【課題を解決するための手段】
【0052】
この目的のために、本発明は、第1の代替案において、各々がメタン化反応を触媒するための材料を含むカソードと、アノードと、カソードとアノードとの間に挿入された電解質とからなる、長方形または正方形の領域を有する固体酸化物型の個々の電解セルのスタックと、その一方の面が2つの個々のセルの1つのアノードと電気的に接触し、その他方の面が2つの個々のセルの他方のカソードと電気的に接触している、2つの隣接する個々のセルの間に各々が配置された複数の電気および流体インターコネクタと、各々がカソードとインターコネクタとの間に配置された複数の電気接点およびガス分配要素と、を備える反応器において実施される、水蒸気H
2Oと二酸化炭素CO
2の共電解、および適切な場合にはメタン化の方法に関する。
【0053】
本発明による方法において、
‐各インターコネクタの第1のゾーンおよび第2のゾーンに、水蒸気H
2Oと二酸化炭素CO
2の混合物(EH2(1)およびEH2(2))が独立して供給され、各個々のセルのカソードに分配され、生成された合成ガス(一酸化炭素COと水素H
2の混合物)および適切な場合にはメタン化によって生成されたメタンCH
4と水蒸気H
2Oの追加の混合物は、第1のゾーンおよび第2のゾーンとそれぞれ流体連通している各インターコネクタの第3のゾーンおよび第の4ゾーン(SH2(1)およびSH2(2))においてカソード内で回収され;各電気接点およびガス分配要素は、第1および第3のゾーンを含む第1のガスフローセクタ(T1)を第2および第4のゾーンを含む第2のガスフローセクタ(T2)から分離するガス分配バリアを形成する封止ビードと一体化され、第1および第2のセクタは、バリアを介して隣接し、各セルと実質的に同等の面積を形成し;第1のセクタ内の第1および第3のゾーンの間でガスの流動セクションが増加または減少し、第2のセクタ内の第2と第4のゾーンの間でガスの流動セクションが増加または減少するように、第1から第4のゾーンが寸法決めされかつガス循環バリアが配置され;
‐各インターコネクタの第1および第2のゾーンは、第1のフローセクタ(T1)内の各カソードへの循環が第2のフローセクタ(T2)内の循環と逆流となるように供給される。
【0054】
有利な一実施形態によれば、フローセクタは一般的な台形である。
本明細書において、特に台形のセクタの増大する形態はもちろんスタックの上から見たものと考えられるべきであり、セルの面積は上から見た場合の有効な面積であることが特定される。
【0055】
一変形形態によれば、スタック内の共電解反応と比較してメタン化反応を最小限に抑えるために、第1および第3のゾーンによってそれぞれ画定される第1および第2の台形セクタの最大底部を介して供給が行われ、同じ電気化学的面積に対して生成されるガスの経路に沿って触媒面積が減少する。
【0056】
あるいは、スタック内の共電解反応と比較してメタン化反応を最大化するために、第1および第3ゾーンによってそれぞれ画定される第1および第2の台形セクタの最小底部を介して供給が行われ、同じ電気化学面積に対して生成されるガスの経路に沿って触媒面積が増加する。これにより、蒸発によるよりもむしろこのメタン化反応による共電解に必要な水の少なくとも一部のインサイチュ生成を想定することを可能にする。
有利には、台形セクタの小底部と大底部との間の長さ比は、スタック内の共電解反応と比較してメタン化反応を促進するかまたは促進しないために事前に決定される。
【0057】
有利な一実施形態によれば、各インターコネクタの第5のゾーン(E(O2))に空気などの排出ガスが供給され、それが各セルのアノードに分配され、次いで生成された酸素O
2および適切な場合には排出ガスは、第1および第2の台形セクタに共通の排出ガスの供給および生成された酸素の回収を有するように、各インターコネクタの第6のゾーン(S(O2))において回収される。
有利には、共電解は、メタン化によって生成された水蒸気H
2Oを少なくとも部分的に用いて行われる。
【0058】
第2の代替案によれば、本発明はまた、各々がカソードと、メタン(CH
4)を改質するための反応を触媒するための材料を含むアノードと、カソードとアノードとの間に挿入された電解質とからなる、SOFC型の個々の電気化学セルのスタックと、その一方の面が2つの個々のセルの一方のアノードと電気的に接触し、その他方の面が2つの個々のセルの他方のカソードと電気的に接触している、2つの隣接する個々のセルの間に各々が配置された複数の電気および流体インターコネクタと、各々がアノードとインターコネクタとの間に配置された複数の電気接点およびガス分配要素と、を備える固体酸化物燃料電池(SOFC)において実施される高温で電気を生成する方法に関する。
【0059】
本発明による方法において、
‐各インターコネクタの第1のゾーンおよび第2のゾーンには独立して燃料が供給され、各個々のセルのアノードに分配され、次いで余剰の燃料(CH
4、および適切な場合には改質後の一酸化炭素COと水素H
2の混合物)および生成された水は、それぞれ第1のゾーンおよび第2のゾーンと流体連通している各インターコネクタの第3のゾーンおよび第4のゾーンにおいて回収され;各電気接点およびガス分配要素は、第1および第3のゾーンを含む第1のガスフローセクタ(T1)を第2および第4のゾーンを含む第2のガスフローセクタ(T2)から分離するガス分配バリアを形成する封止ビードと一体化され、第1および第2のセクタは、バリアを介して隣接し、各セルと実質的に同等の面積を形成し;第1のセクタ内の第1および第3のゾーンの間でガスの流動セクションが増加または減少し、第2のセクタ内の第2および第4のゾーンの間でガスの流動セクションが増加または減少するように、第1から第4のゾーンが寸法決めされかつガス循環バリアが配置され;
‐各インターコネクタの第1および第2のゾーンは、第1のフローセクタ内の各アノードへの循環が第2のフローセクタ内の循環に対して逆流となるように供給される。
【0060】
ガス封止バリアは、電気接点要素を2つの異なるフローセクタと多孔質H
2電極に分離する。それは、ガラスまたはガラスセラミックビード、あるいは電極が定位置に置かれたときに電極に有利に浸透するはんだであり得る。したがって、バリアの機能は、そこでは完全な気密性を必要とせずにガスの通過を妨げることである。本発明によるバリアをガラスセラミックビードから製造することが特に有利である。室温でのガラスセラミックは、ニッケルスクリーンのような多孔質金属基板、さらには多孔質H
2電極に浸透させるのが容易なペーストの形態である。シールの温度を850から1000℃の温度に上昇させると、望ましい連続的なバリアの外形に従って、ガラスセラミックを熱い間に所定の位置に収め、ニッケルスクリーンのメッシュなどの孔に充填することによって電気接点要素の多孔質基材の形状に適合させることができる。一旦設置されると、バリアは反応器または燃料電池の動作温度、典型的には600から850℃の間で結晶化され、したがって注入されたガス(H
2O、H
2、CO、CO
2、CH
4など)が一方のフローセクタT1からそれに隣接する他方のセクタT2へと通過することを防止する。
【0061】
1つの変形によれば、水素の酸化によるスタック内での水の生成と比較して改質反応を最大化するために、第1のゾーンおよび第3のゾーンによってそれぞれ画定された第1および第2の台形セクタの最大底部を介して供給が行われる。
【0062】
あるいは、スタック内での水の生成と比較して改質反応を最小化するために、第1および第3のゾーンによってそれぞれ画定された第1および第2の台形セクタの最小底部を介して供給が行われ、改質に必要な水の少なくとも一部のインサイチュ生成を想定することができる。
【0063】
有利には、台形セクタの小底部と大底部との間の長さ比は、セル内で水素を酸化することによって水を生成する反応と比較して改質反応を促進するか促進しないために予め決定される。
【0064】
有利な一実施形態によれば、第1および第2の台形セクタに共通の酸化ガスの供給および残留酸素の回収を有するように、各インターコネクタの第5のゾーンに空気などの酸化剤を供給し、それを各セルのカソードに分配し、次に残りの余分な酸化剤を各インターコネクタの第6のゾーンにおいて回収する。
【0065】
燃料は、有利には水素またはメタン(CH
4)もしくはその2つの混合物であり得る。
有利には、改質は酸化によって生成された水を少なくとも部分的に用いて行われる。
好ましくは、第1および第2の台形セクタには、基準動作において同一の組成および流量でガスが供給される。反対に、スタックの1つのセクタを他のセクタと比較してより加熱すること、またはより冷却することが必要とされる場合、各セクタに同一の方法で供給しないことが想定され得る。
【0066】
この要件は、誤動作(漏れ、欠陥のあるスタックが配置されているチャンバの加熱、断熱の問題)の場合に生じ得る。この場合、他の隣接セクタと比較して1つのセクタに供給しないことによって、隣接する他方のセクタに対して一方のセクタをより加熱またはより冷却することができる。
【0067】
従って、本発明は本質的には、電極の電気化学に依存する、分布されるガスの組成と共に変化する電極において統合されたメタン化または改質反応の触媒材料の活性セクションを有する新規な反応器または燃料電池構造を提案することにある。
それらの分配に沿ってガスが遭遇する活性触媒セクションのこの変化は、セルの電気化学面積、従って従来技術と同一のままである電流の収集または伝達を変更することなく生成される。
【0068】
触媒セクションのこの変化は、各インターコネクタ内でガスの供給および回収を2つの独立した回路に分割し、電極(および触媒)上のガスのフロー表面を各電気接点要素に一体化されたバリアを使用して物理的に分離することによって生じ、台形形状の隣接する2つのフローセクタを画定する電極内において、その面積の合計は、セルの正方形または長方形の電気化学面積の合計である。
【0069】
従って、同じ電気化学面積に対して、触媒材料を含む電極(共電解反応器中のカソードまたは燃料電池中のアノード)での反応は、ガスの入口または電気化学反応から生じる生成物の出口のいずれかの台形の大底部の位置によって決定される、分配されるガスの量の変化に応じて促進されるかまたは促進されない。
【0070】
本発明によると、同じスタック内で電気化学反応と触媒作用との間の分離があり、それはガスの流れに沿って生成される種をよりよく制御することを部分的に可能にするが、とりわけ電気化学動作点を変えずに触媒反応を制御することによってスタックの熱を制御することを可能にする。
従って、燃料電池モードでは、セルを損傷しないように水素の酸化が迅速に起こるように急速な内部改質を最大化することが好ましい。
【0071】
H
2O+CO
2モードの共電解では、メタンまたは他の生成物に変換されなければならない反応器から出る際の合成ガス(H
2+CO)のために想定される用途に応じて、反応器内部でのインサイチュメタン化を促進するまたは逆に防止することが可能である。
言い換えれば、電極入口と出口との間の触媒セクションに変化を導入することによって、本発明は、反応器またはSOFCセルのスタック内で起こる電気化学反応から触媒メタン化または改質反応を切り離すことを可能にする。
【0072】
さらに、入口触媒部分と出口部分との間の寸法の比率を予め決定することによって、触媒反応と電気化学反応との間の比率を所望の通りに正確に決定された比率に規定することが可能である。
さらに、本発明のさらなる利点は、インサイチュで促進され得るメタン化反応によって、共電解反応器の入口で蒸発する水の量を減少させる可能性にある。これは、メタン化反応もまた水を形成するためである。
【0073】
従って、共電解反応器内でのメタン化の実施を促進することによって、既に水蒸気の形態にある水をインサイチュで得ること、すなわち上流でこの量の液体の水を蒸発させることを必要とせずに共電解に必要な水の一部を既に得ることを可能にする。
【0074】
特に既に水蒸気の形態にある水を有することは、外部の熱源がない状態で、別個の電源によって蒸発させることを回避することを可能にし、従ってプラントの運転エネルギーコストを削減し、それによってより優れた収量を得ることを可能にするので、これはプラント全体の収量にかなりの影響を及ぼし得る。
【0075】
さらに、本発明による新規な構造は、一般に発熱性または吸熱性である電気化学または触媒反応の場合に、各セルの全体的な熱均一性を改善するという利点を有する。
実際に、セルの特定の場所(通常は入口または出口のいずれか)に生じる熱のソースは、このセルの機械的強度の観点から禁じられ得る熱勾配を生み出す可能性がある。
【0076】
本発明によれば、これらの縁部の各々が入口と出口(第1と第3のゾーン、さらには第2と第4のゾーン)の両方を含むので、セルに沿って熱勾配が大幅に減少する。したがって、各セル内の温度差は、スタック内のセクタの設計によって減少する。
本発明に関連して想定されるインターコネクタは、燃料と酸化剤または排出ガスとの間のセル上でのガスの逆流循環を維持することを可能にする。
【0077】
本発明による方法は、任意選択的なインサイチュでのメタン化を伴う共電解SOEC反応器として、または内部改質を伴う燃料として水素および/またはメタンを有するSOFCセルとして同等に使用することができるこのタイプのスタックの可逆性を変更しない。
【0078】
第1の代替案によれば、本発明の別の主題は、水蒸気H
2Oと二酸化炭素CO
2との共電解および適切な場合にはインサイチュメタン化反応を行うための、各々がメタン化反応を触媒するための材料を含むカソードと、アノードと、カソードとアノードとの間に挿入された電解質とから形成された長方形または正方形の領域を有する固体酸化物型の個々の電解セルのスタックと、一方の面が2つの個々のセルの1つのアノードと電気的に接触し、他方の面が2つの個々のセルの他方のカソードと電気的に接触するように各々が2つの隣接する個々のセルの間に配置された複数の電気および流体インターコネクタと、各々がカソードとインターコネクタとの間に配置され、各電気接点およびガス分配要素が封止ビードと一体化して第1および第3のゾーンを含む第1のガスフローセクタ(T1)を第2および第4のゾーンを含む第2のガスフローセクタ(T2)から分離するガス分配バリアを形成し、第1および第2のセクタはバリアを介して隣接し、各セルと実質的に同等の面積を形成している、複数の電気接点およびガス分配要素とを含み、第1のセクタ(T1)内の第1および第3のゾーンの間でガスの流動セクションが増加または減少し、第2のセクタ(T2)内の第2および第4のゾーンの間でガスの流動セクションが増加または減少するように、第1から第4のゾーンが寸法決めされ、ガス循環バリアが配置されている、SOEC共電解反応器である。
【0079】
第2の代替案によれば、本発明の別の主題は、メタン(CH
4)の内部改質を任意選択的に実施する高温燃料電池(SOFC)であって、各々がカソードと、メタン(CH
4)を改質するための反応を触媒するための材料を含むアノードと、カソードとアノードとの間に挿入された電解質とからなる、長方形または正方形の領域を有する固体酸化物型の個々のセルのスタックと、一方の面が2つの個々のセルの一方のアノードと電気的に接触し、他方の面が2つの個々のセルの他方のカソードと電気的に接触している、2つの隣接する個々のセルの間に各々が配置された複数の電気および流体インターコネクタと、各々がカソードとインターコネクタとの間に配置され、各電気接点およびガス分配要素が、第1および第3のゾーンを含む第1のガスフローセクタ(T1)を第2および第4のゾーンを含む第2のガスフローセクタ(T2)から分離し、第1および第2のセクタがバリアを介して隣接し、各セルと実質的に同等の面積を形成し、第1のセクタ(T1)内の第1および第3のゾーンの間でガスの流動セクションが増加または減少し、第2のセクタ(T2)内の第2および第4のゾーンの間でガスの流動セクションが増加または減少するように、第1から第4のゾーンが寸法決めされ、ガス循環バリアが配置されている、複数の電気接点およびガス分配要素とを備える、高温燃料電池(SOFC)である。
【0080】
本発明の文脈内では、各インターコネクタは、有利には、互いに直交する2つの対称軸X、Yに沿って延びる3枚の平らな金属シートからなる部品であり、一方の端部の金属シートは個々の電気化学セルのカソードの平面と機械的に接触し、他方の端部の金属シートは隣接する個々の電気化学セルのアノードの平面と機械的に接触するように意図されており:
‐第1の端部金属シートと呼ばれる一方の端部の金属シートは穴のあいた中央部分を含み、第2の端部金属シートと呼ばれる他方の端部の金属シートおよび中央の金属シートは穴のない中央部分を含み、
‐3枚の平らな金属シートの各々は、その周囲に貫通された6つのポートを有する中央部分を含み、各金属シートの第1から第4のポートは、金属シートの軸Xの1つに沿って中央部分の長さの一部に対応する長さにわたって延在し、前記軸Xの両側に一対に分配され、第5および第6のポートは、軸Yの他方に沿った中央部分の長さに実質的に対応する長さにわたってそれぞれ延在しており、
‐第1の端部金属シートは、第1から第4のポートの内側に、軸Yの両側に対称に配置され、軸Yに沿った中央部分の長さに実質的に対応する長さにわたって延在する第7および第8のポートをさらに備え、第2の端部金属シートと呼ばれる端の金属シートの他方は、第1、第2、第3、および第4のポートのそれぞれ内部に第7、第8、第9、および第10のポートをさらに備え、これらの第7から第10のポートの各々が軸Xに沿った第1から第4のポートの長さに実質的に対応する長さにわたって延在しており、
‐中央金属シートの第1から第6のポートは、それぞれ、各端部金属シートの第1から第6のポートに対して内側に向かって広がっており、
‐3枚の金属シートの第1および第2のポートは互いに実質的に同一の寸法を有し、3枚の金属シートの第3および第4のポートは互いに実質的に同一の寸法を有し、第1および第2のポートの長さは第3および第4のポートの長さより長いことが好ましく、
‐第2の端部金属シートの第7および第8のポートはその第1および第2のポートと実質的に同一の寸法を有し、第2の端部金属シートの第9および第10のポートはその第3および第4のポートと実質的に同一の寸法を有し、
‐中央金属シートのすべての広幅ポートは、それらの広幅部分において、互いに間隔を空けて配置された金属シートの舌状部を含んで櫛を形成し、広幅スリットの端部と舌状部との間または2つの連続した舌状部の間に画定されたスリットの各々は、それぞれ第1または第2の端部金属シートの内側のポートの1つに開口しており、
‐3枚の金属シートを次のように積層して組み立てる:
・金属シートの舌状部は、第1および第2の端部金属シートの間、それぞれ第1の端部金属シートの第5および第7のポートの間、第1の端部金属シートの第6および第8のポートの間、第2の端部金属シートの第1および第7のポートの間、第2の端部金属シートの第2および第8のポートの間、第2の端部金属シートの第3および第9のポートの間、第2の端部金属シートの第4および第10のポートの間にスペーサを形成し、
・3枚の金属シートの1つの第1から第6のポートの各々は、他の2つの金属シートの対応する第1から第6のポートの1つとそれぞれ個別に流体連通し、
・第1の端部金属シートの第5および第7のポートは中央金属シートの第5広幅ポートのスリットを介して流体連通し、第1端部金属シートの第6および第8のポートは中央金属シートの第6の広幅ポートのスリットを介して流体連通し、
・第2の端部金属シートの第1および第7のポートは中央金属シートの第1の広幅ポートのスリットを介して流体連通し、第2の端部金属シートの第2および第8のポートは中央金属シートの第2の広幅ポートのスリットを介して流体連通し、第2の端部金属板の第3および第9のポートは中央金属シートの第3の広幅ポートのスリットを介して流体連通し、第2の端部金属シートの第4および第10ポートは中央金属シートの第4の広幅ポートのスリットを介して流体連通する。
【0081】
有利には、反応器およびSOFCセルは、適切な場合にはインサイチュメタン化を伴う共電解モードで、および適切な場合には内部メタン改質を伴う燃料電池モードで可逆的に作動することが意図された同一の装置を構成する。
【0082】
好ましくは、カソードがメタン化反応を触媒するための材料を含むか、またはアノードがメタン(CH
4)を改質するための反応を触媒するための材料を含み、それぞれ好ましくは、Ni‐YSZと表されるニッケルおよびイットリア化ジルコニアのサーメットなど、ジルコニア(ZrO
2)に担持されたニッケル(Ni)をベースとする。
【0083】
有利な変形実施形態によれば、各電気接点およびガス分配要素は、封止バリアとして、ガラスおよび/またはガラスセラミックをベースとするビードを一体化したニッケル(Ni)スクリーンである。
好ましくは、このバリアはまた、Ni‐YSZサーメットからなる電極などの多孔質電極(HTE反応器用のカソード、セル用のアノード)も貫通する。したがって、これは、同一の循環区画の2つの隣接するセクタの間に完全な気密性を生み出す。
【0084】
要約すると、本発明による方法および電気分解装置/燃料電池は、多数の特徴および利点を有しており、その中でも、以下のことに言及することができる:
‐同じセルの電気化学面積の2つの隣接する独立した台形のセクタへの物理的分離であって、台形の形状はこのセクションにおける流れに沿ってガスの組成と共に徐々に変化する触媒材料のセクションを画定している:
‐物理的分離は、電気接点およびガス分配要素内、さらにはH
2の循環のための多孔質電極内にガス封止バリアを一体化することによって形成される。好ましくは、バリアは、ニッケルスクリーンに一体化されたガラスまたはガラス‐セラミックビードであり、ガラスまたはガラス‐セラミックはスクリーンおよび電極の両方を貫通している:
‐2つの台形セクタの幾何学形状、特に各台形の小底部と大底部との間の長さ比を事前に決定することによる、電気化学反応と比較した触媒反応の優勢または非優勢の制御。セクタの大底部を介してガスを導入すると、各セルにわたるそれらの分配に沿って触媒セクションは減少し、ガス流量は増加するが、電気化学的分配に沿って伴う触媒反応を減少させることを可能にする。反対に、セクタの小底部を介してガスを導入すると、各セルにわたるそれらの分配に沿って触媒セクションは増加し、ガス流量は減少するが、分配に沿った電気化学によるガスの生成を含む触媒反応を促進することを可能にする;
‐先行技術による高温でのSOFC電気分解セルまたはHTE反応器と比較したスタックのセルの熱均一性の改善;
‐高温で、好ましくは加圧下で、好ましくは5から30barで運転して、共電解反応器内で得られるメタンの可能な制御;
‐セルの熱的挙動を決定する内部改質によってSOFCセル内で得られる合成ガスの可能な制御;
‐インサイチュメタン化反応を促進することによって、SOEC共電解スタック自体の中で形成される水蒸気を制御することが可能であり、それによって、スタックの上流で必要とされる水の気化エネルギーのいくらかを節約することができ、本発明による共電解反応器を含むプラントからの収量を増加させる。
【0085】
「カソード支持セル」(CSC)は、水の高温電気分解HTEの分野において既に与えられた定義に従って、本明細書においておよび本発明の文脈において使用される。すなわち、電解質および酸素電極(アノード)が、より厚く、支持体として機能する水素または一酸化炭素電極(カソード)の上に配置されたセルを意味する。
【0086】
本発明の文脈において、「可逆的」とは、電解運転モードにおいて、SOFC燃料電池を、セルの逆であり、SOFCセルのアノードが電気分解装置のカソードとして機能するSOEC電気分解装置として使用することができることを意味することを意図している。
【0087】
本発明の他の利点および特徴は、以下の図面を参照して与えられる本発明の例示的な実施形態の詳細な非限定的かつ例示的な説明を読むことでより明らかになるだろう。