特許第6818086号(P6818086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イ キュシクの特許一覧

特許68180863Dカスタムメイドインプラントの製造方法
<>
  • 特許6818086-3Dカスタムメイドインプラントの製造方法 図000002
  • 特許6818086-3Dカスタムメイドインプラントの製造方法 図000003
  • 特許6818086-3Dカスタムメイドインプラントの製造方法 図000004
  • 特許6818086-3Dカスタムメイドインプラントの製造方法 図000005
  • 特許6818086-3Dカスタムメイドインプラントの製造方法 図000006
  • 特許6818086-3Dカスタムメイドインプラントの製造方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6818086
(24)【登録日】2021年1月4日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】3Dカスタムメイドインプラントの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/28 20060101AFI20210107BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20210107BHJP
   A61L 27/18 20060101ALI20210107BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20210107BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20210107BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20210107BHJP
【FI】
   A61F2/28
   A61B6/03 377
   A61B6/03 360D
   A61L27/18
   B33Y10/00
   B33Y50/00
   B33Y80/00
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-105864(P2019-105864)
(22)【出願日】2019年6月6日
(65)【公開番号】特開2019-217266(P2019-217266A)
(43)【公開日】2019年12月26日
【審査請求日】2019年6月6日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0071058
(32)【優先日】2018年6月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519204674
【氏名又は名称】イ キュシク
【氏名又は名称原語表記】LEE KU SIK
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】イ キュシク
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−514470(JP,A)
【文献】 特開2001−87291(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第3309636(EP,A1)
【文献】 特表2011−516940(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1176479(KR,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0006534(US,A1)
【文献】 特表2012−508613(JP,A)
【文献】 特開2017−200698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/28
A61F 2/18
A61L 27/18
A61B 6/03
B33Y 10/00
B33Y 50/00
B33Y 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体のCT画像を前記身体の画像の明暗値に基づき、閾値を用いて分割した後、前記身体の3Dオブジェクトを具現する具現段階と;
前記具現段階で具現した前記3Dオブジェクトに基づいて、設計インプラントを設計する設計段階と;
前記設計インプラントをガイドラインで製作するガイドラインインプラント製作段階;および
前記ガイドラインインプラントと同じ形態で、シリコンを含む材質でカスタムメイドインプラントを製作する製作段階とを含み、
前記CT画像は鼻のCT画像であり、前記明暗値は、鼻の骨、軟骨および筋肉の明暗値であり、
前記具現段階において、分割された前記明暗値のうち、作業者が必要とする明暗値を選んで、これをSTLファイルに変換し、変換後、各々のSTLファイルを統合した形状を前記3Dオブジェクトとし、前記CT画像に鼻の骨、軟骨および筋肉を具現する
3Dカスタムメイドインプラントの製造方法。
【請求項2】
前記設計段階は、病院を含む顧客の確認を取る段階をさらに含む
請求項1に記載の3Dカスタムメイドインプラントの製造方法。
【請求項3】
前記ガイドラインインプラント製作段階は、3Dプリンターを用いて製作する
ことを特徴とする請求項1に記載の3Dカスタムメイドインプラントの製造方法。
【請求項4】
前記ガイドラインインプラント製作段階で製作されたガイドラインインプラントは、形状を提示するガイドラインとして提供される
ことを特徴とする請求項1に記載の3Dカスタムメイドインプラントの製造方法。
【請求項5】
前記製作段階でカスタムメイドインプラントは、ミリングやキャスティングを含む製造方法で製造する
ことを特徴とする請求項1に記載の3Dカスタムメイドインプラントの製造方法。
【請求項6】
前記製作段階は、
石膏を混練した後、混練された第1混練石膏の一面に前記ガイドラインインプラントを一定の深さで浸す段階と;
前記第1混練石膏と同じく第2混練石膏を混練した後、前記第1混練石膏にかぶせる段階と;
前記第1混練石膏と前記第2混練石膏を硬化した後に前記ガイドラインインプラントを除去する段階;および
前記ガイドラインインプラントの除去でできたすき間の間に液体の形態のシリコンを含む材質を注入した後、硬化する段階とを含む
請求項1に記載の3Dカスタムメイドインプラントの製造方法。
【請求項7】
前記具現段階で既存の患者の身体のCT画像を用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の3Dカスタムメイドインプラントの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラントの製造方法に関する。より詳しく述べると、患者の身体のCT画像に基づき、シリコンを含む材質のカスタムメイドインプラントを製造することができる3Dカスタムメイドインプラントの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、化粧品が老化防止などの需要を充足させることができてなく、整形施術で美人効果を得ようとする消費者が増えている。前述の整形施術には、インプラントが用いられ、このような整形施術は、身体の色々な部分、例えば、鼻、あご、鼻まわりのほうれい線、鼻のそばの凹んだ部位、目の下部位、額、でん筋(gluteal)などで成されている。
【0003】
そのうち、鼻整形(rhinoplasty)は、種類が非常に多く、患者の状態、要求、変形の種類、前回の手術の種類および方法などによって手術の種類が異なる。
【0004】
鼻整形は、単純に鼻を高くするか、曲がっている鼻をまっすぐにする手術のみならず、先天性奇形の矯正、事故による欠損部治癒、および癌組織の除去後の鼻の再建まで、広範囲にわたる分野を含む。そのうち、隆鼻術は、先天的に鼻が低いか、変形があるか、または、腫瘍手術などの理由で鼻部位に欠損か変形ができた場合の矯正的治療、または、美容的目的で施行することがある。
【0005】
一般的に隆鼻術は、材料を挿入して成されるが、材料は、移植物(graft)と挿入物(implant)とに分かれる。
【0006】
移植物の種類としては、骨と軟骨があって、骨は、軟骨の骨化で形成される軟骨性骨と間葉組織の直接的骨化で形成される膜性骨とに分かれる。
【0007】
一般的に頭蓋骨のような膜性骨は生存率がよく、吸収率が低くて自家骨移植の時に多く使われ、そのほかに腸骨や肋骨のような軟骨性骨が使われることもある。軟骨は、骨組織に比べて吸収率も低く、血液供給がなくても生存が可能で形を整えることも容易で、鼻中隔軟骨、耳介軟骨と肋軟骨などが隆鼻術に主に用いられる。
【0008】
移植物のうち、骨移植物の場合、骨性癒合が堅固になされ、よく変位しなく、異物反応を起こさず、多くの量を得ることができる。
【0009】
しかし、骨折が起こることがあり、移植物を採取することが難しく、供与部に傷が残ることがあり、扱い難くて吸収が多く、柔軟性がない。自家軟骨のうち、鼻中隔軟骨は、便利でいいが、量が多くなくて、堅固な鼻背部ラインを形成することが難しい。
【0010】
挿入物は、生体の組織内に長期間入れておいても、化学的変化を起さない不活性の人工材料を意味し、シリコンプロテーゼ、ゴアテックス(登録商標)プロテーゼ、メルシレン(Mersilene)(登録商標)メッシュ、アロダーム(登録商標)、プロプラストなどの種類がある。
【0011】
一方、鼻整形術に用いられる既存の隆鼻術(augmentation rhinoplasty)の材料は、個別患者の鼻のサイズを考えずに、標準丈および高さで生産されてきた。従って、医師たちは各患者の特定の要求に従って材料を設計し、彫刻することに多くの時間を費やしてきた。
【0012】
従来の幹細胞研究に基づく組織工学技術が固有の機能を維持しながらも、損傷された組織と臓器を取替えられる可能性を見せたが、整形術で組織工学技術の適用は相対的に珍しいのである。即ち、整形術で主目的を達成するために適切な材料を用いることは、ほとんどの場合、必須的に要求される。
【0013】
最近、3次元(3D)プリンティングが様々な臨床問題に適用されてきて、3Dプリンティングを用いて3次元形状の固体スキャフォールドを製造することができる。
【0014】
しかし、従来のどの研究も3Dプリンティングを鼻整形術や鼻手術に適用しなかった。
【0015】
整形部位のうち、一位である鼻がカスタムメイドインプラントで生産されない理由は、鼻の上部分の1/3部分までは骨であるが、その下の2/3部位は、骨でない軟骨および軟骨を覆う筋肉層なので、CT(computed tomography)上に具現されなかった。故に、軟骨および骨など人体組織に合うインプラントの生産に困難を伴った。
【0016】
また、顔面骨にぴったり合うあご、ほうれい線部位(paranasal)、額、こめかみしわ部位(paranasal)、下顎(mandible)、こめかみ(temple)、頬骨(Malar)など、カスタムメイドインプラントも素材の限界で生産が難しかった。
【0017】
前述の技術構成は、本発明に関して理解を深くするための背景技術であって、本発明の属する技術分野でよく知られた従来技術を意味することではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10−1747326号(シム・ミンボ)2017.06.08.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、患者の身体のCT画像に基づき、シリコンを含む材質のカスタムメイドインプラントを製造することができる3Dカスタムメイドインプラントの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一側面によると、患者の身体のCT画像を前記身体の画像の明暗値に基づき、閾値(Tresholding)を用いて分割した後、前記身体の3Dオブジェクト(object)を具現する具現段階と;前記具現段階で具現した前記3Dオブジェクトに基づいて、設計インプラントを設計する設計段階と;設計インプラントをガイドラインで製作するガイドラインインプラント製作段階;および前記ガイドラインインプラントと同じ形態で、シリコンを含む材質でカスタムメイドインプラントを製作する製作段階とを含む3Dカスタムメイドインプラントの製造方法を提供することができる。
【0021】
前記設計段階は、病院を含む顧客の確認を取る段階をさらに含むことができる。
【0022】
前記ガイドラインインプラント製作段階は、3Dプリンターを用いて製作することができる。
【0023】
前記ガイドラインインプラント製作段階で製作されたカスタムメイドインプラントは、形および形状を提示するガイドラインとして提供することができる。
【0024】
前記製作段階でカスタムメイドインプラントは、ミリングやキャスティングを含む製造方法で製造することができる。
【0025】
前記製作段階は、石膏を混練した後、混練された第1混練石膏の一面に前記ガイドラインインプラントを一定の深さで浸す段階と;前記第1混練石膏と同じく第2混練石膏を混練した後、前記第1混練石膏にかぶせる段階と;前記第1混練石膏と前記第2混練石膏を硬化した後に前記ガイドラインインプラントを除去する段階;および前記ガイドラインインプラントの除去でできたすき間の間に液体の形態のシリコンを含む材質を注入した後、硬化する段階とを含むことができる。
【0026】
前記具現段階で既存の患者の身体のCT画像を用いることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の3Dカスタムメイドインプラントの製造方法は、患者の身体のCT画像に基づき、シリコンを含む材質のカスタムメイドインプラントを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例による3Dカスタムメイドインプラントの製造方法を概略的に図示した順序図である。
図2図1に図示の具現段階によってCT画像に鼻の骨、軟骨および筋肉が具現されたことを概略的に図示した図面である。
図3図1に図示のデザイン段階でデザインされたデザイン鼻インプラントが骨の上側部に設けられたことを概略的に図示した図面である。
図4図1の製造方法によって製造されたカスタムメイドインプラントの一例として、鼻インプラントを概略的に図示した図面である。
図5図2に図示の鼻インプラントが模型骨に付着されたことを概略的に図示した図面である。
図6】本実施例が鼻のほかに額、あごなどに適用できることを概略的に図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明と本発明の動作上の利点および本発明の実施によって達成される目的を十分理解するためには、本発明の好ましい実施例を例示する添付図面および添付図面に記載の内容を参照しなければいけない。
【0030】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明することによって、本発明を詳しく説明する。各図面に提示された同じ参照符号は、同じ部材を示す。
【0031】
図1は、本発明の一実施例による3Dカスタムメイドインプラントの製造方法を概略的に図示した順序図であり、図2は、図1に図示の具現段階によってCT画像に鼻の骨、軟骨および筋肉などの人体組織が具現されたことを概略的に図示した図面であり、図3は、図1に図示の設計段階で設計された設計鼻インプラントが骨の上側部に設けられたことを概略的に図示した図面であり、図4は、図1の製造方法によって製造されたカスタムメイドインプラントの一例として鼻インプラントを概略的に図示した図面であり、図5は、図2に図示の鼻インプラントが模型骨に付着されたことを概略的に図示した図面である。
【0032】
これら図面に図示のように、本実施例による3Dカスタムメイドインプラントの製造方法は、患者の鼻のCT(computed tomography)画像を鼻の骨10、軟骨30および筋肉20などの人体組織の明暗値に基づき、閾値(thresholding)を用いて分割した後、CT画像に鼻の骨10、軟骨30および筋肉20などを具現する具現段階S10と、具現段階で具現したCT画像に基づいて、設計インプラントの一例である設計鼻インプラント200を設計する設計段階S20と、設計鼻インプラント200をガイドラインで製作するガイドラインインプラントの一例であるガイドライン鼻インプラント製作段階S30と、ガイドライン鼻インプラントと同じ形態で、シリコンを含む材質でカスタムメイドインプラントの一例である鼻インプラント100を製作する製作段階S40とを備える。
【0033】
具現段階S10では、まずCT装置を介して鼻のCT画像を獲得し、鼻のCT画像は、従来のCT撮影装置を介して獲得することができる。また、本実施例で鼻のCT画像は、顧客、例えば、病院を通じて貰うことができる。
【0034】
本実施例の具現段階S10は、鼻のCT画像を、明暗値を用いて図2に図示のCT画像に鼻の骨10、軟骨30および筋肉20を具現することができる。
【0035】
具体的に、以前には鼻の上部分の1/3部分までは骨であるが、その下の2/3部位は、骨でない軟骨30および軟骨30を覆う筋肉20層であるため、CT上で図2に図示の設計鼻インプラント200を具現することができなかった。
【0036】
しかし、本実施例は、患者のCT画像を、部分(slice)2D画像を活用して二値化(thresholding)すると、各々の明暗値を分類することができて、この部分値等は、軟骨、骨、筋肉など細部化した部位を表現することができる。即ち、これを分類する原理は、CT画像の部分2D画像を用いてピクセル(Pixel)の明暗の程度によって同じ値で区分する作業を意味する。
【0037】
本実施例は、二値化の作業を用いて分類した値のうち、作業者が必要とする明暗値を選んで、これを3D画像化のためにSTL(STereoLithography)ファイルに変換する。
【0038】
本実施例で変換後、製作に必要な各々のSTLファイルを統合した形状を3Dオブジェクトとする。
【0039】
次に、3Dオブジェクトの上に患者のインプラントを設計し、設計したSTLファイルを出力する。参考に、STLファイルは、3Dモデリングしたデータを標準形式のファイルで保存するのに提供されるファイル形式を言う。
【0040】
設計段階S20は、具現段階S10で具現されたCT画像に基づいて、設計インプラントの一例である設計鼻インプラント200を設計する段階である。
【0041】
本実施例で、設計段階S20で製作される設計鼻インプラント200は、顧客のオーダーフォームに書いてある要請事項に従って製作することができる。
【0042】
また、本実施例は、製作された設計鼻インプラント200を顧客である病院を通じて確認を取ることができる。この確認過程で病院の修正要請事項がある場合、前述の具現段階S10を介して、また設計鼻インプラント200を製作することができる。
【0043】
さらに本実施例は、設計鼻インプラント200を2乃至3種類のタイプで製作し、顧客である病院に提供することもできる。
【0044】
ガイドラインインプラント製作段階S30は、設計鼻インプラント200をガイドラインインプラントで製作する段階である。
【0045】
本実施例でガイドラインインプラントの一例であるガイドライン鼻インプラントは、3Dプリンターを用いるか、モールドを介して製作することができる。例えば、本実施例でガイドラインインプラントは、3Dプリンターを用いて設計した模型を出力するか、3Dプリンターでスカル(skull)を出力した後、エポキシ素材を用いてインプラントを直接設計する方法を介して製作することができる。
【0046】
製作段階S40は、顧客から確認を取ったガイドライン鼻インプラントと同じ形態で、シリコンを含む材質で鼻インプラント100を含むカスタムメイドインプラントを製作する段階である。
【0047】
本実施例の製作段階Sで鼻インプラント100は、ミリングやキャスティングなどを含む製造方法で提供されることができる。
【0048】
以下、鼻インプラント100をキャスティング製造方法で製造することを手短に説明する。
まず、石膏を混練した後、混練された第1混練石膏の一面にガイドライン鼻インプラントを一定の深さで浸す段階が成される。この段階でガイドライン鼻インプラントは、第1混練石膏に2/3位浸される。本実施例で石膏は、公知のイェローストーン(yellow stone)混練を用いることができて、これは、第2混練石膏の製造する時にも、同じく適用することができる。
【0049】
次に、第1混練石膏と同じく第2混練石膏を混練した後、第1混練石膏にかぶせる段階が成される。
【0050】
その次に、第1混練石膏と第2混練石膏が完全に硬化するまで待機する。本実施例で第1混練石膏と第2混練石膏の硬化時間は、約24時間所要する。
【0051】
硬化か完了すると、第1混練石膏、または、第2混練石膏のうち、いずれか一つを分離させ、ガイドライン鼻インプラントを除去する。
【0052】
ガイドライン鼻インプラントを除去した後、第1混練石膏と第2混練石膏とのすき間の間に液体の形態のシリコンを注入した後、一定の温度で一定の時間の間、また硬化させる。
【0053】
本実施例で前述の一定の温度は、摂氏約160度の温度であることがあり、硬化時間は、1乃至2時間の間成される。本実施例は、液体の形態のシリコンのほかにチタンなど公知の他の材料を注入することもできる。
【0054】
前述の硬化時間に経過すると、第1混練石膏と第2混練石膏とを除去した後、鼻インプラント100を分離する。
【0055】
分離された鼻インプラント100をガイドライン鼻インプラントと同じ規格で整えて表面処理した後、洗滌作業をして仕上げる。
【0056】
そして本実施例は、インプラントをミリングで製造する方法を含む。
以下、インプラントをミリングで製造する方法を手短に説明する。ミリングとは、ブロックタイプのシリコンなどの物性材料を設計したインプラントに合わせて削るか、整えて製造する方法を意味し、ミリングのほかにも技術者によって手で刻む方法(カービング)を介して製造することができる。
【0057】
一方、本実施例は、あご、ほうれい線部位(paranasal)、額、こめかみしわ部位(paranasal)、下顎(mandible)、こめかみ(temple)、頬骨(Malar)などに必要なインプラントを製造するのに適用することができる。図6には、本実施例が鼻のほかに額とあご、こめかみしわ部位などにも適用できることが概略的に図示されている。
【0058】
本発明の実施例等は、患者の身体のCT画像を身体の明暗値に基づき、閾値を用いて分割し、各分割された明暗値のうち、製作者が必要とする分割値(データ)を持ってきてSTLファイルに変換し、製作に必要な各々のSTLファイルを統合した形状である3Dオブジェクトの上に患者のインプラントを設計し、設計したSTLファイルを出力して製作された3D形状を標本としてシリコンを含む物性のカスタムメイドインプラントで製作することによって仮想設計の提供ができて、顧客の要求をより正確に反映することができて、顧客と円滑に疎通ができて、顧客の要求をより多く反映することができる。
【0059】
以上のように、本実施例は、患者の身体のCT画像を身体の明暗値に基づいて設計インプラントを3Dオブジェクト形状に変換した後、変換された3D形状を標本とし、シリコンを含む物性のカスタムメイドインプラントで製作することによって、仮想設計の提供ができて、顧客の要求をより正確に反映することができて、顧客と円滑に疎通ができて、顧客の要求をより多く反映することができる。
【0060】
また、患者の骨および組織と物体空間に設計されたインプラントが一致するというところで手術の副作用も減少し、個人の好みをより正確に反映できるというところが大きな長所がある。本実施例で物体空間は、3次元的表面で3次元座標系上に物体が存在する空間と定義される。即ち、明暗値に基づいて閾値によって作られた空間をインプラント化したものである。
【0061】
このように、本発明は、記載の実施例に限られることなく、本発明の事象および範囲を外れないで色々と修正および変形できることは、この技術の分野で通常の知識を有する者には自明である。従って、そのような修正例、または、変形例は、本発明の特許請求の範囲に属するというべきである。
【符号の説明】
【0062】
10 鼻の骨
20 鼻の筋肉
30 鼻の軟骨
40 既存のインプラント
100 鼻インプラント
200 設計鼻インプラント
図1
図2
図3
図4
図5
図6