【実施例1】
【0023】
図1は本発明の実施例1の燃焼システムの全体説明図である。
図1において、火力発電所等で使用される実施例1の燃焼システム(燃焼装置)1では、バイオマス燃料(固体燃料)がバンカ(燃料ホッパ)4に収容されている。バンカ4のバイオマス燃料は、ミル(粉砕機)5で粉砕される。粉砕された燃料は、ボイラ(火炉)6の固体燃料バーナ7に燃料配管8を通じて供給されて、燃焼される。なお、固体燃料バーナ7は、ボイラ6に複数設置されている。
【0024】
ボイラ6から排出された排ガスは、脱硝装置9で脱硝される。脱硝された排ガスは、空気予熱器10を通過する。空気予熱器10では、ブロア11から送られた空気と排ガスとの熱交換が行われる。したがって、排ガスが低温化されると共に、ブロア11からの空気が加熱される。ブロア11からの空気は、空気配管12を通じて、固体燃料バーナ7およびボイラ6に燃焼用空気として供給される。
空気予熱器10を通過した排ガスは、ガスガスヒータ(熱回収器)13を通過する際に熱が回収されて低温化する。
【0025】
ガスガスヒータ(熱回収器)13を通過した排ガスは、乾式集塵機14で排ガス中の塵等が回収、除去される。
乾式集塵機14を通過した排ガスは、脱硫装置15に送られて脱硫される。
脱硫装置15を通過した排ガスは、湿式集塵機16で排ガス中の塵等が回収、除去される。
湿式集塵機16を通過した排ガスは、ガスガスヒータ(再加熱器)17で再加熱される。
ガスガスヒータ(再加熱器)17を通過した排ガスは、煙突18から大気に排気される。
なお、ミル5自体の構成は、従来公知の種々の構成を使用可能であり、例えば、特開2010−242999号公報等に記載されているので詳細な説明は省略する。
【0026】
図2は実施例1の固体燃料バーナの説明図である。
図3は
図2の矢印III方向から見た図である。
図2、
図3において、実施例1の固体燃料バーナ7は、搬送気体が流れる燃料ノズル21を有する。燃料ノズル21の下流端の開口は、ボイラ6の火炉22の壁面(火炉壁、水管壁)23に設けられている。燃料ノズル21は、燃料配管8が上流端に接続される。燃料ノズル21は中空の筒状に形成されており、燃料ノズル21の内部には、固体燃料(粉砕されたバイオマス燃料)と搬送気体とが流れる流路24が形成されている。
【0027】
燃料ノズル21の外周には、燃焼用空気を火炉22に噴出する内側燃焼用ガスノズル(2次燃焼用ガスノズル)26が設置されている。また、内側燃焼用ガスノズル26の外周側には、外側燃焼用ガスノズル(3次燃焼用ガスノズル)27が設置されている。各燃焼用ガスノズル26,27は、ウインドボックス(風箱)28からの空気を火炉22内に向けて噴出する。実施例1では、内側燃焼用ガスノズル26の下流端には、燃料ノズル21の中心に対して径方向外側に傾斜(下流側に行くに連れて径が拡大)するガイドベーン26aが形成されている。また、外側燃焼用ガスノズル27の下流部には、軸方向に沿ったスロート部27aと、ガイドベーン26aに平行する拡大部27bとが形成されている。したがって、各燃焼用ガスノズル26,27から噴出された燃焼用空気は、軸方向の中心から拡散するように噴出される。
【0028】
また、燃料ノズル21の下流端の開口部には、保炎器31が支持されている。
図2、
図3において、保炎器31には、内周側突起31aが形成されている。内周側突起31aは、燃料ノズル21の中心側に向けて突出して形成されている、また、内周側突起31aは、周方向に沿って間隔をあけて周期的に配置されている(
図3参照)。
図2、
図3において、燃料ノズル21の流路断面の中心部には、点火バーナ(オイルガン)32が貫通して配置されている。点火バーナ32は、燃料ノズル21の衝突板フランジ21aに支持された衝突板32aに貫通した状態で支持されている。
【0029】
図2において、燃料ノズル21の内壁面には、ベンチュリ33が設置されている。ベンチュリ33は、上流側の径縮小部33aと、径縮小部33aの下流側に連続する最小径部33bと、最小径部33bの下流側に連続する径拡大部33cとを有する。径縮小部33aは、燃料ノズル21の内壁面に対して、下流側に行くに連れて流路断面の径方向中心側に傾斜して形成されている。したがって、径縮小部33aの上流端V1から下流端V2に向かうに連れて、流路24の内径は縮小する。また、最小径部33bは、燃料ノズル21の軸方向に平行して形成されている。径拡大部33cは、下流側に行くに連れて径方向外側に傾斜して形成されている。したがって、径拡大部33cの上流端V3から下流端V4に向かうに連れて、流路24の内径は拡大する。
したがって、実施例1のベンチュリ33では、燃料ノズル21に供給された燃料と搬送気体との混合流体が、径縮小部33aを通過する際に、径方向の内側に絞られる。したがって、燃料ノズル21の内壁面近傍に偏った燃料を中心側に移動させることが可能である。
【0030】
ベンチュリ33の下流側には、燃料濃縮器34が点火バーナ32の外表面に設置されている。燃料濃縮器34は、上流側の径拡大部34aと、径拡大部34aの下流側に連続する最大径部34bと、最大径部34bの下流側に連続する径縮小部34cとを有する。径拡大部34aは、点火バーナ32の外面に対して、下流側に行くに連れて流路断面の径方向外側に傾斜して形成されている。したがって、径拡大部34aの上流端C1から下流端C2に向かうに連れて、径拡大部34aの外径が拡大する。また、最大径部34bは、燃料ノズル21の軸方向に平行して形成されている。径縮小部34cは、下流側に行くに連れて径方向中心側に傾斜して形成されている。したがって、径縮小部34cの上流端C3から下流端C4に向かうに連れて、径縮小部34cの外径は縮小する。
したがって、実施例1の燃料濃縮器34では、燃料と搬送気体との混合流体に、径拡大部34aを通過する際に、径方向の外側に向かう速度成分が付与される。よって、燃料が燃料ノズル21の内壁面に向かって濃縮される。
【0031】
図4は実施例1の流路区画部材の説明図であり、
図4(A)は側面図、
図4(B)は
図4(A)のIVB−IVB線断面図である。
図2、
図3において、燃料濃縮器34の下流側には、流路区画部材36が配置されている。流路区画部材36は、支持部材37により燃料ノズル21の内面に支持されている。実施例1の流路区画部材36は、上流端S1から下流端S2に向かうに連れて内径が縮小する部分円錐状(コニカル形状)に形成されている。したがって、流路区画部材36は、流路24を外側流路24aと内側流路24bとに区画する。
図3、
図4において、支持部材37は、径方向に沿って延びる板状に形成されている。支持部材37は、周方向に対して間隔をあけて複数配置されている。
図3において、実施例1では、支持部材37は、保炎器31の内周側突起31aどうしの間に対応する位置に配置されている。
【0032】
図2において、実施例1の固体燃料バーナ7では、流路区画部材36の上流端S1が、燃料濃縮器34の径拡大部34aの延長線41が燃料ノズル21の内壁に到達する位置Rpよりも下流側に設定されている。したがって、燃料濃縮器34の径拡大部34aで燃料ノズル21の内周壁に向かって濃縮された燃料のほとんどが、外側流路24aに供給される。よって、燃料濃縮器34により径方向の外側に向けられた粒子の流れを流路区画部材36が妨げにくいと共に、外側流路24aにおいて径方向外側に向かう燃料が内周壁で反射されて再び中心軸側に向かおうとしても、流路区画部材36で阻止される。よって、燃料濃縮器34で濃縮された燃料が、流路断面で均一に再分散されることが抑制される。
【0033】
なお、実施例1では、燃料濃縮器34の径拡大部34aの下流端C2よりも下流側では、混合流体の燃料ノズル21の中心軸方向の速度が低下していく。したがって、燃料粒子は位置Rpよりもう少し上流側でノズルの内周壁に達すると考えられる。したがって、流路区画部材36の上流端S1は、位置Rpよりも下流側に設定することが望ましいが、これに限定されず、位置Rpと同一の位置、または、少し上流側の位置とすることも可能である。
しかし、流路区画部材36の上流端S1の位置を、あまり上流側に設定しすぎると、径方向外側へ向かって流れている燃料粒子の妨げとなる。よって、実施例1では、燃料濃縮器34の最大径部34bの下流端部C3よりも下流側、すなわち、径方向外側へ向かって流れる燃料粒子の流線(延長線41)と重複しない領域に、流路区画部材36の上流端S1を設定している。
【0034】
流路区画部材36の上流端S1の位置が、位置Rpに対して下流側すぎると、一旦燃料濃縮器34により燃料ノズル21の内周壁側に燃料粒子が濃縮され、燃料ノズル21の中心軸側から径方向外側に向かって燃料濃度が高くなる濃度分布ができた混合流体において、燃料粒子が内壁で反射して再びノズル中心軸側に向かう等により、濃度分布が薄れる問題がある。
また、例えば、混合流体の流速が燃料ノズル21内の全断面において下がりきる燃料濃縮器34の径縮小部34cの下流端C4よりも下流側であると、流路区画部材36の外側流路24aにおける混合流体の流速は、上流端S1から下流端S2に至る間にさらに低減される結果、流速が下がりすぎて燃料粒子の付着・堆積の可能性が高まる。
【0035】
さらに、流路区画部材36は、その本来の機能を発揮させるためには、ある程度の長さが必要である。したがって、流路区画部材36の長さを確保しようとすると、下流端S2の位置が、燃料ノズル21の開口端(バーナ軸方向位置)fsないしバーナ開口面(開口端位置)neに近づく。ここで、流路区画部材36の上流端S1を位置Rpに対して下流側に配置しすぎると、燃料ノズル21、固体燃料バーナ7全体の軸方向長さが長くなる問題がある。これは、固体燃料バーナ7の大型(長大)化につながり、コストアップ、他の機器・炉外構造物との干渉があったり、そのために設置場所の制約を受けるため、望ましくない。
従って、実施例1では、流路区画部材36の上流端S1は、少なくとも燃料濃縮器34の径縮小部34cの下流端C4より上流側に設定されている。
【0036】
また、実施例1の流路区画部材36は、下流端S2における混合流体の流速が上流端S1における流速よりも低減されるように、下流端S2における外側流路24aの断面積が上流端S1における外側流路24aの断面積よりも拡大するようなコニカルな形状となっている。このような傾斜形状であれば、軸方向に沿った筒状の場合よりも、固体燃料粒子が傾斜面に沿って移動しやすく、上面に堆積しにくくなる。
【0037】
さらに、実施例1の流路区画部材36は、燃料ノズル21の内周壁側から支持部材37によって支持されている。仮に、中心軸(点火バーナ32)側から流路区画部材36を支持すると、点火バーナ32および/または燃料濃縮器34の保守点検等の際に、衝突板32aとともに衝突板フランジ21aから分離して炉外へ引き抜く際、流路区画部材36と支持部材37とを切り離さないとベンチュリ33を通過させられない。すなわち、保守点検作業の作業性が低下する問題がある。これに対して、実施例1では、流路区画部材36が燃料ノズル21の内周壁側から支持されており、点火バーナ32および/または燃料濃縮器34の保守・点検が容易に行える。
【0038】
また、実施例1では、流路区画部材36と支持部材37(および燃料濃縮器34)を、燃料ノズル21の火炉22側開口端部fsないしは固体燃料バーナ7の火炉22壁面開口部neから距離をあけて燃料ノズル21内の流体流れ方向上流側、即ち、火炉22の外側に設置している。より具体的には、
図2に示すように、燃料ノズル21の火炉側開口端部fsからは、燃料ノズル21の火炉側開口端部fsにおける内径D1の1/4以上、または固体燃料バーナ7の火炉壁面開口部neから、内径D1の1/2以上離れた位置に、流路区画部材36の下流端S2の位置が設定されている。
【0039】
したがって、流路区画部材36等が火炉(炉内)22からの輻射を受けて高温となって、熱により直に損傷を受けやすくなるのを軽減される。また、燃料粒子が、特に流路区画部材36の上面等に付着・堆積した場合でも発火するリスクや、付着堆積に至らずとも滞留傾向となって燃料ノズル21内で着火するリスクを軽減することもでき、着火域を保炎器31の下流側にしやすくできる。
なお、流路区画部材36の下流端S2を、各位置fs,neから離しすぎると、流路区画部材36での流速低減後の区間が長くなる。流速低減後の区間が長くなると、燃料粒子が燃料ノズル21の壁面に付着堆積する可能性が高くなったり、燃料ノズル21が長大化して固体燃料バーナ7が大型化するといった問題がある。したがって、現実的には、位置neから流路区画部材36の下流端S2までの距離が、内径D1の2倍程度までにすることが望ましい。
【0040】
また、実施例1では、燃料濃縮器34の上流端C1は、ベンチュリ33の径拡大部33c(V3〜V4の間)に設定されている。特に、燃料濃縮器34の径拡大部34aの下流端C2が、ベンチュリ33の径拡大部33cの下流端V4よりも上流側に配置されている。
ここで、混合流体の流速Fについて、上流側からFを見ていくと、まずベンチュリ33の上流端V1でF0であったものが、径縮小部33aで徐々に加速され、最小径部33bで最も速められた後、径拡大部33cにおいて、燃料ノズル21の軸方向断面積の増大とともに徐々に減速される。
燃料濃縮器34の上流端C1から、径拡大部34aの下流端C2にかけては、燃料ノズル21の軸方向断面積の増大度合いが小さくなるものの、減速される。
【0041】
また、実施例1では、燃料濃縮器34の径拡大部34aの下流端C2における軸方向断面積は、ベンチュリの径拡大部33cの上流端V3における軸方向断面積の2倍程度にまで大きくなるように設定されている。
そして、燃料濃縮器34の径拡大部34aの下流端C2が、ベンチュリ33の下流端V4と同じか上流側に設定されていると、流速Fは、位置V3からV4に至るまで減速する傾向が継続し、加速に転じることがない。そして、ベンチュリ33の下流端V4から、燃料濃縮器34の最大径部34bの下流端C3までの間、流速Fは一定で、下流端C3以降、径縮小部34cの外径の縮小に伴って、流速Fはさらに減速していく。
【0042】
仮に、燃料濃縮器34の上流端C1が、ベンチュリ33の下流端V4よりも下流側に設定されている場合(特許文献1の場合)、ベンチュリ33の下流端V4までに減速した流速Fは、燃料濃縮器34の径拡大部34aの上流端C1から下流端C2の間、加速に転じる。ベンチュリ33の径拡大部33cで一旦減速した燃料粒子を再び加速させる、いわば、脈動のような流れが形成される流路断面積のプロファイル(上流側から下流側へ向けた流路断面積の変化)にすると、流速Fが低下しすぎる領域が生じ、燃料粒子の堆積、滞留が懸念される。設計数値上も、ベンチュリ33の下流端V4において、燃料ノズル21の中心軸側に燃料濃縮器34が存在しないケースでは流速Fが下がりすぎ、燃料粒子の堆積、滞留が懸念される領域となる。
【0043】
これに対して、実施例1では、燃料濃縮器34の上流端C1は、ベンチュリ33の径拡大部33c(V3〜V4の間)に設定されている。したがって、ベンチュリ33の径拡大部33cの上流端V3以降、流路区画部材36の上流端S1に至るまで、脈動のような流れが発生せず、流速Fは、燃料粒子の堆積、滞留が懸念される低流速の領域に陥ることなく滑らかに減速される。よって、実施例1の固体燃料バーナ7では、燃料ノズル21の内部は、ベンチュリ33の径拡大部33cの上流端V3から下流端(開口部fs,ne)に向けて、流速Fが増大しない(単調減少または同一となる)ように、断面積が単調増加または同一となる(減少しない)ように設定されている。
【0044】
図2〜
図4において、実施例1の支持部材37は、径方向に延びる放射状の板状に形成されており、混合流体に対して極力その流れを妨げない形態となっている。なお、実施例1では、支持部材37は、長手方向の長さが流路区画部材36と同じ長さの1枚の板状の部材を使用しているがこれに限定されず、板が複数に分かれていても、棒状の部材とすることも可能である。
【0045】
ここで、特許文献1には、障害物(14)は混合流体の流れに対して、くさび状の立体的な構造物を設置する例を開示している。特許文献1に記載の構成のように、混合流体の流れ方向に対して、周方向の流路が最も狭まった直後に障害物(14)の途切れた空間につながって、流路が一気に拡大する形態であると、当該障害物(14)の火炉への開口部に面した壁面ないし空間に向かって、混合流体が逆流する渦流が発生する。当該面状の部位は火炉からの輻射を受け高温となるため、耐熱性の高い部材の使用・被覆等の対策を考慮する必要がある。前述の渦流発生により燃料粒子が付着、成長ないし滞留する可能性もある。
【0046】
これに対して、実施例1の支持部材37では、厚み方向が火炉22に対向する板状に形成されており、燃料ノズル21の開口面側から見た場合に、複数の板状の支持部材37が線状となるように配置されている。よって、特許文献1に記載の構成に比べて、混合流体が逆流する渦流が発生しにくく、燃料粒子が付着、成長ないし滞留するのを抑制できる。また、火炉22からの輻射を受け高温となることへの対策も少なくて済み経済的である。
また、実施例1の支持部材37は、保炎器31の内周側突起31aと重ならない位置に配置されており、重なる場合に比べて、混合気体の流れの抵抗が低減されている。
【0047】
また、実施例1では、燃料ノズル(1次ノズル)21の内径に関して、開口部(下流端)における内径D1(保炎器31の内周側突起31aを除く)は、ベンチュリ33の上流端V1における内径D2よりも大きく設定されている。燃料ノズル21の上流側(燃料搬送管)では流路内部で燃料粒子が付着堆積することを防ぐため、混合流体の流速をある程度高く保つ必要があるのに対し、着火性・保炎性の観点から、燃料ノズル(1次ノズル)21の開口部においては流速を十分に低減する必要がある。よって、実施例1では、下流端における内径D1がベンチュリ33の上流端V1における内径D2よりも大きく設定されている。
【0048】
図5は本発明の実施例の他の形態の説明図であり、
図5(A)は
図2に対応する図、
図5(B)は
図3に対応する図、
図5(C)は
図4に対応する図である。
図2〜
図4に示す支持部材37の形態に変えて、
図5に示す支持部材37′は、燃料ノズル21の周方向の流路幅が下流側に行くに連れて狭まるように、支持部材37′の幅が大きく形成された上流部37a′と、最大幅(位置Sm)に達した後、下流側に行くに連れて流路幅が徐々に拡大するように、支持部材37′の幅が小さく形成された下流部37b′とを有する。したがって、支持部材37′は、
図5(C)に示すように、径方向断面が菱形状に形成されているが、これに限定されず、燃料ノズル21内を流れる混合流体に対して流線型等の形態とすることも可能である。
なお、前述の最大幅部の幅はノズル径方向に一定である必要は無く、ノズル開口から見た支持部材37′の断面形状が略台形状になっていても良い。
図5の形態の支持部材37′では、
図2〜
図4に示す場合に比べて、燃料ノズル21の周方向の燃料濃縮機能が向上すると共に、特許文献1と異なり、流路幅が徐々に縮小する下流部37b′を有するため渦流が発生しにくく、燃料粒子の付着、成長ないし滞留が抑制される。
【0049】
図6は本発明の固体燃料バーナを備えたボイラ(燃焼装置)の説明図であり、
図6(A)は缶(ボイラ)前後各3段の固体燃料バーナのうちの缶前側および缶後ろ側の最上段にバイオマス燃料を使用する、本発明の固体燃料バーナを設けた場合の説明図、
図6(B)および
図6(D)は缶前側の最上段にバイオマス燃料を使用する、本発明の固体燃料バーナを設けた場合の説明図、
図6(C)および
図6(E)は缶後ろ側の最上段にバイオマス燃料を使用する、本発明の固体燃料バーナを設けた場合の説明図である。
図6(A)に示す形態では、固体燃料バーナ7のうち、最上段の固体燃料バーナ7には、バイオマス燃料が供給される。一方、中段と下段の固体燃料バーナ7′には、固体燃料の一例としての石炭が供給される。石炭は、バンカ4′に収容されたものがミル5′で粉砕されて微粉炭となり、中段と下段の固体燃料バーナ7′に供給される。なお、各段において、固体燃料バーナ7は、燃焼装置1の炉幅方向に沿って複数設置されている。
固体燃料バーナ7′の形態は、必ずしも上述した本発明の固体燃料バーナでなくても良い。
【0050】
図1に示すように、バイオマス燃料を使用した場合、粒子径の大きいバイオマス燃料が未着火のまま炉底に落下することがある。未着火のバイオマス燃料が炉底にたまると、メンテナンスの頻度を高くしないといけなくなったり、燃料の無駄が多くなったりする問題がある。
これらに対して、
図6(A)に示す形態では、最上段の固体燃料バーナ7のみでバイオマス燃料が使用される。したがって、最上段の固体燃料バーナ7で未着火のバイオマス燃料が発生しても、炉底に落下するまでの間に、中段と下段の固体燃料バーナ7′で着火されて燃え尽きやすい。特に、ボイラ6において、固体燃料バーナ7,7′が設置されている領域では、上方ほど高温になりやすい。したがって、最上段の固体燃料バーナ7でバイオマス燃料を使用すれば、下段の固体燃料バーナでバイオマス燃料を使用する場合に比べて、未着火のバイオマス燃料が発生しにくい。よって、
図6Aに示す形態では、未着火のバイオマス燃料が炉底に落下しにくく、燃料の無駄等を抑制できる。
【0051】
また、缶前側および缶後側に各3段の固体燃料バーナを備えた既設の燃焼装置1において、最上段の固体燃料バーナ7のみでバイオマス燃料を使用するように変更することも可能である。したがって、既設の石炭のみを使用する燃焼装置1を、バイオマス燃料を使用する燃焼装置1に容易に転換することができる。
さらに、
図6(B)、
図6(C)に示すように、固体燃料バーナ7,7′の段数が缶前後で異なる構成(あるいは、同数段備えているが、1つ休止させている構成)においても、缶前側または缶後側の最上段の1つの固体燃料バーナ7のみでバイオマス燃料を使用するように変更することも可能である。
【0052】
なお、
図1、
図6において、固体燃料バーナ7,7′を上下方向に3段備えた構成を例示したが、これに限定されない。2段または4段以上の構成とすることも可能である。
このとき、バイオマス燃料を使用する固体燃料バーナ7は、最上段とすることが望ましいが、これに限定されない。最上段と中段の2段以上とすることも可能である。
また、例えば、
図6(D)、
図6(E)のように最上段において、一方の固体燃料バーナ7ではバイオマス燃料を使用し、他方の固体燃料バーナ7′では微粉炭を使用する構成とすることも可能である。すなわち、バイオマス燃料を使用する固体燃料バーナ7と、微粉炭を使用する固体燃料バーナ7′とを対向させる構成とすることも可能である。
【0053】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、最小径部33bや最大径部34bを有する構成を例示したが、有しない構成とすることも可能である。
また、2次燃焼用ガスノズル26と3次燃焼用ガスノズル27を有する2段の燃焼用ガスノズル26,27の構成を例示したが、これに限定されず、燃焼用ガスノズルは1段または3段以上とすることも可能である。