(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の放射板(110、111、112;710、711、712、713)が、正角柱(160;730)の側面を形成する、請求項1に記載のアンテナ(100;700)。
前記正角柱が正三角柱(160)であり、前記複数の放射板(110、111、112;710、711、712、713)が3つの放射板(110、111、112)であり、
前記複数の反射板(120、121、122;720、721、722、723、724、725、726、727)が3つの反射板(120、121、122)であり、前記3つの反射板(120、121、122)が、それぞれ、前記正三角柱(160)の側方縁部および中心軸(O−O’)によって画定された3つの平面に配置された、
請求項6に記載のアンテナ(100;700)。
前記正角柱が正四角柱(730)であり、前記複数の放射板(110、111、112;710、711、712、713)が4つの放射板(710、711、712、713)であり、
前記複数の反射板(120、121、122;720、721、722、723、724、725、726、727)が8つの反射板(720、721、722、723、724、725、726、727)であり、前記8つの反射板(720、721、722、723、724、725、726、727)のうちの4つの反射板(720、721、722、723)が、それぞれ、前記正四角柱(730)の4つの側面と平行であり、前記正四角柱(730)内の内部正四角柱(740)を形成し、前記8つの反射板のうちの他の4つの反射板(724、725、726、727)が、それぞれ、前記内部正四角柱(740)の側方縁部と前記正四角柱(730)の対応する側方縁部とによって画定された4つの平面に配置された、請求項6に記載のアンテナ(100;700)。
前記複数の放射板(110、111、112;710、711、712、713)と前記複数の反射板(120、121、122;720、721、722、723、724、725、726、727)とを固定するための底板(140)
をさらに備える、請求項1に記載のアンテナ(100;700)。
前記複数の放射板(110、111、112;710、711、712、713)と前記複数の反射板(120、121、122;720、721、722、723、724、725、726、727)とを固定するための天板(150)
をさらに備える、請求項9に記載のアンテナ(100;700)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面全体にわたって、同じまたは同様の要素を示すために、同じまたは同様の参照番号が使用される。
【0013】
次に、本開示の原理および趣旨が、図面に示されている様々な例示的な実施形態に関して説明される。それらの実施形態の説明は、当業者が、本開示をより良く理解し、さらに実装することを可能にするものにすぎず、いかなる様式でも本明細書で開示される範囲を限定するものではないことを諒解されたい。
【0014】
上述のように、既存の再構成可能なアンテナは、依然として、様々な欠陥および欠如を有する。いくつかの既存のソリューションでは、単一アンカー屋内測位システムが切換えビームアンテナを使用し、再構成可能なアンテナは、半12面体を形成するようにアセンブルされた、6つの隣接する放射要素の組合せである。各放射要素は、マイクロストリップ・アンテナ技術において実装され、円偏波設計を用いて、同軸プローブによって給電される。各放射要素を多重化するために、単極6投(single−pole six−throw)無線周波数スイッチが使用される。基地局の制御下で、無線周波数スイッチは、6つの放射要素のうちの1つをトランシーバに接続する。
【0015】
いくつかの他の既存のソリューションでは、別の再構成可能なアンテナが提供される。同様に、この再構成可能なアンテナは、(アンテナの中心に)無線周波数給電ポートと6つのアンテナ分岐とを含む。各アンテナ分岐は、1つのV字形平面ダイポール駆動要素と、1つのV字形ダイレクタと、2つの直線リフレクタとを含む。得られたベント・ダイポール(bent dipole)は、水平偏波をもつ方向性放射パターンを提供することができる。六角形状の接地部も主リフレクタの役割を果たす。その上、ダイレクタおよびリフレクタは、方向性放射パターンを集中し、追加の放射利得を与える。
【0016】
しかしながら、これらの再構成アンテナの設計は、依然として、いくつかの問題を有する。まず第1に、既存の再構成可能なアンテナは、広帯域アンテナではなく、これは、マルチ・シナリオにおいていくつかのアルゴリズムおよびそれらの展開を限定するであろう。第2に、切替え可能な放射要素の数が好適でない。たいていの場合、RSS測位の方法は、2つまたは3つのビームのみを使用する。より多くのビーム選択性は、RSSの精度をあまり改善することができないが、制御回路の複雑さを増加させる。この視点は、いくつかのテストにおいて確認される。第3に、利得パターンの前後比が低い。後方方向からの干渉を低減するために、前後比は20dB超であり、できるだけ大きくなるべきである。既存のアンテナの前後比は、ほぼ10dBである。第4に、特定の屋内環境に応じて円偏波および直線偏波のうちのどちらがRSSにとってより良いかを決定されるべきである。
【0017】
上記の分析および説明に鑑みて、既存の再構成可能なアンテナの様々な欠陥および欠如を解決するために、本開示の実施形態は、コンパクトな広帯域パターン再構成可能なアンテナを提示する。本開示の一実施形態によるアンテナの構造が、
図1〜
図4を参照しながら最初に説明される。
【0018】
図1は、本開示の一実施形態による、アンテナ100を概略的に示す。
図1に示されているように、アンテナ100は、屋内測位のために送信される電磁波信号など、電磁波を放射するための3つの放射板110、111および112を含む。3つの放射板110、111および112を含む
図1におけるアンテナ100は、一例にすぎないことを理解されたい。本開示の他の実施形態は、2、4、5またはそれ以上など、他の数の放射板を含み得る。本開示の範囲は、この点について制限されない。
【0019】
電磁波を放射するために、平面ダイポール放射要素130が、放射板110の一方の側に配設され得る。
図1は、簡単のために、放射板111および112の詳細を示さないが、放射板111および112も、それぞれの平面ダイポール放射要素を設けられ得る。いくつかの実施形態では、ダイポール放射要素130は、対称に配設された2つの金属リング131および132を含み得る。金属リング131および132を使用してダイポール放射要素130を形成することが例示的な実装形態にすぎないことを諒解されたい。本開示の実施形態はまた、任意の他の好適なタイプのダイポール放射要素を利用し得る。
図1にさらに示されているように、放射板110、111および112は、アンテナ110によって送信された電磁波が360度の空間角度をカバーすることができるように、異なる方向に面するように配設される。
【0020】
アンテナ100は、放射板110、111および112によって放射された電磁波が、各々、それぞれの方向性放射パターンを有するように、電磁波を反射するための3つの反射板120、121および122をも含む。たとえば、
図1の実施形態では、放射板110、111および112は、正三角柱160の3つの側面を形成し、反射板120、121および122は、それぞれ、正三角柱160の側方縁部および中心軸O−O’によって画定された3つの平面に配置される。そのような構成下で、反射板120および122は、放射板110の電磁波が実質的に前方放射パターンを有するように、放射板110によって放射された電磁波を一緒に反射する。
【0021】
同様に、反射板120および121は、放射板112の電磁波が実質的に前方放射パターンを有するように、放射板112によって放射された電磁波を一緒に反射する。反射板121および122は、放射板111の電磁波が実質的に前方放射パターンを有するように、放射板111によって放射された電磁波を一緒に反射する。
【0022】
3つの反射板120、121および122を含む
図1におけるアンテナ100は、一例にすぎないことを理解されたい。本開示の他の実施形態は、2、4、5またはそれ以上など、他の数の反射板を含み得る。本開示の範囲は、この点について制限されない。さらに、
図1に示されている反射板120、121および122の方向および位置は、一例にすぎないことを諒解されたい。本開示の他の実施形態では、反射板120、121および122は、異なる位置および配向を有することができる。本開示の実施形態は、この点について限定されない。
【0023】
さらに、アンテナ100はスイッチをも含み、アンテナ100のスイッチは、簡単のために
図1に示されていない。アンテナ100のスイッチは、放射を実行するために放射板110、111および112から放射板を選択するために使用される。たとえば、約120度の空間範囲をカバーするように放射を実行するために、放射板110が、アンテナ100のスイッチを介して選択され得、また、より大きい角度の空間範囲をカバーするように、2つ以上の放射板が、アンテナ100のスイッチを介して選択され得る。ある実施形態では、アンテナ100のスイッチは、単極多投(SPNT:single−pole multi−throw)スイッチまたは他のスイッチング構成要素であり得る。その上、アンテナ100は、放射板110、111および112の間の相互作用を最小限に抑えるために、無反射タイプのスイッチを採用し得る。
【0024】
その上、アンテナ100は、放射板110、111および112と反射板120、121および122とを固定するための底板140をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、底板140は、無線周波数電気的接続、直流電気的接続など、放射板110、111および112のための電気的接続を提供することもできる。これらの実施形態では、アンテナ100のスイッチも、底板140上に配設され得る。その上、アンテナ100は、放射板110、111および112と反射板120、121および122とをさらに固定するための天板150を含み得る。いくつかの実施形態では、電気的接続はまた、天板150を通して放射板110、111および112のために提供され得る。
【0025】
以下では、
図2を参照しながらアンテナ100の放射板の構造について説明するための一例として放射板110が挙げられる。
図2は、本開示の一実施形態による、アンテナ100の放射板110の複数のビューを概略的に示し、上側のビューは、放射板110の平面図であり、中間のビューは、放射板110の側面図であり、下側のビューは、放射板110の底面図である。
【0026】
図2に示されているように、平面ダイポール放射要素130は、放射板110の一方の側(たとえば、底側)に配設され得る。平面ダイポール放射要素130は、対称軸X−X’に対して対称的に配設された金属リング131および132を含み得る。
図2の実施形態では、金属リング131および132は矩形金属リングであり得る。
図2において矩形形状で金属リング131および132を示すことは、一例にすぎないことを理解されたい。本開示の他の実施形態は、円形金属リング、正方形金属リングなど、他の形状の金属リングを採用し得る。
【0027】
金属リング131および132の金属パッチの幅Wが、アンテナ100の動作帯域幅を所定の帯域幅まで拡大するように構成され得る。すなわち、金属リング131および132の幅は、アンテナ100が、200MHzよりも大きい、−20dB帯域幅など、より広い帯域幅を有し得るように、従来のマイクロストリップ・ダイポールのマイクロストリップ線路の幅に対して拡大され得る。
【0028】
図2にさらに示されているように、放射板110の他方の側(たとえば、上側)に、L字形給電スタブ210が配設され得る。給電スタブ210の1つの端部が、平面ダイポール放射要素130に給電するために、ビア220を通して金属リング131および132のうちの1つ(図示の実施形態では金属リング131)に接続され得る。給電スタブ210は、例示的な給電線路構造であるにすぎず、本開示の他の実施形態は、平面ダイポール放射要素130に給電するために、他の給電線路構造をも採用することができることを理解されたい。その上、平面ダイポール放射要素130は、同軸ケーブルを介して給電され得る。
【0029】
以下では、アンテナ100の可能な特定の実装形態が
図3および
図4を参照しながら詳細に説明され、異なるアセンブリ要件を満たすために、アンテナ100の底板140の2つの代替設計が採択される。
図3は、本開示の一実施形態による、第1の底板の実施形態をもつ実際のアンテナ100を概略的に示す。
【0030】
図3に示されているように、放射板110は、2つの平行な側をもつ基板を含む。一実装形態では、放射板110の基板は、3.45の誘電率および0.002の誘電損失正接をもつ30ミルの厚さのRogers 4533である、高周波基板材料を採用し得る。基板の一方の側に、接地平面の一部分が、平面ダイポール放射要素130のアームを形成するように構成される。L字形給電スタブ210が、基板の他方の側に配設され、開口端部によって平面ダイポール放射要素130の1つのアームに結合する。
図3の実施形態では、アンテナ100に給電するために50Ω同軸給電プローブが使用される。アンテナ100の動作帯域幅を改善するために、平面ダイポール放射要素130のアームは、アンテナ100の電流分布を変更するために、広げられ、中心の部分が掘られている。
【0031】
図3によって示されている実施形態では、アンテナ100は、3つの放射板(放射板110のみが示されている)、3つの反射板(反射板120および122のみが示されている)、底板140および天板150を含む。3つの同等のプリント放射板が、120度の角度だけ分離される。3つの反射板も、120度の角度だけ分離され、放射板の座標からの60度回転を伴う。上述のように、反射板は、方向性放射パターンを生成するために使用される。
図3に示されている特定の設計パラメータのための特定の実施形態では、反射板の基板は、両方の側に銅が被覆された0.8mmの厚さのFR4基板であり得る。底板140と天板150とは両方とも、放射板および反射板を保持するために使用され、それらは、いくつかのソケット(プラグおよびレセプタクル)を有し得る。特定の実施形態では、底板140と天板150とは、1.6mmの厚さのFR4基板を採用し得る。
【0032】
図3に示されている底板140の第1の実施形態では、底板140は、放射板と反射板とを固定する役割を果たし、制御回路および無線周波数回路が、アンテナ100の外部に配設される。たとえば、底板140は、反射板を支持するための3つのプラグ311を設けられる。その上、底板140はまた、無線周波数(RF)ケーブルが通ること、および外部単極多投(SPNT)スイッチまたは他の構成要素に接続することを可能にするための3つのホール312を設けられる。
【0033】
図3を参照しながら説明された上記の特定の値は、特定の適用シナリオおよび設計のために決定され、これは、例示の目的にすぎず、本開示の範囲に対するいかなる限定をも示唆するものではないことに留意されたい。特定の要件および適用例によれば、任意の他の好適な値も可能である。
【0034】
図4は、本開示の一実施形態による、第2の底板の実施形態をもつ実際のアンテナ100を概略的に示す。
図4では、底板140は別として、アンテナ100の他の構成要素は、
図3におけるアンテナ100と同様の構造およびパラメータを有し、そこでは繰り返されない。
図4に示されているように、底板140の第2の実施形態では、放射板と反射板とを固定する役割に加えて、底板140は、アンテナ100の制御回路および無線周波数回路などを設けられる。たとえば、SP3Tスイッチ430および3つのRF超小型同軸コネクタ(図示せず)が、底板140の基板の上部に配置され、SMAコネクタ420およびRJ−45コネクタ410が、底板140の基板の他方の側に配設される。このようにして、SP3Tスイッチ430を介して、切替えビーム・アレイを構成する3つの選択可能な放射板のうちの1つに給電することによって、ビーム・ダイバーシティ動作がアクティブにされ得る。したがって、ビーム整形が実装されず、代わりに、同じビームが、可能な位置の離散セットにおいてステアリングされるにすぎない。
【0035】
図5は、特定の周波数における、本開示の一実施形態による、アンテナ100のシミュレートされた放射パターンを概略的に示す。
図5の実施形態では、アンテナ100の動作周波数は、LTE帯域3.4〜3.6GHzをカバーするように設計される。
図5の左のグラフは、アンテナ100の1つの放射板(アンテナ分岐)を選択することから生じる3.5GHzにおける3次元(3D)放射パターンを示す。右のグラフは、X−Y平面における放射パターンの断面およびY−Z平面における放射パターンの断面を示すために、それぞれ、実線および点線を使用する。
図5に示されているように、シミュレーションにおける実現された利得は、X−Y平面における70度の電力半値幅(HPBW:half power beam width)と、Y−Z平面における62度のHPBWとをもつ、8.9dBiである。利得の前後比は、20dBよりも大きい。したがって、アンテナ100は、RSSI屋内測位適用例に好適である。
【0036】
図6は、本開示の一実施形態による、アンテナ100のシミュレートされた反射損失を概略的に示す。
図6に示されているように、アンテナ100の−20dB動作帯域は、約3.07〜3.85GHzであり、これは、中心動作周波数の22.3%に近似し、LTE B22/B42周波数帯域の要件を完全に満たすことができる。アンテナ100の次元は、より低い周波数における他のLTE周波数帯域において動作するために、変更され、および/またはスケーリングされ得ることを理解されたい。
【0037】
上述のように、本開示の実施形態によるアンテナは、他の数の放射板および/または反射板を有し得、これらは、様々な他の位置関係を有し得る。たとえば、
図7は、本開示の別の実施形態による、アンテナ700を概略的に示す。
図7によって示されている実施形態では、アンテナは、より多数の放射板および反射板を有することを諒解されよう。
【0038】
図7に示されているように、アンテナ100とは異なり、アンテナ700は、4つの放射板710、711、712および713を含む。放射板710、711、712および713の構造は、アンテナ100の放射板110、111および112の構造と同様であり得、ここでは繰り返されない。
【0039】
その上、アンテナ100とは異なり、アンテナ700は、放射板710、711、712および713によって放射された電磁波が、各々、それぞれの方向性放射パターンを有するように、電磁波を反射するための8つの反射板720、721、722、723、724、725、726および727を含む。たとえば、
図7の実施形態では、反射板720、721、722および723は、それぞれ、放射板710、711、712および713と平行であり得、放射板710、711、712および713からなる正四角柱730内の内部正四角柱740を形成する。反射板724、725、726および727は、それぞれ、内部正四角柱740の側方縁部と正四角柱730の対応する側方縁部とによって画定された4つの平面に配置され得る。
【0040】
そのような構成下で、同等のプリント放射板710、711、712および713は、たとえば、正四角柱730を形成するために90度の角度で連続的に配置される。反射板720、721、722、723、724、725、726および727の設定は、利得パターンおよび反射損失を最適化するために、アンテナ100における反射板の設定に対して変更される。詳細には、反射板720、724および727は、放射板710の電磁波が実質的に前方放射パターンを有するように、放射板710によって放射された電磁波を一緒に反射する。
【0041】
同様に、反射板721、724および725は、放射板711の電磁波が実質的に前方放射パターンを有するように、放射板711によって放射された電磁波を一緒に反射する。反射板722、725および726は、放射板712の電磁波が実質的に前方放射パターンを有するように、放射板712によって放射された電磁波を一緒に反射する。反射板723、726および727は、放射板713の電磁波が実質的に前方放射パターンを有するように、放射板713によって放射された電磁波を一緒に反射する。
【0042】
図8は、特定の周波数における、本開示の別の実施形態による、アンテナ700のシミュレートされた放射パターンを概略的に示す。
図8の左のグラフは、アンテナ700の1つの放射板(アンテナ分岐)を選択することから生じる3.5GHzにおけるアンテナ700の3次元(3D)放射パターンを示す。右のグラフは、X−Y平面における放射パターンの断面およびY−Z平面における放射パターンの断面を示すために、それぞれ、実線および点線を使用する。
図8に示されているように、シミュレーションにおける実現された利得は、X−Y平面における68度のHPBWと、Y−Z平面における72度のHPBWとをもつ、8.8dBiである。利得の前後比は、同じく、20dBよりも大きい。したがって、アンテナ700は、RSSI屋内測位適用例に好適である。
【0043】
図9は、本開示の別の実施形態による、アンテナ700のシミュレートされた反射損失を概略的に示す。
図9に示されているように、アンテナ700の−20dB動作帯域は、約3.14〜3.85GHzであり、これは、中心動作周波数の20%に近似し、設計要件を完全に満たすことができる。アンテナ700の次元は、より低い周波数における他のLTE周波数帯域において動作するために、変更され、および/またはスケーリングされ得ることを理解されたい。
【0044】
本開示の実施形態は、より低いコストにおいてブロードバンド水平偏波の放射パターン切替え可能な再構成可能なアンテナを提供する。アンテナは、5G屋内測位適用例のための提案された設計であり、これは、ユーザ・エクスペリエンスを改善し、干渉を低減するために、アンテナのカバレージをフレキシブルに最適化することができる。本開示の実施形態のアンテナは、以下の特徴、すなわち、直線偏波アンテナ組合せ、給電するためにRFスイッチによって好適な放射要素を選択すること、簡略化された給電および制御信号ネットワーク、少なくとも200MHzよりも大きい帯域幅(−20dB)、利得パターンの前後比における高利得および優れた性能、を含み得る。さらに、本開示の実施形態のアンテナは、より高い精度およびより低いコストを達成するために、プリント回路板(PCB)プロセスを用いて製造され得る。
【0045】
同様の機能を有する既存の放射パターン再構成可能なアンテナと比較して、本開示の実施形態によるアンテナは、以下の利点を有する。アンテナは、コンパクトなサイズを有し、より高い精度およびより低いコストを達成するために、製造のためにPCBプロセスを利用する。アンテナは、より広い帯域幅を有し、これは、少なくとも200MHzよりも大きく(−20dB)、同様の機能を有する既存のアンテナよりもはるかに広い。アンテナは、簡略化された制御回路を有し、これは、1つのSP3Tスイッチのみを使用し、3つの制御信号のみを必要とし得る。アンテナは、利得のより良い前後比を有し、干渉信号を低減することによって測位精度を改善する。
【0046】
さらに、本開示の実施形態は、上記で説明されたように、アンテナを製造するための方法をも提供する。
図10に示されているように、一実施形態では、製造方法1000は、電磁波を放射するために異なる方向に向かって配向された複数の放射板を提供すること(1002)と、複数の放射板によって放射された電磁波が、各々、それぞれの方向性放射パターンを有するように、電磁波を反射するための複数の反射板を提供すること(1004)と、放射を実行するために複数の放射板から放射板を選択するためのスイッチを提供すること(1006)とを含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、方法1000は、平面ダイポール放射要素を複数の放射板の一方の側に配設することを含む。いくつかの実施形態では、平面ダイポール放射要素を提供することは、金属リングを対称軸に対して対称的に配設することを含む。いくつかの実施形態では、矩形金属リングが提供され得る。いくつかの実施形態では、金属リングの金属パッチの幅が、アンテナの動作帯域幅を所定の帯域幅まで拡大するように設定され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、製造方法1000に従って、L字形給電スタブが、複数の放射板の他方の側に配設され得る。いくつかの実施形態では、給電スタブの端部が、ビアを通して金属リングのうちの1つに接続され得る。いくつかの実施形態では、平面ダイポール放射要素は、同軸ケーブルを通して給電され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、複数の放射板は、正角柱の側面を形成し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、正三角柱が形成され得る。対応して、3つの放射板と3つの反射板とが提供され得、3つの反射板は、それぞれ、正三角柱の側方縁部と中心軸とによって画定された3つの平面に配置される。
【0050】
いくつかの実施形態では、正四角柱が形成され得る。対応して、4つの放射板と8つの反射板とが提供され得、それにより、8つの反射板のうちの4つが、それぞれ、正四角柱の4つの側面と平行であり、正四角柱内の内部正四角柱を形成する。他の4つの反射板が、それぞれ、内部正四角柱の側方縁部と正四角柱の対応する側方縁部とによって画定された4つの平面に配置される。
【0051】
いくつかの実施形態では、製造方法1000は、複数の放射板と複数の反射板とを固定するための底板を提供することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、底板はまた、複数の放射板のための電気的接続を提供する。いくつかの実施形態では、スイッチは底板上に配設される。
【0052】
いくつかの実施形態では、製造方法1000は、複数の放射板と複数の反射板とを固定するための天板を提供することをさらに含み得る。
【0053】
アンテナの例示的な構造に関して上記で説明されたすべての特徴は、対応する製造方法に適用可能であり、ここでは繰り返されないことを理解されたい。
【0054】
本明細書で使用される「含む」という用語およびそれの変形態は、「含むが、これに限定されない」を意味するオープンエンド用語として読まれるべきである。「に基づいて」という用語は、「に少なくとも部分的に基づいて」として読まれるべきである。「一実施形態」および「実施形態」という用語は、「少なくとも1つの例示的な実施形態」として読まれるべきである。
【0055】
本開示は、いくつかの具体的な実施形態に関して説明された。ただし、本開示は、本明細書で開示される具体的な実施形態に限定されないことを理解されたい。本開示は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内に含まれる様々な変更形態および等価の構成を包含することを目的とする。