(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6817306
(24)【登録日】2020年12月28日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】回路基板コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/77 20110101AFI20210107BHJP
H01R 13/633 20060101ALI20210107BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
H01R12/77
H01R13/633
H01R13/639 Z
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-530479(P2018-530479)
(86)(22)【出願日】2016年8月31日
(65)【公表番号】特表2018-526803(P2018-526803A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】SG2016050424
(87)【国際公開番号】WO2017039543
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2019年8月30日
(31)【優先権主張番号】10201506887X
(32)【優先日】2015年8月31日
(33)【優先権主張国】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】513275894
【氏名又は名称】アンフェノール・エフシーアイ・アジア・ピーティーイー.・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Amphenol FCI Asia Pte.Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】本山雅彦
(72)【発明者】
【氏名】亀田靖敏
【審査官】
鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−109059(JP,A)
【文献】
特開2015−026447(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0220171(US,A1)
【文献】
特開2014−179300(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0136365(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00−12/91
H01R24/00−24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタであって、
第1の側から第2の側に第1の方向に沿って横方向に延在するハウジングと、前記ハウジングは、前記第1の方向に延びたスロットを有し、
前記ハウジング中に配置されている少なくとも1つの信号接触と、
前記ハウジングの前記第1の側および前記第2の側にそれぞれ取り付けられている1組のロックアームと、
前記ハウジングに結合され、前記1組のロックアームの各々に隣接して位置づけられる1組の作動アームを有する作動部材であって、下方向に向けられた外力で押されたときに、前記下方向に前記1組のロックアームの各々をたわませるように構成された作動部材と、を備え、
各ロックアームはラッチを有し、
前記1組のロックアームは、前記スロット中のクリアランスをブロックするように前記ラッチが位置づけられているロック位置と前記スロット中に前記クリアランスを形成するように前記ラッチが位置づけられているアンロック位置との間で、前記ハウジングに対して弾性的に変形可能である、電気コネクタ。
【請求項2】
前記各ロックアームのラッチは、前記ハウジングの前側に面する傾斜面を有し、
前記スロットに挿入される回路基板の保持部分によって隣接する前記傾斜面上で、前記各ロックアームのラッチは、前記クリアランスを形成するように前記ロック位置から前記アンロック位置に移動し、
前記保持部分が前記傾斜面を通過した後、前記各ロックアームのラッチは、前記クリアランスをブロックするように、前記アンロック位置から前記ロック位置に戻る、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記保持部分が前記傾斜面を通過した後、前記各ロックアームのラッチは、前記回路基板が前記スロットから取り除かれることを防ぐため、前記保持部分を係合するように、前記アンロック位置から前記ロック位置に戻る、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記作動部材は、オリジナル位置とたわんだ位置との間で前記ハウジングに対して弾性的に変形可能であり、
前記各ロックアームのラッチは、前記1組の作動アームが前記オリジナル位置にあるとき、前記ロック位置のままであることが可能であり、
前記たわんだ位置に向けて移動されるとき、前記1組の作動アームは、前記1組のロックアームを前記アンロック位置に動かすように前記1組のロックアームに対してバイアスさせる、請求項2に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記作動部材は、前記1組の作動アームの間を接続する横材をさらに備え、
前記横材は、前記オリジナル位置から前記たわんだ位置に前記1組の作動アームを移動するための外力を受け取る、請求項4に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記作動部材は、前記横材に接続されている1組の側板をさらに備え、
前記1組の側板は、前記ハウジングに固定して取り付けられ、
前記横材と前記1組の作動アームは、前記1組の側板に対して弾性的に変形可能である、請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記ハウジングに移動可能に取り付けられているストッパーをさらに備え、
前記ハウジングと前記横材との間の空間に位置付けられると、前記ストッパーは、前記1組の作動アームが前記オリジナル位置から前記たわんだ位置にたわむこと防ぎ、前記ストッパーが前記空間から取り除かれた後、前記1組の作動アームは、前記オリジナル位置から前記たわんだ位置にたわむことが可能である、請求項6に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記作動部材は、前記横材に接続されているベース部材をさらに備え、
前記ベース部材は前記ハウジングに固定して取り付けられ、
前記横材と前記1組の作動アームは、前記ベース部材に対して弾性的に変形可能である、請求項5に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記作動部材は、前記ベース部材から突出し、前記ハウジング中に配置される少なくとも1つのアース端子さらに備える、請求項8に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのアース端子は、前記スロットの上側に位置付けられているアース接触部分を有し、
前記少なくとも1つの信号端子は、前記スロットの下側に位置付けられている信号接触部分を有する、請求項9に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記作動部材は、前記ベース部材に接続され、前記ハウジングに固定して取り付けられている1組の側板をさらに備える、請求項8に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記ハウジングに取り付けられ、前記スロットの下側に位置付けられているアース接触部分を有する少なくとも1つのアース端子をさらに備える、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの信号端子は、前記スロットの下側に位置付けられている信号接触部分を有する、請求項12に記載の電気コネクタ。
【請求項14】
電気コネクタであって、
第1の側から第2の側に第1の方向に沿って横方向に延在するハウジングと、前記ハウジングは、前記第1の方向に延びたスロットを有し、
前記ハウジング中に配置されている少なくとも1つの信号接触と、
前記ハウジングの前記第1の側および前記第2の側にそれぞれ取り付けられている1組のロックアームとを備え、
各ロックアームはラッチを有し、
前記1組のロックアームは、前記スロット中のクリアランスをブロックするように前記ラッチが位置づけられているロック位置と前記スロット中に前記クリアランスを形成するように前記ラッチが位置づけられているアンロック位置との間で、前記ハウジングに対して弾性的に変形可能であり、
前記各ロックアームのラッチは、前記ハウジングの前側に面する傾斜面を有し、前記スロットに挿入される回路基板の保持部分によって隣接する前記傾斜面上で、前記各ロックアームのラッチは、前記クリアランスを形成するように前記ロック位置から前記アンロック位置に移動し、前記保持部分が前記傾斜面を通過した後、前記各ロックアームのラッチは、前記クリアランスをブロックするように、前記アンロック位置から前記ロック位置に戻り、
前記ハウジングに結合される作動部材をさらに備え、
前記作動部材は、オリジナル位置とたわんだ位置との間で前記ハウジングに対して弾性的に変形可能である1組の作動アームを有し、前記各ロックアームのラッチは、前記1組の作動アームが前記オリジナル位置にあるとき、前記ロック位置のままであることが可能であり、前記たわんだ位置に向けて移動されるとき、前記1組の作動アームは、前記1組のロックアームを前記アンロック位置に動かすように前記1組のロックアームに対してバイアスさせ、
前記作動部材は、前記1組の作動アームの間を接続する横材をさらに備え、前記横材は、前記オリジナル位置から前記たわんだ位置に前記1組の作動アームを移動するための外力を受け取り、
前記作動部材は、前記横材に接続されている1組の側板をさらに備え、前記1組の側板は、前記ハウジングに固定して取り付けられ、前記横材と前記1組の作動アームは、前記1組の側板に対して弾性的に変形可能であり、
前記ハウジングに移動可能に取り付けられているストッパーをさらに備え、前記ハウジングと前記横材との間の空間に位置付けられると、前記ストッパーは、前記1組の作動アームが前記オリジナル位置から前記たわんだ位置にたわむこと防ぎ、前記ストッパーが前記空間から取り除かれた後、前記1組の作動アームは、前記オリジナル位置から前記たわんだ位置にたわむことが可能である、
電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、より具体的には、回路基板コネクタに関する。
【0002】
回路基板コネクタのような電気コネクタは、電子デバイスおよびシステムで広く使用されている。電気接続性を向上させるために、回路基板を回路基板コネクタに固定する要求があることが多い。したがって、回路基板と回路基板コネクタとの間に安全で信頼性の高い接続を確保する必要がある。
【0003】
本発明の実施形態は、ハウジングと、ハウジング中に配置されている少なくとも1つの信号接触と、ハウジングに取り付けられている1組のロックアームとを備える回路基板コネクタを提供する。ハウジングは、回路基板を収容するための、その中に形成されるスロットを有している。各ロックアームは、スロット中に移動可能に配置されるラッチを有している。1組のロックアームは、回路基板をコネクタにロックするために、ラッチがスロットをブロックするように位置付けられているロック位置と、コネクタから回路基板の取り外しを可能にするために、ラッチがスロット中にクリアランスを形成するように位置付けられているアンロック位置との間で、ハウジングに対して弾性的に変形可能である。
【0004】
添付の図面とともに、後続する詳細な説明と添付の特許請求の範囲から、他の特性が明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
添付の図面は、同様の参照番号が、別の説明を通して、同じまたは機能的に類似する要素を指し、以下の詳細の説明と共に明細書中に組み込まれ、明細書の一部分を形成し、さまざまな実施形態を図示して、実施形態にしたがうさまざまな原理および利点を説明するのに役立つ。
【
図1】
図1は、本発明の1つの実施形態にしたがう回路基板コネクタの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1中に描いたような回路基板コネクタ、および、回路基板コネクタに接続される回路基板の斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1中に描いた回路基板コネクタの1組のロックアームと作動部材を示す斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、D−Dに沿った
図5中に描いた金属シールドの部分的断面図である。
【
図7】
図7は、
図1中に示す回路基板コネクタと回路基板コネクタに接続されている回路基板の斜視図である。
【
図8】
図8は、E−Eに沿って
図7中に描いた回路基板コネクタの拡大部分的断面図である。
【
図9】
図9は、F−Fに沿って
図7中に描いた回路基板コネクタの拡大部分的断面図である。
【
図10A】
図10Aは、A−Aに沿った
図1の断面側面図であり、
図1中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスを描いている。
【
図10B】
図10Bは、A−Aに沿った
図1の断面側面図であり、
図1中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスを描いている。
【
図10C】
図10Cは、A−Aに沿った
図1の断面側面図であり、
図1中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスを描いている。
【
図11A】
図11Aは、A−Aに沿った
図1の断面側面図であり、
図1中に描いたように、回路基板コネクタから回路基板を取り外すプロセスを描いている。
【
図11B】
図11Bは、A−Aに沿った
図1の断面側面図であり、
図1中に描いたように、回路基板コネクタから回路基板を取り外すプロセスを描いている。
【
図11C】
図11Cは、A−Aに沿った
図1の断面側面図であり、
図1中に描いたように、回路基板コネクタから回路基板を取り外すプロセスを描いている。
【
図12】
図12は、本発明の別の実施形態にしたがう回路基板コネクタの斜視図である。
【
図13】
図13は、
図12中に示した回路基板コネクタの作動部材とストッパーを示す斜視図である。
【
図14】
図14は、作動部材と作動部材に係合されているストッパーを示す斜視図である。
【
図17A】
図17Aは、H−Hに沿った
図12の断面側面図であり、
図12中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスを描いている。
【
図17B】
図17Bは、H−Hに沿った
図12の断面側面図であり、
図12中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスを描いている。
【
図17C】
図17Cは、H−Hに沿った
図12の断面側面図であり、
図12中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスを描いている。
【
図18A】
図18Aは、H−Hに沿った
図12の断面側面図であり、
図12中に描いたように、回路基板コネクタから回路基板を取り外すプロセスを描いている。
【
図18B】
図18Bは、H−Hに沿った
図12の断面側面図であり、
図12中に描いたように、回路基板コネクタから回路基板を取り外すプロセスを描いている。
【
図18C】
図18Cは、H−Hに沿った
図12の断面側面図であり、
図12中に描いたように、回路基板コネクタから回路基板を取り外すプロセスを描いている。
【
図18D】
図18Dは、H−Hに沿った
図12の断面側面図であり、
図12中に描いたように、回路基板コネクタから回路基板を取り外すプロセスを描いている。
【
図19】
図19は、本発明のさらに別の実施形態にしたがう回路基板コネクタの斜視図である。
【
図20】
図20は、
図19中に描いたような回路基板コネクタと回路基板コネクタに接続される回路基板の斜視図である。
【
図25】
図25は、
図19中に示す回路基板コネクタと回路基板コネクタに接続されている回路基板の斜視図である。
【
図27】
図27は、L−Lに沿った
図25中に描いた回路基板コネクタの拡大部分的断面図である。
【
図28A】
図28Aは、H−Hに沿った
図19中の断面側面図であり、
図19中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスにおけるラッチを示す。
【
図28B】
図28Bは、H−Hに沿った
図19中の断面側面図であり、
図19中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスにおけるラッチを示す。
【
図28C】
図28Cは、H−Hに沿った
図19中の断面側面図であり、
図19中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスにおけるラッチを示す。
【
図29A】
図29Aは、H−Hに沿った
図19中の断面側面図であり、
図19中に描いたように、回路基板コネクタから回路基板を取り外すプロセスにおけるラッチを示す。
【
図29B】
図29Bは、H−Hに沿った
図19中の断面側面図であり、
図19中に描いたように、回路基板コネクタから回路基板を取り外すプロセスにおけるラッチを示す。
【
図29C】
図29Cは、H−Hに沿った
図19中の断面側面図であり、
図19中に描いたように、回路基板コネクタから回路基板を取り外すプロセスにおけるラッチを示す。
【
図30A】
図30Aは、H−Hに沿った
図19の断面側面図であり、
図28A、28B、28C中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスにおける信号接触およびアース端子を示す。
【
図30B】
図30Bは、H−Hに沿った
図19の断面側面図であり、
図28A、28B、28C中に描いたように、回路基板を回路基板コネクタに接続するプロセスにおける信号接触およびアース端子を示す。
【0006】
図1、2、3、4Aおよび4Bを参照すると、回路基板コネクタ100は、ハウジング110、ハウジング110中に配置されている少なくとも1つの信号接触129、ハウジング110に取り付けられている1組のロックアーム112Aおよび112Bを備えている。ハウジング110は、ハウジング110の前側102に開いているスロット107を有している。スロット107は、回路基板50をハウジング110に収容するためのものであり、回路基板50と回路基板コネクタ100の少なくとも1つの信号接触129との間の電気的接続を確立する。ロックアーム112A、112Bそれぞれは、その上に形成されるラッチ124A、124Bを有している。1組のロックアーム122A、122Bは、ロック位置とアンロック位置との間でハウジング110に対して弾性的に変形可能である。
図4B中に実線で示すように、ロック位置において、ラッチ124Aはスロット107中に位置付けられ、スロット107の高さ(full height)107Aをブロックする。
図4B中に点線で示すように、アンロック位置において、ラッチ124A’はスロット107を部分的にブロックするように、すなわち、スロット107の高さ方向にクリアランス107Bを形成するように位置付けられている。
【0007】
図4C中で示すように、各ラッチ124A、124B(
図4C中ではラッチ124Aのみが示されている)は、ハウジング110の前側102に面する傾斜面1242Aを有している。回路基板50は、回路基板コネクタ100に接続するために、ハウジング110の前側102からスロット107に挿入されることになる。回路基板50は、側面に形成されている2つの開口またはノッチ52、54、および、その前端において保持部分51を有している。挿入方向50Aに沿って、スロット107への回路基板50の挿入プロセスの間、保持部分51は、ラッチ124Aの傾斜面1232Aに対して隣接し、たわみ(deflection)方向1244Aに沿って、ラッチ124Aをロック位置からアンロック位置に下方に移動させる。
図4D中に示すように、保持部分51が傾斜面1242Aを通過した後、ラッチ124Aは、ノッチ52に沿って位置付けられ、戻り方向1246Aに沿ってアンロック位置からロック位置に戻ることが可能である。ロック位置において、ラッチ124Aは、回路基板50がスロット107から取り除かれることを防ぐように、スロット107のクリアランス107Bをブロックして、回路基板50の保持部分51を係合する。ラッチ124Bおよびロックアーム122Bは、ラッチ124Aおよびロックアーム122Aと同じ方法で、同じ、対称的な構造および動作を有している。
【0008】
図3および4E中に示すように、回路基板コネクタ100は、ハウジング110に取り付けられている少なくとも1つのアース端子130を含んでいてもよい。アース端子130は、接触部分130Aを有しており、接触部分130Aは、信号接触129の接触部分129Aと同じスロット107の側に配置される。
【0009】
回路基板コネクタ100は、ハウジング110に結合されている作動部材120をさらに含んでいる。作動部材120は、ロックアーム122A、122Bのうちのそれぞれ1つに隣接して位置付けられている1組の作動アーム126A、126Bを有している。
図5、6A、6B、7、8、および、9中に示すように、ロックアーム122Aおよび122Bは、ハウジング110に取り付けられ、それぞれ、作動アーム126Aおよび126Bに隣接して、および、作動アーム126Aおよび126Bの下方向406に配置され、作動アーム126Aおよび126Bの下方向406への動きは、それぞれロックアーム122Aおよび122Bを駆動し、オリジナル(ロック)位置からアンロック位置への下方向406にたわませることができる。ロックアーム122Aと122Bのそれぞれは、それぞれ、上方向408に突出するラッチ124Aと124Bを有している。1組の作動アーム126A、126Bがオリジナル位置にあるとき、各ロックアーム122A、122Bのラッチ124A、124Bは、ロック位置のままであることが可能である。スロット107への回路基板50の挿入プロセスの間、回路基板50は、クリアランス107Bを形成するようにラッチ124A、124Bをたわませ、スロット107中に配置される回路基板50が、回路基板コネクタ100との電気的な接続を確立できるようにする。回路基板50が完全にスロット107中に挿入されるとき、ラッチ124A、124Bは、ロック位置へ戻り、クリアランス107Bをブロックし、回路基板50の保持部分51を係合する。
【0010】
回路基板コネクタ100から回路基板50を取り外すことが望まれるとき、1組の作動アーム126A、126Bは、外力を受け取ると、オリジナル位置からたわんだ位置へと変形され、1組のロックアーム122A、122Bに対してバイアスされ、次に、ラッチ124A、124Bをアンロック位置に動かし、回路基板50の保持部分51との係合を解除する。回路基板50は、スロット107から取り除かれ、回路基板コネクタ100から取り外されることができる。
【0011】
作動部材120は、1組の作動アーム126Aと126Bをその間に接続する横材(beam)128を有している。横材128は、オリジナル位置からたわんだ位置に1組の作動アーム126A、126Bを移動する外力を受け取る。
【0012】
作動部材120は、横材128に接続されている1組の側板121A、121Bを有していてもよい。1組の側板121A、121Bは、ハウジング110に固定して取り付けられている。横材128と1組の作動アーム126A、126Bは、1組の側板121A、121Bに対して弾性的に変形可能である。
【0013】
回路基板50を回路基板コネクタ100に接続するプロセスを、
図10A、10Bおよび10Cに関連してさらに説明する。回路基板50は、方向50Aに沿って、前側102から回路基板コネクタ100に挿入される。その後、回路基板50は、
図10Aに示されるように、挿入パスの前に位置付けられているラッチ124Aと124Bの傾斜面1242Aと1242Bに接触する。方向50Aに沿った回路基板50の前進は、ラッチ124Aと124Bの傾斜面1242Aと1242Bに圧力をかけ、それにより、ロックアーム122Aと122Bは、
図10Aに示されるようなロック位置から
図10Bに示されるようなアンロック位置へと下方向406にたわむようにバイアスされ、ラッチ124Aは、挿入パスから離れてたわんで、クリアランス107Bを形成し、回路基板50が通過できるようにする。回路基板50がさらに挿入されると、開口52と54は、それぞれ、ラッチ124A、124Bと並び、ラッチ124Aと124Bがオリジナル(ロック)位置に戻ることを可能にし、それにより、回路基板50を電気コネクタ100にロックする。回路基板と回路基板コネクタとの間に電気的接続が確立され、維持される。
【0014】
図11A、11Bおよび11Cは、回路基板コネクタ100から回路基板50を取り外すプロセスを示している。最初に、同時に作動アーム126Aおよび126Bを下方向406に動かす外力410によって、金属シールド120の横材128が下方向406に押され、次に、作動アーム126Aは、ロックアーム122A、122Bを駆動し、下方向406にたわませ、ラッチ124Aと122Bを回路基板50の開口52、54から動かし、
図11B中に示すようなアンロック位置にスロット107中のクリアランスを形成させる。回路基板50は、回路基板コネクタ100から取り外すことが可能である。
【0015】
別の実施形態にしたがうと、
図12から
図16に示すように、電気コネクタ100’は、ハウジング110に移動可能に取り付けられているストッパー140を含んでいる。ストッパー140は、中間部144と中間部142に横方向に接続されている1組の側部142を有している。
【0016】
ストッパー140は、ハウジング110に移動可能に取り付けられている。ハウジング110と横材128との間の空間に位置付けられると、ストッパー140は、1組の作動アーム126A、126Bがロック位置からアンロック位置にたわむことを防ぐ。ストッパー140が空間から取り除かれた後、1組の作動アーム126A、126Bが、ロック位置からアンロック位置にたわむことを可能にする。
【0017】
図17A、17Bおよび17Cは、回路基板50を回路基板コネクタ100’に接続するプロセスを図示しており、
図10A、10Bおよび10Cに関連して上記に図示したプロセスと類似している。回路基板50が完全にスロット107に挿入された後、ストッパー140は、ハウジング110と横材128との間の空間に配置され、作動アーム126A、126Bのロックアーム122A、122Bに向かったたわみを回避する。このように、ラッチ124A、124Bは、開口52、54から動くことを妨げられるが、回路基板50の部分51を保持部分を係合したままである。
【0018】
図18A、18B、18Cおよび18Dを参照すると、電気コネクタ100'から回路基板50を取り外すために、ストッパー140は、まずハウジング110と作動部材120の横材128との間の空間から離れた方向140Aに沿って引っ張られ、作動部材120の横材128の上部128aが外力410によって下方向406に動くことを可能にする。後続するプロセスステップは、
図11A、
図11Bおよび
図11Cに関連して上記で説明したように、回路基板50を電気コネクタ100から取り外すプロセスに類似している。回路基板50が電気コネクタ100’から取り除かれた後、ストッパー140は方向140Bに沿って押し戻され、回路基板を再度接続するために、ハウジング110と作動部材120の横材128との間に位置付けられてもよい。このような方法で、ストッパー140は、回路基板コネクタからの回路基板の望まれない除去を回避するために、2次ロックを提供する。
【0019】
図19、20A、20Bおよび21中に描いたようなさらに別の実施形態にしたがうと、回路基板コネクタ200は、ハウジング210、ハウジング210に取り付けられている作動部材220、および、ハウジング210中に配置されている少なくとも1つの信号接触229を備えている。回路基板50は、ハウジング210の前側202から回路基板コネクタ200に挿入される。回路基板50は、回路基板コネクタ200と係合するために側面に形成されている2つの開口またはノッチ52、54を有している。作動部材220は、ハウジング210の前側202に向かって、ベース部材227から伸張する少なくとも1つのアース端子229を有している。アース端子230は、信号接触229の接触部分229Aに関してスロット207の反対側に配置されている接触部分230Aを有している。
【0020】
図22A、22B、23、24Aおよび24Bに示されるように、作動部材220は、ベース部材227、2つのジョイント部材227Aを通してベース部材227に接続されている横材228、および、横材228に接続されている1組の作動アーム226A、226Bを有している。ベース部材227は、ハウジング210に固定して取り付けられ、横材228および1組の作動アーム226A、226Bは、ベース部材227に体して弾性的に変形可能である。
【0021】
ジョイント部材227Aは、ベース部材227に対して横材228の弾性的なたわみを可能にする。少なくとも1つのアース端子229は、ベース部材227から伸張し、ベース部材227に対して上方向508および下方向506にたわむことができる。作動部材220は、ベース部材227に接続されている1組の側板221A、221Bを有していてもよい。1組の側板221A、221Bは、ハウジング210に固定して取り付けられ、横材228と1組の作動アーム226A、228Bは、1組の側板221A、221Bおよびベース部材227に対して弾性的に変形可能である。
【0022】
ロックアーム222Aと222Bはハウジング210に取り付けられ、それぞれ作動アーム226Aと226Bの下に位置付けられ、方向506に沿った作動アーム226Aと226Bの下方の動きは、ロックアーム222Aと222Bを駆動して、ロック位置からアンロック位置へと下方向506にたわむことができる。ロックアーム222Aと222Bのそれぞれは、上方向508に突出するラッチ224Aと224Bを有している。
【0023】
図26および
図27に示されるように、回路基板50が完全にスロット207に挿入されるとき、ロックアーム222Bのラッチ224Bは、回路基板50の右方向504の端に位置付けられている開口54から突出している。同様に、
図26には示されていないが、ロックアーム222Aのラッチ224Aは、回路基板50の左方向502の端に位置付けられている開口52から突出している。このように、スロット207から回路基板50の引き戻しを防ぐために、ラッチ224A、224Bは、それぞれ、開口52と54と係合する。回路基板50は、それにより、ロック突出224Aと224Bによって回路基板コネクタ200にロックされる。
【0024】
回路基板50を回路基板コネクタ200に接続するプロセスを、
図28A、28Bおよび28Cに関連してここで説明する。回路基板50は、方向50Aに沿って、前側202から回路基板コネクタ200のスロット207に挿入されることになる。回路基板50は、その後、
図28Aに示されるような挿入パスの前に位置付けられているラッチ224Aと224Bの傾斜面2242Aと2242Bに接触する。挿入方向50Aに沿った回路基板50の前進は、ラッチ224Aと224Bの傾斜面2242Aと2242Bに圧力をかけ、これにより、回路基板50は、ロックアーム222Aと222Bを押し、
図28Aに示されるオリジナル位置から
図28Bに示されるアンロック位置へと下方向506にたわみ、ロック突起224Aは、スロット207の挿入パスから離れてたわみ、回路基板50が通過できるようにする。回路基板50は、スロット207にさらに挿入されると、開口52、54は、それぞれラッチ224A、224Bと並び、したがって、ラッチ224A、224Bは、ロックアーム222Aと222Bの弾力により、そのオリジナル(ロックされた)位置に戻ることが可能であり、それにより、回路基板50を回路基板コネクタ200にロックする。この方法で、ロック突起224Aと224Bにより、回路基板50は、回路基板コネクタ200にロックされ、回路基板コネクタ200から取り外されることを防ぐ。柔軟な回路と電気コネクタとの間の電気的接続が確立され、維持される。
【0025】
回路基板コネクタ200から回路基板50を取り外すプロセスを、
図29A、29Bおよび29Cに関して以下に説明する。最初に、作動部材220の横材228は、外力510によって下方向506に押され、これは、同時に、下方向506に作動アーム226Aと226Bを動かし、作動アーム226Aは、次に、ラッチ222Aと222Bを駆動して下方向506にたわませ、ラッチ224Aと222Bを回路基板50の開口52、54から
図29B中に示すようなアンロック位置に動かす。その後、回路基板は、回路基板コネクタ200から取り除かれることができる。
【0026】
本発明の実施形態は、添付の図面に関連して図示し、前述の詳細な説明に記載してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではないことを理解すべきである。したがって、説明し、以下の特許請求の範囲によって規定された本発明の精神から逸脱することなく、本発明は、多数の再構成、修正、代替および置換が可能であると理解すべきである。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
電気コネクタであって、
その中に形成されているスロットを有するハウジングと、
前記ハウジング中に配置されている少なくとも1つの信号接触と、
前記ハウジングに取り付けられている一組のロックアームとを備え、
各ロックアームはラッチを有し、
前記1組のロックアームは、前記スロット中のクリアランスをブロックするように前記ラッチが位置づけられているロック位置と前記スロット中に前記クリアランスを形成するように前記ラッチが位置づけられているアンロック位置との間で、前記ハウジングに対して弾性的に変形可能である、電気コネクタ。
[C2]
前記各ロックアームのラッチは、前記ハウジングの前側に面する傾斜面を有し、
前記スロットに挿入される回路基板の保持部分によって隣接する前記傾斜面上で、前記各ロックアームのラッチは、前記クリアランスを形成するように前記ロック位置から前記アンロック位置に移動し、
前記保持部分が前記傾斜面を通過した後、前記各ロックアームのラッチは、前記クリアランスをブロックするように、前記アンロック位置から前記ロック位置に戻る、C1に記載の電気コネクタ。
[C3]
前記保持部分が前記傾斜面を通過した後、前記各ロックアームのラッチは、前記回路基板が前記スロットから取り除かれることを防ぐため、前記保持部分を係合するように、前記アンロック位置から前記ロック位置に戻る、C2に記載の電気コネクタ。
[C4]
前記ハウジングに結合される作動部材をさらに備え、
前記作動部材は、オリジナル位置とたわんだ位置との間で前記ハウジングに対して弾性的に変形可能である1組の作動アームを有し、
前記各ロックアームのラッチは、前記1組の作動アームが前記オリジナル位置にあるとき、前記ロック位置のままであることが可能であり、
前記たわんだ位置に向けて移動されるとき、前記1組の作動アームは、前記1組のロック手段を前記アンロック位置に動かすように前記1組のロックアームに対してバイアスさせる、C2に記載の電気コネクタ。
[C5]
前記作動部材は、前記1組の作動アームの間を接続する横材をさらに備え、
前記横材は、前記オリジナル位置から前記たわんだ位置に前記1組の作動アームを移動するための外力を受け取る、C4に記載の電気コネクタ。
[C6]
前記作動部材は、前記横材に接続されている1組の側板をさらに備え、
前記1組の側板は、前記ハウジングに固定して取り付けられ、
前記横材と前記1組の作動アームは、前記1組の側板に対して弾性的に変形可能である、C5に記載の電気コネクタ。
[C7]
前記ハウジングに移動可能に取り付けられているストッパーをさらに備え、
前記ハウジングと前記横材との間の空間に位置付けられると、前記ストッパーは、前記オリジナル位置から前記たわんだ位置にたわむこと防ぎ、前記ストッパーが前記空間から取り除かれた後、前記1組の作動アームは、前記オリジナル位置から前記たわんだ位置にたわむことが可能である、C6に記載の電気コネクタ。
[C8]
前記作動部材は、前記横材に接続されているベース部材をさらに備え、
前記ベース部材は前記ハウジングに固定して取り付けられ、
前記横材と前記1組の作動アームは、前記ベース部材に対して弾性的に変形可能である、C5に記載の電気コネクタ。
[C9]
前記作動部材は、前記ベース部材から突出し、前記ハウジング中に配置される少なくとも1つのアース端子さらに備える、C8に記載の電気コネクタ。
[C10]
前記少なくとも1つのアース端子は、前記スロットの上側に位置付けられているアース接触部分を有し、
前記少なくとも1つの信号端子は、前記スロットの下側に位置付けられている信号接触部分を有する、C9に記載の電気コネクタ。
[C11]
前記作動部材は、前記ベース部材に接続され、前記ハウジングに固定して取り付けられている1組の側板をさらに備える、C8に記載の電気コネクタ。
[C12]
前記ハウジングに取り付けられ、前記スロットの下側に位置付けられているアース接触部分を有する少なくとも1つのアース端子をさらに備える、C1に記載の電気コネクタ。
[C13]
前記少なくとも1つの信号端子は、前記スロットの下側に位置付けられている信号接触部分を有する、C12に記載の電気コネクタ。