(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スロットの前記第2の群が、少なくとも幾つかの前記ディボットを含み、W2が、前記吐出面から前記ディボットまで一定であることを特徴とする、請求項1に記載のハニカム押出ダイ。
前記スロットの前記第1の群が、少なくとも幾つかの前記ディボットを含み、W1が、前記吐出面から前記ディボットまで一定であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のハニカム押出ダイ。
前記スロットの前記第2の群のスロットが、前記スロットの前記第1の群から前記ダイの周縁領域に向かって配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム押出ダイ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、本開示の例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、以下により十分に説明される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。図面において、層及び領域のサイズ及び相対的なサイズは、明確にするために誇張されている場合がある。
【0021】
要素又は層が、別の要素又は層の「上」にある、別の要素又は層に「接続」されている、又は別の要素又は層に「隣接」していると称される場合、それは、他の要素又は層の上に直接存在していてもよく、それらに直接接続していてもよく、若しくは、それらに直接隣接していてもよく、あるいは、介在する要素又は層が存在していてもよいことが理解されよう。対照的に、要素又は層が、別の要素又は層の上に直接存在する、それらに直接接続する、又はそれらに直接隣接すると称される場合、介在する要素又は層は存在しない。図面における同様の参照番号は同様の要素を意味する。本開示の目的では、「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」は、Xのみ、Yのみ、Zのみ、又は、X、Y、及びZのうちの2つ以上の項目の任意の組合せ(例えば、XYZ、XYY、YZ、ZZ)と解釈されうることが理解されよう。
【0022】
多孔性のセラミックハニカム体の製造は、セラミック粉末バッチ混合物を可塑化し、混合物をハニカム押出ダイに通して押出成形してハニカム体を形成し、該ハニカム体を切断、乾燥、及び焼成して第1の端面から第2の端面まで軸方向に延在するチャネルを有する高強度及び熱耐久性の多孔性のセラミックハニカム体を生成するプロセスによって達成されうる。押出機から軸方向に出る際に、バッチは固くなり、軸方向に延在するチャネルを形成する軸方向に延在する交差する壁のネットワーク(ウェブ)と軸方向に延在する外周面とを含む、湿った押出物となる。ウェブ及びチャネルは、マトリクスを含む。マトリクスの外周には外周面が配置される。外周面は、本明細書では、同時押出成形された外皮、一体形成された同時押出成形された外皮、又は外皮とも称されうる。マトリクス上の外皮と共に押出される未焼成素地のハニカム体又は多孔性のセラミックハニカム体は、本明細書では、押出成形ハニカム体と称される。本明細書で用いられる場合、セラミックハニカム体には、セラミックハニカムモノリス及びセグメント化されたセラミックハニカム体、並びにハニカム体セグメントが含まれる。本明細書で用いられる場合、ハニカム体とは、湿った又は乾燥した未焼成の素地、又は焼成された素地、ハニカム押出物、ハニカムログ、ハニカム片、又はハニカム物品のことを指しうる。
【0023】
同時押出される又は後に施される外皮は、セラミックハニカム体の第1の端面から第2の端面まで軸方向に延在する外周面を形成しうる。交差する壁(ウェブ)によって画成されるハニカム体の各チャネルは、モノリス型であるかセグメント化されているかにかかわらず、入口面又は出口面で閉塞されて、フィルタを生成しうる。幾つかのチャネルが閉塞されずに残される場合には、部分フィルタが生成されうる。ハニカム体は、モノリス型であるかセグメント化されているかにかかわらず、基材を生成するように触媒されうる。非閉塞のハニカム体は、概して、本明細書では基材と称される。触媒された基材は、後で施された触媒を有していてもよく、あるいは、押出成形触媒を含んでいてもよい。さらには、フィルタ及び部分フィルタは、多機能性を提供するように触媒されてもよい。こうして生成されたセラミックハニカム体は、エンジン排気の浄化など、流体を清浄化するための触媒担体、膜担体として、ウォールフローフィルタとして、部分フィルタとして、及びそれらの組合せとして、幅広く用いられる。
【0024】
セラミックハニカム体の組成物は、特に限定されず、多量及び少量のコージエライト、チタン酸アルミニウム、ムライト、β−スポジュメン、炭化ケイ素、ゼオライトなど、並びにそれらの組合せを含みうる。さらなる例として、セラミックハニカム体は、押出成形ゼオライト又は他の押出成形触媒を含みうる。
【0025】
図1は、押出機及びハニカム押出物の概略図である。押出機は、バッチがハニカム押出物200として押出機100から出る前端102を含みうる。押出機カートリッジ104は、押出ダイ及び外皮形成マスクを含む押出成形ハードウェアを含みうる。ハニカム押出物200は、長さL1を有し、第1の端面202と、押出機の前端102から第1の端面202まで延在する外周面206とを含む。互いに隣接するチャネル210を形成する複数の交差する壁208は、軸方向「A」で示される押出方向に延在し、ハニカムマトリクス212を形成する。押出方向に延在するチャネル216を形成する交差する壁214が、説明のために示されている。軸方向に対して垂直な最大断面寸法は、「D1」で示されている。例えば、ハニカム押出物200が円筒形状の場合、最大寸法「D1」は、端面202の直径でありうる。例えば、軸方向に対して垂直なハニカム押出物200の断面が長方形の場合、最大寸法「D1」は、端面の対角線でありうる。
【0026】
本開示の例示的な実施形態に従うハニカムマトリクス212は、ハニカム押出物200のバルク領域218における公称厚さの交差する壁208と、バルク領域218を取り囲むハニカム押出物200の強化された領域220(本明細書では「補強」領域とも称される)における、より大きい厚さの交差する壁204とを含む。バルク領域218は、「D1」より小さい第2の寸法「D2」によって境界されうる。強化された領域220は、「D2」から「D1」まで、又は「D2」から「D1」未満まで延在しうる。周縁領域220の厚い壁は、ハニカム押出物200に対する強化効果をもたらす。補強領域220は、ハニカム押出物200の外周まで延在しうる。ハニカム押出物200は、切断されて第2の端面を形成し、乾燥及び焼成されて、より厚いチャネル壁204の強化された周縁領域220を有する多孔性のセラミックハニカム体を形成しうる。他の例示的な実施形態では、補強領域は、正方形のマトリクスでは45°の方向、又は六角形のマトリクスでは60°の方向などで、バルク領域を横断してもよい。
【0027】
典型的にはステンレス鋼などの高強度材料で形成される押出ダイは、可塑化されたセラミックバッチ材料をダイ内へと導入する供給孔を備えたダイ本体を含む。供給孔には、ダイの吐出面で終結する吐出スロットが接続されており、そこから、可塑化されたバッチ材料が、輪郭を取り囲み、周壁204に接着する、押出成形された外皮206を有するハニカム押出物200の形態で吐出される。
【0028】
内壁208より大きい厚さを有するより強い周壁204を製造する目的で、拡幅された周縁吐出スロットが設けられる。スロットの拡幅は、適切な幅のタブ電極を用いるプランジEDM加工によって達成されうる。予想通り、このスロットの拡幅は、結果的に、乾燥及び焼成されたハニカム構造に追加の強度を付与することを意図する、厚くなった周縁ハニカム体壁を生じる。しかしながら、意図されない結果として、厚くなった周壁の歪みが挙げられ、このような歪みは、所望の強化に干渉し、幾つかの事例では、焼成されたハニカム体の強度を低下させうる。
【0029】
周縁補強領域220を有するハニカム体を押出成形するためには、バッチ流れのインピーダンス(圧力損失)を、公称スロット幅を有するダイ中心のバルクゾーンよりもダイ周縁の幅広いスロット幅を有する補強ゾーンにおいて適切に低くする必要があること、及び、幅広いスロットが徐々に広くなる場合、外皮に近くなるほどフローインピーダンスを低くする必要があることが判明した。したがって、ダイ供給孔の流量分布は、当然、公称ゾーンよりも補強ゾーンへの流れが多くなり、外皮に近いほど、より多くのバッチがより幅広いスロットへと流れる。このような流れは、幅広いスロットを十分に満たすことを可能にし、結果的に、内壁208と一致した押出速度で幅広いハニカム体の壁を生じ、質量流量を平衡化することから、このような配置は、周縁補強セクションに必要とされる。
【0030】
しかしながら、本発明者らは、ダイ供給孔におけるバッチ流れ分布が、公称ゾーンよりも補強ゾーンに対してより多くの流れを当然に生じるのではなく、ダイスロットが幅広くなるときに、外皮に近づくほど、より多くのバッチがより幅広いスロットに流れるわけではないことを見出した。実際には、意外にもその反対が真であることが分かった;補強ゾーンにおけるバッチ流れのインピーダンスは、公称ゾーンのフローインピーダンスよりもさらに高く、該インピーダンスは、スロットが外皮に近づくほど幅広くなるにつれて、さらに増加した。ダイフローのモデリングを用いたこの驚くべき効果に対する調査は、補強セクションにおけるスロット拡張が、バッチ流れの下流側の(前向きの)段差部を生じうることを示唆した。前向きの段差部は、幅広いスロットがバッチで十分に満たされる場合に、渦又は「デッドゾーン」に捕らわれたバッチの上をスライドするバッチ(本明細書ではバッチ・オン・バッチと称される)に起因して、追加的な圧力損失を生じうる。追加的な圧力は、拡張されたスロットにおける圧力低下を無効にすることができ、また、補強セクションを通じたより高い圧力損失を生じうる。バッチ・オン・バッチ圧力は、補強セクションにおけるスロットのより幅広い拡張に起因して、外周に近づくと増加することが判明した。増加したインピーダンス傾向によって、バッチ流れをさらに低下させる、より少ない流れが補強セクション内に生じ、ハニカム体の許容可能な補強領域を押出成形するのに必要とされるのとは逆に、外皮の方に向かって減少する。したがって、補強ゾーンの幅広いスロット内に正しいバッチ流れを確立するためには、インピーダンスプロファイルを補強ゾーンで低下させる必要がある。
【0031】
補強ゾーンにより高いインピーダンスを生じる前向きの段差部に加えて、前向きの段差部はまた、補強ゾーン内に、一定のより低いインピーダンスを有するが、その設計された寸法が十分に満たされていない幅広いスロットを有する、別の安定な状態も生じうる。増加したインピーダンス安定状態を有するバッチ・オン・バッチ、及び、より低いインピーダンス安定状態を有する、満たされていない幅広いスロットは、これらの安定な状態(本明細書では、いずれも双安定状態と称される)がいずれも、押出成形されたハニカム体に不正なバッチ流れ及び押出欠陥を生じることから、いずれも押出成形プロセス中は望ましくない。双安定状態に由来する欠陥を回避するために、補強ゾーンのスロット内の前向きの段差部を除去してもよい。しかしながら、前向きの段差部の除去は、圧力損失の大きすぎる低下及び補強ゾーン内の過剰なバッチ流れにつながりうる、ピンの根元にまで及ぶ幅広いスロットを必要とする可能性があり、幾つかのダイ幾何学形状は、ピンの根元へのこのような拡張を促さない。
【0032】
その全内容が、参照することにより本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる米国特許第6,080,348号明細書に記載されるように、ダイの吐出スロットを境界するピンは、ダイを通過する押出可能な材料の流れを変更するための幾何学的に設計された表面特徴を含む側面を取り込むことができる。これらの幾何学的に設計された表面特徴は、本明細書では、ディボットと称される。ディボットは、押出可能な材料内に剪断を導入するように作用し、それによって凹部を組み込んだピン表面を通過する流れをいくらか妨げる、ダイピンの選択された側面に形成された溝又は凹部でありうる。ディボットは、ピンの上面によって形成されるダイの吐出面、及び、ダイ本体内の供給孔と吐出スロットとの間に形成される供給孔−スロット交点の両方から離間されうる。
【0033】
ディボットは、ハニカム押出ダイのピン又はスロット表面に付けられた所定のサイズ及び形状の特徴である。これは、典型的には従前の実施に従って機械加工された押出ダイのスロット領域に存在する種類のランダムな表面変動とは対照的である。
【0034】
吐出スロット内のディボットの存在に起因する、可塑化されたバッチ材料内に発生する流れの変更は、ディボットの数、サイズ、及び形状のみならず、押出成形される材料のレオロジー及び採用される押出速度などの因子にも依存する。しかしながら、特定のバッチ材料、ハニカム体形状、及び/又は押出成形条件にとって最適なディボットの幾何学形状は、日常的な実験又は流れのモデル化によって容易に決定することができる。吐出スロットは、ディボットの上流及び下流のスロット部分よりもディボットにおいて幅広くなっている。
【0035】
本発明者らは、驚くべきことに、ディボットを含む少なくとも幾つかのスロットを有するダイ、並びにディボット及びプレナムを含む少なくとも幾つかのスロットを有するダイでは、補強ゾーン内では多すぎるが、その代わりにディボットの下流端では少なくなりうる、バッチ流れを生じうる可能性がある、幅広いスロットがピンの根元まで延在しない場合であっても、補強ゾーンに適切なインピーダンスプロファイルを達成できることを見出した。吐出面からディボットの下流端へと延在する補強ゾーンの幅広いスロットを含む押出ダイは、正しい圧力損失プロファイルをもたらすことができ、その結果、バッチ流れの双安定状態及び関連欠陥を低減又は排除しつつ、補強スロット領域に自立したバッチ流れを供給することができる。
【0036】
本開示の第1の例示的な実施形態は、本開示の例示的な実施形態に従う、各々が、供給孔との交点から吐出面に向かって離間されたディボットと、ダイ本体内へと延在するが、ハニカム押出物の周縁領域を強化するように吐出面において公称スロット幅のバルク領域を取り囲む周縁領域のディボットから離間されている吐出面の幅広部分を有する、少なくとも幾つかのダイスロットを含む新しいダイ設計に関する。これらの例示的な実施形態によれば、ダイは、外周の方に向かって徐々に増加する壁幅を有するハニカム体を生成することができる。これらの例示的な実施形態によれば、ダイを通じた押出成形は、ハニカム体の補強領域に目的とする壁厚をもたらす。
【0037】
本開示の第2の例示的な実施形態は、本開示の例示的な実施形態に従う、各々が、供給孔との交点から吐出面に向かって離間されたディボットと、ハニカム押出物の周縁領域を強化するために吐出面において公称スロット幅のバルク領域を取り囲む周縁領域においてディボットの方へとダイ本体内に延在する吐出面の幅広部分とを有する、少なくとも幾つかのダイスロットを含む新しいダイ設計に関する。これらの実施形態は、より幅広いスロット部分とディボットとの相互作用を利用して、バッチ流れの双安定状態及びバッチ・オン・バッチ流れに由来する追加的な圧力を回避し、したがって、補強領域の幅広いスロット部分内の正しいバッチ流れに必要とされるインピーダンスプロファイルを提供する。これらの例示的な実施形態によれば、ダイは、外周の方に向かって徐々に増加する壁幅を有するハニカム体を生成することができる。これらの例示的な実施形態によれば、ダイを通じた押出成形は、ハニカム体の補強領域に目的とする壁厚を達成することにつながる、十分に満たされた周縁ダイスロットを提示し、周縁近くの壁の歪み及びハニカム体の補強領域とバルク領域との間の引き裂きなどの押出欠陥を回避する。
【0038】
これらの第2の例示的な実施形態によれば、ディボットは、非接合部(non-knitters)及びウェブの反りなどの流れの欠陥並びに多孔性のセラミック壁内の亀裂などの焼成欠陥の低減へのディボットの寄与、及び、より高いアイソスタティック強度及びチッピングの低減などの改善された強度をハニカム体にもたらす補強領域を維持しつつ、バルク流れに対する周縁流れの最適なバランスをもたらすように、スロットの深さに沿った位置に配置されうる。
【0039】
図2は、本開示の第1の例示的な実施形態に従う、供給孔とスロットとの交点(供給孔−スロット交点)から吐出面に向かって離間されたディボットと、ハニカム押出物の周縁領域を強化するようにダイ内へと延在する吐出面の幅広部分とを有するスロット、及び関連する性能特性を含むダイについてのバッチ流れの2つの安定な(双安定)状態の概略図を提示している。
図2は、ダイ300のダイ本体の供給孔304におけるバッチ流れ「Q」を示している。バッチは、補強スロット308の上流部分310にバッチ流れの矢印「B1」で示されるように、供給孔304から第1の例示的な補強スロット308内へと流れる。上流スロット部分310は、公称スロット幅「t1」でありうる。公称スロット幅「t1」は、ダイ300のバルク領域内のスロットのスロット幅でありうる。
【0040】
スロットは、上流部分、ディボット部分、及び出口部分(幅広部分)を含む。バッチは上流スロット部分310からディボット312内へ、下流スロット部分314内へ、次に幅広いスロット部分318内へと流れる。バッチは、ダイ吐出面324のスロット出口部分320において補強スロット308から出る。下流スロット部分314はまた、公称スロット幅「t1」も含んでよく、幅広部分318は、第1の例示的な補強スロット308が下流側の段差部328を含むように、公称スロット幅「t1」より大きい幅広いスロット幅「t2」を含みうる。述べたように、幅広部分318は、第2の補強スロット308が、幅広いスロット幅「t2」より大きい「t3」の幅広部分318を含みうるように、外周の方に向けて配置されたスロットにおいて徐々に拡幅されてもよい。
【0041】
安定なバッチ流れ状態「B2」は、前向きの段差部328上のバッチ・オン・バッチ流れを表している。状態「B2」は、公称インピーダンス、すなわち、供給孔304からディボット312へと公称幅「t1」のスロットを通るバッチ流れのインピーダンス及びディボット312から吐出面324へと通過するインピーダンスより結果的に高くなる。公称インピーダンスより高い状態「B2」が第1の例示的な補強領域の幅広いスロット部分318において起こるとともに、幅広いスロット部分318は、その設計寸法又はその近辺において、バッチで十分に満たされうる;公称スロット幅のバルク領域よりも幅広いスロット部分318においてバッチ流れが少なくなり、ウェブ引き裂き欠陥を生じうる。
【0042】
安定なバッチ流れ状態「B3」は、公称インピーダンスよりも一貫して低いが、その設計された寸法に十分に満たされていない幅広いスロット部分318を有する、前向きの段差部328上の安定な状態を表している。幅広いスロット部分318は、バッチ流れ方向「A」に対して垂直な幅方向では満たされていないため、状態「B3」は、幅広いスロット幅「t2」又は「t3」とは無関係の一定のインピーダンスをもたらす。状態「B3」の公称インピーダンスより低くなると、第1の例示的な補強領域内に多すぎるバッチ流れ又はより高いウェブ速度を生じ、ハニカム体220の周縁領域220に曲がったウェブを生じる。
【0043】
双安定状態「B2」、「B3」のいずれも、スロットの幅広部分318が、より厚い周壁210を有する強化されたハニカム体200を達成するために必要とされるハニカム押出物200の外周206の方に向かって徐々に拡幅されるにつれて徐々に低下するバッチ流れのインピーダンスプロファイルをもたらすことができない。
【0044】
図3は、本開示の第1の例示的な実施形態に従う、供給孔304との交点332から吐出面324に向かって離間されたディボット312と、補強領域330におけるハニカム押出物200の周縁領域220を強化するための吐出面324の幅広部分318と、ハニカム体200のバルク領域218に対応するバルク公称断面334とを有するスロットを含む、ダイ300の部分断面を示す概略図である。バルク領域334の公称スロット338は、公称ピン340に囲まれ、補強領域スロット308は、補強領域ピン344に囲まれている。補強領域スロット308からダイ外周350の方へと向かう補強領域スロット348は、幅「t2」の補強領域スロット308の幅広部分318よりも大きい幅「t3」の幅広部分318を含みうる。供給孔304は、ダイ入口面354からダイ本体358内へと延在する。
【0045】
図4は、本開示の第1の例示的な実施形態に従う、供給孔との交点から吐出面に向かって離間されたディボットと吐出面の幅広部分とを有するダイスロットについての
図2の双安定状態「B2」における計算されたインピーダンスプロファイルのグラフプロットである。補強ゾーンのより幅広いスロット及びより厚いハニカム体壁に起因して、補強ゾーンにより多くのバッチ流れを必要とするのとは反対に、公称インピーダンスより高いことにより(Pr/P公称>1)、周縁補強ゾーン(本明細書では「補強」ゾーンとも称される)が、吐出面に幅広部分を有しないスロットのゾーン(本明細書では、交差する「公称」スロットの「公称」又は「バルク」領域と称される)よりも遅いバッチ流速を有するようになる。壁の引き裂きは、結果的に押出欠陥を生じる/につながる可能性が高い。補強段差部0ではPr/P公称=1であり、これは、バルク公称領域に対応する。
【0046】
図5は、本開示の第1の例示的な実施形態に従う、供給孔との交点から吐出面に向かって離間されたディボットと吐出面の幅広部分とを有するダイスロット及び供給孔との交点から吐出面に向かって離間されたディボットを有する公称ダイスロットを示している。
【0047】
図6は、供給孔との交点から吐出面に向かって離間されたディボットと、ディボットを有するが吐出面に幅広部分を有しない公称スロットを取り囲む吐出面における幅広部分(補強ゾーン)とを有する周縁ダイスロットを含むダイを通して押出成形されたハニカム体の端面の写真である。このダイ設計から得られるハニカム体の押出欠陥事象には、
図2に示される補強ゾーンのバッチ流れの状態「B3」に起因する、壁の周縁歪み及び設計厚さより薄い壁が含まれる。差し込み図は、第1の例示的な周縁補強領域における壁の欠陥の詳細図を提示している。
【0048】
図7は、ダイ本体702を含むダイ700の概略的な断面図である。ダイ本体702は、本開示の第2の例示的な実施形態に従う、供給孔304との交点332(供給孔−スロット交点332)から吐出面710に向かって離間されたディボット312と、ディボット312を有するが吐出面710に幅広部分722を有しない公称スロット338を取り囲む補強ゾーンの吐出面においてダイ内へと延在する幅広部分722とを有する周縁ダイスロット704を含む。図示されるように、幅広部分722は、吐出面710から本開示の第2の例示的な実施形態に従うディボット312の下流部分まで延在する。吐出面710からディボット312へと延在する幅広部分722を有することにより、下流側の段差部328及び
図2の双安定型のバッチ流れ状態「B2」及び「B3」が排除される。スロットの幅広部分722内のバッチ流れ「B4」は、スロット幅「t4」を満たし、公称スロット338よりも低いバッチインピーダンスを有する。スロット702は、上流部分310、ディボット部分312、及び出口部分(幅広部分)722を含む。
【0049】
ダイ700は、スロット704を境界する対向する側面を含む少なくとも2つの隣接するピン744、746を含む。ピン744、746の対向する側面は、スロット上流部分310を境界する供給セクション、ディボット312を境界するディボットセクション、及びスロット幅広部分722を境界する吐出セクション(吐出部分)を含む。ダイ700は、公称スロット338を境界する対向する側面(
図5)を含む少なくとも2つの他の隣接するピン340、360をさらに含みうる。ピン340、360の対向する側面は、スロット上流部分310を境界する供給セクション、ディボット312を境界するディボットセクション、及びスロット吐出部分362を境界する吐出セクションを含む。ダイ700は、スロット上流部分310を境界する供給セクション、ディボット312を境界するディボットセクション、及びスロット幅広部分722を境界する吐出セクションを含む第1の対向側面、並びに、スロット上流部分310を境界する供給セクション、ディボット312を境界するディボットセクション、及びスロット吐出部分362を境界する吐出セクションを含む第2の対向側面を含むピンをさらに含みうる。スロット338、704は、ディボットの上流310及び下流318、362、722のスロット部分よりもディボット312で幅広くなっている。
【0050】
図8は、本開示の第2の例示的な実施形態に従う、各々が、供給孔304との交点332から吐出面710に向かって離間されたディボット312と、補強領域730におけるハニカム押出物200の周縁領域220を強化するようにダイ本体702内へとディボット312の方に延在する吐出面710の幅広部分722とを有する、少なくとも幾つかのスロット338、704、並びに、ハニカム体200のバルク領域218に対応するバルク公称断面734を含む、ダイ700の部分断面を示す概略図である。バルク領域734の公称スロット338は、公称ピン340に囲まれており、補強領域スロット704は、補強領域ピン744、746に囲まれている。補強領域スロット704からダイ外周750の方へと向かう補強領域スロット748は、幅「t4」の補強領域スロット704の幅広部分722よりも大きい幅「t5」の幅広部分722を含みうる。代替的な実施形態では、補強領域は、1つの幅「t4」の幅広部分722を有する少なくとも2つのスロット704を含みうる。代替的な実施形態では、補強領域は、1つの幅「t4」の幅広部分722を有するすべてのスロット704を含みうる。供給孔304は、ダイ入口面754からダイ本体702内へと延在する。
【0051】
図9は、本開示の第2の例示的な実施形態に従う、各々が、供給孔304との交点332から吐出面710に向かって離間されたディボット312と、ディボット312の方へとダイ本体702内に延在する吐出面710の幅広部分722とを含む、少なくとも幾つかのスロット704、748を有するダイスロットについての
図7のバッチ流れ状態「B4」における計算されたインピーダンスプロファイルのグラフプロットである。これらの例示的な実施形態は、吐出面710からディボット312へと延在するように、補強ゾーン730に幅広いスロット部分722を設けて、下流側の(「前向きの」)段差部328を効果的に排除し、第1の例示的な実施形態の双安定状態「B2」及び「B3」を排除する。結果的に得られるインピーダンスプロファイルは、幅広部分722がピン744の各列(補強段差の数)の後で幅広くなるにつれて、外周750の方に向かって徐々に低くなる、補強ゾーンスロット704、748の公称インピーダンスより低いインピーダンスを示す。幅広部分722が徐々に広くなるにつれて、外周750の方に向かって徐々に低くなる補強ゾーンスロット704、748における、より低いインピーダンスは、ハニカム体200の外周206の方に向かって徐々に広くなる補強領域220の幅広い壁204を有するハニカム体200を押出成形するために補強ゾーン730のスロットに正しいバッチ流れ状態「B4」を達成するのに必要とされるものである。
【0052】
図10は、本開示の第2の例示的な実施形態に従う、各々が、供給孔との交点から吐出面に向かって離間されたディボットと、ディボットを有するが吐出面に幅広部分を有しない公称スロット(バルク又は公称ゾーン)734を取り囲む、ディボットの方へとダイ本体内に延在する吐出面の幅広部分(補強ゾーン)730とを含む、少なくとも幾つかのスロットを有する周縁ダイスロットを含むダイを通して押出成形されたハニカム体の端面の写真である。
図10の差し込み図は、歪みをほとんど又は全く示さない(
図6と比較して)壁204の詳細な図を提供している。これらの第2の例示的な実施形態に従うダイ設計は、周縁歪みがほとんど又はまったくなしに外周206に向かって徐々に厚くなる、均一に厚い壁204の補強領域220を有する押出成形されたハニカム体200をもたらし、補強スロット704、748がバッチで十分に満たされており、バッチが、幅方向「t4」、「t5」にスロットにわたって正しい速度で流れることが示唆される。このダイ設計から得られるハニカム体200内における押出欠陥の不存在は、
図7に示される補強ゾーンのスロット内のバッチ流れの状態「B4」に起因しうる。
【0053】
すべての態様に必要とされるわけではないが、ディボット312は、吐出面710から供給孔304との交点332におけるスロットの根元へとスロットの長さの半分以下だけ吐出面710から離間して、ダイピン340、744の側面に配置することができることが判明した。幾つかの態様では、ディボット312は、スロット幅の約5〜7倍だけ吐出面710から離間されて、ダイピン340、744の側面に配置されうる。幅広部分722は、吐出面710からディボット312の下流端まで延在する。
【0054】
ハニカム体200及びダイ700の例示的な実施形態は、1平方インチあたり約100〜1200のセル数(cpsi)(1平方センチあたり約15.5〜約186のセル数)を含みうる。典型的なセル壁厚及び対応するダイスロット幅は、約0.025mm〜約1.5mm(約1〜60ミル)の範囲でありうる。例えば、ハニカム体200及びダイ700の幾何学形状は、400cpsi(1平方センチあたり約62のセル数)であってよく、約8ミル(約0.2032mm)(400/8)の壁/スロット厚さ又は約6ミル(約0.1524mm)(400/6)の壁/スロット厚さを有しうる。他の幾何学形状には、例えば、100/17、200/12、200/19、270/19、350/3、400/3、400/4、500/2、600/2、600/3、600/4、750/2、900/2、900/3、1200/2、さらには750/1及び900/1が含まれる。本明細書で用いられる場合、ハニカム体200は、概して、ハニカム構造を含むことが意図されるが、正方形の構造に厳密に限定されるものではない。例えば、六角形、八角形、三角形、長方形又は任意の他の適切なセル形状が用いられうる。また、セル状ハニカム体200の断面は円形でありうるが、それに限定されず、例えば、断面は、楕円形、正方形、長方形、又は他の所望の形状、及びそれらの組合せでありうる。
【0055】
本開示の例示的な実施形態は、単なる例示であって、限定することを意図するものではない、ある特定の典型例及びそれらの特定の実施形態に関してさらに説明される。一例では、ダイは、12ミル(0.012インチ又は0.30mm)の公称スロット厚さ、及び約5〜10段の補強領域を含んでよく、例えば、各段は、ピン幅、1列のピン、幾つかのピン幅、又は幾つかの列のピンであってよく、ここで、スロットの幅広部分の幅は、1段あたり約0.75ミル(0.00075インチ又は0.019mm)だけ増加する。この例では、外周のスロットの幅広部分の幅は、約20ミル(0.020インチ又は0.51mm)でありうる。別の例では、ダイは、2ミル(0.002インチ又は0.051mm)の公称スロット幅及び約2段の補強領域を含んでよく、ここで、スロットの幅広部分の幅は、1段あたり約0.3ミル(0.0076mm)だけ増加する。この例では、外周におけるスロットの幅広部分の幅は、約2.5ミル(0.064mm)でありうる。すなわち、外周におけるスロットの幅広部分の幅が約2.5ミル(0.064mm)〜約20ミル(0.51mm)になりうるように、公称スロット幅は、約2ミル(0.051mm)〜約20ミル(0.51mm)であってよく、補強領域は、1段あたり約0.3ミル(0.0076mm)〜約0.75ミル(0.019mm)で約2〜約10段を含みうる。別の例では、ダイは、公称スロット幅及び公称スロット幅から約1段の補強領域を含みうる。この例では、補強ゾーンにおけるスロットの幅広部分は一定である。別の例では、ダイは、2ミル(0.051mm)の公称スロット幅及び最厚スロットの幅広部分が約6ミル(0.152mm)である補強領域を含んでよく、この事例では、ディボット深さは、吐出面から約10ミル(0.254mm)〜約42ミル(1.07mm)でありうる。幾つかの例示的な実施形態では、ディボットは、吐出面から約25ミル(0.64mm)〜約70ミル(1.78mm)でありうる。
【0056】
図11は、本開示の第3の例示的な実施形態に従う、スロットを供給孔304に接続するプレナム1102、各々、プレナム1102との交点から吐出面1110に向かって離間されたディボット312と、補強領域1130におけるハニカム押出物200の周縁領域220を強化するためにダイ本体1124内へとディボット312の方に延在する吐出面1110の幅広部分1122とを含む少なくとも幾つかのスロット1104、並びにハニカム体200のバルク領域218に対応するバルク公称断面1134を含む、ダイ1100の部分断面を示す概略図である。バルク領域1134内の公称スロット1138は、公称ピン1140に囲まれ、補強領域スロット1104は、補強領域ピン1144に囲まれている。補強領域スロット1104からダイ外周1150の方に向かう補強領域スロット1148は、幅「t6」の補強領域スロット1104の幅広部分1122より大きい、幅「t7」の幅広部分1122を含みうる。供給孔304は、ダイ入口面1154からダイ本体1124内へと延在する。
【0057】
本開示の例示的な実施形態に従うプレナム1102は、その全内容が、参照することにより、本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる、2015年11月20日に出願の同時係属中の米国仮特許出願第62/258,137号明細書に開示される追加的利点をもたらす。例えば、プレナム1102は、ウェブのうねりの低減に必要とされる幅に対するスロット長を維持しつつ、より狭いスロットの圧力負担を和らげることができると同時に、例えば、上流の流れの乱れに対する低い感度など、バッチ流れに対する低い感度をもたらすことができる。
【0058】
この例示的な実施形態によれば、補強スロット設計を有するディボットダイでは双安定状態が低減又は排除される。これは、周縁補強領域の特徴を有するハニカム体の押出成形に関連した頻繁な問題であることが判明している、設計寸法を満たしていない補強ゾーンのウェブ、並びに、バッチ・オン・バッチのインピーダンス及び圧力から生じるウェブの引き裂きなどを原因とする、ハニカム押出物の周縁ウェブの歪みを回避する。ディボットを有しないダイでは、補強領域におけるスロットの幅広部分は、補強領域におけるバッチ流れの双安定状態を回避するように吐出面からピンの根元へと延在しうる。これらの例示的な実施形態では、補強ゾーンにおけるスロットの幅広部分の深さとディボット位置との相互作用が、良好な押出品質を生じるバッチ流れの利益をもたらす。
【0059】
スロットの幅広部分が吐出面からディボットへと延在する補強ゾーンを含むダイの別の利点は、例えば、本明細書に開示されるような第1の例示的なダイ設計を、例えばプランジEDMなどの放電加工(EDM)によって、第2の例示的な設計へと改造することができることである。さらには、本開示の第2の例示的な実施形態及び第3の例示的な実施形態に従う、スロットの幅広部分が吐出面からディボットまで延在する補強ゾーンを含むダイは、亀裂の減少のためにダイの上流に配置された成形プレートの実装に対する感度が低い、スキン形成領域におけるバッチ流れのバランスをもたらす。
【0060】
本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示にさまざまな修正及び変形がなされうることは、当業者にとって明白であろう。よって、添付の特許請求の範囲は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入ることを条件に、本開示の修正及び変形にも及ぶことが意図されている。
【0061】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0062】
実施形態1
ハニカム押出ダイであって、
ダイ本体を含み、該ダイ本体が、
入口面及び該入口面とは反対側の吐出面;
前記入口面から前記ダイ本体内へと延在する供給孔;
前記ダイ本体内の交点において前記供給孔と接続するように前記吐出面から前記ダイ本体内へと延在する、吐出スロットの交差アレイであって、前記スロットによって囲まれた複数のピンの側面によって形成されており、かつ、前記吐出面から前記ダイ本体内へと延在している、吐出スロットの交差アレイ
を含み、
前記スロットの壁を形成する前記ピンの少なくとも幾つかの前記側面が、前記供給孔−スロット交点から離間され、かつ、前記吐出面から離間されたディボットを含み、
複数の前記スロットが、
前記吐出面における隣接するピン間の幅W1を含む前記スロットの第1の群と、
前記吐出面における隣接するピン間の、W1より大きい第2の幅W2を含む前記スロットの第2の群と
を含む、
ハニカム押出ダイ。
【0063】
実施形態2
前記スロットの前記第2の群が、少なくとも幾つかの前記ディボットを含み、W2が、前記吐出面から前記ディボットまで一定であることを特徴とする、実施形態1に記載のハニカム押出ダイ。
【0064】
実施形態3
前記スロットの前記第1の群が、少なくとも幾つかの前記ディボットを含み、W1が、前記吐出面から前記ディボットまで一定であることを特徴とする、実施形態1又は2に記載のハニカム押出ダイ。
【0065】
実施形態4
W1が、前記供給孔−スロット交点から前記ディボットまで一定であることを特徴とする、実施形態1〜3のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0066】
実施形態5
前記スロットの前記第2の群のスロットが、前記スロットの前記第1の群から前記ダイの周縁領域に向かって配置されていることを特徴とする、実施形態1〜4のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0067】
実施形態6
前記スロットの前記第2の群が、前記スロットの前記第1の群を取り囲んでいることを特徴とする、実施形態1〜5のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0068】
実施形態7
前記複数のスロットが、前記吐出面における隣接するピン間の、W2より大きい幅W3を含む前記スロットの第3の群をさらに含むことを特徴とする、実施形態1〜6のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0069】
実施形態8
前記スロットの前記第3の群が、少なくとも幾つかの前記ディボットを含み、W3が、前記吐出面から前記ディボットまで一定であることを特徴とする、実施形態1〜7のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0070】
実施形態9
前記スロットの前記第3の群のスロットが、前記スロットの前記第2の群から前記ダイの周縁領域に向かって配置されていることを特徴とする、実施形態1〜8のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0071】
実施形態10
前記スロットの前記第3の群が、前記スロットの前記第2の群を取り囲んでいることを特徴とする、実施形態1〜9のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0072】
実施形態11
前記スロットの前記第2の群が、少なくとも幾つかの前記ディボットを含み、W2が、前記吐出面から前記ディボットまで一定であることを特徴とする、実施形態1〜10のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0073】
実施形態12
W1とW2との差異が段差距離であり、W2とW3との差異が同じ段差距離であることを特徴とする、実施形態1〜11のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0074】
実施形態13
前記スロットが、前記同じ段差距離だけ徐々に大きくなる幅を含む、前記スロットの追加の群を含むことを特徴とする、実施形態1〜12のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0075】
実施形態14
徐々に厚くなる幅の前記スロットの前記追加の群の各々が、1つ小さい段差距離の幅を含む前記スロットの群から前記ダイの周縁の方に向けて配置されていることを特徴とする、実施形態13に記載のハニカム押出ダイ。
【0076】
実施形態15
徐々に厚くなる幅の前記スロットの前記追加の群の各々が、1つ小さい段差の幅を含む前記スロットの群を取り囲んで配置されていることを特徴とする、実施形態13又は14に記載のハニカム押出ダイ。
【0077】
実施形態16
前記スロットの前記追加の群の各々が、少なくとも幾つかの前記ディボットを含み、前記スロットの前記追加の群の幅が、前記吐出面から前記ディボットまで一定であることを特徴とする、実施形態13〜15のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0078】
実施形態17
前記スロットの前記追加の群の数が1から8であることを特徴とする、実施形態13〜16のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0079】
実施形態18
前記スロットの前記第3の群が、スキン形成領域に隣接して配置されていることを特徴とする、実施形態1〜17のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0080】
実施形態19
前記ディボットが、前記吐出面から前記スロットと前記供給孔との前記交点までの距離の半分以下だけ、前記吐出面から離間されていることを特徴とする、実施形態1〜18のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0081】
実施形態20
前記ディボットが、W1の約5〜7倍からW2の約5〜7倍の範囲で前記吐出面から離間されていることを特徴とする、実施形態1〜19のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0082】
実施形態21
前記ディボットが、W1の約5倍からW2の約7倍の範囲で前記吐出面から離間されていることを特徴とする、実施形態1〜20のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0083】
実施形態22
前記スロットの壁を形成する前記ピンの少なくとも幾つかの前記側面が、前記供給孔−スロット交点に配置され、かつ、前記ディボットから離間されたプレナムを含むことを特徴とする、実施形態1〜21のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0084】
実施形態23
実施形態1〜22のいずれかに記載のダイを通してバッチ材料を押出成形する工程を含む、ハニカム体を製造する方法。
【0085】
実施形態24
ハニカム押出ダイであって、
スロットを境界する第1の対向する側面を含む、少なくとも2つの隣接するピン
を含み、
前記第1の対向する側面が、
供給孔からバッチを受け取るように構成されたスロット上流部分を境界する供給セクション、
スロットディボット部分を境界するディボットセクション、及び
吐出面においてバッチを吐出するように構成されたスロット吐出部分を境界する吐出セクション
を含み、
前記スロットディボット部分が、前記スロット上流部分と前記スロット吐出部分との間に配置されており、かつ、前記スロットディボット部分が、前記スロット上流部分及び前記スロット吐出部分より幅広く、前記スロット吐出部分が、前記スロット上流部分より幅広くなっている、
ハニカム押出ダイ。
【0086】
実施形態25
前記スロット吐出部分が、前記スロットディボット部分から前記吐出面まで一定の幅を含むことを特徴とする、実施形態24に記載のハニカム押出ダイ。
【0087】
実施形態26
公称スロットを境界する第2の対向する側面を形成する前記2つの隣接するピンの一方の他方の側に面する表面を含む第3のピンをさらに含み、
前記第2の対向する側面が、
前記供給孔からバッチを受け取るように構成された公称スロット上流部分を境界する公称供給セクション、
公称スロットディボット部分を境界する公称ディボットセクション、及び
前記吐出面においてバッチを吐出するように構成された公称スロット吐出部分を境界する公称吐出セクション
を含み、
前記公称スロットディボット部分が、前記公称スロット上流部分と前記公称スロット吐出部分との間に配置されており、かつ、前記公称スロットディボット部分が、前記公称スロット上流部分及び前記公称スロット吐出部分より幅広く、前記公称スロット吐出部分が、前記公称スロット上流部分と同じ幅である
ことを特徴とする、実施形態24又は25に記載のハニカム押出ダイ。
【0088】
実施形態27
前記2つの隣接するピンが、前記第3のピンから前記ダイの周縁の方に向けて配置されていることを特徴とする、実施形態24〜26のいずれかに記載のハニカム押出ダイ。
【0089】
実施形態28
ハニカム押出ダイであって、
ダイ本体を含み、該ダイ本体が、
入口面及び該入口面とは反対側の吐出面;
前記入口面から前記ダイ本体内へと延在する供給孔;
前記ダイ本体内の交点において前記供給孔と接続するように前記吐出面から前記ダイ本体内へと延在する、吐出スロットの交差アレイであって、前記スロットによって囲まれた複数のピンの側面によって形成されており、かつ、前記吐出面から前記ダイ本体内へと延在している、吐出スロットの交差アレイ
を含み、
前記スロットの壁を形成する前記ピンの少なくとも幾つかの前記側面が、前記吐出面から離間されたプレナムを含み、
前記複数のスロットが、
前記吐出面における隣接するピン間の幅W1を含む前記スロットの第1の群と、
前記吐出面における隣接するピン間の、W1より大きい第2の幅W2を含む前記スロットの第2の群と
を含む、
ハニカム押出ダイ。