(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6817231
(24)【登録日】2020年12月28日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】加圧容器用の圧縮可能バルブ及びアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
B65D 83/42 20060101AFI20210107BHJP
B65D 83/62 20060101ALI20210107BHJP
B05B 9/04 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
B65D83/42 100
B65D83/62
B05B9/04
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-566378(P2017-566378)
(86)(22)【出願日】2016年6月24日
(65)【公表番号】特表2018-520066(P2018-520066A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】US2016039158
(87)【国際公開番号】WO2016210217
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2017年12月21日
(31)【優先権主張番号】14/750,294
(32)【優先日】2015年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコット エドワード スミス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ウィリアム フランクハウザー
【審査官】
吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第03292827(US,A)
【文献】
米国特許第03195569(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0124217(US,A1)
【文献】
特開2012−136265(JP,A)
【文献】
特表2014−513655(JP,A)
【文献】
実開昭61−090770(JP,U)
【文献】
特開平11−319650(JP,A)
【文献】
特開昭51−115310(JP,A)
【文献】
特開2003−154305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/42
B05B 9/04
B65D 83/62
B65D 83/44
B65D 83/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧容器用のバルブアセンブリであって、前記加圧容器は内側に前記バルブアセンブリが配置された開放端部を有し、前記バルブアセンブリは、
a.その間に開口部と長手方向の通路を有するメカニカルシールであって、前記メカニカルシールの長手方向の通路は、内径を有し、前記加圧容器の前記開放端部と同軸であるメカニカルシールと、
b.前記メカニカルシールの長手方向通路に配置されたバルブステムであって、前記バルブステムは、
i.開放上部、
ii.閉鎖底部、
iii.少なくとも1つの第1半径方向開口部及び少なくとも1つの第2半径方向開口部であって、前記少なくとも1つの第2半径方向開口部は、前記閉鎖底部に近接して配置され、前記少なくとも1つの第1半径方向開口部は、前記少なくとも1つの第2半径方向開口部と前記閉鎖底部の間に配置され、前記バルブステムの前記閉鎖底部は、前記バルブステムが閉鎖位置にあるとき、前記メカニカルシールが前記少なくとも1つの第1半径方向開口部及び前記少なくとも1つの第2半径方向開口部を、それぞれ、封止するように、前記メカニカルシールの近傍で前記メカニカルシールの長手方向通路に接触している、少なくとも1つの第1半径方向開口部及び少なくとも1つの第2半径方向開口部、及び
iv.前記開放上部と前記少なくとも1つの第1半径方向開口部及び前記少なくとも1つの第2半径方向開口部の両方の間のバルブステム通路であって、前記バルブステムの長手方向の並進は、分配中に前記バルブステムが開放位置にあるとき、前記少なくとも1つの第1半径方向開口部を加圧容器に露出させ、充填時に前記少なくとも1つの第1半径方向開口部及び前記少なくとも1つの第2半径方向開口部の両方を加圧容器に露出させるバルブステム通路、を備えるバルブステムと、
c.前記バルブステムの前記上部に組み立てられたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記バルブステムの垂直方向の移動を制限して分配中に前記第2半径方向開口部が加圧容器に露出するのを防止する前記加圧容器の前記開放端部と連動する止め具を備えるアクチュエータと、を備え、
前記メカニカルシールは、その間に封止部開口部及びグロメット長手方向通路を有する封止部を備えるグロメットを備え、前記グロメットの長手方向通路は、内径を有し、前記加圧容器の前記開放端部と同軸であり、前記グロメット封止部は、前記バルブステムが閉鎖位置にあるとき、少なくとも1つの第1半径方向開口部及び少なくとも1つの第2半径方向開口部を、それぞれ封止する第1封止部及び第2封止部を備え、
前記グロメットは、前記封止部と一体のバネ部を備え、前記封止部開口部に長手方向に対向するバネ部開口部を備えるバルブアセンブリ。
【請求項2】
前記バルブステムは、前記バルブステムの前記開放上部と前記閉鎖底部の間に配置された上側面及び底側面を有する第1フランジを更に備え、前記第1フランジの前記底側面は前記グロメットバネ部と圧縮可能な接触関係にあり、前記バルブステムが開放位置にあるとき、前記バルブステムの第1フランジの長手方向の並進は、前記バネ部の等価な長手方向のたわみをもたらし、前記少なくとも1つの第1半径方向開口部又は前記少なくとも1つの第1半径方向開口部及び前記少なくとも1つの第2半径方向開口部の両方を、前記加圧容器に露出させる、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項3】
前記加圧容器の前記開放端部の内側に配置されたバルブカップを更に備え、前記バルブカップは、開放上部、その中に開口部を有する底部及び前記開放上部と前記底部開口部の間の長手方向通路を有し、前記グロメットは前記バルブカップ内に配置され、前記グロメット内径は前記バルブカップの長手方向通路と同軸である、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項4】
前記グロメット封止部は、前記バルブカップ底部に接合されている、請求項3に記載のバルブアセンブリ。
【請求項5】
前記アクチュエータ止め具は、前記バルブカップの前記開放上端部と連動する、請求項3に記載のバルブアセンブリ。
【請求項6】
前記加圧容器は分配構造を備え、前記グロメット封止部は、前記分配構造と前記バルブカップの間に封止を提供する第3封止部を備える、請求項5に記載のバルブアセンブリ。
【請求項7】
前記分配構造は、前記加圧容器の前記開放上端部の内側に配置された折り畳み可能なバッグを備え、前記折り畳み可能なバッグは、前記加圧容器の開放端部と同軸の開口ネック端部を有するネックを有する、請求項6に記載のバルブアセンブリ。
【請求項8】
前記グロメットの前記第3封止部は、前記バッグの前記ネックと前記バルブカップの間に封止を提供する、請求項7に記載のバルブアセンブリ。
【請求項9】
前記分配構造は、前記加圧容器の前記開放上端部の内側に配置されたディップチューブバルブを備え、前記ディップチューブバルブは、前記グロメットの前記底部の前記開口部と同軸の開放上端部を有するディップチューブバルブハウジングを備える、請求項6に記載のバルブアセンブリ。
【請求項10】
前記グロメットの前記封止部は、前記ディップチューブバルブハウジングの前記開放上部と前記バルブカップの間に封止を提供する、請求項9に記載のバルブアセンブリ。
【請求項11】
前記バルブステム第1フランジは、前記グロメットの長手方向通路内に前記バルブステムを保持する前記グロメットの前記バネ部を把持する前記第1フランジの前記底側面に留め金を備える、請求項2に記載のバルブアセンブリ。
【請求項12】
前記グロメットの前記封止部はクレビスを備え、前記クレビスは、前記封止部開口部から半径方向外側に配置されたC字形開口部を有し、前記バルブカップ底部開口部は、前記クレビスの前記C字形開口部に挟まれている、請求項4に記載のバルブアセンブリ。
【請求項13】
前記グロメット封止部開口部は、前記バルブステムが前記開放位置から前記閉鎖位置に並進するときに、前記少なくとも1つの第1半径方向開口部から残留組成物を除去するワイパブレードを備える、請求項1に記載のバルブアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧容器用の圧縮可能バルブに関する。具体的には、本発明は、エアゾール製品を分配するための加圧容器とともに使用するための圧縮可能バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、エアゾール又は他の加圧された製品用のディスペンサに関し、より具体的には、エアゾール又は他の同等に加圧された製品を分配するための耐圧プラスチックボトルに関する。
【0003】
用語「エアゾール」は、本明細書において、圧力下で圧縮、液化又は溶解された気体を収容する任意の非詰め替え容器を意味するものと理解され、唯一の目的は非毒性液体(部門6.1パッキンググループIII材料以外)、ペースト又は粉末を放出することであり、内容物がガスによって放出されることを可能にする自己閉鎖放出装置を備えている。エアゾール製品には、発泡又はゲル製剤、又は非エアゾール流で送達される液体製品が含まれるが、これらに限定されない。
【0004】
エアゾールを分配するための加圧容器は、当技術分野において周知であり、典型的には、エアゾールの固有の内部圧力に耐えるために金属で構成される。しかしながら、プラスチックは金属よりも多くの利点を有するため、エアゾールによって生成された内部圧力に耐えることができるプラスチック容器を提供することが望ましい。これらの利点の中には、製造の容易さと経済性、エンドユーザに対する審美的な魅力、耐錆性、及びリサイクル性が含まれる。
【0005】
そのような加圧容器は、製品をパッケージから分配することを可能にするための分配ノズル又は分配オリフィスを有する。分配ノズル又は分配オリフィスは、パッケージの上部近くに配置され得るが、他の構成及び配置も当技術分野で公知である。分配ノズルは、典型的には、バネ、バルブカップ及びバルブステムなどの信頼性の高い部品を設けるために、金属製のバネ式アクチュエータである。そのようなバルブを含むプラスチック加圧容器は、通常リサイクル不可能である。
【0006】
加圧ディスペンサは、バルブ上バッグ設計、カン上バッグ設計又はピストン設計を含む様々な構成を有することができる。一般に、ディスペンサの容器は、バリア部材によって製品と噴射剤チャンバに分割される。バリア部材は、バルブアセンブリに封止されたバッグ、容器壁に封止されたバッグ、又は容器内に摺動可能に配置されたピストン部材であってもよい。一般に、製品はバルブアセンブリを介して製品チャンバ内に充填され、一方、噴射剤は、バルブアセンブリ又は容器壁に設けられた充填オリフィスを介して噴射剤チャンバに充填される。
【0007】
バルブアセンブリは、加圧されたディスペンサの充填及び分配動作中に流体通路を提供するので、両方の動作の最適効率を提供するように特別に設計されたバルブアセンブリが非常に望ましい。例えば、充填動作中のバルブアセンブリを通る製品流の増加は、加圧ディスペンサの製造プロセスを促進する。しかしながら、増加した製品流は、ディスペンサの噴霧特性に悪影響を与え得る。したがって、製品の充填中に流量を増加させ、製品の分配中に正常な流量を維持するバルブアセンブリが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、製品の充填及び分配中の流量を調節するために、加圧ディスペンサに使用するためのバルブアセンブリが必要とされている。更に、正常な製品分配速度を維持しながら、製品の充填速度を増加させる加圧ディスペンサで使用するためのバルブアセンブリが必要とされている。更に、耐久性があって、堅牢で、製造に対して経済的であり、かつリサイクル可能な流量調整バルブ部材が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一般に、エアゾール製品を分配するための加圧容器とともに使用するための圧縮可能バルブを特徴とする。加圧容器は、長手方向を画定する長手方向軸を有し、閉鎖端部を有するボトル及び閉鎖端部に長手方向に対向するネックを形成する開放端部を備える。分配構造は、ボトルの開放端部の内側に配置される。分配構造は、ボトルの開口端部と同軸の開放端部を有する。分配構造は、標準エアゾールパッケージ内にバルブハウジング及びチューブを備えるディップチューブバルブを備えることができる。あるいは、分配構造は、バルブ上バッグ設計、ボトル内バッグ設計、又はボトル内ピストン設計を含むボトル内に配置されたエアゾールバリアパッケージを備えることができる。
【0010】
圧縮可能バルブは、ボトルの開放上端部の内側に配置され、分配構造と連動する。圧縮可能バルブは、メカニカルシール及びバルブステムを備える。メカニカルシールは、加圧容器の開放端部に配置され、長手方向の通路を含む。バルブステムは、開放上部及び閉鎖底部、少なくとも1つの第1半径方向開口部及び少なくとも1つの第2半径方向開口部を含む。バルブステム通路は、開放上部と少なくとも1つの半径方向開口部と少なくとも1つの第2半径方向開口部を接続する。バルブステムは、メカニカルシールの長手方向通路内に配置され、圧縮可能バルブが閉鎖位置にあるとき、メカニカルシールの長手方向通路は、少なくとも1つの第1方向開口部と少なくとも1つの第2半径方向開口部の両方を封止する。アクチュエータは、バルブステムの開放上部に配置される。アクチュエータは、バルブステムの垂直方向の移動を制限する加圧容器の開放端部と連動する止め具を含む。
【0011】
圧縮可能バルブは、加圧容器の開放端部に配置されたバルブカップを含むことができる。バルブカップは、開放上部、開口部を有する底部及び開放上部と底部開口部の間の長手方向通路を有する。バルブカップの長手方向通路は、ボトルの開放上端部及び分配構造の開放端部と同軸である。前述のアクチュエータ止め具は、バルブカップの開放上部と連動するように構成され得る。
【0012】
メカニカルシールは、バルブカップ内に配置されたグロメットを備えることができる。グロメットは、バネ部及びバネ部が封止部と一体である封止部を有する。グロメットバネ部は、グロメット封止部に対してバルブカップの開放上部に向かって長手方向に対向しており、内径を有するバネ部開口部を含む。バネ部は、第1フランジの底面と連動し、長手方向に変形可能であってバルブステムを付勢する。封止部は、第1封止セクション、第2封止セクション、第3封止セクション及び内径を有する封止部開口部を含む。グロメットシール部は、シール部開口部が底部開口部と同軸になるようにバルブカップ底部開口部に接合される。グロメット長手方向通路は、バネ部開口部と封止部開口部を連結し、バルブカップの長手方向通路と同軸の内径を有する。
【0013】
グロメット封止部は、バルブカップの底部の外面に沿って半径方向に延び、分配構造とバルブカップの間に封止を提供する第3封止セクションを形成する。グロメットの封止部は、2つの垂直方向に対向するディスクからなるクレビスを備えることができ、周方向のC字形開口部を形成する。2つのディスクは、バルブカップの底部を挟んで封止部開口部から外側に半径方向に延び、その間にバルブカップ開口部を形成する。
【0014】
バルブステムは、グロメット通路内に配置される。バルブステムの少なくとも1つの第2半径方向開口部は、閉鎖底部に近接して配置され、少なくとも1つの第1半径方向開口部は、少なくとも1つの第2半径方向開口部と閉鎖底部の間に配置される。バルブステムの閉鎖底部は、グロメット封止部開口部の近くのグロメット長手方向通路の内径と摺動/接触関係にあり、バルブステムが閉鎖位置にあるとき、第1及び第2の封止セクションが、第1及び第2の半径方向開口部をそれぞれ封止する。バルブステムが開放位置にあるとき、バルブステムの長手方向の並進は、少なくとも1つの第1半径方向開口部又は少なくとも1つの第1半径方向開口部及び少なくとも1つの第2半径方向開口部の両方を加圧容器に露出させる。更に、グロメット封止部開口部は、第1及び第2封止セクションの下方の封止部開口部に配置されたワイパブレードを含む。ワイパブレードは、バルブステムが開放位置から閉鎖位置に移動するとき、バルブステム内の第1及び第2半径方向開口部から残留組成物を除去する。
【0015】
バルブステムは、バルブステムの開放上部と閉鎖底部の間に配置された第1フランジを更に備える。第1フランジは、上面及び底面を含む。第1フランジの底面は、バネ部開口部と圧縮可能な接触関係にある。
【0016】
バルブステムは、傾斜バルブ又は垂直/一方向バルブの配向でグロメット内に配置され得る。傾斜配向では、バルブステムの上部が傾斜しており、バルブステムの底部の半径方向開口部を加圧容器内のエアゾール製品に露出させる。垂直配向では、バルブステムは、バルブステムの長手方向の並進が、グロメットバネ部の実質的に等しい長手方向の圧縮をもたらして、第1半径方向開口部、又は第1半径方向開口部及び第2半径方向開口部の両方を押し、半径方向の開口部を加圧容器内のエアゾール製品に露出させる。
【0017】
バルブステム第1フランジは第1フランジ直径を有することができ、バルブカップは、バルブステム第1フランジがバルブカップ内径と摺動接触関係になるように第1フランジ直径と実質的に等しい開放上部近傍の内径を有する円筒部を含むことができる。接触関係は、バルブステムの位置を安定させる。更に、バルブカップは、バルブカップの開放上部の近傍に内縁部を含むこともできる。内縁部は、バルブステムの第1フランジの直径より小さい直径を有し、第1フランジの上面との連動によってバルブカップ開口部におけるバルブステムの垂直方向の移動を制限する。
【0018】
バルブステムは、第1フランジと閉鎖底部の間に第2フランジを含むことができる。第2フランジは、グロメット長手方向通路の内径と実質的に等しい第2フランジ直径を有する。第2フランジは、バルブステムとグロメットの長手方向通路の間に第2封止部を形成する。
【0019】
ディップチューブを備える分配構造は、ボトルの開放上端部の内側に配置され、バルブカップの円筒形底部にネジ込まれるか又は圧入される開放上端部を有するディップチューブハウジングを含む。グロメットの第3封止セクションは、ディップチューブハウジングの開放上部とバルブカップの間に封止を提供する。
【0020】
ボトルの開放上端部の内側に配置された折り畳み可能なバッグを備える分配構造は、バルブ上バッグ設計又はボトル内バッグ設計を含むことができる。バルブ上バッグ設計は、ボトル開口部と同軸の開口部を有する折り畳み可能なバッグ、及びフランジとバルブカップの底部の間に封止を提供するグロメット第3封止セクションを有するバルブカップの円筒形底部に取り付けるフランジを含む。バッグ内ボトル設計は、ボトルの開放上端部に取り付けられかつそれと同軸の開放ネック端部を形成するネックを有する折り畳み可能なバッグを含む。バルブカップは、バッグの開放ネック端部にネジ込み、溶接、接着又は圧入され、グロメット封止部は、バッグのネックとバルブカップの間に封止を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本明細書は、本発明を形成すると見なされる主題を具体的に指摘し明確に主張する特許請求の範囲で結論づけるが、本発明は、添付の図面と併せてなされた以下の説明から、よりよく理解されると考えられる。
【
図1a】本発明の圧縮可能バルブアセンブリを含むボトルの概略図であり、圧縮可能なバルブに組み立てられた折り畳み可能なバッグを備える。
【
図1b】ディップチューブハウジングがバルブに取り付けられた、本発明の圧縮可能バルブアセンブリの概略図である。
【
図2】
図1bに示す圧縮可能バルブアセンブリのバルブカップ及びグロメットの概略図である。
【
図3】
図1bの圧縮可能バルブアセンブリのバルブステムの概略図である。
【
図4】本発明の圧縮可能バルブアセンブリを含むボトル開口部の概略図であり、圧縮可能バルブに組み立てられた折りたたみ可能なバッグを備える。
【
図5】本発明の圧縮可能バルブアセンブリの概略図であり、ボトル開口部内に組み立てられた折り畳み可能なバッグの開口部内に組み立てられている。
【
図6】
図5に示す圧縮可能バルブアセンブリのバルブカップ及びグロメットの概略図である。
【
図7a】
図5に示す圧縮可能バルブアセンブリのバルブステムの概略図である。
【
図7b】
図5に示す圧縮可能バルブアセンブリのバルブステムの概略図である。
【
図8a】閉鎖位置(
図8a)、充填位置(
図8b)、及び分配位置(
図8c)を示す、
図5に示す圧縮可能バルブアセンブリの概略図である。
【
図8b】閉鎖位置(
図8a)、充填位置(
図8b)、及び分配位置(
図8c)を示す、
図5に示す圧縮可能バルブアセンブリの概略図である。
【
図8c】閉鎖位置(
図8a)、充填位置(
図8b)、及び分配位置(
図8c)を示す、
図5に示す圧縮可能バルブアセンブリの概略図である。
【
図9a】閉鎖位置(
図9a)及び開放位置(
図9b)を示す、アクチュエータを含む
図5に示す圧縮可能バルブアセンブリの概略図である。
【
図9b】閉鎖位置(
図9a)及び開放位置(
図9b)を示す、アクチュエータを含む
図5に示す圧縮可能バルブアセンブリの概略図である。
【
図10】本発明の圧縮可能バルブアセンブリの概略図である。
【
図11】本発明の圧縮可能バルブアセンブリの概略図である。
【
図12】本発明の圧縮可能バルブアセンブリの概略図である。
【
図13】本発明の複数の圧縮可能バルブアセンブリを有するエアゾール容器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明による圧縮可能バルブは、特定の実施形態を図示する以下の図面を参照して説明される。本発明は、本明細書に付随する請求項により包含される可能性があるものなどの変形及び等価物の形態で広く適用可能であり、これらの実施形態が本発明の全範囲を代表するものではないことは、当業者にとって明らかであろう。更に、一実施形態の一部として説明又は例示される特長は、別の実施形態に使用されて、更なる実施形態を生み出してもよい。特許請求の範囲は、そのような変形及び等価物のすべてに及ぶことが意図されている。
【0023】
図1aは、バルブアセンブリ10及び分配構造を含む容器12の概略図である。分配構造は、バルブ上バッグ設計、ボトル上バッグ設計、又はボトル内ピストン設計を含む、ボトル内に配置されたエアゾールバリアパッケージを備えることができる。バルブ上バッグ設計及びボトル内バッグ設計の場合、製品と噴射剤はバッグを介して分離される。ボトル内ピストン設計の場合、製品と噴射剤はピストンを介して分離される。
【0024】
図1aに示すように、容器は、長手方向Lを画定する長手方向軸14を有するボトル12及びバルブ上バッグ設計を備える分配構造15を備える。ボトル12は、閉鎖底端部16及び開放上端部18を有する。あるいは、分配構造15は、
図1bに示すディップチューブバルブ20を備えることができる。ディップチューブバルブ20は、標準的なエアゾールパッケージ内にバルブハウジング22及びチューブ24を備え、ここで製品と噴射剤がボトル内で混合されて、溶液は、バルブが開いているときに、液体をチューブの上にバルブハウジング22を介してノズルに押し出す蒸気相の噴射剤により、放出される。バルブハウジング22は、分配中に蒸気を混合するための蒸気タップを含むように設計されてもよい。
図1bに示す実施形態の場合、バルブハウジング22は、バルブアセンブリ10の底部に取り付けられる。バルブアセンブリ10は、バルブカップ30、バルブステム40及びメカニカルシールからなる3部品アセンブリである。メカニカルシールは、
図1bに示すように、環状Oリング又はガスケット又は弾性環状封止グロメット50を備えることができる。バルブステム40及びグロメット50の両方は、ボトルの長手方向軸14並びにそれぞれの垂直方向通路58及び46と整列した長手方向軸を有する。
【0025】
図1a及び
図1bに示す実施形態の場合、バルブカップ30は、ボトル12の開放上端部18の内側に配置される。
図2に示すように、バルブカップ30は、開放上部32及び凹状底部34の中心に開口部36を有する凹状底部34を有する。開放終端円筒部38は、バルブカップ30の凹状底部34の下に延び、
図1bに示すディップチューブバルブ20のバルブハウジング22を受容する。開放終端円筒部38は内部雌ネジ31を含むことができ、ネジ接続のためにバルブハウジング22上の外部雄ネジ25と嵌合する。あるいは、円筒部38は内部リムを含むことができ、スナップ嵌め接続のためにバルブハウジング上の外部リムと嵌合する。
【0026】
グロメット50は、バルブカップ30の凹状底部34の開口部36に配置される。グロメット50は封止部52及びバネ部54を有する。バネ部54は、バルブカップ開放上部32に向かって延び、長手方向Lにおいて変形可能である。バネ部54は、内径を有するバネ部開口部55を有する。封止部52は、バルブカップ30の凹状底部34の開口部36においてバネ部54に対向して配置され、内径を有する封止部開口部56を含む。グロメット長手方向通路58は、バネ部開口部55と封止部開口部56を接続し、バルブカップ30の凹状底部34の開口部36と同軸の内径を有する。グロメット長手方向通路58は、封止部開口部56近傍の封止リップ60及びワイパブレード62を含む。ワイパブレード62はバルブステム40から残留製品を除去し、バルブステム40がその封止位置に格納されるとシールリップ60はバルブステム40を封止する。バルブステム40は、以下で十分に説明される。
【0027】
グロメット50の封止部52は、円筒クレビス64も含み、これは、封止部開口部56の周りに円周方向に、半径方向外方に延在するC字形クレビス67を形成する上部ディスク66及び下部ディスク68を有する。バルブカップ30の凹状底部34は、クレビス64の上部ディスク66と下部ディスク68の間に挿入され、封止部開口部56は、凹状底部34の開口部36と同軸である。
【0028】
バルブハウジング22がバルブカップ30に接続されると(圧入、溶接、接着又はネジ込みのいずれか)、クレビス64の下部ディスク68は、バルブハウジング22とバルブカップ30の凹状底部34の間で圧縮され、バルブハウジング22とバルブカップ30の凹状底部34の間に封止部65を提供する。封止部65は、バルブカップ30とバルブハウジング22の間の接続部において別個のガスケット又は封止の必要性を排除する。封止を用いて、バルブハウジング22の外面上の雄ネジ25は、ネジ接続用の全ネジとは対照的に、半ネジに制限され得る。封止部65は、バルブカップ30とバルブハウジング22の間に簡単なスナップ嵌め接続も可能にし、バルブハウジング22とバルブカップ30の間に追加のガスケット又は封止を必要としない。
【0029】
バルブカップはポリエチレンテレフタレート(PET)から成形されるのが好ましく、グロメットは熱可塑性エラストマ(TPE)から成形される。PETは現在炭酸化ソフトドリンク容器で使用されている標準的な樹脂である。TPE配合物は以下を含む。
1)ベースエラストマ−ポリエステル系エラストマ(Hytrel系樹脂由来)。
2)粘着付与剤−通常PET(基材)へのTPEの接着を提供する小ポリマ又はオリゴマ。
3)加工助剤−材料のプロセス能力及び材料のデュロメータに対する微妙な変化を提供する。
【0030】
TPE配合物は、製品/パッケージの相溶性、PETへの接着性、及び現在のPETリサイクルの流れとの適合性のために最適化される。更に、TPEは、圧力下の容器に関連する膨潤収縮又は機械的特性の変化に耐えることができる。好ましいTPEは、Krailburgによって提供されるHCC8791−52である。
【0031】
バルブカップとグロメットの封止部の間の最終的な接着を提供するために、バルブカップとグロメットは射出成形されるのが好ましい。射出成形システムは、TPEとPETの間に必要な結合を達成するために、オーバー成形、トランスファー成形、キューブ成形、コアバック成形、スピンスタック成形、ヘリコプタ成形、回転プラテン成形を含むがこれらに限定されない様々な成形技術を使用することができる。
【0032】
図1b及び
図3に示すバルブステム40は、開放上部42、閉鎖底部44、少なくとも1つの第1半径方向開口部41及び少なくとも1つの第2半径方向開口部37を有する細長いバルブステムを備える。閉鎖底部44は、ノブ48を形成する突出部を含む。少なくとも1つの第2半径方向開口部37は、閉鎖底部44に近接して配置され、少なくとも1つの第1半径方向開口部41は、少なくとも1つの第2半径方向開口部と閉鎖底部44の間に配置される。2つ以上の第1半径方向開口部41a、41bは、ノブ48の上方の底部44内に配置されるのが好ましい。通路46は、開放上部42と、少なくとも1つの第1半径方向開口部41a及び少なくとも1つの第2半径方向開口部37の両方の間に延在する。上面47及び底面49を有する第1フランジ45は、開放上部42とノブ48の間に配置される。第1フランジ45の底面49は、グロメット50のバネ部54と連動し、第1フランジ45の底面49から垂直方向に延在するL字形留め具43を含む。L字型留め金具43は、グロメット50のバネ部54を把持し、バルブステム40の保持機構として機能する。第2フランジ70は、第1フランジ45とノブ48の間に配置される。第2フランジ70はグロメット通路58と連動し、グロメット通路の内面とバルブステム40の外面の間のグロメット通路58の上部に製品が浸入するのを防止する。
【0033】
バルブステム40の下部のノブ48は、グロメット50の封止部開口部56に嵌合する。バルブ10が
図1aに示す閉鎖位置にあるとき、バルブステム40の第1半径方向開口部41a、41bは、グロメット封止部開口部56内の突出リップ60の第1封止部63によって封止され、ノブ48の上部は、第1封止部63の底面に当接する。同様に、第2半径方向開口部37は、突出リップ60の第2封止部69によって封止される。これにより、ボトル内の製品は、第1半径方向開口部41a、41b及び第2半径方向開口部37のそれぞれに入ることから効果的に封止される。バルブステム40が作動中に垂直方向に加圧されると、ノブ48は、開口部56の下方に移動して、第1半径方向開口部41a、41b又は第1及び第2半径方向開口部37の両方を製品に露出させる。圧力が除去されると、ステム40は開口部56内に格納される。ステム40の格納中、グロメット封止部開口部56のワイパブレード62は、第1半径方向開口部41a、41b又は第1及び第2半径方向開口部37の両方から残留製品を除去し、突出リップ60の第1及び第2封止部63、69が対応する開口部を封止する。
【0034】
バルブステム40は、グロメット50のバネ部54によってバルブステム40の第1フランジ45の底面49に加えられる戻り力によって閉鎖された状態に保持される。グロメット50のバネ部54は、ユニットの寿命の間、一定の戻り力を呈することができる。
【0035】
バルブ上バッグ分配構造は
図4に示されている。
図4に示すバルブ上バッグ分配構造115は、バルブカップ130の底部に取り付けられた開放端部にフランジ122を有するバッグ120を含む。この実施形態では、バルブカップ130は、ボトル112の開放上端部の内側に配置される。バルブカップ130は、開放上部132及び凹状底部134の中心に開口部136を有する凹状底部134を有する。バルブカップ130は円筒壁138を含み、これは、前述した
図1bに示すバルブハウジング対バルブカップ接続と同様に、バルブカップ130の底部134の下に延在する。円筒壁は内部(雌)ネジ131を含み、これはバッグ開放上部のフランジ122の外面上の外部(雄)ネジ125と嵌合する。あるいは、円筒壁138は内部エッジ又はリムを含むことができ、これはスナップ嵌め構成を提供するフランジ上の外部リム又はエッジと嵌合する。
【0036】
図4に示すバルブ上バッグ設計では、グロメット150の封止部152は、円筒クレビス164を含み、これは、封止部開口部156の周りに円周方向に、半径方向外方に延在するC字形クレビス167を形成する上部ディスク166及び下部ディスク168を有する。バルブカップ130の凹状底部134は、クレビス164の上部ディスク166と下部ディスク168の間に配置され、封止部開口部156は、凹状底部134の開口部136と同軸である。
【0037】
バッグフランジ122がバルブカップ130に接続されると(圧入又はネジ込みのいずれか)、クレビス164の下部ディスク168は、バッグフランジ122とバルブカップ130の凹状底部134の間で圧縮され、バッグフランジ122とバルブカップ130の凹状底部134の間に封止165を提供する。封止部165は、バルブカップ130とバッグフランジ122の間の接続部において別個のガスケット又は封止部の必要性を排除する。
【0038】
図4に示すように、バルブカップ130はボトル開口部のネックに挿入され、ネックに対して封止されて噴射剤の漏れ及び圧力損失を防止する。任意の適切な噴射剤を使用することができ、当技術分野で公知の炭化水素、窒素、空気、及びそれらの混合物を含むことができる。所望であれば、噴射剤は凝縮性であってもよい。凝縮性とは、噴射剤が、使用中に遭遇する圧力下で物質の気体状態から物質の液体状態に変換することを意味する。凝縮性噴射剤は、使用中に製品が枯渇するにつれてより平坦な減圧曲線の利点を提供する。バルブカップは、ボトルが加圧されている間にボトル開口部のネック部に封止され得る。ボトルを加圧し、バルブカップをボトル開口部に密封するプロセスは、同一出願人による米国特許出願公開第2012/0292338(A1)号、第2012/0291911(A1)号、及び第2012/0291912(A1)号に開示されている。
【0039】
図5に示すボトル内バッグ設計の場合、上記で参照した米国特許出願公開第2012/0292338(A1)号、第2012/0291911(A1)号、及び第2012/0291912(A1)号に記載されているように、バッグ220はボトル212内に挿入され、バッグの外側フランジ222は、ボトル対バッグ溶接により、ボトル212の開放上部でフランジに保持/封止される。バッグ開口部は、バッグ外側フランジ222とボトル開口部の間に同軸的に介在する開放ネック部224を含む。この実施形態の場合、バルブカップアセンブリ210のバルブカップ230は、バッグ220の上部の開口部に一緒に入れられる。製品はボトル内のバッグに収容され、バルブアセンブリを介して充填される。噴射剤はバッグ220を取り囲み、ボトルの底部のポートを介して、又はボトル開口部フランジとバッグ外側フランジの間の隙間を介して、溶接の前に充填される。バッグに圧力が加えられ、バルブを介して溶液が押し出されるため、製品が放出されるが、これは、チューブを圧搾して製品を分配するのと同様である。
【0040】
図5及び
図6に示す実施形態の場合、バルブカップ230は、開放上部232及び凹状底部234の中心に開口部236を有する凹状底部234を有する。開放終端円筒部238は開放上部232と凹状底部234の間に延在する。開放終端円筒部238は、開放上部232と凹状底部234の間で長手方向Lに延在する内径を有する長手方向通路235を含む。内部リム又は縁部は、バルブカップの開放上部近傍の長手方向通路内に配置されている。内部リム233の内径は、円筒部238の長手方向通路235の内径より小さい。バルブカップ230は、バッグ220の開放上部の内側(雌)ネジ225にネジ込む外面上の外部(雄)ネジ231を含むことができる。あるいは、バルブカップ234は、スナップ嵌めを提供するバッグの開放上部のリムと嵌合する外面上のリムを含むことができる。
【0041】
図5に示すボトル内バッグ設計では、グロメット250の封止部252は、円筒クレビス264も含み、これは、封止部開口部236の周りに円周方向に、半径方向外方に延在するC字形クレビス267を形成する上部ディスク266及び下部ディスク268を有する。バルブカップ230の凹状底部234は、クレビス264の上部ディスク266と下部ディスク268の間に配置され、封止部開口部256は、凹状底部の開口部と同軸である。
【0042】
バルブカップ230がバッグ開口部に接続されると(圧入又はネジ込みのいずれか)、クレビス264の下部ディスク268は、バッグ開口部224のネックとバルブカップ230の凹状底部234の間で圧縮され、バッグ開口部224とバルブカップ230の凹状底部234の間に封止部265を提供する。封止部265は、バルブカップとバッグ開口部の間の接続部において別個のガスケット又は封止部の必要性を排除する。
【0043】
前述の他の実施形態と同様に、
図5に示すボトル内バッグ設計用バルブステム240は、細長いバルブステム240を備える。
図7a及び
図7bに示すように、細長いバルブステム240は、開放上部242及び閉鎖底部244を備え、その間にバルブステム通路246を有する。閉鎖底部244は、ノブ248、少なくとも1つの第1半径方向開口部241及び少なくとも1つの第2半径方向開口部237を形成する突起を含む。少なくとも1つの第2半径方向開口部237は、閉鎖底部244に近接して配置され、少なくとも1つの第1半径方向開口部241は、少なくとも1つの第2半径方向開口部237と閉鎖底部244の間に配置される。バルブステム通路246は、開放上部242と、少なくとも1つの第1半径方向開口部241及び少なくとも1つの第2半径方向開口部237の両方の間に延在する。第1半径方向開口部241及び第2半径方向開口部237は、バルブステム通路246と流体連通している。
【0044】
上面247及び底面249を有する第1フランジ245は、バルブステム240の閉鎖底部244において、開放上部242とノブ248の間に配置される。第1フランジ245の底部249は、グロメット250のバネ部254と連動する。前述したステムと同様に、バルブステムの第1フランジ245は、バルブカップ内にバルブステムを保持するために、グロメットのバネ部と連動するフランジの底面から垂直方向に延在するL字形の留め金を含むことができる。あるいは、本実施形態では、第1フランジ245の外径を、バルブステム240を寸法的に安定化させるのを助けるために、円筒部238の開放上部232の第1フランジ245と長手方向通路235の間にスリップ嵌めを提供するようなサイズにすることができ、作動中に傾斜する任意の傾向を最小限に抑える。第1フランジ245の直径も、バルブカップ230の開放上部232付近の長手方向通路に配置された内部リム233又はエッジの内径よりも大きく、バルブカップ230内にバルブステム240が保持される。第2フランジ270は、第1フランジ245とノブ248の間に配置される。第2フランジ270はグロメット通路258と連動し、グロメット通路の内面とバルブステム240の外面の間のグロメット通路258の上部に製品が浸入するのを防止する。
【0045】
図5及び
図6に示すように、バルブステム240の下部閉鎖部244のノブ248は、グロメット250の封止部開口部256に嵌合する。バルブアセンブリ210が閉鎖位置にあるとき、バルブステム240の第1半径方向開口部241は、グロメット封止部開口部256の突出リップ260の第1封止部263によって封止され、ノブ248の上部は第1封止部263に当接し、それによって、ボトル212内の製品がバルブ開口部241に入るのを効果的に封止する。同様に、バルブステムが閉鎖位置にあるとき、バルブステム240の第2半径方向開口部237は、グロメット封止部開口部256の突出リップ260の第2封止部269によって封止され、それによってボトル212内の製品が第2半径方向開口部237に入るのを効果的に封止する。バルブステム240が作動中に垂直方向に加圧されると、ノブ248は、開口部256の下方に移動して、第1半径方向開口部241又は第1及び第2半径方向開口部241及び237の両方を製品に露出させる。圧力が除去されると、バルブステム240は開口部256内に格納される。格納中、グロメット封止部開口部256のワイパブレード262は、第1半径方向開口部241又は第1及び第2半径方向開口部241及び237から残留製品を除去し、突出リップ260における第1及び第2封止部263、269が対応する開口部を封止する。
【0046】
図8a、
図8b及び
図8cは、充填作業中及び消費者による製品分配中にバルブアセンブリ240が静止している間の、
図5に示すバルブアセンブリ210のバルブステム240の異なる配向を示す。
図8aに示すように、静止しているとき、グロメット250のバネ部254はバルブステム240を格納させ、グロメット250の第1封止部263及び第2封止部269が第1半径方向開口部241及び第2半径方向開口部237と、それぞれ、バルブステム240内で整列するようにする。
図8bに示すバルブアセンブリ210では、バルブステム240はグロメット250のバネ部254に垂直方向に圧縮され、バルブステム開口部242を介して製品充填中に最大の流れを提供するために、第1半径方向開口部241と第2半径方向開口部237の両方をバッグ220内の製品に露出させる。
図8cに示すバルブアセンブリ210では、バルブステムは、消費者によって分配される製品の量を制限及び/又は制御するために、垂直方向に押し下げられて第1半径方向開口部241のみを露出させる。
【0047】
使用中にバルブステムが長手方向Lに移動し得る垂直距離を制限するために、バルブアセンブリ210は、消費者が使用中に第2半径方向開口部の露出を防止する機構を含むことができる。例えば、グロメット250のバネ部254を十分大きなバネ定数で設計することができ、消費者がバルブステム240を使用中に十分すぎるほどに圧縮して、第1半径方向開口部241及び第2半径方向開口部237の両方をバッグ220内の製品に露出させるのを防止する。充填操作の間に、バルブステムを圧縮し、第1半径方向開口部241及び第2半径方向開口部237の両方をバッグ220の内部に露出させるのに必要な適切な力を加えることによって、バネ定数を克服することができる。
【0048】
あるいは、充填動作は、典型的には、アクチュエータ及びノズルをバルブアセンブリに取り付ける前に行われるので、アクチュエータ及び/又はバルブは、使用中のバルブステムの垂直移動を制限するように設計され得る。例えば、
図9a及び
図9bに示す実施形態は、バルブカップ230と連動する止め具302を含むバルブステム240上に組み立てられたアクチュエータ300を示す。静止時には、
図9aに示すように、止め具302とバルブカップ230の間に空間が存在する。しかし、使用時には、止め具302はバルブカップ230の上部と連動してバルブステム240の垂直方向の移動を制限し、第2半径方向開口部ではなく第1半径方向開口部241のみがバッグ220開口部237に露出される。
【0049】
第1半径方向開口部と第2半径方向開口部を分離し、両方の露出を充填操作に限定することが好ましいが、
図10及び
図11に示す代替実施形態は、消費者が加える力の量に応じて容器内の製品に露出され得る、バルブステム240に沿って異なる長手方向位置に配置された複数の第1半径方向開口部241を含むバルブステム設計を示す。その結果、製品を分配する間に、バルブステムを異なる深さに圧縮加圧してより多くの半径方向の開口部を露出させて流量を増加させることによって、消費者がバッグからの製品の流れを制御することを可能にするバルブアセンブリを作製することができる。
【0050】
図12に示す別の実施形態では、第1及び第2半径方向開口部は、単一の半径方向開口部310に置き換えられている。
図12に示す実施形態では、半径方向開口部310は、三角形の頂点がバルブステム240の閉鎖底部244近傍に配置された三角形である。バルブステム240が垂直方向に圧縮されるにつれて、三角形の開口部はますます露出され、流量の増加をもたらす。この実施形態では、バルブステム240を垂直方向に圧縮して、充填中に三角形の開口部全体を露出させることができる。この実施形態では、充填動作中に開口部全体を露出させることができるが、バルブステム240の垂直方向の移動を制限するために前述の制限を適用することができ、消費者の使用中に制御された流量が制限される。
【0051】
本発明によるバルブアセンブリは、
図13に示すような複数のバルブを有するエアゾール容器412とともに使用することができる。図示の構成は、折り畳み可能なバッグ420内の製品442及び噴射剤440が、ディップチューブ424及びバルブアセンブリ410を介して使用場所で混合され、不適合な材料間で相乗効果を可能にするという利点を提供する。この構成も、噴射剤440の供給が製品442に推進力を提供し、より小さな粒径分布をもたらすことが多いという利益をもたらす。より小さな粒径分布は、均一な製品分布及び過度の濡れの最少化のために有利であり得る。
【0052】
この構成は、異なる材料の相対的な割合が、分配のための特定の比率に調整され得るという追加的な利益をもたらす。例えば、製品442が分配され、第1成分対第2成分の比率が3:5:1であってもよい。
図13は、2つのバルブアセンブリを有するエアゾール容器412を示すが、当業者は、本発明がこれに限定されないことを認識するであろう。エアゾールディスペンサは、使用場所まで異なる製品材料を隔離するために、同数の又はより少ない数のチャンバを有する3つ、4つ又はそれ以上のバルブアセンブリを有してもよい。
【0053】
ピストンボトル設計の場合、製品と噴射剤はボトルに挿入されたピストンを介して分離される。製品はピストンの上にあり、カップの下又はバルブを介して充填される。噴射剤は、ボトル底部内の第2バルブを介してピストンの下に加えられる。製品は、製品をバルブから押し出す噴射剤によってピストンが押し上げられるとき分配される。図示されていないが、ピストンボトルの設計のためのバルブアセンブリは、
図1a及び
図1bに示されたディップチューブバルブアセンブリを含むことができる。
【0054】
本明細書において開示されるすべての数値範囲に関し、本明細書全体を通じて与えられるすべての最大値の限定は、それよりも小さいすべての数値の限定を、そのようなより小さい数値限定が本明細書にあたかも明確に記載されているかのように理解されるべきである。更に、本明細書全体を通じて与えられるすべての最小値の限定は、それよりも大きいすべての数値の限定を、そのようなより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものである。更に、本明細書の全体を通じて与えられるすべての数値範囲は、そのような、より広い数値範囲内に含まれるすべてのより狭い数値の範囲、並びにその数値範囲内のそれぞれの個々の数値を、そのような、より狭い数値範囲及び個々の数値のすべてがあたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものである。
【0055】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0056】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含む、本明細書に引用されるすべての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0057】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。