において、前記第2肉厚部は、表面処理された表面を有してもよい。
【0017】
本発明のLED照明器具において、前記第2肉厚部の厚みは、例えば、2mm〜6mmの範囲である。
【0018】
本発明のLED照明器具において、前記第2肉厚部の厚みは、例えば、前記中間領域の厚みの1.2倍〜1.5倍の範囲である。
【0019】
以下、本発明のLED照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定されない。なお、以下の
図1から
図3において、同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
【0020】
[実施形態1]
本実施形態は、カバーの外周領域に肉厚部を有するLED照明器具の一例である。
図1に、本実施形態のLED照明器具の構成の一例を示す。
図1は、LED照明器具の主な構成部材を分解して示した斜視図である。本実施形態において、LED照明器具は、円形としたが、これには制限されない。
【0021】
本実施形態のLED照明器具は、例えば、天井に取り付けるLEDシーリングライトとして使用できる。この場合、前記LED照明器具は、例えば、取付部を有し、他方、天井は、引掛けシーリングボディ等の屋内配線器具と、これに電気的に接続されたアダプタとを備える。そして、前記LED照明器具は、前記取付部により、前記アダプタに取付けられ、且つ、前記屋内配線器具と電気的に接続される。なお、以下の説明において、特に説明しない限り、前記LED照明器具は、天井に取付けられた状態を基準とし、天井側を上面側、その反対側(床側)を下面側という。
【0022】
図1に示すように、LED照明器具1は、上面側から、本体10、電源基板14、電源カバー15、複数のLED111が実装されたLED基板11、カバー12およびグローブ13が、この順序で配置されている。LED照明器具1において、電源基板14、電源カバー15およびグローブ13は、任意の構成部材であり、有してもよいし、有さなくてもよい。
【0023】
本体10は、前記天井に対向する部材であり、その上面は、前記天井に対向する面であり、その下面は、LED基板11が配置される面である。本体10は、中央に、下面側に突出した開口101を有し、中央よりであって前記開口の周囲に、上面側に凹んだ円周帯状の凹部102を有する。前者の突出した開口101には、前記天井に対する取付部が配置され、後者の前記円周帯状の凹部102には、例えば、後述の電源基板14が配置される。本体10の素材は、特に制限されず、例えば、スチール等の金属があげられる。
【0024】
本体10の上面は、LED照明器具1の設置対象(前記天井)に対向する設置面であり、前記設置面には、例えば、前記設置対象に接する緩衝部材が配置されてもよい。前記緩衝部材は、特に制限されず、例えば、スポンジ等があげられる。このような形態によれば、LED照明器具1を設置対象に設置した際、LED照明器具1と前記設置対象との間に前記緩衝部材が存在するため、例えば、前記設置対象へのLED照明器具1の固定化をより安定にすることができる。
【0025】
前記緩衝部材の設置位置は、特に制限されない。前記緩衝部材は、例えば、本体10の前記設置面において周方向に配置され、具体例として、LED照明器具1の中心から、本体10の外周までの長さを1とした場合、前記中心から2/5〜1の範囲があげられる。前記緩衝部材は、例えば、周方向において、連続して配置されてもよいし、非連続で配置されてもよい。また、本体10の上面がフラットな場合、前記緩衝部材は、例えば、本体10の外周側に配置され、外観の点から、外部から見えない程度に内よりであることが好ましい。
【0026】
前述のとおり、本体10の前記円周帯状の凹部102には、電源基板14が配置されてもよい。電源基板14は、その上面が、本体10に対向し、その下面に、LED111の発光を駆動する電源モジュールが配置される。前記電源モジュールは、特に制限されず、従来公知の回路部品等があげられる。電源基板14の前記電源モジュールは、LED照明器具1が、天井のアダプタに電気的に接続されると、前記アダプタを介して交流電源に接続される。そして、前記電源モジュールは、受けた交流電流から直流電源を生成し、これをLED基板11の各LED111に供給して、LED111の発光を駆動することができる。前記電源モジュールは、例えば、電源制御用の制御電源を有し、前記制御電源の電圧は、例えば、1.5V〜17Vである。前記制御電源は、例えば、1系統でもよいし、2系統でもよく、一例として、5Vと14Vの2系統があげられる。
【0027】
電源カバー15は、その上面が、電源基板14に対向し、その下面が、LED基板11に対向する。LED照明器具1が電源カバー15を有する場合、例えば、電源カバー15によって、本体10内の空間を2室に区切ることができる。そして、電源カバー15によれば、例えば、LED111からの放熱の促進、電源基板14の発する放熱の遮断、LED基板11の固定等を、より効率よく行うことができる。電源カバー15の素材は、特に制限されず、例えば、アルミニウム、スチール等の金属等があげられる。
【0028】
LED基板11は、その上面が、本体10に対向し、電源カバー15を有する場合は、電源カバー15に対向し、その下面が、カバー12と対向し、且つ、LED111が実装された実装面である。LED照明器具1を天井に設置した際、LED111の実装面は、前面側となり、下方を照射することになる。
【0029】
LED基板11において、複数のLED111の実装形態は、特に制限されない。複数のLED111は、例えば、LED基板11において、円周上に実装されている。円周の数は、特に制限されず、例えば、同心円状の複数の円周上が好ましい。同じ円周上におけるLED111の実装間隔は、例えば、等間隔でもよいし、異なる間隔でもよい。隣接する円周上において、LED111は、中心から外周方向に向かって、同じ線上に実装されてもよいし、ずれた位置関係となるように実装されてもよい。
【0030】
図1において、LED基板11の中央は、開口部を有しているが、開口部を有していなくてもよい。また、
図1において、LED基板11の形状は、正八角形であるが、円等の他の形状であってもよい。さらに、
図1において、LED基板11は、一枚板であるが、複数枚の基板の集合体であってもよい。LED基板11を一枚板とすれば、組み立て等の製造工程数を低減できる。
【0031】
カバー12は、その上面が、LED基板11に対向し、その下面が、照射面となる。カバー12の部材は、例えば、透光性を有し、また、さらに拡散性を有する部材があげられ、具体例としては、アクリル樹脂等の透光性樹脂等があげられる。
【0032】
カバー12について、
図2(A)および(B)を参照して、さらに詳細に説明する。
図2(A)および(B)は、本実施形態のLED照明器具1におけるLED基板11およびカバー12の一例を示す断面図および底面図である。
図2(A)および(B)に示すように、カバー12は、内周領域12aと、外周領域12cと、内周領域12aと外周領域12cとの間に位置する中間領域12bとを有し、LED基板11の実装面を覆っている。
【0033】
カバー12は、外周領域12cに、中間領域12bよりも厚みが厚い第1肉厚部を有する。本実施形態のLED照明器具1は、前記第1肉厚部によりもたらされるレンズ効果により、例えば、天井に設置したときに、外周側が明るく見える。また、本実施形態のLED照明器具1は、複数のLEDを同心円状に配置し、各LEDを、個別に半球状のカバーで覆った特許文献2に記載のLED照明器具のように光を過度に拡散することがなく、ロスが少ない。また、本実施形態のLED照明器具1によれば、光のロスが少ないため、例えば、LED111の実装数を適切に調整することで、特許文献2に記載のLED照明器具よりも消費電力および発熱量を低減可能である。なお、
図2(A)に示すように、前記第1肉厚部は、中間領域12bからなだらかに傾斜して外側に膨らんだ形状であることが好ましいが、下側に突出するように膨らんだ形状であってもよい。
【0034】
前記第1肉厚部の厚みは、特に制限するものではないが、例えば、2mm〜6mmの範囲である。また、前記第1肉厚部の厚みは、例えば、中間領域12bの厚みの1.2倍〜1.5倍の範囲である。
【0035】
図2(A)および(B)に示すように、前記第1肉厚部は、最も中心から遠い円周上に実装されたLED111の外側を覆っていてもよい。前記第1肉厚部は、最も中心から遠い円周上に実装されたLED111の外側約半分を覆っていることが好ましい。
【0036】
前記第1肉厚部は、表面処理された表面を有してもよい。前記第1肉厚部が表面処理された表面を有すれば、グローブ13を有するときに外観上の問題となる明暗の照度ムラおよび干渉による縞模様の発生を抑制可能である。前記表面処理された表面は、前記第1肉厚部の外表面のみが有してもよいし、前記第1肉厚部の内表面のみが有してもよいし、前記外表面および前記内表面の双方が有してもよい。また、前記表面処理された表面は、前記外表面および前記内表面の一部であってよいし、全体であってもよい。前記表面処理の一例として、前記第1肉厚部の表面は、シボを有してもよい。
【0037】
グローブ13は、本体10、電源基板14、電源カバー15、LED基板11およびカバー12を覆うドーム形状とされ、例えば、アクリル樹脂等の透光性(乳白色、透明、半透明を含む)樹脂等から形成される。グローブ13には、光拡散粒子、顔料等が分散されていてもよい。また、グローブ13の外表面および内表面の少なくとも一方は、サンドブラスト処理等により粗面化されていてもよいし、シボを有してもよい。グローブ13としては、例えば、従来公知の照明器具に用いられているのと同様のものを用いてもよい。
【0038】
[実施形態2]
本実施形態は、カバーの外周領域に加え、カバーの内周領域にも肉厚部を有するLED照明器具の一例である。本実施形態のLED照明器具は、さらに、カバーの内周領域に、中間領域よりも厚みの厚い第2肉厚部を有する点を除き、実施形態1のLED照明器具1と同様である。
【0039】
図3(A)および(B)は、本実施形態のLED照明器具におけるLED基板11およびカバー12の一例を示す断面図および底面図である。
【0040】
カバー12は、外周領域12cに、中間領域12bよりも厚みが厚い第1肉厚部を有するのに加え、内周領域12aに、中間領域12bよりも厚みが厚い第2肉厚部を有する。本実施形態のLED照明器具によれば、実施形態1のLED照明器具1が奏する効果に加え、前記第2肉厚部によりもたらされるレンズ効果により、中心部の明るさも確保できる。このため、本実施形態のLED照明器具によれば、例えば、天井に設置したときの明るさの均一性を、さらに向上可能である。なお、
図3(A)に示すように、前記第2肉厚部は、中間領域12bからなだらかに傾斜して中心側に膨らんだ形状であることが好ましいが、下側に突出するように膨らんだ形状であってもよい。
【0041】
前記第2肉厚部の厚みは、特に制限するものではないが、例えば、2mm〜6mmの範囲である。また、前記第2肉厚部の厚みは、例えば、中間領域12bの厚みの1.2倍〜1.5倍の範囲である。
【0042】
図3(A)および(B)に示すように、前記第2肉厚部は、最も中心に近い円周上に実装されたLED111の内側を覆っていてもよい。前記第2肉厚部は、最も中心に近い円周上に実装されたLED111の内側約半分を覆っていることが好ましい。
【0043】
前記第2肉厚部は、表面処理された表面を有してもよい。前記第2肉厚部が表面処理された表面を有すれば、グローブ13を有するときに外観上の問題となる明暗の照度ムラおよび干渉による縞模様の発生を抑制可能である。前記表面処理された表面は、前記第2肉厚部の外表面のみが有してもよいし、前記第2肉厚部の内表面のみが有してもよいし、前記外表面および前記内表面の双方が有してもよい。また、前記表面処理された表面は、前記外表面および前記内表面の一部であってよいし、全体であってもよい。前記表面処理の一例として、前記第2肉厚部の表面は、シボを有してもよい。
【0044】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。