特許第6817198号(P6817198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6817198
(24)【登録日】2020年12月28日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/20 20140101AFI20210107BHJP
   A63F 13/95 20140101ALI20210107BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20210107BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20210107BHJP
   A63H 33/08 20060101ALI20210107BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20210107BHJP
【FI】
   A63F13/20 A
   A63F13/95 A
   A63F13/53
   A63F13/213
   A63H33/08 Z
   G06F3/0481
【請求項の数】21
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-518077(P2017-518077)
(86)(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公表番号】特表2017-537669(P2017-537669A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】EP2015072394
(87)【国際公開番号】WO2016050757
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2018年8月31日
(31)【優先権主張番号】PA201470605
(32)【優先日】2014年10月2日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】PA201570192
(32)【優先日】2015年3月31日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】PA201570203
(32)【優先日】2015年4月8日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】594012623
【氏名又は名称】レゴ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ラウルン,イェンズ ヴァレンティン
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン,ヨアキム コーナー
(72)【発明者】
【氏名】ワルカー,モーガン ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ピーダセン,ビヤーケ
【審査官】 前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−176724(JP,A)
【文献】 特開2009−247375(JP,A)
【文献】 特開2011−234971(JP,A)
【文献】 特開2003−135847(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/183328(WO,A1)
【文献】 特開2008−104771(JP,A)
【文献】 特開2006−068140(JP,A)
【文献】 特開平09−047575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00 −13/98
A63F 9/24
A63H 1/00 −37/00
G06F 3/01
G06F 3/048− 3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理システムと、識別要素に関連付けられた情報を含む該識別要素とを備えるゲームシステムであって、前記データ処理システムは、
検出エリア内で前記識別要素の存在を検出し、
出された前記識別要素と対応する仮想環境内の仮想オブジェクトとの間の関連付けを作成することであって、前記仮想オブジェクトを識別する識別子を検出された前記識別要素のメモリに記憶することにより、又は前記識別要素の識別子を前記データ処理システムのメモリに記憶することにより作成し、
前記識別要素が検出エリア内に再度配置されると、前記識別要素に関連付けられた前記情報にアクセスし、
アクセスされた前記情報に基づいて、関連付けられた前記仮想オブジェクトの表示を提示し、
前記仮想オブジェクトの前記表示を制御することを含むプレーパターン手順を実行する、
ように構成されている、ゲームシステム。
【請求項2】
前記データ処理システムは、ゲームイベントに応答して、前記識別要素と仮想オブジェクトとの間の既存の関連付けを、新たな仮想オブジェクトと前記識別要素との間の新たな関連付けに置き換えるように構成され、前記データ処理システムが前記識別要素の前記存在を再度検出すると、前記データ処理システムは、前記新たな仮想オブジェクトの表示を提示し、前記新たな仮想オブジェクトの前記表示を制御することを含むプレーパターン手順を実行するようになっている、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記識別要素は、ユーザーが玩具構築モデルを構築することを可能にするために、1つ又は複数の他の玩具構築要素を前記識別要素に機械的に接続するように構成された1つ又は複数のコネクターを備える玩具構築要素である、請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記データ処理システムは、ユーザーが前記識別要素を用いて異なる玩具構築モデルを構築することを可能にするために、ゲームイベントに応答して、既存の関連付けを、新たな仮想オブジェクトと前記識別要素との新たな関連付けに置き換えるように構成され、各玩具構築モデルは、該玩具構築モデルに関連付けられたそれぞれの仮想オブジェクトを有する、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
物理オブジェクトの視覚的外観を示す情報を取得するように構成されたスキャンデバイスを備え、前記データ処理システムは、前記取得された情報に基づいて表示を用いて前記仮想オブジェクトを作成するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記ゲームシステムは、複数の玩具構築要素を備え、前記データ処理システムは、前記複数の玩具構築要素から構築可能な玩具構築モデルに類似した前記仮想オブジェクトのグラフィカル表示を提示するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記識別要素に関連付けられた前記情報は、該識別要素の識別子を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記識別要素は、該識別要素に関連付けられた前記情報を記憶するメモリを備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記メモリは、書き換え可能メモリであり、前記メモリは、前記仮想オブジェクトについての情報を記憶するように構成されている、請求項8に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記データ処理システムは、前記ゲームシステムの玩具構築要素から、前記仮想オブジェクトに類似した玩具構築モデルを構築する組み立て命令を提示するように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
それぞれの識別要素に関連付けられた情報をそれぞれ含む第1の識別要素及び第2の識別要素を備え、前記データ処理システムは、少なくとも前記第1の識別要素の検出に応答して、1つ又は複数の新たな仮想オブジェクトをロック解除/有効化するように構成され、前記第2の識別要素は、ユーザーが玩具構築モデルを構築することを可能にするために、1つ又は複数の玩具構築要素を前記第2の識別要素に接続するように構成された1つ又は複数のコネクターを備え、前記データ処理システムは、少なくとも検出エリア内での前記第1の識別要素の検出と、検出エリア内での前記第2の識別要素の検出とに応答して、前記ロック解除された仮想オブジェクトのうちの1つと前記第2の識別要素との間の関連付けを作成するように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項12】
第1の検出エリアと、該第1の検出エリアと異なる第2の検出エリアとを画定する検出デバイスを備え、該検出デバイスは、前記第1の検出エリア内で検出された識別要素に関連付けられた情報にアクセスし、前記第2の検出エリア内で検出された識別要素に関連付けられた情報を識別要素に送信するように構成されており、前記識別要素によって前記送信された情報の記憶がされる、請求項1〜11のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記識別要素は識別玩具要素である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項14】
前記識別要素は、前記ゲームシステムに関する情報を記憶するメモリを備え、前記データ処理システムは、前記識別要素が前記第1の検出エリア内に配置されると、前記第1の検出エリア内の前記識別要素の存在を検出し、該識別要素の前記メモリに記憶された情報を受信するように構成され、前記第1の検出エリアは読み取り専用検出エリアであり、
前記データ処理システムは、前記識別要素が前記第2の検出エリア内に配置されると、該識別要素の前記メモリにデータを記憶するように構成されている、請求項12又は請求項12を引用する請求項13に記載のゲームシステム。
【請求項15】
データ処理システムと識別要素とを備えるゲームシステムであって、前記識別要素は、該ゲームシステムに関する情報を記憶するメモリを備え、前記データ処理システムは、第1の検出エリアを画定する検出デバイスを備え、前記データ処理システムは、前記識別要素が前記第1の検出エリア内に配置されると、前記第1の検出エリア内の前記識別要素の存在を検出し、該識別要素の前記メモリに記憶された情報を受信するように構成され、前記第1の検出エリアは読み取り専用検出エリアであり、
前記検出デバイスは、前記第1の検出エリアと異なる第2の検出エリアを画定し、前記データ処理システムは、前記識別要素が前記第2の検出エリア内に配置されると、該識別要素の前記メモリにデータを記憶するように構成されており、
前記データ処理システムは、前記識別要素が前記第2の検出エリア内に位置決めされるとともに、別の識別要素が前記第1の検出エリア内で検出されたときにのみ、情報を記憶のために前記識別要素に送信するように構成されている、ゲームシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つ又は複数の識別要素並びに前記第1の検出エリア及び前記第2の検出エリアは、各検出エリアが各識別要素を収容するように動作可能であるよう成形及びサイズ決めされている、請求項14又は15に記載のゲームシステム。
【請求項17】
前記データ処理システムは、前記第2の検出エリア内での識別要素の検出に応答して、前記第2の検出エリアを読み取り専用モード又は書き込み専用モードで選択的に動作させ、前記識別要素が前記第2の検出エリアから再度取り除かれるまで、前記選択されたモードを維持するように構成されている、請求項14〜16のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項18】
前記データ処理システムは、前記第2の検出エリア内での前記識別要素の検出に応答し、ユーザー入力、ゲームイベント、前記第1の検出エリア内での識別要素の検出、前記第1の検出エリア内での所定のカテゴリーの識別要素の検出のうちの1つ又は複数に応答して読み取り専用モード又は書き込み専用モードのいずれかを選択するように構成されている、請求項17に記載のゲームシステム。
【請求項19】
ゲームシステムを動作させる方法であって、前記ゲームシステムは、データ処理システムと、該ゲームシステムに関する情報を含む識別要素とを備え、前記データ処理システムは、第1の検出エリアと、前記第1の検出エリアと異なる第2の検出エリアとを画定する検出デバイスを備え、該方法は、
前記第1の検出エリア又は前記第2の検出エリア内で前記識別要素の存在を検出することと、
前記検出された存在に応答して、前記検出エリアのうちの特定の一方を、前記識別要素が位置決めされている検出エリアとして識別することと、
少なくとも前記識別された検出エリアに応答して、前記データ処理システムによって1つ又は複数の機能の動作を引き起こすことと、
前記第1の検出エリアは読み取り専用検出エリアであり、前記識別要素が前記第1の検出エリア内に配置されると、該識別要素のメモリに記憶された情報を受信することと、
前記識別要素が前記第2の検出エリア内に位置決めされるとともに、別の識別要素が前記第1の検出エリア内で検出されたときにのみ、情報を記憶のために前記識別要素に送信することと、
を含む、方法。
【請求項20】
ゲームシステムを動作させる方法であって、前記ゲームシステムは、データ処理システムと、識別玩具要素に関連付けられた情報を含む該識別玩具要素とを備え、該方法は、
1つ又は複数の玩具構築要素を前記識別玩具要素に取り付け、前記ゲームシステムの検出エリア内に前記識別玩具要素を位置決めすることと、
前記データ処理システムによって、前記検出エリア内の前記識別玩具要素の存在を検出することと、
前記データ処理システムによって、出された前記識別玩具要素と対応する仮想環境内の仮想オブジェクトとの間の関連付けを作成することであって、前記仮想オブジェクトを識別する識別子を検出された前記識別玩具要素のメモリに記憶することにより、又は前記識別玩具要素の識別子を前記データ処理システムのメモリに記憶することにより作成することと、
前記識別玩具要素を前記データ処理システムの検出エリア内に再度配置することと、
前記データ処理システムによって、前記検出エリア内の前記識別玩具要素の前記存在を検出することと、
前記データ処理システムによって、前記識別玩具要素に関連付けられた前記情報にアクセスすることと、
前記データ処理システムによって、アクセスされた前記情報に基づいて、前記関連付けられた仮想オブジェクトの表示を提示することと、
を含む、方法。
【請求項21】
請求項1〜19のいずれか1項に記載のゲームシステムのデータ処理システム上で実行されると、該データ処理システムに、
検出エリア内で識別玩具要素の前記存在を検出させ、
仮想環境内の仮想オブジェクトと検出された前記識別玩具要素との間の関連付けを作成させることであって、前記仮想オブジェクトを識別する識別子を検出された前記識別玩具要素のメモリに記憶することにより、又は前記識別玩具要素の識別子を前記データ処理システムのメモリに記憶することにより作成させ、
前記識別玩具要素が前記データ処理システムの検出エリア内に再度配置されると、前記検出エリア内で前記識別玩具要素の前記存在を検出させ、
前記識別玩具要素に関連付けられた前記情報にアクセスさせ、
前記データ処理システムによって、アクセスされた前記情報に基づいて、前記関連付けられた仮想オブジェクトの表示を提示させる、
ように適合されたプログラムコード手段を含む、コンピュータープログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム並びにゲームシステムの方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーが仮想環境において仮想キャラクターを動作させるようなゲームシステムは、子供及び大人のユーザーの間でますます人気を高めている。ゲームコンソール、ハンドヘルドゲームデバイス、デスクトップコンピューター、ポータブルコンピューター、タブレットコンピューター又はモバイルフォン等のデータ処理システムによって実施することができる様々なそのようなゲームシステムが存在する。そのようなシステムは、ますます面白く、愉快で、及び/又は教育に役立つものにすることが一般的には望ましい。
【0003】
物理的玩具によって仮想ゲームプレーを制御する幾つかの試みがなされてきた。例えば、英国特許出願公開第2365796号明細書は、玩具情報を記憶する玩具と、非接触データ伝送システムによって玩具情報を検出するリーダー(読み取り装置)と、ゲームデバイスとを備えるゲームシステムを開示している。このゲームデバイスは、玩具を表すキャラクターが、リーダーによって検出された玩具情報に従って現れるゲームを実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くのゲームシステムでは、ゲームプレー中に、例えば、仮想オブジェクトがより高度なオブジェクトに進化したとき、プレーヤーが仮想機器を取得したとき等に、様々な仮想オブジェクトがプレーヤーに利用可能になる場合がある。したがって、仮想ゲームプレー中に、対応する物理オブジェクトによって異なる仮想オブジェクトを表すことができることが望ましい。このため、ユーザーが、多数の異なる仮想オブジェクトのうちの選択されたものに類似している物理オブジェクトを取得することを可能にする柔軟なメカニズムをユーザーに提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、データ処理システムと、識別玩具要素に関連付けられた情報を含むか又は含むように構成された該識別要素とを備えるゲームシステムであって、前記データ処理システムは、
例えば、前記識別玩具要素が検出エリア内に配置されると、前記検出エリア内で前記識別要素の存在を検出し、
仮想環境内の仮想オブジェクトと前記検出された識別要素との間の関連付けを作成し、
前記識別要素が検出エリア内に再度配置されると、前記識別要素に関連付けられた前記情報にアクセスし、
前記アクセスされた情報に基づいて、前記関連付けられた仮想オブジェクトの表示を提示し、
前記仮想オブジェクトの前記表示を制御することを含むプレーパターン手順を実行する、
ように構成されている、ゲームシステムが本明細書に開示されている。
【0006】
したがって、例えば、新たなタイプの仮想オブジェクトが追加されたときに、既存の識別玩具要素を再利用することができるので、このゲームシステムを容易に維持することができる。
【0007】
前記識別要素は、識別玩具要素とすることができる。幾つかの実施の形態では、前記識別玩具要素は、ユーザーが玩具構築モデルを構築することを可能にするために、1つ又は複数の他の玩具構築要素を前記識別玩具要素に機械的に接続するように構成された1つ又は複数のコネクターを備える玩具構築要素である。したがって、ユーザーは、1つ又は複数の玩具構築要素を識別玩具要素に取り付けることによって識別玩具要素に接続された物理的玩具構築モデルの視覚的外観を変更することができる。その結果、ユーザーは、所与の物理オブジェクトがどの仮想オブジェクトに対応するのかをユーザーにより容易に認識可能にするように、玩具構築モデルの視覚的外観を適合させることができる。
【0008】
その上、所与の識別玩具要素は、容易に認識可能な特定の外観を有する必要はなく、ユーザーが容易にカスタマイズすることができる汎用の要素として提供することができる。これによって、識別玩具要素の製造コストが削減される。
【0009】
結果として得られるシステムの実施の形態は、このゲームシステムによって検出される物理オブジェクトをデザインする高い自由度をユーザーに提供することができるので、興味を起こさせるゲームプレーを更に提供する。
【0010】
多くのゲームシステム又は他のアプリケーションでは、リーダーによって、このリーダーの検出エリア内に存在するときに読み取ることができる情報を記憶した物理オブジェクトが用いられる。特に、RFIDタグが、便利な識別媒体及び記憶媒体として多くのアプリケーションに有用であることが分かっている。多くのアプリケーションでは、そのようなオブジェクトに含まれるメモリから情報を読み取ること及びこのオブジェクトのメモリに情報を書き込むことが望ましい。例えば、ゲームシステム、例えば、上記第1の態様によるゲームシステムに関して、所与のタグは、初期には、ゲーム内の第1の仮想オブジェクトを表すことができる。ゲームが進行するにつれて、このタグを異なる仮想オブジェクトに関連付ける情報、ゲーム内の進行に関する情報、及び/又は他のゲーム関連データ等のデータをこのタグに記憶することが望ましい場合がある。
【0011】
しかしながら、そのようなシステムは、ユーザーが情報をタグに不注意で上書きするか又はそれ以外にデータを誤ったタグに書き込む危険性を伴っている。この危険性は、ユーザーが子供若しくは不慣れなユーザーであるとき、又はシステムが、複数のタグ、例えば、ゲーム内の異なる仮想オブジェクトを表す複数のタグのハンドリングを必要とするときに特に顕著である。
【0012】
第2の態様によれば、データ処理システムと識別玩具要素等の識別要素とを備えるゲームシステムであって、前記識別要素は、該ゲームシステムに関する情報を記憶するメモリを備え、前記データ処理システムは、第1の検出エリアを画定する検出デバイスを備え、前記データ処理は、前記識別要素が前記第1の検出エリア内に配置されると、前記第1の検出エリア内の前記識別要素の存在を検出し、該識別要素の前記メモリに記憶された情報を受信するように構成され、前記第1の検出エリアは読み取り専用検出エリアとして動作可能であり、
前記検出デバイスは、前記第1の検出エリアと異なる第2の検出エリアを画定し、前記データ処理システムは、前記識別要素が前記第2の検出エリア内に配置されると、該識別要素の前記メモリにデータを記憶するように構成されている、ゲームシステムが本明細書に開示されている。
【0013】
その結果、検出デバイスの第1の検出エリア及び第2の検出エリアが互いに異なるとき、第1の検出エリアは、識別要素のメモリからデータを読み取ることのみに動作可能な読み取り専用検出エリアである一方、第2の検出エリアは、識別要素のメモリにデータを書き込むのに用いられるので、データを識別要素に不注意で書き込む危険性は低減される。例えば、ユーザーが、単に、所与の識別要素からデータを読み取ることしか意図していない場合、ユーザーは、データを識別要素に書き込む危険性を冒すことなく、識別要素を第1の検出エリアに配置することができる。ユーザーが、識別要素を、指定された書き込みエリアとみなすことができる第2の検出エリア内に位置決めしたときにのみ、データをその識別要素に書き込むことができる。
【0014】
以下では、上記で説明した態様の幾つかの実施の形態及び以下で説明する更なる態様が、より詳細に説明される。
【0015】
玩具構築要素は、1つ又は複数の異なるタイプの互いに相互接続可能な玩具構築要素を含む玩具構築システムの玩具構築要素とすることができる。玩具構築要素は、既存の玩具構築システムの要素とすることができる。したがって、ユーザーは、既存の玩具構築要素を再利用して、仮想環境内の仮想オブジェクトに対応する物理オブジェクトを構築することができる。それでも、ゲームシステムは、玩具構築要素を互いに及び/又は識別玩具要素と取り外し可能/解除可能に相互接続するように構成された1つ又は複数のコネクターをそれぞれ備える複数の玩具構築要素を備えることができる。例えば、玩具構築セットは、ユーザーが、ゲームシステムの1つ又は複数の仮想オブジェクトに類似している玩具構築モデルを構築することを可能にするために、十分な数、形状及びサイズの玩具構築要素を備えることができる。
【0016】
幾つかの実施の形態では、玩具構築要素のうちの1つ又は複数は、玩具構築要素の垂直の積重ねを可能にするために、上面と、底面と、上面及び底面のうちの少なくとも一方に配置されたコネクターとを有する。代替的に又は付加的に、玩具構築要素は、玩具構築要素の横/水平の相互接続を可能にするために、その側面のうちの1つ又は複数にコネクターを備えることができる。上記玩具構築要素は、上記上面と上記底面との間に規定される均一な高さ又は均一な高さの整数倍を有することができる。
【0017】
コネクターは、各構築要素と、この構築要素に対して離散的な数の所定の相対的な向きの別の構築要素との相互接続を可能にするように構成することができる。その結果、多種多様の可能な組み立て選択肢が利用可能であるとともに、組み立て要素の相互接続性が確保される。コネクターは、規則的な格子の格子点に位置決めすることができる。特に、玩具構築要素のコネクターは、一組の互いに相互接続される玩具構築要素のコネクターが3次元の規則的な格子の格子点に位置決めされるように配置することができる。玩具構築要素の寸法は、規則的な格子によって規定される単位長の整数倍として規定することができる。3次元格子は、単一の単位長、2つの単位長(例えば、一方の単位長は、2つの空間次元において適用可能であり、他方の単位長は、第3の空間次元において適用可能である)によって規定することができることが理解されるであろう。更に代替的に、3次元格子は、各空間次元につき1つの、3つの単位長を規定することができる。
【0018】
コネクターは、構築要素を他の構築要素と取り外し可能/解除可能に接続する任意の適したメカニズムを利用することができる。幾つかの実施の形態では、コネクターは、例えば、プラグアンドソケット形式又は雄雌形式で互いに嵌め込み係合するように構成された2つ以上のタイプのコネクターを含む。玩具構築要素の異なる表面は、それぞれのタイプのコネクターを備えることができる。幾つかの実施の形態では、コネクターは、1つ又は複数の突出部と、1つ又は複数のキャビティとを備え、各キャビティは、突出部のうちの少なくとも1つを摩擦係合で収容するように適合されている。
【0019】
玩具構築システムの実施の形態は、ユーザーが、均一で十分に構造化された方法で、かつ、限られた一組の異なるタイプの玩具構築要素を用いて、多種多様の玩具構築モデルを構築することを可能にする。幾つかの実施の形態では、ゲームシステムは、複数の玩具構築要素を備え、仮想オブジェクトは、複数の玩具構築要素から構築可能な玩具構築モデルに類似している。その結果、ユーザーは、構築モデルが関連付けられている仮想オブジェクトに当該構築モデルが類似するように、識別玩具要素を含む玩具構築モデルを構築することができる。ユーザーは、このため、物理的玩具構築モデルがどの仮想オブジェクトを表しているのかを容易に認識することができる。類似の程度は変化し得ることが理解されるであろう。例えば、データ処理システムによって提示される仮想オブジェクトの表示は、玩具構築要素から構築された構築モデルを描写することができる。幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトの表示は、玩具構築モデルの構築用にゲームシステムに含まれるのと同じ構築要素から構築された玩具構築モデルを描写することができ、任意選択で識別玩具要素の表示を有する場合と有しない場合とがある。他の実施の形態では、仮想モデルの表示は、所与のオブジェクトのより詳細な形状又はよりリアル感のある形状を提供するより多数の玩具構築要素から構築されたより大きなモデルを描写することができる。更に他の実施の形態では、この仮想表示は、個々の玩具構築要素を描写せずに、アニメーション化されたオブジェクトとして描写することができる。
【0020】
データ処理システム、特に、データ処理システムの検出デバイスは、検出エリア内で識別玩具要素の存在を検出する任意の適したメカニズムを用いることができる。この検出メカニズムは、識別玩具要素の電気的接続を必要とする場合もあるし、例えば、容量検出、誘導検出、カメラによる検出、無線周波数信号に基づく検出、光学的検出及び/又は別の検出技術及び/又は上記のもの若しくは他の技術の2つ以上の組み合わせに基づく非接触検出メカニズムである場合もある。検出エリアのサイズ及び/又は形状は、通常、用いられる検出技術と、検出技術を実施する検出デバイスとによって画定される。検出デバイスは、データ処理システムの一体部分とすることもできるし、データ処理システムに接続可能な別個のデバイス、例えば、コンピューター周辺機器とすることもできる。本説明において、検出デバイスの幾つかの実施の形態は、識別玩具要素に関連付けられた情報のアクセスも行うので、検出デバイスはリーダーとも呼ばれる。検出デバイスは、識別玩具要素を電気的に接続する電気コネクターを備えることができる。代替的に、検出デバイスは、識別玩具要素の非接触検出のためのアンテナ又は他のセンサーを備えることができる。第1の例では、検出エリアは、このため、電気コネクターによって画定することができる一方、第2の例における検出エリアは、アンテナ又は他の非接触センサーの受信範囲によって画定することができる。検出デバイスは、識別玩具要素を検出の目的で配置することができる検出面を画定することができる。幾つかの実施の形態では、検出デバイスは、識別玩具要素が、表面と接触して位置決めされたとき、及び/又は表面に非常に接近して位置決めされたとき、例えば、表面から5cm以内、2cm以内、1cm以内といった10cm以内に位置決めされたときにのみ、識別玩具要素を検出するように構成することができる。したがって、幾つかの実施の形態では、検出面は、接触面と呼ばれる場合がある。この表面、又はこの表面の一部は、このため、検出エリアを画定することができる。他の実施の形態では、検出エリアは、検出デバイスよりも大きくすることができ、及び/又は検出デバイスから遠隔とすることができる。例えば、幾つかの非接触検出技術は、検出デバイスから遠隔の検出エリア、例えば、検出デバイスから1mよりも遠く離れているといった、検出デバイスから10cmよりも遠く離れた検出エリア内の識別要素の検出を可能にする。この検出技術は、データ処理システムが、検出デバイスを介して、識別玩具要素に含まれる情報にアクセスすることを更に可能にすることができる。代替的に、情報アクセスは、別個の技術を用いることができる。この情報アクセス技術は、例えば、無線周波数データ通信、有線データ通信、光情報アクセス技術等を用いることができる。幾つかの実施の形態では、検出技術及び/又は情報アクセス技術は、データ処理システムが、例えば、識別玩具要素に含まれる情報を変更、置換及び/又は補足するために、情報を識別玩具要素に通信することを可能にする2方向技術である。幾つかの実施の形態では、検出及び情報アクセスは、近距離場通信(NFC(登録商標))又は無線周波数識別(RFID(登録商標))に基づく。
【0021】
幾つかの実施の形態では、検出デバイスは、検出メカニズムを実施するプロセッサ及び/又は他の回路機構と、識別玩具要素との通信インターフェースとを備える。このプロセッサ及び/又は他の回路機構は、データ処理システムとの通信インターフェースを更に実施することができる。ユーザーが、検出デバイスを一体部分として備える玩具構築モデル、例えば、仮想環境に関連付けられた風景、競技場、入口又は他の構造体に類似したモデルを構築することを可能にするために、検出デバイスは、玩具構築要素を検出デバイスに機械的に接続するコネクターを備えることができる。したがって、識別玩具要素を有する玩具構築モデルを検出デバイスの検出エリア内に配置することは、風景、競技場等の中に玩具構築モデルを配置することに類似している。幾つかの実施の形態では、検出デバイスは、例えば、スマートフォン(登録商標)等の処理デバイスのRFIDリーダーとして具現化することができる。
【0022】
データ処理システムは、ゲームイベントに少なくとも部分的に応答して、例えば、仮想オブジェクトの選択を示すユーザー入力等のユーザー入力に応答して、関連付けを作成するように構成することができる。ゲームイベントは、現在の仮想オブジェクトの進化形又は全く新しいタイプの仮想オブジェクト等の新たな仮想オブジェクトのロック解除(unlocking)を含むことができる。ゲームイベントは、ゲームが或る特定のステージに到達したこと、プレーヤーが或る特定の数のクレジット、ゲーム内通貨又は他のタイプの報償等を取得したこと、ユーザーが利用可能な仮想オブジェクトのリストから新たな仮想オブジェクトを選択したこと等を含むことができる。幾つかの実施の形態では、データ処理システムは、ゲームイベントに応答して、識別玩具要素と仮想オブジェクトとの間の既存の関連付けを、新たな仮想オブジェクトと識別玩具要素との間の新たな関連付けに置き換えるように構成され、データ処理システムが、検出エリア、例えば第1の検出エリア内で識別玩具要素の存在を再度(すなわち、関連付けの作成後に)検出すると、データ処理システムが、上記新たな仮想オブジェクトの表示を提示し、新たな仮想オブジェクトの表示を制御することを含むプレーパターン手順を実行するようになっている。その結果、ユーザーは、識別玩具要素を代々の仮想オブジェクトに関連付けることができる。ユーザーは、このため、識別玩具要素を用いて種々の玩具構築モデルを選択的に構築することができ、各玩具構築モデルは、この玩具構築モデルに関連付けられたそれぞれの仮想オブジェクトを有する。識別要素に含まれる情報、例えば、識別要素のメモリに記憶された情報は、関連付けを示すことができる。したがって、関連付けを作成することは、例えば、関連付けられた仮想オブジェクトを識別する識別子を検出された識別要素のメモリに記憶することによって、検出された識別要素のメモリに関連付けを示す情報を記憶することを含むことができる。
【0023】
幾つかの実施の形態では、システムは、玩具等の物理オブジェクトの視覚的外観を示す情報を取得するように構成されたスキャンデバイスを備える。データ処理システムは、取得された情報に基づく表示を用いて仮想オブジェクトを作成するように構成されている。特に、スキャンデバイスは、光学スキャンデバイスとすることができる。したがって、ユーザーは、カスタマイズされた外観を有する仮想オブジェクトを作成する際に大きな自由を有する。仮想オブジェクトは、玩具識別要素に関連付けられているので、その後、仮想オブジェクトの外観についての情報を再度取得する必要なく、仮想オブジェクトを、仮想環境内に現れるようにトリガーすることができる。
【0024】
物理オブジェクトが、識別玩具要素に取り付け可能であるとき、ユーザーは、ユーザー定義の外観を有するとともに、対応する仮想オブジェクトが玩具識別要素に関連付けられると、データ処理システムによって容易に認識可能な物理オブジェクトを作成することができる。例えば、物理オブジェクトは、玩具識別要素の対応するコネクターに接続可能なコネクターを有する玩具構築要素から構築された玩具構築モデルとすることができる。
【0025】
スキャンデバイスは、例えば、デジタルカメラ、例えば、コンピューターの組み込みカメラとすることができ、物理オブジェクトの視覚的外観の取得は、オブジェクトの1つ又は複数の映像を取得することを含むことができる。データ処理が、取得された映像及び/又は他のスキャンデータを受信するように動作可能であるよう、スキャンデバイスをデータ処理システムに接続することもできるし、データ処理システム内に統合することさえできる。例えば、スキャンプロセス及び仮想オブジェクトを作成するプロセスは、国際出願PCT/EP2015/062381号に記載されているように実行することができる。
【0026】
他の実施の形態では、スキャンデバイスは、デプスカメラ(depth camera)を備えることができ、オブジェクトの外観を示す情報は、奥行き情報を含むことができる。また更なる実施の形態では、スキャンデバイスは、例えば、米国特許出願公開第2015/042757号明細書に記載されているような3Dスキャナーを含むことができる。
【0027】
スキャンプロセスは、オブジェクトを識別玩具要素に取り付ける前又は後に実行することができる。幾つかの実施の形態では、スキャンプロセスは、玩具識別要素に取り付けられた物理オブジェクトが検出デバイスの検出エリア内に配置されると実行される。
【0028】
幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトを作成することは、ゲーム関連属性及び/又はゲーム関連行動特性を仮想オブジェクトに追加することを含むことができる。データ処理システムは、例えば、ユーザーが、追加される幾つかの特定の属性/行動を選択することを可能にする選択メニューを提示することによって、ユーザー入力に基づいてそのような属性及び/又は行動を追加することができる。幾つかの実施の形態では、データ処理システムは、例えば、物理オブジェクトの外観についての受信情報に基づいて、1つ又は複数の属性又は行動特性を自動的に追加するように構成することさえできる。このために、データ処理システムは、物理オブジェクトの1つ又は複数の特徴又は視覚的特性、例えば、形状、サイズ、色、幾つかの特定の特徴の存否等を検出することができる。データ処理システムは、その場合、物理オブジェクトの検出された特徴又は視覚的特性に基づいて幾つかの特定の行動特徴を追加することができる。物理オブジェクトの検出された視覚的特性に基づいて行動を仮想オブジェクトに追加するプロセスの一例は、国際出願PCT/EP2015/062381号に記載されている。
【0029】
本明細書において説明する様々な態様は、仮想オブジェクトがデータ処理システムによって制御される様々なコンピューター生成仮想環境を用いて実施することができる。一般に、仮想オブジェクトは、生物オブジェクトとすることもできるし、無生物オブジェクトとすることもできる。仮想オブジェクトは、完全に自律的なオブジェクトとすることもできるし、その動作が部分的又は完全にユーザー入力に応答しているオブジェクトとすることもできる。無生物仮想オブジェクトの例は、建物、車両、武器又は他の付属品若しくは機器等を含む。仮想オブジェクトは、仮想環境内で静止したものである場合もあれば、可動のものである場合もある。例えば、オブジェクトは、仮想キャラクターが、携帯し、装着し若しくはその他の方法で移動させることができ、及び/又はユーザーが、移動するように制御することができる。例えば、自動車又は他の車両は、カーレースゲームにおいて制御される。仮想オブジェクトは、ドア等及び/又は他の変更可能部分等の可動部分を備えることができる。
【0030】
仮想オブジェクトは、人間のようなキャラクター、動物のようなキャラクター、空想生物等の仮想キャラクター又は他の生物オブジェクトを表すことができる。幾つかの実施の形態では、物質世界におけるその同等物が無生物、例えば自動車である仮想オブジェクトが、仮想環境においては生物仮想オブジェクト又は生物仮想キャラクターとして用いられる場合がある。したがって、幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトは仮想キャラクターであり、幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトは無生物オブジェクトである。
【0031】
仮想キャラクターは、仮想環境内を動き回ることによって、仮想環境に存在する他の仮想キャラクター及び/又は無生物仮想オブジェクト及び/又は仮想環境自体とインタラクト若しくは関与することによって、及び/又はそれ以外での仮想環境内での展開、例えば、成長、老化、発達若しくは能力、属性等の喪失によって行動を示すことができる。一般に、仮想オブジェクトは、属性、例えば、ゲームプレー又は他の仮想環境の進展に影響を与える1つ又は複数の能力を有することができる。例えば、自動車は、或る特定の最高速度を有することもできるし、オブジェクトは、仮想キャラクターが仮想オブジェクト等とインタラクトすることができるか否か又はどのようにインタラクトすることができるのかを決定する属性を有することもできる。
【0032】
したがって、コンピューター生成仮想環境は、データ処理システム上で実行されて、このデータ処理システムに仮想環境を生成させるとともに、仮想環境内での1つ若しくは複数の仮想キャラクターの行動及び/又は1つ若しくは複数の仮想オブジェクトの属性を含む仮想環境の経時的な進展をシミュレーションさせるコンピュータープログラムによって実施することができる。コンピューター生成仮想環境は、持続的なものとすることができる。すなわち、コンピューター生成仮想環境は、ユーザーが、例えば、ユーザーセッション間でこのコンピューター生成仮想環境とインタラクトしないときであっても、進展及び存在し続けることができる。代替の実施の形態では、仮想環境は、ユーザーがこの仮想環境とインタラクトしている間にのみ、例えば、アクティブなユーザーセッション中にのみ進展することができる。仮想オブジェクトは、少なくとも部分的にユーザー制御することができる。すなわち、データ処理システムは、受信されたユーザー入力に少なくとも部分的に基づいて、仮想オブジェクトの行動を制御することができる。コンピューター生成仮想環境は、シングルユーザー環境とすることもできるし、マルチユーザー環境とすることもできる。マルチユーザー環境では、2人以上のユーザーが、例えば、仮想環境内のそれぞれの仮想キャラクター又は他の仮想オブジェクトを制御することによって、同時に仮想環境とインタラクトすることができる。コンピューター生成仮想環境、特に、持続的なマルチユーザー環境は、仮想世界と呼ばれることもある。コンピューター生成仮想環境は、ユーザーが仮想環境内の1つ又は複数の仮想キャラクターを制御することができるゲームシステムにおいて頻繁に用いられる。ユーザーによって制御される仮想キャラクターは、「プレーヤー」と呼ばれることもある。本明細書において説明する態様の少なくとも幾つかの実施の形態は、ゲームプレー以外の状況においても用いることができることが理解されるであろう。コンピューター生成仮想環境の例は、ビデオゲーム、例えば、技能ゲーム、アドベンチャーゲーム、アクションゲーム、リアルタイム戦略ゲーム、ロールプレーゲーム、シミュレーションゲーム等又はそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
ゲームシステムは、仮想環境内の仮想キャラクター等の1つ又は複数の仮想オブジェクトの表示を含む仮想環境の表示を提示することができる。仮想環境及び/又は仮想オブジェクトを、2次元又は3次元のグラフィカル表示としてデータ処理システムのディスプレイ上に提示することができる。ユーザーは、グラフィカル提示を見るために及び/又はコンピューター生成仮想環境とインタラクトするために、コンピューター生成仮想環境にアクセスすることができる。幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトは、複数の相互接続された玩具構築要素から構成される3次元玩具モデルの表示として表される。幾つかの実施の形態では、この表示は、3Dビュアー等の3D対応デバイスを用いて見ることができる3次元表示を含む。
【0034】
識別玩具要素に関連付けられた情報は、この識別玩具要素の識別子を含むことができる。データ処理システムは、このため、この識別子を仮想玩具構築要素の識別子と関連付けて記憶することによって、仮想オブジェクトへの関連付けを作成することができる。データ処理システムは、この関連付けをデータ処理システムの記憶デバイスに記憶することもできるし、それ以外でデータ処理システムによってアクセス可能とすることができる。データ処理システムの記憶媒体又はデータ処理システムによってアクセス可能な記憶媒体は、データ処理システムに含まれるか又は接続されたメモリ又は記憶デバイスとすることができる。代替的に又は付加的に、データ処理システムは、仮想オブジェクトの識別子を識別玩具要素のメモリに記憶することができる。したがって、関連付けを作成することは、仮想オブジェクトの識別子を識別玩具要素のメモリに記憶することを含むことができる。他の実施の形態では、この関連付けは、識別玩具要素の識別子をデータ処理システムのメモリ又はデータ処理システムに関連付けられたメモリに記憶することによって作成することができる。一方、関連付けが、仮想オブジェクトの識別子を識別要素のメモリに記憶することによって作成されたとき、この動作は、データ処理が識別玩具要素に事前に記憶された情報にアクセスすることを要しない。その上、関連付けは、データ処理システムによって維持される必要がない。識別玩具要素のメモリは、EPROM、EEPROM、NVRAM、フラッシュメモリ等、若しくは別の適したタイプのメモリ又は2つ以上のメモリタイプの組み合わせ等の任意の適した記憶媒体を含むことができる。メモリは、読み取り専用又は書き換え可能とすることができる。
【0035】
幾つかの実施の形態では、識別玩具要素に関連付けられた情報は、仮想オブジェクトの識別子、仮想オブジェクトの属性等の仮想オブジェクトについての情報を含むことができる。データ処理システムは、このため、仮想オブジェクトについての情報を識別玩具要素のメモリに記憶することによって、仮想オブジェクトへの関連付けを作成することができる。例えば、識別玩具要素のメモリは、識別玩具要素に関連付けられた仮想オブジェクトの識別子を含むことができる。その結果、幾つかの実施の形態では、識別玩具要素は、最初に、この識別玩具要素自体の識別子しか含まないか、又はデフォルトの識別子若しくはゲームシステムの一部としての識別玩具要素を識別する識別子しか含まないこともある。その場合、仮想オブジェクトと識別玩具要素との間の関連付けをデータ処理システムによって作成することは、仮想オブジェクトを示す情報又はそれ以外の識別玩具要素に対する作成された関連付けを示す情報を記憶することを含むことができる。
【0036】
幾つかの実施の形態では、データ処理システムは、仮想オブジェクトに類似するか又はその他の方法で仮想オブジェクトを表しかつ識別玩具要素に接続可能な玩具構築モデルをゲームシステムの玩具構築要素から構築する組み立て命令を提示するように構成されている。その結果、ゲームシステムは、ユーザーが、仮想オブジェクトに類似する玩具構築モデ又はその他の方法で仮想オブジェクトを表す玩具構築モデルを構築することを助ける案内を提供する。これらの組み立て命令は、任意の適した形態で、例えば、アニメーション、ビデオ、一連の画像、テキスト、及び/又はそれらの組み合わせとして提示することができる。例えば、組み立て命令は、ゲームイベント及び/又はユーザー入力に応答して提示することができる。
【0037】
ゲームシステムは、複数の識別玩具要素と、ユーザーがゲームシステムにおいて用いる複数の玩具構築モデルを構築することを可能にする複数の玩具構築要素とを備えることができる。一方、ユーザーがゲームプレーの任意の時点で任意の識別玩具要素を自由に用いる自由を制限することが望ましい場合がある。例えば、自由を制限しない場合に、ユーザーは、近時にロック解除された仮想オブジェクトに類似する新たな玩具構築モデルの構築を目的として、以前に構築された玩具構築モデルを解体し、対応する識別玩具要素を再利用することを選ぶ場合がある。しかしながら、ユーザーは、ゲームプレーを完了するために、この時解体された玩具構築モデルをその後に必要とする場合がある。なぜならば、幾つかの実施の形態では、仮想オブジェクトの使用は、この仮想オブジェクトが関連付けられている識別玩具要素の検出を条件とする場合があるからである。したがって、ユーザーは、仮想オブジェクトを再度用いることができるように識別玩具要素との対応する新たな関連付けを作成することが必要となる場合があり、したがって、その結果、ゲーム体験がフラストレーションを与える可能性がある。幾つかの実施の形態では、ゲームシステムは、それぞれの識別玩具要素に関連付けられた情報をそれぞれ含む第1の識別玩具要素及び第2の識別玩具要素を備え、データ処理システムは、少なくとも第1の識別玩具要素の検出に応答して、1つ又は複数の新たな仮想オブジェクトをロック解除/有効化するように構成され、第2の識別玩具要素は、ユーザーが玩具構築モデルを構築することを可能にするために、1つ又は複数の玩具構築要素を第2の識別玩具要素に接続するように構成された1つ又は複数のコネクターを備え、データ処理システムは、同じ又は異なる検出エリア内での第1の識別玩具要素及び第2の識別玩具要素の検出に少なくとも応答して、ロック解除された仮想オブジェクトのうちの1つと第2の識別玩具要素との間の関連付けを作成するように構成されている。その結果、システムは、一組の識別玩具要素のうちの選択された識別玩具要素を用いる際にユーザーを効果的に案内するメカニズムを提供する。特に、第2の識別玩具要素との関連付けの作成には、第1の識別玩具要素(既存の関連付けを有する)の存在も必要であるので、この既存の関連付けを不注意に上書きすることを防止することができる。幾つかの実施の形態では、第1の識別玩具要素は、仮想キャラクターに関連付けられている一方、第2の識別玩具要素は、この仮想キャラクターによって用いられる付属品等の無生物オブジェクトに関連付けられている。
【0038】
幾つかの実施の形態では、ゲームシステムは、第1の検出エリアと、この第1の検出エリアと異なる第2の検出エリアとを画定する検出デバイスを備える。検出デバイスは、第1の検出エリア内で検出された識別玩具要素に関連付けられた情報にアクセスするように構成することができ、検出デバイスは、識別玩具要素に関連付けられた情報を、識別玩具要素によって記憶させるために、第2の検出エリア内で検出された識別玩具要素に送信するように更に構成することができる。したがって、第1の検出エリアは、読み取りエリア、例えば、読み取り専用エリアとすることができる一方、第2の検出エリアは、書き込みエリア、例えば、読み書きエリア又は書き込み専用エリアとすることができる。識別玩具要素のうちの少なくとも幾つかは、検出エリアのそれぞれに選択的に配置され、検出エリアのそれぞれを介して検出デバイスとインタラクトするように動作可能とすることができる。情報の検出及び書き込みのための個別の専用化された検出エリアをそれぞれ設けることによって、ユーザーが識別玩具要素の情報を不注意で上書きする危険性又は誤った識別玩具要素の読み取りを引き起こす危険性が低減される。代替的に又は付加的に、データ処理システムが、識別玩具要素に情報を記憶するために送信するように構成されているとき、この危険性を更に低減することができる。それは、上記識別玩具要素が第2の検出エリア内に位置決めされ、かつ、別の識別玩具要素、例えば所定の識別玩具要素が第1の検出エリア内で検出されたときのみである。したがって、幾つかの実施の形態では、ゲームシステムは、第1の識別要素及び第2の識別要素を備え、データ処理システムは、第2の識別要素が第2の検出エリア内に配置され、かつ、第1の識別要素が第1の検出エリアに配置されたときにのみ、情報を第2の識別要素に書き込むように構成されている。幾つかの実施の形態では、幾つかの識別玩具要素は、固定された仮想オブジェクトに関連付けられ、この関連付けは、例えば、関連付けられた仮想オブジェクトについての情報を識別玩具要素の読み取り専用メモリに記憶することによって、ユーザーが変更することができないようになっている。他の識別玩具要素は、書き換え可能とすることができる。すなわち、それらの関連付けは、ユーザーが変更することができる。幾つかの実施の形態では、ゲームシステムは、ユーザーが無生物仮想オブジェクトと識別玩具要素との間の関連付けのみを変更することを可能にするように構成されている一方、識別玩具要素と仮想キャラクターとの間の関連付けは固定/読み取り専用である。幾つかの実施の形態では、リーダーは、1つ又は複数の更なる検出エリア、例えば、1つ若しくは複数の更なる読み取り専用検出エリア及び/又は1つ若しくは複数の少なくとも部分的に書き込み専用の検出エリア及び/又はゲーム関連データの読み取り及び書き込みの双方を可能にする1つ若しくは複数の検出エリアを画定する。検出エリア及び/又は識別要素の読み取り制限及び/又は書き込み制限は、例えば、読み取り又は書き込みをそれぞれ電子的に不能とすることによって、ハードウェアで実施することができることが理解されるであろう。代替的に、読み取り制限及び書き込み制限は、検出デバイスの制御回路及び/又はデータ処理システム上で実行されるソフトウェアによって実施することができる。
【0039】
幾つかの実施の形態では、データ処理システムは、識別要素が第2の検出エリア内に配置されると、少なくとも1つの所定のタイプの情報を書き込むように動作可能であり、及び/又は識別要素のメモリの1つ若しくは複数の所定のメモリエリアに書き込むように動作可能であり、ここで、上記メモリからの上記所定のタイプの情報及び/又は上記所定のメモリエリア(複数の場合もある)からの情報の現在のバージョンを読み取ることは必要としない。したがって、第2の検出エリアは、少なくとも部分的に書き込み専用検出エリアとして動作することができ、処理システムは、メモリに書き込むようにのみ動作可能であるが、メモリから読み取るように動作可能でないようになっている。幾つかの実施の形態では、第2の検出エリアは、異なるモード、例えば、書き込み専用モード及び読み取り専用モードで選択的に動作することができる。そのような書き込み専用の制限は、メモリの内容全体に実施することもできるし、幾つかの内容、例えば、幾つかの特定のメモリエリアの内容又は或る特定のタイプの内容にのみ実施することもできる。例えば、ゲームステータス情報、キャラクター情報、キャラクター特性、能力、音、画像データ等のゲーム関連ペイロードデータに加えて、識別要素は、当該識別要素が第2の検出エリア内に配置されても、リーダーによって読み取られる或る特定のデータ、例えば、デバイスID又は通信IDを更に含むことができることが理解されるであろう。例えば、識別要素は、例えば、識別要素を正しくアドレス指定することができるように、及び/又は適したメモリロケーション等に正しいフォーマットでデータを書き込むために、書き込みプロセス中にリーダーによって用いられる識別子及び/又はプロトコルデータを記憶しておくことができる。それでも、幾つかの実施の形態では、識別要素は、当該識別要素が第2の検出エリア内に配置されると、データ処理システムが書き込むように動作可能であるが、(例えば、データが正しく書き込まれたことを検証するために、書き込みプロセスの一部として以外に)読み取るように動作可能でない、ゲーム関連データを記憶する少なくとも1つのメモリロケーションを含み、このメモリロケーションでは、識別要素が第1の検出エリア内に配置されると、データ処理システムは、当該メモリロケーションからゲーム関連データを読み取るように動作可能であるが、当該メモリロケーションにゲーム関連データを書き込むように動作可能ではない。識別要素は、音データ、画像データ、ウェブサイトへのリンク又はアドレス、クラウド内のデータレポジトリー等の更なるペイロードデータを含むことができることが更に理解されるであろう。
【0040】
幾つかの実施の形態では、識別要素のうちの少なくとも1つ又は複数を第1の検出エリア及び第2の検出エリア内に選択的に位置決めすることができる。すなわち、少なくとも1つ又は複数の識別要素並びに第1の検出エリア及び第2の検出エリアは、各識別要素を各検出エリア内に配置することができるように成形及びサイズ決めすることができる。したがって、第1の検出エリア又は第2の検出エリア内の識別要素の配置に応じて、これらの識別要素からの読み取り及びこれらの識別要素への書き込みを行うことができる。幾つかの実施の形態では、システムは、読み取り専用である検出要素を更に備えることができる。すなわち、この場合、この識別要素が第2の検出エリア内に配置された場合であっても、データ処理システムは、そのような読み取り専用識別要素にデータを書き込むように動作可能ではない。幾つかの実施の形態では、第2の検出エリアは、当該第2の検出エリア内に書き込み可能識別要素しか配置することができないように成形及びサイズ決めすることもできる。更に代替の実施の形態では、異なる識別要素が、1つ又は複数の読み取り専用の情報アイテムと、1つ又は複数の読み取り可能及び書き込み可能の情報アイテムとを含むことができる。
【0041】
幾つかの実施の形態では、識別玩具要素は、玩具構築モデルを支持するとともにゲームシステムの検出エリア内に玩具構築モデルを配置するためのベースプレートの形態を有する。このベースプレートは、ユーザーが当該ベースプレートの上部に1つ又は複数の玩具構築要素を配置して接続することを可能にする1つ又は複数のコネクターをその上面に備えることができる。ベースプレートは、例えば、次のもの、すなわち、プロセッサ、アンテナ、メモリ、RFID回路等のうちの1つ又は複数を含む電子回路を含むことができる。
【0042】
データ処理システムは、コンピュータープログラムをCPU等のプロセッサ内に実行のためにロードすることができるコンピューター可読媒体を備えることもできるし、このようなコンピューター可読媒体に接続可能とすることもできる。このコンピューター可読媒体は、このため、データ処理システム上で実行されると、本明細書において説明した方法のステップをこのデータ処理システムに実行させるように適合されたプログラムコード手段を記憶しておくことができる。データ処理システムは、ポータブルコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン、PDA(登録商標)、ゲームコンソール、ゲームデバイス、スマートTV(登録商標)、Androidスティック、又はグラフィカルユーザーインターフェースを有する別のプログラマブルコンピューティングデバイス等の適切にプログラミングされたコンピューターを含むことができる。幾つかの実施の形態では、データ処理システムは、例えば、ユーザーインターフェースを備えるクライアントシステムと、仮想環境を作成及び制御することができるホストシステムとを備えることができる。これらのクライアントシステム及びホストシステムは、インターネット等の適した通信ネットワークを介して接続することができる。
【0043】
ここで及び以下において、プロセッサという用語は、本明細書において説明される機能を実行するように適切に適合された任意の回路及び/又はデバイスを含むように意図されている。特に、この用語は、コンピューター若しくは他のデータ処理システムの中央処理ユニット(CPU)等の汎用若しくは専用のプログラマブルマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、専用電子回路等、又はそれらの組み合わせを含む。
【0044】
本開示は、上記及び以下で説明されるゲームシステム及びデバイス、対応する装置、システム、方法、及び/又は製品を含む種々の態様に関する。各態様は、他の態様のうちの1つ又は複数に関して説明される利益及び利点のうちの1つ又は複数をもたらし、各態様は、他の態様のうちの1つ又は複数に関して説明され及び/又は添付の特許請求の範囲に開示される実施の形態に対応する1つ又は複数の実施の形態を有する。
【0045】
特に、1つの態様によれば、ゲームシステムを動作させる方法であって、前記ゲームシステムは、データ処理システムと、識別玩具要素に関連付けられた情報を含む該識別玩具要素とを備え、
前記識別玩具要素は、ユーザーが玩具構築モデルを構築することを可能にするために、1つ又は複数の他の玩具構築要素を該識別玩具要素に機械的に接続するように構成された1つ又は複数のコネクターを備える玩具構築要素であり、該方法は、
1つ又は複数の玩具構築要素を前記識別玩具要素に取り付け、前記ゲームシステムの検出エリア内に前記識別玩具要素を位置決めすることと、
前記データ処理システムによって、前記検出エリア内の前記識別玩具要素の前記存在を検出することと、
前記データ処理システムによって、仮想環境内の仮想オブジェクトと前記検出された識別玩具要素との間の関連付けを作成することと、
前記識別玩具要素を前記データ処理システムの検出エリア内に再度配置することと、
前記データ処理システムによって、前記検出エリア内の前記識別玩具要素の前記存在を検出することと、
前記データ処理システムによって、前記識別玩具要素に関連付けられた前記情報にアクセスすることと、
前記データ処理システムによって、前記アクセスされた情報に基づいて、前記関連付けられた仮想オブジェクトの表示を提示することと、
を含む、方法が本明細書に開示されている。
【0046】
別の態様によれば、ゲームシステムを動作させる方法であって、前記ゲームシステムは、データ処理システムと、該ゲームシステムに関する情報を記憶するメモリを備える識別要素とを備え、前記データ処理システムは、第1の検出エリアを画定する検出デバイスを備え、該方法は、
前記第1の検出エリア又は前記第2の検出エリア内で前記識別要素の存在を検出することと、
前記検出された存在に応答して、前記検出エリアのうちの特定の一方を、前記識別要素が位置決めされている検出エリアとして識別することと、
少なくとも前記識別された検出エリアに応答して、前記データ処理システムによって1つ又は複数の機能の動作を引き起こすことと、
を含む、方法が本明細書に開示されている。
【0047】
幾つかの実施の形態では、前記方法は、前記識別要素が前記第1の検出エリア内に配置されると、前記第1の検出エリア内で前記識別要素の存在を検出し、前記識別要素の前記メモリに記憶された情報を受信することを含み、
前記第1の検出エリアは読み取り専用検出エリアであり、
前記検出デバイスは、前記第1の検出エリアと異なる第2の検出エリアを画定し、
前記方法は、前記識別要素が前記第2の検出エリア内に配置されると、データを前記識別要素の前記メモリに記憶することを更に含む。
【0048】
本開示は、データ処理システム上で実行されると、当該データ処理システムによって実行される本明細書において説明される方法の1つ又は複数の実施の形態のステップのうちの1つ、幾つか又は全てを当該データ処理システムに実行させるように適合されたプログラムコード手段を含むコンピュータープログラム製品に更に関する。特に、検出ステップ及び識別ステップは、検出デバイスによって実行することができる一方、データ処理システムは、識別された検出エリアを示す情報を受信し、検出された検出エリアに応答して機能を実行するように構成されている。
【0049】
このコンピュータープログラム製品は、CD−ROM、DVD(登録商標)、光ディスク、メモリカード(登録商標)、フラッシュメモリ(登録商標)、磁気記憶デバイス、フロッピーディスク(登録商標)、ハードディスク等のコンピューター可読媒体として提供することができる。他の実施の形態では、コンピュータープログラム製品は、例えば、インターネット若しくは他のコンピューターネットワーク若しくは通信ネットワークを通じてダウンロードされる、ウェブサーバー上のダウンロード可能なソフトウェアパッケージ、又はApp(アプリケーション)ストア(登録商標)からモバイルデバイスにダウンロードされるアプリケーションとして提供することができる。更に代替的に、コンピュータープログラムは、1つ又は複数のリモートホストコンピューターによって実行することができ、例えば、インターネットを介して又はクラウド内で、例えば、フラッシュゲームの形態で直接実行することができる。
【0050】
本開示は、複数の玩具構築要素と1つ又は複数の識別玩具要素とを備える玩具構築セットに更に関する。この玩具構築セットは、本明細書において説明されるようなコンピュータープログラム製品及び/又は本明細書において説明されるようなコンピュータープログラム製品を取得するか又はこれにアクセスする命令を記憶している記憶媒体を更に備えることができる。例えば、これらの命令は、インターネットアドレス、Appストアへの参照子等の形態で提供することができる。玩具構築セットの幾つかの実施の形態は、USBインターフェース、Zigbeeインターフェース、Wifiインターフェース、低エネルギーBluetoothインターフェース等のBluetoothインターフェース等の有線又は無線のインターフェースを介して従来のコンピューターに接続可能な検出デバイス、例えば周辺デバイスを更に備えることができる。
【0051】
別の態様によれば、以下ではリーダーとも呼ばれる検出デバイスであって、当該リーダーの検出エリア内で識別要素の存在を検出する検出デバイスの実施の形態が本明細書に開示されている。リーダーは、少なくとも1つの識別要素をそれぞれ収容するように構成された少なくとも第1の検出エリア及び第2の検出エリアを画定し、リーダーは、識別要素がどの検出エリアに位置決めされているのかを検出するように構成されている。リーダーは、識別要素の存在を検出する少なくとも1つのセンサーを備える。第2の検出エリアは、所定のタイプの単一の識別要素を収容するように成形及びサイズ決めされている。第1の検出エリアは、上記識別要素のうちの2つ以上を収容するように成形及びサイズ決めされている。特に、第1の検出エリアは、第2の検出エリアの少なくとも2倍の大きさ、例えば、少なくとも3倍の大きさとすることができる。第2の検出エリアは、識別要素の対応する接触面、例えば識別要素の底面に対応する形状及びサイズを有する接触面を提供することができる。第1の検出エリアは、識別要素が隙間なく嵌合する陥凹部として形成することができる。
【0052】
幾つかの実施の形態では、検出デバイスは、上記識別要素のうちの2つ以上を収容するように成形及びサイズ決めされた第3の検出エリアを備えることができる。
【0053】
したがって、少なくとも1つのセンサーによって提供されるセンサー信号から、リーダーは、検出された識別要素が3つの検出エリアのうちのいずれの1つに位置決めされているのかを判断することができる。幾つかの実施の形態では、各検出エリアは、それぞれのセンサーに関連付けられ、これらのセンサーは、当該関連付けられた検出エリアにおいて識別要素の存在を検出する。
【0054】
リーダーは、第1の態様に関して上記で説明したようなゲームシステムにおいて用いられるように、及び/又は異なるタイプのゲームシステム若しくは異なるタイプのデータ処理システムにおいて用いられるように動作可能とすることができる。
【0055】
幾つかの実施の形態では、リーダーは、例えば、交替パターン又は交替サイクルでセンサーをアクティブ化/インターロゲートすることによって、一時に検出エリアのうちの1つのみをアクティブ化及び/又はインターロゲートするように構成されている。
【0056】
例えば、幾つかの実施の形態では、識別要素は、自発的に識別信号を放出しないが、受信された照会信号に応答して応答信号を放出する受動識別要素とすることができる。このタイプのセンサーの一例は、RFIDリーダーのアンテナからのインターロゲーション信号の受信に対して、識別信号を放出することによって応答する受動RFIDタグである。
【0057】
幾つかの実施の形態では、識別要素の検出は、リーダーと識別タグとの間の無線周波数通信に基づいている。このために、少なくとも1つのセンサーは、無線周波数信号を放出及び/又は受信するアンテナを備えることができる。幾つかの実施の形態では、識別要素は、受動RFIDタグ等のRFIDタグである。
【0058】
幾つかの実施の形態では、検出デバイスは、当該検出デバイスに対する相対的な識別要素の位置、又は別の適した基準、例えば、検出エリアのうちの1つの内部の位置に対する相対的な識別要素の位置を検出するように構成されている。例えば、検出エリアは、2つ以上のゾーンを更に画定することができ、検出デバイスは、識別要素がどのゾーンに位置決めされているのかを判断するように構成することができる。代替的に又は付加的に、検出デバイスは、別の識別要素に対する1つの識別要素の相対位置及び/又は検出エリアの中心からの相対距離、及び/又は別の適した基準、例えば基準座標系に対する位置を求めるように構成することができる。
【0059】
幾つかの実施の形態では、検出デバイスは複数のセンサーを備え、各センサーはコイルアンテナを備える。コイルアンテナに関連付けられた検出エリアは、識別要素を接触させることができる接触面内に画定することができる。特に、検出エリアは、コイルアンテナを接触面上に投影することによって境界が定められるエリア内に位置決めされるように画定することができる。例えば、第1の検出エリアは、第1のセンサーのコイルアンテナの投影によって取り囲まれる接触面の表面エリア内に配置することができる。同様に、第2の検出エリアは、第2のセンサーのコイルアンテナの投影によって取り囲まれる接触面の表面エリア内に配置することができる。第1の検出エリア及び第2の検出エリアは、互いに離間して配置することができる。
【0060】
他の実施の形態は、異なる数の検出エリア、例えば、3つ、4つ、又は更にそれよりも多くの検出エリアを用いることができることが理解されるであろう。
【0061】
検出エリアのうちの幾つか又は全ては、実質的に共通の平面内に配置することもできるし、平行な平面内に配置することもできるし、平行でない平面内に配置することさえできる。例えば、検出エリアは、検出デバイスのハウジングの外面、例えば、検出デバイスのハウジングの上側側面等のハウジングの共通の側面に配置することができる。他の実施の形態では、検出エリアは、ハウジングの異なる外面に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】従来技術の玩具構築要素を示す図である。
図2】従来技術の玩具構築要素を示す図である。
図3】従来技術の玩具構築要素を示す図である。
図4】玩具構築システムの一例を示す図である。
図5】玩具構築システムの一例を示す図である。
図6】本明細書において説明するようなゲームシステムの使用シナリオの一例を示す図である。
図7】玩具構築システムの別の例を示す図である。
図8】識別要素を検出し、検出された識別要素に対して情報の読み取り及び書き込みを行うリーダーの概略図である。特に、図8Aは、リーダーの上面図を示す一方、図8Bは、リーダーの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
次に、本明細書に開示されるゲームシステム、検出デバイス及び玩具構築システムの様々な態様及び実施形態が、例えば、図1図3に示すタイプのブリック(brick:ブロック)の形態の玩具構築要素に関して説明される。しかしながら、本明細書に開示される様々な態様は、玩具構築セットにおいて用いられる他の形態のデータ処理システム及び/又はゲームシステム及び/又は構築要素に適用することができる。
【0064】
図1には、その上面に結合スタッドと、底部からブリック内に延在するキャビティとを有する玩具構築要素が示されている。このキャビティは、中心チューブを有し、別のブリック上の結合スタッドを、米国特許第3005282号明細書に開示されているように摩擦係合でキャビティ内に収容することができる。図2及び図3は、他のそのような従来技術の構築要素を示している。残りの図に示された構築要素は、協働するスタッド及びキャビティの形態のこの既知のタイプのコネクターを有する。しかしながら、スタッド及びキャビティに加えて又はこれらに代えて、他のタイプのコネクターも用いることができる。結合スタッドは、平面正方形格子に配置されている。すなわち、結合スタッドのシーケンスが配置される直交方向を規定して配置されている。隣接した結合スタッド間の距離は均一であり、双方の方向において等しい。規則的な平面格子を規定する結合ロケーションにあるコネクターのこの配置又は同様の配置によって、互いに対して離散的な数の位置及び向きで、特に互いに対して直角に玩具構築要素を相互接続することが可能になる。
【0065】
図4は、ゲームシステムの一実施形態を示している。このシステムは、コンピューター401と、このコンピューターに接続された入力デバイス402と、このコンピューターに接続されたディスプレイ403と、このコンピューターに接続されたリーダー404と、複数の識別玩具要素407、408と、複数の玩具構築要素409、410とを備える。
【0066】
コンピューター401は、パーソナルコンピューター、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン等のハンドヘルドコンピューター、ゲームコンソール、ハンドヘルドエンターテイメントデバイス、又は他の任意の適切にプログラミング可能なコンピューターとすることができる。コンピューター401は、中央処理ユニット(CPU)等のプロセッサ411と、メモリ、ハードディスク等の1つ又は複数の記憶デバイス412とを備える。
【0067】
ディスプレイ403は、コンピューター401に作動的に結合され、コンピューター401は、仮想環境のグラフィカル表示をディスプレイ403上に提示するように構成されている。ディスプレイは、図4では別個の構成要素として示されているが、コンピューターのハウジング内に統合することができることが理解されるであろう。
【0068】
入力デバイス402は、コンピューター401に作動的に結合され、ユーザー入力を受信するように構成されている。例えば、入力デバイスは、キーボード、マウス、又は他のポインティングデバイス等を含むことができる。幾つかの実施形態では、システムは、2つ以上の入力デバイスを備える。幾つかの実施形態では、入力デバイスは、例えば、タッチ画面の形態で、コンピューター及び/又はディスプレイ内に統合することができる。システムは、コンピューター内に統合されるようにコンピューターに作動的に結合された更なる周辺コンピューターデバイスを備えることができることが理解されるであろう。
【0069】
リーダー404は、1つ又は複数の識別玩具要素を検出するように動作可能である。このために、リーダーは、2つの検出エリア405及び406をそれぞれ画定し、リーダーは、識別玩具要素がこれらの検出エリアのうちの一方に位置決めされたときにこの識別玩具要素を検出するように動作可能である。リーダーは、例えば、1つ又は複数のRFID検出回路を備える処理ユニットの形態の1つ又は複数のRFID回路413と、検出エリアのうちの1つ又は複数に配置された識別玩具要素を検出するように動作可能な対応する1つ又は複数のアンテナとを備える。代替的に、リーダーは、異なる検出及びデータ通信技術を用いることができる。幾つかの実施形態では、リーダーは、コンピューター及び/又はディスプレイ及び/又は入力デバイス402内に統合することができる。
【0070】
識別玩具要素407及び408は、コネクター414をその上面に有するベースプレートの形態を有する。コネクター414は、図1図3に関して説明した既知の構築要素と適合性を有する。しかしながら、他のタイプの識別要素を用いることができる。ゲームシステムは、例えば、図1図3に関して説明したタイプの1つ又は複数の玩具構築要素409及び410を更に備える。図4は2つの構築要素を示しているが、ゲームシステムは、任意の数の構築要素を備えることができることが理解されるであろう。構築要素のうちの1つ409は、図1に関して説明したような積み木の形状を有し、もう1つの構築要素410は、人の姿の形状を有する。双方の構築要素は、識別玩具要素のコネクターに取り付けるためのコネクター、この例ではキャビティを有する。双方の構築要素は、ユーザーが、複数の構築要素を備える玩具構築モデルを構築するために更なる構築要素を接続することを可能にする追加のコネクター415、417を有する。識別玩具要素のそれぞれは、情報を受信し記憶するように動作可能であるRFID回路418、419をそれぞれ備える。別の検出技術が用いられる場合、識別玩具要素は、対応する検出回路又は検出デバイスを備えることができる。特に、記憶された情報は、識別玩具構築要素に関連付けられた仮想オブジェクトを識別することができる。幾つかの実施形態では、ゲームシステムに含まれる識別玩具要素のうちの1つ又は複数は、所定の仮想オブジェクトを示す予め記憶された情報を有するように製造することができる。代替的に又は付加的に、1つ又は複数の識別玩具要素は、任意の特定の仮想オブジェクトについて予め記憶された情報を有しないように製造することができる。幾つかの実施形態では、ゲームシステムは、予め記憶された情報が読み取り専用である、すなわち、識別玩具要素が固定された仮想オブジェクトに関連付けられている、1つ又は複数の玩具識別要素を備えることができる。例えば、ゲームセットは、1つ又は複数の読み取り専用識別玩具要素を備えることができ、加えて、1つ又は複数の書き換え可能識別玩具要素を備えることができる。読み取り専用識別玩具要素及び書き換え可能識別玩具要素は、互いに視覚的に区別可能とすることができる。例えば、それらの識別玩具要素は、異なるサイズ、形状、色、デザイン等を有することができる。読み取り専用識別玩具要素は、ゲームの仮想キャラクターに関連付けることができる一方、ゲームシステムは、ユーザーが書き換え可能識別玩具要素を無生物の仮想オブジェクトに関連付けることを可能にすることができる。
【0071】
ディスプレイ403、リーダー404及び入力デバイス402は、様々な方法でコンピューターに作動するように結合することができる。例えば、上記デバイスのうちの1つ又は複数は、コンピューター401の適した有線又は無線の入力インターフェースを介してコンピューターに結合することができ、例えば、USBポート等のコンピューターのシリアルポート又はパラレルポートを介して結合することもできるし、Bluetooth(登録商標)、Wifi(登録商標)又は別の適した無線通信インターフェースを介して結合することもできる。代替的に、デバイスのうちの1つ又は全てをコンピューター内に統合することができる。例えば、コンピューターは、統合されたディスプレイ及び/又は入力デバイス、及び/又は統合された検出デバイスを備えることができる。特に、多くのタブレットコンピューター及びスマートフォンは、ディスプレイ及び入力デバイスとして動作可能な統合されたタッチ画面を備える。
【0072】
コンピューター401は、仮想環境をシミュレーションするとともに、本明細書において説明するような仮想オブジェクトを作成及び制御するように適合されたプログラム、例えば、App又は他のソフトウェアアプリケーションを記憶している。
【0073】
幾つかの実施形態では、コンピューター401は、例えば、インターネット又は別の適したコンピューターネットワークを介してホストシステムに通信接続することができることが理解されるであろう。その場合、本明細書において説明する処理の少なくとも一部は、ホストシステムによって実行することができる。例えば、幾つかの実施形態では、ホストシステムは、それぞれのクライアントコンピューターから複数のユーザーによってアクセス可能とすることができる仮想世界等の仮想環境を生成してシミュレーションすることができる。ユーザーは、適したプログラムを実行するクライアントコンピューターを用いて識別玩具要素を検出し、対応する仮想オブジェクトをクライアント又はホストシステムに作成させることができる。次に、ホストシステムは、仮想オブジェクトを仮想世界に追加し、この仮想オブジェクトを仮想世界内において制御することができる。
【0074】
ユーザーは、ベースプレートの形態をそれぞれ有する識別玩具要素のそれぞれの上部にそれぞれの玩具構築モデルを構築することができる。使用中、ユーザーが、識別玩具要素を、例えば、この識別玩具要素に接続された玩具構築モデルとともに、リーダーの検出エリア405に配置すると、リーダーは、この識別玩具要素の存在を検出し、この識別玩具要素に記憶された情報がある場合、この情報にアクセスする。アクセスされた情報は、この識別玩具要素がどの仮想オブジェクトに関連付けられているのかについての情報を含むか、又は、アクセスされた情報は、コンピューターが、関連付けられた仮想オブジェクトを別の方法で識別することを可能にする。検出エリア405における識別玩具要素の検出に応答して、コンピューターは、関連付けられた仮想オブジェクトの表示を仮想環境内に上記のように作成するか又は別の方法で提示する。特に、コンピューターは、関連付けられた仮想オブジェクトの表示をディスプレイ上に作成することができ、及び/又は、ユーザーが、仮想環境において、作成された仮想オブジェクトの制御又は別方法での使用若しくは関与を行うことを可能にすることができる。
【0075】
ユーザーが、識別玩具要素を、例えば、この識別玩具要素に接続された玩具構築モデルとともに、リーダーの検出エリア406内に位置決めすると、リーダーは、この識別玩具要素の存在を検出し、ユーザーが、仮想オブジェクトについての情報を識別玩具要素に記憶することを可能にする。したがって、ユーザーが、その後、識別玩具要素を検出エリア405上に位置決めすると、コンピューターは、上記で説明したように、対応する仮想オブジェクトを作成又は有効化する。一般に、検出エリア406は、一時に単一の識別玩具要素にしか書き込むことができないようするために、ユーザーが単一の識別玩具要素しか検出エリア406上に位置決めすることができないよう成形及び/又はサイズ決めすることができる。検出エリア405は、一時に2つ以上の識別玩具要素の検出を可能にするように成形及びサイズ決めすることができることが理解されるであろう。例えば、検出エリアは、識別要素の形状及びサイズに対応するサイズ及び形状を有する陥凹部として、すなわち、単一の識別要素を陥凹部内に配置することができるように、形成することができる。このために、検出エリア406は、検出デバイスのハウジングの上面に陥凹させることができる。代替的に又は付加的に、隆起した縁部を検出エリアの周囲に形成することができる。
【0076】
図5は、ゲームシステムの別の実施形態を示している。図5のシステムは、図4のシステムと同様であり、コンピューター401と、このコンピューターに接続された入力デバイス402と、このコンピューターに接続されたディスプレイ403と、このコンピューターに接続されたリーダー404と、複数の識別玩具要素407、408と、複数の玩具構築要素409、410とを備え、これらは全て、図4に関して説明したとおりである。図5のシステムは、リーダーが、3つの検出エリア、すなわち、図4に関して説明したような書き込み可能検出エリア406と、図4の検出エリア405とそれぞれ同様の2つの読み取り専用検出エリア405a、405bとを備える点で図4のシステムと異なる。検出エリア405a及び405bは、一時に2つ以上の識別要素の検出を可能にするように成形及びサイズ決めすることができることが理解されるであろう。本例では、検出エリア405a及び405bはL字型であり、検出エリア405a及び405bのそれぞれに少なくとも3つの識別要素、例えば、L字の各脚部に1つの識別要素と、これらの脚部が接続するエリアに第3の識別要素とを位置決めすることを可能にする。
【0077】
一般に、検出エリアのそれぞれは、読み書きエリア、読み取り専用エリア、又は書き込み専用エリアとして実装することができる。例えば、2つの読み取り専用検出エリア405a、405bを設けることによって、2つのクラスの仮想オブジェクト、例えば、2人の異なるプレーヤーに属するオブジェクト、2つの異なるチームに属するオブジェクト等が区別される2プレーヤーゲーム又は他のタイプのゲームが容易になる。2つの検出エリアをこのように物理的に分離することによって、ユーザーが仮想オブジェクトの2つのクラスのメンバーを定義するのに使いやすいメカニズムが提供され、ユーザーは、対応する識別玩具要素を検出エリア405a、405bのうちの選択したものに単に配置するだけでよい。ここで、各検出エリアは、クラスのうちの1つに関連付けられている。他の実施形態は、例えば、オブジェクトの3つ以上のクラスを定義する追加の検出エリアを備えることができることが理解されるであろう。識別要素が検出エリアのうちのいずれに配置されたのかの識別を用いて、識別要素がいずれの検出エリアに配置されたのかに少なくとも部分的に依存し得るシステムの他の機能をトリガーすることができることが更に理解されるであろう。
【0078】
幾つかの実施形態では、検出エリア406は、識別要素に対する読み取り及び書き込みに選択的に用いられるが、識別要素を検出エリア406に配置した際に、プロセッサが、識別要素からのデータの読み取りのみ又は識別要素へのデータの書き込みのみのいずれかを行うように用いられる。例えば、ゲームの現在の状態に応じて又はユーザー入力に応答して、ゲームシステムは、検出エリア405a、405bと同様の読み取り専用検出エリアとして検出エリア406を動作させることができる。他の状況では、例えば、ユーザーが特別な構成メニューを選択したとき、ゲームシステムは、ユーザーが、仮想オブジェクトと、検出エリア406内に配置された識別玩具要素との間の関連付けを作成することを可能にするために、書き込み専用エリアとして検出エリアを動作させることができる。別の例では、識別要素は、複数のメモリエリアを備える場合があり、及び/又は複数のタイプ/カテゴリーの情報をこれらのメモリエリアに記憶している場合がある。識別要素が検出エリア405a又は405b内に配置されると、全てのメモリエリア及び/又はデータカテゴリーを読み取ることはできるが、変更することはできない。識別要素が検出エリア406内に配置されると、幾つかのメモリエリア及び/又はデータカテゴリーは、読み取ることはできるが、変更することはできない一方、それ以外のメモリエリアは、書き込むことはできるが、読み取ることはできない。
【0079】
図6は、ゲームシステム、例えば、図4のようなゲームシステム又はこれと同様のゲームシステムの一実施形態の使用法を示している。特に、図6のシステムは、コンピューター401と、このコンピューターに接続された入力デバイス402と、このコンピューターに接続されたディスプレイ403と、このコンピューターに接続されたリーダー404と、複数の識別玩具要素407、408と、複数の玩具構築要素409、410とを備え、これらは全て、図4に関して説明したとおりである。しかしながら、説明する使用法は、図5のシステムによって実行することもできることが理解されるであろう。
【0080】
この例では、識別玩具要素408のうちの1つが、仮想キャラクターについての情報を記憶しており、ゲームシステムは、この仮想キャラクターに類似した物理的玩具フィギュア410を備える。初期ステップにおいて、ユーザーは、玩具フィギュア410を識別玩具要素408と組み付けるように指示される。コンピューター401は、入力デバイス402を介してユーザーによって制御可能な対応する仮想キャラクターを含むビデオゲームプログラムを実行するように構成されている。ユーザーが識別玩具要素408をリーダーの検出エリア405上に位置決めすると、コンピューターはこの識別玩具要素を検出し、関連付けられた仮想キャラクターを識別し、この関連付けられた仮想キャラクターをビデオゲーム内に登場させる。ユーザーが仮想キャラクターを制御するゲームプレーの間、仮想キャラクターがその後のゲームプレーの間に用いることができる或る特定の機器、この例ではトラクター、をロック解除するゲームイベントが発生する場合がある。
【0081】
このゲームイベントに応答して、コンピューターは、ユーザーが仮想トラクター(又は仮想キャラクターがゲームプレーにおいて利用若しくはその他の方法で関与することができる他の機器等の別の仮想オブジェクト)を取得することができる表示をユーザーに提供することができる。図5Aは、識別玩具要素408と、リーダー404の検出エリア405内に位置決めされている取り付けられた玩具フィギュア410とを有するとともに、ロック解除された仮想オブジェクトの表示620がディスプレイ403上に表示されているゲームシステムを示している。任意選択で、コンピューターは、玩具構築要素409からトラクターに類似した対応する玩具構築モデルを構築する方法をユーザーに指示する組み立て命令を更に提供することができる。ユーザーは、このように玩具構築モデルを構築し、この玩具構築モデルをゲームシステムの別の識別玩具要素407に取り付けることができる。ユーザーが、識別玩具要素407を新たに構築されたモデルとともにリーダー404の検出エリア406上に配置すると、コンピューターは、識別玩具要素407上の新たにロック解除された仮想オブジェクトを示す識別子及び/又は他の情報を記憶する。幾つかの実施形態では、このプロセスは、オリジナルの仮想キャラクターに関連付けられた識別玩具要素408が検出エリア405内に引き続き位置決めされていることを要する場合がある。識別玩具要素上の新たな仮想オブジェクトの識別情報を記憶するのに、現在記憶されている識別玩具要素に関する情報にシステムがアクセスすることを要しない。したがって、検出エリア406は、書き込み専用エリアとすることもできるし、少なくとも書き込み専用エリアとして選択的に動作させることもできる。
【0082】
新たな仮想オブジェクトについての情報を識別玩具要素407に記憶することに成功すると、ユーザーは、この識別玩具要素を検出エリア406から取り除くことができる。ユーザーが、その後、識別玩具要素407を、例えば、図5Bに示すように識別玩具要素408とともに検出エリア405に配置すると、コンピューター401は、ユーザーが、識別玩具要素408に関連付けられた仮想キャラクターを制御することを可能にするとともに、仮想キャラクターが、識別玩具要素407に関連付けられた仮想オブジェクトを用いるか又はその他の方法でこの仮想オブジェクトに関与することを可能にするように、ビデオゲームを制御する。例えば、仮想キャラクターは、この時、仮想トラクターを駆動することができる場合がある。その後、ユーザーは、上記で説明した方法と同様の方法で更なる仮想オブジェクトを作成しロック解除することができ、仮想キャラクターは、その場合、更なる機器又は他の仮想オブジェクトを用いることができることが理解されるであろう。これらの更なる仮想オブジェクトは、追加の識別玩具要素に関連付けることもできるし、システムが、識別玩具要素407と、新たな仮想オブジェクト、例えばより大きなトラクター又は異なるタイプの機械との新たな関連付けを作成することもできる。そのような新たな関連付けは、その後、これまでの関連付けに取って代わることができる。幾つかの実施形態では、データ処理システムが、例えば、検出エリア405と同様の方法で、識別要素からデータを読み取るのに検出エリア406を用いることができることも理解されるであろう。例えば、検出エリア406内の識別要素の配置が検出されると、データ処理システムは、この識別要素が検出エリア406から再度取り除かれるまで、検出エリア406を読み取り専用エリア又は書き込み専用エリアのいずれかとして選択的に動作させることができる。識別要素がその後配置されると、処理システムは、例えば、ユーザー入力、ゲームイベント及び/又は他の状態に応答して、この識別要素が検出エリアから再度取り除かれるまで、検出エリア406を書き込み専用エリアとして動作させるのか又は読み取り専用エリアとして動作させるのかを再度決定/選択することができる。読み取り専用モード又は書き込み専用モードでの検出エリア406の選択的な動作は、一実施形態、例えば、図4図5又は図7に関して説明する実施形態では、3つ以上の検出エリアを用いて実施することができることも理解されるであろう。
【0083】
図7は、玩具構築システムの別の例を示している。このシステムは、図5のシステムと同様であり、コンピューター401と、このコンピューターに接続された入力デバイス402と、このコンピューターに接続されたディスプレイ403と、このコンピューターに接続されたリーダー404と、複数の識別玩具要素407、408と、複数の玩具構築要素409、410とを備え、これらは全て、図5に関して説明したとおりである。図7のシステムは、スキャナーデバイス741を更に備え、このスキャナーデバイス741は、コンピューターに接続されており、物理オブジェクト、例えば、玩具構築要素から構築されて、玩具識別要素に取り付けられているか又は取り付け可能である玩具構築モデル、の視覚的外観をスキャンするように適合されている。スキャンデバイスは、デジタルカメラ、デプスカメラ、3Dスキャナー及び/又は別の適した形態の光学スキャンデバイスを含むことができる。コンピューターは、スキャンデバイスからスキャンデータを受信し、受信されたスキャンデータに基づいて、例えば、スキャンされた物理オブジェクトに類似する視覚的外観を有する仮想オブジェクトを作成するように構成されている。識別玩具要素、例えば、物理オブジェクトが取り付けられている識別要素が、検出エリア406に配置されると、コンピューターは、作成された仮想オブジェクトをこの識別要素に関連付けるように構成することができる。したがって、同じ識別玩具要素が、検出エリア405a、405b又は406のうちの1つに再度配置されると、コンピューターは、スキャンデータによって画定された外観を有する関連付けられた仮想オブジェクトをゲーム又は他の仮想環境に登場させることができる。
【0084】
図8は、識別要素を検出し、検出された識別要素から情報の読み取り及び検出された識別要素に対して書き込みを行うリーダーの概略図を示している。特に、図8Aは、リーダーの上面図を示している一方、図8Bは、VI線に沿った断面図を示している。リーダー404は、処理ユニット413と、第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2と、第3のアンテナA3とを備える。各アンテナは、処理ユニット413に結合され、各アンテナは、それぞれ検出エリア405a、406及び405bのうちの1つに関連付けられている。処理ユニット413は、アンテナA1、A2及びA3に結合されたRFID検出回路を備える。このRFID検出回路は、RFIDタグの形態の識別要素が検出エリアのうちの1つに位置決めされているか否かを検出するように構成されている。代替的に、処理ユニット413は、アンテナのそれぞれについて個別のRFID検出回路を備えることができる。処理ユニット413は、検出された識別タグから情報を読み取って、読み取られた情報を、データインターフェース223を介して、他のデータ処理システムのコンピューター等のデータプロセッサに転送するように更に構成されている。処理ユニット413は、データプロセッサからデータインターフェース223を介して情報を受信し、受信された情報を検出された識別タグに書き込むように更に構成されている。
【0085】
アンテナは、リーダーによって画定される接触面229の下方においてこの接触面229に平行に配置されたそれぞれのアンテナコイルとして形成することができる。この例では、接触面は、タグT1〜T3を配置することができるリーダーのハウジングの上面である。第1の検出エリア405aは、コイルアンテナA1が第1の検出エリアを包囲するようにリーダーの接触面内に画定され、第1の検出エリアを通る磁束は、コイルA1によって取り囲まれるようになっている。同様に、アンテナA2は、リーダーによって画定される接触面229の下方においてこの接触面に平行に配置されたアンテナコイルとして形成され、第2の検出エリア406は、コイルアンテナA2が第2の検出エリアを包囲するようにリーダーの接触面内に画定され、第2の検出エリアを通る磁束は、コイルA2によって取り囲まれるようになっている。同様に、アンテナA3は、リーダーによって画定される接触面229の下方においてこの接触面に平行に配置されたアンテナコイルとして形成され、第3の検出エリア405bは、コイルアンテナA3が第2の検出エリアを包囲するようにリーダーの接触面内に画定され、第2の検出エリアを通る磁束は、コイルA3によって取り囲まれるようになっている。
【0086】
これらの検出エリアは、互いに重なり合わず、互いに隔てられるように接触面429内に画定される。検出エリアは、例えば、異なる色、境界によって、隆起した表面部分若しくは陥凹した表面部分として、又は別の容易に認識可能な方法で、接触面の残りの部分との境界を定めることができる。
【0087】
図8の例では、3つのタグT1〜T3が、それぞれリーダー440の接触面に配置されている。タグT1は、第1の検出エリア405a内に配置され、タグT2は、第2の検出エリア406内に配置され、タグT3は、第3の検出エリア405b内に配置されている。したがって、アンテナA1は、タグT1を検出して読み取るように動作可能である。同様に、アンテナA2は、タグT2を読み取るように動作可能であり、アンテナA3は、タグT3を読み取るように動作可能である。
【0088】
一般に、各アンテナは、その検出範囲内のタグに応答信号を用いて応答させるインターロゲーション信号を放出することができる。幾つかの実施形態では、インターロゲーション信号は、例えば、受動RFIDタグ等の受動タグを検出するような場合には、アンテナの検出範囲内のタグ(複数の場合もある)に動作電力を更に提供することができる。幾つかの実施形態では、アンテナA1、A2及びA3が交替でアクティブ化される多重化方式が用いられる。したがって、アンテナは、アクティブ化サイクルのそれぞれの時間ウィンドウ内において交替でアクティブになることができる。
【0089】
検出されたタグの位置は、したがって、アンテナA1、A2及びA3の検出信号をそれぞれ用いて処理ユニット(又は外部プロセッサ)によって求めることができる。他の実施形態は、異なる数のアンテナを用いることができることが理解されるであろう。
【0090】
幾つかの実施形態では、処理ユニット413は、識別タグが、検出エリア、例えば、検出エリア405a及び405bのうちの1つ又はサブセットにおいて検出された場合にのみ、識別要素から情報を読み取るように構成することができる。他の実施形態では、処理ユニット413は、識別タグがどの検出エリアにおいて検出されるかにかかわらず、識別要素から情報を読み取るように構成することができる。
【0091】
幾つかの実施形態では、リーダーは、検出されたタグのメモリにデータを記憶するように構成することができる。書き込みプロセスの間、アンテナのうちの1つのみがアクティブである。幾つかの実施形態では、処理ユニット413は、識別タグが、検出エリアのうちの1つ又はサブセット、例えば、検出エリア406のみにおいて検出された場合にのみ、情報を識別要素に書き込むように構成することができ、このため、1つ若しくは複数の読み取り専用検出エリア及び/又は1つ若しくは複数の書き込み専用検出エリアが実装される。幾つかの実施形態では、識別要素がどの検出エリアにおいて検出されたのかを条件とする識別要素に対する情報の選択的な読み取り及び/又は書き込みは、外部データプロセッサによって実施することができる。このために、リーダーは、どの検出エリアが識別要素によって占有されているのかをデータインターフェース223を介してデータプロセッサに通信することができる。幾つかの実施形態では、検出エリア406は、識別要素に対する読み取り及び書き込みに選択的に用いられるが、識別要素が検出エリア406に配置されると、データプロセッサが、識別要素からのデータの読み取りのみ又は識別要素へのデータの書き込みのみのいずれかを行うように選択的に用いられる。例えば、識別要素は、複数のメモリエリアを備える場合があり、及び/又は複数のタイプ/カテゴリーの情報をこれらのメモリエリアに記憶している場合がある。識別要素が検出エリア405a又は405b内に配置されると、全てのメモリエリア及び/又はデータカテゴリーを読み取ることはできるが、変更することはできない。識別要素が検出エリア406内に配置されると、幾つかのメモリエリア及び/又はデータカテゴリーは、読み取ることはできるが、変更することはできない一方、それ以外のメモリエリアは、書き込むことはできるが、読み取ることはできない。
【0092】
リーダーの他の実施形態は、4つ以上の検出エリアを区別することができるように、より多くのアンテナを備えることができることが理解されるであろう。上記の例と同様に、アンテナは、2つのアンテナの場合について上記で説明したように、周期的パターンで1つずつアクティブ化することができる。
【0093】
リーダーの他の例は、異なる数及び/又は異なる幾何学的配置及び/又は異なるタイプのアンテナを備えることができることが理解されるであろう。
【0094】
本明細書において説明した方法の実施形態は、幾つかの異なる素子を備えるハードウェアによって実施することができ、及び/又は適切にプログラミングされたマイクロプロセッサによって少なくとも部分的に実施することができる。
【0095】
幾つかの手段を列挙している請求項では、これらの手段のうちの幾つかは、ハードウェアの同一の素子、構成要素又はアイテムによって具現化することができる。幾つかの特定の手段が相異なる従属請求項に列挙されていること又は異なる実施形態に記載されていることだけで、これらの手段の組み合わせを有利に用いることができないことが示されているということにはならない。
【0096】
「備える/含む(comprises/comprising)」という用語は、本明細書において用いられるとき、明記された特徴、要素、ステップ又は構成要素の存在を明示するものとみなされるが、1つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ、構成要素又はそれらの群の存在又は追加を排除するものでないことは強調されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8