(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記凹部は、前記封止基板に、第1の深さの底部と、前記底部と前記封止基板の内側面の間に前記底部に対して鈍角をなす側面とを含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
前記充填シールパターンの垂直断面積は、前記充填シールパターンと連結された前記シールパターンの断面積の0.1倍〜0.4倍である、請求項1に記載の有機発光表示装置。
前記サブピクセルは、前記基板上に、少なくとも一つの薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタを覆うオーバーコート層と、前記オーバーコート層上に前記薄膜トランジスタと電気的に連結されるように形成され、第1電極、有機発光層及び第2電極が積層されてなる有機発光ダイオードとを含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【背景技術】
【0002】
近年、本格的な情報化時代に入るにつれて、電気的情報信号を視覚的に表現するディスプレイ分野が急速に発展している。これに応じて、薄型化、軽量化及び省電力化の優れた性能を有する多様な平面表示装置(Flat Display Device)が開発され、既存のブラウン管(Cathode Ray Tube:CRT)と急速に置き換わっている。
【0003】
このような平面表示装置の具体的な例としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display device:LCD)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel device:PDP)、電界放出表示装置(Field Emission Display device:FED)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Device:OLED)などが挙げられる。
【0004】
これらの装置のうち、追加の光源を必要とせず、装置のコンパクト化及び鮮やかなカラー表示を行えることから、有機発光表示装置は、競争力のあるアプリケーションと考えられている。
【0005】
このような有機発光表示装置は、各サブピクセルに、独立して駆動する有機発光素子を備える。有機発光素子は、正極と、負極と、正極と負極の間に有機発光層を含む有機層とを含んでなる。
【0006】
一方、有機発光表示装置は、一例として、下板側に各サブピクセルに対応して薄膜トランジスタと有機発光素子を有するアレイ構成を有し、水分に弱い有機発光素子を封止するために封止基板をアレイに対向させて備える。また、下板と封止基板との間の周縁部を取り囲むように上下に位置し、封止基板と下板とを側面の外気から封止するシールパターンを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
一般に、シールパターンは封止基板側に塗布され、封止基板と下板は対向させて合着される。この際、シールパターンを塗布する始点と終点が重畳する場合にのみシールパターンの内部に外気が浸透することなしに封止できる。このため、シールパターンの重畳は必然的に発生する。よって、シールパターンの始点と終点が重畳した部位では、シールパターンの量が過剰に残存しているため、合着後にこの部位のシールパターンの幅が他の領域より増加しており、合着過程の圧力が加わればその幅はさらに増加することになる。このように、同一幅でシールパターンを形成する一般的な方式では、始点と終点の重畳による量不良によって、シールパターンの幅が制御されない部位が発生する。よって、表示に使用されない非アクティブ領域を遮るベゼル領域の幅が広くなるため、狭額縁(ナローベゼル)を具現化できない。
【0008】
また、シールパターンの重畳によってシールパターン物質が過剰量で塗布された部位では、合着によって大きな圧力が加わる場合、シールパターン物質がアクティブ領域に入り込む問題も発生することがある。しかし、現在の有機発光表示装置の構造では、この問題に対する解決策は全くないのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであり、合着のために両基板間に塗布されるシールパターンの量不良を防止するために封止基板側の形状を変更した有機発光表示装置及びその製造方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の有機発光表示装置及びその製造方法は、シールパターン物質の塗布始点と終点に対応して、封止基板の形状を変更することで、過剰量のシールパターン物質を収容し、領域別にシールパターンの幅の均一化を図ることができ、これにより狭額縁を具現化できる。
【0012】
本発明の一実施例による有機発光表示装置は、互いに対向するとともに、複数のサブピクセルを含むアクティブ領域と前記アクティブ領域の周りの非アクティブ領域とをそれぞれ有する基板及び封止基板と、前記封止基板の前記非アクティブ領域の一部に設けられた凹部と、前記基板と前記封止基板との間の前記非アクティブ領域に閉ループ状に同一の高さで設けられたシールパターンと、前記シールパターンと同一物質で、前記シールパターンと重畳して前記凹部に満たされた充填シールパターンと、を備えることができる。
【0013】
前記シールパターンと前記充填シールパターンは一体型であり、同一幅を有してもよい。
【0014】
前記凹部は、前記封止基板に、第1の深さの底部と、前記底部と前記封止基板の内側面の間に前記底部に対して鈍角をなす側面とを含むことができる。
【0015】
前記第1の深さは、前記封止基板の前記アクティブ領域の厚さの0.1倍〜0.6倍であってもよい。
【0016】
前記凹部において、前記側面が前記底部に対してなす前記鈍角は125°〜145°であってもよい。
【0017】
前記充填シールパターンの垂直断面積は、前記充填シールパターンと連結された前記シールパターンの断面積の0.1倍〜0.4倍であってもよい。
【0018】
前記サブピクセルは、前記基板上に、少なくとも一つの薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタを覆うオーバーコート層と、前記オーバーコート層上に前記薄膜トランジスタと電気的に連結されるように形成され、第1電極、有機発光層及び第2電極が積層されてなる有機発光ダイオードとを含むことができる。
【0019】
前記サブピクセルの各々に対応して、前記封止基板上にカラーフィルター層をさらに含むことができる。
【0020】
また、前記基板上に、前記有機発光ダイオードを覆う保護膜をさらに含み、前記保護膜は前記シールパターンの幅と一部が重畳することができる。
【0021】
そして、前記基板と前記封止基板との間の前記シールパターンの内側領域にフィル材をさらに含むことができる。
【0022】
また、前記目的を達成するための本発明の有機発光表示装置の製造方法は、複数サブピクセルを含む第1アクティブ領域と前記第1アクティブ領域の周りの第1非アクティブ領域を有する基板を準備するステップと、前記基板の前記第1アクティブ領域及び前記第1非アクティブ領域にそれぞれ対応して、第2アクティブ領域及び第2非アクティブ領域を有する封止基板を準備するステップと、前記第2非アクティブ領域の一部に凹部を設けるステップと、前記凹部に対応する始点及び終点を有する閉ループ内にシールパターン物質を塗布するステップと、前記基板上に前記シールパターン物質が対向するように前記基板と前記封止基板とを合着するステップと、を備えることができる。
【0023】
そして、前記基板と前記封止基板を合着するステップにおいて、前記シールパターン物質で前記凹部を満たしてなる充填シールパターンと、前記充填シールパターンと重畳し、非アクティブ領域に同一の高さを有するシールパターンとを形成することができる。
【0024】
前記シールパターン物質を塗布するステップにおいて、前記シールパターン物質は、前記始点と前記終点に対応して前記凹部を2回通ることができる。
【0025】
前記凹部を設けるステップにおいては、前記封止基板に、第1の深さの底部と、前記底部と前記封止基板の内側面の間に前記底部に対して鈍角をなす側面とを備えるように前記凹部を形成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の有機発光表示装置及びその製造方法は、以下のような効果を奏する。
【0027】
第1の効果としては、凹部を備えることにより、シールパターン物質の塗布時に、特定領域のシールパターン物質の過剰塗布を防止し、これによって全ての非アクティブ領域に一定の幅でシールパターンを形成することができる。
【0028】
第2の効果としては、凹部を備えることによって過剰充填量の調節が可能であって、シールパターンの周りに工程マージンを考慮して非アクティブ領域を増やさなくてもよいため、非アクティブ領域を減らすことができる。これにより、狭額縁(ナローベゼル)を具現化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付図面に基づいて詳細に後述する実施例を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施例に限定されるものではなく、相異なる多様な形態として具現化し得る。単に、本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は、請求範囲の範疇によって定義される。
【0031】
本発明の実施例を説明するための図面に開示した形状、寸法、比率、角度、個数などは例示的なものであり、本発明が図示の事項に限定されるものではない。明細書全般にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を指す。また、本発明の説明において、関連する公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0032】
本明細書上での言及に‘含む’、‘有する’、‘なる’などが使用される場合、‘〜のみ’が使用されていない限り、他の部分が付加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合もある。
【0033】
構成要素の解釈において、別個の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0034】
位置関係について説明する場合には、例えば、‘〜上に’、‘〜の上部に’、‘〜の下部に’、‘〜のそばに’などで二つの部分の位置関係を説明する場合、‘すぐ’又は‘直接’が使用されていない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもある。
【0035】
時間関係について説明する場合には、例えば、‘〜の後に’、‘〜に引き続き’、‘〜の次に’、‘〜の前に’などで時間的先後関係を説明する場合、‘すぐ’又は‘直接’が使用されない限り、連続的ではない場合も含むことがある。
【0036】
‘第1’及び‘第2’などが多様な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素はこれら用語によって制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及されている第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0037】
‘少なくとも一つ’という用語は、一つ以上の関連項目から提示可能な全ての組合せを含むものと理解されなければならない。例えば、‘第1項目、第2項目及び第3項目の少なくとも一つ’の意味は、第1項目、第2項目又は第3項目のそれぞれのみならず、第1項目、第2項目及び第3項目のうち、二つ以上から提示可能な全ての項目の組合せを意味する。
【0038】
本発明の幾つかの実施例の各特徴を部分的に又は全体的に互いに結合又は組合せてもよく、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例を互いに独立して実施してもよく、組合せて一緒に実施してもよい。
【0039】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明の有機発光表示装置を示す平面図である。
図2は、本発明の有機発光表示装置の凹部及びこれに対応する合着状態を示す断面図である。
【0041】
図1及び
図2に示すように、本発明の一実施例による有機発光表示装置は、互いに対向し、複数のサブピクセルSub−Pを含むアクティブ領域AAとアクティブ領域AAの周りの非アクティブ領域NAとをそれぞれ有する基板100及び封止基板200と、封止基板200の非アクティブ領域NAの一部に設けられた凹部200aと、基板100と封止基板200との間の非アクティブ領域NAに、閉ループ状に同一の高さで設けられたシールパターン300と、シールパターン300と同一物質で、シールパターン300と重畳して凹部200aに満たされた充填シールパターン300aとを備える。
【0042】
ここで、シールパターン300と充填シールパターン300aは一体型であり、同一幅を有するものである。これは、シールパターン物質の塗布時、塗布部位の重畳によって設けられるためである。
【0043】
また、シールパターン物質を塗布し、基板100及び封止基板200を合着する過程で過剰のシールパターン物質を凹部200aが収容したことにより、シールパターン300は、全体的に、凹部200aが位置する部分又は位置しない部分(シールパターン物質が重畳なしに正常に塗布される部位)で同じ高さを有することができる。
【0044】
凹部200aは、封止基板200において、均一に第1の深さの底部2010と、底部2010と封止基板200の内側面間の底部2010に対して鈍角をなす側面2020とを備える。すなわち、断面上で観察するとき、凹部200aは、台形部位が封止基板200の内側面から除去された形状である。
【0045】
そして、第1の深さdは、封止基板200のアクティブ領域AAの厚さhの0.1倍〜0.6倍であってもよい。すなわち、凹部200aは、一種のエッチング方法で除去されることができ、除去部位において物質を収容可能な程度の幅xを有する。この幅xは、シールパターン物質を塗布する始点SPと終点EP間の間隔に相当するものであり、シールパターン物質が2回塗布される領域に相当する。
【0046】
そして、凹部200aにおいて、側面2020が底部2010に対してなす鈍角は、125°〜145°であってもよい。
【0047】
以下、本発明の有機発光表示装置におけるシールパターン300の塗布方法を具体的に説明する。
【0048】
図3は、
図2の本発明の有機発光表示装置の一実施例による封止基板200を示す断面図である。
図4は、
図3の封止基板200にシールパターン300を塗布する方法を示す断面図である。
【0049】
図2に示すように、封止基板200の一部には、凹部200aが形成される。この時、凹部200aの幅xは、シールパターン物質を塗布する始点SPと終点EP間の間隔にし、第1の深さdは、封止基板200のアクティブ領域AAの厚さhの0.1倍〜0.6倍にする。すなわち、凹部200aは、封止基板200の内側面の一部を除去して形成され、その底部2010は、均一な第1の深さdを有する。
【0050】
そして、
図4に示すように、一方向にディスペンサー500を移動させながら封止基板200にシールパターン物質3000を塗布する。
【0051】
ここで、凹部200aが第1の深さdの底部2010及びその周辺に底部2010に対して125°〜145°の鈍角を有する側面2020を備えるようにした理由を説明する。シールパターン物質3000を塗布するディスペンサー500は、停止状態から塗布を進めるものである。このため、始点SPで一定量が排出されるものではなく、速度0から一定量が排出されるまでに一定時間が掛かる。同様に、終点EPで一定量の塗布から段々とその量が減ることから、一定量が排出される区間に比べてシールパターン物質3000の塗布量に差が生じる。このため、次第に変化するシールパターン物質3000の塗布量に合わせて側面2020に傾斜を付与したものである。
【0052】
また、凹部200aの幅xは、シールパターン物質3000を塗布する過程でシールパターン物質を塗布する始点SPと終点EP間の間隔とし、第1の深さdは、封止基板200のアクティブ領域AAの厚さhの0.1倍〜0.6倍にする。すなわち、封止基板200の内側面の一部を除去して凹部200aを形成するものであり、底部2010は、均一な第1の深さdを有する。厚さhを封止基板200のアクティブ領域AAの厚さの0.1倍以上にする理由は、過剰のシールパターン物質3000を溢れさせずに収容するためである。厚さhを0.6倍以下にした理由は、凹部200aで発生する封止基板200のクラック又は損傷を防止するためである。
【0053】
凹部200aは、シールパターン物質3000の塗布が重畳する位置に形成され、場合によっては、ディスペンサー500の速度が停滞する部分に部分的に備え得る。これは、ディスペンサー500の速度が停滞すれば、停滞した部位の塗布量は他の領域よりも増加し、この部分のシールパターン300の幅が増加することがあるため、過剰のシールパターン物質3000を封止基板200内に収容するためである。例えば、
図1のように、ディスペンサー500が封止基板200の4辺を通るとき、各コーナーでは方向が転換されるため、速度を調節することが必須である。よって、コーナーに凹部200aをさらに備えることもできる。この場合、コーナーに備えられた凹部200aは、シールパターン物質3000の塗布の始点SPと終点EPとでは、違う形状及び深さを有することがある。
【0054】
したがって、
図3のシールパターン物質3000の塗布工程を封止基板200で完了し、封止基板200と基板100を合着し、続いて熱硬化を完了すれば、
図4のように、封止基板200と基板100との間に、熱硬化したシールパターン300と封止基板200の凹部200aに充填された充填シールパターン300aとが形成される。
【0055】
シールパターン300と充填シールパターン300aは、
図3のシールパターン物質塗布の始点SPと終点EP間の間隔x内で一体型である。
【0056】
そして、
図4において、充填シールパターン300aの垂直断面積は、充填シールパターン300aと連結されたシールパターン300の断面積の0.1倍〜0.4倍であってもよい。
【0057】
上述した凹部200aを備えることで、シールパターン物質3000を塗布するとき、特定領域のシールパターン物質3000の過剰塗布が防止される。これにより、全ての非アクティブ領域NAに一定の幅でシールパターン300を形成することができる。また、凹部200aによって過剰充填量を調節することができるため、シールパターン300の周りに工程マージンを考慮して非アクティブ領域NAを増やさなくても良くなり、非アクティブ領域NAを減らすことができる。
【0058】
一方、
図2〜
図4に示した図面では、封止基板200にシールパターン物質3000を塗布する過程で、封止基板200を下側とし、封止基板200の内側面を上部とし、上部に薄膜トランジスタアレイを有する基板100が位置する状態を示した。実際の合着時又は合着完了後には基板100が下側となり、封止基板200が上側となる反転した状態であってもよい。
【0059】
また、
図2〜
図4の断面図は、いずれもシールパターン300が塗布される非アクティブ領域を示したものであり、アクティブ領域の構成は下記の図面を参照する。
【0060】
本発明の有機発光表示装置は、上述した凹部200aを含む封止基板200の構成によってシールパターン300の塗布時に過剰塗布量を制御することができる。
【0061】
以下、アレイ構成を含めて本発明の有機発光表示装置を具体的に説明する。
【0062】
図5は、
図1のI〜I’線に沿った断面図である。
図6は、
図1のII〜II’線に沿った断面図である。
図7は、
図1のIII〜III’線に沿った断面図である。
【0063】
アクティブ領域AAの各サブピクセルは、少なくとも一つの薄膜トランジスタTFTと、薄膜トランジスタTFTを覆うオーバーコート層141と、オーバーコート層141上に、薄膜トランジスタTFTと電気的に連結され、第1電極151、有機発光層171及び第2電極181が積層されてなる有機発光ダイオード(OLED)とを有する。有機発光層171は、単層として示されているが、これは一例に過ぎず、実質的に発光するEL層、その下部及び上部に備えられる正孔関連層及び電子関連層をさらに備えて複数層に形成され得る。
図5〜
図7の断面図のうち、パッド部及びこれと隣り合うアクティブ領域AAを示す
図5にのみ薄膜トランジスタTFTが示されているが、これに限られない。
図6のゲートパッド部に隣り合うアクティブ領域と
図7の非パッド部に隣り合うアクティブ領域にも薄膜トランジスタTFTが備えられる。
【0064】
参考として、薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極112、半導体層122、半導体層122の両側と接続されたソース電極136及びドレイン電極137からなる。ゲート電極112と半導体層122の間には、ゲート絶縁膜131が介在する。図示の半導体層122は酸化物半導体であり、ソース電極136及びドレイン電極137のパターニング時にチャネル部を保護するために、エッチストッパー132が備えられている状態を示す。しかし、このような薄膜トランジスタは一例であり、半導体層122は非晶質シリコン、ポリシリコン、又は複数層のシリコン層として備え得る。この場合、エッチストッパー132は省略してもよい。
【0065】
そして、ドレイン電極137は、有機発光ダイオードの第1電極151と電気的に接続される。第1電極151は、反射性金属からなり、第2電極181は、透明金属からなってもよい。反対に、第1電極151が透明金属からなり、第2電極181が反射性電極からなってもよい。前者は上部発光方式、後者は下部発光方式であり、図示のような封止基板200側の透過性を維持する構造は主に上部発光方式で具現化される。
【0066】
パッド電極135の上部には、パッド電極135の酸化防止のために、第1電極151と同一層の金属からなるパッド保護電極153をさらに備えることができる。
【0067】
そして、シールパターン300は、それぞれ両側に第1ダムパターン220と第2ダムパターン162が備えられることにより、その領域が定義される。
【0068】
また、有機発光ダイオードを保護するために、基板100の最上部には第2電極181を充分に覆うように保護膜191がさらに備えられる。保護膜191は概して薄膜トランジスタアレイの絶縁膜であるゲート絶縁膜131及び層間絶縁膜138よりは相対的に厚い無機絶縁膜であり、SiONなどからなってもよい。これは、基板100と封止基板200の間に残存している異物が有機発光ダイオードに透湿することを主に防止することができる。バッファー層121、ゲート絶縁膜131及び層間絶縁膜138は、無機膜であり、上部のオーバーコート層141、バンク161及び第1〜第4ダムパターン220、162、210a、210bは有機物質からなる。
【0069】
以上では、基板100上に備えられる第1ダムパターン220と第2ダムパターン162について説明したが、ダムの機能は、
図5〜
図7のように、封止基板200も有してもよい。基板100に対向する封止基板200の一表面上に、第1ダムパターン220及び第2ダムパターン162と対向する第3ダムパターン210a及び第4ダムパターン210bをさらに含むことができる。
【0070】
一方、サブピクセルSub−Pの境界部に有機発光ダイオード(OLED)の発光部を定義するバンク161をさらに備えることができる。ここで、バンク161は、ブラックレジンを含むことができる。そして、このようなバンク161は有機物からなり、オーバーコート層141と同様に1μm〜5μmの厚さを有することができ、好ましくは1.1μm〜3μmの厚さを有することができる。
【0071】
ここで、オーバーコート層141は、薄膜トランジスタTFTと第1電極151が連結されるコンタクトホールを除いてアクティブ領域AAの全体をカバーするように形成され、アクティブ領域の外側にも伸びてシールパターン300とも一部が重畳することができる。ここで、第1辺〜第4辺の非アクティブ領域(パッド部、両側GIP部及び非パッド部)においてシールパターン300と重畳する幅が相違することもある。これは、各辺の非アクティブ領域NAのオーバーコート層141の下部構成が相違することによって、下部構成が占める体積が相違するため、このような各辺の体積差をオーバーコート層141の重なり具合によって補償するためである。
【0072】
図5に示すように、パッド部は短絡バー配線152が備えられた領域よりも外側にオーバーコート層141を備える。短絡バー配線152は、第1電極151と同一層の金属材料から形成することができる。オーバーコート層141の下側には、それぞれ2000Å前後の薄さの層間絶縁膜138及びゲート絶縁膜131が位置する。これは、短絡バー配線152がオーバーコート層141の外側に突出して層間絶縁膜138上に位置するとき、このような薄い絶縁膜にピンホールが発生すると、短絡バー配線152とソースリンク配線111間に短絡が発生することがあるから、これを防止するためである。すなわち、厚いオーバーコート層141は、少なくともソースリンク配線111が位置する部位において短絡バー配線152の下側に位置する。これにより、薄膜の層間絶縁膜138及びゲート絶縁膜131にダメージがあっても、短絡バー配線152とソースリンク配線111の絶縁を維持することができる。また、短絡バー配線152の電位を安定化するために、短絡バー配線152の上部を第2電極181が覆うことになる。よって、第2電極181は、下側のソースリンク配線111又はゲート金属層113のような金属が位置する部位ではオーバーコート層141の上部まで形成される。これは、前述した薄い層間絶縁膜138及びゲート絶縁膜131のピンホールによって引き起こされる下側金属層との短絡を防止するための機能と同様の機能である。
【0073】
図5及び
図6に示すように、パッド部及びゲートパッド部では、オーバーコート層141の下側に金属層が位置し、オーバーコート層141の上部まで第2電極181が位置する。
図7に示すように、オーバーコート層141の下側に金属層が位置しない非パッド部では、第2電極181がオーバーコート層141の側部を覆うとともに、隣接した層間絶縁膜138の上側まで位置することができる。
図7の場合でも、第2電極181は、ゲートグラウンド配線114とは重畳させないことが短絡防止と同じ目的で好ましい。ここで、
図7に示すように、第2電極181は、アクティブ領域全部と外側の一部で一体型であり、シールパターン300とは一部が重畳してもよく、アクティブ領域の外側で短絡バー配線152と電気的に連結され得る。
【0074】
図5〜
図7において、基板100上の構成のうち、説明しなかった符号121は、バッファー層を指すものであり、基板100側の不純物が基板100上に形成される構成要素に流入することを防止するために備えられる。もしくは、バッファー層121は、基板100上で特定の処理が行われるとき、これによる影響を防止するために備えられる。
【0075】
第1ダムパターン220は、下側のダミーオーバーコート層142と上側のバンク層163が積層されることで配置される。ここで、ダミーオーバーコート層142は、オーバーコート層141と同一層であるが離隔している。バンク層163は、バンク161と同一層であるが離隔している。第2ダムパターン162は、バンク161と同一層であるが離隔している。
【0076】
この場合、第1ダムパターン220及び第2ダムパターン162は、オーバーコート層141及びバンク161と同一工程で製造され得る。
【0077】
そして、第3ダムパターン210aと第4ダムパターン210bは、封止基板200側に備えられたブラックマトリックス層(図示せず)又はカラーフィルター層(図示せず)と同一工程によって互いに離隔するように構成されることができる。このようなダムパターン間の離隔及びダムパターンと内部オーバーコート層又は内部ブラックマトリックス層又はカラーフィルター層間の離隔は、水分透湿経路を遮断するためである。ブラックマトリックス層は、基板100上に備えられるバンク161と対応する形状であってもよく、カラーフィルター層は、各サブピクセルの有機発光ダイオードに対応して備え得る。この場合、カラーフィルター層は、ブラックマトリックス層と両側で重畳してもよい。
【0078】
ここで、基板100と封止基板200において、平面上で同一位置の第1ダムパターン220と第3ダムパターン210aを包括してシールパターン300の外側ライン(outer line)を定義する第1ダムD1と言い、第2ダムパターン162と第4ダムパターン210bを包括してシールパターン300の内側ライン(inner line)を定義する第2ダムD2という。これらの第1及び第2ダムD1、D2を通称してダムDと言い、本発明の有機発光表示装置はダムDの幅Wが第1〜第4辺の非アクティブ領域で同一である。
【0079】
シールパターン300は、初期粘性を有する液状の材料からなり、接着成分のエポキシなどの有機材料成分と光開始剤又は熱開始剤を含む高分子材料を主成分とし、前記高分子材料内に吸湿機能を有する複数のゲッターが分散されている。この場合、個々のゲッターは、塩化カルシウム、シリカゲル、活性アルミナ、塩化リチウム、トリエチレングリコールのいずれか1種であってもよく、液状の高分子材料内に固体成分として直径0.5μm〜3μmの球又は最大長が0.5μm〜3μmの円柱又は多面体であってもよいし、これらは初期のシールパターン300を成す液状材料内に分散されて液状材料の硬化によってシールパターン300内に位置が固定される。そして、ゲッターは、側面から浸透する水分及び外気がシールパターン300内に浸透することを防止することで、アクティブ領域に位置する有機発光アレイを水分又は外気から保護する。また、シールパターン300は、薄膜トランジスタアレイ及び有機発光アレイが完全に形成された基板100上に、又はブラックマトリックス層及びカラーフィルター層のアレイが完全に形成された封止基板200の非アクティブ領域に、アクティブ領域AAの外周を取り囲むように塗布される。工程上、粘性を有する液状の材料は恒常性をもって塗布されるから、塗布時点では領域別に同一幅である。しかし、この材料は液状の材料であり、流動性によって基板100上の表面偏差があるとき、基板100と封止基板200の合着後に圧力が加われば拡散性が変わることがある。シールパターン300は、合着後に基板100と封止基板200間の間隔が一定程度になったとき、これが熱又はUVによって硬化して固体状態に維持されることにより、基板100と封止基板200間の間隔を一定に維持することができる。
【0080】
実質的に、基板100は、アクティブ領域AA内のサブピクセルSub−Pを駆動するために、第1〜第4辺(パッド部、両側ゲートパッド部及び非パッド部)の非アクティブ領域に配線及び駆動部を有しなければならず、信号を伝達するソースドライバー(図示せず)又はフレキシブルプリント回路基板(図示せず)の配置によって配線及び駆動部が他の辺に配置され得る。よって、薄膜トランジスタアレイと一緒に形成される基板100上の第1〜第4辺の非アクティブ領域に表面密度差が生じる。パッド部Pは、ある非アクティブ領域の第1辺のアクティブ領域AAにおいて、非アクティブ領域の複数のパッド電極(
図5の135参照)にそれぞれ連結されたソースリンク配線111を備えていなければならない。この場合、ソースリンク配線111は、アクティブ領域にデータラインの数以上で設けられなければならない。このため、実質的に、第1辺の非アクティブ領域では配線密集度が高い。参考として、アクティブ領域AAに備えられるゲートライン(図示せず、
図5の112と同一層)は横方向に、データライン(図示せず)は縦方向に、それぞれサブピクセルSub−Pの境界部に位置する。ここで、ソースリンク配線111は、データラインに信号を印加する配線であり、アクティブ領域AAの下側端とパッド部Pの間に配置される。図示のソースリンク配線111は、ゲートライン及びゲート電極112と同一層に位置する。ここで、ソースリンク配線111は、パッド部Pに備えられたパッド電極135と電気的に接続され得る。場合によっては、ソースリンク配線111をデータライン(136、137と同一層)と一体型に形成することもできる。
【0081】
一方、パッド部は、ソースリンク配線111と連結されるパッド電極だけでなく、ゲートパッド部にゲート駆動電圧信号、ゲートグラウンド信号及びゲートクロック信号を伝達するパッド電極(図示せず)をさらに含む。この場合、データ関連信号を伝達するパッド電極がパッド部の中央部に位置するとき、これらのゲート関連信号を伝達するパッド電極はその両方の外側に位置する。
【0082】
一方、複数のパッド電極は、封止基板200より突出する基板100のパッド部に備えられ、パッド部に連結されるようにソースリンク配線111がパッド部Pとアクティブ領域AAの間に位置する。ソースリンク配線111は、パッド部Pから
図1で縦方向に伸びてシールパターン300と重畳して、アクティブ領域AAの下側の外周にあるデータライン(
図5の136、137と同一層)と一体型に連結される。
【0083】
また、ゲートパッド部GP1、GP2は、各ゲートラインに対応してゲート回路ブロックを有し、ゲート回路ブロックは、シフトレジスタ、レベルシフター及びバッファーを含み得る。そして、シフトレジスタ、レベルシフター及びバッファーは、複数の配線と複数の薄膜トランジスタの組合せから構成できる。
図6は、第2辺の非アクティブ領域の一面を切断した断面であり、ゲート金属層113及びデータ金属層133がシールパターン300と完全に重畳するものを示す。しかし、これは、配線が通る一断面を示したものであり、実質的に、ゲートパッド部には、複数の薄膜トランジスタと複数の配線を備え得る。このようなゲートパッド部GP1、GP2は、アクティブ領域AAのゲートラインと同一層のゲート金属層113の電極、半導体層122と同一層の材料(図示せず)、データラインと同一層のデータ金属層133の同一層をパターニングすることによって形成することができる。
【0084】
上述したゲートパッド部は、一種のゲートインパネル(Gate In Panel)であり、これは別途のチップ又はフィルムの形態ではなく、ゲートラインを駆動する駆動部を基板100の反対側の非アクティブ領域に内蔵しているものである。すなわち、ゲートパッド部は、複数の薄膜トランジスタと複数の配線が重畳することによって形成され、アクティブ領域AAに形成される薄膜トランジスタTFTの形成時に一緒にパターニングされることによって形成され得る。すなわち、ゲートパッド部は、薄膜トランジスタTFTの形成と同時に、薄膜トランジスタTFTに含まれる金属層と同一のゲート金属層113、データ金属層133及び半導体層122を含む同様の薄膜トランジスタをそれぞれのゲートラインの周縁部と連結することによって構成されるものである。
【0085】
一方、第1ダムパターン220は、下側にオーバーコート層141と同一層のダミーオーバーコート層142をさらに備えることができる。これは、第2ダムパターン162と高さを同一に合わせるためのものであり、第2ダムパターン162がアクティブ領域AAから伸びるオーバーコート層141上に形成されるためである。これにより、シールパターン300が拡散するとき、低いダムパターンを越えることを防止できる。
【0086】
そして、第1ダムパターン220は、オーバーコート層141から離隔し、有機材料のみからなっている。このため、第1ダムパターン220に一部の水分が透湿しても、アクティブ領域AAに一体に形成されたオーバーコート層141には伝達されない。
【0087】
そして、第3ダムパターン210a及び第4パターン210bは、封止基板200上にアクティブ領域に対応してブラックマトリックス層(図示せず)とカラーフィルター層230を形成するときに一緒に形成され得る。場合によっては、隣接したサブピクセルSub−Pに備えられた有機発光ダイオードの有機発光層171が、互いに異なる色を発光する他の色相の発光層が適用されれば、封止基板200はブラックマトリックス層が省略された状態で備え得る。カラーフィルター層が封止基板200に備えられた場合は、各サブピクセルSub−Pの有機発光層171は、同一に白色を発光する発光層であってもよい。サブピクセルSub−Pは、基板100上に、少なくとも一つの薄膜トランジスタTFTと、薄膜トランジスタTFTを覆うオーバーコート層141と、オーバーコート層141上に薄膜トランジスタTFTと電気的に連結されるように形成され、第1電極151、有機発光層171及び第2電極181が積層されてなる有機発光ダイオードOLEDとを含む。
【0088】
一方、断面上で、基板100の最上面及び封止基板200の最上面間のシールパターン300内の領域には、フィル材250が備えられる。これにより、基板100と封止基板200間の間隔を維持することができる。フィル材250は、合着後の充填過程でシールパターン300と接することがある。しかし、互いに材料が相違し、シールパターン300の仮硬化又は硬化後に、フィル材250がシールパターン300に隣り合うように充填されるため、互いに干渉は発生しない。
【0089】
上述した本発明の有機発光表示装置は、ダムパターン幅の制御のためにシールパターン物質3000を塗布する封止基板200内に凹部200aを形成して、過剰のシールパターン物質3000を収容することができる空間を備えることを特徴とする。
【0090】
特に、凹部200aは、シールパターン物質3000を塗布する始点と終点間の領域だけでなく、ディスペンシング過程の停滞によって塗布量の不良が発生する地点にも適用することができる。このため、封止基板200の全領域に塗布されたシールパターン物質3000の幅を容易に制御できる。
【0091】
特に、段々と外側領域を減らす近年の趨勢に応じて、領域別に凹部の形態を異にすることで、封止基板200の適用時に実質的に基板100と封止基板200の間に残存するシールパターン300の幅を全体的に減らすことができるので、狭額縁化を容易に具現化できる。
【0092】
一方、以上で説明した本発明は、上述した実施例及び添付図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多くの置換、変形及び変更が可能であることが本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者には明らかであろう。