特許第6817887号(P6817887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6817887
(24)【登録日】2021年1月4日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】遊技情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20210107BHJP
【FI】
   A63F7/02 350Z
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-89740(P2017-89740)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-186897(P2018-186897A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】川邊 保
【審査官】 荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−181654(JP,A)
【文献】 特開2016−128012(JP,A)
【文献】 特開2017−18294(JP,A)
【文献】 パチンコ攻略マガジン,日本,株式会社プラントピア,2016年 1月28日,第28巻、第7号,p.122〜125
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に有利な特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、当該第1特別遊技状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値が大きい第2特別遊技状態とが発生可能な遊技機に対応した遊技情報表示装置において、
前記特別遊技状態が発生した場合に、前記第1特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態のうち、何れの前記特別遊技状態が発生したかを判定する特別遊技状態判定手段と、
前記特別遊技状態が終了した後に、予め定められた連チャン判定期間内に次の前記特別遊技状態が発生した場合に、当該次の特別遊技状態が連チャンで発生したと判定する連チャン判定手段と、
当該連チャン判定手段の判定結果に基づいて、前記第2特別遊技状態が終了した後に、次の前記特別遊技状態が連チャンで発生したことを条件に、遊技者に対して予め定められた特別報知を実行する一方、前記第1特別遊技状態が発生した後に次の特別遊技状態が連チャンで発生した場合には、前記特別報知の実行を抑制する特別報知手段と、を備え
該特別報知手段は、前記第2特別遊技状態が発生した後に、次の前記特別遊技状態が連チャンで発生した場合、当該次の特別遊技状態が前記第1特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態の何れであるかに関わらず、前記特別報知を実行することを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記特別報知手段は、前記第2特別遊技状態が発生した後に、次の前記特別遊技状態が発生したタイミングで前記特別報知を開始することを特徴とする請求項に記載の遊技情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機に対応して遊技情報表示装置が設けられており、遊技結果に関する遊技情報を表示している。例えば、下記の特許文献1には、大当たり状態が終了してから予め定められた連チャン期間内に次の大当たり状態が発生した場合に特別報知を実行することが記載されている。特別報知は、大当たり状態が連チャンで発生して遊技者の満足感や優越感が大きくなっている場合に実行することで、満足感や優越感を一層大きくすることを狙った演出である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−87234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遊技機によっては獲得可能な玉数が違う大当たり状態が発生しており、獲得可能な玉が少ない大当たり状態が発生した場合、さほど遊技者の満足感や優越感が高くなっていないことが考えられる。このような場合に特別報知を実行しても、特別報知を実行することによる効果が充分に得られないおそれがある。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、特別報知を良好に実行可能な遊技情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技情報表示装置は、第1特別遊技状態と、第1特別遊技状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値が大きい第2特別遊技状態とが発生可能な遊技機に対応する装置である。この遊技機における遊技では、第1特別遊技状態よりも第2特別遊技状態の方が遊技価値を大きく獲得可能である。このため、第2特別遊技状態が発生している場合と発生していない場合とを比較すると、第2特別遊技状態が発生している場合には遊技者の満足感や優越感が大きくなっているが、第2特別遊技状態が発生していない場合には遊技者の満足感や優越感がさほど大きくなっていないことが考えられる。
【0007】
これに対して本発明の遊技情報表示装置は、第2特別遊技状態が終了した後に次の特別遊技状態が連チャンで発生したことを条件に、遊技者に対して予め定められた特別報知を実行する一方、第1特別遊技状態が発生した後に次の特別遊技状態が連チャンで発生した場合には、特別報知の実行を抑制する。したがって、本発明の遊技情報表示装置によれば、遊技者の満足感や優越感がさほど大きくなっていない状態で特別報知を実行することを抑制できる。
【0008】
このように本発明の遊技情報表示装置は、特別報知を良好に実行可能な優れた特性の装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】遊技場用管理システムの構成を示すシステム図。
図2】パチンコ遊技機を示す正面図。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図4】遊技情報表示装置を示す正面図。
図5】遊技情報表示装置の電気的構成を示すブロック図。
図6】大当たり中通常画面の正面図。
図7】連チャンによる大当たり状態中の特別報知表示画面の正面図。
図8】連チャン中の確変状態及び時短状態中の特別報知表示画面の正面図。
図9】連チャン中の総獲得玉数が10000玉を超えたときの特別報知表示画面の正面図。
図10】16R専用大当たり動画画面の正面図。
図11】大当たり結果発表画面の正面図。
図12】7連達成時コーナー演出画面の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技場において遊技機の上方に付設され、遊技に関する各種の情報を表示する遊技情報表示装置1に関する例である。この内容について、図1図12を用いて説明する。
【0011】
遊技機が設置された遊技場では、パチンコ遊技機2やスロットマシン(図示略)など多数の遊技機を管理する管理装置41を中心として遊技場用管理システム4が構築されている。この遊技場用管理システム4では、2台の遊技機毎に1台ずつ中継装置42が設置され、管理装置41を含む通信ネットワーク40にこの中継装置42が接続されている。
【0012】
管理装置41は、遊技機毎に設置された貸出機43及び遊技情報表示装置1のほか、景品カウンタに設置された景品交換装置(図示略)や、遊技島の島端等に設置された精算装置(図示略)など、遊技場内に設置される全ての機器の稼動状況を管理するための装置である。
【0013】
中継装置42には、パチンコ遊技機2等の遊技機のほか、遊技機毎に個別に設置された遊技情報表示装置1及び貸出機43が通信可能に接続されている。中継装置42は、遊技機側と管理装置41との間のデータ通信を実現するほか、遊技情報表示装置1と遊技機との間のデータ通信を中継する。2台の遊技機に対して1台ずつの割合で設置される中継装置42は、各遊技機、貸出機43、遊技情報表示装置1が出力する各種の稼動情報等を収集して管理装置41へ送信する。
【0014】
貸出機43は、遊技価値として遊技に使用する玉(遊技球)の貸出を行う装置である。貸出機43は、投入された貨幣等を対価として遊技媒体である玉を貸し出すと共に、中継装置42を経由して売上情報を管理装置41に送信する。
【0015】
以下、パチンコ遊技機2の構成及び基本動作を説明した後、遊技情報表示装置1について詳しく説明する。
図1及び図2に例示するパチンコ遊技機2は、玉を遊技媒体として遊技される遊技機である。例示するパチンコ遊技機2は、予め定められた確率で大当たりが発生する特図判定(大当たり抽選)を始動入賞に応じて実行し、特図判定に当選したときに大当たり図柄を表示して大当たり状態を発生させるセブン機である。
【0016】
このパチンコ遊技機2では、遊技者に有利な特別遊技状態として、入賞口が開放するラウンドの回数が異なる大当たり状態である16R(ラウンド)大当たり状態、8R大当たり状態、及び4R大当たり状態が設定されている。パチンコ遊技機2は、第1特別遊技状態の一例として4R大当たり状態と8R大当たり状態とを発生可能である。また、第1特別遊技状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値が大きい(獲得玉数(出玉)の期待値が大きい)第2特別遊技状態の一例として16R大当たり状態を発生可能である。
【0017】
4R大当たり状態としては、終了に応じて時短状態に移行する4R通常大当たり状態と、特図当選の確率が高まる確変状態に移行する4R確変大当たり状態と、が設定されている。一方、8R大当たり状態及び16R大当たり状態については、いずれも、確変状態が後続して発生する確変大当たり状態となっている。
【0018】
以下、4R確変大当たり状態及び4R通常大当たり状態の両方を対象とする説明において適宜、4R大当たり状態という。8R大当たり状態及び16R大当たり状態については、8R確変大当たり状態あるいは16R確変大当たり状態という。また、全ての大当たり状態を対象とする説明においては単に大当たり状態という。
【0019】
まず、パチンコ遊技機2の外観的な構成について説明する。パチンコ遊技機2の前面は、略円形状の遊技領域230が設けられた上部と、玉の受け皿である上皿235や下皿237や操作ハンドル234等が配置された下部と、により構成されている。遊技領域230の上部両側には装飾ランプ部236が配置され、下部左側にはスピーカ231が配置されている。
【0020】
玉が流下する遊技領域230は、特図判定の結果を報知するための演出用図柄を表示する表示装置29を中心として形成されている。遊技領域230の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔238が設けられている。
【0021】
表示装置29とアウト孔238との間隙には、上から順番に、「ヘソ」タイプの一般入賞口である第1始動入賞口21A、可変入賞口である第2始動入賞口21B、及び大当たり状態で開放する大入賞口246、が上下三段で配置されている。遊技者側から見て表示装置29の左側の領域には、通過ゲート式の普図始動口244が配置されている。また、遊技領域230の向かって左側の外周縁部には特図表示部211が配置されている。
【0022】
普図始動口244は、通過玉を検出するためのゲートであって賞球の払い出しが設定されていない始動口である。普図始動口244で通過玉が検出されると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。
【0023】
第1始動入賞口21A及び第2始動入賞口21Bは、いずれも、特図判定の契機となる始動入賞口である。始動入賞口21に玉が入賞すると、特図判定用の抽選用乱数が抽出されて当たり抽選である特図判定が実行される。上記の通り、第2始動入賞口21Bは、一対の可動羽根210を開口部に設けた電チュー(電動チューリップ)による可変入賞口となっている。第2始動入賞口21Bの可動羽根210は、上記の普図判定の当選(普図当選)に応じて開放動作を実行する。
【0024】
通常時の一対の可動羽根210は、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(図2中、点線で示す状態。)にある。この状態では、上方に向けて開口する玉1個分の隙間が第1始動入賞口21によって塞がれるため、入賞可能性がほぼ無くなる。一方、相互に離隔するように回動した一対の可動羽根210(同図中、実線で示す状態。)は、開口部への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。このような開放状態では、第2始動入賞口21Bへの入賞が発生し易くなる。
【0025】
特図表示部211は、特図判定結果を表示する7セグメント表示器である。特図表示部211は、所定の図柄変動期間が経過した後、特図判定結果を表す特別図柄を停止表示する。なお、特図表示部211による表示は遊技者にわかり難いことから、後述する通り、特図判定結果は表示装置29によってわかり易く表示される。
【0026】
図2の表示装置29は、枠299の内側に液晶表示部290の表示画面290Aが配置された表示装置である。表示装置29では、特図判定の結果を報知するための演出用の3桁の数字図柄(1〜9のいずれか)が表示画面290Aに表示されるほか、各種の表示演出が実行される。
【0027】
表示画面290Aの下部には、ランプを模した4個の○印が水平方向に配列された特図保留表示部295A・Bが左右に2組配置されている。特図保留表示部295Aは、第1始動入賞口21Aへの玉の入賞を契機とした特図保留(保留情報)の表示部である。特図保留表示部295Bは、第2始動入賞口21Bへの玉の入賞を契機とした特図保留(保留情報)の表示部である。特図保留表示部295は、ランプを模した○印の点灯個数により特図保留の保留数(限度数4つ)を表示する。
【0028】
表示画面290Aの上側に当たる枠299の前面には、普図表示部297及び普図保留表示部298が配置されている。普図表示部297は、上記の普図判定結果の表示部である。普図表示部297は、○の点灯により普図判定の当選(普図当選)を表示し、×の点灯によりハズレを表示する。なお、普図の図柄変動時間は通常状態で30秒、時短状態で1秒となっている。普図保留表示部298は、普図保留として記憶(保留)する保留数を表示できるよう、4つのLEDが連設された表示部である。普図保留表示部298は、LEDの点灯個数により普図保留の保留数(限度数4つ)を表示する。
【0029】
普図表示部297に普図当選が表示されると、上記のように第2始動入賞口21Bに設けられた可動羽根210が開放動作を実行する。開放時間は、遊技状態によって相違し、通常状態では0.2秒×1回、時短状態及び確変状態では1.5秒×3回となっている。
【0030】
次に、パチンコ遊技機2の電気的な構成について、図3を参照して説明する。パチンコ遊技機2は、主制御部25を中心として構成されている。主制御部25に対しては、玉の払出を制御する払出制御部285、玉の打込を制御する発射制御部287、遊技演出を制御する演出制御部281、液晶表示部290を制御する表示制御部283、入賞玉あるいは通過玉の検出センサ261〜264、第2始動入賞口21Bの可動羽根210を駆動する電チューSLD(ソレノイド)266、大入賞口SLD268、特図表示部211及び普図表示部297、各種信号を外部出力する信号出力部284、電力供給のための電源回路部289等が電気的に接続されている。なお、演出制御部281には、スピーカ231を駆動するアンプ282や装飾ランプ部236が電気的に接続されているほか、上記の表示制御部283が通信可能に接続されている。
【0031】
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、第1始動入賞口21Aへの入賞玉を検出する第1始動入賞センサ261A、第2始動入賞口21Bへの入賞玉を検出する第2始動入賞センサ261B、普図始動口244の通過玉を検出する普図始動センサ262、及び大入賞口246への入賞玉を検出する大当たり入賞センサ264等がある。
【0032】
払出制御部285は、入賞が発生したとき、主制御部25からの指示を受けて払出機構部286を制御し、所定数の玉の払出を実行させる。パチンコ遊技機2では、第1及び第2始動入賞口21A・Bに玉が入賞したときの払出玉数が3個、大入賞口246に玉が入賞したときの払出玉数が15個となっている。
発射制御部287は、操作ハンドル234の操作量に応じて発射装置288を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
【0033】
主制御部25は、CPU(Central Processing Unit)251、記憶素子であるROM(Read Only Memory)252・RAM(Random Access Memory)253、入出力インタフェースであるI/O(Input/Output)部254、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部256、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部255等を備えている。
【0034】
ROM252は、CPU251に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない特図判定用の抽選テーブル及び普図判定用の抽選テーブルを記憶している。
普図判定用の抽選テーブルでは、通常状態での普図当選の確率が1/30、時短状態及び確変状態での同確率が1/1となるように当選乱数が規定されている。
【0035】
特図判定用の抽選テーブルとしては、第1始動入賞口21Aへの玉の入賞(第1始動入賞)を契機とした特図判定用の第1抽選テーブルと、第2始動入賞口21Bへの玉の入賞(第2始動入賞)を契機とした特図判定用の第2抽選テーブルと、が用意されている。第1及び第2抽選テーブルでは、通常状態及び時短状態下の特図当選の確率が1/300、確変状態下の特図当選の確率が1/40となるように当選乱数が規定されている。
【0036】
第1抽選テーブルと第2抽選テーブルとでは、特図当選が発生したときに発生する大当たり状態の種類が相違している。第1抽選テーブルでは、4R通常大当たり状態及び4R確変大当たり状態が1:2の割合で発生するように当選乱数が規定されている。第2抽選テーブルでは、4R通常大当たり状態、8R確変大当たり状態、及び16R確変大当たり状態が1:1:1の割合で発生するように当選乱数が規定されている。特図当選が発生したとき、大当たり状態の終了に応じて確変状態に移行する割合は、第1抽選テーブルによる特図判定であるか、第2抽選テーブルによる特図判定であるかによる違いがなく、いずれも2/3となっている。
【0037】
RAM253は、CPU251のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM253の記憶エリアには、特図判定の結果を表す保留乱数の記憶領域である特図保留エリア等が設けられている。特図保留エリアには、第1及び第2始動入賞口21A・Bへの始動入賞に応じて抽出された抽選用乱数が各4個を上限として、特図判定の保留乱数(特図保留)として記憶される。
【0038】
なお、第1始動入賞を契機とする特図保留に対して、第2始動入賞を契機とする特図保留が優先して読み出されるようになっている。第1始動入賞を契機とする特図保留は、第2始動入賞を契機とする特図保留が無くなったときに初めて読み出される。いずれかの始動入賞に対応する特図保留が4個記憶されているときにその始動入賞が再度発生した場合には、抽選用乱数が保留されずにキャンセルされて消去される。
【0039】
以上のような電気的な構成を有するパチンコ遊技機2は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)抽選手段:第1及び第2始動入賞口21A・Bへの玉の入賞に応じて特図判定を実行する手段であって、主制御部25により実現される。
(2)遊技状態発生手段:遊技状態として、特図当選の確率が低い通常状態、特図当選の確率が高い確変状態、図柄変動時間が短くなる時短状態、特別遊技状態である大当たり状態など発生させる手段であって、主制御部25により実現される。
(3)大当たり処理手段:大当たり状態の発生中に、大入賞口246を予め定められたラウンド数に亘って繰り返し開放する大当たり処理を実行する手段であって、主制御部25により実現される。
(4)信号出力手段:各種の遊技信号を外部出力する手段であって、信号出力部284により実現される。なお、各信号の内容は次に説明する通りである。
【0040】
信号出力手段としての信号出力部284は、遊技信号を外部出力する外部出力端子(図示略)を備えており、遊技の進行に伴う稼動情報として以下の遊技信号を中継装置42に出力する。
(1)払出信号(セーフ信号):遊技において払い出された玉(遊技球)の数(払出玉数)を特定可能な信号。払出玉10玉毎に1回パルス出力される。払出玉数(セーフ)は、払出信号数×10玉となる。
(2)打込信号(アウト信号):遊技領域230に打ち込まれた玉の数(打込玉数)を特定可能な信号。打込玉10玉毎に1回パルス出力される。打込玉数(アウト)は、打込信号数×10玉となる。なお厳密には、打込信号はパチンコ遊技機2ではなく、使用玉を回収するために付設された玉回収装置(図示略)から出力される。
(3)スタート信号:第1及び第2始動入賞口21A・Bへの入賞を契機とした図柄変動を実行する毎に1回パルス出力される。
(4)大当たり信号:大当たり状態の発生中であることを特定可能な信号。前記大当たり処理の実行中にレベル出力される。大当たり状態の種類に依らず出力される。
(5)16R大当たり信号:16R確変大当たり状態の発生中であることを特定可能な信号。16R確変大当たり状態の発生中にレベル出力される。
(6)ラウンド信号:大当たり状態において実行されたラウンド数を特定可能な信号。1ラウンド毎に1回ずつパルス出力される。
(7)特別状態信号:時短状態の継続中であることを特定可能な信号。時短状態の発生中にレベル出力される。なお、確変状態は時短状態を伴って発生するため、確変状態の継続中にも特別状態信号が出力される。
【0041】
以上のような構成のパチンコ遊技機2の遊技では、第1及び第2始動入賞口21A・Bへの玉の入賞に応じて、特図判定が実行され特図表示部211等による図柄変動が行われるというゲームがスタートする。特図判定結果を表す特図保留は、第1及び第2始動入賞口21A・Bについて各4個を上限として保留(記憶)され、上記のゲームの繰り返しにより順次、消化される。なお、上記の通り、第1始動入賞に対応する特図保留に対して、第2始動入賞に対応する特図保留が優先的に消化される。
【0042】
特図判定の当否を表す特図判定結果は、特図表示部211により報知されると共に、表示装置29や装飾ランプ部236等による演出により報知される。表示装置29や装飾ランプ部236等では、様々な演出のパターンの中から特図判定結果に応じて内部的に決定されたいずれかの種類の演出が実行される。さらに、表示装置29等による演出の実行中では、スピーカ231から効果音が出力される。
【0043】
表示装置29による演出は、図2のように、表示画面290Aの中央の特図演出エリアにおいて、演出用の3桁の数字図柄を変動させる表示演出である。この表示演出では、所定の図柄変動時間の経過後に停止表示した数字図柄の組合せに応じて特図判定結果が報知される。特図当選したときの大当たりの種類は、大当たりを報知する数字図柄の種類によって異なってくる。例えば、16R確変大当たりを報知する数字図柄の組み合わせは「333」か「777」となっている。また、例えば、4R大当たりは「222」などの偶数のゾロ目の組み合わせとなっている。
【0044】
大当たりが報知されると、大入賞口246が開放して入賞確率が格段に高くなり出玉が急激に増える大当たり状態が発生する。大当たり状態では、大入賞口246が最大30秒開放されて玉が10個まで入賞可能なラウンドが繰り返し実行される。ラウンドの繰り返し回数は、4R大当たり状態で4回、8R確変大当たり状態で8回、16R確変大当たり状態で16回となっている。上記のごとく大入賞口246に玉が入賞したときの払出玉数は15個となっている。そして、大当たり状態1回当たりの出玉(払出玉数から打込玉数を差し引いた差玉)は、4R大当たり状態で約500個、8R確変大当たり状態で1000個、16R確変大当たり状態で約2000個となっている。なお、これらの出玉は、玉を発射し続ける等、通常の遊技方法で遊技を行った際の出玉の期待値である。
【0045】
4R通常大当たり状態の場合、終了に応じて図柄変動100回に亘る時短状態が発生する。この時短状態の継続中に新たな特図当選が発生すれば連チャンとなる。新たな特図当選が発生することなく図柄変動が100回消化されると、時短状態が終了して通常状態に移行する。
【0046】
4R確変大当たり状態、8R確変大当たり状態、及び16R確変大当たり状態の終了後には、大当たりの当選確率が高く有利な確変状態(時短状態)が発生する。この確変状態は、新たな特図当選が発生するまで継続する。この確変状態の発生中に新たな特図当選が発生すれば、大当たり状態が連続して発生する連チャンとなる。
【0047】
次に、以上のような構成のパチンコ遊技機2に対応している遊技情報表示装置1について詳しく説明する。遊技情報表示装置1は、図1及び図4のごとく、遊技機1台に対して1台ずつ設置され、遊技機からの稼動情報を中継装置42経由で受信して各種の遊技情報を生成して表示する装置である。遊技情報表示装置1は、例えば遊技機に関する案内情報など管理装置41から受信する各種の情報を表示する機能や、従業員の呼び出し機能などを備えている。
【0048】
遊技情報表示装置1は、図4のように、大型の液晶表示部13を備えている。液晶表示部13の表示エリア130の下側には、従業員を呼び出すための呼出ボタン145やメニューボタン141等が配置され、遊技情報表示装置1の上部では、呼び出し中等に所定パターンで点灯するランプ部12が上半分を取り囲むように設けられている。また、外側に軽く張り出すように形成された左下の角部には、NFC(Near Field Communication)リーダ146の読取り面が設けられ、同様の右下の角部には、リモコン受光部147の受光面が配置されている。
【0049】
液晶表示部13は、透明シート状のタッチパネル(図示略)が積層されたタッチ操作可能な表示部である。液晶表示部13の表示エリア130には、大当たり履歴や過去の遊技情報等、各種の情報を表示可能である。初期設定の状態では、対応するパチンコ遊技機2の遊技情報を表示する通常画面(図4を参照して後述する。)が表示される。メニューボタン141を操作すれば、例えば遊技者の個人データを表示する画面等への切換表示が可能である。
【0050】
遊技情報表示装置1は、図5のように、制御部10を中心として電気的に構成されている。制御部10は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU101、メモリ手段としてのROM102、RAM104、信号の入出力を行うI/O部105を含んでいる。制御部10に対しては、ランプ部12、液晶表示部13、呼出ボタン145、メニューボタン141、従業員が携帯するリモコン(図示略)に対応するリモコン受光部147、NFCリーダ146等のほか、中継装置42との間で信号や情報を送受信する送受信部108が電気的に接続されている。
【0051】
遊技情報表示装置1は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)遊技情報生成手段:パチンコ遊技機2が出力する遊技信号の受信回数等を集計等することで各種の遊技情報を生成する手段であって、制御部10により実現される。遊技情報としては、例えば、打込玉数、払出玉数、図柄変動のスタート回数、大当たり状態の発生回数、大当たり状態下のラウンド数等、各種の情報がある。
(2)大当たりラウンド数計数手段:パチンコ遊技機2のラウンド信号に基づいて、大当たり状態において実行されたラウンド数を計数する手段であって、制御部10により実現される。
(3)表示手段:大当たりラウンド数計数手段が計数したラウンド数や、遊技情報生成手段が生成した遊技情報などを表示する手段であって、液晶表示部13により実現される。(4)特別遊技状態判定手段:大当たり状態が発生した場合に、第1特別遊技状態(4R大当たり状態及び8R確変大当たり状態)、及び第2特別遊技状態(16R確変大当たり状態)のうち、何れの特別遊技状態が発生したかを判定する手段であって、制御部10により実現される。なお、4R大当たり状態、8R確変大当たり状態、及び16R確変大当たり状態のうち、発生した大当たり状態の種類は、払出玉数から打込玉数を差し引いた出玉(差玉)の数によって特定される。具体的には、出玉が700個未満の場合であれば4R大当たり状態であると判定し、700個以上1500個未満であれば8R確変大当たり状態であると判定し、1500個以上であれば16R確変大当たり状態であると判定する。そして、発生した大当たり状態が16R確変大当たり状態か否かにより、第1特別遊技状態か第2特別遊技状態かが判定される。
(5)連チャン判定手段:特別遊技状態である大当たり状態が終了した後に、予め定められた連チャン判定期間(本例では確変状態あるいは時短状態の継続期間)内に次の大当たり状態が発生した場合に、当該次の大当たり状態が連チャンで発生したと判定する手段であって、制御部10により実現される。
(6)特別報知手段:連チャン判定手段の判定結果に基づいて、第2特別遊技状態である16R確変大当たり状態が終了した後に、次の大当たり状態が連チャンで発生したことを条件に、遊技者に対して予め定められた後述する特別報知を実行する一方、第1特別遊技状態(4R大当たり状態及び8R確変大当たり状態)が発生した後に次の大当たり状態が連チャンで発生した場合には、特別報知の実行を抑制する手段。特別報知手段は、制御部10と液晶表示部13とにより実現される。
【0052】
遊技情報表示装置1は、対応するパチンコ遊技機2から遊技信号を取得して各種の遊技情報を集計する。下記の(1)〜(5)は、通常状態下で集計される。(6)〜(8)は、大当たり状態下で集計される。確変状態及び時短状態では(1)〜(5)、(8)等の遊技情報が集計される。
【0053】
(1)大当たり間スタート回数:直前の大当たり状態が終了した後の図柄変動のスタート回数であり、直近の大当たり信号の受信終了後、ゼロスタートでスタート信号の受信回数を計数して集計される。
(2)本日累計スタート回数:当日、開店後の累計のスタート回数。
(3)16R大当たり回数:通常状態あるいは確変状態下で16R大当たりに当選した回数。
(4)8R大当たり回数:通常状態あるいは確変状態下で8R大当たりに当選した回数。
(5)4R大当たり回数:通常状態あるいは確変状態下で4R大当たりに当選した回数。
(6)初当たり回数:連チャンの契機となった大当たり回数であり、通常状態下で確変大当たりに当選した回数。
(7)ラウンド数:大当たり状態下で1ラウンド毎に1回出力されるラウンド信号を受信する毎にインクリメント(1回加算)して集計される。
(8)連チャン回数:大当たり状態に続く確変状態あるいは時短状態下で大当たり状態が連続的に発生した回数。
(9)総獲得玉数:大当たり状態の継続中に遊技者が獲得した玉の数。総獲得玉数=払出玉数(払出信号の受信回数×10玉)−打込玉数(打込信号の受信回数×10玉)。なお、連チャンの場合には、初当たりの大当たり状態から連チャンが終了するまでの総獲得玉数が計数される。
【0054】
次に、遊技情報表示装置1の動作の概要を説明する。
遊技情報表示装置1は、パチンコ遊技機2が出力する遊技信号に応じて発生中の遊技状態や連チャンを特定する。当日の営業開始後あるいは遊技機のリセットが行われた後、大当たり信号あるいは16R大当たり信号を受信するまでの間については、通常状態の継続中と特定される。大当たり信号の受信中は、いずれかの大当たり状態の発生中と特定される。特に、大当たり信号に加えて16R大当たり信号を受信している場合には、16R確変大当たり状態の発生中と特定される。大当たり信号が受信状態から非受信状態に切り換わった後、前記特別状態信号の受信状態が終了するまで、確変状態あるいは時短状態の継続中と特定される。
また、遊技情報表示装置1は、大当たり状態に後続する確変状態あるいは時短状態の継続中に新たな特図当選が発生して次の大当たり状態が発生したとき、連チャンと判定する。
【0055】
パチンコ遊技機2が通常状態にあるとき、遊技情報表示装置1は、図4に例示の通常画面を表示する。同図の通常画面では、向かって左側の上から順番に、本日、前日(1日前)、前々日(2日前)の初当たり回数の表示欄161、大当たりの内訳の表示欄163、及び本日のスタート回数の表示欄165が表示される。画面の中央には、本日、前日、前々日の大当たり回数を表示するメイン表示欄171が表示され、その下側には、過去の最高差玉の表示欄172、及び大当たり間スタート回数を棒グラフで表すグラフ表示欄173が表示される。なお、大当たりの内訳では、16R確変大当たり状態が「超」、8R確変大当たり状態が「中」、4R大当たり状態が「小」で表記される。
【0056】
本例の遊技情報表示装置1は、大当たり状態や連チャンに関連する表示動作に動作上の特徴のひとつを有している。以下、(1)大当たり中通常画面、(2)特別報知表示画面、(3)16R専用大当たり動画画面、(4)大当たり結果発表画面、(5)7連達成時コーナー演出画面、について説明する。
【0057】
(1)大当たり中通常画面
前記特別報知の対象にならない大当たり状態では、遊技情報表示装置1の表示エリア130に例えば図6の大当たり中通常画面が表示される。この大当たり中通常画面には、対応するパチンコ遊技機2の演出で登場するキャラクタ(例えば人物)と共に、大当たり状態下で消化されたラウンド数や総獲得玉数等が表示される。
【0058】
なお、特別報知の対象とならない大当たり状態の終了後の確変状態あるいは時短状態の継続中の演出画面としては、図示しない時短/確変状態中通常画面が用意されている。特別報知の対象とならない連チャン中では、遊技情報表示装置1は、図6の大当たり中通常画面、時短/確変状態中通常画面の表示演出である通常報知(通常連チャン表示)を実行する。
【0059】
大当たり中通常画面、及び時短/確変状態中通常画面では、表示エリア130の垂直方向のサイズに対して1/5以下のフォント高さの数字や文字の書体を利用し、ラウンド数やスタート回数や連チャン継続数や獲得玉数などの各種の遊技情報が表示される。
【0060】
大当たり中通常画面は、大当たり状態の開始に応じて表示が開始され、大当たり状態の終了に応じて表示が終了となる。
時短/確変状態中通常画面は、特別報知の対象となっていない大当たり状態の終了に応じた時短状態あるいは確変状態の開始と共に表示が開始される。確変状態の場合、新たな特図当選が発生すると、時短/確変状態中通常画面の表示が終了される。時短状態の場合は、新たな特図当選が発生するか、あるいは図柄変動を100回消化すると、時短/確変状態中通常画面の表示が終了される。
【0061】
(2)特別報知表示画面
図7図9に例示する特別報知表示画面は、遊技情報表示装置1が実行する特別報知の表示画面の一例である。本例の遊技情報表示装置1では、16R確変大当たり状態の終了後に発生した確変状態の継続中に新たな大当たり当選が発生し(次の大当たり状態が連チャンで発生したとき)、特別報知の一例である特別報知表示画面が表示エリア130に表示される。
【0062】
つまり、遊技情報表示装置1が備える特別報知手段は、16R確変大当たり状態が発生した後に、次の大当たり状態が連チャンで発生したタイミングで特別報知表示画面による特別報知を開始する。なお、特別報知手段は、16R確変大当たり状態が発生した後に、次の大当たり状態が連チャンで発生した場合、当該次の大当たり状態が前記第1特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態の何れであるかに関わらず、特別報知表示画面による特別報知を実行する。
【0063】
例えば、初当たりで4R確変大当たり状態が発生した後、連チャンで1回目の16R確変大当たり状態が発生し、さらに連チャンで2回目の16R確変大当たり状態した場合には、2回目の16R確変大当たり状態が発生したときに特別報知表示画面による特別報知が開始される。
【0064】
特別報知表示画面は、表示エリア130の垂直方向のサイズに対して、フォント高さが1/4以上の数字の書体により総獲得玉数(出玉)を大きく表示することで特別感を演出する画面である。なお、ラウンド数やスタート回数や連チャン継続数などの他の遊技情報については、総獲得玉数を表示するための数字よりも小さなフォントサイズの文字や数字によって表示される。本例の場合、総獲得玉数を表示する数字のフォント高さが、ラウンド数やスタート回数や連チャン継続数など他の遊技情報を表示する数字のフォント高さの1.5倍以上に設定されている。
【0065】
図7に例示の特別報知表示画面は、大当たり状態中の特別報知により表示される特別報知表示画面である。この特別報知表示画面には、大当たり中である旨を表す「BONUS中」のテキスト表示131、総獲得玉数、ラウンド数、連チャン継続数、大当たり内訳、が配置されている。大当たり内訳では、16R確変大当たり状態を「超」、8R確変大当たり状態を「中」、4R大当たり状態を「小」として、大当たり状態の種類毎の連チャン中の発生回数が表示される。なお、連チャン中の発生回数は、特別報知が開始された後の各大当たり状態の発生回数ではなく、連チャンの契機となった初当たり後の各大当たり状態の発生回数となっている。
【0066】
図8に例示の特別報知表示画面は、確変状態あるいは時短状態中の特別報知により表示される特別報知表示画面である。この特別報知表示画面では、図7の大当たり中の特別報知表示画面を元にし、テキスト表示131が連チャン継続中を表す「チャンス中」に変更されると共に、ラウンド数に代えてスタート回数が表示される。
【0067】
図9に例示の特別報知表示画面は、特別報知の対象となった連チャン中の総獲得玉数が10000玉を超えたときに表示される特別報知表示画面である。なお、同図の特別報知表示画面は、確変状態あるいは時短状態中に表示される画面の例である。この特別報知表示画面は、図8の連チャン中の確変状態あるいは時短状態の継続中の特別報知表示画面を元にして、テキスト表示131が「10000発OVER中」に変更された表示画面である。なお、大当たり状態の発生中についても、総獲得玉数が10000玉を超えたときには、大当たり状態の発生中であること、及び「10000発OVER中」のテキスト表示を含む特別報知表示画面が表示される。
【0068】
(3)16R専用大当たり動画画面
図10に例示の16R専用大当たり動画画面は、16R確変大当たり状態の発生中のパチンコ遊技機2の遊技に連動する動画の表示画面である。遊技情報表示装置1は、パチンコ遊技機2が出力する16R大当たり信号の受信開始に応じて16R専用大当たり動画を表示エリア130に表示する。
【0069】
図10の16R専用大当たり動画画面は、16R確変大当たりの発生時の演出画面である。この16R専用大当たり動画画面は、例えば、パチンコ遊技機2の遊技演出に登場するキャラクタの大写し画面に続いて「HYPER BONUS」等のテキスト表示画面に切り換わる動画等によって16R確変大当たりを報知する。このような16R専用大当たり動画画面によれば、遊技者の期待感を高揚できる。なお、16R確変大当たり状態の開始から例えば10秒等の所定時間が経過すると16R専用大当たり動画画面による演出が終了し、図7に例示した特別報知表示画面や、図6に例示した大当たり中通常画面に切り換えられる。
【0070】
(4)大当たり結果発表画面
図11に例示の大当たり結果発表画面は、連チャンの遊技結果を発表する表示画面であり、連チャンの終了後に表示される。大当たり結果発表画面には、連チャン期間中の大当たり状態の回数、大当たりの内訳、総獲得玉数等が表示される。パチンコ遊技機2の遊技者は、遊技情報表示装置1による大当たり結果発表画面により連チャン期間中の成果を確認できる。なお、大当たり結果発表画面による大当たり結果発表の後は、特別報知も終了し通常状態用の画面に切り換わる。
【0071】
(5)7連達成時コーナー演出画面
7連達成時コーナー演出画面は、同機種の遊技機が設置された遊技島(コーナー)において、複数の遊技機に個別に設置された複数の遊技情報表示装置1が連動して実行するコーナー演出の表示画面である。この7連達成時コーナー演出は、いずれかの遊技台で7連チャンが達成されたときに開始される。
【0072】
図12に例示の7連達成時コーナー演出画面は、隣り合わせの5台の遊技情報表示装置1の各表示エリア130を用いて1つの動画を表示する演出画面の例である。7連達成時コーナー演出による画面には、パチンコ遊技機2の遊技演出に登場するキャラクタが登場すると共に、いずれかの遊技台で7連チャンが発生した旨がテキスト表示される。このような7連達成時コーナー演出を実行すれば、いずれかの遊技台で7連チャンが発生したときに遊技島全体の雰囲気を盛り上げて遊技者の期待感を煽ることができる。
【0073】
なお、遊技情報表示装置1では、左から右に台番が昇る並びか、右から左に台番が昇る並びか等、遊技島における遊技情報表示装置1の並びに関する設定が可能である。例えば左から右に台番が昇る並びが設定された場合には、隣り合わせの5台の遊技情報表示装置1のうちの最も若い台番の遊技情報表示装置1が上記の1つの動画のうちの左端エリアを表示し、最も大きな台番の遊技情報表示装置1が右端のエリアを表示する状態となる。また、例えば右から左に台番が昇る並びが設定された場合には、隣り合わせの5台の遊技情報表示装置1のうちの最も大きな台番の遊技情報表示装置1が上記の1つの動画のうちの左端エリアを表示し、最も若い台番の遊技情報表示装置1が右端のエリアを表示する状態となる。
【0074】
遊技島の各遊技情報表示装置1は、予め設定された並び設定に応じて遊技島内の他の遊技情報表示装置1と連動して上記の7連達成時コーナー演出を実行する。なお、台番の昇り順が混在している遊技島あるいは遊技場に対応するモードを設けることも良い。そして、このモードが設定された場合には、複数の遊技情報表示装置1が連動する表示演出が難しいことから、例えば7連達成時コーナー演出用の動画の一部を拡大した個別演出用の動画を表示エリア130に表示すると良い。
【0075】
さらに、遊技場側の好みや事情にきめ細かく対応できるよう、7連達成時コーナー演出を実行しないモードである7連達成時個別演出モードを設定することも良い。この7連達成時個別演出モードが設定された場合には、個別台演出用の動画を表示エリア130に表示すると良い。
【0076】
以上のように遊技情報表示装置1は、第1特別遊技状態の1例をなす4R大当たり状態及び8R確変大当たり状態のほかに、第1特別遊技状態よりも遊技者側に有利な第2特別遊技状態の1例である16R確変大当たり状態を発生可能なパチンコ遊技機2に対応する表示装置である。パチンコ遊技機2では、第1特別遊技状態よりも第2特別遊技状態の方が遊技価値を大きく獲得可能であるため、第2特別遊技状態が発生すると遊技者の満足感や優越感が大きくなる一方、第1特別遊技状態が発生しても遊技者側の満足感や優越感がそれほど大きくならない。
【0077】
これに対して本例の遊技情報表示装置1は、第2特別遊技状態が終了した後に、次の特別遊技状態が連チャンで発生したことを条件に、例えば図7図9の特別報知表示画面による特別報知を遊技者に対して実行する一方、第1特別遊技状態が発生した後に次の特別遊技状態が連チャンで発生した場合には、特別報知の実行を抑制する。したがって、本例の遊技情報表示装置1によれば、遊技者の満足感や優越感がそれほど大きくなっていない状態での特別報知の実行を未然に回避できる。
【0078】
このように本例の遊技情報表示装置1は、特別報知表示画面の表示による特別報知を良好に実行可能であり、これにより第2特別遊技状態の発生に起因する遊技者の満足感や優越感を一層高揚できる優れた特性の装置である。
【0079】
この遊技情報表示装置1は、第2特別遊技状態が発生した後に、次の特別遊技状態が連チャンで発生した場合、当該次の特別遊技状態が前記第1特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態の何れであるかに関わらず、特別報知表示画面の表示による特別報知を実行する。第2特別遊技状態が発生した後であれば、遊技者側の満足感や優越感が高揚しているため、その後、連チャンで発生した特別遊技状態の種類がいずれであっても特別報知の実行が効果的となる。
【0080】
遊技情報表示装置1は、第2特別遊技状態が発生した後に、次の特別遊技状態が発生したタイミングで特別報知表示画面の表示による特別報知を開始する。第2特別遊技状態が発生した場合にすぐさま特別報知を実行するのではなく、次の特別遊技状態が連チャンで発生したことを条件に特別報知を実行すれば、特別遊技状態が連チャンで発生したことに対する遊技者の優越感や満足感を一層大きくする効果を得ることができる。
【0081】
なお、本例の構成に代えて、あるいは加えて、以下のような構成を採用することも可能である。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
【0082】
大当たり状態中の図7の特別報知表示画面、及び連チャン中の確変状態あるいは時短状態下の図8の特別報知表示画面について、非表示設定を設けることも良い。例えば、遊技情報表示装置1側で下記の設定1〜3の3種類の演出モードを設定可能とし、設定1〜3のうち予め設定された演出モードを設定情報として記憶するように遊技情報表示装置1を構成することも良い。
【0083】
(設定1)大当たり状態中の特別報知表示画面、及び確変状態あるいは時短状態下の特別報知表示画面に代えて、図6に例示の大当たり中通常画面あるいは時短/確変状態中通常画面(図示略)が表示される設定。
(設定2)特別報知の対象の大当たり状態中では図7に例示の特別報知表示画面が表示される一方、確変状態あるいは時短状態下の特別報知表示画面に代えて、時短/確変状態中通常画面が表示される設定。
(設定3)特別報知の対象の大当たり状態中では図7に例示の特別報知表示画面が表示され、特別報知の対象の確変状態及び時短状態では、図8に例示の特別報知表示画面が表示される設定。
【0084】
例えば上記の設定1〜3の演出モードを設けた場合には、演出を実行する際、設定1〜3のうちいずれの演出モードが設定されているかの設定情報を参照するように遊技情報表示装置1を構成すると良い。設定情報を参照すれば、上記の設定1〜3のうち予め設定された演出モードを特定できる。これにより、遊技情報表示装置1は、上記の設定1〜3に対応する演出内容のうち予め設定された演出モードによる演出を実行できる。
【0085】
設定1の演出モードが設定されているとき、遊技情報表示装置1は、16R確変大当たり状態が発生したか否かに関わらず、大当たり信号の受信中に例えば図6の大当たり中通常画面を表示し、特別状態信号の受信中に時短/確変状態中通常画面(図示略)を表示する。
設定2の演出モードが設定されているとき、遊技情報表示装置1は、16R確変大当たり状態が発生した後、次の大当たり状態が連チャンで発生したタイミングで特別報知による演出を開始する。その後、連チャン終了により通常状態に移行するまで、大当たり信号の受信中に例えば図7の特別報知表示画面を表示し、特別状態信号の受信中に時短/確変状態中通常画面(図示略)を表示する。
なお、設定3の演出モードについては、実施例の本文中で説明した通りである。
【0086】
本例では、遊技機としてパチンコ遊技機2を例示している。例示した遊技機以外の遊技機に本願発明を適用しても良く、例えば、スロットマシンに適用しても良い。また、玉が封入されており、遊技者が玉にさわることができず、クレジットや得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、クレジットや得点を消費してリールが回転する等ゲームが進行する完全クレジット式のスロットマシンに本願発明を適用しても良い。つまり、遊技価値としてクレジットや得点を採用することも可能である。また、例えば、メダルの獲得枚数という獲得可能な遊技価値の大きさの期待度が異なるビッグボーナスとレギュラーボーナスとが発生するスロットマシンであれば、ビッグボーナスを第2特別遊技状態、レギュラーボーナスを第1特別遊技状態とする構成を採用すると良い。
【0087】
特別遊技状態として、4R(通常又は確変)大当たり状態、8R確変大当たり状態、及び16R確変大当たり状態を例示している。そして、第1特別遊技状態として、4R(通常又は確変)大当たり状態、及び8R確変大当たり状態を例示する一方、第2特別遊技状態として、16R確変大当たり状態を例示している。特別遊技状態の構成は適宜変更可能である。例えば、8R確変大当たり状態を第2特別遊技状態としても良い。また10R確変大当たり状態が発生する遊技機において、この10R確変大当たり状態を第2特別遊技状態とすることも可能である。また例えば、大入賞口246が短い時間しか開放せず、大当たり状態において玉が大入賞口246に入賞しない又は入賞しにくい2R通常大当たり状態が発生する遊技機において、2R通常大当たり状態を第1特別遊技状態としても良い。
【0088】
連チャンの判定方法を変更しても良い。例えば、時短状態が終了した後に、予め定められた回数(50回等)の図柄変動を消化するまでに大当たり状態が発生した場合に連チャンであると判定する構成や、大当たり状態が終了した後に、予め定められた時間(5分等)が経過する前に大当たり状態が発生した場合に連チャンと判定する構成が考えられる。
【0089】
なお、本例では、新たな特図当選が発生するまで継続する確変状態を例示しているが、これに代えて、新たな特図当選が発生しない場合には、100回の図柄変動を消化したときに終了する確変状態であっても良い。この場合には、確変状態が発生しても100回の図柄変動を消化する間に特図当選が発生しなければ確変状態の終了に応じて通常状態に転落する。
【0090】
本例では、16R確変大当たり状態が発生していなければ、4R大当たり状態や8R確変大当たり状態の後に連チャンで次の大当たり状態が発生しても特別報知を実行しない構成を例示したが、本願発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、特別報知を小さく実行する等、遊技者がわかりにくい状態で実行する構成や、実行タイミングを遅らせる構成等が考えられる。これらの構成は、特別報知の実行を抑制する構成に該当している。
【0091】
特別報知の開始条件については任意に変更できる。例えば16R確変大当たり状態が発生した後に連チャンで次の大当たり状態が発生することに加えて、連チャン中に予め定められた玉数を遊技者が獲得した状態で16R確変大当たり状態が発生することを開始条件にする構成等が考えられる。
【0092】
本例では、大当たり状態中の出玉により16R確変大当たり状態(第2特別遊技状態)であるか他の大当たり状態(第1特別遊技状態)であるかを判定している。これに代えて、例えば大当たり状態の発生中に受信したラウンド信号の受信回数を集計することで、16R確変大当たり状態か他の大当たり状態かの判定を行うことも良い。
【0093】
さらに、例えば前記16R大当たり信号を利用して16R確変大当たり状態か他の大当たり状態かを判定することも良い。この場合には、大当たり状態の発生時に直ちに16R確変大当たり状態であるか否かを判定可能である。例えば初当たりで4R確変大当たり状態が発生した後、連チャンで1回目の16R確変大当たり状態が発生し、さらに連チャンで2回目の16R確変大当たり状態が発生した場合について、1回目の16R確変大当たり状態が発生したときに特別報知表示画面による特別報知を開始することも可能である。
【0094】
本例では、16R大当たり信号を利用して図10に例示した16R専用大当たり動画画面による演出を実行する構成を例示している。16R専用大当たり動画画面による演出を16R確変大当たり発生時に実行しない構成であれば、16R大当たり信号を省略しても良い。
【0095】
本願発明を構成する各手段の全てを遊技情報表示装置1の内部に備えている必要はなく、例えば各手段の一部を管理装置に設ける構成にしても良い。例えば、連チャンしているか否かを管理装置が判断する構成が考えられる。これらの場合でも遊技情報表示装置1が各手段を備えていることに該当する。
【0096】
特別報知の内容については適宜変更できる。例えば、獲得玉数を表示することなく連チャン回数を表示する構成等が考えられる。また本例では、特別報知とは別に、16R確変大当たり状態が発生していない場合の連チャンについても連チャン表示を実行している。16R確変大当たり状態が発生していない場合の連チャンでは、連チャン表示そのものを実行しない構成を採用することも良い。
【0097】
遊技機のスペックは本例に限定されず、任意に設計することが可能である。例えば、パチンコ遊技機2の第1始動入賞口21Aと第2始動入賞口21Bとで、大当たりの抽選確率や確変状態の抽選確率が異なるように設計しても良い。また、第1始動入賞口21Aに対応する特図保留、及び第2始動入賞口21Bに対応する特図保留について、合計の保留数の上限を4個としても良く、始動入賞の時点が古いものから順番に読み出すことも良い。
なお、本例では、遊技情報表示装置1をパチンコ遊技機2の上方に設置したが、遊技機の側方に設置することも良い。
【0098】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0099】
1 遊技情報表示装置
10 制御部(遊技情報生成手段、大当たりラウンド数計数手段、特別遊技状態判定手段、連チャン判定手段、特別報知手段)
13 液晶表示部(表示手段、特別報知手段)
130 表示エリア
2 パチンコ遊技機(遊技機)
25 主制御部(抽選手段、遊技状態発生手段、大当たり処理手段)
284 信号出力部(信号出力手段)
4 遊技場用管理システム
40 通信ネットワーク
41 管理装置
42 中継装置
43 貸出機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12