(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の台座と前記配線基板との間に配置され、前記第2の開口部の位置に孔を有する、前記配線基板の頂面に接する第3の台座をさらに含む、請求項1又は2に記載の電子部品用台座。
前記第1の台座及び前記第3の台座は一体成型である、請求項3が請求項1に従属する場合の請求項3に記載の電子部品用台座、又は、前記第1の台座、前記第2の台座、及び前記第3の台座は一体成型である、請求項3が請求項2に従属する場合の請求項3に記載の電子部品用台座。
【発明を実施するための形態】
【0017】
従来技術
図1は、複数の電子部品を配置した配線基板の上方右側からの斜視図である。基板100は、基板における配線や、電子部品などが実装済みである基板を表す。実装基板100は、少なくとも配線基板105及び電子部品110〜125を備えている。配線基板105には、電子部品110〜125が配置されるとともに、半田などの手段により、電子部品が配置されている。配線基板105は、電子部品が配置される部品面150と、その反対側の面であり、電子部品の半田が施される半田面155とを少なくとも有する。配線基板105の部品面150及び半田面155の両方又はどちらか一方において、配線基板105に必要な配線が施されている。配線基板105は、典型的にはプリント基板と称される。
【0018】
図2は、実装基板における部品面150の上方から見た図面である。各電子部品内に記載された点線の「○」部分は、電子部品のリード線の位置を示している。例えば、電子部品125を配線基板105の部品面150から見た
図3で示されている305及び310が電子部品の配線の位置を示す。従来技術において、電子部品の配線の位置は、その電子部品を半田などの手段により配線基板105に配線すべき位置に対応する。したがって、配線基板105の部品面150の大半は、電子部品110〜125によって覆われていることが分かる。電子部品110〜125によって覆われている部分において、電子部品110〜125のリード線が配線基板105の表面及び/又は内部の配線と触れた場合、これらのリード線及び配線は短絡や故障、異常動作などを発生させることとなる。したがって、電子部品が配置されるスペースにおいて、その電子部品に用いるリード線を配線基板105に接続することができるが、他の用途の配線を施すことはできない。実質的に、配線基板105の部品面150及び半田面155において破線で囲まれたスペース205及び210のみが、配線基板105に自由に配線を施すことができるスペースとなる。これは、配線基板の設計に大きな障壁となり、最悪の場合、所定の電子部品の実装を諦める、配線基板の小型化を諦めるなどの結果をもたらす。
【0019】
図4は、電子部品120を部品面150の上方から見た図である。410〜413は、電子部品120のリード線の位置を示している。電子部品120を
図1のように配線基板105に配線した場合、点線415で囲まれた部分は、配線基板105において、電子部品120以外のための配線を部品面では施す事が出来ない場合が多い。
図3で示した部品125において、配線基板105における自由な配線は、配線位置305及び310を結ぶ1次元方向のみで禁止されているが、
図4で示した部品120において、配線位置411〜413は2次元的に配置されることから、配線基板105における自由な配線は、大きな面(すなわち、点線415で囲まれた部分)で禁止される。
【0020】
台座
図5は、電子部品120を配線基板105に配置する際に使用される台座505を示した図である。なお、
図5で示される配線基板105は、配線基板105全体の一部であることは当業者によって理解されるであろう。各電子部品は、配線基板105に直接固定するのではなく、各電子部品ごとに台座を用いて固定される場合がある。台座の電子部品と接する側の面積は、その電子部品に対応する電子部品の部品面150における面積と同じ又はそれよりも大きいことが望ましい。一実施例において、台座の電子部品と接する側の面積は、少なくとも電子部品のリード線の位置で定められる面積と同じ又はそれよりも大きい程度の面積である。
【0021】
図6は、電子部品120を台座505に配置した図である。台座505の底面605は、配線基板105の部品面に配置される。例えば、
図1及び2において、電子部品120が配線基板105に配置されている状態が示されている。
図6において、電子部品120の台座を示したが、当業者であれば理解されるように、他の実施例において、電子部品110、115、125についても、部品面に接する側のそれぞれの面積に応じた台座が存在する場合がある。台座は、導電性材料及び非導電性(絶縁性)材料であってもよい。台座が絶縁性材料である場合、電子部品と配線基板105との間で、当該電子部品から配線基板105への配線は電流を流すが、当該配線以外の部分では、電流が流れることを防止することができる。
【0022】
以下、添付した図面を用いて本発明の実施例などを以下の通り説明する。
1.実施例1
1つの台座を用いた実施例
2.実施例2
電子部品と上記1つの台座との間にさらに台座を加えた実施例
3.実施例3
配線基板と上記1つの台座との間にさらに台座を加えた実施例
4.実施例4
電子部品と上記1つの台座との間にさらに台座を加えるとともに、配線基板と上記1つの台座との間にさらに台座を加えた実施例
5.実施例5
同じ方向に2以上のリード線経路を有する台座
6.変形例
2次元形状のリード線経路
7.配線基板への固定部材を有する台座
8.台座用固定具
【0023】
1.実施例1
(1つの台座を用いた実施例)
図7は、本実施例による台座と当該台座に対応する電子部品125とを示した図である。電子部品125は、電子部品125の第1のリード線の位置305及び第2のリード線の位置310から、それぞれリード線710及び715を有している。配線基板105において、電子部品125からの2つのリード線の位置は、それぞれ、孔部分725の位置及び第1の開口部722の位置に対応するように準備される。台座705は、リード線710が通るリード線経路720とリード線715が通る孔部分725と有する。配線経路720は、第1の開口部722及び第2の開口部724を有する。第1の開口部722及び第2の開口部724は、台座705及び電子部品125が接する面にほぼ平行して延びる。台座705の孔部分725の位置は、電子部品125の第2のリード線715の位置310に対応し、さらに、電子部品125からの第2のリード線715が配線基板105に配置される位置に対応する。台座705の第1の開口部722の位置は、電子部品125の第1のリード線の位置305に対応し、第2の開口部724の位置は、電子部品125からの第1のリード線710が配線基板105に配置される位置に対応する。リード線経路720は、第1のリード線710を第1の開口部722から第2の開口部724に導く。
【0024】
第2のリード線715は、電子部品125の第2のリード線の位置310から配線基板105のリード線715を受ける位置へ孔部分725を介して、垂直方向にほぼ直線的に延びる。第1のリード線710は、電子部品125の第1のリード線の位置305から台座705の第1の開口部722までほぼ垂直方向に延びて、第1の開口部722から第2の開口部724までリード線経路720に沿ってほぼ水平に延び、第2の開口部724から配線基板105の第1のリード線710を受ける位置へほぼ垂直方向に延びる。
【0025】
リード線経路720は、台座705において、水平方向に長さb755延びている。これにより、従来技術では、長さa750の部分において、電子部品125以外の配線を配線基板105に施すことができなかった。しかしながら、本実施例において、リード線経路720により配線基板105の電子部品125のリード線の位置が変更されることから、長さb755の部分において、電子部品125以外の配線を配線基板105に施すことができる。特に、長さb755の部分に関し、配線基板105の内部及び/又は半田面155において、電子部品125以外の配線を施すことができ、配線基板の面(半田面155)に部品を配置するスペースを広げることができる。
【0026】
台座705は、絶縁性材料又は導電性材料で作成することができる。一実施例において、台座705は、絶縁性材料で作成されていてもよい。これにより、電子部品125のリード線と他の配線との短絡などを防止することができる。
【0027】
2.実施例2
(電子部品と上記1つの台座との間にさらに台座を加えた実施例)
図8は、
図7に示した第1の台座705に加えて、電子部品125側に第2の台座805を加えた例を示した図である。第2の台座805は2つの孔部分810及び815を有する。第2の台座805の孔部分810の位置は、電子部品125の第1のリード線の位置305に対応し、第2の台座805の孔部分815の位置は、電子部品125の第2のリード線の位置310に対応する。
【0028】
第2のリード線715は、電子部品125の第2のリード線の位置310から第2の台座805の孔部分815及び第1の台座705の孔部分725を介して配線基板105のリード線715を受ける位置へ垂直方向にほぼ直線的に延びる。リード線710は、電子部品125の第1のリード線の位置305から第2の台座805の孔部分810を介して第1の台座705の第1の開口部722まで垂直方向に延びて、リード線経路720の第1の開口部722から第2の開口部724までリード線経路720に沿ってほぼ水平に延び、第2の開口部724から配線基板105のリード線710を受ける位置へほぼ垂直方向に延びる。
【0029】
本実施例において、第2の台座805は、絶縁性材料又は導電性材料で作成することができる。第2の台座805を用いることによって、第1の台座705及び第2の台座805はより厚い台座を形成することから、実施例1と比較してより強力に電子部品を配線基板に固定することができる。一実施例において、第2の台座805は、絶縁性材料で作成されていてもよい。これにより、電子部品125のリード線が電子部品125の配線位置305及び310以外の部分と触れること、及び/又は、電子部品125のリード線が他の電子部品などに触れることを防止することができる。これにより、電子部品125のリード線による短絡などを防止することができる。
【0030】
3.実施例3
(配線基板と上記1つの台座との間にさらに台座を加えた実施例)
図9aは、
図7に示した第1の台座705に加えて、配線基板105側に第3の台座905を加えた例を示した図である。第3の台座905は2つの孔部分910及び915を有する。第3の台座905の孔部分910の位置は、電子部品125からの第1のリード線710が配線基板105に配置される位置に対応し、台座905の孔部分915の位置は、電子部品125の第2のリード線の位置310に対応する。
【0031】
第2のリード線715は、電子部品125の第2のリード線の位置310から第1の台座705の孔部分725及び第3の台座905の第2の孔部分915を介して配線基板105のリード線715を受ける位置へ垂直方向にほぼ直線的に延びる。第1のリード線710は、電子部品125の第1のリード線の位置305から第1の台座705の第1の開口部722までほぼ垂直方向に延びて、リード線経路720の第1の開口部722から第2の開口部724までリード線経路720に沿ってほぼ水平に延び、第2の開口部724から第3の台座905の第1の孔部分910を介して配線基板105の第1のリード線710を受ける位置へほぼ垂直方向に延びる。
【0032】
本実施例において、第3の台座905は、絶縁性材料又は導電性材料で作成することができる。第3の台座905を用いることによって、第1の台座705及び第3の台座905はより厚い台座を形成することから、実施例1と比較してより強力に電子部品を配線基板に固定することができる。一実施例において、第3の台座905は、絶縁性材料で作成されていてもよく、これにより、電子部品125のリード線が配線基板105の電子部品125以外のための配線などに触れることを防止することができる。これにより、電子部品125のリード線による短絡などを防止することができる。特に、電子部品125のリード線と配線基板105の部品面150における配線との間の接触を防止することができる。
【0033】
図9bは、
図9aに示した実施例の変形例を示した図である。第1の台座705は、
図9aに示した第1の台座705と同じである。本実施例において、第3の台座905は、空洞部950を有する。空洞部950において、配線基板105には、第1の部品955が設置されている。配線基板105は、部品面150に配線パターン980及び986を有する。
【0034】
図9cは、
図9bに示した実施例を特定の箇所(点線990)における断面図を横手方向から示した図である。配線基板105は、半田面155に第2の部品976及び第3の部品978を有する。電子部品125のリード線715及び710は、それぞれ、配線基板105の配線部960及び965において配線されている。本実施例において、第1の部品955が配線基板105の部品面150に配置され、第2の部品976及び第3の部品978が配線基板105の半田面155に配置される。第1の部品955は、配線基板105の部品面150にて半田付けなどにより配線基板105に接続され、第2の部品976及び第3の部品978は、配線基板105の半田面155にて半田付けなどにより配線基板105に接続される。
【0035】
本実施例は、第3の台座905の空洞部950が第1の部品955を受け入れ可能であることから、電子部品125が配置されている部分において、第1の部品955を配線基板105の部品面150に設置することができる。配線基板105の部品面150は、パターン配線980及び986を有することができる。さらに、配線基板105の半田面155は、パターン配線970及び975を有することができる。半田面155のパターン配線975は、スルーホール985又は他の手段を介して部品面150のパターン配線986に電気的に接続することができる。パターン配線980、986、970及び975の一又は二以上は、第1、2及び3の部品955、976、978の一又は二以上、又は、他の部品のために用いられても良い。
【0036】
一実施例において、リード線710が第1の部品955と接触することを防止するために、第1の台座705は、少なくとも995の部分において、絶縁材料を有することができる。この場合、第1の台座705のリード線経路720は、配線基板側に開口していてもよい。他の実施例において、第1の台座705の部分995と第1の部品955との間に絶縁材料を設置してもよい。
【0037】
本実施例において、第1の部品955、第2の部品976及び第3の部品978は、典型的にはチップ部品である。
【0038】
4.実施例4
(電子部品と上記1つの台座との間にさらに台座を加えるとともに、配線基板と上記1つの台座との間にさらに台座を加えた実施例)
図10は、
図7に示した第1の台座705に加えて、電子部品125側に第2の台座805を加え、さらに、配線基板105側に第3の台座905を加えた例を示した図である。このような構成により、本実施例は、上記説明した実施例2及び3を組み合わせ構成を有することができる。
【0039】
本時実施例において、台座は、上から第2の台座805、第1の台座705及び第3の台座905の順に配置される。
【0040】
第2の台座805は2つの孔部分810及び815を有する。第2の台座805の孔部分810の位置は、電子部品125の第1のリード線の位置305に対応し、第2の台座805の孔部分815の位置は、電子部品125の第2のリード線の位置310に対応する。
【0041】
第1の台座705は、リード線710が通るリード線経路720とリード線715が通る孔部分725と有する。リード線経路720は、第1の開口部722及び第2の開口部722を有する。第1の台座705の孔部分725の位置は、電子部品125の第2のリード線715の位置310に対応する。台座705の第1の開口部722の位置は、電子部品125の第1のリード線710の位置305に対応し、第2の開口部724の位置は、電子部品125からの第1のリード線710が配線基板105に配置される位置に対応する。720は、第1のリード線710を第1の開口部722から第2の開口部724へほぼ水平方向に導く。
【0042】
第3の台座905は2つの孔部分910及び915を有する。第3の台座905の第1の孔部分910の位置は、第1の台座705の第2の開口部724の位置と電子部品125からの第1のリード線710が配線基板105に配置される位置に対応し、台座905の第2の孔部分915の位置は、電子部品125の第2のリード線の位置310に対応する。
【0043】
第1の台座705、第2の台座805及び第3の台座905は、絶縁性材料又は導電性材料で作成することができる。第2の台座805及び第3の台座905を用いることによって、第1の台座705、第2の台座805及び第3の台座905はより厚い台座を形成することから、実施例1、2及び3と比較してより強力に電子部品を配線基板に固定することができる。
【0044】
一実施例において、第2の台座805は、絶縁性材料で作成されていてもよく、これにより、電子部品125のリード線が電子部品125の配線位置305及び310以外の部分と触れること、及び/又は、電子部品125のリード線が他の電子部品などに触れることを防止することができる。これにより、電子部品125のリード線による短絡などを防止することができる。
【0045】
一実施例において、第3の台座905は、絶縁性材料で作成されていてもよく、これにより、電子部品125のリード線が配線基板105の配線などに触れることを防止することができる。これにより、電子部品125のリード線による短絡などを防止することができる。特に、電子部品125のリード線と配線基板105の部品面150における配線との間の接触を防止することができる。
【0046】
一実施例において、第2の台座805及び第3の台座905は、絶縁性材料で作成されていてもよく、第2の台座805により、電子部品125のリード線が電子部品125の配線位置305及び310以外の部分と触れること、及び/又は、電子部品125のリード線が他の電子部品などに触れることを防止することができ、かつ、第3の台座905により、電子部品125のリード線と配線基板105の部品面150における配線との間の接触を防止することができる。
【0047】
上記実施例において、上記第1の台座705、第2の台座805及び第3の台座905は、複数の台座で説明したが、上記第1の台座705、第2の台座805及び第3の台座905の全体又はそれらの内の2つの台座は、一体成型であってもよい。2以上の台座は、例えば、樹脂及び導電性物質や樹脂の複合などによって一体成型されてもよい。この場合、第1の台座705、第2の台座805及び第3の台座905の部分は、それぞれ、1つの台座の第1層、第2層及び第3層などのように対応させることができる。
【0048】
上記各実施例を
図2に示した配線基板105に適用した場合、配線基板105における第1の配線710の位置は、点線の「○」で示した914(724)に移動する。したがって、電子部品110、115、120及び/又は125以外の配線が可能なスペース210がスペース210及びスペース220にまで広がることから、配線スペースをより有効に活用することができる。一実施例において、仮にスペース210が配線するには十分なスペースでは無い場合、従来技術においては、スペース210はいずれの配線を施すことができない、いわゆるデッドスペースとなっていた。しかしながら、上記実施例により、配線が可能なスペースがスペース210及びスペース220にまで広がることから、デッドスペースを削減することができる。したがって、本発明の実施例により、電子部品や配線などを実装できる密度が向上することから、配線基板の小型化を達成することができる。
【0049】
本実施例において、導電性材料を第1の台座705(3層中の中間の層(第2層))に用いた場合などで、片側のリード線と導通させ、もう片方のリード線とは絶縁して放熱効果を得る事や、リード線とは絶縁を保ちつつ後述する固定部材と導通させ、固定部材をGND(アース)などに配線基板上で接続させることによって、シールド効果や放熱効果などを得ることができる。
【0050】
5.実施例5
(同じ方向に2以上のリード線経路を有する台座)
図11は、同じ方向に2以上のリード線経路を有する台座1100を示した図である。座標1195は、x方向及びy方向を示す。台座1100は、
図2の電子部品120に適しており、y方向に延びた第1のリード線経路1125及び第2のリード線経路1145を有する。第1のリード線経路1125は、第1の開口部1115及び第2の開口部1120を有し、第2のリード線経路1145は、第3の開口部1130及び第4の開口部1140を有する。
【0051】
電子部品120からの第1のリード線に関し、第1のリード線経路1125は、リード線を第1の開口部1115から第2の開口部1120へほぼ水平方向に導く。電子部品120からの第2のリード線に関し、第2のリード線経路1145は、リード線を第3の開口部1130から第4の開口部1140へほぼ水平方向に導く。これにより、点線1190で示した面積部分に関し、配線基板105において、電子部品120以外の配線を施すことができる。また、本実施例において、台座1100に加えて、電子部品120側に第2の台座及び/又は配線基板105側に第3の台座を追加してもよい。一実施例において、電子部品のリード線の数に合せて、台座のリード線経路の数を2つ以上にしてもよい。これにより、対応する電子部品以外の配線スペースをより柔軟に確保することができる。例えば、電子部品の対となるリード線の数が3つ以上である場合、対となるリード線の数に対応するようにリード線経路の数を3つ以上にしてもよい。
【0052】
6.変形例
(2次元形の状リード線経路)
図12は、2以上の開口部を有するリード線経路1235を備えた第1の台座1200を示した図である。本実施例において、リード線経路1235は、第1の開口部1210、第2の開口部1220及び第3の開口部1230を有する。これにより、リード線は、リード線経路1235に沿って、2次元的(2方向的)に導かれる。一実施例において、リード線経路1235は、第1の開口部1210から第3の開口部1230へ直線であるように構成されていてもよい。一実施例において、リード線経路1235は、第1の開口部1210から第3の開口部1230へ孤状などの曲線を有するような形状で構成されてもよい。一実施例において、開口部は4以上あってもよい。これらの実施例により、配線スペースをより柔軟に確保することができる。
【0053】
上記ぞれぞれの実施例において、第1の台座のリード線経路に関し、電子部品に接するリード線経路の頂面とリード線基板に接する溝部分の底面とは、貫通していてもよい又は貫通していなくてもよい。リード線経路の頂面と底面とが貫通している場合、リード線経路は大きな穴であってもよく、リード線を導くことができる孔であれば形状を問わない。
【0054】
リード線経路の頂面と底面とが貫通していない場合、一実施例において、第1の台座の溝部分は、その台座の内部を通る空間、その台座の頂面の凹みによって形成される溝である空間又はその台座の頂面の凹みによって形成される溝である空間によって形成される。この空間は、リード線を導く程度のスペースを少なくとも有する。また、空間は、リード線を電子部品側から取り込ために、リード線を第1の台座の頂面に通すための部分を有し、さらに、リード線を配線基板側に供給するために、リード線を第1の台座の底面に通すための部分を有する。例えば、
図7の実施例において、空間は、リード線経路720に該当し、第1の開口部722は、リード線を第1の台座の頂面に通すための部分に該当し、第2の開口部724は、リード線を第1の台座の底面に通すための部分に該当するようにすることができる。
【0055】
上記それぞれの実施例において、第1の台座、第2の台座及び第3の台座は、複数の台座で説明したが、第1の台座、第2の台座及び第3の台座の全部又はそれらの内の2つの台座は、一体成型であってもよい。
【0056】
上記それぞれの実施例において、2以上の台座を用いる場合、それぞれの台座は、一体成型によって形成されてもよい。一体成型は、例えば、ボンドなどの粘着材を用いた一体成型、はめ込みや、溶着、かしめ、又は溶接などによる一体成型によって実現されてもよい。
【0057】
上記各実施例において、第1の開口部722は、少なくとも電子部品側では開口している。また、第1の開口部は、配線基板側で開口していてもよい。また、第2の開口部724は、少なくとも配線基板側では開口している。また、第1の開口部は、電子部品側で開口していてもよい。さらに、リード線経路720は、配線基板側及び電子部品側で開口していなくても良く、又は、配線基板側及び電子部品側の一方又は両方で開口していても良い。
【0058】
7.配線基板への固定部材を有する台座
上記実施例で示した通り、従来技術では、1つの台座を用いていたが、本発明の実施例では、2以上の台座を用いることができる。2以上の台座を用いた場合、台座の厚さが1つの台座の厚さより厚くなることから、台座と配線基板との間の固定が従来技術より脆弱になり得る。したがって、台座を配線基板へより強力に固定する手段である固定部材が望まれる。なお、従来の台座であっても、当該台座を配線基板へ固定する固定部材を有する台座にしてもよい。
【0059】
図13は、配線基板への固定部材を有する台座の第1の実施例を示した図である。本実施例では、電子部品1310を固定するために用いられる2つ以上の台座1320が孔部分1340を有する。また、孔部分1340は、ピン1350を受け入れ可能な直径サイズを有する。好ましくは、孔部分1340がピン1350を受けると、ピン1350が容易には抜けない程度に、孔部分1340の内系サイズがピン1350の外径サイズに適応することが望ましい。本実施例において、孔部分1340が配線基板への固定部材を構成する。ピン1350での固定は、比較的安価で達成することができるので、量産によるコスト削減が期待される。
【0060】
ピン1350は、孔部分1340を介して配線基板1330に固定される。配線基板1330への固定は、ピン1350が配線基板1330を貫通することによって固定される、ピン1350が配線基板1330を貫通することなく、配線基板1330の厚さ部分内で留まることによって固定される、又は、割りピンや専用ピンによる圧入などにて固定されるなど、当業者によって想定されるその他の手段によって固定される。ピン1350が配線基板1330を貫通することによって固定される場合、配線基板1330の半田面において、ピン1350を半田することによって、より強力な固定が提供される。
【0061】
一実施例において、孔部分は2以上有ってもよい。例えば、
図13において、孔部分1340の反対側の位置1355に孔があってもよい。また、位置1360及びその反対側の位置1365に孔が有ってもよい。一実施例において、孔の形状は、円や楕円などの丸型や、三角、四角などの多角系、又は、その他の適切な形状とすることができる。それらの孔1355、1360、及び/又は1365は、ピンによって固定される。
【0062】
図14は、配線基板への固定部材を有する台座の第2の実施例を示した図である。本実施例では、
図14aで示されている通り、電子部品1410を固定するために用いられる台座1420は、凸部1340を有する。
図14a及び
図14bで示される通り、配線基板1440は、凸部1340を受け入れる引っ掛け部1435を有する。
【0063】
本実施例において、台座1420は、その凸部1340を配線基板1440の引っ掛け部1435部に引っ掛けることによって、配線基板1440に固定される。
図14aに示した凸部1340の形状は、一例であり限定ではない、引っ掛けることによって台座1420を配線基板1440に固定できるのであれば、例えば、半円形状、正方形など、凸部1340の形状はどのような形状であってもよい。一実施例において、半円形状の場合、凸部1340への引っ掛かり軽減されるため、設置が容易である。
図14a及び
図14bに示した引っ掛け部1435の形状も、一例であり限定ではない、引っ掛けることによって台座1420を配線基板1440に固定できるのであれば、引っ掛け部1435の形状はどのような形状であってもよい。
【0064】
一実施例において、凸部及び凸部に対応する引っ掛け部は2以上有ってもよい。例えば、
図14aにおいて、凸部1340及び凸部に対応する引っ掛け部1435の反対側の位置1465に凸部及び引っ掛け部があってもよい。また、位置1455及びその反対側の位置1460に凸部及び引っ掛け部が有ってもよい。
【0065】
8.台座用固定具
本実施例において、台座を配線基板に固定するために用いる固定具を説明する。
図15は、台座用固定具の第1の実施例を示した図である。
図15aは、固定具1505の完成前の展開図である。固定具1505は、足部1515及び足部1515を受け入れる受け入れ部1510を有する。
図15aで点線で示す折り曲げ部1520及び1525を折り曲げると、
図15bに示す通り、受け入れ部1510が足部1515を受け入れることによって、固定具が完成する。本実施例において、固定具1505は、足部の1515の一部に切り落とし部1517を有する。後述する
図15c及び
図15dで示される通り、切り落とし部1517の長さは、台座1555及び配線基板1560の厚さを受け入れ可能な長さである必要がある。
【0066】
図15cは、固定具1505を、電子部品1550及び台座1555を受けている配線基板1560に適用した状態を示す。台座1555及び配線基板1560は、固定具1505の足部1510を受け入れる孔を有する。固定具1505は、矢印1565が示す方向で台座1555及び配線基板1560に適用される。
図15dは、
図15cを拡大し、足部分1515をひねった状態を示す。切り落とし部1517により、より少ない力で足部分1515をひねることが可能である。足部分1515をひねった状態にすることにより、台座1555は配線基板1560に固定される。この時、固定具1505の1570で示される箇所は、
図15dの上方向に働く弾性力を有する。また、足部分1515は半田によって配線基板1560にさらに固定されてもよい。
【0067】
図16は、台座用固定具の第2の実施例を示した図である。
図16aに示す通り、固定具1605は、第1の弾性部1610、第2の弾性部1615、足部1625及び切り起こし部1630を少なくとも有する。
図16bで示される通り、足部1625の長さは、台座1655及び配線基板1660の厚さを受け入れ可能な長さである必要がある。固定具1605は、矢印1665が示す方向で台座1655及び配線基板1660に適用される。これにより、切り起こし部1630が配線基板1660の半田面で固定される。この時、固定具1605の第1の弾性部1610及び第2の弾性部1615は、
図16bの上方向に働く弾性力を有する。また、切り起こし部1630は半田面で半田されてもよい。
【0068】
一実施例において、固定具1605は、手持ち部1620を有していてもよい。これにより、固定具1605の台座1655及び配線基板1660への適用がより簡単になる。
【0069】
一実施例において、手持ち部1620は、溝部1621及び1622を有していてもよい。これにより、手持ち部1620を台座1655及び配線基板1660に適用した後、捻る、引っ張るなどの力を溝部1621及び1622に加えることによって、手持ち部1620を切り落とすことができる。電子部品1650及び台座1655が配線基板1660に実装された後、手持ち部1620は、不要であるから、切り落とすことが望ましい。
【0070】
図17は、台座用固定具の第3の実施例を示した図である。
図17aに示す通り、固定具1700は、弾性部1705、足部1710及び切り起こし部1720を少なくとも有する。
図17bで示される通り、足部1710の長さは、台座1755及び配線基板1760の厚さを受け入れ可能な長さである必要がある。固定具1700は、矢印1765が示す方向で台座1755及び配線基板1760に適用される。これにより、切り起こし部1720が配線基板1760の半田面で固定される。この時、固定具1700の弾性部1705は、
図17bの上方向に働く弾性力を有する。また、切り起こし部1720は半田面で半田されてもよい。
【0071】
本明細書で参照した文献などは、これら文献などを本明細書に組み入れることが許されている国においては、これら文献を参照により本明細書に組み入れいるものとする。
【0072】
以上に説明してきた各実施例に関し、各実施例の一部又は全部を組み合わせて一つの実施例として実現されてもよい。
【0073】
以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。