【文献】
Database GenBank [online], Accession No. AFJ56873.1,31-Jan-2014 updated, [retrieved on 24-Oct-2019],Definition: hypothetical protein PflA506_1569 [Pseudomonas fluorescens A506],URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/387161674?sat=21&satkey=2591049
【文献】
Database NCBI Reference Sequence Database [online], Accession No. WP_003188927.1,28-May-2013 updated, [retrieved on 24-Oct-2019],Definition: DSBA oxidoreductase [Pseudomonas fluorescens],URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/489281296?sat=46&satkey=76681892
【文献】
Database NCBI Reference Sequence Database [online], Accession No. WP_003190451,28-May-2013 updated, [retrieved on 24-Oct-2019],Definition: molecular chaperone EcpD [Pseudomonas fluorescens],URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/489282834?sat=21&satkey=50645917
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対象のポリペプチドは、試薬タンパク質;治療用タンパク質;細胞外の受容体またはリガンド;プロテアーゼ;キナーゼ;血液タンパク質;ケモカイン;サイトカイン;抗体;抗体ベースの薬物;抗体断片;Fc融合タンパク質;抗凝血剤;血液因子;骨形態形成タンパク;改変タンパク質スキャホールド;酵素;成長因子;インターフェロン;インターロイキン;血栓溶解剤;またはホルモン;ヒト抗血友病因子;ヒト抗血友病因子フォンビルブラント因子複合体;抗血友病因子;アルビグルチド;アルグルコシダーゼアルファ;ヒト・アルファ−1プロテアーゼ阻害剤;ボツリヌス毒素タイプB;凝固IX因子Fc融合;凝固IX因子;凝固因子VIIa;凝固XIII因子Aサブユニット;コラゲナーゼ・ヒストリチクス菌;ヒト血小板由来成長因子;アバタセプト;アブシキシマブ;アダリムマブ;アフリベルセプト;アガルシダーゼベータ;アルデスロイキン;アレファセプト;アレムツズマブ;アルグルコシダーゼアルファ;アルテプラーゼ;アナキンラ;オクトコグアルファ;ヒト抗トロンビン;バシリキシマブ;ベラタセプト;ベリムマブ;ベバシズマブ;A型ボツリヌス毒素;C1エステラーゼ阻害剤;カナキヌマブ;セルトリズマブ;セツキシマブ;ダクリズマブ;ダルベポエチンアルファ;デノスマブ;ジゴキシン免疫Fab;ドルナーゼアルファ;エカランチド;エクリズマブ;エタネルセプト;フィブリノゲン;フィルグラスチム;ゴリムマブ;イデュルスルファーゼ;インフリキシマブ;インターフェロンアルファ;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファコン−1;インターフェロンアルファ−2a;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンベータ−1a;インターフェロンベータ−1b;インターフェロンガンマ−1b;イピリムマブ;ラロニダーゼ;エポエチンアルファ;モロクトコグ(Moroctocog)アルファ;ナタリズマブ;オクリプラスミン;オファツムマブ;オマリズマブ;オプレルベキン;パリフェルミン;パリビズマブ;パニツムマブ;ペルツズマブ;ラニビズマブ;ラスブリカーゼ;ラキシバクマブ;レテプラーゼ;リロナセプト;リツキシマブ;ロミプロスチム;サルグラモスチム;テネクテプラーゼ;トシリズマブ;トラスツズマブ;ウステキヌマブ;デシルジン;エンフビルチド;エキセナチド;フォリトロピンベータ;ヒアルロニダーゼ;インスリン、プロインスリン、長時間作用性のインスリンアナログ、即効性のインスリンアナログまたは即効性のインスリンアナログを形成するようにプロセシングされるプロインスリン、インスリンCペプチド、IGF−1、Glp−1、Glp−1アナログ、Glp−2、Glp−2アナログ、プラムリンチド、ジコノチド、ベカプレルミン、エンフビルチド、またはネシリチド、インスリンアスパルト;インスリンデグルデク;インスリンデテミル;インスリングラルギン;インスリングルリジン;ヒトインスリン;インスリンリスプロ;インスリンリスプロ・プロタミン;インスリンリスプロ;ランレオチド;リラグルチド;サーファクシン;メカセルミン;インスリン様増殖因子;ネシリチド;プラムリンチド;テデュグルチド;アボボツリヌストキシンA;アガルシダーゼアルファ;アンセスチム;アニストレプラーゼ;バトロキソビン;カルペリチド;カツマキソマブ;凝固VIII因子;ジボテルミンアルファ;ドロトレコギンアルファ;エドトレオチド;エファリズマブ;エノキサパリンナトリウム;エポエチンデルタ;エプチフィバチド;エプトテルミンアルファ;フォリトロピンアルファ;ホミビルセン;ゴナドレリン;絨毛性ヒト性腺刺激ホルモン;(性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト);イミグルセラーゼ;イソフェンインスリン;レノグラスチム;レピルジン;リペグフィルグラスチム;リキシセナチド;ルトロピンアルファ(ヒトの黄体ホルモン);メポリズマブ;ミリモスチム(マクロファージコロニー刺激因子);モガムリズマブ;顆粒球マクロファージコロニー刺激因子;モンテプラーゼ;オクトレオチド;パミテプラーゼ;パンクレリパーゼ;プラルモレリン(成長ホルモン放出因子ペプチド);プロチレリン;PTH 1−84;rhBMP−2;rhBMP−7;エプトテルミンアルファ;ロムルチド;セルモレリン;ソマトスタチン;ソマトレム;バソプレッシン;デスモプレシン;タリグルセラーゼアルファ;タルチレリン(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ);タソネルミン;タスポグルチド;トロンボモジュリンアルファ;チロトロピンアルファ;トラフェルミン;ウロキナーゼ;ベラグルセラーゼアルファ;コレラ毒素B;抗血友病因子(エフラロクトコグアルファ);ヒト・アルファ−1プロテアーゼ阻害剤;カプロマブペンデチド;デニロイキンジフチトクス;羊のジゴキシン免疫Fab;エロスルファーゼアルファ;エポエチンアルファ;XIII因子;インフルエンザ赤血球凝集素;インフルエンザノイラミニダーゼ;グルカルピダーゼ;HepB表面抗原;ヒト・アルブミン;インコボツリヌムトキシン(Incobotulinumtoxin);ノフェツモマブ(Nofetumomab);オビヌツズマブ;大腸菌(Escherichia. coli)L−アスパラギナーゼ;エルウィニア(Erwinia)L−アスパラギナーゼ;シュードモナス(Pseudomonas)L−アスパラギナーゼ;ペムブロリズマブ;ラムシルマブ;シルツキシマブ;Tbo−フィルグラスチム;百日咳毒素サブユニットA−E;ウシトロンビン;ヒトトロンビン;トシツモマブ;ベドリズマブ;Ziv−アフリベルセプト;グルカゴン;ソマトロピン;プラスモジウムファルシパルム(Plasmodium falciparum)または三日熱マラリア原虫抗原;牛のエンテロキナーゼ、プラムリンチド、ジコノチド、ベカプレルミン、またはエンフビルチドである、請求項1に記載の組み換え融合タンパク質。
対象のポリペプチドは、小ペプチドまたは急速に分解するペプチドと、容易に分解するN末端を備えたタンパク質と、典型的には不溶性形態の細菌発現系で発現するタンパク質とから選択される、発現することが困難なタンパク質である、請求項1または2に記載の組み換え融合タンパク質。
対象のポリペプチドは小ペプチドまたは急速に分解するペプチドであり、ここで、対象のポリペプチドは、hPTH1−34、Glp1、Glp2、IGF−1 エキセナチド(SEQ ID NO:37)、テデュグルチド(SEQ ID NO:39)、プラムリンチド(SEQ ID NO:40)、ジコノチド(SEQ ID NO:41)、ベカプレルミン(SEQ ID NO:42)、エンフビルチド(SEQ ID NO:43)、およびネシリチド(SEQ ID NO:44)から選択される、請求項1−3のいずれかに記載の組み換え融合タンパク質。
対象のポリペプチドは容易に分解するN末端を備えたタンパク質であり、ここで、対象のポリペプチドはN−met−GCSFまたはプラスモジウムファルシパルム(P.falciparum) スポロゾイト周囲タンパクである、請求項1−3のいずれかに記載の組み換え融合タンパク質。
対象のポリペプチドは、非可溶性タンパク質として細菌発現系で一般的に発現されるタンパク質であり、ここで、対象のポリペプチドは、インスリンまたはインスリンアナログ、N−met−GCSF、GCSF、またはIFN−βへとプロセシングされるプロインスリンである、請求項1−3のいずれかに記載の組み換え融合タンパク質。
対象のポリペプチドはプロインスリンであり、プロインスリンはインスリンまたはインスリンアナログへとプロセシングされ、プロインスリンはSEQ ID NO:97;SEQ ID NO:98;SEQ ID NO:99;および、SEQ ID NO:100から選択されるアミノ酸配列を有するCペプチドを含む、請求項6に記載の組み換え融合タンパク質。
インスリンアナログは、インスリングラルギン、インスリンアスパルト、リスプロ、グルリジン、デテミル、またはデグルデクである、請求項6または7に記載の組み換え融合タンパク質。
切断部位は、エンテロキナーゼ、トリプシン、因子Xa、および、フューリンからなる群の中の切断酵素によって認識される、請求項1−8のいずれかに記載の組み換え融合タンパク質。
対象のポリペプチドはhPTH1−34であり、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、および、SEQ ID NO:47から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1、9、10、11、または12のいずれかに記載の組み換え融合タンパク質。
請求項1−13のいずれかに記載の組み換え融合タンパク質の発現のための発現ベクターであって、前記組み換え融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、発現ベクター。
工程(ii)で発現した組み換え融合タンパク質の発現レベルを測定する工程、工程(iii)で精製された組み換え融合タンパク質の量を測定する工程、または適切に放出された工程(iv)で得られた可溶性の対象のポリペプチドの量を測定する工程、あるいはこれらの組み合わせをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(配列)
本出願はヌクレオチド配列SEQ ID NO:1−237を含み、これらのヌクレオチド配列は請求項の前に配列表で列挙される。
【0015】
(概観)
本発明は、細菌発現系における対象の組み換えポリペプチドを過剰発現するための組み換え融合タンパク質と、組み換え融合タンパク質を発現するための構築物と、組み換え融合タンパク質、および溶解可能な形態の対象の組み換えポリペプチドを高収率で産生するための方法とに関する。実施形態では、本発明の方法は、精製後に0.5g/Lを越える組み換え融合タンパク質の産生を可能にする。実施形態では、本発明の方法は、変性濃度のカオトロピック剤を使用することなく高収率の組み換え融合タンパク質を産生する。実施形態では、本発明の方法は、任意のカオトロピック剤を使用することなく高収率の組み換え融合タンパク質を産生する。
【0016】
本明細書で使用されるように、用語「含む(comprise)」またはその変化形「含む(comprises)」あるいは「含む(comprising)」は、任意の詳述された特徴を含むことを示すものであるが、任意の他の特徴を除外することを意味するものではない。したがって、本明細書で使用されるように、用語「含む(comprising)」は包括的であり、追加の詳述されていない特徴を除外するものではない。本明細書で提供される組成物と方法のいずれかの実施形態において、「含む(comprising)」は、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」または「〜からなる(consisting of)」と置き換えられもよい。成句「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」は、指定された特性や、本発明の特徴や機能に実質的に影響を与えない特性を要求するために使用される。本明細書で使用されるように、用語「〜からなる(consisting of)」は詳述された特性(例えば核酸塩基配列)のみの存在を示すために用いられる(その結果、指定された核酸塩基配列からなるアンチセンスオリゴマーの場合には、追加の詳述されていない核酸塩基の存在が除外される)。
【0017】
(組み換え融合タンパク質)
図1で一般に例証されるように、本発明の組み換え融合タンパク質は3つのドメインを含む。左から、融合タンパク質はN末端融合パートナー、リンカー、および対象のポリペプチドを含み、ここで、リンカーはN末端融合パートナー間にあり、対象のポリペプチドはリンカーへのC末端である。実施形態では、リンカー配列はプロテアーゼ切断部位を含む。実施形態では、対象のポリペプチドはリンカー内のプロテアーゼ切断部位の切断によって組み換え融合タンパク質から解放することができる。
【0018】
実施形態では、組み換え融合タンパク質の分子量は約2kDaから約1000kDaである。実施形態では、組み換え融合タンパク質の分子量は、約2kDa、約3kDa、約4kDa、約5kDa、約6kDa、約7kDa、約8kDa、約9kDa、約10kDa、約11kDa、約12kDa、約13kDa、約14kDa、約15kDa、約20kDa、約25kDa、約26kDa、約27kDa、約28kDa、約30kDa、約35kDa、約40kDa、約45kDa、約50kDa、約55kDa、約60kDa、約65kDa、約70kDa、約75kDa、約80kDa、約85kDa、約90kDa、約95kDa、約100kDa、約200kDa、約300kDa、約400kDa、約500kDa、約550kDa、約600kDa、約700kDa、約800kDa、約900kDa、約1000kDa、またはそれ以上である。実施形態では、組み換え融合タンパク質の分子量は、約2kDaから約1000kDa、約2kDaから約500kDa、約2kDaから約250kDa、約2kDaから約100kDa、約2kDaから約50kDa、約2kDaから約25kDa、約2kDaから約30kDa、約2kDaから約1000kDa、約2kDaから約500kDa、約2kDaから約250kDa、約2kDaから約100kDa、約2kDaから約50kDa、約2kDaから約25kDa、約3kDaから約1000kDa、約3kDaから約500kDa、約3kDaから約250kDa、約3kDaから約100kDa、約3kDaから約50kDa、約3kDaから約25kDa、約3kDaから約30kDa、約4kDaから約1000kDa、約4kDaから約500kDa、約4kDaから約250kDa、約4kDaから約100kDa、約4kDaから約50kDa、約4kDaから約25kDa、約4kDaから約30kDa、約5kDaから約1000kDa、約5kDaから約500kDa、約5kDaから約250kDa、約5kDaから約100kDa、約5kDaから約50kDa、約5kDaから約25kDa、約5kDaから約30kDa、約10kDaから約1000kDa、約10kDaから約500kDa、約10kDaから約250kDa、約10kDaから約100kDa、約10kDaから約50kDa、約10kDaから約25kDa、約10kDaから約30kDa、約20kDaから約1000kDa、約20kDaから約500kDa、約20kDaから約250kDa、約20kDaから約100kDa、約20kDaから約50kDa、約20kDaから約25kDa、約20kDaから約30kDa、約25kDaから約1000kDa、約25kDaから約500kDa、約25kDaから約250kDa、約25kDaから約100kDa、約25kDaから約50kDa、約25kDaから約25kDa、または約25kDaから約30kDaである。
【0019】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、約50、100、150、200、250、300、350、400、450、470、500、530、560、590、610、640、670、700、750、800、850、900、950、1000、1200、1400、1600、1800、2000、または2500あるいはそれ以上のアミノ酸の長さである。実施形態では、組み換え融合タンパク質は、約50〜2500、100〜2000、150〜1800、200〜1600、250〜1400、300〜1200、350〜1000、400〜950、450〜900、470〜850、500〜800、530〜750、560〜700、590〜670、610〜640のアミノ酸の長さである。
【0020】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、以下から選択されるN末端融合パートナーを含む:
【0021】
P.fluorescens DnaJ様タンパク質(例えばSEQ ID NO:2)、FrnE(SEQ ID NO:3)、FrnE2(SEQ ID NO:63)、FrnE3(SEQ ID NO:64)、FklB(SEQ ID NO:4)、FklB3
*(SEQ ID NO:28)、FklB2(SEQ ID NO:61)、FklB3(SEQ ID NO:62)、FkpB2(SEQ ID NO:5)、SecB(SEQ ID NO:6)、SecBの切断、EcpD(SEQ ID NO:7)、EcpD(SEQ ID NO:65)、EcpD2(SEQ ID NO:66)、およびEcpD3(SEQ ID NO:67);
【0022】
SEQ ID NO:9、10、11、12、および226から選択されるリンカー;
【0023】
および、以下から選択される対象のポリペプチド:hPTH 1−34(SEQ ID NO:1)、Met−GCSF(SEQ ID NO:69)、rCSP、プロインスリン(例えば、ヒト・プロインスリンSEQ ID NO: 32のいずれか、インスリン・グラルギン・プロインスリン SEQ ID NO:88、89、90、または91)、インスリンスリプロSEQ ID NO:33、インスリングルリジンSEQ ID NO:34)、インスリンC−ペプチド(SEQ ID NO:97);メカセルミン(SEQ ID NO:35)、Glp−1(SEQ ID NO:36)、エキセナチド(SEQ ID NO:37)、テデュグルチド(SEQ ID NO:38)、Pramlintide(SEQ ID NO:39)、Ziconotide(SEQ ID NO:40)、ベカプレルミン(SEQ ID NO:42)、エンフビルチド(SEQ ID NO:43)、ネシリチド(SEQ ID NO:44)、またはエンテロキナーゼ(例えばSEQ ID NO:31)。
【0024】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:101のアミノ酸配列を有する、P.fluorescens DnaJ様タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:101をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:202である。
【0025】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:102または103のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD1タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:102または103をコードするヌクレオチド配列はそれぞれ、SEQ ID NO:202または228である。
【0026】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:104のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD2タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:104をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:204である。
【0027】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:105のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD3タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:105をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:205である。
【0028】
実施形態では、組み換え融合タンパク質はSEQ ID NO:106のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB1タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:106をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:206である。
【0029】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:107のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB2タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:107をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:207である。
【0030】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:108のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB3タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:108をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:208である。
【0031】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:109のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE1タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:109をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:209である。
【0032】
実施形態では、組み換え融合タンパク質はSEQ ID NO:110のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE2タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:110をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:210である。
【0033】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:111のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE3タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:111をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:211である。
【0034】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:112のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens DnaJ様タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:112をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:212である。
【0035】
実施形態では、組み換え融合タンパク質はSEQ ID NO:113のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD1タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:113をコードするヌクレオチド配列はそれぞれ、SEQ ID NO:213である。
【0036】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:114のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD2タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:114をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:214である。
【0037】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:115のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD3タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:115をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:215である。
【0038】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:216のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB1タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:116をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:216である。
【0039】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:217のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB2タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:117をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:217である。
【0040】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:118のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB3タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:118をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:218である。
【0041】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:119のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE1タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:119をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:219である。
【0042】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:120のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE2タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:120をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:220である。実施形態では、組み換え融合タンパク質は、SEQ ID NO:121のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE3タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:121をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:221である。
【0043】
実施形態では、組み換え融合タンパク質の対象のN末端融合パートナー、リンカー、およびポリペプチドはそれぞれ:P.fluorescensフォールディングモジュレーターDnaJ様 タンパク質(SEQ ID NO:2)、SEQ ID NO:9で説明されるリンカー、およびヒト副甲状腺ホルモンアミノ酸1−34(hPTH 1−34)(SEQ ID NO:1)である。実施形態では、組み換え融合タンパク質の対象のN末端融合パートナー、リンカー、およびポリペプチドはそれぞれ:P.fluorescens フォールディングモジュレーターFrnE(SEQ ID NO:3)、SEQ ID NO:9で説明されるリンカー、およびhPTH 1−34(SEQ ID NO:1)である。実施形態では、組み換え融合タンパク質の対象のN末端融合パートナー、リンカー、およびポリペプチドはそれぞれ:P.fluorescens フォールディングモジュレーターFklB(SEQ ID NO:4)、SEQ ID NO:9で説明されるリンカー、およびhPTH 1−34(SEQ ID NO:1)である。実施形態では、組み換えhPTH融合タンパク質は、SEQ ID NO:45、46および47の1つで説明されるようなアミノ酸配列を有する。
【0044】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、以下の要素を有するインスリン融合タンパク質である:
【0045】
P.fluorescensから選択されたN末端融合パートナー:DnaJ様タンパク質(例えばSEQ ID NO:2)、FrnE(SEQ ID NO:3)、FrnE2(SEQ ID NO:63)、FrnE3(SEQ ID NO:64)、FklB(SEQ ID NO:4)、FklB3*(SEQ ID NO:28)、FklB2(SEQ ID NO:61)、FklB3(SEQ ID NO:62)、FkpB2(SEQ ID NO:5)、EcpD EcpD(SEQ ID NO:65)、EcpD2(SEQ ID NO:66)、またはEcpD3(SEQ ID NO:67);
【0046】
SEQ ID NO:226で説明される配列セットを有するリンカー;および、
【0047】
以下から選択される対象のポリペプチド:グラルギン・プロインスリン SEQ ID NO:88、89、90、または91。
【0048】
実施形態では、対象のポリペプチドは、SEQ ID NO:80または84で説明されるヌクレオチド配列によってコード化されたSEQ ID NO:88で説明されるグラルギン・プロインスリンである。実施形態では、対象のポリペプチドは、SEQ ID NO:81または85で説明されるヌクレオチド配列によってコード化されたSEQ ID NO:89で説明されるグラルギン・プロインスリンである。実施形態では、対象のポリペプチドは、SEQ ID NO:82または86で説明されるヌクレオチド配列によってコード化されたSEQ ID NO:90で説明されるグラルギン・プロインスリンである。実施形態では、対象のポリペプチドは、SEQ ID NO:83または87で説明されるヌクレオチド配列によってコード化されたSEQ ID NO:91で説明されるインスリン・グラルギン・プロインスリンである。
【0049】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:101のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens DnaJ様タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:101をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:202である。
【0050】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:102または103のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD1タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:102または103をコードするヌクレオチド配列はそれぞれ、SEQ ID NO:202または228である。
【0051】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:104のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD2タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:104をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:204である。
【0052】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:105のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD3タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:105をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:205である。
【0053】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:106のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB1タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:106をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:206である。
【0054】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:107のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB2タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:107をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:207である。
【0055】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:108のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB3タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:108をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:208である。
【0056】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:109のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE1タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:109をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:209である。
【0057】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:110のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE2タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:110をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:210である。
【0058】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:111のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE3タンパク質N末端融合パートナーとトリプシン切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:111をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:211である。
【0059】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:112のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens DnaJ様タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:112をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:212である。
【0060】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:113のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD1タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:113をコードするヌクレオチド配列はそれぞれ、SEQ ID NO:213である。
【0061】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:114のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD2タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:114をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:214である。
【0062】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:115のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens EcpD3タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:115をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:215である。
【0063】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:216のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB1タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:116をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:216である。
【0064】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:217のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB2タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:117をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:217である。
【0065】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:118のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FklB3タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:118をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:218である。
【0066】
実施形態では、インスリン融合タンパク質はSEQ ID NO:119のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE1タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:119をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:219である。
【0067】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:120のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE2タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:120をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:220である。
【0068】
実施形態では、インスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:121のアミノ酸配列をともに有する、P.fluorescens FrnE3タンパク質N末端融合パートナーとエンテロキナーゼ切断部位リンカーを含む。実施形態では、SEQ ID NO:121をコードするヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:221である。
【0069】
実施形態では、組み換えインスリン融合タンパク質は、SEQ ID NO:122〜201の1つで説明されるようなアミノ酸配列を有する。
【0070】
実施形態では、組み換え融合タンパク質は、以下の成分を有するGCSF融合タンパク質である:
【0071】
以下から選択されるN末端融合パートナー:P.fluorescens DnaJ様タンパク質(例えば、SEQ ID NO:2)、FrnE(SEQ ID NO:3)、FrnE2(SEQ ID NO:63)、FrnE3(SEQ ID NO:64)、FklB(SEQ ID NO:4)、FklB3*(SEQ ID NO:28)、FklB2(SEQ ID NO:61)、FklB3(SEQ ID NO:62)、FkpB2(SEQ ID NO:5)、EcpD EcpD(SEQ ID NO:65)、EcpD2(SEQ ID NO:66)、またはEcpD3(SEQ ID NO:67);
【0072】
SEQ ID NO:9として説明される配列セットを有するリンカー;および、
【0073】
SEQ ID NO:68として説明される配列を有する対象のポリペプチド。
【0074】
(対象のポリペプチド)
対象のC末端ポリペプチド、対象の組み換えポリペプチド、およびC末端融合パートナーとも呼ばれる、組み換え融合タンパク質の対象のタンパク質またはポリペプチドは、溶解可能な形態および高収率で発現されることも目的としたポリペプチドである。実施形態では、対象のポリペプチドは、例えば、タンパク質分解、低発現レベル、貧弱なフォールディング、および/または宿主細胞からの貧弱な分泌により、細菌発現系において高収率で発現しないことが分かっている異種のポリペプチドである。対象のポリペプチドは小ペプチドまたは急速に分解するペプチド、分解に弱いN末端を有するタンパク質、および微生物または細菌発現系において不溶性形態で典型的に産生されるタンパク質を含む。実施形態では、対象のポリペプチドのN末端は分解から保護されるが、N末端融合パートナーに縮合し、高い収率のN−末端の未処置のタンパク質をもたらす。実施形態では、異種のポリペプチドは、微生物または細菌発現系において高収率で溶解可能な形態で発現しないと記載されている。例えば、実施形態では、異種のポリペプチドは、E. coli、B. subtilis、or L.plantarum、L.casei、L. fermentum or Corynebacterium glutamicum 宿主細胞において高収率で溶解可能な形態で発現しないと記載されている。実施形態では、対象のポリペプチドは、真核生物のポリペプチドであるか、または真核生物のポリペプチド(例えば、そのアナログである)に由来する。実施形態では、対象のポリペプチドは、哺乳類のポリペプチドであるか、または哺乳類のポリペプチドに由来する。実施形態では、対象のポリペプチドはヒト・ポリペプチドであるか、またはヒト・ポリペプチドに由来する。実施形態では、対象のポリペプチドは原核生物のポリペプチドであるか、または原核生物のポリペプチドに由来する。実施形態では、対象のポリペプチドは微生物のポリペプチドであるか、または微生物のポリペプチドに由来する。実施形態では、対象のポリペプチドは細菌のポリペプチドであるか、または細菌のポリペプチドに由来する。「非相同」によって、対象のポリペプチドは発現宿主細胞以外の生命体に由来することを意味する。実施形態では、対象の融合タンパク質および/またはポリペプチドは、別の微生物の発現系の場合よりも高い収率で本発明の方法によってPseudomonad 宿主細胞(つまり、ほぼPseudomonadales程度の宿主細胞)中で産生される。実施形態では、対象の融合タンパク質またはポリペプチドは、実質的に比較可能な条件下で、E. coliあるいは他の微生物または細菌発現系、例えば、上に列挙した発現系のときよりも高い収率で、例えば、およそ1.5倍からおよそ10倍まで、およそ1.5倍、およそ2倍、およそ2.5倍、およそ3倍、およそ5倍、またはおよそ10倍以上で、本発明の方法にしたがって、Pseudomonad、Pseudomonas、または、Pseudomonas fluorescensの発現系で産生される。実施形態では、融合タンパク質またはC末端ポリペプチドは、0.5グラム/リットル未満、0.4グラム/リットル未満、0.3グラム/リットル未満、0.2グラム/リットル未満、または0.1グラム/リットル未満の収率でE. coli 発現系で産生される。
【0075】
実施形態では、対象のポリペプチドは小ペプチドおよび/または急速に分解するペプチドである。実施形態では、小ペプチドおよび/または急速に分解するペプチドは、副甲状腺ホルモン(PTH)である。実施形態では、対象のポリペプチドはヒトhPTH 1−34(SEQ ID NO:1)である。PTHは、上皮小体によって分泌され、血液中のカルシウム濃度を増加させるように作用する、115aapre−pro−ペプチドに由来する84のアミノ酸(aa)ペプチドであり、骨形成を刺激することが知られている。N末端34aaペプチドは骨粗鬆症を処置するために承認される(Forteo(登録商標)、Eli Lilly and Company;添付文書を参照)。Forteo(登録商標)中の活性成分 PTH 1−34は、C末端融合タンパク質の一部としてE. coli の中で産生される(Chemistry Review、Center for Drug Evaluation and Research、2000−2001; see also Clinical Pharmacology and Biopharmaceutics review、Center for Drug Evaluation and Research、2000−2001を参照)。Forteo(登録商標)(Eli Lilly’s LY333334)の精製は、例えば、「Crystal Structure of Human Parathyroid Hormone 1−34 at 0.9 A Resolution」,J. Biol. Chem. 275(35):27238−44、2000)に記載されており、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。この報告書は、封入体としてのタンパク質の発現と7Mの尿素中でのその後の可溶化について記載している。
【0076】
実施形態では、対象のポリペプチドは、細菌発現系で過剰発現する際、典型的には不溶性形態で産生される。実施形態では、細菌発現系で過剰発現する際に不溶性の形態で典型的には産生される対象のポリペプチドは、真核生物のポリペプチドまたはその誘導体あるいはアナログである。実施形態では、細菌発現系で過剰発現する際に不溶性の形態で典型的には産生される対象のポリペプチドは、プロインスリン(インスリンの前駆体)である。プロインスリンは、3つの指定されたセグメント(NからC末端まで:B−C−A)で構成される。内部Cペプチドがプロテアーゼ切断によって取り除かれる際、プロインスリンはインスリンに(または、プロインスリンに依存して、インスリンアナログに)にプロセシングされる。AとBのペプチド間のジスルフィド結合は、Cペプチドインスリンの切除後に、こうした会合を維持する。ここでのインスリンとインスリンアナログに関して、「Aペプチド」と「A鎖」とは交換可能に使用され、「Bペプチド」と「B鎖」は交換可能に使用される。例えば、こうした鎖内の位置は、鎖のアミノ末端からの鎖とアミノ酸の番号によって参照され、「B30」とは、Bペプチド(つまり、B鎖)中の30番目のアミノ酸を指す。実施形態では、対象のポリペプチドはプロインスリンであり、これは長時間作用性のインスリンアナログまたは即効性のあるインスリンアナログを形成するようにプロセシングされる。
【0077】
実施形態では、対象のポリペプチドは、長時間作用性のインスリンアナログを形成するようにプロセシングされるプロインスリンである。長時間作用性のインスリンアナログは、例えば、インスリングラルギン、43−アミノ酸(6050.41Da)、Lantus(登録商標)として販売されている長時間作用性のインスリンアナログ、Tresiba(登録商標)として販売されているインスリンデグルデク、Levemir(登録商標)として販売されているインスリンデテミルを含む。インスリングラルギンでは、N21(Asn21)のアスパラギンがグリシンと置き換えられ、2つのアルギニンがBペプチドのC末端に存在している。インスリンでは、こうした2つのアルギニンはプロインスリン中には存在するが、プロセシングされた成熟分子には存在しない。実施形態では、対象のポリペプチドはグラルギンにプロセシングされ、対象のポリペプチドは、SEQ ID NO:88、89、90、または91で説明されるような87−アミノ酸プロインスリンである。非限定的な実施形態において、SEQ ID NO:88のコード配列は、SEQ ID NO:80または84で説明されるヌクレオチド配列である。非限定的な実施形態において、SEQ ID NO:89のコード配列は、SEQ ID NO:81または85で説明されるヌクレオチド配列である。非限定的な実施形態において、SEQ ID NO:90のコード配列は、SEQ ID NO:82または86で説明されるヌクレオチド配列である。非限定的な実施形態において、SEQ ID NO:91のコード配列は、SEQ ID NO:83または87で説明されるヌクレオチド配列である。SEQ ID NO:80−87の各々は、5’末端で当初の15bpクローニング部位を含み、したがって、これらの実施形態では、参照されるプロインスリンコード配列は、最初のPheコドン、TTT(SEQ ID NO:80)またはTTC(SEQ ID NO:81−87)から始まる配列である。インスリンデグルデクは、位置B30でトレオニンの欠失があり、位置B29のアミノ酸リジンでγ−L−グルタミルスペーサーによってヘキサデカン二酸に共役する。インスリンデテミルは脂肪酸(ミリスチン酸)を有し、位置B29でリジン・アミノ酸に結合する。
【0078】
実施形態では、対象のポリペプチドは即効性のインスリンアナログを形成するようにプロセシングされるプロインスリンである。即効性の(または速効性の)インスリンアナログとして、例えば、位置B28のプロリンがアスパラギン酸に置き換えられるインスリンアスパルト(NovoLog/NovoRapid(登録商標))(SEQ ID NO:94)、および、B鎖のC末端で生じる最後のリジンとプロリンの残基が逆になるインスリンスリプロ(Humalog(登録商標))(リスプロプロインスリン、SEQ ID NO: 33)、ならびに位置B3のアスパラギンがリジンに置き換えられ、位置B29のリジンがグルタミン酸に置き換えられるインスリングルリジン(Apidra(登録商標))(グルリジンプロインスリン、SEQ ID NO: 34)を含んでいる。他のすべての位置では、こうした分子は、レギュラーインスリン(プロインスリン、SEQ ID NO:32;インスリンAペプチド、SEQ ID NO:92;インスリンBペプチド、SEQ ID NO:93)に対して同一のアミノ酸配列を有する。
【0079】
実施形態では、細菌発現系で過剰発現する際に不溶性の形態で一般的に産生される対象のポリペプチドは、GCSF(例えばMet−GCSF)である。実施形態では、細菌発現系で過剰発現する際に不溶性の形態で一般的に産生される対象のポリペプチドは、IFN−β、例えば、IFN−β−1bである。実施形態では、対象の組み換えポリペプチドは過剰発現するのが難しい細菌発現系は、E.coli 発現系である。
【0080】
実施形態では、対象のポリペプチドは容易に分解するN末端を有するタンパク質である。本発明の方法によって産生される融合タンパク質が、対象のポリペプチドを放出する切断の前に宿主プロテアーゼから分離するので、対象のポリペプチドのN末端は精製工程全体にわたって保護される。これにより対象のN−末端の未処置のポリペプチドの最大で100%の調製の産生が可能となる。
【0081】
実施形態では、容易に分解するN末端を有する対象のポリペプチドは、フィルグラスチム、GCSF(顆粒球コロニー刺激因子、またはコロニー刺激因子3(CSF 3))のアナログである。GCSFは、顆粒球と幹細胞を生成し、かつそれらを血流へ放出するために骨髄を刺激する174のアミノ酸糖タンパク質である。非グリコシル化されているととともにN末端メチオニンを有するフィルグラスチムは、Neupogen(登録商標)として市販されている。GCSF(フィルグラスチム)のアミノ酸配列はSEQ ID NO:69で説明されている。実施形態では、本発明の方法は、N末端メチオニンを含む未処置のN末端を有する高いレベルのGCSF(フィルグラスチム)を産生するために使用される。プロテアーゼ欠損宿主細胞中のGCSFの産生は米国特許第8,455,218号「Methods for G−CSF production in a Pseudomonas host cell」に記載され、該文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。本発明の実施形態では、N末端メチオニンを含む未処置のGCSFは、細菌の宿主細胞(例えば、プロテアーゼ欠損ではないPseudomonas 宿主細胞)において高いレベルで融合タンパク質内において産生される。
【0082】
実施形態では、容易に分解するN末端を有する対象のポリペプチドは、米国特許第9,169,304号「Process for Purifying Recombinant Plasmodium Falciparum Circumsporozoite Protein」に記載されている、組み換えP. falciparum スポロゾイト周囲タンパク(rCSP)であり、当該文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0083】
実施形態では、対象のポリペプチドは以下のとおりである:試薬タンパク質;治療用タンパク質;細胞外の受容体またはリガンド;プロテアーゼ;キナーゼ;血液タンパク質;ケモカイン;サイトカイン;抗体;抗体ベースの薬物;抗体断片、例えば、一本鎖抗体、抗原結合(ab)断片、例えば、F(ab)、F(ab)’、F(ab)’2、IgGまたはIgMの可変領域から生成されたFv、抗体の重鎖不変部領域から生成されたFc断片、還元されたIgG断片(例えば、IgGのヒンジ領域ジスルフィド結合の還元により生成される)、例えば、対象のタンパク質またはペプチドとともに融合されたIgGのFcドメインを含むFc融合タンパク質、または、例えば、米国特許第5,648,237号「Expression of Functional Antibody Fragments」に記載される当該技術分野の他の抗体断片(当該文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる);抗凝血剤;血液因子;骨形態形成タンパク;改変タンパク質スキャホールド;酵素;成長因子;インターフェロン;インターロイキン;血栓溶解剤;またはホルモン。実施形態では、対象のポリペプチドは以下から選択される:ヒト抗血友病因子;ヒト抗血友病因子フォンビルブラント因子複合体;組み換え抗血友病因子(ツロクトコグアルファ);Ado−トラスツズマブエムタンシン;アルビグルチド;アルグルコシダーゼアルファ;ヒト・アルファ−1プロテアーゼ阻害剤;ボツリヌス毒素タイプB(Rimabotulinumtoxin B);凝固IX因子Fc融合;組み換え凝固IX因子;組み換え凝固因子VIIa;組み換え凝固XIII因子Aサブユニット;ヒト凝固VIII因子フォンビルブラント因子複合体;コラゲナーゼ・ヒストリチクス菌;ヒト血小板由来成長因子(ベカプレルミン(Cecaplermin));アバタセプト;アブシキシマブ;アダリムマブ;アフリベルセプト;アガルシダーゼベータ;アルデスロイキン;アレファセプト;アレムツズマブ;アルグルコシダーゼアルファ;アルテプラーゼ;アナキンラ;オクトコグアルファ;組み換えヒト抗トロンビン;Azficel−T;バシリキシマブ;ベラタセプト;ベリムマブ;ベバシズマブ;A型ボツリヌス毒素;ブレンツキシマブベドチン;組み換えC1エステラーゼ阻害剤;カナキヌマブ;セルトリズマブペゴル;セツキシマブ;ノナコグアルファ;ダクリズマブ;ダルベポエチンアルファ;デノスマブ;ジゴキシン免疫Fab;ドルナーゼアルファ;エカランチド;エクリズマブ;エタネルセプト;フィブリノゲン;フィルグラスチム;ガルスルファーゼ;ゴリムマブ;イブリツモマブチウキセタン;イデュルスルファーゼ;インフリキシマブ;インターフェロンアルファ;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファコン−1;インターフェロンアルファ−2a;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンベータ−1a;インターフェロンベータ−1b;インターフェロンガンマ−100B;イピリムマブ;ラロニダーゼ;エポエチンアルファ;モロクトコグ(Moroctocog)アルファ;ムロモナブ−CD3;ナタリズマブ;オクリプラスミン;オファツムマブ;オマリズマブ;オプレルベキン;パリフェルミン;パリビズマブ;パニツムマブ;ペグフィルグラスチム;ペルツズマブ;ヒトパピローマウイルス(HPV)タイプ6;11;16;18のL1ウィルスタンパク質ウイルス様粒子(VLP);HPVタイプ16と18のL1タンパク質VLP;ラニビズマブ;ラスブリカーゼ;ラキシバクマブ;組み換え因子IX;レテプラーゼ;リロナセプト;リツキシマブ;ロミプロスチム;サルグラモスチム;テネクテプラーゼ;トシリズマブ;トラスツズマブ;ウステキヌマブ;アバレリックス;セトロレリクス;デシルジン;エンフビルチド;エキセナチド;フォリトロピンベータ;ガニレリクス;デガレリクス;ヒアルロニダーゼ;インスリンアスパルト;インスリンデグルデク;インスリンデテミル;インスリングラルギンrDNA注射(長時間作用性のヒトインスリン・アナログ);組み換えインスリングルリジン;ヒトインスリン;インスリンスリプロ(即効性のインスリンアナログ);組み換えインスリンスリプロ・プロタミン;組み換えインスリンスリプロ;ランレオチド;リラグルチド;サーファクシン(ルシナクタント;シナプルチド(Sinapultide));メカセルミン;インスリン様増殖因子;ネシリチド;プラムリンチド;組み換えテデュグルチド;酢酸テサモレリン;酢酸ジコノチド;10.8mgの酢酸ゴセレリン移植組織;アボボツリヌストキシンA;アガルシダーゼアルファ;アリポジーン・チパルボベック;アンセスチム;アニストレプラーゼ;アルデパリンナトリウム;鳥類のTBワクチン;バトロキソビン;ビバリルジン;ブセレリン(性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト);カボザンチニブ S−リンゴ酸塩;カルペリチド;カツマキソマブ;セルレチド;凝固VIII因子;コクシジウム症ワクチン;ダルテパリンナトリウム;デフェリプロン;デフィブロチド;ジボテルミンアルファ;ドロトレコギンアルファ;エドトレオチド;エファリズマブ;エノキサパリンナトリウム;エポエチンデルタ;エプチフィバチド;エプトテルミンアルファ;注射用のフォリトロピンアルファ;ホミビルセン;ジェムツツマブオゾガミシン;ゴナドレリン;組み換え絨毛性ヒト性腺刺激ホルモン;酢酸ヒストレリン(性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト);HVT IBDワクチン;イミグルセラーゼ;イソフェンインスリン;レノグラスチム(果粒球コロニー刺激因子);レピルジン;犬のレプトスピラワクチン;リュープロレリン;リナクロチド;リペグフィルグラスチム;リキシセナチド;ルトロピンアルファ(ヒトの黄体ホルモン);メポリズマブ;ミファムルチド;ミポメルセンナトリウム;ミリモスチム(マクロファージコロニー刺激因子);モガムリズマブ;モルグラモスチム(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子);モンテプラーゼ;ナドロパリンカルシウム;ナファレリン;ネバクマブ;オクトレオチド;パミテプラーゼ;パンクレリパーゼ;パルナパリンナトリウム;Dアスパラギン酸パシレオチド;酢酸ペギネサチド;ペグビソマント;ペンテトレオチド;ボラクタントアルファ;プラルモレリン(成長ホルモン放出因子ペプチド);プロチレリン;PTH 1−84;rhBMP−2;rhBMP−7;エプトテルミンアルファ;ロムルチド;セルモレリン;ソマトスタチン;ソマトレム;バソプレッシン;デスモプレシン;タリグルセラーゼアルファ;タルチレリン(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ);タソネルミン;タスポグルチド;トロンボモジュリンアルファ;チロトロピンアルファ;トラフェルミン;トリプトレリンパモエート;注射用のウロフォリトロピン;ウロキナーゼ;ベラグルセラーゼアルファ;コレラ毒素B;組み換え抗血友病因子(エフラロクトコグアルファ);ヒト・アルファ−1プロテアーゼ阻害剤;アスパラギナーゼ黒脚病菌;カプロマブペンデチド;デニロイキンジフチトクス;羊のジゴキシン免疫Fab;エロスルファーゼアルファ;エポエチンアルファ;IX因子複合体;XIII因子濃縮物;テクネチウム(ファノレソマブ(Fanolesomab));フィブリノゲン;トロンビン;インフルエンザ赤血球凝集素とノイラミニダーゼ;グルカルピダーゼ;注射用ヘミン;HepB表面抗原;ヒト・アルブミン;Incobotulinumtoxin;Nofetumomab;オビヌツズマブ;L−アスパラギナーゼ;(Escherichia. coli; Erwinia sp.; Pseudomonas sp;など)、ペムブロリズマブ;プロテインC濃縮物;ラムシルマブ;シルツキシマブ;Tbo−フィルグラスチム;百日咳毒素サブユニットA−E;局所的ウシトロンビン;局所的ヒトトロンビン;トシツモマブ;ベドリズマブ;Ziv−アフリベルセプト;グルカゴン;ソマトロピン;P. falciparum または三日熱マラリア原虫抗原(例えば、CSP、CelTOS、トラップ、Rh5、子守女−1、LSA−1、LSA−3、Pfs25、MSP−1、MSP−3、STARP、EXP1、pb9、GLURP)。変化形を含むこうしたポリペプチドの配列は文献で入手可能であり、当業者に知られている。列挙されたポリペプチドのいずれかの任意のいかなる配列も本発明の方法での使用について企図される。
【0084】
実施形態では、対象のポリペプチドは、エンテロキナーゼ(例えばSEQ ID NO:31[ウシ])、インスリン、プロインスリン(例えばSEQ ID NO:32)、長時間作用性のインスリンアナログ、または、長時間作用性のインスリンアナログを形成するようにプロセシングされるプロインスリン(例えばインスリングラルギン、SEQ ID NO:88、インスリンデテミル、またはインスリンデグルデク)、即効性のインスリンアナログ、または即効性のインスリンアナログを形成するようにプロセシングされるプロインスリン(例えば、インスリンスリプロ、インスリンアスパルト、またはインスリングルリジン)、インスリンCペプチド(例えばSEQ ID NO:97)、IGF−1(例えばメカセルミン、SEQ ID NO:35)、Glp−1(例えばSEQ ID NO:36)、Glp−1アナログ(例えばエキセナチド、SEQ ID NO:37)、Glp−2(例えばSEQ ID NO:38)、Glp−2アナログ(例えば、テデュグルチド、SEQ ID NO:39)、プラムリンチド(例えばSEQ ID NO:40)、ジコノチド(例えばSEQ ID NO:41)、ベカプレルミン(例えばSEQ ID NO:42)、エンフビルチド(例えばSEQ ID NO:43)、またはネシリチド(例えばSEQ ID NO:44)である。
【0085】
実施形態では、対象のポリペプチドの分子量は、約1kDa、約2kDa、約3kDa、約4kDa、約5kDa、約6kDa、約7kDa、約8kDa、約9kDa、約10kDa、約11kDa、約12kDa、約13kDa、約14kDa、約15kDa、約16kDa、約17kDa、約18kDa、約19kDa、約20kDa、約30kDa、約40kDa、約50kDa、約60kDa、約70kDa、約80kDa、約90kDa、約100kDa、約150kDa、約200kDa、約250kDa、約300kDa、約350kDa、約400kDa、約450kDa、約500kDa、またはそれ以上である。実施形態では、組み換えポリペプチドの分子量は、約1から約10kDa、約1から約20kDa、約1から約30kDa、約1から約40kDa、約1から約50kDa、約1から約60kDa、約1から約70kDa、約1から約80kDa、約1から約90kDa、約1から約100kDa約1kDaから約200kDa、約1kDaから約300kDa、約1kDaから約400kDa、約1kDaから約500kDa、約2から約10kDa、約2から約20kDa、約2から約30kDa、約2から約40kDa、約2から約50kDa、約2から約60kDa、約2から約70kDa、約2から約80kDa、約2から約90kDa、約2から約100kDa、約2kDaから約200kDa、約2kDaから約300kDa、約2kDaから約400kDa、約2kDaから約500kDa、約3から約10kDa、約3から約20kDa、約3から約30kDa、約3から約40kDa、約3から約50kDa、約3から約60kDa、約3から約70kDa、約3から約80kDa、約3から約90kDa、約3から約100kDa、約3kDaから約200kDa、約3kDaから約300kDa、約3kDaから約400kDa、または約3kDaから約500kDaである。実施形態では、対象のポリペプチドの分子量は約4.1kDaである。
【0086】
実施形態では、対象のポリペプチドは25またはそれ以上のアミノ酸の長さである。実施形態では、対象のポリペプチドは約25から約2000までまたはそれ以上のアミノ酸の長さである。実施形態では、対象のポリペプチドは、約または少なくとも約25、30、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、475、500、525、550、575、600、625、650、700、750、800、850、900、950、1000、1200、1400 1600、1800、または2000のアミノ酸の長さである。実施形態では、対象のポリペプチドは約25〜約2000、約25〜1000、約25〜約500、約25〜約250、約25〜約100、または約25〜約50のアミノ酸の長さである。実施形態では、対象のポリペプチドは、32、36、39、71、109、または110のアミノ酸の長さである。実施形態では、対象のポリペプチドは34のアミノ酸の長さである。
【0087】
(N末端融合パートナー)
組み換え融合タンパク質のN末端融合パートナーは、細菌発現系を使用して得られた組み換え融合タンパク質の収率を改善する細菌タンパクである。実施形態では、N末端融合パートナーは、細菌の宿主細胞中の組み換え構築物から安定して過剰発現させることができる。実施形態では、対象のポリペプチドの収率および/または溶解性、N末端融合パートナーの存在によって増加または改善される。実施形態では、N末端融合パートナーは、組み換え融合タンパク質の適切なフォールディングを促す。実施形態では、N末端融合パートナーは細菌のフォールディングモジュレーターまたはシャペロンタンパク質である。
【0088】
実施形態では、N末端融合パートナーは、大型のアフィニティータグタンパク質、フォールディングモジュレーター、分子シャペロン、リボソームタンパク質、翻訳関連因子、OB倍のタンパク質(オリゴヌクレオチド結合フォールディングタンパク質)、または、例えば、文献Ahn、et al.,2011、“Expression screening of fusion partners from an E.coli genome for soluble expression of recombinant proteins in a cell−free protein synthesis system,” PLoS One、6(11): e26875に記載される別のタンパク質である。実施形態では、N末端融合パートナーは、MBP、GST、NusA、ユビキチン、IF−2のドメイン1、およびL9のN−末端ドメインから選択された大型のアフィニティータグタンパク質である。実施形態では、N末端融合パートナーは、30Sリボソームサブユニットからのリボソームタンパク質、または50Sリボソームサブユニットからのリボソームタンパク質である。実施形態では、N末端融合パートナーは、E. coli またはPseudomonad シャペロンまたはフォールディングモジュレータータンパク質である。実施形態では、N末端融合パートナーはP.fluorescensシャペロンまたはフォールディングモジュレータータンパク質である。実施形態では、N末端融合パートナーは表1から選択されたシャペロンまたはフォールディングモジュレータータンパク質である。
【0089】
実施形態では、N末端融合パートナーは、P.fluorescens DnaJ様タンパク質(SEQ ID NO:2)、FrnE(SEQ ID NO:3)、FrnE2(SEQ ID NO:63)、FrnE3(SEQ ID NO:64)、FklB(SEQ ID NO:4)、FklB3*(SEQ ID NO:28)、FklB2(SEQ ID NO:61)、FklB3(SEQ ID NO:62)、FkpB2(SEQ ID NO:5)、SecB(SEQ ID NO:6)、EcpD(RXF04553.1、SEQ ID NO:7)、EcpD(RXF04296.1、SEQ ID NO:65、本明細書ではEcpD1とも呼ばれる)、EcpD2(SEQ ID NO:66)、またはEcpD3(SEQ ID NO:67)である。実施形態では、N末端融合パートナーはE. coli タンパク質Skp(SEQ ID NO:8)である。
【0090】
実施形態では、N末端融合パートナーは完全長の融合パートナーポリペプチドに対して切断される。実施形態では、N末端融合パートナーは少なくとも1つのC末端アミノ酸を取り除くためにC末端から切断される。実施形態では、N末端融合パートナーは完全長のポリペプチドのC末端から1〜300のアミノ酸を取り除くために切断される。実施形態では、N末端融合パートナーは、ポリペプチドのC末端から300、290、280、270、260、250、240、230、220、210、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1から300、1から295、1から290、1から280、1から270、1から260、1から250、1から240、1から230、1から220、1から210、1から200、1から190、1から180、1から170、1から160、1から150、1から140、1から130、1から120、1から110、1から100、1から90、1から80、1から70、1から60、1から50、1から40、1から30、1から20、1から15、1から10、または1から5のアミノ酸を取り除くために切断される。実施形態では、N末端融合パートナーポリペプチドは、完全長のポリペプチドの最初のN−末端300、290、280、270、260、250、240、230、220、210、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、150から40、最初の150から50、最初の150から75、最初の150−100、最初の100から40、最初の100から50、最初の100から75、最初の75−40、最初の75−50、最初の300、最初の250、最初の200、最初の150、最初の140、最初の130、最初の120、最初の110、最初の100、最初の90、最初の80、最初の75、最初の70、最初の65、最初の60、最初の55、最初の50、または最初の40のアミノ酸を維持するために、C末端から切断される。
【0091】
実施形態では、切断されるN末端融合パートナーはFklB、FrnE、またはEcpD1である。実施形態では、切断されるN末端融合パートナーはFklBであり、ここで、FklBは、148、198、210、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1、1から210、1から200、1から190、1から180、1から170、1から160、1から150、1から140、1から130、1から120、1から110、1から100、1から90、1から80、1から70、1から60、1から50、1から40、1から30、1から20、1から15、1から10、または1から5のアミノ酸を取り除くために、C末端から切断される。実施形態では、切断されるN末端融合パートナーはEcpDであり、ここで、EcpDは、148、198、210、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1、1から210、1から200、1から190、1から180、1から170、1から160、1から150、1から140、1から130、1から120、1から110、1から100、1から90、1から80、1から70、1から60、1から50、1から40、1から30、1から20、1から15、1から10、または1から5のアミノ酸を取り除くために、C末端から切断される。実施形態では、切断されるN末端融合パートナーはFrnEであり、ここで、FrnEは、118、168、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1、1から190、1から180、1から170、1から160、1から150、1から140、1から130、1から120、1から110、1から100、1から90、1から80、1から70、1から60、1から50、1から40、1から30、1から20、1から15、1から10、または1から5 のアミノ酸を取り除くために、C末端から切断される。
【0092】
実施形態では、N末端融合パートナーはβ−ガラクトシダーゼではない。実施形態では、N末端融合パートナーはチオレドキシンではない。実施形態では、N末端融合パートナーはβ−ガラクトシダーゼまたはチオレドキシンのいずれでもない。
【0093】
実施形態では、N末端融合パートナーの分子量は、約1kDa、約2kDa、約3kDa、約4kDa、約5kDa、約6kDa、約7kDa、約8kDa、約9kDa、約10kDa、約11kDa、約12kDa、約13kDa、約14kDa、約15kDa、約16kDa、約17kDa、約18kDa、約19kDa、約20kDa、約30kDa、約40kDa、約50kDa、約60kDa、約70kDa、約80kDa、約90kDa、約100kDa、約150kDa、約200kDa、約250kDa、約300kDa、約350kDa、約400kDa、約450kDa、約500kDa、またはそれ以上である。実施形態では、N末端融合パートナーの分子量は、約1から約10kDa、約1から約20kDa、約1から約30kDa、約1から約40kDa、約1から約50kDa、約1から約60kDa、約1から約70kDa、約1から約80kDa、約1から約90kDa、約1から約100kDa約1kDaから約200kDa、約1kDaから約300kDa、約1kDaから約400kDa、約1kDaから約500kDa、約2から約10kDa、約2から約20kDa、約2から約30kDa、約2から約40kDa、約2から約50kDa、約2から約60kDa、約2から約70kDa、約2から約80kDa、約2から約90kDa、約2から約100kDa、約2kDaから約200kDa、約2kDaから約300kDa、約2kDaから約400kDa、約2kDaから約500kDa、約3から約10kDa、約3から約20kDa、約3から約30kDa、約3から約40kDa、約3から約50kDa、約3から約60kDa、約3から約70kDa、約3から約80kDa、約3から約90kDa、約3から約100kDa、約3kDaから約200kDa、約3kDaから約300kDa、約3kDaから約400kDa、または約3kDaから約500kDaである。
【0094】
実施形態では、N末端融合パートナーまたは切断されたN末端融合パートナーは、25またはそれ以上のアミノ酸の長さである。実施形態では、N末端融合パートナーは約25から約2000またはそれ以上のアミノ酸の長さである。実施形態では、N末端融合パートナーは、約または少なくとも約25、35、40、45、50、100、150、200、250、300、350、400、450、470、500、530、560、590、610、640、670、700、750、800、850、900、950、1000、1200、1400、1600、1800、2000のアミノ酸の長さである。実施形態では、対象のポリペプチドは約25〜約2000、約25〜1000、約25〜約500、約25〜約250、約25〜約100、または約25〜約50のアミノ酸の長さである。
【0095】
(対象のポリペプチドと組み換え融合タンパク質の相対的なサイズ)
対象のポリペプチドの収率は十分な組み換え融合タンパク質の収率に比例する。この割合は、対象のポリペプチドと組み換え融合タンパク質の相対的なサイズ(例えば、アミノ酸中の分子量および/または長さ)に依存する。例えば、融合タンパク質中のN末端融合パートナーのサイズを減少させることで、産生された融合タンパク質の大部分が対象のポリペプチドになる。実施形態では、対象のポリペプチドの収率を最大限にするために、N末端融合パートナーは対象のポリペプチドに対するそのサイズに基づいて選択される。実施形態では、N末端融合パートナーは対象のポリペプチドに対して最小限のサイズ(例えばアミノ酸中のMWまたは長さ)となるように選択される。実施形態では、組み換え融合タンパク質は、対象のポリペプチドの分子量が、組み換え融合タンパク質の分子量の約10%から約50%までを構成するように設計される。実施形態では、対象のポリペプチドの分子量は、組み換え融合タンパク質の分子量の約または少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40% 45%、または50%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドの分子量は、組み換え融合タンパク質の分子量の約または少なくとも約10%〜約50%、11%〜約50%、12%〜約50%、13%〜約50%、14%〜約50%、15%〜約50%、20%〜約50%、25%〜約50%、30%〜約50% 35%〜約50% 40%〜約50% 13%〜約40%、14%〜約40%、15%〜約40%、20%〜約40%、25%〜約40%、30%〜約40%、35%〜約40%、13%〜約30%、14%〜約30%、15%〜約30% 20%〜約30% 25%〜約30% 13%〜約25%、14%〜約25%、15%〜約25%、または20%〜約25%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドはhPTHであり、対象のポリペプチドの分子量は、組み換え融合タンパク質の分子量の約14.6%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドはhPTHであり、対象のポリペプチドの分子量は、組み換え融合タンパク質の分子量の約13.6%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドはhPTHであり、対象のポリペプチドの分子量は、組み換え融合タンパク質の分子量の約27.3%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドはmet−GCSFであり、対象のポリペプチドの分子量は、組み換え融合タンパク質の分子量の約39%から約72%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドはプロインスリンであり、対象のポリペプチドの分子量は、組み換え融合タンパク質の分子量の約20%から約57%を構成する。
【0096】
実施形態では、対象のポリペプチドの長さは、組み換え融合タンパク質の全長の約10%から約50%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドの長さは、組み換え融合タンパク質の全長の約または少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドの長さは、組み換え融合タンパク質の全長の約または少なくとも約10%〜約50%、11%〜約50%、12%〜約50%、13%〜約50%、14%〜約50%、15%〜約50%、20%〜約50%、25%〜約50%、30%〜約50%、35%〜約50%、40%〜約50%、13%〜約40%、14%〜約40%、15%〜約40%、20%〜約40%、25%〜約40%、30%〜約40%、35%〜約40%、13%〜約30%、14%〜約30%、15%〜約30% 20%〜約30%、25%〜約30%、13%〜約25%、14%〜約25%、15%〜約25%、または20%〜約25%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドはhPTHであり、対象のポリペプチドの長さは、組み換え融合タンパク質の全長の約13.1%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドはhPTHであり、対象のポリペプチドの長さは、組み換え融合タンパク質の全長の約12.5%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドはhPTHであり、対象のポリペプチドの長さは、組み換え融合タンパク質の全長の約25.7%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドはmet−GCSFであり、対象のポリペプチドの長さは、組み換え融合タンパク質の全長の約40%〜約72%を構成する。実施形態では、対象のポリペプチドはプロインスリンであり、対象のポリペプチドの長さは、組み換え融合タンパク質の全長の約19%〜約56%を構成する。
【0097】
(対象のポリペプチドとN末端融合パートナー等電点の差)
タンパク質(pI)の等電点は、タンパク質が正味電荷を運ばないpHとして定義される。pI値は所定のpHでタンパク質の溶解性に影響を与えることが知られている。そのpIよりも下のpHでは、タンパク質は正味の正電荷を運び、pIよりも上のpHでは、タンパク質は正味の負電荷を運ぶ。タンパク質はこうした等電点(全電荷)によって分離可能である。実施形態では、対象のポリペプチドのpIとN末端融合タンパク質のそれは実質的に異なる。これにより、N末端融合タンパク質から離して対象のポリペプチドの精製を促すことができる。実施形態では、対象のポリペプチドのpIはN末端融合パートナーのそれよりも少なくとも2倍高い。実施形態では、対象のポリペプチドのpIはN末端融合パートナーのそれよりも1.5〜3倍高い。実施形態では、対象のポリペプチドのpIは、N末端融合パートナーのそれよりも1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3倍以上高い。実施形態では、N末端融合パートナーのpIは、約4、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、または約5である。実施形態では、N末端融合パートナーのpIは、約4〜約5、約4.1〜約4.9、4.2〜約4.8、約4.3〜約4.7、約4.4〜約4.6である。
【0098】
実施形態では、N末端融合パートナーは、列挙されるpIを有する表8または18に列挙されたパートナーである。実施形態では、対象のC末端ポリペプチドは、8.52のpIと4117.65ダルトンの分子量を有するhPTH 1−34である。実施形態では、対象のC末端ポリペプチドは、5.66のpIと18801.9ダルトンの分子量を有する、met−GCSFである。実施形態では、対象のC末端ポリペプチドは、約5.2のpIと約9.34KDaの分子量を有する、SEQ ID NO:88で説明されるようなプロインスリンである。実施形態では、対象のC末端ポリペプチドは、約6.07のpIと8.81KDaの分子量を有する、SEQ ID NO:89で説明されるようなプロインスリンである。実施形態では、対象のC末端ポリペプチドは、約5.52のpIと約8.75KDaの分子量を有する、SEQ ID NO:90で説明されるようなプロインスリンである。実施形態では、対象のC末端ポリペプチドは、6.07のpIと約7.3KDaの分子量を有するSEQ ID NO:91で説明されるようなプロインスリンである。タンパク質のpIは文献に記載され、かつ当業者に知られているような任意の方法によって決定できる。
【0099】
(シャペロンとタンパク質フォールディングモジュレーター)
非天然の宿主細胞(異種タンパク質が天然ではない細胞)中において高収率での異種タンパク質の産生に対する障害は、溶解可能なおよび/または活性な形態の異種タンパク質を産生するために細胞がしばしば十分に備わっていないということである。タンパク質の一次構造はそのアミノ酸配列によって定義されるが、二次構造は、アルファ螺旋またはベータシートの存在により定義され、三次構造は、タンパク質内(例えばタンパク質ドメイン間)のアミノ酸側鎖相互作用によって定義される。異種タンパク質を発現する場合、とりわけ大規模な産生においては、タンパク質そのものの二次と三次構造が決定的に重要である。タンパク質構造のいかなる有意な変化も機能的に不活性な分子、または著しく還元された生物学的活性を備えたタンパク質を産生し得る。多くの症例では、宿主細胞は、活性な異種タンパク質の適切な産生に必要なシャペロンまたはタンパク質フォールディングモジュレーター(PFM)を発現する。しかしながら、使用することができて経済的に満足なバイオテクノロジー製品を産生するのに一般に必要な高いレベルでの発現では、細胞は、異種で発現したタンパク質をプロセシングするために十分な天然タンパク質フォールディングモジュレーターまたはモジュレーターを生成することができないことが多い。
【0100】
ある発現系では、異種タンパク質の過剰生産は、ミスフォールディングと不溶性凝集体への分離が伴う場合がある。細菌細胞では、こうした凝集体は封入体として知られている。封入体にプロセシングされたタンパク質は、場合によっては、不溶性画分のさらなるプロセシングを介して回復可能である。封入体で見られるタンパク質は一般的に変性と再生を含む多重ステップによって精製されなければならない。封入体タンパク質の典型的な再生プロセスは、濃縮した変性剤中で凝集体を溶かし、希釈による変性剤のその後の除去を伴う試みを含んでいる。凝集体は、この段階で頻繁に再形成される。追加のプロセシングはコストがかさみ、インビトロでのリフォールディングが生物学的に活性な生成物を生み出すという保証はなく、回復されたタンパク質は大量の断片不純物を含むことがあり得る。
【0101】
インビボのタンパク質フォールディングは分子シャペロンによって支援され、該シャペロンはフォールディング中間体と一時的に相互に作用することにより、およびフォールディング経路に沿って律速段階を加速させるfoldasesにより、他のポリペプチドの適切な異性化と細胞のターゲッティングを促す。場合によっては、シャペロンの過剰発現が、凝集しがちなタンパク質の溶解可能な収率を増加させるとことが分かっている(Baneyx,F.,1999,Curr.Opin.Biotech. 10:411−421を参照)。こうしたシャペロンの細胞内の濃度の増大に関連した有益な効果は、過剰生産されたタンパク質の性質に大きく依存するように思われ、すべての異種タンパク質で同じタンパク質フォールディングモジュレーターの過剰発現を必要とするわけはないことがある。シャペロン、ジスルフィド結合イソメラーゼ、およびペプチジル−プロリル シス−トランスイソメラーゼ(PPIases)を含むタンパク質フォールディングモジュレーターは、新生ポリペプチドのフォールディング、アンフォールディング、および分解を助けるすべての細胞中に存在するタンパク質のクラスである。
【0102】
シャペロンは、新生ポリペプチドに結合し、それらを安定させ、適切にフォールディングさせることで作用する。タンパク質は疎水性および親水性の残基を有し、前者は表面上で通常露出されるが、後者は、残基が分子を囲む水ではなく他の親水性の残基と相互に作用する構造内に埋められている。しかしながら、ポリペプチド鎖のフォールディングの際に、タンパク質が部分的に折り畳まれた状態または誤って折り畳まれた状態で存在するため、親水性の残基はある期間にわたってしばしば露出される。形成ポリペプチドが永久的に誤って折り畳まれるか、または他の誤って折り畳まれたタンパク質と相互に作用し、細胞内の大きな凝集体または封入体を形成することができるのはこの期間である。シャペロンは一般に、部分的な折り畳み鎖の疎水性領域に結合することと、それらが完全に誤って折り畳むか、または他のタンパク質とともに凝集するのを防ぐことによって作用する。シャペロンは封入体中のタンパク質とすら結合し、脱凝集させることができる。フォールディングモジュレーターのGroES/EL、DnaKJ、Clp、Hsp90、およびSecBファミリーはすべてシャペロンのような活性を持つタンパク質の例である。
【0103】
ジスルフィド結合イソメラーゼはフォールディングモジュレーターの別の重要なタイプである。こうしたタンパク質は、フォールディングポリペプチドが適切なイントラタンパク質ジスルフィド結合を組織するのを助けるために一連の非常に特異的な反応を触媒する。2つを超えるシステインを有するどんなタンパク質も間違った残基間でジスルフィド結合を組織する危険がある。ジスルフィド結合形成ファミリーは、周辺質の非還元環境下でジスルフィド結合の形成を触媒するDsbタンパク質からなる。周辺質のポリペプチドがジスルフィド結合イソメラーゼを誤って折り畳むと、DsbCはジスルフィド結合を再調整し、タンパク質を適切な結合で改良させる。
【0104】
FklBとFrnEのタンパク質は、フォールディングモジュレーターのペプチジル−プロリル・シス−トランス・イソメラーゼファミリーに属する。これは、オリゴペプチド中のプロリンイミド酸ペプチド結合のシス−トランス異性化を触媒する酵素のクラスである。プロリン残基は、その直前のペプチジル結合がシスまたはトランスの配座を取ることができるという点で、アミノ酸のなかでも独特である。他のすべてのアミノ酸については、立体障害のせいで上記は好ましくない。ペプチジル−プロリル シス−トランスイソメラーゼ(PPIases)は、1つの形態から別の形態へのこの結合の転換を触媒する。この異性化は、タンパク質のフォールディング、リフォールディング、サブユニットのアセンブリ、および細胞内の輸送を促進および/または支援することもある。
【0105】
非特異的なやり方でタンパク質と相互に作用するように見える一般的なシャペロンに加えて、特定の標的のフォールディングを助けるシャペロンもある。こうしたタンパク質に特異的なシャペロンは、標的と複合体を形成し、凝集と分解を防ぎ、それらが集合してマルチサブユット構造を構築する時間を考慮に入れる。PapDシャペロンは1つの例であり(Lombardo et al., 1997, Escherichia coli PapD, in Guidebook to Molecular Chaperones and Protein−Folding Catalysts, Gething M−J Ed. Oxford University Press Inc., New York:463−465に記載されている)、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0106】
フォールディングモジュレーターは、例えば、HSP70タンパク質、HSP110/SSEタンパク質、HSP40(DnaJ−関連)タンパク質、GRPE様タンパク質、HSP90タンパク質、CPN60およびCPN10タンパク質、細胞質シャペロニン、HSP100タンパク質、小さなHSP、カルネキシンとカルレティキュリン、PDIおよびチオレドキシン関連タンパク質、ペプチジル−プロリルイソメラーゼ、シクロフィリンPPIases、FK−506結合タンパク質、parvulin PPIases、シャペロニン、タンパク質特異的なシャペロン、または分子内シャペロンを含む。フォールディングモジュレーターは基本的に、Guidebook to Molecular Chaperones and Protein−Folding Catalysts,“ 1997, ed. M. Gething, Melbourne University, Australiaに記載されている(当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0107】
E.coli の細胞質で最も特徴づけられた分子シャペロンは、ATP依存性のDnaK−DnaJ−GrpEとGroEL−GroES系である。E. coli では、フォールディングモジュレーター/シャペロンのネットワークはHsp70ファミリーを含む。主要なHsp70シャペロンであるDnaKは、タンパク質凝集を効率的に防ぎ、損傷を受けたタンパク質のリフォールディングを支援する。タンパク質凝集物への熱ショックタンパク質のとり込みにより、分解を促進させることが可能である。インビトロの研究と相同性の考察に基づいて、多くの追加の細胞質タンパク質はE. coli 中の分子シャペロンとして機能することが提案されてきた。これらは、ClpB、HtpG、およびIbpA/Bを含み、これらはDnaK−DnaJ−GrpEとGroEL−GroESのように、ストレスレギュロンに属する熱ショックタンパク質(Hsps)である。
【0108】
P.fluorescensであるDnaJ様タンパク質は、タンパク質のDnaJ/Hsp40ファミリーに属する分子シャペロンであり、高度に保存されたJ−ドメインを特徴とする。J−ドメイン(70のアミノ酸の領域である)は、DnaJタンパク質のC末端に位置する。N末端は膜への挿入を促す膜貫通(TM)ドメインを有する。A−ドメインはJ−ドメインからTMドメインを分離させる。DnaJファミリー中のタンパク質は別のシャペロンタンパク質DnaK(コシャペロンとして)と相互に作用することにより、タンパク質フォールディングにおいて決定的な役割を果たす。高度に保存されたJ−ドメインはDnaJタンパク質とDnaKタンパク質との間の相互作用の部位である。I型DnaJタンパク質は真のDnaJタンパク質と考えられるが、II型およびIII型は通常DnaJ様タンパク質と呼ばれる。DnaJ様タンパク質は、ストレス変性した変性タンパク質の凝集を防ぐことによって、およびDnaKに依存したやり方とDnaK非依存的なやり方の両方でタンパク質を分解することによって、高浸透圧ショックと熱ショックに対する応答に活発に参加することをも知られている。
【0109】
X−Pro結合のトランス配座は、新生タンパク質鎖中でエネルギー的に有利である。しかしながら、すべてのプロリル・ペプチド結合のおよそ5%は、天然タンパク質中のシス配座で見られる。X−Pro結合のトランスからシスへの異性化は、多くのポリペプチドのフォールディング中で律速であり、ペプチジルプロリル・シス/トランスイソメラーゼ(PPIases)によって生体内で触媒される。3つの細胞質PPIases、SlyD、SlpA、およびトリガー因子(TF)が現在までE.coli 中で同定されている。48kDaのタンパク質であるTFは、新しく合成されたタンパク質の適切なフォールディングを保証するために、E. coli 中のシャペロンと協同すると仮定されてき50Sリボソームサブユニットに関連付けられる。少なくとも5つのタンパク質(チオレドキシン1と2、グルタレドキシン 1、2、および3、trxA、trxc、grxA、grxB、およびgrxCの遺伝子のそれぞれの生成物)が、細胞質酵素中で一時的に発生するジスルフィド架橋の還元に関与する。したがって、N末端融合パートナーは、適切なジスルフィド結合形成を可能にするジスルフィド結合成形タンパク質またはシャペロンであり得る。
【0110】
本発明の方法に役立つフォールディングモジュレーターの例が表1に示されている。RXF番号はオープンリーディングフレームを指す。米国特許出願公開第2008/0269070号と第2010/0137162号(両文献とも「Method for Rapidly Screening Microbial Hosts to Identify Certain Strains with Improved Yield and/or Quality in the Expression of Heterologous Proteins」という発明の名称で、全体として参照により本明細書に組み込まれる)は、表1に列挙されたタンパク質のオープンリーディングフレーム配列を開示している。プロテアーゼとフォールディングモジュレーターは、米国特許第8,603,824号(発明の名称「Process for improved protein expression by strain engineering」、全体として参照により本明細書に組み込まれる)の表A−Fでも提供されている。
【0115】
(リンカー)
本発明の組み換え融合タンパク質は、N末端融合パートナーと対象のC末端ポリペプチドとの間にリンカーを含む。実施形態では、リンカーは、切断酵素(つまりタンパク質を内部で切断するタンパク分解酵素)によって認識される切断部位を含む。実施形態では、切断部位でのリンカーの切断により、N末端融合パートナーから対象のポリペプチドを分離させる。タンパク分解酵素は、当該技術分野で知られている、または文献、例えば、PCT国際公開第WO 2003/010204「Process for Preparing Polypeptides of Interest from Fusion Polypeptides」、米国特許第5,750,374号「Process for Producing Hydrophobic Polypeptides and Proteins, and Fusion Proteins for Use in Producing Same」、および、米国特許第5,935,824号に記載されている任意のプロテアーゼであり得る。当該文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0116】
実施形態では、リンカーは、例えば、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、アスパラギンプロテアーゼ、混合プロテアーゼ、または未知の触媒タイプのプロテアーゼによって切断された切断部位を含む。実施形態では、セリンプロテアーゼは、例えば、トリプシン、キモトリプシン、エンドプロテアーゼArg−C、エンドプロテアーゼGlu−C、エンドプロテアーゼLys−C、エラスターゼ、プロテイナーゼK、サブチリシン、カルボキシペプチダーゼP、カルボキシペプチダーゼY、アシルアミノ酸放出酵素である。実施形態では、メタロプロテアーゼは、例えば、エンドプロテアーゼAsp−N、サーモリシン、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼBである。実施形態では、システインプロテアーゼは、例えばパパイン、クロストリパイン、カテプシンC、またはピログルタミン酸アミノペプチダーゼである。実施形態では、アスパラギン酸プロテアーゼは、例えばペプシン、キモシン、カテプシンDである。実施形態では、グルタミン酸プロテアーゼは、例えば、スキタリドグルタミン(scytalidoglutamic)ペプチダーゼである。実施形態では、アスパラギンプロテアーゼは、例えば、ノダウイルスペプチド・リアーゼ、インテイン含有葉緑体ATP依存性のペプチド・リアーゼ、インテイン含有複製DNAヘリカーゼ前駆体、またはレオウイルス1型コートタンパク質である。実施形態では、未知の触媒型のプロテアーゼは、例えば、コラゲナーゼ、タンパク質P5ムレイン・エンドペプチダーゼ、ホモ多量体ペプチダーゼ、ミクロシン−プロセシング・ペプチダーゼ1、Dopイソペプチダーゼである。
【0117】
実施形態では、リンカーは、アクロモペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、アンクロッド、アンギオテンシン変換酵素、ブロメライン、カルパイン、カルパインI、カルパインII、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB、カルボキシペプチダーゼG、カルボキシペプチダーゼP、カルボキシペプチダーゼW、カルボキシペプチダーゼY、カスパーゼ(一般)、カスパーゼ1、カスパーゼ2、カスパーゼ3、カスパーゼ4、カスパーゼ5、カスパーゼ6、カスパーゼ7、カスパーゼ8、カスパーゼ9、カスパーゼ10、カスパーゼ11、カスパーゼ12、カスパーゼ13、カテプシンB、カテプシンC、カテプシンD、カテプシンE、カテプシンG、カテプシンH、カテプシンL、キモパパイン、キマーゼ、キモトリプシン、a−クロストリパイン、コラゲナーゼ、補体C1r、補体C1s、補体因子D、補体因子I、ククミシン、ジペプチジルペプチダーゼIV、エラスターゼ、白血球、エラスターゼ、エンドプロテアーゼArg−C、エンドプロテアーゼAsp−N、エンドプロテアーゼGlu−C、エンドプロテアーゼLys−C、エンテロキナーゼ、因子Xa、フィシン、フューリン、グランザイムA、グランザイムB、HIVプロテアーゼ、IGase、カリクレイン組織、ロイシンアミノペプチダーゼ(一般)、ロイシンアミノペプチダーゼ、細胞質ゾル、ロイシンアミノペプチダーゼ、ミクロソーム、マトリックスメタロプロテアーゼ、メチオニン・アミノペプチダーゼ、ニュートラーゼ(Neutrase)、パパイン、ペプシン、プラスミン、プロリダーゼ、プロナーゼE、前立腺特異性抗原、プロテアーゼ、ストレプトマイセス−グリセウスからの好アルカリ性、アスペルギルス属からのプロテアーゼ、アスペルギルスsaitoiからのプロテアーゼ、アスペルギルス ソーヤからのプロテアーゼ、プロテアーゼ(B.licheniformis(アルカリ性)、プロテアーゼ(B.licheniformis)(Alcalase)、Bacillus polymyxaからのプロテアーゼ、Bacillus sp.(Esperase)からのプロテアーゼ、Rhizopus sp.からのプロテアーゼ、プロテアーゼS、プロテアソーム、Aspergillus oryzaeからのプロテイナーゼ、プロテイナーゼ3、プロテイナーゼA、プロテイナーゼK、プロテインC、ピログルタミン酸アミノペプチダーゼ、レニン、レンニン、ストレプトキナーゼ、サブチリシン、サーモリシン、トロンビン、組織プラスミノーゲン活性化因子、トリプシン、トリプターゼ、またはウロキナーゼの切断部位を含む。実施形態では、リンカーは、エンテロキナーゼ、因子Xa、またはフューリンによって認識された切断部位を含む。実施形態では、リンカーは、エンテロキナーゼまたはトリプシンによって認識された切断部位を含む。実施形態では、リンカーは、牛のエンテロキナーゼによって認識された切断部位を含む。本発明の方法で有用なこれらおおび他のプロテアーゼとその切断認識部位は、当該技術分野で知られており、文献、例えば、Harlow and Lane, ANTIBODIES: A LABORATORY MANUAL, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1988); Walsh, PROTEINS: BIOCHEMISTRY AND BIOTECHNOLOGY, John Wiley & Sons, Ltd., West Sussex, England (2002)に記載されており、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
実施形態では、リンカーはアフィニティータグを含む。アフィニティータグはタンパク質精製に役立ち得るペプチド配列である。アフィニティー技術を使用して、天然の生物学的ソースからのタンパク質の精製を促すために、アフィニティータグはタンパク質に融合される。当該技術分野で知られているいかなる適切なアフィニティータグも必要に応じて使用することが可能である。実施形態では、本発明で使用されるアフィニティータグは、例えば、キチン結合タンパク質、マルトース結合タンパク質、またはグルタチオン−S−転移酵素タンパク質、ポリヒスチジン、FLAGタグ(SEQ ID NO:229)、カルモジュリン・タグ(SEQ ID NO:230)、Mycタグ、BPタグ、HAタグ(SEQ ID NO:231)、E−タグ(SEQ ID NO:232)、S−タグ(SEQ ID NO:233)、SBPタグ(SEQ ID NO:234)、Softag 1、Softag 3(SEQ ID NO:235)、V5タグ(SEQ ID NO:236)、Xpressタグ、緑色蛍光タンパク質、Nusタグ、Strepタグ、チオレドキシンタグ、MBPタグ、VSVタグ(SEQ ID NO:237)、またはAviタグである。
【0119】
アフィニティータグは化学薬品によって、またはタンパク質分解のような酵素手段によって除去可能である。タンパク質精製においてアフィニティータグを使用する方法は、文献、例えば、Lichty, et al., 2005, “Comparison of affinity tags for protein purification,” Protein Expression and Purification 41: 98−105に記載されている。本発明のリンカーで役立つ他のアフィニティータグが当該技術分野で知られており、文献、例えば、上で参照される米国特許第5,750,374号、およびTerpe K., 2003, “Overview of Tag Protein Fusions: from molecular and biochemical fundamentals to commercial systems,” Applied Microbiology and Biotechnology (60):523−533に記載されており、当該文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0120】
実施形態では、リンカーは4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、または50あるいはそれ以上のアミノ酸の長さである。実施形態では、リンカーは、4〜50、4〜45、4〜40、4〜35、4〜30、4〜25、4〜20、4〜15、4〜10、5〜50、5〜45、5〜40、5〜35、5〜30、5〜25、5〜20、5〜15、5〜10、10〜50、10〜45、10〜40、10〜35、10〜30、10〜25、10〜20、10〜15、15〜50、15〜45、15〜40、15〜35、15〜30、15〜25、15〜20、20〜50、20〜45、20〜40、20〜35、20〜30、または20〜25のアミノ酸長さである。実施形態では、リンカーは18のアミノ酸長さである。実施形態では、リンカーは19のアミノ酸長さである。
【0121】
実施形態では、リンカーは複数のグリシン残基を含む。実施形態では、リンカーは1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のグリシン残基を含む。実施形態では、リンカーは、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5、または1〜4のグリシン残基を含む。実施形態では、グリシン残基は連続している。実施形態では、リンカーは少なくとも1つのセリン残基を含む。実施形態では、グリシンおよび/またはセリンの残基はスペーサーを含む。実施形態では、スペーサーはSEQ ID NO:59で説明されるように、10のアミノ酸を有する(G4S)2スペーサーである。実施形態では、スペーサーは、(G4S)1、(G4S)2、(G4S)3、(G4S)4、または(G4S)5のスペーサーである。実施形態では、リンカーは6つのヒスチジン残基、または1つのHis−タグを含んでいる。実施形態では、リンカーは、例えば、SEQ ID NO:13(DDDDK)によって説明されるようにエンテロキナーゼ切断部位を含む。実施形態では、組み換え融合タンパク質は、表2で列挙されるSEQ ID NO:9〜12、または226のいずれかで説明されるようなリンカーを含む。SEQ ID NO:9中のエンテロキナーゼ切断部位は下線を引かれている。ポリヒスチジンアフィニティータグは,SEQ ID NO:9〜12と226の各々においてイタリック体にされている。実施形態では、組み換え融合タンパク質はSEQ ID NO:9に対応するリンカーを含む。
【0123】
(発現ベクター)
実施形態では、組み換え融合タンパク質をコードする遺伝子断片は、組み換え融合タンパク質を発現するための発現ベクターを生成するために適切な発現プラスミドへ導入される。発現ベクターは例えばプラスミドであり得る。いくつかの実施形態では、組み換え融合タンパク質配列をコードするプラスミドは選択マーカーを含むことができり、プラスミドを維持する宿主細胞は選択的な条件下で成長可能である。いくつかの実施形態では、プラスミドは選択マーカーを含まない。いくつかの実施形態では、発現ベクターは宿主細胞ゲノムへ統合可能である。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、発現した融合タンパク質を細胞質へ導くことが可能な、リンカーとタンパク質とに融合したhPTH1−34をコードする。実施形態では、発現ベクターは、発現した融合タンパク質を周辺質へ導くことが可能な、リンカーとタンパク質とに融合したhPTH1−34をコードする。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、リンカーとP.fluorescensDnaJ様タンパク質とに融合したhPTH1−34をコードする。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、リンカーとP.fluorescens FklBタンパク質とに融合したhPTH1−34をコードする。
【0124】
PTH1−34融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列の例は、本明細書の配列表で提供される。DnaJ様タンパク質N末端融合パートナーを含む融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列の例は、P.fluorescensに最適化されたコード配列に対応する、指定された遺伝子ID126203(SEQ ID NO:52)である。配列指定された遺伝子ID126206(SEQ ID NO:53)は、最適化されたリンカーと融合した天然のP.fluorescens DnaJコード配列とPTH1−34コード配列に対応する。遺伝子配列126203と126206は、それぞれ発現プラスミドp708−001とp708−004中に存在する配列である。FklB N末端融合パートナーを含む融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列の例は、P.fluorescensに最適化されたコード配列に対応する、指定された遺伝子ID 126204(SEQ ID NO:54)である。遺伝子ID 126207(SEQ ID NO:55)は、最適化されたリンカーとPTH1−34コード配列に融合した天然のP.fluorescens FklBコード配列に対応する。遺伝子配列126204と126207は、それぞれ発現プラスミドp708−002とp708−005中に存在する配列である。FrnE N末端融合パートナーを含む融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列の例は、P.fluorescensに最適化されたコード配列に対応する指定された遺伝子ID 126205(SEQ ID NO:56)である。配列指定された遺伝子ID 126208(SEQ ID NO:57)は、最適化されたリンカーとPTH1−34コード配列に融合した天然のP.fluorescens FrnEコード配列に対応する。遺伝子配列126205と126208は、それぞれ発現プラスミドp708−003とp708−006中に存在する。
【0125】
(コドン最適化)
本発明は、用いられている宿主細胞における発現のために最適化されたあらゆる配列を含む、融合タンパク質および/またはその個々の成分の各々の任意の適切なコード配列の使用を企図している。細菌の宿主における発現を改善するためにコドンを最適化する方法は、当該技術分野では知られており、文献に記載されている。例えば、Pseudomonas 宿主株中の発現のためのコドンの最適化は、例えば、米国特許出願公開第2007/0292918号「Codon Optimization Method」に記載されており、当該文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる。E. coli 中の発現のためのコドン最適化は、例えば、Welch, et al., 2009, PLoS One, “Design Parameters to Control Synthetic Gene Expression in Escherichia coli, 4(9): e7002に記載されており、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。融合タンパク質成分のためのコード配列の非限定的な例が本明細書で提供されているが、しかしながら、いかなる適切な配列も当業者に周知な方法によって必要に応じて生成可能であると考えられている。
【0126】
(発現系)
本方法に係る対象のポリペプチドを産生するのに役立つ適切な細菌発現系は、本明細書に記載の教示に基づいて当業者によって同定可能である。実施形態では、対象のポリペプチドを含む組み換え融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む発現構築物は、誘導可能な発現ベクターの一部として提供される。実施形態では、発現ベクターで形質転換された宿主細胞が培養され、発現ベクターからの融合タンパク質の発現が引き起こされる。発現ベクターは例えばプラスミドであり得る。実施形態では、発現ベクターは選択マーカーをさらに含む組み換え融合タンパク質コード配列をコードするプラスミドであり、宿主細胞は、プラスミドの維持を可能にする選択的な条件下で成長する。実施形態では、発現構築物は宿主細胞ゲノムへ統合される。実施形態では、発現構築物は、周辺質へ組み換え融合タンパク質を導くことができる分泌信号に融合した組み換え融合タンパク質をコードする。
【0127】
Pseudomonas宿主細胞を含む本発明の方法に役立つ宿主細胞中で、有用な調節配列(例えば、プロモーター、分泌リーダー、およびリボソーム結合部位)を含む異種タンパク質を発現する方法は、例えば、米国特許出願公開第2008/0269070号と第2010/0137162号、米国特許出願公開第2006/0040352号「Expression of Mammalian Proteins in Pseudomonas fluorescens」、および米国特許第8,603,824号に記載されており、各々の文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる。こうした出版物はさらに本発明の方法を実行するのに役立つ細菌の宿主株について記載しており、これらはフォールディングモジュレーターを過剰発現させるように操作されているか、あるいは、例えば、異種タンパク質発現を増加させるために、プロテアーゼの活性を取り除くか、不活性化するか、または減少させるためにプロテアーゼ突然変異が導入されている。配列リーダーは、米国特許第7,618,799号「Bacterial leader sequences for increased expression」と米国特許第7,985,564号「Expression systems with Sec−system Secretion」(両文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる)、および先に参照された米国特許出願公開第2010/0137162号に記載されている。
【0128】
本発明に合わせて使用されるプロモーターは、構成的プロモーターであることもあれば、調節されたプロモーターであることもある。誘導可能なプロモーターの例としては、ラックプロモーター(つまり、lacZプロモーター)、例えば、米国特許第4,551,433号「Microbial Hybrid Promoters」(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるtacおよびtrcのプロモーターや、Ptac16、Ptac17、PtacII、PlacUV5、およびT7lacプロモーターに由来するファミリーのプロモーターを含む。実施形態では、プロモーターは宿主細胞の生物に由来しない。実施形態では、プロモーターはE. coli 生物に由来する。実施形態では、ラックプロモーターはプラスミドからの組み換え融合タンパク質の発現を調節するために使用される。ラックプロモーター誘導体またはファミリーメンバ(例えばtacプロモーター)の場合には、誘導体はIPTG(イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド、「イソプロピルチオガラクトシド」)である。実施形態では、当該技術分野で周知の、および、文献、例えば、米国特許公開第2006/0040352号に記載されている方法にしたがって、Pseudomonas 宿主細胞中のラックプロモーターからの組み換え融合タンパク質の発現を引き起こすために、IPTGが宿主細胞の培養物に加えられる。
【0129】
本発明に係る発現系に役立つ非ラックプロモーターの例はとしては、例えば、J. Sanchez−Romero & V. De Lorenzo (1999) Manual of Industrial Microbiology and Biotechnology (A. Demain & J. Davies, eds.) pp. 460−74 (ASM Press, Washington, D.C.); H. Schweizer (2001) Current Opinion in Biotechnology, 12:439−445; and R. Slater & R. Williams (2000 Molecular Biology and Biotechnology (J. Walker & R. Rapley, eds.) pp. 125−54 (The Royal Society of Chemistry, Cambridge, UK)に記載される、PR(高温によって誘導される)、PL(高温によって誘導される)、Pm(アルキル安息香酸塩またはハロ安息香酸塩によって誘導される)、Pu(アルキル−トルエンまたはハロ−トルエンによって誘導される)、またはPsal(サリチル酸塩によって誘導される)が挙げられる。選択された細菌の宿主細胞に固有のプロモーターのヌクレオチド配列を有するプロモーターは、対象のポリペプチドをコードする発現構築物の発現を制御するために使用されてもよく、例えば、Pseudomonasアントラニル酸塩または安息香酸塩オペロンのプロモーター(Pant,Pben)である。1つを超えるプロモーターが別のプロモーターに共有結合しているタンデムプロモーターが、配列において同じであろうとなかろうと、例えば、同じまたは異なる生物に由来するPant−PbenタンデムプロモーターであろうとPlac−Placタンデムプロモーター(内部プロモーターハイブリッド)であろうと、使用されてもよい。実施形態では、プロモーターは、例えば、米国特許7,476,532号や第8,017,355号に記載されるように、Pmtlである(両文献とも「Mannitol induced promoter systems in bacterial host cells」という発明の名称で、全体として参照により本明細書に組み込まれる)。
【0130】
調節された(誘導可能)プロモーターは、プロモーターがその一部である遺伝子の転写を制御するためにプロモーター調節タンパク質を利用する。調節されたプロモーターが本明細書で使用される場合、対応するプロモーター調節タンパク質も本発明に係る発現系の一部になる。プロモーター調節タンパク質の例としては以下が挙げられる:活性化タンパク質(例えば、E. coli カタボライト活性化タンパク質、MalT タンパク質;AraCファミリー転写活性化因子;リプレッサータンパク質(例えば、E. coli Ladタンパク質);および、二重機能調節タンパク質(例えば、E. coli NagCタンパク質)。多くの調節されたプロモーター/プロモーター調節タンパク質の対が当該技術分野で知られている。
【0131】
プロモーター調節タンパク質は、エフェクター化合物、つまり、タンパク質が、プロモーターの制御下にある遺伝子の少なくとも1つのDNA転写制御領域を放出するか該領域に結合することができるように、調節タンパク質と可逆的または不可逆的に会合する化合物と相互作用し、それによって、遺伝子の転写を始める際にトランスクリプターゼ酵素の作用を許可するまたは阻害する。エフェクター化合物は誘導体またはコリプレッサーとして分類され、これらの化合物は天然のエフェクター化合物と無償性誘導物質化合物を含む。多くの調節されたプロモーター/プロモーター調節タンパク質/エフェクター化合物のトリオが当該技術分野で知られている。エフェクター化合物は細胞培養または発酵の全体にわたって使用可能であるが、調節されたプロモーターが使用される好ましい実施形態では、対象の量または密度の宿主細胞バイオマスの成長後、対象のタンパク質またはポリペプチドをコードする対象の遺伝子の発現を直接的または間接的にもたらすために適切なエフェクター化合物が培養物に加えられる。
【0132】
lacファミリープロモーターが利用される実施形態では、lacI遺伝子も系に存在し得る。lacI遺伝子(通常は構成的に発現された遺伝子である)は、lacファミリープロモーターのラックオペレーターに結合するLacレプレッサータンパク質LacIタンパク質をコードする。したがって、lacファミリープロモーターが利用される場合、lac遺伝子も発現系に含まれ、発現され得る。
【0133】
(他の調節要素)
実施形態では、他の調節要素は組み換え融合タンパク質をコードする発現構築物中に存在する。実施形態では、溶解可能な組み換え融合タンパク質は、産生の間に細胞の細胞質または周辺質のいずれかの中に存在する。融合タンパク質を標的とするのに役立つ分泌リーダーは本明細書に別記される。実施形態では、本発明の発現構築物は、Pseudomonad細胞の細胞質への組み換え融合タンパク質に輸送することができる分泌リーダーに融合した組み換え融合タンパク質をコードする。実施形態では、発現構築物は、Pseudomonad細胞の周辺質に組み換え融合タンパク質を輸送することができる、分泌リーダーに融合した組み換え融合タンパク質をコードする。実施形態では、分泌リーダーは組み換え融合タンパク質から切断される。
【0134】
他の要素としては、限定されないが、転写エンハンサー配列、翻訳エンハンサー配列、他のプロモーター、活性化因子、翻訳の開始および停止シグナル、転写ターミネーター、シストロンレギュレーター、ポリシストロニックレギュレーター、前述のように、発現されたポリペプチドの同定、分離、精製、および/または単離を促す、ヌクレオチド配列「タグ(tags)」と「タグ(tag)」ポリペプチドコード配列などのタグ配列が挙げられる。実施形態では、発現構築物は、タンパク質コード配列に加えて、それに動作可能に結合した以下の調節要素:プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、転写ターミネーター、および翻訳の開始および停止のシグナルのいずれかを含む。有用なRBSは、例えば、先に参照された米国特許出願公開第2008/0269070号と第2010/0137162号に係る発現系において、宿主細胞として有用な種のいずれかからも得ることが可能である。多くの特定かつ様々なコンセンサスRBSが知られており、例えば、参照により本明細書に組み込まれるD.Frishman et al., Gene 234(2):257−65 (8 Jul. 1999); and B. E. Suzek et al., Bioinformatics 17(12):1123−30 (December 2001)によって記載および参照されている。加えて、例えば、EP0207459(合成RBS);O. Ikehata et al., Eur. J. Biochem. 181(3):563−70 (1989)に記載されるものなどといった天然または合成RBSが使用されてもよい。実施形態では、「Hi」リボソーム結合部位aggagg(SEQ ID NO:60)が構築物の中で使用される。RBと翻訳開始コドンとの間の間隔の最適化を含むリボソーム結合部位は、文献、例えば、Chen, et al., 1994, “Determination of the optimal aligned spacing between the Shine−Dalgarno sequence and the translation initiation codon of Escherichia coli mRNAs,” Nucleic Acids Research 22(23):4953−4957, and Ma, et al., 2002, “Correlations between Shine−Dalgarno Sequences and Gene Features Such as Predicted Expression Levels and Operon Structures,” J. Bact. 184(20): 5733−45によって記載されており、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0135】
方法、ベクター、および翻訳と転写の要素、ならびに本発明で有用な他の要素は、当該技術分野で周知であり、例えば、Gilroyの米国特許第5,055,294号と、Gilroyらの米国特許第5,128,130号と、Rammlerらの米国特許第5,281,532号と、Barnesらの米国特許第4,695,455号と第4,861,595号;Gray らの米国特許第4,755,465号;および、Wilcoxの米国特許第5,169,760号に、ならびに、参照により本明細書に組み込まれる他の出版物の多くに記載されている。
【0136】
(分泌リーダー配列)
実施形態では、分泌シグナルまたはリーダーのコード配列は、組み換え融合タンパク質をコードする配列のN末端に融合している。分泌シグナル配列を使用することで、細菌中の組換えタンパク質の産生を増加させることができる。さらに、多くのタイプのタンパク質は、既知の方法を使用して非効率的に達成される第2の改良を必要とする。分泌リーダーを利用することで、細胞内環境からタンパク質を分泌することにより適切に折り畳まれたタンパク質の収穫を増加させることが可能である。グラム陰性細菌において、細胞質から分泌されたタンパク質は、細胞膜周辺腔に行き着き、外膜に取り付けられて、または細胞外培養液に行き着くことがある。これらの方法は封入体の形成も回避する。細胞膜周辺腔へのタンパク質の分泌は、適切なジスルフィド結合形成(Bardwell et al.,1994, Phosphate Microorg, Chapter 45, 270−5, and Manoil, 2000, Methods in Enzymol. 326:35−47)を促す効果を有する。組換えタンパク質の分泌の他の利点は、タンパク質のより効率的な単離、例えば活性型のタンパク質、封入体の形成の減少、宿主細胞に対する毒性の減少の割合と、溶解可能な形態の組換えタンパク質の割合の増加とによって表される収率の増大をもたらす、タンパク質の適切なフォールディングとジスルフィド結合の形成を含む。対象のタンパク質を培地に排出する可能性があるため、バッチよりも、タンパク質産生用の連続的な培地を潜在的に促すこともできる。
【0137】
実施形態では、対象の組み換え融合タンパク質またはポリペプチドは、宿主細胞の周辺質または細胞外空間を標的としている。実施形態では、発現ベクターは、対象の組み換え融合タンパク質またはポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に動作可能に結合した分泌シグナルポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をさらに含む。
【0138】
したがって、1つの実施形態では、組み換え融合タンパク質は、分泌シグナル、N末端融合パートナー、リンカー、および対象のポリペプチドを含み、ここで、分泌シグナルは融合パートナーのN末端である。タンパク質が周辺質を標的とするとき、分泌シグナルは組み換え融合タンパク質から切断可能である。実施形態では、分泌シグナルとタンパク質またはポリペプチドとの間の結合は、融合タンパク質からの分泌シグナルの切断を増加させるために修飾される。
【0139】
(宿主細胞と株)
Pseudomonads (つまり、Pseudomonadales順の宿主細胞)と密接に関連する細菌生物を含む細菌の宿主細胞は、本発明の方法を実行する際の使用について企図されている。ある実施形態では、Pseudomonad 宿主細胞はPseudomonas fluorescensである。宿主細胞はE.coli でもあり得る。
【0140】
本発明の方法を実行する際に役立つ宿主細胞と構築物は、当該技術分野で知られている、および米国特許第8,288,127号「Protein Expression Systems」に記載されている既知の試薬と方法を使用して、同定または作製可能であり、当該文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる。本特許は、染色体のlacI遺伝子挿入物を含む栄養要求性のPseudomonas fluorescens宿主細胞への核酸構築物の導入による組み換えポリペプチドの産生について記載している。核酸構築物は、宿主細胞中の核酸の発現を方向づけることが可能なプロモーターに動作可能に結合した組み換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、栄養要求性の選択マーカーをコードするヌクレオチド配列をさらに含む。栄養要求性の選択マーカーは、栄養要求性の宿主細胞へ原栄養性を回復させるポリペプチドである。実施形態では、細胞はそれについてプロリン、ウラシル、またはその組み合わせについて栄養要求性である。実施形態では、宿主細胞はMB101(ATCC寄託PTA−7841)に由来する。米国特許第8,288,127号「Protein Expression Systems」とSchneider, et al., 2005, “Auxotrophic markers pyrF and proC can replace antibiotic markers on protein production plasmids in high−cell−density Pseudomonas fluorescens fermentation,” Biotechnol. Progress 21(2): 343−8(両文献とも参照により本明細書に組み込まれる)は、株MB101中のpyrF遺伝子を削除することによって構築されたウラシルに対して栄養要求性の産生宿主株について記載している。pyrF遺伝子は、プロトトロピーを回復させるためにpyrF欠失を補完することができるプラスミドを生成するべく、株MB214(ATCC寄託PTA−7840)からクローンを作製される。特定の実施形態では、P.fluorescens宿主細胞中のデュアルpyrF−proCデュアル栄養要求性の選択マーカー系が使用される。公表された文献を考慮すると、記載されているようなPyrF産生宿主株は、標準的な組み換え法にしたがって当業者により作製可能であり、本発明の方法を実行する際に役立つような本明細書に記載されるものを含む他の対象のゲノムの変化を導入するためのバックグラウンドとして使用可能である。
【0141】
実施形態では、宿主細胞はPseudomonadales 目(Pseudomonadと呼ばれる)である。宿主細胞がPseudomonadales目である場合、それはPseudomonas属を含むPseudomonadaceae科のメンバーであってもよい。ガンマプロテオバクテリアの宿主は、Escherichia coli 種のメンバーと、Pseudomonas fluorescens種のメンバーを含む。他のPseudomonas 生物も有用なことがある。Pseudomonads および密接に関連する種とは、R. E. Buchanan and N. E. Gibbons (eds.), Bergey’s Manual of Determinative Bacteriology, pp. 217−289 (8th ed., 1974) (The Williams & Wilkins Co., Baltimore, Md., USA)によって「グラム陰性好気性桿菌および球菌」として記載された科および/または属に属するプロテオバクテリアのグループを含む、グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ1を含んでおり、当該文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる。(つまり、Pseudomonadales目の宿主細胞)表3は生物のこれらの科と属を提示する。
【0143】
Pseudomonasおよび密接に関連する細菌は一般に、「グラム(−)プロテオバクテリアサブグループ1」または「グラム陰性好気性桿菌および球菌」として定義されるグループの一部である(Buchanan and Gibbons (eds.) (1974) Bergey’s Manual of Determinative Bacteriology, pp. 217−289)。Pseudomonas 宿主株は、文献、例えば、米国特許出願公開第2006/0040352号に記載されており、当該文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0144】
「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ1」は、分類で使用される基準にしたがってこの表題に分類されるプロテオバクテリアを含んでいる。この表題はさらに、以前にこの段落に分類されていたがもはやそうではないグループ、例えば、Acidovorax属、Brevundimonas属、Burkholderia属、Hydrogenophaga属、Oceanimonas属、Ralstonia属、および Stenotrophomonas属、Xanthomonasに属する(および、その主だと以前呼ばれていた)生物を再分類することによって作製されたSphingomonas属 (および、それらか由来するBlastomonas属)、Bergey (1974) で定義されるようなAcetobacter属に属する生物を再分類することによって作製されるAcidomonas属である。加えて、宿主は、Pseudomonas属、Pseudomonas enalia(ATCC 14393)属、、Pseudomonas nigrifaciensi(ATCC 19375)、およびPseudomonas putrefaciens(ATCC 8071)から細胞を含むことができ、これらはそれぞれ Alteromonas haloplanktis、Alteromonas nigrifaciens、および、Alteromonas putrefaciensとして再分類されている。同様に、例えば、Pseudomonas acidovorans(ATCC 15668)とPseudomonas testosteroni(ATCC 11996)はそれぞれ、Comamonas acidovoransとComamonas testosteroniとして再分類され、Pseudomonas nigrifaciens(ATCC 19375)とPseudomonas piscicida(ATCC 15057)は、Pseudoalteromonas nigrifaciensとPseudoalteromonas piscicidaとして再分類されている。「グラム陰性のプロテオバクテリアサブグループ1」はさらに、科:Pseudomonadaceae, Azotobacteraceae (異名によりしばしばPseudomonadaceaeの「Azotobacter基」と呼ばれる)、Rhizobiaceae、および、Methylomonadaceae (異名によりしばしば「Methylococcaceae」と呼ばれる)のいずれかに属するとして分類されたプロテオバクテリアを含んでいる。結果として、それ以外の本明細書に記載されるこうした属に加えて、さらに「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ1」に含まれるプロテオバクテリア属は以下を含む:1)Azorhizophilus属のAzotobacter群の細菌;2) Cellvibrio、Oligella、およびTeredinibacterの属のPseudomonadaceae科の細菌;3) Chelatobacter、Ensifer、Liberibacter(「Candidatus Liberibacter」とも呼ばれる)、およびSinorhizobiumの属のRhizobiaceae科の細菌;および、4)種類Methylobacter、Methylocaldum、Methylomicrobium、Methylosarcina、およびMethylosphaera属のMethylococcaceae科の細菌。
【0145】
宿主細胞は「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ16」から選択可能である。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ16」は、以下のPseudomonas 種(ATCCまたは括弧の中に示される典型的な株の他の寄託番号を含む)のプロテオバクテリアの群として定義される:Pseudomonas abietaniphila(ATCC 700689);Pseudomonas aeruginosa (ATCC 10145);Pseudomonas alcaligenes (ATCC 14909);Pseudomonas anguilliseptica(ATCC 33660);Pseudomonas citronellolis(ATCC 13674);Pseudomonas flavescens(ATCC 51555);Pseudomonas mendocina (ATCC 25411);Pseudomonas nitroreducens(ATCC 33634);Pseudomonas oleovorans(ATCC 8062);Pseudomonas pseudoalcaligenes (ATCC 17440);Pseudomonas resinovorans(ATCC 14235);Pseudomonas straminea(ATCC 33636);Pseudomonas agarici(ATCC 25941);Pseudomonas alcaliphila;Pseudomonas alginovora;Pseudomonas andersonii;Pseudomonas asplenii(ATCC 23835);Pseudomonas azelaica(ATCC 27162);Pseudomonas beyerinckii(ATCC 19372);Pseudomonas borealis;Pseudomonas boreopolis(ATCC 33662);Pseudomonas brassicacearum;Pseudomonas butanovora(ATCC 43655);Pseudomonas cellulosa(ATCC 55703);Pseudomonas aurantiaca(ATCC 33663);Pseudomonas chlororaphis (ATCC 9446、ATCC 13985、ATCC 17418、ATCC 17461);Pseudomonas fragi(ATCC 4973);Pseudomonas lundensis(ATCC 49968);Pseudomonas taetrolens(ATCC 4683);Pseudomonas cissicola(ATCC 33616);Pseudomonas coronafaciens;Pseudomonas diterpeniphila;Pseudomonas elongata(ATCC 10144);Pseudomonas flectens(ATCC 12775);Pseudomonas azotoformans;Pseudomonas brenneri;Pseudomonas cedrella;Pseudomonas corrugata(ATCC 29736);Pseudomonas extremorientalis;Pseudomonas fluorescens(ATCC 35858);Pseudomonas gessardii;Pseudomonas libanensis;Pseudomonas mandelii(ATCC 700871);Pseudomonas marginalis(ATCC 10844);Pseudomonas migulae;Pseudomonas mucidolens(ATCC 4685);Pseudomonas orientalis;Pseudomonas rhodesiae;Pseudomonas synxantha(ATCC 9890);Pseudomonas tolaasii(ATCC 33618);Pseudomonas veronii(ATCC 700474);Pseudomonas frederiksbergensis;Pseudomonas geniculata(ATCC 19374);Pseudomonas gingeri;Pseudomonas graminis;Pseudomonas grimontii;Pseudomonas halodenitrificans;Pseudomonas halophila;Pseudomonas hibiscicola(ATCC 19867);Pseudomonas huttiensis(ATCC 14670);Pseudomonas hydrogenovora;Pseudomonas jessenii(ATCC 700870);Pseudomonas kilonensis;Pseudomonas lanceolata(ATCC 14669);Pseudomonas lini;Pseudomonas marginate(ATCC 25417)Pseudomonas ;Pseudomonas mephitica (ATCC 33665);Pseudomonas denitrificans (ATCC 19244);Pseudomonas pertucinogena (ATCC 190);Pseudomonas pictorum(ATCC 23328);Pseudomonas psychrophila;Pseudomonas filva(ATCC 31418);Pseudomonas monteilii(ATCC 700476);Pseudomonas mosselii;Pseudomonas oryzihabitans(ATCC 43272);Pseudomonas plecoglossicida(ATCC 700383);Pseudomonas putida (ATCC 12633);Pseudomonas reactans;Pseudomonas spinosa(ATCC 14606);Pseudomonas balearica;Pseudomonas luteola(ATCC 43273);Pseudomonas stutzeri (ATCC 17588);Pseudomonas amygdali(ATCC 33614);Pseudomonas avellanae(ATCC 700331);Pseudomonas caricapapayae(ATCC 33615);Pseudomonas cichorii (ATCC 10857);Pseudomonas ficuserectae(ATCC 35104);Pseudomonas fuscovaginae;Pseudomonas meliae(ATCC 33050);Pseudomonas syringae (ATCC 19310);Pseudomonas viridiflava(ATCC 13223);Pseudomonas thermocarboxydovorans(ATCC 35961);Pseudomonas thermotolerans;Pseudomonas thivervalensis;Pseudomonas vancouverensis(ATCC 700688);Pseudomonas wisconsinensis;および、Pseudomonas xiamenensis。1つの実施形態では、宿主細胞はPseudomonas fluorescensである。
【0146】
宿主細胞も「グラム陰性のプロテオバクテリアサブグループ17」から選択可能である。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ17」は、例えば、以下のPseudomonas種:Pseudomonas azotoformans;Pseudomonas brenneri;Pseudomonas cedrella;Pseudomonas corrugata;Pseudomonas extremorientalis;Pseudomonas fluorescens;Pseudomonas gessardii;Pseudomonas libanensis;Pseudomonas mandelii;Pseudomonas marginalis;Pseudomonas migulae;Pseudomonas mucidolens;Pseudomonas orientalis;Pseudomonas rhodesiae;Pseudomonas synxantha;Pseudomonas tolaasii;および、Pseudomonas veroniiに属するものを含む「fluorescent Pseudomonads」として当該技術分野で知られているプロテオバクテリアの群として定義される。
【0147】
実施形態では、本発明の方法で使用される細菌の宿主細胞は、プロテアーゼの発現を欠いている。実施形態では、プロテアーゼの発現を欠いた細菌の宿主細胞は、Pseudomonadである。実施形態では、プロテアーゼの発現を欠いた細菌の宿主細胞は、Pseudomonas である。実施形態では、プロテアーゼの発現を欠いた細菌の宿主細胞は、Pseudomonas fluorescensである。
【0148】
実施形態では、本発明の方法で使用される細菌の宿主細胞は、プロテアーゼの発現を欠いていない。実施形態では、プロテアーゼの発現を欠いていない細菌の宿主細胞は、Pseudomonadである。実施形態では、プロテアーゼの発現を欠いていない細菌の宿主細胞は、Pseudomonas である。実施形態では、プロテアーゼの発現を欠いていない細菌の宿主細胞は、Pseudomonas fluorescensである。
【0149】
実施形態では、本発明の方法で使用されるPseudomonas 宿主細胞は、Lonプロテアーゼ(例えばSEQ ID NO:14)、La1プロテアーゼ(例えばSEQ ID NO:15)、AprAプロテアーゼ(例えばSEQ ID NO:16)、またはこれらの組み合わせの発現を欠いている。実施形態では、Pseudomonas 宿主細胞は、AprA(例えばSEQ ID NO:16)、HtpX(例えばSEQ ID NO:17)、またはこれらの組み合わせの発現を欠いている。実施形態では、Pseudomonas 宿主細胞は、Lon(例えばSEQ ID NO:14)、La1(例えばSEQ ID NO:15)、AprA(例えばSEQ ID NO:16)、HtpX(例えばSEQ ID NO:17)、またはこれらの組み合わせの発現を欠いている。実施形態では、Pseudomonas 宿主細胞は、Npr(例えばSEQ ID NO:20)、DegP1(例えばSEQ ID NO:18)、DegP2(例えばSEQ ID NO:19)、またはこれらの組み合わせの発現を欠いている。実施形態では、Pseudomonas 宿主細胞はLa1(例えばSEQ ID NO:15)、Prc1(例えばSEQ ID NO:21)、Prc2(例えばSEQ ID NO:22)、PrtB(例えばSEQ ID NO:23)、またはこれらの組み合わせの発現を欠いている。これらのプロテアーゼは当該技術分野で知られており、例えば米国特許第8,603,824号「Process for Improved Protein Expression by Strain Engineering」、米国特許出願公開第2008/0269070号、および、米国特許出願公開第2010/0137162号に記載されており、当該文献は、上で列挙されたプロテアーゼのオープンリーディングフレーム配列を開示している。
【0150】
塩基株MB101(ATCC寄託PTA−7841)に由来するP.fluorescens宿主株の例は、本発明の方法に役立つ。実施形態では、hPTH融合タンパク質を発現させるために用いられるP.fluorescensは、例えば、DC454、DC552、DC572、DC1084、DC1106、DC508、DC992.1、PF1201.9、PF1219.9、PF1326.1、PF1331、PF1345.6、またはDC1040.1−1である。実施形態では、P.fluorescens宿主株はPF1326.1である。実施形態では、P.fluorescens宿主株はPF1345.6である。これらと、本発明の方法に役立つ他の株は、本明細書で提供される情報、当該技術分野で知られているおよび文献に記載されている組換えDNA方法、および入手可能な材料、例えば、記載されるようにATCCに寄託されたP.fluorescens株MB101を用いて、当業者によって容易に構築可能である。
【0151】
(発現株)
本発明の方法を実行するのに役立つ発現株は、本明細書と公開された文献に記載される方法を用いて構築可能である。実施形態では、本発明の方法に役立つ発現株は、1つ以上のP.fluorescensシャペロンまたはフォールディングモジュレータータンパク質を過剰発現するプラスミドを含む。例えば、DnaJ様タンパク質、FrnE、FklB、またはEcpDは発現株中で過剰発現可能である。実施形態では、P.fluorescensフォールディングモジュレーター過剰発現(FMO)プラスミドはClpX、FklB3、FrnE、ClpA、Fkbp、またはppiAをコードする。Fkbpをコードする発現プラスミドの一例はpDOW1384−1である。実施形態では、フォールディングモジュレーターをコードしない発現プラスミドは、発現株へ導入される。これらの実施形態では、プラスミドは、例えばpDOW2247である。実施形態では、本発明の方法においてhPTH融合タンパク質を発現するのに役立つP.fluorescens発現株は、本明細書に別記されるように、STR35970、STR35984、STR36034、STR36085、STR36150、STR36169、STR35949、STR36098、またはSTR35783である。
【0152】
実施形態では、本発明の方法で使用されるP.fluorescens宿主株は、DC1106(mtlDYZノックアウト突然変異体ΔpyrFΔproCΔbenAB lsc::lacIQ1)、つまり、遺伝子pyrF、proC、benA、benB、およびマンニトール(mtl)オペロンからのmtlDYZが除去され、E.coli lacI転写リプレッサーが挿入されるとともにレバンスクラーゼ遺伝子(lsc)と融合している寄託株MB101の誘導体である。こうした遺伝子の配列とそれを使用するための方法は、当該技術分野で知られており、文献、例えば、米国特許第8,288,127号、第8,017,355号「Mannitol induced promoter systems in bacterial host cells」、および第7,794,972号「Benzoate−and anthranilate−inducible promoters」に記載されており、当該文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0153】
DC1106と等価の宿主細胞または本明細書に記載される宿主細胞または発現株のいずれかは、本明細書や公開されている文献に記載される方法を用いてMB101から構築可能である。実施形態では、DC1106と等価な宿主細胞が使用される。宿主細胞DC454は、それがDC206と呼ばれているSchneider, et al., 2005、および、米国特許第8,569,015号「rPA Optimization」で記載されており、当該文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる。DC206はDC454と同じ株である。それは、動物性食品を含まない媒体を3回通過した後にDC454と再命名された。
【0154】
当業者は、実施形態において、ゲノムの欠失または突然変異(例えば、不活性化または衰弱性の突然変異)は、P.fluorescens内で複製しない欠失する遺伝子に隣接する領域を運ぶ欠失プラスミドを用いて、例えば、対立遺伝子交換によってなされ得る。欠失プラスミドは、欠失する遺伝子の上流と下流の領域を含んで、欠失する遺伝子を増幅するPCRによって構築可能である。欠失は、アガロース・スラブ・ゲル中の電気泳動による分離後に観察される、分析的なプライマーを使用してゲノムDNAから増幅されるPCR生成物を配列決定することと、その後の断片のDNA配列決定により証明可能である。実施形態では、遺伝子は、完全な欠失、部分的な欠失、または突然変異、例えば、フレームシフト、点、あるいは挿入突然変異によって不活性化される。
【0155】
実施形態では、使用される株は、当該技術分野で知られている方法にしたがってFMOプラスミドで形質転換されている。例えば、DC1106宿主細胞は、発現株STR36034を生成するために、ペプチジル−プロリル シス−トランスイソメラーゼファミリーに属するフォールディングモジュレーターである、FkbP(RXF06591.1)を過剰発現するFMOプラスミドpDOW1384で形質転換可能である。本発明の方法にしたがってhPTHを発現するのに役立つhPTH融合タンパク質発現株と対応する宿主細胞の特定の例の遺伝子型が表4で説明されている。実施形態では、表4に記載される任意の宿主細胞と等価な宿主細胞は、本明細書の方法を用いてhPTH1−34を発現するための本明細書に記載される株と等価な発現株を得るために、本明細書に記載されるような等価なFMOプラスミドで形質転換される。議論されるように、適切な発現株は、本明細書や文献に記載される方法にしたがって同様に導き出すことが可能である。
【0158】
実施形態において、表4に列挙される宿主細胞または宿主株、あるいは表4に列挙される宿主細胞または宿主株の同等物は、本発明の方法を使用して本明細書に記載されるような対象のポリペプチドを含む融合タンパク質を発現するために使用される。実施形態において、実施形態において、表4に列挙される宿主細胞または宿主株、あるいは表4に列挙される宿主細胞または宿主株の同等物は、本発明の方法を使用して、本明細書に記載されるような、hPTH、GCSF、またはインスリンポリペプチド(例えばプロインスリン)を含む融合タンパク質を発現するために使用される。実施形態において、野生型宿主細胞、例えばDC454、またはその同等物は、本発明の方法を使用して本明細書に記載されるような対象のポリペプチドを含む融合タンパク質を発現するために使用される。
【0159】
これらおよび他のプロテアーゼの配列、および本発明の宿主株を生成するのに有用なフォールディングモジュレーターは、当該技術分野で既知であり、そして例えば、上述され且つ全体において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,603,824号の表A〜Fにて提供されるように、文献中に公開されている。例えば、M50 S2Pプロテアーゼファミリー膜メタロプロテアーゼの読取枠配列は、RXF04692としてその中で提供される。
【0160】
<高スループットスクリーン>
幾つかの実施形態において、可溶性の組み換え型融合タンパク質を発現するための最適条件を判定するために、高スループットスクリーンが行われ得る。スクリーンにおいて変動し得る条件は、例えば、宿主細胞、宿主細胞の遺伝的背景(例えば、異なるプロテアーゼの欠失)、発現構成物におけるプロモーターのタイプ、組み換え型タンパク質をコードする配列に融合する分泌リーダーのタイプ、増殖温度、誘導プロモーターが使用される場合の誘導におけるOD、lacZプロモーターが使用される場合の誘導に使用されるIPTGの濃度、タンパク質誘導の期間、培養物への誘導剤の添加後の増殖温度、培養物の撹拌の速さ、プラスミド維持のための選択法、容器における培養物の容量、および細胞を溶解する方法を含む。
【0161】
幾つかの実施形態において、宿主株のライブラリ(または「アレイ」)が提供され、ライブラリにおける各株(または「宿主細胞の母集団」)は、宿主細胞における1以上の標的遺伝子の発現を調節するように遺伝子を組み換えられる。「最適な宿主株」または「最適な発現系」は、アレイにおける表現型的に別個の宿主細胞の他の母集団と比較して、発現された組み換え型融合タンパク質の量、性質、および/または位置に基づいて、識別または選択され得る。故に、最適な宿主株は、所望の仕様に従って組み換え型融合タンパク質を生成する株である。所望の仕様は、生成されているタンパク質によって変動する一方で、この仕様は、例えば、タンパク質が隔絶されるかまたは分泌されるか、およびどんな量でも、タンパク質が適切にまたは望ましいように処理および/またはフォールドされるかどうかなどのように、タンパク質の性質および/または量を含む。実施形態において、改善したまたは望ましい性質は、高力価の発現を伴い且つ分解が低レベルである、組み換え型融合タンパク質の生成であり得る。実施形態において、最適な宿主株または最適な発現系は、指示株、即ち比較に使用される株により生成されるものに関連する特定の絶対レベルあるいは特定のレベルの、可溶性の組み換え型融合タンパク質の量または性質、復元可能な組み換え型融合タンパク質の量または性質、適切に処理された組み換え型融合タンパク質の量または性質、適切にフォールドされた組み換え型融合タンパク質の量または性質、活性な組み換え型融合タンパク質の量または性質、および/または組み換え型融合タンパク質の総量または品質を特徴とする、収量(yield)を生成する。
【0162】
組み換え型融合タンパク質の発現において改善された収量および/または品質により株を識別するために微生物宿主をスクリーニングする方法は、例えば米国特許出願公開第2008/0269070号に記載されている。
【0163】
<発酵様式>
本発明の発現株は、任意の発酵様式(fermentation format)で培養され得る。例えば、バッチ式、流加式、半連続式、または連続式の発酵モードが本明細書で利用され得る。
【0164】
実施形態において、発酵培地は、富栄養培地、最少培地、および無機塩培地の中から選択され得る。他の実施形態において、最少培地または無機塩培地の何れかが選択される。特定の実施形態において、無機塩培地が選択される。
【0165】
無機塩培地は、無機塩と炭素源、例えば、グルコース、スクロース、またはグリセロールから成る。無機塩培地の例は、例えば、M9培地、シュードモナス培地(ATCC 179)、およびDavis and Mingioli培地(Davis, B. D., and Mingioli, E. S., 1950, J. Bact. 60:17−28を参照)を含む。無機塩培地を作るために使用される無機塩は、例えば、リン酸カリウム、硫酸アンモニウムまたは塩化アンモニウム、硫酸マグネシウムまたは塩化マグネシウム、および、塩化カルシウム、ホウ酸塩、および鉄、銅、マンガン、ならびに亜鉛の硫酸塩などの微量金属の中から選択されるものを含む。典型的には、ペプトン、トリプトン、アミノ酸、または酵母抽出物などの有機窒素源は、無機塩培地に含まれていない。代わりに、無機窒素源が使用され、これは、例えばアンモニウム塩、アンモニア水、およびアンモニアガスの中から選択され得る。無機塩培地は、典型的には炭素源としてグルコースまたはグリセロールを含む。無機塩培地と比較して、最少培地も無機塩と炭素源を含み得るが、例えば、低レベルのアミノ酸、ビタミン、ペプトン、または他の成分で補われ得るものの、これらは、ごく最低限のレベルで加えられる。本発明の方法における使用に適切な培地は、文献、例えば上述の参照により言及且つ組み込まれる米国特許出願公開第2006/0040352号に記載される方法を用いて、調製され得る。本発明の方法に有用な培養手順および無機塩培地の詳細は、本明細書において参照により組み込まれる、Riesenberg, D et al., 1991, “High cell density cultivation of Escherichia coli at controlled specific growth rate,” J. Biotechnol. 20 (1):17−27により説明されている。
【0166】
実施形態において、生成はバイオリアクター培養物において達成され得る。培養物は、例えば、無機塩培地を含有する2リットルまでのバイオリアクターにおいて増殖し、アンモニアの添加により32℃およびpH6.5に維持され得る。溶解酸素は、撹拌における増加、および発酵槽への散布された空気および酸素の流れにより、過度に維持され得る。グリセロールは、過剰なレベルを維持するために発酵の全体にわたり培養物に送達され得る。実施形態において、このような条件は、誘導のための標的培養細胞密度、例えば575nm(A
575)の光学密度に到達し、IPTGが標的タンパク質生成を開始するために添加されるまで、維持される。誘導時の細胞密度、IPTGの濃度、pH、温度、CaCl
2濃度、溶解酸素の流速はそれぞれ、発現に最適な条件を判定するために変更され得ることを理解されたい。実施形態において、誘導時の細胞密度は、40から200までの吸光度単位(AU)ののA
575で変動し得る。IPTG濃度は、0.02から1.0mMの範囲、6から7.5のpH、20から35℃の温度、0から0.5g/lのCaCl
2濃度、および1LPM(毎分リットル)から10LPMの溶解酸素の流速で、変動し得る。6−48時間後、各バイオリアクターからの培養物は、遠心分離により集められ、細胞ペレットは−80℃で凍結される。その後、サンプルは、例えば、生成物形成についてSDS−CGEにより分析され得る。
【0167】
発酵は任意の規模で行なわれ得る。本発明による発現系は、任意の規模での組み換え型タンパク質発現に有用である。故に、例えば、マイクロリットルの規模、ミリリットルの規模、センチリットルの規模、およびデシリットルの規模の発酵容量が使用されてもよく、そして、1リットルの規模およびより大きな発酵容量が使用され得る。
【0168】
実施形態において、発酵容量は、約1リットルまたはそれ以上である。幾つかの実施形態において、発酵容量は約1リットル〜約100リットルである。実施形態において、発酵容量は、約1リットル、約2リットル、約3リットル、約4リットル、約5リットル、約6リットル、約7リットル、約8リットル、約9リットル、または約10リットルである。実施形態において、発酵容量は、約1リットル〜約5リットル、約1リットル〜約10リットル、約1リットル〜約25リットル、約1リットル〜約50リットル、約1リットル〜約75リットル、約10リットル〜約25リットル、約25リットル〜約50リットル、または約50リットル〜約100リットルである。他の実施形態において、発酵容量は、5リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、50リットル、75リットル、100リットル、200リットル、250リットル、300リットル、500リットル、1,000リットル、2,000リットル、5,000リットル、10,000リットル、または50,000リットル、あるいはそれ以上である。
【0169】
一般に、より大きな培養物の容量、例えば50mLの振盪フラスコ培養物、1リットル以上の培養物により得られる組み換え型タンパク質の量は、より小さな培養物の容量、例えば0.5mLの高スループットスクリーニング培養物において観察されるものに比べて増大される。このことは、培養物の大きさの増加だけでなく、例えば、(例えば培養物の吸光度により反映されるような)大規模での発酵において細胞をより高密度に増殖させる能力によるものであり得る。例えば、同じ株から得られる容量測定の収量は、HTPの規模から大規模の発酵まで、10倍にまで増大され得る。実施形態において、同じ発現株について観察された容量測定の収量は、大規模の発酵後、HTPの規模の増殖よりも2倍から10倍多い。実施形態において、同じ発現株について観察される収量は、大規模の発酵後、HTPの規模の増殖よりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、2倍から10倍、2倍から9倍、2倍から8倍、2倍から7倍、2倍から6倍、2倍から5倍、2倍から4倍、2倍から3倍、3倍から10倍、3倍から9倍、3倍から8倍、3倍から7倍、3倍から6倍、3倍から5倍、3倍から4倍、4倍から10倍、4倍から9倍、4倍から8倍、4倍から7倍、4倍から6倍、4倍から5倍、5倍から10倍、5倍から9倍、5倍から8倍、5倍から7倍、5倍から6倍、6倍から10倍、6倍から9倍、6倍から8倍、6倍から7倍、7倍から10倍、7倍から9倍、7倍から8倍、8倍から10倍、8倍から9倍、9倍から10倍多い。例えば、全体において参照により本明細書に組み込まれる、Retallack, et al., 2012, “Reliable protein production in a Pseudomonas fluorescens expression system,” Prot. Exp. and Purif. 81:157−165を参照。
【0170】
<細菌増殖条件>
提供される本発明の方法に有用な増殖条件は、約4℃から約42℃の温度、および約5.7から約8.8のpHを含み得る。lacZプロモーターを含む発現構築物が使用される場合、発現は、の約0.01mMから約1.0mMの終末濃度で培養物にIPTGを添加することにより誘導され得る。
【0171】
培養物のpHは、当業者に既知のpH緩衝液および方法を使用して維持され得る。培養中のpHの制御も、アンモニア水を使用するので達成され得る。実施形態において、培養物のpHは約5.7から約8.8である。実施形態において、pHは、約5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、または8.8である。実施形態において、pHは、約5.7〜約8.8、約5.7〜約8.5、約5.7〜約8.3、約5.7〜約8、約5.7〜約7.8、約5.7〜約7.6、約5.7〜約7.4、約5.7〜約7.2、約5.7〜約7、約5.7〜約6.8、約5.7〜約6.6、約5.7〜約6.4、約5.7〜約6.2、約5.7〜約6、約5.9〜約8.8、約5.9〜約8.5、約5.9〜約8.3、約5.9〜約8、約5.9〜約7.8、約5.9〜約7.6、約5.9〜約7.4、約5.9〜約7.2、約5.9〜約7、約5.9〜約6.8、約5.9〜約6.6、約5.9〜約6.4、約5.9〜約6.2、約6〜約8.8、約6〜約8.5、約6〜約8.3、約6〜約8、約6〜約7.8、約6〜約7.6、約6〜約7.4、約6〜約7.2、約6〜約7、約6〜約6.8、約6〜約6.6、約6〜約6.4、約6〜約6.2、約6.1〜約8.8、約6.1〜約8.5、約6.1〜約8.3、約6.1〜約8、約6.1〜約7.8、約6.1〜約7.6、約6.1〜約7.4、約6.1〜約7.2、約6.1〜約7、約6.1〜約6.8、約6.1〜約6.6、約6.1〜約6.4、約6.2〜約8.8、約6.2〜約8.5、約6.2〜約8.3、約6.2〜約8、約6.2〜約7.8、約6.2〜約7.6、約6.2〜約7.4、約6.2〜約7.2、約6.2〜約7、約6.2〜約6.8、約6.2〜約6.6、約6.2〜約6.4、約6.4〜約8.8、約6.4〜約8.5、約6.4〜約8.3、約6.4〜約8、約6.4〜約7.8、約6.4〜約7.6、約6.4〜約7.4、約6.4〜約7.2、約6.4〜約7、約6.4〜約6.8、約6.4〜約6.6、約6.6〜約8.8、約6.6〜約8.5、約6.6〜約8.3、約6.6〜約8、約6.6〜約7.8、約6.6〜約7.6、約6.6〜約7.4、約6.6〜約7.2、約6.6〜約7、約6.6〜約6.8、約6.8〜約8.8、約6.8〜約8.5、約6.8〜約8.3、約6.8〜約8、約6.8〜約7.8、約6.8〜約7.6、約6.8〜約7.4、約6.8〜約7.2、約6.8〜約7、約7〜約8.8、約7〜約8.5、約7〜約8.3、約7〜約8、約7〜約7.8、約7〜約7.6、約7〜約7.4、約7〜約7.2、約7.2〜約8.8、約7.2〜約8.5、約7.2〜約8.3、約7.2〜約8、約7.2〜約7.8、約7.2〜約7.6、約7.2〜約7.4、約7.4〜約8.8、約7.4〜約8.5、約7.4〜約8.3、約7.4〜約8、約7.4〜約7.8、約7.4〜約7.6、約7.6〜約8.8、約7.6〜約8.5、約7.6〜約8.3、約7.6〜約8、約7.6〜約7.8、約7.8〜約8.8、約7.8〜約8.5、約7.8〜約8.3、約7.8〜約8、約8〜約8.8、約8〜約8.5、または約8〜約8.3である。実施形態において、pHは約6.5〜約7.2である。
【0172】
幾つかの実施形態において、増殖温度は約4℃〜約42℃に維持される。実施形態において、増殖温度は、約4℃、約5℃、約6℃、約7℃、約8℃、約9℃、約10℃、約11℃、約12℃、約13℃、約14℃、約15℃、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、約30℃、約31℃、約32℃、約33℃、約34℃、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、約40℃、約41℃、または約42℃である。実施形態において、増殖温度は約25℃〜約32℃である。実施形態において、増殖温度は、約22℃〜約27℃、約22℃〜約28℃、約22℃〜約29℃、約22℃〜約30℃、約23℃〜約27℃、約23℃〜約28℃、約23℃〜約29℃、約23℃〜約30℃、約24℃〜約27℃、約24℃〜約28℃、約24℃〜約29℃、約24℃〜約30℃、約25℃〜約27℃、約25℃〜約28℃、約25℃〜約29℃、約25℃〜約30℃、約25℃〜約31℃、約25℃〜約32℃、約25℃〜約33℃、約26℃〜約28℃、約26℃〜約29℃、約26%〜約30%、約26%〜約31%、約26%〜約32%、約26%〜約33%、約27%〜約29%、約27%〜約30%、約27℃〜約31℃、約27℃〜約32℃、約27℃〜約33℃、約28℃〜約30℃、約28℃〜約31℃、約28℃〜約32℃、約29℃〜約31℃、約29℃〜約32℃、約29℃〜約33℃、約30℃〜約32℃、約30℃〜約33℃、約31℃〜約33℃、約31℃〜約32℃、約21℃〜約42℃、約22℃〜約42℃、約23℃〜約42℃、約24℃〜約42℃、約25℃〜約42℃である。実施形態において、増殖温度は約25℃〜約28.5℃である。実施形態において、増殖温度は、約20℃より上、約21℃より上、約22℃より上、約23℃より上、約24℃より上、約25℃より上、約26℃より上、約27℃より上、約28℃より上、約29℃より上、または約30℃より上である。
【0173】
実施形態において、温度は培養中に変更される。実施形態において、温度は、薬剤(例えばIPTG)が構築物から発現を誘導するために培養物に添加される前に約30℃〜約32℃に維持され、誘導薬剤を添加した後、温度は約25℃〜約28℃に下げられる。実施形態において、温度は、薬剤(例えばIPTG)が構築物から発現を誘導するために培養物に添加される前に約30℃に維持され、誘導薬剤を添加した後、温度は約25℃に下げられる。
【0174】
本明細書の他の場所にも記載されるように、誘導プロモーターは、組み換え型融合タンパク質、例えばlacプロモーターの発現を制御するために、発現構築物において使用され得る。lacプロモーター誘導体またはファミリーのメンバー(例えばtacプロモータ)の場合、エフェクター化合物は、IPTGのような無償性誘導物質などの誘導因子である。実施形態において、lacプロモーター誘導体が使用され、細胞密度が約40〜約180のOD
575により識別されたレベルに到達した場合、組み換え型タンパク質発現は、約0.01mM〜約1.0mMの終末濃度へのIPTGの添加により誘導される。実施形態において、組み換え型タンパク質のための培養物誘導の時間におけるOD
575は、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180であり得る。他の実施形態において、OD
575は、約40〜約50、約50〜約60、約60〜約70、約70〜約80、約80〜約90、または約90〜約100である。他の実施形態において、OD
575は、約40〜約100、約100〜約120、約120〜約130、約130〜約140、約140〜約150、約150〜約160、約160〜約170、または約170〜約180である。他の実施形態において、OD
575は、約40〜約140、または約80〜180である。細胞密度は、他の方法により測定され、且つ他の単位(例えば容量当たりの細胞)で発現され得る。例えば、P.fluorescens培養物の約40〜約160のOD
575は、1mL当たり約4×10
10〜約1.6×10
11のコロニー形成単位、または17.5〜70g/lの乾燥菌体重量に等しい。実施形態において、培養物誘導の時間における細胞密度は、細胞密度の判定に使用される方法または測定の単位にかかわらず、OD
575での吸光度により本明細書で特定されるような細胞密度に等しい。当業者は、任意の細胞培養のために適切な変換を行う方法を知っている。
【0175】
実施形態において、培養物の最終IPTG濃度は、約0.01mM、約0.02mM、約0.03mM、約0.04mM、約0.05mM、約0.06mM、約0.07mM、約0.08mM、約0.09mM、約0.1mM、約0.2mM、約0.3mM、約0.4mM、約0.5mM、約0.6mM、約0.7mM、約0.8mM、または約1mMである。実施形態において、培養物の最終IPTG濃度は、約0.08mM〜約0.1mM、約0.1mM〜約0.2mM、約0.2mM〜約0.3mM、約0.3mM〜約0.4mM、約0.2mM〜約0.4mM、約0.08〜約0.2mM、または約0.1〜1mMである。
【0176】
非lac型プロモーターが使用される実施形態において、本明細書および文献に記載されるように、他の誘導因子またはエフェクターが使用され得る。1つの実施形態において、プロモーターは構成型プロモーターである。
【0177】
誘導剤を添加した後、培養物は、例えば約24時間の期間にわたり増殖され得、その間に、組み換え型タンパク質が発現される。誘導剤を添加した後、培養物は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約36時間、または約48時間にわたり増殖され得る。誘導剤が培養物に添加された後、培養物は、約1〜48時間、約1〜24時間、約1〜8時間、約10〜24時間、約15〜24時間、または約20〜24時間にわたり増殖され得る。細胞培養物は遠心分離により濃縮され、培養物ペレットは、後の溶解手順に適切な緩衝液または溶液において再懸濁され得る。
【0178】
実施形態において、高圧機械細胞分裂用の装置(商業上利用可能なものであり、例えば、Microfluidics Micro fluidizer、Constant Cell Disruptor、Niro−Soavi homogenizer、またはAPV−Gaulin homogenizer)を用いて、細胞が分裂される。組み換え型タンパク質を発現する細胞は、例えば超音波処理を用いて分裂され得る。細胞の溶解に適切な、当該技術分野で既知の任意の方法が、可溶性画分を放出するために使用され得る。例えば、実施形態において、細胞壁溶菌酵素およびEDTAなどの、化学物質および/または酵素溶菌試薬が使用され得る。凍結されたまたは予め保存された培養物の使用も、本発明の方法で考慮される。培養物は溶解前にOD標準化され得る。例えば、細胞は、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20のOD600に標準化され得る。
【0179】
任意の適切な装置と方法を用いて遠心分離が行われ得る。不溶性画分から可溶性画分を分離するための細胞培養物または溶解物の遠心分離は、当該技術分野で周知である。例えば、溶解細胞は、(4℃で)20分間、20,800×gで遠心分離され、手動または自動の液体処理を使用して上清が除去され得る。細胞培養物の遠心分離により得られた細胞ペレット、または細胞溶解物の遠心分離により得られた不溶性画分は、緩衝液において再懸濁され得る。細胞ペレットまたは不溶性画分の再懸濁は、例えばオーバーヘッドミキサー、磁気撹拌バー、ロッキングシェーカーなどに接続されるインペラーなどの装置を用いて行われ得る。
【0180】
<未変性条件>
誘導された宿主細胞の溶解は、未変性条件下で行なわれる。実施形態において、未変性条件は、例えば、細胞ペレットまたはペーストを再懸濁するために、未変性処置の緩衝液の使用を含む。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、リン酸ナトリウム、またはトリス緩衝液、グリセロール、および塩化ナトリウムを含む。親和性クロマトグラフィーが固定された金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)により行なわれる実施形態において、未変性処置の緩衝液はイミダゾールを含む。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、0〜50mMのイミダゾールを含む。実施形態において、未変性処置の緩衝液はイミダゾールを含まない。実施形態において、未変性処置の緩衝液は25mMのイミダゾールを含む。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、10−30mMのリン酸ナトリウム、またはpH7〜9のトリスを含む。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、7.3、7.4、または7.5のpHを有する。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、2−10%のグリセロールを含む。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、50mM〜750mMのNaClを含む。実施形態において、細胞ペーストは10−50%の固形物において再懸濁される。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、pH7.4で、20mMのリン酸ナトリウム、5%のグリセロール、500mMの塩化ナトリウム、20mMのイミダゾールを含み、20%の固形物において再懸濁される。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、pH7.5で、20mMのトリス、50mMのNaClを含み、20%の固形物において再懸濁される。
【0181】
実施形態において、未変性処置の緩衝液はカオトロピック剤を含まない。カオトロピック剤は、タンパク質または核酸の3次元構造を分裂し、変性を引き起こす。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、カオトロピック剤の未変性濃度を含む。実施形態において、カオトロピック剤は、例えば尿素またはグアニジン塩酸塩である。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、0〜4Mの尿素またはグアニジン塩酸塩である。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、4M未満、3.5M未満、3M未満、2.5M未満、2M未満、1.5M未満、1M未満、0.5M未満、約1.0M、約0.2M、約0.3M、約0.4M、約0.5M、約0.6M、約0.7M、約0.8M、約0.9M、約1.0M、約1.1M、約1.2M、約1.3M、約1.4M、約1.5M、約1.6M、約1.7M、約1.8M、約1.9M、または約2.0M、約2.1M、約2.2M、約2.3M、約2.4M、約2.5M、約2.6M、約2.7M、約2.8M、約2.9M、約3M、約3.1M、約3.2M、約3.3M、約3.4M、約3.5M、約3.6M、約3.7M、約3.8M、約3.9M、約4M、約0.5〜約3.5M、約0.5〜約3M、約0.5〜約2.5M、約0.5〜約2M、約0.5〜約1.5M、約0.5〜約1M、約1〜約4M、約1〜約3.5M、約1〜約3M、約1〜約2.5M、約1〜約2M、約1〜約1.5M、約1.5〜約4M、約1.5〜約3.5M、約1.5〜約3M、約1.5〜約2.5M、約1.5〜約2M、約2〜約4M、約2〜約3.5M、約2〜約3M、約2〜約2.5M、約2.5〜約4M、約2.5〜約3.5M、約2.5〜3M、約3〜約4M、約3〜約3.5M、または0.5〜約1Mの濃度で、尿素またはグアニジン塩酸塩を含む。
【0182】
未変性処置の緩衝液が使用される実施形態において、細胞ペーストは、2−8℃で約1−2.5時間にわたり、20mMのトリス、50mMのNaCl、4Mの尿素、pH7.5の20%の固形物にてスラリー状にされる。実施形態において、細胞ペーストは、例えば15,000psiでNiroホモジナイザーにより溶解にさらされ、14,000xgで35分間バッチ式遠心分離または15,000xgで連続遠心分離を行い、340mL/minを供給し、supe/遠心分離液をデプスフィルターおよびメンブレンフィルターで濾過し、再懸濁緩衝液において2倍に希釈し(例えば1X PBS pH7.4)、捕捉カラムに充填される。実施形態において、未変性処置の緩衝液は、本明細書の他の場所に記載されるような付加的な構成要素、例えばIMACのためのイミダゾールを含む。
【0183】
カオトロピック剤の変性濃度はpHにより影響を受け、変性レベルはタンパク質の特徴に依存することが、当業者に理解されている。例えば、より低濃度のカオトロピック剤にもかかわらずタンパク質変性を引き起こすようにpHが増大され得る。
【0184】
<生成物の評価>
対象の生成された組み換え型融合タンパク質またはポリペプチドの性質は、当該技術分野で既知の、または文献に記載される任意の方法により評価され得る。実施形態において、タンパク質の変性は、その可溶性に基づき、または、生物活性の欠如あるいは損失により、評価される。多くのタンパク質について、生物活性アッセイは市販で入手可能である。生物活性アッセイは、例えば抗体結合アッセイを含み得る。実施形態において、対象の組み換え型融合タンパク質またはポリペプチドの物理的特性は、当該技術分野で利用可能な方法、例えばクロマトグラフィーおよび分光光度法を用いて行われる。対象のポリペプチドの評価は、ポリペプチドが適切に放出された、例えばそのN末端基が無傷であるという判定を含み得る。
【0185】
hPTH(例えばhPTH 1−34または1−84)の活性は、例えばタンパク質のN末端基を認識する抗体を用いて、当該技術分野で既知の、または本明細書に記載される、あるいは文献中の任意の方法を使用して評価され得る。方法は、例えばインタクト質量分析(intact mass analysis)を含む。PTHの生物活性は、例えば、cAMP ELISA、均質な時間分解蛍光(HTRF)アッセイする(Charles River Laboratories)により、または、Nissenson, et al., 1985, “Activation of the Parathyroid Hormone Receptor−Adenylate Cyclase System in Osteosarcoma Cells by a Human Renal Carcinoma Factor,” Cancer Res. 45:5358−5363、および米国特許第7,150,974号“Parathyroid Hormone Receptor Binding Method”に記載されるように測定され得、前記文献の各々は本明細書において参照により組み込まれる。PTHを評価する方法はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Shimizu, et al., 2001, “Parathyroid hormone (1−14) and (1−11) analogs conformationally constrained by α−aminoisobutyric acid mediate full agonist responses via the Juxtamembrane region of the PTH−1 receptor,” J. Biol. Chem. 276: 49003−49012に記載される。
【0186】
<対象の組み換え型融合タンパク質とポリペプチドの精製>
対象の可溶化された組み換え型融合タンパク質またはポリペプチドは、当該技術分野で既知の、または文献中に記載される任意の方法、例えば、サイズ排除、陰イオンまたは陽イオン交換、疎水的相互作用、または親和性クロマトグラフィーなどの、遠心分離方法および/またはクロマトグラフィー方法により、他のタンパク質および細胞破片から分離または精製され得る。実施形態において、可溶化されたタンパク質は、高速液体クロマトグラフィー(FPLC)を使用して精製され得る。FPLCは、様々な樹脂に対する親和性に基づいてタンパク質を分離するために使用される液体クロマトグラフィーの形態である。実施形態において、融合タンパク質により発現されたアフィニティータグは、可溶化緩衝液に溶解される融合タンパク質を樹脂に結合させ、その一方で不純物は可溶化緩衝液において行なわれる。後に、溶出緩衝液において、イオン交換樹脂から融合タンパク質を分離し且つ純粋な融合タンパク質を単離するために、溶出緩衝液が、徐々に増大する勾配で使用され、または段階的な方法で添加される。
【0187】
実施形態において、誘導の完了後、発酵培養液が、60〜90分間、例えば15,900xgでの遠心分離により集められる。細胞ペーストおよび上清は分離され、ペーストは−80℃で凍結される。凍結された細胞ペーストは、本明細書の他の場所に記載されるような緩衝液、例えば未変性緩衝液または尿素の無い緩衝液の中で溶かされる。実施形態において、凍結された細胞ペーストは、20mMのリン酸ナトリウム、5%のグリセロール、500mMの塩化ナトリウム、pH7.4の中で溶かされ、且つ再懸濁される。実施形態において、緩衝液はイミダゾールを含む。実施形態において、懸濁液の最終容量は、所望のパーセントの固形物(例えば20%の固形物)に調整される。細胞は化学的または機械的に溶解することができ、例えば、物質は後に、15,000psiで微細流動装置により均質化され得る。溶解物は、30分間、例えば12,000xgで遠心分離され、例えば、Sartorius Sartobran 150(0.45/0.2μm)のフィルターカプセルに通して濾過される。
【0188】
実施形態において、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)は、例えばFrac−950フラクションコレクターを備えたAeKTA explorer 100のクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare)を用いる精製のために使用され得る。His−タグが使用される実施形態において、サンプルは、HisTrap FF、10mLカラム(連続して接続される2つの5mLのHisTrap FFカートリッジ[GE Healthcare、部品番号17−5255−01])の上に乗せられ、洗浄されて、例えば0mM〜200mMにイミダゾール濃度を変更することにより溶出緩衝液の10のカラム容量直線濃度勾配を使用して溶出され、画分が集められる。
【0189】
実施形態において、クロマトグラフィーは、対象のポリペプチドに適切なものとして行われ得る。例えば、固定化金属イオン親和性クロマトグラフィー精製は、実施例において本明細書に記載されるように(例えば、Nickel IMACを使用して)行われ得る。
【0190】
<組み換え型融合タンパク質の切断>
実施形態において、精製された組み換え型融合タンパク質の画分は、リンカーおよびN末端融合パートナーから対象のポリペプチドを切断するために、切断酵素でインキュベートされる。実施形態において、切断酵素は、プロテアーゼ、例えばセリンプロテアーゼ、例えばウシのエンテロキナーゼ、ブタのエンテロキナーゼ、トリプシン、または本明細書の他の場所に記載されるような他の適切なプロテアーゼである。当該技術分野で既知の、または文献中に記載される任意の適切なプロテアーゼ劈開方法が、使用され得る。プロテアーゼは、例えばSigma−Aldrich (St. Louis, MO)、ThermoFisher Scientific (Waltham, MA)、およびPromega (Madison, WI)から市販で入手可能である。例えば、実施形態において、ウシのエンテロキナーゼ(例えばNovagen cat#69066−3、バッチD00155747)の切断融合タンパク質の精製画分は、20mMのトリス、pH7.4、50mMのNaCl、および2mMのCaCl
2を含有する緩衝液の中で濃縮且つ再懸濁され得る。2つの単位のウシのエンテロキナーゼは、100μLの反応物における100μgのタンパク質に添加される。融合タンパク質の精製画分とエンテロキナーゼの混合物は、は適切な長さの時間にわたりインキュベートされる。実施形態において、エンテロキナーゼの無い対象の反応物も、比較のためにインキュベートされる。酵素反応は、4−ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩(AEBSF、Sigma cat#P8465)を含有する完全なプロテアーゼ阻害剤カクテルの添加により止めることができる。
【0191】
実施形態において、切断酵素インキュベーションは、約1時間〜約24時間にわたり行なわれる。実施形態において、インキュベーションは、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約1時間〜約24時間、約1時間〜約23時間、約1時間〜約22時間、約1時間〜約21時間、約1時間〜約20時間、約1時間〜約19時間、約1時間〜約18時間、約1時間〜約17時間、約1時間〜約16時間、約1時間〜約15時間、約1時間〜約14時間、約1時間〜約13時間、約1時間〜約12時間、約1時間〜約11時間、約1時間〜約10時間、約1時間〜約9時間、約1時間〜約8時間、約1時間〜約7時間、約1時間〜約6時間、約1時間〜約5時間、約1時間〜約4時間、約1時間〜約3時間、約1時間〜約2時間、約2時間〜約24時間、約2時間〜約23時間、約2時間〜約22時間、約2時間〜約21時間、約2時間〜約20時間、約2時間〜約19時間、約2時間〜約18時間、約2時間〜約17時間、約2時間〜約16時間、約2時間〜約15時間、約2時間〜約14時間、約2時間〜約13時間、約2時間〜約12時間、約2時間〜約11時間、約2時間〜約10時間、約2時間〜約9時間、約2時間〜約8時間、約2時間〜約7時間、約2時間〜約6時間、約2時間〜約5時間、約2時間〜約4時間、約2時間〜約3時間、約3時間〜約24時間、約3時間〜約23時間、約3時間〜約22時間、約3時間〜約21時間、約3時間〜約20時間、約3時間〜約19時間、約3時間〜約18時間、約3時間〜約17時間、約3時間〜約16時間、約3時間〜約15時間、約3時間〜約14時間、約3時間〜約13時間、約3時間〜約12時間、約3時間〜約11時間、約3時間〜約10時間、約3時間〜約9時間、約3時間〜約8時間、約3時間〜約7時間、約3時間〜約6時間、約3時間〜約5時間、約3時間〜約4時間、約4時間〜約24時間、約4時間〜約23時間、約4時間〜約22時間、約4時間〜約21時間、約4時間〜約20時間、約4時間〜約19時間、約4時間〜約18時間、約4時間〜約17時間、約4時間〜約16時間、約4時間〜約15時間、約4時間〜約14時間、約4時間〜約13時間、約4時間〜約12時間、約4時間〜約11時間、約4時間〜約10時間、約4時間〜約9時間、約4時間〜約8時間、約4時間〜約7時間、約4時間〜約6時間、約4時間〜約5時間、約5時間〜約24時間、約5時間〜約23時間、約5時間〜約22時間、約5時間〜約20時間、約5時間〜約21時間、約5時間〜約19時間、約5時間〜約18時間、約5時間〜約17時間、約5時間〜約16時間、約5時間〜約15時間、約5時間〜約14時間、約5時間〜約13時間、約5時間〜約12時間、約5時間〜約11時間、約5時間〜約10時間、約5時間〜約9時間、約5時間〜約8時間、約5時間〜約7時間、約5時間〜約6時間、約6時間〜約24時間、約6時間〜約23時間、約6時間〜約22時間、約6時間〜約21時間、約6時間〜約20時間、約6時間〜約19時間、約6時間〜約18時間、約6時間〜約17時間、約6時間〜約16時間、約6時間〜約15時間、約6時間〜約14時間、約6時間〜約13時間、約6時間〜約12時間、約6時間〜約11時間、約6時間〜約10時間、約6時間〜約9時間、約6時間〜約8時間、約6時間〜約7時間、約7時間〜約24時間、約7時間〜約23時間、約7時間〜約22時間、約7時間〜約21時間、約7時間〜約20時間、約7時間〜約19時間、約7時間〜約18時間、約7時間〜約17時間、約7時間〜約16時間、約7時間〜約15時間、約7時間〜約14時間、約7時間〜約13時間、約7時間〜約12時間、約7時間〜約11時間、約7時間〜約10時間、約7時間〜約9時間、約7時間〜約8時間、約8時間〜約24時間、約8時間〜約23時間、約8時間〜約22時間、約8時間〜約21時間、約8時間〜約20時間、約8時間〜約19時間、約8時間〜約18時間、約8時間〜約17時間、約8時間〜約16時間、約8時間〜約15時間、約8時間〜約14時間、約8時間〜約13時間、約8時間〜約12時間、約8時間〜約11時間、約8時間〜約10時間、約8時間〜約9時間、約9時間〜約24時間、約9時間〜約23時間、約9時間〜約22時間、約9時間〜約21時間、約9時間〜約20時間、約9時間〜約19時間、約9時間〜約18時間、約9時間〜約17時間、約9時間〜約16時間、約9時間〜約15時間、約9時間〜約14時間、約9時間〜約13時間、約9時間〜約12時間、約9時間〜約11時間、約9時間〜約10時間、約10時間〜約24時間、約10時間〜約23時間、約10時間〜約22時間、約10時間〜約21時間、約10時間〜約20時間、約10時間〜約19時間、約10時間〜約18時間、約10時間〜約17時間、約10時間〜約16時間、約10時間〜約15時間、約10時間〜約14時間、約10時間〜約13時間、約10時間〜約12時間、約10時間〜約11時間、約11時間〜約24時間、約11時間〜約23時間、約11時間〜約22時間、約11時間〜約21時間、約11時間〜約20時間、約11時間〜約19時間、約11時間〜約18時間、約11時間〜約17時間、約11時間〜約16時間、約11時間〜約15時間、約11時間〜約14時間、約11時間〜約13時間、約11時間〜約12時間、約12時間〜約24時間、約12時間〜約23時間、約12時間〜約22時間、約12時間〜約21時間、約12時間〜約20時間、約12時間〜約112時間、約12時間〜約18時間、約12時間〜約17時間、約12時間〜約16時間、約12時間〜約15時間、約12時間〜約14時間、約12時間〜約13時間、約13時間〜約24時間、約13時間〜約23時間、約13時間〜約22時間、約13時間〜約21時間、約13時間〜約20時間、約13時間〜約19時間、約13時間〜約18時間、約13時間〜約17時間、約13時間〜約16時間、約13時間〜約15時間、約13時間〜約14時間、約14時間〜約24時間、約14時間〜約23時間、約14時間〜約22時間、約14時間〜約21時間、約14時間〜約20時間、約14時間〜約19時間、約14時間〜約18時間、約14時間〜約17時間、約14時間〜約16時間、約14時間〜約15時間、約15時間〜約24時間、約15時間〜約23時間、約15時間〜約22時間、約15時間〜約21時間、約15時間〜約20時間、約15時間〜約19時間、約15時間〜約18時間、約15時間〜約17時間、約16時間〜約24時間、約16時間〜約23時間、約16時間〜約22時間、約16時間〜約21時間、約16時間〜約20時間、約16時間〜約19時間、約16時間〜約18時間、または約16時間〜約17時間、約17時間〜約24時間、約17時間〜約23時間、約17時間〜約22時間、約17時間〜約21時間、約17時間〜約20時間、約17時間〜約19時間、約17時間〜約18時間、約18時間〜約24時間、約18時間〜約23時間、約18時間〜約22時間、約18時間〜約21時間、約18時間〜約20時間、約18時間〜約19時間、約19時間〜約24時間、約19時間〜約23時間、約19時間〜約22時間、約19時間〜約21時間、約19時間〜約20時間、約20時間〜約24時間、約20時間〜約23時間、約20時間〜約22時間、約20時間〜約21時間、約21時間〜約24時間、約21時間〜約23時間、約21時間〜約22時間、約21時間〜約24時間、または約22時間〜約23時間にわたり行われる。
【0192】
実施形態において、プロテアーゼでのインキュベーション後の組み換え型融合タンパク質の切断の範囲は、約90%〜約100%である。実施形態において、プロテアーゼでのインキュベーション後の組み換え型融合タンパク質の切断の範囲は、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%、約91%〜約100%、約92%〜約100%、約93%〜約100%、約94%〜約100%、約95%〜約100%、約96%〜約100%、約97%〜約100%、約98%〜約100%、約99%〜約100%、約90%〜約99%、約91%〜約99%、約92%〜約99%、約93%〜約99%、約94%〜約99%、約95%〜約99%、約96%〜約99%、約97%〜約99%、約98%〜約99%、約90%〜約98%、約91%〜約98%、約92%〜約98%、約93%〜約98%、約94%〜約98%、約95%〜約98%、約96%〜約98%、約97%〜約98%、約90%〜約97%、約91%〜約97%、約92%〜約97%、約93%〜約97%、約94%〜約97%、約95%〜約97%、約96%〜約97%、約90%〜約96%、約91%〜約96%、約92%〜約96%、約93%〜約96%、約94%〜約96%、約95%〜約96%、約90%〜約95%、約91%〜約95%、約92%〜約95%、約93%〜約95%、約94%〜約95%、約90%〜約94%、約91%〜約94%、約92%〜約94%、約93%〜約94%、約90%〜約93%、約91%〜約93%、約92%〜約93%、約90%〜約92%、約91%〜約92%、または約90%〜約91%である。
【0193】
実施形態において、プロテアーゼ切断は、組み換え型融合タンパク質からの対象のポリペプチドの放出を結果としてもたらす。実施形態において、組み換え型融合タンパク質は適切に切断されることで、対象のポリペプチドを適切に放出する。実施形態において、組み換え型融合タンパク質の適切な切断は、無傷の(劣化していない)N末端基を持つ、対象の適切に放出されたポリペプチドを結果としてもたらす。実施形態において、組み換え型融合タンパク質の適切な切断は、第1の(N−末端)アミノ酸を含有する、対象の適切に放出されたポリペプチドを結果としてもたらす。実施形態において、プロテアーゼ切断後の適切に放出されたポリペプチドの量は、約90%〜約100%である。実施形態において、プロテアーゼ切断後の適切に放出されたポリペプチドの量は、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%、約91%〜約100%、約92%〜約100%、約93%〜約100%、約94%〜約100%、約95%〜約100%、約96%〜約100%、約97%〜約100%、約98%〜約100%、約99%〜約100%、約90%〜約99%、約91%〜約99%、約92%〜約99%、約93%〜約99%、約94%〜約99%、約95%〜約99%、約96%〜約99%、約97%〜約99%、約98%〜約99%、約90%〜約98%、約91%〜約98%、約92%〜約98%、約93%〜約98%、約94%〜約98%、約95%〜約98%、約96%〜約98%、約97%〜約98%、約90%〜約97%、約91%〜約97%、約92%〜約97%、約93%〜約97%、約94%〜約97%、約95%〜約97%、約96%〜約97%、約90%〜約96%、約91%〜約96%、約92%〜約96%、約93%〜約96%、約94%〜約96%、約95%〜約96%、約90%〜約95%、約91%〜約95%、約92%〜約95%、約93%〜約95%、約94%〜約95%、約90%〜約94%、約91%〜約94%、約92%〜約94%、約93%〜約94%、約90%〜約93%、約91%〜約93%、約92%〜約93%、約90%〜約92%、約91%〜約92%、または約90%〜約91%である。
【0194】
<組み換え型融合タンパク質の評価と収量>
対象の生成された融合タンパク質および/またはポリペプチドは、タンパク質を特徴化するために、例えばタンパク質の収量または性質の評価のために、当該技術分野で既知の、または文献中に記載される適切なアッセイ方法を使用して、任意の適切な画分において特徴化され得る。
【0195】
実施形態において、LC−MS、または当該技術分野で既知の他の適切な方法は、タンパク質分解のクリッピング、脱アミド化、酸化、および断片化をモニタリングし、且つ対象のポリペプチドのN末端が無傷の以下のリンカー切断であることを確認するために、使用される。対象の組み換え型融合タンパク質またはポリペプチドの収量は、当業者に既知の方法、例えばSDS−PAGE、キャピラリーゲル電気泳動法(CGE)、またはウエスタンブロット解析により、判定され得る。実施形態において、ELISA方法が宿主細胞タンパク質を測定するために使用される。例えば、宿主細胞タンパク質(HCP)のELISAは、製造業者のプロトコルに従って、Cygnus Technologies, Inc.のカタログ番号F450の“Immunoenzymetric Assay for the Measurement of Pseudomonas fluorescens Host Cell Proteins”キットを用いて行われ得る。プレートは、Softmax Pro v3.1.2ソフトウェアを使用して、SPECTRAmax Plus(Molecular Devices)の上で読み取ることができる。
【0196】
SDS−CGEは、HTタンパク質発現v3クリップおよび対応する試薬(それぞれ部品番号760499および760328、Caliper LifeSciences)を含むLabChip GXII器機(Caliper LifeSciences, Hopkinton, M)を用いて行われ得る。サンプルは、製造業者のプロトコル(Protein User Guide Document No. 450589, Rev. 3)に従い調製され、ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動にかけられ得る。分離後、ゲルは染色され、脱染され、且つデジタル画像化され得る。
【0197】
タンパク質、例えば、本明細書に記載されるような対象の精製された組み換え型融合タンパク質またはポリペプチドの濃度は、当該技術分野で既知の、または文献中に記載される方法による、吸光度分光法により判定され得る。実施形態において、280nmでのタンパク質サンプルの吸光度が測定され(例えば、Eppendorf BioPhotometer, Eppendorf, Hamburg, Germanyを使用して)、タンパク質の濃度はランベルト・ベールの法則を使用して計算される。タンパク質に関する正確なモル吸光係数は、例えば、本明細書で参照により組み込まれる、Grimsley, G. R., and Pace, C. N., “Spectrophotometric Determination of Protein Concentration,” in Current Protocols in Protein Science 3.1.1−3.1.9, Copyright c 2003 by John Wiley & Sons, Inc.に記載されるような既知の方法により計算され得る。
【0198】
表5は、VectorNTI,Invitrogenにより計算されたモル吸光係数を用いて判定される、1のA
280での本明細書に記載されるタンパク質の濃度を列挙する。
【0210】
対象のポリペプチドの収量または純度を判定するウエスタンブロット解析は、SDS−PAGEゲル上で分離されたタンパク質をニトロセルロース膜に移して、対象のポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体で膜をインキュベートすることにより、当該技術分野で既知の適切な方法に従い、行われ得る。本明細書に記載される任意の分析方法に有用な抗体は、当業者に既知の適切な手順により生成され得る。
【0211】
本明細書に記載され、且つ当該技術分野で既知の活性のアッセイも、タンパク質収量に関する情報を提供することができる。実施形態において、これらの、または当該技術分野で既知の他の任意の方法は、タンパク質の適切な処理、例えば適切な分泌リーダー切断を評価するために使用される。
【0212】
組み換え型融合タンパク質の収量の有用な測定値(measures)は、例えば、培養物容量当たりの可溶性の組み換え型融合タンパク質の量(例えば、タンパク質のグラムまたはミリグラム/培養物のリットル)、得られた可溶性の組み換え型融合タンパク質のパーセントまたは画分(例えば、可溶性組み換え型融合タンパク質の量/合計の可溶性の組み換え型融合タンパク質の量)、合計の細胞タンパク質(tcp)のパーセントまたは画分、および乾燥バイオマスのパーセントまたは比率を含む。実施形態において、本明細書に記載されるような組み換え型融合タンパク質の収量の測定値は、得られた可溶性の組み換え型融合タンパク質の量に基づく。実施形態において、可溶性の組み換え型融合タンパク質の測定は、細胞溶解後に得られる可溶性画分、例えば、1以上の遠心分離工程、または組み換え型融合タンパク質の精製後に得られる可溶性画分において行われる。
【0213】
対象のポリペプチドの収量に有用な測定値は、例えば、培養物容量当たりの得られた対象の可溶性ポリペプチドの量(例えば、タンパク質のグラムまたはミリグラム/培養物のリットル)、得られた対象の可溶性ポリペプチドのパーセントまたは画分(例えば、対象の可溶性ポリペプチドの量/合計の対象のポリペプチドの量)、得られた対象の活性ポリペプチドのパーセントまたは画分(例えば、活性アッセイにおける、対象の活性ポリペプチドの量/対象のポリペプチドの総量)、合計の細胞タンパク質(tcp)のパーセントまたは画分、および乾燥バイオマスのパーセントまたは比率を含む。
【0214】
収量が培養物容量に関して発現される実施形態において、細胞培養密度は、特に異なる培養物間の収量が比較されている場合に考慮され得る。実施形態において、本発明の方法は、1リットル当たり約0.5グラム〜1リットル当たり約25グラムの、可溶性のおよび/または活性なおよび/または適切に処理した(例えば、適切に切断された分泌リーダーを持つ)組み換え型融合タンパク質の収量を得るために使用され得る。実施形態において、組み換え型融合タンパク質は、熱ショックタンパク質のファミリーからの細胞質シャペロンまたはフォールディングモジュレーターであるN末端融合パートナーを含み、前記融合タンパク質は発現後に細胞質に向けられる。実施形態において、組み換え型融合タンパク質は、周辺質のペプチジルプロリルイソメラーゼのファミリーからの細胞質シャペロンまたはフォールディングモジュレーターであるN末端融合パートナーを含み、前記融合タンパク質は発現後に周辺質に向けられる。実施形態において、融合タンパク質、細胞質的に発現された融合タンパク質、または周辺質的に(periplasmically)発現された融合タンパク質の収量は、約0.5g/L、約1g/L、約1.5g/L、約2g/L、約2.5g/L、約3g/L、約3.5g/L、約4g/L、約4.5g/L、約5g/L、約6g/L、約7g/L、約8g/L、約9g/L、約10g/L、約11g/L、約12g/L、約13g/L、約14g/L、約15g/L、約16g/L、約17g/L、約18g/L、約19g/L、約20g/L、約21g/L、約22g/L、約23g/L、約24g/L、約25g/L、約0.5g/L〜約25g/L、約0.5g/L〜約23g/l、約1g/L〜約23g/L、約1.5g/L〜約23g/L、約2g/L〜約23g/L、約2.5g/L〜約23g/L、約3g/L〜約23g/L、約3.5g/L〜約23g/L、約4g/L〜約23g/L、約4.5g/L〜約23g/L、約5g/L〜約23g/L、約6g/L〜約23g/L、約7g/L〜約23g/L、約8g/L〜約23g/L、約9g/L〜約23g/L、約10g/L〜約23g/L、約15g/L〜約23g/L、約20g/L〜約23g/L、約0.5g/L〜約20g/L、約1g/L〜約20g/L、約1.5g/L〜約20g/L、約2g/L〜約20g/L、約2.5g/L〜約20g/L、約3g/L〜約20g/L、約3.5g/L〜約20g/L、約4g/L〜約20g/L、約4.5g/L〜約20g/L、約5g/L〜約20g/L、約6g/L〜約20g/L、約7g/L〜約20g/L、約8g/L〜約20g/L、約9g/L〜約20g/L、約10g/L〜約20g/L、約15g/L〜約20g/L、約0.5g/L〜約15g/L、約1g/L〜約15g/L、約1.5g/L〜約15g/L、約2g/L〜約15g/L、約2.5g/L〜約15g/L、約3g/L〜約15g/L、約3.5g/L〜約15g/L、約4g/L〜約15g/L、約4.5g/L〜約15g/L、約5g/L〜約15g/L、約6g/L〜約15g/L、約7g/L〜約15g/L、約8g/L〜約15g/L、約9g/L〜約15g/L、約10g/L〜約15g/L、約0.5g/L〜約12g/L、約1g/L〜約12g/L、約1.5g/L〜約12g/L、約2g/L〜約12g/L、約2.5g/L〜約12g/L、約3g/L〜約12g/L、約3.5g/L〜約12g/L、約4g/L〜約12g/L、約4.5g/L〜約12g/L、約5g/L〜約12g/L、約6g/L〜約12g/L、約7g/L〜約12g/L、約8g/L〜約12g/L、約9g/L〜約12g/L、約10g/L〜約12g/L、約0.5g/L〜約10g/L、約1g/L〜約10g/L、約1.5g/L〜約10g/L、約2g/L〜約10g/L、約2.5g/L〜約10g/L、約3g/L〜約10g/L、約3.5g/L〜約10g/L、約4g/L〜約10g/L、約4.5g/L〜約10g/L、約5g/L〜約10g/L、約6g/L〜約10g/L、約7g/L〜約10g/L、約8g/L〜約10g/L、約9g/L〜約10g/L、約0.5g/L〜約9g/L、約1g/L〜約9g/L、約1.5g/L〜約9g/L、約2g/L〜約9g/L、約2.5g/L〜約9g/L、約3g/L〜約9g/L、約3.5g/L〜約9g/L、約4g/L〜約9g/L、約4.5g/L〜約9g/L、約5g/L〜約9g/L、約6g/L〜約9g/L、約7g/L〜約9g/L、約8g/L〜約9g/L、約0.5g/L〜約8g/L、約1g/L〜約8g/L、約1.5g/L〜約8g/L、約2g/L〜約8g/L、約2.5g/L〜約8g/L、約3g/L〜約8g/L、約3.5g/L〜約8g/L、約4g/L〜約8g/L、約4.5g/L〜約8g/L、約5g/L〜約8g/L、約6g/L〜約8g/L、約7g/L〜約8g/L、約0.5g/L〜約7g/L、約1g/L〜約7g/L、約1.5g/L〜約7g/L、約2g/L〜約7g/L、約2.5g/L〜約7g/L、約3g/L〜約7g/L、約3.5g/L〜約7g/L、約4g/L〜約7g/L、約4.5g/L〜約7g/L、約5g/L〜約7g/L、約6g/L〜約7g/L、約0.5g/L〜約6g/L、約1g/L〜約6g/L、約1.5g/L〜約6g/L、約2g/L〜約6g/L、約2.5g/L〜約6g/L、約3g/L〜約6g/L、約3.5g/L〜約6g/L、約4g/L〜約6g/L、約4.5g/L〜約6g/L、約5g/L〜約6g/L、約0.5g/L〜約5g/L、約1g/L〜約5g/L、約1.5g/L〜約5g/L、約2g/L〜約5g/L、約2.5g/L〜約5g/L、約3g/L〜約5g/L、約3.5g/L〜約5g/L、約4g/L〜約5g/L、約4.5g/L〜約5g/L、約0.5g/L〜約4g/L、約1g/L〜約4g/L、約1.5g/L〜約4g/L、約2g/L〜約4g/L、約2.5g/L〜約4g/L、約3g/L〜約4g/L、約0.5g/L〜約3g/L、約1g/L〜約3g/L、約1.5g/L〜約3g/L、約2g/L〜約3g/L、約0.5g/L〜約2g/L、約1g/L〜約2g/L、または約0.5g/L〜約1g/Lである。
【0215】
実施形態において、対象のポリペプチドはhPTHであり、細胞質に向けられる組み換え型融合タンパク質の収量は、約0.5g/L〜約2.4g/Lである。
【0216】
実施形態において、対象のポリペプチドはhPTHであり、周辺質に向けられる組み換え型融合タンパク質の収量は、1リットル当たり約0.5グラム〜1リットル当たり約6.7グラムである。
【0217】
<対象のポリペプチドの収量>
実施形態において、対象のポリペプチドは、リンカー内のプロテアーゼ切断により、完全な組み換え型融合タンパク質から放出される。実施形態において、プロテアーゼによる切断後に得られる対象のポリペプチドは、適切に放出された対象のポリペプチドである。実施形態において、適切に放出されたタンパク質の測定に基づく、または、合計の融合タンパク質に対する対象のポリペプチドの既知の比率に基づき計算された、対象のポリペプチドの収量は、1リットル当たり約0.7グラム〜1リットル当たり約25.0グラムである。実施形態において、対象のポリペプチドの収量は、0.5mL〜100L、0.5mL、50mL、100mL、1L、2L、またはそれより大きな規模で、約0.5g/L(500mg/L)、約1g/L、約1.5g/L、約2g/L、約2.5g/L、約3g/L、約3.5g/L、約4g/L、約4.5g/L、約5g/L、約6g/L、約7g/L、約8g/L、約9g/L、約10g/L、約11g/L、約12g/L、約13g/L、約14g/L、約15g/L、約16g/L、約17g/L、約18g/L、約19g/L、約20g/L、約21g/L、約22g/L、約23g/L、約24g/L、約25g/L、約0.5g/L〜約23g/L、約1g/L〜約23g/L、約1.5g/L〜約23g/L、約2g/L〜約23g/L、約2.5g/L〜約23g/L、約3g/L〜約23g/L、約3.5g/L〜約23g/L、約4g/L〜約23g/L、約4.5g/L〜約23g/L、約5g/L〜約23g/L、約6g/L〜約23g/L、約7g/L〜約23g/L、約8g/L〜約23g/L、約9g/L〜約23g/L、約10g/L〜約23g/L、約15g/L〜約23g/L、約20g/L〜約23g/L、約0.5g/L〜約20g/L、約1g/L〜約20g/L、約1.5g/L〜約20g/L、約2g/L〜約20g/L、約2.5g/L〜約20g/L、約3g/L〜約20g/L、約3.5g/L〜約20g/L、約4g/L〜約20g/L、約4.5g/L〜約20g/L、約5g/L〜約20g/L、約6g/L〜約20g/L、約7g/L〜約20g/L、約8g/L〜約20g/L、約9g/L〜約20g/L、約10g/L〜約20g/L、約15g/L〜約20g/L、約0.5g/L、約15g/L、約1g/L、約15g/L、約1.5g/L、約15g/L、約2g/L〜約15g/L、約2.5g/L〜約15g/L、約3g/L〜約15g/L、約3.5g/L〜約15g/L、約4g/L〜約15g/L、約4.5g/L〜約15g/L、約5g/L〜約15g/L、約6g/L〜約15g/L、約7g/L〜約15g/L、約8g/L〜約15g/L、約9g/L〜約15g/L、約10g/L〜約15g/L、約0.5g/L〜約12g/L、約1g/L〜約12g/L、約1.5g/L〜約12g/L、約2g/L〜約12g/L、約2.5g/L〜約12g/L、約3g/L〜約12g/L、約3.5g/L〜約12g/L、約4g/L〜約12g/L、約4.5g/L〜約12g/L、約5g/L〜約12g/L、約6g/L〜約12g/L、約7g/L〜約12g/L、約8g/L〜約12g/L、約9g/L〜約12g/L、約10g/L〜約12g/L、約0.5g/L〜約10g/L、約1g/L〜約10g/L、約1.5g/L〜約10g/L、約2g/L〜約10g/L、約2.5g/L〜約10g/L、約3g/L〜約10g/L、約3.5g/L〜約10g/L、約4g/L〜約10g/L、約4.5g/L〜約10g/L、約5g/L〜約10g/L、約6g/L〜約10g/L、約7g/L〜約10g/L、約8g/L〜約10g/L、約9g/L〜約10g/L、約0.5g/L〜約9g/L、約1g/L〜約9g/L、約1.5g/L〜約9g/L、約2g/L〜約9g/L、約2.5g/L〜約9g/L、約3g/L〜約9g/L、約3.5g/L〜約9g/L、約4g/L〜約9g/L、約4.5g/L〜約9g/L、約5g/L〜約9g/L、約6g/L〜約9g/L、約7g/L〜約9g/L、約8g/L〜約9g/L、約0.5g/L〜約8g/L、約1g/L〜約8g/L、約1.5g/L〜約8g/L、約2g/L〜約8g/L、約2.5g/L〜約8g/L、約3g/L〜約8g/L、約3.5g/L〜約8g/L、約4g/L〜約8g/L、約4.5g/L〜約8g/L、約5g/L〜約8g/L、約6g/L〜約8g/L、約7g/L〜約8g/L、約0.5g/L〜約7g/L、約1g/L〜約7g/L、約1.5g/L〜約7g/L、約2g/L〜約7g/L、約2.5g/L〜約7g/L、約3g/L〜約7g/L、約3.5g/L〜約7g/L、約4g/L〜約7g/L、約4.5g/L〜約7g/L、約5g/L〜約7g/L、約6g/L〜約7g/L、約0.5g/L〜約6g/L、約1g/L〜約6g/L、約1.5g/L〜約6g/L、約2g/L〜約6g/L、約2.5g/L〜約6g/L、約3g/L〜約6g/L、約3.5g/L〜約6g/L、約4g/L〜約6g/L、約4.5g/L〜約6g/L、約5g/L〜約6g/L、約0.5g/L〜約5g/L、約1g/L〜約5g/L、約1.5g/L〜約5g/L、約2g/L〜約5g/L、約2.5g/L〜約5g/L、約3g/L〜約5g/L、約3.5g/L〜約5g/L、約4g/L〜約5g/L、約4.5g/L〜約5g/L、約0.5g/L〜約4g/L、約1g/L〜約4g/L、約1.5g/L〜約4g/L、約2g/L〜約4g/L、約2.5g/L〜約4g/L、約3g/L〜約4g/L、約0.5g/L〜約3g/L、約1g/L〜約3g/L、約1.5g/L〜約3g/L、約2g/L〜約3g/L、約0.5g/L〜約2g/L、約1g/L〜約2g/L、または約0.5g/L〜約1g/Lである。
【0218】
実施形態において、hPTHは、N末端融合パートナー、および表8に記載されるようなhPTH構築物を持つ、融合タンパク質として生成される。実施形態において、hPTH融合タンパク質の発現は、0.5mL〜100L、0.5mL、50mL、100mL、1L、2L、またはそれより大きな規模で、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも550、少なくとも600、少なくとも650、または少なくとも1000mg/Lの合計のhPTH融合タンパク質を生成する。
【0219】
実施形態において、プロインスリン、例えばインスリンアナログ(例えばグラルギン)のためのプロインスリンは、N末端融合パートナー、および表19に記載されるようなCペプチド配列を含むプロインスリン構築物を持つ、プロインスリン融合タンパク質として生成される。実施形態において、本発明の方法によるプロインスリン融合タンパク質の発現は、適切に放出される場合に測定されるまたは融合タンパク質のその既知の比率に基づき計算されるように、0.5mL〜100L、0.5mL、50mL、100mL、1L、2L、またはそれより大きな規模で、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約110、少なくとも約120、少なくとも約130、少なくとも約140、少なくとも約150、少なくとも約200、または少なくとも約250mg/Lの可溶性プロインスリンを生成する。
【0220】
実施形態において、本発明の方法によるプロインスリン融合タンパク質の発現は、適切に放出される場合に測定されるまたは融合タンパク質のその既知の比率に基づき計算されるように、0.5mL〜100L、0.5mL、50mL、100mL、1L、2L、またはそれより大きな規模で、約10〜約500、約15〜約500、約20〜約500、約30〜約500、約40〜約500、約50〜約500、約60〜約500、約70〜約500、約80〜約500、約90〜約500、約100〜約500、約200〜約500、約10〜約400、約15〜約400、約20〜約400、約30〜約400、約40〜約400、約50〜約400、約60〜約400、約70〜約400、約80〜約400、約90〜約400、約100〜約400、約200〜約400、約10〜約300、約15〜約300、約20〜約300、約30〜約300、約40〜約300、約50〜約300、約60〜約300、約70〜約300、約80〜約300、約90〜約300、約100〜約300、約200〜約300、約10〜約250、約15〜約250、約20〜約250、約30〜約250、約40〜約250、約50〜約250、約60〜約250、約70〜約250、約80〜約250、約90〜約250、約100〜約250、約10〜約200、約15〜約200、約20〜約200、約30〜約200、約40〜約200、約50〜約200、約60〜約200、約70〜約200、約80〜約200、約90〜約200、または約100〜約200mg/Lの可溶性プロインスリンを生成する。
【0221】
実施形態において、プロインスリン融合タンパク質の発現は、少なくとも約100、少なくとも約125、少なくとも約150、少なくとも約175、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500、少なくとも約550、少なくとも約600、少なくとも約650、または少なくとも約1000mg/Lの合計の可溶性および不溶性のプロインスリンを生成する。実施形態において、プロインスリン融合タンパク質の発現は、0.5mL〜100L、0.5mL、50mL、100mL、1L、2L、またはそれより大きな規模で、約100〜約2000mg/L、約100〜約1500mg/L、約100〜約1000mg/L、約100〜約900mg/L、約100〜約800mg/L、約100〜約700mg/L、約100〜約600mg/L、約100〜約500mg/L、約100〜約400mg/L、約200〜約2000mg/L、約200〜約1500mg/L、約200〜約1000mg/L、約200〜約900mg/L、約200〜約800mg/L、約200〜約700mg/L、約200〜約600mg/L、約200〜約500mg/L、約300〜約2000mg/L、約300〜約1500mg/L、約300〜約1000mg/L、約300〜約900mg/L、約300〜約800mg/L、約300〜約700mg/L、または約300〜約600mg/Lの合計の可溶性および不溶性のプロインスリンを生成する。実施形態において、プロインスリンは、Cペプチドを放出し且つ成熟したインスリンを生成するために切断される。実施形態において、プロインスリン融合タンパク質の発現は、適切に放出される場合に測定されるまたは融合タンパク質のその既知の比率に基づき計算されるように、0.5mL〜100L、0.5mL、50mL、100mL、1L、2L、またはそれより大きな規模で、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、約100〜約2000mg/L、約200〜約2000mg/L、約300〜約2000mg/L、約400〜約2000mg/L、約500〜約2000mg/L、約100〜約1000mg/L、約200〜約1000mg/L、約300〜約1000mg/L、約400〜約1000mg/L、約500〜約1000mg/Lの成熟したインスリンを生成する。
【0222】
実施形態において、GCSFは、N末端融合パートナー、および表21に記載されるような構築物を持つ、GCSF融合タンパク質として生成される。実施形態において、本発明の方法によるGCSF融合の発現は、適切に放出される場合に測定されるまたは融合タンパク質のその既知の比率に基づき計算されるように、0.5mL〜100L、0.5mL、50mL、100mL、1L、2L、またはそれより大きな規模で、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、または少なくとも1000、約100〜約1000、約200〜約1000、約300〜約1000、約400〜約1000、または約500〜約1000mg/Lの可溶性GCSFを生成する。実施形態において、本発明の方法によるGCSF融合の発現は、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、または少なくとも1000mg/Lの可溶性GCSFを生成する。実施形態において、GCSF融合の発現は、0.5mL〜100L、0.5mL、50mL、100mL、1L、2L、またはそれより大きな規模で、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも550、少なくとも600、少なくとも650、少なくとも700、少なくとも850、少なくとも550、少なくとも600、少なくとも650、約100〜約1000、約200〜約1000、約300〜約1000、約400〜約1000、または約500〜約1000mg/Lの合計の可溶性および不溶性のGCSFを生成する。
【0223】
実施形態において、生成された組み換え型融合タンパク質の量は、合計の細胞タンパク質の約1%〜約75%である。特定の実施形態において、組み換え型融合タンパク質の量は、合計の細胞タンパク質の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約1%〜約5%、約1%〜約10%、約1%〜約20%、約1%〜約30%、約1%〜約40%、約1%〜約50%、約1%〜約60%、約1%〜約75%、約2%〜約5%、約2%〜約10%、約2%〜約20%、約2%〜約30%、約2%〜約40%、約2%〜約50%、約2%〜約60%、約2%〜約75%、約3%〜約5%、約3%〜約10%、約3%〜約20%、約3%〜約30%、約3%〜約40%、約3%〜約50%、約3%〜約60%、約3%〜約75%、約4%〜約10%、約4%〜約20%、約4%〜約30%、約4%〜約40%、約4%〜約50%、約4%〜約60%、約4%〜約75%、約5%〜約10%、約5%〜約20%、約5%〜約30%、約5%〜約40%、約5%〜約50%、約5%〜約60%、約5%〜約75%、約10%〜約20%、約10%〜約30%、約10%〜約40%、約10%〜約50%、約10%〜約60%、約10%〜約75%、約20%〜約30%、約20%〜約40%、約20%〜約50%、約20%〜約60%、約20%〜約75%、約30%〜約40%、約30%〜約50%、約30%〜約60%、約30%〜約75%、約40%〜約50%、約40%〜約60%、約40%〜約75%、約50%〜約60%、約50%〜約75%、約60%〜約75%、または約70%〜約75%である。
【0224】
<可溶性および活性>
タンパク質の「可溶性」および「活性」は、性質に関連するものであるが、通常は異なる方法によって判定される。タンパク質、特に疎水性タンパク質の可溶性は、疎水性アミノ酸残基がフォールドされたタンパク質の外部に誤って位置付けられることを示す。当業者により対象のポリペプチドに適切であると判定されるような方法を使用して評価され得る、タンパク質活性は、適切なタンパク質構造の別の指標である。本明細書で使用されるように、「可溶性の、活性な、またはその両方」は、当業者に既知の方法により、可溶性であり、活性であり、または可溶性且つ活性であると判定されるタンパク質を指す。
【0225】
通常、アミノ酸配列に関して、用語「修飾」は、置換、挿入、伸長、欠失、および誘導体化を、単独でまたは組み合わせて含んでいる。実施形態において、組み換え型融合タンパク質は、「非必須」アミノ酸残基の1以上の修飾を含み得る。この文脈において、「非必須」アミノ酸残基は、組み換え型融合タンパク質の活性(例えばアゴニスト活性)を無くすまたは実質的に減少させることなく、新規のアミノ酸配列において変更、例えば削除または置換され得る残基である。一例として、組み換え型融合タンパク質は、連続的な様式で、または組み換え型融合タンパク質分子の全体で間隔をおいて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の置換を含み得る。単独で、または置換と組み合わせて、組み換え型融合タンパク質は、再度、連続的な様式で、または組み換え型融合タンパク質分子の全体で間隔をおいて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の挿入を含み得る。組み換え型融合タンパク質はまた、単独で、または置換および/または挿入と組み合わせて、再度、連続的な様式で、または組み換え型融合タンパク質分子の全体で間隔をおいて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の欠失を含み得る。組み換え型融合タンパク質はまた、単独で、または置換、挿入、および/または欠失と組み合わせて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のアミノ酸付加を含み得る。
【0226】
置換は、保存的アミノ酸置換を含む。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、同様の側鎖または物理化学的特性(例えば、静電気的な、水素結合の、同配体の(isosteric)、疎水性の特徴)を有するアミノ酸残基と置き換えられるものである。アミノ酸は、自然に生じるか、または非天然(normatural)(非天然)であり得る。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野で既知である。これらのファミリーは、塩基性の側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性の側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電の極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、メチオニン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン)、β−分枝側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む、アミノ酸を含んでいる。置換はまた、非保存的変化を含み得る。
【0227】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され且つ記載されてきた一方で、このような実施形態がほんの一例として提供されることは、当業者に明白であろう。多数の変形、変化、および置換は、本発明から逸脱することなく、当業者によって現在想到される。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびその同等物の範囲内の方法および構造は、それにより包含されることが、意図されている。
【実施例】
【0228】
<実施例I:hPTH 1−34融合を発現する株の高スループットスクリーニング>
この研究を、N末端融合パートナーとしてDNAJ様タンパク質、FklB、またはFrnEを含むhPTH 1−34融合タンパク質を発現する、P.fluorescens株により生成された組み換え型タンパク質のレベルを試験するために行った。
【0229】
<材料および方法>
PTH 1−34融合タンパク質発現プラスミドの構築:DNA2.0、遺伝子設計、および合成サービス(Menlo Park, CA)を使用して、PTH 1−34融合タンパク質をコードする遺伝子断片を合成した。各遺伝子断片は、PTH 1−34のためのコード配列と融合される、P.fluorescensのフォールディングモジュレーター(DnaJ様タンパク質、FklB、またはFrnE)、およびリンカーを含んでいた。各遺伝子断片はまた、制限酵素SpeIおよびXhoIのための認識配列、「Hi」リボソーム結合部位、および、コード配列と3つの停止コドンの上流に添加されるリボソーム結合部位および制限部位(SEQ ID NO:58)を含む18の塩基対スペーサーを含んでいた。これらPTH 1−34融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を、SEQ ID NOS:52−57として提供する。
【0230】
(表6に列挙される)発現プラスミドp708−004、−005および−006を生成するために、PTH 1−34融合タンパク質の遺伝子断片を、SpeIとXhoIの制限酵素を用いて消化し、そして、pTacプロモーターおよびrrnT1T2の転写ターミネーターを含む発現ベクターpDOW1169にサブクローン化した。pDOW1169は、文献、例えば米国特許出願公開第7,833,752号、そして共に本明細書において参照により組み込まれる“Bacterial Leader Sequences for Increased Expression”、およびSchneider et al., 2005, “Auxotrophic markers pyrF and proC can replace antibiotic markers on protein production plasmids in high−cell−density Pseudomonas fluorescens fermentation,” Biotechnol. Progress 21(2): 343−8に記載されている。プラスミドを、コンピテントなP.fluorescens DC454の宿主細胞(pyrF lsc::lacI
Q1)に電気穿孔した。
【0231】
【表6】
【0232】
DNA配列決定:融合タンパク質発現プラスミドにおけるクローン化断片の存在を、BigDye(登録商標)Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems, 4337455)を使用するDNA配列決定により確認した。分析されるプラスミドDNAの50fmolを含有するDNA配列決定反応を、1μLの配列決定の事前の混合物(premix)、0.5μLの100μMプライマー貯蔵溶液、3.5μLの配列決定緩衝液、および20μLの最終容量に加えられる水を混合することにより、調製した。結果を集め、Sequencher(商標)ソフトウェア(Gene Codes)を使用して分析した。
【0233】
96ウェルのフォーマット(HTP)における増殖と発現:融合タンパク質発現プラスミドを、アレイフォーマットにおいてP.fluorescensの宿主株に形質転換した。35μLのP.fluorescensのコンピテント細胞と10μLの容量のプラスミドDNA(2.5ng)の混合により、形質転換反応を始めた。混合物の25μLのアリコートを、96−マルチ−ウェルのNucleovette(登録商標)プレート(Lonza)に移した。Nucleofector(商標)96ウェルのShuttle(商標)システム(Lonza AG)を使用して電気穿孔を行い、次に電気穿孔した細胞を、1%のグルコース培地を補足した500μLのM9塩、および微量元素を含有する、新鮮な96−ウェルディープウェルプレートに移した。48時間振盪させながらプレートを30℃でインキュベートして、種培養物を生成した。
【0234】
種培養物の10μLのアリコートを、複製して(in duplicate)96ウェルディープウェルプレートに移した。各ウェルは、微量元素と5%のグリセロールを補足した、500μLのHTP−YE培地(Teknova)を含有していた。グリセロールを補足したHTP培地に蒔かれる種培養物を、24時間振盪機の中、30℃でインキュベートした。イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)を、0.3mMの終末濃度で各ウェルに加えて、PTH 1−34融合タンパク質の発現を誘導した。プラスミドを過剰発現するフォールディングモジュレーター(表4を参照)を含む株について、IPTGを1%の終末濃度でマンニトール(Sigma,M1902)を補足して、フォールディングモジュレーターの発現を誘導した。加えて、250units/μのLストック(stock)のBenzonase(Novagen,70746−3)の0.01μLを誘導時にウェルごとに加えて、培養物の粘性のためにポテンシャルを減少させた。誘導の24時間後、600nmで光学密度(OD600)を測定することにより細胞密度を計算した。次に細胞を集め、400μLの最終容量まで1Xのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1:3に希釈して、後の処理のために凍結した。
【0235】
分析的特徴づけのための可溶性溶解物サンプルの調製:集めた細胞サンプルを希釈し、24のプローブチップホーンを用いるCell Lysis Automated Sonication System (CLASS, Scinomix)による超音波処理により溶解させた。溶解物を8℃で15分間、5,500xgで遠心分離した。上清を集めて、可溶性画分として標識化した。ペレットを集め、超音波処理を更にもう1回行うことで400μLの1X PBS pH7.4の中で再懸濁し、不溶性画分として標識化した。
【0236】
SDS−CGE分析:可溶性および不溶性の画分を、HT Protein Express v2チップおよび対応する試薬(それぞれ部品番号760499と760328、Caliper LifeSciences)と共にLabChip GXIIの器具(Caliper LifeSciences)を使用して、HTPマイクロチップSDSキャピラリーゲル電気泳動により分析した。サンプルを、製造業者のプロトコル(Protein User Guide Document No.450589, Rev.3)に従い調製した。簡潔に、可溶性または不溶性画分のサンプルの何れかの4μLのアリコートを、96ウェルのポリプロピレン円錐状ウェルのPCRプレートの中にジチオトレイトール(DTT)還元剤を用いてまたは用いずに、14μLの緩衝液と混合し、95℃で5分間加熱し、70μLの脱イオン水で希釈した。融合タンパク質発現プラスミドにより形質転換しなかったヌルの宿主株からに溶解物を、試験サンプルと平行し制御として実行し、システム内部標準を使用して定量化した。
【0237】
振盪フラスコ発現:評価されている融合タンパク質発現株の各々に関する種培養物をM9 Glucose(Teknova)の中で増殖させ、中間の培養物を生成し、各中間の培養物の5mLを使用して、250mLのHTP培地(Teknova 3H1129)を含有する、4つの1リットルのバッフル底フラスコの各々を播種した。30℃で24時間の増殖させた後、培養物を0.3mMのIPTGと1%のマンニトールで誘導し、30℃で更に24時間インキュベートした。その後、振盪フラスコの培養液を遠心分離して細胞を集め、集めた細胞ペーストをこの先の使用のために凍結した。
【0238】
機械的な放出および精製:5グラムまたは10グラムの量の凍結した細胞ペーストを溶かし、3XのPBS、5%のグリセロール、50mMのイミダゾール pH7.4の中で再懸濁して、それぞれ50mLまたは100mLの最終容量を調製した。次に懸濁液を、15,000psiで微細流動装置(Microfluidics, Inc., model M 110Y)に2回通して均質化した。溶解物を30分間、12,000xgで遠心分離して、Sartorius Sartobran 150(0.45/0.2μm)のフィルターカプセルに通して濾過した。
【0239】
クロマトグラフィー:Frac−950フラクションコレクターを備えたAeKTA explorer 100のクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare)を使用して、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)の操作を行った。HTP発現培養液から調製された可溶性画分サンプルを、3XのPBS、5%のグリセロール、50mMのイミダゾール pH7.4により予め平衡化した5mLのHisTrap FF 5カラム(GE Healthcare、部品番号17−5248−02)に積んだ。4のカラム容量の平衡緩衝液でカラムを洗浄し、そして、10のカラム容量の溶出緩衝液を使用し、50mM〜200mMのイミダゾールの直線濃度勾配を適用して、HisTrapカラムから融合タンパク質を溶出した。全プロセスを、1.5分の滞留時間に等しい100cm/hで行った。上述のSDS−CGE分析法を使用し、SDS−CGEにより精製画分を分析した。
【0240】
エンテロキナーゼ切断:7000の分画分子量(MWCO)Slide−A−Lyzerカセット(Pierce)を使用して2mMのCaCl
2で捕捉された1XのPBS pH7.4に対して、4℃で一晩、融合タンパク質を含有する精製画分の透析により、サンプルの第1のセットを調製した。透析したサンプルを、約1mg/mLの濃度に維持した。融合タンパク質を含有する精製画分を水で2Xに希釈することにより、サンプルの第2のセットを調製し、0.5mg/mLの濃度で1.5XのPBS、2.5%のグリセロール、および〜30−70mMのイミダゾールを含む緩衝液の中に貯蔵した。ブタのエンテロキナーゼ(Sigma E0632−1.5KU)の貯蔵溶液を、5Xまたは20Xの希釈(それぞれ40μg/mLと10μg/mLのエンテロキナーゼ濃度に相当する)の何れかにおいてサンプルに加えた。CaCl
2も2mMの終末濃度に加えて、反応混合物を室温で一晩インキュベートした。
【0241】
液体クロマトグラフィー−質量分析:オートサンプラー、カラムヒーター、およびUV検出器を備えたAgilent 1100 HPLCに接続された、エレクトロスプレーインターフェース(ESI)を備えるQ−ToF
micro質量分析計(Waters)を、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)のために使用した。2.1mmのIDの内部径、150mmの長さ、5μmの粒径、および300Åの孔径(Agilent、カタログ番号883750−905)を持つ、CN−逆相カラムを、ガードカラム(Agilent、カタログ番号820950−923)と共に使用した。HPLCを50℃の温度で行ない、流速を2℃で維持した。HPLC緩衝液は、0.1%のギ酸(移動相A)、および0.1%のギ酸を含む90%のアセトニトリル(移動相B)であった。約4μgの融合タンパク質サンプルをHPLCカラムに積んだ。HPLC実行条件を、サンプルを積める間に95%の移動相Aに設定した。表7に例示した逆相勾配を使用して融合タンパク質を溶出した。
【0242】
【表7】
【0243】
MSの前に、UV吸光度スペクトルを180nmから500nmまで集めた。ESI−MSのソースを、2.5kVのポジティブモードで使用した。毎秒2つのスキャンで600−2600m/zの範囲を使用してMSスキャンを行った。MassLynxソフトウェア(Waters)を使用してMSとUVのデータを分析した。UVクロマトグラム、およびMSの合計のイオン電流(TIC)クロマトグラムを生成した。標的ピークのMSスペクトルを合計した。2,800−6,000の分子量範囲(PTH 1−34に関するものであり、4118kDaの理論的な分子量、および融合タンパク質またはN末端融合パートナーのためのより高い窓を有している)、1つのチャネルにつき1Daの分解能、および0.25Daのガウス幅について、MaxEnt 1(Waters)スキャンを使用して、これらスペクトルをデコンボリューションした。
【0244】
<結果>
PTH 1−34遺伝子融合フラグメントの設計:PTH 1−34融合タンパク質の高レベル発現を促進するために、P.fluorescensからの3つのフォールディングモジュレーター、即ちDnaJ様タンパク質(SEQ ID NO:2、細胞質シャペロン)、FrnE(SEQ ID NO:3、細胞質PPIase)、およびFklB(SEQ ID NO:4、周辺質PIase)を、高い可溶性発現、25kDa未満の分子量、およびPTH 1−34(8.52の等電位点(pI)を持つ)のものと著しく異なる等電位点(pI)に基づいて選択する。フォールディングモジュレーターの特徴を表8に示す。表8に示されるように、DnaJ様タンパク質、FklB、およびFrnEのpIを、4.6と4.8の間で、PTH 1−34のものから十分に分離した。これにより、イオン交換による即座の分離が可能となった。更に融合タンパク質の精製を支援するために、ヘキサ−ヒスチジンタグをリンカーの中に含めた。リンカーはまた、対象の所望のPTH 1−34ポリペプチドからのN末端融合パートナーの分離を促進するために、エンテロキナーゼ切断部位(DDDDK)を含んでいた。PTH 1−34融合タンパク質のためのアミノ酸配列を、
図2A(DnaJ様タンパク質−PTH、SEQ ID NO:45)、2B(FklB−PTH、SEQ ID NO:46)、および2C(FrnE−PTH、SEQ ID NO:47)に示す。リンカーに相当するアミノ酸を強調し、PTH 1−34に相当するものを、
図2A、BおよびCにおいてイタリック体で表示する。
【0245】
【表8】
【0246】
PTH融合発現ベクターおよびHTP発現の構築:表6に列挙される3つのPTH融合タンパク質の各々をコードする合成遺伝子フラグメントを、DNA2.0により合成した。合成遺伝子フラグメントをSpeIおよびXhoIにより消化し、pDOW1169(同じ酵素により消化される)にライゲートして、発現プラスミドp708−004、p708−005、およびp708−006を生成した。挿入物の確認後、プラスミドを使用して、多くのP.fluorescens宿主株を電気穿孔し、表4に列挙される発現株を生成した。結果として生じる形質転換された株を増殖させ、材料および方法に記載した手順に従いIPTGおよびマンニトールにより誘導させた。誘導後、細胞を集め、超音波処理し、遠心分離して、可溶性および不溶性の画分を分離した。可溶性および不溶性の画分を集めた。減少されたSDS−CGEを使用して可溶性および不溶性の画分を分析し、PTH 1−34融合タンパク質発現レベルを測定した。3つのPTH 1−34融合タンパク質の各々のための2つの高HTP発現株を含む、合計6つの株を、振盪フラスコ発現のために選択した。振盪フラスコ発現方法を使用してスクリーンした株を、表9に列挙する。
【0247】
振盪フラスコ発現:6つの株の各々を増殖させ、材料および方法(振盪フラスコ発現)のセクションに記載されるような250mLの培養物の規模(各々4×250mLの培養物)で誘導した。誘導後、各培養物(全体の細胞培養液、WCB)からのサンプルを保持し、サンプルの亜群をPBSで3Xに希釈し、超音波処理し、遠心分離して、可溶性および不溶性の画分を生成した。各培養物の残部を遠心分離して、細胞ペーストおよび上清無細胞培養液(supernatant cell free broth)(CFB)を生成した。細胞ペーストを精製のために保持した。WCB、CFB、および可溶性画分を、減少されたSDS−CGEにより評価した(
図3)。
【0248】
融合タンパク質(DnaJ様タンパク質−PTH融合については約14kDa、およびFrnE−PTHとFklB−PTH融合については約26kDaの分子量に相当する結合)を、WCBおよび可溶性画分において観察し、融合タンパク質はCFBにおいては観察されなかった。STR35984、STR36085、およびSTR36169のための振盪フラスコの発現力価は、HTPの発現力価の50%である一方、株STR35970、STR36034、およびSTR36150のための振盪フラスコの発現力価は、HTP規模で観察されたものの70−100%であった。HTPおよび振盪フラスコの発現力価を表9に列挙する。
【0249】
【表9】
【0250】
PTH融合タンパク質を単離するための、HTPおよび振盪フラスコの規模において増殖されるPTH融合タンパク質発現株のIMAC精製:6つの株の細胞ペーストを、機械的な溶解およびIMAC精製にさらした。実行された精製はそれぞれ、非常に豊富な画分を結果としてもたらした。DnaJ様タンパク質−PTH発現株STR35970に由来するピーク画分は60−80%純粋であり、FklB−PTH発現株STR36034由来のものは60−90%純粋であり、FrnE−PTH発現株STR36150由来のものは90−95%純粋であった。
【0251】
PTH融合タンパク質のエンテロキナーゼ切断:融合タンパク質を含有する、IMAC精製の実行からの非常に純粋な濃縮画分を、エンテロキナーゼ切断反応のために選択して、PTH 1−34からN末端融合パートナーが切断され得ることを確認した。ブタ由来のエンテロキナーゼを研究のために使用した。対象である4kDaのPTH 1−34ポリペプチドはSDS−CGEにより容易に検出可能であるため、DnaJ様タンパク質−PTH融合タンパク質については14kDaから10kDa、およびFklB−PTHおよびFrnE−PTH融合タンパク質については26kDaから22kDaの融合タンパク質の合計の分子量推移を、エンテロキナーゼ切断の証拠として認めた。40μg/mLまたは10μg/mLのエンテロキナーゼの何れかでサンプルを一晩処理した。エンテロキナーゼの処理後、サンプルをSDS−CGEにより分析した。切断していないサンプル(レーン1−6)と比較して、MWにおける推移によって
図4に示されるように、40μg/mLのエンテロキナーゼが使用された場合にPTH 1−34からの融合パートナーの完全切断を観察し(レーン7−12)、10μg/mLのエンテロキナーゼが使用された場合には部分切断を観察した(レーン13−18)。
【0252】
エンテロキナーゼ切断後のPTH融合タンパク質のインタクト質量分析:株STR35970から精製されたDnaJ様タンパク質−PTH融合タンパク質を、付加的なエンテロキナーゼ切断実験およびインタクト質量分析のために使用した。STR35970に由来する、DnaJ様タンパク質−PTH融合タンパク質を含有する精製画分を、室温で1〜3時間、ブタのエンテロキナーゼでインキュベートし、その直後にインタクト質量分析を行った。
図5に示されるように、C末端PTH 1−34ポリペプチドを検出した。インタクト質量分析の詳細を表10に要約する。完全長のPTH 1−34に加えて、5または8のアミノ酸のN末端欠失に相当するフラグメントも検出した。観察されたタンパク質分解はおそらく、宿主細胞タンパク質の汚染物質、またはブタのエンテロキナーゼ調製における汚染物質によるものであった。組み換え型エンテロキナーゼも使用することができ、それにより同様の工程を介して切断を評価することができる。観察された理論的な分子量(MW)を、インタクト質量分析により検出された主要な種のために表10に示す。切断していない融合タンパク質の保持時間は、1〜3時間にわたりエンテロキナーゼ切断にさらされた融合タンパク質について27分の平均保持時間と比較して、約33分であった。
【0253】
【表10】
【0254】
<実施例II.PTH 1−34融合タンパク質の大規模な発酵と発現>
実施例Iに記載されるPTH 1−34融合タンパク質を更に、P.fluorescensにおける大規模発現について評価して、PTH 1−34の大規模製造について高生産性の発現株を識別した。この研究においてスクリーンされたP.fluorescens株は、表11と12に列挙される、DnaJ様タンパク質−PTH融合発現株STR35970、STR35984、STR35949、STR36005、STR35985、FklB−PTH融合タンパク質発現株、STR36034、STR36085、STR36098、およびFrnE−PTH融合タンパク質発現株、STR36150、STR36169であった。
【0255】
【表11】
【0256】
【表12】
【0257】
<材料および方法>
MBR発酵:酵母抽出物で補足された培地を含有する振盪フラスコを、選択された株の凍結した培養物のストックで播種した。ミニバイオリアクター(MBR)について、酵母抽出物で補足された化学的特定培地50mLを含有する250mLの振盪フラスコを使用した。振盪フラスコ培養物を30℃で振盪させることで、16〜24時間インキュベートした。振盪フラスコ培養物からのアリコートを使用し、MBR(Pall Micro−24)に播種した。pH、温度、および溶解酸素のための制御条件下で、使い捨てのミニバイオリアクターカセットの各10mLのウェルにおいて、4mLの容量でMBR培養物を操作した。培地に含まれる初期量のグリセロールが消耗した時、培養物をIPTGで誘導した。発酵は16時間持続し、サンプルを分析のために集めて、凍結させた。
【0258】
CBR発酵:酵母抽出物およびグリセロールを補足した化学的特定培地600mLを含有する振盪フラスコを、選択された株の凍結された培養物ストックで播種することにより、1リットルのCBR(従来のバイオリアクター)発酵槽培養物のための接種材料を生成した。32℃での振盪による16〜24時間のインキュベーションの後、次いで各振盪フラスコ培養物からの等しいアリコートを、2リットルのバイオリアクター(1リットルの作業容量)を含む8ユニットの多重醗酵システムの各々に無菌で移した。流加高細胞密度の発酵プロセスは、一旦培養物が標的光学密度に到達した場合にIPTGの添加により開始される、増殖相、その後誘導相から成っていた。
【0259】
発酵の誘導相は8時間進むことが可能となり、分析サンプルを発酵槽から回収して、575nm(OD
575)で細胞密度を判定した。分析サンプルを後の分析のために凍結して、融合タンパク質発現のレベルを判定した。8時間の誘導が完了した後、各容器の全体の発酵培養液(2Lのバイオリアクターにつき約0.8Lの培養液)を、60〜90分間にわたり、15,900xgでの遠心分離により集めた。細胞ペーストおよび上清を分離して、ペーストを−80℃で凍結した。
【0260】
機械的な均質化および精製:上述のようなCBR発酵プロセスから得られた凍結の細胞ペースト(20g)を溶かして、20mMのリン酸ナトリウム、5%のグリセロール、500mMの塩化ナトリウム、20mMのイミダゾール pH7.4の中で再懸濁した。懸濁液の最終容量を調整して、固形物の濃度が確実に20%になるようにした。次に材料を、15,000psiで微細流動装置(Microfluidics, Inc., model M 110Y)に2回通して均質化した。溶解物を30分間、12,000×gで遠心分離して、Sartorius Sartobran 150(0.45/0.2μm)のフィルターカプセルに通して濾過した。
【0261】
クロマトグラフィー:Frac−950フラクションコレクターを備えたAeKTA explorer 100のクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare)を使用して、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)の操作を行った。HisTrap FF、10mLカラム(連続して接続される2つの5mLのHisTrap FFカートリッジ[GE Healthcare、部品番号17−5255−01])にサンプルを積んで、洗浄して、0mM〜200mMまでイミダゾール濃度を変えることにより溶出緩衝液の10のカラム容量直線濃度勾配を使用して溶出した。2ミリリットルの容量画分を集めた。
【0262】
Nickel IMAC(GE Healthcare、部品番号17−5318−01)を使用して、固定化金属イオン親和性クロマトグラフィー(IMAC)精製を行った。CBR発酵の後に集められた分析サンプルを、可溶性および不溶性の画分に分離した。可溶性画分の600μLのアリコートを、室温でロッカー(rocker)上で1時間、100μLのIMAC樹脂でインキュベートし、12,000xgで1分間遠心分離して、樹脂をペレット状にした。上清を除去し、通過画分として標識化した。その後、20mMのリン酸ナトリウム pH7.3、500mMのNaCl、5%のグリセロール、および20mMのイミダゾールを含有する洗浄緩衝液1mLで3回、樹脂を洗浄した。3回の洗浄後、400mMのイミダゾールを含有する洗浄緩衝液200μLの中で樹脂を再懸濁し、遠心分離した。上清を集めて、溶出液として標識化した。
【0263】
エンテロキナーゼ切断:PTH 1−34融合タンパク質の精製画分を濃縮し、20mMのトリス pH7.4、50mMのNaCl、および2mMのCaCl
2を含有する緩衝液の中で再懸濁した。エンテロキナーゼ(Novagen cat#69066−3、バッチD00155747)の2つのユニットを、100μLの反応中の100μgのタンパク質に加えた。融合タンパク質の精製画分とエンテロキナーゼの混合物を室温で、1時間または一晩にわたりインキュベートした。エンテロキナーゼの無い対照の反応物も室温で、1時間または一晩にわたりインキュベートした。酵素反応は、4−ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩(AEBSF、Sigma cat#P8465)を含有する完全なプロテアーゼ阻害剤カクテルの添加により止めることができた。
【0264】
<結果>
DnaJ様タンパク質−PTH、FklB−PTH、およびFrnE−PTH融合発現株の発酵評価:表9と10に列挙される、5つの上部発現(top expressing)DnaJ様タンパク質−PTH融合株、3つのFklB−PTH発現株、および2つのFrnE−PTH発現株をそれぞれ、最初にミニバイオリアクター(MBR)の中で、次に従来のバイオリアクター(CBR)の中で、発酵について評価した。
【0265】
DnaJ様タンパク質−PTH融合発現株の各MBR発酵からの可溶性画分を、実施例Iの材料および方法のセクションに記載されるプロトコルに従い、SDS−CGEにより分析した。DnaJ様タンパク質−PTH融合発現菌株のためのMBR発酵収量を、表13に列挙する。全体として、可溶性の融合タンパク質の最も高いMBR発現レベルを持つ株は、2.1g/lでSTR35949であった。
【0266】
【表13】
【0267】
DnaJ様タンパク質PTH融合菌株を、従来のバイオリアクター(CBR)の中、1Lの規模で発酵について評価した。表14に示されるように、DnaJ様タンパク質−PTH融合タンパク質株のCBR発現レベルは、MBRレベルに匹敵していた。発現レベルは、24時間の誘導後の時点よりも8時間の誘導後の時点の方が高かった。
【0268】
【表14】
【0269】
FklB−PTHおよびFrnE−PTH融合発現菌株のためのMBR発酵からの可溶性画分を、還元条件下でSDS−CGEにより分析した(表15に示される結果)。
【0270】
【表15】
【0271】
全体として、可溶性の融合タンパク質の最も高い発現レベルを持つ株は、6.4g/lでSTR36034であった。同じ菌株も、従来のバイオリアクター(CBR)における大規模発酵について評価した(表16に示される結果)。CBR発酵において最大収量を持つ株は、24時間の誘導期間の後、6.7g/lでFklB−PTH融合タンパク質を発現する、STR36034であった。
【0272】
【表16】
【0273】
DnaJ様タンパク質−PTHおよびFklB−PTH融合タンパク質の精製とエンテロキナーゼ切断の評価:DnaJ様タンパク質−PTH融合発現株STR36005における発現の誘導および増殖後に得た細胞ペーストを、材料および方法に記載されるように、機械的溶解およびIMAC精製にさらした。実行された精製はそれぞれ、非常に豊富な画分を結果としてもたらした。ピーク画分の純度は90%以上であった。
【0274】
株36005から精製されたDnaJ様タンパク質−PTH融合タンパク質の高純度の濃縮画分を、エンテロキナーゼ切断試験のために使用して、N末端融合パートナーは対象のPTH 1−34ポリペプチドから切断することができないことを確認した。組み換え型のウシのエンテロキナーゼを切断反応のために使用した。分析スケールのサンプルからの可溶性画分を、IMAC樹脂を使用する融合タンパク質の小規模バッチの豊富化のために使用した(
図6)。エンテロキナーゼによるインキュベーションの1時間後、DnaJ様タンパク質融合パートナーの部分切断を観察した(レーン2−4)。一晩のインキュベーションの後、切断は完全であった(レーン6−8)。
【0275】
FklB−PTH融合菌株は、1リットルの規模で丈夫であると思われる。精製サンプルを更に分析して、融合タンパク質はエンテロキナーゼにより豊富化および切断され得ることを確認した。分析スケールのサンプルからの可溶性画分を、IMAC樹脂を使用する融合タンパク質の小規模バッチの豊富化のために使用した。3つの発現株、STR36034、STR36085、およびSTR36098の各々について1つの豊富なサンプルをエンテロキナーゼで処理し、実施例Iに記載される方法を使用してインタクト質量分析にさらした。
図7に示されるように、対象のPTH 1−34ポリペプチドを確認して、各サンプルについて正確な質量、即ち〜4118Daであると観察した。
【0276】
<実施例III.エンテロキナーゼ融合の構築>
組み換え型エンテロキナーゼ(SEQ ID NO:31)の発現に使用するために、DnaJ様タンパク質、FklB、およびFrnE N末端融合パートナー−エンテロキナーゼ融合タンパク質を設計し、発現構築物を生成した。
【0277】
エレテロキナーゼ融合発現プラスミドの構築:評価されたエンテロキナーゼ(EK)融合コード領域を、表17に列挙する。融合タンパク質をコードする遺伝子断片を、DNA2.0により合成した。断片はSpe1およびXho1の制限酵素部位、「Hi」リボソーム結合部位、コード配列の上流に加えられた18の塩基対スペーサー(5’−actagtaggaggtctaga−3’)、および3つの停止コドンを含んでいた。
【0278】
標準クローニング法を使用して、発現プラスミドを構築した。各エンテロキナーゼ融合コード配列を含有するプラスミドDNAを、SpeIとXhoIの制限酵素を使用して消化し、次いで、pTacプロモーターおよびrrnT1T2転写ターミネーターを含有する、SpeI−XhoIで消化したpDOW1169発現ベクターにサブクローン化した。挿入物とベクターを一晩、T4 DNAリガーゼ(Fermentas EL0011)でライゲートした結果、エンテロキナーゼ融合タンパク質発現プラスミドを得た。プラスミドをコンピテントなP.fluorescens DC454宿主細胞に電気穿孔した。Ptacおよび末端(Term)配列プライマー(AccuStart II, PCR SuperMix from Quanta , 95137−500)を使用し、PCRによりエンテロキナーゼ融合タンパク質配列の挿入物の存在について、陽性のクローンをスクリーンした。
【0279】
【表17】
【0280】
<実施例IV.エンテロキナーゼ融合タンパク質(DNAJ様、FklB、FrnE N−末端パートナー)の大規模発酵>
実施例Iに記載のものと同様の方法に従い、HTP分析により、組み換え型タンパク質の発現について、実施例IIIに記載される発現株を試験する。
【0281】
可溶性融合タンパク質の発現レベルに基づき、発酵研究のために発現株を選択する。選択した株を増殖させ、誘導させて、誘導した細胞を、PTH 1−34融合タンパク質のために上述のように、遠心分離し、溶解し、そして再び遠心分離した。結果として生じる不溶性画分と可溶性画分を、上述の抽出条件を使用して抽出し、EK融合タンパク質抽出物の上清を、SDS−CGEを使用して定量化する。
【0282】
<実施例V.インスリン融合タンパク質を発現する株の高スループットスクリーニング>
この研究を、N末端融合パートナーとしてDNAJ様タンパク質、EcpD、FklB、FrnEを含むプロインスリン融合タンパク質を発現する、P.fluorescens株により、または、EcpD、FklB、FrnEの切断により生成された組み換え型タンパク質のレベルを試験するために行った。
【0283】
<材料および方法>
プロインスリン発現ベクターの構築:プロインスリン(インスリングラルギン)をコードする、最適化された遺伝子断片を、DNA 2.0(Menlo Park, CA)により合成した。遺伝子断片、および該遺伝子断片内に含まれるプロインスリンコード配列によりコードされたプロインスリンアミノ酸配列を、表18に列挙する。各遺伝子断片は、ペプチドAおよびBのコード配列、そして以下4つの異なるグラルギンCペプチド配列の1つを含んでいた:CP−A(MW=9336.94Da;pI=5.2;A+Bグラルギンの65%)、CP−B(MW=8806.42Da;A+Bグラルギンの69%)、CP−C(MW=8749.32Da;A+Bグラルギンの69%)、およびCP−D(MW=7292.67Da;A+Bグラルギンの83%)。プロインスリンコード配列の上流および下流に加えられるSapI制限酵素部位により遺伝子断片を設計することで、様々な発現ベクターへの遺伝子断片の迅速なクローン化を可能した。遺伝子断片はまた、エンテロキナーゼ切断部位またはトリプシン切断部位を含有する発現ベクターへのライゲーションを促進するために、5’フランキング領域内にリジンアミノ酸コドン(AAG)またはアルギニンアミノ酸コドン(CGA)の何れかを含んでいた。加えて、3つの停止コドン(TGA、TAA、TAG)は、遺伝子断片全ての3’フランキング領域内に含まれていた。
【0284】
【表18】
【0285】
その後、プロインスリンコード配列を、をT4DNAリガーゼ(New England Biolabs, M0202S)を使用する、コード配列の発現ベクターへのライゲーションにより、異なる融合パートナーを含む発現ベクター(表19)へとサブクローン化した。ライゲートされたベクターを、コンピテントなDC454 P.fluorescens細胞へと、96ウェルのフォーマットで電気穿孔した。
【0286】
【表19】
【0287】
96ウェルのフォーマット(HTP)における増殖および発現:プロインスリンコード配列および融合パートナーを含有しているプラスミドを、P.fluorescens DC454宿主株に 形質転換した。25マイクロリットルのコンピテント細胞を、解凍し、96マルチウェルのNucleovette(登録商標)プレート(Lonza VHNP−1001)へと移し、前の工程で調製したライゲーション混合物と混合した。エレクトロポレーションを、Nucleofector(商標)の96ウェルのShuttle(商標)システム(Lonza AG)を使用して実行し、その後、形質転換細胞を、400μLのM9塩、1%のグルコース培地および微量元素とともに96ウェルのディープウェルプレート(播種プレート)に移した。播種プレートを、48時間振盪させながら30℃でインキュベートして、種培養物を生成した。
【0288】
10マイクロリットルの種培養物を、複製して新鮮な96ウェルのディープウェルプレートに移し(各ウェルは500μLのHTP培地(Teknova 3H1129)を含有している)、微量元素および5%のグリセロールを補足し、24時間振盪させながら30℃でインキュベートした。イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)を、0.3mMの終末濃度で各ウェルに加え、プロインスリン融合タンパク質の発現を誘導した。さらに、250units/μlストックのBenzonase(Novagen、70746−3)0.01μLを、誘導時にウェルごとに加え、培養物粘度のポテンシャルを低下させた。誘導の24時間後に、600nmで光学密度(OD
600)を測定することによって、細胞密度を定量化した。誘導の24時間後に、細胞を採取し、400μLの最終容量まで1X PBSで1:3に希釈し、その後、後の処理のために凍結した。
【0289】
分析的特徴づけのための可溶性溶解物のサンプル調製:上に記載されるように調製され、冷凍保存された培養液サンプルを、解凍し、希釈し、超音波処理した。超音波処理によって得た溶解物を、8℃の温度で、15分間5,500×gで遠心分離にかけ、可溶性(上清)画分と不溶性(ペレット)画分を分離した。不溶性画分を、超音波処理を使用してPBS中に再懸濁した。
【0290】
SDS−CGE分析:上に議論されるように調製した試験タンパク質サンプルを、HT Protein Express v2のチップと対応する試薬(それぞれ、部品番号760499および760328、PerkinElmer)とともにLabChip GXIIの器具(PerkinElmer)を使用して、HTPマイクロチップSDSキャピラリーゲル電気泳動によって分析した。サンプルを、製造業者のプロトコル(Protein User Guide Document No. 450589, Rev. 3)に従って調製した。96ウェルの円錐状ウェルPCRプレートにおいて、4μLのサンプルを、ジチオスレイトール(DTT)還元剤を用いてまたは用いずに、14μLのサンプル緩衝液と混合した。混合物を、5分間95℃で加熱し、70μLの脱イオン水を加えることによって希釈した。
【0291】
96ウェルのスケールでのプロインスリン力価を、プロインスリンで構成された融合タンパク質のパーセンテージを掛けた融合タンパク質力価に基づいて判定した。総力価は、可溶性および不溶性の標的発現(mg/L)の合計を表わす。
【0292】
<結果>
表20に示されるように、N末端融合パートナーとしてDnaJ様のタンパク質を有するグラルギン・プロインスリン融合タンパク質は、最も高いレベルのプロインスリン発現を示した。驚くべきことに、EcpD融合パートナーの最も小さなバージョン、50アミノ酸融合パートナーEcpD3を含有しているプロインスリン融合タンパク質は、全長融合パートナーEcpD1および100アミノ酸の切断型バージョンEcpD2と比較して、より高いレベルの発現を示した。FklBまたはFrnEのN末端融合パートナーを含有しているプロインスリン融合タンパク質に関して、最も小さな融合パートナー断片、それぞれ、FklB3およびFrnE3に融合したプロインスリンの発現は、より長いN末端融合パートナーを有している構築物の発現に等しかったかまたはそれよりわずかに低かった。表20は、高スループット発現の研究の間に観察された、可溶性および総合計両方のプロインスリンタンパク質力価を要約している。
【0293】
それ故、成熟したグラルギンは、トリプシン切断後に精製された融合タンパク質(およびCペプチド)から成功裡に放出されると判定された。選択された融合タンパク質(尿素の未変性濃度の存在下で精製された、DnaJ構築物G737−031およびFklB構築物G737−009、ならびに尿素なしで精製された、FrnE1構築物G737−018)上で実行された、IMAC濃縮に続くトリプシン切断は、融合タンパク質が、グラルギン標準と比較して、SDS−PAGEまたはSDS−CGEによって評価されるように成熟したインスリンを生成するために切断されることを実証した。受容体結合アッセイは、活性をさらに示した。
【0294】
【表20-1】
【0295】
【表20-2】
【0296】
【表20-3】
【0297】
実施例VI.GCSF融合タンパク質の高スループットスクリーニング
DnaJ様タンパク質、N末端融合パートナーとして様々な長さのFklB(FklB、FklB2、またはFklB3)、FrnE(FrnE、FrnE2、またはFrnE3)、またはEcpD(EcpD1、EcpD2、またはEcpD3)を含有しているGCSF融合タンパク質を発現するP.fluorescens株によって生成された、組み換えGCSFタンパク質のレベルを試験するために、本研究を行った。
【0298】
<材料および方法>
GCSF発現ベクターの構築:最適化されたgcsfコード配列、コード配列の下流および上流の両方の制限酵素SapIに対する認識配列、およびにコード配列の下流の3つの停止コドンを含有している、GCSF遺伝子断片(SEQ ID NO.68)を、DNA2.0(Menlo Park, CA)によって合成した。プラスミドpJ201:207232のGCSF遺伝子断片を、制限酵素SapIで消化し、最適化されたgcsfコード配列を含有している断片を生成した。その後、gcsfコード配列を、T4DNAリガーゼ(Fermentas EL0011)を使用してGCSF遺伝子断片および発現ベクターのライゲーションにより、異なる融合パートナーを含有している発現ベクターへとサブクローン化し、96ウェルのフォーマットでコンピテントなP.fluorescens DC454の宿主細胞へと電気穿孔した。ヘキサヒスチジンタグを、GCSFからN末端融合パートナーを放出するためにエンテロキナーゼ切断部位(DDDK)とととに、GCSFと各N末端融合パートナーとの間のリンカーに含めた。結果として生じる融合タンパク質構築物を含有しているプラスミドは、表21の3番目の列にリストされている。
【0299】
【表21】
【0300】
96ウェルのフォーマット(HTP)での増殖および発現:gcsf遺伝子に対するコード配列およびN末端融合パートナーを含有しているプラスミドを、一連のP.fluorescens宿主株に形質転換した。35マイクロリットルのP.fluorescensのコンピテント細胞を、解凍し、10μLの10×希釈したプラスミドDNA(2.5ng)と混合した。25マイクロリットルの混合物を、Nucleofector(商標)の96ウェルのShuttle(商標)システム(Lonza AG)を使用して、エレクトロポレーションを介する形質転換のために、96マルチウェルのNucleovette(登録商標)プレート(Lonza VHNP−1001)へと移し、その後、形質転換細胞を、500μLのM9塩、1%のグルコース培地および微量元素を含有している96ウェルのディープウェルプレート(播種プレート)に移した。播種プレートを、48時間振盪させながら30℃でインキュベートし、種培養物を生成した。
【0301】
10マイクロリットルの種培養物を、複製して新鮮な96ウェルのディープウェルプレートに移し(各ウェルは500μLのHTP培地(Teknova 3H1129)を含有している)、微量元素および5%のグリセロールを補足し、24時間振盪させながら30℃でインキュベートした。イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)を、0.3mMの終末濃度で各ウェルに加え、GCSF融合タンパク質の発現を誘導した。フォールディングモジュレーターを過剰発現するPseudomonas株(FMO株)中に、1%の終濃度のマンニトール(Sigma, M1902)を、IPTGとともに加え、フォールディングモジュレーターの発現を誘導した。さらに、250units/μlストックのBenzonase(Novagen、70746−3)0.01μLを、誘導時にウェルごとに加え、培養物粘度のポテンシャルを低下させた。誘導の24時間後に、600nmで光学密度(OD
600)を測定することによって、細胞密度を定量化した。誘導の24時間後に、細胞を採取し、400μLの最終容量まで1X PBSで1:3に希釈し、その後、後の処理のために凍結した。
【0302】
分析的特徴づけのための可溶性溶解物のサンプル調製:上に記載されるように調製され冷凍された培養液サンプルを、解凍し、希釈し、24プローブチップホーンを有するCell Lysis Automated Sonication System (CLASS, Scinomix)を使用して超音波処理した。超音波処理によって得られた溶解物を、8℃の温度で、15分間5,500×gで遠心分離にかけ、可溶性(上清)画分と不溶性(ペレット)画分を分離した。不溶性画分を、超音波処理によっても、pH7.4で、400μLのPBS中に再懸濁した。
【0303】
SDS−CGE分析:上に議論されるように調製された試験タンパク質サンプルを、HT Protein Express v2のチップと対応する試薬(それぞれ、部品番号760499および760328、Caliper LifeSciences)とともにLabChip GXIIの器具(Caliper LifeSciences)を使用して、HTPマイクロチップSDSキャピラリーゲル電気泳動によって分析した。サンプルを、製造業者のプロトコル(Protein User Guide Document No. 450589, Rev. 3)に従って調製した。96ウェルの円錐状ウェルPCRプレートにおいて、4μLのサンプルを、ジチオスレイトール(DTT)還元剤を用いてまたは用いずに、14μLのサンプル緩衝液と混合した。混合物を、5分間95℃で加熱し、70μLの脱イオン水を加えることによって希釈した。試験タンパク質サンプルと平行して、融合タンパク質を含有していない株(欠失株)からの溶解物も分析した。欠失株からの溶解物を、バックグラウンド除去なしでシステム内部標準を使用して定量化した。1株当たり1つのサンプルの量を、HTPスクリーン中に計った;典型的に、SDS−CGE方法の標準偏差は〜10%である。
【0304】
<結果>
N末端Met−GCSFの高レベルの発現を可能にする株を特定するためにプロテアーゼ欠損宿主をスクリーニングする代替策を提供する、融合パートナーでのアプローチを用いて、GCSFの高レベルの発現を、96ウェルのスケールで達成した。融合タンパク質およびGCSFの力価(MWによって総融合タンパク質のパーセントGCSFに基づいて計算された)を、表22に示す。野生型菌株DC454は、484mg/Lの融合タンパク質、およびdnaJ融合パートナーを有する305mg/LのGCSFを生成した。表22に示されるように、融合パートナーの構築物はすべて、100mg/Lを超える融合タンパク質力価をもたらした。HTPスケールで観察されたこれらの高レベルは、振盪フラスコまたは発酵スケールでの発現に対する大きな見込みを示した。さらに、HTPとより大きなスケールの培養物との間の容積力価の著しい増加を観察することは一般的である。従来の研究では、prtBプロテアーゼ欠損株は、0.5mLのスケールで〜247mg/LのMet−GCSFの発現を可能にすると示された(H. Jin et al., 2011, Protein Expression and Purification 78:69−77、および米国特許第8,455,218号)。本研究では、記載されるように、融合タンパク質の部分としての高レベルのMet−GCSFの発現は、プロテアーゼ欠損がない宿主細胞でさえ観察された。記載された融合タンパク質のいずれかの部分としての発現およびプロテアーゼ切断による放出によって得られたMet−GCSFの調製は、切断がプロテアーゼの除去後に実行されるため、事実上100%のMet−GCSFを含有する(およびdes−Met−GCSFを含有しない)ことが留意される。
【0305】
【表22】
【0306】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され記載されるが、そのような実施形態が例示目的のみで提供されることは当業者にとって明白となる。多くの変更、変化および置換が、本発明から逸脱することなく当業者に想到される。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用され得ることを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、これらの請求項の範囲内の方法および構造ならびにそれらの同等物が、それによって包含されるものであることが意図されている。
【0307】
【表23-1】
【0308】
【表23-2】
【0309】
【表23-3】
【0310】
【表23-4】
【0311】
【表23-5】
【0312】
【表23-6】
【0313】
【表23-7】
【0314】
【表23-8】
【0315】
【表23-9】
【0316】
【表23-10】
【0317】
【表23-11】
【0318】
【表23-12】
【0319】
【表23-13】
【0320】
【表23-14】
【0321】
【表23-15】
【0322】
【表23-16】
【0323】
【表23-17】
【0324】
【表23-18】
【0325】
【表23-19】
【0326】
【表23-20】
【0327】
【表23-21】
【0328】
【表23-22】
【0329】
【表23-23】
【0330】
【表23-24】
【0331】
【表23-25】
【0332】
【表23-26】
【0333】
【表23-27】
【0334】
【表23-28】
【0335】
【表23-29】
【0336】
【表23-30】
【0337】
【表23-31】
【0338】
【表23-32】
【0339】
【表23-33】
【0340】
【表23-34】
【0341】
【表23-35】
【0342】
【表23-36】
【0343】
【表23-37】
【0344】
【表23-38】
【0345】
【表23-39】
【0346】
【表23-40】
【0347】
【表23-41】
【0348】
【表23-42】
【0349】
【表23-43】