【実施例1】
【0025】
図1は本発明の溝付き金属管の製造装置及び製造方法を、電縫管製造装置において実施する場合について模式的に説明する図、
図2は
図1における本発明の主要部の概略を説明する図である。
図示略のアンコイラーから繰り出される金属板1は、レベラー、ルーパー、ピンチロール等(いずれも図示を省略)を経て、複数段(図示例では4段)のブレークダウンロール(BDR)で円弧状に湾曲成形し、次いで複数段(図示例では3段(#1、#2、#3))のフィンパスロール(FPR)で両エッジが接近したほぼ円形状(開放円形)に成形し、続くスクイズロール(SQR)と高周波溶接機とによる溶接工程にて両エッジを突き合わせ溶接して円形管にし、次いで複数段のサイジングロール(SZR)による整形工程により角形金属管に整形される。なお、この実施例は四角形金属管に凹溝を形成する場合である。
次いで、本発明の実施例の溝付け装置10により溝付け加工されて図示例では溝付き四角形金属管が得られる。
この溝付け加工後、タークスヘッドロール(THR)で矯正される。なお、サイジングロール(SZR)による整形工程により角形金属管に整形し、タークスヘッドロール(THR)で矯正した後に、溝付け装置10により、溝付け加工を行ってもよい。
【0026】
図2は
図1のフィンパスロール(FPR)の最初のスタンド(#1)より下流側部分を一部省略して拡大した図である。溝付け装置10は、2点鎖線で示した溝付けスタンド11に取り付けられる。
同図において、13はインピーダである。このインピーダ13は、高周波誘導加熱装置のコイルが発生する磁束を集めて金属板の両エッジの突合せ部を効率的に加熱するための磁性体のコアであり、その後端部がフィンパスロール(FPR)でほぼ円形湾曲状態となった金属板1の湾曲内側に配置された固定部15に連結されている。
【0027】
図3(イ)〜(ハ)は本発明における溝付け装置10の概ね前提となる構成を模式的に示したもので、本発明における要部である球体ベアリング56(
図6〜
図14で詳細後述する)についてはその球体55のみを示したものであり、(イ)は溝付け装置10の側面図、(ロ)は(イ)の要部を模式的に示したA−A断面図、(ハ)は後述の中子の斜視図である。
この溝付け装置10は、溝付け加工を直接行う部分であり、詳細後述する球体ベアリング56における回転自在に保持された球体55を管外面を押す態様で周方向に間隔をあけて設けた4つの管外機構19と、管内面に沿う断面形状の短尺の棒状をなし、前記管外機構19に対応する管長手方向位置で、かつ、図示例では管内面に接触する以外の拘束力を受けない態様で管内に配置される中子20とを、ハウジング16内に備える。ハウジング16の金属管移動方向(金属管駆動方向)と反対側に、溝加工される前の金属管8”を案内する金属管ガイド17を備える。
図3(ハ)に前記中子20を斜視図で示す。
上記の通り、この実施例では、中子20が管内面に接触する以外の拘束力を受けない態様で管内に配置されており、フローティング中子と言えるものであるが、この中子を固定的に設けてもよい。この場合、中子を例えば前記インピーダ13の先端部に棒状体を介して連結した構成とすることができる。
この実施例は四角形金属管8”の4つの各面に凹溝8aを形成するものなので、前記中子20の断面形状は四角形断面であり、この中子20の外周面には、前記4つの管外機構19の各球体55にそれぞれ対向する位置から金属管移動方向前方側にのみ、各球体55に対応する形状の4つの溝状凹部20aを有している。溝状凹部20aの溝端(溝が始まる端部)は半球凹面20a’となっている。中子20における溝状凹部20aのない角形断面部(溝なし部)を20bで示す。
前記管外機構19の球体55は、ハウジング16内に後述するように圧下調整可能に設けられている。2点鎖線で示した球体55は圧下される前の状態を示す。
この溝付け装置10において、溝加工される前の金属管8”が
図3(イ)の矢印方向に駆動されると、管壁が球体55と中子20の溝状凹部20aを含む外面との間を通過することで、金属管の4つの面に凹溝8aが連続的に形成される。すなわち、
図17(イ)の溝付き四角形金属管のような断面形状で、
図16(イ)のような連続する凹溝8aが形成される。
【0028】
実施例の溝付け装置10における中子20は、管内面に接触する以外の拘束力を受けない態様で管内に配置されるので、金属管先端部の凹溝加工開始時には、例えば
図4に示すような子挿入退避装置60で中子を保持するとよい。
この中子挿入退避装置60は、例えば、溝付け装置の球体55の位置に設けた本体機枠61と、この本体機枠61に旋回可能に取り付けた旋回アーム62と、中子20を受ける中子受け部63と、この中子受け部63を固定的に保持し前記旋回アーム62に沿ってスライド可能に装着された受け部ホルダ64と、前記旋回アーム62が水平状態にある時に前記受け部ホルダ64を旋回アーム62に沿って前進後退させることが可能な図示略の前進後退駆動装置とを有する。そして前記中子受け部63は、中子20に設けた孔内に挿入される中子支持部63aと、前記中子支持部63aと一体で受け部ホルダ64に固定された金属管外形より小さな外形の中子ストッパ部63bとからなる。
この中子挿入退避装置60の場合、金属管先端部の凹溝加工開始時には、
図4(イ)に示すように、予め旋回アーム62を水平にして受け部ホルダ64を垂直な状態にし、中子受け部63の中子支持部63aを中子20の中心孔20dに挿入して中子20を支持しておく。なお、この中子20には中子受け部63が挿入される中心孔20dが設けられている。
そして、
図4(イ)のように金属管をその先端が溝付け装置の球体55に達する手前で一旦止め、図示略の前記前進後退駆動装置により受け部ホルダ64を旋回アーム62に沿って前進させて、中子20を金属管の先端部に
図4(ロ)のように挿入する。
この状態で球体55を所定位置まで圧下した後、金属管を若干前進させると、金属管の先端近傍に凹溝が形成される。この場合、中子受け部63の中子ストッパ部63bが中子20を受け止めるので、中子20は安定した金属管に凹溝を形成する作用をする。
次いで、受け部ホルダ64を
図4(イ)の位置まで後退させた後旋回アーム62を2点鎖線で示す垂直な退避位置まで旋回させて退避させるとともに金属管を送り駆動すると、その後は、金属管の4つの面に凹溝8aが連続的に形成される。すなわち、
図17(イ)の溝付き四角形金属管のような断面形状で、
図16(イ)のような連続する凹溝8aが形成される。
【0029】
なお、
図16(ロ)のような管長手方向に間隔をあけた凹溝8bを持つ溝付き金属管8’を形成する場合には、各球体ベアリング56を素早く上下駆動させることができる上下移動機構を設けて、凹溝を形成しない領域では各球体ベアリング56を上昇させる。
これにより、
図16(ロ)のような管長手方向に間隔をあけた凹溝8bを持つ溝付き金属管8’が得られる。この場合は、
図6における中子20は、これを例えば
図2におけるインピーダ13の先端部に棒状体を介して連結するなどして、固定的に設ける。
なお、溝付け装置10における球体ベアリング56の位置(球体55の位置)を中子20から引き離す(圧下を逃がす)ことにより、凹溝のない四角形金属管を製造することができる。
【0030】
金属管の管壁を球体55と中子20の溝状凹部20aとの隙間に潜り込ませて行う凹溝加工では、大きな摩擦力とともに溝加工が行われるので、溶接部に過大な加圧力が作用すると溶接部が損傷する恐れがある。それを防ぐためには、
図5のように球体55と中子20の溝状凹部20aの特に溝端半球凹面20a’との隙間gを溶接部のない他の面より若干大きくすることが有効である。この場合、溶接部の外面ビードは研削されて平面になっているが内面ビードは内側に隆起しているので、球体55と中子20の溝端半球凹面20a’との間の前記隙間gを大きくすれば(すなわち、中子20の圧下量(押込み量)を小さくすれば)、中子20の溝端半球凹面20a’と金属管内面との間に適切な大きさの隙間gが生じ、内面ビードが損傷することを防止できる。
前記隙間gは例えば、□2.3×80×80mm、あるいは□3.2×80×80mmの角形鋼管に直径40mmφの球体55を用いて深さ6mmの凹溝8aを形成する場合であれば、球体55と中子20の溝端半球凹面20a’との間の隙間gは、例えば、板厚t+1.3±0.2mm程度が好ましい。
【0031】
中子20が金属管内で円滑にかつ安定して凹溝加工の動作をするためには、中子20の外面(角形断面部20bにおける外面)と金属管内面との間に若干の隙間cがあるのが望ましく、かつ、各面(実施例の場合4面)についてその隙間cが均等かつ一定であることが望ましい。
前記隙間cを各面について均等かつ一定にするための対策として、
図5に示した実施例では、中子20の前記溝端半球凹面20a’より金属管移動方向と反対側の溝なし部(溝なし角形断面部)20bの外周面、及び、溝端半球凹面20a’より金属管移動方向前方側の溝有り部(溝角形断面部)20cにおける溝のない外周面に、管内面を外側に付勢する管内面付勢手段としてのボールプランジャ31を中子外周に埋め込んでいる。
図示例では中子20の角形断面部20bの四つの面においてそれぞれ両側の角部近傍と中央部との3カ所、合計12カ所にボールプランジャ31設けている。このボールプランジャ31は、円筒状ケース内にスプリングで付勢されたボールを有する構造である。
これらのボールプランジャ31によって、4つの管内面をバネ力で外側に付勢することで、中子20の外面と金属管内面との間の隙間cを各面について均等にすることができるとともに、その隙間cの大きさが変動しないように安定させることができる。
なお、中子20の外面と金属管内面との間の隙間cは、□2.3×80×80mm、あるいは□3.2×80×80mmの場合、0.5mm程度が適切である。
【0032】
前記隙間cを極力均等かつ一定に保つための対策として、動きを拘束されていない中子の動きを極力抑えることが重要である。そのために、図示は省略するが、例えば中子の長さを長くする等して、中子20の傾きや前後動を極力なくすことが有効である。
なお、中子を長くすることで、長くした中子と金属管内面との接触面積が大となり、中子がみだりに前後動せずに安定する効果も得られる。
【0033】
前述した
図3では本発明における溝付け装置10の概ね前提となる構成を示したが、本発明における要部である球体ベアリング56を含めた実施例を
図6に示す。
図6(イ)は溝付け装置10の側面図、(ロ)は(イ)におけるハウジング16の蓋体16cを外して示した正面図(右矢視図)である。
図3で言及した管外機構19は、球体ベアリング56と圧下調整機構57とを備えている。
前記球体ベアリング56は、前記球体55とこの球体55を凹球面をなすボール収容部54aに収容する球体ホルダ54と前記ボール収容部54aの凹球面に配置されて前記球体55を載せる多数の小球80とからなり、前記球体55が管外面を押す態様にて、周方向に間隔をあけて設けられている。
前記中子20は
図3で説明した通りの構成であり、管内面に沿う断面形状の短尺の棒状をなし、管内に配置されて前記各球体ベアリング56の球体55に対応する箇所を受ける溝状凹部20aをその外周面に有する。この溝状凹部20aは、前記各球体ベアリング56の球体55にそれぞれ対向する位置から金属管移動方向前方(金属管駆動方向前方)側にのみ形成されている。
【0034】
各球体ベアリング56は、ハウジング16内で中子20の中心に向かう方向に摺動可能である。
前記圧下調整機構57は、前記球体ベアリング56の上部に回転可能に連結された圧下ネジ57a、この圧下ネジ57aに螺合する調整ナット57b、この調整ナット57bを回転のみ可能にハウジング本体16aに固定するナット保持部57cとからなる。前記調整ナット57bを回して球体ベアリング56の位置(球体55の位置)を調整して圧下を調整することができる。
ハウジング16の前記ハウジング本体16aは、内側のベース部16a’と一体であり、前記の通り4つの球体ベアリング56を摺動可能に収容している。このハウジング本体16aに外側の蓋体16cがボルトで固定されている。
前記ハウジング本体16aの前記ベース部16a’には、溝加工される前の金属管”を案内する
図3では2点鎖線で示した金属管ガイド17が固定されている。また、詳細は省略するが
図2で2点鎖線で示した溝付けスタンド11に取り付けられる枠板26と前記ベース部16a’との間が4本のロッド25で連結されている。
なお、溝付け装置10を回転させる必要がある場合には、前記枠板26を円板状にし溝付けスタンド11に回転調整可能に取付けるとよい。
金属管8”がこの溝付け装置10を通過する際に、管外の球体55と管内の中子20とで凹溝8aが形成されて溝付き金属管8が得られることは、
図3で説明した通りである。
なお、上記の圧下調整機構57は手動で調整ナット57bを回す調整機構であるが、動力による圧下調整機構を設けることができる。
【0035】
前記球体ベアリング56の詳細構造を
図7〜
図14に示す。
図7は
図6における球体ベアリング56を、球体ホルダ54の蓋体54cを外した状態で示した斜視図、
図8は
図7において球体55を除いた状態を示した斜視図、
図9は
図8において小球80を除いた状態で示した斜視図である。
図10は
図7で蓋体54cを取り付けた状態におけるC−C断面図、
図11は
図8の平面図、
図12は
図9の平面図、
図13は
図10において蓋体54cと球体55と小球80とを除いた状態で示した図、
図14は
図10における要部を拡大した図である。
前記ホルダ本体54bのボール収容部54aには、その凹球面の金属管移動方向(矢印X方向)と直交するY方向の中央部領域に金属管移動方向Xをなす偶数列のトラック溝を形成している。
前記偶数列のトラック溝は浅溝81aと深溝81bとの一対を組みとする複数組からなり、かつ、それぞれの組における浅溝81aと深溝81bとはその端部の傾斜面である連絡通路81cにおいて通じており、前記小球80が浅溝81aと深溝81bとの間を循環し得るようにされている。浅溝81aと深溝81bと連絡通路81cとからなる循環路を81で示す。
前記浅溝81a及び深溝81bはいずれも、小球80の形状に合わせた円弧断面の溝であり、浅溝81aと深溝81bと境界壁を82aで示す。浅溝81aと深溝81bとの一対の組み間の境界壁を82bで示す。
なお、
図7〜
図12に記載した球体ベアリング56におけるホルダ本体54bの下面部の形状(蟻溝の部分)は、
図6に記載した球体ベアリング56におけるホルダ本体54bの形状と異なっているが、いずれでもよい。
【0036】
この実施例では、金属管移動方向と直交する方向の中央位置を挟む両側にそれぞれ2組のトラック溝を形成しており、凹球面におけるそれ以外の領域は溝のない単なる凹球面の領域83である。溝のある領域と溝のない領域との境界壁を82cで示す。
前記浅溝81aの深さは小球80が球体55に接触する深さであり、浅溝81a内の小球80は回転する球体55を支持して負荷を受けつつ回転して移動する。深溝81bの深さは小球80が球体55に接触しない深さであり、球体55からの負荷を受けない。
直径40mmの球体55に対して実施例の小球80の径は例えば4.0mmである。深溝81bにおける球体55と小球80との間の隙間hは0.5mmとしている。
【0037】
上述の溝付き金属管の製造装置において、移動する金属管に対して、球体ベアリング56の回転する球体55と中子20の溝状凹部20aとで金属管に凹溝8aが形成される。その際、球体55がボール収容部54aの凹球面に直接接触して回転するのではなく、凹球面に配置された多数の小球80に載った状態で回転するので、球体55の回転に対する摩擦抵抗が軽減される。
したがって、この球体ベアリング56を有する管外機構19と金属管内に配置される中子20とで金属管に管長手方向に伸びる凹溝8aを形成する場合に、球体ベアリング56における球体55の回転に対する摩擦抵抗が軽減され、溝付き金属管8の製造を円滑に行うことができる。
【0038】
球体55と中子20とで金属管に凹溝8aを形成する際、球体ベアリング56の球体55は金属管の移動方向と同方向に回転する。
この球体55に対して、中央部領域にある浅溝81aと深溝81bとの一対のトラック溝のうち浅溝81a内にある小球80は球体55に接触して負荷を受けつつ、球体55の回転方向と反対方向(金属管の移動方向と逆方向)に回転する。一方、深溝81b内にある小球80は球体55に接触しないので無負荷状態にある。
トラック溝は金属管移動方向をなしているので、浅溝81a内の小球80は回転しながら浅溝81a内を金属管の移動方向と逆方向に移動し、その端部の連絡通路81cを経て隣の深溝81bに入る。深溝81b内に入った小球80は深溝81b内の小球80を押し、押された深溝81b内の小球80が深溝81b内を金属管移動方向(順方向)に移動して反対側の連絡通路81cを経て浅溝81aに入る。深溝81bから浅溝81aに入った小球80は、前記のように球体55に接触して負荷を受けつつ、球体55の回転方向と反対方向(金属管の移動方向と逆方向)に回転する。
こうして浅溝81aと深溝81bとの間を循環する小球80が、浅溝81a内にある時に逆方向に回転しながら球体55の回転を支持する。
トラック溝の溝方向が金属管移動方向と一致しているので、金属管移動方向に回転する球体55を支持する浅溝81a内の小球80は、回転する球体55の回転軸と概ね平行な回転軸を持つ態様で回転する(向きは逆だが概ね同じ方向で回転する)。したがって、球体55と小球80との間に無用なすべりは少なく、球体55と小球80との間の摩擦抵抗は顕著に小さい。
【0039】
背景技術で述べたように、球体ベアリング56を用いた溝付け装置10を電縫管製造装置による造管ラインに設置して金属管に凹溝8aを形成する場合、球体55の回転に対する摩擦抵抗が大きいと、造管ラインに大きな材料送り駆動の動力を必要とする。
造管ラインに要求される動力は、成形(サイジングゾーンでの整形を含む)に要する成形動力と送り駆動に要する送り駆動動力とであるが、前記のように溝付け装置10の球体55の回転に対する摩擦抵抗が大きいと、送り駆動に要する動力が大となる。
溝付け装置を備えた造管ラインを新規に設置する場合であれば、必要な成形動力及び送り駆動動力を満たすように設計するが、既存の造管ラインに溝付け装置10を設置する場合には、既存の造管ラインの動力を増大させる改造には種々の問題が生じるので、通常は造管ラインの造管速度を低くせざるを得なくなる。
しかし、上述した球体ベアリング56を用いた溝付け装置10によれば、球体55の回転に対する摩擦抵抗が顕著に軽減されるので、材料送り駆動の動力が軽減される。
したがって、球体ベアリング56を用いた溝付け装置10を、例えば既存の造管ラインに設置する場合でも、既存の造管ラインの動力を増大させる改造をする必要なく、かつ造管ラインの造管速度を低くする必要もなく、設置することが可能となる。
【0040】
また、球体55を著しい高速で回転させる必要のある用途、あるいは極めて大きな荷重を負担させる必要のある用途に使用する場合には、焼付けが発生する可能性があるが、摩擦抵抗が軽減されることは、そのような問題を回避するために有効である。
【0041】
球体ベアリング56において、凹球面が球体55から受ける荷重は凹球面の中心近傍が大半なので、実施例のようにトラック溝を設ける領域を金属管移動方向と直交する左右方向の中央部領域のみにすることが適切である。
【0042】
実施例のように、中子2が管内面に接触する以外の拘束力を受けない態様で管内に配置されていることで、煩雑な中子固定手段が不要となり、溝付け装置の構成が簡略化される。