(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ケーブルの直径は65mm以下で、前記ケーブルの巻き直径は850mm以下であり、前記ケーブルの長さは前記昇降機構の昇降ストロークに対して1.25〜2倍に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル処理装置。
前記ケーブルの直径は65mm以下で、前記ケーブルの巻き直径は850mm以下であり、前記ケーブルの長さは前記昇降機構の昇降ストロークに対して1.25〜2倍に設定され、
前記紐状部材は3本であり、
前記リングの内径は300mm〜800mm、前記紐状部材に対する前記リングの取り付けピッチは500mm〜850mm、前記紐状部材に対する前記ケーブルの取り付けピッチは500mm〜850mm、前記ケーブルの取り付けピッチ間の前記ケーブルの長さは650mm〜1250mmであることを特徴とする請求項1、4、5のいずれか1項に記載のケーブル処理装置。
前記ケーブルは、前記各ケーブル収納部内での巻方向が互いに逆方向であり、且つ、前記ケーブルが前記各ケーブル収納部、又は前記各ケーブル収納部内に収納される部分から離間する位置は、前記各ケーブル収納部の中心に対して略180°異なる位相となることを特徴とする請求項9に記載のケーブル処理装置。
前記ケーブルは、前記各ケーブル収納部内での巻方向が互いに同方向であり、且つ、前記ケーブルが前記各ケーブル収納部、又は前記各ケーブル収納部内に収納される部分から離間する位置は、前記各ケーブル収納部の中心に対して略同一位相位置となることを特徴とする請求項9に記載のケーブル処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ロボット載置台(ロボットキャリー)上に産業用ロボットを配置する場合、産業用ロボットに接続される信号線や動力線といった多種のケーブルの収納について考慮する必要がある。即ち、ケーブルを収納する部位や、昇降時におけるケーブルの挙動等によって、ロボットキャリーに揺れや傾き等が発生して、高精度な位置決めや多種多様な継手の溶接に対応することができない場合がある。
特許文献1は、テレスコピックガイドを用いて産業用ロボットの揺れを防止しているが、テレスコピックガイド収納スペースが必要となるため、ロボットキャリー上昇限界位置が低く制限され、背の高い枠組み構造物を乗り越えることができないという課題があった。
また、昇降機構に、テレスコピックガイドを用いる分、産業用ロボットを昇降させるための重量が重くなり、昇降機構のモータが大型化するなど、コスト増となる。
【0007】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、昇降機構が簡易な構成であっても、ケーブルの挙動による機械装置の揺れや傾きを防止して、大型構造物に対して高精度で位置決め可能なケーブル処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 昇降機構によって上部支持部材に対して昇降する機械装置に接続されるケーブルを収納及び規制する少なくとも2つのケーブル処理部を備えるケーブル処理装置であって、
前記ケーブル処理部は、上面視で前記昇降機構の中心に対して対称に配置され、前記機械装置の昇降に応じて伸縮自在な伸縮部と、前記伸縮部が収縮した時、前記ケーブルを巻かれた状態で収納するケーブル収納部と、を有し、
前記伸縮部は、上端部が上部支持部材側に接続されると共に、下端部が前記ケーブル収納部に接続され、
前記ケーブルは、前記伸縮部の周囲に螺旋状に配置されていることを特徴とするケーブル処理装置。
(2)前記ケーブルは、前記伸縮部の周囲に複数箇所で締結されていることを特徴とする(1)に記載のケーブル処理装置。
(3) 前記ケーブルの直径は65mm以下で、前記ケーブルの巻き直径は850mm以下であり、前記ケーブルの長さは前記昇降機構の昇降ストロークに対して1.25〜2倍に設定されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のケーブル処理装置。
(4) 前記伸縮部は、少なくとも3本の紐状部材と、前記紐状部材に固定された複数のリングとで構成され、
前記紐状部材は、前記ケーブル収納部に、その中心から等距離に接続され、
前記複数のリングは、前記紐状部材の長手方向に対して間隔をあけて前記紐状部材に固定されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のケーブル処理装置。
(5) 前記ケーブルは、前記複数のリングの各中間部で、前記紐状部材のいずれかに締結されていることを特徴とする(3)に記載のケーブル処理装置。
(6) 前記ケーブル処理部は、前記各ケーブル収納部の中心に配置された錐体状のリング保持部材を備え、
前記リング保持部材の最大直径は、前記リングの内径よりも小さく、
前記伸縮部が収縮したとき、複数の前記リングが前記リング保持部材に嵌まることを特徴とする(4)又は(5)に記載のケーブル処理装置。
(7) 前記ケーブルの直径は65mm以下で、前記ケーブルの巻き直径は850mm以下であり、前記ケーブルの長さは前記昇降機構の昇降ストロークに対して1.25〜2倍に設定され、
前記紐状部材は3本であり、
前記リングの内径は300mm〜800mm、前記紐状部材に対する前記リングの取り付けピッチは500mm〜850mm、前記紐状部材に対する前記ケーブルの取り付けピッチは500mm〜850mm、前記ケーブルの取り付けピッチ間の前記ケーブルの長さは650mm〜1250mmであることを特徴とする(4)〜(6)のいずれかに記載のケーブル処理装置。
(8) 前記各ケーブル処理部の少なくとも3本の前記紐状部材は、前記ケーブル収納部の中心に対して等角度間隔に配置されており、
前記各ケーブルは、前記各ケーブル収納部内での巻方向が互いに逆方向であり、
前記伸縮部が伸張した状態において、同じ高さで前記各ケーブルと前記紐状部材が締結される各位置は、前記昇降機構の中心に対して線対称となることを特徴とする(4)〜(7)のいずれかに記載のケーブル処理装置。
(9) 前記各ケーブル処理部の少なくとも3本の前記紐状部材は、前記ケーブル収納部の中心に対して等角度間隔に配置されており、
前記各ケーブルは、前記各ケーブル収納部内での巻方向が互いに同方向であり、
前記伸縮部が伸張した状態において、同じ高さで前記各ケーブルと前記紐状部材が締結される各位置は、前記昇降機構の中心に対して点対称となることを特徴とする(4)〜(7)のいずれかに記載のケーブル処理装置。
(10) 前記ケーブルは、前記ケーブル収納部に収納されるとき、前記ケーブルの剛性により前記各ケーブル収納部に作用する前記昇降機構の中心周りの回転トルクが、互いに相殺するように配設されることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のケーブル処理装置。
(11) 前記ケーブルは、前記各ケーブル収納部内での巻方向が互いに逆方向であり、且つ、前記ケーブルが前記各ケーブル収納部、又は前記各ケーブル収納部内に収納される部分から離間する位置は、前記各ケーブル収納部の中心に対して略180°異なる位相となることを特徴とする(10)に記載のケーブル処理装置。
(12) 前記ケーブルは、前記各ケーブル収納部内での巻方向が互いに同方向であり、且つ、前記ケーブルが前記各ケーブル収納部、又は前記各ケーブル収納部内に収納される部分から離間する位置は、前記各ケーブル収納部の中心に対して略同一位相位置となることを特徴とする(10)に記載のケーブル処理装置。
(13) 前記ケーブルは、複数の動力線を有する動力ケーブルと複数の信号線を有する信号ケーブルとに分けられて前記各ケーブル収納部に収納されることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載のケーブル処理装置。
(14) 前記昇降機構は、前記機械装置を吊り上げるための吊り上げ装置に下端部が接続されるワイヤを有するクレーンであり、
前記各ケーブル収納部は、前記吊り上げ装置に固定されることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載のケーブル処理装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明のケーブル処理装置によれば、昇降機構が簡易な構成であっても、ケーブルの挙動による機械装置の揺れや傾きを防止して、大型構造物に対して高精度で位置決めすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係るケーブル処理装置について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明においては、機械装置として溶接ロボットを例にとり、大型枠組構造物Wの継手を溶接する場合について説明する。本溶接装置にて溶接される大型枠組構造物Wについては、
図10で説明したものと同様とし、説明を省略する。また、
図1、
図2では、ケーブル38、39は、図示省略されている。また、以下の説明では、大型枠組構造物Wの複数列のロンジ2が並ぶ方向を左右方向、ロンジ2の長手方向に沿った方向を前後方向と称し、また、各図において、X方向は左右方向、Y方向は前後方向、Z方向は上下方向を指すものとする。
【0012】
図1に示すように、溶接装置10では、大型枠組構造物Wの所定の方向(左右方向)の両側に一対の脚部フレーム12が設けられ、各脚部フレーム12の上部には、一対の水平レール13がそれぞれ配置されている。従って、一対の水平レール13は、大型枠組構造物Wの上方で、且つ、大型枠組構造物Wの左右方向の両側に設置される。一対の水平レール13には、不図示のモータで駆動される車輪15aを備え、クレーンガーダ14の両端に取り付けられたクレーンサドル15が走行自在に配設されている。これにより、クレーンガーダ14は、水平レール13の長手方向(紙面と直交方向)に沿って水平移動可能である。
なお、水平レール13は、大型枠組構造物Wの片側に配置され、クレーンガーダ14が片側支持の構造であってもよい。
【0013】
クレーンガーダ14には、
図1において車輪17aを有するホイスト型クレーン20の台車17が、モータ18で駆動されてクレーンガーダ14に沿って水平方向(
図1において左右方向)に移動可能である。
【0014】
図2も参照して、台車17の下部には、ケーブル処理部支持フレーム16a,16bが設けられており、また、台車17の略中央下面には、昇降機構であるホイスト型クレーン20のホイスト20bが取り付けられている。
【0015】
ホイスト型クレーン20は、昇降用モータ20aでホイスト20b内の不図示のドラムを回転させることにより、該ドラムに巻き付けられているワイヤ23を巻取り及び繰出して、ワイヤ23の下端部に連結されている吊り上げ装置25を昇降移動させる。
【0016】
吊り上げ装置25は、ワイヤ23の下端部が連結された上部吊り具26と、上部吊り具26に4本のチェーン27で連結された下部吊り具28と、を備える。
【0017】
図2及び
図3に示すように、下部吊り具28の下部には、ロボットキャリー40が回転機構30を介して連結されており、該ロボットキャリー40上には、溶接ロボット70が設置されている。ロボットキャリー40は、溶接ロボット70が載置されるロボット載置部41と、ロボット載置部41と下部吊り具28とを連結するステー60と、を備える。
【0018】
図4に示すように、ロボット載置部41の下面には、360°回動可能なボール43を備える4個のボールキャスタ42が配設されている。ロボット載置部41は、ボールキャスタ42により大型枠組構造物Wの平板状のパネル1上で任意の方向に移動可能である。
【0019】
ロボット載置部41は、隣接するロンジ2及びトランス3に対して、左右方向及び前後方向の位置決めを行う左右位置決め機構44及び前後位置決め機構45を有する位置決め装置46を備える。
【0020】
左右位置決め機構44は、ロボット載置部41の側部に設けられた一対の揺動支点41aを支点として回動可能な一対のリンク部材47と、一対のリンク部材47の一端にピンを介して回動可能に連結されると共に、その両端に一対のローラ49が配設されたアーム48と、リンク部材47の他端にピンを介して回動可能に連結された駆動リンク50と、を備える。さらに、各駆動リンク50は、シリンダ51により図中、前後方向に水平移動可能な駆動ロッド52に、連結リンク53を介して連結されている。即ち、左右位置決め機構44は、シリンダ51によって駆動される4節リンク機構を構成している。
【0021】
シリンダ51は、常時、駆動ロッド52を延伸した状態にあり、リンク部材47及びアーム48は、ロボット載置部41の左右側面の内側に畳まれた状態で収納されている。そして、シリンダ51が作動して駆動ロッド52がシリンダ51内に引き込まれる方向に動くと、連結リンク53が連結する駆動リンク50も同方向に移動し、図中破線で示すように、リンク部材47が回動して、アーム48がロボット載置部41から両側方に展開する。
【0022】
このように、ロボット載置部41の左右両側に一対のアーム48を備える左右位置決め機構44は、一対のアーム48を等圧等ストロークで伸縮して、アーム48の一対のローラ49を左右のロンジ2に当接することで、ボールキャスタ42で支持されているロボット載置部41を、平板状のパネル1上で抵抗なく移動させ、左右のロンジ2の中央位置にロボット載置部41を位置決めする。
【0023】
また、前後位置決め機構45は、ロボット載置部41の上面側(
図4では紙面裏側)に配置され、前後方向に伸縮するシリンダロッド55を有する不図示のシリンダと、シリンダロッド55の先端に固定された押圧部56と、を備える。
【0024】
そして、シリンダのシリンダロッド55を、所定の長さだけ前方に伸ばして押圧部56によりトランス3に当接することで、ロボット載置部41がトランス3から所定の距離離間した所定の位置に位置決めされる。
【0025】
さらに、ロボット載置部41の下面には、不図示のシリンダにより上下方向に移動可能な4個の電磁石57が配設されている。ロボット載置部41は、上記したように左右位置決め機構44が左右方向の位置決めを行い、前後位置決め機構45が前後方向の位置決めを行った後、不図示のシリンダを作動させて電磁石57を下降させ、電磁石57の磁力でパネル1に吸着させてロボット載置部41をパネル1に固定する。なお、パネル1に吸着する電磁石57の部材にアース線を接続すれば、確実にアースすることができ、好適である。
なお、位置決め装置46は、上記した機械式(接触式)位置決め装置に限定されず、例えば、レーザセンサや視覚センサなどの非接触式位置決め装置であってもよい。
【0026】
ステー60には、
図2及び
図3に示すように、動力ケーブル38及び信号ケーブル39をケーブル収納部32から溶接ロボット70の各作動部に案内するケーブルダクト61が固定されている。また、ステー60の側面には、ロボットキャリー40及び溶接ロボット70を制御する制御装置が収納された制御箱63が配設されている。
【0027】
溶接ロボット70は、ロボット載置部41上で前後方向に移動自在に配設された多関節ロボットであり、アーム先端に溶接トーチ71を備え、パネル1、ロンジ2、トランス3の溶接部を溶接する。溶接ロボット70は、公知の多関節ロボットであり、詳細な説明を省略する。
【0028】
また、ケーブル処理部支持フレーム16a,16aと、溶接ロボット70をロボットキャリー40を介して支持する吊り上げ装置25との間には、2つのケーブル処理部22を備えるケーブル処理装置80が設けられている。具体的に、2つのケーブル処理部22は、ケーブル処理部支持フレーム16a,16aと、下部吊り具28に取り付けられた収納部支持台29との間にそれぞれ配設されている。2つのケーブル処理部22は、上面視でクレーン20のワイヤ23の中心Oに対して対称に配置されている。
【0029】
各ケーブル処理部22は、
図3及び
図5に示すように、伸縮部31と、ケーブル収納部32と、を有する。ケーブル収納部32は、パイプ材が略円形の底板に組み付けられて形成されたかご状部材であり、収納部支持台29上に固定されている。ケーブル収納部32は、後述するケーブル38,39を略円形に巻いた状態で収納可能である(
図6参照)。
【0030】
図7も参照して、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、ロボットキャリー40、溶接ロボット70を駆動及び制御するための複数の動力線及び信号線を、動力線及び信号線ごとに2つのグループに分け、ロープ58などにより束ねられ、各ケーブル処理部22に分離して収納される。これにより、動力線から発生する電気ノイズが、信号線に影響を及ぼすことが防止できる。また、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、それぞれのケーブル処理部22のケーブル収納部32を経由してロボットキャリー40の制御箱63、及び溶接ロボット70に接続している。
【0031】
動力ケーブル38は、例えば、溶接パワーケーブル、溶接アースケーブル、ガス供給ホース、エアホース、モータケーブルなど、複数の動力線が直径略65mm以下の太さで束ねられている。
【0032】
また、信号ケーブル39は、例えば、信号ケーブル、ワイヤ送給装置制御ケーブル、安全系信号ケーブル、溶接電圧検出ケーブルなど、複数の信号線が直径略65mm以下の太さに束ねられている。
【0033】
伸縮部31は、紐状部材である少なくとも3本のチェーン33と、略等間隔で3本のチェーン33に固定された複数のリング34と、を備える。なお、本実施形態の図示の例では、3本のチェーンが用いられ、11本のリング34が3本のチェーン33に固定されている。
【0034】
3本のチェーン33の上端部は、ケーブル処理部支持フレーム16aに取り付けられた上部支持板21に接続されている。また、3本のチェーン33の下端部は、ケーブル収納部32に、その中心から等距離の位置で、且つ、リング34の円周方向において等間隔で連結されている。ケーブル収納部32は、ホイスト型クレーン20によるワイヤ23の巻取り及び繰出しに応じて上下移動し、これに伴って、伸縮部31が伸縮する。
【0035】
また、
図8に示すように、3本のチェーン33は、ケーブル収納部32の中心C1またはC2に対して等角度間隔に配置されている。即ち、3本のチェーン33は、ワイヤ23の中心Oを通る線X1に対して対称に配置されている。
【0036】
図3及び
図6に示すように、各ケーブル収納部32の中央には、円すい状のリング保持部材35が固定されている。リング保持部材35の根元部の最大直径は、リング34の内径よりも小さく設定されている。
【0037】
図3、
図5及び
図7を参照して、3本のチェーン33の外周側には、動力ケーブル38及び信号ケーブル39が螺旋状に配置され、3本のチェーン33の複数個所にチェーン止め金具37を介して締結されている。動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、複数のリング34の各中間部で、3本のチェーン33のいずれかとそれぞれチェーン止め金具37及びロープ58を介して締結されている。即ち、リング34の取り付けピッチP1とすると、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、P1/2の位置で、チェーン33に取り付けられており、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の取り付けピッチP2は、リング34の取り付けピッチP1と等しくなる。なお、
図5中、黒丸J1は、各ケーブル38、39が、3本のうち、いずれか1本のチェーン33と締結されている位置を示し、黒丸J2は、各ケーブル38、39が、残りの2本のうち、いずれかの他のチェーン33と締結されている位置を示し、黒丸J3は、各ケーブル38、39が、残り1本のチェーン33と締結されている位置を示す。即ち、螺旋状に巻かれるケーブル38、39は、1つのリング34を越える毎に、巻方向に位置するチェーン33に対して締結されている。
【0038】
したがって、ケーブル処理部22では、ホイスト型クレーン20がワイヤ23を巻き取ると、3本のチェーン33が弛み、リング保持部材35が複数のリング34を嵌めながらケーブル収納部32を上昇させる。リング保持部材35が、複数のリング34を嵌めて拘束することで3本のチェーン33が絡まるのを防止できる。
【0039】
なお、このような動力ケーブル38及び信号ケーブル39の挙動を許容するため、各ケーブル38、39の長さは、昇降ストロークに対して1.25〜2倍に設定されるのが好ましい。また、ケーブル収納部32の大きさを考慮して、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の巻き直径D1は、850mm以下に設定されるのが好ましい。
【0040】
また、リング34のリング径D2は、300mm〜800mmとすることが好ましい。リング径D2が300mm未満であると、リング34がリング保持部材35に入らない可能性が生じる。一方、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の巻き直径D1に応じて、リング径D2の上限は、800mm以下としている。
【0041】
また、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、巻き数が少ないほど全体のケーブル長を短くできるので、このため、1周当たりの取り付けピッチを約1.5m〜約2.5mに設定する。このため、リング34の3本のチェーン33への取り付けピッチP1は500mm〜850mm、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の3本のチェーン33への取り付けピッチP2は500mm〜850mmに設定されることが好ましい。
さらに、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の取り付けピッチ間の動力ケーブル38及び信号ケーブル39の長さは650mm〜1250mmに設定されることが好ましい。
【0042】
また、
図6に示すように、上部支持板21には、リング保持部材35に対向する位置に、下面に開口するコーン受け部36が設けられている。リング保持部材35は、先端側(上端側)から順に、赤色、青色、黄色の塗装が施されており、ケーブル収納部32と共にリング保持部材35が上昇すると、コーン受け部36が赤色、青色の順で嵌合する。従って、ホイスト型クレーン20を遠方から操作する場合でも、コーン受け部36によりリング保持部材35の赤色の部分が遮蔽されて見えなくなったとき、ワイヤ23の巻き上げ終端に近いことを容易に確認することができ、誤操作を防止することができる。
なお、
図3に示すリング保持部材35において、ドットパターンの領域が赤色の部分を表しており、網掛けパターンの領域が青色の部分を表しており、残りの部分が黄色の部分を表している。
【0043】
また、リング保持部材35にコーン受け部36が嵌合することで、収納部支持台29、即ち、ケーブル収納部32が正規の位相からずれていてもケーブル収納部32と上部支持板21との相対位置が修正され、ケーブル処理部22及び溶接ロボット70の向きが規制される。
【0044】
また、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、複数の動力線及び信号線が束ねられているため比較的大きな剛性を有する。このため、動力ケーブル38及び信号ケーブル39が螺旋状に展開する際(ケーブル収納部32の下降時)、あるいは螺旋状から円形に重ね巻かれる際(ケーブル収納部32の上昇時)、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の剛性による力が、それぞれのケーブル収納部32に作用する。
【0045】
具体的には、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の剛性により、湾曲した各ケーブル38、39が直線状に伸びようとする力が、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の立ち上がり位置において略接線方向にケーブル収納部32に直接あるいは、収納されている動力ケーブル38及び信号ケーブル39の部分を介してケーブル収納部32に作用する。この力は、ケーブル収納部32(ロボットキャリー40も含む)を回転させる回転トルクとして働き、ケーブル収納部32をワイヤ23を中心として回転させようとする。
【0046】
ここで、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の立ち上がり位置とは、ケーブル収納部32が下降又は上昇する際、該ケーブル38、39が各ケーブル収納部32、又は各ケーブル収納部32内に収納される部分から離間する位置のことである。
【0047】
ケーブル収納部32は、ワイヤ23の中心Oに対して対称位置に配置されているので、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の巻方向、及びケーブル収納部32に巻回して収納されている動力ケーブル38及び信号ケーブル39の立ち上がり位置を適正に設定することで回転トルクを相殺することが可能となる。
【0048】
具体的には、
図8に示すように、各ケーブル収納部32内での動力ケーブル38及び信号ケーブル39の巻方向を互いに逆方向にすると共に、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の立ち上がり位置S1,S2を、各ケーブル収納部32の中心C1,C2に対して略180°異なる位相に設定する。
【0049】
つまり、本実施形態では、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、各ケーブル収納部32内での巻方向が互いに逆方向であり、伸縮部31が伸張した状態において、同じ高さで各ケーブル38、39とチェーン33が締結される各位置J1〜J3は、ワイヤ23の中心Oを通る線X1に対して線対称となる。
【0050】
これにより、ワイヤ23の中心Oから各ケーブル収納部32に作用する剛性による力の作用点(立ち上がり位置S1,S2)までの距離L1,L2が等しくなり、且つ剛性による力F1,F2の大きさも略等しいので、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の剛性により各ケーブル収納部32に作用するそれぞれの回転トルクT1,T2が互いに相殺する方向に作用して、ケーブル収納部32の回転が抑制される。
【0051】
なお、上記の説明では、理解を容易にするため、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の立ち上がり位置S1,S2を、各ケーブル収納部32の中心C1,C2を結ぶ線上に設定して説明したが、立ち上がり位置S1,S2がそれ以外の位置の場合も、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の立ち上が位置における接線方向の力の分力(ケーブル収納部32の中心C1,C2を結ぶ線に直角方向の分力)を考慮することで、同様に回転トルクT1,T2が相殺される。
【0052】
なお、
図9に示すように、各ケーブル収納部32内での動力ケーブル38及び信号ケーブル39の巻方向を互いに同じ方向にする場合には、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の立ち上がり位置S1,S2を、各ケーブル収納部32の中心C1,C2に対して同位相に設定することで、各ケーブル収納部32に作用するそれぞれの回転トルクT1,T2が相殺される方向に作用する。即ち、この場合、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、各ケーブル収納部32内での巻方向が互いに同方向であり、伸縮部31が伸張した状態において、同じ高さで各ケーブル38、39とチェーン33が締結される各位置J1〜J3は、ワイヤ23の中心Oに対して点対称となる。ただし、この場合には、ワイヤ23の中心Oから立ち上がり位置S1,S2までの距離L1,L2が異なるため、回転トルクT1,T2が相殺された後にも回転トルクT2の一部が残る。
【0053】
上記した動力ケーブル38及び信号ケーブル39の剛性による力F1,F2は、ケーブル収納部32に収納される際の動力ケーブル38及び信号ケーブル39の巻き直径D1、リング34のリング径D2、リング34の3本のチェーン33への取り付けピッチP1、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の3本のチェーン33への取り付けピッチP2、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の取り付けピッチ間の動力ケーブル38及び信号ケーブル39の長さ、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の直径、などに影響されるので、それぞれ所定の範囲内に設定するのが好ましい。
【0054】
なお、ホイスト型クレーン20を操作してワイヤ23を巻き取るとき、換言すれば、ケーブル収納部32を上昇させて動力ケーブル38及び信号ケーブル39を各ケーブル収納部32に収納するときにも、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の剛性による力F1,F2がケーブル収納部32に作用し、回転トルクT1,T2が発生する。
【0055】
この場合、剛性による力F1,F2、及び回転トルクT1,T2は、上記した説明と逆方向になるが、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の巻方向及び立ち上がり位置S1,S2を同様に設定することで相殺することができ、ケーブル収納部32の回転を抑制することができる。
【0056】
このような溶接装置10では、まず、
図1に示すように、パネル1にロンジ2及びトランス3が仮組みされた大型枠組構造物Wを定盤6上に配置する。そして、ホイスト型クレーン20のワイヤ23が巻き取られ、伸縮部31(3本のチェーン33)が収縮してケーブル収納部32が上昇した状態で、クレーンガーダ14を水平レール13に沿って紙面と直交方向に水平移動させると共に、台車17をクレーンガーダ14に沿って左右方向に水平移動させて、ロボットキャリー40及び溶接ロボット70を、溶接を予定するロンジ2とトランス3とで囲まれた升目の領域4の上方に位置させる。
【0057】
次いで、
図5に示すように、ホイスト型クレーン20を操作してワイヤ23を繰り出し、吊り上げ装置25に固定されているケーブル収納部32、ロボットキャリー40(溶接ロボット70)を下降させる。このとき、
図6に示すように、複数のリング34がリング保持部材35に嵌められた状態でケーブル収納部32内に収納されていた3本のチェーン33は、ケーブル収納部32の下降に伴って伸張する。また、同時にケーブル収納部32内に略円形に丸められて収納されていた動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、3本のチェーン33の外周側で螺旋状に展開する。
【0058】
ロボットキャリー40(溶接ロボット70)を、ロンジ2及びトランス3が仮組みされた領域4内に下降させた後、
図4に示すように、常時延伸状態にある左右位置決め機構44のシリンダ51を作動させて一対のアーム48をロボット載置部41から側方に等圧等ストロークで展開し、アーム48の一対のローラ49を左右のロンジ2に当接してロボット載置部41を左右のロンジ2の中央位置に位置決めする。
【0059】
次いで、前後位置決め機構45のシリンダを作動させて押圧部56でトランス3を押圧し、ロボット載置部41をトランス3から所定の距離離間した位置に位置決めする。さらに、不図示のシリンダにより電磁石57を下降させて電磁石57の磁力でパネル1に吸着させてロボット載置部41をパネル1に固定する。
【0060】
そして、溶接ロボット70によりロンジ2及びトランス3が仮組みされた領域4内の溶接継手を溶接する。
【0061】
以上説明したように、本実施形態のケーブル処理装置80によれば、クレーン20のワイヤ23の中心Oに対して対称に配置された2つのケーブル処理部22は、溶接ロボット70の昇降に応じて伸縮自在な伸縮部31と、伸縮部31が収縮した時、溶接ロボット70に接続される動力ケーブル38及び信号ケーブル39を巻かれた状態で収納するケーブル収納部32と、を有する。伸縮部31は、上端部が上部支持部材側で、下端部がケーブル収納部32にそれぞれ接続され、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、伸縮部31の周囲に螺旋状に配置される。これにより、2つのケーブル処理部22がワイヤ23の中心Oに対してバランスよく配置されているので、各ケーブル38、39の挙動による溶接ロボット70の揺れや傾きを防止でき、大型枠組構造物Wに対して高精度で位置決めすることができる。また、クレーン20によりケーブル収納部32が昇降する際に、動力ケーブル38及び信号ケーブル39はケーブル収納部32にスムーズに収納又は展開されるので、各ケーブル38、39の挙動による溶接ロボット70の揺れや傾きをさらに防止できる。
【0062】
また、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、伸縮部31の周囲に複数箇所で締結されているので、伸縮部31が伸縮しても、動力ケーブル38及び信号ケーブル39が絡まるのを抑制することができる。
【0063】
また、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の直径は65mm以下で、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の巻き直径D1は850mm以下であり、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の長さはクレーン20の昇降ストロークに対して1.25〜2倍に設定されるので、ケーブル長が短い動力ケーブル38及び信号ケーブル39によって、ケーブル収納部32内への巻取りや、螺旋状の展開を確実に行うことができる。
【0064】
また、伸縮部31は、3本のチェーン33と、間隔をあけて3本のチェーン33に固定された複数のリング34と、を有し、3本のチェーン33は、ケーブル収納部32に、その中心から等距離に接続されるので、ケーブル収納部32が水平に保持される。また、3本のチェーン33は、複数のリング34で拘束されるので、伸縮部31の伸縮により3本のチェーン33が絡まるのを抑制することができる。特に、3本のチェーン33が複数のリング34で拘束されることで、各ケーブル38、39の剛性による力でチェーン33が移動するのも抑制できるので、チェーン33が絡まるのを抑制できる。
【0065】
また、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、複数のリング34の各中間部でチェーン33のいずれかに締結されているので、伸縮部31が伸びるとき、動力ケーブル38及び信号ケーブル39が確実に螺旋状に展開し、且つ伸縮部31が収縮するとき略円形に整列させてケーブル収納部32に収納できる。
【0066】
また、ケーブル処理部22は、リング34の内径よりも小さい最大直径を有する錐体状のリング保持部材35がケーブル収納部32の中心に配置され、伸縮部31が収縮したとき、複数のリング34がリング保持部材35に嵌まるので、3本のチェーン33を整理してケーブル収納部32に収納できる。また、これにより、3本のチェーン33、動力ケーブル38及び信号ケーブル39が整列してケーブル収納部32に収納される。
【0067】
また、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の直径は65mm以下、且つ巻き直径D1は850mm以下であり、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の長さはクレーン20の昇降ストロークに対して1.25〜2倍に設定される。さらにリング34の内径D2は300mm〜800mm、3本のチェーン33に対するリング34の取り付けピッチP1は500mm〜850mm、チェーン33に対する動力ケーブル38及び信号ケーブル39の取り付けピッチP2は500mm〜850mm、ケーブル38,39の取り付けピッチP2間の動力ケーブル38及び信号ケーブル39の長さは650mm〜1250mmであるので、短いケーブル長の動力ケーブル38及び信号ケーブル39によって、ケーブル収納部32内への巻取りや、螺旋状の展開を確実に行うことができる。
【0068】
また、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、ケーブル収納部32に収納されるとき、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の剛性によりケーブル収納部32に作用する、ワイヤ23の中心Oに対する回転トルクが、互いに相殺するように配設されるので、ケーブル収納部32の昇降に伴って発生するロボットキャリー40や溶接ロボット70の回動が抑制されて、溶接ロボット70を精度よく位置決めできる。
【0069】
また、
図8に示すように、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、各ケーブル収納部32内での巻方向が互いに逆方向であり、且つその立ち上がり位置S1,S2が各ケーブル収納部32の中心C1,C2に対して略180°異なる位相に設定される場合、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の剛性によりケーブル収納部32に作用する回転トルクT1,T2が互いに相殺されて溶接ロボット70の回動が抑制され、溶接ロボット70を精度よく位置決めできる。
【0070】
特に、
図8に示す場合には、各ケーブル処理部22の3本のチェーン33は、ケーブル収納部32の中心C1またはC2に対して等角度間隔に配置されており、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、各ケーブル収納部32内での巻方向が互いに逆方向であり、伸縮部31が伸張した状態において、同じ高さで各ケーブル38、39とチェーンが締結される各位置J1〜J3は、ワイヤ23の中心Oを通る線X1に対して線対称となることで、2つの回転トルクT1,T2が互いに相殺されるように構成される。
【0071】
また、
図9に示すように、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、各ケーブル収納部32内での巻方向が互いに同方向であり、且つその立ち上がり位置S1,S2が各ケーブル収納部32の中心C1,C2に対して略同一位相位置に設定される場合も、動力ケーブル38及び信号ケーブル39の剛性によりケーブル収納部32に作用する回転トルクT1,T2が互いに相殺されて溶接ロボット70の回動が抑制され、溶接ロボット70を精度よく位置決めできる。
【0072】
特に、
図9に示す場合には、各ケーブル処理部22の3本のチェーン33は、ケーブル収納部32の中心C1またはC2に対して等角度間隔に配置されており、動力ケーブル38及び信号ケーブル39は、各ケーブル収納部32内での巻方向が互いに同方向であり、伸縮部31が伸張した状態において、同じ高さで各ケーブル38、39とチェーン33が締結される各位置J1〜J3は、ワイヤ23の中心Oに対して点対称となることで、2つの回転トルクT1,T2が互いに相殺されるように構成される。
【0073】
また、複数の動力線を有する動力ケーブル38と複数の信号線を有する信号ケーブル39とは、分けられて各ケーブル収納部32にそれぞれ収納されるので、動力ケーブル38から発生する電気ノイズが信号ケーブル39に影響を及ぼす虞がない。
【0074】
また、昇降機構は、溶接ロボット70を吊り上げるための吊り上げ装置25に下端部が接続されるワイヤ23を有するクレーン20であり、各ケーブル収納部32は、吊り上げ装置25に固定されるので、軽量な昇降機構で、溶接ロボット70を昇降させることができる。
【0075】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本発明の機械装置は、上記実施形態のような溶接装置に限定されるものでなく、昇降機構によって昇降可能な任意の機械装置に適用することができる。
また、本発明のケーブル処理部は、上記実施形態のように2つに限定されるものでなく、クレーンのワイヤの中心に対して対称に配置される構成であれば、3つ以上であってもよい。
また、本発明の伸縮部の構成は、上記実施形態のようなチェーンとリングによって構成されるものに限定されず、機械装置の昇降に応じて伸縮自在なものであればよい。
また、本発明の昇降機構の構成は、上記実施形態のようなクレーンに限定されず、例えば、ウィンチなどであってもよい。また、昇降機構のモータは、本実施形態の様に、ワイヤに対して上部支持部材側に配置されてもよいし、ワイヤに対して機械装置側に配置されてもよい。
さらに、伸縮部の上端部は、上記実施形態では、クレーン20の台車17に設けられるケーブル処理部支持フレーム16a,16bに取り付けられた上部支持板21に接続されているが、これに限らず、上部支持部材側の部材、つまり、クレーン20の台車17に取り付けられる部材、又は台車17と連動する部材に接続されればよい。即ち、本発明の上部支持部材は、昇降機構に対して上方に位置する部材、例えば、クレーンガーダ14や、昇降機構の上部に位置する部材、例えば、ワイヤの上端部が支持されるホイスト20cやクレーン20の台車17であればよい。