(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
低水分ブロック材料の前記摂取量制御母材は、前記制御飼料材料に形成された類似の形状の空間を充填する成形された母材を含み、前記制御飼料材料は容器内に保持されることを特徴とする請求項1に記載の飼料ブロック。
【背景技術】
【0003】
糖蜜を脱水し、特殊な栄養素および他の原料を加えることによって作られた動物用低水分飼料ブロックが幅広く使用されている。かかるブロックは、一般に極めて口当たりが良く、動物を引き付けるものであり、ブロックが、不断摂取ベースで供給される飼料の栄養補助剤、または他の飼料要素の運搬車両としての役割を果たすことを可能にする。それらのブロックは、摂取調整の特性をさらに有する場合があり、ここではかかるブロックは噛み砕くのではなく舐めることにより摂取されなければならず、そうすることで摂取の速度を落とし、摂取を制御する。誘引と調整摂取の組合せは、草を食べている動物をブロック付近の場所に留める助けともなる。例えば、米国特許第6,244,217号、6,390,024号および6,561,133号を参照のこと。
【0004】
これらの品質の結果として、低水分ブロックは、様々に異なる原料配合を伴う多くの動物給餌の場で幅広く使用されている。しかし、飼料の栄養補助剤またはミネラル補助剤の形体のいくつかは、低水分ブロックの形体よりも、むしろ化学物質ブロックまたは圧縮ブロックの形体において最良に、または最も便利に構築(formulate)される。これらの形体は一般に、摂取制限における正確さを有しておらず、また、一般に極めて口当たりよく構築された典型的な低水分ブロックよりも、多かれ少なかれ口当たりが良い場合がある。
【0005】
ベントンによる米国特許第5,622,739号は、改良されたミネラル供給のための飼料ブロックを開示している。当該飼料ブロックは、主に脱水された糖蜜から成る包囲シェル体(surrounding shell、周囲の外殻部分)内部に埋め込まれた内部シリンダ状ブロックまたは容器として設けられたミネラル補助剤を有する。脱水された糖蜜は低水分ブロックでは一般的である。これは、ベントンの特許の要約に以下のように記述されている。
【0006】
「改良された飼料ブロックは、同一の飼料ブロック内にミネラル補助剤および飼料の栄養補助剤の別々の部分を提供する。ミネラル補助剤は、例えば脱水された糖蜜の飼料の栄養補助剤などの飼料の栄養補助剤のシェル体によって包まれた内部包装物(inner package)として提供される。このように2つの異なる補助剤を提供することで、各々の摂取量が正確に制御される。さらに、2つの異なる補助剤の所望の割合に応じて、異なる飼料ブロックが調整されることが可能である。」
【0007】
ベントンによる摂取の構造および方法が、特許文献4の発明の概要に記述されている。
【0008】
「家畜にミネラルを供給する改良されたシステムを含む、家畜用の改良された飼料ブロックが、本発明により提供される。本発明によると、粒状ミネラル補助剤の内部ブロックまたは食用容器が、例えば脱水された糖蜜ベースの飼料の栄養補助剤のような飼料の栄養補助剤で形成された外部シェル体内部に備わっている。好適には、改良された飼料ブロックは、ボール紙またはクラフト紙のような紙で包まれた、粒状ミネラル補助剤の包装物を桶に配置し、当該内部包装部の周囲に飼料の栄養補助剤の高温混合物を注ぎ入れることによって製造される。飼料の栄養補助剤が固まると、結果としてできた飼料ブロックを、食物を補助するために家畜に供給することができる。
【0009】
飼料ブロックは、家畜に舐めさせることにより消費される。家畜は摂取すべき2つの異なる補助剤のいずれかを、ある程度選択できる。しかし、家畜は、どちらか1つのみの補助剤をすべて摂取することはできない。なぜなら、動物がブロックを舐めることによって発生する水分が、ブロックのそれほど好まれない部分、すなわち、通常はミネラル補助剤の部分が、より好まれる部分にこぼれる(fall over)ことを引き起こすためである。従って、家畜が最終的に両方の補助剤を摂取することが求められる。」
【0010】
ベントンの米国特許第5,622,739号は、図面で2つの実施形態を示している。ベントンの特許の
図1および2は、シェル体に埋め込まれた内部シリンダとして備わる、ミネラル補助剤11の本体周囲の脱水された糖蜜によるシェル体を含む円筒状の飼料ブロックを示している。
図3は、脱水された糖蜜シェル体内に埋め込まれた、複数の分散した包装物として備わるミネラル補助剤11を含む、別のシリンダ状飼料ブロックを示している。両方の実施形態で、ミネラル補助剤は、ミネラル補助剤の包装物周囲に脱水された糖蜜飼料の栄養補助剤を注ぎ入れることにより埋め込まれる。複数の包装物による実施形態では、所望の位置で脱水された糖蜜に埋め込まれるように、どのように複数の分散した包装物の配置がなされるかについて明確に記述されていない。
【0011】
ベントンの米国特許第5,622,739号は以下を主張している。「本発明の飼料ブロックの1つの重要な利点は、飼料の栄養補助剤およびミネラル補助剤の摂取が、単一の飼料ブロックで注意深く制御できる点である。過去には、一般に、2つの異なる補助剤またはブロックが供給される必要があり、1つは飼料の栄養補助剤、もう1つはミネラル補助剤であった。」しかし、包装物に粒状ミネラル補助剤を使用し、当該包装物の周囲に「シェル体」を形成するために飼料の栄養補助剤を注ぎ入れるというベントンの特許の方法では、ミネラル補助剤を均一に配分することが困難と思われる。さらに、粒状ミネラル補助剤の包装物が、その上を覆う飼料の栄養補助剤のシェル体が摂取されることで露出された時、動物の摂食活動により、ミネラル補助剤の粒状材料が流出するか、または拡散する可能性がある。拡散しなかった場合には、大きな塊で摂取されるか、または、動物の行動によっては漏れ出し、無駄になることがある。従って、ベントンは以下のように述べている。「家畜は摂取すべき2つの異なる補助剤のいずれかを、ある程度選択できる。」しかし、摂取制御は、大多数の適用に望ましい程度と比較して、より制限されていると思われる。
【0012】
ベントンの米国特許第5,622,739号は、「飼料の栄養補助剤とミネラル補助剤の正確な割合は、ミネラル補助剤の内部包装物のサイズおよび形状によって変化しうる」と述べている。ベントンの特許では、糖蜜ベースの飼料の栄養補助剤とミネラルの重量比は、おおよそ1から32の間であると考えている。すなわち、糖蜜ベースの飼料の栄養補助剤による包囲シェル体は、ミネラル補助剤の重量の32倍からミネラル補助剤に等しい重量の範囲におよびうる。従って、ベントンの特許は糖蜜ベースの飼料の栄養補助剤が重量において過半数の構成要素であり、典型的には大きな値(large multiple)である過半数となることを教示している。これは、ブロック重量の最大50%が他の栄養補助剤に使用可能であることを意味しており、ベントンの特許の教示ではミネラルである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
飼料の栄養補助剤ブロック。飼料ブロックは、動物の不断摂取(libitum consumption)を目的とした、比較的少量の栄養原料または医薬原料で構成される飼料の栄養補助剤を含む、またはそれが存在するように調製された比較的硬質な塊である。現在、これらは主に3つの方法により製造され、以下の方法によって分類される。
【0019】
1.
注入された/化学物質ブロック 注入された/化学物質ブロックは、組み合わされた製品原料を、水と鉱物酸化物の間の化学反応により硬化させることにより製造される。かかるブロックの例は、米国特許第4,016,296号(DeSantis)、第4,027,043号(Schroeder)、第5,236,717号(Vinci)、第6,726,941号(Ethington, Jr.他)、第6,793,947号(Bachmeier)に見られる。硬化を発生させるのに使用される反応は異なる。
【0020】
2.
圧縮および混成ブロック 圧縮および混成ブロックは、熱を含むか、または含まない状態で、原料を混合、調節し、硬度を得るための任意の結合剤と共に圧力下に置くことで製造される。かかるブロックの例は、米国特許第3,532,503号(Kviesitis)に見られる。Kviesitisは、糖蜜を、その後乾燥される非吸収性キャリア材料と共に混合することによりブロックを製造することを記述している。次に表面活性乳剤が乾燥材料と混合され、その混合物は蒸気に当てられ、ブロックに圧縮される。米国特許第6,168,803号(Harris)も圧縮ブロックについて記述しているが、どちらかというと化学物質ブロックおよび圧縮ブロックの混成材料または複合材料に関する。Harrisの要約は、方法について以下のように記述している。「乾燥した、またはやや湿った栄養原料、および、少なくとも1つのアルカリ性土類金属酸化物の追加で構成される、最小限の物理的圧縮を要する動物用飼料ブロックを製造する工程。結果として形成される注入不可およびポンプでの吸い上げ不可の混合物は、次いで金型のような受器に移動される。」
【0021】
3.
低水分ブロック 低水分ブロックは、熱蒸発を経て、通常は糖蜜または糖蜜派生物である基礎原料の脱水によって製造される。ここでも、特定の物理的目的を達成するために調製されるであろう混成物質が存在する。米国特許第4,749,578号(Benton他)は、撥水性、無孔、硬質、およびガラス質の、改良された糖蜜飼料ブロックについて説明している。この飼料ブロックは、通常、飼料ブロックの撥水性を高めるために、糖蜜、不飽和遊離脂肪酸、および、脂肪酸を不溶性石鹸に鹸化するのに十分な量の二価の塩基(bivalent base)を含む流体飼料組成から製造される。2013年3月15日に出願されたFu他による同時継続出願第13/838,089号は、耐低温流性を有するように調製された低水分ブロックを開示している。全般に、低水分ブロックは最も少ない水分含量を有し、一方で圧縮、混成ブロックはそれよりも多くの水分を含み、注入/化学物質ブロックは最も多い水分を含む。
【0022】
制御される飼料(制御飼料)。様々な動物に関して、生産性および/または健康を向上させるために、飼料の栄養補助剤が使用される。とりわけ、体重増加、食肉または牛乳の品質、泌乳および繁殖における生産性が、栄養補助剤によって影響を受け、向上する。栄養補助剤は塩、ミネラル、ビタミン、微量栄養素、薬剤、および他の飼料添加物または原料を含むことができる。かかる添加物の例は、タンパク質食品;穀物;食品、飼料、もしくは穀物の加工副製品、油脂もしくは油の加工副製品、酸化マグネシウム、駆虫剤、殺虫剤、幼虫駆除剤、昆虫成長調整物質、精油、合成飼料原料、アミノ酸および栄養補助食品などである。飼料の栄養補助剤のいくつかは、対象となる動物にとって口当たりのいいものではなく、その栄養補助剤が直接提供された場合、または他の飼料要素によって十分に覆われていない場合には、動物はその栄養補助剤の摂取を避けるであろう。これらの栄養補助剤および特定の他の飼料原料によって、望ましい量を摂取させながらも、経済的に無駄を生じたり、動物にとって有害となりうる過度な摂取を回避することが重要である。重要な飼料原料の摂取を制御するために、個別の給餌、および機械的に計量された給餌が使用される一方で、上記は飼料計量システムに労働力または設備投資、あるいは他のコストを要する。動物にそれぞれの飼料摂取量を決めさせることが好ましいが、その本能に委ねてしまうと、動物は重要な飼料原料を過度に摂取するか、必要量よりも少ない量を摂取してしまう可能性がある。さらに、飼料の栄養補助剤の摂取は、栄養補助剤ブロックを共有する動物の間で大きく異なることがあり、結果として、すべての動物が同じ恩恵を被ることにならない。本発明の飼料ブロックは、極めて口当たりの良い形体で、飼料原料の摂取を制御するための方法を提供する。
【0024】
本発明の摂取調整ブロックの特徴は、硬化した低水分ブロック材料の摂取調整特性を利用して、飼料ブロック内に摂取量制御母材を形成することであり、飼料ブロックは摂取量制御母材の周辺に配置された制御飼料材料の摂取制御をもたらす。摂取量制御母材は制御飼料材料でできたブロック内に位置し、結果として、制御ポケットが、摂取量制御母材内に形成されるか、および/または、母材と、摂取量制御母材および制御飼料の両方を保持する容器との間に形成される。当該ブロックの対象となる動物は、低水分摂取量制御母材で形成された、少なくとも一定の干渉部分(interfering portion)を最初に摂取および除去しないと、制御ポケット内の制御飼料材料を容易に摂取することはできない。よって、低水分摂取量制御母材を緩やかな速度で除去することは、制御飼料材料の摂取率を制御するのに役立つ。
【0025】
一方で、低水分ブロック材料は極めて口当たりが良い。よって、低水分ブロック材料はそこへのアクセスおよび咀嚼を干渉することにより摂取速度を遅くするが、低水分ブロックを舐めて摂取するように動物を引き付け、不可避的に、低水分摂取量制御母材に隣接するとともにその内部に存在する制御飼料材料の摂取へと引き付ける役割も有する。より多くの飼料原料の摂取が望ましい未成熟な動物などの給餌の場においては、干渉効果を低下するように、口当たりの良い低水分ブロックおよび誘引物質をより柔らかく(例えば、脱水程度を下げる)してもよい。制御飼料材料の塊と一体化された低水分ブロック母材を使用すると、結果的に、摂取する動物に対してあたかも計量されて給餌されたかのように、制御飼料材料を制御摂取したこととなる。動物が低水分ブロック材料よりも口当たりの良くない材料の摂取に引き付けられることもあるかもしれないが、同時に、口当たりの良い低水分ブロック材料と、隣接する、通常はより口当たりの悪い制御飼料の両方の限られた量のみを摂取することが可能である。動物が低水分材料よりも制御飼料材料の方がおいしいと気づいた場合、それでもなお、一般に舐めることによって摂取されなければならないその低水分材料は、それら両方の摂取を制限する役割を果たすであろう。
【0026】
20%−45%よりさらに多くの、飼料の栄養補助剤の一般的な形体である乾燥物質を低水分ブロックに混合することが困難であるため、均質な低水分ブロックには製造に関する制限がある。しかし、制御飼料材料の塊と一体化された、低水分ブロック材料の分離された摂取量制御母材により、ブロック内の制御飼料材料の総割合(重量比)を、ブロック総重量の20%−45%よりもはるかに高くすることが可能である。従って、摂取母材(intake matrix)内の低水分ブロック材料は、低水分ブロック材料と他の飼料原料との均質混合物において可能であるよりも、または、ミネラル補助剤の複数の包装物がシェル体に置かれているBentonの米国特許第5,622,739号によるブロックにおいて可能であるよりも、大きな制御飼料材料の質量に対する制御を提供する。上記は、これらの原料を完全に不断状態で給餌する代わりに、より低コストの、より容易に入手可能な飼料原料(例えば蒸留乾燥穀物(distiller dried grain)などのエタノール副製品)の飼料ブロックでの使用を可能にする。
【0027】
様々な栄養に関する目標および経済的な目標に取り組んでいる様々な飼料ブロックは、制御飼料材料または摂取量制御母材である飼料ブロックの一部分、これら2つの構成要素における原料、および制御飼料材料に対する摂取量制御母材の構成を変更することにより調製可能である。
【0028】
図1Aおよび1Bに見られるように、底部11、シリンダ状側壁13を有し、および無蓋の容器12内の摂取調整ブロック10のある実施形態で、摂取量制御母材20は、中央ハブ40(central hub、中央中心)から延在する複数の腕部30、32、34、36、38を伴う摂取調整ブロック10の中心で、低水分ブロック材料の成形された塊の形体をしている。具体的には、
図1Aおよび1Bは、中央ハブ40から突出する5つの腕部を備えた、概ね星形(面取りされた部分を有し得る)または外輪形状の摂取量制御母材20を示している。制御飼料50は母材20を包囲し、摂取量制御母材20と容器12によって規定される制御ポケット51、52、54、56、58に配置される。動物が、低水分ブロック材料の方が口当たりが良いことに気づくと、舐めてその口当たりの良さを追い求める際に、低水分ブロック材料に隣接する制御飼料も必ず摂取するであろう。動物が、制御飼料の方がより口当たりが良いことに気づくと、舐めるかまたは咀嚼してその口当たりの良さを追い求める際に、アクセス可能な制御飼料材料の摂取後のある時点で、当該材料のさらなる摂取を干渉する低水分ブロック材料に出合うであろう。動物は、当該動物が食べた制御飼料に隣接する低水分ブロック材料を摂取することに、必ず注意を向けるであろう。形成された摂取制御ポケットは、隣接する摂取制御ポケットの制御飼料材料50を摂取するために、低水分ブロック材料母材20の一部を舐めることによって動物に摂取させることにより、制御飼料材料の摂取を調整する。
【0029】
摂取量制御母材20は様々な原料および硬度品質を有してもよく、様々な形体を取ってもよく、それらはすべて制御飼料を収容する制御ポケットを提供する。例えば、動物の顎および/または口のサイズおよび形状、および/または舌のサイズおよび食性(つまり、種、品種、および成長と発達の生理的段階に基づく因子)といった、動物の摂食パラメータ、または制御飼料の塊の完全性に基づき、これらの様々な形体のサイズおよび形状が選択されてもよい。制御飼料および低水分ブロック材料の相対的摂取の望ましい割合に基づいてもよい。つまり、それぞれの形体が、特定の給餌と管理の利用、または特定の動物により適していてもよい。例えば、摂取を制限する代わりに、未成熟な動物に対する直接的な栄養摂取を目的とした飼料ブロックに関して、摂取量制御母材をより柔らかいブロック材料で形成し、その口当たりの良さが摂取を促進し、一方でその相対的な柔らかさがより緩やかな摂取制限を提供する。制御ポケットのサイズ、および、制御飼料材料に対する、摂取量制御母材によって占められる飼料ブロックの総容積のパーセンテージが変化してもよい。例えば、摂取量制御母材は飼料ブロックの総容積または総重量の7.5%から50%、15%から50%、7.5%から40%、または20%から40%を占めることができ、あるいは、基本的には飼料ブロックの総容量または総重量のいかなる割合を占めてもよい。これは以下に記述される方法によって摂取量制御母材を形成する性能と整合する。ある実施形態では、容器内の制御飼料材料は、低水分ブロック材料に対して、1:1よりも大きい重量比を示し、例えば、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1または1.5:1である。ある実施形態では、容器内の制御飼料材料は、低水分ブロック材料に対して、1:1よりも大きい重量比を示し、例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1または8:1、もしくは1:1から8:1までの範囲のいずれかである。摂取量制御母材の形状は、より複雑に形成されている場合(例えば、より小さな制御ポケットを多数含む場合)、比較的少ない摂取量制御母材の材料で制御飼料材料の制御を可能にする。
【0030】
図2A−
図2Eに見られるように、摂取量制御母材は様々な形状を有することが可能である。
図2Aは、
図1Aの、中央ハブ40から突出する5つの腕部を有する、星型または外輪形状の摂取量制御母材の変形版である摂取量制御母材220を含む飼料ブロック210の平面図を図示している。具体的には、
図2Aは、制御飼料材料250に埋め込まれた、中央ハブ240から突出する4つの腕部230、232、234、236を含む、概ね外輪形状の摂取量制御母材220を示している。
図2Aの飼料ブロック210は容器212に保持されている。制御飼料はハブ240を包囲し、摂取量制御母材220と容器212によって規定される制御ポケット250、252、254、256(ここでは概ね四分円形である)に配置されている。
【0031】
図2Bは、制御飼料材料250に埋め込まれた、中央ハブ240から突出する6つの腕部231、233、235、237、239、241を含む、別の概ね星形または外輪形状の摂取量制御母材220の平面図を示している。
図2Bの飼料ブロック210は容器212に保持されている。制御飼料はハブ240を包囲し、摂取量制御母材220と容器212によって規定される制御ポケット251、253、255、257、259および261に配置されている。
【0032】
図2Cは、制御飼料材料280に埋め込まれた、中央ハブ270から突出する8つの腕部271−278を含む、概ね井桁印形状の摂取量制御母材220の平面図を示している。
図2Cの飼料ブロック210は容器212に保持されている。制御飼料280はハブ270を包囲し、摂取量制御母材の腕部と容器212によって規定される制御ポケットに配置されている。
【0033】
図2A−2Cのそれぞれにおいて、ハブおよび関連する腕部の寸法は、制御ポケットをより大きくするか、または、より小さくするかによって変更されてもよい。上記は、先述のように、動物がその舌または歯の特性によって、および、顎のサイズおよび/または形状に応じた制御ポケットの制御飼料部分の除去の容易さに部分的に基づいて、摂取量制御母材が既定のサイズの動物に課す摂取制御の量を調整するために実施できる。動物の顎のサイズおよび形状に対する制御ポケットのサイズおよび形状により、摂取制御が部分的に調節されてもよい。低水分ブロック材料は、摂取のために舐めることを強制するのに充分に硬化し、制御飼料もまた硬化しうることから、脆い、または容易に崩壊するが、摂取調整が重要である材料が、突然、拡散(dispersion)したとしても、先行技術で提案されている粒状飼料の栄養補助剤の埋め込まれた包装物においては起こりうる、ブロック原料に対する制御の損失は起こらないであろう。
【0034】
図2Dおよび2Eは、
図1Aおよび
図2Cにそれぞれ見られるように、飼料ブロックのハブ240、260のそれぞれが、さらなる制御ポケットを規定するように、概ね中心に開口部242、262のそれぞれを有している。上記は、制御飼料の量の割合を増加し、それでもなお摂取制御を維持する追加的な好機を与える。
図2Fおよび2Gは容器12内のブロック10の実施形態を概略的な平面図で示している。ここでは、摂取量制御母材220aは、制御飼料50によって(それぞれが)包囲された、簡略な形状、つまり、中央に配置された、全般に四角形のブロックの塊、または全般にシリンダ状の塊を有し、上記はいくつかの利用に適している。
【0035】
様々な代替手段を示す図面から、摂取制御効果により、制御母材および制御飼料の各々の材料は、大部分は一緒に摂取されることが見て取れるであろう。よって、上から下に向かって摂取される際、摂取調整ブロックの各水平方向レベルにおいて、摂取量制御母材は、(平面図に見られるように)基本的には同一の断面を提供し、制御飼料表面領域に対して、概ね同一の割合の摂取量制御母材表面を示す。この割合が、新しくまだ摂取されていない摂取調整ブロックの上面から、容器底部付近までの各断面および水平方向レベルで概ね同一であるように維持されている場合、摂取制御量は概ね同一のままである。群れの中の個別の動物たちは異なるタイミングでブロックを摂取しようと試みるであろうことから、上記は重要である。新しい摂取調整ブロックを群れに提供してから、ブロックが容器の底部まで摂取されるまで、摂取量制御母材の利用可能な表面領域、および、制御ポケットの表面領域によって規定される、同一の摂取の機会が継続的に存在する場合、群れの動物たちの間でより均等に摂取が配分されるであろう。しかし、動物は特定の形式のブロック摂取に順応する、または慣れることができることは知られている。この状況において、摂取量制御母材の表面領域が変化し、底部付近で減少またはなくなるとしても、低水分ブロック材料に注意を向け、飼料ブロックを舐める行為を行う動物は、ブロックが存在している限りその行為を継続するかもしれない。従って、摂取量制御母材は、容器底部まで完全に延在する必要はない一方で、継続的な舐める行為により、摂取調整を提供している。
【0036】
摂取調整ブロックの形成。動物給餌の制御摂取に関する本発明の摂取調整された低水分ブロックは、複数の方法で製造されてもよい。使用される方法によって製造が異なってもよい。ある実施形態では、製造者は、成形可能な制御飼料材料の塊を、側壁を有する容器に配置し、制御飼料材料の塊の中に、低水分ブロック材料で充填された複数の制御ポケットを(典型的には容器で)規定する摂取量制御母材を形成し、低水分ブロック材料を硬化させてもよい。
図3は、
図1A−1Bに示される、摂取調整ブロックを製造する1つの方法300の上位のフローチャート(high−level flowchart)である。本発明の基本的なアプローチは、成形混合物内の制御飼料を用いて工程を開始するというものである。制御飼料は、ただ摂取されるだけでなく、重要な原料の量および/または割合により制御された方法で摂取されるミネラル、栄養補助剤または他の原料を含むであろう。制御飼料は、制御飼料用に特別に選択された原料とは別に、他の原料を含んでもよい。他の原料は、穀物、加工穀物、脂肪または他の栄養素であってもよい。制御飼料は、混合可能な形体で調合され、容器に配置され、所望の摂取量制御母材の形をした、少なくとも幾分かの安定的な空間を形成するように形作られる。制御飼料は、圧縮ブロック、化学物質ブロック、または混成ブロックの材料を形成する周知の方法を使用して調合することができる。所望の摂取量制御母材の形をした空間は、最終圧縮ステップの前、またはその最中、または制御飼料が凝固する化学反応の間に形成される。この空間が形状として安定している場合、空間は低水分ブロック材料で充填され、または型として機能し、上記により、摂取量制御母材の制御ポケット内の制御飼料と共に摂取量制御母材を形成するように硬化される。
【0037】
図3を参照すると、方法300はステップ302で開始する。飼料ブロック製造者は、制御飼料材料を選択および調製し、当該制御飼料材料を、例えばその摂取が制御される1または複数の飼料の栄養補助剤などの活性成分の所望の濃度の、成形または形成可能な塊に製造する。成形可能な塊の製造は、上記の圧縮ブロック、化学物質ブロックまたは混成ブロックの形成工程における1つのステップであってもよい。ステップ304で、製造者は成形可能な塊に調製されているが、まだ硬化していない制御飼料材料を容器に配置する。ステップ306で、製造者はまだ硬化していない制御飼料材料の成形可能な塊内に、摂取量制御母材の材料を受けるための空間を形成する。空間は、所望の摂取量制御母材の形状である。上記は、塊の一定部分を押しのける、または変形させて所望の空間形状を作る型を、制御飼料材料の成形可能な塊に圧力をかけることによって行われてもよい。圧縮ブロックの工程において、空間の形成は圧縮の一部であってもよい。化学物質ブロックの工程において、空間の形成は、化学的硬化が制御飼料材料を、所望の空間形状を維持するのに充分に硬化させるまで、その状態でとどまる必要があってもよい。いずれの場合にも、空間形成のステップまたは作業は、あらゆる型もしくは型用工具、すなわち使用されるあらゆる成形型の除去を可能にし、その結果、成形型の除去後に空間が形成され、好適には、硬化のために空間に配置された流動性の(liquid、液体の)低水分ブロック材料を受けるのに十分な強度で形状を維持する無蓋空間が形成される。ある実施形態では、空間は大部分が包囲されていてもよく、包囲された空間を充填するために、低水分材料を導入するアクセスポイントを備えていてもよい。別の実施形態では、容器の底面から上方に延在する型枠を含む容器に、制御飼料の塊が配置されてもよい。容器の型枠周囲で凝固した制御飼料の塊の除去および反転は、制御母材として機能するための低水分ブロック材料で容易に充填される空間を飼料ブロックに提供する。
【0038】
ステップ308で、ブロック製造者は摂取量制御母材を形成するために、流動性の低水分ブロック材料を調製および調合する。低水分ブロック材料は、制御飼料材料に含まれる原料と同一または異なる飼料原料を含んでもよい。これは、飼料原料が低水分ブロック材料によってより適切に届けられることを理由としているか、または制御飼料に使用される標準的な混合を増やすためであってもよい。糖蜜または類似の主成分の従来の脱水、および他の原料との混合が使用されてもよい。ステップ310で、ブロック製造者は制御飼料材料に形成された空間に、流動性の低水分ブロック材料を導入し、低水分ブロック材料を制御母材に硬化させる。空間が無蓋である場合、注ぎ入れることで材料が導入されてもよい。この材料の硬化後、摂取調整ブロックが形成され、配置の準備が完了する。
【0039】
図4Aでは容器12が示されており、この中に制御飼料材料による成形可能な塊450が配置されてもよい。所望の空間形状を作成するために塊の特定部分を押しのける型400(この例では、形状は
図1A−1Bですでに示されているもの)が、上方から挿入されてもよく(矢印410および空間412の表面外形を参照のこと)、一方で塊450は形成可能な状態のままである。本方法では、塊が成形可能ではあるが流動性をそれほど有さない場合、摂取調整ブロック容器12の底部にまで届くように摂取量制御母材の空間412を空けることは困難であろうことは理解されるだろう。このケースでは、型400で制御飼料の塊に向かって下方向への大きな力を付加する必要性がある。これにより、型400の挿入は、圧縮ブロックの圧縮ステップの一部となる。さらに、圧縮ブロックの空間412が、圧縮後にその形状を維持する場合、型400は即座に引き抜くことができ、空間が付されたブロックは、制御母材を形成する低水分ブロック材料で充填されるとともに塊450が母材のための型を提供する次の製造ステップへと移動することができる。
【0040】
化学物質ブロックでは、硬化反応によってまだ硬化していない流動性の混合物を用いて、空間を形成するために挿入された型400は、硬化が発生するまで、その位置に維持される必要がある場合がある。これはあまり望ましいことではない。なぜなら、硬化の継続中、工程中の各ブロックがそれぞれに型を必要とするためである。しかし、流体化学物質ブロックは、強度の劣る、および/または型の除去を容易にする型を必要とする場合がある。よって、制御飼料材料は圧縮ブロック材料、混成ブロック材料、または化学物質ブロック材料のいずれかによる材料であってもよく、いずれのケースにおいても、型が制御母材に空間を形成できるように、硬化していない。
【0041】
型または他の形成器具の挿入および除去を可能にするために、当該型または器具は、摂取量制御母材の断面領域が、ブロック容器の底部の上面から底面に向かっていくらか減少するようにテーパ状である必要があってもよく、および/または型が容器底部まで完全に到達する手前で停止する必要があってもよい。(型の挿入および除去を容易にするために、動物用飼料に適した型除去用コーティング(例えば、食用油性スプレー層)が型の外面に使用されてもよい。)テーパの程度は、型が挿入される材料の成形性または形成性によって異なる。摂取される摂取調整ブロックの各水平面において、母材が基本的に同じ摂取量制御母材の断面、および同じ量の摂取制御を提供するように、テーパは最小限に抑えられてもよい。ただし、テーパ状の摂取量制御母材は、その容器底部付近の低水分材料のより小さな断面領域にも関わらず、容器底部においても効果を有する。それは、動物が顎、口および舌を容器の深い部分に置く時に、容器の側部は、制御飼料材料への限られたアクセスにより動物に低水分ブロック材料を舐めて摂取させる母材を使用して、より大きな協調的摂取制御の役割を果たすためである。動物が制御飼料材料に容易にアクセスできるように、幾分かの低水分ブロック材料を除去した後、動物はそれを摂取するであろう。(口当たりの良さはさておき)典型的には舐める必要がある摂取量制御母材の低水分ブロック材料よりも、制御材料の方が、常に、より容易に摂取されるであろう。
【0042】
別の実施形態では、摂取量制御母材を制御飼料と組み合わせる前に、まず摂取量制御母材を形成することにより、摂取調整ブロックを形成することが望ましい場合がある。この方法は、
図4Aを、型400の代わりに、容器12の外で形成された、型と同じ形状の予め形成された塊である摂取量制御母材400とみなすことで理解することができる。母材400が容器12の外での形成工程中に形状の安定性を実現した後、摂取調整ブロックを形成するために、容器12内に配置される。2つのアプローチが可能である。母材400が十分な硬度および完全性を有する場合、予め容器内に置かれた流動性の制御飼料450の塊に対して押し込まれることが可能である。次いで、摂取量制御母材が挿入される間、またはそのすぐ後に、制御飼料は母材400の制御ポケットに移動し、ポケットを充填する。または、容器12の外で製造された摂取量制御母材400は、空の容器400内に配置、支持されてもよい。容器12は、母材の周辺に形成可能または流動性のある制御飼料材料を配置する、注入または押し出し工程で充填される。十分な強度の母材は、食用ボール紙または同様の材料でできた(典型的には仮の)型を、低水分のブロック材料で充填することにより製造される。低水分ブロック材料が硬化した後、摂取量制御母材は容器内に配置されてもよい(仮の型が食用ではない場合、通常は型を除去した後)。摂取量制御母材が容器内に配置されるとともに、制御飼料が摂取量制御母材の周囲(内外)に注ぎこまれる形で調合されたと仮定すると、制御飼料材料は母材内に、およびその周囲に配置される。化学物質ブロック工程で製造された制御飼料を使用して、制御飼料材料を流動体として注ぎ入れ、事前に製造されて容器内に配置された摂取量制御母材の制御ポケットで固め、および硬化させることができる。飼料の注ぎ入れが極めて容易でない場合、圧縮形成工程で製造された制御飼料を使用して、事前に製造された母材の制御ポケットに多かれ少なかれ直接的に飼料を配置し、充填すべきポケットに圧縮を加え、制御飼料を強固にする必要がある場合がある。
【0043】
図4Bには別の実施例が示されており、摂取調整ブロックが、低水分ブロック材料および制御飼料の共押出(co−extrusion)などにより、同時に、またはほぼ同時に、低水分ブロック材料と制御飼料の両方を配置することによって形成されてもよい。
図4Bに概略的に見られるように、押出ヘッド420は容器12内に形成される摂取量制御母材の所望の断面を有する中央経路422を有する(432の幻視線で示されている)。矢印424で示されているように、低水分ブロック材料が中央経路422を通って流れる。押出ヘッド420は中央経路422を包囲する外側経路426を有する。矢印428で示されているように、制御飼料は外側経路426を通って流れる。容器12に適合するとともに、低水分ブロック材料が中央経路422を通って流れ、および、制御飼料が外側経路426を通って流れる際に上昇される、挿入(矢印411を参照)に適したサイズの押出ヘッドを使用して、摂取調整ブロック両方の部分が同時に形成されてもよい。本方法により、容器12に配置された制御飼料(436の材料を参照)は、低水分ブロック材料が硬化するまで、流動体の低水分ブロック材料を基本的にその所望の摂取量制御母材形状に維持するのに十分な完全性を有していなければならない。ある実施形態では、低水分ブロック材料が、制御飼料の配置よりもほんの少し遅れて配置され、そうすることで充填されるべき形状の一部が低水分ブロック材料の配置よりも先に形成されるように、共押出が制御される。
【0044】
摂取調整ブロックを形成する他の方法が可能であり、低水分ブロック材料の摂取量制御母材が形成され、全般にその形状を保ち、および、最終製品において、母材の制御ポケットが制御飼料によって充填されている限りにおいて、本発明は明確に記述されている内容に限定されることはない。
【0045】
摂取調整ブロックの使用。使用時、摂取調整低水分ブロックが1または複数の動物と共に配置されてもよい。この動物に対して、1または複数の特定の制御飼料、例えばミネラル、微量栄養素、または他の飼料の栄養補助剤を与えることが望ましい。摂取調整ブロックを不断給餌すると、動物は制御飼料材料または低水分ブロック材料のいずれか1つまたは両方に引き付けられ、それを摂取するであろう。動物が低水分ブロック材料を摂取するように引き付けられた場合、低水分ブロック材料に隣接する、通常、口当たりが良くない制御飼料も摂取することなく、限られた量の口当たりの良い低水分ブロック材料のみを摂取することができる。動物が低水分材料よりも、制御飼料材料の方がより口当たりが良いと気づいた場合、通常、舐めて摂取されなければならないその低水分材料は、両方のブロックの化学成分の限られた摂取を支援するであろう。結果として、両方の摂取率を制御している低水分ブロック材料により、それら両方がほぼ同時に摂取されなければならない。
【0046】
従って、摂取調整ブロックは、口当たりは悪いが重要な飼料を誘導する役割を果たすことができる。摂取調整ブロックは、口当たりの良い摂取量制御母材の低水分ブロック材料を有していないブロックに関して、かかる口当たりの悪い原料の摂取を促進させる役割を果たすことができる。同時に、摂取量制御母材および容器によってもたらされる制御ポケット内の制御飼料へのアクセスの干渉を理由として、摂取量制御母材の低水分ブロック材料の特性が、当該材料および制御飼料の両方の摂取を制御する。低水分ブロックの研究から、舐めることによるその摂取率は比較的良く知られている。適切に調製および設計された摂取調整ブロックは、周知の割合で、1または複数の所望の飼料原料の摂取を促進することができ、同時に、これらの原料の過剰摂取を防ぐ手助けとなる。次いで、当該原料が制御せずに利用可能な場合に、1または複数の重要原料の摂取は、純粋な原料の不断摂取と比較して、より経済的に最適となるように制御することが可能である。ブロックの制御摂取によって、動物の生産性を増加するのに望ましい制御飼料の量が提供されるが、有害または経済的に非効率的である制御飼料の量の摂取は回避される。
【0047】
上記の発明に従って製造および使用される摂取調整ブロックは、様々な幅広い栄養目的に対処しうる。従って、先行技術で知られている低水分ブロック材料のほぼすべての栄養配合が、ブロックの摂取制御部分に使用されてもよい。例えば、参照によりここに含まれる、「Low Moisture Feed Block with Cold Flow Resistance」と題された米国特許出願第13/838,089に記述されている栄養配合(nutritional formulation)が使用されてもよい。同様に、先行技術で知られている圧縮ブロック、化学物質ブロックまたは混成ブロックのほぼすべての栄養配合がブロックの制御飼料部分で使用されてもよい。
【0048】
上記の発明に従った摂取調整ブロックは、1または複数の栄養目的を以て、および、ブロック内に存在する原料の摂取に関する制御を伴って、設計されてもよい。従って、圧縮ブロック、化学物質ブロック、混成ブロックまたは純粋な低水分ブロックの望ましい摂取率が栄養に関する目的を実現するには低すぎる、または経済的目的を実現するには高すぎることを実験が示した場合、上記のブロックの設計者は、低水分ブロック材料の周知の摂取率から検討することができ、その摂取率を対象となる動物に適した摂取量制御母材に使用することで、摂取量制御母材が組み合わされる制御飼料の摂取率を制御できる。制御摂取率は周知されているため(すなわち、給餌計画に関して十分な程度に周知されており、動物の種類、他の飼料源、天候および他の周知の要因が摂取を変化させる)、および、摂取量制御母材および制御飼料成分の両方が、所望の飼料原料を提供するのに利用可能であるため、飼料調製者は、各成分の範囲内で、具体的なパーセント量を選択する大幅な自由を有する。各原料の栄養に関する影響は、摂取される飼料ブロック容積中の2つの成分の容積パーセントに準じた添加であろう。ブロックは、ビート糖蜜およびトウモロコシ蒸留副製品のような高容積の原料、ならびに、低容積だが重要な、ビタミンA、DおよびE、セレン、および酸化マグネシウムなどの原料によって形成されよう。
【0049】
上記発明に従った摂取調整ブロックの効果が、畜牛での試験で観察された。3つの群れによる試験で、動物には低水分飼料の栄養補助剤ブロック、圧縮飼料の栄養補助剤ブロック、または上記発明に従った摂取調整ブロックが供給された。各ブロックには20%のタンパク質が含まれる。
図6A−6Cに示されているように、3つの試験のそれぞれにおいて、摂取調整ブロックの目的は、摂取を制御するという点で実現された。1日毎、1つの群れ毎の飼料量(ポンド/群れ/日、(1ポンド=約0.45Kg))により、圧縮飼料の栄養補助剤ブロックの摂取と同等のレベルよりも顕著に少なく、一方で低水分飼料の栄養補助剤ブロックの摂取と同等のレベルを超過することが計測された。これは、従来、圧縮ブロックの形体で提供されていた、既定の飼料の栄養補助剤原料の摂取量ひいては摂取のコストを低減することが望ましい状況において、摂取調整ブロックを利用可能であることを実証している。この摂取制御は達成可能である。一方で、摂取調整ブロックは、ターゲット原料の摂取量を含む飼料の栄養補助剤の総摂取量を、低水分飼料の栄養補助剤ブロックの摂取量を上回るレベルに増加する場合にも使用できる。
【0050】
このタイプの制御は、1または複数の特定の原料に関する飼料の栄養補助剤の目的を達成させる。圧縮飼料の栄養補助剤ブロックの1または複数の原料の、栄養的に不要な過剰摂取が存在する場合、過剰摂取を減少するように制御される。または、低水分飼料の栄養補助剤ブロックに調製された時に、いずれかの原料が十分に摂取されていない場合、摂取調整ブロックは当該原料の摂取を増加させる。制御可能かつ周知の摂取率により、摂取調整ブロックの組成物は、栄養的観点から重要な、十分な量の原料を供給するように、および、過剰摂取されると飼料コスト(または栄養分)に悪影響を及ぼす量を超えない量の原料を供給するように調製されることができる。上記は、動物の群れの管理者が、栄養および飼料コストの両方の目標をより正確に達成できるようにするとともに、場合によっては、周知の摂取率に基づいた、栄養的目的に関して充足するであろうという知識により、より安価な原料を使用することも可能にする。
【0051】
先述の例のブロック材料および他の配合(formulation)は、生分解可能な容器に配置されてもよい。例えば、生分解可能な容器は、結合のために大豆粉溶液でコーティングされ、圧縮および成形された、稲わらおよび木材繊維で形成された容器か、または米国特許第6,337,097号または第6,561,787号に開示された容器である。
【0052】
先述の例のブロック材料および他の配合は、ブロック材料が後にそこから除去される容器に形成されてもよく、容器を用いることなく配置することができる。または、例えば「Biodegradable, edible, weather resistant container for livestock feed supplement block」と題された米国特許出願第2012/0315362に開示されているような、除去された後、浸漬工程によって加えられた生分解可能な対候性ワックスベースの容器が供給される生産用容器で、ブロック材料が製造されてもよい。上記は、容器の廃棄が課題となっている給餌状況において望ましい。制御飼料の塊が摂取量制御母材を適切に包囲するとともに、(圧縮および/または化学作用により)適切に硬化しているブロックについて、ブロックの完全性のための容器は不要である。動物がブロックの側部にアクセスできるようになり、ブロックの上面と同じ摂取制御を飼料ブロックの側面にも持たせるために摂取量制御母材がこれらの側面には延在しなくてもよいものの、多くの給餌状況において、動物は側面での摂取に固執しないため、側面での追加的な給餌アクセスは、顕著な違いをもたらさない。あるいは、容器を不要とするブロックは容器入りブロックと比較して、より少ない摂取調整で済む。しかし、より少ない制御は、容器によってもたらされる便益、または容器の廃棄が不要であることと比べると、取るに足らない。
【0053】
代替方法。いくつかの別の形体の摂取調整ブロック、および、その形成方法が可能である。
図5Aに見られるように、容器512内の摂取量制御母材510は、分離された区分で形成されている。例えば、摂取量制御母材510は
図2Bの摂取量制御母材に類似しているが、6つの腕部511のみで構成され、それらを結合するハブは存在せず、複数の制御ポケット550a−550fを規定している。その代りに、ハブであろう領域がもう1つの制御ポケット550gとなり、制御飼料で充填されている。容器512内の成形可能な制御飼料に挿入される空間形成用型は、制御ポケットを形成するために単一の(一体的な)容積を有さない。代わりに、当該型は6つの成形容積区分から成り、そのうちの1つは6つの腕部511のそれぞれと一致する。6つの分離した空間が作られ、その後で、各々は母材を形成するために、低水分ブロック材料によって充填される。
【0054】
図5Bに見られるように、摂取量制御母材は容器512の側壁から外側方向に延在する、分離した区分520によって形成される。ここでは、容器512の外周に沿って均等に空間が空けられた概して一切れのパイ形状の4つの区分520が、制御飼料のための制御ポケット552a−552dを規定する。当該区分の面取りされた頂部により、制御ポケット544が中央に配置される。
【0055】
図5Cは、
図5Bの摂取調整ブロックの変形版である。ここでは、摂取量制御母材の分離した区分530a−530dは、容器512の側壁から内側方向に延在した半楕円形である。これらが制御飼料のための制御ポケット554a−554eを形成している。低水分ブロック材料530a−530dのかかる4つの区分が摂取量制御母材を形成しているように示されているが、形成されている制御ポケット554a−554eが、母材区分、および、動物が基本的に低水分ブロック材料と同時かつ同じ割合でポケット554a−554eの制御飼料を強制的に摂取させられる容器によって十分に結合されていれば、4よりも多いまたは少ない数の区分が使用されてもよい。
【0056】
さらに別の変形版として、
図5Dに概略的に示されているように、摂取量制御母材は、比較的流動性の、形成可能な制御飼料の塊に、事前に形成および硬化された低水分ブロック材料の個別の区分のセットを挿入することにより形成されてもよい。挿入する場所は挿入および保持用器具560によって決定される。その際、区分560a−560eが挿入された後、それらの区分は、制御飼料の摂取に所望の干渉を提供するか、または、高度に口当たりの良い所望の箇所を提供するかのいずれかである摂取量制御母材を共に形成し、上記は摂取量制御母材および制御飼料の組合せである摂取調整飼料ブロックをもたらす。形成可能な制御飼料の塊に、事前に形成および硬化された低水分ブロック材料の個別の区分のセットを挿入する代わりに、
図5Eに概略的に示されているように、個別の区分570a−570eは各々が、空の容器内の所望の位置で、支持および保持用器具570によって支持されてもよく、一方で、制御飼料574の形成可能な(好適には注ぎ入れ可能な)塊が個別の区分周囲に配置される(矢印576を参照のこと)。制御飼料574の形成可能な塊が硬化すると、個別の区分は支持される必要がなくなる。むしろ、硬化した塊は、個別の区分が摂取量制御母材としての役割を果たすのに望ましい位置に、個別の区分を保持するであろう。ここでは、別の実施形態として、制御飼料の形成可能な塊が、圧縮ブロック、化学物質ブロック、または混成ブロックから形成される。
【0057】
製造装置。図7A−7Bは製造装置700の1つの実施形態の透視図であり、製造装置700は、先述のように低水分ブロック材料のための空間を形成するための形成可能な制御飼料材料を保持する容器に押し込まれる成形ユニット720を使用する。
図7Aでは、装置が絵を用いて全体的に描かれている。上端の横棒703によって上端部で結合された、垂直および平行な装置側方レール704a、704bのペアにより形成された装置フレーム702が存在する。支持バー706が、上端の横棒703の下部にあり、側方レール704a、704bの上およびその間を移動するように取り付けられている。伸長性で格納可能なラム705が支持バー706を昇降させ、従って成形ユニット720を下方に押し下げる力を付加する。
【0058】
図7Bを参照すると、より近接した図面で成形ユニット720を支持および移動するための機構を示している。取付け板710が支持バー706下部で連結アセンブリ708上に取り付けられており、容器内の制御飼料材料の塊に挿入するために、取付け板710に対して成形ユニット720が取り付けられている。飼料ブロック容器は、ラム748a、748bによって作動される把持機構746に固定された容器保持器740に保持されてもよい。容器保持器740に向かって、および容器保持器740から容器を移動するためのコンベア730は、装置側方レール704a、704b、および、容器保持器740を支持するプラットフォームを支持する役割を果たす基部712上で支持される。
【0059】
図7Cは装置700で使用されている成形ユニット720の図面である。成形ユニット720は上面板722を有し、そこから底部に向かってテーパ状の、概ね五画星形の形状の型を形成する複数のテーパ状側面728が降下している。円形の底部台724が底部の中心に存在する。ピン723が上面板722から、かつ、上面板722の星形の各点の端部付近から上方に延在している。各ピン723は、各ピン723の鍵スロット727を通る、同様の鍵を有する。
図7Bで最もわかりやすく示されているように、ピン723は成形ユニット720を、支持バー706から吊り下げられている連結アセンブリ708に取り付けるために使用される。ピン723は連結アセンブリ708の一部である取付け板710を通過して伸びる。次いで、ピン鍵725は、容器保持器722上部の取付け位置に、成形ユニット720を固定することができる。その静止および待機位置において、成形ユニット720は、容器が容器保持器740に配置できるほどに、容器保持器722よりも十分高い位置に上昇される。
【0060】
作動時、制御飼料材料で部分的に充填された容器が成形ユニット720下の容器保持器740に配置されると、成形ユニットはラム705によって誘導および前進され、容器内の制御飼料材料に接触および進入する。制御飼料材料は、流動性および/または可鍛性において変化しうる。しかし、ラム705は、必要に応じて、制御飼料材料を押しのけて低水分ブロック材料を充填するための空間を形成するのに十分な力を備えている。成形ユニットの頂部およびその付近に配置された取付け板710または蓋板(図示されず)は、押しのけられた制御飼料材料が容器の外へと押し出されるのを防ぐのに役立つ。空間を形成するために、成形ユニット720が制御飼料材料の中に侵入し、当該材料を押しのける際、容器は、成形ユニット720が、容器から制御飼料材料が全く(または過度に)漏れることなく制御飼料を押しのけることが可能な、計算された容積の制御飼料で充填される。
【0061】
制御飼料材料に空間が形成され、十分に形状が安定すると、成形ユニット720はラム705によって上昇され、制御飼料材料から除去される。(容器保持器740は容器が成形ユニットと共に上昇される傾向に抵抗する。)上記は、空間を低水分ブロック材料で充填し、硬化した後に摂取量制御母材を形成するために、当該空間が開放された状態で放置する。従って、空間が形成され、十分に形状が安定し、成形ユニット720が引き抜かれると、容器は容器保持器740から除去され、空間を充填して制御母材を形成するために、低水分ブロック材料の充填装置(図示されず)へと搬送されるであろう。
【0062】
図7Cに示されている成形ユニット720は例示を目的としているに過ぎず、ここに開示される他の形状も使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0063】
ここに記述される情報および例は例示を目的としており、本発明の概念内容の範囲内の派生物または代替的方法を除外することを意味してない。本発明の特許請求の範囲を逸脱することなく、本実施形態に対して様々な変更がなされてもよいと考えられる。