特許第6817293号(P6817293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6817293
(24)【登録日】2020年12月28日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】浮動クランプリングアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B21D 51/26 20060101AFI20210107BHJP
   B21D 22/22 20060101ALI20210107BHJP
   B21D 22/28 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   B21D51/26 R
   B21D22/22
   B21D22/28 L
   B21D22/28 K
【請求項の数】18
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-512309(P2018-512309)
(86)(22)【出願日】2016年9月1日
(65)【公表番号】特表2018-529524(P2018-529524A)
(43)【公表日】2018年10月11日
(86)【国際出願番号】US2016049895
(87)【国際公開番号】WO2017040780
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2019年8月30日
(31)【優先権主張番号】62/213,408
(32)【優先日】2015年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518070917
【氏名又は名称】プライド エンジニアリング リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】ザウアー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】バラマット,ラス
(72)【発明者】
【氏名】ガドウ,デイヴ
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−528296(JP,A)
【文献】 米国特許第07290428(US,B2)
【文献】 米国特許第04503702(US,A)
【文献】 特表2001−516643(JP,A)
【文献】 特開2001−082606(JP,A)
【文献】 実開昭61−032860(JP,U)
【文献】 特開平02−006600(JP,A)
【文献】 特開平10−095368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 51/26
B21D 22/22
B21D 22/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動ラムが取り付けられた缶体製造機を有する缶底成形アセンブリのクランプリングアセンブリであって、該クランプリングアセンブリが、クランプリング保持器と、クランプリングと、内側ドームダイと、を備え、前記クランプリングが付勢アセンブリを有し、前記クランプリングが、前記クランプリング保持器及び前記内側ドームダイに対して移動可能であって、
ここで、前記クランプリングが周方向チャネルを有し、前記付勢アセンブリが、前記周方向チャネル内に配置された多重封止部材と連動スライドリングとを備え、およびここで、前記内側ドームダイは、フランジとテーパ状側壁とを有し、それにより、前記クランプリングが伸長位置にあるときに、前記クランプリングと前記ドームダイとの間に隙間を提供する前記クランプリングアセンブリ
【請求項2】
前記多重封止部材が、少なくとも半径方向に実質的に圧縮可能である請求項に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項3】
前記多重封止部材が、少なくとも2つのほぼ平らな対向端部と、軸線方向に延びる少なくとも2つの隆起部材と、を備える請求項に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項4】
前記多重封止部材が周縁隆起部を有し、フルオロエラストマーから構成される請求項に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項5】
前記テーパ状側壁が、前記内側ドームダイの前記フランジに対しておよそ91°の角度をなして配置される請求項に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項6】
缶底成形機に用いるクランプリングアセンブリにおいて、
a)クランプリング保持器と、
b)連動付勢部材を保持する周方向チャネルを有したクランプリングと、
c)フランジ及びテーパ状側壁を有する内側ドームダイと、
を備える前記クランプリングアセンブリ。
【請求項7】
前記クランプリングの前記連動付勢部材が、スライドリングと、多重封止部材と、を備える請求項に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項8】
前記内側ドームダイの前記テーパ状側壁が、前記フランジに対して約90.5〜91.5°の角度範囲をなして配置され、これによって、前記内側ドームダイがわずかに円錐状になる請求項に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項9】
前記多重封止部材が多面断面形状を有する請求項に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項10】
前記多重封止部材が、フルオロエラストマーから構成される請求項に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項11】
可動ラムが取り付けられた缶体製造機を有する缶底成形アセンブリのクランプリングアセンブリであって、該クランプリングアセンブリが、クランプリング保持器と、クランプリングと、内側ドームダイと、を備え、前記クランプリングが、その中に周方向チャネルと、該周方向チャネル内に配置された連動付勢アセンブリと、を有し、該付勢アセンブリが、多重封止部材と、連動スライドリングと、を備え、これによって、前記クランプリングが、前記クランプリング保持器及び前記内側ドームダイに対して移動可能になる前記クランプリングアセンブリ。
【請求項12】
前記多重封止部材が、少なくとも半径方向に実質的に圧縮可能である請求項11に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項13】
前記多重封止部材が、少なくとも2つのほぼ平らな対向端部と、軸線方向に延びる少なくとも2つの隆起部材と、を備える請求項11に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項14】
前記多重封止部材が周縁隆起部を有し、フルオロエラストマーから構成される請求項13に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項15】
前記内側ドームダイが、テーパ状側壁を有することによって、前記クランプリングが伸張した位置にあるとき、前記クランプリングと前記ドームダイとの間に隙間を提供する請求項11に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項16】
前記内側ドームダイが、さらに、フランジを有し、前記内側ドームダイの前記テーパ状側壁が、前記フランジに対して約90.5〜約91.5°の角度範囲をなして配置され、これによって、前記内側ドームダイがわずかに円錐状になる請求項15に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項17】
前記多重封止部材が、2つの端部と、中間部分と、該中間部分を画定する間隔を置いて配置された1対の周縁隆起部と、を有し、該周縁隆起部が、非圧縮状態にあるときに、前記クランプリングの前記周方向チャネル内において接触関係にあり、前記中間部分が、圧縮状態にあるときに、前記周方向チャネルの方へ外側に膨らむように構成及び配置される請求項13に記載のクランプリングアセンブリ。
【請求項18】
前記内側ドームダイの前記テーパ状側壁が、前記フランジに対しておよそ91°の角度をなして配置される請求項16に記載のクランプリングアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年9月2日に出願された米国仮特許出願第62/213,408号の利益を主張し、当該仮特許出願は、参照により本明細書に全体が援用される。
【0002】
本アセンブリは、概して、金属容器の製造に用いられるアセンブリに関する。具体的には、アセンブリは、スチール製及びアルミ製のツーピース缶の底部の絞り加工及び成形に用いられる缶底成形アセンブリに用いるクランプリング保持アセンブリに関する。
【発明の概要】
【0003】
クランプリングを浮動させて缶体製造パンチの位置の変化に対応する、クランプリングアセンブリを開示する。クランプリングアセンブリには、クランプリング及び内側ドームダイ又はドームプラグの芯出し及び付勢制御を向上させる構成部品が配置され構成されている。クランプリング保持器は、浮動クランプリングを収容するのに設けられる。多面形状の圧縮性部材又は多重封止部材(multiseal member)と、連動スライドリングとから構成される付勢アセンブリは、クランプリングの周方向チャネルに設けられ、クランプリングを缶底成形アセンブリ内に付勢又は浮動させる。多重封止部材又は成形された圧縮性部材は、クランプリングの周方向チャネル内にスライドリング及び多重封止部材を安定して配置する断面形状を有する。クランプリングが静止位置にあるときに、クランプリングとドームダイとの間の隙間を可能にし、そして、クランプリングがパンチに嵌め込まれているときに、クランプリングの芯出しを促進するテーパ状側壁を有する、改良されたドームプラグ又は内側ドームダイが設けられる。ただし、例示的な実施形態の範囲内において、浮動クランプリング構成を、直線状の側方線を有する内側ドームダイを有した缶底成形アセンブリ内において利用することによって、クランプリングと緊密に嵌合し、その結果、内側ドームダイが、浮動クランプリングとともに移動する。
【0004】
例示的な実施形態は、缶底成形機に対するパンチの位置合わせにおいて変化があるときに、材料流れが缶底形状に成形されるように、締付け力を均一に分散させて材料流れを制御することにより、製造パラメータを改善することができる。
【0005】
また、例示的な実施形態は、パンチ/缶底成形機の位置合わせに関して更に多くの操作機会を提供するのと同時に、所望の仕様を満たす缶を製造することもできる。
【0006】
さらに、例示的な実施形態は、ラム移動軸線に沿って、そしてこの軸線に対して垂直にクランプリングを空間的に制御し、これによって、更に優れた缶製造品質、生産及び効率をもたらすこともできる。
【0007】
浮動クランプリングアセンブリの例示的実施形態による、これらの利点及び他の利点は、図面を参照することによって、次の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】クランプリングアセンブリの正面図である。
図2】クランプリングアセンブリの上面図である。
図3図1の線3‐3に沿ったクランプリングアセンブリの断面図である。
図4図3の部分4によるクランプリング付勢要素の拡大断面図である。
図4a図4の多面形状部材又は多重封止部材の拡大断面図である。
図5】クランプリングアセンブリを利用する缶底成形アセンブリの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
クランプリングアセンブリは、缶底成形アセンブリ、例えば、二重駆動缶底成形機(Double Action Bottom Former)という名称の米国特許第4,930,330号(’330号特許)、高サイクル動作用二重駆動缶底成形機(Double Action Bottom Former for High Cyclic Operation)という名称の米国特許第6,490,904 B1号(’904号特許)、缶底成形アセンブリ(Can Bottom Forming Assembly)という名称の米国特許第7,290,428 B2号(’428号特許)、及び、缶底成形アセンブリ(Can Bottom Forming Assembly)という名称の米国特許第7,526,937 B2号(’937号特許)に開示されているものに利用することができ、これらの特許はすべて譲渡により本出願人が所有している。参照により本明細書に援用される、’330号、’904号、’428号及び’937号特許の缶底成形アセンブリは、缶体製造機、具体的には、缶体を保持する缶体製造パンチと連動して用いられるように構成及び配置される。’330号、’904号、’428号及び’937号特許には、缶底成形アセンブリのドームプラグ位置決め構造体が開示されている。
【0010】
’330号、’904号、’428号及び’937号特許には、缶底成形アセンブリに対する缶体製造アセンブリのパンチ又はラムの動作を含む缶底成形工程が記載されている。缶底成形アセンブリは、通常、缶体製造アセンブリと連動するように構成及び配置される。缶底成形機は、高速サイクル缶体製造パンチ上の缶体を受け入れ、クランプリング及びドームプラグを利用し、絞り加工及び最終成形工程によって、ツーピース缶体底部を成形する。クランプリングという用語は、当業界において、圧力リング、ガイドリング又は外側ダイとしても知られている。ドームプラグという用語は、当業界において、内側ドームダイ又はドーム支柱(dome post)としても知られている。缶、飲料又は食品といった特定の製造では、特定の用語の使用を決定することができる。
【0011】
ツーピース缶体の製造では、缶体の壁は、缶体製造アセンブリにより成形され、その操作については、参照により本明細書に援用される、’330号、’904号、’428号及び’937号特許に記載されている。通常、パンチ、すなわち、缶体製造構造体のパンチは、ツールパックから缶体を缶底成形アセンブリのクランプリングに運ぶ。’428号及び’937号特許の改良された缶底成形アセンブリでは、クランプリングは、浮動するように構成及び配置され、これによって、パンチをドーム成形アセンブリ(doming assembly)の中心にガイドし、パンチの出口に再び芯出しする。パンチが缶底成形アセンブリに移動すると、クランプリング構造体は、パンチをドームプラグと軸線方向に芯出しする。ツーピース飲料缶を製造する場合、クランプリングは、ドローリングとして用いられ、缶材料がドームに流れ込むときに缶材料に圧力を加え、そして、材料流れを制御し、しわなどの欠陥を防止する。ツーピース食品缶を製造する場合、クランプリングは、ガイド部材として機能し、パンチの溝を、内側ダイ又はドームプラグの嵌合溝と位置合わせする。
【0012】
ラムの移動軸線に沿って、そしてこの軸線に対して垂直にクランプ又はガイドリングを空間的に制御することは、製造品質、生産及び効率には欠かせない。例示的なクランプリングアセンブリは、パンチに対して缶底成形機のずれがあるときに、材料流れが缶底形状に成形されるように、締付け力を均一に分散させて材料流れを制御する。具体的には、先行技術のクランプリングよりも高い初期抵抗力を付与して、ずれを生じ得るクランプリングのたるみを低減する、浮動クランプリングの付勢アセンブリが提供される。また、付勢アセンブリの要素の構成及び組合せによって、付勢アセンブリの材料の寿命が延び、そして不具合が低減する。さらに、内側ドームダイ又はドームプラグの構成は、クランプリング及びラムの空間的制御を更に促進する。これによって、クランプリングアセンブリ及び改良されたドームプラグは、パンチ/缶底成形機の位置合わせに関して更に多くの操作機会を提供するのと同時に、所望の仕様を満たす缶を製造することができる。
【0013】
クランプリングアセンブリは、缶底成形アセンブリに用いることができ、缶底成形アセンブリは、浮動クランプリングであって、更に大きなラム又はパンチのずれを調整するように、缶体製造機のラム又はパンチと、内側ドームダイとを芯出しする浮動クランプリングを提供する。
【0014】
クランプリングアセンブリ10は、図1図4aに関して示され、説明されており、そして、図5では、缶底成形アセンブリにおける使用が示されている。
【0015】
図1図4aを参照すると、クランプリングアセンブリ10には、クランプリング11の芯出し及び付勢制御を向上させる構成部品が配置され構成されている。浮動クランプリング11を収容するクランプリング保持器12が示されている。クランプリング11を缶底成形アセンブリ内に付勢又は浮動させるように、多面形状の圧縮性部材又は多重封止部材15と、連動スライドリング16と、を備えた浮動又は付勢アセンブリ14が設けられ、缶底成形アセンブリは、例えば、上に参考文献として掲載した、本出願人による’330号、’904号、’428号及び’937号特許に開示されている。クランプリング11を芯出しすることによってパンチ又はラムのずれを更に調整する構成を有した内側ドームダイ13が設けられている。
【0016】
図3を参照すると、クランプリング11内に周方向チャネル17が示され、周方向チャネルは、スライドリング16と、スライドリング16の周方向スロット内に配置される連動多重封止部材15と、から構成されるように示されている付勢又は浮動アセンブリ14を収容するように構成及び配置されている。スライドリング16は、Oリング界面材料よりも寿命を長くするようにされた耐摩耗性材料から製造される。例えば、スライドリング16は、ポリエーテルエーテルケトン熱可塑性プラスチック(PEEK)、又は同様の低摩耗性材料から構成されていてもよい。多重封止部材15は、可撓性の圧縮性材料から構成され、半径方向に圧縮されるように構成及び配置されることが好ましい。例えば、多重封止部材15は、フルオロエラストマー材料又は同様の高分子材料から構成されていてもよい。多重封止部材の材料組成物は、高温条件下において機能するように配合することができる。多面断面形状を有し、そして、クランプリング11の周方向チャネル17内に配置される多面形状部材又は多重封止部材15が示されている。半径方向に圧縮できることによって、多重封止部材15は、可撓性を付与し、ずれたパンチに接触して、クランプリング11を、パンチ及び対応する缶体との軸線方向の位置合わせを向上させる方向に移動させる。ほぼ矩形の又は多面形状の多重封止部材15は、図4に示されており、材料の寿命を延ばし、そして材料の螺旋状化による不具合を防止するため、Oリングとは対照的に、連動スライドリング16とともに利用される。さらに、多重封止部材15は、スライドリング16と大きな表面積により接触し、これによって、高い初期抵抗力が付与され、ずれを生じ得るクランプリング11のたるみが低減する。
【0017】
図4aに示されているように、多重封止部材15は、その断面が示され、ほぼ平らな対向端部30及び31、並びに、これらの対向端部間に外側に延びる1対の隆起部材32及び33を有する。多重封止部材15の構成によって、クランプリング11の周方向チャネル17内に多面形状の多重封止部材15が安定して配置される。多重封止部材15とスライドリング16との組合せは、多重封止部材15が圧縮状態になく、そして、スライドリング16がクランプリング保持器12の壁に接するときに、ドームプラグ13が位置合わせされる高さを有することが好ましい。図4aに示されているように、多重封止部材15の断面形状は、圧縮状態及び非圧縮状態にあるときに、多面形状のリング部材が定位置において安定する性能を示す。外側又は軸線方向に延びる隆起部材32及び33は、安定性を付与し、半径方向に圧縮されると、多重封止部材15の上部、底部及び中間部分が外側に膨らみ、これによって、多面形状のリング部材構造体15の完全性が付与される。
【0018】
図3に示されているように、クランプリング11が、缶体と接しているパンチの前に完全に伸張した位置にあるとき、クランプリングとドームダイ13との間の隙間を可能にするテーパ状側壁18を有する内側ドームダイ13が示されている。隙間は、スライドリング界面に設計された浮動体(float)の量に等しい。例えば、テーパ状側壁18は、内側ドームダイ13のフランジ19に対しておよそ91°の角度をなして、好ましくはおよそ90.5〜91.5°の角度範囲をなして、又は、図3に示されているように、水平方向クランプリング内壁からおよそ0.5〜1.5°の角度範囲をなして、配置されていてもよい。テーパ状側壁18は、クランプリング11がドームダイ13のフランジ19に封止されるまで、缶体を備えたパンチが、クランプリングを移動させると、クランプリングを徐々に芯出しするように設計されている。フランジ19は、缶底部の最終形態において、クランプリング11によって形成された機構が、ドームダイ13によって形成された機構と確実に同心であるようにする。ただし、浮動クランプリング構成を、テーパ状側壁がなく直線状の側方線を有する内側ドームダイを有した缶底成形アセンブリ内において利用することができ、これによって、クランプリングと緊密に嵌合し、その結果、内側ドームダイが、浮動クランプリングとともに移動する。
【0019】
図5は、缶底成形アセンブリ20に用いられているクランプリング保持アセンブリ10を示している。アセンブリ20の一端部のロックナット27内に配置された、クランプリング保持器12、クランプリング11、及びドームダイ13が示されている。クランプリング11のチャネル17内に配置された、浮動又は付勢連動アセンブリ14が示されている。フランジ19及びテーパ状側壁18を有する内側ドームダイ13が示されている。缶底成形アセンブリ20は、全体として、軸線方向室を形成するシリンダハウジング21と、ハウジングピストン25と、を備える。シリンダハウジング21及びドーナツ型ばね23に隣接するカバープレート22が示されている。ドーナツ型ばね23に隣接し、そして、浮動クランプリングアセンブリ10とは反対側のアセンブリ20の端部に配置された、ばね端部プレート24が示されている。缶体製造装置に対して缶底成形アセンブリ20を取り付ける外側ハウジング26及び取付フランジ28が示されている。
【0020】
クランプリング保持アセンブリ10は、缶底成形機に対してパンチのずれがあるときに、材料流れが缶底形状に成形されるように、締付け力を均一にして材料流れを制御することができる。アセンブリ10は、パンチ/缶底成形機の位置合わせに関して更に多くの操作機会を促進するのと同時に、所望の仕様を満たす缶を製造する。
【0021】
本明細書に説明し示した浮動クランプリングアセンブリの実施形態に対して多くの変更が可能であるため、上述の説明及び添付図面は、例示として解釈されるべきであり、限定的な意味により解釈されるべきではない。


図1
図2
図3
図4
図4a
図5