(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ネックフィニッシュのT−E寸法が、d/28(ここで、dは、約25mm以下の前記ネックフィニッシュの前記直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のT−E寸法から+12%〜+15%だけ変更されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の炭酸飲料用ボトルのクロージャ及びネックフィニッシュ。
前記ネックフィニッシュのE壁(E−C)の寸法が、d/28(ここで、dは、約25mm以下の前記ネックフィニッシュの前記直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のE壁(E−C)寸法から+7%〜+10%だけ変更されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の炭酸飲料用ボトルのクロージャ及びネックフィニッシュ。
前記ネックフィニッシュのS寸法が、d/28(ここで、dは、約25mm以下の前記ネックフィニッシュの前記直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のS寸法から+25%〜+29%だけ変更されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の炭酸飲料用ボトルのクロージャ及びネックフィニッシュ。
前記ネックフィニッシュのD寸法が、d/28(ここで、dは、約25mm以下の前記ネックフィニッシュの前記直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のD寸法から−3%〜−6%だけ変更されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の炭酸飲料用ボトルのクロージャ及びネックフィニッシュ。
前記ネックフィニッシュのP寸法が、d/28(ここで、dは、約25mm以下の前記ネックフィニッシュの前記直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のP寸法から+16%〜+20%だけ変更されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の炭酸飲料用ボトルのクロージャ及びネックフィニッシュ。
B1カラーが前記ネックフィニッシュのB寸法に追加され、前記B1カラーは、d/28(ここで、dは、約25mm以下の前記ネックフィニッシュの前記直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のB寸法より+2%〜+12%だけ大きい、請求項1から8のいずれか一項に記載の炭酸飲料用ボトルのクロージャ及びネックフィニッシュ。
前記クロージャ及びネックフィニッシュは、最低でも4.0炭酸ガスボリュームの圧力において、逆転させたプラスチックフラットトップまたはドーム型クロージャに関する以下のISBT(国際飲料技術者協会)試験:エレベーテッドサイクル試験、開口性能試験、安全シール試験、物理的性能試験、参考試験、寸法試験、および/または圧力保持試験のうちの少なくとも2つの要求事項を満たすかまたはそれを超える、請求項1から10のいずれか一項に記載の炭酸飲料用ボトルのクロージャ及びネックフィニッシュ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】T寸法(ねじ山外径)22mm(公称)まで比例的に縮小されたPCO 1881フィニッシュをミリメートル単位の寸法と共に示す。さらに、2.85mmでのスレッドスタートと、21mmでのストレートオンブロー(straight on blow)ボトルも示す。
【
図2】B1カラー(20.5mm)が追加された、
図1のT寸法(ねじ山外径)22mmの比例的に縮小されたPCO 1881フィニッシュをミリメートル単位の寸法と共に示す。したがって、B1の直径はカラーの直下の直径Bより大きい。
【
図3】直径が20.8mmまで拡張されたB1カラーが追加された、
図1のT寸法(ねじ山外径)22mmの比例的に縮小されたPCO 1881フィニッシュをミリメートル単位の寸法と共に示す。
【
図4】T寸法が22mmであり、B1カラーの直径が20.8mmまで増大され、安全性および操作性の向上のためにD寸法が10.2mmまで増大され、いたずら防止(Tamper Evident)(TE)シールまたはバンドを備える、
図3の比例的に縮小されたPCO 1881フィニッシュをミリメートル単位の寸法と共に示す。
【
図5A】表1に示される物理的性能に関するベースライン試験に使用された、現時点で用いられている小型ボトルを
図5Aに対応するAとして示す。すなわち、ボトルAは
図5Aに示され、ボトルBは
図5Bに示される等である。このボトルからのデータを使って、本開示の発明によるクロージャおよびフィニッシュが開発された。ボトルAは比例的に縮小された1873フィニッシュを有する。
【
図5B】表1に示される物理的性能に関するベースライン試験に使用された、現時点で用いられている小型ボトルを
図5Bに対応するBとして示す。すなわち、ボトルAは
図5Aに示され、ボトルBは
図5Bに示される等である。このボトルからのデータを使って、本開示の発明によるクロージャおよびフィニッシュが開発された。ボトルBは比例的に縮小された1881フィニッシュを有する。
【
図5C】表1に示される物理的性能に関するベースライン試験に使用された、現時点で用いられている小型ボトルを
図5Cに対応するCとして示す。すなわち、ボトルAは
図5Aに示され、ボトルBは
図5Bに示される等である。このボトルからのデータを使って、本開示の発明によるクロージャおよびフィニッシュが開発された。ボトルCは比例的に縮小された1881フィニッシュを有する。
【
図5D】表1に示される物理的性能に関するベースライン試験に使用された、現時点で用いられている小型ボトルを
図5Dに対応するDとして示す。すなわち、ボトルAは
図5Aに示され、ボトルBは
図5Bに示される等である。このボトルからのデータを使って、本開示の発明によるクロージャおよびフィニッシュが開発された。ボトルDは比例的に縮小された1881フィニッシュを有する。
【
図5E】表1に示される物理的性能に関するベースライン試験に使用された、現時点で用いられている小型ボトルを
図5Eに対応するEとして示す。すなわち、ボトルAは
図5Aに示され、ボトルBは
図5Bに示される等である。このボトルからのデータを使って、本開示の発明によるクロージャおよびフィニッシュが開発された。ボトルEは比例的に縮小された1873フィニッシュを有する。
【
図6A】本開示による小型ボトル用クロージャに関して試験された各種のナールを示す。示されているのは、60ナールパターンである。
【
図6B】本開示による小型ボトル用クロージャに関して試験された各種のナールを示す。示されているのは、60ナールパターンである。
【
図6C】本開示による小型ボトル用クロージャに関して試験された各種のナールを示す。示されているのは、72ナールパターンである。
【
図6D】本開示による小型ボトル用クロージャに関して試験された各種のナールを示す。示されているのは、72ナールパターンである。
【
図6E】本開示による小型ボトル用クロージャに関して試験された各種のナールを示す。示されているのは、48ナールパターンである。
【
図6F】本開示による小型ボトル用クロージャに関して試験された各種のナールを示す。示されているのは、48ナールパターンである。
【
図6G】本開示による小型ボトル用クロージャに関して試験された各種のナールを示す。示されているのは、90ナールパターンである。
【
図6H】本開示による小型ボトル用クロージャに関して試験された各種のナールを示す。示されているのは、90ナールパターンである。
【
図7】本開示の小型ボトル用フィニッシュに使用される、ねじ切り範囲470°、ピッチ2.5mmの一条の右ねじを有する90ナールパターンのクロージャの1つの実施形態を示す。
【
図8】本開示の小型ボトル用フィニッシュに使用される、ねじ切り範囲560°、ピッチ2.5mmの一条の右ねじを有する90ナールパターンのクロージャの別の実施形態を示す。
【
図9】TEバンドを有し、B1カラーを有さないフィニッシュ/クロージャの組合せの断面図を示す。この画像は、TEビード(5)と、開栓時にクロージャの主要TEフラップ(10)がフィニッシュのTEビードと係合し、再施栓の際の再係合時にフィニッシュのTEビードを押し下げる様子を示す。クロージャと再係合するときにTEビードを押し下げる第二のTEフラップ(15)が示されている。
【
図10】TEバンドとB1カラーを有するF3フィニッシュ/C2クロージャの組合せの断面を示す。この画像はまた、フィニッシュのTEビードと係合するクロージャの主要TEフラップを示し、さらに、B1カラーが半径方向の遊びと軸方向の遊びとの両方を予想外に削減する様子を示す。特に、B1カラーは半径方向の遊びを大きく削減することがわかり、さらに、軸方向の遊びも削減することが発見された。
【
図11】スレッドコアの剥離時に離型労力を軽減し、さらに対応するネックフィニッシュの対応するねじとの係合を改善することにつながる特別な非対称ねじ山形状を有する25mm以下のクロージャを示す。
【
図12】本開示で開示される1つの実施形態を示し、(上から見て)反時計回り方向に配列された4個の通気口を有する対応するネックフィニッシュが、前端において、図のように分割線から対称に約40°以下、より好ましくは約36°以下に、また後端において、分割線から対称に35°以下、より好ましくは27°〜30°、さらにより好ましくは約29°で示されている。
【
図13】12.88mm
2のネックの全通気面積および17.28mm
2のキャップの全通気面積についての開放角度および進展に関する通気流量と速度とのグラフを表す。
図13の赤および青の曲線は、OPT(Steinfurth Opening Performance Tester)ブローオフテストで試験された2つのサンプルに関するデータを表し、圧力が時間に対応する開放角度に関してプロットされ、圧力が容器の内外で同じとき、クロージャはフィニッシュと係合したままであり、吹き飛びまたはクロージャの解放が発生していないことを示す。
【
図14A】クロージャの部分断面図を示し、大小のボトルで使用される、より従来型の厚さ1.0mm/半径(R)0.5mmのクロージャ(
図14A)と、温度上昇時もより小型のボトルでよりよいシーリング性能を提供する厚さ1.5mm/半径(R)1.0mmのクロージャ(
図14B)とを比較している。
【
図14B】クロージャの部分断面図を示し、大小のボトルで使用される、より従来型の厚さ1.0mm/半径(R)0.5mmのクロージャ(
図14A)と、温度上昇時もより小型のボトルでよりよいシーリング性能を提供する厚さ1.5mm/半径(R)1.0mmのクロージャ(
図14B)とを比較している。
【
図15】温度上昇時でのより小型のボトルでのシーリング性能を改善する、厚さ1.5mm/半径(R)1.0mmのクロージャのリブの選択肢を含む部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本開示のある態様によれば、品質保持期間と物理的性能とを損なわずに、全体的により軽量化される改良型フィニッシュおよびクロージャの設計を含む、小型炭酸飲料用ボトルのための改善されたパッケージ設計が提供される。特に、標準的な28mmのPCO 1881フィニッシュを有する500mLボトルのサイズを比例的に縮小することに基づく小型ボトル(約400mL以下)に関して、PCO 1881の特定のフィニッシュ寸法を比例的に縮小し、特定のPCO 1881フィニッシュ寸法を非比例的に縮小すると、結果として得られるボトルの物理的特性と性能を大きく向上できることが予想外にわかった。いくつかの小型ボトル用フィニッシュにおいて、特定のPCO 1881フィニッシュ寸法の大きさを実際に増大させながら、それ以外を縮小すると、品質保持期間および性能の特徴が向上する。これらの改善された結果は、特定の大きさのフィニッシュ寸法を特定のいたずら防止バンドと組み合わせることによって改善される。
【0015】
図1〜4は、本開示によるPCO 1881フィニッシュの例示的な変更を、ミリメートル単位の測定値と共に示す。
図1は、22mm(公称)のT寸法(ねじ山の外径)まで比例的に縮小したPCO 1881フィニッシュを示す。
図2は、B1カラー(20.5mm)が追加された、T寸法(ねじ山の外径)22mmの
図1の比例的に縮小されたPCO 1881フィニッシュを示す。したがって、B1の直径は、カラーの直下のBの直径より大きい。
図3は、直径が20.8mmまで増大されたB1カラーが追加された、T寸法(ねじ山外径)22mmの
図1の比例的に縮小されたPCO 1881フィニッシュを示す。最後に、
図4は、T寸法22mmで、直径が20.8mmまで増大されたB1カラーを有し、いたずら防止(TE)シールまたはバンドを備えて安全性および操作性を改善させるためにD寸法が10.2mmまで増大された、
図3の比例的に縮小されたPCO 1881フィニッシュを示す。
図2〜4の各々の場合において、
図1のフィニッシュの例と比較したときに、品質保持期間が改善され、よりよいフィニッシュおよびクロージャが提供される。
【0016】
本開示の各種の態様を説明するために、物理的性能の試験に5つの小型ボトルが使用され、このデータを本開示による、開示されているフィニッシュおよびクロージャを有する容器と比較するためのベンチマークとして使用した。これらの容器(パッケージまたはボトル)は、A〜Eとして示され、
図5A〜5Eにおいて絵で示され、ボトルA〜Eはそれぞれ
図5A〜5Eに対応する。すなわち、ボトルAは
図5Aに示され、ボトルBは
図5Bに示される等である。これらのボトルは、物理的性能に関するベースライン試験に使用され、これらは表1に示される具体的な特徴を有する。パッケージの性能は、ボトルおよびクロージャに関する要素を含めたいくつかの要素によって変化する。具体的には、クロージャに関して、以下は容器からの炭酸損失性能に寄与すると考えられる。
1)クロージャ天板(上壁またはカバー)厚さを通じたCO
2の透過に寄与する、クロージャによりカバーされる開口の直径、および
2)(クロージャとボトルのフィニッシュの上部との界面における)シーリング表面でのシール漏出を通じたCO
2損失。後者は、より高い温度、クロージャとフィニッシュ材料との間の界面の不完全さ、および他の要素が原因であり得る。
【0018】
再び表1を参照すると、試験ボトルAおよびEで使用されたクロージャは、比例的に縮小されたPCO 1873クロージャであり、これらは1881クロージャより若干短い。残りのボトルB、C、およびDは、比例的に縮小されたPCO 1881クロージャを使用した。表1中のすべてのボトルフィニッシュの開口直径は同じであり、約21.74mm、すなわち公称22mmであった。その結果、フィニッシュおよびクロージャの性能を、これらの試験容器のすべての間で比較することができる。例えば、クロージャ天板を通じた透過とシールからの漏出とを、本開示による改良型設計のベンチマークデータに照らして試験することができる。
【0019】
1つの態様において、本開示の小型ボトル用フィニッシュおよびクロージャは、28mm未満とすることができる。例えば、新規のボトルフィニッシュのT直径(ねじ山の外径)は、27mm、26mm、25mm、24mm、23mm、22mm、21mm、20mm、19mm、18mm、またはさらにそれ未満とすることができ、または略これらの寸法とすることができる。別の態様では、新規のボトルフィニッシュのT寸法を、26mm、25mm、24mm、23mm、または22mmとすることができ、または略これらの寸法することができる。
【0020】
例として、下表は、標準的な28mmのPCO 1881クロージャおよびフィニッシュに関する特定のフィニッシュおよびクロージャの寸法およびパラメータの比較を、22mmのクロージャおよびフィニッシュの設計および用途と共に示す。第一欄に記載されている寸法およびパラメータが
図2に示されている。特定のフィニッシュおよびクロージャの寸法およびパラメータは、標準的な28mmのPCO 1881クロージャおよびフィニッシュ(1881 CSD)に関する第二欄に示されている。第三欄(22mmの比例的に縮小された1881)の比較例は、標準的な1881のフィニッシュの各寸法が、その当初の標準的な1881フィニッシュの比例分(22/28)まで理論的に縮小または縮減されたフィニッシュおよびクロージャに関する計算データを示す。第四欄は、例1の、本開示に従って縮小され、性能が改善されている、本発明の22mmのフィニッシュおよびクロージャに関するパラメータを提供する。
【0022】
表2が示すように、例1である本発明の22mmのボトル用フィニッシュおよびクロージャの実際の寸法のうちのいくつかは、理論的な(比例的に収縮された)PCO 1881フィニッシュより大きく、他の実際の寸法はそれより小さい。理論値からのばらつき(±パーセンテージ)の各々は表2のデータから計算できるが、選択されたパラメータの理論値からのばらつきは、表3に示されている。これらの選択されたパラメータのばらつきは、CO
2保持および品質保持期間を予想外に改善できる。下表に示されるプラスまたはマイナス(±)の差はパーセンテージであり、差%=[(実値−理論値)/理論値×100%]として計算される。したがって、理論値より低い実際の測定値はマイナスパーセンテージ(−%)の数値として示され、理論値より大きい実際の測定値はプラス間のパーセンテージ(+%)の数値として示される。
【0024】
これらの表2および表3のデータは、理論上の重量と比較したフィニッシュ重量の大きい削減にもかかわらず、選択された寸法のいくつかは概して理論値より実質的に大きく、この特徴は、表2のパラメータのほとんどについて全体的に理論値より小さい寸法を特に示す。したがって、表4に示されるもののような選択された具体的な寸法を増減させると、フィニッシュの他の多くの寸法がより軽量に縮小されたとしても、予想より品質保持期間が予想外に大きく改善されることがわかった。さらに、品質保持期間を改善し、依然として軽量化を持続させるために、これらの列挙された寸法の必ずしもすべてを増大させる必要はない。
【0025】
例えば、1つの態様では、本開示によるPETボトルのT−E(mm)寸法は、比例的に縮小されたボトルにおける理論的寸法に対して約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%増大させることができる。さらに、T−E(mm)の寸法は、これらの数値間(両端を含む)の何れの数値でも増大させることができる。このパラメータは、比例的に縮小されたボトルの理論的寸法と比較して、他の何れの寸法または組合せでも、個別に、または同時に調節することができる。
【0026】
他の態様において、例えば、本開示によるPETボトルのE壁(E−C)(mm)寸法は、比例的に縮小されたボトルの理論的寸法に対して約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、または約16%、さらにはそれを超えて増大させることができる。さらに、E壁(E−C)(mm)寸法は、これらの数値間(両端を含む)の何れの数値でも増大させることができる。このパラメータは、比例的に縮小されたボトルの理論的寸法と比較して、他の何れの寸法または組合せでも、個別に、または同時に調節することができる。
【0027】
例えば、別の態様によれば、本開示によるPETボトルのS(mm)寸法は、比例的に縮小されたボトル内の理論的寸法に対して約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、または約35%増大させることができる。さらに、S(mm)寸法は、これらの数値間(両端を含む)の何れの数値でも増大させることができる。このパラメータは、比例的に縮小されたボトルの理論的寸法と比較して、他の何れの寸法または組合せでも、個別に、または同時に調節することができる。
【0028】
本開示のまた別の態様は、例えば、D(mm)寸法が、表3に示された寸法より小さいのではなく、比例的に縮小されたボトルの理論的寸法より大きくすることのできるPETボトルを提供する。この態様において、D(mm)寸法は、比例的に縮小されたボトルの理論的寸法に対して約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%減少させることができる。さらに、D(mm)寸法は、これらの数値間(両端を含む)の何れの数値でも減少させることができる。このパラメータは、比例的に縮小されたボトルの理論的寸法と比較して、他の何れの寸法または組合せでも、個別に、または同時に調節することができる。
【0029】
また別の態様は、例えば、本開示によるPETボトルのP(mm)寸法を比例的に縮小されたボトルの理論的寸法に対して約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、または約25%増大させることができる。さらに、P(mm)寸法は、これらの数値間(両端を含む)の何れの数値でも増大させることができる。このパラメータは、比例的に縮小されたボトルの理論的寸法と比較して、他の何れの寸法または組合せでも、個別に、または同時に調節されてもよい。
【0030】
また別の態様は、例えば、本開示によるPETボトルがB寸法に「カラー」を追加して、B寸法のうちの、ここでB1とされる一部が残りのB寸法より大きくなるようにすることができる。このB1カラーは、
図2〜4において、B寸法の上側部分に追加されているように示されている。この点において、B1カラーは、比例的に縮小されたボトルの理論的なB寸法を約2%〜約12%拡張できる。例えば、ボトルのBカラーを、比例的に縮小されたボトルの理論的なB寸法に対して約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、または約12%増大させることができる。さらに、B1カラー寸法は、これらの数値間(両端を含む)の何れの数値でも増大させることができる。このパラメータは、比例的に縮小されたボトルの理論的寸法と比較して、他の何れの寸法または組合せでも、個別に、または同時に調節されてもよい。
【0031】
他の態様において、本発明の22mmのボトルの実際のデータと比較した、表2の比例的に縮小された22mmの1881の欄は、軽量ボトルの改善された性能の技術的要求事項が、単にクロージャおよびその設計上の寸法の全部を縮小するだけでは満たされないことを示す。フィニッシュの重量は、予想外に改善されたパラメータを提供するために削減可能な1つの特定のパラメータをなす。例えば、28mmのフィニッシュを22mmに直接収縮させることによって、フィニッシュ重量は2.94gとなり、これはすなわち、当初の1881フィニッシュ重量3.74gの79%(22/28)にあたる。このフィニッシュ重量は、小型ボトルの応用に好ましいものより実質的に重い。これに対して、本発明の22mmフィニッシュの実際のフィニッシュ重量は1.76gであり、これは当初の1881フィニッシュの当初重量3.74gのわずか47%である。このより軽量なフィニッシュが品質保持期間を増大させるという事実は、このように大きい軽量化によって、典型的に高温状態でボトルフィニッシュの反りまたは歪みが発生するため、予想外であった。この軽量フィニッシュ設計によって、ボトルフィニッシュがその構造的完全性を保持し、上昇温度(38℃まで)での反りに起因する製品またはガスの漏出につながらないようにできることが実証された。この性能は(クロージャおよびフィニッシュが軽量であるときの物理的性能)を鑑みて決定され、これは、反りおよび漏出がないことを証明しており、それによって改善が示される。
【0032】
下表は、本開示による設計を用いて可能な軽量化を示す。従来の28mmの1881フィニッシュより小さい開口の各々に関して、比例的に縮小された(理論的な)フィニッシュ重量と発明による(実際の)フィニッシュ重量との両方が示されている。理論的および実際のフィニッシュの両方に関する従来の28mmの1881フィニッシュに対する重量のパーセンテージを使って、理論値に対する改良のパーセンテージが示されている。
【0034】
開示されているフィニッシュはまた、他の技術的処理および設計上の要求事項を満たすように詳細に設計される。例えば、少なくとも開示されている22mmおよび24mmのフィニッシュに関して、依然として温かいうちに射出成形型から部品を取り出したときに、ねじ山形状の両側において非対称の角度を使用することによって、有利で予想外の結果が提供されることがわかった。すなわち、この非対称の形状がなければ、クロージャのねじ山を克服して(すなわち、飛び越えて)部品を突出するスチールから取り出すために必要な力によって、ねじ山がその頂点においてわずかに扁平化することになる。その結果、フィニッシュおよびクロージャの、CSD製品からの圧力を受けてボトルに加わったときの吹き飛びに対する抵抗力が低下した。
【0035】
本開示による小型ボトルのためのフィニッシュサイズの小型化はまた、クロージャまたはボトルフィニッシュの何れに有効長さのねじ山を取り入れるために利用可能な空間も、利用可能な高さが低いために、大幅に削減され得ることを意味する。これは特に、クロージャのいたずら防止機能を含める必要性により特に問題となり得る。さらに、表2および表3に示されるような選択された寸法が変更されると、特に表3のパラメータのいくつかが実質的に理論値より大きく、それ以外が実質的に小さい場合、表3中のそれらのような特定の寸法の増大がPCO 1881フィニッシュにおけるようなねじ山ピッチを維持し、しかも良好に通気が行われるようにするために十分なねじ切り範囲を取り入れることが予想外に可能になることがわかった。
【0036】
クロージャ、特にクロージャの重量に関して、1つの態様において、本発明の22mmの小型ボトルのクロージャ重量は、PCO 1881フィニッシュの約2.4gから22mmのフィニッシュの約1.42gまで削減可能である。表2が示すように、この数値は、理論的な、比例的に縮小されたクロージャにおいて予想されるものに近い。しかしながら、典型的には、このような重量削減の結果、ボトル内の温度上昇に伴う内圧に起因する上板の湾曲により発生する過剰な移動により、クロージャのシール部周囲でガスが漏出する。この特徴により、通常、25mmまたは26mmの水用ボトルクロージャがCSD(炭酸飲料)製品に有利に使用できなくなり、それは、天板が湾曲し、シール構造を引っ張り、それによってボトルフィニッシュとの接触面の一部が失われる原因となるからである。接触面のこのような損失は、漏出につながる。
【0037】
本開示のフィニッシュおよびクロージャにおいて、キャップスカートの構造およびねじ山は、所望のシール圧力および完全性を提供するために必要となり得る付与トルクにより生じる応力の増大に抵抗するように設計される。このような設計は、既存の軽量キャップ、例えば水用フィニッシュの25mmまたは26mmクロージャでは実現し得ない。1つの態様によれば、(いわゆるC1バージョン)、クロージャ天板は、厚さを約1mm〜約1.5mmに増大させることができ、その結果、シーリング部材の運動が減り、シール部材周囲の「バイパス」漏出を防止、削減、または最小化できる。これは、明白な変化であるように見え得るが、天板厚さの増大が「ノックオン」効果を有し、シーリング部材の移動を削減することは予想外であった。
【0038】
改良型の容器フィニッシュおよびクロージャデザインは、主に炭酸飲料用として開示されているが、開示されているフィニッシュおよびクロージャの設計は炭酸以外の飲料パッケージにも使用され得る。開示されている設計でパッケージ可能な適当な炭酸以外の飲料の例としては、水、ジュース、茶、コーヒー、炭酸以外のアルコール飲料等が含まれるが、これらに限定されない。「飲料」という用語を、限定子を伴わずに使用することにより、炭酸および炭酸以外の飲料の両方を含むことが意図される。
【0039】
表2および3に示されているように調節して、改善された品質保持期間を提供することのできるこれらの各種のフィニッシュおよびクロージャの寸法パラメータに加えて、小型ボトルのクロージャおよびフィニッシュの以下の追加の特徴、実施形態、および態様を使って、小型ボトルの品質保持期間とクロージャおよびボトルの性能とを改善できる。例えば、小型クロージャを開栓しやすくするクロージャの材料およびナールの特徴等のクロージャの特徴である。改善された再閉鎖可能、再シーリング可能な性能のためのシーリングシステム等のクロージャの特徴を使って、性能を高めることができる。フィニッシュ材料および通気部の設計等、他のフィニッシュの特徴も改善でき、例えばクロージャのためのいたずら防止バンドの導入により可能となる。
【0040】
他の態様によれば、例えば以下のような他の各種の特徴、態様、および実施形態は、小型ボトルのクロージャおよびフィニッシュにとって実質的に固有であることがわかった。
【0041】
飲みやすさ。少量用の清涼飲料のCSDパッケージに関して、全体的な飲み心地が、同様のまたは改善された飲み心地を提供し、消費者による受入を低下させないことに関して検討される。この態様において、小型のCSDパッケージ(約400ml以下、好ましくは約360ml未満)の場合、ネックフィニッシュのねじ山の直径は約26mm以下、約25mm以下、約24mm以下、約23mm以下、または約22mm以下にすると、消費者の飲み心地の点で良好な飲みやすさを提供することがわかった。これらの直径により、ボトル充填速度およびボトル充填ラインのスループットを良好に維持することもできた。
【0042】
クロージャの形状。この態様において、例えば、クロージャの天板部分は、厚さ、コーナ部の半径、および他の形状を変更して、改善されたシーリング性能を提供し、透過およびガス損失を減少させることが可能であった。特に厚さおよびコーナ部の半径をこのように変更することにより、圧力を受けたときのクロージャの湾曲によるカンチレバー効果を低減させると考えられる。オリーブ型のプラグシールおよびそれ以外の外部シールリップからなるシールの設計によって、シールの完全性がいわゆる「湾曲効果」に依存しなくなり、炭酸を少なくとも現在の28mmのクロージャと同程度に良好に保つことができることがわかった。
【0043】
ナールパターン。クロージャの「握りやすさ」は、小型ボトルでより顕著な問題となる。フィニッシュの高さおよび直径を小さくすると、パッケージを開栓するためにクロージャを握ることがより困難となる。例えば、高さを低くした(10mm)26mmのクロージャの水用ボトルは、削減された高さおよびナールの設計によって開けにくいことがわかった。開閉中のクロージャの握りやすさは、例えば、ナール間の距離、ナールの形状、ナールが側面からクロージャの上部のどこまで延びているか、およびナールの数を決定し、変更することによって改善することがわかった。
【0044】
本開示のクロージャにおいて有益であることがわかったこれらの特徴に応じて変化するナールパターンの例が
図6A〜
図6Hに示されている。
図6には次のもの、すなわち、60ナールパターン(
図6Aおよび6B)、72ナールパターン(
図6Cおよび6D)、48ナールパターン(
図6Eおよび6F)、90ナールパターン(
図6Gおよび6H)が示されている。
図7は、本開示の小型ボトルフィニッシュで使用するための90ナールパターンクロージャの1つの実施形態を示し、これはねじ切り範囲470°、ピッチ2.5mmの一条右ねじを有する。
図8は、本開示の小型ボトル用フィニッシュに使用する別の90ナールパターンクロージャの別の実施形態を示し、ねじ切り範囲560°、ピッチ2.5mmの一条右ねじを有する。この態様において、例えば、開けやすさのための能動要素はナールの数に関係なく、キャップの上端でのナールの延長範囲であり、これは、この特徴がより大きい把持面積を提供するだけでなく、消費者がキャップを上からまたは上と横から把持できるからである。
【0045】
本開示のキャップの1つの態様は、この課題を克服するために利用される固有のナール設計およびパターンを提供する。コンピュータモデリング(FEA)による研究を使ってクロージャの把持をシミュレートし、好ましいナールパターンを評価した。10インチ−ポンド(in.−lb.)の施栓トルクを加え、各種のデザインについて、開くのに必要な付加圧力、手の感覚の評価、およびせん断力(握りやすさ)の点で開けやすさをランク付けした。プロトタイプのための好ましいナールパターンを選択するための、開栓トルクで親指と人差し指とにかかる圧力およびせん断力。約72のナールパターンから約90のナールパターンの使用で良好な結果が得られることがわかった。再び、
図6A〜
図6Hは、本開示のクロージャと共に有利に使用可能である、本開示による特に有益なクロージャナールパターンを示す。
【0046】
一連のフィニッシュおよびクロージャのねじ切り範囲の設計は、本開示の小型ボトルとの有利な利用を提供することがわかった。特に有益なクロージャシステム(フィニッシュおよびクロージャ)が、下表に示されるフィニッシュおよびクロージャに基づいて下表に示される。
【0048】
F1フィニッシュ/C1クロージャ(F1/C1)、F2フィニッシュ/C1クロージャ(F2/C1)、およびF3フィニッシュ/C2クロージャ(F3/C2)という特定のフィニッシュとクロージャとの組合せのねじ山の差を比較した結果を下表に示すが、これらのフィニッシュとクロージャとの各々は前の表に示されている。
【0050】
図9は、TEバンドを有するが、B1カラーを有さない、F3フィニッシュ/C2クロージャの組合せの断面を示す。この画像は、TEビード(5)と、開栓時にクロージャの主要TEフラップ(10)がフィニッシュのTEビードと係合し、再閉鎖時に再係合するときにフィニッシュのTEビードを押し下げる様子とを示す。
図10は、TEバンドおよびB1カラーを有するF3フィニッシュ/C2クロージャの組合せの断面図を示す。この画像はまた、クロージャの主要TEフラップがフィニッシュのTEビードと係合しているところを示し、さらに、B1カラーが軸向の遊びを削減している様子を示す。
【0051】
フィニッシュの種類、フィニッシュの大きさ、およびフィニッシュの重量。全体的な物理的性能を改善することがわかった寸法および形状には、螺合、総接触表面積、吹き飛びを防止するためのねじ切り範囲、摩擦およびねじ山の形状およびプロファイルの他に、全体的な飲み心地、消費体験(上の「飲みやすさ」参照)が含まれる。1つの態様において、約1.8g未満の重量は、本明細書に記載されているような消費者のニーズに合わせた固有の形状を設計することによって達成され、また物理的性能の要求事項も満たされた。例えば、上の表からE−C寸法として設計された22mmの開口について、1.05mmのE壁の厚さが特に有益であることがわかった。1.05mmというこのE壁の厚さは、当然のことながらPCO 1881の寸法より小さいが、E壁の厚さに関する比例的に縮小されたPCO 1881より約8%大きい。重量に関して、本明細書において記載されているように、CSD容器のための現在のPCO 1881フィニッシュの重量は3.8gである。したがって、開口の大きさを28mmから24mm、22mm、または20mmに減らすことによって、フィニッシュの重量も、縮小された開口の理論値に基づいて、比例的にまたは非比例的に減らすことができる。
【0052】
ねじ切り範囲およびねじ山の構造。ある態様において、本明細書に記載されている24mm、22mm、または20mmのフィニッシュ等、小型ボトルのクロージャに固有の高温での螺合を改善する必要性が判明した。例えば、改良された螺合は、1)ねじ切り範囲を追加すること、2)ねじ山のプロファイルを対称から非対称に変更すること、および3)TおよびEの寸法と全体的な直径とを全体的に削減することによって達成できることがわかった。例えば、22mmの開口およびクロージャの実施形態では、ねじ切り範囲を約460°または470°とすることができるが、約40°、約50°、約60°、約70°、約80°、約90°、約100°、約110°、または約120°追加することによって、螺合を改善できることがわかった。約80°追加する1つの態様は、螺合を改善するのに有効である。ねじ切り範囲を約470°から約550°に増大させることは、螺合を改善するのに有効である。対称から非対称にねじ山プロファイルを変更することもまた、螺合の改善に有効である。例えば、
図11は、螺合を改善する非対称のねじ山プロファイルを提供する1つの方法を示す。TおよびE寸法と全体的な直径とを全体的に削減することもまた、螺合の改善に有効である。例えば、T(mm)およびE(mm)寸法は、比例的に縮小されたフィニッシュおよびクロージャにおける理論的な寸法に対して約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%減少させることができる。TおよびEのパラメータは、理論的寸法と比較して、相互にまたは他の何れの寸法もしくは組合せに関しても、個別にまたは同時に調節してよい。例えば、22mmのフィニッシュの場合、TおよびEは、0.1mm、0.2mm、0.3mm、または0.4mm縮小できる。
【0053】
通気能力。フィニッシュおよびクロージャの形状の相互作用を変更して、小型ボトルの開口形状に特定の通気能力を調節することができる。例えば、1つの態様において、
図12に示されているように、クロージャの内面に取り入れられた固有の通気構成がある。この構成により、29°の後端角度および36度の前端角度により示されるように、より大きい表面積を提供し、これによって表面積が最大化して、より多くの通気を可能にする。このような通気の増大により、クロージャの吹き飛びの可能性が減少するが、これは、クロージャとフィニッシュとの係合が外れる前にボトルに十分な空気が入るからである。
図13は、ネックの全通気面積が12.88mm
2で、キャップの全通気面積が17.28mm
2の場合の、開放角度および進展に関する通気流量および速度のプロットまたはグラフを示す。
図13の赤および青の曲線は、OPT(Steinfurth Opening Performance Tester)吹き飛びテキストで試験された2つのサンプルに関するデータを示し、圧力が時間に対応する開放角度に対してプロットされ、クロージャがフィニッシュと係合したままであり、吹き飛びまたはクロージャの外れは起こらなかったことを示す。
図13のグラフはまた、開栓中の漏出ガスの流速を計算するために使用されてもよい。
【0054】
シーリングシステムおよびシール表面の完全性。シール表面完全性を含むシールシステムを変更しても、小型ボトルのクロージャおよびフィニッシュを改善できる。コーナ部半径ならびに天板厚さおよび半径などの特徴を変更して、シーリング性能を改善し、気温および高温時のCO
2漏出と圧力の損失とを防止することによって透過およびガス損失を削減できる。そのため、シーリング面でのクロージャ/フィニッシュ界面における接触圧力を調べ、シールの完全性を推測し、フィニッシュおよびクロージャに関する異なる形状間で比較した。
【0055】
コーナ部半径および天板厚さに関して、コーナ部半径および天板厚さを変更することによる22mmのクロージャのシール完全性に対する影響を調べた。試験が室温で行われたときに、厚さ1.5mm/半径1.0mm〜厚さ1.0mm/半径0.5mmの内面および外面シーリング(
図14Aおよび
図14B)の間に大きい差がないことがわかった。しかしながら、38℃に温度が上昇すると、これら2つの選択肢間の上側シーリング性能において実質的な差が見られ、より重い壁がよりよいシール性能を見せた。すなわち、約23℃(室温)におけるこれら2つの選択肢間の内面および外面シーリングに対して大きい影響はなかった。しかしながら、壁がより重いと、上側シーリング面について、上昇した温度38℃の場合に測定可能な程度によりよいシール性能を示すことがわかった。
【0056】
適当なクロージャの断面形状が
図14〜16に示され、比較されている。
図14Aおよび
図14Bは、クロージャの部分断面図を示し、大型および小型ボトルで使用する、より従来型の厚さ1.0mm/半径0.5mmのクロージャと、より小型のボトルによる、より高い温度でのよりよいシーリング性能を提供する厚さ1.5mm/半径1.0mmのクロージャと比較している。
図15は、小型ボトルによる、温度上昇時によりよいシーリング性能を提供する厚さ1.5mm/半径1.0mmのリブの選択肢を含むクロージャの部分断面図を示す。
【0057】
特定のスリップ剤および用いるクロージャ。必要に応じて、スリップ剤をクロージャに用いて、本開示において提示されているクロージャの開けやすさと再閉鎖可能性とを改善することができる。例えば、飽和一級脂肪族アミドスリップ剤(例えば、ベヘン酸アミドまたはステアリン酸アミド)または不飽和一級脂肪族アミドスリップ剤(アルカミドまたはオレアミド)を使用できる。ある態様において、スリップ剤は約1000ppm、約2000ppm、または約3000ppmのレベルまで充填できる。例えば、ある態様において、スリップ剤であるベヘン酸アミドを2000ppmのクロージャに使用できる。小型クロージャの直径は28mmクロージャと比較して小さいため、クロージャを同じトルクで回転させるのに必要な相当する力はより高くなる。
【0058】
全体的な性能。本開示において示されている設計の原則に従うと、直径約26mm以下の飲料および炭酸飲料用ボトルのためのクロージャ、特に直径約25mm以下の飲料および炭酸飲料用ボトルのためのクロージャは、最低でも4.0炭酸ガスボリュームの圧力において、逆転させたプラスチックフラットトップまたはドーム型クロージャに関するISBT(国際飲料技術者協会)エレベーテッドサイクル試験、ISBT安全シール試験、および/またはISBT圧力保持試験のうちの少なくとも1つの要求事項を満たすかまたはそれを超えることができる。さらに、本開示のクロージャはまた、最低でも4.2炭酸ガスボリュームの圧力において、逆転させたプラスチックフラットトップまたはドーム型クロージャに関するISBT(国際飲料技術者協会)エレベーテッドサイクル試験、ISBT安全シール試験、および/またはISBT圧力保持試験のうちの少なくとも1つの要求事項を満たすかまたはそれを超えることができる。他の態様によれば、本開示のクロージャはまた、最低でも4.0炭酸ガスボリュームの圧力において、逆転させたプラスチックフラットトップまたはドーム型クロージャに関するISBT(国際飲料技術者協会)エレベーテッドサイクル試験、ISBT安全シール試験、および/またはISBT圧力保持試験のうちの少なくとも2つの要求事項を満たすかまたはそれを超えることができる。
【0059】
以下のように番号の付与されたクロージャの態様が提供され、これは、個別にまたは文脈上可能な場合にあらゆる組合せで、本開示の各種の属性、特徴、および実施形態について述べている。すなわち、文脈上可能なかぎり、何れの1つの番号の態様および以下の番号の態様のあらゆる組合せも、新規なクロージャの各種の属性、特徴、および実施形態を提供する。
1.炭酸飲料用ボトルのクロージャであって、
約25mm以下の直径を有し、かつ
最低でも4.0炭酸ガスボリュームの圧力において、逆転させたプラスチックフラットトップまたはドーム型クロージャに関する以下のISBT(国際飲料技術者協会)試験:エレベーテッドサイクル試験、開口性能試験、安全シール試験、物理的性能試験、参考試験、寸法試験、および/または圧力保持試験のうちの少なくとも1つの要求事項を満たすかまたはそれを超える、クロージャ。
2.最低でも4.0炭酸ガスボリュームの圧力において、逆転させたプラスチックフラットトップまたはドーム型クロージャに関する以下のISBT(国際飲料技術者協会)試験:エレベーテッドサイクル試験、開口性能試験、安全シール試験、物理的性能試験、参考試験、寸法試験、および/または圧力保持試験のうちの少なくとも2つの要求事項を満たすかまたはそれを超える、上記の態様によるクロージャ。
3.文脈上可能なかぎり、1部品型クロージャである、上記の態様の何れかによるクロージャ。
4.文脈上可能なかぎり、2部品型クロージャである、上記の態様の何れかによるクロージャ。
5.文脈上可能なかぎり、ポリオレフィン、可塑化熱可塑性物質、またはポリスチレンを含み、かつ約1.42グラム以下の重量を有する、上記の態様の何れかによるクロージャ。
6.文脈上可能なかぎり、クロージャ天板厚さが約1.1mm以下である、上記の態様の何れかによるクロージャ。
7.文脈上可能なかぎり、非対称のねじ山プロファイルを含む、上記の態様の何れかによるクロージャ。
8.文脈上可能なかぎり、対称のねじ山プロファイルを含む、上記の態様の何れかによるクロージャ。
9.文脈上可能なかぎり、キャップ内周にわたり分散された2個以上の通気用スロットを含む、上記の態様の何れかによるクロージャ。
10.文脈上可能なかぎり、キャップ内周にわたり分散された2〜20個の通気用スロットを含む、上記の態様の何れかによるクロージャ。
11.文脈上可能なかぎり、約360°〜720°のねじ切り範囲を収容する2.2mmのリード(ピッチ)を提供する、上記の態様の何れかによるクロージャ。
12.文脈上可能なかぎり、約550°〜720°のねじ切り範囲を収容する2.2mmのリード(ピッチ)を提供する、上記の態様の何れかによるクロージャ。
13.文脈上可能なかぎり、対称のねじ山プロファイルを含み、かつ2.2mmのリード(ピッチ)を提供する、上記の態様の何れかによるクロージャ。
14.文脈上可能なかぎり、対称のねじ山プロファイルを含み、かつ約710°〜760°のねじ切り範囲を収容する2.2mmのリード(ピッチ)を提供する、上記の態様の何れかによるクロージャ。
15.文脈上可能なかぎり、
a)キャップ内周にわたり分散された2〜20の通気用スロットまたは4〜16の通気用スロットを有し、
b)ポリオレフィンを含み、かつ約1.42グラム以下の重量を有し、および
c)1.3mm以下の天板厚さを有する、上記の態様の何れかによるクロージャ。
【0060】
番号の付与されたフィニッシュの態様が提供され、これは、個別にまたは文脈上可能な場合にあらゆる組合せで、本開示の各種の属性、特徴、および実施形態について述べている。すなわち、文脈上可能なかぎり、何れの1つの番号の付与された態様および以下の番号の態様のあらゆる組合せも、新規なフィニッシュの各種の属性、特徴、および実施形態を提供する。
1.飲料(炭酸および炭酸以外の飲料)用ボトルのネックフィニッシュであって、約25mm以下の直径(d)を含み、分割線から後端より小さい、それと等しい、またはそれより大きい前端において、(上から見て)反時計回り方向に2〜20個の通気用スロット(両端の数値を含む)または4〜16個の通気用スロットが配置されている、ネックフィニッシュ。
2.前端が分割線から後端より小さくない、上記の態様によるネックフィニッシュ。
3.文脈上可能なかぎり、前端が分割線から約40°以下で対称に配置され、および後端において、分割線から約35°以下で対称に配置されている、上記の態様の何れかによるネックフィニッシュ。
4.文脈上可能なかぎり、ネックフィニッシュのT−E寸法が、d/28(ここで、dは、約25mm以下のネックフィニッシュの直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のT−E寸法から+5%〜+20%だけ変更されている、上記の態様の何れかによるネックフィニッシュ。
5.文脈上可能なかぎり、ネックフィニッシュのE壁(E−C)の寸法が、d/28(ここで、dは、約25mm以下のネックフィニッシュの直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のE壁(E−C)寸法から+3%〜+16%だけ変更されている、上記の態様の何れかによるネックフィニッシュ。
6.文脈上可能なかぎり、ネックフィニッシュのS寸法が、d/28(ここで、dは、約25mm以下のネックフィニッシュの直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のS寸法から+15%〜+35%だけ変更されている、上記の態様の何れかによるネックフィニッシュ。
7.文脈上可能なかぎり、ネックフィニッシュのD寸法が、d/28(ここで、dは、約25mm以下のネックフィニッシュの直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のD寸法から−1%〜−10%だけ変更されている上記の態様の何れかによるネックフィニッシュ。
8.文脈上可能なかぎり、ネックフィニッシュのP寸法が、d/28(ここで、dは、約25mm以下のネックフィニッシュの直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のP寸法から+8%〜+25%だけ変更されている、上記の態様の何れかによるネックフィニッシュ。
9.文脈上可能なかぎり、B1カラーがネックフィニッシュのB寸法に追加され、B1カラーは、d/28(ここで、dは、約25mm以下のネックフィニッシュの直径(mm)である)の係数により比例的に縮小される標準的な28mm PCO 1881フィニッシュの理論上のB寸法より+2%〜+12%だけ大きい、上記の態様の何れかによるネックフィニッシュ。
【0061】
他の態様によれば、本開示の具体的な特徴および実施形態は以下を含む。
1.約25mm以下の直径を有する飲料(炭酸および炭酸以外の飲料)用ボトルのクロージャであって、以下の特性:
a)クロージャがポリオレフィン、可塑化熱可塑性材料、またはポリスチレンを含み、かつ約1.42グラム以下の重量を有すること、
b)クロージャ天板厚さが約1.3mm以下であること、
c)クロージャが非対称のねじ山プロファイルを含むこと、
d)クロージャがキャップ内周にわたり分散された2〜20個の通気用スロットまたは4〜16個の通気用スロットを含むこと、および/または
e)クロージャが2.2mmのリード(ピッチ)を提供すること
の1つまたは任意の組合せをさらに有する、クロージャ。
2.文脈上可能なかぎり、約1.1mm以下の天板厚さによってさらに特徴付けられる、上記の態様の何れかによるクロージャ。
3.文脈上可能なかぎり、最低でも4.0炭酸ガスボリュームの圧力において、逆転させたプラスチックフラットトップまたはドーム型クロージャに関する以下のISBT(国際飲料技術者協会)試験:エレベーテッドサイクル試験、開口性能試験、安全シール試験、物理的性能試験、参考試験、寸法試験、および/または圧力保持試験のうちの少なくとも1つの要求事項を満たすかまたはそれを超える、上記の態様の何れかによるクロージャ。
4.文脈上可能なかぎり、最低でも4.0炭酸ガスボリュームの圧力において、逆転させたプラスチックフラットトップまたはドーム型クロージャに関する以下のISBT(国際飲料技術者協会)試験:エレベーテッドサイクル試験、開口性能試験、安全シール試験、物理的性能試験、参考試験、寸法試験、および/または圧力保持試験のうちの少なくとも1つの要求事項を満たすかまたはそれを超える、上記の態様の何れかによるクロージャ。
5.文脈上可能なかぎり、1部品型クロージャである、上記の態様の何れかによるクロージャ。
6.文脈上可能なかぎり、2部品型クロージャである、上記の態様の何れかによるクロージャ。
7.文脈上可能なかぎり、キャップ内周にわたり分散された2個以上の通気用スロットを含む、上記の態様の何れかによるクロージャ。
8.文脈上可能なかぎり、キャップ内周にわたり分散された2〜20個の通気用スロットまたは4〜16個の通気用スロットを含む、上記の態様の何れかによるクロージャ。
9.文脈上可能なかぎり、約360°〜720°のねじ切り範囲を収容する、上記の態様の何れかによるクロージャ。
10.文脈上可能なかぎり、約550°〜720°のねじ切り範囲を収容する、上記の態様の何れかによるクロージャ。
【0062】
本明細書および付属の特許請求の範囲において使用されるかぎり、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上明らかに解釈が異なる場合を除き、複数も含む。そのため、例えば、「通気口」という場合、単独の通気口の他に、文脈が指示するかまたは文脈上可能なかぎり、複数の通気口のあらゆる組合せ、例えば複数の通気口の同時のまたは組合せによる使用を含む。
【0063】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、「含む(comprise)」という用語ならびに「含んでいる(comprising)」および「含む(comprises)」などのその用語の変化形は、「含むがそれに限定されない」という意味であり、他の追加物、構成要素、要素、またはステップを排除することを意図していない。組成物および方法が各種の構成要素またはステップを「含む」との記載がある場合、その組成物および方法はまた、各種の構成要素またはステップから「基本的になる」、またはそれから「なる」こともできる。
【0064】
本明細書全体を通じて、「1つの実施形態」、「ある実施形態」、または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、本明細書中の複数の箇所で「1つの実施形態において」または「ある実施形態において」という語句が出現した場合、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているとはかぎらない。さらに、特定の特徴、態様、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において何れの適当な方法で組み合わせてもよい。
【0065】
「任意選択の」、「任意選択で」とは、その後に述べられている要素、構成要素、ステップ、または状況が起こっても起こらなくてもよく、説明が、その要素、構成要素、ステップ、または状況が起こった例と起こらない例とを含むことを意味する。
【0066】
本明細書全体を通じて、各種の文献が参照され得る。これらの文献の開示は、関係する部分が参照によって本願に援用され、開示された主題が関係する従来技術をより十分に説明する。開示された参考文献はまた、その参考文献に依拠する文章で論じられている、それらに含まれる題材のために、個別に、具体的に参照により本願に援用される。参照により本願に援用される何れかの文献により提供される何れかの定義または用法が本明細書において適用される定義または用法と矛盾する場合、本明細書において適用される定義または用法が優先する。
【0067】
別段の断りがないかぎり、何れかの種類の範囲、例えば大きさ、数、パーセンテージ等の範囲が開示または特許請求されている場合、そのような範囲が合理的に包含可能な考え得る数値の各々を、その中に包含される部分的範囲または部分的範囲の組合せを含め、個別に開示または請求することが意図される。大きさまたはパーセンテージ等の測定値の範囲を説明する際、そのような範囲が合理的に包含し得るすべての考え得る数が、例えば、文脈上指示されるかまたは可能であるかぎり、ある範囲のエンドポイントにおいて存在するものより大きい1つの有効数字を有する範囲内の数値、または最も有効な数字を有するエンドポイントと同じ数の有効数字の範囲内の数値を指すことができる。例えば、5%〜15%等のパーセンテージの範囲が記載されているとき、本開示は、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、および15%の各々の他に、その中に含まるあらゆる範囲、部分的範囲、および部分的範囲の組合せを包含することが意図される。本出願人は、範囲に関するこのような2つの記載方法は互換可能であると意図している。したがって、本出願人は、例えば本出願人が出願時に認識していない参考文献を考慮するため等、何らかの理由によって本出願人がその開示の全範囲の一部を特許請求することを選択した場合、そのような何れの集合内の何れの個別の構成要素も、その集合内のあらゆる部分的範囲または部分的範囲の組合せを含め、除外または排除することができる。
【0068】
数値または範囲は、本明細書中で「約」または「約」1つの具体的な数値から、および/または「約」別の具体的な数値までと表現され得る。このような数値または範囲が表現されている場合、開示されている他の実施形態は、明記された具体的な数値、1つの具体的な数値から、および/または他の具体的な数値までを含む。同様に、数値が「約」という先行する用語を使用することによって概算で表現される場合、その具体的な数値は別の実施形態を形成すると理解される。さらに、その中で開示されている多数の数値があり、各数値はまた、本明細書において、その数値自体の他に、「約」その具体的な数値として開示される。他の態様において、「約」という用語は明記された数値の±20%、明記された数値の±15%、明記された数値の±10%、明記された数値の±5%、または明記された数値の±3%を意味する。
【0069】
米国特許商標局への何れの出願においても、本願の要約書は、米国特許法施行規則第1.72条の要求事項を満たす目的、および「米国特許商標局および一般人が、概して、概略的な閲覧から技術的開示の性質および趣旨を短時間で把握できるようにする」という米国特許法施行規則第1.72条(b)に記載されている目的のために提供される。したがって、本願の要約書は、特許請求の範囲を解釈するため、または本明細書において開示されている趣旨の範囲を限定するために使用されることは意図されていない。さらに、本明細書中で使用されている何れの見出しもまた、特許請求の範囲を解釈するため、または本明細書において開示されている趣旨の範囲を限定するために使用されることは意図されていない。過去の時制を使って推定的または予言的として示される例を説明することは、その推定的または予言的な例が実際に行われたことを反映するとは意図されていない。
【0070】
当業者であれば、本明細書において開示された例示的な実施形態において、本開示による新規な教示および利点から実質的に逸脱せずに、多くの変更形態が可能であることが容易にわかるであろう。したがって、そのような変更形態および均等物はすべて、以下の特許請求の範囲内で定義されている本開示の範囲内に含まれものとする。したがって、当然のことながら、当業者であれば、本明細書の説明を読めば、本開示の趣旨または付属の特許請求の範囲から逸脱することなく想到することのできる各種の他の態様、実施形態、その変更形態、および均等物を利用できる。