特許第6818234号(P6818234)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6818234
(24)【登録日】2021年1月5日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/14 20190101AFI20210107BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20210107BHJP
   H04N 1/21 20060101ALI20210107BHJP
   G06K 9/20 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   G06F16/14 100
   H04N1/00 C
   H04N1/21
   G06K9/20 340C
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-110534(P2017-110534)
(22)【出願日】2017年6月5日
(65)【公開番号】特開2018-206047(P2018-206047A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2019年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】森田 恵子
【審査官】 三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−140543(JP,A)
【文献】 特開2006−260197(JP,A)
【文献】 特開2015−212907(JP,A)
【文献】 特開2004−062785(JP,A)
【文献】 特開2015−039111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G06K 9/18−9/60
H04N 1/00
H04N 1/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の文書ボックスを設けられた記憶装置と、
前記1または複数の文書ボックスのうち、文書画像の画像ファイルの保存先となる文書ボックスを特定し、前記文書画像のファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存するボックス保存処理部とを備え、
前記ボックス保存処理部は、特定した前記文書ボックスのボックス属性データにおけるファイル名抽出ルールを特定し、前記文書画像における、前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出した前記ファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存し、
前記ボックス保存処理部は、前記ボックス属性データに複数のファイル名抽出ルールが含まれている場合、前記ファイル名抽出ルールに設定されている優先順位の高い前記ファイル名抽出ルールから順番に、ファイル名の抽出に成功するまで、前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からのファイル名の抽出を試み、抽出した前記ファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存すること、
を特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ボックス保存処理部は、前記文書ボックスに保存された前記画像ファイルを、別の文書ボックスに移動またはコピーする際に、前記別の文書ボックスのボックス属性データにおけるファイル名抽出ルールを特定し、前記文書画像における、前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出した前記ファイル名を指定して、前記画像ファイルを、前記別の文書ボックスに保存することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
1または複数の文書ボックスを設けられた記憶装置と、
前記1または複数の文書ボックスのうち、文書画像の画像ファイルの保存先となる文書ボックスを特定し、前記文書画像のファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存するボックス保存処理部とを備え、
前記ボックス保存処理部は、特定した前記文書ボックスのボックス属性データにおけるファイル名抽出ルールを特定し、前記文書画像における、前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出した前記ファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存し、
前記ボックス保存処理部は、前記画像ファイルの前記ファイル名の抽出に使用された前記ファイル名抽出ルールが更新された場合、前記文書画像における、変更後の前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出した前記ファイル名で、前記画像ファイルのファイル名を更新することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
1または複数の文書ボックスを設けられた記憶装置と、
前記1または複数の文書ボックスのうち、文書画像の画像ファイルの保存先となる文書ボックスを特定し、前記文書画像のファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存するボックス保存処理部とを備え、
前記ボックス保存処理部は、特定した前記文書ボックスのボックス属性データにおけるファイル名抽出ルールを特定し、前記文書画像における、前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出した前記ファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存し、
前記ボックス属性データは、その他ルール設定を含み、
前記ボックス保存処理部は、前記文書画像における、前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名が抽出されなかった場合、前記その他ルール設定に基づいて、ファイル名を自動的に生成し、生成した前記ファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存すること、
を特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記ボックス保存処理部は、スキャンボックス保存ジョブが実行されたときに読み取られた画像を前記文書画像とし、前記ファイル名を特定し、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存することを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像処理装置は、原稿から読み取られた画像において、所定のエリアの画像に対して文字認識処理を行い、そのエリアから得られた文字列で、その画像の画像ファイルのファイル名を指定している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−56315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばスキャナー、複合機などの画像形成装置では、文書から読み取られた文書画像の画像ファイルが、特定の文書ボックスに保存されることがある。また、そのような画像形成装置に複数の文書ボックスがある場合、文書種別などに応じて異なる文書ボックスに、文書画像の画像ファイルが保存されることがある。その場合において、後で画像ファイルを閲覧する際にユーザーが画像ファイルの内容を特定しやすいファイル名が設定されることが好ましい。
【0005】
しかしながら、上述の画像処理装置では、画像ファイルの保存先に拘わらず、一定のルールでファイル名が設定されるため、ユーザーが画像ファイルの内容を特定しやすいファイル名が設定されない可能性がある。
【0006】
例えば、ある文書の画像ファイルが特定の文書ボックスに保存される場合には、部署名をファイル名とし、別の文書のファイルが別の特定の文書ボックスに保存される場合には、担当者名をファイル名としたいことがある。その場合、文書内で部署名と担当者名とで記載位置が異なり、一定のルールでファイル名が設定されるため、そのように、文書の保存先によって異なるルールでファイル名を設定することは困難である。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、文書の画像ファイルが複数の文書ボックスに分類して保存される場合でも、ユーザーが画像ファイルの内容を特定しやすいファイル名が設定されるようにする画像処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、1または複数の文書ボックスを設けられた記憶装置と、前記1または複数の文書ボックスのうち、文書画像の画像ファイルの保存先となる文書ボックスを特定し、前記文書画像のファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存するボックス保存処理部とを備える。そして、前記ボックス保存処理部は、特定した前記文書ボックスのボックス属性データにおけるファイル名抽出ルールを特定し、前記文書画像における、前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出した前記ファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存する。さらに、以下の(A)、(B)、および(C)のいずれかの構成を有する。(A)前記ボックス保存処理部は、前記ボックス属性データに複数のファイル名抽出ルールが含まれている場合、前記ファイル名抽出ルールに設定されている優先順位の高い前記ファイル名抽出ルールから順番に、ファイル名の抽出に成功するまで、前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からのファイル名の抽出を試み、抽出した前記ファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存する。(B)前記ボックス保存処理部は、前記画像ファイルの前記ファイル名の抽出に使用された前記ファイル名抽出ルールが更新された場合、前記文書画像における、変更後の前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出した前記ファイル名で、前記画像ファイルのファイル名を更新する。(C)前記ボックス属性データは、その他ルール設定を含み、前記ボックス保存処理部は、前記文書画像における、前記ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名が抽出されなかった場合、前記その他ルール設定に基づいて、ファイル名を自動的に生成し、生成した前記ファイル名を指定して、前記画像ファイルを、特定した前記文書ボックスに保存する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、文書の画像ファイルが複数の文書ボックスに分類して保存される場合でも、ユーザーが画像ファイルの内容を特定しやすいファイル名が設定されるようにする画像処理装置が得られる。
【0010】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1におけるボックス属性データ12に含まれるファイル名抽出ルールのフォーマットの一例を説明する図である。
図3図3は、図1におけるボックス属性データ12に含まれるファイル名抽出ルールの一例を説明する図である。
図4図4は、図1に示す画像処理装置の動作について説明するフローチャートである。
図5図5は、文書画像から特定されるファイル名の具体例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図1に示す画像処理装置は、複合機などといった画像形成装置である。図1に示す画像処理装置は、画像読取装置1、記憶装置2、通信装置3、印刷装置4、操作パネル5、および演算処理装置6を備える。
【0014】
画像読取装置1は、文書から文書画像を光学的に読み取り、文書画像の画像データ(ここでは、RGBデータ)を生成する内部装置である。
【0015】
また、記憶装置2は、各種データやプログラムを格納可能な装置である。記憶装置2としては、不揮発性メモリー、ハードディスクドライブなどの不揮発性の大容量記憶媒体が使用される。
【0016】
記憶装置2には、画像読取装置1により読み取られた文書画像の画像ファイルを格納可能な1または複数の文書ボックス11が設けられている。
【0017】
また、通信装置3は、ネットワークなどを介してユーザーの図示せぬ端末装置とデータ通信するネットワークインターフェイスなどの内部装置である。
【0018】
また、印刷装置4は、印刷データに基づく画像を印刷用紙へ印刷する。
【0019】
また、操作パネル5は、ユーザーに対して各種画面を表示する液晶ディスプレイなどといった表示装置と、ユーザー操作(ソフトキーの押下など)を検出するタッチパネル、ハードキーなどといった入力装置とを備える。
【0020】
また、演算処理装置6は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターであり、ROMや記憶装置2などからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部として動作する。この実施の形態では、演算処理装置6は、ジョブ管理部21、およびボックス保存処理部22として動作する。
【0021】
ジョブ管理部21は、ユーザーからのジョブの要求を受け付け、画像読取装置1、通信装置3、印刷装置4などの内部装置を使用して、要求されたジョブを実行する。
【0022】
例えば、ジョブ管理部21は、スキャンボックス保存ジョブの要求を受け付けると、画像読取装置1などを使用して、要求されたジョブを実行する。
【0023】
ボックス保存処理部22は、文書画像の画像ファイルの保存先となる文書ボックス11を特定し、文書画像のファイル名を指定して、その画像ファイルを、特定した文書ボックス11に保存する。
【0024】
この実施の形態では、例えば、文書画像は、スキャンボックス保存ジョブが実行されたときに読み取られた画像であり、ジョブの設定時などに、保存先の文書ボックス11も指定される。
【0025】
例えば、文書画像の画像ファイルの保存先となる文書ボックスは、操作パネル5に対するユーザー操作に基づいて選択され特定されたり、文書画像の画像ファイルの保存が必要となるジョブの種別に応じて、選択され特定されたりする。
【0026】
具体的には、ボックス保存処理部22は、特定した文書ボックス11のボックス属性データ12におけるファイル名抽出ルール(つまり、個別的に文書ボックス11に対して設定されているルール)を特定し、上述の文書画像における、ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出したファイル名を指定して、画像ファイルを、特定した文書ボックスに保存する。なお、抽出したファイル名には、必要に応じて、ファイルフォーマットを示す拡張子(「.PDF」、「.JPG」など)が付加される。
【0027】
例えば、ボックス保存処理部22は、ファイル名抽出ルールにより指定された箇所の画像領域を抽出し、抽出した画像領域に対して文字認識処理を実行して、テキストとしてのファイル名を特定する。
【0028】
また、この実施の形態では、ボックス保存処理部22は、操作パネル5に対するユーザー操作に基づいて、文書ボックス11に保存された画像ファイルを、別の文書ボックスに移動またはコピーすることができるようになっている。そして、ボックス保存処理部22は、文書ボックス11に保存された画像ファイルを、別の文書ボックスに移動またはコピーする際に、その別の文書ボックス11のボックス属性データ12におけるファイル名抽出ルールを特定し、文書画像における、そのファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出したファイル名を指定して、画像ファイルを、別の文書ボックスに保存する。これにより、画像ファイルは、元の文書ボックス11とは異なるファイル名で、別の文書ボックス11に保存される。
【0029】
また、この実施の形態では、ボックス保存処理部22は、操作パネル5に対するユーザー操作などに基づいて、ファイル名抽出ルールを更新可能となっている。そして、ボックス保存処理部22は、画像ファイルのファイル名の抽出に使用されたファイル名抽出ルールが更新された場合、文書画像における、変更後のファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出したファイル名で、画像ファイルのファイル名を更新する。
【0030】
図2は、図1におけるボックス属性データ12に含まれるファイル名抽出ルールのフォーマットの一例を説明する図である。
【0031】
ボックス属性データ12には、図2に示すようなファイル名抽出ルール(基本ルール設定)が含めることができる。このファイル名抽出ルールは、ボックス属性データ12に対応する文書ボックス11に保存される画像ファイルに適用される。
【0032】
また、この実施の形態では、1つの文書ボックス11に対応するボックス属性データ12に複数のファイル名抽出ルール(図2における抽出領域設定)を含めることができ、ボックス保存処理部22は、ボックス属性データ12に複数のファイル名抽出ルールが含まれている場合、ファイル名抽出ルールに設定されている優先順位の高いファイル名抽出ルールから順番に、ファイル名の抽出に成功するまで、ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からのファイル名の抽出を試み、抽出したファイル名を指定して、画像ファイルを、特定した文書ボックスに保存する。
【0033】
ここでは、ファイル名抽出ルールは、設定項目として、優先順位の他に、抽出ページおよび抽出位置を含んでいる。
【0034】
抽出ページは、ファイル名の抽出を行うページ番号を示す。抽出位置は、ファイル名の抽出を行う箇所を示す。
【0035】
抽出位置としては、例えば、左上、中央上、右上、左下、中央下、右下、および手動指定が指定可能である。手動指定の場合、抽出すべき画像領域の始点と終点(矩形の対角線上の2点)が指定される。
【0036】
また、ボックス属性データ12には、図2に示すような「その他ルール設定」を含めることができる。ボックス保存処理部22は、文書画像における、ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名が抽出されなかった場合、ボックス属性データ12にその他ルール設定が含まれるときには、そのファイル名抽出ルール(および特定した文書ボックス11)に対応するその他ルール設定に基づいて、ファイル名を自動的に生成し、生成したファイル名を指定して、画像ファイルを、特定した文書ボックス11に保存する。
【0037】
ここでは、その他ルール設定は、設定項目として、自動生成オン/オフ設定(自動生成ルール設定に基づくファイル名の自動生成を許可するか否かの設定)、および自動生成ルール設定を含む。自動生成ルール設定は、固定文字列と、付加情報設定を含む。固定文字列は、ファイル名に含める静的な文字列(即値)であり、付加情報設定は、固定文字列に付加する動的な文字列を指定する。付加情報設定としては、日時、文書ページ数、ユーザー名、ボックス名などを指定可能である。
【0038】
図3は、図1におけるボックス属性データ12に含まれるファイル名抽出ルールの一例を説明する図である。
【0039】
図3に示す例では、「見積書」ボックスに対して2つのファイル名抽出ルールが設定されている。そのうちのルール#1については、優先順位が1に設定され、抽出ページが1に設定され、抽出位置が手動指定に設定されている。優先順位の数が小さいほど優先順位が高くなる。抽出位置が手動指定である場合には、抽出位置が手動指定に設定された際に、操作パネル5に対するユーザー操作に基づいて、ファイル名を抽出すべき画像領域(上述の2頂点の位置を示す座標値など)が予め指定される。
【0040】
また、そのうちのルール#2については、優先順位が2に設定され、抽出ページが1に設定され、抽出位置が右下に設定されている。優先順位の高いルール#1に基づきファイル名が特定できなかった場合には、優先順位の低いルール#2に基づき、ファイル名が特定される。なお、抽出位置が右下である場合、文書画像の右下角の所定範囲が、ファイル名を抽出すべき画像領域に指定される。
【0041】
また、図3に示す例では、「見積書」ボックスに対して、その他ルール設定があり、自動生成設定がオンであるため、上述のファイル名抽出ルールのいずれでもファイル名が特定されなければ、その他ルール設定でファイル名が自動生成される。
【0042】
図3に示す例では、「見積書」ボックスに対するその他ルール設定では、固定文字列が「その他の」とされ、付加情報設定が「日時」とされている。これにより、例えば、ファイル名抽出ルールによりファイル名が特定できず、現在の日時が2017年5月30日午前10時である場合、「見積書」ボックスに保存する画像ファイルのファイル名は、「その他の2017年5月30日午前10時」などとされる。
【0043】
さらに、図3に示すように、別のボックス(「出願依頼書」ボックス)については、別のファイル名抽出ルール(および別のその他ルール設定)が設けられている。
【0044】
次に、上記画像処理装置の動作について説明する。図4は、図1に示す画像処理装置の動作について説明するフローチャートである。
【0045】
例えば、ユーザーによりスキャンボックス保存ジョブが要求されると、ジョブ管理部21は、画像読取装置1に文書画像を読み取らせ、画像読取装置1から文書画像の画像データを取得する(ステップS1)。
【0046】
そして、ボックス保存処理部22は、ユーザーにより指定された文書ボックス11を特定するとともに(ステップS2)、ユーザーによりファイル名が指定されているか否かを判定する(ステップS3)。
【0047】
ユーザーによりファイル名が指定されている場合には、ボックス保存処理部22は、そのファイル名を指定して、文書画像の画像ファイルを、指定された文書ボックス11に保存する(ステップS4)。
【0048】
一方、ユーザーによりファイル名が指定されていない場合には、ボックス保存処理部22は、指定された文書ボックス11のボックス属性データ12に、ファイル名抽出ルールが含まれているか否かを判定する(ステップS5)。
【0049】
指定された文書ボックス11のボックス属性データ12に、ファイル名抽出ルールが含まれている場合、ボックス保存処理部22は、文書画像における、そのファイル名抽出ルールにより指定される画像領域を特定し、その画像領域から文字列をファイル名として抽出する(ステップS6)。なお、そのファイル名抽出ルールによりファイル名が得られなかった場合、その他ルール設定がオンであれば、その他ルール設定でファイル名が生成される。
【0050】
一方、指定された文書ボックス11のボックス属性データ12に、ファイル名抽出ルールが含まれていない場合、ボックス保存処理部22は、デフォルトの(つまり、複数の文書ボックス11に共通な)ファイル名生成ルールでファイル名を生成する(ステップS7)。
【0051】
そして、ボックス保存処理部22は、ステップS4,S6,S7のいずれかで得られたファイル名を画像ファイルに付して、画像ファイルを、指定された文書ボックス11に保存する(ステップS8)。
【0052】
図5は、文書画像から特定されるファイル名の具体例について説明する図である。
【0053】
図3に示すファイル名設定ルールが適用される場合、例えば図5に示すように、ボックス名が「見積書」である文書ボックス11に見積書の文書画像101(文書の一例)の画像ファイルが保存されるときには、見積書の文書画像101に適したファイル名抽出ルールでファイル名が特定され、ボックス名が「出願依頼書」である文書ボックス11に出願依頼書の文書画像102(文書の一例)の画像ファイルが保存されるときには、出願依頼書の文書画像102に適したファイル名抽出ルールでファイル名が特定される。
【0054】
以上のように、上記実施の形態によれば、ボックス保存処理部22は、文書画像の画像ファイルの保存先となる文書ボックス11を特定し、文書画像のファイル名を指定して、画像ファイルを、特定した文書ボックス11に保存する。その際、ボックス保存処理部22は、特定した文書ボックス11のボックス属性データ12におけるファイル名抽出ルールを特定し、文書画像における、ファイル名抽出ルールにより指定された箇所からファイル名を抽出し、抽出したファイル名を指定して、画像ファイルを、特定した文書ボックス11に保存する。
【0055】
これにより、文書の画像ファイルが複数の文書ボックス11に分類して保存される場合でも、文書ボックス11に応じて、ユーザーが画像ファイルの内容を特定しやすいファイル名が設定される。
【0056】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、例えば、複合機などの画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0058】
2 記憶装置
11 文書ボックス
12 ボックス属性データ
22 ボックス保存処理部
図1
図2
図3
図4
図5