(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記制御部は、浴槽へ注湯中の給湯要求に対し、前記開閉手段を閉止し、浴槽への注湯とともに前記給湯管路から給湯することを特徴とする、請求項2に記載の熱源装置。
さらに、前記制御部は、浴槽への注湯中の給湯要求に対し、注湯設定温度または給湯設定温度のいずれかの温度に選択可能とし、設定される温度により前記熱源の燃焼量を制御することを特徴とする、請求項2または3に記載の熱源装置。
さらに、前記第1の管路に設置されて、前記注湯管路からの前記湯水が前記追焚熱交換器側へ逆流するのを阻止する逆流阻止手段を備えて、前記注湯管路より前記追焚管路に前記湯水を流し込む際に、前記逆流阻止手段によって前記追焚熱交換器側に前記湯水の流入を阻止することを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかの請求項に記載の熱源装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
追焚管路に設置した電磁弁を開閉することで、注湯された湯を追焚熱交換器側に流入させないようにした場合、熱源装置では、部品コストや設置コストが増大し、追焚管路の設置スペースの拡大を招くことになる。また熱源装置は、注湯要求が発生する度に電磁弁の開閉制御を行わなければならず、動作制御などの処理が複雑化するという課題がある。
【0006】
また注湯処理では、たとえば予め再加熱されることを想定し、注湯要求の設定温度よりも低い温度で加熱するものがある。しかし、熱源装置では、たとえば給水の流量、給水時の温度、注湯の再加熱時の熱交換効率などを考慮して熱源の燃焼量を想定することになり、処理内容が複雑化する上に、注湯の設定温度に合わせるのが困難であるという課題がある。
【0007】
さらに、熱源装置では、再加熱を想定して燃焼量や注湯量などを制御した場合、注湯と同時に発生した給湯要求に対して十分に対応できなくなるという課題がある。再加熱を想定した注湯処理では、最初の熱交換において注湯要求温度よりも低い温度になるように設定されている。そのため、注湯用に加熱した湯水を給湯側に流したのでは、給湯要求温度から大きく異なる温度の湯水が給湯されることになる。そして給湯要求を優先するために注湯処理を中断させたのでは、浴槽の湯張りに要する時間が増加することで熱源装置の利便性が低下するという課題もある。
【0008】
そこで、本発明の目的は上記課題に鑑み、注湯温度の安定化とともに、熱源装置の注湯機能の簡易化を図ることある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、熱源装置の利便性を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の熱源装置の一側面によれば、浴槽水を加熱する追焚熱交換器と、熱媒または給水を加熱する熱交換器とを共通の熱源で加熱する熱源装置であって、浴槽水を浴槽側に戻す管路である第1の管路と、浴槽水を前記追焚熱交換器側に流す第2の管路とを有する追焚管路と、前記熱交換器で加熱された湯水を流す給湯管路と、前記追焚管路に対して前記給湯管路から前記湯水を流し込む注湯管路と、前記第2の管路と接続し、前記追焚熱交換器をバイパスして前記湯水を流すバイパス路と、前記バイパス路に設けられて、前記湯水の流れ方向を前記第1の管路から前記第2の管路側に規制する流れ方向規制手段とを備え、浴槽水を加熱する際、浴槽水が前記バイパス路により前記第2の管路から前記追焚熱交換器をバイパスして前記第1の管路に流入するのを前記流れ方向規制手段によって阻止し、前記注湯管路より前記追焚管路に前記湯水を流し込む際、前記注湯管路からの前記湯水を前記追焚管路の前記第1の管路に流すとともに、前記バイパス路によって前記第2の管路にも流して、前記第1の管路と前記第2の管路の双方から浴槽に注湯すればよい。
【0011】
上記熱源装置において、さらに、浴槽水位を検出する水位検出手段を備える前記第2の管路に設置され、該管路を開閉する開閉手段と、前記注湯時、前記開閉手段を閉止させて前記水位検出手段で検出した前記浴槽水位により前記浴槽への注湯量を制御する制御部とを備えてもよい。
【0012】
上記熱源装置において、さらに、前記制御部は、浴槽へ注湯中の給湯要求に対し、前記開閉手段を閉止し、浴槽への注湯とともに前記給湯管路から給湯してもよい。
【0013】
上記熱源装置において、さらに、前記制御部は、浴槽への注湯中の給湯要求に対し、注湯設定温度または給湯設定温度のいずれかの温度に選択可能とし、設定される温度により前記熱源の燃焼量を制御してもよい。
【0014】
上記熱源装置において、さらに、前記第1の管路に設置されて、前記注湯管路からの前記湯水が前記追焚熱交換器側へ逆流するのを阻止する逆流阻止手段を備えて、前記注湯管路より前記追焚管路に前記湯水を流し込む際に、前記逆流阻止手段によって前記追焚熱交換器側に前記湯水の流入を阻止してもよい。
【0015】
上記熱源装置において、前記逆流阻止手段または前記流れ方向規制手段に、逆流を阻止する逆止弁または二方弁を用いてもよい。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の熱源装置の注湯方法の一側面によれば、浴槽水を加熱する追焚熱交換器と、熱媒または給水を加熱する熱交換器とを共通の熱源で加熱する熱源装置の注湯方法であって、少なくとも前記熱交換器で加熱された湯水を給湯管路に流す工程と、浴槽水を浴槽側に戻す管路である第1の管路と浴槽水を前記追焚熱交換器側に流す第2の管路とを有する追焚管路に対して、前記給湯管路から前記湯水を流し込む工程と、前記注湯管路より前記追焚管路に前記湯水を流し込む際、前記注湯管路からの前記湯水を前記追焚管路の前記第1の管路に流すとともに、前記第2の管路と接続して前記追焚熱交換器をバイパスするバイパス路によって前記第2の管路にも流して、前記第1の管路と前記第2の管路の双方から浴槽に注湯する工程と、浴槽水を加熱する際、前記バイパス路に設けられた流れ方向規制手段によって、浴槽水が前記バイパス路を通過して前記第2の管路から前記追焚熱交換器をバイパスして前記第1の管路に流入するのを阻止する工程とを含めばよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0018】
(1) 追焚管路を利用した浴槽側への注湯機能について、追焚熱交換器で湯が再加熱されるのを防止でき、浴槽に対して設定温度での湯張りが行える。
【0019】
(2) 簡易な構成の逆流阻止手段を用いて、追焚管路を通過させる湯水が追焚熱交換器側に流入するのを阻止することができ、熱源装置の低コスト化および制御処理の簡素化が図れる。
【0020】
(3) 注湯実行中に給湯要求が発生した場合、要求温度に近い温度で注湯と給湯とを同時に行うことができ、熱源装置の利便性が高められる。
【0021】
(4) 追焚処理において、追焚管路内での浴槽水の循環量を上げることができ、追焚運転の際の効率を高められる。
【0022】
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、第1の実施の形態に係る熱源装置2の一例を示しており、たとえば給水加熱機能、浴槽追焚機能および給水機能側から供給される加熱された湯を浴槽に注湯する注湯機能を備える。
【0026】
この熱源装置2は、たとえば
図1に示すように、バーナ4の近傍に追焚熱交換器6と熱交換器8とを備える。追焚熱交換器6や熱交換器8は、バーナ4から排出される高温の燃焼排気との熱交換により、内部に流れる浴槽水BWや上水Wを加熱する。
【0027】
バーナ4は、本開示の熱源の一例であり、図示しない燃料流路や燃料弁などを通じて供給された燃料ガスGを燃焼させて燃焼排気を生成する。
【0028】
追焚熱交換器6には、追焚管路14を通じて浴槽水BWが流入する。浴槽水BWは、追焚熱交換器6を通過時に加熱される。
【0029】
熱交換器8は、給水管路を通じて流入した上水Wを燃焼排気と熱交換させる。この熱交換器8には、給水管路と給湯管路10が接続される。給水管路は、たとえば水道に接続されている。給湯管路10には、熱源装置2の給湯手段に接続されるほか、その一部が分岐されて浴槽に向けて注湯する注湯管路12が接続されている。加熱された湯水HWは、給湯管路10を通じて給湯口やシャワーなどの給湯負荷や、浴槽の注湯要求に応じて注湯管路12側に流される。注湯管路12は、追焚熱交換器6で加熱された浴槽水BWを浴槽側に戻す管路14−1側に接続されている。
【0030】
追焚熱交換器6と熱交換器8は、バーナ4の燃焼排気が流される共通の燃焼室に配置されてもよい。また追焚熱交換器6と熱交換器8には、たとえば表面に吸熱用のフィンなどを備えてもよい。
【0031】
管路14−1には、逆流阻止手段18が設置されている。この逆流阻止手段18は、管路14−1を流れる湯水が追焚熱交換器6側に逆流するのを阻止する手段の一例であって、逆止弁や二方弁などが用いられる。逆流阻止手段18は、管路14−1に注湯管路12が合流した接続部P1と追焚熱交換器6との間の逆流阻止エリア16内に設置されている。また逆流阻止手段18の設置位置は、逆流阻止エリア16のうち接続部P1に近い位置が好ましい。これにより管路14−1側に流し込まれた湯水HWに対し、追焚熱交換器6からの熱の影響を少なくできる。
【0032】
また、管路14−1には、追焚熱交換器6側に向けて浴槽水BWを流す管路14−2に接続したバイパス路20を備える。バイパス路20は、管路14−1の接続部P1と浴槽の間を分岐した管路である。このバイパス路20は、追焚熱交換器6をバイパスして浴槽水BWや湯水HWを流す手段の一例であり、管路14−1に流れる湯水HWの一部を管路14−2側に分岐して流す。バイパス路20上には、たとえば湯水HWや浴槽水BWの流れを規制する流れ方向規制手段22を備える。この流れ方向規制手段22は、バイパス路20を通じて管路14−1から管路14−2に向けて湯水HWを流すように規制する。また流れ方向規制手段22は、バイパス路20を通じて管路14−2から管路14−1に向けて浴槽水BWが流れるのを阻止する。
【0033】
バイパス路20は、たとえば管路14−1と同等の管径で形成されてもよく、または注湯する湯水を流す量に応じて、異なる管径で形成してもよい。すなわち、バイパス路20の管径を管路14−1よりも小さく設定すれば、注湯された湯水は、バイパス路20よりも管路14−1側に多く流すことができ、またその逆も成り立つ。
【0034】
これにより、熱源装置2は、浴槽に湯水HWを注湯する流路として、接続部P1を通過後に、湯水HWの一部または全部が管路14−1側に流される第1の流路と、湯水HWの一部または全部がバイパス路20を通じて管路14−2内に流される第2の流路を備える。第2の流路を利用して湯水HWを流す場合、管路14−2は、追焚時に浴槽水BWを流す流れ方向に対して逆流となる。
【0035】
これら第1の流路と第2の流路には、いずれか一方のみまたは両方に注湯された湯水を浴槽側に排出させてもよい。
【0037】
(1) 注湯管路12が管路14−1に接続されるとともに、接続部P1と追焚熱交換器6との間に逆流阻止手段18を備えることで、追焚熱交換器6による湯水の再加熱を阻止できる。
【0038】
(2) 追焚熱交換器6側に注湯された湯水を通過させないことで、設定した温度で浴槽への湯張りができる。
【0039】
(3) 注湯処理において、電磁弁の開閉等の処理を行わずに追焚熱交換器6側に湯水が流れるのを阻止することができ、熱源装置のコストを低減することができるとともに、弁の開閉制御などが不要なので、処理の簡略化や迅速性を向上させることができる。
【0041】
図2は、第2の実施の形態に係る熱源装置の一例を示している。この
図2において、
図1と同一の部分には同一の符号を付している。
【0042】
この熱源装置30は、バーナ4を備えた燃焼室32を備えている。この燃焼室32には、追焚熱交換器34と熱交換器36が設置されており、共通のバーナ4の燃焼排気と熱交換する。この追焚熱交換器34と熱交換器36は、たとえば燃焼室32内で一体化して形成されてもよい。
【0043】
熱交換器36は、流入した上水Wを熱交換する手段の一例である。熱交換器36には、流入側に上水Wを流す給水管路38が接続される。給水管路38は、たとえば水道などに接続され、上水Wを熱交換器36側に流す。給水管路38には、温度センサ40や水量センサ42が設置される。温度センサ40は、給水管路38内に流入した上水Wの温度を検出する手段の一例である。水量センサ42は、給水の開始や流水量を監視する手段の一例である。
【0044】
また熱交換器36の出側には、給湯管路10が接続される。この給湯管路10には、温度センサ44、給水バイパス路46、切替弁48、温度センサ50が設置されるとともに注湯管路12が接続されている。温度センサ44は、熱交換後の湯水HWの温度を検出する手段の一例である。給水バイパス路46は、給水管路38と接続され、熱交換器36をバイパスして加熱前の上水Wを給湯管路10側に流入させる管路の一例である。切替弁48は、給湯管路10と給水バイパス路46との接続位置に設置され、加熱した湯水HWと上水Wとの混合量を調整する手段の一例である。温度センサ50は、冷水を混合させた湯水HWの温度を検出する手段の一例であり、たとえば給湯要求温度または注湯温度か否かの監視に利用される。
【0045】
給湯管路10に接続した注湯管路12には、開閉弁52、注湯量センサ54が備えられている。開閉弁52は、注湯量を調整する手段の一例である。注湯量センサ54は、注湯管路12に流れる湯水HWの流量を検出する手段の一例である。そのほか、注湯管路12には、図示しない逆流防止手段を備えてもよい。
【0046】
熱源装置30は、追焚熱交換器34と浴槽との間で浴槽水BWを循環させる追焚管路60を備える。この追焚管路60は、往き管60−1、戻り管60−2を備える。往き管60−1は浴槽水BWを追焚熱交換器34から浴槽に流す管路である。戻り管60−2は、浴槽水BWを追焚熱交換器34側に流す管路である。
【0047】
注湯管路12は、往き管60−1に接続されている。往き管60−1には、逆止弁62および温度センサ64が設置されている。逆止弁62は、本開示の逆流阻止手段の一例であって、接続部P1と追焚熱交換器34との間に設置され、湯水HWの流れ方向を制限している。つまり、湯水HWの流れ方向は、浴槽水BWを浴槽側に戻す方向に一致している。これにより、注湯された湯水HWが追焚熱交換器34側に流れるのを阻止している。
【0048】
往き管60−1および戻り管60−2には、接続部P1よりも浴槽側に設置されたバイパス路20で接続されており、このバイパス路20には、逆止弁74が設置されている。この逆止弁74は、本開示の流れ方向規制手段の一例であり、追焚処理において、戻り管60−2を流れる浴槽水BWがバイパス路20に流れるのを阻止し、追焚熱交換器34をバイパスするのを防止している。
【0049】
戻り管60−2には、浴槽側から追焚熱交換器34に向かって、水位センサ66、開閉弁68、温度センサ70、ポンプ72等を備える。水位センサ66は、たとえば浴槽側からの水圧によって浴槽内の水位を検出する手段の一例である。開閉弁68は、開閉により戻り管60−2側を通じた浴槽水BWまたは湯水HWの通流を切替える手段の一例である。つまり、戻り管60−2には、追焚処理において開閉弁68が開状態になると、浴槽側から追焚熱交換器34側に向けて浴槽水BWが流される。また戻り管60−2には、注湯処理において開閉弁68が開状態になると、バイパス路20を通じて湯水HWが流される。
【0050】
そのほか熱源装置30は、制御部80を備える。この制御部80は、たとえば燃焼制御や注湯処理の切替え、開閉弁68の開閉などを含む制御処理を行うこの制御部80には、たとえば図示しないリモコン装置や表示装置などが接続されてもよく、温度設定やその他の制御に関する設定処理を可能にすればよい。
【0052】
図3は、追焚管路を利用した注湯経路の一例を示している。
【0053】
熱源装置30は、浴槽への注湯要求が発生すると、バーナ4の燃焼を開始させて給湯加熱を行うとともに、開閉弁52を開状態にして注湯管路12を開放する。熱源装置30は、
図3のAに示すように、開閉弁68が閉状態の場合、湯水HWが注湯管路12から往き管60−1のみを通じて浴槽側に注湯する片搬送となる。このとき熱源装置30では、注湯を行いながら水位センサ66により浴槽内の水位検出が行える。また、熱源装置30では、
図3のBに示すように、開閉弁68が開状態の場合、戻り管60−2側にも湯水HWを流して浴槽に注湯するダブル搬送となる。このようにダブル搬送を行うことで注湯量が多くなり湯張り時間が短縮できる。
【0054】
制御部80は、たとえば注湯処理において、片搬送に設定するか、またはダブル搬送に設定するかを予め設定すればよい。また制御部80は、注湯処理実行の経過時間、注湯量、または同時に給湯要求が発生しているか否かなどの条件に基づいて、片搬送かダブル搬送かを設定してもよい。
【0055】
なお、制御部80は、注湯処理について片搬送とダブル搬送の切替えにより給水量が変化した場合、それに応じた燃焼制御を行えばよい。
【0057】
図4は、熱源装置の制御部の一例を示している。
図4に示す構成は一例であって、本発明が斯かる内容に限定されるものではない。
【0058】
制御部80は、コンピュータで構成されており、バーナ4の燃焼制御、給湯加熱、追焚加熱に関する演算処理、注湯制御などに関する情報処理を行う。この制御部80は、たとえばプロセッサ82、メモリ部84、I/O(Input Output)86を備えている。
【0059】
プロセッサ82は、メモリ部84に記録されているプログラムを演算することで、熱源装置30の動作制御や情報処理などを行う。メモリ部84は、たとえば熱源装置30の燃焼制御、注湯制御、追焚制御、その他の動作制御等を含む動作制御プログラムなどを記憶するROM(Read-Only Memory)や、これらのプログラムをプロセッサ82に実行させるためのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そのほか、制御部80は、たとえば図示しない外部ネットワークとの通信機能やユーザが所持する携帯端末装置との間でデータの送受信を行う近距離通信機能などを備えてもよい。
【0060】
I/O86は、熱源装置30に設置された各機能部やセンサなどの検出手段との間でデータの授受を行うインターフェースの一例である。制御部80は、給湯要求や注湯要求、または追焚要求に対し、I/O86を介して各温度センサ40、44、50、64、70から上水温度や給湯温度、注湯温度、浴槽水温度などを取得するほか、開閉弁52、68の開閉制御、水量センサ42、注湯量センサ54や水位センサ66の検出情報の取込み、ポンプ72の動作指示、バーナ4に対する燃焼指示などを行う。
【0062】
図5〜7は、全自動運転の処理例を示している。
図5〜
図7に示す処理内容、処理手順などは一例であり、斯かる内容に本発明が限定されない。
【0063】
この全自動運転の処理は、本開示の熱源装置の注湯方法またはその注湯プログラムの一例であって、熱源装置30による浴槽側への注湯機能を示している。
【0064】
熱源装置30は、たとえばリモコン操作などにより浴槽への自動湯張り要求が発せられると、浴槽内の残り湯の有無を確認する(S11)。制御部80は、たとえば水位センサ66の検出値を読み出して、浴槽内に湯が有るか否かを判断してもよい。浴槽内に残り湯が無い場合(S12のYES)、制御部80は、注湯処理を開始させ、浴槽内の所定水位まで湯が貯まるように注湯指示を行う(S13)。
【0065】
この注湯処理では、たとえば
図6に示すように、設定温度で所定量X1の注湯を開始させ(S21)、この所定量X1が流れるまで注湯を行えばよい(S22のYES)。この所定量X1は、たとえば残り湯が無い状態の浴槽に対して注湯することで、追焚管路60が接続される浴槽の循環口の水位に達する流量を設定すればよい。このとき、熱源装置30は、開閉弁68を開状態に制御してダブル搬送を行えばよい。
【0066】
所定水位までの注湯(S13)が完了すると、制御部80は、水位検出および注湯量の補正処理を開始する(S14)。この処理では、現在の浴槽内の湯量を把握して、設定水位に達するまでの必要な注湯量の算出を行う。
【0067】
そこで、制御部80は、たとえば
図7に示すように、開閉弁68を閉止させ(S31)、注湯を片搬送に設定し、注湯量を所定量X2に設定する(S32)。この所定量X2は、たとえば浴槽が空の状態から注湯を開始した場合に、設定水位まで湯張りするのに必要な残りの注湯量を設定すればよい。
【0068】
熱源装置30は、水位センサ66の検出結果により浴槽内の水位を把握し(S33)、想定水位と一致するかを判断する(S34)。この想定水位は、たとえばS13の注湯処理で設定した所定水位を利用すればよい。検出した水位が想定水位と一致する場合(S34のYES)、制御部80は、残りの注湯量をX2に維持させる(S35)。また検出した水位が設定水位と一致しない場合(S34のNO)、その水位の相違に基づいて補正した注湯量X3を設定する(S36)。
【0069】
なお、この水位検出および注湯量の補正処理において、熱源装置30は、往き管60−1側のみの片搬送による注湯を継続し、戻り管60−2で浴槽内の水位検出を行えばよい。
【0070】
熱源装置30は、注湯量の設定が完了すると、残り注湯量をダブル搬送で注湯する(S15)。設定した注湯量に達すると、注湯管路12を閉止させ、浴槽内の湯が設定温度になるまで追焚加熱を行う(S16)。
【0071】
また、熱源装置30は、注湯開始時の残り湯の有無の判断において、浴槽内に湯が残っていると判断した場合(S12のNO)、現在の水位に基づいて算出した残り注湯量をダブル搬送すればよい(S15)。
【0073】
次に給湯要求が発生した場合の処理例を示す。
【0074】
注湯処理の実行中にシャワーなどの給湯負荷が発生した場合、熱源装置30は、浴槽への注湯処理と給湯負荷への給湯を同時に行えばよい。この場合、給湯温度は、注湯温度に設定すればよい。制御部80は、注湯流量と要求された給湯流量とが、熱源装置30の給湯能力を超えるか否かを判断する。給湯能力を超える場合、制御部80は、給水管路38に設けられた図示しない水制御弁を利用し、全体の通水量の制限を行えばよく、または注湯流量を制限してもよい。
【0075】
注湯流量の制限は、たとえば開閉弁68を閉止させ、ダブル搬送から片搬送に切替えればよい。
【0076】
また、熱源装置30は、たとえば注湯と給湯を同時に行う場合、給湯要求温度に合わせて燃焼制御を行ってもよい。このように燃焼制御を行うことで、給湯要求が短時間で完了する場合、利用者の要求する温度で給湯でき、熱源装置30の利便性が高められる。また片搬送により注湯量を減少させているため、浴槽の設定温度よりも高い温度の湯が注湯されたとしても、浴槽内の温度への影響を抑えることができる。
【0077】
なお、給湯要求温度で注湯した場合、追焚処理において浴槽内の温度を調整すればよい。
【0079】
(1) 往き管60−1および戻り管60−2の両方を使って注湯処理を行うことで、浴槽の湯張りを迅速に行うことができ、熱源装置の利便性が図れる。
【0080】
(2) 追焚管路への逆流阻止手段を簡易な構成により実現し、かつ注湯処理と追焚処理において開閉や切替えなどの制御を不要とすることで、熱源装置の低コスト化および処理の簡易化が図れる。
【0081】
(3) 注湯管路12を往き管60−1側に接続し、戻り管60−2側の開閉弁68を閉止することで、戻り管60−2に設置した水位センサ66を利用して浴槽内の水位検出を行いながら片搬送で注湯処理を継続できるので、浴槽の湯張り処理の迅速化が図れる。
【0082】
(4) 注湯処理と給湯処理を同時に行った場合でも、要求温度に近い湯を給湯することができ、熱源装置30の利便性が高められる。
【0083】
(5) 注湯処理中に給湯要求が発生した場合でも、注湯処理を中断させないので、湯張りが完了しないという事態を回避できる。
【0085】
図8は、注湯流路の実施例を示している。
図8に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されない。
【0086】
注湯管路12は、たとえば
図8に示すように、鉛直方向またはそれに近い方向に立てた状態で配置され、この注湯管路12の上側の端部は図示しない給湯管路に接続される。また注湯管路12の下端側は、たとえば水平方向に設置された管路92に連結される。注湯管路12には、給湯管路から湯水の流入を遮断する開閉弁52、注湯量センサ54、給湯管路への逆流を阻止する逆止弁90が設置される。
【0087】
管路92は、注湯管路12から流し込まれた湯水HWを追焚管路側に流し込む管路である。この管路92には、たとえば注湯管路12と並列に追焚熱交換器34からの往き管94および追焚熱交換器34への戻り管98が接続される。また管路92には、往き管94と戻り管98との間に、鉛直方向下側に向けて往き管96が接続される。この管路92は、既述の注湯管路12の一部およびバイパス路20の一例であり、往き管96と戻り管98との間に逆止弁74が設置される。
【0088】
往き管94は、たとえば既述の往き管60−1の一部であって、接続部P1から追焚熱交換器34との間の管路である。往き管94には、逆流阻止手段である逆止弁62が備えられる。往き管96は、往き管60−1の一部であって、接続部P1から浴槽側への管路である。この往き管96は、管路92に流し込まれた湯水を浴槽側に流す。
【0089】
戻り管98は、上部側が既述の追焚熱交換器34に接続されており、浴槽水を追焚熱交換器34側に流す管路である。戻り管98には、ポンプ72の揚力によって吸い込まれた浴槽水が流入する。
【0090】
そのほか、管路92には、たとえばポンプ72を介して戻り管100および戻り管104が接続される。戻り管100、104は、既述のバイパス路20から浴槽側に向かう管路の一例である。
【0091】
このように注湯流路を形成する管路は、たとえば注湯処理において湯水を流す管路を水平またはそれに近い角度、若しくは鉛直方向の下向きになるように配置されている。また供給された湯水HWが管路92を通過し、往き管96と戻り管100、104を通じて浴槽側に流し込む。つまり、この熱源装置では、追焚熱交換器34側に接続された往き管94に逆止弁62が備えられるとともに、湯水HWが流れる管路92に対して往き管94、戻り管98を鉛直方向上向きで接続することで、注湯された湯水が往き管94、戻り管98に対して流入し難くなっている。
【0092】
そのほか、戻り管98には、たとえば管路92との接続部分に近い部分102にオリフィスを設けることで、湯水HWを流入させにくくしてもよい。
【0093】
斯かる構成によれば、注湯された湯水を注湯流路内で滞らせずに浴槽側に流し込むことができる。また、逆止弁62、74と配管の方向による簡易な構成により、注湯される湯水が追焚熱交換器34側に流れるのを阻止でき、熱源装置の低コスト化および処理の簡易化が図れる。
【0095】
図9は、熱源装置の他の実施例を示している。この熱源装置30−2は、往き管60−1上に、注湯管路12の接続部P1と追焚熱交換器34との間にバイパス路20を設置している。注湯管路12を通じて流し込まれた湯水HWは、往き管60−1上の接続部P1で分岐され、一方は浴槽側に流れ、他方は追焚熱交換器34方向に向けた所定長さの注湯エリア110を通過してバイパス路20側に流される。
【0096】
往き管60−1には、たとえば接続部P1と追焚熱交換器34との間であって、かつバイパス路20の接続位置よりも追焚熱交換器34側に逆止弁62が設置される。
【0097】
これにより熱源装置30−2には、
図10のAに示すように、開閉弁68を閉止することで、往き管60−1のみを利用した片搬送の流路が形成される。また熱源装置30−2には、
図10のBに示すように、開閉弁68を開状態にすることで、往き管60−1を利用した流路と、往き管60−1の注湯エリア110からバイパス路20を通過させ、戻り管60−2を通じて浴槽に流す流路が形成される。
【0098】
また、熱源装置30−2は、たとえば
図11に示すように、水平またはそれに近い状態で配置された管路92に対し、鉛直方向上向きに注湯管路12、追焚熱交換器34からの往き管94、追焚熱交換器34への戻り管98が並列に配置される。また管路92には、注湯管路12と往き管94との間に鉛直方向下向きに浴槽側への往き管96が配置される。各管路の方向および機能、効果については、
図8と同様であり、その説明を割愛する。
【0100】
上記実施の形態では、熱源装置として、追焚熱交換器および給湯する湯水を加熱する熱交換器が共通の熱源によって加熱される、所謂一缶二水の熱源装置を示したがこれに限られない。加熱された湯水を浴槽側に流す注湯機能を備える熱源装置であれば、暖房機能などを備えた所謂一缶三水の熱源器であってもよい。
【0101】
熱源装置30−2は、たとえば
図12に示すように、熱源であるバーナ4を備えた燃焼室32内に追焚熱交換器34と熱媒を加熱する熱媒熱交換器120を備える。この熱媒熱交換器120には、熱媒循環路122が接続されており、内部に水またはアルコールなどの熱媒が循環している。熱媒循環路122は、たとえば給水管路38から上水Wが流される給湯熱交換器124を備えており、上水Wが熱媒の熱によって加熱される。給湯熱交換器124で加熱された湯水HWは、給湯管路10から注湯管路12を通過し、追焚管路60を通じて浴槽側に注湯される。この注湯管路12および追焚管路60を利用した注湯流路は上記実施の形態に示す構成である。
【0102】
そのほか、熱媒循環路122には、熱媒を貯留するタンク126、循環ポンプ128、混合弁130、分配弁132、134が設置されるほか、暖房負荷である高温端末に熱媒を流す高温負荷流路136、低温負荷に流す低温負荷流路138、暖房負荷側からタンク126に熱媒を流す戻り管路140を備えてもよい。
【0103】
以上説明したように、熱源装置の最も好ましい実施の形態などについて説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。