(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0014】
[1.概要]
図1および
図2を参照して、本発明の概要を説明する。
図1および
図2は、本実施形態の処理の概要を示す図である。
【0015】
まず、大型機械販売業者(工作機械、エレベータ、または、特殊車両など)は、機器販売後に機器のアフターフォロー(保守)を行っており、保守業務については、外注先に委託する場合がある。ここで、保守作業についての社内売上計上を行うにあたり、外注先の作業完了報告、または、客先検収を必須(すなわち、下請けの作業が完了を必須)とする場合がある。
【0016】
ここで、従来の販売管理システムでは、契約に基づく売上・請求の計上について、売上/仕入の紐づけが存在しない為、担当者の判断にて制御を行っていた。これにより、従来の販売管理システムでは、提供している保守サービス売上と、外注へ手配を行っている仕入と、の紐づきがない為、別々の計上を行っていたため、外注先からの作業完了報告、または、客先からの検収確認を得る前に、売上計上を行うことが可能となっていた。また、従来の販売管理システムにおいて、作業完了有無の確認は、担当者の判断に任されていたため、売上計上後の差し戻しが発生する原因となっていた。
【0017】
そこで、本実施形態においては、外注先からの作業完了報告と機械を保有しているところの検収とがすべて完了していなければ、売上を上げてはいけないため、それをシステム内で宣言することによって、それらの項目が完了していることを前提に売上計上することを、商品(売上)ごと、作業(仕入)ごとに、それぞれ設定させ、また、その紐づけができるようにする事で、作業・検収が完了していないものは売上計上できないようにしている。すなわち、本実施形態においては、売上予定データ作成時に、作業完了管理「あり」とする事で、売上計上時に対象仕入が完了していることを条件にすることを実現した。
【0018】
ここで、本実施形態における売上時作業完了管理においては、作業完了し、外注先への支払準備が完了するまで、売上の社内計上を行えない制御が必要なため、
図1に示すように、売上(予定)および仕入(予定)の紐づけを管理し、該当仕入の計上が行われていないと、売上計上を不可としている。ここで、本実施形態においては、商品明細毎に保持している「(売上)作業予定管理区分」が「1:あり」に設定された場合、仕入明細側で紐づけ売上明細行番として登録可能となっている。また、本実施形態においては、1つの売上明細に対して、複数(N件)の仕入明細の紐付を可能としてもよい。
【0019】
また、
図2に示すように、本実施形態においては、作業予定管理が「1:あり」と登録され、且つ、仕入作業明細毎に紐づき売上明細行番号が指定された場合、定期契約売上明細において、売上明細毎に作業予定管理区分が保持され、商品毎に作業予定管理有無の設定が可能となり、定期契約仕入明細において、1つの売上商品に対して、複数(N件)の仕入明細の作業予定管理の紐づけが可能となる。そして、本実施形態においては、定期契約仕入詳細において、仕入一括計上実施時に、作業完了日、作業完了区分、仕入計上日、および、仕入完了区分が「1:済み」に更新される。そして、本実施形態においては、売上一括計上処理実行時に、紐づけ仕入明細の完了状態を確認して売上計上可否を判断し、可と判断された場合、売上完了日、および、売上完了区分が「1:済み」に更新されてもよい。
【0020】
[2.構成]
図3を参照して、本実施形態に係る作業完了制御装置100の構成の一例について説明する。
図3は、作業完了制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
作業完了制御装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、作業完了制御装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
作業完了制御装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。作業完了制御装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、作業完了制御装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、作業完了制御装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、仕入データファイル106aと、売上データファイル106bとを備えている。
【0025】
仕入データファイル106aは、販売後の商品の保守業務(保守作業)の委託先への手配に関する仕入データを記憶する。ここで、仕入データは、委託先(外注先)からの保守業務の完了報告、または、商品の所有者からの検収確認報告を含んでもよい。ここで、保守業務の完了報告は、完了日の日付を含んでいてもよい。また、検収確認報告は、検収確認日の日付を含んでいてもよい。また、仕入データは、委託先への支払計上データ(支払準備の完了報告)を含んでもよい。ここで、委託先への支払計上データは、仕入計上日の日付、仕入予定日の日付、作業完了日の日付、仕入金額、支払予定日の日付、および/または、支払金額等を含んでいてもよい。また、商品は、工作機械、エレベータ、または、特殊車両等の大型機械であってもよい。また、仕入データファイル106aは、定期契約ヘッダ、定期契約仕入明細、定期契約仕入詳細、定期契約支払詳細、仕入ヘッダ、および、仕入明細を含んでいてもよい。
【0026】
売上データファイル106bは、保守業務の売上データを記憶する。ここで、売上データは、売上計上日の日付、売上予定日の日付、売上金額、請求予定日の日付、回収予定日の日付、および/または、請求金額等を含んでいてもよい。また、売上データファイル106bは、定期契約ヘッダ、定期契約売上明細、定期契約売上詳細、定期契約支払詳細、売上ヘッダ、および、売上明細を含んでいてもよい。
【0027】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0028】
制御部102は、作業完了制御装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、仕入登録部102aと、完了判定部102b、売上登録部102cとを備えている。
【0029】
仕入登録部102aは、仕入データを仕入データファイル106aに登録する。ここで、仕入登録部102aは、入力装置112を介して入力された仕入データを仕入データファイル106aに登録してもよい。
【0030】
完了判定部102bは、仕入データの仕入データファイル106aへの登録が完了しているか否か判定する。
【0031】
売上登録部102cは、売上データを売上データファイル106bに登録する。ここで、売上登録部102cは、完了判定部102bにより完了していると判定された場合、売上データを売上データ記憶手段に登録してもよい。また、売上登録部102cは、入力装置112を介して入力された売上データを売上データファイル106bに登録してもよい。
【0032】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図4から
図12を参照して説明する。
【0033】
[売上振替処理]
ここで、
図4を参照して、本実施形態における作業完了制御処理の一例について説明する。
図4は、本実施形態における作業完了制御装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0034】
図4に示すように、仕入登録部102aは、ユーザにより入力装置112を介して販売後の大型機械の保守業務の委託先への手配に関する、委託先からの保守業務の完了報告または商品の所有者からの検収確認報告、ならびに、委託先への支払計上データを含む仕入データが入力された場合、入力された仕入データを仕入データファイル106aに登録する(ステップSA−1)。
【0035】
そして、完了判定部102bは、仕入登録部102aによる仕入データの仕入データファイル106aへの登録が完了しているか否か判定する(ステップSA−2)。
【0036】
そして、完了判定部102bは、仕入データの仕入データファイル106aへの登録が完了していないと判定した場合(ステップSA−2:No)、処理をステップSA−1に移行させる。
【0037】
一方、完了判定部102bは、仕入データの仕入データファイル106aへの登録が完了していると判定した場合(ステップSA−2:Yes)、処理をステップSA−3に移行させる。
【0038】
そして、売上登録部102cは、ユーザにより入力装置112を介して入力された販売後の大型機械の保守業務の売上データを売上データファイル106bに登録し(ステップSA−3)、処理を終了する。
【0039】
ここで、
図5を参照して、本実施形態における定期契約入力処理の一例について説明する。
図5−1は、売上明細画面の一例を示す図である。
図5−2および
図5−3は、仕入明細画面の一例を示す図である。
【0040】
本実施形態においては、
図5−1に示す売上明細画面に示すように、「売上作業予定管理区分」が「1:あり」とユーザにより設定された場合、
図5−2に示すように、仕入明細画面にて「対応売上明細行番」の選択が可能となり、
図5−3に示すように、仕入明細画面側で、「対応売上明細行番」を指定する事で、売上/仕入の紐づけが行われる。
【0041】
また、
図6を参照して、本実施形態における売上データ作成処理(作業完了・仕入計上前状態)の一例について説明する。
図6は、作業完了・仕入計上前状態の売上データ作成処理の一例を示す図である。
【0042】
図6に示すように、「売上作業予定管理」が「1:あり」と設定されている場合、紐づきの仕入データ側が、作業完了、および、仕入計上済みになるまで、社内売上計上を行う事ができないようにしているため、該当月の売上計上対象データは、候補として挙がってくるが、計上対象チェックを付ける事ができないようになっている。
【0043】
また、
図7を参照して、本実施形態における仕入データ作成処理の一例について説明する。
図7は、仕入データ作成処理の一例を示す図である。
【0044】
図7に示すように、委託先(外注先)からの作業完了報告、および、客先からの検収報告を受けた後、外注作業に対しての仕入計上を行うことができる。
【0045】
また、
図8を参照して、本実施形態における売上データ作成処理の一例について説明する。
図8は、作業完了・仕入計上済み状態の売上データ作成処理の一例を示す図である。
【0046】
図8に示すように、「売上作業予定管理」が「1:あり」と設定されている際に、紐づきの仕入データ側が、全て作業完了、および、仕入計上済みにステータス変更が行われた場合、売上計上可能となるため、該当月の売上計上対象データが計上対象の候補となり、計上対象チェックを付ける事が可能となる。
【0047】
また、
図9から
図12を参照して、本実施形態における売上時作業予定管理(売上/仕入の紐づき管理)処理の一例について説明する。
図9から
図12は、サンプルデータを示す図である。
【0048】
図9に示すように、作業完了の場合、複数の外注に作業手配を行っており、作業完了日が2種類以上取得される場合がある。そこで、本実施形態においては、定期契約仕入詳細の作業完了日の最も遅い日付(6/30)を、売上一括計上画面の作業完了日にセットすることで、予定通り201X+1年6月日付での売上計上が可能となる。
【0049】
また、
図10に示すように、作業未完了の場合、全ての外注作業が完了していないとみなし、売上計上を不可とすることで、全ての外注作業が6月中に完了するのを待ってから、売上計上を行うように制御する。
【0050】
また、
図11に示すように、複数の外注先に作業手配を行っている場合、作業完了日が月跨ぎになる場合がある。そこで、本実施形態においては、売上と仕入との会計年月日で比較を行うことで、定期契約仕入詳細の作業完了日の最も遅い日付(7/3)を、売上一括計上画面の作業完了日にセットする。すなわち、6月末時点では、売上計上を行うことができないように制御する。
【0051】
また、
図12に示すように、売上・一部仕入の会計年月(計上予定月)を変更した場合、仕入先A社への仕入計上は、6月中に発生させ、残りのB社の作業完了を待って、売上計上を行い、売上および仕入ともに会計年月を7月に変更することで、定期契約仕入詳細の作業完了日の最も遅い日付(7/10)を、売上一括計上画面の作業完了日にセットする。すなわち、6月末時点では、売上計上を行うことができないように制御する。
【0052】
このように、本実施形態においては、機械業の保守業務用向けに、売上と仕入との紐付け管理を可能としている。すなわち、本実施形態においては、仕入側に保持している(外注作業)完了日の情報をもとに、紐づく売上を計上出来るかどうかの判断をしている。なお、本実施形態においては、必ずしもこのルールに則って計上する必要はなく、紐付け計上するかどうかは契約単位に設定してもよい。
【0053】
また、本実施形態においては、契約型債権と違い、該当作業分を明確に出来るようになり、作業按分の考え方も新たに追加し、売上と仕入との紐付けを追加している。
【0054】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0055】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0056】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0057】
また、作業完了制御装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0058】
例えば、作業完了制御装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて作業完了制御装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0059】
また、このコンピュータプログラムは、作業完了制御装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0060】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0061】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0062】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0063】
また、作業完了制御装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、作業完了制御装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0064】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。