(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0010】
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る表示装置1の概略構成例を表したものである。
図2は、表示装置1に設けられた各画素11に含まれる副画素12の回路構成の一例を表したものである。表示装置1は、映像表示面1Aに映像を表示する。表示装置1は、例えば、表示パネル10、フォトクロミック層20、紫外光吸収層30、コントローラ40およびドライバ50を備えている。本実施の形態では、表示パネル10の主面が映像表示面1Aとなっている。フォトクロミック層20および紫外光吸収層30は、表示パネル10から見て、映像表示面1Aとは反対側にこの順で設けられている。ドライバ50は、例えば、表示パネル10の外縁部分に実装されている。表示パネル10は、行列状に配置された複数の画素11を有している。コントローラ40およびドライバ50は、外部から入力された映像信号Dinおよび同期信号Tinに基づいて、表示パネル10(複数の画素11)を駆動する。
【0011】
(表示パネル10)
表示パネル10は、コントローラ40およびドライバ50によって各画素11がアクティブマトリクス駆動されることにより、外部から入力された映像信号Dinおよび同期信号Tinに基づく画像を表示する。表示パネル10は、行方向に延在する複数の走査線WSLと、列方向に延在する複数の信号線DTL
と、行方向に延在する複数の電源線DSLと、行列状に配置された複数の画素11とを有している。
【0012】
走査線WSLは、各画素11の選択に用いられるものであり、各画素11を所定の単位(例えば画素行)ごとに選択する選択パルスを各画素11に供給するものである。信号線DTLは、映像信号Dinに応じた信号電圧Vsigの、各画素11への供給に用いられるものであり、信号電圧Vsigを含むデータパルスを各画素11に供給するものである。電源線DSLは、各画素11に電力を供給するものである。
【0013】
各画素11は、例えば、赤色光を発する副画素12(12R)、緑色光を発する副画素12(12G)、青色光を発する副画素12(12B)、および紫外光を発する副画素12(12U)を含んで構成されている。つまり、複数の副画素12は、所定の数ごとにカラー画素(画素11)としてグループ分けされている。なお、各画素11は、例えば、さらに、他の色(例えば、白色や、黄色など)を発する副画素12を含んで構成されていてもよい。各画素11において、複数の副画素12は、例えば、所定の方向(例えば行方向)に一列に並んで配置されている。副画素12(12R)、副画素12(12G)および副画素12(12G)のうち、少なくとも1つが、本開示の「第1副画素」の一具体例に相当する。副画素12(12U)が、本開示の「第2副画素」の一具体例に相当する。
【0014】
各信号線DTLは、後述の水平セレクタ51の出力端に接続されている。各画素列には、例えば、複数の信号線DTLが1本ずつ、割り当てられている。各走査線WSLは、後述のライトスキャナ52の出力端に接続されている。各画素行には、例えば、複数の走査線WSLが1本ずつ、割り当てられている。各電源線DSLは、電源の出力端に接続されている。各画素行には、例えば、複数の電源線DSLが1本ずつ、割り当てられている。
【0015】
各副画素12は、画素回路12−1と、有機電界発光素子12−2とを有している。有機電界発光素子12−2の構成については、後に詳述する。
【0016】
画素回路12−1は、有機電界発光素子12−2の発光・消光を制御する。画素回路12−1は、後述の書込走査によって各副画素12に書き込んだ電圧を保持する機能を有している。画素回路12−1は、例えば、駆動トランジスタTr1、書込トランジスタTr2および保持容量Csを含んで構成されている。
【0017】
書込トランジスタTr2は、駆動トランジスタTr1のゲートに対する、映像信号Dinに対応した信号電圧Vsigの印加を制御する。具体的には、書込トランジスタTr2は、信号線DTLの電圧をサンプリングするとともに、サンプリングにより得られた電圧を駆動トランジスタTr1のゲートに書き込む。駆動トランジスタTr1は、有機電界発光素子12−2に直列に接続されている。駆動トランジスタTr1は、有機電界発光素子12−2を駆動する。駆動トランジスタTr1は、書込トランジスタTr2によってサンプリングされた電圧の大きさに応じて有機電界発光素子12−2に流れる電流を制御する。保持容量Csは、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間に所定の電圧を保持するものである。保持容量Csは、所定の期間中に駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間電圧Vgsを一定に保持する役割を有する。なお、画素回路12−1は、上述の2Tr1Cの回路に対して各種容量やトランジスタを付加した回路構成となっていてもよいし、上述の2Tr1Cの回路構成とは異なる回路構成となっていてもよい。
【0018】
各信号線DTLは、後述の水平セレクタ51の出力端と、書込トランジスタTr2のソースまたはドレインとに接続されている。各走査線WSLは、後述のライトスキャナ52の出力端と、書込トランジスタTr2のゲートとに接続されている。各電源線DSLは、電源回路と、駆動トランジスタTr1のソースまたはドレインに接続されている。
【0019】
書込トランジスタTr2のゲートは、走査線WSLに接続されている。書込トランジスタTr2のソースまたはドレインが信号線DTLに接続されている。書込トランジスタTr2のソースおよびドレインのうち信号線DTLに未接続の端子が駆動トランジスタTr1のゲートに接続されている。駆動トランジスタTr1のソースまたはドレインが電源線DSLに接続されている。駆動トランジスタTr1のソースおよびドレインのうち電源線DSLに未接続の端子が有機電界発光素子
12−2の陽極21に接続されている。保持容量Csの一端が駆動トランジスタTr1のゲートに接続されている。保持容量Csの他端が駆動トランジスタTr1のソースおよびドレインのうち有機電界発光素子
12−2側の端子に接続されている。
【0020】
(フォトクロミック層20)
フォトクロミック層20は、例えば、紫外光により発色し可視光により消色もしくは淡色化するフォトクロミック化合物によって構成されている。フォトクロミック化合物としては、例えば、アゾベンゼン、フルギド、スピロピラン、ジアリ−ルエテン誘導体などが挙げられる。アゾベンゼンおよびフルギドは、紫外光により燈色に発色し、可視光により淡黄色に発色する。スピロピランおよびジアリ−ルエテン誘導体は、紫外光により青色に発色し、可視光により無色になる(消色する)。フォトクロミック層20は、画素11ごともしくは副画素12ごとに1つずつ設けられた複数のフォトクロミック素
子によって構成されていていてもよい。フォトクロミック層20は、例えば、表示パネル10の映像表示面1Aと対向する領域全体に設けられている。
【0021】
(紫外光吸収層30)
紫外光吸収層30は、例えば、紫外光を吸収する材料によって構成されている。紫外光吸収層30は、フォトクロミック層20を介して、表示パネル10の裏面と対応する位置に設けられている。従って、紫外光吸収層30は、外部からの紫外光が紫外光吸収層30を介して、フォトクロミック層20に入射するのを妨げている。紫外光吸収層30は、紫外光を吸収する一方で可視光を透過する材料によって構成されていてもよい。
【0022】
(ドライバ50)
ドライバ50は、例えば、水平セレクタ51およびライトスキャナ52を有している。水平セレクタ51は、例えば、制御信号の入力に応じて(同期して)、コントローラ40から入力されたアナログの信号電圧Vsigを、各信号線DTLに印加する。ライトスキャナ52は、複数の副画素12を所定の単位ごとに走査する。
【0023】
(コントローラ40)
次に、コントローラ40について説明する。コントローラ40は、例えば、外部から入力されたデジタルの映像信号Dinに対して所定の補正を行い、それにより得られた映像信号に基づいて、信号電圧Vsigを生成する。コントローラ40は、例えば、生成した信号電圧Vsigを水平セレクタ51に出力し、外部から入力された同期信号Tinに応じて(同期して)、ドライバ50内の各回路に対して制御信号を出力する。
【0024】
次に、
図3〜
図5を参照して、有機電界発光素子12−2について説明する。
図3は、表示パネル10の概略構成例を表したものである。
図4は、
図3の表示パネル10のA−A線での断面構成例(つまり画素11の行方向の断面構成例)を表したものである。
図5は、
図3の表示パネル10のB−B線での断面構成例(つまり2つの画素11の列方向の断面構成例)を表したものである。
【0025】
図3において、「R」と記載されている箇所には、赤色光を発する副画素12(12R)が設けられており、「G」と記載されている箇所には、緑色光を発する副画素12(12G)が設けられており、「B」と記載されている箇所には、青色光を発する副画素12(12B)が設けられており、「U」と記載されている箇所には、紫外光を発する副画素12(12U)が設けられている。また、
図3には、画素11が、4つの副画素12(12R,12G,12B,12U)によって構成されている場合が例示されている。
【0026】
表示パネル10は、映像表示面1Aに、行列状に配置された複数の画素11を有している。各画素11は、例えば、上述したように、赤色光を発する副画素12(12R)、緑色光を発する副画素12(12G)、青色光を発する副画素12(12B)、および紫外光を発する副画素12(12U)を含んで構成されている。表示パネル10において、各副画素12は、可視光を透過する材料によって構成されている。従って、表示パネル10は、映像表示面1A内において、各副画素12を介して、当該表示パネル10の背後からの可視光を透過する。
【0027】
副画素12Rは、赤色光を発する有機電界発光素子12−2(12−2r)を含んで構成されている。副画素12Gは、緑色光を発する有機電界発光素子12−2(12−2g)を含んで構成されている。副画素12Bは、青色光を発する有機電界発光素子12−2(12−2b)を含んで構成されている。副画素12Uは、紫外光を発する有機電界発光素子12−2(12−2u)を含んで構成されている。副画素12R,12G,12B,12Uは、例えば、ストライプ配列となっている。各画素11において、例えば、副画素12R,12G,12B,12Uが、行方向に並んで配置されている。さらに、例えば、同一色の光を発する複数の副画素12が、列方向に並んで配置されている。
【0028】
表示パネル10は、基板17を有している。基板17は、例えば、各有機電界発光素子12−2、後述のラインバンク13および後述のバンク14などを支持する基材と、基材上に設けられた配線層とによって構成されている。基板17内の基材は、可視光透過性を有する基板によって構成されている。基板17内の基材は、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラスまたは石英などによって形成されている。基板17内の基材は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、またはアルミナなどによって形成されていてもよい。基板17内の配線層には、例えば、各画素11の画素回路12−1が形成されている。
【0029】
表示パネル10は、さらに、例えば、基板17上に、列方向に延在する複数のラインバンク13と、行方向に延在する複数のバンク14とを有している。複数のラインバンク13および複数のバンク14は、各副画素12を区画する。複数のラインバンク13は、各画素11において、各副画素12を区画する。複数のバンク14は、各画素列において、各画素11を区画する。各バンク14は、互いに隣接する2つのラインバンク13の間に設けられている。各バンク14の両端部が、互いに隣接する2つのラインバンク13に連結されている。つまり、各副画素12は、互いに隣接する2つのラインバンク13と、互いに隣接する2つのバンク14とによって区画されている。
【0030】
表示パネル10は、さらに、例えば、互いに隣接する2つのラインバンク13と、互いに隣接する2つのバンク14とによって囲まれた領域内に、開口部15を有している。各副画素12において、開口部15の底面には、後述の陽極21の表面が露出している。そのため、開口部15の底面に露出した陽極21から供給される正孔と、後述の陰極27から供給される電子とが、後述の発光層24で再結合することにより、発光層24で発光が生じる。従って、発光層24のうち、開口部15と対向する領域が、発光領域18となる。
【0031】
バンク14の高さ(基板17からの高さ)は、例えば、
図4、
図5からわかるように、ラインバンク13の高さ(基板17からの高さ)よりも低くなっている。バンク14の高さ(基板17からの高さ)は、例えば、有機電界発光素子12−2における陽極21および陰極27の距離の半分以下の高さとなっている。
【0032】
ラインバンク13およびバンク14は、例えば、絶縁性の有機材料によって形成されている。絶縁性の有機材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などが挙げられる。ラインバンク13およびバンク14は、例えば、耐熱性、溶媒に対する耐性を持つ絶縁性樹脂によって形成されていることが好ましい。ラインバンク13およびバンク14は、例えば、絶縁性樹脂をフォトリソグラフィおよび現像によって所望のパターンに加工することによって形成される。ラインバンク13の断面形状は、例えば、
図4に示したような順テーパ型であってもよく、裾が狭くなった逆テーパ型、または、矩形(長方形)であってもよい。バンク14の断面形状は、例えば、例えば、
図5に示したような順テーパ型であってもよく、裾が狭くなった逆テーパ型、または、矩形(長方形)であってもよい。
【0033】
各有機電界発光素子12−2は、例えば、基板17上に、陽極21、正孔注入層22、正孔輸送層23、発光層24(有機発光層)、電子輸送層25、電子注入層26および陰極27をこの順に備えたものである。
【0034】
有機電界発光素子12−2は、例えば、発光層24と、発光層24を挟み込むように配置された、陽極21および陰極27を備えている。有機電界発光素子12−2は、例えば、さらに、陽極21と、発光層24との間に、正孔注入層22および正孔輸送層23を陽極21側からこの順に備えている。なお、正孔注入層22および正孔輸送層23のうち少なくとも一方が省略されていてもよい。有機電界発光素子12−2は、例えば、さらに、発光層24と、陰極27との間に、電子輸送層25および電子注入層26を発光層24側からこの順に備えている。なお、電子輸送層25および電子注入層26のうち少なくとも一方が省略されていてもよい。有機電界発光素子12−2は、例えば、陽極21、正孔注入層22、正孔輸送層23、発光層24、電子輸送層25、電子注入層26および陰極27を基板17側からこの順に含んで構成された素子構造となっている。有機電界発光素子12−2において、さらに他の機能層が含まれていてもよい。
【0035】
正孔注入層22は、正孔注入効率を高めるための層である。正孔輸送層23は、陽極21から注入された正孔を発光層24へ輸送するための層である。発光層24は、電子と正孔との再結合により、所定の色の光を発する層である。電子輸送層25は、陰極27から注入された電子を発光層24へ輸送するための層である。電子注入層26は、電子注入効率を高めるための層である。正孔注入層22および電子注入層26のうち少なくとも一方が省略されていてもよい。各有機電界発光素子12−2は、上述以外の層をさらに有していてもよい。
【0036】
陽極21は、例えば、基板17の上に形成されている。陽極21は、例えば、可視光に対して透光性を有する透明電極である。陽極21に用いられる透明電極の材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電性材料が挙げられる。陽極21の端縁は、例えば、ラインバンク13およびバンク14内に埋め込まれている。陽極21の端縁がラインバンク13およびバンク14内に埋め込まれている場合には、各開口部15の大きさ(具体的には、各開口部15の底面の大きさ)を変えることにより、副画素12のサイズ(面積)や、発光領域18のサイズ(面積)を調整することが可能である。
【0037】
陰極27は、例えば、可視光に対して透光性を有する透明電極である。陰極27に用いられる透明電極の材料としては、例えば、ITO又はIZO等の透明導電性材料が挙げられる。本実施の形態において、陽極21および陰極27が透光性を有しており、有機電界発光素子12−2自体が透光性を有している場合には、有機電界発光素子12−2で生じた光は、映像表示面1A側だけでなく、フォトクロミック層20側にも発せられる。さらに、本実施の形態において、基板17や後述の封止層28が可視光に対して透光性を有している場合には、観察者は、表示パネル10の背後を視認することが可能である。つまり、表示パネル10は、可視光に対して透光性を有するパネル(いわゆる透明ディスプレイパネル)となっている。
【0038】
正孔注入層22は、陽極21から発光層24へ正孔の注入を促進させる機能を有する。正孔注入層22は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物、あるいは、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料によって構成されている。正孔注入層22は、単層で構成されていてもよいし、複数の層が積層された構造となっていてもよい。
【0039】
正孔輸送層23は、陽極21から注入された正孔を発光層24へ輸送する機能を有する。正孔輸送層23は、例えば、陽極21から注入された正孔を発光層24へ輸送する機能を有する材料(以下、「正孔輸送性材料23M」と称する。)によって構成されている。正孔輸送層23は、正孔輸送性材料23Mを主成分として含んで構成されている。
【0040】
正孔輸送層23の原料(材料)である正孔輸送性材料23Mは、例えば、アリールアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体
、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体等、または、これらの組み合わせからなる材料である。正孔注入層22と正孔輸送層23の各材料のHOMO(最高被占軌道,Highest occupied molecular orbital)レベルの差異は、ホール注入性を考慮すると、0.5eV以下となっていることが好ましい。
【0041】
発光層24は、陽極21から注入された正孔と、陰極27から注入された電子とが、発光層24内で再結合することで励起子が生成されて発光する層である。発光層24は、例えば、塗布膜である。発光層24は、正孔と電子との再結合により励起子を生成し発光する有機材料(以下、「有機発光材料24M」と称する。)を溶質の主成分とする溶液の塗布および乾燥により形成されている。発光層24は、有機発光材料24Mを主成分として含んで構成されている。副画素12Rに含まれる有機電界発光素子12
−2rでは、有機発光材料24Mが、電流印加により赤色光を発する有機材料を含んで構成されている。つまり、副画素12Rは、電流印加により赤色光を発する発光層24(有機発光層)を有している。副画素12Gに含まれる有機電界発光素子12
−2gでは、有機発光材料24Mが、電流印加により緑色光を発する有機材料を含んで構成されている。つまり、副画素12Gは、電流印加により緑色光を発する発光層24(有機発光層)を有している。副画素12Bに含まれる有機電界発光素子12
−2bでは、有機発光材料24Mが、電流印加により青色光を発する有機材料を含んで構成されている。つまり、副画素12Bは、電流印加により青色光を発する発光層24(有機発光層)を有している。副画素12Uに含まれる有機電界発光素子12uでは、有機発光材料24Mが、電流印加により紫外光を発する有機材料を含んで構成されている。つまり、副画素12Uは、電流印加により紫外光を発する発光層24(紫外発光層)を有している。
【0042】
発光層24は、例えば、単層の有機発光層、または、積層された複数の有機発光層によって構成されている。発光層24が積層された複数の有機発光層によって構成されている場合には、発光層24は、例えば、主成分が互いに共通の複数の有機発光層を積層したものである。複数の有機発光層は、ともに、有機発光材料24Mを溶質の主成分とする溶液の塗布および乾燥により形成されている。
【0043】
発光層24の原料(材料)である有機発光材料24Mは、例えば、ドーパント材料単独であってもよいが、より好ましくは、ホスト材料とドーパント材料との組み合わせがよい。つまり、発光層24は、有機発光材料24Mとして、ホスト材料およびドーパント材料を含んで構成されている。ホスト材料は、主に電子又は正孔の電荷輸送の機能を担っており、ドーパント材料は、発光の機能を担っている。ホスト材料およびドーパント材料は1種類のみに限られるものではなく、2種類以上の組み合わせであってもよい。ドーパント材料の量は、ホスト材料に対して、0.01重量%以上30重量%以下であるとよく、より好ましくは、0.01重量%以上10重量%以下である。
【0044】
発光層24のホスト材料としては、例えば、アミン化合物、縮合多環芳香族化合物、ヘテロ環化合物が用いられる。アミン化合物としては、例えば、モノアミン誘導体、ジアミン誘導体、トリアミン誘導体、テトラアミン誘導体が用いられる。縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン誘導体、ナフタレン誘導体、ナフタセン誘導体、フェナントレン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、トリフェニレン誘導体、ペンタセン誘導体、または、ペリレン誘導体等が挙げられる。ヘテロ環化合物としては、例えば、カルバゾール誘導体、フラン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロール誘導体、インドール誘導体、アザインドール誘導体、アザカルバゾール、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、または、フタロシアニン誘導体等が挙げられる。
【0045】
また、発光層24のドーパント材料としては、例えば、ピレン誘導体、フルオランテン誘導体、アリールアセチレン誘導体、フルオレン誘導体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アントラセン誘導体、または、クリセン誘導体が用いられる。また、発光層24のドーパント材料としては、金属錯体が用いられてもよい。金属錯体としては、例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、金(Au)、レニウム(Re)、もしくは、ルテニウム(Ru)等の金属原子と配位子とを有するものが挙げられる。
【0046】
電子輸送層25は、陰極27から注入された電子を発光層24へ輸送する機能を有する。電子輸送層25は、電子輸送性を有する有機材料(以下、「電子輸送性材料25M」と称する。)主成分として含んで構成されている。電子輸送層25は、例えば、蒸着膜またはスパッタ膜で構成されている。電子輸送層25は、発光層24から陰極27への電荷(本実施の形態では正孔)の突き抜けを抑制する電荷ブロック機能や、発光層24の励起状態の消光を抑制する機能等を有していることが好ましい。
【0047】
電子輸送層25の原料(材料)である電子輸送性材料25Mは、例えば、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物である。芳香族ヘテロ環化合物としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ベンズイミダゾール環、フェナントロリン環、キナゾリン環等を骨格に含む化合物が挙げられる。また、電子輸送層25は、電子輸送性を有する金属を含んでもよい。電子輸送層25は、電子輸送性を有する金属を含むことで、電子輸送層25の電子輸送性を向上できる。電子輸送層25に含まれる金属としては、例えば、バリウム(Ba)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、セシウム(Cs)、ナトリウム(Na)、ルビジウム(Rb)、イットリビウム(Yb)等を用いることができる。
【0048】
電子注入層26は、陰極27から注入された電子を電子輸送層25、発光層24へ注入する機能を有する。電子注入層26は、例えば、陰極27から電子輸送層25、発光層24への電子の注入を促進させる機能を有する材料(電子注入性材料)によって構成されている。上記の電子注入性材料は、例えば、電子注入性を有する有機材料に、電子注入性を有する金属がドープされたものであってもよい。電子注入層26に含まれるドープ金属は、例えば、電子輸送層25に含まれるドープ金属と同じ金属である。電子輸送層25は、例えば、蒸着膜またはスパッタ膜で構成されている。
【0049】
本実施の形態では、有機電界発光素子12−2を構成する各層(例えば、正孔注入層22、正孔輸送層23発光層24、電子郵送層25および電子注入層26)が、互いに隣接する2つのラインバンク13によって囲まれた帯状の領域(溝部16)に設けられた各副画素12によって共有されている。
【0050】
また、本実施の形態では、有機電界発光素子12−2内の一部の層(例えば、正孔注入層22、正孔輸送層23および発光層24)が、1つの画素11内の各副画素12で共有されておらず、1つの画素11内の副画素12ごとに別個に形成されている。つまり、有機電界発光素子12−2内の一部の層(例えば、正孔注入層22、正孔輸送層23および発光層24)は、例えば、
図4に示したように、ラインバンク13を避けて形成されている。また、本実施の形態では、有機電界発光素子12−2内の一部の層(例えば、電子輸送層25および電子注入層26)が、1つの画素11内の各副画素12で共有されている。つまり、有機電界発光素子12−2内の一部の層(例えば、電子輸送層25および電子注入層26)は、例えば、
図4に示したように、ラインバンク13を乗り越えて形成されている。また、本実施の形態では、陰極27は、表示パネル10の表示領域全体に渡って形成されている。
【0051】
有機電界発光素子12−2は、さらに、例えば、
図4、
図5に示したように、有機電界発光素子12−2を保護および封止する層(封止層28)を有している。封止層28は、例えば、エポキシ樹脂や、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの樹脂材料によって形成されている。
【0052】
[効果]
次に、本実施の形態の表示パネル10およびそれを備えた表示装置1の効果について説明する。
【0053】
本実施の形態では、表示パネル10、フォトクロミック層20および紫外光吸収層30が設けられている。このとき、映像表示時には、例えば、
図6に示したように、副画素12Rからは赤色光Lrが、副画素12Gからは緑色光Lgが、副画素12Bからは青色光L
bが、副画素12Uからは紫外光Luが発せられる。これにより、副画素12Uから発せられた紫外光がフォトクロミック層20に照射され、フォトクロミック層20が所定の色に発色する。フォトクロミック化合物がアゾベンゼンまたはフルギドである場合には、フォトクロミック層20は紫外光により燈色に発色する。フォトクロミック化合物がスピロピランまたはジアリ−ルエテン誘導体である場合には、フォトクロミック層20は紫外光により青色に発色する。その結果、例えば、各画素11によって生成された映像の背後に、フォトクロミック層20によって生成された背景が重ね合わされるので、映像表示面1Aにおけるコントラストが改善される。従って、コントラスト低下などによる視認性の悪化を低減することができる。
【0054】
また、本実施の形態では、フォトクロミック層20および紫外光吸収層30は、発光層24(表示パネル10)から見て映像表示面1Aとは反対側にこの順で設けられている。これにより、フォトクロミック層20が紫外光により所定の色に発色したときに、各画素11によって生成された映像が、フォトクロミック層20によって遮られることがなく、フォトクロミック層20によって生成された背景によって、各画素11によって生成された映像のコントラストが改善される。従って、コントラスト低下などによる視認性の悪化を低減することができる。
【0055】
また、本実施の形態では、各画素11は、赤色発光層,緑色発光層および青色発光層を含む副画素12
R,12
G,12
B(第1副画素)と、紫外発光層を含む副画素12
U(第2副画素)とを含んで構成されている。これにより、例えば、一般的なRGB発光をする有機電界表示パネルの各画素に対して紫外光用の副画素を追加するだけで、本実施の形態に係る表示パネル10を形成することができる。
【0056】
また、本実施の形態では、表示パネル10は、映像表示面1A内に、当該表示パネル10の背後からの可視光を透過する光透過領域を有している。例えば、各有機電界発光素子12−2、基板17に含まれる基材、および封止層28が可視光に対して透光性を有している場合には、例えば、映像表示面1Aのうち、少なくとも開口部15と対向する箇所が、光透過領域となる。これにより、光透過領域を介して、表示パネル10の背後に入射した可視光が表示パネル10の前面に透過する。その結果、観察者は、表示パネル10の背後を、表示パネル10を介して視認することができる。
【0057】
<2.変形例>
次に、上記実施の形態に係る表示パネル10の変形例について説明する。
【0058】
[変形例A]
図7は、上記実施の形態に係る表示パネル10における各画素11の一変形例を表したものである。本変形例では、上記実施の形態に係る各画素11において副画素12Uが省略されており、上記実施の形態に係る各画素11における副画素12Bが青色光および紫外光を含む光を発するように構成されている。つまり、本変形例では、副画素12Bに含まれる有機電界発光素子12−2が、電流印加により可視光および紫外光を含む光を発する有機層(発光層24)によって構成されている。
【0059】
これにより、映像表示時には、例えば、
図7に示したように、副画素12Rからは赤色光Lrが、副画素12Gからは緑色光Lgが、副画素12Bからは青色光L
bおよび紫外光Luが発せられる。これにより、副画素12Bから発せられた紫外光がフォトクロミック層20に照射され、フォトクロミック層20が所定の色に発色する。フォトクロミック化合物がアゾベンゼンまたはフルギドである場合には、フォトクロミック層20は紫外光により燈色に発色する。フォトクロミック化合物がスピロピランまたはジアリ−ルエテン誘導体である場合には、フォトクロミック層20は紫外光により青色に発色する。その結果、例えば、各画素11によって生成された映像の背後に、フォトクロミック層20によって生成された背景が重ね合わされるので、映像表示面1Aにおけるコントラストが改善される。従って、コントラスト低下などによる視認性の悪化を低減することができる。
【0060】
また、本変形例では、各画素11は、赤色発光層,緑色発光層および青色・紫外光発光層を含む副画素12
R,12
G,12
Bを含んで構成されている。つまり、副画素12Bに含まれる有機電界発光素子12−2が、電流印加により可視光および紫外光を含む光を発する有機層(発光層24)によって構成されている。これにより、例えば、一般的なRGB発光をする有機電界表示パネルの各画素の青色
副画素を青色・紫外光用の副画素に置き換えるだけで、本変形例に係る表示パネル10を形成することができる。
【0061】
[変形例B]
図8は、上記実施の形態に係る表示装置1の概略構成の一変形例を表したものである。本変形例に係る表示装置1は、副画素12Uの代わりに、電流印加により紫外光を発する紫外発光層19が設けられた表示パネル10を備えている。紫外発光層19は、例えば、
図8に示したように、各発光層24(または各副画素12R,12G,12B)から見て映像表示面1Aとは反対側に設けられている。つまり、本変形例では、紫外発光層19は、例えば、各発光層24(または各副画素12R,12G,12B)の直下に設けられている。紫外発光層19は、例えば、
図9に示したように、赤色の発光層24(または赤色の発光層24を含む有機電界発光素子12−2),緑色の発光層24(または緑色の発光層24を含む有機電界発光素子12−2)および青色の発光層24(または青色の発光層24を含む有機電界発光素子12−2)のうち少なくとも1つと電気的に直列に接続されている。このように、本変形例では、有機電界発光素子12−2の電流パス内に、紫外発光層19が設けられているので、紫外発光層19に電流を供給する回路を、画素回路12−1とは別個に設ける必要がない。その結果、少ない部品点数で、本変形例に係る表示パネル10を形成することができる。
【0062】
[変形例C]
図10は、上記実施の形態に係る表示装置1の概略構成の一変形例を表したものである。本変形例に係る表示装置1では、副画素12Uが省略されている。本変形例に係る表示装置1は、表示パネル10と、フォトクロミック層20との間に導光板
80を備えており、さらに、導光板
80のエッジに紫外光を照射するエッジライト60(紫外光源)を備えている。導光板
80は、導光板
80のエッジから入射した光を表示パネル10側に向けて照射する。
【0063】
エッジライト60は、導光板
80の少なくとも1つのエッジに沿って設けられている。エッジライト60は、例えば、導光板
80のエッジのうちエッジライト60と対向する部分に一斉に光を照射するようになっている。このとき、導光板
80は、導光板
80のエッジから入射した光を、導光板
80の下面(フォトクロミック層20側の面)全体から出射する。つまり、このとき、導光板
80は、面発光源(面紫外光源)として機能する。
【0064】
エッジライト60が、例えば、
図11に示したように、導光板
80の1つのエッジと対向する部分に設けられたエッジライト61と、導光板
80のエッジのうち、エッジライト61と対向するエッジと直交するエッジと対向する部分に設けられたエッジライト62とによって構成されていてもよい。このとき、エッジライト61,62は、互いに独立して紫外光を導光板
80のエッジに部分的に照射する。エッジライト61から出射された紫外光Lu1と、エッジライト62から出射された紫外光Lu2は、導光板
80内において交差する。その結果、導光板
80は、紫外光Lu1と紫外光Lu2とが互いに交差した箇所と対向する位置において局所的に強度の高い紫外光を導光板
80の下面から出射する。つまり、このとき、導光板
80は、エッジライト61,62によって強度分布を制御された紫外光を下面側から出射する面発光源(面紫外光源)として機能する。
【0065】
これにより、映像表示時には、導光板
80の下面から紫外光をフォトクロミック層20に向けて照射することにより、フォトクロミック層20が所定の色に発色する。フォトクロミック化合物がアゾベンゼンまたはフルギドである場合には、フォトクロミック層20は紫外光により燈色に発色する。フォトクロミック化合物がスピロピランまたはジアリ−ルエテン誘導体である場合には、フォトクロミック層20は紫外光により青色に発色する。その結果、例えば、各画素11によって生成された映像の背後に、フォトクロミック層20によって生成された背景が重ね合わされるので、映像表示面1Aにおけるコントラストが改善される。従って、コントラスト低下などによる視認性の悪化を低減することができる。
【0066】
[変形例D]
図12は、上記変形例Bに係る表示装置1の概略構成の一変形例を表したものである。本変形例に係る表示装置1では、フォトクロミック層20および紫外光吸収層30は、各発光層24(各副画素12R,12G,12B)から見て映像表示面1A側にこの順で設けられている。本変形例では、紫外光吸収層30の上面が映像表示面1Aとなっている。本変形例において、表示パネル10は、各発光層24(各副画素12R,12G,12B)から見て映像表示面1A側に、電流印加により紫外光を発する紫外発光層19を有している。本変形例に係る表示装置1は、スイッチ70を更に備えている。紫外発光層19は、例えば、
図12に示したように、スイッチ70を介して、赤色の発光層24(または副画素12R),緑色の発光層24(または副画素12G)および青色の発光層24(または副画素12B)と電気的に並列に接続されている。
【0067】
これにより、コントローラ40およびドライバ50は、スイッチ70を制御することにより、発光層24への電流印加と、紫外発光層19への電流印加とを切り替えることができる。その結果、発光層24へ電流が印加されている時は、映像が表示される。一方、紫外発光層19へ電流が印加されている時は、紫外発光層19から発せられた紫外光がフォトクロミック層20に入射し、フォトクロミック層20が所定の色に発色する。このとき、フォトクロミック層20の発色が、周囲の環境になじむ色となっている場合には、周囲の環境下で画面が不自然に目立つのを抑制することができる。
【0068】
[変形例E]
上記実施の形態およびその変形例では、映像表示面1Aのうち、各有機電界発光素子12−2と対向する箇所が、光透過領域となっていた。しかし、上記実施の形態およびその変形例において、各画素11が、例えば、表示パネル10の背後からの可視光を透過する光透過領域を有する副画素(非表示画素)を、映像表示に用いられる副画素12とは別個に有していてもよい。また、上記実施の形態およびその変形例において、表示パネル10が、例えば、表示パネル10の背後からの可視光を透過する光透過領域を有する非表示画素を、映像表示に用いられる画素11とは別個に有していてもよい。これらの場合、各有機電界発光素子12−2において、陽極21が、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、アルミニウムもしくは銀の合金等、または、反射性を有する反射電極となっていてもよい。このような構成となっている場合であっても、フォトクロミック層20によって、コントラスト低下などによる視認性の悪化を低減したり、周囲の環境下で画面が不自然に目立つのを抑制したりすることができる。
【0069】
<3.適用例>
[適用例その1]
以下では、上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置1の適用例について説明する。上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、シート状のパーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0070】
図13は、本適用例に係る電子機器2の外観を斜視的に表したものである。電子機器2は、例えば、筐体310の主面に表示面320を備えたシート状のパーソナルコンピュータである。電子機器2は、電子機器2の表示面320に、上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置1を備えている。上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置1は、表示パネル10が電子機器2の表面側を向くように配置されている。本適用例では、上記実施の形態およびその変形例に係る表示装置1が表示面320に設けられているので、コントラストの高い電子機器2を実現することができる。
【0071】
以上、実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0072】
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
映像表示面と、前記映像表示面の下に設けられ、有機発光層を含む複数の画素とを有する表示パネルと、
紫外光により発色し可視光により消色もしくは淡色化するフォトクロミック層と、
紫外光吸収層と
を備えた
表示装置。
(2)
前記フォトクロミック層および前記紫外光吸収層は、前記有機発光層から見て前記映像表示面とは反対側にこの順で設けられている
(1)に記載の表示装置。
(3)
前記有機発光層は、電流印加により可視光および紫外光を含む光を発する有機層によって構成されている
(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)
前記表示パネルは、電流印加により紫外光を発する紫外発光層を更に有する
(1)または(2)に記載の表示装置。
(5)
前記紫外発光層は、前記有機発光層と電気的に直列に接続されている
(4)に記載の表示装置。
(6)
前記画素は、前記有機発光層を含む第1副画素と、前記紫外発光層を含む第2副画素とを含んで構成されている
(4)に記載の表示装置。
(7)
前記紫外発光層は、前記有機発光層から見て前記映像表示面とは反対側に設けられている
(5)に記載の表示装置。
(8)
前記表示パネルと、前記フォトクロミック層との間に設けられた導光板と、
前記導光板のエッジに紫外光を照射する紫外光源と
を更に備えた
(1)または(2)に記載の表示装置。
(9)
前記フォトクロミック層および前記紫外光吸収層は、前記有機発光層から見て前記映像表示面側にこの順で設けられている
(1)に記載の表示装置。
(10)
前記表示パネルは、前記有機発光層から見て前記映像表示面側に、電流印加により紫外光を発する紫外発光層を更に有する
(9)に記載の表示装置。
(11)
前記紫外発光層は、スイッチを介して、前記有機発光層と電気的に並列に接続されており、
当該表示装置は、前記表示パネルを駆動する駆動部を更に備え、
前記駆動部は、前記スイッチを制御することにより、前記有機発光層への電流印加と、前記紫外発光層への電流印加とを切り替える
(10)に記載の表示装置。
(12)
前記表示パネルは、前記映像表示面内に、当該表示パネルの背後からの可視光を透過する光透過領域を有する
(1)から(11)のいずれか1つに記載の表示装置。