特許第6817081号(P6817081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6817081-レベルシフト回路 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6817081
(24)【登録日】2020年12月28日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】レベルシフト回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0185 20060101AFI20210107BHJP
【FI】
   H03K19/0185 230
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-5908(P2017-5908)
(22)【出願日】2017年1月17日
(65)【公開番号】特開2018-117212(P2018-117212A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】澤井 英幸
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 正一
【審査官】 渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】 特表平10−508175(JP,A)
【文献】 特開2007−116344(JP,A)
【文献】 特開2013−211817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/0185
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートに入力端子が接続され、ソースに第1の負電圧レベルが入力される第1のトランジスタと、
ゲートに電圧源が接続され、ドレインに前記第1のトランジスタのドレインが接続され、ソースにラッチ回路が接続される第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタのソースと第2の正電圧レベルが入力される電源端子の間に設けられた負荷と、
ゲートに反転器を介して前記入力端子が接続され、ソースに前記第1の負電圧レベルが入力される第3のトランジスタと、
ゲートに前記電圧源が接続され、ドレインに前記第3のトランジスタのドレインが接続され、ソースに前記ラッチ回路が接続される第4のトランジスタと、
前記第4のトランジスタのソースと前記第2の正電圧レベルが入力される電源端子の間に設けられた負荷と、
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの間に設けられた、ゲートに前記反転器を介して前記入力端子が接続される第5のトランジスタと、
前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタの間に設けられた、ゲートに前記入力端子が接続される第6のトランジスタと、
前記第1のトランジスタのドレインと前記第3のトランジスタのドレインの間に設けられたキャパシタと、
前記ラッチ回路に接続された出力端子と、を備え、
前記入力端子に前記第2の正電圧レベルより低い電圧の第1の正電圧レベルと前記第1の負電圧レベルの2値の電圧の信号を入力し、
前記出力端子から前記第2の正電圧レベルと第2の負電圧レベルの2値の電圧の信号を出力する、
ことを特徴とするレベルシフト回路。
【請求項2】
前記第2のトランジスタと前記第4のトランジスタは夫々、ゲートとソースの間にクラ
ンプ素子を備える、
ことを特徴とする請求項に記載するレベルシフト回路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レベルシフト回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレベルシフト回路として、特許文献1に示す回路が知られている。図4は、従来のレベルシフト回路を示す回路図である。
従来のレベルシフト回路は、NMOSトランジスタ401、402と、PMOSトランジスタ411、412と、反転器421と、入力端子441と、出力端子431と、を備えている。
【0003】
入力信号は、第1の正電圧レベルVDD1と負電圧レベルVSSの間で変化する信号である。トランジスタ401、402、411、412は、第2の正電圧レベルVDD2と負電圧レベルVSSとで動作電圧が与えられる。
【0004】
入力端子441に入力される入力信号が負電圧レベルVSSから第1の正電圧レベルVDD1に変化するとき、トランジスタ401の駆動力がトランジスタ411の駆動力を上回ると、出力端子431の出力信号は低い電圧レベルに向かって変化をし始める。このとき、トランジスタ402はオフして、トランジスタ412の駆動力が高められるため、トランジスタ411はよりオフ制御される。結果として、出力信号は負電圧レベルVSSになる。
【0005】
入力信号が第1の正電圧レベルVDD1から負電圧レベルVSSに変化するとき、トランジスタ402の駆動力がトランジスタ412の駆動力を上回ると、トランジスタ411のゲートの電位は低い電圧レベルに向かって変化をし始める。このとき、トランジスタ401はオフして、トランジスタ411の駆動力が高められるため、トランジスタ412はよりオフ制御される。結果として、出力信号は第2の正電圧レベルVDD2になる。
このように、従来のレベルシフト回路では、入力信号の正電圧レベルをVDD1からVDD2に変換した出力信号を出力することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−223052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のレベルシフト回路では、負電圧レベルを変換できないといった問題があった。
例えば、外部電源により与えられた負電圧レベルがノイズ過多な状態である場合には、この負電圧レベルを別の安定した電圧系統の負電圧レベルに変換することにより対処するのが望ましい。しかし、従来のレベルシフト回路は、こうした対処ができないため、負電圧レベルがノイズ過多な状態となってしまう。
【0008】
本発明は、以上のような問題を解消するために成されたものであり、正電圧レベルと負電圧レベルを変換することが出来るレベルシフト回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来の問題を解消するために、本発明のレベルシフト回路は、ゲートに入力端子が接続され、ソースに第1の負電圧レベルが入力される第1のトランジスタと、ゲートに電圧源が接続され、ドレインに前記第1のトランジスタのドレインが接続され、ソースにラッチ回路が接続される第2のトランジスタと、前記第2のトランジスタのソースと第2の正電圧レベルが入力される電源端子の間に設けられた負荷と、ゲートに反転器を介して前記入力端子が接続され、ソースに前記第1の負電圧レベルが入力される第3のトランジスタと、ゲートに前記電圧源が接続され、ドレインに前記第3のトランジスタのドレインが接続され、ソースに前記ラッチ回路が接続される第4のトランジスタと、前記第4のトランジスタのソースと前記第2の正電圧レベルが入力される電源端子の間に設けられた負荷と、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの間に設けられた、ゲートに前記反転器を介して前記入力端子が接続される第5のトランジスタと、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタの間に設けられた、ゲートに前記入力端子が接続される第6のトランジスタと、前記第1のトランジスタのドレインと前記第3のトランジスタのドレインの間に設けられたキャパシタと、前記ラッチ回路に接続された出力端子と、を備え、前記入力端子に前記第2の正電圧レベルより低い電圧の第1の正電圧レベルと前記第1の負電圧レベルの2値の電圧の信号を入力し、前記出力端子から前記第2の正電圧レベルと第2の負電圧レベルの2値の電圧の信号を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のレベルシフト回路によれば、入力トランジスタと負荷との間にゲートに電圧源を接続されたスイッチトランジスタを備えたので、入力された負電圧レベルはおおよそ電圧源140の電圧とスイッチトランジスタ121のしきい値電圧を加算した第2の負電圧レベルVSS2に変換することが出来るので、負電圧電源のノイズの影響を受けることが無い、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態のレベルシフト回路を示す回路図である。
図2】本発明の第2の実施形態のレベルシフト回路を示す回路図である。
図3】本発明の第3の実施形態のレベルシフト回路を示す回路図である。
図4】従来のレベルシフト回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態において、第1の正電圧端子の電位は第1の正電圧レベルVDD1であり、第2の正電圧端子の電位は第2の正電圧レベルVDD2であり、負電圧端子の電位は第1の負電圧レベルVSS1である。また、入力端子101に入力される入力信号は第1の正電圧レベルVDD1と第1の負電圧レベルVSS1の間で変化する信号であり、出力端子102に出力される出力信号は第2の正電圧レベルVDD2と第2の負電圧レベルVSS2の間で変化する信号である。第2の負電圧レベルVSS2については、以下の実施形態で説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のレベルシフト回路100を示す回路図である。
レベルシフト回路100は、PMOSトランジスタであるスイッチトランジスタ121と、NMOSトランジスタ131と、電圧源140と、負荷110と、入力端子101と、出力端子102とを、備えている。
【0014】
負荷110は、一方の端子が第2の正電圧端子に接続され、他方の端子が出力端子102とスイッチトランジスタ121のソースに接続される。スイッチトランジスタ121は、ゲートが電圧源140の一方の端子に接続され、ドレインがNMOSトランジスタ131のドレインに接続される。NMOSトランジスタ131は、ゲートが入力端子101に接続され、ソースが負電圧端子に接続される。電圧源140は、他方の端子が負電圧端子に接続される。
【0015】
最初に、入力端子101に第1の正電圧レベルVDD1を入力信号として印加する場合を考える。NMOSトランジスタ131は、ゲートに第1の正電圧レベルVDD1が印加されてオン状態となる。NMOSトランジスタ131が制御する電流は、スイッチトランジスタ121を経由して負荷110を駆動する。NMOSトランジスタ131が制御する電流が増加すると、負荷110で発生する電圧降下が大きくなる。スイッチトランジスタ121は、ソースの電位が低下して、ゲートとソースの電位差が小さくなるので徐々にオフしていく。従って、出力端子102は、おおよそ電圧源140の電圧とスイッチトランジスタ121のしきい値電圧を加算した第2の負電圧レベルVSS2を出力する。
【0016】
次に、入力端子101に第1の負電圧レベルVSS1を入力信号として印加する場合を考える。NMOSトランジスタ131は、ゲートに第1の負電圧レベルVSS1が印加されてオフ状態となる。スイッチトランジスタ121はオンしているが、負荷110に流れる電流は極小となる。従って、負荷110での電圧降下はなくなり、出力端子102は、第2の正電圧レベルVDD2を出力する。
【0017】
以上説明したように、第1の実施形態のレベルシフト回路100によれば、負電圧レベルは、おおよそ電圧源140の電圧とスイッチトランジスタ121のしきい値電圧を加算した第2の負電圧レベルVSS2に変換することが出来るので、負電圧電源のノイズの影響を受けることが無い、という効果がある。
【0018】
なお、電圧源140は、第1の負電圧レベルVSS1基準の電圧源として説明しているが、所望の第2の負電圧レベルVSS2が得られる構成であれば、例えば第2の正電圧レベルVDD2基準の電圧源としても良い。
【0019】
また、スイッチトランジスタ121は、エンハンスメント型であっても、デプレッション型であってもよい。スイッチトランジスタ121がデプレッション型である場合には、出力信号の負電圧レベルをスイッチトランジスタ121のゲートの電圧と同じか低くできるため、第2の正電圧レベルVDD2を大きく与えることなく、出力信号の電位差を大きくすることが出来る。
また、負荷110は、抵抗であってもトランジスタであっても良い。
【0020】
(第2の実施形態)
負荷110は、トランジスタで構成した場合、例えばインピーダンス値を制御することにより正帰還の動作が実現出来る。従って、レベルシフト回路は動作スピードを向上することが出来る。
【0021】
図2は、本発明の第2の実施形態のレベルシフト回路200を示す回路図である。
レベルシフト回路200は、スイッチトランジスタ121、122と、PMOSトランジスタ211,212と、NMOSトランジスタ131、132と、電圧源140と、反転器150と、入力端子101と、出力端子102とを、備えている。PMOSトランジスタ211、212は負荷110を構成する。
【0022】
PMOSトランジスタ211は、ゲートがPMOSトランジスタ212のドレインに接続され、ソースが第2の正電圧端子に接続され、ドレインがPMOSトランジスタ212のゲートに接続される。PMOSトランジスタ212は、ゲートがPMOSトランジスタ211のドレインに接続され、ソースが第2の正電圧端子に接続され、ドレインがPMOSトランジスタ211のゲートに接続される。スイッチトランジスタ121は、ゲートが電圧源140の一方の端子に接続され、ソースがPMOSトランジスタ211のドレインに接続され、ドレインがNMOSトランジスタ131のドレインに接続される。スイッチトランジスタ122は、ゲートが電圧源140の一方の端子に接続され、ソースがPMOSトランジスタ212のドレインに接続され、ドレインがNMOSトランジスタ132のドレインに接続される。NMOSトランジスタ131は、ゲートが入力端子101に接続され、ソースが負電圧端子に接続される。NMOSトランジスタ132は、ゲートが反転器150を介して入力端子101に接続され、ソースが負電圧端子に接続される。反転器150は、第1の正電圧レベルVDD1と第1の負電圧レベルVSS1の電圧で動作する。
【0023】
最初に、入力端子101に第1の正電圧レベルVDD1を入力信号として印加する場合を考える。入力端子101に入力される入力信号が第1の負電圧レベルVSS1から第1の正電圧レベルVDD1に変化するとき、トランジスタ131の駆動力がトランジスタ211の駆動力を上回ると、出力端子102の出力信号は低い電圧レベルに向かって変化をし始める。このとき、トランジスタ132はオフして、トランジスタ212の駆動力が高められるため、トランジスタ211はよりオフ制御される。結果として、スイッチトランジスタ121は、ソースの電位が低下して、ゲートとソースの電位差が小さくなるので徐々にオフしていく。従って、出力端子102は、おおよそ電圧源140の電圧とスイッチトランジスタ121のしきい値電圧を加算した第2の負電圧レベルVSS2を出力する。
【0024】
次に、入力端子101に第1の負電圧レベルVSS1を入力信号として印加する場合を考える。入力信号が第1の正電圧レベルVDD1から第1の負電圧レベルVSS1に変化するとき、トランジスタ132の駆動力がトランジスタ212の駆動力を上回ると、トランジスタ211のゲートの電位は低い電圧レベルに向かって変化をし始める。このとき、トランジスタ131はオフして、トランジスタ211の駆動力が高められるため、トランジスタ212はよりオフ制御される。従って、トランジスタ211がオンするので、出力端子102は、第2の正電圧レベルVDD2を出力する。
【0025】
トランジスタ211、212は、互いのゲートとドレインが接続されているため、それらのインピーダンス値を柔軟に制御することにより正帰還の動作が実現できる。具体的には、トランジスタ131がオン状態に変化しようとするときにはトランジスタ211がオフ状態に変化しようとするので、出力端子102の出力信号は素早く第2の負電圧レベルVSS2に至る。また、トランジスタ131がオフ状態に変化しようとするときにはトランジスタ211がオン状態に変化しようとするので、出力端子102の出力信号は素早く第2の正電圧レベルVDD2に至る。
【0026】
以上説明したように、第2の実施形態のレベルシフト回路200によれば、負電圧レベルは、おおよそ電圧源140の電圧とスイッチトランジスタ121のしきい値電圧を加算した第2の負電圧レベルVSS2に変換することが出来るので、負電圧電源のノイズの影響を受けることが無い、という効果がある。更に、変換スピードの向上が図られるという効果も得られる。
【0027】
なお、以上の説明において、出力端子102は、スイッチトランジスタ121のソースであるとして説明したが、代わりに、スイッチトランジスタ122のソースであっても良い。
【0028】
また、スイッチトランジスタ121は、エンハンスメント型であっても、デプレッション型であってもよい。スイッチトランジスタ121がデプレッション型である場合には、出力信号の負電圧レベルをスイッチトランジスタ121のゲートの電圧と同じか低くできるため、第2の正電圧レベルVDD2を大きく与えることなく、出力信号の電位差を大きくすることが出来る。
【0029】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態のレベルシフト回路300を示す回路図である。
レベルシフト回路300は、レベルシフト回路200に対して、NMOSトランジスタ301、302とラッチ回路310とキャパシタ320を備えている。その他の点は、レベルシフト回路200と同様であるため、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0030】
NMOSトランジスタ301は、ソースがNMOSトランジスタ131のドレインに接続され、ドレインがPMOSトランジスタ121のドレインに接続され、ゲートが反転器150の出力端子と接続される。NMOSトランジスタ302は、ソースがNMOSトランジスタ132のドレインに接続され、ドレインはPMOSトランジスタ122のドレインに接続され、ゲートが入力端子101と接続される。
【0031】
ラッチ回路310は、二つの入力端子がPMOSトランジスタ211及び212のドレインと夫々接続され、出力端子が出力端子102に接続される。ラッチ回路310は、第2の正電圧レベルVDD2と電圧源140の電圧とで動作電圧が与えられ、入力信号の遷移をトリガとして矩形波を整形して出力するものである。
【0032】
キャパシタ320は、NMOSトランジスタ301のソースとNMOSトランジスタ302のソースの間に接続される。
キャパシタ320は、NMOSトランジスタ131、302かNMOSトランジスタ132、301のいずれかオン状態にある組合せにより電荷が充電される。例えば、NMOSトランジスタ131、302がオンしたとき、スイッチトランジスタ122のソースの電圧が急降下し、その後、トランジスタ212の電流値とキャパシタ320のキャパシタ値で決まるレートに基づいてスイッチトランジスタ122のソースの電圧が上昇する。従って、スイッチトランジスタ121及びスイッチトランジスタ122のソースの電圧は、入力端子101の入力信号に応じて瞬時に急降下することになる。そして、ラッチ回路310は、それに応じて矩形波を整形して出力する。ラッチ回路310が出力する矩形波は、第2の正電圧レベルVDD2と電圧源140の電圧とに基づく矩形波となる。
【0033】
このとき、NMOSトランジスタ301、302、キャパシタ320、及びラッチ回路310を更に備えたレベルシフト回路300においても、スイッチトランジスタ121、122と電圧源140を設けたことによる効果を得ることが出来る。
なお、ラッチ回路310は、入力信号の遷移をトリガとして矩形波を整形して出力する機能を有していれば良く、その実施の形態は図3の回路に何ら限定されるものではない。
【0034】
以上説明したように、第3の実施形態のレベルシフト回路300によれば、負電圧レベルは、おおよそ電圧源140の電圧とスイッチトランジスタ121のしきい値電圧を加算した第2の負電圧レベルVSS2に変換することが出来るので、負電圧電源のノイズの影響を受けることが無い、という効果がある。更に、変換スピードの向上が図られるという効果も得られる。
【0035】
PMOSトランジスタのスイッチトランジスタの121、122は、バックゲートがN型ウエル領域であり、ソースに接続される場合が多い。この場合は高温動作時に、VSS電位たるP型基板領域に向けてリーク電流が流れるため、スイッチトランジスタ121、122のソースの電位が著しく低下することが起こり得る。このとき、スイッチトランジスタ121、122は、ゲートとソースの電位差が大きくなり過ぎるて耐圧を超えてしまう可能性がある。この場合は、スイッチトランジスタ121、122のゲートとソースの間に電圧クランプするためのクランプ素子を設けても良い。
【0036】
以上説明したように、本発明のレベルシフト回路によれば、正電圧レベルのみならず負電圧レベルも変換することが出来るので、負電圧電源のノイズの影響を受けることが無い、という効果がある。
【符号の説明】
【0037】
101 入力端子
102 出力端子
110 負荷
121、122 スイッチトランジスタ
140 電圧源
150 反転器
310 ラッチ回路
図1
図2
図3
図4