(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の配線収納什器をテーブルシステム1に採用した場合について説明する。以下の説明では、床面Fの法線方向を上下方向(矢印UPが上方)とし、上下方向に直交する方向をそれぞれ前後方向(矢印FRが前方)及び左右方向(矢印LHが左側)として説明する。
【0014】
[テーブルシステム]
図1は、テーブルシステム1の斜視図である。
図2は、テーブルシステム1を前方から見た正面図である。
図1、
図2に示すテーブルシステム1は、例えば公共施設(例えば、学校や図書館等)や店舗等に設けられた閲覧スペース等に設置され、複数の利用者が資料等を閲覧する際に用いられる。テーブルシステム1は、テーブルユニット2と、間仕切りユニット3と、配線収納什器4と、を有している。なお、テーブルシステム1の設置場所は、上述した各施設の他、オフィス等であっても構わない。
【0015】
<テーブルユニット>
テーブルユニット2は、脚体11と、天板12と、を有している。
脚体11は、床面F上に設置されている。脚体11は、左右方向から見た側面視で例えば矩形枠状に形成されている。本実施形態において、脚体11は、左右方向に間隔をあけて例えば一対配置されている。なお、脚体11の数や形状等は、適宜変更が可能である。
【0016】
天板12は、各脚体11の上端部同士の間に架け渡された状態で、各脚体11に下方から支持されている。本実施形態において、天板12は、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とする長方形状に形成されている。
【0017】
図1に示すように、天板12における前後方向の中央部には、天板12を上下方向に貫通するアダプタ収容孔13が形成されている。アダプタ収容孔13は、例えば前後方向で間隔をあけて2列、左右方向に間隔をあけて3つの合計6つ形成されている。各アダプタ収容孔13には、配線接続部材15が収容されている。配線接続部材15は、差込プラグやLANケーブル等が差し込まれるアダプタを有する箱型のものである。本実施形態において、配線接続部材15は、上面が天板12の上面に露出し、かつ下部が天板12の下面に露出した状態で、アダプタ収容孔13内に収容されている。配線接続部材15には、天板12の下方において、アダプタ配線16(
図5参照)が接続されている。
【0018】
<間仕切りユニット>
間仕切りユニット3は、天板12を利用者毎の個別ブースCに仕切っている。間仕切りユニット3は、天板12上を前後に仕切る前後仕切部21と、天板12上を左右に仕切る左右仕切部22と、を有している。
本実施形態において、前後仕切部21は、天板12における前後方向の中央部に設けられている。左右仕切部22は、天板12上において左右方向に間隔をあけて複数(例えば、4つ)設けられている。したがって、本実施形態の間仕切りユニット3は、天板12を、前後方向で2列、左右方向に3つの合計6つの個別ブースCに仕切っている。本実施形態のテーブルシステム1では、各個別ブースCに対応して椅子(不図示)等を置くことで、利用者は他の利用者と視線を合わせることなく、各個別ブースCで資料等を閲覧できるようになっている。なお、上述した配線接続部材15(収容孔13)は、各個別ブースCにおいて、前後仕切部21寄りの部分に設置されている。
【0019】
図3は、
図1のIII−III線に相当する断面図である。
図1、
図3に示すように、上述した前後仕切部21は、配管24と、支持具25(
図3参照)と、第1幕板26と、照明装置27と、を主に備えている。
配管24は、天板12の前後方向の中央部において、左右方向に間隔をあけて複数配置されている。各配管24は、天板12を上下方向に貫通する貫通孔31(
図3参照)を通して、天板12に対して上下両側に突出している。各配管24は、天板12の下面に支持具25を介して固定されている。なお、天板12の貫通孔31内には、貫通孔31内において各配管24の周囲を取り囲むスリーブ32が挿入されている。
【0020】
図4は、テーブルシステム1を天板12の下方から見た斜視図である。以下の説明では、配管24及び支持具25のうち、最も右側に配置された配管24A及び支持具25Aについて主に説明し、他の配管24及び支持具25の構成については説明を省略する。
図3、
図4に示すように、上述した配管24Aは、上下方向に延びる筒部33と、筒部33の下端開口を閉塞する蓋部34と、を有している。
筒部33は、上下方向に延びる中空円筒状とされている。筒部33は、天板12の貫通孔31内において、スリーブ32の内側を通って天板12を上下方向に貫通している。筒部33の下端部(天板12の下面よりも下方に位置する部分)において、周方向の一部(本実施形態では、左側を向く部分)には、スリット36が形成されている。スリット36は、筒部33を径方向に貫通するとともに、上下方向に沿って延在している。本実施形態において、スリット36は筒部33の下端面で開放されている。
【0021】
蓋部34は、筒部33の下端部における内周面に例えば溶接等によって固定されている。蓋部34には、蓋部34を上下方向に貫通する雌ねじ部41が形成されている。本実施形態において、雌ねじ部41は、内径が筒部33の内径よりも小さく形成されるとともに、筒部33の軸線と同軸に配置されている。なお、本実施形態において、蓋部34の下面は、筒部33の下端面よりも上方に位置している。但し、蓋部34の下面は、筒部33と面一に配置されていても、蓋部34の下面に対して下方に位置していても構わない。
【0022】
上述したスリット36の開口縁と蓋部34とで囲まれた部分は、筒部33の内外を連通させる配線通過口42を構成している。本実施形態において、配線通過口42は、左側(左右方向の内側)に向けて開口している。配管24Aは、配線通過口42を通して内部に照明配線28を配索可能に構成されている。なお、本実施形態では、配線通過口42がスリット36の開口縁と蓋部34とで区画された構成について説明したが、この構成のみに限られない。すなわち、配線通過口42は、配管24Aにおける天板12よりも下方に位置する部分に形成されていれば、筒部33のみに形成しても、蓋部34のみに形成しても構わない。
【0023】
支持具25Aは、板材がハット型に屈曲されて構成されている。具体的に、支持具25は、筒部33の下端面に対向して配置された第1接続部44と、天板12の下面に対向して配置された一対の第2接続部45と、第1接続部44及び各第2接続部45間を連結する連結片46と、を備えている。
第1接続部44は、筒部33の下端面に近接又は当接している。第1接続部44には、上下方向から見た平面視で上述した雌ねじ部41と重なり合う位置に、第1接続部44を上下方向に貫通する第1挿通孔48が形成されている。第1挿通孔48内には、下方から第1ねじ51が挿通されている。第1ねじ51は、第1挿通孔48を通して上述した雌ねじ部41内に螺着されている。これにより、第1接続部44と蓋部34とが上下方向に締結されている。
【0024】
各連結片46は、第1接続部44における前後方向の両端部からそれぞれ上方に延設されている。すなわち、連結片46は、配管24Aに対して前後方向の両側に位置する部分を上下方向に延在している。連結片46の上端部は、天板12の下面に達している。なお、連結片46は、配線通過口42内を通過する照明配線28と干渉しない位置であれば、第1接続部44の左右方向の両端部に連設されていても構わない。
【0025】
第2接続部45は、各連結片46の上端部から前後方向の外側(前後方向の中央部から離間する方向)にそれぞれ張り出している。各第2接続部45には、第2接続部45を上下方向に貫通する第2挿通孔52(
図3参照)が形成されている。上述した天板12において、平面視で各第2挿通孔52とそれぞれ重なり合う部分には、埋め込みナット54が各別に埋設されている。各埋め込みナット54には、各第2挿通孔52内を通して下方から第2ねじ55が螺着されている。これにより、第2接続部45は、第2ねじ55の頭部と天板12との間に挟持された状態で天板12に連結されている。
【0026】
本実施形態では、各配管24のうち、左右両端に位置する配管24A,24B内に、照明装置27から引き出された照明配線28が上下方向に配索される。配管24A,24B内に配索された照明配線28は、天板12の下方において、配線通過口42を通して配管24A,24Bから引き出される。また、本実施形態では、照明配線28が配索される配管は、各配管24の中から適宜選択可能である。
【0027】
図1、
図2に示すように、第1幕板26は、天板12の上方において、天板12の上面に対して間隔をあけた状態で、天板12の左右全域に亘って延在している。第1幕板26には、上述した各配管24の上部(天板12よりも上方に位置する部分)が下方から挿入されている。本実施形態において、配管24の上部は、第1幕板26内において、図示しない固定部材を介して第1幕板26に固定されている。この場合、配管24の上端面は、第1幕板26内において第1幕板26の上壁よりも下方に位置している。
【0028】
本実施形態では、第1幕板26において、配管24A,24Bよりも上方に位置する位置する部分には、第1幕板26の内外を連通させる連通孔57が形成されている。
図2に示す例において、連通孔57は、第1幕板26において、前壁における右側端部、及び後壁における左側端部にそれぞれ形成されている。照明装置27から引き出された照明配線28は、各連通孔57を通して第1幕板26内に進入している。第1幕板26内に進入した照明配線28は、配管24A,24Bの上端開口を通して配管24A,24B内にそれぞれ進入している。なお、連通孔57の形成位置は、第1幕板26において、照明配線28が配索された配管24A,24Bと、照明装置27と、の間に位置する部分に形成されていれば、適宜変更が可能である。
【0029】
照明装置27は、第1幕板26の前後両壁において、配管24の上端面よりも上方に位置する部分にそれぞれ設置されている。具体的に、一方の照明装置27は、第1幕板26の前壁から前方に片持ちで突出している。他方の照明装置27は、第1幕板26の後壁から後方に片持ちで突出している。各照明装置27は、第1幕板26の左右全域に亘って延在している。各照明装置27には、対応する連通孔57から引き出された照明配線28がそれぞれ接続される。
【0030】
各左右仕切部22は、前後仕切部21に対して前後両側に位置する部分に、左右方向に間隔をあけて配列されている。各左右仕切部22のうち、左右両端に位置する左右仕切部22は、天板12上における左右両端部に配置されている。そして、前後仕切部21と隣り合う左右仕切部22とで区画された領域は、上述した個別ブースCを構成している。
【0031】
各左右仕切部22は、第2幕板58と、支柱59と、をそれぞれ備えている。
各第2幕板58は、第1幕板26の前後両壁からそれぞれ前後方向の外側に突出している。
支柱59は、各第2幕板58における前後方向の外側端部から下方に延設されている。支柱59の下端部は、天板12に固定されている。
【0032】
<配線収納什器>
配線収納什器4は、図示しない電源と上述した照明装置27や配線接続部材15との間で配線(アダプタ配線16及び照明配線28)を収納している。配線収納什器4は、各脚体11にそれぞれ連結された一対の連結パネル71と、連結パネル71に支持された収納箱72と、を主に備えている。
各連結パネル71は、各脚体11において左右両枠間を架け渡すようにそれぞれ配置されている。各連結パネル71は、各脚体11の左右両枠及び上枠に固定されている。
【0033】
収納箱72は、左右方向に並んで2つ配置されている。各収納箱72は、天板12の下面から吊り下げられた状態で、左右方向に延在している。本実施形態において、各収納箱72と床面Fとの間には、作業可能な隙間Sが形成されている。また、各収納箱72は、左右方向の内側端部(左右方向の中央部に向かう方向の端部)同士が互いに連結された状態で、上述した各連結パネル71における前後方向の中央部同士の間を架け渡している。なお、各収納箱72は、左右対称の構成であるため、以下の説明では特に必要がない限りは右側収納箱72Rを例にして説明し、左側収納箱72Lの説明を省略する。但し、一つの収納箱72によって各連結パネル71間を架け渡しても構わない。
【0034】
図5は、
図1のV−V線に沿う断面図である。
図5に示すように、右側収納箱72Rは、上方に向けて開口する箱型に形成されている。右側収納箱72Rの後壁81及び底壁
(支持部)88(
図6参照)は、例えば一枚の板材が屈曲形成されて構成されている。後壁81は、天板12の下面において、上述した配管24及び支持具25よりも後側であって、後列の収容孔13(配線接続部材15)よりも前側に位置する部分から下方に延設されている。後壁81の上端部は、前側に屈曲されて構成された上フランジ部82を介して天板12の下面に固定されている。また、後壁81の右側端部は、前側に屈曲されて構成された右フランジ部83を介して例えば右側の連結パネル71に固定されている。
【0035】
後壁81の上部には、後壁81を前後方向に貫通する後壁通過孔85(
図5では1つのみ示す)が形成されている。後壁通過孔85は、後列の配線接続部材15(収容孔13)に対応して各収納箱72R,72Lの後壁81に合計で3つ形成されている。本実施形態では、右側収納箱72Rの後壁81に、2つの後壁通過孔85が左右方向に間隔をあけて形成されている。各後壁通過孔85のうち、左右両端に位置する後壁通過孔(
図5では後壁通過孔85Aのみ示す)は、対応する配線接続部材15(
図5では配線接続部材15Aのみ示す)と左右方向で同位置に配置されている。但し、対応する後壁通過孔85及び配線接続部材15同士のうち、何れかの後壁通過孔85及び配線接続部材15同士が左右方向で同位置に配置されていても構わない。この場合、対応する後壁通過孔85及び配線接続部材15同士の少なくとも一部が左右方向で同等の位置に配置されていれば構わない。
【0036】
各後壁通過孔85内には、後壁開閉扉86が嵌め込まれている。後壁開閉扉86は、スライド移動や回動等することで、後壁通過孔85を開閉する。
【0037】
図6は、
図1のVI−VI線に沿う断面図である。
図6に示すように、後壁81の下端には、前方に向けて底壁88が一体に連なっている。底壁88は、クランク状に形成されている。すなわち、底壁88は、後側底壁88aの前端縁と前側底壁88bとの後端縁とが上下方向に延びる立ち上がり壁部88cを介して連設された構成になっている。但し、左右方向から見た側面視において、底壁88の全体が前後方向に直線状に延在する構成であっても構わない。
【0038】
後側底壁88aの左右両端部には、後側底壁88aを上下方向に貫通する底壁通過孔89が形成されている。底壁通過孔89内には、底壁通過孔89を開閉する底壁蓋部材90が嵌め込まれている。
【0039】
後側底壁88aには、底壁88を前後に仕切る仕切壁91が配設されている。仕切壁91は、後側底壁88aにおける底壁通過孔89よりも前方に位置する部分から、立ち上がり壁部88cに沿って上方に延在している。
前側底壁88bは、前後方向の長さが後側底壁88aよりも短くなっている。前側底壁88bにおける左右両端部には、前側底壁88bを上下方向に貫通する第1固定孔92が形成されている。
【0040】
図5、
図6に示すように、右側収納箱72Rの前壁95は、天板12の下面において、上述した配管24及び支持具25よりも前側であって、前列の収容孔13(配線接続部材15)よりも後側に位置する部分から下方に延設されている。したがって、本実施形態の右側収納箱72Rは、天板12の下方において、配管24及び支持具25を収容している。すなわち、本実施形態において、収納箱72の内部はアダプタ配線16及び照明配線28が収納された第1エリアを構成し、収納箱72の外部は第1エリアと異なる第2エリア(天板12下方の下肢空間)を構成している。
【0041】
本実施形態の前壁95は、上側板96と、上側板96の下方に位置して上側板96に着脱可能に構成された下側板97と、を有している。本実施形態では、下側板97が取り外された状態において、上側板96と上述した底壁88とで画成された部分は、右側収納箱72Rの内外を連通させる作業開口99を構成している。
【0042】
図5に示すように、上側板96は、板材が屈曲形成されて構成されている。具体的に、上側板96は、後壁81に前後方向で対向する上本体部100と、上本体部100の上端に連なる上フランジ部101と、上本体部100の下端に連なる係止部102と、係止部102の後端に連なる規制部103と、を有している。
上フランジ部101は、上本体部100の上端から後方に延設されている。上フランジ部101は、天板12の下面に固定されている。
【0043】
上本体部100には、上本体部100を前後方向に貫通する前壁通過孔110(
図5では1つのみ示す)が形成されている。前壁通過孔110は、前列の配線接続部材15(収容孔13)に対応して各収納箱72R,72Lの上本体部100に合計で3つ形成されている。本実施形態では、右側収納箱72Rの上本体部100に、1つの前壁通過孔110が形成されている。各前壁通過孔110のうち、左右両端に位置する前壁通過孔(
図5では前壁通過孔110Aのみ示す)は、対応する配線接続部材15(
図5では配線接続部材15Bのみ示す)と左右方向で同位置に配置されている。前壁通過孔110内には、前壁通過孔110を開閉する前壁開閉扉111が嵌め込まれている。なお、上本体部100の下端は、上述した支持具25よりも下方に位置している。
【0044】
係止部102は、上本体部100の下端から後方に延設されている。係止部102における左右両端部には、係止部102を上下方向に貫通する係止孔112が形成されている。
規制部103は、係止部102の後端から下方に延設されている。
【0045】
下側板97は、上側板96及び底壁88に対する着脱に伴い、上述した作業開口99を開閉する。下側板97は、板材が屈曲形成されて構成されている。本実施形態において、下側板97の上下方向の長さは、上側板96の上下方向の長さよりも長くなっている。但し、下側板97の上下方向の長さは、上側板96の上下方向の長さ以下であっても構わない。
【0046】
下側板97は、後壁81に前後方向で対向する下本体部120を備えている。下本体部120の上部における左右両端部には、下本体部120を前後方向で貫通する取付孔121が形成されている。取付孔121内には、ロック部材122が取り付けられている。ロック部材122は、例えば取付孔121内に保持された筐体123と、筐体123の前面に露出して上下スライド可能な操作部124と、操作部124のスライド操作に連動して筐体123の上面に対して上下動可能な爪部125と、を備えている。
【0047】
爪部125は、筐体123内に設けられた図示しない付勢部材によって上方に付勢されている。爪部125は、下側板97において下本体部120の上端から後方に連なる上連設部130に形成された貫通孔131を通して、上述した係止孔112内に係止されている。なお、本実施形態のロック部材122は、スライド操作に応じて係止部102との着脱が行われる構成について説明したが、この構成のみに限らず、例えば回転操作に応じて係止部102との着脱が行われても構わない。
【0048】
図6に示すように、下側板97において、下本体部120の下端から後方に連なる下連設部140の後端には、立ち上がり壁部141が上方に向けて延設されている。下側板97において、立ち上がり壁部141の上端には、後方に向けて固定壁142が延設されている。固定壁142は、下側板97の装着状態(作業開口99の閉状態)において、上述した前側底壁88bの上面に重ね合わされている。固定壁142において、上下方向から見た平面視で第1固定孔92と重なる位置には、固定壁142を上下方向に貫通する第2固定孔143が形成されている。
【0049】
固定壁142の上面において、第2固定孔143と左右方向で同位置には、ナット145が固定されている。固定壁142と前側底壁88bは、第1固定孔92及び第2固定孔143に下方から挿通されたねじ146が固定壁142の上方で螺着されることで、上下方向で締結されている。なお、
図5の例において、ねじ146の頭部は、立ち上がり壁部88c,141、固定壁142及び前側底壁88bで囲まれた空間内に収容されている。したがって、ねじ146の頭部は、下連設部140及び後側底壁88aの下面よりも下方に突出しないようになっている。
【0050】
次に、上述したテーブルシステム1において、前後仕切部21の組付作業について説明する。
まず、下側板97を取り外して作業開口99を開放させる。具体的には、ねじ146の螺着を解除して前側底壁88bと固定壁142との締結を解除する。その後、ロック部材122の操作部124をスライド操作して、爪部125と係止部102との係止を解除する。この状態で、下側板97は、固定壁142を介して前側底壁88bに下方から支持されている。そのため、下側板97の上部を把持して前側に移動させることで、下側板97が前側底壁88b及び固定壁142の当接部分を支点にして回動する。これにより、下側板97が取り外され、作業開口99が開放される。
【0051】
次に、作業開口99を通じて支持具25を天板12の下面に取り付ける。具体的には、第2接続部45を天板12の下面に当接させた状態で、第2挿通孔52を通して埋め込みナット54に第2ねじ55を螺着する。
【0052】
続いて、配管24を天板12に固定する。本実施形態において、配管24は、少なくとも第1幕板26とともにユニット化された状態(以下、「パネル」という場合がある。)で、天板12に組み付けられる。具体的には、まずパネルの各配管24を天板12の各貫通孔31内に上方から挿入する。その後、支持具25の第1接続部44に形成された第1挿通孔48を通して、配管24の雌ねじ部41に第1ねじ51を螺着する。これにより、配管24及び第1接続部44が第1ねじ51により上下方向で締結される。その後、第1幕板26に照明装置27を取り付けることで、前後仕切部21の組付作業が完了する。なお、パネルは、第1幕板26に予め照明装置27が取り付けられた状態であっても構わない。
【0053】
次に、照明配線28及びアダプタ配線16の引き回し作業について説明する。
照明装置27から引き出された照明配線28は、連通孔57を通して第1幕板26内に進入した後、配管24内を通して天板12の下方まで配索される。天板12の下方まで配索された照明配線28は、配線通過口42を通って配管24の外部に引き出される。配管24の外部に引き出された照明配線28は、収納箱72内を下方に配索され、各底壁通過孔89を通して収納箱72の外部に引き出された後、図示しない電源に接続される。
一方、配線接続部材15に接続されたアダプタ配線16は、後壁通過孔85や前壁通過孔110を通して収納箱72内に進入する。収納箱72内に進入したアダプタ配線16は、収納箱72内を下方に配索され、各底壁通過孔89を通して収納箱72の外部に引き出された後、図示しない電源に接続される。
【0054】
上述した各種作業の終了後には、下側板97を装着して作業開口99を閉塞する。具体的には、下側板97の固定壁142を前側底壁88bに上方から引っ掛けた状態で、固定壁142と前側底壁88bとの接触部分を支点にして下側板97を上方に回動させる。続いて、ロック部材122の爪部125を係止部102に係止させた後、ねじ146によって固定壁142と前側底壁88bとを締結する。
これにより、作業開口99が閉塞される。なお、作業開口99を通して行う作業は、前後仕切部21の組付作業や配線の引き回し作業に限らず、その他の各種メンテナンス作業等にも利用できる。
【0055】
本実施形態では、前壁
(仕切部材)95が、前壁通過孔
(第2連通孔)110を有する上側板
(第1仕切部)96と、上側板96に着脱可能とされ、作業開口99を開閉する下側板
(第2仕切部)97と、を有する構成とした。
この構成によれば、前壁通過孔110を通して収納箱72の内外にアダプタ配線16を配索できるので、配線接続部材
(第2配線接続部)15を収納箱72に対して前後方向の外側(利用者から見て天板12における手前側)に配置できる。これにより、収納箱72を利用者から遠ざけた上で、利用者から手の届きやすい範囲に配線接続部材15を配置できる。これにより、天板12の下方空間(下肢空間)を確保することができ、利用者と前壁95との干渉を抑制して快適性を向上させることができるとともに、配線接続部材15の利便性を向上させることができる。
しかも、照明配線28が通過する配線通過口
(第1連通孔)42が、前壁95に対して前後方向の内側で開口しているため、複数の電気機器が天板12に設置される場合であっても、天板12の下方空間において、配線を可能な限り隠すことができる。そのため、見栄えを向上させることができる。
そして、本実施形態では、前壁95において、下側板97が上側板96に対して着脱可能に構成されているため、配線の接続作業時において作業開口99を通じて収納箱72内にアクセスすることができる。特に、前壁通過孔110が形成されていない下側板97が着脱されるので、前壁通過孔110内にアダプタ配線16を通過させた状態で、接続作業を行うことができる。これにより、組付時の作業性や安全性を向上させることができる。
【0056】
本実施形態では、下側板97が前側底壁88bに下方から支持されているため、下側板97の取り外し時において、上側板96と下側板97との装着解除後、下側板97が前側底壁88b及び固定壁142の当接部分を支点にして回動することになる。これにより、上側板96の開動作をスムーズに行うことができるとともに、下側板97が落下等するのを抑制でき、作業性の更なる向上を図ることができる。
【0057】
本実施形態では、対応する前壁通過孔110及び配線接続部材15同士が左右方向で同位置に配置されているため、前壁通過孔110と配線接続部材15との間の距離を短縮できる。そのため、天板12の下方において、収納箱72の外部に配索されるアダプタ配線16の長さを短縮でき、見栄えを向上させることができる。
【0058】
そして、本実施形態のテーブルシステム1は、上述した配線収納什器4を備えているので、利用時における利便性や快適性、組付時の作業性を向上させた上で、見栄えのよい配線収納什器及びテーブルシステムを提供できる。
【0059】
(第1変形例)
次に、上述した実施形態の第1変形例について説明する。
図7は、第1変形例に係る図であって、収納箱272の拡大断面図である。以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示す収納箱272において、底壁88の前端部には上方に向けて支持壁200が立設されている。一方、下側板297において、下本体部220の下端には、下方に向けて係合壁201が延設されている。係合壁201は、下側板297が上側板96(
図5参照)に装着された状態(作業開口99が閉塞された状態)において、支持壁200に前後方向の内側から係合(当接)している。なお、本変形例では、例えば係合壁201の下端が底壁88の上面に当接し、又は下本体部220の下端が支持壁200の上端に当接することで、下側板297が底壁88に下方から支持されている。
【0060】
本変形では、下側板297と上側板96との装着解除後、下側板297の上部を把持して前側に移動させることで、下側板297が係合壁201及び底壁
(支持部)88の支持壁200の当接部分を支点にして回動する。これにより、下側板297が取り外され、作業開口99が開放される。
【0061】
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述した実施形態では、テーブルシステム1に本発明の配線収納什器4を採用した場合について説明したが、テーブルシステム1以外の什器に採用しても構わない。
上述した実施形態では、本発明の仕切部が収納箱72の一部(前壁95)である構成について説明したが、この構成のみに限らず、仕切部材は第1エリアと第2エリアとを仕切る壁であれば構わない。
なお、第1エリアは、通常、各種配線が仕切部材によって第2エリアからは視認不能とされ、作業開口を通じて利用者がアクセスできるエリアであれば構わない。また、第2エリアは、利用者が什器の利用目的に照らし合わせて通常使用時にアクセス(利用)するエリアであれば構わない。
【0062】
上述した実施形態では、下側板が上側板から取り外し可能な構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、下側板
(第2仕切部)が収納箱の一部
(支持部)に回動軸を介して回動可能に連結された構成であっても構わない。この場合、回動軸が下側板の下端や左右方向の両端部に連結されることで、例えば回動軸が下側板の上端に連結される場合と異なり、下側板が急に閉じてしまうことを抑制できる。
上述した実施形態では、本発明の第1仕切部及び第2仕切部が上下方向に並んだ構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、第1仕切部及び第2仕切部が左右方向に並んでもよく、第2仕切部の周囲が第1仕切部に囲まれた構成であっても構わない。
上述した実施形態では、第1配線が照明配線28であり、第2配線がアダプタ配線16である構成について説明したが、この構成のみに限らず、種々の電気機器の配線を第1配線や第2配線に設定することが可能である。また、第1配線接続部及び第2配線接続部以外の配線接続部(電気機器)が設置された構成であっても構わない。
【0063】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。