特許第6817309号(P6817309)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6817309修飾窒化物粒子、オリゴマー機能化窒化物粒子、ポリマー系複合材、及びこれらの形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6817309
(24)【登録日】2020年12月28日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】修飾窒化物粒子、オリゴマー機能化窒化物粒子、ポリマー系複合材、及びこれらの形成方法
(51)【国際特許分類】
   C09C 1/28 20060101AFI20210107BHJP
   C09C 1/00 20060101ALI20210107BHJP
   C08K 3/28 20060101ALI20210107BHJP
   C08K 9/04 20060101ALI20210107BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20210107BHJP
   C09C 3/08 20060101ALI20210107BHJP
   C09C 3/10 20060101ALI20210107BHJP
   C08K 3/38 20060101ALN20210107BHJP
【FI】
   C09C1/28
   C09C1/00
   C08K3/28
   C08K9/04
   C08L101/00
   C09C3/08
   C09C3/10
   !C08K3/38
【請求項の数】11
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2018-534143(P2018-534143)
(86)(22)【出願日】2016年12月28日
(65)【公表番号】特表2019-506480(P2019-506480A)
(43)【公表日】2019年3月7日
(86)【国際出願番号】US2016068907
(87)【国際公開番号】WO2017117238
(87)【国際公開日】20170706
【審査請求日】2018年7月25日
(31)【優先権主張番号】62/273,078
(32)【優先日】2015年12月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593150863
【氏名又は名称】サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】SAINT−GOBAIN CERAMICS AND PLASTICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】ナジラ・ダドヴァンド
(72)【発明者】
【氏名】ナビル・ナハス
【審査官】 仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−192500(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/130687(WO,A1)
【文献】 特開2009−221039(JP,A)
【文献】 Wenqin Jin et al. ,Surface functionalization of hexagonal boron nitride and its effect on the structure and performance of composites,Applied Surface Science,2013年,vol. 270,pp. 561-571
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09C 1/28
C09C 1/00
C09C 3/08
C09C 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー成分内に配置されるためのオリゴマー機能化窒化物粒子であって、
窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子である窒化物粒子と、
ウレタン部分を介して前記窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、を含み、
前記窒化物粒子及び前記芳香族化合物を接続する部分の過半数が、ウレタン部分であり、
さらに、前記芳香族化合物と共有結合した、少なくとも2つのオリゴマーと、を含み、
前記ポリマー成分のモノマー単位が、前記オリゴマーのモノマー単位と同一ファミリーからのものである、オリゴマー機能化窒化物粒子。
【請求項2】
少なくとも1つのポリマー成分と、前記ポリマー成分内に分散した修飾窒化物充填剤材料と、を含み、前記修飾窒化物充填剤材料が、
窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子である窒化物粒子と、
ウレタン部分を介して前記窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、を含み、
前記窒化物粒子及び前記芳香族化合物を接続する部分の過半数が、ウレタン部分であり、
さらに、前記芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマーと、を含み、
前記ポリマー成分のモノマー単位が、前記オリゴマーのモノマー単位と同一ファミリーからのものである、ポリマー系複合材。
【請求項3】
前記芳香族化合物が、少なくとも1つの芳香環を含む、請求項1、及び2のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子、またはポリマー系複合材。
【請求項4】
前記芳香族化合物が、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、またはトリフェニルメタン部分を含む、請求項1、及び2のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子、またはポリマー系複合材。
【請求項5】
前記芳香族化合物が、2つのイソシアネート部分、3つのイソシアネート部分、4つのイソシアネート部分、または5つのイソシアネート部分を含む、請求項1、及び2のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子、またはポリマー系複合材。
【請求項6】
前記オリゴマーが、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール(polybenzimaidazole)(PBO及びPBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(ジメチルシロキサン)、またはフルオロポリマーを含む、請求項1及び2のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子、またはポリマー系複合材。
【請求項7】
前記ポリマー成分が、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール(PBO及びPBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(ジメチルシロキサン)、またはフルオロポリマーを含む、請求項2に記載のポリマー系複合材。
【請求項8】
前記ポリマー系複合材が、少なくとも約10N/インチの剥離強度と、少なくとも約0.2W/mKの熱伝導率を備える、請求項2に記載のポリマー系複合材。
【請求項9】
前記ポリマー系複合材が、少なくとも約5N/インチの剥離強度を備える、請求項2に記載のポリマー系複合材。
【請求項10】
前記ポリマー系複合材が、少なくとも約0.2W/mKの熱伝導率を備える、請求項2に記載のポリマー系複合材。
【請求項11】
ポリマー系複合材を形成する方法であって、
少なくとも1つのポリマー成分をオリゴマー機能化窒化物粒子の窒化物充填剤材料と組み合わせることを含み、前記オリゴマー機能化窒化物粒子の各々が、
窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子である窒化物粒子と、
ウレタン結合を介して前記窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、を含み、
前記窒化物粒子及び前記芳香族化合物を接続する部分の過半数が、ウレタン部分であり、
さらに、前記芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマーと、を含み、
前記ポリマー成分のモノマー単位が、前記オリゴマーのモノマー単位と同一ファミリーからのものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、窒化物粒子を表面修飾すること、及びそれをポリマー系複合材中に組み込む方法に関する。より具体的には、以下は、窒化ホウ素粒子を表面修飾し、それをポリマー系複合材中に組み込む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化物粒子は、材料の耐摩耗性もしくは剥離強度などの複合材の機械的特性を高めるために、ポリマー系複合材に熱充填剤として、または固形潤滑剤として添加される充填剤材料として利用され得る。しかし、窒化物粒子は、有機ポリマーマトリックス内に均一に分散させるのが非常に難しい。窒化物粒子の分散性が低いため、充填剤材料がポリマー系複合材中で有し得るあらゆるメリットとなる効果が最小限に抑えられる。
【0003】
したがって、この業界は、ポリマー系複合材の熱伝導率、剥離強度、及び他の機械的特性を高める能力を依然として維持しながら、ポリマー系複合材中でより良く分散する、改良された窒化物粒子充填剤材料を求め続けている。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、表面修飾窒化物粒子は、ウレタン部分を介して芳香族化合物と共有結合した窒化物粒子を含んでよい。表面修飾窒化物粒子は、少なくとも2つの補助部分を更に含んでよい。
【0005】
別の態様によれば、修飾窒化物粒子を形成する方法は、窒化物粒子を活性化し、少なくとも1つのヒドロキシル基を形成することと、芳香族化合物と窒化物粒子上の少なくとも1つのヒドロキシル基とを化学反応させることと、を含んでよい。芳香族化合物は、少なくとも2つの補助部分を含んでよい。
【0006】
更に別の態様によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子は、窒化物粒子と、ウレタン部分を介して窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、芳香族化合物の少なくとも2つの補助部分を介して芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマーと、を含んでよい。
【0007】
更に別の態様によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子を形成する方法は、窒化物粒子を活性化し、少なくとも1つのヒドロキシル基を形成することと、芳香族化合物と窒化物粒子上の少なくとも1つのヒドロキシル基とを化学反応させることと、を含んでよい。芳香族化合物は、少なくとも2つの補助部分を含んでよい。この方法は、少なくとも2つの補助部分を介して、芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマーを化学反応させることを更に含んでよい。
【0008】
更に別の態様によれば、ポリマー系複合材は、少なくとも1つのポリマー成分と、ポリマー成分内に分散した修飾窒化物充填剤材料と、を含んでよい。修飾窒化物充填剤材料は、窒化物粒子と、ウレタン結合を介して窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマー成分と、を含んでよい。
【0009】
更に別の態様によれば、ポリマー系複合材を形成する方法は、少なくとも1つのポリマー成分をオリゴマー機能化窒化物粒子の窒化物充填剤材料と組み合わせることを含んでよい。オリゴマー機能化窒化物粒子は、窒化物粒子と、ウレタン結合を介して窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマー成分と、を含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付図面を参照することによって、本開示を一層良く理解することができ、また当業者にその多数の特徴及び利点が明らかになる。
【0011】
図1】本明細書に記載された実施形態による修飾窒化物粒子を形成するためのプロセスのフロー図を含む。
図2】本明細書に記載された実施形態によるオリゴマー機能化窒化物粒子を形成するためのプロセスのフロー図を含む。
図3】本明細書に記載された実施形態によるオリゴマー機能化窒化物粒子を含むポリマー系複合材を形成するためのプロセスのフロー図を含む。
図4】本明細書に記載された実施形態により形成されたサンプルポリマー系複合材の剥離強度を、2つの比較サンプルポリマー系複合材と比較したプロットを含む。
【0012】
当業者は、図中の要素は、簡潔かつ明瞭にするように図示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解する。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、本発明の実施形態の理解の向上に役立つように、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下は、修飾窒化物粒子を形成する方法、修飾窒化物粒子、オリゴマー機能化窒化物粒子を形成する方法、オリゴマー機能化窒化物粒子、オリゴマー機能化窒化物粒子を含むポリマー系複合材を形成する方法、及びオリゴマー機能化窒化物粒子を含むポリマー系複合材に関する。
【0014】
まず、表面修飾窒化物粒子を形成する方法を参照すると、図1は、窒化物粒子表面修飾プロセス100を図示している。表面窒化物粒子修飾プロセス100は、窒化物粒子を提供する第1のステップ110と、少なくとも1つのヒドロキシル基を作り出すことにより、窒化物粒子表面を活性化する第2のステップ120と、芳香族化合物と窒化物粒子上の少なくとも1つのヒドロキシル基とを化学反応させる第3のステップ130と、を含んでよい。
【0015】
特定の実施形態によれば、表面窒化物粒子修飾プロセス100は、本明細書に記載された実施形態による表面修飾に好適な任意の窒化物粒子を修飾することを含んでよい。特定の実施形態によれば、窒化物粒子は、結晶質窒化物粒子または部分的に結晶質の窒化物粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化物粒子は、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化ホウ素粒子は、立方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化ホウ素粒子は、六方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。
【0016】
第2のステップ120を参照すると、少なくとも1つのヒドロキシル基を作り出すことにより、窒化物粒子表面を活性化することには、窒化物粒子に超音波処理を施すことを含んでよい。更に他の実施形態によれば、超音波処理を施すことには、窒化物粒子に過酸化水素とともに超音波処理を施すことを含んでよい。更に別の実施形態によれば、超音波処理を施すことには、水性系中で超音波処理を施すことを含んでよい。更に別の実施形態によれば、超音波処理を施すことには、懸濁液中で超音波処理を施すことを含んでよい。更に別の実施形態によれば、少なくとも1つのヒドロキシル基を作り出すことにより、窒化物粒子表面を活性化することには、窒化物粒子に熱処理を施すことを含んでよい。
【0017】
更に他の実施形態によれば、窒化物粒子表面を活性化することには、窒化物粒子表面上に優先的にヒドロキシル基を作り出すことを含んでよい。窒化物粒子表面上に優先的にヒドロキシル基を作り出すことは、窒化物粒子表面上に作り出される極性基の大部分がヒドロキシル基であることを意味すると理解してよいと理解されよう。例えば、窒化物粒子表面上に優先的にヒドロキシル基を作り出すことには、極性アミン基より多くのヒドロキシル基を作り出すことを含んでよい。
【0018】
第3のステップ130を参照すると、芳香族化合物と窒化物粒子上の少なくとも1つのヒドロキシル基とを化学反応させることには、芳香族化合物と窒化物粒子との間に共有結合を作り出すことを含んでよい。更に他の実施形態によれば、芳香族化合物と窒化物粒子との間に共有結合を作り出すことには、以下に図示されるように、ウレタン結合を介して窒化物粒子との共有結合を作り出すことを含んでよい。
【0019】
【化1】
【0020】
式中、NPは、窒化物粒子を表し、ARは、芳香族化合物を表す。
【0021】
更に他の実施形態によれば、芳香族化合物は、特定の数の芳香環を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも1つの芳香環、例えば、少なくとも2つの芳香環、または更に少なくとも3つの芳香環を含んでよい。
【0022】
更に他の実施形態によれば、芳香族化合物は、複数のイソシアネート部分を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも2つのイソシアネート部分、例えば、少なくとも3つのイソシアネート部分、少なくとも4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含んでよい。
【0023】
更に別の実施形態によれば、芳香族化合物は、ジ−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、芳香族化合物は、トリ−イソシアネートを含んでよい。別の実施形態によれば、芳香族化合物は、4−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、芳香族化合物は、5−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、芳香族化合物は、6−イソシアネートを含んでよい。
【0024】
更に他の実施形態によれば、芳香族化合物は、複数の補助部分を含んでよい。補助部分は、芳香族化合物に結合する部分であるが、窒化物粒子には結合していない部分として定義されてよいと理解されよう。特定の実施形態によれば、芳香族化合物は、少なくとも2つの補助部分、例えば、東の3つの補助部分、少なくとも4つの補助部分、または更に少なくとも5つの補助部分を含んでよい。
【0025】
更に他の実施形態によれば、芳香族化合物は、特定の補助部分を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、トリフェニルメタン部分、またはこれらの任意の組み合わせを含んでよい。
【0026】
特定の実施形態によれば、窒化物粒子表面修飾プロセス100は、以下の反応スキームに従って説明することができる。
【0027】
【化2】
【0028】
式中、NPは、窒化物粒子を表し、ARは、芳香族化合物を表し、AM1は、第1の補助部分を表し、AM2は、第2の補助部分を表す。
【0029】
特定の実施形態によれば、NPは、本明細書に記載された実施形態による表面修飾に好適な任意の窒化物粒子であってよい。特定の実施形態によれば、NPは、結晶質窒化物粒子または部分的に結晶質の窒化物粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、立方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、六方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。
【0030】
他の実施形態によれば、ARは、特定の数の芳香環を含んでよい。例えば、ARは、少なくとも1つの芳香環、例えば、少なくとも2つの芳香環、または更に少なくとも3つの芳香環を含んでよい。
【0031】
更に他の実施形態によれば、ARは、複数のイソシアネート部分を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも2つのイソシアネート部分、例えば、少なくとも3つのイソシアネート部分、少なくとも4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含んでよい。
【0032】
更に別の実施形態によれば、ARは、ジ−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、トリ−イソシアネートを含んでよい。別の実施形態によれば、ARは、4−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、5−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、6−イソシアネートを含んでよい。
【0033】
更に別の実施形態によれば、ARは、図示されているように、任意の芳香族化合物を含んでよい。
【0034】
【化3-1】
【0035】
【化3-2】
【0036】
更に他の実施形態によれば、AM1及びAM2は、同一の補助部分であってよい。更に他の実施形態によれば、AM1及びAM2は、異なる補助部分であってよい。更に他の実施形態によれば、AM1及びAM2は、OH、SH、NH、F、Cl、Br、I、COOH、CN、OCN、CNO、NCS、またはこれらの任意の組み合わせから選択されてよい。
【0037】
上述の式には表わされていないが、表面修飾窒化物粒子は、例えば、AM3、AM4、AM5、AM6などの更なる補助部分を含んでよく、任意のこのような追加の補助部分は更に、OH、SH、NH、F、Cl、Br、I、COOH、CN、OCN、CNO、NCS、またはこれらの任意の組み合わせから選択されてよいと理解されよう。
【0038】
本明細書に記載された実施形態により形成された表面修飾窒化物粒子を参照すると、表面修飾窒化物粒子は、ウレタン結合を介して芳香族化合物と共有結合した窒化物粒子を含んでよい。表面修飾窒化物粒子は、少なくとも2つの補助部分を更に含んでよい。
【0039】
特定の実施形態によれば、表面修飾窒化物粒子の窒化物粒子は、本明細書に記載された実施形態による表面修飾に好適な任意の窒化物粒子であってよい。特定の実施形態によれば、窒化物粒子は、結晶質窒化物粒子または部分的に結晶質の窒化物粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化物粒子は、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化ホウ素粒子は、立方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化ホウ素粒子は、六方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。
【0040】
他の実施形態によれば、表面修飾窒化物粒子の芳香族化合物は、特定の数の芳香環を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも1つの芳香環、例えば、少なくとも2つの芳香環、または更に少なくとも3つの芳香環を含んでよい。
【0041】
更に他の実施形態によれば、表面修飾窒化物粒子の芳香族化合物は、複数のイソシアネート部分を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも2つのイソシアネート部分、例えば、少なくとも3つのイソシアネート部分、少なくとも4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含んでよい。
【0042】
更に別の実施形態によれば、表面修飾窒化物粒子の芳香族化合物は、ジ−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、表面修飾窒化物粒子の芳香族化合物は、トリ−イソシアネートを含んでよい。別の実施形態によれば、表面修飾窒化物粒子の芳香族化合物は、4−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、表面修飾窒化物粒子の芳香族化合物は、5−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、表面修飾窒化物粒子の芳香族化合物は、6−イソシアネートを含んでよい。
【0043】
更に他の実施形態によれば、表面修飾窒化物粒子の芳香族化合物は、複数の補助部分を含んでよい。補助部分は、芳香族化合物に結合する部分であるが、窒化物粒子には結合していない部分として定義されてよいと理解されよう。特定の実施形態によれば、芳香族化合物は、少なくとも2つの補助部分、例えば、東の3つの補助部分、少なくとも4つの補助部分、または更に少なくとも5つの補助部分を含んでよい。
【0044】
更に他の実施形態によれば、表面修飾窒化物粒子の芳香族化合物は、特定の補助部分を含んでよい。例えば、表面修飾窒化物粒子の芳香族化合物は、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、トリフェニルメタン部分、またはこれらの任意の組み合わせを含んでよい。
【0045】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成された表面修飾窒化物粒子は、以下の式を有する化合物として記載されてよい。
【0046】
【化4】
【0047】
式中、NPは、窒化物粒子を表し、ARは、芳香族化合物を表し、Lは、窒化物粒子と芳香族化合物との間のウレタン結合を表し、AM1は、第1の補助部分を表し、AM2は、第2の補助部分を表す。
【0048】
特定の実施形態によれば、NPは、本明細書に記載された実施形態による表面修飾に好適な任意の窒化物粒子であってよい。特定の実施形態によれば、NPは、結晶質窒化物粒子または部分的に結晶質の窒化物粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、立方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、六方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。
【0049】
他の実施形態によれば、ARは、特定の数の芳香環を含んでよい。例えば、ARは、少なくとも1つの芳香環、例えば、少なくとも2つの芳香環、または更に少なくとも3つの芳香環を含んでよい。
【0050】
更に他の実施形態によれば、ARは、複数のイソシアネート部分を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも2つのイソシアネート部分、例えば、少なくとも3つのイソシアネート部分、少なくとも4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含んでよい。
【0051】
更に別の実施形態によれば、ARは、ジ−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、トリ−イソシアネートを含んでよい。別の実施形態によれば、ARは、4−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、5−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、6−イソシアネートを含んでよい。
【0052】
更に別の実施形態によれば、ARは、図示されているように、任意の芳香族化合物を含んでよい。
【0053】
【化5-1】
【0054】
【化5-2】
【0055】
更に他の実施形態によれば、AM1及びAM2は、同一の補助部分であってよい。更に他の実施形態によれば、AM1及びAM2は、異なる補助部分であってよい。更に他の実施形態によれば、AM1及びAM2は、OH、SH、NH、F、Cl、Br、I、COOH、CN、OCN、CNO、NCS、またはこれらの任意の組み合わせから選択されてよい。
【0056】
上述の式には表わされていないが、表面修飾窒化物粒子は、AM3、AM4、AM5、AM6などの更なる補助部分を含んでよく、任意のこのような追加の補助部分は更に、OH、SH、NH、F、Cl、Br、I、COOH、CN、OCN、CNO、NCS、またはこれらの任意の組み合わせから選択されてよいと理解されよう。
【0057】
オリゴマー機能化窒化物粒子を形成する方法を参照すると、図2は、窒化物粒子オリゴマー機能化プロセス200を図示している。窒化物粒子オリゴマー機能化プロセス200は、本明細書に記載された実施形態により形成された表面修飾窒化物粒子を提供する第1のステップ210と、少なくとも2つのオリゴマーと表面修飾窒化物粒子中の芳香族化合物の補助部分とを化学反応させる第2のステップ220と、を含んでよい。修飾窒化物粒子は、本明細書に記載された任意の実施形態に従って形成されてよく、本明細書に記載された任意の成分を更に含んでよいと理解されよう。
【0058】
第2のステップ220を参照すると、特定の実施形態によれば、芳香族化合物の補助部分と化学反応する2つのオリゴマーは、特定のモノマー単位を含んでよい。例えば、2つのオリゴマーは、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール(polybenzimaidazole)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)のモノマー単位を含んでよい。更に他の実施形態によれば、2つのオリゴマーは、フルオロポリマーのモノマー単位を含んでよい。例えば、2つのオリゴマーは、PTFE、ETFE、またはPFAのモノマー単位を含んでよい。
【0059】
更に他の実施形態によれば、芳香族化合物の補助部分と化学反応する2つのオリゴマーは、特定のオリゴマーであってよい。例えば、2つのオリゴマーは、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)であってよい。更に他の実施形態によれば、2つのオリゴマーは、フルオロポリマーであってよい。例えば、2つのオリゴマーは、PTFE、ETFE、またはPFAであってよい。
【0060】
特定の実施形態によれば、窒化物粒子オリゴマー機能化プロセス200は、以下の反応スキームに従って記載されてよい。
【0061】
【化6】
【0062】
式中、NPは、窒化物粒子を表し、ARは、芳香族化合物を表し、Lは、窒化物粒子と芳香族化合物との間のウレタン結合を表し、OG1は、第1のオリゴマーを表し、AL1は、ARとOG1との間の第1の補助結合を表し、OG2は、第2のオリゴマーを表し、AL2は、ARとOG2との間の第2の補助結合を表す。
【0063】
特定の実施形態によれば、NPは、本明細書に記載された実施形態による表面修飾に好適な任意の窒化物粒子であってよい。特定の実施形態によれば、NPは、結晶質窒化物粒子または部分的に結晶質の窒化物粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、立方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、六方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。
【0064】
他の実施形態によれば、ARは、特定の数の芳香環を含んでよい。例えば、ARは、少なくとも1つの芳香環、例えば、少なくとも2つの芳香環、または更に少なくとも3つの芳香環を含んでよい。
【0065】
更に他の実施形態によれば、ARは、複数のイソシアネート部分を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも2つのイソシアネート部分、例えば、少なくとも3つのイソシアネート部分、少なくとも4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含んでよい。
【0066】
更に別の実施形態によれば、ARは、ジ−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、トリ−イソシアネートを含んでよい。別の実施形態によれば、ARは、4−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、5−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、6−イソシアネートを含んでよい。
【0067】
更に別の実施形態によれば、ARは、図示されているように、任意の芳香族化合物を含んでよい。
【0068】
【化7-1】
【0069】
【化7-2】
【0070】
更に他の実施形態によれば、AM1及びAM2は、同一の補助部分であってよい。更に他の実施形態によれば、AM1及びAM2は、異なる補助部分であってよい。更に他の実施形態によれば、AM1及びAM2は、OH、SH、NH、F、Cl、Br、I、COOH、CN、OCN、CNO、NCS、またはこれらの任意の組み合わせから選択されてよい。
【0071】
更に他の実施形態によれば、OG1及びOG2は、特定のモノマー単位を含んでよい。例えば、OG1及びOG2は、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)のモノマー単位を含んでよい。更に他の実施形態によれば、OG1及びOG2は、フルオロポリマーのモノマー単位を含んでよい。例えば、OG1及びOG2は、PTFE、ETFE、またはPFAのモノマー単位を含んでよい。
【0072】
更に他の実施形態によれば、OG1及びOG2は、特定のオリゴマーであってよい。例えば、OG1及びOG2は、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)であってよい。更に他の実施形態によれば、OG1及びOG2は、フルオロポリマーであってよい。例えば、OG1及びOG2は、PTFE、ETFE、またはPFAであってよい。
【0073】
本明細書に記載された実施形態により形成されたオリゴマー機能化窒化物粒子を参照すると、オリゴマー機能化窒化物粒子は、窒化物粒子と、ウレタン部分を介して窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、芳香族化合物の少なくとも2つの補助部分を通じて芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマーと、を含んでよい。
【0074】
特定の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の窒化物粒子は、本明細書に記載された実施形態による窒化物粒子オリゴマー機能化に好適な任意の窒化物粒子であってよい。特定の実施形態によれば、窒化物粒子は、結晶質窒化物粒子または部分的に結晶質の窒化物粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化物粒子は、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化ホウ素粒子は、立方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化ホウ素粒子は、六方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。
【0075】
他の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、特定の数の芳香環を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも1つの芳香環、例えば、少なくとも2つの芳香環、または更に少なくとも3つの芳香環を含んでよい。
【0076】
更に他の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、複数のイソシアネート部分を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも2つのイソシアネート部分、例えば、少なくとも3つのイソシアネート部分、少なくとも4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含んでよい。
【0077】
更に別の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、ジ−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、トリ−イソシアネートを含んでよい。別の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、4−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、5−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、6−イソシアネートを含んでよい。
【0078】
更に他の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、複数の補助部分を含んでよい。補助部分は、芳香族化合物に結合する部分であるが、窒化物粒子には結合していない部分として定義されてよいと理解されよう。特定の実施形態によれば、芳香族化合物は、少なくとも2つの補助部分、例えば、東の3つの補助部分、少なくとも4つの補助部分、または更に少なくとも5つの補助部分を含んでよい。
【0079】
更に他の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、特定の補助部分を含んでよい。例えば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、トリフェニルメタン部分、またはこれらの任意の組み合わせを含んでよい。
【0080】
更に他の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の少なくとも2つのオリゴマーは、特定のモノマー単位を含んでよい。例えば、少なくとも2つのオリゴマーは、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)のモノマー単位を含んでよい。更に他の実施形態によれば、少なくとも2つのオリゴマーは、フルオロポリマーのモノマー単位を含んでよい。例えば、少なくとも2つのオリゴマーは、PTFE、ETFE、またはPFAのモノマー単位を含んでよい。
【0081】
更に他の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の少なくとも2つのオリゴマーは、特定のオリゴマーであってよい。例えば、少なくとも2つのオリゴマーは、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)であってよい。更に他の実施形態によれば、少なくとも2つのオリゴマーは、フルオロポリマーであってよい。例えば、少なくとも2つのオリゴマーは、PTFE、ETFE、またはPFAであってよい。
【0082】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたオリゴマー機能化窒化物粒子は、以下の式を有する化合物として記載されてよい。
【0083】
【化8】
【0084】
式中、NPは、窒化物粒子を表し、ARは、芳香族化合物を表し、Lは、窒化物粒子と芳香族化合物との間のウレタン結合を表し、OG1は、第1のオリゴマーを表し、AL1は、ARとOG1との間の第1の補助結合を表し、OG2は、第2のオリゴマーを表し、AL2は、ARとOG2との間の第2の補助結合を表す。
【0085】
特定の実施形態によれば、NPは、本明細書に記載された実施形態による表面修飾に好適な任意の窒化物粒子であってよい。特定の実施形態によれば、NPは、結晶質窒化物粒子または部分的に結晶質の窒化物粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、立方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、NPは、六方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。
【0086】
他の実施形態によれば、ARは、特定の数の芳香環を含んでよい。例えば、ARは、少なくとも1つの芳香環、例えば、少なくとも2つの芳香環、または更に少なくとも3つの芳香環を含んでよい。
【0087】
更に他の実施形態によれば、ARは、複数のイソシアネート部分を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも2つのイソシアネート部分、例えば、少なくとも3つのイソシアネート部分、少なくとも4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含んでよい。
【0088】
更に別の実施形態によれば、ARは、ジ−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、トリ−イソシアネートを含んでよい。別の実施形態によれば、ARは、4−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、5−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、ARは、6−イソシアネートを含んでよい。
【0089】
更に別の実施形態によれば、ARは、図示されているように、任意の芳香族化合物を含んでよい。
【0090】
【化9-1】
【0091】
【化9-2】
【0092】
更に他の実施形態によれば、AL1及びAL2は、同一の補助部分であってよい。更に他の実施形態によれば、AL1及びAL2は、異なる補助部分であってよい。更に他の実施形態によれば、AL1及びAL2は、OH、SH、NH、F、Cl、Br、I、COOH、CN、OCN、CNO、NCS、またはこれらの任意の組み合わせから選択されてよい。
【0093】
更に他の実施形態によれば、OG1及びOG2は、特定のモノマー単位を含んでよい。例えば、OG1及びOG2は、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)のモノマー単位を含んでよい。更に他の実施形態によれば、OG1及びOG2は、フルオロポリマーのモノマー単位を含んでよい。例えば、OG1及びOG2は、PTFE、ETFE、またはPFAのモノマー単位を含んでよい。
【0094】
更に他の実施形態によれば、OG1及びOG2は、特定のオリゴマーであってよい。例えば、OG1及びOG2は、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)であってよい。更に他の実施形態によれば、OG1及びOG2は、フルオロポリマーであってよい。例えば、OG1及びOG2は、PTFE、ETFE、またはPFAであってよい。
【0095】
オリゴマー機能化窒化物粒子を含むポリマー系複合材を形成する方法を参照すると、図3は、ポリマー系複合材形成プロセス300を図示している。ポリマー系複合材形成プロセス300は、少なくとも1つのポリマー成分を提供する第1のステップ310と、ポリマー成分とオリゴマー機能化窒化物粒子を含む修飾窒化物充填剤材料を組み合わせる第2のステップ320と、を含んでよい。オリゴマー機能化窒化物粒子は、本明細書に記載された任意の実施形態に従って形成されてよく、本明細書に記載された任意の成分を更に含んでよいと理解されよう。
【0096】
第1のステップ310を参照すると、特定の実施形態によれば、ポリマー成分は、特定のモノマー単位を含んでよい。例えば、ポリマー成分は、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)のモノマー単位を含んでよい。更に他の実施形態によれば、ポリマー成分は、フルオロポリマーのモノマー単位を含んでよい。例えば、ポリマー成分は、PTFE、ETFE、またはPFAのモノマー単位を含んでよい。
【0097】
更に他の実施形態によれば、ポリマー成分は、特定のオリゴマーであってよい。例えば、ポリマー成分は、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)であってよい。更に他の実施形態によれば、ポリマー成分は、フルオロポリマーであってよい。例えば、ポリマー成分は、PTFE、ETFE、またはPFAであってよい。
【0098】
更に他の実施形態によれば、ポリマー成分のモノマー単位は、オリゴマー成分のモノマー単位と同一の有機成分ファミリーからのものであってよい。更に他の実施形態によれば、ポリマー成分のモノマー単位は、オリゴマー成分のモノマー単位と同一であってよい。
【0099】
本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材を参照すると、ポリマー系複合材は、少なくとも1つのポリマー成分と、ポリマー成分内に分散した修飾窒化物充填剤材料と、を含んでよい。修飾窒化物充填剤材料は、オリゴマー機能化窒化物粒子を含んでよい。オリゴマー機能化窒化物粒子は、窒化物粒子と、ウレタン部分を介して窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、芳香族化合物の少なくとも2つの補助部分を通じて芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマーと、を含んでよい。
【0100】
特定の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のオリゴマー機能化窒化物粒子の窒化物粒子は、本明細書に記載された実施形態による窒化物粒子オリゴマー機能化に好適な任意の窒化物粒子であってよい。特定の実施形態によれば、窒化物粒子は、結晶質窒化物粒子または部分的に結晶質の窒化物粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化物粒子は、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化ホウ素粒子は、立方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。更に他の実施形態によれば、窒化ホウ素粒子は、六方晶系窒化ホウ素粒子であってよい。
【0101】
他の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のオリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、特定の数の芳香環を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも1つの芳香環、例えば、少なくとも2つの芳香環、または更に少なくとも3つの芳香環を含んでよい。
【0102】
更に他の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のオリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、複数のイソシアネート部分を含んでよい。例えば、芳香族化合物は、少なくとも2つのイソシアネート部分、例えば、少なくとも3つのイソシアネート部分、少なくとも4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含んでよい。
【0103】
更に別の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のオリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、ジ−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、トリ−イソシアネートを含んでよい。別の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、4−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、5−イソシアネートを含んでよい。更に別の実施形態によれば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、6−イソシアネートを含んでよい。
【0104】
更に他の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のオリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、複数の補助部分を含んでよい。補助部分は、芳香族化合物に結合する部分であるが、窒化物粒子には結合していない部分として定義されてよいと理解されよう。特定の実施形態によれば、芳香族化合物は、少なくとも2つの補助部分、例えば、東の3つの補助部分、少なくとも4つの補助部分、または更に少なくとも5つの補助部分を含んでよい。
【0105】
更に他の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のオリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、特定の補助部分を含んでよい。例えば、オリゴマー機能化窒化物粒子の芳香族化合物は、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、トリフェニルメタン部分、またはこれらの任意の組み合わせを含んでよい。
【0106】
更に他の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のオリゴマー機能化窒化物粒子の少なくとも2つのオリゴマーは、特定のモノマー単位を含んでよい。例えば、少なくとも2つのオリゴマーは、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)のモノマー単位を含んでよい。更に他の実施形態によれば、少なくとも2つのオリゴマーは、フルオロポリマーのモノマー単位を含んでよい。例えば、少なくとも2つのオリゴマーは、PTFE、ETFE、またはPFAのモノマー単位を含んでよい。
【0107】
更に他の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のオリゴマー機能化窒化物粒子の少なくとも2つのオリゴマーは、特定のオリゴマーであってよい。例えば、少なくとも2つのオリゴマーは、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)であってよい。更に他の実施形態によれば、少なくとも2つのオリゴマーは、フルオロポリマーであってよい。例えば、少なくとも2つのオリゴマーは、PTFE、ETFE、またはPFAであってよい。
【0108】
更に他の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のポリマー成分は、特定のモノマー単位を含んでよい。例えば、ポリマー成分は、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)のモノマー単位を含んでよい。更に他の実施形態によれば、ポリマー成分は、フルオロポリマーのモノマー単位を含んでよい。例えば、ポリマー成分は、PTFE、ETFE、またはPFAのモノマー単位を含んでよい。
【0109】
更に他の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のポリマー成分は、特定のオリゴマーであってよい。例えば、ポリマー成分は、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリ(ジメチルシロキサン)であってよい。更に他の実施形態によれば、ポリマー成分は、フルオロポリマーであってよい。例えば、ポリマー成分は、PTFE、ETFE、またはPFAであってよい。
【0110】
更に他の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のポリマー成分のモノマー単位は、ポリマー系複合材中のオリゴマー成分のモノマー単位と同一の有機成分ファミリーからのものであってよい。更に他の実施形態によれば、ポリマー系複合材中のポリマー成分のモノマー単位は、ポリマー系複合材中のオリゴマー成分のモノマー単位と同一であってよい。
【0111】
更に他の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、IPC標準2.4.9に従って測定された特定の剥離強度を有してよい。例えば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、少なくとも約5N/インチ、例えば、少なくとも約18N/インチ、または更に少なくとも約20N/インチの剥離強度を有してよい。更に他の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、約100N/インチ以下、例えば、約75N/インチ以下、または更に約50N/インチ以下の剥離強度を有してよい。本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材の剥離強度は、上記の最低値及び最大値のいずれかの間の任意の値であってよいと理解されよう。記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材の剥離強度は、上記の最低値及び最大値のいずれかの間の範囲内であってよいと更に理解されよう。
【0112】
更に他の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、CPL/PPL×100と等しい、特定の独特な剥離強度パーセンテージを有してよく、ここで、CPLは、ポリマー系複合材の剥離強度と等しく、PPLは、ポリマー系複合材を形成するために使用されるポリマー成分単独の剥離強度と等しい。剥離強度は、IPC標準2.4.9に従って測定されるであると理解されよう。特定の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、少なくとも約60%、例えば、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約100%、少なくとも約105%、少なくとも約110%、少なくとも約120%、少なくとも約125%、少なくとも約130%、少なくとも約135%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約175%、または更に少なくとも約200%の独特な剥離強度パーセンテージを有してよい。更に他の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、約250%以下の独特な剥離強度パーセンテージを有してよい。本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材の独特な剥離強度パーセンテージは、上記の最低値及び最大値のいずれかの間の任意の値であってよいと理解されよう。記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材の独特な剥離強度パーセンテージは、上記の最低値及び最大値のいずれかの間の範囲内であってよいと更に理解されよう。更に他の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、特定の熱伝導率を有してよい。熱伝導率は、熱拡散率、密度、及び熱容量の積として計算する。より詳細には、面直方向熱伝導率は、面直方向熱拡散率、密度、及び熱容量の積として計算する。複合材ポリマーの熱拡散率は、ASTM C−518標準に従って、熱流法により測定する。拡散率は、複合材ポリマー層に対し垂直に測定する。複合材ポリマーの熱容量を、Netzschの熱てんびんでDSC(示差走査熱量計)により測定する。複合材ポリマー密度は、ヘリウムピクノメトリーにより測定する。
【0113】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、少なくとも約0.2W/mK、例えば、少なくとも約0.5W/mK、少なくとも約1W/mK、少なくとも約2W/mK、少なくとも約3W/mK、少なくとも約5W/mK、少なくとも約7W/mK、または更に少なくとも約10W/mKの熱伝導率を有してよい。更に他の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、約20W/mK以下、例えば、約15W/mK以下の熱伝導率を有してよい。本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材の熱伝導率は、上記の最低値及び最大値のいずれかの間の任意の値であってよいと理解されよう。記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材の熱伝導率は、上記の最低値及び最大値のいずれかの間の範囲内であってよいと更に理解されよう。
【0114】
更に他の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、CTC/PTC×100と等しい、特定の独特な熱伝導率パーセンテージを有してよく、ここで、CTCは、ポリマー系複合材の熱伝導率と等しく、PTCは、ポリマー系複合材を形成するために使用されるポリマー成分単独の熱伝導率と等しい。両複合材の熱伝導率は、前述で概略を述べた標準に従って測定すると理解されよう。特定の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、少なくとも約200%、例えば、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、少なくとも約1000%、少なくとも約2000%、少なくとも約5000%、または更に少なくとも約10000%の独特な熱伝導率パーセンテージを有してよい。更に他の実施形態によれば、本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材は、約20000%以下の独特な熱伝導率パーセンテージを有してよい。本明細書に記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材の独特な熱伝導率パーセンテージは、上記の最低値及び最大値のいずれかの間の任意の値であってよいと理解されよう。記載された実施形態により形成されたポリマー系複合材の独特な熱伝導率パーセンテージは、上記の最低値及び最大値のいずれかの間の範囲内であってよいと更に理解されよう。
【0115】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。こうした態様及び実施形態のいくつかは、本明細書に記載されている。本明細書を読んだ後、当業者は、こうした態様及び実施形態は、例証的であるに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないであることを理解するであろう。実施形態は、以下に記載される実施形態のうちの1つ以上に従ってよい。
【0116】
実施形態1.ウレタン部分を介して芳香族化合物と共有結合した窒化物粒子と、少なくとも2つの補助部分と、を含む、表面修飾窒化物粒子。
【0117】
実施形態2.修飾窒化物粒子を形成する方法であって、窒化物粒子を活性化し、少なくとも1つのヒドロキシル基を形成することと、芳香族化合物と前記窒化物粒子上の前記少なくとも1つのヒドロキシル基とを化学反応させることと、を含み、前記芳香族化合物は、少なくとも2つの補助部分を含む、方法。
【0118】
実施形態3.前記窒化物粒子が、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子である、実施形態1及び2のいずれか一項に記載の表面修飾窒化物粒子または方法。
【0119】
実施形態4.前記窒化物粒子が、六方晶系窒化ホウ素粒子である、実施形態1及び2のいずれか一項に記載の表面修飾窒化物粒子または方法。
【0120】
実施形態5.前記窒化物粒子及び前記芳香族化合物を接続する任意の部分の大部分が、ウレタン部分である、実施形態1及び2のいずれか一項に記載の表面修飾窒化物粒子または方法。
【0121】
実施形態6.前記芳香族化合物が、少なくとも1つの芳香環、少なくとも2つの芳香環、少なくとも3つの芳香環を含む、実施形態1及び2のいずれか一項に記載の表面修飾窒化物粒子または方法。
【0122】
実施形態7.前記芳香族化合物が、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、トリフェニルメタン部分を含む、実施形態1及び2のいずれか一項に記載の表面修飾窒化物粒子または方法。
【0123】
実施形態8.前記少なくとも2つの補助部分が、アミノ基(−NH2)、ヒドロキシル基(−OH)、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)、カルボキシル基(−COOH)、シアノ基(−CN)、シアネート基(−OCN)、イソシアネート基(−NCO)、チオール基(−SH)、またはチオイソシアネート基(−NCS)である、実施形態1及び2のいずれか一項に記載の表面修飾窒化物粒子または方法。
【0124】
実施形態9.前記芳香族化合物が、2つのイソシアネート部分、3つのイソシアネート部分、4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含む、実施形態1及び2のいずれか一項に記載の表面修飾窒化物粒子または方法。
【0125】
実施形態10.窒化物粒子と、ウレタン部分を介して前記窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、前記芳香族化合物の少なくとも2つの補助部分を介して前記芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマーと、を含む、オリゴマー機能化窒化物粒子。
【0126】
実施形態11.オリゴマー機能化窒化物粒子を形成する方法であって、窒化物粒子を活性化し、少なくとも1つのヒドロキシル基を形成することと、芳香族化合物と前記窒化物粒子上の前記少なくとも1つのヒドロキシル基とを化学反応させることと、ここで前記芳香族化合物は、少なくとも2つの補助部分を含み、及び前記少なくとも2つの補助部分を介して、前記芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマーを化学反応させることと、を含む、方法。
【0127】
実施形態12.前記窒化物粒子が、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子である、実施形態10及び11のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0128】
実施形態13.前記窒化物粒子が、六方晶系窒化ホウ素粒子である、実施形態10及び11のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0129】
実施形態14.前記窒化物粒子及び前記芳香族化合物を接続する任意の部分の大部分が、ウレタン部分である、実施形態10及び11のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0130】
実施形態15.前記芳香族化合物が、少なくとも1つの芳香環、少なくとも2つの芳香環、少なくとも3つの芳香環を含む、実施形態10及び11のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0131】
実施形態16.前記芳香族化合物が、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、トリフェニルメタン部分を含む、実施形態10及び11のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0132】
実施形態17.前記少なくとも2つの補助部分が、アミノ基(−NH2)、ヒドロキシル基(−OH)、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)、カルボキシル基(−COOH)、シアノ基(−CN)、シアネート基(−OCN)、イソシアネート基(−NCO)、チオール基(−SH)、またはチオイソシアネート基(−NCS)である、実施形態10及び11のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0133】
実施形態18.前記芳香族化合物が、2つのイソシアネート部分、3つのイソシアネート部分、4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含む、実施形態10及び11のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0134】
実施形態19.前記オリゴマー成分が、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール(PBO及びPBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(ジメチルシロキサン)、またはフルオロポリマーを含む、実施形態10及び11のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0135】
実施形態20.前記フッ素系オリゴマーが、PTFE、ETFE、FEP、ECTFE、またはPFAを含む、実施形態19に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0136】
実施形態21.少なくとも1つのポリマー成分と、前記ポリマー成分内に分散した修飾窒化物充填剤材料と、を含み、前記修飾窒化物充填剤材料が、窒化物粒子と、ウレタン結合を介して前記窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、前記芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマー成分と、を含む、ポリマー系複合材。
【0137】
実施形態22.ポリマー系複合材を形成する方法であって、少なくとも1つのポリマー成分をオリゴマー機能化窒化物粒子の窒化物充填剤材料と組み合わせることを含み、前記オリゴマー機能化窒化物粒子の各々が、窒化物粒子と、ウレタン結合を介して前記窒化物粒子と共有結合した芳香族化合物と、前記芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマー成分と、を含む、方法。
【0138】
実施形態23.前記窒化物粒子が、窒化ホウ素粒子または窒化ケイ素粒子である、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0139】
実施形態24.前記窒化物粒子が、六方晶系窒化ホウ素粒子である、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0140】
実施形態25.前記窒化物粒子及び前記芳香族化合物を接続する任意の部分の大部分が、ウレタン部分である、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0141】
実施形態26.前記芳香族化合物が、少なくとも1つの芳香環、少なくとも2つの芳香環、少なくとも3つの芳香環を含む、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0142】
実施形態27.前記芳香族化合物が、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、トリフェニルメタン部分を含む、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0143】
実施形態28.前記少なくとも2つの補助部分が、アミノ基(−NH2)、ヒドロキシル基(−OH)、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)、カルボキシル基(−COOH)、シアノ基(−CN)、シアネート基(−OCN)、イソシアネート基(−NCO)、チオール基(−SH)、またはチオイソシアネート基(−NCS)である、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化物粒子または方法。
【0144】
実施形態29.前記芳香族化合物が、2つのイソシアネート部分、3つのイソシアネート部分、4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含む、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0145】
実施形態30.前記ポリマー成分が、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイミダゾール(PBO及びPBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(ジメチルシロキサン)、またはフルオロポリマーを含む、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0146】
実施形態31.前記フッ素系ポリマーが、PTFE、ETFE、FEP、ECTFE、またはPFAを含む、実施形態30に記載のポリマー複合材または方法。
【0147】
実施形態32.前記ポリマー成分のモノマー単位が、前記オリゴマーのモノマー単位と同一ファミリーからのものである、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0148】
実施形態33.前記ポリマー成分のモノマー単位が、前記オリゴマー成分のモノマー単位と同一である、実施形態32に記載のポリマー複合材または方法。
【0149】
実施形態34.前記ポリマー成分が、熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーを含む、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0150】
実施形態35.前記ポリマー成分が、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイミダゾール(PBO及びPBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(ジメチルシロキサン)、またはフルオロポリマーを含む、実施形態34に記載のポリマー複合材または方法。
【0151】
実施形態36.前記ポリマー成分が、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ベークライト、Novotext(綿繊維強化フェノール系)、Oasis(オープンセルフェノール系発泡体)、Maritex Aquarius、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンコポリマー、Kapton(ポリ−オキシジフェニレン−ピロメリトイミド)、脂肪族ポリイミド、芳香族ポリイミド、半芳香族ポリイミド、アクリル化飽和/不飽和脂肪族ポリウレタン、ニトリルゴムをブレンドしたポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンコポリマー、またはUTEMを含む、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0152】
実施形態37.前記フッ素系ポリマーが、PTFE、ETFE、FEP、ECTFE、またはPFAを含む、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0153】
実施形態38.前記オリゴマー成分が、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイミダゾール(PBO及びPBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(ジメチルシロキサン)、またはフルオロポリマーを含む、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0154】
実施形態39.前記フッ素系オリゴマーが、PTFE、ETFE、またはPFAを含む、実施形態38に記載のポリマー複合材。
【0155】
実施形態40.前記ポリマー系複合材が、少なくとも約10N/インチの剥離強度と、少なくとも約0.2W/mKの熱伝導率を備える、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0156】
実施形態41.前記ポリマー系複合材が、少なくとも約5N/インチの剥離強度を備える、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0157】
実施形態42.前記ポリマー系複合材が、少なくとも約1W/mKの熱伝導率を備える、実施形態21及び22のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0158】
実施形態43.ウレタン部分を介して芳香族化合物と共有結合した窒化ホウ素粒子と、少なくとも2つの補助部分と、を含む、表面修飾窒化ホウ素粒子。
【0159】
実施形態44.表面修飾窒化ホウ素粒子を形成する方法であって、窒化ホウ素粒子を活性化し、少なくとも1つのヒドロキシル基を形成することと、芳香族化合物と前記窒化ホウ素粒子上の前記少なくとも1つのヒドロキシル基とを化学反応させることと、を含み、前記芳香族化合物は、少なくとも2つの補助部分を含む、方法。
【0160】
実施形態45.前記窒化ホウ素粒子が、六方晶系窒化ホウ素粒子である、実施形態43及び44のいずれか一項に記載の表面修飾窒化ホウ素粒子または方法。
【0161】
実施形態46.前記窒化ホウ素粒子及び前記芳香族化合物を接続する任意の部分の大部分が、ウレタン部分である、実施形態43及び44のいずれか一項に記載の表面修飾窒化ホウ素粒子または方法。
【0162】
実施形態47.前記芳香族化合物が、少なくとも1つの芳香環、少なくとも2つの芳香環、少なくとも3つの芳香環を含む、実施形態43及び44のいずれか一項に記載の表面修飾窒化ホウ素粒子または方法。
【0163】
実施形態48.前記芳香族化合物が、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、トリフェニルメタン部分を含む、実施形態43及び44のいずれか一項に記載の表面修飾窒化ホウ素粒子または方法。
【0164】
実施形態49.前記少なくとも2つの補助部分が、アミノ基(−NH2)、ヒドロキシル基(−OH)、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)、カルボキシル基(−COOH)、シアノ基(−CN)、シアネート基(−OCN)、イソシアネート基(−NCO)、チオール基(−SH)、またはチオイソシアネート基(−NCS)である、実施形態43及び44のいずれか一項に記載の表面修飾窒化ホウ素粒子または方法。
【0165】
実施形態50.前記芳香族化合物が、2つのイソシアネート部分、3つのイソシアネート部分、4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含む、実施形態43及び44のいずれか一項に記載の表面修飾窒化ホウ素粒子または方法。
【0166】
実施形態51.窒化ホウ素粒子と、ウレタン部分を介して前記窒化ホウ素粒子と共有結合した芳香族化合物と、前記芳香族化合物の少なくとも2つの補助部分を介して前記芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマーと、を含む、オリゴマー機能化窒化ホウ素粒子。
【0167】
実施形態52.オリゴマー機能化窒化ホウ素粒子を形成する方法であって、窒化ホウ素粒子を活性化し、少なくとも1つのヒドロキシル基を形成することと、芳香族化合物と前記窒化ホウ素粒子上の前記少なくとも1つのヒドロキシル基とを化学反応させることと、ここで前記芳香族化合物は、少なくとも2つの補助部分を含み、及び前記少なくとも2つの補助部分を介して、前記芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマーを化学反応させることと、を含む、方法。
【0168】
実施形態53.前記窒化ホウ素粒子が、六方晶系窒化ホウ素粒子である、実施形態51及び52のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化ホウ素粒子または方法。
【0169】
実施形態54.前記窒化ホウ素粒子及び前記芳香族化合物を接続する任意の部分の大部分が、ウレタン部分である、実施形態51及び52のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化ホウ素粒子または方法。
【0170】
実施形態55.前記芳香族化合物が、少なくとも1つの芳香環、少なくとも2つの芳香環、少なくとも3つの芳香環を含む、実施形態51及び52のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化ホウ素粒子または方法。
【0171】
実施形態56.前記芳香族化合物が、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、トリフェニルメタン部分を含む、実施形態51及び52のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化ホウ素粒子または方法。
【0172】
実施形態57.前記少なくとも2つの補助部分が、アミノ基(−NH2)、ヒドロキシル基(−OH)、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)、カルボキシル基(−COOH)、シアノ基(−CN)、シアネート基(−OCN)、イソシアネート基(−NCO)、チオール基(−SH)、またはチオイソシアネート基(−NCS)である、実施形態51及び52のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化ホウ素粒子または方法。
【0173】
実施形態58.前記芳香族化合物が、2つのイソシアネート部分、3つのイソシアネート部分、4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含む、実施形態51及び52のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化ホウ素粒子または方法。
【0174】
実施形態59.前記オリゴマー成分が、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイミダゾール(PBO及びPBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(ジメチルシロキサン)、またはフルオロポリマーを含む、実施形態51及び52のいずれか一項に記載のオリゴマー機能化窒化ホウ素粒子または方法。
【0175】
実施形態60.前記フッ素系オリゴマーが、PTFE、ETFE、FEP、ECTFE、またはPFAを含む、実施形態59に記載のオリゴマー機能化窒化ホウ素粒子または方法。
【0176】
実施形態61.少なくとも1つのポリマー成分と、前記ポリマー成分内に分散した修飾窒化ホウ素充填剤材料と、を含み、前記修飾窒化ホウ素充填剤材料が、窒化ホウ素粒子と、ウレタン結合を介して前記窒化ホウ素粒子と共有結合した芳香族化合物と、前記芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマー成分と、を含む、ポリマー系複合材。
【0177】
実施形態62.ポリマー系複合材を形成する方法であって、少なくとも1つのポリマー成分をオリゴマー機能化窒化ホウ素粒子の窒化ホウ素充填剤材料と組み合わせることを含み、前記オリゴマー機能化窒化ホウ素粒子の各々が、窒化ホウ素粒子と、ウレタン結合を介して前記窒化ホウ素粒子と共有結合した芳香族化合物と、前記芳香族化合物と共有結合した少なくとも2つのオリゴマー成分と、を含む、方法。
【0178】
実施形態63.前記窒化ホウ素粒子が、六方晶系窒化ホウ素粒子である、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0179】
実施形態64.前記窒化ホウ素粒子及び前記芳香族化合物を接続する任意の部分の大部分が、ウレタン部分である、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0180】
実施形態65.前記芳香族化合物が、少なくとも1つの芳香環、少なくとも2つの芳香環、少なくとも3つの芳香環を含む、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0181】
実施形態66.前記芳香族化合物が、フェニル部分、ビフェニル部分、ナフチル部分、フェナントリル部分、メチレンジフェニル部分、トリフェニルメタン部分を含む、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0182】
実施形態67.前記少なくとも2つの補助部分が、アミノ基(−NH2)、ヒドロキシル基(−OH)、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)、カルボキシル基(−COOH)、シアノ基(−CN)、シアネート基(−OCN)、イソシアネート基(−NCO)、チオール基(−SH)、またはチオイソシアネート基(−NCS)である、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0183】
実施形態68.前記芳香族化合物が、2つのイソシアネート部分、3つのイソシアネート部分、4つのイソシアネート部分、5つのイソシアネート部分を含む、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0184】
実施形態69.前記ポリマー成分が、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール(PBO及びPBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(ジメチルシロキサン)、またはフルオロポリマーを含む、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0185】
実施形態70.前記フッ素系ポリマーが、PTFE、ETFE、FEP、ECTFE、またはPFAを含む、実施形態69に記載のポリマー複合材または方法。
【0186】
実施形態71.前記ポリマー成分のモノマー単位が、前記オリゴマーのモノマー単位と同一ファミリーからのものである、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0187】
実施形態72.前記ポリマー成分のモノマー単位が、前記オリゴマー成分のモノマー単位と同一である、実施形態71に記載のポリマー複合材または方法。
【0188】
実施形態73.前記ポリマー成分が、熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーを含む、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0189】
実施形態74.前記ポリマー成分が、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイマイダゾール(PBO及びPBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(ジメチルシロキサン)、またはフルオロポリマーを含む、実施形態73に記載のポリマー複合材または方法。
【0190】
実施形態75.前記ポリマー成分が、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ベークライト、Novotext(綿繊維強化フェノール系)、Oasis(オープンセルフェノール系発泡体)、Maritex Aquarius、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンコポリマー、Kapton(ポリ−オキシジフェニレン−ピロメリトイミド)、脂肪族ポリイミド、芳香族ポリイミド、半芳香族ポリイミド、アクリル化飽和/不飽和脂肪族ポリウレタン、ニトリルゴムをブレンドしたポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンコポリマー、またはUTEMを含む、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0191】
実施形態76.前記フッ素系ポリマーが、PTFE、ETFE、FEP、ECTFE、またはPFAを含む、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0192】
実施形態77.前記オリゴマー成分が、シリコーン/シロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ乳酸、ポリベンズイミダゾール(PBO及びPBI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ(ジメチルシロキサン)、またはフルオロポリマーを含む、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0193】
実施形態78.前記フッ素系オリゴマーが、PTFE、ETFE、またはPFAを含む、実施形態77に記載のポリマー複合材。
【0194】
実施形態79.前記ポリマー系複合材が、少なくとも約10N/インチの剥離強度と、少なくとも約0.2W/mKの熱伝導率を備える、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0195】
実施形態80.前記ポリマー系複合材が、少なくとも約15N/インチ、少なくとも約20N/インチの剥離強度を備える、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【0196】
実施形態81.前記ポリマー系複合材が、少なくとも約1W/mKの熱伝導率を備える、実施形態61及び62のいずれか一項に記載のポリマー複合材または方法。
【実施例】
【0197】
実施例1
本明細書に記載された実施形態に従って、サンプルポリマー系複合材S1を形成した。具体的には、S1は、本明細書に記載された実施形態に従って形成されたオリゴマー機能化六方晶系窒化ホウ素粉末を含み、ポリブタジエンポリマーマトリックス中で、ポリマーマトリックスに対して10%の質量比の窒化物粉末と組み合わせた。
【0198】
比較のため、2つの比較サンプル複合材CS1及びCS2を形成した。比較サンプル複合材CS1は、充填剤を含まない(すなわち、六方晶系窒化ホウ素粉末を含まない)ポリブタジエンポリマーマトリックスを含んだ。比較サンプル複合材CS2は、ポリブタジエンポリマーマトリックス中で、ポリマーマトリックスに対して10%の質量比の窒化物粉末と組み合わせた、非修飾六方晶系窒化ホウ素粉末を含んだ。
【0199】
サンプルポリマー系複合材S1、比較サンプル複合材CS1、及び比較サンプル複合材CS2の剥離強度を測定し、記録した。剥離強度は、IPC標準2.4.9に従って測定した。
【0200】
剥離強度測定結果を、以下の表1にまとめる。
【0201】
【表1】
【0202】
図4は、サンプルポリマー系複合材S1、CS1、及びCS2の各々についての剥離強度のプロットを示す。
【0203】
実施例2
本明細書に記載された実施形態に従って、サンプルポリマー系複合材S2〜S4を形成した。具体的には、S2は、本明細書に記載された実施形態に従って形成されたオリゴマー機能化六方晶系窒化ホウ素粉末を含み、ポリブタジエンポリマーマトリックス中で、ポリマーマトリックスに対して20%の質量比の窒化物粉末と組み合わせた。S3は、本明細書に記載された実施形態に従って形成されたオリゴマー機能化六方晶系窒化ホウ素粉末を含み、ポリブタジエンポリマーマトリックス中で、ポリマーマトリックスに対して30%の質量比の窒化物粉末と組み合わせた。S4は、本明細書に記載された実施形態に従って形成されたオリゴマー機能化六方晶系窒化ホウ素粉末を含み、ポリブタジエンポリマーマトリックス中で、ポリマーマトリックスに対して40%の質量比の窒化物粉末と組み合わせた。
【0204】
比較のため、2つの比較サンプル複合材CS3及びCS4を形成した。比較サンプル複合材CS3は、充填剤を含まない(すなわち、六方晶系窒化ホウ素粉末を含まない)ポリブタジエンポリマーマトリックスを含んだ。比較サンプル複合材CS4は、ポリブタジエンポリマーマトリックス中で、ポリマーマトリックスに対して20%の質量比の窒化物粉末と組み合わせた、非修飾六方晶系窒化ホウ素粉末を含んだ。
【0205】
サンプルポリマー系複合材S2〜S4、比較サンプル複合材CS3、及び比較サンプル複合材CS4の熱伝導率を測定し、記録した。熱伝導率は、熱拡散率、密度、及び熱容量の積として計算した。より詳細には、面直方向熱伝導率は、面直方向熱拡散率、密度、及び熱容量の積として計算した。各サンプルの熱拡散率は、ASTM C−518標準に従って、熱流法により測定した。各サンプルの拡散率は、複合材ポリマー層に対し垂直に測定した。各サンプルの熱容量を、Netzschの熱てんびんでDSC(示差走査熱量計)により測定した。各サンプルの密度は、ヘリウムピクノメトリーにより測定した。
【0206】
熱伝導率測定結果を、以下の表2にまとめる。
【0207】
【表2】
【0208】
上記の開示された主題は、制限ではなく例示的であると考えられ、添付の特許請求の範囲は、本発明の実際の範囲内であるこのような全ての変更、改良、及び他の実施形態を含むことを目的とするものである。したがって、法律が最大限許容する範囲内で、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその等価物の許容され得る最も広い解釈によって決定されるべきであり、前述の発明を実施するための形態を制限するものでも限定するものでもない。
【0209】
本開示の要約は、特許法を遵守するために記載され、特許請求の範囲または趣旨を解釈するまたは限定するために使用されるものではないという理解の下で提供される。加えて、前述の発明を実施するための形態において、この開示を効率化することを目的として、様々な特徴がまとめられる、または1つの実施形態に記載されている場合がある。この開示は、請求の対象となる実施形態が、各請求項に明示される特徴よりも多くの特徴を必要とするという考えを反映すると解釈されるものではない。むしろ、以下の特許請求の範囲に反映されるように、発明の主題は、任意の開示される実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴に関することもある。したがって、以下の特許請求の範囲は、発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、請求される主題を別々に定義するものとして自立している。
図1
図2
図3
図4