【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、データ処理システムと、識別玩具要素に関連付けられた情報を含むか又は含むように構成された該識別要素とを備えるゲームシステムであって、前記データ処理システムは、
例えば、前記識別玩具要素が検出エリア内に配置されると、前記検出エリア内で前記識別要素の存在を検出し、
仮想環境内の仮想オブジェクトと前記検出された識別要素との間の関連付けを作成し、
前記識別要素が検出エリア内に再度配置されると、前記識別要素に関連付けられた前記情報にアクセスし、
前記アクセスされた情報に基づいて、前記関連付けられた仮想オブジェクトの表示を提示し、
前記仮想オブジェクトの前記表示を制御することを含むプレーパターン手順を実行する、
ように構成されている、ゲームシステムが本明細書に開示されている。
【0006】
したがって、例えば、新たなタイプの仮想オブジェクトが追加されたときに、既存の識別玩具要素を再利用することができるので、このゲームシステムを容易に維持することができる。
【0007】
前記識別要素は、識別玩具要素とすることができる。幾つかの実施の形態では、前記識別玩具要素は、ユーザーが玩具構築モデルを構築することを可能にするために、1つ又は複数の他の玩具構築要素を前記識別玩具要素に機械的に接続するように構成された1つ又は複数のコネクターを備える玩具構築要素である。したがって、ユーザーは、1つ又は複数の玩具構築要素を識別玩具要素に取り付けることによって識別玩具要素に接続された物理的玩具構築モデルの視覚的外観を変更することができる。その結果、ユーザーは、所与の物理オブジェクトがどの仮想オブジェクトに対応するのかをユーザーにより容易に認識可能にするように、玩具構築モデルの視覚的外観を適合させることができる。
【0008】
その上、所与の識別玩具要素は、容易に認識可能な特定の外観を有する必要はなく、ユーザーが容易にカスタマイズすることができる汎用の要素として提供することができる。これによって、識別玩具要素の製造コストが削減される。
【0009】
結果として得られるシステムの実施の形態は、このゲームシステムによって検出される物理オブジェクトをデザインする高い自由度をユーザーに提供することができるので、興味を起こさせるゲームプレーを更に提供する。
【0010】
多くのゲームシステム又は他のアプリケーションでは、リーダーによって、このリーダーの検出エリア内に存在するときに読み取ることができる情報を記憶した物理オブジェクトが用いられる。特に、RFIDタグが、便利な識別媒体及び記憶媒体として多くのアプリケーションに有用であることが分かっている。多くのアプリケーションでは、そのようなオブジェクトに含まれるメモリから情報を読み取ること及びこのオブジェクトのメモリに情報を書き込むことが望ましい。例えば、ゲームシステム、例えば、上記第1の態様によるゲームシステムに関して、所与のタグは、初期には、ゲーム内の第1の仮想オブジェクトを表すことができる。ゲームが進行するにつれて、このタグを異なる仮想オブジェクトに関連付ける情報、ゲーム内の進行に関する情報、及び/又は他のゲーム関連データ等のデータをこのタグに記憶することが望ましい場合がある。
【0011】
しかしながら、そのようなシステムは、ユーザーが情報をタグに不注意で上書きするか又はそれ以外にデータを誤ったタグに書き込む危険性を伴っている。この危険性は、ユーザーが子供若しくは不慣れなユーザーであるとき、又はシステムが、複数のタグ、例えば、ゲーム内の異なる仮想オブジェクトを表す複数のタグのハンドリングを必要とするときに特に顕著である。
【0012】
第2の態様によれば、データ処理システムと識別玩具要素等の識別要素とを備えるゲームシステムであって、前記識別要素は、該ゲームシステムに関する情報を記憶するメモリを備え、前記データ処理システムは、第1の検出エリアを画定する検出デバイスを備え、前記データ処理は、前記識別要素が前記第1の検出エリア内に配置されると、前記第1の検出エリア内の前記識別要素の存在を検出し、該識別要素の前記メモリに記憶された情報を受信するように構成され、前記第1の検出エリアは読み取り専用検出エリアとして動作可能であり、
前記検出デバイスは、前記第1の検出エリアと異なる第2の検出エリアを画定し、前記データ処理システムは、前記識別要素が前記第2の検出エリア内に配置されると、該識別要素の前記メモリにデータを記憶するように構成されている、ゲームシステムが本明細書に開示されている。
【0013】
その結果、検出デバイスの第1の検出エリア及び第2の検出エリアが互いに異なるとき、第1の検出エリアは、識別要素のメモリからデータを読み取ることのみに動作可能な読み取り専用検出エリアである一方、第2の検出エリアは、識別要素のメモリにデータを書き込むのに用いられるので、データを識別要素に不注意で書き込む危険性は低減される。例えば、ユーザーが、単に、所与の識別要素からデータを読み取ることしか意図していない場合、ユーザーは、データを識別要素に書き込む危険性を冒すことなく、識別要素を第1の検出エリアに配置することができる。ユーザーが、識別要素を、指定された書き込みエリアとみなすことができる第2の検出エリア内に位置決めしたときにのみ、データをその識別要素に書き込むことができる。
【0014】
以下では、上記で説明した態様の幾つかの実施の形態及び以下で説明する更なる態様が、より詳細に説明される。
【0015】
玩具構築要素は、1つ又は複数の異なるタイプの互いに相互接続可能な玩具構築要素を含む玩具構築システムの玩具構築要素とすることができる。玩具構築要素は、既存の玩具構築システムの要素とすることができる。したがって、ユーザーは、既存の玩具構築要素を再利用して、仮想環境内の仮想オブジェクトに対応する物理オブジェクトを構築することができる。それでも、ゲームシステムは、玩具構築要素を互いに及び/又は識別玩具要素と取り外し可能/解除可能に相互接続するように構成された1つ又は複数のコネクターをそれぞれ備える複数の玩具構築要素を備えることができる。例えば、玩具構築セットは、ユーザーが、ゲームシステムの1つ又は複数の仮想オブジェクトに類似している玩具構築モデルを構築することを可能にするために、十分な数、形状及びサイズの玩具構築要素を備えることができる。
【0016】
幾つかの実施の形態では、玩具構築要素のうちの1つ又は複数は、玩具構築要素の垂直の積重ねを可能にするために、上面と、底面と、上面及び底面のうちの少なくとも一方に配置されたコネクターとを有する。代替的に又は付加的に、玩具構築要素は、玩具構築要素の横/水平の相互接続を可能にするために、その側面のうちの1つ又は複数にコネクターを備えることができる。上記玩具構築要素は、上記上面と上記底面との間に規定される均一な高さ又は均一な高さの整数倍を有することができる。
【0017】
コネクターは、各構築要素と、この構築要素に対して離散的な数の所定の相対的な向きの別の構築要素との相互接続を可能にするように構成することができる。その結果、多種多様の可能な組み立て選択肢が利用可能であるとともに、組み立て要素の相互接続性が確保される。コネクターは、規則的な格子の格子点に位置決めすることができる。特に、玩具構築要素のコネクターは、一組の互いに相互接続される玩具構築要素のコネクターが3次元の規則的な格子の格子点に位置決めされるように配置することができる。玩具構築要素の寸法は、規則的な格子によって規定される単位長の整数倍として規定することができる。3次元格子は、単一の単位長、2つの単位長(例えば、一方の単位長は、2つの空間次元において適用可能であり、他方の単位長は、第3の空間次元において適用可能である)によって規定することができることが理解されるであろう。更に代替的に、3次元格子は、各空間次元につき1つの、3つの単位長を規定することができる。
【0018】
コネクターは、構築要素を他の構築要素と取り外し可能/解除可能に接続する任意の適したメカニズムを利用することができる。幾つかの実施の形態では、コネクターは、例えば、プラグアンドソケット形式又は雄雌形式で互いに嵌め込み係合するように構成された2つ以上のタイプのコネクターを含む。玩具構築要素の異なる表面は、それぞれのタイプのコネクターを備えることができる。幾つかの実施の形態では、コネクターは、1つ又は複数の突出部と、1つ又は複数のキャビティとを備え、各キャビティは、突出部のうちの少なくとも1つを摩擦係合で収容するように適合されている。
【0019】
玩具構築システムの実施の形態は、ユーザーが、均一で十分に構造化された方法で、かつ、限られた一組の異なるタイプの玩具構築要素を用いて、多種多様の玩具構築モデルを構築することを可能にする。幾つかの実施の形態では、ゲームシステムは、複数の玩具構築要素を備え、仮想オブジェクトは、複数の玩具構築要素から構築可能な玩具構築モデルに類似している。その結果、ユーザーは、構築モデルが関連付けられている仮想オブジェクトに当該構築モデルが類似するように、識別玩具要素を含む玩具構築モデルを構築することができる。ユーザーは、このため、物理的玩具構築モデルがどの仮想オブジェクトを表しているのかを容易に認識することができる。類似の程度は変化し得ることが理解されるであろう。例えば、データ処理システムによって提示される仮想オブジェクトの表示は、玩具構築要素から構築された構築モデルを描写することができる。幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトの表示は、玩具構築モデルの構築用にゲームシステムに含まれるのと同じ構築要素から構築された玩具構築モデルを描写することができ、任意選択で識別玩具要素の表示を有する場合と有しない場合とがある。他の実施の形態では、仮想モデルの表示は、所与のオブジェクトのより詳細な形状又はよりリアル感のある形状を提供するより多数の玩具構築要素から構築されたより大きなモデルを描写することができる。更に他の実施の形態では、この仮想表示は、個々の玩具構築要素を描写せずに、アニメーション化されたオブジェクトとして描写することができる。
【0020】
データ処理システム、特に、データ処理システムの検出デバイスは、検出エリア内で識別玩具要素の存在を検出する任意の適したメカニズムを用いることができる。この検出メカニズムは、識別玩具要素の電気的接続を必要とする場合もあるし、例えば、容量検出、誘導検出、カメラによる検出、無線周波数信号に基づく検出、光学的検出及び/又は別の検出技術及び/又は上記のもの若しくは他の技術の2つ以上の組み合わせに基づく非接触検出メカニズムである場合もある。検出エリアのサイズ及び/又は形状は、通常、用いられる検出技術と、検出技術を実施する検出デバイスとによって画定される。検出デバイスは、データ処理システムの一体部分とすることもできるし、データ処理システムに接続可能な別個のデバイス、例えば、コンピューター周辺機器とすることもできる。本説明において、検出デバイスの幾つかの実施の形態は、識別玩具要素に関連付けられた情報のアクセスも行うので、検出デバイスはリーダーとも呼ばれる。検出デバイスは、識別玩具要素を電気的に接続する電気コネクターを備えることができる。代替的に、検出デバイスは、識別玩具要素の非接触検出のためのアンテナ又は他のセンサーを備えることができる。第1の例では、検出エリアは、このため、電気コネクターによって画定することができる一方、第2の例における検出エリアは、アンテナ又は他の非接触センサーの受信範囲によって画定することができる。検出デバイスは、識別玩具要素を検出の目的で配置することができる検出面を画定することができる。幾つかの実施の形態では、検出デバイスは、識別玩具要素が、表面と接触して位置決めされたとき、及び/又は表面に非常に接近して位置決めされたとき、例えば、表面から5cm以内、2cm以内、1cm以内といった10cm以内に位置決めされたときにのみ、識別玩具要素を検出するように構成することができる。したがって、幾つかの実施の形態では、検出面は、接触面と呼ばれる場合がある。この表面、又はこの表面の一部は、このため、検出エリアを画定することができる。他の実施の形態では、検出エリアは、検出デバイスよりも大きくすることができ、及び/又は検出デバイスから遠隔とすることができる。例えば、幾つかの非接触検出技術は、検出デバイスから遠隔の検出エリア、例えば、検出デバイスから1mよりも遠く離れているといった、検出デバイスから10cmよりも遠く離れた検出エリア内の識別要素の検出を可能にする。この検出技術は、データ処理システムが、検出デバイスを介して、識別玩具要素に含まれる情報にアクセスすることを更に可能にすることができる。代替的に、情報アクセスは、別個の技術を用いることができる。この情報アクセス技術は、例えば、無線周波数データ通信、有線データ通信、光情報アクセス技術等を用いることができる。幾つかの実施の形態では、検出技術及び/又は情報アクセス技術は、データ処理システムが、例えば、識別玩具要素に含まれる情報を変更、置換及び/又は補足するために、情報を識別玩具要素に通信することを可能にする2方向技術である。幾つかの実施の形態では、検出及び情報アクセスは、近距離場通信(NFC(登録商標))又は無線周波数識別(RFID(登録商標))に基づく。
【0021】
幾つかの実施の形態では、検出デバイスは、検出メカニズムを実施するプロセッサ及び/又は他の回路機構と、識別玩具要素との通信インターフェースとを備える。このプロセッサ及び/又は他の回路機構は、データ処理システムとの通信インターフェースを更に実施することができる。ユーザーが、検出デバイスを一体部分として備える玩具構築モデル、例えば、仮想環境に関連付けられた風景、競技場、入口又は他の構造体に類似したモデルを構築することを可能にするために、検出デバイスは、玩具構築要素を検出デバイスに機械的に接続するコネクターを備えることができる。したがって、識別玩具要素を有する玩具構築モデルを検出デバイスの検出エリア内に配置することは、風景、競技場等の中に玩具構築モデルを配置することに類似している。幾つかの実施の形態では、検出デバイスは、例えば、スマートフォン(登録商標)等の処理デバイスのRFIDリーダーとして具現化することができる。
【0022】
データ処理システムは、ゲームイベントに少なくとも部分的に応答して、例えば、仮想オブジェクトの選択を示すユーザー入力等のユーザー入力に応答して、関連付けを作成するように構成することができる。ゲームイベントは、現在の仮想オブジェクトの進化形又は全く新しいタイプの仮想オブジェクト等の新たな仮想オブジェクトのロック解除(unlocking)を含むことができる。ゲームイベントは、ゲームが或る特定のステージに到達したこと、プレーヤーが或る特定の数のクレジット、ゲーム内通貨又は他のタイプの報償等を取得したこと、ユーザーが利用可能な仮想オブジェクトのリストから新たな仮想オブジェクトを選択したこと等を含むことができる。幾つかの実施の形態では、データ処理システムは、ゲームイベントに応答して、識別玩具要素と仮想オブジェクトとの間の既存の関連付けを、新たな仮想オブジェクトと識別玩具要素との間の新たな関連付けに置き換えるように構成され、データ処理システムが、検出エリア、例えば第1の検出エリア内で識別玩具要素の存在を再度(すなわち、関連付けの作成後に)検出すると、データ処理システムが、上記新たな仮想オブジェクトの表示を提示し、新たな仮想オブジェクトの表示を制御することを含むプレーパターン手順を実行するようになっている。その結果、ユーザーは、識別玩具要素を代々の仮想オブジェクトに関連付けることができる。ユーザーは、このため、識別玩具要素を用いて種々の玩具構築モデルを選択的に構築することができ、各玩具構築モデルは、この玩具構築モデルに関連付けられたそれぞれの仮想オブジェクトを有する。識別要素に含まれる情報、例えば、識別要素のメモリに記憶された情報は、関連付けを示すことができる。したがって、関連付けを作成することは、例えば、関連付けられた仮想オブジェクトを識別する識別子を検出された識別要素のメモリに記憶することによって、検出された識別要素のメモリに関連付けを示す情報を記憶することを含むことができる。
【0023】
幾つかの実施の形態では、システムは、玩具等の物理オブジェクトの視覚的外観を示す情報を取得するように構成されたスキャンデバイスを備える。データ処理システムは、取得された情報に基づく表示を用いて仮想オブジェクトを作成するように構成されている。特に、スキャンデバイスは、光学スキャンデバイスとすることができる。したがって、ユーザーは、カスタマイズされた外観を有する仮想オブジェクトを作成する際に大きな自由を有する。仮想オブジェクトは、玩具識別要素に関連付けられているので、その後、仮想オブジェクトの外観についての情報を再度取得する必要なく、仮想オブジェクトを、仮想環境内に現れるようにトリガーすることができる。
【0024】
物理オブジェクトが、識別玩具要素に取り付け可能であるとき、ユーザーは、ユーザー定義の外観を有するとともに、対応する仮想オブジェクトが玩具識別要素に関連付けられると、データ処理システムによって容易に認識可能な物理オブジェクトを作成することができる。例えば、物理オブジェクトは、玩具識別要素の対応するコネクターに接続可能なコネクターを有する玩具構築要素から構築された玩具構築モデルとすることができる。
【0025】
スキャンデバイスは、例えば、デジタルカメラ、例えば、コンピューターの組み込みカメラとすることができ、物理オブジェクトの視覚的外観の取得は、オブジェクトの1つ又は複数の映像を取得することを含むことができる。データ処理が、取得された映像及び/又は他のスキャンデータを受信するように動作可能であるよう、スキャンデバイスをデータ処理システムに接続することもできるし、データ処理システム内に統合することさえできる。例えば、スキャンプロセス及び仮想オブジェクトを作成するプロセスは、国際出願PCT/EP2015/062381号に記載されているように実行することができる。
【0026】
他の実施の形態では、スキャンデバイスは、デプスカメラ(depth camera)を備えることができ、オブジェクトの外観を示す情報は、奥行き情報を含むことができる。また更なる実施の形態では、スキャンデバイスは、例えば、米国特許出願公開第2015/042757号明細書に記載されているような3Dスキャナーを含むことができる。
【0027】
スキャンプロセスは、オブジェクトを識別玩具要素に取り付ける前又は後に実行することができる。幾つかの実施の形態では、スキャンプロセスは、玩具識別要素に取り付けられた物理オブジェクトが検出デバイスの検出エリア内に配置されると実行される。
【0028】
幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトを作成することは、ゲーム関連属性及び/又はゲーム関連行動特性を仮想オブジェクトに追加することを含むことができる。データ処理システムは、例えば、ユーザーが、追加される幾つかの特定の属性/行動を選択することを可能にする選択メニューを提示することによって、ユーザー入力に基づいてそのような属性及び/又は行動を追加することができる。幾つかの実施の形態では、データ処理システムは、例えば、物理オブジェクトの外観についての受信情報に基づいて、1つ又は複数の属性又は行動特性を自動的に追加するように構成することさえできる。このために、データ処理システムは、物理オブジェクトの1つ又は複数の特徴又は視覚的特性、例えば、形状、サイズ、色、幾つかの特定の特徴の存否等を検出することができる。データ処理システムは、その場合、物理オブジェクトの検出された特徴又は視覚的特性に基づいて幾つかの特定の行動特徴を追加することができる。物理オブジェクトの検出された視覚的特性に基づいて行動を仮想オブジェクトに追加するプロセスの一例は、国際出願PCT/EP2015/062381号に記載されている。
【0029】
本明細書において説明する様々な態様は、仮想オブジェクトがデータ処理システムによって制御される様々なコンピューター生成仮想環境を用いて実施することができる。一般に、仮想オブジェクトは、生物オブジェクトとすることもできるし、無生物オブジェクトとすることもできる。仮想オブジェクトは、完全に自律的なオブジェクトとすることもできるし、その動作が部分的又は完全にユーザー入力に応答しているオブジェクトとすることもできる。無生物仮想オブジェクトの例は、建物、車両、武器又は他の付属品若しくは機器等を含む。仮想オブジェクトは、仮想環境内で静止したものである場合もあれば、可動のものである場合もある。例えば、オブジェクトは、仮想キャラクターが、携帯し、装着し若しくはその他の方法で移動させることができ、及び/又はユーザーが、移動するように制御することができる。例えば、自動車又は他の車両は、カーレースゲームにおいて制御される。仮想オブジェクトは、ドア等及び/又は他の変更可能部分等の可動部分を備えることができる。
【0030】
仮想オブジェクトは、人間のようなキャラクター、動物のようなキャラクター、空想生物等の仮想キャラクター又は他の生物オブジェクトを表すことができる。幾つかの実施の形態では、物質世界におけるその同等物が無生物、例えば自動車である仮想オブジェクトが、仮想環境においては生物仮想オブジェクト又は生物仮想キャラクターとして用いられる場合がある。したがって、幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトは仮想キャラクターであり、幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトは無生物オブジェクトである。
【0031】
仮想キャラクターは、仮想環境内を動き回ることによって、仮想環境に存在する他の仮想キャラクター及び/又は無生物仮想オブジェクト及び/又は仮想環境自体とインタラクト若しくは関与することによって、及び/又はそれ以外での仮想環境内での展開、例えば、成長、老化、発達若しくは能力、属性等の喪失によって行動を示すことができる。一般に、仮想オブジェクトは、属性、例えば、ゲームプレー又は他の仮想環境の進展に影響を与える1つ又は複数の能力を有することができる。例えば、自動車は、或る特定の最高速度を有することもできるし、オブジェクトは、仮想キャラクターが仮想オブジェクト等とインタラクトすることができるか否か又はどのようにインタラクトすることができるのかを決定する属性を有することもできる。
【0032】
したがって、コンピューター生成仮想環境は、データ処理システム上で実行されて、このデータ処理システムに仮想環境を生成させるとともに、仮想環境内での1つ若しくは複数の仮想キャラクターの行動及び/又は1つ若しくは複数の仮想オブジェクトの属性を含む仮想環境の経時的な進展をシミュレーションさせるコンピュータープログラムによって実施することができる。コンピューター生成仮想環境は、持続的なものとすることができる。すなわち、コンピューター生成仮想環境は、ユーザーが、例えば、ユーザーセッション間でこのコンピューター生成仮想環境とインタラクトしないときであっても、進展及び存在し続けることができる。代替の実施の形態では、仮想環境は、ユーザーがこの仮想環境とインタラクトしている間にのみ、例えば、アクティブなユーザーセッション中にのみ進展することができる。仮想オブジェクトは、少なくとも部分的にユーザー制御することができる。すなわち、データ処理システムは、受信されたユーザー入力に少なくとも部分的に基づいて、仮想オブジェクトの行動を制御することができる。コンピューター生成仮想環境は、シングルユーザー環境とすることもできるし、マルチユーザー環境とすることもできる。マルチユーザー環境では、2人以上のユーザーが、例えば、仮想環境内のそれぞれの仮想キャラクター又は他の仮想オブジェクトを制御することによって、同時に仮想環境とインタラクトすることができる。コンピューター生成仮想環境、特に、持続的なマルチユーザー環境は、仮想世界と呼ばれることもある。コンピューター生成仮想環境は、ユーザーが仮想環境内の1つ又は複数の仮想キャラクターを制御することができるゲームシステムにおいて頻繁に用いられる。ユーザーによって制御される仮想キャラクターは、「プレーヤー」と呼ばれることもある。本明細書において説明する態様の少なくとも幾つかの実施の形態は、ゲームプレー以外の状況においても用いることができることが理解されるであろう。コンピューター生成仮想環境の例は、ビデオゲーム、例えば、技能ゲーム、アドベンチャーゲーム、アクションゲーム、リアルタイム戦略ゲーム、ロールプレーゲーム、シミュレーションゲーム等又はそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
ゲームシステムは、仮想環境内の仮想キャラクター等の1つ又は複数の仮想オブジェクトの表示を含む仮想環境の表示を提示することができる。仮想環境及び/又は仮想オブジェクトを、2次元又は3次元のグラフィカル表示としてデータ処理システムのディスプレイ上に提示することができる。ユーザーは、グラフィカル提示を見るために及び/又はコンピューター生成仮想環境とインタラクトするために、コンピューター生成仮想環境にアクセスすることができる。幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトは、複数の相互接続された玩具構築要素から構成される3次元玩具モデルの表示として表される。幾つかの実施の形態では、この表示は、3Dビュアー等の3D対応デバイスを用いて見ることができる3次元表示を含む。
【0034】
識別玩具要素に関連付けられた情報は、この識別玩具要素の識別子を含むことができる。データ処理システムは、このため、この識別子を仮想玩具構築要素の識別子と関連付けて記憶することによって、仮想オブジェクトへの関連付けを作成することができる。データ処理システムは、この関連付けをデータ処理システムの記憶デバイスに記憶することもできるし、それ以外でデータ処理システムによってアクセス可能とすることができる。データ処理システムの記憶媒体又はデータ処理システムによってアクセス可能な記憶媒体は、データ処理システムに含まれるか又は接続されたメモリ又は記憶デバイスとすることができる。代替的に又は付加的に、データ処理システムは、仮想オブジェクトの識別子を識別玩具要素のメモリに記憶することができる。したがって、関連付けを作成することは、仮想オブジェクトの識別子を識別玩具要素のメモリに記憶することを含むことができる。他の実施の形態では、この関連付けは、識別玩具要素の識別子をデータ処理システムのメモリ又はデータ処理システムに関連付けられたメモリに記憶することによって作成することができる。一方、関連付けが、仮想オブジェクトの識別子を識別要素のメモリに記憶することによって作成されたとき、この動作は、データ処理が識別玩具要素に事前に記憶された情報にアクセスすることを要しない。その上、関連付けは、データ処理システムによって維持される必要がない。識別玩具要素のメモリは、EPROM、EEPROM、NVRAM、フラッシュメモリ等、若しくは別の適したタイプのメモリ又は2つ以上のメモリタイプの組み合わせ等の任意の適した記憶媒体を含むことができる。メモリは、読み取り専用又は書き換え可能とすることができる。
【0035】
幾つかの実施の形態では、識別玩具要素に関連付けられた情報は、仮想オブジェクトの識別子、仮想オブジェクトの属性等の仮想オブジェクトについての情報を含むことができる。データ処理システムは、このため、仮想オブジェクトについての情報を識別玩具要素のメモリに記憶することによって、仮想オブジェクトへの関連付けを作成することができる。例えば、識別玩具要素のメモリは、識別玩具要素に関連付けられた仮想オブジェクトの識別子を含むことができる。その結果、幾つかの実施の形態では、識別玩具要素は、最初に、この識別玩具要素自体の識別子しか含まないか、又はデフォルトの識別子若しくはゲームシステムの一部としての識別玩具要素を識別する識別子しか含まないこともある。その場合、仮想オブジェクトと識別玩具要素との間の関連付けをデータ処理システムによって作成することは、仮想オブジェクトを示す情報又はそれ以外の識別玩具要素に対する作成された関連付けを示す情報を記憶することを含むことができる。
【0036】
幾つかの実施の形態では、データ処理システムは、仮想オブジェクトに類似するか又はその他の方法で仮想オブジェクトを表しかつ識別玩具要素に接続可能な玩具構築モデルをゲームシステムの玩具構築要素から構築する組み立て命令を提示するように構成されている。その結果、ゲームシステムは、ユーザーが、仮想オブジェクトに類似する玩具構築モデ又はその他の方法で仮想オブジェクトを表す玩具構築モデルを構築することを助ける案内を提供する。これらの組み立て命令は、任意の適した形態で、例えば、アニメーション、ビデオ、一連の画像、テキスト、及び/又はそれらの組み合わせとして提示することができる。例えば、組み立て命令は、ゲームイベント及び/又はユーザー入力に応答して提示することができる。
【0037】
ゲームシステムは、複数の識別玩具要素と、ユーザーがゲームシステムにおいて用いる複数の玩具構築モデルを構築することを可能にする複数の玩具構築要素とを備えることができる。一方、ユーザーがゲームプレーの任意の時点で任意の識別玩具要素を自由に用いる自由を制限することが望ましい場合がある。例えば、自由を制限しない場合に、ユーザーは、近時にロック解除された仮想オブジェクトに類似する新たな玩具構築モデルの構築を目的として、以前に構築された玩具構築モデルを解体し、対応する識別玩具要素を再利用することを選ぶ場合がある。しかしながら、ユーザーは、ゲームプレーを完了するために、この時解体された玩具構築モデルをその後に必要とする場合がある。なぜならば、幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトの使用は、この仮想オブジェクトが関連付けられている識別玩具要素の検出を条件とする場合があるからである。したがって、ユーザーは、仮想オブジェクトを再度用いることができるように識別玩具要素との対応する新たな関連付けを作成することが必要となる場合があり、したがって、その結果、ゲーム体験がフラストレーションを与える可能性がある。幾つかの実施の形態では、ゲームシステムは、それぞれの識別玩具要素に関連付けられた情報をそれぞれ含む第1の識別玩具要素及び第2の識別玩具要素を備え、データ処理システムは、少なくとも第1の識別玩具要素の検出に応答して、1つ又は複数の新たな仮想オブジェクトをロック解除/有効化するように構成され、第2の識別玩具要素は、ユーザーが玩具構築モデルを構築することを可能にするために、1つ又は複数の玩具構築要素を第2の識別玩具要素に接続するように構成された1つ又は複数のコネクターを備え、データ処理システムは、同じ又は異なる検出エリア内での第1の識別玩具要素及び第2の識別玩具要素の検出に少なくとも応答して、ロック解除された仮想オブジェクトのうちの1つと第2の識別玩具要素との間の関連付けを作成するように構成されている。その結果、システムは、一組の識別玩具要素のうちの選択された識別玩具要素を用いる際にユーザーを効果的に案内するメカニズムを提供する。特に、第2の識別玩具要素との関連付けの作成には、第1の識別玩具要素(既存の関連付けを有する)の存在も必要であるので、この既存の関連付けを不注意に上書きすることを防止することができる。幾つかの実施の形態では、第1の識別玩具要素は、仮想キャラクターに関連付けられている一方、第2の識別玩具要素は、この仮想キャラクターによって用いられる付属品等の無生物オブジェクトに関連付けられている。
【0038】
幾つかの実施の形態では、ゲームシステムは、第1の検出エリアと、この第1の検出エリアと異なる第2の検出エリアとを画定する検出デバイスを備える。検出デバイスは、第1の検出エリア内で検出された識別玩具要素に関連付けられた情報にアクセスするように構成することができ、検出デバイスは、識別玩具要素に関連付けられた情報を、識別玩具要素によって記憶させるために、第2の検出エリア内で検出された識別玩具要素に送信するように更に構成することができる。したがって、第1の検出エリアは、読み取りエリア、例えば、読み取り専用エリアとすることができる一方、第2の検出エリアは、書き込みエリア、例えば、読み書きエリア又は書き込み専用エリアとすることができる。識別玩具要素のうちの少なくとも幾つかは、検出エリアのそれぞれに選択的に配置され、検出エリアのそれぞれを介して検出デバイスとインタラクトするように動作可能とすることができる。情報の検出及び書き込みのための個別の専用化された検出エリアをそれぞれ設けることによって、ユーザーが識別玩具要素の情報を不注意で上書きする危険性又は誤った識別玩具要素の読み取りを引き起こす危険性が低減される。代替的に又は付加的に、データ処理システムが、識別玩具要素に情報を記憶するために送信するように構成されているとき、この危険性を更に低減することができる。それは、上記識別玩具要素が第2の検出エリア内に位置決めされ、かつ、別の識別玩具要素、例えば所定の識別玩具要素が第1の検出エリア内で検出されたときのみである。したがって、幾つかの実施の形態では、ゲームシステムは、第1の識別要素及び第2の識別要素を備え、データ処理システムは、第2の識別要素が第2の検出エリア内に配置され、かつ、第1の識別要素が第1の検出エリアに配置されたときにのみ、情報を第2の識別要素に書き込むように構成されている。幾つかの実施の形態では、幾つかの識別玩具要素は、固定された仮想オブジェクトに関連付けられ、この関連付けは、例えば、関連付けられた仮想オブジェクトについての情報を識別玩具要素の読み取り専用メモリに記憶することによって、ユーザーが変更することができないようになっている。他の識別玩具要素は、書き換え可能とすることができる。すなわち、それらの関連付けは、ユーザーが変更することができる。幾つかの実施の形態では、ゲームシステムは、ユーザーが無生物仮想オブジェクトと識別玩具要素との間の関連付けのみを変更することを可能にするように構成されている一方、識別玩具要素と仮想キャラクターとの間の関連付けは固定/読み取り専用である。幾つかの実施の形態では、リーダーは、1つ又は複数の更なる検出エリア、例えば、1つ若しくは複数の更なる読み取り専用検出エリア及び/又は1つ若しくは複数の少なくとも部分的に書き込み専用の検出エリア及び/又はゲーム関連データの読み取り及び書き込みの双方を可能にする1つ若しくは複数の検出エリアを画定する。検出エリア及び/又は識別要素の読み取り制限及び/又は書き込み制限は、例えば、読み取り又は書き込みをそれぞれ電子的に不能とすることによって、ハードウェアで実施することができることが理解されるであろう。代替的に、読み取り制限及び書き込み制限は、検出デバイスの制御回路及び/又はデータ処理システム上で実行されるソフトウェアによって実施することができる。
【0039】
幾つかの実施の形態では、データ処理システムは、識別要素が第2の検出エリア内に配置されると、少なくとも1つの所定のタイプの情報を書き込むように動作可能であり、及び/又は識別要素のメモリの1つ若しくは複数の所定のメモリエリアに書き込むように動作可能であり、ここで、上記メモリからの上記所定のタイプの情報及び/又は上記所定のメモリエリア(複数の場合もある)からの情報の現在のバージョンを読み取ることは必要としない。したがって、第2の検出エリアは、少なくとも部分的に書き込み専用検出エリアとして動作することができ、処理システムは、メモリに書き込むようにのみ動作可能であるが、メモリから読み取るように動作可能でないようになっている。幾つかの実施の形態では、第2の検出エリアは、異なるモード、例えば、書き込み専用モード及び読み取り専用モードで選択的に動作することができる。そのような書き込み専用の制限は、メモリの内容全体に実施することもできるし、幾つかの内容、例えば、幾つかの特定のメモリエリアの内容又は或る特定のタイプの内容にのみ実施することもできる。例えば、ゲームステータス情報、キャラクター情報、キャラクター特性、能力、音、画像データ等のゲーム関連ペイロードデータに加えて、識別要素は、当該識別要素が第2の検出エリア内に配置されても、リーダーによって読み取られる或る特定のデータ、例えば、デバイスID又は通信IDを更に含むことができることが理解されるであろう。例えば、識別要素は、例えば、識別要素を正しくアドレス指定することができるように、及び/又は適したメモリロケーション等に正しいフォーマットでデータを書き込むために、書き込みプロセス中にリーダーによって用いられる識別子及び/又はプロトコルデータを記憶しておくことができる。それでも、幾つかの実施の形態では、識別要素は、当該識別要素が第2の検出エリア内に配置されると、データ処理システムが書き込むように動作可能であるが、(例えば、データが正しく書き込まれたことを検証するために、書き込みプロセスの一部として以外に)読み取るように動作可能でない、ゲーム関連データを記憶する少なくとも1つのメモリロケーションを含み、このメモリロケーションでは、識別要素が第1の検出エリア内に配置されると、データ処理システムは、当該メモリロケーションからゲーム関連データを読み取るように動作可能であるが、当該メモリロケーションにゲーム関連データを書き込むように動作可能ではない。識別要素は、音データ、画像データ、ウェブサイトへのリンク又はアドレス、クラウド内のデータレポジトリー等の更なるペイロードデータを含むことができることが更に理解されるであろう。
【0040】
幾つかの実施の形態では、識別要素のうちの少なくとも1つ又は複数を第1の検出エリア及び第2の検出エリア内に選択的に位置決めすることができる。すなわち、少なくとも1つ又は複数の識別要素並びに第1の検出エリア及び第2の検出エリアは、各識別要素を各検出エリア内に配置することができるように成形及びサイズ決めすることができる。したがって、第1の検出エリア又は第2の検出エリア内の識別要素の配置に応じて、これらの識別要素からの読み取り及びこれらの識別要素への書き込みを行うことができる。幾つかの実施の形態では、システムは、読み取り専用である検出要素を更に備えることができる。すなわち、この場合、この識別要素が第2の検出エリア内に配置された場合であっても、データ処理システムは、そのような読み取り専用識別要素にデータを書き込むように動作可能ではない。幾つかの実施の形態では、第2の検出エリアは、当該第2の検出エリア内に書き込み可能識別要素しか配置することができないように成形及びサイズ決めすることもできる。更に代替の実施の形態では、異なる識別要素が、1つ又は複数の読み取り専用の情報アイテムと、1つ又は複数の読み取り可能及び書き込み可能の情報アイテムとを含むことができる。
【0041】
幾つかの実施の形態では、識別玩具要素は、玩具構築モデルを支持するとともにゲームシステムの検出エリア内に玩具構築モデルを配置するためのベースプレートの形態を有する。このベースプレートは、ユーザーが当該ベースプレートの上部に1つ又は複数の玩具構築要素を配置して接続することを可能にする1つ又は複数のコネクターをその上面に備えることができる。ベースプレートは、例えば、次のもの、すなわち、プロセッサ、アンテナ、メモリ、RFID回路等のうちの1つ又は複数を含む電子回路を含むことができる。
【0042】
データ処理システムは、コンピュータープログラムをCPU等のプロセッサ内に実行のためにロードすることができるコンピューター可読媒体を備えることもできるし、このようなコンピューター可読媒体に接続可能とすることもできる。このコンピューター可読媒体は、このため、データ処理システム上で実行されると、本明細書において説明した方法のステップをこのデータ処理システムに実行させるように適合されたプログラムコード手段を記憶しておくことができる。データ処理システムは、ポータブルコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン、PDA(登録商標)、ゲームコンソール、ゲームデバイス、スマートTV(登録商標)、Androidスティック、又はグラフィカルユーザーインターフェースを有する別のプログラマブルコンピューティングデバイス等の適切にプログラミングされたコンピューターを含むことができる。幾つかの実施の形態では、データ処理システムは、例えば、ユーザーインターフェースを備えるクライアントシステムと、仮想環境を作成及び制御することができるホストシステムとを備えることができる。これらのクライアントシステム及びホストシステムは、インターネット等の適した通信ネットワークを介して接続することができる。
【0043】
ここで及び以下において、プロセッサという用語は、本明細書において説明される機能を実行するように適切に適合された任意の回路及び/又はデバイスを含むように意図されている。特に、この用語は、コンピューター若しくは他のデータ処理システムの中央処理ユニット(CPU)等の汎用若しくは専用のプログラマブルマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、専用電子回路等、又はそれらの組み合わせを含む。
【0044】
本開示は、上記及び以下で説明されるゲームシステム及びデバイス、対応する装置、システム、方法、及び/又は製品を含む種々の態様に関する。各態様は、他の態様のうちの1つ又は複数に関して説明される利益及び利点のうちの1つ又は複数をもたらし、各態様は、他の態様のうちの1つ又は複数に関して説明され及び/又は添付の特許請求の範囲に開示される実施の形態に対応する1つ又は複数の実施の形態を有する。
【0045】
特に、1つの態様によれば、ゲームシステムを動作させる方法であって、前記ゲームシステムは、データ処理システムと、識別玩具要素に関連付けられた情報を含む該識別玩具要素とを備え、
前記識別玩具要素は、ユーザーが玩具構築モデルを構築することを可能にするために、1つ又は複数の他の玩具構築要素を該識別玩具要素に機械的に接続するように構成された1つ又は複数のコネクターを備える玩具構築要素であり、該方法は、
1つ又は複数の玩具構築要素を前記識別玩具要素に取り付け、前記ゲームシステムの検出エリア内に前記識別玩具要素を位置決めすることと、
前記データ処理システムによって、前記検出エリア内の前記識別玩具要素の前記存在を検出することと、
前記データ処理システムによって、仮想環境内の仮想オブジェクトと前記検出された識別玩具要素との間の関連付けを作成することと、
前記識別玩具要素を前記データ処理システムの検出エリア内に再度配置することと、
前記データ処理システムによって、前記検出エリア内の前記識別玩具要素の前記存在を検出することと、
前記データ処理システムによって、前記識別玩具要素に関連付けられた前記情報にアクセスすることと、
前記データ処理システムによって、前記アクセスされた情報に基づいて、前記関連付けられた仮想オブジェクトの表示を提示することと、
を含む、方法が本明細書に開示されている。
【0046】
別の態様によれば、ゲームシステムを動作させる方法であって、前記ゲームシステムは、データ処理システムと、該ゲームシステムに関する情報を記憶するメモリを備える識別要素とを備え、前記データ処理システムは、第1の検出エリアを画定する検出デバイスを備え、該方法は、
前記第1の検出エリア又は前記第2の検出エリア内で前記識別要素の存在を検出することと、
前記検出された存在に応答して、前記検出エリアのうちの特定の一方を、前記識別要素が位置決めされている検出エリアとして識別することと、
少なくとも前記識別された検出エリアに応答して、前記データ処理システムによって1つ又は複数の機能の動作を引き起こすことと、
を含む、方法が本明細書に開示されている。
【0047】
幾つかの実施の形態では、前記方法は、前記識別要素が前記第1の検出エリア内に配置されると、前記第1の検出エリア内で前記識別要素の存在を検出し、前記識別要素の前記メモリに記憶された情報を受信することを含み、
前記第1の検出エリアは読み取り専用検出エリアであり、
前記検出デバイスは、前記第1の検出エリアと異なる第2の検出エリアを画定し、
前記方法は、前記識別要素が前記第2の検出エリア内に配置されると、データを前記識別要素の前記メモリに記憶することを更に含む。
【0048】
本開示は、データ処理システム上で実行されると、当該データ処理システムによって実行される本明細書において説明される方法の1つ又は複数の実施の形態のステップのうちの1つ、幾つか又は全てを当該データ処理システムに実行させるように適合されたプログラムコード手段を含むコンピュータープログラム製品に更に関する。特に、検出ステップ及び識別ステップは、検出デバイスによって実行することができる一方、データ処理システムは、識別された検出エリアを示す情報を受信し、検出された検出エリアに応答して機能を実行するように構成されている。
【0049】
このコンピュータープログラム製品は、CD−ROM、DVD(登録商標)、光ディスク、メモリカード(登録商標)、フラッシュメモリ(登録商標)、磁気記憶デバイス、フロッピーディスク(登録商標)、ハードディスク等のコンピューター可読媒体として提供することができる。他の実施の形態では、コンピュータープログラム製品は、例えば、インターネット若しくは他のコンピューターネットワーク若しくは通信ネットワークを通じてダウンロードされる、ウェブサーバー上のダウンロード可能なソフトウェアパッケージ、又はApp(アプリケーション)ストア(登録商標)からモバイルデバイスにダウンロードされるアプリケーションとして提供することができる。更に代替的に、コンピュータープログラムは、1つ又は複数のリモートホストコンピューターによって実行することができ、例えば、インターネットを介して又はクラウド内で、例えば、フラッシュゲームの形態で直接実行することができる。
【0050】
本開示は、複数の玩具構築要素と1つ又は複数の識別玩具要素とを備える玩具構築セットに更に関する。この玩具構築セットは、本明細書において説明されるようなコンピュータープログラム製品及び/又は本明細書において説明されるようなコンピュータープログラム製品を取得するか又はこれにアクセスする命令を記憶している記憶媒体を更に備えることができる。例えば、これらの命令は、インターネットアドレス、Appストアへの参照子等の形態で提供することができる。玩具構築セットの幾つかの実施の形態は、USBインターフェース、Zigbeeインターフェース、Wifiインターフェース、低エネルギーBluetoothインターフェース等のBluetoothインターフェース等の有線又は無線のインターフェースを介して従来のコンピューターに接続可能な検出デバイス、例えば周辺デバイスを更に備えることができる。
【0051】
別の態様によれば、以下ではリーダーとも呼ばれる検出デバイスであって、当該リーダーの検出エリア内で識別要素の存在を検出する検出デバイスの実施の形態が本明細書に開示されている。リーダーは、少なくとも1つの識別要素をそれぞれ収容するように構成された少なくとも第1の検出エリア及び第2の検出エリアを画定し、リーダーは、識別要素がどの検出エリアに位置決めされているのかを検出するように構成されている。リーダーは、識別要素の存在を検出する少なくとも1つのセンサーを備える。第2の検出エリアは、所定のタイプの単一の識別要素を収容するように成形及びサイズ決めされている。第1の検出エリアは、上記識別要素のうちの2つ以上を収容するように成形及びサイズ決めされている。特に、第1の検出エリアは、第2の検出エリアの少なくとも2倍の大きさ、例えば、少なくとも3倍の大きさとすることができる。第2の検出エリアは、識別要素の対応する接触面、例えば識別要素の底面に対応する形状及びサイズを有する接触面を提供することができる。第1の検出エリアは、識別要素が隙間なく嵌合する陥凹部として形成することができる。
【0052】
幾つかの実施の形態では、検出デバイスは、上記識別要素のうちの2つ以上を収容するように成形及びサイズ決めされた第3の検出エリアを備えることができる。
【0053】
したがって、少なくとも1つのセンサーによって提供されるセンサー信号から、リーダーは、検出された識別要素が3つの検出エリアのうちのいずれの1つに位置決めされているのかを判断することができる。幾つかの実施の形態では、各検出エリアは、それぞれのセンサーに関連付けられ、これらのセンサーは、当該関連付けられた検出エリアにおいて識別要素の存在を検出する。
【0054】
リーダーは、第1の態様に関して上記で説明したようなゲームシステムにおいて用いられるように、及び/又は異なるタイプのゲームシステム若しくは異なるタイプのデータ処理システムにおいて用いられるように動作可能とすることができる。
【0055】
幾つかの実施の形態では、リーダーは、例えば、交替パターン又は交替サイクルでセンサーをアクティブ化/インターロゲートすることによって、一時に検出エリアのうちの1つのみをアクティブ化及び/又はインターロゲートするように構成されている。
【0056】
例えば、幾つかの実施の形態では、識別要素は、自発的に識別信号を放出しないが、受信された照会信号に応答して応答信号を放出する受動識別要素とすることができる。このタイプのセンサーの一例は、RFIDリーダーのアンテナからのインターロゲーション信号の受信に対して、識別信号を放出することによって応答する受動RFIDタグである。
【0057】
幾つかの実施の形態では、識別要素の検出は、リーダーと識別タグとの間の無線周波数通信に基づいている。このために、少なくとも1つのセンサーは、無線周波数信号を放出及び/又は受信するアンテナを備えることができる。幾つかの実施の形態では、識別要素は、受動RFIDタグ等のRFIDタグである。
【0058】
幾つかの実施の形態では、検出デバイスは、当該検出デバイスに対する相対的な識別要素の位置、又は別の適した基準、例えば、検出エリアのうちの1つの内部の位置に対する相対的な識別要素の位置を検出するように構成されている。例えば、検出エリアは、2つ以上のゾーンを更に画定することができ、検出デバイスは、識別要素がどのゾーンに位置決めされているのかを判断するように構成することができる。代替的に又は付加的に、検出デバイスは、別の識別要素に対する1つの識別要素の相対位置及び/又は検出エリアの中心からの相対距離、及び/又は別の適した基準、例えば基準座標系に対する位置を求めるように構成することができる。
【0059】
幾つかの実施の形態では、検出デバイスは複数のセンサーを備え、各センサーはコイルアンテナを備える。コイルアンテナに関連付けられた検出エリアは、識別要素を接触させることができる接触面内に画定することができる。特に、検出エリアは、コイルアンテナを接触面上に投影することによって境界が定められるエリア内に位置決めされるように画定することができる。例えば、第1の検出エリアは、第1のセンサーのコイルアンテナの投影によって取り囲まれる接触面の表面エリア内に配置することができる。同様に、第2の検出エリアは、第2のセンサーのコイルアンテナの投影によって取り囲まれる接触面の表面エリア内に配置することができる。第1の検出エリア及び第2の検出エリアは、互いに離間して配置することができる。
【0060】
他の実施の形態は、異なる数の検出エリア、例えば、3つ、4つ、又は更にそれよりも多くの検出エリアを用いることができることが理解されるであろう。
【0061】
検出エリアのうちの幾つか又は全ては、実質的に共通の平面内に配置することもできるし、平行な平面内に配置することもできるし、平行でない平面内に配置することさえできる。例えば、検出エリアは、検出デバイスのハウジングの外面、例えば、検出デバイスのハウジングの上側側面等のハウジングの共通の側面に配置することができる。他の実施の形態では、検出エリアは、ハウジングの異なる外面に配置することができる。