特許第6818018号(P6818018)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6818018筋肉疾患の予防、改善または治療用または筋機能改善用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6818018
(24)【登録日】2021年1月4日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】筋肉疾患の予防、改善または治療用または筋機能改善用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/575 20060101AFI20210107BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20210107BHJP
   A61K 36/03 20060101ALI20210107BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20210107BHJP
   A61K 8/9711 20170101ALI20210107BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20210107BHJP
   A23K 20/168 20160101ALI20210107BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20210107BHJP
【FI】
   A61K31/575ZNA
   A61P21/00
   A61K36/03
   A61K8/63
   A61K8/9711
   A23L33/105
   A23K20/168
   A23K10/30
【請求項の数】28
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2018-514759(P2018-514759)
(86)(22)【出願日】2016年5月26日
(65)【公表番号】特表2018-524398(P2018-524398A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】KR2016005597
(87)【国際公開番号】WO2016190689
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2019年5月27日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0072740
(32)【優先日】2015年5月26日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0064917
(32)【優先日】2016年5月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517413719
【氏名又は名称】エーエーティー コステック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ジェ クァン
(72)【発明者】
【氏名】キム チャン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム ミ−ボ
【審査官】 大西 隆史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/098512(WO,A1)
【文献】 特開2009−191008(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0131100(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0060106(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2005−0006533(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第2000−0063617(KR,A)
【文献】 中国特許出願公開第103892266(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103704598(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103704596(CN,A)
【文献】 Kwan P,Sarcpenia, a new neurogenic syndrome?,Journal of Aging Research,2013年,Volume 2013,ID 791679
【文献】 Jung HA et al,Anti-inflammatory activity of edible brown alga Eisenia bicyclis and its constituents fucosterol and phlorotannins in LPS-stimulated RAW264.7 macrophages,Food and Chemical Toxicity,2013年,vol 59,199-206
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A23L 5/40− 5/49
A23L 31/00−33/29
A23K 10/00−40/35
A23K 50/15
A61K 35/00−51/12
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
A61P 1/00−43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表されるフコステロール(fucosterol)化合物またはこれを含むホンダワラ(Sargassum fulvellum)抽出物またはヒジキ(Sargassum fusiforme)抽出物を有効成分として含む筋肉減少症の予防または治療用薬学的組成物:
【化1】
【請求項2】
前記化学式1で表されるフコステロールは、ホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物から分離されることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
ホンダワラ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉減少症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項4】
ヒジキ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉減少症の予防または治療用薬学的組成物。
【請求項5】
前記抽出物は、水、炭素数1〜6の有機溶媒、亜臨界流体および超臨界流体よりなる群から選ばれるいずれか一つ以上の溶媒でホンダワラまたはヒジキを抽出して収得することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記炭素数1〜6の有機溶媒は、炭素数1〜6のアルコール、アセトン、エーテル、ベンゼン、クロロホルム、エチルアセテート、メチレンクロリド、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルよりなる群から選ばれるいずれか一つ以上の溶媒であることを特徴とする、請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記抽出物は、100MPa〜1000MPaの超高圧の条件下にホンダワラまたはヒジキを抽出して収得することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項8】
下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉減少症の予防または改善用健康機能食品組成物:
【化2】
【請求項9】
前記化学式1で表されるフコステロールは、ホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物から分離されることを特徴とする、請求項に記載の健康機能食品組成物。
【請求項10】
ホンダワラ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉減少症の予防または改善用健康機能食品組成物。
【請求項11】
ヒジキ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉減少症の予防または改善用健康機能食品組成物。
【請求項12】
前記抽出物は、水、炭素数1〜6の有機溶媒、亜臨界流体および超臨界流体よりなる群から選ばれるいずれか一つ以上の溶媒でホンダワラまたはヒジキを抽出して収得することを特徴とする、請求項11のいずれかに記載の健康機能食品組成物。
【請求項13】
前記炭素数1〜6の有機溶媒は、炭素数1〜6のアルコール、アセトン、エーテル、ベンゼン、クロロホルム、エチルアセテート、メチレンクロリド、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルよりなる群から選ばれるいずれか一つ以上であることを特徴とする、請求項12に記載の健康機能食品組成物。
【請求項14】
前記抽出物は、100MPa〜1000MPaの超高圧の条件下にホンダワラまたはヒジキを抽出して収得することを特徴とする、請求項11のいずれかに記載の健康機能食品組成物。
【請求項15】
下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉減少症改善用化粧料組成物:
【化3】
【請求項16】
前記化学式1で表されるフコステロールは、ホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物から分離されることを特徴とする、請求項15に記載の化粧料組成物。
【請求項17】
ホンダワラ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉減少症改善用化粧料組成物。
【請求項18】
ヒジキ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉減少症改善用化粧料組成物。
【請求項19】
前記抽出物は、水、炭素数1〜6の有機溶媒、亜臨界流体および超臨界流体よりなる群から選ばれるいずれか一つ以上の溶媒でホンダワラまたはヒジキを抽出して収得することを特徴とする、請求項1518のいずれかに記載の化粧料組成物。
【請求項20】
前記炭素数1〜6の有機溶媒は、炭素数1〜6のアルコール、アセトン、エーテル、ベンゼン、クロロホルム、エチルアセテート、メチレンクロリド、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルよりなる群から選ばれるいずれか一つ以上の溶媒であることを特徴とする、請求項19に記載の化粧料組成物。
【請求項21】
前記抽出物は、100MPa〜1000MPaの超高圧の条件下でホンダワラまたはヒジキを抽出して収得したことを特徴とする、請求項1518のいずれかに記載の化粧料組成物。
【請求項22】
下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉減少症の予防または改善用飼料添加剤:
【化4】
【請求項23】
前記化学式1で表されるフコステロールはホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物から分離されることを特徴とする、請求項22に記載の飼料添加剤。
【請求項24】
ホンダワラ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉減少症の予防または改善用飼料添加剤。
【請求項25】
ヒジキ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉減少症の予防または改善用飼料添加剤。
【請求項26】
前記抽出物は、水、炭素数1〜6の有機溶媒、亜臨界流体および超臨界流体よりなる群から選ばれるいずれか一つ以上の溶媒でホンダワラまたはヒジキを抽出して収得することを特徴とする、請求項2225のいずれかに記載の飼料添加剤。
【請求項27】
前記炭素数1〜6の有機溶媒は、炭素数1〜6のアルコール、アセトン、エーテル、ベンゼン、クロロホルム、エチルアセテート、メチレンクロリド、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルよりなる群から選ばれるいずれか一つ以上であることを特徴とする、請求項26に記載の飼料添加剤。
【請求項28】
前記抽出物は、100MPa〜1000MPaの超高圧の条件下でホンダワラまたはヒジキを抽出して収得したことを特徴とする、請求項2225のいずれかに記載の飼料添加剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年5月26日付けで出願された韓国特許出願第10−2015−0072740号および2016年5月26日付けで出願された韓国特許出願第10−2016−0064917号を優先権として主張し、前記明細書の全体は、本出願の参考文献である。
【0002】
本発明は、筋肉疾患の予防、改善または治療用または筋機能改善用組成物に関し、より詳細には、フコステロール(fucosterol)、ホンダワラ(Sargassum
fulvellum)、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ(Sargassum fusiforme)、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を含む筋肉疾患の予防、改善または治療用または筋機能改善用組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
筋萎縮とは、筋肉量の漸進的減少に伴って発生するものであって、筋肉の弱化および退行を称する(Cell 119(7):907−910、2004)。筋萎縮は、非活動、酸化的ストレス、慢性炎症により促進され、筋肉機能と運動能力を弱化させる(Clinical Nutrition、26(5):524−534、2007)。筋肉機能を決定づける最も重要な要素は筋肉量であり、これは、タンパク質の合成と分解の均衡により維持される。筋萎縮症は、タンパク質の分解が合成より大きく起こるときに発生する(Cell Biol.37(10):1985−1996、2005)。
【0004】
筋肉のサイズは、筋肉内で起こる同化作用や異化作用を誘導する細胞内シグナル伝達経路により調節され、筋肉タンパク質の分解より合成を誘導するシグナル伝逹反応が多く起こる場合、筋肉タンパク質の合成が増加するが、これは、筋肉タンパク質の増加による筋肉サイズの増加(hypertrophy、筋肥大)や筋線維数の増加(hyperplasia)として現われる(The Korea Journal of Sports
Science 20(3):1551−1561、2011)。
【0005】
筋タンパク質の合成に関与する因子は、筋細胞内でphosphatidylinositol−3kinase(PI3K)/Akt経路の刺激を基点としてダウンストリームタンパク質をリン酸化させることにより、タンパク質の合成を誘導する。PI3K/Aktシグナル伝逹による哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mammalian target of rapamycin、 mTOR )の活性は、細胞内で多様な成長シグナルを統合する中心成長シグナル伝逹因子と認められている。mTORは、mRNA翻訳を開始する二つの因子、4E−binding protein(4E−BP1 )と phosphorylated 70−kDa ribosomal S6 kinase(p70S6K)を活性化させることにより、筋タンパク質の合成を誘導して筋肉量の増加に寄与する(The Korea Journal of Sports Science 20(3):1551−1561、2011;The International Journal of Biochemistry and Cell Biology、43(9):1267−1276,2011)。反対に、転写因子(transcription factor)のforkhead box(FoxO)が細胞質から核内に移動すると、蛋白質の分解に関与するE3ユビキチンリガーゼ因子atrogin−1とMuRF−1の発現を増加させる(Disease Models and Mechanisms、6:25−39、2013)。これらの発現量が増加すると、筋肉内の蛋白質分解が促進されて筋肉量が減少する。したがって、mTORの活性促進とatrogin−1とMuRF−1の発現抑制は、筋肉蛋白質の量を増加させて筋肉量を増加さ
せる。
【0006】
筋肉細胞の分化と筋肉の形成は、多様な筋肉調節因子により調節される。そのうち、MyoDは、筋肉特異遺伝子の発現を開始させ、筋衛星細胞が筋芽細胞に分化することを誘導する。 MyoDの活性によるミオゲニン発現の誘導は、筋芽細胞の結合に最も重要な要素であって、筋管細胞の形成に関与する。このような過程を通じて形成された筋線維は、束を成して最終的に筋肉を形成する(Cellular and Molecular
Life Sciences、70:4117−4130、2013)。
【0007】
ホンダワラは、ホンダワラ属(Sargassum)に属する海藻類である。今までホンダワラの活性としては、抗菌(Korean Journal of Food Science and Technology、42(2):155−159、2010)、抗炎症(Journal of Ethnopharmacology、116(1):187−190、2008)、抗酸(Journal of Food Science and Nutrition、12(2):65−73、2007)、抗癌(Chemotherapy、32(12):1004−1009、1984)、抗光老化(Evidence−based Complementary and Alternative Medicine、2013:747846、2013)、抗糖尿(Natural Product Sciences、18(2):130−136、2012)などの活性が報告されている。
【0008】
ヒジキは、ホンダワラ属に属する海藻類である。今までヒジキに対する活性としては、抗酸と抗炎症(Tropical Journal of Pharmaceutical Research、14(3):463−468、2015)、抗糖尿(Food Science and Biotechnology、23(3):2037−2044、2014)、抗ウイルス(Natural Medicines、48(3):173−179、1994)、抗癌(Journal of Medicinal Food、12(4):782−787、2009)、抗骨粗鬆症(Journal of Medicinal Food、15(4):384−390、2012)などの活性が報告されている。
【0009】
フコステロールは、ホンダワラとヒジキを含む海藻類に多く含有されている物質であって、韓国、中国、日本国などアジア地域の海岸に生息する海藻類で多く発見されている。今までフコステロールの活性は、抗癌(Pharmacognosy Magazine、8(29):60−64、2012)、抗糖尿(Archives of Pharmacal Research、27(11):1120−1122、2004)、抗酸化(Bioorganic and Medicinal Chemistry、17(5):1963−1973、2009)、血中脂質成分の改善(Biochemical and Biophysical Research Communications、369(2):363−368、2008)、コレステロール代謝の改善(New Phytologist、183(2):291−300、2009)、抗菌(Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis、51(2):450−4555、2010)、抗かび(Natural Product Research、24(15):1481−1487、2010)、抗老化(Photochemistry and Photobiology、89(4):911−918、2013)などが報告されている。
【0010】
しかし、本発明以前には、フコステロール、ホンダワラまたはヒジキの筋肉疾患の予防、改善または治療または筋機能の改善については知られていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
よって、本発明者らは、優れた筋機能調節活性を有し、安全に適用され得る天然物質を探索した結果、フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物が、筋肉疾患の予防、改善または治療または筋機能改善活性があることを確認して、本発明を完成した。
【0012】
したがって、本発明の目的は、下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含有する筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供するものである:
【0013】
【化1】
【0014】
本発明の他の目的は、ホンダワラ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、ヒジキ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または治療用または薬学的組成物を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用健康機能食品組成物を提供することにある:
【0017】
【化2】
【0018】
本発明のさらに他の目的は、ホンダワラ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用健康機能食品組成物を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、ヒジキ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用健康機能食品組成物を提供することにある。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋機能改善用化粧料組成物を提供することにある:
【0021】
【化3】
【0022】
本発明の他の目的は、ホンダワラ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋機能改善用化粧料組成物を提供することにある。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、ヒジキ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋機能改善用化粧料組成物を提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用飼料添加剤を提供することにある:
【0025】
【化4】
【0026】
本発明のさらに他の目的は、ホンダワラ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用飼料添加剤を提供することにある。
【0027】
本発明の他の目的は、ヒジキ、その粉砕物またはその抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用飼料添加剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する:
【0029】
【化5】
【0030】
また、本発明は、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0031】
また、本発明は、下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用健康機能食品組成物を提供する:
【0032】
【化6】
【0033】
また、本発明は、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用健康機能食品組成物を提供する。
【0034】
また、本発明は、下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋機能改善用化粧料組成物を提供する:
【0035】
【化7】
【0036】
また、本発明は、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋機能改善用化粧料組成物を提供する。
【0037】
また、本発明は、下記化学式1で表されるフコステロール化合物またはこれを含むホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用飼料添加剤を提供する:
【0038】
【化8】
【0039】
また、本発明は、ホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または改善用飼料添加剤を提供する。
【0040】
本発明の好ましい一実施例によると、前記化学式1で表されるフコステロールは、ホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物から分離され得る。
【0041】
本発明の好ましい一実施例によると、前記抽出物は、水、炭素数1〜6の有機溶媒、亜臨界流体および超臨界流体よりなる群から選ばれるいずれか一つ以上の溶媒でホンダワラまたはヒジキを抽出して収得し得る。
【0042】
本発明の好ましい他の一実施例によると、前記炭素数1〜6の有機溶媒は、炭素数1〜6のアルコール、アセトン、エーテル、ベンゼン、クロロホルム、エチルアセテート、メチレンクロリド、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルよりなる群から選ばれるいずれか一つ以上であってもよい。
【0043】
本発明の好ましいさらに他の一実施例によると、前記抽出物は、100MPa〜1000MPaの超高圧の条件下にホンダワラまたはヒジキを抽出して収得し得る。
【0044】
本発明の好ましい他の一実施例によると、前記筋肉疾患は、緊張減退症(atony)、筋萎縮症(muscular atrophy)、筋ジストロフィー(muscular dystrophy)、筋肉退化、筋無力症、悪液質(cachexia)および筋肉減少症(sarcopenia)よりなる群から選ばれるいずれか一つ以上であってもよい。
【発明の効果】
【0045】
本発明によるフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物は、筋タンパク質の合成に関与するp−mTORのタンパク質発現の増加、筋タンパク質の分解に関与するMuRF−1とatrogin−1のmRNAの発現抑制、筋肉分化に関与するMyoDとミオゲニンのmRNAの発現を増加させることにより、筋肉量を増大させるのに優れた効果がある。また、本発明の組成物は天然物であるので、副作用なしに安全に使用され得、医薬品、食品、化粧品または家畜飼料または飼料添加剤などに使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、L6筋肉細胞で、ホンダワラのエタノール抽出物、ヒジキのエタノール抽出物またはフコステロールの処理によるp−mTORのタンパク質の発現を測定した結果を示す。
図2図2は、L6筋肉細胞で、フコステロール処理によるp−4EBP1とp−p70S6Kのタンパク質発現を測定した結果を示す。
図3図3は、L6筋肉細胞で、フコステロールの処理によるMyoDとミオゲニンのmRNAの発現を測定した結果を示す。
図4図4は、L6筋肉細胞で、ホンダワラのヘキサン抽出物、エチルアセテート抽出物、エタノール抽出物、熱水抽出物の処理によるMyoDとミオゲニンのmRNAの発現を測定した結果を示す。
図5図5は、L6筋肉細胞で、ヒジキのヘキサン抽出物、エチルアセテート抽出物、エタノール抽出物、熱水抽出物の処理によるMyoDとミオゲニンのmRNAの発現を測定した結果を示す。
図6図6は、L6筋肉細胞で、フコステロールの処理によるatrogin−1とMuRF−1のmRNAの発現を測定した結果を示す。
図7図7は、L6筋肉細胞で、ホンダワラのヘキサン抽出物、エチルアセテート抽出物、エタノール抽出物、熱水抽出物の処理によるatrogin−1とMuRF−1のmRNAの発現を測定した結果を示す。
図8図8は、L6筋肉細胞で、ヒジキのヘキサン抽出物、エチルアセテート抽出物、エタノール抽出物、熱水抽出物の処理によるatrogin−1とMuRF−1のmRNAの発現を測定した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の構成を具体的に説明する。
【0048】
本発明は、下記化学式1で表されるフコステロール、ホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物の筋肉疾患の予防、改善または治療用または筋機能改善用途;下記化学式1で表されるフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を含む筋肉疾患の予防、改善または治療用または筋機能改善用組成物;または下記化学式1で表されるフコステロール、ホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を、ヒトを含む哺乳動物に適用することを含む筋肉疾患の予防、改善または治療または筋機能改善方法を提供する:
【0049】
【化9】
【0050】
本明細書で「ホンダワラ(Sargassum fulvellums)」は、ビョウタケ科(Helotiaceae)のホンダワラ属(Sargassum spp.)に属する海藻類である。
【0051】
本明細書で「ヒジキ」(Sargassum fusiforme) は、ビョウタケ科のホンダワラ属に属する海藻類である。
【0052】
本明細書で「ホンダワラ粉砕物」または「ヒジキ粉砕物」は、乾燥させたホンダワラまたはヒジキを、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できる方法により、ヒトを含む哺乳動物が容易に摂取できると共に、摂取後に腸で有効成分が乾燥粉砕物から簡単に遊離して、結果的に哺乳動物の体内に容易に吸収され得る形態で準備して使用され得る。このための乾燥粉砕物粒子の形状やサイズは限定されないが、粒子の表面が極大化するほど前記に記載した有効成分の遊離が容易であるので、できるだけ細かい粉末の形態で製造することが好ましい。本発明の一実施例では、乾燥させたホンダワラまたはヒジキをミキサーで粉砕して粉砕物を製造した。
【0053】
本明細書で「ホンダワラ抽出物」は、ホンダワラを好適な溶媒を用いて抽出して収得したものであって、抽出液、抽出液の希釈液または濃縮液、抽出液を乾燥して得られる乾燥物、またはこれらの粗精製物または精製物の形態を全部含む。ホンダワラ抽出物の製造方法は、ホンダワラから水、炭素数1〜6の有機溶媒および亜臨界または超臨界流体よりなる群から選ばれた一つ以上の溶媒で抽出して収得し得るが、これに限らない。
【0054】
本明細書で「ヒジキ抽出物」は、ヒジキを好適な溶媒を用いて抽出して収得したものであって、抽出液、抽出液の希釈液または濃縮液、抽出液を乾燥して得られる乾燥物、またはこれらの粗精製物または精製物の形態を全部含む。ヒジキ抽出物の製造方法は、ヒジキから水、炭素数1〜6の有機溶媒および亜臨界または超臨界流体よりなる群から選ばれた一つ以上の溶媒で抽出して収得し得るが、これに限らない。
【0055】
本発明のホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物は、加熱抽出、冷浸抽出、超音波抽出法、濾過法および還流抽出法など当業界における通常の抽出方法を用いて製造され得、ホンダワラとヒジキは、商業的に販売されるものを購入して使用したり、自然で採取または栽培されたものが使用できる。
【0056】
本発明によるホンダワラまたはヒジキ抽出物は、天然物から抽出物を製造する当業界に公知となった通常の方法により、すなわち通常の温度、圧力の条件下に通常の溶媒を用いて分離し得る。
【0057】
本明細書で使用される用語「分画物」は、多様な構成成分を含む混合物から特定の成分
または特定のグループを分離する分画方法により得られた結果を意味する。本発明では、前記のように製造されたホンダワラまたはヒジキ抽出物から特定の成分または特定のグループを分離する分画方法により得られた結果物を意味する。
【0058】
本発明によるホンダワラまたはヒジキ分画物を得るために、当業界に公知となった通常の分画溶媒、例えば、水、エタノール、メタノールのような炭素数1〜4の無水または含水低級アルコールなどの極性溶媒およびヘキサン、ブタノール、エチルアセテート、クロロホルム、ジクロロメタンなどの非極性溶媒、またはこれらの混合溶媒が使用できるが、これらに限られない。
【0059】
本発明のホンダワラまたはヒジキ分画物は、精製過程をさらに適用して得たものも含まれ得る。例えば、本発明によるホンダワラまたはヒジキ抽出物を一定の分子量カット−オフ値を有する限外濾過膜を通過させて得た分画物、多様なクロマトグラフィー(サイズ、電荷、疎水性または親和性による分離のために製作されたもの)による分離などで追加として実施された多様な精製方法を通じて得られた分画物も、本発明のホンダワラまたはヒジキ分画物に含まれる。
【0060】
本明細書において、「筋」は、筋、筋肉、腱を包括的に指称し、「筋機能」は、筋肉の収縮により力を発揮する能力を意味し、筋肉が抵抗に耐えるために最大限に収縮力を発揮できる能力である筋力と、筋肉が与えられた重量にどれほど長時間またはどれほど何回収縮と弛緩を繰り返すことができるかどうかを示す能力である筋持久力と、短時間内に強い力を発揮する能力である瞬発力を含む。このような筋機能は、肝が担当し、筋肉量に比例する。用語「筋機能の改善」は、筋機能をさらに良好に向上させることを言う。
【0061】
本発明の筋肉疾患の予防、改善または治療用または筋機能改善用組成物は、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物またはヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を単独で含有したり、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物またはホンダワラ抽出物とヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を1〜100の比率で混ぜて含有したり、または類似した機能を示す有効成分を1種以上含有し得る。追加としての成分を含む場合、本発明の組成物の筋機能の改善効果がさらに増進され得る。前記成分の追加時には、複合使用による皮膚の安全性、剤形化の容易性、有効成分の安定性を考慮し得る。
【0062】
本発明は、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物;筋肉疾患の予防または改善用健康機能食品組成物;筋機能改善用化粧料組成物;および筋肉疾患の予防または改善用飼料添加剤を提供する。
【0063】
また、本発明は、化学式1で表される化合物も、これを含有するホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有効成分として含有する筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物;筋肉疾患の予防または改善用健康機能食品組成物;筋機能改善用化粧料組成物;および筋肉疾患の予防または改善用飼料添加剤を提供する:
【0064】
【化10】
【0065】
前記化学式1の化合物は、別名フコステロールという。
【0066】
前記化学式1の化合物は、海藻類および植物抽出物またはこれらの分画物から分離または合成して利用したり、市販の化合物を利用し得る。
【0067】
一具体例で、前記化学式1で表されるフコステロールは、ホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物から分離されたものであってもよい。
【0068】
一具体例で、ホンダワラ抽出物は、エタノール抽出物、熱水抽出物、ヘキサン抽出物、エチルアセテート抽出物、超高圧抽出物、超臨界流体抽出物または亜臨界流体抽出物であってもよいが、これらに限らない。
【0069】
一具体例で、ホンダワラ抽出物は、水、炭素数1〜6の有機溶媒、亜臨界流体および超臨界流体よりなる群から選ばれる一つ以上の溶媒でホンダワラを抽出して収得し得る。例えば、ホンダワラを100MPa以上、好ましくは100MPa〜1000MPaの超高圧の条件下に抽出して収得してもよい。必要な場合には、当業界に公知となった方法により濾過および濃縮段階をさらに含んで製造し得る。
【0070】
一具体例で、炭素数1〜6の有機溶媒は、炭素数1〜6のアルコール、アセトン、エーテル、ベンゼン、クロロホルム、エチルアセテート、メチレンクロリド、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルよりなる群から選ばれる一つ以上であってもよい。
【0071】
また、本発明のホンダワラ抽出物は、乾燥させたホンダワラを食品加工に適した精製水、エタノールおよび亜臨界水または超臨界二酸化炭素を利用して抽出、精製して得られるか、超高圧抽出装置を利用して抽出、精製して得られるか、または、ホンダワラを直接圧着して得たオイルから分離精製して得られる。例えば、100MPa以上、好ましくは1
00MPa〜1000MPaの超高圧の条件下でホンダワラを抽出して抽出物を収得し得る。
【0072】
一具体例で、ヒジキ抽出物は、エタノール抽出物、熱水抽出物、ヘキサン抽出物、エチルアセテート抽出物、超高圧抽出物、超臨界流体抽出物または亜臨界流体抽出物であってもよいが、これらに限らない。
【0073】
一具体例で、ヒジキ抽出物は、水、炭素数1〜6の有機溶媒、亜臨界流体および超臨界流体よりなる群から選ばれる一つ以上の溶媒でヒジキを抽出して収得し得る。例えば、ヒジキを100MPa以上、好ましくは100MPa〜1000MPaの超高圧の条件下に抽出して収得してもよい。必要な場合にはも当業界に公知となった方法により濾過および濃縮段階をさらに含んで製造し得る。
【0074】
一具体例で、炭素数1〜6の有機溶媒は、炭素数1〜6のアルコール、アセトン、エーテル、ベンゼン、クロロホルム、エチルアセテート、メチレンクロリド、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルよりなる群から選ばれる一つ以上であってもよい。
【0075】
また、本発明のヒジキ抽出物は、乾燥させたヒジキを食品加工に適した精製水、エタノールおよび亜臨界水または超臨界二酸化炭素を利用して抽出、精製して得られるか、超高圧抽出装置を利用して抽出、精製して得られるか、またはヒジキを直接圧着して得たオイルから分離精製して得られる。例えば、100MPa以上、好ましくは100MPa〜1000MPaの超高圧の条件下にヒジキを抽出して抽出物を収得し得る。
【0076】
本発明の具体的な実施例において、本発明者は、乾燥させたホンダワラまたはヒジキ粉砕物をメタノール、エタノール、エチルアセテートおよびヘキサンを溶媒としてそれぞれ常温で反復抽出したり、熱水抽出、超高圧抽出、超臨界流体抽出、亜臨界流体抽出して抽出物を製造した。
【0077】
製造されたホンダワラのエタノール抽出物、ヒジキのエタノール抽出物およびフコステロールをそれぞれL6筋肉細胞に処理して筋肉細胞内で示す活性を確認した結果、筋タンパク質の合成に関与するp−mTORのタンパク質の発現を増加させることを確認し(図1)、フコステロール処理によりL6筋肉細胞でmRNA翻訳過程に関与するp−4EBP1とp−p70S6Kのタンパク質の発現が増加することを確認した(図2)。また、フコステロール、ホンダワラまたはヒジキのヘキサン抽出物、エチルアセテート抽出物、エタノール抽出物および熱水抽出物は、それぞれL6筋肉細胞で筋肉分化に関与するMyoDとミオゲニンのmRNAの発現を増加させ(図3図5)、筋タンパク質の分解に関与するMuRF−1とatrogin−1のmRNAの発現を抑制させることを確認した(図6図8)。
【0078】
さらに、ホンダワラまたはヒジキの高圧抽出物をL6筋肉細胞に処理して筋肉生成活性を確認した結果、表1に示されるように、ホンダワラ超高圧抽出物、ホンダワラ超臨界流体抽出物、ホンダワラ亜臨界流体抽出物、ヒジキ超高圧抽出物、ヒジキ超臨界流体抽出物およびヒジキ亜臨界流体抽出物は、それぞれ筋機能の改善に関与する主な遺伝子であるp−mTORのタンパク質の発現量を増加させることを確認し(表1)、TNF−αで筋萎縮を誘導したラット動物モデルにおいて本発明のホンダワラ乾燥粉末、ホンダワラのエタノール抽出物、ヒジキ乾燥粉末、ヒジキのエタノール抽出物またはフコステロールの投与による筋肉重さの変化量を測定した結果、それぞれの処理群が全部対照群に比べて有意的に筋肉量が増加することを確認した(表2)。
【0079】
前記のような結果を通じて、本発明のホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出
物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物、ヒジキ抽出物、または前記抽出物から分離されたフコステロールは、筋肉量を増大させるのに顕著に優れた効果を示すので、筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物;筋肉疾患の予防または改善用健康機能食品組成物;筋肉疾患の予防または改善用飼料添加剤;筋機能改善用化粧料組成物;および飼料添加剤またはこれを含む飼料添加剤の有効成分として有用に使用できる。
【0080】
本発明の筋肉疾患の予防または治療用組成物が薬学的組成物である場合、筋肉消耗または退化による筋肉疾患の予防または治療に使用され得る。筋肉消耗および退化は、遺伝的要因、後天的要因、老化などを原因として発生し、筋肉消耗は、筋肉量の漸進的損失、筋肉、特に骨格筋または随意筋および心臓筋肉の弱化および退行を特徴とする。これと関連した疾患の例としては、緊張減退症、筋萎縮症、筋ジストロフィー、筋肉退化、筋無力症、悪液質および筋肉減少症などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の組成物は、筋肉量の増大効果があり、筋肉の種類は限定されない。
【0081】
本発明の薬学的組成物は、フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物の薬剤学的に許容可能な塩を含むことができる。本明細書において用語「薬剤学的に許容可能な」とは、生理学的に許容され、ヒトに投与される時に、通常、アレルギー反応またはこれと類似した反応を起こさないことを言い、前記塩としては、薬剤学的に許容可能な遊離酸により形成された酸付加塩が好ましい。
【0082】
前記フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物の薬剤学的に許容可能な塩は、有機酸または無機酸を利用して形成された酸付加塩であってもよく、前記有機酸は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ブチル酸、イソブチル酸、トリフルオロ酢酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、コハク酸モノアミド、グルタミン酸、タルタル酸、シュウ酸、クエン酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、アントラニル酸、ジクロロ酢酸、アミノオキシ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸またはメタンスルホン酸を含む。無機酸は、例えば塩酸、臭素酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸またはホウ酸を含む。酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩または酢酸塩の形態であってもよく、より好ましくは、塩酸塩の形態であってもよい。
【0083】
前記言及された酸付加塩は、a)フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物および酸を直接混合したり、b)これらのうち一つを溶媒または含水溶媒中に溶解させ、混合させたり、またはc)フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を溶媒または水和溶媒中の酸に位置させ、これらを混合する一般的な塩の製造方法で製造される。
【0084】
前記とは別に、さらなる塩が可能な形態は、ガバ塩、ガバペンチン塩、プレガバリン塩、ニコチン酸塩、アジペート塩、ヘミマロン酸塩、システイン塩、アセチルシステイン塩、メチオニン塩、アルギニン塩、リシン塩、オルニチン塩またはアスパルト酸塩などがある。
【0085】
また、本発明の筋肉疾患の予防または治療用薬学組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含むことができる。
【0086】
薬学的に許容される担体としては、例えば、経口投与用担体または非経口投与用担体をさらに含むことができる。経口投与用担体は、ラクトース、澱粉、セルロース誘導体、マグネシウムステアレート、ステアリン酸などを含むことができる。また、非経口投与用担
体は、水、好適なオイル、食塩水、水性グルコースおよびグリコールなどを含むことができる。また、安定化剤および保存剤をさらに含むことができる。好適な安定化剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸のような抗酸化剤がある。好適な保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、メチル−またはプロピル−パラベンおよびクロロブタノールがある。その他の薬学的に許容される担体としては、次の文献に記載されているものを参照できる(Remington’s Pharmaceutical Sciences、19th ed.、Mack Publishing Company、Easton、PA、1995)。
【0087】
本発明の薬学組成物は、ヒトを始めとした哺乳動物にいかなる方法でも投与し得る。例えば、経口または非経口で投与し得、非経口的な投与方法としては、これらに限定されるものではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、硬膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下または直腸内投与であってもよい。
【0088】
本発明の薬学組成物は、前述したような投与経路に応じて経口投与用または非経口投与用製剤で剤形化し得る。剤形化する場合には、一つ以上の緩衝剤(例えば、食塩水またはPBS)、抗酸化剤、静菌剤、キレート化剤(例えば、EDTAまたはグルタチオン)、充填剤、増量剤、結合剤、アジュバント(例えば、アルミニウムヒドロキキド)、懸濁剤、濃厚剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤、希釈剤または賦形剤を使用して調剤され得る。
【0089】
経口投与のための製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液またはカプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、本発明の薬学組成物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉(とうもろこし澱粉、小麦澱粉、米澱粉、じゃがいも澱粉などを含む)、カルシウムカーボネート、スクロース、ラクトース、デキストロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチル−セルロースまたはゼラチンなどを混ぜて調剤され得る。例えば、活性成分を固体賦形剤と配合した後、これを粉砕し、好適な補助剤を添加した後、顆粒混合物で加工することにより、錠剤または糖衣錠を収得し得る。
【0090】
単純な賦形剤の他に、マグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用される。経口のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤またはシロップ剤などが該当するが、頻繁に使用される単純希釈剤である水またはリキッドパラフィンの他に、様々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤または保存剤などが含まれ得る。
【0091】
また、場合に応じて、架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはナトリウムアルギネートなどを崩解剤として添加し得、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤および防腐剤などをさらに含むことができる。
【0092】
非経口的に投与する場合、本発明の薬学組成物は、好適な非経口用担体と共に、注射剤、経皮投与剤および鼻腔吸入剤の形態で当業界に公知となった方法により剤形化され得る。前記注射剤の場合には、必ず滅菌されなければならならず、バクテリアおよび真菌のような微生物の汚染から保護されなければならない。注射剤の場合、好適な担体の例としては、これに限定されないが、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)、これらの混合物および/または植物油を含む溶媒または分散媒質であってもよい。より好ましくは、好適な担体としては、ハンクス溶液、リンガー液、トリエタノールアミンが含有されたPBS(phosphate buffered saline)または注射用滅菌水、10%エタノール、40%プロピレングリコールおよび5%デキストロースのような等張溶液などが使用できる。前記注射剤を微生物の汚染から保護するためには、パラベン、クロロブタノール、
フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどのような多様な抗菌剤および抗真菌剤をさらに含むことができる。また、前記注射剤は、大部分の場合、糖またはナトリウムクロリドのような等張化剤をさらに含むことができる。
【0093】
経皮投与剤の場合、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、外用液剤、パスタ剤、リニメント剤、エアロゾル剤などの形態が含まれる。前記で「経皮投与」は、薬学組成物を局所的に皮膚に投与し、薬学組成物に含有された有効な量の活性成分が皮膚内に伝達されることを意味する。
【0094】
吸入投与剤の場合、本発明によって使用される化合物は、好適な推進剤、例えば、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適な気体を使用して、加圧パックまたは煙霧機からエアロゾルスプレーの形態で便利に伝達できる。加圧エアロゾールの場合、投薬の単位は、計量された量を伝達する弁を提供して決定できる。例えば、吸込器または吹込器に使用されるゼラチンカプセルおよびカートリッジは、化合物、およびラクトースまたは澱粉のような好適な粉末基剤の粉末混合物を含有するように剤形化できる。非経口投与用剤形は、すべての製薬化学に一般的に公知となった処方書である文献(Remington’s Pharmaceutical Science、15th Edition、1975.Mack Publishing Company、Easton、Pennsylvania 18042、Chapter 87:Blaug、Seymour)に記載されている。
【0095】
本発明の筋肉疾患の予防または治療用薬学的組成物はフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を有効量として含む時、好ましい筋肉疾患の予防または治療効果を提供できる。本明細書において、「有効量」というのは、陰性対照群に比べてそれ以上の反応を示す量を言い、好ましくは、筋機能を向上させるのに十分な量を言う。本発明の薬学組成物にフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物が0.01〜99.99%含まれ得、残量は、薬学的に許容可能な担体が占めることができる。本発明の薬学組成物に含まれるフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物の有効量は、組成物が製品化される形態などに応じて変わる。
【0096】
本発明の薬学組成物の総有効量は、単一投与量(single dose)で患者に投与され得、多重投与量(multiple dose)で長期間投与される分割治療方法(fractionated treatment protocol)により投与され得る。本発明の薬学組成物は、疾患の程度に応じて有効成分の含量を異にすることができる。非経口投与時は、前記フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を基準として一日に体重1kg当たり好ましくは0.01〜50mg、より好ましくは0.1〜30mgの量で投与されるように、また、経口投与時には、フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を基準として一日に体重1kg当たり好ましくは0.01〜100mg、より好ましくは0.01〜10mgの量で投与されるように1回〜数回に分けて投与できる。しかし、前記フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物の容量は、投与経路および治療回数だけでなく、患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食餌および排泄率など多様な要因を考慮して決定されるので、このような点を考慮するとき、当業界における通常の知識を有する者であれば、前記フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を筋肉疾患の予防または治療のための特定の用途に応じた適切な有効投与量を決定できる。本発明による薬学組成物は、本発明の効果を示す限り、その剤形、投与経路および投与方
法が特に限定されるものではない。
【0097】
本発明の筋肉疾患の予防または治療用薬学組成物は、単独でまたは手術、放射線治療、ホルモン治療、化学治療または生物学的反応調節剤を使用する方法と併用して使用できる。
【0098】
また、本発明の筋肉疾患の予防または治療用薬学組成物は、フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を有効成分として含む外用剤の剤形で提供できる。
【0099】
本発明の筋肉疾患の予防または治療用薬学組成物を皮膚外用剤として使用する場合、さらに、脂肪物質、有機溶媒、溶解剤、濃縮剤およびゲル化剤、軟化剤、抗酸化剤、懸濁化剤、安定化剤、発泡剤、芳香剤、界面活性剤、水、イオン型乳化剤、非イオン型乳化剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、キレート化剤、保存剤、ビタミン、遮断剤、湿潤化剤、必須オイル、染料、顔料、親水性活性剤、親油性活性剤または脂質小嚢など皮膚外用剤に通常使用される任意の他の成分のような皮膚科学分野において通常使用される補助剤を含有できる。また、前記成分は、皮膚科学分野において一般的に使用される量で導入され得る。
【0100】
本発明の筋肉疾患の予防または治療用組成物が皮膚外用剤として提供される場合、これらに限定されるものではないが、軟膏、パッチ、ゲル、クリームまたは噴霧剤などの剤形であり得る。
【0101】
また、本発明の筋肉疾患の予防または筋機能改善用組成物は、食品組成物であってもよい。本発明の筋肉疾患の予防または筋機能改善用が食品組成物である場合、筋肉消耗または退化による筋肉疾患の予防または改善に使用され得る。筋肉消耗および退化は、遺伝的要因、後天的要因、老化などを原因として発生し、筋肉消耗は、筋肉量の漸進的損失、筋肉、特に骨格筋または随意筋および心臓筋肉の弱化および退行を特徴とする。これと関連した疾患の例としては、緊張減退症、筋萎縮症、筋ジストロフィー、筋肉退化、筋無力症、悪液質および筋肉減少症などが挙げられる。本発明の組成物は、筋肉量の増大効果があり、筋肉の種類は限定されない。
【0102】
本発明の食品組成物は、機能性食品、栄養補助剤、健康食品、食品添加剤および飼料などのすべての形態を含み、ヒトまたは家畜を始めとする動物を取食対象とする。前記類型の食品組成物は、当業界に公知となった通常の方法により多様な形態で製造し得る。
【0103】
前記類型の食品組成物は、当業界に公知にされた通常の方法により多様な形態で製造し得る。一般食品としては、これらに限定されないが、飲料(アルコール性飲料を含む)、果実およびその加工食品(例えば、果物缶詰め、瓶詰め、ジャム、マーマレードなど)、魚類、肉類およびその加工食品(例えば、ハム、ソーセージ、コンビーフなど)、パン類および麺類(例えば、うどん、そば、ラーメン、スパゲティ、マカロニなど)、果汁、各種ドリンク、クッキー、飴、乳製品(例えば、バター、チーズなど)、食用植物油脂、マーガリン、植物性タンパク質、レトルト食品、冷凍食品、各種調味料(例えば、みそ、醤油、ソースなど)などにホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を添加して製造し得る。また、栄養補助剤としては、これに限定されないが、カプセル、錠剤、丸剤などにフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を添加して製造し得る。また、健康機能食品としては、これらに限定されないが、例えば、前記ホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物自体をお茶、ジュースおよびドリンクの形態で製造して飲用(健康飲料)できるように、液状化、顆粒化、カプセル化および粉末化して製造し得る。また、前記ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物ま
たはヒジキ抽出物を食品添加剤の形態で使用するためには、粉末または濃縮液の形態で製造して使用できる。また、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物と筋肉疾患の予防または筋機能の改善効果があると知られている周知の活性成分と共に混合して組成物の形態で製造し得る。
【0104】
本発明の筋肉疾患の予防または筋機能改善用組成物が健康飲料組成物として用いられる場合、前記健康飲料組成物は、通常の飲料のように、さまざまな香味剤または天然炭水化物などをさらなる成分として含有できる。前述した天然炭水化物は、ブドウ糖、果糖のようなモノサッカライド;マルトース、スクロースのようなジサッカライド;デキストリン、シクロデキストリンのようなポリサッカライド;キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールであってもよい。甘味剤は、タウマチン、ステビア抽出物のような天然甘味剤;サッカリン、アスパルタムのような合成甘味剤などが使用できる。前記天然炭水化物の比率は、本発明の組成物100mL当たり一般的に約0.01〜0.04g、好ましくは約0.02〜0.03gである。
【0105】
フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物は、筋肉疾患の予防または改善用食品組成物の有効成分として含有され得るが、その量は、筋肉疾患の予防または筋機能改善用作用を達成するのに有効な量であって、特に限定されるものではないが、全体組成物の総重量に対して0.01〜100重量%であることが好ましい。本発明の食品組成物は、フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物または、ヒジキ抽出物と共に筋肉疾患の予防または筋機能改善用組成物に効果があると知られている他の活性成分と共に混合して製造し得る。
【0106】
前記以外に、本発明の健康食品は、さまざまな栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸、ペクチン酸の塩、アルギン酸、アルギン酸の塩、有機酸、保護コロイド、増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコールまたは炭酸化剤などを含むことができる。その他、本発明の健康食品は、天然フルーツジュース、フルーツジュース飲料、または野菜飲料の製造のための果肉を含有できる。このような成分は、独立的にまたは混合して使用できる。このような添加剤の比率は、さほど重要ではないが、本発明の組成物100重量部当たり0.01〜0.1重量部の範囲で選択されることが一般的である。
【0107】
また、本発明の筋機能改善用組成物は、化粧料組成物であってもよい。本発明の化粧料組成物は、フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を有効成分として含有し、皮膚学的に許容可能な賦形剤と共に基礎化粧品組成物(化粧水、クリーム、エッセンス、クレンジングフォームおよびクレンジングウォーターのような洗顔剤、パック、ボディーオイル)、カラー化粧品組成物(ファウンデーション、リップスティック、マスカラ、メイクアップベース)、頭髪製品組成物(シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアジェル)および石鹸などの形態で製造され得る。
【0108】
前記賦形剤としては、これに限らないが、例えば、皮膚軟化剤、皮膚浸透増強剤、着色剤、芳香剤、乳化剤、濃化剤および溶媒を含むことができる。また、香料、色素、殺菌剤、酸化防止剤、防腐剤および保湿剤などをさらに含むことができ、物性の改善を目的として増粘剤、無機塩類、合成高分子物質などを含むことができる。例えば、本発明の化粧料組成物で洗顔剤および石鹸を製造する場合には、通常の洗顔剤および石鹸ベースに前記フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を添加して容易に製造し得る。クリームを製造する場合には、一般的な水中油型(O/W)のクリームベースにフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉
砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物、ヒジキ抽出物またはその塩を添加して製造し得る。これに香料、キレート剤、色素、酸化防止剤、防腐剤などと、物性の改善を目的とするタンパク質、ミネラル、ビタミンなど合成または天然素材をさらに添加し得る。
【0109】
本発明の化粧料組成物に含有されるフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物の含量は、これに限らないが、全体組成物の総重量に対して0.001〜10重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%であることがより一層好ましい。前記含量が0.001重量%未満であると、目的とする筋機能改善効果が期待できず、10重量%を超過すると、安全性または剤形状の製造に困難があり得る。
【0110】
本発明の組成物は、筋肉疾患の予防または改善を目的として飼料添加剤またはこれを含む飼料組成物に添加し得る。
【0111】
本発明において、用語「飼料添加物」とは、栄養素の補充および体重減少の予防、飼料内繊維素の消化利用性の増進、乳質改善、繁殖障害の予防、受胎率の向上、夏季における高温ストレスの予防など、様々な効果を目的として飼料に添加する物質をいう。本発明の飼料添加剤は、飼料管理法上の補助飼料に該当し、炭酸水素ナトリウム、ベントナイト、酸化マグネシウム、複合鉱物質などの鉱物質製剤、亜鉛、銅、コバルト、セレンなどの微量鉱物質であるミネラル製剤、ケロチン、ビタミンE、ビタミンA、D、E、ニコチン酸、ビタミンB複合体などのビタミン剤、メチオニン、リジンなどの保護アミノ酸剤、脂肪酸カルシウム塩などの保護脂肪酸剤、生菌製剤(乳酸菌製剤)、酵母培養物、カビ発酵物などの生菌、酵母剤などをさらに含むことができる。
【0112】
本発明で用語“飼料”は、動物が食べ、摂取し、消化させるための、またはこれに適当な任意の天然または人工規定食、一片食などまたは前記一片食の成分であって、本発明による筋肉疾患の予防または改善用組成物を有効成分として含む飼料は、当業界における公知となった様々な形態の飼料に製造可能であり、好ましくは、濃厚飼料、粗飼料および/または特殊飼料が含まれ得るが、これに限らない。
【0113】
濃厚飼料としては、小麦、オート麦、トウモロコシなどの穀類を含む種実類と、穀物を精製して得る副産物であって、米糠、ふすま、大麦糠などを含む糠類と、豆、アブラナ、ゴマ、亜麻仁、ココヤシなどを採油して得る副産物である油粕類と、サツマイモ、ジャガイモなどから澱粉を取り出した残りである澱粉残渣の主成分たる残存の澱粉質類などの残渣類と、魚粉、魚かす、魚類から得た新鮮な液状物を濃縮させたものであるフィッシュソリュブル、肉粉、血粉、羽毛粉、脱脂粉乳、乳からチーズ、脱脂乳からカゼインを製造するときの残液であるホエイ(whey)を乾燥させた乾燥ホエイなどの動物性飼料、酵母、クロレラ、海藻類などがあるが、これらに限らない。
【0114】
粗飼料としては、野草、牧草、青刈りなどの生草飼料、飼料用カブ、飼料用ビート、カブの一種であるルタバガなどの根菜類、生草、青刈作物、穀実などをサイロに入れて乳酸発酵させた貯蔵飼料であるサイレージ(silage)、野草、牧草を刈り取って乾燥させた乾草、種畜用作物のわら、マメ科植物の葉などがあるが、これらに限らない。特殊飼料としては、カキ殻、岩塩などのミネラル飼料、尿素またはその誘導体であるジウレイドイソブタンなどの尿素飼料、天然飼料の原料のみを配合した時に不足しがちな成分を補充したり、飼料の貯蔵性を高めるために配合飼料に微量で添加する物質である飼料添加物、
食餌補助剤などがあるが、これらに限らない。
【0115】
本発明による前記筋肉疾患の予防または改善用飼料添加剤は、当業界に公知となった多
様な飼料の製造方法により適切な有効濃度の範囲でフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を添加して製造可能である。
【0116】
本発明による飼料添加剤は、筋肉疾患の予防または改善を目的とする個体であれば、制限なしに適用可能である。例えば、猿、犬、猫、ウサギ、モルモット、ラット、マウス、牛、羊、豚、ヤギなどのような非ヒト動物、鳥類および魚類などいずれの個体にも適用可能である。
【実施例】
【0117】
以下、本発明を実施例を通じてより詳細に説明する。
【0118】
但し、下記実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。
【0119】
【化11】
【0120】
参照例1:フコステロールの物質情報
名称:Fucosterol;(24E)−24−N−Propylidenecholesterol;24−Isoethylidenecholest−5−en−3beta−ol、delta(5)−avenasterol;28−Isofucosterol;Stigmasta−5、24−dien−3beta−ol;Stigmasta−5、24(28)−dien−3−ol、(3beta、24E)−;(3beta、24Z)−stigmasta−5、24(28)−dien−3−ol;(3beta、24E)−stigmasta−5、24(28)−dien−3−ol;(24E)−stigmasta−5、24(28)−dien−3−ol
CAS No.:17605−67−3
【0121】
[実施例1]
ホンダワラ抽出物の製造
<1−1>ホンダワラのメタノール抽出物の製造
乾燥させたホンダワラをミキサーで粉砕した後、粉砕したホンダワラ試料100gを100%メタノール1Lに入れ、24時間常温で3回繰り返して抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で減圧濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去した後、ホンダワラのメタノール抽出物を得た。
【0122】
<1−2>ホンダワラのエタノール抽出物の製造
乾燥させたホンダワラをミキサーで粉砕した後、粉砕したホンダワラ試料100gを100%エタノール1Lに入れ、24時間常温で3回繰り返して抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で減圧濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去した後、ホンダワラのエタノール抽出物を得た。
【0123】
<1−3>ホンダワラのエチルアセテート抽出物の製造
乾燥させたホンダワラをミキサーで粉砕した後、粉砕したホンダワラ試料100gを100%エチルアセテート1Lに入れ、24時間常温で3回繰り返して抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で減圧濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去した後、ホンダワラのエチルアセテート抽出物を得た。
【0124】
<1−4>ホンダワラのヘキサン抽出物の製造
乾燥させたホンダワラをミキサーで粉砕した後、粉砕したホンダワラ試料100gを100%ヘキサン1Lに入れ、24時間常温で3回繰り返して抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で減圧濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去した後、ホンダワラのヘキサン抽出物を得た。
【0125】
<1−5>ホンダワラの熱水抽出物の製造
乾燥させたホンダワラをミキサーで粉砕した後、粉砕したホンダワラ試料100gを水1Lに入れて80℃で2時間撹拌しながら抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で減圧濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去した後、ホンダワラの熱水抽出物を得た。
【0126】
<1−6>ホンダワラの超高圧抽出物の製造
乾燥させたホンダワラをミキサーで粉砕した後、粉砕したホンダワラ1gと18%エタノール76mLをポリエチレンパックに入れてシールした後、超高圧抽出装置(Frescal MFP−7000;三菱重工業社)を利用して抽出した。超高圧抽出の条件は、抽出圧力が320MPa、抽出時間が5minであった。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去することにより、ホンダワラの超高圧抽出物を得た。
【0127】
<1−7>ホンダワラの超臨界流体抽出物の製造
乾燥させたホンダワラをミキサーで粉砕した後、粉砕したホンダワラ試料1gを試料カートリッジに充填し、超臨界流体抽出装置(SFX 3560、Isco Inc.、Lincoln、NE、USA)を利用して抽出した。超臨界流体抽出の条件は、抽出圧力が40MPa、抽出温度が50℃、超臨界二酸化炭素の流速が60mL/min、抽出時間が60minであった。超臨界流体の抽出が完了すると、抽出装置の圧力を下げて、超臨界流体状態を解除して、ホンダワラの超臨界流体抽出物を得た。
【0128】
<1−8>ホンダワラの亜臨界流体抽出物の製造
乾燥させたホンダワラをミキサーで粉砕した後、粉砕したホンダワラ試料1gを蒸留水10mLに入れ、亜臨界流体抽出装置(DIONEX Accelerated Solvent Extractor 100、DIONEX co.、USA)を利用して抽出した。亜臨界流体抽出の条件は、抽出圧力が2.5MPa、抽出温度が150℃、抽出時間が15分の条件下に亜臨界抽出を行った。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で濾過し、濾過した抽出液を−40で凍結乾燥して、ホンダワラの亜臨界流体抽出物を得た。
【0129】
[実施例2]
ヒジキ抽出物の製造
<2−1>ヒジキのメタノール抽出物の製造
乾燥させたヒジキをミキサーで粉砕した後、粉砕したヒジキ試料100gを100%メタノール1Lに入れ、24時間常温で3回繰り返して抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で減圧濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分
を除去した後、ヒジキのメタノール抽出物を得た。
【0130】
<2−2>ヒジキのエタノール抽出物の製造
乾燥させたヒジキをミキサーで粉砕した後、粉砕したヒジキ試料100gを100%エタノール1Lに入れ、24時間常温で3回繰り返して抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で減圧濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去した後、ヒジキのエタノール抽出物を得た。
【0131】
<2−3>ヒジキのエチルアセテート抽出物の製造
乾燥させたヒジキをミキサーで粉砕した後、粉砕したヒジキ試料100gを100%エチルアセテート1Lに入れ、24時間常温で3回繰り返して抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で減圧濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去した後、ヒジキのエチルアセテート抽出物を得た。
【0132】
<2−4>ヒジキのヘキサン抽出物の製造
乾燥させたヒジキをミキサーで粉砕した後、粉砕したヒジキ試料100gを100%ヘキサン1Lに入れ、24時間常温で3回繰り返して抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で減圧濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去した後、ヒジキのヘキサン抽出物を得た。
【0133】
<2−5>ヒジキの熱水抽出物の製造
乾燥させたヒジキをミキサーで粉砕した後、粉砕したヒジキ試料100gを水1Lに入れて80℃で2時間撹拌しながら抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で減圧濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去した後、ヒジキの熱水抽出物を得た。
【0134】
<2−6>ヒジキの超高圧抽出物の製造
乾燥させたヒジキをミキサーで粉砕した後、粉砕したヒジキ試料1gと18%エタノール76mLをポリエチレンパックに入れてシールした後、超高圧抽出装置(Frescal MFP−7000;三菱重工業社)を利用して抽出した。超高圧抽出の条件は、抽出圧力が320MPa、抽出時間が5minであった。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去することにより、ヒジキの超高圧抽出物を得た。
【0135】
<2−7>ヒジキの超臨界流体抽出物の製造
乾燥させたヒジキをミキサーで粉砕した後、粉砕したヒジキ試料1gを試料カートリッジに充填して超臨界流体抽出装置(SFX 3560、Isco Inc.、Lincoln、NE、USA)を利用して抽出した。超臨界流体抽出の条件は、抽出圧力が40MPa、抽出温度が50℃、超臨界二酸化炭素の流速が60mL/min、抽出時間が60minであった。超臨界流体の抽出が完了すると、抽出装置の圧力を下げて、超臨界流体状態を解除して、ヒジキの超臨界流体抽出物を得た。
【0136】
<2−8>ヒジキの亜臨界流体抽出物の製造
乾燥させたヒジキをミキサーで粉砕した後、粉砕したヒジキ試料1gを蒸留水10mLに入れて亜臨界流体抽出装置(DIONEX Accelerated Solvent
Extractor 100、DIONEX co.、USA)を利用して抽出した。亜臨界流体抽出の条件は、抽出圧力が2.5MPa、抽出温度が150、抽出時間が15分の条件下に亜臨界抽出を行った。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で濾過し、濾過した抽出液を−40℃で凍結乾燥して、ヒジキの亜臨界流体抽出物を得た。
【0137】
[実施例3]
フコステロールの分離
乾燥ホンダワラまたはヒジキ500gをミキサーで粉砕した後、5Lヘキサンに入れて48時間常温で冷浸して抽出した。抽出した試料は、ワットマンNo.2濾過紙で濾過し、濾過した抽出液を真空回転濃縮器で濃縮して溶媒成分を除去した後、約15.0gのヘキサン抽出物を得た。ヘキサン可用抽出物15gをシリカゲルオープンカラム(70−230mesh、Merck&Co.、Whitehouse Station、NJ、USA)に積載し、核酸およびエチルアセテートの混合した溶媒システムを利用して分取した。前記分取の順序に応じて濃度勾配で40個の下部分画物に分けた後、そのうちの10番と30番の間の分画物から下記化学式1の化合物であるフコステロールを分離(210mg)した。
【0138】
【化12】
【0139】
[実施例4]
フコステロール、ホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物による筋肉生成活性
筋肉細胞であるL6筋芽細胞(ATCC CRL−1458、Manassas、VA、USA)を10%ウシ胎児血清(FBS;Hyclone、Logan、UT、USA)が含有されたダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Hyclone)と共に6−ウェルプレートに2X10cell/mlになるように入れた。細胞密度が約80〜85%になった時、ウェルにある培地を除去し、2%ウマ血清(HS;Hyclone)が含有されたDMEM(Hyclone)に前記実施例1−2で製造したホンダワラのエタノール抽出物(20μg/mL)、実施例2−2で製造したヒジキのエタノール抽出物(20μg/mL)と前記実施例3で分離および精製したフコステロール(10μM)を溶かした後、細胞に処理して筋管細胞の分化を誘導した。この際、試料の代わりに0.01%DMSOを処理した群を対照群とした。この過程を2日間を1サイクルとして6日間進めて分化させた後、プロテアーゼインヒビターカクテルが含まれたNP−40緩衝溶液(ELPIS−Biotech、Daejeon、Korea)で溶解させた。緩衝溶液に溶解された細胞を1.5mLのチューブに移して13,000rpmで10分間遠心分離して上澄み液のみを取った。上澄み液をブラッドフォード(Bradford、Bio−Rad Laboratories Inc.、Hercules、CA、USA)法を利用して定量した。定量したタンパク質を5分間沸かした後、10%SDS−PAGEで電気泳動して分離し、分離されたタンパク質をニトロセルロース膜に伝達した。p−mTOR 1次抗体(Cell signaling technology、Beverly、MA、USA)を2.5%ウシ血清アルブミン(BSA)に1:1000の比率で希釈して、ニトロセルロース膜に伝達されたタンパク質と20時間常温で反応させた。1次抗体を反応させた後、Tween−20を含むトリス緩衝食塩水(TBST)を利用してニトロセルロース膜を10分間3回洗浄した。洗浄後、1次抗体を認知するホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)が接合された抗ウサギ2次抗体(Bethyl Laboratories Inc.、Montgomery、TA、USA)を2.5%BS
Aに1:5000になるように希釈して、ニトロセルロース膜と2時間常温で反応させ、TBSTを利用して10分ずつ3回にわたって洗浄した。タンパク質バンドは、ECLウェスタンブロッティング検出試薬(Amersham、Tokyo、Japan)を使用して発色し、G;BOX EFイメージングシステム(Syngene、Cambridge、UK)を利用して発色されたタンパク質バンドを確認した。その結果を図1に示した。
【0140】
その結果、図1に示されるように、ホンダワラのエタノール抽出物、ヒジキのエタノール抽出物、フコステロールの処理によりL6筋肉細胞でp−mTORの発現量が増加したことが確認できた。これは、本発明のホンダワラのエタノール抽出物、ヒジキのエタノール抽出物、フコステロールが筋肉細胞内で筋肉生成を増加させる能力に優れていることを意味する。
【0141】
[実施例5]
L6筋肉細胞でフコステロールのmRNA翻訳促進活性
前記実施例3で分離および精製したフコステロールをそれぞれ1と10μMの濃度で前記実施例4と同じ方法で実験を進めた。p−mTOR 1次抗体の代わりにmRNA翻訳過程に関与するp−p70S6Kおよびp−4EBP1 1次抗体(Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz、CA、USA)を処理して、タンパク質バンドを確認した。
【0142】
その結果、図2に示されるように、フコステロールを処理することにより、L6筋肉細胞でmRNA翻訳過程に関与するp−p70S6Kおよびp−4EBP1のタンパク質発現量が増加したことが確認できる。これは、本発明のフコステロールが筋肉細胞内で筋肉生成のためのmRNA翻訳過程を促進させることを意味する。
【0143】
[実施例6]
フコステロールによる筋肉分化活性
筋肉細胞であるL6筋芽細胞(ATCC)を10%FBS(Hyclone)が含有されたDMEM(Hyclone)と共に6−ウェルプレートに2×10cell/mlになるように入れた。細胞密度が約80〜85%になった時、ウェルにある培地を除去して2%HS(Hyclone)が含有されたDMEM(Hyclone)に前記実施例3で分離および精製したフコステロールをそれぞれ1と10μMの濃度で溶かした後、細胞に処理して、筋管細胞の分化を誘導した。この際、試料の代わりに0.01%DMSOを処理した群を対照群とした。この過程を2日間を1サイクルとして6日間進めて分化させた後、TRIzol試薬(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA)を使用してトータルRNAを分離した。分離したトータルRNAは、ナノドロップ(NanoDrop 1000;Thermo Fisher Scientific Inc.、MA、USA)を利用して定量した。定量した16μLのRNAをReverse Transcriptase Premix(ELPIS−Biotech)とPCR機器(Gene Amp PCR System 2700、Applied Biosystems、MA、USA)を利用して42℃で55分、70℃で15分の条件でcDNAで合成した。16μLの生成されたcDNAのうち4μLのcDNA、下記の特定のプライマー(Bioneer、Daejeon、Korea)、およびPCRプレミックス(ELPIS−Biotech)で95℃で30秒、60℃で1分、72℃で1分を30回繰り返してPCRを行った。
【0144】
MyoD
Forward primer:5’−TTTCGACTCACCAGACCTGC−3’(配列番号1)
Reverse primer:5’−CAGAGCCTGCAGACCTTCAA−3’(配列番号2)
ミオゲニン
Forward primer:5’−TTTCGCACCTGATGGACCTG−3’(配列番号3)
Reverse primer:5’−CTTTCTTGAGCCTGCGCTTC−3’(配列番号4)
β−Actin:
Forward primer:5’−AGCCATGTACGTAGCCATCC−3’(配列番号5)
Reverse primer:5’−CTCTCAGCTGTGGTGCTGAA−3’(配列番号6)
【0145】
PCRの結果、増幅されたcDNAを1.5%アガロースゲルで電気泳動して分離し、G;BOX EFイメージングシステム(Syngene)を利用してcDNAバンドを確認した。その結果を図3に示した。
【0146】
その結果、図3に示されるように、フコステロールを処理することにより、L6筋肉細胞でMyoDおよびミオゲニンのmRNAの発現が増加することが分かった。これは、本発明のフコステロールが筋肉細胞内で筋肉分化を促進する能力に優れていることを意味する。
【0147】
[実施例7]
ホンダワラ抽出物による筋肉分化活性
前記実施例6と同じ方法で筋肉細胞であるL6筋芽細胞(ATCC)を培養した後、2%HS(Hyclone)が含有されたDMEM(Hyclone)に前記実施例1−2〜1−5で製造したホンダワラのエタノール抽出物、エチルアセテート抽出物、ヘキサン抽出物および熱水抽出物を10μg/mLの濃度で溶かした後、細胞に処理して、筋管細胞の分化を誘導した。この際、試料の代わりに0.01%DMSOを処理した群を対照群とした。この過程を2日間を1サイクルとして6日間進めて分化させた後、実施例6と同じ方法でRT−PCRを行った。
【0148】
その結果、図4に示されるように、ホンダワラ抽出物を処理することにより、L6筋肉細胞でMyoDおよびミオゲニンのmRNAの発現が増加するということが分かった。これは、本発明のホンダワラ抽出物が筋肉細胞内で筋肉分化を促進する能力に優れていることを意味する。
【0149】
[実施例8]
ヒジキ抽出物による筋肉分化活性
前記実施例6と同じ方法で筋肉細胞であるL6筋芽細胞(ATCC)を培養した後、2%HS(Hyclone)が含有されたDMEM(Hyclone)に前記実施例2−2〜2−5で製造したヒジキのエタノール抽出物、エチルアセテート抽出物、ヘキサン抽出物および熱水抽出物を10μg/mLの濃度で溶かした後、細胞に処理して、筋管細胞の分化を誘導した。この際、試料の代わりに0.01%DMSOを処理した群を対照群とした。この過程を2日間を1サイクルとして6日間進めて分化させた後、実施例6と同じ方法でRT−PCRを行った。
【0150】
その結果、図5に示されるように、ヒジキ抽出物を処理することにより、L6筋肉細胞でMyoDおよびミオゲニンのmRNAの発現が増加するということが分かった。これは、本発明のヒジキ抽出物が筋肉細胞内で筋肉分化を促進する能力に優れていることを意味
する。
【0151】
[実施例9]
フコステロールの筋タンパク質の分解抑制活性
筋肉細胞であるL6筋芽細胞(ATCC)を10%FBS(Hyclone)が含有されたDMEM(Hyclone)と共に6−ウェルプレートに2×10cell/mlになるように入れた。細胞密度が約80〜85%になった時、ウェルにある培地を除去し、2%HS(Hyclone)が含有されたDMEM(Hyclone)を細胞に処理して、筋管細胞の分化を誘導した。2日に一回ずつ新しい培地に交換して、合計6日間分化を進めた。分化後、50ng/mLの腫瘍壊死因子α(TNF−α;PeproTech、Rocky Hills、NJ、USA)が含有されたDMEM(Hyclone)に前記実施例3で分離および精製したフコステロールをそれぞれ1と10μMの濃度で溶かした後、細胞に処理した。6時間後、TRIzol試薬(Invitrogen)を使用してトータルRNAを分離した。分離したトータルRNAは、ナノドロップ(NanoDrop 1000;Thermo Fisher Scientific Inc.)を利用して定量した。定量した16μLのRNAをReverse Transcriptase Premix(ELPIS−Biotech)とPCR機器(Gene Amp
PCR System 2700;Applied Biosystems)を利用して42℃で55分、70℃で15分の条件でcDNAで合成した。16μLの生成されたcDNAのうち4μLのcDNA、下記の特定プライマー(Bioneer)、およびPCRプレミックス(ELPIS−Biotech)で95℃で30秒、60℃で1分、72℃で1分を30回繰り返してPCRを行った。
【0152】
Atrogin−1
Forward primer:5’−CCCTGAGTGGCATCGCCCAA−3’(配列番号7)
Reverse primer:5’−AGGTCCCGCCCATCGCTCA−3’(配列番号8)
MuRF−1
Forward primer:5’−GAAATGCTATGCAGAACCTG−3’(配列番号9)
Reverse primer:5’−ATTCCTGCTTGTAGATGTCG−3’(配列番号10)
β−Actin:
Forward primer:5’−AGCCATGTACGTAGCCATCC−3’(配列番号5)
Reverse primer:5’−CTCTCAGCTGTGGTGCTGAA−3’(配列番号6)
【0153】
PCRの結果、増幅したcDNAを1.5%アガロースゲルで電気泳動して分離し、G;BOX EFイメージングシステム(Syngene)を利用してcDNAバンドを確認した。その結果を図6に示した。
【0154】
その結果、図6に示されるように、フコステロールを処理することにより、L6筋肉細胞でatrogin−1およびMuRF−1のmRNAの発現が減少することが分かった。これは、本発明のフコステロールが筋肉細胞内で筋タンパク質の分解を抑制する能力に優れていることを意味する。
【0155】
[実施例10]
ホンダワラ抽出物の筋タンパク質の分解抑制活性
前記実施例9と同じ方法で筋肉細胞を2%HS(Hyclone)が含有されたDMEM(Hyclone)を処理して筋管細胞の分化後、50ng/mLのTNF−α(PeproTech)が含有されたDMEM(Hyclone)に実施例1−2〜1−5で製造したホンダワラのエタノール抽出物、エチルアセテート抽出物、ヘキサン抽出物および熱水抽出物を10μg/mLの濃度で溶かした後、実施例9と同じ方法でRT−PCRを行った。
【0156】
その結果、図7に示されるように、ホンダワラ抽出物を処理することにより、L6筋肉細胞でatrogin−1およびMuRF−1のmRNAの発現が減少することが分かった。これは、本発明のホンダワラ抽出物が筋肉細胞内で筋タンパク質の分解を抑制する能力に優れていることを意味する。
【0157】
[実施例11]
ヒジキ抽出物の筋タンパク質の分解抑制活性
前記実施例9と同じ方法で筋肉細胞を2%HS(Hyclone)が含有されたDMEM(Hyclone)を処理して筋管細胞の分化後、50ng/mLのTNF−α(PeproTech)が含有されたDMEM(Hyclone)に前記実施例2−2〜2−5で製造したヒジキのエタノール抽出物、エチルアセテート抽出物、ヘキサン抽出物および熱水抽出物を10μg/mLの濃度で溶かした後、実施例9と同じ方法でRT−PCRを行った。
【0158】
その結果、図8に示されるように、ヒジキのエタノール抽出物、エチルアセテート抽出物、ヘキサン抽出物および熱水抽出物を処理することにより、L6筋肉細胞でatrogin−1およびMuRF−1のmRNAの発現が減少することが分かった。これは、本発明のヒジキ抽出物が筋肉細胞内で筋タンパク質の分解を抑制する能力に優れていることを意味する。
【0159】
[実施例12]
ホンダワラとヒジキの高圧抽出物による筋肉生成活性
前記実施例1−6で製造したホンダワラの超高圧抽出物、実施例1−7で製造したホンダワラ超臨界流体抽出物、実施例1−8で製造したホンダワラの亜臨界流体抽出物、実施例2−6で製造したヒジキの超高圧抽出物、実施例2−7で製造したヒジキの超臨界流体抽出物、実施例2−8で製造したヒジキの亜臨界流体抽出物を20ppmの濃度で前記実施例4と同じ方法で筋肉細胞に処理した。ECLウェスタンブロッティング検出試薬(Amersham、Tokyo、Japan)を使用してp−mTORタンパク質バンドを発色し、G;BOX EFイメージングシステム(Syngene、Cambridge、UK)を利用して発色されたタンパク質バンドの密度(density)を測定した。この際に、対照群タンパク質バンドの密度を100%として、試料を処理した実験群の相対的なタンパク質バンドの密度を百分率(%)で示した。その結果を下記表1に示した。
【0160】
【表1】
【0161】
前記表1に示されるように、ホンダワラとヒジキの超高圧抽出物、超臨界流体抽出物、亜臨界流体抽出物は、筋機能の改善に関与する主な遺伝子p−mTORのタンパク質発現量を増加させることが分かった。
【0162】
[実施例13]
動物モデルで筋肉量の増加効果の確認
5週齢のウィスターラット(Daehan Biolink、Korea)を1週間適応させ、TNF−α100ng/gを2週間供給して、筋萎縮を誘導させた後、体重をベースにして無作為に群を配置して、それぞれ8匹ずつ総6群に分けて実験に利用した。実験群としては、ホンダワラの乾燥粉末500mg/kg体重、実施例1−2で製造したホンダワラのエタノール抽出物500mg/kg体重、ヒジキ乾燥粉末500mg/kg体重、実施例2−2で製造したヒジキのエタノール抽出物500mg/kg体重、実施例3で製造したフコステロール300mg/kg体重の濃度で0.25%カルボキシメチルセルロースに懸濁して、1日1回ずつ8週間一定の時間に投与した。この際、対照群としては、実験群が摂取する同じ量の0.25%カルボキシメチルセルロースにTNF−αを投与した群を使用した。
【0163】
8週間試料を投与した後、右側のふくらはぎの下方の筋肉を切除して、微量てんびん(Mettler PE160、USA)で重さを測定した。その結果、表2に示されるように、ホンダワラの乾燥粉末、ホンダワラのエタノール抽出物、ヒジキの乾燥粉末、ヒジキのエタノール抽出物、フコステロールをそれぞれ投与した群における筋肉の重さが対照群と比較してそれぞれ有意的(p<0.01)に14.94%、24.82%、16.14%、22.65%、25.78%増加した。このような結果は、本発明のホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物、ヒジキ抽出物または前記抽出物から分離されたフコステロールが筋肉量の増大に効率的に作用することを意味する。
【0164】
【表2】
【0165】
以下、本発明によるフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を有効成分として含有する食品類および医薬品の製造例を説明するが、本発明は、これを限定しようとするものではなく、単に具体的に説明しようとするものである。前記筋肉疾患の予防または治療または筋機能の改善効果に優れたフコステロールまたは、前記実施例1および2のホンダワラ抽出物またはヒジキ抽出物を有し、下記のような組成成分および組成比に応じて製造例1〜4の医薬品、食品、化粧品および飼料添加剤組成物を通常の方法により製造した。
【0166】
[製造例1]医薬品
<1−1>散剤
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物50mg、結晶セルロース2gを混合した後、通常の散剤の製造方法により気密布に充填して散剤を製造した。
【0167】
<1−2> 錠剤
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物50mg、結晶セルロース400mg、ステアリン酸マグネシウム5mgを混合した後、通常の錠剤の製造方法により打錠して錠剤を製造した。
【0168】
<1−3>カプセル剤
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物30mg、乳清タンパク質100mg、結晶セルロース400mg、ステアリン酸マグネシウム6mgを混合した後、通常のカプセル剤の製造方法によりゼラチン カプセルに充填してカプセル剤を製造した。
【0169】
<1−4>注射剤
通常の注射剤の製造方法により活性成分を注射用蒸留水に溶解し、pHを約7.5に調節した後、前記実施例3のフコステロール100mg、注射用蒸留水、pH調節剤を混合して2mL容量のアンプルに充填し、滅菌させて注射剤を製造した。
【0170】
[製造例2]食品
<2−1>健康食品の製造
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物1000mg、ビタミンAアセテート70ug、ビタミンE 1.0mg、ビタミンB1 0.13mg、ビタミンB2 0.15mg、ビタミンB6 0.5mg、ビタミンB12 0.2ug、ビタミンC 10mg、ビオチン10ug、ニコチン酸
アミド1.7mg、葉酸50ug、パントテン酸カルシウム0.5mg、硫酸第1鉄1.75mg、酸化亜鉛0.82mg、炭酸マグネシウム25.3mg、第1リン酸カリウム15mg、第2リン酸カルシウム55mg、クエン酸カリウム90mg、炭酸カルシウム100mg、塩化マグネシウム24.8mgを混合して製造し得、その配合比を任意に変形して実施してもよく、通常の健康食品の製造方法により前記の成分を混合した後、顆粒を製造し、通常の方法により健康食品組成物の製造に使用できる。
【0171】
<2−2>健康飲料の製造
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物1000mg、クエン酸1000mg、オリゴ糖100g、梅濃縮液2g、タウリン1gに合計900mlになるように精製水を添加し、通常の健康飲料の製造方法により前記の成分を混合した後、約1時間85℃で撹拌加熱した後、製造された溶液を濾過して滅菌した2Lの容器に取得して、密封滅菌した後、冷蔵保管することで、健康飲料組成物の製造に使用できる。
【0172】
<2−3>チューインガム
ガムベース20重量%、砂糖76.9重量%、香料1重量%および水2重量%と本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物0.1重量%を配合して、通常の方法でチューインガムを製造した。
【0173】
<2−4>キャンディ
砂糖60重量%、水飴39.8重量%および香料0.1重量%と本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物0.1重量%を配合して、通常の方法でキャンディを製造した。
【0174】
<2−5>ビスケット
薄力粉1等級25.59重量%、中力粉1等級22.22重量%、精白糖4.80重量%、食塩0.73重量%、ブドウ糖0.78重量%、パームショートニング11.78重量%、アンモニウム1.54重量%、重曹0.17重量%、重亜硫酸ナトリウム0.16重量%、米粉1.45重量%、ビタミンB0.0001重量%、ミルク香0.04重量%、水20.6998重量%、全脂粉乳1.16重量%、代用粉乳0.29重量%、第1リン酸カルシウム0.03重量%、散布塩0.29重量%および噴霧乳7.27重量%と、本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物0.8301重量%を配合して、通常の方法でビスケットを製造した。
【0175】
[製造例3]化粧品
<3−1>栄養化粧水(乳液)
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を下記表3の栄養化粧水の剤形比率に基づいて通常の方法により栄養化粧水を製造した。
【0176】
【表3】
【0177】
<3−2>柔軟化粧水(スキンローション)
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を下記表4の柔軟化粧水の剤形比率に基づいて通常の方法により柔軟化粧水を製造した。
【0178】
【表4】
【0179】
<3−3>栄養クリーム
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を下記表5の栄養クリームの剤形比率に基づいて通常の方法により栄養クリームを製造した。
【0180】
【表5】
【0181】
<3−4>マッサージクリーム
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を下記表6のマッサージクリームの剤形比率に基づいて通常の方法によりマッサージクリームを製造した。
【0182】
【表6】
【0183】
<3−5>パック
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を下記表7のパックの剤形比率に基づいて通常の方法によりパックを製造した。
【0184】
【表7】
【0185】
<3−6>ジェル
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物または
ヒジキ抽出物を下記表8のジェルの剤形比率に基づいて通常の方法によりジェルを製造した。
【0186】
【表8】
【0187】
[製造例4]飼料
<4−1>飼料添加剤の製造
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を下記表9の配合成分を混合して、通常の方法により飼料添加剤を製造した。
【0188】
【表9】
【0189】
<4−2>飼料の製造
本発明のフコステロール、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を下記表10の配合成分を混合して、通常の方法により飼料を製造した。
【0190】
【表10】
【0191】
以上説明したように、本発明は、フコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物を含有する筋肉疾患の予防または治療用または筋機能改善用組成物を提供する。より詳細には、本発明のフコステロール、ホンダワラ、ホンダワラ粉砕物、ホンダワラ抽出物、ヒジキ、ヒジキ粉砕物またはヒジキ抽出物は、筋タンパク質の合成に関与する主な遺伝子p−mTORのタンパク質発現の増加、筋タンパク質の分解に関与するMuRF−1とatrogin−1のmRNAの発現の抑制、筋肉分化に関与するMyoDとミオゲニンのmRNAの発現を増加させて、筋肉疾患の予防、改善または治療または筋機能の改善に優れた効果を示す。また、本発明の組成物は、天然物であるので、副作用なしに安全に使用され得、筋肉疾患の予防、改善または治療または筋機能の改善に顕著に優れた効果を示す組成物を提供できるので、産業上の利用可能性が高い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]