特許第6817858号(P6817858)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6817858
(24)【登録日】2021年1月4日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】表面実装型デバイス及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20210107BHJP
   H01L 23/04 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   H03B5/32 H
   H01L23/04 D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-52211(P2017-52211)
(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公開番号】特開2018-157359(P2018-157359A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2020年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】小川 真人
【審査官】 橋本 和志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−009184(JP,A)
【文献】 特開2015−207867(JP,A)
【文献】 特開2016−082319(JP,A)
【文献】 特開2015−095716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03B 5/32
H01L 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を実装した主基板が搭載された台座と、前記台座が搭載される下基板と、前記台座を覆うよう前記下基板に搭載されるカバーとを備えた表面実装型デバイスであって、
前記下基板上において、前記カバーと半田付けされる半田付けパターンが、前記カバーが搭載される領域から当該下基板の内側に亘って形成され、
前記台座は、前記半田付けパターンの上部に空間が形成されるよう、側面部に切り欠き部を備え、
前記カバーは、前記空間に形成された半田によって前記半田付けパターン上に固定されていることを特徴とする表面実装型デバイス。
【請求項2】
切り欠き部は、台座の側面部の外側面から当該台座の側面部の底部にかけて、前記側面部の一部が切り取られた凹部形状であることを特徴とする請求項1記載の表面実装型デバイス。
【請求項3】
台座は、下基板と主基板とを電気的に接続する複数のピンを備え、前記複数のピンが前記下基板に形成された電極に半田によって固定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の表面実装型デバイス。
【請求項4】
下基板上に台座とカバーとを搭載する表面実装型デバイスの実装方法であって、
側面部に切り欠き部が形成され、複数のピンを備えた前記台座に、電子部品を実装した主基板を搭載する工程と、
前記下基板に形成された電極と、前記カバーが搭載される領域から当該下基板の内側に亘って形成された半田付けパターンとに半田を塗布する工程と、
前記半田付けパターン上の半田が前記切り欠き部によって形成された空間内に位置するように前記台座を搭載する工程と、
前記半田付けパターン上に前記カバーを搭載する工程と、
前記電極と前記ピン、及び前記半田付けパターンと前記カバーとを、前記半田をリフローすることによって同時に固定する工程とを備えたことを特徴とする表面実装型デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面実装型デバイスに係り、特に小型のデバイスでもカバーを半田付けで固定でき、組み立て工程を簡易にすることができる表面実装型デバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[先行技術の説明]
表面実装型デバイス(SMD:Surface Mount Device)として、恒温槽付水晶発振器(OCXO;Oven Controlled Crystal Oscillator)等の表面実装型圧電発振器がある。
従来の表面実装型圧電発振器では、主基板上に水晶振動子等の電子部品を実装した主基板を台座上に搭載し、当該台座を下基板上に搭載して、台座を含むモジュール(台座モジュール)全体をカバーで覆った構成が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
台座には、主基板と下基板とを電気的に接続する複数のピンが設けられている。
また、下基板には、台座のピンと接続する電極と、カバーが半田付けされる半田付けパターンが形成されており、実装時には、台座のピンと下基板の電極とが半田付けされて、下基板と台座とが固定された後、下基板の半田付けパターンとカバーとが半田付けされて、下基板とカバーとが固定されるようになっている。
【0004】
そして、従来の表面実装型デバイスでは、下基板において、台座が搭載されている領域の外側に、カバーの半田付けパターンが形成されていた。
近年、製品の小型化に伴って、下基板上において台座とカバーとの間の隙間が狭くなり、カバーを半田付けするためのスペースが確保できず、接着剤等によりカバーを接着していた。接着剤による接着は、半田付けに比べて強度が十分ではない。
【0005】
[関連技術]
尚、表面実装型デバイスに関する従来技術としては、特開2014−3553号公報「表面実装型デバイス」(日本電波工業株式会社、特許文献1)があり、半田付けに関する従来技術としては、特開2001−326291号公報「半導体素子モジュール及び半導体装置」(三菱電機株式会社、特許文献2)がある。
【0006】
特許文献1には、複数のピンを備えるピンアダプタ(台座)をベース基板(下基板)に固定し、ピンの先端を電子部品が搭載されたメイン基板(主基板)に設けられた穴に挿入して、メイン基板とベース基板を固定することが記載されている。
【0007】
特許文献2には、半導体素子モジュールを基板に設けたスルーホールを介して基板に実装する際に、パッケージ底面と基板との間に半田が流れ込んでショートするのを防ぐ構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014−3553号公報
【特許文献2】特開2001−326291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、従来の表面実装型デバイス及びその製造方法では、製品の小型化によりカバーを半田付けするためのスペースが確保できなくなり、接着剤等による接着では接着強度が十分とはいえないという問題点があった。
【0010】
また、従来の表面実装型デバイスでは、下基板に台座モジュール及びカバーを実装する際には、まず台座モジュールを半田付けし、次にカバーを接着剤で固定するため、実装工程が2段階となり、煩雑であるという問題点があった。
【0011】
尚、特許文献1及び特許文献2には、下基板の半田付けパターンが、カバーが搭載される領域から下基板の内側に亘って形成され、台座の側面部において、半田付けパターン上となる部分に空間を形成する切り欠き部を設けることは記載されていない。
【0012】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、カバーを下基板に半田付けするスペースを確保して、カバーを半田によって十分な強度で下基板に固定できると共に、実装工程を簡略化して製造コストを低減することができる表面実装型デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、電子部品を実装した主基板が搭載された台座と、台座が搭載される下基板と、台座を覆うよう下基板に搭載されるカバーとを備えた表面実装型デバイスであって、下基板上において、カバーと半田付けされる半田付けパターンが、カバーが搭載される領域から当該下基板の内側に亘って形成され、台座は、半田付けパターンの上部に空間が形成されるよう、側面部に切り欠き部を備え、カバーは、空間に形成された半田によって半田付けパターン上に固定されていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明は、上記表面実装型デバイスにおいて、切り欠き部は、台座の側面部の外側面から当該台座の側面部の底部にかけて、側面部の一部が切り取られた凹部形状であることを特徴としている。
【0015】
また、本発明は、上記表面実装型デバイスにおいて、台座は、下基板と主基板とを電気的に接続する複数のピンを備え、複数のピンが下基板に形成された電極に半田によって固定されていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、下基板上に台座とカバーとを搭載する表面実装型デバイスの製造方法であって、側面部に切り欠き部が形成され、複数のピンを備えた前記台座に、電子部品を実装した主基板を搭載する工程と、下基板に形成された電極と、カバーが搭載される領域から当該下基板の内側に亘って形成された半田付けパターンとに半田を塗布する工程と、半田付けパターン上の半田が切り欠き部によって形成された空間内に位置するように台座を搭載する工程と、半田付けパターン上にカバーを搭載する工程と、電極とピン、及び半田付けパターンとカバーとを、半田をリフローすることによって同時に固定する工程とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電子部品を実装した主基板が搭載された台座と、台座が搭載される下基板と、台座を覆うよう下基板に搭載されるカバーとを備えた表面実装型デバイスであって、下基板上において、カバーと半田付けされる半田付けパターンが、カバーが搭載される領域から当該下基板の内側に亘って形成され、台座は、半田付けパターンの上部に空間が形成されるよう、側面部に切り欠き部を備え、カバーは、空間に形成された半田によって半田付けパターン上に固定されている表面実装型デバイスとしているので、小型のデバイスであっても、切り欠き部によって形成される空間内において十分な大きさの半田付けパターンに十分な量の半田を塗布して、下基板とカバーとを半田付けすることができ、接着剤を用いる場合と比べて、接着の強度を向上させることができ、また、台座とカバーとを同一の工程で半田付けできるため、組み立て工程を簡易にすることができる効果がある。
【0018】
また、本発明によれば、下基板上に台座とカバーとを搭載する表面実装型デバイスの製造方法であって、側面部に切り欠き部が形成され、複数のピンを備えた前記台座に、電子部品を実装した主基板を搭載する工程と、下基板に形成された電極と、カバーが搭載される領域から当該下基板の内側に亘って形成された半田付けパターンとに半田を塗布する工程と、半田付けパターン上の半田が切り欠き部によって形成された空間内に位置するように台座を搭載する工程と、半田付けパターン上にカバーを搭載する工程と、電極とピン、及び半田付けパターンとカバーとを、半田をリフローすることによって同時に固定する工程とを備えた表面実装型デバイスの製造方法としているので、下基板とカバーとを接着剤で接着する場合と比べて接着の強度を向上させることができ、また、台座とカバーとを同一の工程で下基板に半田付けできるため、組み立て工程を簡易にし、製造コストを低減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本表面実装型デバイスの分解斜視図である。
図2】本表面実装型デバイスの台座の構成を示す斜視図であり、
図3】本表面実装型デバイスの台座の側面図である。
図4】本表面実装型デバイスにおけるカバーと下基板との接続部分の断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る表面実装型デバイス(本表面実装型デバイス)は、電子部品を実装した主基板が台座に搭載され、下基板の上に、台座と、台座を覆うカバーとが搭載された表面実装型デバイスであり、下基板上において、カバーと半田付けされる半田付けパターンが、カバーが搭載される領域から下基板の内側の領域に亘って形成されると共に、台座の側面部に、半田付けパターンの上部に空間を形成する切り欠き部が設けられており、カバーが、当該空間に形成された半田によって半田付けパターン上に固定された構成としており、カバーを下基板上に半田付けするスペースを確保して十分な強度で固定でき、また、台座の半田付けとカバーの半田付けを同一工程で行うことができ、実装工程を簡略化することができるものである。
【0021】
また、本発明の実施の形態に係る表面実装型デバイスの製造方法は、下基板上の金属パターン及び半田付けパターンに半田を塗布し、半田付けパターン上の半田が切り欠き部によって形成された空間内に位置するように台座を搭載し、半田付けパターン上にカバーを搭載して、電極とピン、及び半田付けパターンとカバーとを、半田をリフローすることによって同時に固定するようにしているので、台座の半田付けとカバーの半田付けを同一工程で行うことができ、実装工程を簡略化することができるものである。
【0022】
[本表面実装型デバイスの構成:図1
本表面実装型デバイスの構成について図1を用いて説明する。図1は、本表面実装型デバイスの分解斜視図である。
図1に示すように、本表面実装型デバイスは例えばOCXOであり、下基板2の上に、主基板3を搭載した台座1が搭載され、更に主基板3を覆うようにカバー4が設けられた構成である。
主基板3は、水晶振動子や発振回路等の電子部品が実装された状態で台座1に搭載されている。
【0023】
下基板2の上面には台座1のピンと接続する複数の電極が形成され、長辺に沿って、カバー4の長辺下端部41と接続する半田付けパターン21が形成されている。
また、下基板2の下面には、本表面実装型デバイスが搭載される実装基板と接続する電極が設けられている。
【0024】
ここで、半田付けパターン21は、下基板2の長辺に沿って形成されており、台座1が搭載された場合に、カバー4が搭載される領域から、より内側の、台座1と重なる部分にまで形成されている。
このように、本表面実装型デバイスでは、半田付けパターン21を台座1が搭載される領域内にまで形成して、半田付けパターン21の幅(下基板2の短辺方向)を十分確保することにより、カバー4との半田付けを確実にするものである。
【0025】
台座1は、本表面実装型デバイスの特徴部分であり、側面部に、切り欠き部14が形成されている。
切り欠き部14は、台座1を下基板2上に搭載した場合に、半田付けパターン21上となる部分に設けられており、半田付けパターン21の上に十分な量の半田が形成されるための空間(スペース)を形成するものである。
つまり、切り欠き部14によって形成される空間内において、半田付けパターン21上に半田が塗布されて、カバー4の長辺下端部41と接合されるようになっている。
【0026】
カバー4は、金属で形成されており、長辺下端部41が下基板2上の半田付けパターン21に半田付けされている。
尚、図1に示すように、カバー4の短辺下端部は台座1の短辺上に搭載される。
【0027】
[本表面実装型デバイスの台座:図2図3
本表面実装型デバイスの台座について図2及び図3を用いて説明する。図2は、本表面実装型デバイスの台座の構成を示す斜視図であり、図3は、本表面実装型デバイスの台座の側面図である。
図2及び図3に示すように、本表面実装型デバイスの台座1は、耐熱性の樹脂で形成された外枠部11及び梁部12と、導電性の金属で形成された複数のピン13とを備え、外枠部11の側面部には、切り欠き部14が形成されている。
【0028】
外枠部11は、台座1の外形を構成する部分であり、ピン13が挿入されている。
梁部12は、外枠部11の内側において、外枠部11の長辺同士を接続するように形成されており、台座1の強度を高め、熱や外力による変形を防ぐものである。
図2に示すように、ピン13は、突出した上端部分が、台座1に搭載される主基板3に挿入され、下端部分は内側に折り曲げられた形状で、下基板2上の電極に半田によって固定される。つまり、ピン13は、主基板3と下基板2とを電気的に接続するものである。
台座1は、金型に複数のピン13が挿入された状態で樹脂を流し込んで、一体成型によって形成される。
【0029】
台座1には、長辺側の側面部に切り欠き部14が設けられている。図2では、一方の長辺側の側面の切り欠き部14のみが示されているが、他方の長辺上の対向する位置にも切り欠き部14が形成されている。
切り欠き部14は、台座1の側面部から底面部にかけて一部をえぐり取ったような凹形状に形成されている。
【0030】
特に、切り欠き部14は、台座1を下基板2に搭載した場合に、ちょうど半田付けパターン21の上に重なる位置に作られており、半田付けパターン21の上に切り欠き部14によって空間が形成されるようになっている。
【0031】
これにより、本表面実装型デバイスは、半田付けパターン21の上に半田を塗布する空間的な余裕を備えることができ、十分な量の半田を塗布してカバー4を搭載し、リフローによってカバー4と半田付けパターン21とを固定することで、下基板2とカバーとを十分な強度で接続できるものである。
【0032】
また、本表面実装型デバイスでは、切り欠き部14が形成されていても、本台座1の外枠部11は、外周部分全体に亘ってつながっているため、十分な強度を保つことができ、熱や外力による変形を防ぐことができるものとなっている。
【0033】
特に、ここでは、切り欠き部14を、外枠部11の側面部を貫通しない形状としているため、強度を十分保持すると共に、半田が外枠部の内側の領域に流れ込まないようにして、不良の発生を防ぐことができるものである。
尚、切り欠き部14の形状を、側面部を貫通した形状とすることも可能である。
【0034】
[カバーと下基板との接続部分:図4
次に、カバーと下基板との接続部分について図4を用いて説明する。図4は、本表面実装型デバイスにおけるカバーと下基板との接続部分の断面説明図である。
図4に示すように、本表面実装型デバイスでは、下基板2の上に台座1と、カバー4の長辺下端部41が搭載される。
台座1には、側面部から底面部にかけて一部を切り取ったように、切り欠き部14が形成されている。
【0035】
下基板2上には、長辺に沿って半田付けパターン21が形成されている。半田付けパターン21は、下基板2上において、台座1より外側の領域(図4では向かって右側)から、台座1の切り欠き部14の内部に入り込むように内側(左側)に食い込んで形成されている。
【0036】
これにより、半田付けパターン21を十分な大きさに形成することができると共に、半田を塗布するためのスペースを確保でき、半田5によって、半田付けパターン21とカバー4の長辺下端部41とが接合されている。
特に、本表面実装型デバイスでは、十分な量の半田を塗布できるため、リフロー後に半田がカバー4の側面に密着して盛り上り、フィレット5aが形成されて、半田付けパターン21とカバー4の長辺下端部41との接着が一層良好となるものである。
【0037】
また、上述したように、切り欠き部14は台座1の側面部を貫通していないので、半田5がリフローによって内側に流れたとしても、台座1より内側の領域にまで広がることはない。
【0038】
[本表面実装型デバイスの製造方法:図1図4
次に、本表面実装型デバイスの製造方法について図1図4を用いて説明する。
図1に示したように、複数のピン13と、側面部に切り欠き部14とを設けた台座1を形成し、台座1の上に、水晶振動子及び発振回路等を搭載した主基板3を搭載する。
また、予め下基板2の上面に電極及び半田付けパターン21を形成しておき、電極及び半田付けパターン21の上に半田5を塗布する。
【0039】
そして、下基板2の電極と台座1のピン13とが接続すると共に、半田付けパターン21の上に切り欠き部14が位置するように、下基板2上に台座1を搭載する。
そして、下基板2の半田付けパターン21上にカバー4を搭載して、台座1及び主基板3を覆う。
その後、半田リフローを行って、下基板2の電極と台座1のピン13、及び下基板2の半田付けパターン21とカバー4とを同時に接着する。
【0040】
つまり、本表面実装型デバイスでは、台座1の半田付けとカバー4の半田付けとを同一の工程で行うことができ、接着剤を用いてカバーを接着する場合に比べて、実装(組み立て)工程を簡略化することができ、製造コストを低減することができるものである。
【0041】
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係る表面実装型デバイスによれば、電子部品を実装した主基板3が台座1に搭載され、下基板2の上に、台座1と、台座1を覆うカバー4とが搭載された表面実装型デバイスであり、下基板2上において、カバー4と半田付けされる半田付けパターン21が、カバー4より外側の領域から内側の領域に亘って形成されると共に、台座1の側面部に、半田付けパターン21の上部に空間を形成する切り欠き部14が設けられており、カバー4が、当該空間に形成された半田5によって半田付けパターン21上に固定された構成としており、小型の表面実装型デバイスであっても、下基板2上に半田付けパターン21を形成可能とし、半田付けのスペースを確保して、下基板2とカバー4とを十分な強度で固定でき、台座1の半田付けとカバー4の半田付けを同一工程で行うことができ、実装工程を簡略化することができる効果がある。
【0042】
また、本発明の実施の形態に係る製造方法によれば、台座1の半田付けとカバー4の半田付けを同一工程で行うことができ、接着剤を用いる場合と比べて、実装工程を簡略化することができ、製造コストを低減できる効果がある。
【0043】
また、本表面実装型デバイスによれば、台座1の切り欠き部14が、側面部を貫通していないので、半田5がリフローによって内側に流れ込むのを防ぎ、ショートを防ぐことができる効果がある。
【0044】
また、本表面実装型デバイスによれば、台座1の側面部が切断されることなく連続して形成されているので、台座1の本体の強度を保ち、熱や外力による変形を防ぐことができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、小型のデバイスでもカバーを半田付けで固定でき、組み立て工程を簡易にすることができる表面実装型デバイス及びその製造方法に適している。
【符号の説明】
【0046】
1…台座、 2…下基板、 3…主基板、 4…カバー、 5…半田、 5a…フィレット、 11…外枠部、 12…梁部、 13…ピン、 14…切り欠き部、 21…半田付けパターン、 41…長辺下端部
図1
図2
図3
図4